JP2004298939A - 発熱性塗型剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉鋳物の製造において、脆化を防止した強靭な鋳物を製造することができる発熱性塗型剤を提供する。
【解決手段】砂型を用い鋳物を製造する際に当該砂型の表面に塗布される塗型剤であって、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有する。この発熱性塗型剤が塗布された砂型に溶融金属を注湯すると、塗型剤が溶融金属の熱によって加熱されて発熱する。この熱で溶融金属の冷却速度を小さくし、溶融金属の流動性が低下するのを遅らせ、また薄肉部の湯廻り不良の発生を防止すると共に鋳物表面部の脆性を防ぐことができる。
【選択図】 なし
【解決手段】砂型を用い鋳物を製造する際に当該砂型の表面に塗布される塗型剤であって、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有する。この発熱性塗型剤が塗布された砂型に溶融金属を注湯すると、塗型剤が溶融金属の熱によって加熱されて発熱する。この熱で溶融金属の冷却速度を小さくし、溶融金属の流動性が低下するのを遅らせ、また薄肉部の湯廻り不良の発生を防止すると共に鋳物表面部の脆性を防ぐことができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂型を用い鋳物を製造する際に、砂型表面に塗布する塗型剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鋳物の軽量化が求められている。そのため材質を軽量金属へ変更したり、鋳物厚みを薄肉化することが広く行われている。ところで、砂型を用いて鋳物を製造する際に鋳物厚みを薄肉化すると、薄肉部には湯廻り不良が発生することがある。これは、砂型の熱吸収が大きいために溶湯が急速に冷却されることに起因する。このように、砂型を用いた鋳物の薄肉化には限界がある。特に溶湯の特性上、粘性の高い材質では薄肉化はより困難となる。
【0003】
そこで、溶湯の注湯温度を高めたり、鋳型を金型化し適当な手段でこの金型を加熱昇温することにより薄肉化をすることも検討されている。しかしながら、このような方法により湯廻り不良の発生を防ぎ、良好な形状を得ることができる場合でも、薄肉部では溶湯の冷却速度が大きいために金属組織が白銑化して脆性を生じるので、強靭な表面の鋳物を製造することは難しい。さらに球状化黒鉛鋳鉄(FCD)の場合では、鋳物表面部黒鉛の球状化が阻害されるので、目的とする特性を得ることは難しく、例えばマグネシウム、マンガン等の黒鉛球状化阻害防止効果を有する特殊な材料を加える必要がある。
【0004】
また、砂型に塗型剤を塗布して型表面に被膜を形成し、焼着による欠落を防止することも検討されている。例えば、カルシウムベントナイトやウンモを含有する塗型剤や、耐火性骨剤とシリカゾルを含有する塗型剤に関する技術が開発されている(特許文献1および2参照)。しかしながら、薄肉部が強靭な鋳物を、より確実に製造する方法が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−334346号公報
【特許文献2】
特開2002−321036号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、砂型表面に塗布することによって砂型鋳造による薄肉鋳物の製造を可能にし、鋳物素材の軽量化に貢献すると共に、鋳物表面部の脆化を防止した強靭な鋳物を製造できる発熱性塗型剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の発熱性塗型剤は、砂型を用い鋳物を製造する際に当該砂型の表面に塗布される塗型剤であって、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有することを特徴とするものである。
【0008】
発熱性塗型剤には、さらにアルカリ性物質を含有させてもよい。また、発熱性塗型剤には、前記発熱性物質粉末60〜100重量部に対し、酸化鉄粉末を40〜0重量部含有させることが好ましい。また、発熱性塗型剤には、前記発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化剤を10〜30重量部含有させてもよい。その他、発熱性塗型剤には、前記発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化促進剤を5〜15重量部含有させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の発熱性塗型剤は、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有する。
【0010】
この発熱性塗型剤が塗布された砂型に溶融金属を注湯すると、発熱性塗型剤が溶融金属の熱によって加熱され、約400−500℃付近で発熱性物質粉末と酸化鉄粉末のテルミット反応もしくは発熱性物質粉末の酸化反応が開始して発熱する。この熱で溶融金属の冷却速度を小さくすることができるので、溶融金属の流動性が低下するのを遅らせ、薄肉部の湯廻り不良の発生を防止すると共に鋳物表面部の脆性を防ぐことが可能となる。
【0011】
発熱性塗型剤は、発熱性物質粉末とのテルミット反応により発熱させるため、酸化鉄粉末を含有することが好ましい。発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の配合割合は、発熱性物質粉末60〜100重量部に対し、酸化鉄粉末が40〜0重量部であることが好ましく、更に好ましくは発熱性物質粉末60〜95重量部に対し、酸化鉄粉末が40〜5重量部である。なお、酸化鉄は必ずしも必要ではなく、発熱性物質粉末のみによる酸化反応に基づく発熱を利用して溶融金属の冷却速度を低下することはできるが、酸化鉄を加えた方が、より冷却速度を遅くすることが可能となる。
【0012】
速やかに発熱反応を進行させるため、発熱性塗型剤は酸化剤を含有することができる。酸化剤としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの硝酸塩類の1種以上を使用することができる。酸化剤の配合割合は、発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化剤を10〜30重量部であることが好ましい。
【0013】
また、速やかに発熱反応を進行させるため、発熱性塗型剤は酸化促進剤を含有することができる。酸化促進剤としては氷昌石、蛍石等の弗化物の1種以上を使用することが好ましい。酸化促進剤の配合割合は、発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化促進剤を5〜15重量部含有させることが好ましい。
【0014】
さらに、塗膜の耐熱性を高めるため、黒鉛、シリカ、アルミナ、ジルコン、オリビン等の耐火性基材を1種以上含有させてもよい。含有する割合は発熱量と耐熱性の兼合いによって適宜変えることができ、発熱性物質粉末と酸化鉄粉末と酸化剤と酸化促進剤の合計100重量部に対して耐火性基材は0〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0〜60重量部である。
【0015】
発熱性塗型剤には、結合剤を含有することができる。無機結合剤として粘土、ベントナイト、エチルシリケート等、有機結合剤としてデキストリン、デンプン、フェノール樹脂等の合成樹脂等を挙げることができ、通常の塗型剤に使用されている結合剤を使用することができる。なお、無機結合剤と有機結合剤を併用してもよい。
【0016】
発熱性塗型剤の溶剤は発熱性物質粉末と反応しないものであれば特に限定することなく使用でき、例えばメチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を使用することができる。なお、発熱性物質粉末に酸化抑制剤として苛性ソーダ、珪酸ソーダ、重クロム酸ソーダ等のアルカリ性物質を加え、発熱性物質粉末と水との反応を抑制して水性塗型剤として提供することもできる。添加するアルカリ性物質の量は発熱性物質粉末100重量部に対し0.5〜30重量部であることが好ましく、さらに好ましくは1〜10重量部である。
【0017】
その他、発熱性塗型剤には通常の塗型剤に含有される界面活性剤等の浸透性向上剤、メチルセルロース等の増粘剤、コロイダルシリカ、アルミナゾル等の強度向上剤、沈降防止剤、消泡剤等を加えることができる。
【0018】
発熱性塗型剤の塗布方法は、刷毛塗り、浸漬塗布、スプレー塗布、ぶっかけ等いずれの方法も選択できる。また塗布後の乾燥方法は自然乾燥、加熱乾燥、アルコール性の場合は着火乾燥も可能である。この中でも、加熱乾燥が好ましく、発熱性塗型剤の効果を損なわないためには塗膜温度が150℃以下で乾燥させることが好ましい。
【0019】
【実施例】
(実施例1−20及び比較例1−4)
フリーマントル珪砂(5.5号)に芳香族スルホン酸系硬化剤(神戸理化学工業株式会社製 150B−1)を珪砂に対し0.35重量%加えて混合後、フラン樹脂(神戸理化学工業株式会社製 X−フラン SF−520H)を0.8重量%加えて混練した。この混練砂を図1(A)(B)に示す幅150mm、上部長さ400mm、下部長さ420mm、厚さ4mmで端部に鋭角部を有する2個取り試験片を作成するため砂型に込め、一昼夜放置して固めた。その後試験片の一方に発熱性塗型剤を、他方に比較用の従来の塗型剤を塗布し120℃で30分乾燥後FCD400を鋳込んで試験片を作成した。そして試験片の鋭角部の端部2mmを研磨除去し研磨面の金属組織を顕微鏡観察し過冷の有無、黒鉛球状化阻害の有無を測定した。
さらに図1の厚さのみ1.5mmに変更した試験片を作成し、端部まで湯が完全に充填されているか否かを観察した。
結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
本発明の発熱性塗型剤を用いると、研磨面組織が良好で湯廻り不良も発生しないが、比較品を用いた場合、研磨面組織が不良で湯廻り不良も発生することが明らかである。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、砂型表面に発熱性塗型剤を塗布することにより、鋳物の薄肉化及び脆性のない表面部を有した鋳物の製造が可能である。また、特に通常の塗型剤に使用されている黒鉛球状化を防止するために特殊な材料を加えることなく、球状化黒鉛鋳鉄(FCD)の鋳物表面部の黒鉛球状化阻害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した試験片の概略図であり、(A)は横から見た図、(B)は上部から見た図である。
【符号の説明】
1:鋳物
2:研磨部
3:湯口
4:湯道
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂型を用い鋳物を製造する際に、砂型表面に塗布する塗型剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鋳物の軽量化が求められている。そのため材質を軽量金属へ変更したり、鋳物厚みを薄肉化することが広く行われている。ところで、砂型を用いて鋳物を製造する際に鋳物厚みを薄肉化すると、薄肉部には湯廻り不良が発生することがある。これは、砂型の熱吸収が大きいために溶湯が急速に冷却されることに起因する。このように、砂型を用いた鋳物の薄肉化には限界がある。特に溶湯の特性上、粘性の高い材質では薄肉化はより困難となる。
【0003】
そこで、溶湯の注湯温度を高めたり、鋳型を金型化し適当な手段でこの金型を加熱昇温することにより薄肉化をすることも検討されている。しかしながら、このような方法により湯廻り不良の発生を防ぎ、良好な形状を得ることができる場合でも、薄肉部では溶湯の冷却速度が大きいために金属組織が白銑化して脆性を生じるので、強靭な表面の鋳物を製造することは難しい。さらに球状化黒鉛鋳鉄(FCD)の場合では、鋳物表面部黒鉛の球状化が阻害されるので、目的とする特性を得ることは難しく、例えばマグネシウム、マンガン等の黒鉛球状化阻害防止効果を有する特殊な材料を加える必要がある。
【0004】
また、砂型に塗型剤を塗布して型表面に被膜を形成し、焼着による欠落を防止することも検討されている。例えば、カルシウムベントナイトやウンモを含有する塗型剤や、耐火性骨剤とシリカゾルを含有する塗型剤に関する技術が開発されている(特許文献1および2参照)。しかしながら、薄肉部が強靭な鋳物を、より確実に製造する方法が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−334346号公報
【特許文献2】
特開2002−321036号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、砂型表面に塗布することによって砂型鋳造による薄肉鋳物の製造を可能にし、鋳物素材の軽量化に貢献すると共に、鋳物表面部の脆化を防止した強靭な鋳物を製造できる発熱性塗型剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の発熱性塗型剤は、砂型を用い鋳物を製造する際に当該砂型の表面に塗布される塗型剤であって、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有することを特徴とするものである。
【0008】
発熱性塗型剤には、さらにアルカリ性物質を含有させてもよい。また、発熱性塗型剤には、前記発熱性物質粉末60〜100重量部に対し、酸化鉄粉末を40〜0重量部含有させることが好ましい。また、発熱性塗型剤には、前記発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化剤を10〜30重量部含有させてもよい。その他、発熱性塗型剤には、前記発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化促進剤を5〜15重量部含有させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の発熱性塗型剤は、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有する。
【0010】
この発熱性塗型剤が塗布された砂型に溶融金属を注湯すると、発熱性塗型剤が溶融金属の熱によって加熱され、約400−500℃付近で発熱性物質粉末と酸化鉄粉末のテルミット反応もしくは発熱性物質粉末の酸化反応が開始して発熱する。この熱で溶融金属の冷却速度を小さくすることができるので、溶融金属の流動性が低下するのを遅らせ、薄肉部の湯廻り不良の発生を防止すると共に鋳物表面部の脆性を防ぐことが可能となる。
【0011】
発熱性塗型剤は、発熱性物質粉末とのテルミット反応により発熱させるため、酸化鉄粉末を含有することが好ましい。発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の配合割合は、発熱性物質粉末60〜100重量部に対し、酸化鉄粉末が40〜0重量部であることが好ましく、更に好ましくは発熱性物質粉末60〜95重量部に対し、酸化鉄粉末が40〜5重量部である。なお、酸化鉄は必ずしも必要ではなく、発熱性物質粉末のみによる酸化反応に基づく発熱を利用して溶融金属の冷却速度を低下することはできるが、酸化鉄を加えた方が、より冷却速度を遅くすることが可能となる。
【0012】
速やかに発熱反応を進行させるため、発熱性塗型剤は酸化剤を含有することができる。酸化剤としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの硝酸塩類の1種以上を使用することができる。酸化剤の配合割合は、発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化剤を10〜30重量部であることが好ましい。
【0013】
また、速やかに発熱反応を進行させるため、発熱性塗型剤は酸化促進剤を含有することができる。酸化促進剤としては氷昌石、蛍石等の弗化物の1種以上を使用することが好ましい。酸化促進剤の配合割合は、発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化促進剤を5〜15重量部含有させることが好ましい。
【0014】
さらに、塗膜の耐熱性を高めるため、黒鉛、シリカ、アルミナ、ジルコン、オリビン等の耐火性基材を1種以上含有させてもよい。含有する割合は発熱量と耐熱性の兼合いによって適宜変えることができ、発熱性物質粉末と酸化鉄粉末と酸化剤と酸化促進剤の合計100重量部に対して耐火性基材は0〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0〜60重量部である。
【0015】
発熱性塗型剤には、結合剤を含有することができる。無機結合剤として粘土、ベントナイト、エチルシリケート等、有機結合剤としてデキストリン、デンプン、フェノール樹脂等の合成樹脂等を挙げることができ、通常の塗型剤に使用されている結合剤を使用することができる。なお、無機結合剤と有機結合剤を併用してもよい。
【0016】
発熱性塗型剤の溶剤は発熱性物質粉末と反応しないものであれば特に限定することなく使用でき、例えばメチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を使用することができる。なお、発熱性物質粉末に酸化抑制剤として苛性ソーダ、珪酸ソーダ、重クロム酸ソーダ等のアルカリ性物質を加え、発熱性物質粉末と水との反応を抑制して水性塗型剤として提供することもできる。添加するアルカリ性物質の量は発熱性物質粉末100重量部に対し0.5〜30重量部であることが好ましく、さらに好ましくは1〜10重量部である。
【0017】
その他、発熱性塗型剤には通常の塗型剤に含有される界面活性剤等の浸透性向上剤、メチルセルロース等の増粘剤、コロイダルシリカ、アルミナゾル等の強度向上剤、沈降防止剤、消泡剤等を加えることができる。
【0018】
発熱性塗型剤の塗布方法は、刷毛塗り、浸漬塗布、スプレー塗布、ぶっかけ等いずれの方法も選択できる。また塗布後の乾燥方法は自然乾燥、加熱乾燥、アルコール性の場合は着火乾燥も可能である。この中でも、加熱乾燥が好ましく、発熱性塗型剤の効果を損なわないためには塗膜温度が150℃以下で乾燥させることが好ましい。
【0019】
【実施例】
(実施例1−20及び比較例1−4)
フリーマントル珪砂(5.5号)に芳香族スルホン酸系硬化剤(神戸理化学工業株式会社製 150B−1)を珪砂に対し0.35重量%加えて混合後、フラン樹脂(神戸理化学工業株式会社製 X−フラン SF−520H)を0.8重量%加えて混練した。この混練砂を図1(A)(B)に示す幅150mm、上部長さ400mm、下部長さ420mm、厚さ4mmで端部に鋭角部を有する2個取り試験片を作成するため砂型に込め、一昼夜放置して固めた。その後試験片の一方に発熱性塗型剤を、他方に比較用の従来の塗型剤を塗布し120℃で30分乾燥後FCD400を鋳込んで試験片を作成した。そして試験片の鋭角部の端部2mmを研磨除去し研磨面の金属組織を顕微鏡観察し過冷の有無、黒鉛球状化阻害の有無を測定した。
さらに図1の厚さのみ1.5mmに変更した試験片を作成し、端部まで湯が完全に充填されているか否かを観察した。
結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
本発明の発熱性塗型剤を用いると、研磨面組織が良好で湯廻り不良も発生しないが、比較品を用いた場合、研磨面組織が不良で湯廻り不良も発生することが明らかである。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、砂型表面に発熱性塗型剤を塗布することにより、鋳物の薄肉化及び脆性のない表面部を有した鋳物の製造が可能である。また、特に通常の塗型剤に使用されている黒鉛球状化を防止するために特殊な材料を加えることなく、球状化黒鉛鋳鉄(FCD)の鋳物表面部の黒鉛球状化阻害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した試験片の概略図であり、(A)は横から見た図、(B)は上部から見た図である。
【符号の説明】
1:鋳物
2:研磨部
3:湯口
4:湯道
Claims (5)
- 砂型を用い鋳物を製造する際に当該砂型の表面に塗布される塗型剤であって、
アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、アルミニウムとマグネシウムの合金粉末およびカルシウムシリサイト粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の発熱性物質粉末を含有することを特徴とする発熱性塗型剤。 - さらに、アルカリ性物質を含有することを特徴とする請求項1記載の発熱性塗型剤。
- 前記発熱性物質粉末60〜100重量部に対し、酸化鉄粉末を40〜0重量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載の発熱性塗型剤。
- 前記発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化剤を10〜30重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発熱性塗型剤。
- 前記発熱性物質粉末と酸化鉄粉末の合計100重量部に対し、酸化促進剤を5〜15重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発熱性塗型剤。
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011000638A (ja) * | 2009-05-20 | 2011-01-06 | Tsuchiyoshi Acty Corp | 鋳造用塗型剤 |
CN109865793A (zh) * | 2017-12-04 | 2019-06-11 | 辽宁法库陶瓷工程技术研究中心 | 利用抛光废渣制备的铸铁用浅色铸造涂料及制备方法 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096127A patent/JP3781734B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011000638A (ja) * | 2009-05-20 | 2011-01-06 | Tsuchiyoshi Acty Corp | 鋳造用塗型剤 |
CN109865793A (zh) * | 2017-12-04 | 2019-06-11 | 辽宁法库陶瓷工程技术研究中心 | 利用抛光废渣制备的铸铁用浅色铸造涂料及制备方法 |
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JP3781734B2 (ja) | 2006-05-31 |
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