JP2004302877A - 図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004302877A JP2004302877A JP2003095246A JP2003095246A JP2004302877A JP 2004302877 A JP2004302877 A JP 2004302877A JP 2003095246 A JP2003095246 A JP 2003095246A JP 2003095246 A JP2003095246 A JP 2003095246A JP 2004302877 A JP2004302877 A JP 2004302877A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- request information
- user
- search
- information
- request
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000006870 function Effects 0.000 abstract description 66
- 238000007726 management method Methods 0.000 description 41
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 17
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 16
- 239000000463 material Substances 0.000 description 15
- 238000000034 method Methods 0.000 description 13
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 11
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 3
- 230000010365 information processing Effects 0.000 description 3
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000011835 investigation Methods 0.000 description 2
- 230000008520 organization Effects 0.000 description 2
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 238000013523 data management Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 238000012384 transportation and delivery Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
【課題】資料の複写や貸借の依頼情報入力に係わる利用者の作業を効率的に、かつ容易に行うことができるようにする。
【解決手段】サーバ装置11は、図書や雑誌の複写・貸借依頼情報の検索要求が利用者側クライアント装置15に入力された際に、業務DB12に保持された相互貸借DBを用いてその依頼情報を検索し、検索結果を利用者側クライアント装置15に提示する。利用者は、利用者側クライアント装置15に提示された過去の依頼情報を用いて、その情報に修正・追記を加えることにより、新たな依頼情報を簡便に生成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】サーバ装置11は、図書や雑誌の複写・貸借依頼情報の検索要求が利用者側クライアント装置15に入力された際に、業務DB12に保持された相互貸借DBを用いてその依頼情報を検索し、検索結果を利用者側クライアント装置15に提示する。利用者は、利用者側クライアント装置15に提示された過去の依頼情報を用いて、その情報に修正・追記を加えることにより、新たな依頼情報を簡便に生成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図書検索システム、プログラム及び記録媒体に関し、より具体的には、図書館の利用者により利用可能な図書または雑誌の目録情報等を検索するための図書検索システム、該システムの機能を実現するプログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等を用いて図書館における各種情報の管理を実現するための図書館情報管理システムに要求される機能は、大きく、目録管理機能(基本機能)、閲覧管理機能、雑誌管理機能、蔵書点検機能、発注受入機能、相互貸借機能、図書検索機能(OPAC:Online Public Access Catalogue)等からなり、1つの基本機能及び6つのサブ機能に分類される。
【0003】
図10は、図書館情報管理システムに要求される機能の概要を説明するための図である。図書館情報管理システムに要求される機能としては、雑誌管理機能90、発注受入機能100、目録管理機能(基本機能)110、図書検索機能(OPAC)120、閲覧管理機能130、蔵書点検機能140、相互貸借機能150等の機能がある。
【0004】
例えば、雑誌のように定期的あるいは非定期的に販売される書物は、通常の図書と区別して管理するほうが好ましく、雑誌管理機能90により製本処理91や雑誌あるいは該雑誌の製本代金の支払処理92を管理する必要がある。また、雑誌及び雑誌以外の図書を発注、受入するために、購入調査処理93を行う必要があり、該購入調査処理93に基づく雑誌又は図書の発注処理94、図書納品後の受入処理95、さらには、代金の支払処理92,101を管理する必要がある。
【0005】
目録管理機能(基本機能)110は、図書納品後の受入処理95の後に、例えば、国立情報学研究所(NII:National Institute ofInformatics)等の外部機関から提供される目録所在情報サービスの総合目録データベース(以下、NACSIS−CATという)に格納された目録情報の利用機能111により、図書の目録作成処理112を行い、目録作成後、配架場所を定めて配架処理114を行う機能を含む。また、これらの処理結果に基づいて蔵書の統計をとる蔵書統計処理113の機能も有している。
【0006】
図書検索機能(資料検索:OPAC)120は、図書館の利用者が目録により検索を行うための目録検索処理121を行い、目録検索後、利用者は、貸出予約申請処理122あるいは文献複写申請処理123を行う。閲覧管理機能130は、利用者管理機能131により図書館の利用者を管理し、その利用者管理機能131による利用者情報及び図書の配架処理114による所蔵情報に基づいて図書の貸出返却処理132を行う。さらに、利用者管理機能131、貸出返却処理132、予約管理機能133の全てあるいは一部の情報に基づき利用統計をとる利用統計処理134の機能も有している。
【0007】
蔵書点検機能140は、貸出返却処理132の情報に基づいて蔵書点検処理141を行う。また、相互貸借機能150は、図書検索機能120における文献複写申請処理123に基づいて、例えば、前述した国立情報学研究所等の外部機関から提供される図書館間相互貸借サービスの相互貸借データベース(以下、NACSIS−ILLという)に格納された依頼情報、受付情報の利用機能151等により、他の図書館で管理している図書の複写を行う。さらに、貸出予約申請処理122により他の図書館で管理している図書を貸借することもできる。
【0008】
図書館情報管理システムに要求される上述のごとき機能は、通常、機能毎に独立したシステムが存在し、図書館業務を行う図書館員は、機能毎に別々に操作を行うことになる。また、図書館情報管理システムにおいて、例えば、書名、著者名、出版者等といった図書の書誌データは、各図書館のローカルなデータベースで管理されている。
【0009】
なお、図書館において、文献の複写や貸借の依頼に関る情報を取得する手段に関する技術としては、例えば特許文献1がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−169812号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図書館の利用者は、通常利用する図書館に目的の資料が存在しない場合、その資料の複写や貸借を図書館に依頼する。その際、書名や著者名など、依頼するために必要な情報を端末装置等に入力する必要があるが、この入力が非常に手間のかかる作業である。このような問題は、上述のごとくの図書館情報管理システムの図書検索機能を用いて依頼情報の入力操作を行う場合も同様である。
【0012】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、資料の複写や貸借の依頼情報入力に係わる利用者の作業を効率的に、かつ容易に行うことができるようにした図書検索システム、該システムの機能を実現するプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、図書館の利用者が使用する利用者側クライアント装置と、図書または雑誌の目録情報を検索するためのサーバ装置とがネットワークを介して接続された図書検索システムにおいて、該図書検索システムは、図書館同士における図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報を登録した相互貸借データベースを前記サーバ装置に保持し、もしくは該サーバ装置からアクセス可能に設定し、前記サーバ装置は、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が前記利用者側クライアント装置に入力された際に、該入力された検索要求に従う依頼情報を前記相互貸借データベースから検索する依頼情報検索手段と、該依頼情報検索手段が検索した結果を前記利用者側クライアント装置に提示させる依頼情報提示手段とを有することを特徴としたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、該図書検索システムは、図書館の利用者ごとに割り当てられた利用者IDを含む利用者情報を登録した閲覧データベースを前記サーバ装置に保持し、もしくは該サーバ装置からアクセス可能に設定し、前記サーバ装置は、前記依頼情報検索手段を利用する利用者が前記利用者側クライアント装置に入力した前記利用者情報に基づいて、前記閲覧データベースに登録した利用者情報を参照して該利用者の認証を行う依頼情報検索利用者認証手段を有し、前記依頼情報検索手段は、前記依頼情報検索利用者認証手段が認証した利用者による検索要求に対してのみ、前記相互貸借データベースに対する検索を実行することを特徴としたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記サーバ装置は、前記依頼情報提示手段によって前記利用者側クライアント装置に提示した複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて該選択された依頼情報を記憶する依頼情報選択記憶手段と、該依頼情報選択記憶手段が記憶した依頼情報を新規の依頼情報を生成するための基礎情報として前記利用者クライアントに表示させる依頼生成用基礎情報表示手段と、該依頼生成用基礎情報表示手段によって前記利用者側クライアントに表示された基礎情報の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成する依頼情報生成手段と、前記依頼情報生成手段で生成された依頼情報を前記相互貸借データベースに登録する依頼情報登録手段とを有し、前記依頼情報検索手段は、前記依頼情報生成手段で生成された依頼情報の検索要求に従って前記相互貸借データベースから依頼情報を検索することを特徴としたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1の発明において、前記利用者側クライアント装置は、前記複写および貸借の依頼情報の検索条件を受け付けて、前記相互貸借データベースからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを有することを特徴としたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1に記載の図書検索システムの機能を実現するプログラムである。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
【発明の実施の形態】
大学の研究者などは、研究分野がほぼ一定であるため、複写や貸借を依頼する資料は、以前に依頼したものに類似している場合が多い。本発明は、このようなケースを利用し、過去に依頼した文献の複写や貸借に関る依頼情報を用いて、新たな依頼情報を容易に作成できるようにしたものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る図書館における図書館情報管理システムの構成を示す図である。図書館10には、図書館業務を管理するためのサーバ装置11が備えられ、図書館業務に係る各種データを格納する業務データベース(業務DB)12、利用者が目録検索するための検索データベース(検索DB)16が設定される。これらDB12,16は、サーバ装置11の記録手段に設定してもよいが、サーバ装置11がアクセス可能な資源上に配置されていればよい。またサーバ装置11を2つ用意して、それぞれのサーバ装置に業務DB12と検索DB16を置く形態としても良い。
【0020】
また、図書館10には、図書館員が業務に使用する図書館員側クライアント装置14、及び図書館の利用者が使用する利用者側クライアント装置15が備えられ、これら装置14,15がサーバ装置11との間でLAN等の図書館内ネットワーク17によって接続されている。
【0021】
国立情報学研究所20は、NACSIS−CAT(総合目録DB)21を有し、ネットワーク30を介して図書館10に接続している。本実施形態においては、業務DB12がローカルデータベースとなり、NACSIS−CAT21がホストデータベースとなる。
【0022】
また、ネットワーク30を介して図書館10の情報管理システムに接続される外部機関は、上記国立情報学研究所20に限定されず、該国立情報学研究所が有する総合目録DBと同様な目録所在情報サービス等を提供できる外部機関であればネットワーク接続することが可能である。
【0023】
また、本実施形態では、サーバ装置11、業務DB12及び検索DB16とが、図書館側に設置されているものとして説明するが、サーバ装置11が、各クライアント装置14,15にネットワーク30を介して接続されるようにしてもよい。たとえば、サーバ装置11の機能を実現するモジュールが、本図書検索システムをASP(Application Service Provider)により提供する提供業者の会社等に設置されていてもよい。この場合、ASP提供業者が有するサーバ装置(図示せず)は、後述するサーバ装置11が有する各手段をアプリケーションとしてネットワーク30を介して提供するサービスを図書館の各クライアント装置14,15に対して提供できる機能を備えるものとする。
【0024】
サーバ装置11には、後述の図4に示す各手段が有する機能を実現するためのプログラムが格納されている。これらのプログラムは、後述する各手段を図書館員または利用者が利用する際に、操作が容易になるようにユーザインタフェースを備えている。
【0025】
また、本実施形態の説明に際し、サーバ装置11を1つの装置として示しているが、上述のごとくネットワーク30を介してサーバ装置11の各機能を分散させてもよい。また、各クライアント装置14,15は、デスクトップ型パーソナルコンピュータとして図示しているが、ネットワーク接続可能なモバイルコンピュータであっても良く、使用形態に応じた形態であればよい。クライアント装置14,15を複数台設置する場合、たとえばLAN等によりネットワーク接続される必要がある。
【0026】
ネットワークとしては、有線、無線に限らず、専用回線、電話回線等で接続されたインターネットや、インターネット技術を利用したイントラネットの形態でもよく、さらには、専用回線を使用する場合でもWAN(Wide Area Network)やMAN(Metropolitan Area Network)に限らず、サーバ装置11の設置場所によっては、LANで構成される形態もとりうる。また、このネットワークには、専用回線の使用、伝送データの暗号化、各クライアント装置を使用するユーザの認証等、様々な方法によるセキュリティの強化が必要となる。
【0027】
さらに、本図書館情報管理システムの実施形態として、サーバ装置11に業務DB12及び検索DB16が物理的に含まれている場合や、ネットワークを介して接続され、物理的に離散している場合のどちらの形態も取りうる。サーバ装置11には、後述する各手段が有する機能を実行するためのプログラムが格納されていればよい。これらのプログラムには、後述する各手段を図書館員又は利用者が使用する際に、操作が容易になるようにGUI(グラフィカルユーザインタフェイス)を備えるようにするとよい。
【0028】
図2は、本発明に係わる図書館情報管理システムにおけるデータベースと各サブシステムとの関係を説明するための図である。サーバ装置11は、各機能に応じて7つのサブシステムからなり、発注受入サブシステム11a、目録管理サブシステム(基本システム)11b、雑誌管理サブシステム11c、相互貸借サブシステム11d、閲覧管理サブシステム11e、蔵書点検サブシステム11f、図書検索サブシステム11gとを有する。
【0029】
業務DB12は、図書館員のみが業務に使用するDBであって、図書館の利用者がアクセスして、検索や編集をすることはできない。この業務DB12には、図書館員が業務で作成、変更するデータが全て登録される。この業務DB12は、購入依頼DB12a、目録DB13、相互貸借DB12d、閲覧DB12e、点検DB12f、コード表DB12g、予算DB12hとを有し、さらに目録DB13は、図書目録DB12b及び雑誌目録DB12cからなる。また、検索DB16は、図書館の利用者に対して目録検索サービスを提供するものである。
【0030】
総合図書館情報管理システムは、上記7つのサブシステムを有機的に連携させ、1つのシステムとして提供可能とするものであり、この総合図書館情報管理システムにより、基幹業務から利用者サービスまで含む総合的な図書館業務を行うことが可能となる。
【0031】
購入依頼DB12aは、利用者からの図書購入の申し込み情報を管理している。この購入依頼DB12aに登録された申し込み情報を参照し、該申し込み情報に対応する図書を購入するかどうか検討し、検討した結果、購入が決まった図書は、購入依頼DB12aに登録された申し込み情報に基づき発注受入サブシステム11aにより発注情報が生成される。
【0032】
図書目録DB12bは、書誌データや所蔵データ等の図書に関する目録情報と、図書の発注情報とを管理している。この図書に関する目録情報は、本図書館情報管理システムの各サブシステムが共通で使用することができる。また、雑誌目録DB12cは、書誌データや所蔵データ、巻号データ、コピーデータ等の雑誌に関する目録情報と、雑誌の発注情報と、雑誌製本の発注情報とを管理している。この雑誌に関する目録情報は、本図書館情報管理システムの各サブシステムが共通で使用することができる。雑誌の場合、未製本雑誌、製本雑誌ともにコピーデータの管理対象となる。ここで、製本とは、複数冊の未製本雑誌を1冊にまとめる処理のことをいう。
【0033】
ここで、図書における目録情報は、図書の書名や出版者等の書誌データ、図書毎の資料ID、所在等を含む物理的な図書1冊毎の所蔵データとから構成され、図書の発注情報は、1件の発注毎に発注番号、購入冊数、価格、購入を申し込んだ利用者等の情報を含むものである。また、雑誌における目録情報は、雑誌の誌名や出版者等の書誌データ、雑誌の所在毎に所蔵している巻号の情報をまとめた所蔵データ、発行年月や巻号番号等の雑誌の巻又は号に共通する巻号データ、物理的な雑誌1冊毎の所在を含むコピーデータ(図書の所蔵データに対応する)とから構成され、雑誌の発注情報は、発注する雑誌1部毎に発注番号、契約期間、価格、購入を申し込んだ利用者等の情報を含むものである。同一の雑誌を複数部数購入する場合、発注データは発注する部数分作成される。また、雑誌製本発注情報は、製本する雑誌1部毎に発注番号、発注先、製本サイズ、製本発注日、製本を申し込んだ利用者等の情報を含むものである。
【0034】
上述したように本図書館情報管理システムは、目録情報を大きく、図書(単行書)と雑誌(逐次刊行物)に分類して目録を管理している。これにより、図書と雑誌で異なるデータ構造で管理することができ、より正確、かつ、効率的に目録情報の検索を行うことを可能とする。
【0035】
相互貸借DB12dは、図書又は雑誌(各種文献等を含む)の貸借や複写の依頼情報、受付情報を管理している。NACSIS−ILLを経由した依頼情報や受付情報と、NACSIS−ILLを経由しない依頼情報や受付情報とを一緒に管理することができる。また、閲覧DB12eは、図書又は雑誌の貸出情報、予約情報、及び利用者の情報を管理している。これらの貸出情報、予約情報、利用者情報は全て閲覧DB12eで生成、編集される。
【0036】
また、点検DB12fは、図書又は雑誌の点検業務を行う際に、図書目録DB12b及び雑誌目録DB12cから点検に必要な情報を抽出して生成される点検情報を管理するもので、この点検情報により点検対象の目録情報と点検履歴等の情報が管理される。コード表DB12gは、本図書館情報管理システムの各サブシステムやシステム全体が使用する共通のコードを管理する。
【0037】
また、検索DB16は、図書館の利用者が図書検索サブシステムを用いて図書または雑誌を検索する際に参照するDBである。検索DBは、図書館の利用者が図書又は雑誌を検索する際に必要な目録情報を業務DB12の中から抽出し、効率よく検索ができるデータ形式に変換して登録するもので、業務DB12からのデータ登録や更新を夜間に自動的に行うことができる。
【0038】
図3は、本発明における検索DB16のデータ構造の一例を説明するための図である。検索DB16は、図書館の利用者が図書検索サブシステム11gを用いて図書又は雑誌を検索する際に参照するDBであって、図書目録DB12bと雑誌目録DB12cとから必要な情報を取り出して、夜間処理等により自動的にデータの生成及び更新を実行することができる。また、この検索DB16は、指定された検索条件を満たすかどうか調べるための検索用データと、検索結果として表示するための表示用データとを管理し、これらのデータ構成により、高速、かつ、漏れのない検索を実現することができる。ここで、夜間処理によりデータの更新を行う場合、図書目録DB12bと雑誌目録DB12cに加えられた変更分(差分)のみを検索DB16に反映させることが可能である。
【0039】
検索DB16は、図書検索用データ16a、図書表示用データ16b、雑誌検索用データ16c、雑誌表示用データ16d、コード表データ16eから構成され、図書検索用データ16a及び図書表示用データ16bは、図書目録DB12bに登録された書誌データ、所蔵データ、図書の目次に関する目次データ(この目次データは、目次検索機能を利用する場合に必要である。)から必要なデータを抽出し、効率的に検索ができるデータ形式に変換したものである。また、雑誌検索用データ16c及び雑誌表示用データ16dは、雑誌目録DB12cに登録された書誌データ、所蔵データ、巻号データ、コピーデータ、目次データ(目次検索機能を利用する場合に必要である)から必要なデータを抽出し、効率的に検索ができるデータ形式に変換したものである。
【0040】
図書検索サブシステム11gは、図書館の利用者により利用可能な図書又は雑誌を検索対象とし、利用可能な状態にある図書又は雑誌の目録情報を検索DB16に登録することができる。すなわち、利用できない図書又は雑誌は、検索DB16に登録されないため、図書の場合、例えば転送対象の所蔵データを1件も持たない書誌データ、紛失の所蔵データしか持たない書誌データ、除籍の所蔵データしか持たない書誌データ、紛失中の所蔵データ、除籍した所蔵データ、検索DB16に反映しないことを明示的に指定した所蔵データ等は登録されない。また、雑誌の場合、例えば転送対象の所蔵データを1件も持たない書誌データ、検索DB16に反映しないことを明示的に指定した所蔵データ、紛失中のコピーデータしか持たない巻号データ、除籍のコピーデータしか持たない巻号データ、状態が「製本済」のコピーデータしか持たない巻号データ、欠号コピーデータ、紛失中のコピーデータ、除籍したコピーデータ、製本されたことにより不要になった未製本雑誌のコピーデータ、検索DB16に反映しないことを明示的に指定したコピーデータ等は登録されない。
【0041】
図4は、図書検索サブシステム11gの各機能を実行するサーバ装置11の構成例を示す図で、サーバ装置11は、目録情報登録手段11g1、目録情報検索手段11g2,目録情報提示手段11g3、記憶手段11g4、リンク設定手段11g5、判断手段11g6、通知手段11g7、第1の認証手段11g8、購入依頼受付手段11g9、購入依頼情報登録手段11g10、第2の認証手段11g11、相互貸借受付手段11g12、依頼情報登録手段11g13と、依頼情報検索手段11g14、依頼情報提示手段11g15、依頼情報検索利用者認証手段(第3の認証手段)11g16、依頼情報選択記憶手段11g17、依頼生成用基礎情報表示手段11g18、依頼情報生成手段11g19、依頼情報登録手段11g20を有している。
【0042】
図書検索サブシステム11gにおいて、サーバ装置11が有する目録情報登録手段11g1は、目録DB13に登録された目録情報を抽出し、抽出した目録情報を検索DB16に登録する手段であり、目録情報検索手段11g2は、利用者側クライアント装置15から入力された検索条件に基づき検索DB16に登録された目録情報を検索する手段であり、目録情報提示手段11g3は、目録情報検索手段11g2により検索された目録情報を利用者側クライアント装置15に対し提示する手段である。
【0043】
目録情報検索手段11g2は、検索条件として入力された文字列が、検索DB16に登録された書誌データの文字列と部分一致した場合に、部分一致した文字列を有する書誌データに対応する目録情報を検索することができる。また、文字列の部分一致に限らず、完全一致、前方一致、後方一致、単語検索等のさまざまな図書検索を行うことが可能である。また、検索条件として入力される文字列は、例えば、図書名又は雑誌名、図書又は雑誌に関する任意のキーワード、著者名、出版社名、件名等であり、これらの検索条件に基づき横断的に検索を実行することができる。
【0044】
また、目録情報検索手段11g2は、検索条件として複数の異なる表記を有する文字列を入力する際に、入力された文字列の表記の違い(表記揺れ)を自動的に吸収し、その表記の違いを吸収した文字列を有する書誌データに対応する目録情報を検索することができる。ここで、文字列の表記の違い(表記揺れ)は、例えば、大文字と小文字の違い、全角文字と半角文字の違い、漢字における正字と異体字の違い、ひらがなとカタカナの違い、記号の表記の違い、音標符号の表記の違い、カタカナ語における発音表記の違い等がある。これは、例えば「コンピュータ」と「コンピューター」、「文芸」と「分藝」、「ヴァイオリン」と「バイオリン」等複数の表記が考えられる文字列があり、これらを検索条件として指定する際に、指定した文字列の表記のばらつきにより、必要な図書又は雑誌が検索結果から漏れることを防ぐことが可能である。
【0045】
サーバ装置11が有する記憶手段11g4は、利用者側クライアント装置15から入力された検索条件と、その検索条件に応じた検索結果とを検索履歴として記憶する手段である。この記憶手段11g4により記憶された検索履歴に新規の検索条件を追加して、検索条件を絞り込んで検索を行うことができる。
【0046】
また、目録情報登録手段11g1は、図書又は雑誌の目次に関する目次情報を目録DB13に登録するとともに、その登録した目次情報を目録情報に関連付けて検索DB16に登録することができる。この目次情報は、目次検索機能を利用する際に必要となるデータであり、目録情報と同様に目録DB13から抽出して、検索DB16に登録することが可能である。これにより図書又は雑誌に関する目次情報を利用者に対し提供することが可能となる。
【0047】
さらに、目録情報登録手段11g1は、目録DB13に登録された目録情報及び目次情報に追加、変更があった場合、その追加、変更された目録情報及び目次情報を目録DB13から抽出し、抽出した目録情報及び目次情報を、例えば、夜間等、他の業務に影響の少ない時間帯に一括して検索DB16へ反映させることができる。
【0048】
サーバ装置11が有するリンク設定手段11g5は、目録情報検索手段11g2により検索された図書又は雑誌の目録情報における著者名データ、件名データ、シリーズ名データのうちのいずれか1つ又は複数に関連するリンクを設定する手段である。このリンク設定手段11g5により設定されたリンクに応じて著者名データ、件名データ、シリーズ名データそれぞれに関連する情報を利用者側クライアント装置15に一覧表示することができる。これは、例えば、著者名データにリンクが設定されている場合、そのリンクをクリックすると、その著者名データに該当する著者が書いた図書又は雑誌の一覧を表示させることができる。
【0049】
判断手段11g6は、図書館の利用者が所望する図書又は雑誌の目録情報を検索する際に、検索した目録情報に対応する図書又は雑誌の貸出情報が閲覧DB12eに登録されて、かつ、その図書又は雑誌が貸出中かどうか判断する手段であり、通知手段11g7は、判断手段11g6により貸出情報が閲覧DB12eに登録されており、かつ、貸出中と判断された場合に、その貸出情報に対応する図書又は雑誌を貸出中として利用者側クライアント装置15に対して通知する手段である。サーバ装置11は、判断手段11g6により貸出中と判断された図書又は雑誌の予約の申し込みを利用者側クライアント装置15から受け付けて、受け付けた予約の申し込みを予約情報として閲覧DB12eに登録することができる。
【0050】
また、サーバ装置11は、図書館の利用者を認証する第1の認証手段11g8を有し、第1の認証手段11g8により認証された利用者自身の貸出情報及び予約情報を閲覧DB12eから抽出し、抽出した貸出情報及び予約情報に基づき利用者自身の利用状況に関する利用情報を生成し、生成した利用情報を利用者側クライアント装置15に提示することができ、これにより利用者は、利用者本人が、貸借や、予約をしている図書又は雑誌に関する利用状況を確認することができる。この際、予約している図書又は雑誌の予約を取り消すことも可能である。
【0051】
サーバ装置11が有する購入依頼受付手段11g9は、図書館の利用者が所望する図書又は雑誌の目録情報を検索DB16から検索し、検索した結果、該当する図書又は雑誌の目録情報が検索DB16に登録されていない場合、目録情報に応じた購入依頼の申し込みを利用者側クライアント装置15から受け付ける手段であり、購入依頼情報登録手段11g10は、購入依頼受付手段11g9により受け付けた購入依頼情報を購入依頼DB12aに登録する手段である。
【0052】
また、サーバ装置11は、図書館の利用者を認証する第2の認証手段11g11を有し、第2の認証手段11g11により認証された利用者自身の購入依頼情報を購入依頼DB12aから抽出し、抽出した購入依頼情報に応じた発注受入の状況を示す発注受入情報を生成し、生成した発注受入情報を利用者側クライアント装置15に提示することができ、これにより利用者は、利用者本人が、購入依頼した図書又は雑誌の発注や、受入の状況を確認することができる。ここで、利用者本人の予算執行状況を、年度を指定して参照することも可能である。
【0053】
サーバ装置11が有する相互貸借受付手段11g12は、図書館の利用者が所望する図書又は雑誌の目録情報を検索DB16から検索し、検索した結果、該当する図書又は雑誌の目録情報が検索DB16に登録されていない場合、目録情報に応じた複写又は貸借の申し込みを利用者側クライアント装置15から受け付ける手段であり、依頼情報登録手段11g13は、相互貸借受付手段11g12により受け付けた複写又は貸借の依頼情報を相互貸借DB12dに登録する手段である。
【0054】
依頼情報検索手段11g14は、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が利用者側クライアント装置15に入力された際に、その入力された検索要求に従う依頼情報を相互貸借DB12dから検索する。
依頼情報提示手段11g15は、依頼情報検索手段11g14により検索された依頼情報を利用者側クライアント装置15に対して提示する。
【0055】
依頼情報検索利用者認証手段(第3の認証手段)11g16は、依頼情報検索手段11g14を利用する利用者が利用者側クライアント装置15に入力した利用者情報に基づいて、閲覧DB12eに登録した利用者情報を参照して該利用者の認証を行う。そして上記依頼情報検索手段11g14は、依頼情報検索利用者認証手段11g16が認証した利用者による検索要求に対してのみ、前記相互貸借DB12dに対する検索を実行する。
【0056】
依頼情報選択記憶手段11g17は、依頼情報提示手段11g15によって利用者側クライアント装置15に提示した複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて、その選択された依頼情報を記憶する。
依頼生成用基礎情報表示手段11g18は、依頼情報選択記憶手段11g17が記憶した依頼情報を、新規の依頼情報生成のための基礎情報として利用者側クライアント装置15に表示させる。
【0057】
依頼情報生成手段11g19は、依頼生成用基礎情報表示手段11g18によって利用者側クライアント装置15に表示された基礎情報の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成する。
依頼情報登録手段11g20は、依頼情報生成手段11g19で生成された依頼情報を相互貸借DB12dに登録する。そして上記の依頼情報検索手段11g14は、依頼情報生成手段11g19で生成された依頼情報の検索要求に従って相互貸借DB12dから依頼情報を検索する。
【0058】
本発明の図書検索サブシステム11gは、利用者の利用環境に応じたユーザインタフェイスを提供することができる。例えば、文字端末から利用できる検索インタフェイスと、WWW(World Wide Web)に対応した検索インタフェイスとが提供可能である。ここで、WWWに対応した検索インタフェイスの場合、利用者側クライアント装置15は、目録情報を検索するための検索条件の入力を受け付けて、検索DB16からの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを備えている。
【0059】
なお、上記のごとくの各認証手段によって、利用者本人による予約の登録、利用状況や予算執行状況の照会、図書または雑誌の購入申し込み、及び他の図書館に対する文献の複写や貸借の依頼を処理するために、利用者ID及びパスワード等を用いて利用者の認証を行うことができる。これらの利用者サービスを行うためには、前述した閲覧管理サブシステム11eとの連携が必要となり、閲覧管理サブシステム11eが管理する閲覧DB12eに利用者情報としてパスワードを登録しておく必要がある。また、予算執行状況の照会や、図書または雑誌の購入申し込みを行うためには、発注受入サブシステム11aとの連携が必要となり、他の図書館に対する文献の複写や貸借の依頼を行うためには、相互貸借サブシステム11dとの連携が必要となる。
【0060】
図5は、本発明が適用される図書館における図書検索システムにおいて、相互貸借依頼情報を検索し、新たに文献複写または貸借の依頼を行うまでの処理の一例を説明するフローチャートである。まず、文献複写または貸借の依頼を行う利用者が依頼操作を行う際に利用者側クライアント装置15に入力した認証情報に基づいて、依頼情報検索利用者認証手段11g16が閲覧DB12eを参照して、利用者の認証を行う(ステップS1)。ここでは、閲覧DB12eに登録されている利用者IDとパスワードを用いて利用者の認証を行う。
【0061】
次に利用者は、過去の自分の依頼情報を検索するために、利用者クライアント装置15上で検索条件を入力する(ステップS2)。依頼情報検索手段11g14は、入力された検索条件による検索要求が入力された際に、その検索条件に合致する過去の依頼情報を相互貸借DB12dから検索し、検索の結果、該当する過去の依頼情報が検索された場合には、その結果を利用者側クライアント装置15に提示する(ステップS3)。
【0062】
次いで利用者は、提示された依頼情報の中から新規の依頼情報を生成するための基礎情報として用いる依頼情報を選択すると(ステップS4)、選択された依頼情報が、依頼情報生成用基礎情報表示手段11g18によってクライアント装置15に表示される。
【0063】
利用者は、利用者側クライアント装置15に表示された過去の依頼情報を用いて、新たな依頼情報を作成する。すなわち、選択した依頼情報が表示された画面上で、任意のデータを修正もしくは追記し、新たな依頼情報として文献の複写または貸借の依頼を行う(ステップS5)。また、上記ステップS4で選択した依頼情報が複数ある場合には、次の依頼情報に対して同様の操作を行い、選択した依頼情報がなくなるまで修正・追記、及び依頼を繰り返す(ステップS6)。
【0064】
図6は、利用者側クライアント装置15における利用者の認証情報の入力画面の一例を示す図で、図中、40は認証情報の入力画面である。入力画面40は、利用者ID入力欄41と、パスワード入力欄42とを有している。この入力画面40により、利用者本人による予約の登録、利用状況や予算執行状況の照会、図書または雑誌の購入申し込み、他の図書館に対する文献の複写や貸借の依頼、及び過去の依頼の検索を実行するために、利用者ID及びパスワードの入力を受け付けて、利用者の認証を行うことができる。
【0065】
図7は、利用者側クライアント装置15における過去の依頼情報を検索するための操作画面の一例を示す図で、図中、50は依頼検索条件の入力画面である。入力画面50は、検索条件入力欄51と、検索ボタン52とを有している。本例によると、検索対象として雑誌が選択されている。検索条件として、タイトルに「Biochemical」が設定され、過去に複写依頼した雑誌でタイトルに「Biochemical」を含むものが設定されている。
【0066】
図8は、利用者側クライアント装置15における、依頼情報検索結果を表示するための画面の一例を示す図で、図中、60は検索結果の表示画面である。検索結果の表示画面60は、検索結果62、文献複写ボタン61、及びデータを選択するためのチェック欄63などを有している。本例では、図6の入力画面40で指定された検索条件に基づいて検索された過去の依頼データが表示されている。
【0067】
利用者は、表示された過去の依頼情報の中から、新たに複写依頼しようとする資料に類似した書名をもつ依頼情報を、チェック欄63を用いて選択することができる。そして、文献複写ボタン61を押すことにより、選択したデータが記憶され、記憶されたデータが後述する図9の画面に表示される。また、検索結果の表示画面に一覧表示された依頼情報は、複数選択して記憶させることが可能である。
【0068】
図9は、利用者側クライアント装置15における文献複写を行うための操作画面の一例を示す図で、図中70は、文献複写依頼情報の入力画面である。入力画面70は、タイトルなど複写依頼に必要な資料の情報を入力するための領域72、依頼ボタン73、及び次文献表示ボタン71などを有している。
【0069】
本例では、図8の検索結果の表示画面60で選択された依頼情報に関する資料のタイトル、ISSN、及び巻号などが表示される。利用者は、新たに依頼する資料と照らし合わせて、入力画面70のタイトル、巻号、ページなどの情報を修正もしくは追記して新たな依頼情報を作成することができる。すなわち、ここでは、過去の依頼情報を用いてあらたな依頼情報を作成するため、入力操作を容易に実行することができる。そして利用者は、依頼ボタン73を押すことにより、文献複写依頼を実行することができる。
【0070】
また、図8において、利用者が複数の依頼情報を選択した場合には、次文献表示ボタン71を押すことにより、次に選択したデータのタイトルやISSNなどが入力画面70に表示され、この表示情報を用いて別の依頼情報を作成することができる。
【0071】
なお、本発明の図書検索システムは、利用者の利用環境に応じたユーザインタフェイスを提供することができる。たとえば、文字端末から利用できる検索インタフェイスと、WWW(World Wide Web)に対応した検索インタフェイスとが提供可能である。ここで、WWWに対応した検索インタフェイスの場合、利用者側クライアント装置15は、目録情報や相互貸借依頼情報を検索するための検索条件の入力を受け付けて、検索DBや相互貸借DBからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを備えている。
【0072】
以上、本発明の図書館における図書検索システムにおける各機能を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、この各機能を有する図書検索システムと同様に、コンピュータに図書検索システムとして機能させるためのプログラムとしての形態も可能である。
【0073】
本発明による図書検索の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、その他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態のシステムの機能をコンピュータに実行させ、図書検索の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記憶媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わる図書検索の機能を実行することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の図書検索システムによれば、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が利用者側クライアント装置に入力された際に、その検索要求に従う依頼情報を相互貸借DBから検索し、その検索結果を利用者側クライアント装置に提示させることによって、過去に依頼した文献複写・貸借情報を検索することができ、利用者にとって利便性の高い図書検索システムを提供することができる。
【0075】
さらに本発明の図書検索システムによれば、依頼情報検索を実行する利用者が利用者側クライアント装置に入力した利用者情報に基づいて、閲覧DBに登録した利用者情報を参照して認証を行い、認証された利用者による検索要求に対してのみ、相互貸借DBに対する検索を実行することにより、認証が通った利用者で、その利用者個人のデータだけを検索対象とすることができ、プライバシーが保護された実用的な図書検索システムを提供することができる。
【0076】
さらに本発明の図書検索システムによれば、利用者側クライアント装置に提示された複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて、その依頼情報を新規の依頼情報を生成するための基礎情報として利用者クライアントに表示させ、その基礎情報の修正・追記等の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成し、生成した依頼情報を前記相互貸借DBに登録し、さらに生成された依頼情報の検索要求に従って相互貸借DBから依頼情報を検索することにより、利用者は、過去に依頼した資料の中から新たに複写・貸借を依頼する資料に類似した資料を選択し、選択した資料のデータを用いて新たな依頼情報を生成することができ、これにより依頼情報の入力を省力化することができ、利用者にとって利便性の高い図書検索システムを提供することができる。
【0077】
さらに本発明の図書検索システムによれば、複写および貸借の依頼情報の検索条件を受け付けて、相互貸借DBからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを利用者側クライアント装置が有することにより、利用者の利用環境に応じた検索・表示のためのインタフェイスを提供することができる。
【0078】
さらに上記本発明の図書検索システムの機能を実現するプログラム及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る図書館における図書館情報管理システムの構成を示す図である。
【図2】本発明に係わる図書館情報管理システムにおけるデータベースと各サブシステムとの関係を説明するための図である。
【図3】本発明における検索DBのデータ構造の一例を説明するための図である。
【図4】図書検索サブシステムの各機能を実行するサーバ装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明が適用される図書館における図書検索システムにおいて、相互貸借依頼情報を検索し、新たに文献複写または貸借の依頼を行うまでの処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】利用者側クライアント装置における利用者の認証情報の入力画面の一例を示す図である。
【図7】利用者側クライアント装置における過去の依頼情報を検索するための操作画面の一例を示す図である。
【図8】利用者側クライアント装置における、依頼情報検索結果を表示するための画面の一例を示す図である。
【図9】利用者側クライアント装置における文献複写を行うための操作画面の一例を示す図である。
【図10】図書館情報管理システムに要求される機能の概要を説明するための図である。
【符号の説明】
10…図書館、11…サーバ装置、11a…発注受入サブシステム、11b…目録管理サブシステム(基本システム)、11c…雑誌管理サブシステム、11d…相互貸借サブシステム、11e…閲覧管理サブシステム、11f…蔵書点検サブシステム、11g…図書検索サブシステム、11g1…目録情報登録手段、11g2…目録情報検索手段、11g3…目録情報提示手段、11g4…記憶手段、11g5…リンク設定手段、11g6…判断手段、11g7…通知手段、11g8…第1の認証手段、11g9…購入依頼受付手段、11g10…購入依頼情報登録手段、11g11…第2の認証手段、11g12…相互貸借受付手段、11g13…依頼情報登録手段、…11g14依頼情報検索手段、11g15…依頼情報提示手段、11g16…依頼情報検索利用者認証手段(第3の認証手段)、11g17…依頼情報選択記憶手段、11g18…依頼生成用基礎情報表示手段、11g19…依頼情報生成手段、11g20…依頼情報登録手段、12…業務データベース(業務DB)、12a…購入依頼DB、12b…図書目録DB、12c…雑誌目録DB、12d…相互貸借DB、12e…閲覧DB、12f…点検DB、12g…コード表DB、12h…予算DB、13…目録DB、14…図書館員側クライアント装置、15…利用者側クライアント装置、16…検索データベース(検索DB)、16a…図書検索用データ、16b…図書表示用データ、16c…雑誌検索用データ、16d…雑誌表示用データ、16e…コード表データ、17…図書館内ネットワーク、20…国立情報学研究所、21…NACSIS−CAT(総合目録DB)、30…ネットワーク、40…入力画面、41…利用者ID入力欄、42…パスワード入力欄、50…入力画面、51…検索条件入力欄、52…検索ボタン、60…表示画面、61…文献複写ボタン、62…検索結果、63…チェック欄、70…入力画面、71…次文献表示ボタン、72…領域、73…依頼ボタン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、図書検索システム、プログラム及び記録媒体に関し、より具体的には、図書館の利用者により利用可能な図書または雑誌の目録情報等を検索するための図書検索システム、該システムの機能を実現するプログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等を用いて図書館における各種情報の管理を実現するための図書館情報管理システムに要求される機能は、大きく、目録管理機能(基本機能)、閲覧管理機能、雑誌管理機能、蔵書点検機能、発注受入機能、相互貸借機能、図書検索機能(OPAC:Online Public Access Catalogue)等からなり、1つの基本機能及び6つのサブ機能に分類される。
【0003】
図10は、図書館情報管理システムに要求される機能の概要を説明するための図である。図書館情報管理システムに要求される機能としては、雑誌管理機能90、発注受入機能100、目録管理機能(基本機能)110、図書検索機能(OPAC)120、閲覧管理機能130、蔵書点検機能140、相互貸借機能150等の機能がある。
【0004】
例えば、雑誌のように定期的あるいは非定期的に販売される書物は、通常の図書と区別して管理するほうが好ましく、雑誌管理機能90により製本処理91や雑誌あるいは該雑誌の製本代金の支払処理92を管理する必要がある。また、雑誌及び雑誌以外の図書を発注、受入するために、購入調査処理93を行う必要があり、該購入調査処理93に基づく雑誌又は図書の発注処理94、図書納品後の受入処理95、さらには、代金の支払処理92,101を管理する必要がある。
【0005】
目録管理機能(基本機能)110は、図書納品後の受入処理95の後に、例えば、国立情報学研究所(NII:National Institute ofInformatics)等の外部機関から提供される目録所在情報サービスの総合目録データベース(以下、NACSIS−CATという)に格納された目録情報の利用機能111により、図書の目録作成処理112を行い、目録作成後、配架場所を定めて配架処理114を行う機能を含む。また、これらの処理結果に基づいて蔵書の統計をとる蔵書統計処理113の機能も有している。
【0006】
図書検索機能(資料検索:OPAC)120は、図書館の利用者が目録により検索を行うための目録検索処理121を行い、目録検索後、利用者は、貸出予約申請処理122あるいは文献複写申請処理123を行う。閲覧管理機能130は、利用者管理機能131により図書館の利用者を管理し、その利用者管理機能131による利用者情報及び図書の配架処理114による所蔵情報に基づいて図書の貸出返却処理132を行う。さらに、利用者管理機能131、貸出返却処理132、予約管理機能133の全てあるいは一部の情報に基づき利用統計をとる利用統計処理134の機能も有している。
【0007】
蔵書点検機能140は、貸出返却処理132の情報に基づいて蔵書点検処理141を行う。また、相互貸借機能150は、図書検索機能120における文献複写申請処理123に基づいて、例えば、前述した国立情報学研究所等の外部機関から提供される図書館間相互貸借サービスの相互貸借データベース(以下、NACSIS−ILLという)に格納された依頼情報、受付情報の利用機能151等により、他の図書館で管理している図書の複写を行う。さらに、貸出予約申請処理122により他の図書館で管理している図書を貸借することもできる。
【0008】
図書館情報管理システムに要求される上述のごとき機能は、通常、機能毎に独立したシステムが存在し、図書館業務を行う図書館員は、機能毎に別々に操作を行うことになる。また、図書館情報管理システムにおいて、例えば、書名、著者名、出版者等といった図書の書誌データは、各図書館のローカルなデータベースで管理されている。
【0009】
なお、図書館において、文献の複写や貸借の依頼に関る情報を取得する手段に関する技術としては、例えば特許文献1がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−169812号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図書館の利用者は、通常利用する図書館に目的の資料が存在しない場合、その資料の複写や貸借を図書館に依頼する。その際、書名や著者名など、依頼するために必要な情報を端末装置等に入力する必要があるが、この入力が非常に手間のかかる作業である。このような問題は、上述のごとくの図書館情報管理システムの図書検索機能を用いて依頼情報の入力操作を行う場合も同様である。
【0012】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、資料の複写や貸借の依頼情報入力に係わる利用者の作業を効率的に、かつ容易に行うことができるようにした図書検索システム、該システムの機能を実現するプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、図書館の利用者が使用する利用者側クライアント装置と、図書または雑誌の目録情報を検索するためのサーバ装置とがネットワークを介して接続された図書検索システムにおいて、該図書検索システムは、図書館同士における図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報を登録した相互貸借データベースを前記サーバ装置に保持し、もしくは該サーバ装置からアクセス可能に設定し、前記サーバ装置は、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が前記利用者側クライアント装置に入力された際に、該入力された検索要求に従う依頼情報を前記相互貸借データベースから検索する依頼情報検索手段と、該依頼情報検索手段が検索した結果を前記利用者側クライアント装置に提示させる依頼情報提示手段とを有することを特徴としたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、該図書検索システムは、図書館の利用者ごとに割り当てられた利用者IDを含む利用者情報を登録した閲覧データベースを前記サーバ装置に保持し、もしくは該サーバ装置からアクセス可能に設定し、前記サーバ装置は、前記依頼情報検索手段を利用する利用者が前記利用者側クライアント装置に入力した前記利用者情報に基づいて、前記閲覧データベースに登録した利用者情報を参照して該利用者の認証を行う依頼情報検索利用者認証手段を有し、前記依頼情報検索手段は、前記依頼情報検索利用者認証手段が認証した利用者による検索要求に対してのみ、前記相互貸借データベースに対する検索を実行することを特徴としたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記サーバ装置は、前記依頼情報提示手段によって前記利用者側クライアント装置に提示した複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて該選択された依頼情報を記憶する依頼情報選択記憶手段と、該依頼情報選択記憶手段が記憶した依頼情報を新規の依頼情報を生成するための基礎情報として前記利用者クライアントに表示させる依頼生成用基礎情報表示手段と、該依頼生成用基礎情報表示手段によって前記利用者側クライアントに表示された基礎情報の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成する依頼情報生成手段と、前記依頼情報生成手段で生成された依頼情報を前記相互貸借データベースに登録する依頼情報登録手段とを有し、前記依頼情報検索手段は、前記依頼情報生成手段で生成された依頼情報の検索要求に従って前記相互貸借データベースから依頼情報を検索することを特徴としたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1の発明において、前記利用者側クライアント装置は、前記複写および貸借の依頼情報の検索条件を受け付けて、前記相互貸借データベースからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを有することを特徴としたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1に記載の図書検索システムの機能を実現するプログラムである。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
【発明の実施の形態】
大学の研究者などは、研究分野がほぼ一定であるため、複写や貸借を依頼する資料は、以前に依頼したものに類似している場合が多い。本発明は、このようなケースを利用し、過去に依頼した文献の複写や貸借に関る依頼情報を用いて、新たな依頼情報を容易に作成できるようにしたものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る図書館における図書館情報管理システムの構成を示す図である。図書館10には、図書館業務を管理するためのサーバ装置11が備えられ、図書館業務に係る各種データを格納する業務データベース(業務DB)12、利用者が目録検索するための検索データベース(検索DB)16が設定される。これらDB12,16は、サーバ装置11の記録手段に設定してもよいが、サーバ装置11がアクセス可能な資源上に配置されていればよい。またサーバ装置11を2つ用意して、それぞれのサーバ装置に業務DB12と検索DB16を置く形態としても良い。
【0020】
また、図書館10には、図書館員が業務に使用する図書館員側クライアント装置14、及び図書館の利用者が使用する利用者側クライアント装置15が備えられ、これら装置14,15がサーバ装置11との間でLAN等の図書館内ネットワーク17によって接続されている。
【0021】
国立情報学研究所20は、NACSIS−CAT(総合目録DB)21を有し、ネットワーク30を介して図書館10に接続している。本実施形態においては、業務DB12がローカルデータベースとなり、NACSIS−CAT21がホストデータベースとなる。
【0022】
また、ネットワーク30を介して図書館10の情報管理システムに接続される外部機関は、上記国立情報学研究所20に限定されず、該国立情報学研究所が有する総合目録DBと同様な目録所在情報サービス等を提供できる外部機関であればネットワーク接続することが可能である。
【0023】
また、本実施形態では、サーバ装置11、業務DB12及び検索DB16とが、図書館側に設置されているものとして説明するが、サーバ装置11が、各クライアント装置14,15にネットワーク30を介して接続されるようにしてもよい。たとえば、サーバ装置11の機能を実現するモジュールが、本図書検索システムをASP(Application Service Provider)により提供する提供業者の会社等に設置されていてもよい。この場合、ASP提供業者が有するサーバ装置(図示せず)は、後述するサーバ装置11が有する各手段をアプリケーションとしてネットワーク30を介して提供するサービスを図書館の各クライアント装置14,15に対して提供できる機能を備えるものとする。
【0024】
サーバ装置11には、後述の図4に示す各手段が有する機能を実現するためのプログラムが格納されている。これらのプログラムは、後述する各手段を図書館員または利用者が利用する際に、操作が容易になるようにユーザインタフェースを備えている。
【0025】
また、本実施形態の説明に際し、サーバ装置11を1つの装置として示しているが、上述のごとくネットワーク30を介してサーバ装置11の各機能を分散させてもよい。また、各クライアント装置14,15は、デスクトップ型パーソナルコンピュータとして図示しているが、ネットワーク接続可能なモバイルコンピュータであっても良く、使用形態に応じた形態であればよい。クライアント装置14,15を複数台設置する場合、たとえばLAN等によりネットワーク接続される必要がある。
【0026】
ネットワークとしては、有線、無線に限らず、専用回線、電話回線等で接続されたインターネットや、インターネット技術を利用したイントラネットの形態でもよく、さらには、専用回線を使用する場合でもWAN(Wide Area Network)やMAN(Metropolitan Area Network)に限らず、サーバ装置11の設置場所によっては、LANで構成される形態もとりうる。また、このネットワークには、専用回線の使用、伝送データの暗号化、各クライアント装置を使用するユーザの認証等、様々な方法によるセキュリティの強化が必要となる。
【0027】
さらに、本図書館情報管理システムの実施形態として、サーバ装置11に業務DB12及び検索DB16が物理的に含まれている場合や、ネットワークを介して接続され、物理的に離散している場合のどちらの形態も取りうる。サーバ装置11には、後述する各手段が有する機能を実行するためのプログラムが格納されていればよい。これらのプログラムには、後述する各手段を図書館員又は利用者が使用する際に、操作が容易になるようにGUI(グラフィカルユーザインタフェイス)を備えるようにするとよい。
【0028】
図2は、本発明に係わる図書館情報管理システムにおけるデータベースと各サブシステムとの関係を説明するための図である。サーバ装置11は、各機能に応じて7つのサブシステムからなり、発注受入サブシステム11a、目録管理サブシステム(基本システム)11b、雑誌管理サブシステム11c、相互貸借サブシステム11d、閲覧管理サブシステム11e、蔵書点検サブシステム11f、図書検索サブシステム11gとを有する。
【0029】
業務DB12は、図書館員のみが業務に使用するDBであって、図書館の利用者がアクセスして、検索や編集をすることはできない。この業務DB12には、図書館員が業務で作成、変更するデータが全て登録される。この業務DB12は、購入依頼DB12a、目録DB13、相互貸借DB12d、閲覧DB12e、点検DB12f、コード表DB12g、予算DB12hとを有し、さらに目録DB13は、図書目録DB12b及び雑誌目録DB12cからなる。また、検索DB16は、図書館の利用者に対して目録検索サービスを提供するものである。
【0030】
総合図書館情報管理システムは、上記7つのサブシステムを有機的に連携させ、1つのシステムとして提供可能とするものであり、この総合図書館情報管理システムにより、基幹業務から利用者サービスまで含む総合的な図書館業務を行うことが可能となる。
【0031】
購入依頼DB12aは、利用者からの図書購入の申し込み情報を管理している。この購入依頼DB12aに登録された申し込み情報を参照し、該申し込み情報に対応する図書を購入するかどうか検討し、検討した結果、購入が決まった図書は、購入依頼DB12aに登録された申し込み情報に基づき発注受入サブシステム11aにより発注情報が生成される。
【0032】
図書目録DB12bは、書誌データや所蔵データ等の図書に関する目録情報と、図書の発注情報とを管理している。この図書に関する目録情報は、本図書館情報管理システムの各サブシステムが共通で使用することができる。また、雑誌目録DB12cは、書誌データや所蔵データ、巻号データ、コピーデータ等の雑誌に関する目録情報と、雑誌の発注情報と、雑誌製本の発注情報とを管理している。この雑誌に関する目録情報は、本図書館情報管理システムの各サブシステムが共通で使用することができる。雑誌の場合、未製本雑誌、製本雑誌ともにコピーデータの管理対象となる。ここで、製本とは、複数冊の未製本雑誌を1冊にまとめる処理のことをいう。
【0033】
ここで、図書における目録情報は、図書の書名や出版者等の書誌データ、図書毎の資料ID、所在等を含む物理的な図書1冊毎の所蔵データとから構成され、図書の発注情報は、1件の発注毎に発注番号、購入冊数、価格、購入を申し込んだ利用者等の情報を含むものである。また、雑誌における目録情報は、雑誌の誌名や出版者等の書誌データ、雑誌の所在毎に所蔵している巻号の情報をまとめた所蔵データ、発行年月や巻号番号等の雑誌の巻又は号に共通する巻号データ、物理的な雑誌1冊毎の所在を含むコピーデータ(図書の所蔵データに対応する)とから構成され、雑誌の発注情報は、発注する雑誌1部毎に発注番号、契約期間、価格、購入を申し込んだ利用者等の情報を含むものである。同一の雑誌を複数部数購入する場合、発注データは発注する部数分作成される。また、雑誌製本発注情報は、製本する雑誌1部毎に発注番号、発注先、製本サイズ、製本発注日、製本を申し込んだ利用者等の情報を含むものである。
【0034】
上述したように本図書館情報管理システムは、目録情報を大きく、図書(単行書)と雑誌(逐次刊行物)に分類して目録を管理している。これにより、図書と雑誌で異なるデータ構造で管理することができ、より正確、かつ、効率的に目録情報の検索を行うことを可能とする。
【0035】
相互貸借DB12dは、図書又は雑誌(各種文献等を含む)の貸借や複写の依頼情報、受付情報を管理している。NACSIS−ILLを経由した依頼情報や受付情報と、NACSIS−ILLを経由しない依頼情報や受付情報とを一緒に管理することができる。また、閲覧DB12eは、図書又は雑誌の貸出情報、予約情報、及び利用者の情報を管理している。これらの貸出情報、予約情報、利用者情報は全て閲覧DB12eで生成、編集される。
【0036】
また、点検DB12fは、図書又は雑誌の点検業務を行う際に、図書目録DB12b及び雑誌目録DB12cから点検に必要な情報を抽出して生成される点検情報を管理するもので、この点検情報により点検対象の目録情報と点検履歴等の情報が管理される。コード表DB12gは、本図書館情報管理システムの各サブシステムやシステム全体が使用する共通のコードを管理する。
【0037】
また、検索DB16は、図書館の利用者が図書検索サブシステムを用いて図書または雑誌を検索する際に参照するDBである。検索DBは、図書館の利用者が図書又は雑誌を検索する際に必要な目録情報を業務DB12の中から抽出し、効率よく検索ができるデータ形式に変換して登録するもので、業務DB12からのデータ登録や更新を夜間に自動的に行うことができる。
【0038】
図3は、本発明における検索DB16のデータ構造の一例を説明するための図である。検索DB16は、図書館の利用者が図書検索サブシステム11gを用いて図書又は雑誌を検索する際に参照するDBであって、図書目録DB12bと雑誌目録DB12cとから必要な情報を取り出して、夜間処理等により自動的にデータの生成及び更新を実行することができる。また、この検索DB16は、指定された検索条件を満たすかどうか調べるための検索用データと、検索結果として表示するための表示用データとを管理し、これらのデータ構成により、高速、かつ、漏れのない検索を実現することができる。ここで、夜間処理によりデータの更新を行う場合、図書目録DB12bと雑誌目録DB12cに加えられた変更分(差分)のみを検索DB16に反映させることが可能である。
【0039】
検索DB16は、図書検索用データ16a、図書表示用データ16b、雑誌検索用データ16c、雑誌表示用データ16d、コード表データ16eから構成され、図書検索用データ16a及び図書表示用データ16bは、図書目録DB12bに登録された書誌データ、所蔵データ、図書の目次に関する目次データ(この目次データは、目次検索機能を利用する場合に必要である。)から必要なデータを抽出し、効率的に検索ができるデータ形式に変換したものである。また、雑誌検索用データ16c及び雑誌表示用データ16dは、雑誌目録DB12cに登録された書誌データ、所蔵データ、巻号データ、コピーデータ、目次データ(目次検索機能を利用する場合に必要である)から必要なデータを抽出し、効率的に検索ができるデータ形式に変換したものである。
【0040】
図書検索サブシステム11gは、図書館の利用者により利用可能な図書又は雑誌を検索対象とし、利用可能な状態にある図書又は雑誌の目録情報を検索DB16に登録することができる。すなわち、利用できない図書又は雑誌は、検索DB16に登録されないため、図書の場合、例えば転送対象の所蔵データを1件も持たない書誌データ、紛失の所蔵データしか持たない書誌データ、除籍の所蔵データしか持たない書誌データ、紛失中の所蔵データ、除籍した所蔵データ、検索DB16に反映しないことを明示的に指定した所蔵データ等は登録されない。また、雑誌の場合、例えば転送対象の所蔵データを1件も持たない書誌データ、検索DB16に反映しないことを明示的に指定した所蔵データ、紛失中のコピーデータしか持たない巻号データ、除籍のコピーデータしか持たない巻号データ、状態が「製本済」のコピーデータしか持たない巻号データ、欠号コピーデータ、紛失中のコピーデータ、除籍したコピーデータ、製本されたことにより不要になった未製本雑誌のコピーデータ、検索DB16に反映しないことを明示的に指定したコピーデータ等は登録されない。
【0041】
図4は、図書検索サブシステム11gの各機能を実行するサーバ装置11の構成例を示す図で、サーバ装置11は、目録情報登録手段11g1、目録情報検索手段11g2,目録情報提示手段11g3、記憶手段11g4、リンク設定手段11g5、判断手段11g6、通知手段11g7、第1の認証手段11g8、購入依頼受付手段11g9、購入依頼情報登録手段11g10、第2の認証手段11g11、相互貸借受付手段11g12、依頼情報登録手段11g13と、依頼情報検索手段11g14、依頼情報提示手段11g15、依頼情報検索利用者認証手段(第3の認証手段)11g16、依頼情報選択記憶手段11g17、依頼生成用基礎情報表示手段11g18、依頼情報生成手段11g19、依頼情報登録手段11g20を有している。
【0042】
図書検索サブシステム11gにおいて、サーバ装置11が有する目録情報登録手段11g1は、目録DB13に登録された目録情報を抽出し、抽出した目録情報を検索DB16に登録する手段であり、目録情報検索手段11g2は、利用者側クライアント装置15から入力された検索条件に基づき検索DB16に登録された目録情報を検索する手段であり、目録情報提示手段11g3は、目録情報検索手段11g2により検索された目録情報を利用者側クライアント装置15に対し提示する手段である。
【0043】
目録情報検索手段11g2は、検索条件として入力された文字列が、検索DB16に登録された書誌データの文字列と部分一致した場合に、部分一致した文字列を有する書誌データに対応する目録情報を検索することができる。また、文字列の部分一致に限らず、完全一致、前方一致、後方一致、単語検索等のさまざまな図書検索を行うことが可能である。また、検索条件として入力される文字列は、例えば、図書名又は雑誌名、図書又は雑誌に関する任意のキーワード、著者名、出版社名、件名等であり、これらの検索条件に基づき横断的に検索を実行することができる。
【0044】
また、目録情報検索手段11g2は、検索条件として複数の異なる表記を有する文字列を入力する際に、入力された文字列の表記の違い(表記揺れ)を自動的に吸収し、その表記の違いを吸収した文字列を有する書誌データに対応する目録情報を検索することができる。ここで、文字列の表記の違い(表記揺れ)は、例えば、大文字と小文字の違い、全角文字と半角文字の違い、漢字における正字と異体字の違い、ひらがなとカタカナの違い、記号の表記の違い、音標符号の表記の違い、カタカナ語における発音表記の違い等がある。これは、例えば「コンピュータ」と「コンピューター」、「文芸」と「分藝」、「ヴァイオリン」と「バイオリン」等複数の表記が考えられる文字列があり、これらを検索条件として指定する際に、指定した文字列の表記のばらつきにより、必要な図書又は雑誌が検索結果から漏れることを防ぐことが可能である。
【0045】
サーバ装置11が有する記憶手段11g4は、利用者側クライアント装置15から入力された検索条件と、その検索条件に応じた検索結果とを検索履歴として記憶する手段である。この記憶手段11g4により記憶された検索履歴に新規の検索条件を追加して、検索条件を絞り込んで検索を行うことができる。
【0046】
また、目録情報登録手段11g1は、図書又は雑誌の目次に関する目次情報を目録DB13に登録するとともに、その登録した目次情報を目録情報に関連付けて検索DB16に登録することができる。この目次情報は、目次検索機能を利用する際に必要となるデータであり、目録情報と同様に目録DB13から抽出して、検索DB16に登録することが可能である。これにより図書又は雑誌に関する目次情報を利用者に対し提供することが可能となる。
【0047】
さらに、目録情報登録手段11g1は、目録DB13に登録された目録情報及び目次情報に追加、変更があった場合、その追加、変更された目録情報及び目次情報を目録DB13から抽出し、抽出した目録情報及び目次情報を、例えば、夜間等、他の業務に影響の少ない時間帯に一括して検索DB16へ反映させることができる。
【0048】
サーバ装置11が有するリンク設定手段11g5は、目録情報検索手段11g2により検索された図書又は雑誌の目録情報における著者名データ、件名データ、シリーズ名データのうちのいずれか1つ又は複数に関連するリンクを設定する手段である。このリンク設定手段11g5により設定されたリンクに応じて著者名データ、件名データ、シリーズ名データそれぞれに関連する情報を利用者側クライアント装置15に一覧表示することができる。これは、例えば、著者名データにリンクが設定されている場合、そのリンクをクリックすると、その著者名データに該当する著者が書いた図書又は雑誌の一覧を表示させることができる。
【0049】
判断手段11g6は、図書館の利用者が所望する図書又は雑誌の目録情報を検索する際に、検索した目録情報に対応する図書又は雑誌の貸出情報が閲覧DB12eに登録されて、かつ、その図書又は雑誌が貸出中かどうか判断する手段であり、通知手段11g7は、判断手段11g6により貸出情報が閲覧DB12eに登録されており、かつ、貸出中と判断された場合に、その貸出情報に対応する図書又は雑誌を貸出中として利用者側クライアント装置15に対して通知する手段である。サーバ装置11は、判断手段11g6により貸出中と判断された図書又は雑誌の予約の申し込みを利用者側クライアント装置15から受け付けて、受け付けた予約の申し込みを予約情報として閲覧DB12eに登録することができる。
【0050】
また、サーバ装置11は、図書館の利用者を認証する第1の認証手段11g8を有し、第1の認証手段11g8により認証された利用者自身の貸出情報及び予約情報を閲覧DB12eから抽出し、抽出した貸出情報及び予約情報に基づき利用者自身の利用状況に関する利用情報を生成し、生成した利用情報を利用者側クライアント装置15に提示することができ、これにより利用者は、利用者本人が、貸借や、予約をしている図書又は雑誌に関する利用状況を確認することができる。この際、予約している図書又は雑誌の予約を取り消すことも可能である。
【0051】
サーバ装置11が有する購入依頼受付手段11g9は、図書館の利用者が所望する図書又は雑誌の目録情報を検索DB16から検索し、検索した結果、該当する図書又は雑誌の目録情報が検索DB16に登録されていない場合、目録情報に応じた購入依頼の申し込みを利用者側クライアント装置15から受け付ける手段であり、購入依頼情報登録手段11g10は、購入依頼受付手段11g9により受け付けた購入依頼情報を購入依頼DB12aに登録する手段である。
【0052】
また、サーバ装置11は、図書館の利用者を認証する第2の認証手段11g11を有し、第2の認証手段11g11により認証された利用者自身の購入依頼情報を購入依頼DB12aから抽出し、抽出した購入依頼情報に応じた発注受入の状況を示す発注受入情報を生成し、生成した発注受入情報を利用者側クライアント装置15に提示することができ、これにより利用者は、利用者本人が、購入依頼した図書又は雑誌の発注や、受入の状況を確認することができる。ここで、利用者本人の予算執行状況を、年度を指定して参照することも可能である。
【0053】
サーバ装置11が有する相互貸借受付手段11g12は、図書館の利用者が所望する図書又は雑誌の目録情報を検索DB16から検索し、検索した結果、該当する図書又は雑誌の目録情報が検索DB16に登録されていない場合、目録情報に応じた複写又は貸借の申し込みを利用者側クライアント装置15から受け付ける手段であり、依頼情報登録手段11g13は、相互貸借受付手段11g12により受け付けた複写又は貸借の依頼情報を相互貸借DB12dに登録する手段である。
【0054】
依頼情報検索手段11g14は、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が利用者側クライアント装置15に入力された際に、その入力された検索要求に従う依頼情報を相互貸借DB12dから検索する。
依頼情報提示手段11g15は、依頼情報検索手段11g14により検索された依頼情報を利用者側クライアント装置15に対して提示する。
【0055】
依頼情報検索利用者認証手段(第3の認証手段)11g16は、依頼情報検索手段11g14を利用する利用者が利用者側クライアント装置15に入力した利用者情報に基づいて、閲覧DB12eに登録した利用者情報を参照して該利用者の認証を行う。そして上記依頼情報検索手段11g14は、依頼情報検索利用者認証手段11g16が認証した利用者による検索要求に対してのみ、前記相互貸借DB12dに対する検索を実行する。
【0056】
依頼情報選択記憶手段11g17は、依頼情報提示手段11g15によって利用者側クライアント装置15に提示した複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて、その選択された依頼情報を記憶する。
依頼生成用基礎情報表示手段11g18は、依頼情報選択記憶手段11g17が記憶した依頼情報を、新規の依頼情報生成のための基礎情報として利用者側クライアント装置15に表示させる。
【0057】
依頼情報生成手段11g19は、依頼生成用基礎情報表示手段11g18によって利用者側クライアント装置15に表示された基礎情報の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成する。
依頼情報登録手段11g20は、依頼情報生成手段11g19で生成された依頼情報を相互貸借DB12dに登録する。そして上記の依頼情報検索手段11g14は、依頼情報生成手段11g19で生成された依頼情報の検索要求に従って相互貸借DB12dから依頼情報を検索する。
【0058】
本発明の図書検索サブシステム11gは、利用者の利用環境に応じたユーザインタフェイスを提供することができる。例えば、文字端末から利用できる検索インタフェイスと、WWW(World Wide Web)に対応した検索インタフェイスとが提供可能である。ここで、WWWに対応した検索インタフェイスの場合、利用者側クライアント装置15は、目録情報を検索するための検索条件の入力を受け付けて、検索DB16からの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを備えている。
【0059】
なお、上記のごとくの各認証手段によって、利用者本人による予約の登録、利用状況や予算執行状況の照会、図書または雑誌の購入申し込み、及び他の図書館に対する文献の複写や貸借の依頼を処理するために、利用者ID及びパスワード等を用いて利用者の認証を行うことができる。これらの利用者サービスを行うためには、前述した閲覧管理サブシステム11eとの連携が必要となり、閲覧管理サブシステム11eが管理する閲覧DB12eに利用者情報としてパスワードを登録しておく必要がある。また、予算執行状況の照会や、図書または雑誌の購入申し込みを行うためには、発注受入サブシステム11aとの連携が必要となり、他の図書館に対する文献の複写や貸借の依頼を行うためには、相互貸借サブシステム11dとの連携が必要となる。
【0060】
図5は、本発明が適用される図書館における図書検索システムにおいて、相互貸借依頼情報を検索し、新たに文献複写または貸借の依頼を行うまでの処理の一例を説明するフローチャートである。まず、文献複写または貸借の依頼を行う利用者が依頼操作を行う際に利用者側クライアント装置15に入力した認証情報に基づいて、依頼情報検索利用者認証手段11g16が閲覧DB12eを参照して、利用者の認証を行う(ステップS1)。ここでは、閲覧DB12eに登録されている利用者IDとパスワードを用いて利用者の認証を行う。
【0061】
次に利用者は、過去の自分の依頼情報を検索するために、利用者クライアント装置15上で検索条件を入力する(ステップS2)。依頼情報検索手段11g14は、入力された検索条件による検索要求が入力された際に、その検索条件に合致する過去の依頼情報を相互貸借DB12dから検索し、検索の結果、該当する過去の依頼情報が検索された場合には、その結果を利用者側クライアント装置15に提示する(ステップS3)。
【0062】
次いで利用者は、提示された依頼情報の中から新規の依頼情報を生成するための基礎情報として用いる依頼情報を選択すると(ステップS4)、選択された依頼情報が、依頼情報生成用基礎情報表示手段11g18によってクライアント装置15に表示される。
【0063】
利用者は、利用者側クライアント装置15に表示された過去の依頼情報を用いて、新たな依頼情報を作成する。すなわち、選択した依頼情報が表示された画面上で、任意のデータを修正もしくは追記し、新たな依頼情報として文献の複写または貸借の依頼を行う(ステップS5)。また、上記ステップS4で選択した依頼情報が複数ある場合には、次の依頼情報に対して同様の操作を行い、選択した依頼情報がなくなるまで修正・追記、及び依頼を繰り返す(ステップS6)。
【0064】
図6は、利用者側クライアント装置15における利用者の認証情報の入力画面の一例を示す図で、図中、40は認証情報の入力画面である。入力画面40は、利用者ID入力欄41と、パスワード入力欄42とを有している。この入力画面40により、利用者本人による予約の登録、利用状況や予算執行状況の照会、図書または雑誌の購入申し込み、他の図書館に対する文献の複写や貸借の依頼、及び過去の依頼の検索を実行するために、利用者ID及びパスワードの入力を受け付けて、利用者の認証を行うことができる。
【0065】
図7は、利用者側クライアント装置15における過去の依頼情報を検索するための操作画面の一例を示す図で、図中、50は依頼検索条件の入力画面である。入力画面50は、検索条件入力欄51と、検索ボタン52とを有している。本例によると、検索対象として雑誌が選択されている。検索条件として、タイトルに「Biochemical」が設定され、過去に複写依頼した雑誌でタイトルに「Biochemical」を含むものが設定されている。
【0066】
図8は、利用者側クライアント装置15における、依頼情報検索結果を表示するための画面の一例を示す図で、図中、60は検索結果の表示画面である。検索結果の表示画面60は、検索結果62、文献複写ボタン61、及びデータを選択するためのチェック欄63などを有している。本例では、図6の入力画面40で指定された検索条件に基づいて検索された過去の依頼データが表示されている。
【0067】
利用者は、表示された過去の依頼情報の中から、新たに複写依頼しようとする資料に類似した書名をもつ依頼情報を、チェック欄63を用いて選択することができる。そして、文献複写ボタン61を押すことにより、選択したデータが記憶され、記憶されたデータが後述する図9の画面に表示される。また、検索結果の表示画面に一覧表示された依頼情報は、複数選択して記憶させることが可能である。
【0068】
図9は、利用者側クライアント装置15における文献複写を行うための操作画面の一例を示す図で、図中70は、文献複写依頼情報の入力画面である。入力画面70は、タイトルなど複写依頼に必要な資料の情報を入力するための領域72、依頼ボタン73、及び次文献表示ボタン71などを有している。
【0069】
本例では、図8の検索結果の表示画面60で選択された依頼情報に関する資料のタイトル、ISSN、及び巻号などが表示される。利用者は、新たに依頼する資料と照らし合わせて、入力画面70のタイトル、巻号、ページなどの情報を修正もしくは追記して新たな依頼情報を作成することができる。すなわち、ここでは、過去の依頼情報を用いてあらたな依頼情報を作成するため、入力操作を容易に実行することができる。そして利用者は、依頼ボタン73を押すことにより、文献複写依頼を実行することができる。
【0070】
また、図8において、利用者が複数の依頼情報を選択した場合には、次文献表示ボタン71を押すことにより、次に選択したデータのタイトルやISSNなどが入力画面70に表示され、この表示情報を用いて別の依頼情報を作成することができる。
【0071】
なお、本発明の図書検索システムは、利用者の利用環境に応じたユーザインタフェイスを提供することができる。たとえば、文字端末から利用できる検索インタフェイスと、WWW(World Wide Web)に対応した検索インタフェイスとが提供可能である。ここで、WWWに対応した検索インタフェイスの場合、利用者側クライアント装置15は、目録情報や相互貸借依頼情報を検索するための検索条件の入力を受け付けて、検索DBや相互貸借DBからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを備えている。
【0072】
以上、本発明の図書館における図書検索システムにおける各機能を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、この各機能を有する図書検索システムと同様に、コンピュータに図書検索システムとして機能させるためのプログラムとしての形態も可能である。
【0073】
本発明による図書検索の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、その他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態のシステムの機能をコンピュータに実行させ、図書検索の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記憶媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わる図書検索の機能を実行することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の図書検索システムによれば、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が利用者側クライアント装置に入力された際に、その検索要求に従う依頼情報を相互貸借DBから検索し、その検索結果を利用者側クライアント装置に提示させることによって、過去に依頼した文献複写・貸借情報を検索することができ、利用者にとって利便性の高い図書検索システムを提供することができる。
【0075】
さらに本発明の図書検索システムによれば、依頼情報検索を実行する利用者が利用者側クライアント装置に入力した利用者情報に基づいて、閲覧DBに登録した利用者情報を参照して認証を行い、認証された利用者による検索要求に対してのみ、相互貸借DBに対する検索を実行することにより、認証が通った利用者で、その利用者個人のデータだけを検索対象とすることができ、プライバシーが保護された実用的な図書検索システムを提供することができる。
【0076】
さらに本発明の図書検索システムによれば、利用者側クライアント装置に提示された複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて、その依頼情報を新規の依頼情報を生成するための基礎情報として利用者クライアントに表示させ、その基礎情報の修正・追記等の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成し、生成した依頼情報を前記相互貸借DBに登録し、さらに生成された依頼情報の検索要求に従って相互貸借DBから依頼情報を検索することにより、利用者は、過去に依頼した資料の中から新たに複写・貸借を依頼する資料に類似した資料を選択し、選択した資料のデータを用いて新たな依頼情報を生成することができ、これにより依頼情報の入力を省力化することができ、利用者にとって利便性の高い図書検索システムを提供することができる。
【0077】
さらに本発明の図書検索システムによれば、複写および貸借の依頼情報の検索条件を受け付けて、相互貸借DBからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを利用者側クライアント装置が有することにより、利用者の利用環境に応じた検索・表示のためのインタフェイスを提供することができる。
【0078】
さらに上記本発明の図書検索システムの機能を実現するプログラム及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る図書館における図書館情報管理システムの構成を示す図である。
【図2】本発明に係わる図書館情報管理システムにおけるデータベースと各サブシステムとの関係を説明するための図である。
【図3】本発明における検索DBのデータ構造の一例を説明するための図である。
【図4】図書検索サブシステムの各機能を実行するサーバ装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明が適用される図書館における図書検索システムにおいて、相互貸借依頼情報を検索し、新たに文献複写または貸借の依頼を行うまでの処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】利用者側クライアント装置における利用者の認証情報の入力画面の一例を示す図である。
【図7】利用者側クライアント装置における過去の依頼情報を検索するための操作画面の一例を示す図である。
【図8】利用者側クライアント装置における、依頼情報検索結果を表示するための画面の一例を示す図である。
【図9】利用者側クライアント装置における文献複写を行うための操作画面の一例を示す図である。
【図10】図書館情報管理システムに要求される機能の概要を説明するための図である。
【符号の説明】
10…図書館、11…サーバ装置、11a…発注受入サブシステム、11b…目録管理サブシステム(基本システム)、11c…雑誌管理サブシステム、11d…相互貸借サブシステム、11e…閲覧管理サブシステム、11f…蔵書点検サブシステム、11g…図書検索サブシステム、11g1…目録情報登録手段、11g2…目録情報検索手段、11g3…目録情報提示手段、11g4…記憶手段、11g5…リンク設定手段、11g6…判断手段、11g7…通知手段、11g8…第1の認証手段、11g9…購入依頼受付手段、11g10…購入依頼情報登録手段、11g11…第2の認証手段、11g12…相互貸借受付手段、11g13…依頼情報登録手段、…11g14依頼情報検索手段、11g15…依頼情報提示手段、11g16…依頼情報検索利用者認証手段(第3の認証手段)、11g17…依頼情報選択記憶手段、11g18…依頼生成用基礎情報表示手段、11g19…依頼情報生成手段、11g20…依頼情報登録手段、12…業務データベース(業務DB)、12a…購入依頼DB、12b…図書目録DB、12c…雑誌目録DB、12d…相互貸借DB、12e…閲覧DB、12f…点検DB、12g…コード表DB、12h…予算DB、13…目録DB、14…図書館員側クライアント装置、15…利用者側クライアント装置、16…検索データベース(検索DB)、16a…図書検索用データ、16b…図書表示用データ、16c…雑誌検索用データ、16d…雑誌表示用データ、16e…コード表データ、17…図書館内ネットワーク、20…国立情報学研究所、21…NACSIS−CAT(総合目録DB)、30…ネットワーク、40…入力画面、41…利用者ID入力欄、42…パスワード入力欄、50…入力画面、51…検索条件入力欄、52…検索ボタン、60…表示画面、61…文献複写ボタン、62…検索結果、63…チェック欄、70…入力画面、71…次文献表示ボタン、72…領域、73…依頼ボタン。
Claims (6)
- 図書館の利用者が使用する利用者側クライアント装置と、図書または雑誌の目録情報を検索するためのサーバ装置とがネットワークを介して接続された図書検索システムにおいて、該図書検索システムは、図書館同士における図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報を登録した相互貸借データベースを前記サーバ装置に保持し、もしくは該サーバ装置からアクセス可能に設定し、前記サーバ装置は、過去の図書または雑誌の複写または貸借の依頼情報の検索要求が前記利用者側クライアント装置に入力された際に、該入力された検索要求に従う依頼情報を前記相互貸借データベースから検索する依頼情報検索手段と、該依頼情報検索手段が検索した結果を前記利用者側クライアント装置に提示させる依頼情報提示手段とを有することを特徴とする図書検索システム。
- 請求項1に記載の図書検索システムにおいて、該図書検索システムは、図書館の利用者ごとに割り当てられた利用者IDを含む利用者情報を登録した閲覧データベースを前記サーバ装置に保持し、もしくは該サーバ装置からアクセス可能に設定し、前記サーバ装置は、前記依頼情報検索手段を利用する利用者が前記利用者側クライアント装置に入力した前記利用者情報に基づいて、前記閲覧データベースに登録した利用者情報を参照して該利用者の認証を行う依頼情報検索利用者認証手段を有し、前記依頼情報検索手段は、前記依頼情報検索利用者認証手段が認証した利用者による検索要求に対してのみ、前記相互貸借データベースに対する検索を実行することを特徴とする図書検索システム。
- 請求項1または2に記載の図書検索システムにおいて、前記サーバ装置は、前記依頼情報提示手段によって前記利用者側クライアント装置に提示した複写および貸借の依頼情報から、利用者による任意の依頼情報の選択を受け付けて該選択された依頼情報を記憶する依頼情報選択記憶手段と、該依頼情報選択記憶手段が記憶した依頼情報を新規の依頼情報を生成するための基礎情報として前記利用者クライアントに表示させる依頼生成用基礎情報表示手段と、該依頼生成用基礎情報表示手段によって前記利用者側クライアントに表示された基礎情報の変更を受け付けて新たな依頼情報を生成する依頼情報生成手段と、前記依頼情報生成手段で生成された依頼情報を前記相互貸借データベースに登録する依頼情報登録手段とを有し、前記依頼情報検索手段は、前記依頼情報生成手段で生成された依頼情報の検索要求に従って前記相互貸借データベースから依頼情報を検索することを特徴とする図書検索システム。
- 請求項1ないし3のいずれか1に記載の図書検索システムにおいて、前記利用者側クライアント装置は、前記複写および貸借の依頼情報の検索条件を受け付けて、前記相互貸借データベースからの検索結果を一覧表示するためのグラフィカルユーザインタフェイスを有することを特徴とする図書検索システム。
- 請求項1ないし4のいずれか1に記載の図書検索システムの機能を実現するプログラム。
- 請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095246A JP2004302877A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095246A JP2004302877A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004302877A true JP2004302877A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33407621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003095246A Pending JP2004302877A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004302877A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104239987A (zh) * | 2013-06-07 | 2014-12-24 | 夏燕 | 一种捐赠资金的追踪方法及系统 |
JP2020052588A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | 株式会社日本総合研究所 | 資料収集支援装置、資料収集支援方法および資料収集支援プログラム |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003095246A patent/JP2004302877A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104239987A (zh) * | 2013-06-07 | 2014-12-24 | 夏燕 | 一种捐赠资金的追踪方法及系统 |
JP2020052588A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | 株式会社日本総合研究所 | 資料収集支援装置、資料収集支援方法および資料収集支援プログラム |
JP7097272B2 (ja) | 2018-09-25 | 2022-07-07 | 株式会社日本総合研究所 | 資料収集支援装置、資料収集支援方法および資料収集支援プログラム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9305101B2 (en) | Search assistant for digital media assets | |
JP2005242586A (ja) | 文書ビュー提供のためのプログラム、装置、システム及び方法 | |
EP1671235A2 (en) | Personalized searchable library with highlighting capabilities and access to electronic images of text based on user ownership of corresponding physical text | |
AU2610300A (en) | Method and system for registering and licensing works over network | |
WO2000042555A9 (en) | Method and system for registering and licensing works over a network | |
JP2002117215A (ja) | 特許管理システム | |
JP2012014704A (ja) | 書籍情報処理システム | |
JP2005309946A (ja) | コンテンツ検索サービス提供システム、コンテンツ検索サービス提供方法、コンテンツ検索サービス提供プログラム | |
JP2004302877A (ja) | 図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 | |
Yu et al. | Developing an XML framework for an electronic document delivery system | |
JP7418238B2 (ja) | 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム | |
Osaniyi | Evaluating the X-Lib library automation system at Babcock University, Nigeria: A case study | |
JP2003091548A (ja) | 図書館における図書検索システム、プログラム、及び記録媒体 | |
JP4641480B2 (ja) | 蔵書目録検索方法、蔵書目録検索システム及び蔵書目録検索結果表示プログラム | |
KR20020045843A (ko) | 디지털 컨텐츠 링킹 서비스 제공방법 및 시스템 | |
Bronshteyn | Using NetLibrary eBooks at the reference desk | |
JP4270778B2 (ja) | 図書館における閲覧管理システム、プログラム、及び記録媒体 | |
JP2006185085A (ja) | 図書館サーバ、書籍情報サーバ、プログラム、記録媒体 | |
Chen | Towards a new paradigm of resource sharing The partnership between a mirror site and consortium in Taiwan | |
JP2000082043A (ja) | 利用者認証システム、利用者認証方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
Kwami et al. | A Comparative Study of Tools used in Building Open Source and Proprietary Integrated Library Systems | |
JP2003085184A (ja) | 図書館情報管理システム、プログラム、及び記録媒体 | |
JP6642209B2 (ja) | 検索結果表示プログラム、情報処理装置、および検索結果表示方法 | |
Brandsma et al. | Journal Finder, a Second Look: Implications for Serials Access in Today's Library | |
Ansari et al. | Library Automation & Open Source Software |