【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品、精密機械部品の洗浄溶剤、反応溶剤、抽出溶剤、結晶化溶剤、電子・電気材料の溶剤および剥離剤などとして有用なシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オレフィンとアルコールの付加反応によるエーテル類の製造方法として、例えば、(a)触媒として結晶性アルミノシリケートを用いる方法(特許文献1)、(b)触媒として外表面酸点の多い特殊なアルミノシリケートを用いる方法(特許文献2)、および(c)触媒としてヘテロポリ酸の有する結晶水を該ヘテロポリ酸1分子あたり平均3.0分子以下に調整されたタングステンの酸化物を用いる方法(特許文献3)、(d)触媒として水分含有量が5重量%以下の酸性イオン交換樹脂を用いる方法(特許文献4)等が知られている。
【0003】
しかしながら、これらの固体酸触媒を用い、脂環式オレフィンを出発原料としてシクロアルキルアルキルエーテルを工業的規模で製造する場合において、長時間の連続運転時に触媒活性が経時的に低下し、このため、頻繁に活性の低下した触媒を再生し、あるいは新たに補充、交換する必要があるという問題が生じていた。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−25345号公報
【特許文献2】
特開昭61−249945号公報
【特許文献3】
特開平5−163188号公報
【特許文献4】
WO03/002500号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、固体酸触媒を用い、脂環式オレフィンを出発原料としてシクロアルキルアルキルエーテルを工業的規模で製造する場合において、長時間の連続運転時に触媒活性が低下しない方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、原料である脂環式オレフィンに含有される酸化性化合物の量を特定値以下にした原料を使用して反応を行うことにより、触媒活性の経時的な低下が著しく抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法は、固体酸触媒存在下に、酸化性化合物含有量が20ppm以下である脂環式オレフィンとアルコール類とを反応させることを特徴とする。
【0008】
また、酸化性化合物含有量が20ppm以下の脂環式オレフィンが、粗脂環式オレフィンと固体酸とを接触させて得たものであることが好ましい。
【0009】
前記固体酸が酸性イオン交換樹脂又は金属酸化物であることが好ましい。
【0010】
さらに、前記シクロアルキルアルキルエーテルがシクロペンチルメチルエーテルであることが好ましい。
【0011】
なお、前記酸化性化合物がシクロペンテンパーオキサイドであることが特に好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法は、酸化性化合物含有量が20ppm以下である脂環式オレフィンとアルコール類を固体酸触媒存在下に反応させることを特徴とする。
【0013】
本発明に用いる脂環式オレフィンは、脂肪族系の単環もしくは多環骨格を有し、かつ、これらの環骨格中に少なくとも1以上の炭素−炭素二重結合を有するものである。環骨格は好ましくは3〜20個の炭素で構成される。さらにこれらの環骨格にアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、スルホン基、シアノ基などの置換基を有するものも含まれる。
【0014】
脂環式オレフィンは、入手容易性および目的物がより効率よく得られる観点から、環炭素数が5〜8個の単環を有する脂環式オレフィンの使用が好ましく、置換基を有していてもよいシクロペンテンまたは置換基を有していてもよいシクロヘキセンがより好ましい。
【0015】
置換基を有してもよいシクロペンテンの具体例としては、シクロペンテン、1−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、1,3−ジメチルシクロペンテン、1−フルオロシクロペンテン、1−フェニルシクロペンテン等が挙げられる。また、置換基を有してもよいシクロヘキセンとしては、シクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1−フルオロシクロヘキセン、4−クロロシクロヘキセン、1−フェニルシクロヘキセン、4−フェニルシクロヘキセンなどが挙げられる。これらの中では、シクロペンテンまたはシクロヘキセンが好ましく、シクロペンテンが特に好ましい。
【0016】
本発明で使用する脂環式オレフィンは、それに含有される酸化性化合物の量が20ppm以下であることが必須である。酸化性化合物の量は、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下である。その量が20ppmを超えると、固体酸触媒が短期に失活してしまう。
【0017】
本発明において、酸化性化合物とは、酸化力を有し、固体酸触媒を劣化させる化合物をいう。その代表例としては、式:ROOH(Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表す。)で表されるハイドロパーオキサイド、式:R1OOR2(R1、R2はアルキル基又はシクロアルキル基を表し、R1とR2は結合して環を形成していても良い。)で表されるパーオキサイド、エポキシ環を有するエポキシド等が挙げられる。特にシクロペンテンパーオキサイドが重要である。
【0018】
市販の粗脂環式オレフィンには、酸化性化合物が数100ppm〜1000ppm程度、通常200〜300ppmの濃度で含まれている。酸化性化合物は、粗脂環式オレフィンを製造する際の副生物であり、また、粗脂環式オレフィンの貯蔵中においても含有量が増加することが知られている。
【0019】
本発明の脂環式オレフィンとアルコール類の反応は、固体酸触媒の存在下に行なわれるが、酸化性化合物は、固体酸触媒を繰り返し使用又は連続使用している間に徐々に固体酸触媒を酸化して触媒活性を低下させる。そこで本発明においては、酸化性化合物の量が20ppm以下の脂環式オレフィンを反応に用いることにした。なお、酸化性化合物の濃度は、ガスクロマトグラフィー分析法で測定することができる。
【0020】
前述したように、酸化性化合物を除去した脂環式オレフィンを窒素等の不活性ガス雰囲気下で保存した場合であっても酸化性の化合物が増加することが知られている。酸化性化合物を除去する方法としては種々の除去方法が考えられるが、粗脂環式オレフィンから酸化性の化合物を除去した後は、速やかに次のアルコール類との反応を行なうことが好ましい。
【0021】
本発明では、粗脂環式オレインに含まれる酸化性化合物の含有量を低減する方法として、粗脂環式オレインを固体酸と接触処理する方法が好ましい。この方法によれば、簡便でしかも効率よく酸化性化合物の含有量を低減でき、しかも接触処理した後、連続的にアルコール類との反応を行なうことができる。
【0022】
固体酸とは、固体でありながら、ブレーンステッド酸又はルイス酸としての性質を示すものをいう。固体酸としては、酸性イオン交換樹脂または金属酸化物が好ましい。
【0023】
酸性イオン交換樹脂は、微細な三次元網目構造の高分子基体に酸性のイオン交換基を有する不溶性で多孔質の合成樹脂からなり、一般的に陽イオン交換樹脂と称されるものである。
【0024】
また酸性イオン交換樹脂は、酸性イオン交換樹脂の幾何学的構造面からの分類としてゲル型とポーラス型に大別することができるが、本発明においては、ゲル型樹脂およびポーラス型樹脂のいずれも使用することができる。酸性イオン交換樹脂の型には、イオン交換基のプロトン部分がそのままプロトンであるプロトン酸型、前記イオン交換樹脂のプロトンがアルカリ金属イオンに交換されたアルカリ金属塩型があるが、プロトン型の酸性イオン交換樹脂が好ましい。
【0025】
酸性イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基またはカルボン酸基を有し、イオン交換基が結合する高分子基体として、フェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体基体を有するものが挙げられる。これらの中でも、入手容易性および取扱い性等の観点から、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂の使用が好ましく、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型スチレン系強酸性イオン交換樹脂の使用がより好ましい。
【0026】
酸性イオン交換樹脂の好ましい具体例としては、三菱化学(株)製のスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ゲル型DIAION SK1B、SK012、SK104、SK106、SK110、SK112、SK116;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ポーラス型PK208、PK212、PK216、PK220、PK228;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ハイポーラス型HPK25;耐熱性スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂RCP145;バイエル社製の強酸性バイエルキャタリストゲル型K1221、K1431、K1481、K1491;強酸性バイエルキャタリストマクロポーラス型K2431、K2621、K2641;ローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(XE−284);日本錬水(株)製のダイヤイオンRCP−160M、RCP−160H、RCP−170H;オルガノ(株)製のアンバーリストCSP−2、A−15;等が挙げられる。
【0027】
金属酸化物としては、Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Yb、Siからなる群から選ばれる金属の酸化物が用いられる。また、本発明においては、2種以上の金属酸化物からなる高次酸化物のうち、その構造において酸素酸としての基イオンの存在が認められないような化合物である複酸化物(2種の金属化合物を「複合酸化物」ともいう。)を使用することもできる。
【0028】
また、本発明においては、金属酸化物としていわゆるゼオライトを使用することもできる。ゼオライトとしては、例えば、モルデナイト、エリオナイト、フェリナイト、モービル社発表のZSM系ゼオライト等の結晶性アルミノシリケート、及びホウ素、鉄、ガリウム、チタニウム、銅、銀等の異元素を含有するメタロアルミノシリケートやメタロシリケート等が挙げられる。さらに、ゼオライトとしてMg、Ca、Sr等のアルカリ土類元素、La、Ce等の希土類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd、Pt等の第VIII族元素の少なくとも1種のカチオン種で交換されたものや、Zr、Hf、Cr、Mo、W、Th等を含有させたゼオライトを使用することもできる。本発明に用いられるゼオライトとしては、通常プロトン交換型(H型)が用いられる。
【0029】
固体酸の形状は特に限定されず、粉状物でも粒状物でもよい。粒状物の外観形状としては、球状、円盤状、円柱状、円筒状等が例示される。平均粒径は特に限定されないが、酸性イオン交換樹脂の場合、樹脂粒子の大きさは通常0.02mm〜10mm、好ましくは0.2mm〜1mmの範囲である。また、金属酸化物の場合、金属酸化物粒子の大きさは、通常1mm〜40mmであり、好ましくは2mm〜20mmの範囲である。
【0030】
固体酸の使用量は、粗脂環式オレフィン中の酸化性化合物を20ppm以下に低減するのに十分な量であればよいが、通常、反応に使用する固体酸触媒100重量部に対し、0.1〜200重量部、好ましくは0.5〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部の範囲である。
【0031】
粗脂環式オレフィンを固体酸と接触させる方法としては、例えば、固体酸をカラムに充填し、その中に粗脂環式オレフィンを通過させる方法(連続式)や、粗脂環式オレフィンに固体酸を添加して撹拌する方法(回分式)等が用いられる。本発明においては、作業効率及び処理後において連続的に脂環式オレフィンをアルコール類との反応に供することができる観点から連続式を採用するのがより好ましい。連続式の場合には、固体酸を反応器の原料導入部に充填してもよいが、固体酸を充填した除去槽を別途設置することもできる。
【0032】
固体酸と粗脂環式オレフィンとを接触させる温度は、通常20〜200℃、好ましくは40〜180℃、より好ましくは50〜160℃である。一般的に、より高温度で接触させた方がより効率よく酸化性化合物を除去することができる。また粗脂環式オレフィンは、単独あるいは水と混合した状態で固体酸と処理することができる。
【0033】
粗脂環式オレフィンを固体酸と接触させる方法として、固体酸を充填したカラムを使用する場合、粗脂環式オレフィンを該カラム中に流通させるときの圧力は、通常、常圧〜30MPa、好ましくは常圧〜10MPa、より好ましくは常圧〜5MPaの範囲である。
【0034】
なお、本発明で使用する脂環式オレフィンとしては、さらに鎖状共役ジエン化合物の含有量が10ppm以下、好ましくは5ppm以下であることが好ましい。工業用脂環式オレフィンには、通常、3000ppm程度の共役ジエン化合物が含まれているが、共役ジエン化合物量が10ppmを超えると、固体酸触媒の活性が低下傾向になる場合がある。
【0035】
鎖状共役ジエン化合物としては、ブタジエン、2−メチルブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン等が挙げられ、異性体が存在するものについてはそれらも全て含まれるが、1,3−ペンタジエンが特に重要である。なお、脂環式オレフィンに含有されるこれらの鎖状共役ジエン化合物の量は、ガスクロマトグラフィーによって定量することができる。
【0036】
鎖状共役ジエンを含有する脂環式オレフィンから鎖状共役ジエン化合物を10ppm以下にする方法としては、(1)鎖状共役ジエンを含有する脂環式オレフィンを活性白土等の吸着剤と接触させる方法、(2)鎖状共役ジエンを含有する脂環式オレフィンを水素等の還元剤で処理し、鎖状共役ジエンを鎖状オレフィンまたは鎖状アルカンに変換する方法、(3)鎖状共役ジエンを含有する脂環式オレフィンをゼオライト等の固体酸触媒と接触させて精製する方法等が挙げられる。
【0037】
本発明に用いるアルコール類としては、固体酸触媒の存在下で、脂環式オレフィンと付加反応し得るものであれば特に制約されない。効率よくシクロアルキルアルキルエーテルが得られることなどの理由から、炭素数1〜10の直鎖または分枝の飽和アルコールまたは炭素数3〜8のシクロアルキルアルコールが好ましく、炭素数1〜6の直鎖または分枝の飽和アルコールがより好ましい。
【0038】
炭素数1〜10の直鎖または分枝の飽和アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンチルアルコール,n−ヘキシルアルコールなどが挙げられる。また、炭素数3〜8のシクロアルキルアルコールとしては、例えば、シクロプロピルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖または分枝の飽和アルコールがさらに好ましく、メチルアルコールが特に好ましい。
【0039】
本発明は、酸化性化合物が20ppm以下に低減された脂環式オレフィンを使用して、固体酸触媒の存在下にアルコール類との反応を行なう。固体酸触媒としては、前述の固体酸と同じものを使用出来るが、それらの中でも酸性イオン交換樹脂が好ましい。固体酸触媒として酸性イオン交換樹脂を用いる場合、その好適な種類及び好ましい具体例についても、固体酸としての酸性イオン交換樹脂の場合と同じである。
【0040】
さらに、固体酸触媒として酸性イオン交換樹脂を用いる場合、市販されているものをそのまま使用してもよいし、酸で前処理したものを使用しても良い。酸処理の方法として、例えば希塩酸、希硫酸等の希酸中に酸性イオン交換樹脂を添加し、20℃から100℃で数分から数十時間放置又は撹拌する方法や、カラム中に充填した酸性イオン交換樹脂をカラムの一方の側から溶出する液が酸性となるまで希酸を流通させる方法が挙げられる。前処理したイオン交換樹脂は、蒸留水又は脱イオン水で十分に洗浄して過剰の酸を除去した後に使用するのが好ましい。また、酸性イオン交換樹脂は、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
【0041】
これらの酸性イオン交換樹脂の見かけ密度(g/L−R)は、通常500〜1000、好ましくは600〜900である。乾燥前の水含有量は、通常30〜70重量%である。固体酸触媒としての酸性イオン交換樹脂の平均粒径は特に限定されないが、通常0.02mm〜10mm、好ましくは0.5mm〜2mmの範囲である。また、酸性イオン交換樹脂は、通常プロトン型で使用され、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
【0042】
本発明は、水含有量が好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2重量%以下の酸性イオン交換樹脂を用いた場合に、さらに高い選択率および転化率で目的とするシクロアルキルアルキルエーテルを得ることができる。
【0043】
水含有量が5重量%以下の酸性イオン交換樹脂を得るには、使用前に予め乾燥して水分を除去すればよい。酸性イオン交換樹脂を乾燥する方法は、乾燥して水含有量が5重量%以下の酸性イオン交換樹脂が得られる方法であれば特に制約されない。
【0044】
乾燥する方法としては、例えば、通常の加熱脱水操作を採用できる。加熱脱水操作としては、例えば、▲1▼通常の乾燥機内に酸性イオン交換樹脂を収容し、常圧または減圧下において、50〜120℃、好ましくは80〜110℃で数分から数時間加熱する方法;▲2▼酸性イオン交換樹脂を不活性な気体流通条件下に、所定温度(室温から100℃程度)で数分から数時間加熱乾燥する方法;および▲3▼前記▲1▼と▲2▼の方法の組み合わせ;などが挙げられる。
【0045】
前記▲2▼および▲3▼の方法において用いる不活性な気体としては、例えば、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。また、不活性な気体の流通速度は特に限定されないが、加熱温度での気体体積換算で装置内空間速度として、通常、0.01〜100vol/Hr・volである。
【0046】
なお、乾燥前後の酸性イオン交換樹脂の含水量は、カールフィッシャー水分計により測定することができる。
【0047】
また、本発明を実施するにあたっては、固体酸触媒、脂環式オレフィンおよびアルコール類に対して不活性な溶媒または希釈剤を反応系に添加することができる。溶媒または希釈剤は、1種類単独でも、また2種類以上からなる混合物の形で使用してもよい。
【0048】
使用することができる溶媒および希釈剤としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカンなどの脂肪族飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アニソール、クメン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;シクロペンタン、アルキル置換シクロペンタン類、アルコキシ置換シクロペンタン類、ニトロ置換シクロペンタン類、シクロヘキサン、アルキル置換シクロヘキサン類、アルコキシ置換シクロヘキサン類、ニトロ置換シクロヘキサン類、シクロヘプタン、アルキル置換シクロヘプタン類、アルコキシ置換シクロヘプタン類、ニトロ置換シクロヘプタン類、シクロオクタン、アルキル置換シクロオクタン類、アルコキシ置換シクロオクタン類、ニトロ置換シクロオクタン類などの脂環式飽和炭化水素類;窒素、アルゴン、空気、ヘリウムなどが挙げられる。溶媒または希釈剤の使用量は特に制限されず、反応を阻害しない範囲で任意の量を選択できる。
【0049】
本発明においては、固体酸触媒の存在下に、脂環式オレフィンとアルコール類との混合物(以下、単に「混合物」ということがある。)を反応させる。混合物の含水量は、より効率よく目的物を得るためには少ない方が好ましいが、好ましくは1重量%以下、特に好ましくは500ppm以下である。
【0050】
脂環式オレフィンとアルコール類との反応温度は特に限定されないが、通常20〜200℃、好ましくは40〜180℃、より好ましくは50〜160℃である。反応温度があまりに低い場合には反応速度が低下し、逆にあまりに高温で反応を行なうと、固体酸触媒が熱により不活性化するおそれがある。
【0051】
固体酸触媒の存在下に、脂環式オレフィンとアルコール類とを反応させる方法は特に制限されない。例えば、混合物に固体酸触媒を添加して撹拌する方法(バッチ式)や、固体酸触媒をカラム内に充填し(以下、固体酸触媒が充填されたカラムを「反応カラム」という。)、その中に混合物を流通させる方法(流通式)等を用いることができる。本発明においては、作業効率および連続的に反応生成物の精製を行なうことができる観点から、流通式を採用するのがより好ましい。
【0052】
バッチ式を採用する場合には、反応器に固体酸触媒、脂環式オレフィンおよびアルコール類を所定量添加して、所定温度、所定圧力で反応混合物を撹拌する。この場合の固体酸触媒の使用量は、通常、脂環式オレフィン100重量部に対し、0.01〜200重量部、好ましくは0.1〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部の範囲である。
【0053】
バッチ式の場合、脂環式オレフィンとアルコール類との使用割合は特に制約されないが、アルコール類を過剰に用いるのが好ましい。バッチ式の場合には、混合物が加熱されている時間が長くなるため、脂環式オレフィンが過剰の状態で反応させると、脂環式オレオフィンの重合物が生成するおそれがあるからである。脂環式オレフィンとアルコール類との使用割合は、脂環式オレフィン/アルコール類とのモル比で、通常1/1〜1/50、好ましくは1/1〜1/30、より好ましくは1/1〜1/20である。
【0054】
流通式を採用する場合には反応カラム中に混合物を流通させる。この場合、用いるカラムは加熱装置を有するものを使用し、所定温度(反応温度)に加熱した反応カラム中に混合物を流通させる。また、混合物は液体状態で流通させることもできるし、気体状態で流通させることもできるが、目的物をより高選択率で得るためには、気体状態で流通させるのが好ましい。
【0055】
気体状態で反応カラム中を流通させる場合には、気相−固相反応が進行する。この反応を行なう方法としては、例えば、図1(a)に示すように、脂環式オレフィンとアルコール類との混合液の貯蔵タンク1aから混合液を送液し、加熱・気化装置2aによりこのものを気体状態とし、気体状態で反応カラム3aに送り込む方法が挙げられる。複数の反応カラムを使用する場合には、反応カラムのみならず、反応カラム間を連結する連結管も所定温度に保温しておくのが好ましい。
【0056】
流通式により本発明を実施するより具体的な方法としては、例えば、(i)図1(a)に示すように、固体酸触媒を充填した反応カラム3aを単独で用いる方法、(ii) 図1(b)に示すように、複数の固体酸触媒を充填した複数の反応カラム3b、3cを直列に連結させて反応を行なう方法、(iii) 図1(c)に示すように、複数の反応カラム3d、3e、3fを直列と並列に連結して反応を行う方法などが挙げられる。複数の反応カラムを組み合わせる場合には、脂環式オレフィン(またはアルコール類)の転化率をさらに向上させることができる。
【0057】
用いるカラムの大きさは特に限定されず、反応規模に応じて種々の大きさのものを選択して使用できる。複数の反応カラムを組み合わせて用いる場合には、それぞれのカラムに充填する固体酸触媒は同じであっても、異なる種類のものであってもよい。
【0058】
また、混合物を固体酸触媒を充填した反応カラム中を流通させる方法としては、図1(b)に示すごとく、反応カラム3b、3cの上部から該混合物を流通させるダウンフロー式であっても、図2に示すごとく、反応カラム3b、3cの下部側から混合物を流通させるアップフロー式であってもよい。より高い転化率及び選択率で目的物が得られる観点から、ダウンフロー方式が好ましい。
【0059】
混合物が反応カラム中を通過するときの圧力は、通常、常圧から30MPa、好ましくは常圧から10MPa、より好ましくは常圧から5MPaの範囲である。また、流通式を採用する場合における混合物の空間速度は、混合物が液状であれば、空塔基準の液空間速度(以下、「LHSV」と略す。)は、通常0.01〜100hr−1、好ましくは0.1〜20hr−1の範囲であり、混合物がガス状であれば、空塔基準のガス空間速度(以下、「GHSV」と略す。)は、通常0.01〜40,000h−1、好ましくは0.1〜8,000h−1の範囲である。また、複数の反応カラムを使用する場合には、反応温度、流通速度などを反応カラム毎に変化させることができる。
【0060】
前記混合物を調製するには、脂環式オレフィンとアルコール類とを所定割合で混合すればよい。この場合、脂環式オレフィンとアルコール類との混合液を予め調製しておき、それをタンクに貯蔵し、該タンクから反応カラムに気体状態または液体状態で送り込むこともできるし、脂環式オレフィンとアルコール類とを別々のタンクに貯蔵しておき、そこから脂環式オレフィンとアルコール類とを別々に送液し、反応カラム内に送り込む直前に両者を混合することもできる。
【0061】
また、流通式の場合、脂環式オレフィンとアルコール類との使用割合は特に制約されないが、脂環式オレフィンを過剰に用いるのが好ましい。流通式の場合は、混合物が加熱されている時間が短いので、脂環式オレフィンが重合することがない一方で、アルコール類を過剰に用いると、ジアルキルエーテルの副生量が増大するからである。脂環式オレフィンとアルコール類との使用割合は、脂環式オレフィン/アルコール類とのモル比で、通常1/3〜20/1、好ましくは1/3〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1、さらに好ましくは1/3〜3/1である。
【0062】
反応終了後は、反応液を溶媒抽出、蒸留等の通常の分離・精製方法によって、目的とするシクロアルキルアルキルエーテルを単離することができる。蒸留は複数回行なってもよい。
【0063】
蒸留装置としては、例えば、精留塔を有する連続精留装置などの公知の蒸留装置を使用することができる。また、図3に示すように、固体酸触媒を充填した反応カラム3g中に混合物を流通させた後、得られた反応液を反応カラム3h中に通過させ、例えば、ラシヒリングを充填した蒸留装置4により連続的に蒸留することもできる。この方法によれば、未反応の脂環式オレフィンおよびアルコール類を配管5により反応カラム3gに戻し、再度反応に供することができ、より高い転化率で目的物を得ることができる。
【0064】
本発明の製造方法により得られるシクロアルキルアルキルエーテルとしては、式(1):R1−O−R2(式中、R1は置換基を有していてもよいシクロペンチル基又は置換基を有していてもよいシクロヘキシル基を表し、R2は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)で表されるシクロアルキルアルキルエーテルが挙げられる。
【0065】
前記式(1)で表されるシクロアルキルアルキルエーテルの好ましい具体例としては、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロペンチルn−プロピルエーテル、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルn−ブチルエーテル、シクロペンチルsec−ブチルエーテル、シクロペンチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルn−ペンチルエーテル、ジシクロペンチルエーテル、シクロペンチルシクロヘキシルエーテルなどのシクロペンチルアルキルエーテル類;シクロヘキシルメチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロヘキシルn−プロピルエーテル、シクロヘキシルイソプロピルエーテル、シクロヘキシルn−ブチルエーテル、シクロヘキシルsec−ブチルエーテル、シクロヘキシルtert−ブチルエーテル、シクロヘキシルn−ペンチルエーテル、シクロヘキシルシクロプロピルエーテル、ジシクロヘキシルエーテルなどのシクロヘキシルアルキルエーテル類、などが挙げられる。これらの中でも、R1がシクロペンチル基であるシクロペンチルアルキルエーテルがより好ましく、シクロペンチルメチルエーテルが特に好ましい。
【0066】
本発明の製造方法により得られるシクロアルキルアルキルエーテルは、電子部品、精密機械部品の洗浄溶剤、種々の化学反応の反応溶剤、抽出溶剤、結晶化溶剤、電子・電気材料の溶剤および剥離剤などとして有用である。
【0067】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。
【0068】
(1)反応液のガスクロマトグラフィーによる分析(以下、「GC分析A」という。)は次の条件で行なった。
分析機器:Agilent6850
カラム:キャピラリカラムHP−5 30m×φ0.25mm(HP社製)
カラム温度:40℃(10分)、40℃→250℃(10℃/分)
注入口温度:200℃
検出器温度:300℃
キャリアーガス:He
検出器:FID
【0069】
(2)シクロペンテン転化率(以下、「CPE転化率」と略す。)(%)は、(原料液1g中のシクロペンテン重量−反応液1g中のシクロペンテン重量)/(原料液1g中のシクロペンテン重量)×100で算出した。
(3)シクロペンチルメチルエーテル選択率(以下、「CPME選択率」と略す。)(%)は、(反応液1g中のシクロペンチルメチルエーテルモル数)/(原料液1g中のシクロペンテンモル数−反応液1g中のシクロペンテンモル数)×100で算出した。
(4)脂環式オレフィン中の酸化性化合物のガスクロマトグラフィーによる分析(以下、「GC分析B」という。)は、次の条件で行なった。
分析機器:Agilent6850
カラム:キャピラリカラムHP−1 30m×φ0.25mm(HP社製)
カラム温度:40℃(5分)、40℃→250℃(15℃/分)
注入口温度:150℃
検出器温度:300℃
キャリアーガス:He
検出器:FID
【0070】
[製造例1]酸性イオン交換樹脂を用いる酸化性化合物の含有量の低減
プロトン型スチレン系スルホン酸型陽イオン交換樹脂(商品名:PK208H、三菱化学(株)製)18.0mlを充填した管状の固定床型装置に、シクロペンテンパーオキサイドを約160ppm含有する粗シクロペンテンを3ml/分、水を0.3ml/分、圧力が3MPaの条件で、反応器の温度を80℃に設定して流通させた。反応器から流出する反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、シクロペンテン中のシクロペンテンパーオキサイドは検出限界(検出限界1ppm)以下であった。
【0071】
[製造例2]ゼオライトを用いる酸化性化合物の含有量の低減
製造例1において、プロトン型スチレン系スルホン酸陽イオン交換樹脂(商品名:PK208H、三菱化学(株)製)に代えて、ゼオライト(商品名:MFI−40、日揮ユニバーサル(株)製)15gを充填した管状の固定床型装置を使用した以外は製造例1と同様に操作を行なったところシクロペンテン中のシクロペンテンパーオキサイドは検出限界(検出限界1ppm)以下であった。
【0072】
[製造例3]
市販の粗シクロペンテン(シクロペンテンパーオキサイド含有量200ppm)と、製造例2で得られたシクロペンテンとを混合して、シクロペンテンパーオキサイド含有量6ppmおよび50ppmのシクロペンテンを調整した。
【0073】
[製造例4]
市販のスチレン系酸性イオン交換樹脂(オルガノ(株)製、商品名:A−15、含水量47重量%)10重量部を真空乾燥機に入れ、圧力10mmHg、温度70℃付近で10時間乾燥した後、デシケーターに入れ、室温で1週間さらに乾燥した。この乾燥したイオン交換樹脂の含水量をカールフィッシャー電量滴定法で測定したところ、4.2重量%であった。
さらに、この乾燥イオン交換樹脂を、60℃で乾燥窒素ガスを流通させ4時間乾燥し、室温に戻した。得られた乾燥イオン交換樹脂の含水量をカールフィッシャー電量滴定法で測定したところ、水分は1.9重量%であった。このようにして得られた酸性イオン交換樹脂(以下、「乾燥酸性イオン交換樹脂」という。)を反応に使用した。
【0074】
なお、カールフィッシャー電量滴定法による含水量の測定は、平沼水分測定装置(製品番号:AQ−7、平沼産業(株)製)を使用し、発生液として、ハイドラナー(R)およびアクアライト(RS−A)を、対極液として、アクアライト(CN)をそれぞれ使用した。
【0075】
[実施例1]
実施例1は、図1(a)に示す反応装置を使用して行なった。SUS製の反応カラム3aに、製造例4で得られた乾燥酸性イオン交換樹脂を充填し、カラム3aを90℃に保温した。
【0076】
一方、製造例1で得られたシクロペンテン(シクロペンテンパーオキサイド検出限界以下)、およびメタノールの混合液(混合モル比:シクロペンテン/メタノール=1.6/1、以下「原料液」と呼ぶ。)をタンク1aから送液し、加熱・気化装置2aにより80℃に加熱・気化させて、常圧、90℃、GHSV=160hr−1で、反応カラム3a内に連続的に送りこんだ。反応管の出口から流出する液(以下、「反応液」と呼ぶ。)は、ドライアイス−メタノールにて冷却して凝縮させ、反応開始から10時間、50時間および150時間経過後に反応液のGC分析を行なった結果を表1に示す。
【0077】
[実施例2]
シクロペンテンとして、製造例3で得られたシクロペンテンパーオキサイド含有量6ppmのシクロペンテンを用いる他は、実施例1と同様にして実験を行なった結果を表1に示す。
【0078】
[比較例1]
シクロペンテンとして、製造例3で得られたシクロペンテンパーオキサイド含有量50ppmのシクロペンテンを用いる他は、実施例1と同様にして実験を行なった結果を表1に示す。
【0079】
[比較例2]
シクロペンテンとして、シクロペンテンパーオキサイド含有量200ppmの粗シクロペンテンを用いる他は、実施例1と同様にして実験を行なった結果を表1に示す
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示すように、シクロペンテンパーオキサイドが20ppm以下のシクロペンテンを用いて反応を行なうと、長時間の連続運転時に触媒活性が低下しなかった。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、固体酸触媒存在下に脂環式オレフィンとアルコール類とを反応させてシクロアルキルアルキルエーテルを製造するに際し、酸化性化合物含有量が20ppm以下である脂環式オレフィンを使用することにより、従来の方法と比較して触媒活性の経時的な低下が著しく抑制され、活性が長時間持続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法を実施するための反応装置の模式図である。
【図2】図2は、本発明の製造方法を実施するための反応装置の模式図である。
【図3】図3は、本発明の製造方法を実施するための反応装置と蒸留装置を組み合わせた装置の模式図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d…貯蔵タンク、
2a、2b、2c、2d…加熱・気化装置
3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h…反応カラム
4…蒸留装置
5…配管[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a cycloalkyl alkyl ether which is useful as a cleaning solvent, a reaction solvent, an extraction solvent, a crystallization solvent, a solvent for electronic and electric materials, a stripping agent, and the like for electronic parts and precision machine parts.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a method for producing ethers by an addition reaction between an olefin and an alcohol, for example, (a) a method using crystalline aluminosilicate as a catalyst (Patent Document 1), and (b) a special alumino having a large number of external surface acid points as a catalyst A method using a silicate (Patent Document 2) and a method using (c) a tungsten oxide in which the water of crystallization of the heteropolyacid is adjusted to an average of 3.0 molecules or less per molecule of the heteropolyacid as a catalyst (Patent Document 3) And (d) a method using an acidic ion exchange resin having a water content of 5% by weight or less as a catalyst (Patent Document 4).
[0003]
However, when using these solid acid catalysts to produce cycloalkylalkyl ethers on an industrial scale using alicyclic olefins as starting materials, the catalytic activity decreases over time during long-term continuous operation, There has been a problem that it is necessary to frequently regenerate the catalyst whose activity has decreased, or to replenish or replace the catalyst.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-59-25345 [Patent Document 2]
JP-A-61-249945 [Patent Document 3]
JP-A-5-163188 [Patent Document 4]
WO 03/002500 [0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method in which a cycloalkylalkyl ether is produced on an industrial scale using a solid acid catalyst and an alicyclic olefin as a starting material so that the catalytic activity does not decrease during long-time continuous operation. It is in.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to achieve the above object, and by performing a reaction using a raw material in which the amount of the oxidizing compound contained in the alicyclic olefin as the raw material has been reduced to a specific value or less. The present inventors have found that the reduction in catalytic activity with time is remarkably suppressed, and have completed the present invention.
[0007]
That is, the method for producing a cycloalkylalkyl ether of the present invention is characterized by reacting an alicyclic olefin having an oxidizing compound content of 20 ppm or less with an alcohol in the presence of a solid acid catalyst.
[0008]
Further, it is preferable that the alicyclic olefin having an oxidizing compound content of 20 ppm or less is obtained by contacting a crude alicyclic olefin with a solid acid.
[0009]
Preferably, the solid acid is an acidic ion exchange resin or a metal oxide.
[0010]
Further, it is preferable that the cycloalkyl alkyl ether is cyclopentyl methyl ether.
[0011]
It is particularly preferable that the oxidizing compound is cyclopentene peroxide.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The method for producing a cycloalkylalkyl ether of the present invention is characterized in that an alicyclic olefin having an oxidizing compound content of 20 ppm or less is reacted with an alcohol in the presence of a solid acid catalyst.
[0013]
The alicyclic olefin used in the present invention has an aliphatic monocyclic or polycyclic skeleton and has at least one or more carbon-carbon double bonds in these ring skeletons. The ring skeleton is preferably composed of 3 to 20 carbons. Further, those having a substituent such as an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, a nitro group, an amino group, an alkoxy group, a sulfone group, and a cyano group in these ring skeletons are also included.
[0014]
The alicyclic olefin is preferably an alicyclic olefin having a monocyclic ring having 5 to 8 ring carbon atoms from the viewpoints of availability and more efficiently obtaining the target product, and having a substituent. More preferred is cyclopentene or optionally substituted cyclohexene.
[0015]
Specific examples of the cyclopentene which may have a substituent include cyclopentene, 1-methylcyclopentene, 3-methylcyclopentene, 1,3-dimethylcyclopentene, 1-fluorocyclopentene, 1-phenylcyclopentene, and the like. Examples of the optionally substituted cyclohexene include cyclohexene, 1-methylcyclohexene, 4-methylcyclohexene, 1,3-dimethylcyclohexene, 1-fluorocyclohexene, 4-chlorocyclohexene, 1-phenylcyclohexene, and 4-hexylcyclohexene. Phenylcyclohexene and the like. Of these, cyclopentene or cyclohexene is preferred, and cyclopentene is particularly preferred.
[0016]
In the alicyclic olefin used in the present invention, it is essential that the amount of the oxidizing compound contained therein is 20 ppm or less. The amount of the oxidizing compound is preferably at most 10 ppm, more preferably at most 1 ppm. If the amount exceeds 20 ppm, the solid acid catalyst will be deactivated in a short time.
[0017]
In the present invention, the oxidizing compound means a compound having oxidizing power and deteriorating a solid acid catalyst. As a typical example, a hydroperoxide represented by the formula: ROOH (R represents an alkyl group or a cycloalkyl group), a formula: R 1 OOR 2 (R 1 and R 2 represent an alkyl group or a cycloalkyl group) And R 1 and R 2 may be combined to form a ring.), An epoxide having an epoxy ring, and the like. Particularly, cyclopentene peroxide is important.
[0018]
Oxidizing compounds are contained in commercially available crude alicyclic olefins at a concentration of about several hundred ppm to 1,000 ppm, usually 200 to 300 ppm. It is known that the oxidizing compound is a by-product when producing the crude alicyclic olefin, and that the content increases even during the storage of the crude alicyclic olefin.
[0019]
The reaction between the alicyclic olefin and the alcohol of the present invention is carried out in the presence of a solid acid catalyst, and the oxidizing compound gradually removes the solid acid catalyst during repeated use or continuous use of the solid acid catalyst. Oxidizes and reduces catalytic activity. Therefore, in the present invention, an alicyclic olefin having an oxidizing compound amount of 20 ppm or less is used for the reaction. The concentration of the oxidizing compound can be measured by gas chromatography analysis.
[0020]
As described above, it is known that the oxidizing compound increases even when the alicyclic olefin from which the oxidizing compound has been removed is stored in an atmosphere of an inert gas such as nitrogen. Various methods for removing the oxidizing compound are conceivable, but it is preferable to immediately react with the next alcohol after removing the oxidizing compound from the crude alicyclic olefin.
[0021]
In the present invention, as a method of reducing the content of the oxidizing compound contained in the crude alicyclic olein, a method of contacting the crude alicyclic olein with a solid acid is preferable. According to this method, the content of the oxidizing compound can be simply and efficiently reduced, and further, after the contact treatment, the reaction with the alcohol can be continuously performed.
[0022]
The solid acid refers to a solid acid that exhibits properties as a Bronsted acid or Lewis acid. As the solid acid, an acidic ion exchange resin or a metal oxide is preferable.
[0023]
The acidic ion exchange resin is made of an insoluble and porous synthetic resin having an acidic ion exchange group on a polymer substrate having a fine three-dimensional network structure, and is generally called a cation exchange resin.
[0024]
Further, the acidic ion exchange resin can be roughly classified into a gel type and a porous type as a classification from the geometrical structure of the acidic ion exchange resin.In the present invention, both the gel type resin and the porous type resin are used. Can be used. The acidic ion exchange resin types include a proton acid type in which the proton portion of the ion exchange group is a proton as it is, and an alkali metal salt type in which the proton of the ion exchange resin is exchanged for an alkali metal ion. Ion exchange resins are preferred.
[0025]
As the acidic ion exchange resin, a polymer substrate having a sulfonic acid group or a carboxylic acid group as an ion exchange group, and a polymer substrate obtained by condensation polymerization of phenol and formaldehyde, styrene or Examples include those having a copolymer substrate of halogenated styrene and divinylbenzene. Among these, from the viewpoints of availability and handleability, it is preferable to use a sulfonic acid type strongly acidic ion exchange resin having a sulfonic acid group as an ion exchange group, and a copolymer of styrene or halogenated styrene and divinylbenzene. It is more preferable to use a sulfonic acid type styrene-based strongly acidic ion exchange resin having a sulfonic acid group as an ion exchange group.
[0026]
Preferable specific examples of the acidic ion exchange resin include styrene strong acid cation exchange resin gel type DIAION SK1B, SK012, SK104, SK106, SK110, SK112, SK116 manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation; styrene strong acid cation exchange. Resin porous PK208, PK212, PK216, PK220, PK228; styrene-based strongly acidic cation exchange resin HPK25; heat-resistant styrene-based strongly acidic cation exchange resin RCP145; Bayer's strongly acidic Bayer catalyst gel type K1221 , K1431, K1481, K1491; Strongly acidic Bayer catalyst macroporous type K2431, K2621, K2641; Amberlite (XE-284) manufactured by Rohm and Haas Company; Diaio manufactured by Nippon Rensui Co., Ltd. RCP-160M, RCP-160H, RCP-170H; Amberlyst CSP-2, A-15, manufactured by Organo Corporation.
[0027]
As the metal oxide, Ge, Sn, Pb, B, Al, Ga, Zn, Cd, Cu, Fe, Mn, Ni, Cr, Mo, W, Ti, Zr, Hf, Y, La, Ce, Yb, An oxide of a metal selected from the group consisting of Si is used. Further, in the present invention, among higher oxides composed of two or more metal oxides, compound oxides (two types of oxides) which are compounds in which the presence of a base ion as an oxygen acid is not recognized in the structure thereof A metal compound is also referred to as a “composite oxide.”).
[0028]
In the present invention, so-called zeolite can be used as the metal oxide. Examples of zeolites include mordenite, erionite, ferrinite, crystalline aluminosilicates such as ZSM zeolite published by Mobil, and metalloaluminosilicates containing different elements such as boron, iron, gallium, titanium, copper, and silver. And metallosilicate. Further, the zeolite is exchanged with at least one cation species of an alkaline earth element such as Mg, Ca, and Sr, a rare earth element such as La and Ce, and a Group VIII element such as Fe, Co, Ni, Ru, Pd, and Pt. Or a zeolite containing Zr, Hf, Cr, Mo, W, Th, or the like. As the zeolite used in the present invention, a proton exchange type (H type) is usually used.
[0029]
The shape of the solid acid is not particularly limited, and may be powdery or granular. Examples of the external shape of the granular material include a sphere, a disk, a column, and a cylinder. The average particle size is not particularly limited, but in the case of an acidic ion exchange resin, the size of the resin particles is usually in the range of 0.02 mm to 10 mm, preferably 0.2 mm to 1 mm. In the case of a metal oxide, the size of the metal oxide particles is usually from 1 mm to 40 mm, and preferably from 2 mm to 20 mm.
[0030]
The amount of the solid acid used may be an amount sufficient to reduce the amount of the oxidizing compound in the crude alicyclic olefin to 20 ppm or less, but is usually 0 to 100 parts by weight of the solid acid catalyst used in the reaction. 0.1 to 200 parts by weight, preferably 0.5 to 150 parts by weight, more preferably 1 to 100 parts by weight.
[0031]
As a method of contacting a crude alicyclic olefin with a solid acid, for example, a method in which a solid acid is packed in a column and the crude alicyclic olefin is passed through the column (continuous type), A method of adding an acid and stirring (batch type) or the like is used. In the present invention, it is more preferable to employ a continuous system from the viewpoint of the working efficiency and the ability to continuously subject the alicyclic olefin to the reaction with the alcohol after the treatment. In the case of the continuous type, the solid acid may be charged into the raw material introduction portion of the reactor, but a removal tank filled with the solid acid may be separately provided.
[0032]
The temperature at which the solid acid is brought into contact with the crude alicyclic olefin is usually 20 to 200 ° C, preferably 40 to 180 ° C, more preferably 50 to 160 ° C. In general, the contact at a higher temperature can remove the oxidizing compound more efficiently. The crude alicyclic olefin can be treated with a solid acid alone or in a state mixed with water.
[0033]
As a method for contacting a crude alicyclic olefin with a solid acid, when a column packed with a solid acid is used, the pressure at which the crude alicyclic olefin is passed through the column is usually from normal pressure to 30 MPa, preferably Is in the range of normal pressure to 10 MPa, more preferably normal pressure to 5 MPa.
[0034]
In the alicyclic olefin used in the present invention, the content of the chain conjugated diene compound is preferably 10 ppm or less, more preferably 5 ppm or less. Industrial alicyclic olefins usually contain about 3000 ppm of a conjugated diene compound, but if the amount of the conjugated diene compound exceeds 10 ppm, the activity of the solid acid catalyst may tend to decrease.
[0035]
Examples of the chain conjugated diene compound include butadiene, 2-methylbutadiene, 1,3-pentadiene, 1,3-hexadiene, and 2,4-hexadiene, and those containing isomers are all included. However, 1,3-pentadiene is particularly important. The amounts of these chain conjugated diene compounds contained in the alicyclic olefin can be determined by gas chromatography.
[0036]
The method of reducing the chain conjugated diene compound to 10 ppm or less from the chain conjugated diene-containing alicyclic olefin includes (1) contacting the chain conjugated diene-containing alicyclic olefin with an adsorbent such as activated clay. A method, (2) a method of treating an alicyclic olefin containing a chain conjugated diene with a reducing agent such as hydrogen to convert the chain conjugated diene into a chain olefin or a chain alkane, and (3) a chain conjugated diene. And a method of contacting a cycloaliphatic olefin containing the compound with a solid acid catalyst such as zeolite for purification.
[0037]
The alcohol used in the present invention is not particularly limited as long as it can undergo an addition reaction with an alicyclic olefin in the presence of a solid acid catalyst. A linear or branched saturated alcohol having 1 to 10 carbon atoms or a cycloalkyl alcohol having 3 to 8 carbon atoms is preferable because a cycloalkylalkyl ether can be obtained efficiently, and a linear chain having 1 to 6 carbon atoms is preferable. Or a branched saturated alcohol is more preferred.
[0038]
Examples of the linear or branched saturated alcohol having 1 to 10 carbon atoms include methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, isobutyl alcohol, n-pentyl alcohol, and n-hexyl alcohol. And the like. Examples of the cycloalkyl alcohol having 3 to 8 carbon atoms include cyclopropyl alcohol, cyclopentyl alcohol, and cyclohexyl alcohol. Among these, a linear or branched saturated alcohol having 1 to 3 carbon atoms is more preferable, and methyl alcohol is particularly preferable.
[0039]
In the present invention, an alicyclic olefin having an oxidizing compound reduced to 20 ppm or less is used to carry out a reaction with an alcohol in the presence of a solid acid catalyst. As the solid acid catalyst, the same solid acid catalyst as described above can be used, and among them, an acidic ion exchange resin is preferable. When an acidic ion exchange resin is used as the solid acid catalyst, the preferred types and specific examples thereof are the same as those of the acidic ion exchange resin as the solid acid.
[0040]
Further, when an acidic ion exchange resin is used as the solid acid catalyst, a commercially available one may be used as it is, or a pretreated one with an acid may be used. Examples of the acid treatment method include a method in which an acidic ion exchange resin is added to a dilute acid such as dilute hydrochloric acid or dilute sulfuric acid, and left or stirred at 20 ° C. to 100 ° C. for several minutes to several tens of hours. A method in which a dilute acid is allowed to flow until the liquid eluted from one side of the column with the exchange resin becomes acidic. The pretreated ion exchange resin is preferably used after sufficiently washing with distilled water or deionized water to remove excess acid. Further, the acidic ion exchange resin can be used repeatedly by performing a normal regeneration treatment.
[0041]
The apparent density (g / LR) of these acidic ion exchange resins is usually 500 to 1000, preferably 600 to 900. The water content before drying is usually 30 to 70% by weight. The average particle size of the acidic ion exchange resin as the solid acid catalyst is not particularly limited, but is generally in the range of 0.02 mm to 10 mm, preferably 0.5 mm to 2 mm. Further, the acidic ion exchange resin is usually used in a proton type, and can be repeatedly used by performing a normal regeneration treatment.
[0042]
The present invention is intended for use in an acidic ion exchange resin having a water content of preferably 5% by weight or less, more preferably 3% by weight or less, and particularly preferably 2% by weight or less, with higher selectivity and conversion. Can be obtained.
[0043]
In order to obtain an acidic ion exchange resin having a water content of 5% by weight or less, it may be dried before use to remove water. The method for drying the acidic ion exchange resin is not particularly limited, as long as the method can be dried to obtain an acidic ion exchange resin having a water content of 5% by weight or less.
[0044]
As a method for drying, for example, a normal heat dehydration operation can be adopted. As the heat dehydration operation, for example, {circle around (1)} a method in which an acidic ion exchange resin is accommodated in a usual dryer and heated at 50 to 120 ° C., preferably 80 to 110 ° C. for several minutes to several hours under normal pressure or reduced pressure (2) a method of heating and drying the acidic ion exchange resin at a predetermined temperature (from room temperature to about 100 ° C.) for several minutes to several hours under an inert gas flow condition; and (3) a method of (1) and (2). Combinations of methods; and the like.
[0045]
Examples of the inert gas used in the methods (2) and (3) include air, nitrogen, argon, helium, hydrogen, aliphatic hydrocarbon, and aromatic hydrocarbon. The flow rate of the inert gas is not particularly limited, but is usually 0.01 to 100 vol / Hr · vol as the space velocity in the apparatus in terms of gas volume at the heating temperature.
[0046]
The water content of the acidic ion exchange resin before and after drying can be measured by a Karl Fischer moisture meter.
[0047]
In practicing the present invention, a solvent or diluent inert to a solid acid catalyst, an alicyclic olefin and an alcohol can be added to the reaction system. The solvent or diluent may be used alone or in the form of a mixture of two or more.
[0048]
Solvents and diluents that can be used include, for example, aliphatic saturated hydrocarbons such as n-butane, n-pentane, n-hexane, n-heptane, n-octane, n-nonane, n-decane; Aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, ethylbenzene, xylene, anisole, cumene, and nitrobenzene; cyclopentane, alkyl-substituted cyclopentanes, alkoxy-substituted cyclopentanes, nitro-substituted cyclopentanes, cyclohexane, alkyl-substituted cyclohexanes, and alkoxy Substituted cyclohexanes, nitro substituted cyclohexanes, cycloheptane, alkyl substituted cycloheptanes, alkoxy substituted cycloheptanes, nitro substituted cycloheptanes, cyclooctane, alkyl substituted cyclooctanes, alkoxy substituted cyclooctane S, alicyclic saturated hydrocarbons and nitro-substituted octanes; nitrogen, argon, air, such as helium and the like. The amount of the solvent or diluent used is not particularly limited, and any amount can be selected as long as the reaction is not inhibited.
[0049]
In the present invention, a mixture of an alicyclic olefin and an alcohol (hereinafter, may be simply referred to as “mixture”) is reacted in the presence of a solid acid catalyst. The water content of the mixture is preferably small in order to obtain the target product more efficiently, but is preferably 1% by weight or less, particularly preferably 500 ppm or less.
[0050]
The reaction temperature of the alicyclic olefin with the alcohol is not particularly limited, but is usually 20 to 200 ° C, preferably 40 to 180 ° C, and more preferably 50 to 160 ° C. If the reaction temperature is too low, the reaction rate will decrease. Conversely, if the reaction is performed at too high a temperature, the solid acid catalyst may be inactivated by heat.
[0051]
The method of reacting an alicyclic olefin with an alcohol in the presence of a solid acid catalyst is not particularly limited. For example, a method of adding a solid acid catalyst to a mixture and stirring the mixture (batch type), a method of filling a solid acid catalyst in a column (hereinafter, a column filled with a solid acid catalyst is referred to as a “reaction column”), and the like. A method of flowing the mixture therein (flow type) or the like can be used. In the present invention, it is more preferable to employ a flow-type from the viewpoint of working efficiency and continuous purification of the reaction product.
[0052]
When the batch method is employed, a predetermined amount of a solid acid catalyst, an alicyclic olefin and an alcohol are added to a reactor, and the reaction mixture is stirred at a predetermined temperature and a predetermined pressure. The amount of the solid acid catalyst used in this case is usually 0.01 to 200 parts by weight, preferably 0.1 to 150 parts by weight, more preferably 1 to 100 parts by weight, based on 100 parts by weight of the alicyclic olefin. Range.
[0053]
In the case of the batch type, the ratio of the alicyclic olefin and the alcohol used is not particularly limited, but it is preferable to use an excess of the alcohol. This is because, in the case of the batch type, since the time during which the mixture is heated is long, if the alicyclic olefin is reacted in an excessive state, a polymer of the alicyclic oleophine may be generated. The usage ratio of the alicyclic olefin to the alcohol is usually from 1/1 to 1/50, preferably from 1/1 to 1/30, more preferably from 1/1 / molar ratio of the alicyclic olefin / alcohol. 1 to 1/20.
[0054]
When the flow type is adopted, the mixture is passed through the reaction column. In this case, a column having a heating device is used, and the mixture is passed through the reaction column heated to a predetermined temperature (reaction temperature). The mixture can be circulated in a liquid state or in a gaseous state, but is preferably circulated in a gaseous state in order to obtain the target substance with higher selectivity.
[0055]
When flowing through the reaction column in a gaseous state, a gas-solid reaction proceeds. As a method for performing this reaction, for example, as shown in FIG. 1 (a), a mixed solution is sent from a storage tank 1a of a mixed solution of an alicyclic olefin and an alcohol, and the mixed solution is sent to a heating / vaporizing device 2a. A method in which the substance is put into a gas state and sent to the reaction column 3a in a gas state is mentioned. When a plurality of reaction columns are used, it is preferable to keep not only the reaction columns but also the connecting pipes connecting the reaction columns at a predetermined temperature.
[0056]
As a more specific method for carrying out the present invention by a flow-through method, for example, (i) a method using a reaction column 3a alone filled with a solid acid catalyst as shown in FIG. 1 (b), a method in which a plurality of reaction columns 3b, 3c filled with a plurality of solid acid catalysts are connected in series to carry out a reaction, (iii) as shown in FIG. A method in which the reaction is performed by connecting the reaction columns 3d, 3e, and 3f in series and in parallel is exemplified. When a plurality of reaction columns are combined, the conversion of alicyclic olefins (or alcohols) can be further improved.
[0057]
The size of the column to be used is not particularly limited, and various sizes can be selected and used according to the reaction scale. When a plurality of reaction columns are used in combination, the solid acid catalyst to be filled in each column may be the same or different.
[0058]
As a method for flowing the mixture through a reaction column filled with a solid acid catalyst, as shown in FIG. 1 (b), a down flow method in which the mixture flows from the top of the reaction columns 3b and 3c may be used. As shown in FIG. 2, an upflow type in which the mixture flows from the lower side of the reaction columns 3b and 3c may be used. From the viewpoint that the target product can be obtained at a higher conversion and selectivity, a downflow method is preferable.
[0059]
The pressure at which the mixture passes through the reaction column is usually in the range of normal pressure to 30 MPa, preferably normal pressure to 10 MPa, more preferably normal pressure to 5 MPa. When the mixture is in a liquid state, the space velocity of the mixture in the case of employing the flow-through system is usually 0.01 to 100 hr -1 , based on a superficial liquid, (hereinafter abbreviated as “LHSV”). It is preferably in the range of 0.1 to 20 hr −1 , and if the mixture is in a gaseous state, the gas hourly space velocity (hereinafter abbreviated as “GHSV”) is usually 0.01 to 40,000 h −. 1 , preferably in the range of 0.1 to 8,000 h- 1 . When a plurality of reaction columns are used, the reaction temperature, the flow rate, and the like can be changed for each reaction column.
[0060]
In order to prepare the mixture, the alicyclic olefin and the alcohol may be mixed at a predetermined ratio. In this case, a mixed solution of an alicyclic olefin and an alcohol is prepared in advance, stored in a tank, and sent from the tank to the reaction column in a gas state or a liquid state. And the alcohols may be stored in separate tanks, and the alicyclic olefin and the alcohols may be separately fed therefrom, and the two may be mixed immediately before being fed into the reaction column.
[0061]
In addition, in the case of a flow-through type, the use ratio of the alicyclic olefin and the alcohol is not particularly limited, but it is preferable to use an alicyclic olefin in excess. In the case of the flow-through type, since the time during which the mixture is heated is short, the alicyclic olefin does not polymerize, while the excess use of alcohol increases the by-product amount of dialkyl ether. . The ratio of the alicyclic olefin to the alcohol is usually 1/3 to 20/1, preferably 1/3 to 10/1, more preferably 1/30, in terms of the molar ratio of the alicyclic olefin / alcohol. It is 3 to 5/1, more preferably 1/3 to 3/1.
[0062]
After completion of the reaction, the desired cycloalkylalkyl ether can be isolated from the reaction solution by a conventional separation / purification method such as solvent extraction and distillation. The distillation may be performed multiple times.
[0063]
As the distillation apparatus, for example, a known distillation apparatus such as a continuous rectification apparatus having a rectification column can be used. Further, as shown in FIG. 3, after the mixture is passed through a reaction column 3 g filled with a solid acid catalyst, the obtained reaction solution is passed through the reaction column 3 h, for example, a distillation apparatus 4 filled with Raschig rings. Can be distilled continuously. According to this method, unreacted alicyclic olefins and alcohols can be returned to the reaction column 3 g via the pipe 5 and subjected to the reaction again, and the target product can be obtained at a higher conversion.
[0064]
Examples of the cycloalkyl alkyl ether obtained by the production method of the present invention include a compound represented by the formula (1): R 1 -O-R 2 (wherein R 1 has a cyclopentyl group or a substituent which may have a substituent. A cyclohexyl group, and R2 represents an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms or a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms.).
[0065]
Preferred specific examples of the cycloalkylalkyl ether represented by the formula (1) include cyclopentyl methyl ether, cyclopentyl ethyl ether, cyclopentyl n-propyl ether, cyclopentyl isopropyl ether, cyclopentyl n-butyl ether, cyclopentyl sec-butyl ether, and cyclopentyl tert. Cyclopentyl alkyl ethers such as -butyl ether, cyclopentyl n-pentyl ether, dicyclopentyl ether, cyclopentyl cyclohexyl ether; cyclohexyl methyl ether, cyclohexyl ethyl ether, cyclohexyl n-propyl ether, cyclohexyl isopropyl ether, cyclohexyl n-butyl ether, cyclohexyl sec-butyl ether , Rohekishiru tert- butyl ether, cyclohexyl n- pentyl ether, cyclohexyl cyclopropyl ether, cyclohexyl alkyl ethers such as dicyclohexyl ether, and the like. Among these, cyclopentyl alkyl ether in which R1 is a cyclopentyl group is more preferable, and cyclopentyl methyl ether is particularly preferable.
[0066]
The cycloalkyl alkyl ether obtained by the production method of the present invention is used as a cleaning solvent for electronic parts, precision mechanical parts, a reaction solvent for various chemical reactions, an extraction solvent, a crystallization solvent, a solvent for electronic and electric materials, a release agent, and the like. Useful.
[0067]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0068]
(1) Analysis of the reaction solution by gas chromatography (hereinafter referred to as “GC analysis A”) was performed under the following conditions.
Analytical instrument: Agilent 6850
Column: Capillary column HP-5 30m × φ0.25mm (manufactured by HP)
Column temperature: 40 ° C (10 minutes), 40 ° C → 250 ° C (10 ° C / minute)
Inlet temperature: 200 ° C
Detector temperature: 300 ° C
Carrier gas: He
Detector: FID
[0069]
(2) Cyclopentene conversion (hereinafter abbreviated as “CPE conversion”) (%) is (weight of cyclopentene in 1 g of raw material liquid−weight of cyclopentene in 1 g of reaction liquid) / (weight of cyclopentene in 1 g of raw material liquid) X100 was calculated.
(3) Selectivity of cyclopentyl methyl ether (hereinafter abbreviated as “CPME selectivity”) (%) is (moles of cyclopentyl methyl ether in 1 g of reaction solution) / (moles of cyclopentene in 1 g of raw material solution−reaction solution) It was calculated by (molar number of cyclopentene in 1 g) x 100.
(4) The analysis of the oxidizing compound in the alicyclic olefin by gas chromatography (hereinafter, referred to as “GC analysis B”) was performed under the following conditions.
Analytical instrument: Agilent 6850
Column: Capillary column HP-1 30m × φ0.25mm (HP)
Column temperature: 40 ° C (5 minutes), 40 ° C → 250 ° C (15 ° C / min)
Inlet temperature: 150 ° C
Detector temperature: 300 ° C
Carrier gas: He
Detector: FID
[0070]
[Production Example 1] Reduction of content of oxidizing compound using acidic ion exchange resin Tubular filled with 18.0 ml of proton type styrene sulfonic acid type cation exchange resin (trade name: PK208H, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) Through a fixed bed type apparatus of 3 ml / min of crude cyclopentene containing about 160 ppm of cyclopentene peroxide, 0.3 ml / min of water, and a pressure of 3 MPa at a reactor temperature of 80 ° C. Was. When the reaction solution flowing out of the reactor was analyzed by gas chromatography, the content of cyclopentene peroxide in cyclopentene was below the detection limit (detection limit: 1 ppm).
[0071]
[Production Example 2] Reduction in content of oxidizing compound using zeolite In Production Example 1, zeolite (produced by Mitsubishi Chemical Co., Ltd.) was replaced with zeolite (proton type styrene sulfonic acid cation exchange resin (trade name: PK208H)). Product name: MFI-40, manufactured by JGC Universal Co., Ltd.) The same operation as in Production Example 1 was carried out except that a tubular fixed-bed-type apparatus filled with 15 g was used. The detection limit of cyclopentene peroxide in cyclopentene was as follows: (Detection limit: 1 ppm) or less.
[0072]
[Production Example 3]
A commercially available crude cyclopentene (cyclopentene peroxide content: 200 ppm) was mixed with the cyclopentene obtained in Production Example 2 to prepare cyclopentene having a cyclopentene peroxide content of 6 ppm and 50 ppm.
[0073]
[Production Example 4]
10 parts by weight of a commercially available styrene-based acidic ion exchange resin (manufactured by Organo Co., Ltd., trade name: A-15, water content: 47% by weight) was placed in a vacuum dryer, and dried at a pressure of 10 mmHg and a temperature of about 70 ° C. for 10 hours. Then, it was placed in a desiccator and further dried at room temperature for one week. The water content of the dried ion exchange resin was measured by Karl Fischer coulometric titration and found to be 4.2% by weight.
Further, the dried ion-exchange resin was dried at 60 ° C. by flowing dry nitrogen gas for 4 hours, and returned to room temperature. The water content of the obtained dried ion exchange resin was 1.9% by weight as measured by Karl Fischer coulometric titration. The thus obtained acidic ion exchange resin (hereinafter referred to as “dry acidic ion exchange resin”) was used for the reaction.
[0074]
The water content was measured by Karl Fischer coulometric titration using a Hiranuma moisture meter (product number: AQ-7, manufactured by Hiranuma Sangyo Co., Ltd.), and Hydraner (R) and Aqualite (RS) were used as the generated liquid. -A) was used as a counter electrode, aqualite (CN).
[0075]
[Example 1]
Example 1 was performed using the reaction apparatus shown in FIG. An SUS reaction column 3a was filled with the dry acidic ion exchange resin obtained in Production Example 4, and the column 3a was kept at 90 ° C.
[0076]
On the other hand, a mixture of cyclopentene (not more than the detection limit of cyclopentene peroxide) and methanol (mixing molar ratio: cyclopentene / methanol = 1.6 / 1, hereinafter referred to as "raw material liquid") obtained in Production Example 1 is a tank. The solution was fed from 1a, heated and vaporized to 80 ° C. by the heating and vaporizing device 2a, and continuously fed into the reaction column 3a at normal pressure, 90 ° C. and GHSV = 160 hr −1 . The liquid flowing out from the outlet of the reaction tube (hereinafter, referred to as “reaction liquid”) is cooled and condensed with dry ice-methanol, and after the elapse of 10 hours, 50 hours, and 150 hours from the start of the reaction, the GC Table 1 shows the results of the analysis.
[0077]
[Example 2]
Table 1 shows the results of an experiment performed in the same manner as in Example 1 except that the cyclopentene obtained in Production Example 3 and having a peroxide content of 6 ppm was used as the cyclopentene.
[0078]
[Comparative Example 1]
Table 1 shows the results of an experiment conducted in the same manner as in Example 1 except that the cyclopentene obtained in Production Example 3 and having a peroxide content of 50 ppm was used as the cyclopentene.
[0079]
[Comparative Example 2]
Table 1 shows the results of an experiment conducted in the same manner as in Example 1 except that crude cyclopentene having a content of 200 ppm of cyclopentene peroxide was used as cyclopentene.
[Table 1]
[0081]
As shown in Table 1, when the reaction was carried out using cyclopentene having 20 ppm or less of cyclopentene peroxide, the catalyst activity did not decrease during long-time continuous operation.
[0082]
【The invention's effect】
According to the present invention, in producing a cycloalkylalkyl ether by reacting an alicyclic olefin with an alcohol in the presence of a solid acid catalyst, an alicyclic olefin having an oxidizing compound content of 20 ppm or less is used. As a result, a decrease in the catalytic activity with time is significantly suppressed as compared with the conventional method, and the activity is maintained for a long time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a reactor for carrying out the production method of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of a reaction apparatus for carrying out the production method of the present invention.
FIG. 3 is a schematic view of an apparatus in which a reaction apparatus and a distillation apparatus are combined for performing the production method of the present invention.
[Explanation of symbols]
1a, 1b, 1c, 1d ... storage tank,
2a, 2b, 2c, 2d: heating / vaporization devices 3a, 3b, 3c, 3d, 3e, 3f, 3g, 3h: reaction column 4: distillation device 5: piping