JP2004304624A - ミリ波帯送信装置及びミリ波帯受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】RFモジュールを用いることでミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させつつ、RFモジュールを精度よく装置内に組み込むことができるようにしてミリ波の低損失化を図る。
【解決手段】ミリ波帯送信装置30は、ケース本体70に、F型コネクタ71から入力されるBS−IF信号に対して各種処理を施す信号処理回路が形成された基板31と、そのBS−IF信号をRF信号に変換して一次放射器から放射するRFモジュール41と、を備える。このRFモジュールは基板の所定位置に固定される。基板は、孔部H1,H2を備えている。孔部H1,H2には、ケース本体に設けられたピンP1,P2が挿入され、これにより基板は、ケース本体の所定位置に位置決めされる。ケース本体70の上部には、導波孔72にレンズアンテナ90が嵌合された蓋73が、ピンP3,P4により位置決めされてケース本体70に固定される。
【選択図】 図3
【解決手段】ミリ波帯送信装置30は、ケース本体70に、F型コネクタ71から入力されるBS−IF信号に対して各種処理を施す信号処理回路が形成された基板31と、そのBS−IF信号をRF信号に変換して一次放射器から放射するRFモジュール41と、を備える。このRFモジュールは基板の所定位置に固定される。基板は、孔部H1,H2を備えている。孔部H1,H2には、ケース本体に設けられたピンP1,P2が挿入され、これにより基板は、ケース本体の所定位置に位置決めされる。ケース本体70の上部には、導波孔72にレンズアンテナ90が嵌合された蓋73が、ピンP3,P4により位置決めされてケース本体70に固定される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波帯の無線電波を送信するためのミリ波帯送信装置、及び、その無線電波を受信するためのミリ波帯受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミリ波帯の無線電波を送/受信するミリ波帯送信装置/受信装置としては、映像多重伝送システムにおいてテレビ放送信号を家庭内に伝送するための送受信装置や、自動車用のミリ波レーダ装置などが知られている。
【0003】
ミリ波帯送信装置/受信装置は、主に、高周波アナログ集積回路であるMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)等で構成されミリ波を取り扱うRF回路部と、中間周波信号に各種処理を施すIF回路部と、アンテナと、から構成される。アンテナ及びRF回路部は低損失化のため、導波管で相互に接続され、RF回路部及びIF回路部は、金ワイヤを用いたボンディングワイヤ接続や、ケーブル接続などにて相互接続される。
【0004】
ところで、従来は、装置の小型・低コスト化を図ると同時に、ミリ波固有の加工精度を満たすため、ミリ波が伝送される全ての部分(RF回路部、導波管、アンテナなど)を専用ラインで一体に作製してミリ波帯送信装置/受信装置を組み立てる手法が採用されてきた。しかしながら、RF回路部においてミリ波の伝送線路を形成する工程などでは精密な加工技術が要求されるため、上述の手法では、組み立て効率が悪く低コスト化に一定度の限界があった。
【0005】
このような問題に鑑み、近年では、ミリ波を取り扱うRF回路部をモジュール化し、IF回路部と同様に扱うことで、ミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させ、低コスト化を図ることが考えられている(例えば、非特許文献1,2)。
【0006】
【非特許文献1】
「マルチメディアワイヤレス通信システム用60GHz帯超小型モノリシックT/Rモジュール」(”Sixty−GHz−Band Ultra−Miniature Monolithic T/R Modules for Multimedia Wireless Communication Systems”),「マイクロ波理論・技術のIEEE会報」(”IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques.”),(アメリカ合衆国),1996年12月,第44巻,第12号,p.2354−2360
【非特許文献2】
「パッチアンテナを組み込んだコスト効果のあるミリ波ワイヤレスシステム用RFモジュール」(”A Cost−Effective RF−Module with Built−in Patch Antenna for Millimeter−Wave Wireless Systems”),「第29回ヨーロッパマイクロ波会議議事録(ミュンヘン)」(”29th European Microwave Conference Proceedings,Munich”),(ドイツ),1999年,第3巻,第M−Thc4号,p.347−350
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、RF回路部をモジュール化してミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させようとしても、RFモジュール及びアンテナの位置合わせに必要な精度が満足されないと、ミリ波の伝送効率が劣化するといった問題があった。一方、モジュールを精度よくミリ波帯送信装置/受信装置内に配置するために、複雑な手法を採用すれば、RF回路部をモジュール化しても、ミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を効果的に向上させることができないといった問題があった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、RFモジュールを用いることでミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させつつ、RFモジュール及びアンテナを簡便に位置合わせすることによりミリ波の低損失化を図り、高性能なミリ波帯送信装置及びミリ波帯受信装置を安価に製造可能にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載のミリ波帯送信装置は、導波孔が形成されたケース本体を備える。また、コネクタから入力される信号に所定の処理を施し、処理後の信号を出力端子から出力する信号処理回路が形成された基板と、RFモジュールとを、そのケース本体の内部に備える。また、このミリ波帯送信装置は、ケース本体の導波孔に対応する位置に(例えば、ケース本体の導波孔に接する位置に)、送信アンテナを備える。RFモジュールは、基板の出力端子に接続された入力端子から得た上記信号処理回路の出力信号をミリ波帯のRF(無線周波)信号に変換する変換回路、及び、変換回路が出力するミリ波帯のRF信号を、ケース本体の導波孔に向けて放射する放射器、を備える。
【0010】
上記送信アンテナは、この放射器から放射されるRF信号を、ケース本体の外部に送信する。そして更に、本発明のミリ波帯送信装置は、上述構成のRFモジュールと、送信アンテナとを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造を備える。
【0011】
本発明のミリ波帯送信装置では、RFモジュール及び送信アンテナを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造が備えられているから、簡単にRFモジュール及び送信アンテナを装置内に精度よく組み付けることができる。したがって、本発明によれば、ミリ波の伝送効率が劣化するのを抑えることができて、高性能なミリ波帯送信装置を安価に製造することができる。
【0012】
尚具体的に、上記位置決め構造として、ケース本体には、基板及び送信アンテナをケース本体の所定の位置に固定するためのピン止め部を設けると良い。
このように構成された請求項2記載のミリ波帯送信装置によれば、ピン止めにより基板と送信アンテナとを簡単にケース本体の所定位置に固定できる。したがって、RFモジュールを基板の予め定められた位置に固定する程度で、簡単にRFモジュール及び送信アンテナを、所定の位置関係で当該装置内に固定することができる。
【0013】
結果、本発明(請求項2)によれば、ミリ波の伝送効率が劣化するのを抑えつつ簡単にRFモジュール及び送信アンテナを装置内に組み付けることができる。したがって、本発明(請求項2)によれば、高性能なミリ波帯送信装置を安価に製造することができる。尚、上記ケース本体には、ピン止め部として、例えば、ピンを挿入するための孔部を設けるとよい。また、ケース本体には、ピン止め部として、ピンを設けてもよく、それに対応して、基板及び送信アンテナにピンを挿入するための孔部を設けてもよい。
【0014】
ところで、RFモジュールを用いてミリ波帯送信装置を構成しようとすると、組み立て効率が良好になるのとは反対に、装置が大型化する可能性がある。したがって、装置が大型化するのを回避するためには、請求項3記載のようにミリ波帯送信装置を構成するのが好ましい。請求項3記載のミリ波帯送信装置は、請求項1又は請求項2に記載のミリ波帯送信装置において、基板を、RFモジュールの放射器と、ケース本体の導波孔との間に配置すると共に、RFモジュールの放射器からケース本体の導波孔までのRF信号の伝送経路に対応する基板上の位置に導波孔を設けたものである。
【0015】
請求項3記載のミリ波帯送信装置では、RFモジュールの放射器とケース本体の導波孔との間に基板を配置しているので、基板及びRFモジュールをケース本体内にコンパクトに収納することができる。したがって、請求項3記載の発明によれば、高性能なミリ波帯送信装置を小型化しつつ安価に作製することができる。
【0016】
また、請求項4記載のミリ波帯送信装置は、請求項1〜3記載のミリ波帯送信装置において、RFモジュールの放射器からケース本体に形成された導波孔までの伝送経路に、導波管構造を設けたものである。請求項4記載のミリ波帯送信装置によれば、送信装置内の伝送ロスを抑えることができ、ミリ波帯送信装置の伝送効率を高くすることができる。
【0017】
尚、請求項4記載のミリ波帯送信装置が備える上記導波管構造は、カットオフ周波数がRFモジュールの放射器から放射されるRF信号の下限周波数となるように構成されるとよい。このように構成されたミリ波帯送信装置によれば、カットオフ周波数以下の不要信号を効果的に除去することができる。
【0018】
以上、本発明のミリ波帯送信装置に関して述べたが、同様の構成を、ミリ波帯受信装置に適用することも可能である。請求項5記載のミリ波帯受信装置は、導波孔が形成されたケース本体を備えると共に、そのケース本体の内部に、RFモジュール、及び、信号処理回路が形成された基板、を備える。また、このミリ波帯受信装置は、ケース本体の導波孔に対応する位置に(例えば、ケース本体の導波孔に接する位置に)、受信アンテナを備える。
【0019】
受信アンテナは、ケース本体の外部から送信されてくるミリ波帯の無線電波を受信し、その無線電波に対応するRF信号を、ケース本体の導波孔を介して、ケース本体の内部に放射する。RFモジュールは、ケース本体の導波孔からケース本体内部に放射されたRF信号を受信する受信器と、その受信器が受信したRF信号を中間周波信号に変換し、その中間周波信号を出力端子から出力する変換回路と、を備える。
【0020】
また、基板に形成された信号処理回路は、RFモジュールの上記出力端子に接続された入力端子を備えており、その入力端子から入力される上記変換回路の出力信号に所定の処理を施し、その処理後の信号を出力する。その他、このミリ波帯受信装置は、RFモジュール及び受信アンテナを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造を備える。
【0021】
請求項5記載のミリ波帯受信装置では、RFモジュール及び受信アンテナを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造が設けられているから、ミリ波の伝送効率が劣化するのを抑えつつ簡単にRFモジュール及び受信アンテナを装置内に組み付けることができる。したがって、本発明(請求項5)によれば、高性能なミリ波帯受信装置を安価に製造することができる。
【0022】
尚具体的に、上記位置決め構造として、ケース本体には、基板及び受信アンテナを、ケース本体の所定位置に固定するためのピン止め部を設けると良い。
このように構成された請求項6記載のミリ波帯受信装置によれば、ピン止めにより基板と受信アンテナとを簡単にケース本体の所定位置に固定できるから、RFモジュールを基板の予め定められた位置に固定する程度で、簡単にRFモジュール及び受信アンテナを、所定の位置関係で当該装置内に組み付けることができる。尚、上記ケース本体には、ピン止め部として、ピンを挿入するための孔部を設けることができる。また、ケース本体には、ピン止め部として、ピンを設けてもよく、それに対応して、基板及び受信アンテナには、ピンを挿入するための孔部を設けてもよい。
【0023】
また、RFモジュールを用いてミリ波帯受信装置を構成しようとすると、装置が大型化する可能性もあるから、請求項5又は請求項6記載のミリ波帯受信装置においては、装置が大型化するのを回避するために、基板を、ケース本体の導波孔と、RFモジュールの受信器との間に配置し、ケース本体の導波孔からRFモジュールの受信器までのRF信号の伝送経路に対応する基板上の位置に、導波孔を設けるのが良い。
【0024】
このように構成された請求項7記載のミリ波帯受信装置では、ケース本体の導波孔とRFモジュールの受信器との間に、基板が配置されるので、基板及びRFモジュールをケース本体内にコンパクトに収納することができる。したがって、本発明(請求項7)によれば、高性能なミリ波帯受信装置を小型化しつつ安価に作製することができる。
【0025】
また、請求項5〜7記載のミリ波帯受信装置においては、RFモジュールの受信器から、ケース本体に形成された導波孔までの伝送経路に、導波管構造を設けるのが好ましい。請求項8に記載のミリ波帯受信装置によれば、伝送経路に導波管構造が設けられているので、受信装置内の伝送ロスを抑制することができる。したがって、請求項8に記載のミリ波帯受信装置によれば、無線電波を、低損失で受信することができる。
【0026】
尚、請求項8記載のミリ波帯受信装置が備える上記導波管構造は、カットオフ周波数がRFモジュールの受信器にて受信されるべきRF信号の下限周波数となるように構成されるとよい。このミリ波帯受信装置によれば、カットオフ周波数以下の不要信号を効果的に除去することができ、装置の受信能力を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について、図面とともに説明する。尚、図1は、本発明が適用されたミリ波帯送信装置30の電気的構成を概略的に表す説明図、図2は、本発明が適用されたミリ波帯受信装置50の電気的構成を概略的に表す説明図である。
【0028】
本実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、放送波の共同受信システムに用いられるものである。ここで想定している共同受信システムは、無線放送局(BS放送衛星)から無線電波の形態で送信されてくるBS放送波を、一旦、コンバータ10に繋がる共同受信アンテナ11で受信し、その受信信号を従来のように同軸ケーブル等を用いて有線方式で各家庭に配信するのではなく、ミリ波帯送信装置30及び、各家庭に設置されたミリ波帯受信装置50を用いて、無線方式で各家庭に配信するものである。
【0029】
このような共同受信システムでは、例えば、高層建造物(マンション等)の屋上等に共同受信アンテナ11を含むコンバータ10と、ミリ波帯送信装置30と、を設置し、各家庭のベランダ等に図2に示すミリ波帯受信装置50を設置する。尚、本実施例におけるミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、送受信するミリ波帯の無線電波として、特に60GHz帯の無線電波を用いている。
【0030】
図1に示すコンバータ10は、共同受信アンテナ11が受信した無線放送局からのBS放送波を、アンプ12にて増幅した後、発振器13及びミキサ14及びバンドパスフィルタ15を用いて中間周波信号に変換し、その中間周波信号(以下、「BS−IF信号」と記す。)を、アンプ16で増幅してミリ波帯送信装置30に繋がる伝送線L1に出力する。
【0031】
コンバータ10の出力端は、電源挿入器21を備える上記伝送線L1に接続されており、コンバータ10は、電源装置22から電源挿入器21を介して入力される駆動電力(DC15V)を、電源分離回路17にて抽出し、その駆動電力を内部回路に供給して、各部を動作させる。
【0032】
一方、ミリ波帯送信装置30は、コンバータ10から入力されるBS−IF信号に、ミリ波帯受信装置50のPLL回路64の動作に必要な基準信号を重畳して出力する送信信号処理回路を備える基板31と、その基準信号が重畳されたBS−IF信号をRF(無線周波)信号に変換し、一次放射器46からBS放送波の再送信波を放射する送信用RFモジュール41と、をケース本体70(図3参照)の内部に備える。このミリ波帯送信装置30は、F型コネクタ71をケース本体70側面に備えており、伝送線L1から、F型コネクタ71を介して入力される駆動電力を、そのF型コネクタ71に接続された電源分離回路32により抽出し、その電力を内部回路に供給して、各部を動作させる。
【0033】
基板31には、上記送信信号処理回路を構成するものとして、上記電源分離回路32の他に、イコライザ33、合成器34、アンプ35、発振器36、PLL(Phase Locked Loop)回路37、VCO(電圧制御発振器:Voltage Controlled Oscillators)38、などが設けられており、F型コネクタ71から入力されるBS−IF信号は、電源分離回路32を介してイコライザ33に入力される。
【0034】
イコライザ33は、入力されたBS−IF信号の電圧レベルが、所定周波数帯域全体にわたって均一となるようにし、その処理後のBS−IF信号を出力する。このイコライザ33から出力されるBS−IF信号は、次に合成器34に入力される。
【0035】
合成器34は、BS−IF信号に、発振器36から得た基準信号を重畳し、その基準信号が重畳されたBS−IF信号をアンプ35に入力する。アンプ35の出力端は、基板31の端子S5に接続されており、端子S5は、送信用RFモジュール41の端子S1に電気的に接続されている。したがって、アンプ35から出力される増幅後の基準信号が重畳されたBS−IF信号は、送信用RFモジュール41の端子S1に繋がるミキサ42に入力される。
【0036】
その他、VCO38は、PLL回路37から入力される制御電圧に応じた周波数の発振信号を、基板31の端子S6及びそれに電気的に接続された送信用RFモジュール41の端子S2を通じて、逓倍器43に入力する。また、PLL回路37は、VCO38から出力される発振信号、及び、発振器36から入力される基準信号の位相を比較し、その比較結果に応じた電圧を、上記制御電圧としてVCO38に入力する。
【0037】
一方、送信用RFモジュール41は、ミキサ42、逓倍器43、バンドパスフィルタ44、アンプ45、などからなり端子S1からの入力信号をミリ波帯のRF信号に変換する周波数変換回路と、アンプ45から出力されるRF信号を放射する一次放射器46と、を備える。この送信用RFモジュール41は、電源端子S3と、グランド端子S4と、を備えており、電源端子S3から入力される電力により動作する。
【0038】
送信用RFモジュール41が備えるミキサ42は、VCO38から入力された発振信号を逓倍して出力する逓倍器43からの出力信号に基づいて、基板31のアンプ35から得られるBS−IF信号をミリ波帯のRF信号に変換する。RF信号は、そのRF信号に対応する帯域の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタ44を介して、アンプ45に入力される。
【0039】
アンプ45に入力されたRF信号は増幅されて一次放射器46に伝送され、その一次放射器46から、導波孔72(図3参照)に向けて出力される。
一方、ミリ波帯受信装置50は、F型コネクタ71が側面に形成されたケース本体70の内部に、受信用RFモジュール51と、ミリ波帯送信装置30の送信信号から上記BS−IF信号及び基準信号を分離抽出するための受信信号処理回路が形成された基板61と、を備える。また、このミリ波帯受信装置50は、導波孔72を通じてケース本体70内部に伝送されてきたRF信号を受信するための一次放射器52を、受信用RFモジュール51に備えている。
【0040】
図2に示すように、第一実施例のミリ波帯受信装置50が備える受信用RFモジュール51は、受信器として機能する上記一次放射器52の他、アンプ53、ミキサ54、逓倍器55、などから構成される周波数変換回路を備えている。
この受信用RFモジュール51は、ミリ波帯送信装置30からの無線電波を一次放射器52にて受信し、一次放射器52から出力されるミリ波帯のRF信号(受信信号)をアンプ53で増幅する。
【0041】
また、基板61が備えるVCO65からの発振信号を逓倍して出力する逓倍器55からの出力信号に基づき、アンプ53から出力されるRF信号をミキサ54にて中間周波信号に変換し、その変換後の信号をRFモジュール51の端子S1から出力する。
【0042】
この端子S1からの出力信号は、その端子S1に電気的に接続された基板61の端子S5を介して、基板61上のバンドパスフィルタ62,63に入力される。尚、ミリ波帯受信装置50が備える基板61には、上記受信信号処理回路を構成するものとして、上記バンドパスフィルタ62,63の他、PLL回路64、VCO65、アンプ66、イコライザ67、電源分離回路68等が設けられている。
【0043】
バンドパスフィルタ62は、基板61の端子S5から入力された信号のうち、重畳された基準信号のみを選択的に出力する。一方、バンドパスフィルタ63は、基板61の端子S5から入力された信号のうち、重畳された基準信号を取り除いてBS−IF信号のみを選択的に出力する。
【0044】
バンドパスフィルタ62により抽出された基準信号は、PLL回路64に入力される。PLL回路64は、VCO65から出力される発振信号及び上記基準信号の位相を比較し、その比較結果に応じた制御電圧をVCO65に入力する。VCO65はPLL回路64から入力される制御電圧に応じた発振信号を出力し、基板61の端子S6及びそれに接続されたRFモジュール51の端子S2を介して、逓倍器55に、その発振信号を入力する。
【0045】
また、バンドパスフィルタ63により抽出されたBS−IF信号は、アンプ66にて増幅された後に、イコライザ67に入力される。イコライザ67は、入力されたBS−IF信号の周波数特性を平坦化する。イコライザ67による処理後のBS−IF信号は、電源分離回路68を介して、ミリ波帯受信装置50がケース本体70側面に備えるF型コネクタ71に伝送される。そして、このBS−IF信号は、F型コネクタ71を介して外部の伝送線(例えば、家庭内のBSチューナに繋がる伝送線)に入力される。
【0046】
尚、このミリ波帯受信装置50は、ミリ波帯送信装置30と同様に、F型コネクタ71を介して入力される駆動電力を電源分離回路68にて抽出し、その駆動電力を基板61上の各部、及び受信用RFモジュール51に供給する。尚、受信用RFモジュール51は、電源端子S3と、グランド端子S4と、を備えており、基板61に配置された電源分離回路68から電源端子S3を介して入力される電力により動作する。
【0047】
以上、共同受信システムの構成と、それに用いられるミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の電気的構成について説明したが、以下には、そのミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の各部の組付け態様について説明することにする。尚、図3は、第一実施例のミリ波帯送信装置30の外観構成を概略的に表す展開斜視図であり、図4は、RFモジュール41の概略正面図(同図(a))及び概略左側面図(同図(b))である。また、図5(a)は、RFモジュール41の長手方向に垂直な断面に沿った第一実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図であり、図5(b)は、RFモジュール41の長手方向に沿った第一実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図である。ただし、図5においては、RFモジュール41内の断面構成を省略して表すことにすると共に、後述のピンP1〜P4の配置を示すため、装置の一部を透過して表し、ピンP1〜P4を点線で表すことにする。
【0048】
また、本実施例のミリ波帯受信装置50は、RFモジュール51及び基板61の回路構成がミリ波帯送信装置30のそれと異なる程度であり、その外観構成はミリ波帯送信装置30と略同一である。従って、以下では、ミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の構成を図3〜図5を用い、まとめて説明することにする。尚、図3〜図5における符号41を図中括弧内に記した符号51に置き換えると共に、符号46を括弧内符号52、符号31を括弧内符号61に置き換えれば、図3〜図5は、ミリ波帯受信装置50に関する図面として解釈することが可能である。その他、本明細書において表現するアンテナとは、一次放射器を除くアンテナの構成部分のことを言う。
【0049】
図4に示すようにRFモジュール41,51は、ケース表面に形成された孔部81にホーン形状の一次放射器46,52を備えている。また、長手方向に沿うケースの左右側面であって孔部81を備えるケース表面とは反対側に、計4つの導体層82〜85を備えている。尚、このRFモジュール41,51が備える導体層82〜85は、夫々、上記端子S1〜S4のいずれかを構成するものである。
【0050】
一方、基板31,61の表面には、RFモジュール41,51の端子S1〜S4と接続される基板31,61側の端子S5〜S8を構成する導体パターンが形成され、ケース本体70のF型コネクタ71に対応する基板31,61端部には、F型コネクタ71に接続される導体パターン(図示せず)が形成されている。
【0051】
また、この基板31,61の角部には、基板31,61をケース本体70に螺子Rを用いて固定するための挿通孔H5が設けられている。更に、第一実施例の基板31,61には、ケース本体70の底部に形成された位置決め用のピンP1,P2が挿入される孔部H1,H2が設けられている。尚、ケース本体70の底部には、基板31,61の挿通孔H5に対応する位置に螺子孔H0が設けられている。
【0052】
このような構成の基板31,61の表面には、一次放射器46,52が露出されたRFモジュール41,51の表面とは反対側の裏面が対向するようにして、そのRFモジュール41,51が載置される。そして、RFモジュール41,51の各端子S1〜S4を構成する導体層82〜85は、端子S5〜S8を構成する基板31,61上の導体パターンに半田等で接続され、基板31,61上の所定位置に固定される。
【0053】
またRFモジュール41,51が固定された基板31,61は、孔部H1,H2に位置決め用のピンP1,P2が挿入されることにより位置決めされて、ケース本体70内部の所定位置に収納される。そして螺子止めによりケース本体70内部に固定される。更に、この基板31,61は、ケース本体70側面のF型コネクタ71に接続される。
【0054】
その後、ケース本体70の側壁部上面には、導波孔72を備える蓋73が装着されて螺子止めされる。尚、第一実施例におけるケース本体70の底部周縁に立設された側壁部の上面には、蓋73をケース本体70に対し位置決めして固定するためのピンP3,P4が設けられており、蓋73には、ケース本体70のピンP3,P4に対応する位置に孔部H3,H4が設けられている。つまり、蓋73の装着時には、蓋73の孔部H3,H4にケース本体70のピンP3,P4が挿入される。これにより、蓋73は、ケース本体70の所定位置に位置決めされる。
【0055】
また、この蓋73は、ケース本体70の底部に基板31,61を介して固定されたRFモジュール41,51の一次放射器46,52が放射(又は受信)するRF信号の伝送経路に導波孔72を備えている。
導波孔72は、ケース本体70底部側に小径部72bを備え、それとは反対側に、大径部72aを備えており、大径部72aにて、レンズアンテナ90を収容する。レンズアンテナ90は、板状の底部93と、その表面中央に設けられた凸レンズ部91と、からなり、底部93の外径は、大径部72aの内径と略同一にされている。
【0056】
即ち、このレンズアンテナ90は、大径部72aと小径部72bとの境界で、蓋73に係止されて、導波孔72の大径部72aに収容され、蓋73の所定位置に固定される。尚、このレンズアンテナ90は、ミリ波帯送信装置30の場合、一次放射器46から放射されるRF信号をケース本体70外部に送信する送信アンテナとして機能し、ミリ波帯受信装置50の場合、ケース本体70外部から送信されてくる無線電波を受信し、その無線電波に対応するRF信号をケース本体70内部に放射する受信アンテナとして機能する。
【0057】
その他、蓋73の裏面には、導波孔72からRFモジュール41,51の一次放射器46,52上部までのRF信号の伝送経路に、導波管74が設けられている。この導波管74は、蓋73と一体成形されており、カットオフ周波数が所定の周波数になるようにされている。
【0058】
つまり、ミリ波帯送信装置30における導波管74は、カットオフ周波数がRFモジュール41の一次放射器46から放射されるRF信号の下限周波数となるように設計されている。また、ミリ波帯受信装置50における導波管74は、カットオフ周波数がRFモジュール51の一次放射器52にて受信されるべきRF信号の下限周波数となるように設計されている。尚、カットオフ周波数は、周知のように、導波管74の径を調節することで変更することが可能である。本実施例によれば、導波管74が上述のように構成されるので、カットオフ周波数以下の不要信号を効率的に除去することができる。
【0059】
一方、蓋73表面における導波孔72の周囲には、溝75が設けられており、この溝75にはレンズアンテナ90を囲むようにパッキン76が収容される。また更に、その上には、レンズアンテナ90を上方から押さえるための固定板77が載置される。この固定板77は、レンズアンテナ90に対応する位置に孔部78を備えており、この孔部78を介してレンズアンテナ90の凸レンズ部91を当該装置外部に突出させた状態で、螺子止めにより蓋73に固定される。
【0060】
その他、ケース本体70の側壁部上面には、パッキン79を収容するための溝80が設けられており、上述のように装置が作製されると、ケース本体70内は、パッキン76,79が機能することにより気密に保持される。
以上、第一実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明したが、第一実施例によれば、ケース本体70に、基板31,61及び、レンズアンテナ90を備える蓋73を、所定の位置関係で固定するためのピンP1〜P4を設けたので、簡単にRFモジュール41,51及びレンズアンテナ90を装置内の所定位置に精度よく組み付けることができ、低損失でミリ波を伝送可能なミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50を安価に製造することができる。
【0061】
つまり、第一実施例においては、RFモジュール41,51が基板31、61の端子S5〜S8に合わせて予め定められた位置に精度よく固定されるので、基板31,61とケース本体70とをピンP1,P2を用いて位置決めする程度で、RFモジュール41,51を必要充分な精度でケース本体70内の所定位置に配置できる。また、本実施例では、レンズアンテナ90を蓋73に備えられた導波孔72に収容しているので、ピンP3,P4を用いて蓋73をケース本体70に精度よく配置することによって、レンズアンテナ90を、ケース本体70の所定位置に精度よく固定でき、凸レンズ部91の軸心を、RF信号の伝送経路に精度よく合わせることができる。尚、本発明のケース本体は、本実施例においてケース本体70とそれに固定される蓋73とからなる。
【0062】
次に、第二実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明することにする。図6は、第二実施例のミリ波帯送信装置30の断面構成を概略的に表す断面図である。尚、第二実施例のミリ波帯送信装置30は、ケース本体101の形状が第一実施例のそれと異なること、蓋73の代わりに底板111がケース本体101に装着されることを除けば、概ね第一実施例のミリ波帯送信装置30と同一であるので、以下では、第一実施例のミリ波帯送信装置30と異なる部位のみ説明することにし、同一部位の説明を省略することにする。また、以下では、第一実施例と同様に、図6を用いて、ミリ波帯送信装置30と共に第二実施例のミリ波帯受信装置50の構成を、まとめて説明することにする。
【0063】
第二実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50におけるケース本体101は、下部が開口された中空の長方体形状にされている。このケース本体101には、導波孔103が設けられ、その導波孔103より基板31、61側には、導波孔103より小径の導波管104が設けられている。
【0064】
導波孔103の内径は、レンズアンテナ90の底部93の外径と略同一にされており、この導波孔103には、上述のレンズアンテナ90が収容される。また、ケース本体101の表面には、パッキン76を介して固定板77が載置される。つまり、導波孔103に収容されたレンズアンテナ90は、凸レンズ部91が固定板77の孔部78から突出された状態で、固定板77により押圧されて固定される。
【0065】
また、底板111は、ケース本体101の下部を閉塞するためのものである。この底板111は、ケース本体101の内部空間に、RFモジュール41,51が固定された基板31,61が収納された後、パッキン113を介してケース本体101の側壁下面に螺子止めされる。
【0066】
基板31,61及びRFモジュール41,51は、上記第一実施例と略同一構成にされている。ケース本体101の内部には、ピンP5,P6が設けられており、基板31,61の孔部H1,H2は、このピンP5,P6に挿入される。このように、孔部H1,H2にピンP5,P6が挿入されると、基板31,61はケース本体101の内部に位置決めされる。
【0067】
また、ケース本体101の内部には、基板31,61の挿通孔H5に対応する位置に螺子孔(図示せず)が設けられており、基板31,61は、孔部H1,H2にピンP5,P6が挿入されるとケース本体101に位置決めされて、ケース本体101に螺子止めされる。尚、基板31,61がケース本体101に螺子止めされると、RFモジュール41,51の一次放射器46,52は、導波管104の軸線上に配置される。尚、導波管104は、カットオフ周波数が第一実施例と同様の条件を満足するように設計されている。
【0068】
以上、第ニ実施例のミリ波帯送信装置30について説明したが、第ニ実施例によれば、基板31,61をピンP5,P6によってケース本体101内の所定の位置に精度よく固定することができ、更に、レンズアンテナ90を導波孔103に精度よく装着することができる。つまり、第二実施例によれば、RFモジュール41,51及びレンズアンテナ90をケース本体101の所定位置に精度よく簡単に組み付けることができ、低損失でミリ波を伝送可能なミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50を安価に製造することができる。
【0069】
次に、第三実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明することにする。尚、図7は、RFモジュール41’,51’が装着される基板31’,61’の構成、及び、その装着方法を表す概略斜視図である。また、図8は、RFモジュール41’の長手方向に垂直な断面に沿った第三実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図であり、図9は、RFモジュール41’の長手方向に沿った第三実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図である。ただし、図8及び図9においては、RFモジュール41’内の断面構成を省略して表すことにする。また、図8及び図9においては、挿通孔H5及び螺子孔H0の配置を示すため、装置の一部を透過して表し、挿通孔H5及び螺子孔H0を点線で表すことにする。
【0070】
また、第三実施例のミリ波帯送信装置30で用いられるRFモジュール41’及び基板31’,並びに、ミリ波帯受信装置50で用いられるRFモジュール51’及び基板61’は、夫々、図1,2に示した上記第一実施例のRFモジュール41,51、基板31,61と同一の電気的構成を備えるものであるので、以下では、その電気的構成についての説明を省略することにする。
【0071】
その他、第三実施例のミリ波帯受信装置50の外観構成は図7〜図9に示す第三実施例のミリ波帯送信装置30の構成と略同一である。従って、以下では、ミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の構成を図7〜図9を用い、まとめて説明することにする。尚、図7〜図9には、括弧内にミリ波帯受信装置50に対応する符号を付した。
【0072】
第三実施例のRFモジュール41’,51’は、概ね第一実施例のRFモジュール41,51と同一の外観構成をなすものである。ただし、上記端子S1〜S4のいずれかを構成する計4つの導体層82,83,84,85は、RFモジュール41’,51’の長手方向に沿う左右側面において、一次放射器46,52を備えるRFモジュール41’,51’の表面側に、設けられている。
【0073】
一方、基板31’,61’は、上述の基板31、61の構成に加えて、RFモジュール41’,51’が備える孔部81と同程度の大きさの導波孔123を備えている。基板31’,61’表面には、RFモジュール41’,51’に形成された導体層82,83,84,85のいずれかと接続される導体パターン125〜128が形成されており、この導体パターン125〜128は、基板の端子S5〜S8のいずれかを構成する。またケース本体121のF型コネクタ71に対応する基板31’,61’端部には、F型コネクタ71に接続される導体パターン129が設けられている。
【0074】
また、基板31’,61’の角部には、基板31’,61’をケース本体121に螺子止めするための挿通孔H5が設けられている。このような構成の基板31’,61’には、基板31’,61’表面の導波孔123に一次放射器46,52が対向されるようにして、RFモジュール41’,51’が載置される。そして、RFモジュール41’,51’の導体層82〜85は、基板31’,61’上の導体パターン125〜128に半田等で接続され、基板31’,61’の所定位置に固定される。
【0075】
またRFモジュール41’,51’が固定された基板31’,61’は、導波孔131を備えるケース本体121内に収納され、螺子Rが基板の挿通孔H5及びケース本体の螺子孔H0に挿入されて、ケース本体121内の所定位置に固定される。その後、ケース本体121には、蓋133が装着されて螺子止めされる。
【0076】
尚、ケース本体121には、基板31’,61’固定側のケース本体底部121aであって、その基板31’,61’の導波孔123と連通する位置に上記導波孔131が設けられている。この導波孔131は、ミリ波帯送信装置30の場合、一次放射器46から放射されるRF信号を外部に伝送するための導波孔として機能し、ミリ波帯受信装置50の場合、外部から伝送されてくる無線電波をケース本体内に取り込むための導波孔として機能する。
【0077】
その他、導波孔131が形成された周囲のケース本体底部121a外面には、導波孔123,131に連通する導波孔135を備える固定板137を介して、レンズアンテナ90’が螺子止めにより所定位置に固定される。尚、このレンズアンテナ90’は、凸レンズ部91’と底部93’とからなり、底部93’の角に螺子孔H0を備えている。
【0078】
このレンズアンテナ90’は、ミリ波帯送信装置30の場合、一次放射器46から放射されるRF信号をケース本体121外部方向に送信する送信アンテナとして機能し、ミリ波帯受信装置50の場合、ケース本体121外部から送信されてくる無線電波を受信し、その無線信号に対応するRF信号をケース本体121内部に放射する受信アンテナとして機能する。本実施例では、レンズアンテナ90’を固定板137を介して固定したことにより、固定板137の厚みを変化させることで、一次放射器46,52からレンズアンテナ90’までの距離をアンテナゲインによって変えることができる。
【0079】
その他、導波孔123から導波孔135までのRF信号の伝送経路には、導波管139が設けられている。この導波管139は、カットオフ周波数が、上述の第一実施例と同様の条件を満足するように設計されている。
つまり、ミリ波帯送信装置30における導波管139は、カットオフ周波数がRFモジュール41’の一次放射器46から放射されるRF信号の下限周波数となるように設計されている。また、ミリ波帯受信装置50における導波管139は、カットオフ周波数がRFモジュール51’の一次放射器52にて受信されるべきRF信号の下限周波数となるように設計されている。
【0080】
以上に、第三実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明したが、この実施例によれば、RFモジュール41’,51’の一次放射器46,52からケース本体121の導波孔131までのRF信号の伝送経路に導波孔123を備える基板31’,61’を配置しているので、基板31’,61’及びRFモジュール41’,51’をケース本体121内にコンパクトに収納することができる。
【0081】
また、本実施例では、カットオフ周波数が上述のように設定された導波管139を上記RF信号の伝送経路に設けているので、カットオフ周波数以下の不要信号等を効率的に除去することができ、ケース本体121内部における伝送ロスを効果的に抑制することができる。
【0082】
その他、第三実施例によれば、基板31’,61’及びレンズアンテナ90’を所定の位置関係でケース本体121に固定するために、基板31’,61’に挿通孔H5を設けると共にケース本体121に螺子孔H0を設け螺子止めにて基板31’,61’をケース本体121に固定するようにし、レンズアンテナ90’に螺子孔H0を設けて、レンズアンテナ90’を螺子止めにてケース本体121に固定するようにしたので、簡単にRFモジュール41’,51’及びレンズアンテナ90’を装置内の所定位置に精度よく組み付けることができる。したがって第三実施例によれば、低損失でミリ波を伝送可能なミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50を安価に製造することができる。
【0083】
尚、本発明のコネクタは、F型コネクタ71に相当する。また、本発明のミリ波帯送信装置及びミリ波帯受信装置は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、帯域分割された無線電波を送信/受信するミリ波帯送信装置/受信装置に、本発明を適用することも可能である。また、第三実施例では、第一及び第二実施例に示したようなピンP1〜P6をケース本体121に設けず、螺子をピンの代わりとして位置決めを行うようにしたが、勿論、上述のようなピンをケース本体121に設けて位置決めを行うようにしても構わない。
【0084】
また、本発明では、アンテナとのインターフェースとして導波管を用いているので、ミリ波帯送信装置30及び受信装置50に使用するアンテナの種類、形状などを柔軟に選ぶことができる。例えば、レンズアンテナは、図10に示すような形態でケース本体に取り付けることも可能である。
【0085】
以下、図10を用い第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の構成について説明する。但し、第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、ケース本体141の導波孔143及びレンズアンテナ150の形状を除けば、上記第三実施例の構成と略同一構成であるので、以下では、同一構成の装置各部の説明を省略することにする。尚、図10は、第四実施例のミリ波帯送信装置30の断面構成を表す概略断面図である。図10では、ミリ波帯受信装置50に対応する符号を括弧内に示す。
【0086】
第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50では、ケース本体141の導波孔143を、ケース本体141内側の大径部143aと、それよりケース本体外側の小径部143bと、から構成すると共に、レンズアンテナ150を、ケース本体141の導波孔小径部143bと略同径・同形状の筒状部151と、その筒状部151一端を閉塞する凸レンズ部153と、筒状部151他端より径方向外部に延び導波孔小径部143bより大径で、大径部143aより小径の鍔部155と、から構成している。
【0087】
そして、このレンズアンテナ150の鍔部155を、大径部143aに収容すると共に、レンズアンテナ150の筒状部151を小径部143bに収容し、ケース本体141内部が密閉されるようにしてレンズアンテナ150をケース本体141に接着材などで固定している。第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50によれば、鍔部155が導波孔143の大径部143aと係合されるので、レンズアンテナ150が欠落せず、製品の耐久性・安全性などを向上させることができるし、レンズアンテナ150をケース本体141の所定位置に精度よく配置することができる。また、本実施例によれば、鍔部155の長さaを、導波孔143を通じて伝送されるべきRF信号の四分の一波長(λ/4)としているので、鍔部155をコルゲートチョークとして機能させることができる。
【0088】
続いて、図11は、第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の断面構成を表す概略断面図である。第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、上記第三実施例のレンズアンテナ90’を、複数のパッチアンテナ161からなる平面アンテナ160に変更すると共に、導波管139’を、導波孔123から導波孔131まで設けたものである。尚、その他の装置内各部は、上記第三実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50と同一構成にされている。
【0089】
第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、裏面にプローブ163を備える平面アンテナ160がケース本体121の底部121aに固定された構成にされている。平面アンテナ160は、裏面のプローブ163に電気的に接続されたパッチアンテナ161が表面に複数配置された構成にされており、プローブ163が導波孔131に面するようにして、ケース本体底部121aに固定されている。
【0090】
尚、第五実施例におけるケース本体121の底部121aには、ピンP7,P8が設けられており、平面アンテナ160には、ピンP7,P8に対応する位置にピンP7,P8を挿入するための孔部H7,H8が設けられている。つまり、平面アンテナ160は、この孔部H7,H8にピンP7,P8が挿入されて位置決めされる。
【0091】
第五実施例では、レンズアンテナ90’の代わりに、パッチアンテナ161からなる平面アンテナ160を用いているので、レンズアンテナ90’の焦点位置に一次放射器46,52を配置しなければならないといった装置構成上の制約がレンズアンテナ90’と比較して少なく、アンテナの取付けを簡単にすることができる。
【0092】
この他、図12は、第六実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の断面構成を表す概略断面図である。第六実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、上記第六実施例の平面アンテナ160を、パラボラアンテナ170に変更したものである。尚、その他の装置内各部は、上記第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50と同一構成にされている。
【0093】
第六実施例で用いられるパラボラアンテナ170は、反射鏡171の中央部に設けられケース本体121に螺子で固定される固定板173の裏面にプローブ175を備えている。このプローブ175は、ケース本体121の導波孔131に接するように配置され、反射鏡171中央から突出するセンターフィード177に接続されている。また、固定板173には、ケース本体121の底部121aに設けられたピンP9,P10に対応する位置に、孔部H9、H10が設けられており、パラボラアンテナ170は、孔部H9,H10にピンP9,P10が挿入されて位置決めされる。
【0094】
第六実施例によれば、レンズアンテナの代わりに、パラボラアンテナ170を用いているので、取り付けが簡単であるし、高利得で電波を送受信することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の共同受信システムに用いるミリ波帯送信装置30の電気的構成を概略的に表す説明図である。
【図2】本実施例の共同受信システムに用いるミリ波帯受信装置50の電気的構成を概略的に表す説明図である。
【図3】第一実施例のミリ波帯送信装置30/受信装置50の外観構成を概略的に表す斜視図である。
【図4】RFモジュール41,51の外観構成を表す概略正面図(a)及び概略左側面図(b)である。
【図5】第一実施例におけるミリ波帯送信装置30/受信装置50の断面構成を表す概略断面図である。
【図6】第ニ実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図7】RFモジュール41’,51’及び基板31’,61’の構成を表す概略斜視図である。
【図8】第三実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図9】第三実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図10】第四実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図11】第五実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図12】第六実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【符号の説明】
10…コンバータ、11…共同受信アンテナ、12,16,35,45,53,66…アンプ、13,36…発振器、14,42,54…ミキサ、15,44,62,63…バンドパスフィルタ、17,32,68…電源分離回路、21…電源挿入器、22…電源装置、30…ミリ波帯送信装置、31,61,31’,61’…基板、33,67…イコライザ、34…合成器、37,64…PLL回路、38,65…VCO、41,51,41’,51’…RFモジュール、43,55…逓倍器、46,52…一次放射器、50…ミリ波帯受信装置、70,101,121,141…ケース本体、71…F型コネクタ、72,103,123,131,135,143…導波孔、73,133…蓋、74,104,139,139’…導波管、77,137,173…固定板、78,81,H1〜H4,H7〜H10…孔部、82〜85…導体層、90,90’,150…レンズアンテナ、91,91’,153…凸レンズ部、93,93’…底部、111…底板、151…筒状部、155…鍔部、160…平面アンテナ、161…パッチアンテナ、163,175…プローブ、170…パラボラアンテナ、171…反射鏡、177…センターフィード、H0…螺子孔、H5…挿通孔、R…螺子、P1〜P10…ピン、S1〜S8…端子、L1…伝送線
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波帯の無線電波を送信するためのミリ波帯送信装置、及び、その無線電波を受信するためのミリ波帯受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミリ波帯の無線電波を送/受信するミリ波帯送信装置/受信装置としては、映像多重伝送システムにおいてテレビ放送信号を家庭内に伝送するための送受信装置や、自動車用のミリ波レーダ装置などが知られている。
【0003】
ミリ波帯送信装置/受信装置は、主に、高周波アナログ集積回路であるMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)等で構成されミリ波を取り扱うRF回路部と、中間周波信号に各種処理を施すIF回路部と、アンテナと、から構成される。アンテナ及びRF回路部は低損失化のため、導波管で相互に接続され、RF回路部及びIF回路部は、金ワイヤを用いたボンディングワイヤ接続や、ケーブル接続などにて相互接続される。
【0004】
ところで、従来は、装置の小型・低コスト化を図ると同時に、ミリ波固有の加工精度を満たすため、ミリ波が伝送される全ての部分(RF回路部、導波管、アンテナなど)を専用ラインで一体に作製してミリ波帯送信装置/受信装置を組み立てる手法が採用されてきた。しかしながら、RF回路部においてミリ波の伝送線路を形成する工程などでは精密な加工技術が要求されるため、上述の手法では、組み立て効率が悪く低コスト化に一定度の限界があった。
【0005】
このような問題に鑑み、近年では、ミリ波を取り扱うRF回路部をモジュール化し、IF回路部と同様に扱うことで、ミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させ、低コスト化を図ることが考えられている(例えば、非特許文献1,2)。
【0006】
【非特許文献1】
「マルチメディアワイヤレス通信システム用60GHz帯超小型モノリシックT/Rモジュール」(”Sixty−GHz−Band Ultra−Miniature Monolithic T/R Modules for Multimedia Wireless Communication Systems”),「マイクロ波理論・技術のIEEE会報」(”IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques.”),(アメリカ合衆国),1996年12月,第44巻,第12号,p.2354−2360
【非特許文献2】
「パッチアンテナを組み込んだコスト効果のあるミリ波ワイヤレスシステム用RFモジュール」(”A Cost−Effective RF−Module with Built−in Patch Antenna for Millimeter−Wave Wireless Systems”),「第29回ヨーロッパマイクロ波会議議事録(ミュンヘン)」(”29th European Microwave Conference Proceedings,Munich”),(ドイツ),1999年,第3巻,第M−Thc4号,p.347−350
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、RF回路部をモジュール化してミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させようとしても、RFモジュール及びアンテナの位置合わせに必要な精度が満足されないと、ミリ波の伝送効率が劣化するといった問題があった。一方、モジュールを精度よくミリ波帯送信装置/受信装置内に配置するために、複雑な手法を採用すれば、RF回路部をモジュール化しても、ミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を効果的に向上させることができないといった問題があった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、RFモジュールを用いることでミリ波帯送信装置/受信装置の組み立て効率を向上させつつ、RFモジュール及びアンテナを簡便に位置合わせすることによりミリ波の低損失化を図り、高性能なミリ波帯送信装置及びミリ波帯受信装置を安価に製造可能にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載のミリ波帯送信装置は、導波孔が形成されたケース本体を備える。また、コネクタから入力される信号に所定の処理を施し、処理後の信号を出力端子から出力する信号処理回路が形成された基板と、RFモジュールとを、そのケース本体の内部に備える。また、このミリ波帯送信装置は、ケース本体の導波孔に対応する位置に(例えば、ケース本体の導波孔に接する位置に)、送信アンテナを備える。RFモジュールは、基板の出力端子に接続された入力端子から得た上記信号処理回路の出力信号をミリ波帯のRF(無線周波)信号に変換する変換回路、及び、変換回路が出力するミリ波帯のRF信号を、ケース本体の導波孔に向けて放射する放射器、を備える。
【0010】
上記送信アンテナは、この放射器から放射されるRF信号を、ケース本体の外部に送信する。そして更に、本発明のミリ波帯送信装置は、上述構成のRFモジュールと、送信アンテナとを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造を備える。
【0011】
本発明のミリ波帯送信装置では、RFモジュール及び送信アンテナを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造が備えられているから、簡単にRFモジュール及び送信アンテナを装置内に精度よく組み付けることができる。したがって、本発明によれば、ミリ波の伝送効率が劣化するのを抑えることができて、高性能なミリ波帯送信装置を安価に製造することができる。
【0012】
尚具体的に、上記位置決め構造として、ケース本体には、基板及び送信アンテナをケース本体の所定の位置に固定するためのピン止め部を設けると良い。
このように構成された請求項2記載のミリ波帯送信装置によれば、ピン止めにより基板と送信アンテナとを簡単にケース本体の所定位置に固定できる。したがって、RFモジュールを基板の予め定められた位置に固定する程度で、簡単にRFモジュール及び送信アンテナを、所定の位置関係で当該装置内に固定することができる。
【0013】
結果、本発明(請求項2)によれば、ミリ波の伝送効率が劣化するのを抑えつつ簡単にRFモジュール及び送信アンテナを装置内に組み付けることができる。したがって、本発明(請求項2)によれば、高性能なミリ波帯送信装置を安価に製造することができる。尚、上記ケース本体には、ピン止め部として、例えば、ピンを挿入するための孔部を設けるとよい。また、ケース本体には、ピン止め部として、ピンを設けてもよく、それに対応して、基板及び送信アンテナにピンを挿入するための孔部を設けてもよい。
【0014】
ところで、RFモジュールを用いてミリ波帯送信装置を構成しようとすると、組み立て効率が良好になるのとは反対に、装置が大型化する可能性がある。したがって、装置が大型化するのを回避するためには、請求項3記載のようにミリ波帯送信装置を構成するのが好ましい。請求項3記載のミリ波帯送信装置は、請求項1又は請求項2に記載のミリ波帯送信装置において、基板を、RFモジュールの放射器と、ケース本体の導波孔との間に配置すると共に、RFモジュールの放射器からケース本体の導波孔までのRF信号の伝送経路に対応する基板上の位置に導波孔を設けたものである。
【0015】
請求項3記載のミリ波帯送信装置では、RFモジュールの放射器とケース本体の導波孔との間に基板を配置しているので、基板及びRFモジュールをケース本体内にコンパクトに収納することができる。したがって、請求項3記載の発明によれば、高性能なミリ波帯送信装置を小型化しつつ安価に作製することができる。
【0016】
また、請求項4記載のミリ波帯送信装置は、請求項1〜3記載のミリ波帯送信装置において、RFモジュールの放射器からケース本体に形成された導波孔までの伝送経路に、導波管構造を設けたものである。請求項4記載のミリ波帯送信装置によれば、送信装置内の伝送ロスを抑えることができ、ミリ波帯送信装置の伝送効率を高くすることができる。
【0017】
尚、請求項4記載のミリ波帯送信装置が備える上記導波管構造は、カットオフ周波数がRFモジュールの放射器から放射されるRF信号の下限周波数となるように構成されるとよい。このように構成されたミリ波帯送信装置によれば、カットオフ周波数以下の不要信号を効果的に除去することができる。
【0018】
以上、本発明のミリ波帯送信装置に関して述べたが、同様の構成を、ミリ波帯受信装置に適用することも可能である。請求項5記載のミリ波帯受信装置は、導波孔が形成されたケース本体を備えると共に、そのケース本体の内部に、RFモジュール、及び、信号処理回路が形成された基板、を備える。また、このミリ波帯受信装置は、ケース本体の導波孔に対応する位置に(例えば、ケース本体の導波孔に接する位置に)、受信アンテナを備える。
【0019】
受信アンテナは、ケース本体の外部から送信されてくるミリ波帯の無線電波を受信し、その無線電波に対応するRF信号を、ケース本体の導波孔を介して、ケース本体の内部に放射する。RFモジュールは、ケース本体の導波孔からケース本体内部に放射されたRF信号を受信する受信器と、その受信器が受信したRF信号を中間周波信号に変換し、その中間周波信号を出力端子から出力する変換回路と、を備える。
【0020】
また、基板に形成された信号処理回路は、RFモジュールの上記出力端子に接続された入力端子を備えており、その入力端子から入力される上記変換回路の出力信号に所定の処理を施し、その処理後の信号を出力する。その他、このミリ波帯受信装置は、RFモジュール及び受信アンテナを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造を備える。
【0021】
請求項5記載のミリ波帯受信装置では、RFモジュール及び受信アンテナを、所定の位置関係でケース本体に固定するための位置決め構造が設けられているから、ミリ波の伝送効率が劣化するのを抑えつつ簡単にRFモジュール及び受信アンテナを装置内に組み付けることができる。したがって、本発明(請求項5)によれば、高性能なミリ波帯受信装置を安価に製造することができる。
【0022】
尚具体的に、上記位置決め構造として、ケース本体には、基板及び受信アンテナを、ケース本体の所定位置に固定するためのピン止め部を設けると良い。
このように構成された請求項6記載のミリ波帯受信装置によれば、ピン止めにより基板と受信アンテナとを簡単にケース本体の所定位置に固定できるから、RFモジュールを基板の予め定められた位置に固定する程度で、簡単にRFモジュール及び受信アンテナを、所定の位置関係で当該装置内に組み付けることができる。尚、上記ケース本体には、ピン止め部として、ピンを挿入するための孔部を設けることができる。また、ケース本体には、ピン止め部として、ピンを設けてもよく、それに対応して、基板及び受信アンテナには、ピンを挿入するための孔部を設けてもよい。
【0023】
また、RFモジュールを用いてミリ波帯受信装置を構成しようとすると、装置が大型化する可能性もあるから、請求項5又は請求項6記載のミリ波帯受信装置においては、装置が大型化するのを回避するために、基板を、ケース本体の導波孔と、RFモジュールの受信器との間に配置し、ケース本体の導波孔からRFモジュールの受信器までのRF信号の伝送経路に対応する基板上の位置に、導波孔を設けるのが良い。
【0024】
このように構成された請求項7記載のミリ波帯受信装置では、ケース本体の導波孔とRFモジュールの受信器との間に、基板が配置されるので、基板及びRFモジュールをケース本体内にコンパクトに収納することができる。したがって、本発明(請求項7)によれば、高性能なミリ波帯受信装置を小型化しつつ安価に作製することができる。
【0025】
また、請求項5〜7記載のミリ波帯受信装置においては、RFモジュールの受信器から、ケース本体に形成された導波孔までの伝送経路に、導波管構造を設けるのが好ましい。請求項8に記載のミリ波帯受信装置によれば、伝送経路に導波管構造が設けられているので、受信装置内の伝送ロスを抑制することができる。したがって、請求項8に記載のミリ波帯受信装置によれば、無線電波を、低損失で受信することができる。
【0026】
尚、請求項8記載のミリ波帯受信装置が備える上記導波管構造は、カットオフ周波数がRFモジュールの受信器にて受信されるべきRF信号の下限周波数となるように構成されるとよい。このミリ波帯受信装置によれば、カットオフ周波数以下の不要信号を効果的に除去することができ、装置の受信能力を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について、図面とともに説明する。尚、図1は、本発明が適用されたミリ波帯送信装置30の電気的構成を概略的に表す説明図、図2は、本発明が適用されたミリ波帯受信装置50の電気的構成を概略的に表す説明図である。
【0028】
本実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、放送波の共同受信システムに用いられるものである。ここで想定している共同受信システムは、無線放送局(BS放送衛星)から無線電波の形態で送信されてくるBS放送波を、一旦、コンバータ10に繋がる共同受信アンテナ11で受信し、その受信信号を従来のように同軸ケーブル等を用いて有線方式で各家庭に配信するのではなく、ミリ波帯送信装置30及び、各家庭に設置されたミリ波帯受信装置50を用いて、無線方式で各家庭に配信するものである。
【0029】
このような共同受信システムでは、例えば、高層建造物(マンション等)の屋上等に共同受信アンテナ11を含むコンバータ10と、ミリ波帯送信装置30と、を設置し、各家庭のベランダ等に図2に示すミリ波帯受信装置50を設置する。尚、本実施例におけるミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、送受信するミリ波帯の無線電波として、特に60GHz帯の無線電波を用いている。
【0030】
図1に示すコンバータ10は、共同受信アンテナ11が受信した無線放送局からのBS放送波を、アンプ12にて増幅した後、発振器13及びミキサ14及びバンドパスフィルタ15を用いて中間周波信号に変換し、その中間周波信号(以下、「BS−IF信号」と記す。)を、アンプ16で増幅してミリ波帯送信装置30に繋がる伝送線L1に出力する。
【0031】
コンバータ10の出力端は、電源挿入器21を備える上記伝送線L1に接続されており、コンバータ10は、電源装置22から電源挿入器21を介して入力される駆動電力(DC15V)を、電源分離回路17にて抽出し、その駆動電力を内部回路に供給して、各部を動作させる。
【0032】
一方、ミリ波帯送信装置30は、コンバータ10から入力されるBS−IF信号に、ミリ波帯受信装置50のPLL回路64の動作に必要な基準信号を重畳して出力する送信信号処理回路を備える基板31と、その基準信号が重畳されたBS−IF信号をRF(無線周波)信号に変換し、一次放射器46からBS放送波の再送信波を放射する送信用RFモジュール41と、をケース本体70(図3参照)の内部に備える。このミリ波帯送信装置30は、F型コネクタ71をケース本体70側面に備えており、伝送線L1から、F型コネクタ71を介して入力される駆動電力を、そのF型コネクタ71に接続された電源分離回路32により抽出し、その電力を内部回路に供給して、各部を動作させる。
【0033】
基板31には、上記送信信号処理回路を構成するものとして、上記電源分離回路32の他に、イコライザ33、合成器34、アンプ35、発振器36、PLL(Phase Locked Loop)回路37、VCO(電圧制御発振器:Voltage Controlled Oscillators)38、などが設けられており、F型コネクタ71から入力されるBS−IF信号は、電源分離回路32を介してイコライザ33に入力される。
【0034】
イコライザ33は、入力されたBS−IF信号の電圧レベルが、所定周波数帯域全体にわたって均一となるようにし、その処理後のBS−IF信号を出力する。このイコライザ33から出力されるBS−IF信号は、次に合成器34に入力される。
【0035】
合成器34は、BS−IF信号に、発振器36から得た基準信号を重畳し、その基準信号が重畳されたBS−IF信号をアンプ35に入力する。アンプ35の出力端は、基板31の端子S5に接続されており、端子S5は、送信用RFモジュール41の端子S1に電気的に接続されている。したがって、アンプ35から出力される増幅後の基準信号が重畳されたBS−IF信号は、送信用RFモジュール41の端子S1に繋がるミキサ42に入力される。
【0036】
その他、VCO38は、PLL回路37から入力される制御電圧に応じた周波数の発振信号を、基板31の端子S6及びそれに電気的に接続された送信用RFモジュール41の端子S2を通じて、逓倍器43に入力する。また、PLL回路37は、VCO38から出力される発振信号、及び、発振器36から入力される基準信号の位相を比較し、その比較結果に応じた電圧を、上記制御電圧としてVCO38に入力する。
【0037】
一方、送信用RFモジュール41は、ミキサ42、逓倍器43、バンドパスフィルタ44、アンプ45、などからなり端子S1からの入力信号をミリ波帯のRF信号に変換する周波数変換回路と、アンプ45から出力されるRF信号を放射する一次放射器46と、を備える。この送信用RFモジュール41は、電源端子S3と、グランド端子S4と、を備えており、電源端子S3から入力される電力により動作する。
【0038】
送信用RFモジュール41が備えるミキサ42は、VCO38から入力された発振信号を逓倍して出力する逓倍器43からの出力信号に基づいて、基板31のアンプ35から得られるBS−IF信号をミリ波帯のRF信号に変換する。RF信号は、そのRF信号に対応する帯域の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタ44を介して、アンプ45に入力される。
【0039】
アンプ45に入力されたRF信号は増幅されて一次放射器46に伝送され、その一次放射器46から、導波孔72(図3参照)に向けて出力される。
一方、ミリ波帯受信装置50は、F型コネクタ71が側面に形成されたケース本体70の内部に、受信用RFモジュール51と、ミリ波帯送信装置30の送信信号から上記BS−IF信号及び基準信号を分離抽出するための受信信号処理回路が形成された基板61と、を備える。また、このミリ波帯受信装置50は、導波孔72を通じてケース本体70内部に伝送されてきたRF信号を受信するための一次放射器52を、受信用RFモジュール51に備えている。
【0040】
図2に示すように、第一実施例のミリ波帯受信装置50が備える受信用RFモジュール51は、受信器として機能する上記一次放射器52の他、アンプ53、ミキサ54、逓倍器55、などから構成される周波数変換回路を備えている。
この受信用RFモジュール51は、ミリ波帯送信装置30からの無線電波を一次放射器52にて受信し、一次放射器52から出力されるミリ波帯のRF信号(受信信号)をアンプ53で増幅する。
【0041】
また、基板61が備えるVCO65からの発振信号を逓倍して出力する逓倍器55からの出力信号に基づき、アンプ53から出力されるRF信号をミキサ54にて中間周波信号に変換し、その変換後の信号をRFモジュール51の端子S1から出力する。
【0042】
この端子S1からの出力信号は、その端子S1に電気的に接続された基板61の端子S5を介して、基板61上のバンドパスフィルタ62,63に入力される。尚、ミリ波帯受信装置50が備える基板61には、上記受信信号処理回路を構成するものとして、上記バンドパスフィルタ62,63の他、PLL回路64、VCO65、アンプ66、イコライザ67、電源分離回路68等が設けられている。
【0043】
バンドパスフィルタ62は、基板61の端子S5から入力された信号のうち、重畳された基準信号のみを選択的に出力する。一方、バンドパスフィルタ63は、基板61の端子S5から入力された信号のうち、重畳された基準信号を取り除いてBS−IF信号のみを選択的に出力する。
【0044】
バンドパスフィルタ62により抽出された基準信号は、PLL回路64に入力される。PLL回路64は、VCO65から出力される発振信号及び上記基準信号の位相を比較し、その比較結果に応じた制御電圧をVCO65に入力する。VCO65はPLL回路64から入力される制御電圧に応じた発振信号を出力し、基板61の端子S6及びそれに接続されたRFモジュール51の端子S2を介して、逓倍器55に、その発振信号を入力する。
【0045】
また、バンドパスフィルタ63により抽出されたBS−IF信号は、アンプ66にて増幅された後に、イコライザ67に入力される。イコライザ67は、入力されたBS−IF信号の周波数特性を平坦化する。イコライザ67による処理後のBS−IF信号は、電源分離回路68を介して、ミリ波帯受信装置50がケース本体70側面に備えるF型コネクタ71に伝送される。そして、このBS−IF信号は、F型コネクタ71を介して外部の伝送線(例えば、家庭内のBSチューナに繋がる伝送線)に入力される。
【0046】
尚、このミリ波帯受信装置50は、ミリ波帯送信装置30と同様に、F型コネクタ71を介して入力される駆動電力を電源分離回路68にて抽出し、その駆動電力を基板61上の各部、及び受信用RFモジュール51に供給する。尚、受信用RFモジュール51は、電源端子S3と、グランド端子S4と、を備えており、基板61に配置された電源分離回路68から電源端子S3を介して入力される電力により動作する。
【0047】
以上、共同受信システムの構成と、それに用いられるミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の電気的構成について説明したが、以下には、そのミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の各部の組付け態様について説明することにする。尚、図3は、第一実施例のミリ波帯送信装置30の外観構成を概略的に表す展開斜視図であり、図4は、RFモジュール41の概略正面図(同図(a))及び概略左側面図(同図(b))である。また、図5(a)は、RFモジュール41の長手方向に垂直な断面に沿った第一実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図であり、図5(b)は、RFモジュール41の長手方向に沿った第一実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図である。ただし、図5においては、RFモジュール41内の断面構成を省略して表すことにすると共に、後述のピンP1〜P4の配置を示すため、装置の一部を透過して表し、ピンP1〜P4を点線で表すことにする。
【0048】
また、本実施例のミリ波帯受信装置50は、RFモジュール51及び基板61の回路構成がミリ波帯送信装置30のそれと異なる程度であり、その外観構成はミリ波帯送信装置30と略同一である。従って、以下では、ミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の構成を図3〜図5を用い、まとめて説明することにする。尚、図3〜図5における符号41を図中括弧内に記した符号51に置き換えると共に、符号46を括弧内符号52、符号31を括弧内符号61に置き換えれば、図3〜図5は、ミリ波帯受信装置50に関する図面として解釈することが可能である。その他、本明細書において表現するアンテナとは、一次放射器を除くアンテナの構成部分のことを言う。
【0049】
図4に示すようにRFモジュール41,51は、ケース表面に形成された孔部81にホーン形状の一次放射器46,52を備えている。また、長手方向に沿うケースの左右側面であって孔部81を備えるケース表面とは反対側に、計4つの導体層82〜85を備えている。尚、このRFモジュール41,51が備える導体層82〜85は、夫々、上記端子S1〜S4のいずれかを構成するものである。
【0050】
一方、基板31,61の表面には、RFモジュール41,51の端子S1〜S4と接続される基板31,61側の端子S5〜S8を構成する導体パターンが形成され、ケース本体70のF型コネクタ71に対応する基板31,61端部には、F型コネクタ71に接続される導体パターン(図示せず)が形成されている。
【0051】
また、この基板31,61の角部には、基板31,61をケース本体70に螺子Rを用いて固定するための挿通孔H5が設けられている。更に、第一実施例の基板31,61には、ケース本体70の底部に形成された位置決め用のピンP1,P2が挿入される孔部H1,H2が設けられている。尚、ケース本体70の底部には、基板31,61の挿通孔H5に対応する位置に螺子孔H0が設けられている。
【0052】
このような構成の基板31,61の表面には、一次放射器46,52が露出されたRFモジュール41,51の表面とは反対側の裏面が対向するようにして、そのRFモジュール41,51が載置される。そして、RFモジュール41,51の各端子S1〜S4を構成する導体層82〜85は、端子S5〜S8を構成する基板31,61上の導体パターンに半田等で接続され、基板31,61上の所定位置に固定される。
【0053】
またRFモジュール41,51が固定された基板31,61は、孔部H1,H2に位置決め用のピンP1,P2が挿入されることにより位置決めされて、ケース本体70内部の所定位置に収納される。そして螺子止めによりケース本体70内部に固定される。更に、この基板31,61は、ケース本体70側面のF型コネクタ71に接続される。
【0054】
その後、ケース本体70の側壁部上面には、導波孔72を備える蓋73が装着されて螺子止めされる。尚、第一実施例におけるケース本体70の底部周縁に立設された側壁部の上面には、蓋73をケース本体70に対し位置決めして固定するためのピンP3,P4が設けられており、蓋73には、ケース本体70のピンP3,P4に対応する位置に孔部H3,H4が設けられている。つまり、蓋73の装着時には、蓋73の孔部H3,H4にケース本体70のピンP3,P4が挿入される。これにより、蓋73は、ケース本体70の所定位置に位置決めされる。
【0055】
また、この蓋73は、ケース本体70の底部に基板31,61を介して固定されたRFモジュール41,51の一次放射器46,52が放射(又は受信)するRF信号の伝送経路に導波孔72を備えている。
導波孔72は、ケース本体70底部側に小径部72bを備え、それとは反対側に、大径部72aを備えており、大径部72aにて、レンズアンテナ90を収容する。レンズアンテナ90は、板状の底部93と、その表面中央に設けられた凸レンズ部91と、からなり、底部93の外径は、大径部72aの内径と略同一にされている。
【0056】
即ち、このレンズアンテナ90は、大径部72aと小径部72bとの境界で、蓋73に係止されて、導波孔72の大径部72aに収容され、蓋73の所定位置に固定される。尚、このレンズアンテナ90は、ミリ波帯送信装置30の場合、一次放射器46から放射されるRF信号をケース本体70外部に送信する送信アンテナとして機能し、ミリ波帯受信装置50の場合、ケース本体70外部から送信されてくる無線電波を受信し、その無線電波に対応するRF信号をケース本体70内部に放射する受信アンテナとして機能する。
【0057】
その他、蓋73の裏面には、導波孔72からRFモジュール41,51の一次放射器46,52上部までのRF信号の伝送経路に、導波管74が設けられている。この導波管74は、蓋73と一体成形されており、カットオフ周波数が所定の周波数になるようにされている。
【0058】
つまり、ミリ波帯送信装置30における導波管74は、カットオフ周波数がRFモジュール41の一次放射器46から放射されるRF信号の下限周波数となるように設計されている。また、ミリ波帯受信装置50における導波管74は、カットオフ周波数がRFモジュール51の一次放射器52にて受信されるべきRF信号の下限周波数となるように設計されている。尚、カットオフ周波数は、周知のように、導波管74の径を調節することで変更することが可能である。本実施例によれば、導波管74が上述のように構成されるので、カットオフ周波数以下の不要信号を効率的に除去することができる。
【0059】
一方、蓋73表面における導波孔72の周囲には、溝75が設けられており、この溝75にはレンズアンテナ90を囲むようにパッキン76が収容される。また更に、その上には、レンズアンテナ90を上方から押さえるための固定板77が載置される。この固定板77は、レンズアンテナ90に対応する位置に孔部78を備えており、この孔部78を介してレンズアンテナ90の凸レンズ部91を当該装置外部に突出させた状態で、螺子止めにより蓋73に固定される。
【0060】
その他、ケース本体70の側壁部上面には、パッキン79を収容するための溝80が設けられており、上述のように装置が作製されると、ケース本体70内は、パッキン76,79が機能することにより気密に保持される。
以上、第一実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明したが、第一実施例によれば、ケース本体70に、基板31,61及び、レンズアンテナ90を備える蓋73を、所定の位置関係で固定するためのピンP1〜P4を設けたので、簡単にRFモジュール41,51及びレンズアンテナ90を装置内の所定位置に精度よく組み付けることができ、低損失でミリ波を伝送可能なミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50を安価に製造することができる。
【0061】
つまり、第一実施例においては、RFモジュール41,51が基板31、61の端子S5〜S8に合わせて予め定められた位置に精度よく固定されるので、基板31,61とケース本体70とをピンP1,P2を用いて位置決めする程度で、RFモジュール41,51を必要充分な精度でケース本体70内の所定位置に配置できる。また、本実施例では、レンズアンテナ90を蓋73に備えられた導波孔72に収容しているので、ピンP3,P4を用いて蓋73をケース本体70に精度よく配置することによって、レンズアンテナ90を、ケース本体70の所定位置に精度よく固定でき、凸レンズ部91の軸心を、RF信号の伝送経路に精度よく合わせることができる。尚、本発明のケース本体は、本実施例においてケース本体70とそれに固定される蓋73とからなる。
【0062】
次に、第二実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明することにする。図6は、第二実施例のミリ波帯送信装置30の断面構成を概略的に表す断面図である。尚、第二実施例のミリ波帯送信装置30は、ケース本体101の形状が第一実施例のそれと異なること、蓋73の代わりに底板111がケース本体101に装着されることを除けば、概ね第一実施例のミリ波帯送信装置30と同一であるので、以下では、第一実施例のミリ波帯送信装置30と異なる部位のみ説明することにし、同一部位の説明を省略することにする。また、以下では、第一実施例と同様に、図6を用いて、ミリ波帯送信装置30と共に第二実施例のミリ波帯受信装置50の構成を、まとめて説明することにする。
【0063】
第二実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50におけるケース本体101は、下部が開口された中空の長方体形状にされている。このケース本体101には、導波孔103が設けられ、その導波孔103より基板31、61側には、導波孔103より小径の導波管104が設けられている。
【0064】
導波孔103の内径は、レンズアンテナ90の底部93の外径と略同一にされており、この導波孔103には、上述のレンズアンテナ90が収容される。また、ケース本体101の表面には、パッキン76を介して固定板77が載置される。つまり、導波孔103に収容されたレンズアンテナ90は、凸レンズ部91が固定板77の孔部78から突出された状態で、固定板77により押圧されて固定される。
【0065】
また、底板111は、ケース本体101の下部を閉塞するためのものである。この底板111は、ケース本体101の内部空間に、RFモジュール41,51が固定された基板31,61が収納された後、パッキン113を介してケース本体101の側壁下面に螺子止めされる。
【0066】
基板31,61及びRFモジュール41,51は、上記第一実施例と略同一構成にされている。ケース本体101の内部には、ピンP5,P6が設けられており、基板31,61の孔部H1,H2は、このピンP5,P6に挿入される。このように、孔部H1,H2にピンP5,P6が挿入されると、基板31,61はケース本体101の内部に位置決めされる。
【0067】
また、ケース本体101の内部には、基板31,61の挿通孔H5に対応する位置に螺子孔(図示せず)が設けられており、基板31,61は、孔部H1,H2にピンP5,P6が挿入されるとケース本体101に位置決めされて、ケース本体101に螺子止めされる。尚、基板31,61がケース本体101に螺子止めされると、RFモジュール41,51の一次放射器46,52は、導波管104の軸線上に配置される。尚、導波管104は、カットオフ周波数が第一実施例と同様の条件を満足するように設計されている。
【0068】
以上、第ニ実施例のミリ波帯送信装置30について説明したが、第ニ実施例によれば、基板31,61をピンP5,P6によってケース本体101内の所定の位置に精度よく固定することができ、更に、レンズアンテナ90を導波孔103に精度よく装着することができる。つまり、第二実施例によれば、RFモジュール41,51及びレンズアンテナ90をケース本体101の所定位置に精度よく簡単に組み付けることができ、低損失でミリ波を伝送可能なミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50を安価に製造することができる。
【0069】
次に、第三実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明することにする。尚、図7は、RFモジュール41’,51’が装着される基板31’,61’の構成、及び、その装着方法を表す概略斜視図である。また、図8は、RFモジュール41’の長手方向に垂直な断面に沿った第三実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図であり、図9は、RFモジュール41’の長手方向に沿った第三実施例のミリ波帯送信装置30内部の断面構成を表す概略断面図である。ただし、図8及び図9においては、RFモジュール41’内の断面構成を省略して表すことにする。また、図8及び図9においては、挿通孔H5及び螺子孔H0の配置を示すため、装置の一部を透過して表し、挿通孔H5及び螺子孔H0を点線で表すことにする。
【0070】
また、第三実施例のミリ波帯送信装置30で用いられるRFモジュール41’及び基板31’,並びに、ミリ波帯受信装置50で用いられるRFモジュール51’及び基板61’は、夫々、図1,2に示した上記第一実施例のRFモジュール41,51、基板31,61と同一の電気的構成を備えるものであるので、以下では、その電気的構成についての説明を省略することにする。
【0071】
その他、第三実施例のミリ波帯受信装置50の外観構成は図7〜図9に示す第三実施例のミリ波帯送信装置30の構成と略同一である。従って、以下では、ミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の構成を図7〜図9を用い、まとめて説明することにする。尚、図7〜図9には、括弧内にミリ波帯受信装置50に対応する符号を付した。
【0072】
第三実施例のRFモジュール41’,51’は、概ね第一実施例のRFモジュール41,51と同一の外観構成をなすものである。ただし、上記端子S1〜S4のいずれかを構成する計4つの導体層82,83,84,85は、RFモジュール41’,51’の長手方向に沿う左右側面において、一次放射器46,52を備えるRFモジュール41’,51’の表面側に、設けられている。
【0073】
一方、基板31’,61’は、上述の基板31、61の構成に加えて、RFモジュール41’,51’が備える孔部81と同程度の大きさの導波孔123を備えている。基板31’,61’表面には、RFモジュール41’,51’に形成された導体層82,83,84,85のいずれかと接続される導体パターン125〜128が形成されており、この導体パターン125〜128は、基板の端子S5〜S8のいずれかを構成する。またケース本体121のF型コネクタ71に対応する基板31’,61’端部には、F型コネクタ71に接続される導体パターン129が設けられている。
【0074】
また、基板31’,61’の角部には、基板31’,61’をケース本体121に螺子止めするための挿通孔H5が設けられている。このような構成の基板31’,61’には、基板31’,61’表面の導波孔123に一次放射器46,52が対向されるようにして、RFモジュール41’,51’が載置される。そして、RFモジュール41’,51’の導体層82〜85は、基板31’,61’上の導体パターン125〜128に半田等で接続され、基板31’,61’の所定位置に固定される。
【0075】
またRFモジュール41’,51’が固定された基板31’,61’は、導波孔131を備えるケース本体121内に収納され、螺子Rが基板の挿通孔H5及びケース本体の螺子孔H0に挿入されて、ケース本体121内の所定位置に固定される。その後、ケース本体121には、蓋133が装着されて螺子止めされる。
【0076】
尚、ケース本体121には、基板31’,61’固定側のケース本体底部121aであって、その基板31’,61’の導波孔123と連通する位置に上記導波孔131が設けられている。この導波孔131は、ミリ波帯送信装置30の場合、一次放射器46から放射されるRF信号を外部に伝送するための導波孔として機能し、ミリ波帯受信装置50の場合、外部から伝送されてくる無線電波をケース本体内に取り込むための導波孔として機能する。
【0077】
その他、導波孔131が形成された周囲のケース本体底部121a外面には、導波孔123,131に連通する導波孔135を備える固定板137を介して、レンズアンテナ90’が螺子止めにより所定位置に固定される。尚、このレンズアンテナ90’は、凸レンズ部91’と底部93’とからなり、底部93’の角に螺子孔H0を備えている。
【0078】
このレンズアンテナ90’は、ミリ波帯送信装置30の場合、一次放射器46から放射されるRF信号をケース本体121外部方向に送信する送信アンテナとして機能し、ミリ波帯受信装置50の場合、ケース本体121外部から送信されてくる無線電波を受信し、その無線信号に対応するRF信号をケース本体121内部に放射する受信アンテナとして機能する。本実施例では、レンズアンテナ90’を固定板137を介して固定したことにより、固定板137の厚みを変化させることで、一次放射器46,52からレンズアンテナ90’までの距離をアンテナゲインによって変えることができる。
【0079】
その他、導波孔123から導波孔135までのRF信号の伝送経路には、導波管139が設けられている。この導波管139は、カットオフ周波数が、上述の第一実施例と同様の条件を満足するように設計されている。
つまり、ミリ波帯送信装置30における導波管139は、カットオフ周波数がRFモジュール41’の一次放射器46から放射されるRF信号の下限周波数となるように設計されている。また、ミリ波帯受信装置50における導波管139は、カットオフ周波数がRFモジュール51’の一次放射器52にて受信されるべきRF信号の下限周波数となるように設計されている。
【0080】
以上に、第三実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50について説明したが、この実施例によれば、RFモジュール41’,51’の一次放射器46,52からケース本体121の導波孔131までのRF信号の伝送経路に導波孔123を備える基板31’,61’を配置しているので、基板31’,61’及びRFモジュール41’,51’をケース本体121内にコンパクトに収納することができる。
【0081】
また、本実施例では、カットオフ周波数が上述のように設定された導波管139を上記RF信号の伝送経路に設けているので、カットオフ周波数以下の不要信号等を効率的に除去することができ、ケース本体121内部における伝送ロスを効果的に抑制することができる。
【0082】
その他、第三実施例によれば、基板31’,61’及びレンズアンテナ90’を所定の位置関係でケース本体121に固定するために、基板31’,61’に挿通孔H5を設けると共にケース本体121に螺子孔H0を設け螺子止めにて基板31’,61’をケース本体121に固定するようにし、レンズアンテナ90’に螺子孔H0を設けて、レンズアンテナ90’を螺子止めにてケース本体121に固定するようにしたので、簡単にRFモジュール41’,51’及びレンズアンテナ90’を装置内の所定位置に精度よく組み付けることができる。したがって第三実施例によれば、低損失でミリ波を伝送可能なミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50を安価に製造することができる。
【0083】
尚、本発明のコネクタは、F型コネクタ71に相当する。また、本発明のミリ波帯送信装置及びミリ波帯受信装置は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、帯域分割された無線電波を送信/受信するミリ波帯送信装置/受信装置に、本発明を適用することも可能である。また、第三実施例では、第一及び第二実施例に示したようなピンP1〜P6をケース本体121に設けず、螺子をピンの代わりとして位置決めを行うようにしたが、勿論、上述のようなピンをケース本体121に設けて位置決めを行うようにしても構わない。
【0084】
また、本発明では、アンテナとのインターフェースとして導波管を用いているので、ミリ波帯送信装置30及び受信装置50に使用するアンテナの種類、形状などを柔軟に選ぶことができる。例えば、レンズアンテナは、図10に示すような形態でケース本体に取り付けることも可能である。
【0085】
以下、図10を用い第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の構成について説明する。但し、第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、ケース本体141の導波孔143及びレンズアンテナ150の形状を除けば、上記第三実施例の構成と略同一構成であるので、以下では、同一構成の装置各部の説明を省略することにする。尚、図10は、第四実施例のミリ波帯送信装置30の断面構成を表す概略断面図である。図10では、ミリ波帯受信装置50に対応する符号を括弧内に示す。
【0086】
第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50では、ケース本体141の導波孔143を、ケース本体141内側の大径部143aと、それよりケース本体外側の小径部143bと、から構成すると共に、レンズアンテナ150を、ケース本体141の導波孔小径部143bと略同径・同形状の筒状部151と、その筒状部151一端を閉塞する凸レンズ部153と、筒状部151他端より径方向外部に延び導波孔小径部143bより大径で、大径部143aより小径の鍔部155と、から構成している。
【0087】
そして、このレンズアンテナ150の鍔部155を、大径部143aに収容すると共に、レンズアンテナ150の筒状部151を小径部143bに収容し、ケース本体141内部が密閉されるようにしてレンズアンテナ150をケース本体141に接着材などで固定している。第四実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50によれば、鍔部155が導波孔143の大径部143aと係合されるので、レンズアンテナ150が欠落せず、製品の耐久性・安全性などを向上させることができるし、レンズアンテナ150をケース本体141の所定位置に精度よく配置することができる。また、本実施例によれば、鍔部155の長さaを、導波孔143を通じて伝送されるべきRF信号の四分の一波長(λ/4)としているので、鍔部155をコルゲートチョークとして機能させることができる。
【0088】
続いて、図11は、第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の断面構成を表す概略断面図である。第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、上記第三実施例のレンズアンテナ90’を、複数のパッチアンテナ161からなる平面アンテナ160に変更すると共に、導波管139’を、導波孔123から導波孔131まで設けたものである。尚、その他の装置内各部は、上記第三実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50と同一構成にされている。
【0089】
第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、裏面にプローブ163を備える平面アンテナ160がケース本体121の底部121aに固定された構成にされている。平面アンテナ160は、裏面のプローブ163に電気的に接続されたパッチアンテナ161が表面に複数配置された構成にされており、プローブ163が導波孔131に面するようにして、ケース本体底部121aに固定されている。
【0090】
尚、第五実施例におけるケース本体121の底部121aには、ピンP7,P8が設けられており、平面アンテナ160には、ピンP7,P8に対応する位置にピンP7,P8を挿入するための孔部H7,H8が設けられている。つまり、平面アンテナ160は、この孔部H7,H8にピンP7,P8が挿入されて位置決めされる。
【0091】
第五実施例では、レンズアンテナ90’の代わりに、パッチアンテナ161からなる平面アンテナ160を用いているので、レンズアンテナ90’の焦点位置に一次放射器46,52を配置しなければならないといった装置構成上の制約がレンズアンテナ90’と比較して少なく、アンテナの取付けを簡単にすることができる。
【0092】
この他、図12は、第六実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50の断面構成を表す概略断面図である。第六実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50は、上記第六実施例の平面アンテナ160を、パラボラアンテナ170に変更したものである。尚、その他の装置内各部は、上記第五実施例のミリ波帯送信装置30及びミリ波帯受信装置50と同一構成にされている。
【0093】
第六実施例で用いられるパラボラアンテナ170は、反射鏡171の中央部に設けられケース本体121に螺子で固定される固定板173の裏面にプローブ175を備えている。このプローブ175は、ケース本体121の導波孔131に接するように配置され、反射鏡171中央から突出するセンターフィード177に接続されている。また、固定板173には、ケース本体121の底部121aに設けられたピンP9,P10に対応する位置に、孔部H9、H10が設けられており、パラボラアンテナ170は、孔部H9,H10にピンP9,P10が挿入されて位置決めされる。
【0094】
第六実施例によれば、レンズアンテナの代わりに、パラボラアンテナ170を用いているので、取り付けが簡単であるし、高利得で電波を送受信することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の共同受信システムに用いるミリ波帯送信装置30の電気的構成を概略的に表す説明図である。
【図2】本実施例の共同受信システムに用いるミリ波帯受信装置50の電気的構成を概略的に表す説明図である。
【図3】第一実施例のミリ波帯送信装置30/受信装置50の外観構成を概略的に表す斜視図である。
【図4】RFモジュール41,51の外観構成を表す概略正面図(a)及び概略左側面図(b)である。
【図5】第一実施例におけるミリ波帯送信装置30/受信装置50の断面構成を表す概略断面図である。
【図6】第ニ実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図7】RFモジュール41’,51’及び基板31’,61’の構成を表す概略斜視図である。
【図8】第三実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図9】第三実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図10】第四実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図11】第五実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【図12】第六実施例におけるミリ波帯送信装置/受信装置の断面構成を表す概略断面図である。
【符号の説明】
10…コンバータ、11…共同受信アンテナ、12,16,35,45,53,66…アンプ、13,36…発振器、14,42,54…ミキサ、15,44,62,63…バンドパスフィルタ、17,32,68…電源分離回路、21…電源挿入器、22…電源装置、30…ミリ波帯送信装置、31,61,31’,61’…基板、33,67…イコライザ、34…合成器、37,64…PLL回路、38,65…VCO、41,51,41’,51’…RFモジュール、43,55…逓倍器、46,52…一次放射器、50…ミリ波帯受信装置、70,101,121,141…ケース本体、71…F型コネクタ、72,103,123,131,135,143…導波孔、73,133…蓋、74,104,139,139’…導波管、77,137,173…固定板、78,81,H1〜H4,H7〜H10…孔部、82〜85…導体層、90,90’,150…レンズアンテナ、91,91’,153…凸レンズ部、93,93’…底部、111…底板、151…筒状部、155…鍔部、160…平面アンテナ、161…パッチアンテナ、163,175…プローブ、170…パラボラアンテナ、171…反射鏡、177…センターフィード、H0…螺子孔、H5…挿通孔、R…螺子、P1〜P10…ピン、S1〜S8…端子、L1…伝送線
Claims (8)
- 導波孔が形成されたケース本体と、
該ケース本体の内部に、
コネクタから入力される信号に所定の処理を施し、該処理後の信号を出力端子から出力する信号処理回路が形成された基板と、
該基板の前記出力端子に電気的に接続された入力端子と、該入力端子を介して前記基板の信号処理回路から得た信号をミリ波帯のRF信号に変換して出力する変換回路と、該変換回路が出力するミリ波帯のRF信号を前記ケース本体の前記導波孔に向けて放射する放射器と、を備えるRFモジュールと、
を備えると共に、
前記ケース本体の前記導波孔に対応する位置に、
前記放射器から放射されるRF信号を前記ケース本体の外部に送信する送信アンテナ、
を備え、更に、
前記RFモジュール及び前記送信アンテナを、所定の位置関係で前記ケース本体に固定するための位置決め構造を備えることを特徴とするミリ波帯送信装置。 - 前記RFモジュールは、前記基板の予め定められた位置に固定されており、
前記ケース本体には、前記基板及び前記送信アンテナを、前記ケース本体の所定の位置に固定するためのピン止め部が、前記位置決め構造として備えられていることを特徴とする請求項1に記載のミリ波帯送信装置。 - 前記基板は、前記RFモジュールの前記放射器と、前記ケース本体の前記導波孔との間に配置されており、前記RFモジュールの前記放射器から前記ケース本体の導波孔までの前記RF信号の伝送経路に対応する位置に、導波孔を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミリ波帯送信装置。
- 前記RFモジュールの前記放射器から前記ケース本体の前記導波孔までの前記RF信号の伝送経路には、導波管構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のミリ波帯送信装置。
- 導波孔が形成されたケース本体と、
該ケース本体の前記導波孔に対応する位置に、
前記ケース本体の外部から送信されてくるミリ波帯の無線電波を受信し、その無線電波に対応するRF信号を、前記導波孔を介して、前記ケース本体の内部に放射する受信アンテナと、
を備えると共に、
前記ケース本体の内部に、
該ケース本体の前記導波孔から該ケース本体の内部に放射された前記RF信号を受信する受信器と、該受信器が受信した前記RF信号を中間周波信号に変換し、その中間周波信号を出力端子から出力する変換回路と、を備えるRFモジュールと、
該RFモジュールの前記出力端子に電気的に接続された入力端子と、該入力端子を介して前記RFモジュールの変換回路から得た中間周波信号に所定の処理を施し、該処理後の信号を出力する信号処理回路と、が形成された基板と、
を備え、更に、
前記RFモジュール及び前記受信アンテナを、所定の位置関係で前記ケース本体に固定するための位置決め構造を備えることを特徴とするミリ波帯受信装置。 - 前記RFモジュールは、前記基板の予め定められた位置に固定されており、
前記ケース本体には、前記基板及び前記受信アンテナを、前記ケース本体の所定の位置に固定するためのピン止め部が、前記位置決め構造として備えられていることを特徴とする請求項5に記載のミリ波帯受信装置。 - 前記基板は、前記ケース本体の前記導波孔と、前記RFモジュールの前記受信器との間に配置されており、前記ケース本体の前記導波孔から前記RFモジュールの前記受信器までの前記RF信号の伝送経路に対応する位置に、導波孔を備えていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のミリ波帯受信装置。
- 前記ケース本体の前記導波孔から前記RFモジュールの前記受信器までの前記RF信号の伝送経路には、導波管構造が設けられていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載のミリ波帯受信装置。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071204 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080401 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |