JP2004304933A - 超音波モータ - Google Patents

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Kazumasa Asumi
一将 阿隅
Takahiro Yamakawa
孝宏 山川
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Abstract

【課題】駆動時の温度上昇を抑制した超音波モータを提供することを目的とする。
【解決手段】超音波モータ10は、被駆動体15と接する接頭部13aおよび接頭部13aを挟んでV字型に開いた翼部13b・13b´を有するヘッド13と、棒状の超音波振動子11a・11bと、超音波振動子11a・11bを保持する保持部材12とを有する。超音波振動子11aはボルト21と、袋ナット22と、圧電板23a・23bと、電極板24a〜24cとを有し、超音波振動子11bも同様の構成を有する。圧電板23a・23bは袋ナット22と翼部13bによって、圧電板23a´・23b´は袋ナット22´と翼部13b´によってそれぞれ所定の力で締め付けられている。この超音波モータ10の機械的品質係数Qmを100以上とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転装置やX−Yステージ等の駆動装置として使用される超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すように、2個の超音波振動子101a・101bと、超音波振動子101a・101bを90度で保持する保持部材102と、略V字型の形状を有し、その頂点部で被駆動体であるロータ106と接し、その翼部(V字に開いている側の部分)で超音波振動子101a・101bと接続されたヘッド103と、を備えた超音波モータ100が知られている(例えば、特許文献1参照)。超音波振動子101a・101bはそれぞれ、リング状の圧電素子104が袋ナット105とヘッド103とによって締め付けられた構造を有している。
【0003】
この超音波モータ100では、超音波振動子101aの圧電素子104と、超音波振動子101bの圧電素子104に、それぞれ位相が約90度ずれた共振周波数を印加することによって、長さ方向に伸縮振動を生じさせ、これによってヘッド103の先端部に楕円運動を生じさせる。楕円運動するヘッド103を一定の力でロータ106の端面に押し付けると、ヘッド103とロータ106との間に生ずる摩擦力によってロータ106の外周の接線方向への推力が加わるために、ロータ106を回転させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−152671号公報(第24〜29段落、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような超音波モータ100は共振現象を利用して変位を拡大させて駆動するために、共振時の振幅が小さい場合には高電圧を投入しなければならず、このとき圧電素子104の発熱が大きくなって分極特性が変化するおそれがあり、駆動特性の再現性が悪くなる。また、超音波モータ100を真空雰囲気で用いる場合には、圧電素子104の発熱によって超音波モータ100全体の温度が大きく上昇し、超音波モータ100を構成する部材の熱膨張によってモータの駆動特性が変化する問題が生ずる。さらに、超音波モータ100は複数の部材を機械的に所定の力で締め付けた構造となっているために、部材間の連結状態にばらつきが生ずると、振動特性がばらつくという問題を生ずる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、温度上昇を抑制した超音波モータを提供することを目的とする。また本発明は、駆動特性のばらつきの少ない超音波モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、圧電素子を備えた略棒状の2個の超音波振動子と、
前記2個の超音波振動子を所定角度で保持する保持部材と、
略V字型の形状を有し、その頂点部で被駆動体に接し、かつ、その翼部にそれぞれ前記超音波振動子が取り付けられる接頭部材と、
を具備する超音波モータであって、
前記接頭部材を被駆動体に接触させていない状態において、前記超音波モータを駆動する共振周波数における前記超音波モータの機械的品質係数は100以上であることを特徴とする超音波モータ、が提供される。
【0008】
このような超音波モータによれば、超音波モータ自体の機械的品質係数が大きいために圧電素子の共振駆動時の発熱が抑制され、これによって圧電素子の駆動特性が安定する。また、超音波モータ間の特性のばらつきも抑えられる。このような本発明の超音波モータにおいては、圧電素子の機械的品質係数は500以上であることが好ましい。
【0009】
圧電素子としては、板状で略中心部に孔部が設けられ、その表裏面に電極が設けられた構造を有するものが好適に用いられ、この場合において、超音波振動子としては、この圧電素子の孔部に挿通して配置される軸部材と、この軸部材の両端に前記圧電素子を所定の力で締め付けるように取り付けられる第1の締結部材および第2の締結部材と、をさらに有する構造のものが好適に用いられる。このような超音波振動子においては、第1の締結部材と第2の締結部材によって締め付けられる部材間の少なくとも1の境界面に潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。これにより超音波モータの駆動特性のばらつきをさらに低減することができる。さらに、このような超音波振動子においては、接頭部材を第2の締結部材とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る超音波モータの構造は基本的に先に図2に示した超音波モータ100と同じであるが、ここで詳しく説明することとする。図1は超音波モータ10の概略構成を示す断面図である。超音波モータ10は、被駆動体15と接するヘッド(接頭部材)13と、2個の棒状の超音波振動子11a・11bと、超音波振動子11a・11bを保持する保持部材12と、有している。
【0011】
ヘッド13は略V字型の形状を有しており、その頂点部(屈折した部分)が被駆動体15と接する接頭部13aとなっている。また、ヘッド13はこの接頭部13aを頂点として90度の角度で開いた翼部13b・13b´を有している。後述するように、この翼部13b・13b´はそれぞれ超音波振動子11a・11bの構成要素でもある。
【0012】
超音波振動子11aは、両端がネジ切りされたボルト21と、ボルト21の一方のネジ溝に嵌合するネジ穴を有する袋ナット22と、ボルト21を挿通させることができる2枚のリング状の圧電板23a・23bと、ボルト21を挿通させることができるリング状の電極板24a〜24cと、ヘッド13の翼部13bから構成される。なお、圧電板23a・23bの表裏面には電極(図示せず)が形成されている。また、翼部13bにはボルト21のネジ溝に嵌合するネジ穴が形成されている。
【0013】
超音波振動子11bは、超音波振動子11aと同様に、ボルト21´と、袋ナット22´と、2枚のリング状の圧電板23a´・23b´と、リング状の電極板24a´〜24c´と、ヘッド13の翼部13b´から構成される。なお、圧電板23a´・23b´の表裏面には電極(図示せず)が形成されており、翼部13b´にはボルト21´のネジ溝に嵌合するネジ穴が形成されている。
【0014】
保持部材12にはボルト21・21´を挿通させるための孔部が設けられている。保持部材12は、袋ナット22と翼部13bとの間が所定の力で締め付けられ、かつ、袋ナット22´と翼部13b´との間が所定の力で締め付けられることによって、超音波振動子11a・11bを保持する。
【0015】
超音波モータ10は次のようにして組み立てられる。圧電板23a・23bが電極板24a〜24cに挟まれるように交互に配置し、これらと保持部材12の一端の孔部にボルト21を通して、ボルト21の一端を翼部13bに軽くねじ込む。次に、圧電板23a´・23b´が電極板24a´〜24c´に交互に挟まれるように配置して、これらと保持部材12の他端の孔部にボルト21´を通して、ボルト21´の一端を翼部13b´に軽くねじ込む。続いて、ボルト21・21´をそれぞれ翼部13b・13b´に所定の力でねじ込んで固定する。さらに、袋ナット22をボルト21の他端に所定の力で締め付けて固定し、同様に袋ナット22´をボルト21´の他端に所定の力で締め付けて固定する。これによって圧電板23a・23b・23a´・23b´(以下「圧電板23a等」という)は所定の力で締め付けられ、ランジュバン型の超音波振動子11a・11bが90度で交差するように配置された超音波モータ10が得られる。
【0016】
保持部材12には押圧機構14を取り付け、この押圧機構14によってヘッド13の接頭部13aが被駆動体15に所定の力で押し付けられるようにする。押圧機構14としては、例えば、エアーシリンダや油圧シリンダ、スプリングコイル等が用いられる。被駆動体15は図示しないX方向に延在するガイドに支持されており、後に説明するように超音波モータ10を駆動して接頭部13aからX方向の力を受けたときにX方向に移動することができるようになっている。
【0017】
圧電板23a・23bの分極の向きは、圧電板23a・23bの間に挟まれている電極板24bについて対称となっている。また、電極板24a・24cは互いに電気的に接続されている。したがって、電極板24bと電極板24cとの間に電圧を印加すると、圧電板23a・23bには同じ位相で変位(振動)が生ずる。つまり、圧電板23a・23bがその厚み方向に共に伸び、または、共に縮む。圧電板23a´・23b´、電極板24a´〜24c´も同様である。
【0018】
このような構造を有する超音波モータ10を駆動する場合には、超音波振動子11aと超音波振動子11bとを、通常は位相が約90度ずれた共振周波数またはその近傍の周波数の交流電圧で駆動する。例えば、図1に示されるように、超音波振動子11aの電極板24bにV=Vsin(2πft)(V;ゼロ−ピーク電圧、f;周波数、t;時間)の交流電圧を印加し、これと同時に超音波振動子11bの電極板24b´にV=Vcos(2πft)の交流電圧を印加する。これによって圧電板23a等が伸縮して超音波振動子11a・11bが長手方向に振動し、接頭部13aには図1に示すような反時計回りの楕円運動が生じ、このとき被駆動体15は+Xの向きに移動する。
【0019】
超音波モータ10をこのようにして駆動した際の圧電板23a等の温度上昇と超音波モータ10全体の温度上昇を抑え、かつ、効率的にヘッド13の接頭部13aに楕円運動を生じさせるために、超音波モータ10を駆動する共振周波数における超音波モータ10の機械的品質係数Qmは、ヘッド13を被駆動体15に接触させていない状態において、100以上とする。ここで、超音波モータ10の機械的品質係数Qmは、実際に用いられる共振周波数近傍でアドミッタンスの実部(コンダクタンス)と虚部(サセプタンス)を測定し、コンダクタンスが極大を示す周波数をf、サセプタンスが極大となる周波数をf、サセプタンスが極小となる周波数をfとすると、Qm=f/(f−f)で算出される。
【0020】
このような特性を得るために、ヘッド13と、ボルト21・21´と、袋ナット22・22´と、保持部材12には特定の金属材料が用いられる。具体的には、好ましい例として、ヘッド13と保持部材12にジュラルミンを用い、ボルト21・21´と袋ナット22・22´にステンレスを用いる場合が挙げられる。逆に不適切な例としては、ヘッド13と保持部材12と袋ナット22・22´に純アルミニウムを用い、ボルト21・21´にニッケルを用いた場合が挙げられる。このようにヘッド13、ボルト21・21´、袋ナット22・22´、保持部材12には、超音波振動を伝える効率の高い金属材料(内部摩擦が小さい材料)を用いることが好ましい。
【0021】
電極板24a〜24cについてもボルト21等と同様の金属材料を用いることが好ましいが、電極板24a〜24cには導電性が高いことも要求される。このため、電極板24a〜24cとしてはベリリウム銅等が好適に用いられる。
【0022】
このようにボルト21と袋ナット22と保持部材12に金属材料が用いられることによって、電極板24a・24cは保持部材12を介して袋ナット22と導通する。同様に、電極板24a´・24c´は保持部材12を介して袋ナット22´と導通する。このため、保持部材12または超音波振動子11aの袋ナット22を圧電板23a・23bを駆動するための接地電極として用いると、超音波振動子11bが具備する圧電板23a´・23b´を駆動する際のアースを同時にとることができる。
【0023】
また、ヘッド13に金属材料が用いられることによってヘッド13は電極板24aと導通するために、保持部材12または超音波振動子11a・11bの袋ナット22・22´のいずれかを接地すれば、ヘッド13もまた接地される。なお、ヘッド13の接頭部13aの表面(被駆動体15と接する部分)に耐摩耗材料、例えば、窒化ケイ素等のコーティングを施すことも好ましい。
【0024】
超音波振動子11aにおいて、翼部13と袋ナット22によって締め付けられる部材間の境界面、つまり、袋ナット22と保持部材12との境界面、保持部材12と電極板24cとの境界面、電極板24aとヘッド13の翼部13bとの境界面には、潤滑剤が薄く塗布されていることが好ましい。これは、2つの部品を所定の力で締め付けた場合には、その平坦度や表面粗度によってその境界に空気溜まりができ、この空気溜まりが超音波振動の伝達を抑制する働きがあるからである。潤滑剤としては、具体的には、真空グリース、シリコングリース、フッ素樹脂グリース等の各種グリース、白色ワセリン、グリセリン等が挙げられる。この潤滑剤によって各部材の間に空気溜まりが生ずることが防止されるために、超音波振動の減衰が抑制される。このことは、超音波振動子11bについても同様であることはいうまでもない。
【0025】
超音波モータ10の機械的品質係数Qmを挙げるためには、圧電板23a等として、その機械的品質係数Qm´が500以上のものを用いることが好ましい。ここで、圧電板23a等の機械的品質係数Qm´は、円板状の圧電セラミック板(圧電板23等のようにリング状のものではない)の径方向の共振周波数近傍でアドミッタンスの実部(コンダクタンス)と虚部(サセプタンス)を測定し、コンダクタンスが極大を示す周波数をf´、サセプタンスが極大となる周波数をf´、サセプタンスが極小となる周波数をf´とすると、Qm´=f´(f´−f´)で算出される。具体的には、圧電板23a等として用いられる材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックスが挙げられる。
【0026】
表1は、超音波モータ10と同じ構造を有し、種々の機械的品質係数Qmを有する超音波モータを作製し、得られた超音波モータを、被駆動体15の移動速度が0.5m/秒となるように駆動電圧を調整して共振駆動させた場合の圧電板の温度変化を空気中で測定した結果を示している。
【0027】
【表1】
Figure 2004304933
【0028】
ここで、機械的品質係数Qmが20の試料1は、ヘッドと保持部材と袋ナットに純アルミニウムを用い、かつ、ボルトにニッケルを用い、圧電板に機械的品質係数Qm´が1800のPZT系材料を用いて作製した超音波モータである。これに対して機械的品質係数Qmが100〜500の試料2〜4は、ヘッドと保持部材にジュラルミンを用い、ボルトと袋ナットにステンレスを用い、圧電板に機械的品質係数Qm´が約1800のPZT系材料を用いて作製した超音波モータである。なお、圧電板の温度測定は放射温度計を用いて行われている。また、試料1〜試料4の超音波モータの組み立てには、真空グリース等の潤滑剤は使用していない。
【0029】
表1に示されるように、超音波モータを構成する圧電板の温度上昇は、機械的品質係数Qmが20の場合には25℃であった。このように空気中での上昇温度が25℃であっても、超音波モータを真空雰囲気で同様に駆動させた場合、例えば、ステッパーのX−Yステージに用いる場合には、放熱性が低下するために温度はより高く上昇する。これによって圧電板の分極特性が変化し、また超音波モータを構成する部材の熱膨張によって振動特性が変化する等の問題を生ずるようになる。しかし、機械的品質係数Qmが100以上の場合には、圧電板の温度上昇は5℃以下に抑えられることが確認された。このように試料2〜4の超音波モータでは、圧電板の圧電特性を一定に保持することができるために駆動特性が安定し、駆動特性の再現性も良好となる。
【0030】
なお、実質的に同等であると考えられる部材を用いて作製した試料2〜4の超音波モータについて、機械的品質係数Qmの値が100〜500とばらついている理由としては、前述したように、所定の力によって締め付けられる部材間の境界面の状態にばらつきが生じていること等が考えられた。そこで、袋ナットの端面と、ヘッドの翼部の端面と、保持部材の表面にシリコングリースを薄く塗布して超音波モータを組み立てて、これらを、被駆動体15の移動速度が0.5m/秒となるように駆動電圧を調整して共振駆動させた場合の圧電板の温度変化を空気中で測定した結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 2004304933
【0032】
表2に示されるように、超音波モータの機械的品質係数Qmは約450〜680と一定となり、超音波モータ毎の特性のばらつきが抑えられ、超音波モータの品質のばらつきを低減する方法として、所定の部材に真空グリース等の潤滑剤を塗布して超音波モータの組み立てることが有効であることが確認された。
【0033】
表3は、機械的品質係数Qm´の異なる種々の圧電材料(xPb(Mn1/3Nb2/3)O−(1−x)Pb(ZrTi)O;x=0.2〜0.8)で作製された圧電板を用いて超音波モータ10と同じ構造を有する超音波モータを作製し、得られた超音波モータを、被駆動体15の移動速度が0.5m/秒となるように駆動電圧を調整して共振駆動させた場合の圧電板の温度変化を測定した結果を示している。なお、表3には各圧電材料を用いた場合の超音波モータの機械的品質係数Qmを並記している。
【0034】
【表3】
Figure 2004304933
【0035】
表3に示されるように、試料9のように圧電板に機械的品質係数Qm´が150の材料が用いられている場合には圧電板の温度上昇が15℃であるのに対し、試料10〜12のように圧電板に機械的品質係数Qm´が500〜1400の材料が用いられている場合には圧電板の温度上昇は5℃以下である。このことから、本発明の超音波モータには、機械的品質係数Qm´が500以上の材料を用いることが好ましいことが確認された。
【0036】
さらに表4に、袋ナット22と袋ナット22´の締め付け力の大きさを変えた超音波モータを作製して、それらの機械的品質係数Qmを測定した結果を示す。なお、表4中の「締め付け力A」は袋ナット22をトルクレンチを用いて締め付けたときの力を示しており、「締め付け力B」は袋ナット22´をトルクレンチを用いて締め付けたときの力を示している。表4に示す試料13〜16の超音波モータの組み立てに際して真空グリース等は用いていない。この表4から、袋ナット22・22´の締め付け力が同等の場合、つまり、2つの超音波振動子11a・11bが同じように組み立てられている場合に、高い機械的品質係数Qmが得られることがわかる。
【0037】
【表4】
Figure 2004304933
【0038】
以上、本発明の超音波モータの実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、超音波モータ10においては、ヘッド13の翼部13bを圧電板23a・23bを締め付ける部材として利用することによって超音波振動子11aを構成したが、例えば、2個のナットで圧電板23a・23bが所定の力で締め付けられた棒状のランジュバン型超音波振動子を予め作製し、これを略V字型のヘッド13の翼部13bに接続してもよい。
【0039】
また、2枚の圧電板23a・23bを備えた超音波振動子11aを示したが、圧電板は1枚でもよく3枚以上であってもよい。さらに、セラミックグリーンシートを用いた同時焼成法(一体焼成法)により作製された、圧電セラミック薄板と電極とが交互に積層された積層型圧電素子を、圧電板23a等として用いてもよい。さらにまた、ヘッド13として屈折角度が90度のものを示したが、ヘッドの屈折角度は、例えば30度や60度、120度であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、超音波モータ自体の機械的品質係数が大きいために共振駆動時の圧電素子の発熱が抑制され、これによって圧電素子の駆動特性が安定する。また、所定の力で締め付けられている部材の間の境界面に潤滑剤を塗布することにより、超音波モータの駆動特性のばらつきを低減することができ、品質を一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの概略の構造を示す断面図。
【図2】従来の超音波モータの概略の構造を示す説明図。
【符号の説明】
10;超音波モータ
11a・11b;超音波振動子
12;保持部材
13;ヘッド
13a;接頭部
13b・13b´翼部
14;押圧機構
15;被駆動体
21;ボルト
22;袋ナット
23a・23b・23a´・23b´;圧電板
24a〜24c;24a´〜24c´;電極板
100;超音波モータ
101a・101b;超音波振動子
102;保持部材
103;ヘッド
104;圧電素子
105;袋ナット
106;ロータ

Claims (4)

  1. 圧電素子を備えた略棒状の2個の超音波振動子と、
    前記2個の超音波振動子を所定角度で保持する保持部材と、
    略V字型の形状を有し、その頂点部で被駆動体に接し、かつ、その翼部にそれぞれ前記超音波振動子が取り付けられる接頭部材と、
    を具備する超音波モータであって、
    前記接頭部材を被駆動体に接触させていない状態において、前記超音波モータを駆動する共振周波数における前記超音波モータの機械的品質係数は100以上であることを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記圧電素子の機械的品質係数が500以上であることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記圧電素子は、板状で略中心部に孔部が設けられ、その表裏面に電極が設けられた構造を有し、
    前記超音波振動子は、さらに、
    前記圧電素子の孔部に挿通して配置される軸部材と、
    前記軸部材の両端に前記圧電素子を所定の力で締め付けるように取り付けられる第1の締結部材および第2の締結部材と、
    を有し、
    前記第1の締結部材と前記第2の締結部材によって締め付けられる部材間の少なくとも1の境界面に潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 前記接頭部材が前記第2の締結部材であることを特徴とする請求項3記載の超音波モータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205307A (ja) * 2004-01-22 2005-08-04 Nippon Steel Corp 超音波角形篩装置
JP2006217719A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Fujitsu Ltd 圧電アクチュエータ、その製造方法、その駆動方法、及び、磁気ディスク装置

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