JP2004308819A - ベアリングヒーター - Google Patents
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Abstract
【課題】すばやい加熱を達成し安全性が高く、しかも小型・軽量で、その上使い易さを考慮したベアリングヒータの提供。
【解決手段】非磁性体の円筒棒2を直立に設置し、その円筒棒の回りに導電性物質コイル3を巻き、この導電性物質によって約20〜50KHzの高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリング5を加熱することが可能な、高周波電磁場誘導加熱手段によるベリングヒーター装置。
【選択図】図3
【解決手段】非磁性体の円筒棒2を直立に設置し、その円筒棒の回りに導電性物質コイル3を巻き、この導電性物質によって約20〜50KHzの高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリング5を加熱することが可能な、高周波電磁場誘導加熱手段によるベリングヒーター装置。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、約25KHzの高周波電磁誘導加熱による輻射熱によって、ベアリングを約80〜120℃に加温化することを特徴とするベアリングヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベアリングの装填には、ベアリングヒータのほか種々の方式が採用されているが、手間及び工費の節減効果、加熱油の不使用、安全性、小型化、軽量化等の様々な問題が対費用効果のうえで課題となっている。この手段としては、低周波電磁誘導加熱を使う技術があり、実用化されている(特許文献1)。
【先行文献】
【特許文献1】実公昭59−1351
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、すばやい加熱を達成し、安全性高く、しかも小型・軽量、その上使用し易さを考慮したベアリングヒータを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題解決のために、高周波電磁誘導加熱による輻射熱によって高速加熱する装置を提供することで本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
「1.約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱手段によるベリングヒーター装置。
2.80〜120℃の温度にベアリングを加熱する機能を担持する前項1の装置。
3.非磁性体の円筒棒を直立に設置し、その円筒棒の回りに導電性物質を巻き、この導電性物質によって約20〜50KHzの高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリングを加熱することが可能な前項1又は2の装置。
4.非磁性体の円筒棒の直径が20〜200mm、円筒棒の長さが200〜1000mmである前項1〜3の何れか一に記載の装置。
5.電流量が、2〜10kVAに調節される機能を担持する前項1〜4の何れか一に記載の装置。
6.非磁性体の円筒棒表面と装填されたベアリング表面の空隙長が約1〜20mmである前項1〜5の何れか一に記載の装置。
7.約20〜50KHzの高周波コイル線が、円筒棒に巻きつけられていることから、ベアリングが円筒棒の上部から直接装填可能である前項1〜6の何れか一に記載の装置。
8.ベアリングの装填及び抜き取りにあわせて、ベアリング装填台が上下に移動可能なセンサーを設置し、常に上部から容易にベアリングの脱着が可能である前項1〜7の何れか一に記載の装置。
9.約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱が、10秒〜3分の間で自動通電停電が可能な前項1〜8の何れか一に記載の装置。
10.円筒棒が、カートリッジ式になっており、必要とするベアリング直径に合わせて、円筒棒が交換可能である前項1〜9の何れか一に記載の装置。
11.円筒棒が、複数直径からなる円筒段差構造になっており、ことなる直径をもつベアリングを同時に装填可能にした前項1〜10の何れか一に記載の装置。
12.少なくとも3個以上のベアリングの加熱を同時に達成可能な前項1〜11の何れか一に記載の装置。
13.ダミーベアリングの装填を可能にした前項1〜11の何れか一に記載の装置」からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱手段を使うことを特徴にするベリングヒーター装置である。高周波とは、約20〜50KHzをいい、通常20KHz以上、好ましくは20〜30KHzである。高周波による電磁場の形成は、導電性に優れた例えば銅製(その他、銀やアルミニウム)のコイル線、リッツ線、その他導電性線材(例えばガラス繊維で被覆された銅線等)等によって、筒状の非磁性体の円筒棒外面を密に巻回して誘導コイルを形成させ、これに高周波交流電源を流して、電磁場を形成させる。この電磁場によるジュール熱を利用して目的のベアリングを加熱させる。作業は、円筒棒に加熱目的のベアリングを上から装填することによって加熱し、加熱後容易に抜き取り、ベアリング装填に供することを可能とする。
【0007】
加温は、通電後約30〜60秒で約80〜120℃の温度に達し、ベアリング表面を加熱する機能を担持する。加温が、3分を超えると及び120℃を超えるとベアリングの劣化がおこるので、本発明の装置では電子温度調節器及びセルフタイマーを設置させている。
【0008】
非磁性体の円筒棒とは、例えば陶器、セラミック性の物質等を意味するが、これに限定されない。円筒棒は直立に設置され、上部から直接ベアリングが装填可能である。円筒棒の回りには、密にコイル線等の導電性物質を巻く。このコイル線等の導電性物質に約20〜50KHzの高周波電流が通電され、高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリングを加熱される。
【0009】
非磁性体の円筒棒の直径は、導電性物質が巻き込まれた状態で、20〜200mm、円筒棒の長さは200〜1000mmである。この直径は、加熱を所望するベアリング円形空瞭部の内径に依存して決定される。円筒棒の長さは装填するベアリングの数に依存するが、あまり身近すぎると十分な電磁誘導ができないので加熱効果が十分でない。
【0010】
本発明で、通電される高周波電流の電流量は、2〜10kVAに調節される。調節は、自体公知のバランシングトランス等を使いこの範囲の数値に調節される。電流量は一般的には約5kVA調節して通電される。電流量を強くすれば、早く目的の温度に達するが、ベアリング自体を損傷する可能性があるので好ましくない。
【0011】
非磁性体の円筒棒表面と装填されたベアリング表面の空隙長が約1〜20mmであることがこのましい。この空隙は、大きすぎると温度上昇に無駄を生じるし、狭すぎるとベアリングの出し入れが困難となる。非磁性体の円筒棒表面には、導電性のコイルが密に巻かれているので、表面とはこの巻かれたコイルの外側を意味する。
【0012】
本発明の特徴は、約20〜50KHzの高周波コイル線が、円筒棒に巻きつけられていることである。この結果、加熱目的のベアリングが円筒棒の上部から直接に装填そして抜き取りが可能である。これにより、ベアリングの加熱作業の大幅な効率化が達成される。
【0013】
また、本発明の好適な実施の態様では、ベアリングの装填及び抜き取りにあわせて、ベアリング装填台が上下に移動可能なセンサーを設置し、常に上部から容易にベアリングの脱着が可能である調節機能をもつ。ベアリング装填台は、上下に可動であり、ベアリングの装填のない状態では、最上部にあり、ベアリングをそのまま装填可能である。ベアリングを1つ装填すると、センサーは動きを感知し、ベアリング装填台が1段階下に下がる。以降、装填するベアリングの数に合わせて、ベアリング装填台が1段階ずつ下がっていく。一方、ベアリングを上から抜き取るとセンサーは抜き取り移動を感知し、ベアリング装填台は一段階上昇する。以降、抜き取りに応じてベアリング装填台が1段階下ずつ上がっていく
【0014】
本発明の、好適な実施の態様では、約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱が、10秒〜3分の間で自動通電停電が可能なタイマーを設置する。これは、加熱の切断をきり忘れるとベアリングの劣化をおこすことから、ベアリングの装填後、通電開始に合わせて自動的に時間を管理し、最大でも3分間で通電がオフになるようにタイマー機能をもつ。
【0015】
別の本発明の好適な実施態様では、導電性のコイルが密に巻かれている円筒棒が、カートリッジ式になっており、必要とするベアリング直径に合わせて、円筒棒が交換可能である。これは、ベアリングの種類を複数種場合により加熱を要する場合有効である。円筒棒は、長さ及び/又は直径において、複数種カートリッジ式にする。円筒棒の下端には、嵌合のための凹部を持つことが好ましい。これは凸型でも使用可能であるが、保存時を考慮すると凹型が好ましい。円筒棒に巻かれた通電性物質は、通電のための接続端子を持ち、用事差換え通電可能である。
【0016】
別の本発明の好適な実施態様は、円筒棒が、複数直径からなる円筒段差構造になっており、ことなる直径をもつベアリングを同時に装填可能にする。少量、多種類のベアリングを同時に加熱するためには、好適である。
【0017】
本発明の装置にあっては、少なくとも3個以上のベアリングの加熱を同時に達成可能である。これは高周波電磁場誘導加熱による特徴であって、ある程度の電磁場には、体積が必要である。1個のベアリングのみを加熱する場合には、ダミーのベアリングと同等な対電磁性を持つ物質を装填しておくことが必要となる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例で本発明を説明する。
【実施例1】
図1は、ベアリングを装填していない斜視図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲4▼は、操作板である。図1の状態は、ベアリング装填台が最下段の状態にある。図2は、ベアリングを装填していない斜視図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲4▼は、操作板である。図2の状態は、ベアリング装填台が最上段の状態にある。
図3は、ベアリングを装填した横断面図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲5▼はベアリングであり、8個のベアリングが装填されている。▲6▼は嵌合のための凹凸部であり、▲7▼は、ベアリングセンサーで、ベアリングの装填に応じてセンサーが感知し、▲1▼のベアリング装填台を下げていく指令を連通する。▲8▼は導電体物質コイルの連結部であり、円筒棒のカセット化のためには切り替え接続部となる。図4は、ベアリングを装填した斜視図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲4▼は、操作板である。図4の状態は、ベアリング装填台が最下段の状態にある。
図2の状態はベアリング装填台が最上部に位置する状態を示し、ベアリング装填台が円筒最上部に位置する状態でベアリングは装填される。一つのベアリングをセンサーが感知すると連通してベアリング装填台▲1▼が一段階下がる。そして、次々と上部より、ベアリングを装填していく。所望のベアリングの装填が完了すると、ベアリング加熱装置は、約25kHzの高周波交流電流をコイル▲3▼に通電させる。▲5▼と▲3▼の空隙に磁場が形成され、加熱がおこり、ベアリングが輻射熱を吸収して数分で約80℃の温度に上昇し、目的加熱が達成される。ベアリングは加温後、直ちに目的物体に装填される。ベアリングは、一つ抜き取られるごとにセンサーを感知し、▲1▼のベアリング装填台は上に上昇し、ベアリング装填台最上部は常に▲2▼の円筒の最上部に位置し、ベアリングの抜き取りを容易にする。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、高周波電磁誘導加熱による輻射熱によって、ベアリングを容易に加熱する手段を提供した。このような形態の、簡便性、効率性を確保したベアリングヒータは、従前にはみられなかった産業上の有用性を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベアリングヒータの斜面図である。
【図2】ベアリングヒータの斜面図である。
【図3】ベアリングヒータの断面図である。
【図4】ベアリングヒータの斜面図である。
【符号の説明】
▲1▼:ベアリング装填台
▲2▼:非磁性体の円筒棒
▲3▼:導電体物質コイル
▲4▼:操作板
▲5▼:ベアリング
▲6▼:嵌合のための凹凸部
▲7▼:ベアリングセンサー
▲8▼:導電体物質コイルの連結部
【発明の属する技術分野】
本発明は、約25KHzの高周波電磁誘導加熱による輻射熱によって、ベアリングを約80〜120℃に加温化することを特徴とするベアリングヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベアリングの装填には、ベアリングヒータのほか種々の方式が採用されているが、手間及び工費の節減効果、加熱油の不使用、安全性、小型化、軽量化等の様々な問題が対費用効果のうえで課題となっている。この手段としては、低周波電磁誘導加熱を使う技術があり、実用化されている(特許文献1)。
【先行文献】
【特許文献1】実公昭59−1351
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、すばやい加熱を達成し、安全性高く、しかも小型・軽量、その上使用し易さを考慮したベアリングヒータを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題解決のために、高周波電磁誘導加熱による輻射熱によって高速加熱する装置を提供することで本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
「1.約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱手段によるベリングヒーター装置。
2.80〜120℃の温度にベアリングを加熱する機能を担持する前項1の装置。
3.非磁性体の円筒棒を直立に設置し、その円筒棒の回りに導電性物質を巻き、この導電性物質によって約20〜50KHzの高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリングを加熱することが可能な前項1又は2の装置。
4.非磁性体の円筒棒の直径が20〜200mm、円筒棒の長さが200〜1000mmである前項1〜3の何れか一に記載の装置。
5.電流量が、2〜10kVAに調節される機能を担持する前項1〜4の何れか一に記載の装置。
6.非磁性体の円筒棒表面と装填されたベアリング表面の空隙長が約1〜20mmである前項1〜5の何れか一に記載の装置。
7.約20〜50KHzの高周波コイル線が、円筒棒に巻きつけられていることから、ベアリングが円筒棒の上部から直接装填可能である前項1〜6の何れか一に記載の装置。
8.ベアリングの装填及び抜き取りにあわせて、ベアリング装填台が上下に移動可能なセンサーを設置し、常に上部から容易にベアリングの脱着が可能である前項1〜7の何れか一に記載の装置。
9.約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱が、10秒〜3分の間で自動通電停電が可能な前項1〜8の何れか一に記載の装置。
10.円筒棒が、カートリッジ式になっており、必要とするベアリング直径に合わせて、円筒棒が交換可能である前項1〜9の何れか一に記載の装置。
11.円筒棒が、複数直径からなる円筒段差構造になっており、ことなる直径をもつベアリングを同時に装填可能にした前項1〜10の何れか一に記載の装置。
12.少なくとも3個以上のベアリングの加熱を同時に達成可能な前項1〜11の何れか一に記載の装置。
13.ダミーベアリングの装填を可能にした前項1〜11の何れか一に記載の装置」からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱手段を使うことを特徴にするベリングヒーター装置である。高周波とは、約20〜50KHzをいい、通常20KHz以上、好ましくは20〜30KHzである。高周波による電磁場の形成は、導電性に優れた例えば銅製(その他、銀やアルミニウム)のコイル線、リッツ線、その他導電性線材(例えばガラス繊維で被覆された銅線等)等によって、筒状の非磁性体の円筒棒外面を密に巻回して誘導コイルを形成させ、これに高周波交流電源を流して、電磁場を形成させる。この電磁場によるジュール熱を利用して目的のベアリングを加熱させる。作業は、円筒棒に加熱目的のベアリングを上から装填することによって加熱し、加熱後容易に抜き取り、ベアリング装填に供することを可能とする。
【0007】
加温は、通電後約30〜60秒で約80〜120℃の温度に達し、ベアリング表面を加熱する機能を担持する。加温が、3分を超えると及び120℃を超えるとベアリングの劣化がおこるので、本発明の装置では電子温度調節器及びセルフタイマーを設置させている。
【0008】
非磁性体の円筒棒とは、例えば陶器、セラミック性の物質等を意味するが、これに限定されない。円筒棒は直立に設置され、上部から直接ベアリングが装填可能である。円筒棒の回りには、密にコイル線等の導電性物質を巻く。このコイル線等の導電性物質に約20〜50KHzの高周波電流が通電され、高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリングを加熱される。
【0009】
非磁性体の円筒棒の直径は、導電性物質が巻き込まれた状態で、20〜200mm、円筒棒の長さは200〜1000mmである。この直径は、加熱を所望するベアリング円形空瞭部の内径に依存して決定される。円筒棒の長さは装填するベアリングの数に依存するが、あまり身近すぎると十分な電磁誘導ができないので加熱効果が十分でない。
【0010】
本発明で、通電される高周波電流の電流量は、2〜10kVAに調節される。調節は、自体公知のバランシングトランス等を使いこの範囲の数値に調節される。電流量は一般的には約5kVA調節して通電される。電流量を強くすれば、早く目的の温度に達するが、ベアリング自体を損傷する可能性があるので好ましくない。
【0011】
非磁性体の円筒棒表面と装填されたベアリング表面の空隙長が約1〜20mmであることがこのましい。この空隙は、大きすぎると温度上昇に無駄を生じるし、狭すぎるとベアリングの出し入れが困難となる。非磁性体の円筒棒表面には、導電性のコイルが密に巻かれているので、表面とはこの巻かれたコイルの外側を意味する。
【0012】
本発明の特徴は、約20〜50KHzの高周波コイル線が、円筒棒に巻きつけられていることである。この結果、加熱目的のベアリングが円筒棒の上部から直接に装填そして抜き取りが可能である。これにより、ベアリングの加熱作業の大幅な効率化が達成される。
【0013】
また、本発明の好適な実施の態様では、ベアリングの装填及び抜き取りにあわせて、ベアリング装填台が上下に移動可能なセンサーを設置し、常に上部から容易にベアリングの脱着が可能である調節機能をもつ。ベアリング装填台は、上下に可動であり、ベアリングの装填のない状態では、最上部にあり、ベアリングをそのまま装填可能である。ベアリングを1つ装填すると、センサーは動きを感知し、ベアリング装填台が1段階下に下がる。以降、装填するベアリングの数に合わせて、ベアリング装填台が1段階ずつ下がっていく。一方、ベアリングを上から抜き取るとセンサーは抜き取り移動を感知し、ベアリング装填台は一段階上昇する。以降、抜き取りに応じてベアリング装填台が1段階下ずつ上がっていく
【0014】
本発明の、好適な実施の態様では、約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱が、10秒〜3分の間で自動通電停電が可能なタイマーを設置する。これは、加熱の切断をきり忘れるとベアリングの劣化をおこすことから、ベアリングの装填後、通電開始に合わせて自動的に時間を管理し、最大でも3分間で通電がオフになるようにタイマー機能をもつ。
【0015】
別の本発明の好適な実施態様では、導電性のコイルが密に巻かれている円筒棒が、カートリッジ式になっており、必要とするベアリング直径に合わせて、円筒棒が交換可能である。これは、ベアリングの種類を複数種場合により加熱を要する場合有効である。円筒棒は、長さ及び/又は直径において、複数種カートリッジ式にする。円筒棒の下端には、嵌合のための凹部を持つことが好ましい。これは凸型でも使用可能であるが、保存時を考慮すると凹型が好ましい。円筒棒に巻かれた通電性物質は、通電のための接続端子を持ち、用事差換え通電可能である。
【0016】
別の本発明の好適な実施態様は、円筒棒が、複数直径からなる円筒段差構造になっており、ことなる直径をもつベアリングを同時に装填可能にする。少量、多種類のベアリングを同時に加熱するためには、好適である。
【0017】
本発明の装置にあっては、少なくとも3個以上のベアリングの加熱を同時に達成可能である。これは高周波電磁場誘導加熱による特徴であって、ある程度の電磁場には、体積が必要である。1個のベアリングのみを加熱する場合には、ダミーのベアリングと同等な対電磁性を持つ物質を装填しておくことが必要となる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例で本発明を説明する。
【実施例1】
図1は、ベアリングを装填していない斜視図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲4▼は、操作板である。図1の状態は、ベアリング装填台が最下段の状態にある。図2は、ベアリングを装填していない斜視図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲4▼は、操作板である。図2の状態は、ベアリング装填台が最上段の状態にある。
図3は、ベアリングを装填した横断面図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲5▼はベアリングであり、8個のベアリングが装填されている。▲6▼は嵌合のための凹凸部であり、▲7▼は、ベアリングセンサーで、ベアリングの装填に応じてセンサーが感知し、▲1▼のベアリング装填台を下げていく指令を連通する。▲8▼は導電体物質コイルの連結部であり、円筒棒のカセット化のためには切り替え接続部となる。図4は、ベアリングを装填した斜視図であり、▲1▼はベアリング装填台でこの上にベアリングを重ねて装填する。▲2▼は非磁性体の円筒棒であり、この回りに▲3▼の導電体物質コイルが巻きつけられている。▲4▼は、操作板である。図4の状態は、ベアリング装填台が最下段の状態にある。
図2の状態はベアリング装填台が最上部に位置する状態を示し、ベアリング装填台が円筒最上部に位置する状態でベアリングは装填される。一つのベアリングをセンサーが感知すると連通してベアリング装填台▲1▼が一段階下がる。そして、次々と上部より、ベアリングを装填していく。所望のベアリングの装填が完了すると、ベアリング加熱装置は、約25kHzの高周波交流電流をコイル▲3▼に通電させる。▲5▼と▲3▼の空隙に磁場が形成され、加熱がおこり、ベアリングが輻射熱を吸収して数分で約80℃の温度に上昇し、目的加熱が達成される。ベアリングは加温後、直ちに目的物体に装填される。ベアリングは、一つ抜き取られるごとにセンサーを感知し、▲1▼のベアリング装填台は上に上昇し、ベアリング装填台最上部は常に▲2▼の円筒の最上部に位置し、ベアリングの抜き取りを容易にする。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、高周波電磁誘導加熱による輻射熱によって、ベアリングを容易に加熱する手段を提供した。このような形態の、簡便性、効率性を確保したベアリングヒータは、従前にはみられなかった産業上の有用性を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベアリングヒータの斜面図である。
【図2】ベアリングヒータの斜面図である。
【図3】ベアリングヒータの断面図である。
【図4】ベアリングヒータの斜面図である。
【符号の説明】
▲1▼:ベアリング装填台
▲2▼:非磁性体の円筒棒
▲3▼:導電体物質コイル
▲4▼:操作板
▲5▼:ベアリング
▲6▼:嵌合のための凹凸部
▲7▼:ベアリングセンサー
▲8▼:導電体物質コイルの連結部
Claims (13)
- 約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱手段によるベアリングヒーター装置。
- 80〜120℃の温度にベアリングを加熱する機能を担持する請求項1の装置。
- 非磁性体の円筒棒を直立に設置し、その円筒棒の回りに導電性物質を巻き、この導電性物質によって約20〜50KHzの高周波電磁場誘導をおこし、この円筒棒に串刺し状に装填された一又は複数個の円筒ベアリングを加熱することが可能な請求項1又は2の装置。
- 非磁性体の円筒棒の直径が20〜200mm、円筒棒の長さが200〜1000mmである請求項1〜3の何れか一に記載の装置。
- 電流量が、2〜10kVAに調節される機能を担持する請求項1〜4の何れか一に記載の装置。
- 非磁性体の円筒棒表面と装填されたベアリング表面の空隙長が約1〜20mmである請求項1〜5の何れか一に記載の装置。
- 約20〜50KHzの高周波コイル線が、円筒棒に巻きつけられていることから、ベアリングが円筒棒の上部から直接装填可能である請求項1〜6の何れか一に記載の装置。
- ベアリングの装填及び抜き取りにあわせて、ベアリング装填台が上下に移動可能なセンサーを設置し、常に上部から容易にベアリングの脱着が可能である請求項1〜7の何れか一に記載の装置。
- 約20〜50KHzの高周波電磁場誘導加熱が、10秒〜3分の間で自動通電停電が可能な請求項1〜8の何れか一に記載の装置。
- 円筒棒が、カートリッジ式になっており、必要とするベアリング直径に合わせて、円筒棒が交換可能である請求項1〜9の何れか一に記載の装置。
- 円筒棒が、複数直径からなる円筒段差構造になっており、ことなる直径をもつベアリングを同時に装填可能にした請求項1〜10の何れか一に記載の装置。
- 少なくとも3個以上のベアリングの加熱を同時に達成可能な請求項1〜11の何れか一に記載の装置。
- ダミーベアリングの装填を可能にした請求項1〜11の何れか一に記載の装置。
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Cited By (3)
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-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003104693A patent/JP2004308819A/ja not_active Withdrawn
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JP2013528267A (ja) * | 2010-05-26 | 2013-07-08 | シマテック アクチエンゲゼルシャフト | ワーク、特にころがり軸受を加熱する装置 |
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