JP2004298384A - 吸収体および体液吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高吸収性ポリマーを有する部分における吸収性能を向上する。
【解決手段】毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーを用いて、吸収体、体液吸収性物品を構成する。毛管吸引力は、所定の毛管吸引力試験によって測定される所定時間あたりの吸収量であり、高吸収性ポリマーが繊維から体液を吸い取る能力の指標となるものである。毛管吸引力が1.2g以上であると、繊維から高吸収性ポリマーへの体液の移行が円滑に、しかも持続的になされる。よって、繊維に保持された体液が他の体液の移動を阻害し難くなり拡散性が向上するとともに、吸収容量も増加するようになる。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体液を吸収処理する、使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
体液吸収性物品は、体液を吸収し保持する機能を有するものであり、一般的な使い捨て紙おむつや生理用ナプキンでは、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層と、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層との間に、体液を吸収し保持する吸収体を有する。この吸収体としては、種々の構成が提案されているが、近年ではその殆どが吸収性素材として高吸収性ポリマーを含んでいる。
【0003】
高吸収性ポリマーは、自重の数十倍にも及ぶ体液を吸収し保持できるものであり、体液吸収性物品の吸収容量増大を満たすためには必須といっても過言ではなく、高吸収性ポリマーを如何に効果的に使用するかは、体液吸収性物品の開発における重要な要素となっている。
【0004】
よって従来から、目的の吸収特性をもつ体液吸収性物品を得るために、高吸収性ポリマーの特性を評価し、その特性に基づいて高吸収性ポリマーの選択や開発がなされてきた。例えば、従来は、高吸収性ポリマーの吸収速度、加圧吸収量、常圧吸収量、ゲル強度、ウェットバック、粒径、通液性(特許文献1参照)を評価し、これを体液吸収性物品の設計に用いていた。
【特許文献1】
特開2000−273107号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の設計手法では、実際に製品になってみると、開発時に意図した吸収性能、特に高吸収性ポリマーを有する部分における吸収容量および体液拡散性(濡れ広がり性)が十分に発揮されないことが多い。つまり高吸収性ポリマーの設計若しくは選択が不適切であり、高吸収性ポリマーが本来有する能力を十分に発揮していないのである。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、高吸収性ポリマーを有する部分における吸収性能を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高吸収性ポリマーを用いた場合における吸収性能の向上について鋭意研究した結果、製品においては高吸収性ポリマーに接触する繊維が高吸収性ポリマーの吸収に重大な影響を及ぼすことを知見した。すなわち、体液吸収性物品における高吸収性ポリマーは、繊維とともに吸収体を構成していたり、また単独で存在しても周囲の繊維部材と接触していたりするものであり、高吸収性ポリマーへの体液供給は、ポリマーに対して直接になされるものと、繊維を介してなされるものとがあり、特に後者は、体液の吸収容量・拡散性に重大な影響を及ぼす。そして、繊維からポリマーに対する体液の移行が困難であると、繊維に保持された体液が他の体液の移動を阻害するため拡散性が低下し、またその結果吸収容量も低下する。したがって、従来のように高吸収性ポリマー単独の評価特性に基づき製品設計を行っても、高吸収性ポリマー単体の能力の一部は発揮されず、開発時に意図した吸収性能が十分に発揮されない。
【0008】
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、新たに繊維との相関を考慮し、高吸収性ポリマーが繊維から体液を吸い取る能力を表す毛管吸引力が所定値以上の高吸収性ポリマーを用いることにより、高吸収性ポリマーの本来の能力が十分に発揮され、もって製品における吸収性能が向上するものである。
【0009】
具体的に本発明では、毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーにより全体または一部が構成されていることを特徴とする吸収体が提案される。
【0010】
また、繊維集合体と、その繊維に接触し、かつ毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーとを有することを特徴とする吸収体も提案される。
【0011】
さらに、毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーを含む体液吸収保持部を有することを特徴とする体液吸収性物品も提案される。この場合における体液吸収保持部とは、製品における位置が限定されないものである。
【0012】
さらに一般的な体液吸収性物品への適用形態、すなわち身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた吸収体を有する体液吸収性物品において、
前記吸収体は、毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーを有するものであることを特徴とする体液吸収性物品も提案される。
【0013】
ここで、本発明にいう「毛管吸引力」とは、下記手順▲1▼〜▲6▼により定まる毛管吸引力試験によって測定される所定時間あたりの吸収量であり、高吸収性ポリマーが繊維から体液を吸い取る能力の指標となるものである。
▲1▼ 40mm以上の長さの直線状端縁を有する、厚さ5mmのアクリル板を用意し、これを水平支持し、その直線状端縁の下方に容器を設置する。
▲2▼ 長さ80mm×幅40mmの長方形をなすNo.2ろ紙を用意し、このろ紙を長手方向の中央線に沿って直角に折り曲げ、折り曲げ線から一方側の部分をアクリル板上に載置し、かつ折り曲げ線から他方側の部分をアクリル板の直線状端縁から鉛直下向きに容器内に垂下させる。このとき、ろ紙が容器内壁面に接触しないようにする。
▲3▼ 前記容器内に37℃の人工尿を満たし、前記ろ紙の垂下部分のうち下側20mmを人工尿中に浸漬し、ろ紙による人工尿の吸い上げが飽和状態となるまで静置する。
▲4▼ 長さ20mm×幅20mmの正方形をなす支持材を用意し、その一方側面に、目付け20g/mで塗布された撥水性ホットメルト接着剤を介して、0.15gの高吸収性ポリマーを均一に付着させ、試験片を形成する。
▲5▼ 前記試験片を、高吸収性ポリマーが付着されている側の面を下向きにし、アクリル板上に載置されたろ紙の一方側部分上に載置する。このとき、試験片の幅方向中心線を前記ろ紙の一方側部分における幅方向中心線に合わせ、かつ試験片の一辺が前記ろ紙の折り曲げ線から5mm離間させる。
▲6▼ 試験片をろ紙上に載置してから30分経過した時点で、容器から吸い上げられた人工尿の量を計測し、これを重さに換算した値を毛管吸引力とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳説する。
<吸収体および体液吸収性物品について>
本発明は体液を吸収保持する目的の範囲内であれば、使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品一般に適用できるものであり、紙おむつに対する適用例を説明すれば、パンツ型使い捨ておむつやパッド型使い捨て吸収性物品での実施の形態や、生理用ナプキンでの実施の形態も直ちに理解できるため、後二者の例についてはその説明を省略する。
【0015】
図1〜図3は、本発明を適用した使い捨ておむつの例1を示している。この使い捨ておむつ1は、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の不織布シート、あるいは孔開きフィルムシートなどからなり、着用者の肌に直接触れる長方形の表面層2、身体の肌から遠ざかる側に設けられたポリエチレンプラスチックフィルムなどからなる長方形の不透液性バックシートなどからなる防漏層3、および両者の間に設けられた、高吸収性ポリマーを含む吸収体5を有する。
【0016】
さらに、防漏層3より裏面側たる製品の裏面側には、可撓性の外形シート4を有し、この外形シート4は1枚の不織布または複数枚の通気・撥水性の不織布を積層固定したものにより形成できる。
【0017】
製品の両側部には、使用面側に突出する脚周り起立カフスC,Cがそれぞれ形成され、この起立カフスCは、実質的に幅方向に連続した起立シート8と、たとえば糸ゴムからなる一本のまたは複数本の伸縮部材9とにより構成されている。さらに詳細には、起立カフスCは、起立シート8を二重にして形成され、伸縮部材9を包んでホットメルト接着剤などにより固着した状態で形成されたものである。各起立カフスC,Cを形成する起立シート8は、透液性でなく不透液性もしくは疎水性であるのが望ましい。また、不織布などの透液性シートに対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。さらに、通気もしくは蒸気透過性を有しているのが望ましい。起立シート8の間に不透液性フィルムシートを挟み込み、さらに防漏性を高めることができる。
【0018】
二重の起立シート8の内面は、表面層2及び外形シート4にホットメルト接着剤などにより固着されている。その結果、二重の起立シート8のこの固着始端は、起立カフスCの起立端を形成している。この起立端より先端側は、製品本体に固定されていない自由部分である。
【0019】
二重の起立シート8の長手方向前後端部は、ホットメルト接着剤などにより、自由部分がその先端を物品の中央側に向かう状態で物品に、具体的には表面層2外面に固定されている。左右の起立カフスC,Cで囲まれる空間は、尿または軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿は透液性表面層2を通って吸収体5内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、起立カフスCがバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。
【0020】
他方、前身頃及び後身頃の長手方向端部において、ウエスト部における外形シート4の不織布間に、ウエスト周りのフィット性を高めるために、ウエスト開口部の端縁に平行に間隔を置いて細い糸ゴムからなるウエスト伸縮部材10,10…を配置し、これらが伸縮するように伸長下にホットメルト接着剤などにより固定されている。ウエスト伸縮部材10,10…の間隔および本数は適宜定めることができるが、例えば間隔としては4〜8mm程度、本数としては3〜10本程度が好ましい。符号11は背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、接合するためのテープファスナーを示している。
【0021】
(本発明に関連する事項について)
本発明は例えば上記吸収体5に適用でき、この場合、吸収体5に含まれる高吸収性ポリマーとして毛管吸収力が1.2g以上のものが用いられる。吸収体5としては、例えばフラッフパルプ等の繊維集合体中に高吸収性ポリマーを分散保持させた形態、繊維集合体層と高吸収性ポリマー層とを有する積層形態(不織布シート等の表面に必要に応じてホットメルト接着剤等を用いて高吸収性ポリマーを付着させた形態含む)、高吸収性ポリマーのみの形態等、あらゆる形態を採用できる。
【0022】
高吸収性ポリマーの種類としては、この種の使い捨て吸収性物品において用いられる、自重のたとえば20倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などを挙げることができる。
【0023】
本発明の毛管吸引力は体液吸収時における膨潤挙動と深い関係がある。すなわち、吸収速度が速すぎると膨潤した高吸収性ポリマー層内に空隙が発生し、毛管吸引力が減少する。よって、本発明の毛管吸引力を有する高吸収性ポリマーは、吸収速度を中程度にするとともに、粒子間隙の均一性を確保するために粒径分布をシャープ(単分散に近づける)にすることにより製造できる。かかる高吸収性ポリマーとしては、粉砕タイプのものでも良いが、粒径の均一性の観点から逆相懸濁乳化重合法によるクラスター粒子が好適である。
【0024】
また、上記毛管吸引力を有する高吸収性ポリマーを用いた場合、これを用いない場合と比べて拡散性は向上するが、更に拡散性を向上させるために、体液拡散性を有する拡散層6を、例えば表面層2(または裏面層3)と高吸収性ポリマーを有する部分との間に設けることもできる。この拡散層6としては、JIS P 8141に規定される「紙及び板紙のクレム法による吸水度試験方法」によるクレム吸水度が10分で100mm以上、特に150mm以上の繊維集合体(吸収紙等)が好適に使用できる。より詳細には、表面親水化した合成繊維(レーヨン繊維等)からなるか、または表面親水化した合成繊維(レーヨン繊維等)およびセルロース系繊維(パルプ繊維等)の両繊維からなり、坪量が30〜100g/m、特に30〜50g/mであり、かつJIS P 8141に規定される生理食塩水による10分後のクレム吸水度が100mm以上、特に150mm以上である繊維集合体シートを用いることができる。特に、レーヨン繊維のウェブをウォータージェットにより絡合した繊維集合体や、レーヨン繊維のウェブにパルプ繊維を積層し、これらをウォータージェットにより絡合した繊維集合体が好適である。
【0025】
また、上記吸収体をティシュペーパー等の吸収紙により包む場合には、この吸収紙も拡散層を構成する。
【0026】
かくして構成された吸収性物品においては、吸収体5中の高吸収性ポリマーが、これに接触する繊維、例えば吸収体を構成するフラッフパルプ、不織布等の繊維や、表面シートを構成する繊維、拡散層を構成する繊維等から体液を吸い取る能力が高いため、高吸収性ポリマーの本来の吸収能力が十分に発揮される。
【0027】
具体的に図示例において吸収体がフラッフパルプ中に分散されている一般的な例を引いて説明すると、表面層を透過した体液は拡散層において厚さ方向と直交する平面方向に拡散した後、高吸収性ポリマーを含む吸収体に吸収される。すなわち、吸収体5表面に存在し拡散層6の繊維に接触する高吸収性ポリマーは、当該拡散層6の繊維から直接的に体液を吸い取り、また吸収体5内部にある高吸収性ポリマーは吸収体5を構成する繊維から体液を吸い取る。この際、本発明の高吸収性ポリマーは毛管吸引力が1.2g以上と高いため、繊維から高吸収性ポリマーへの体液の移行が円滑に、しかも持続的になされる。よって、繊維に保持された体液が他の体液の移動を阻害し難くなり拡散性が向上するとともに、吸収容量も増加するようになる。
【0028】
(その他)
本発明に係る高吸収性ポリマーは、上記実施形態のように物品が最初に体液を受け入れる部位Zをカバーする主要吸収要素として用いられるほか、他の副次的吸収要素として、例えば生理用ナプキンのフラップ部に設けられる吸収要素等としても用いることもできる。
【0029】
【実施例】
<試験1:毛管吸引力試験>
表1に示す各種高吸収性ポリマーについて毛管吸引力を計測した。
【0030】
(毛管吸引力の試験方法)
図5に示すように、ビュレット20と容器21とを用意し、鉛直方向に沿って支持されたビュレット20先端開口と容器21底部開口とをフレキシブルチューブ22により連通させるとともに、50mm×50mm×厚さ5mmの正方形アクリル板23を水平に支持し、このアクリル板23の一辺の直線状端縁23eを容器21の略中央上方に離間して配置してなる試験装置を用い、前述の毛管吸引力試験の定義に従い下記に示す(a)〜(e)の手順により試験を行った。
【0031】
(a) 長さ80mm×幅40mmの長方形をなすNo.2ろ紙30を用意し、このろ紙30を長手方向の中央線に沿って直角に折り曲げ、折り曲げ線から一方側の部分31をアクリル板23上に載置し、かつ折り曲げ線から他方側の部分32をアクリル板23の直線状端縁23eから鉛直下向きに容器21内に垂下させる。このとき、ろ紙30が容器21内壁面に接触しないようにする。
【0032】
(b) 容器21内に37℃の人工尿U(100g中に、NHCONH …2.00g、NaCl…0.80g、MaSO・2HO…0.08g、CaCl・2HO…0.03g、イオン交換水…97.09g)を満たし、ろ紙30の垂下部分32のうち下側半分32u(20mm)を人工尿U中に浸漬し、ろ紙30が人工尿Uを吸い上げて飽和状態(ろ紙30全体が人工尿で濡れ、それ以上吸い上げが進行しない状態)となるまで、具体的に本試験装置の場合、人工尿Uの吸い上げに伴うビュレット内液面fの低下が停止してから1分後の状態となるまで静置する。この飽和状態となるまでには、およそ12〜15分程度かかる。飽和状態となったならば、ビュレット内液面fの目盛値を控えておく。
【0033】
(c) 他方で、不織布シート(ポリエステルスパンボンド不織布、坪量18g/m)を用いて長さ20mm×幅20mmの正方形をなす支持材41を用意し、その一方側面に、撥水性ホットメルト接着剤(日本NSC社製の商品名ME117)を目付け20g/mで塗布したものを、バット内に0.5cmの厚さまで入れられた高吸収性ポリマーパウダーの平坦な表面に押し付け、支持材41の一方側面全体に0.15gの高吸収性ポリマーpを均一に付着させ、試験片40を形成する。
【0034】
(d) 試験片40を、高吸収性ポリマーpが付着されている側の面を下向きにし、アクリル板23上に載置されたろ紙30の一方側部分上に載置する。このとき、図6に示すように試験片40の幅方向中心線をろ紙30の一方側部分における幅方向中心線に合わせ、かつ試験片40の一辺がろ紙30の折り曲げ線から5mm離間させる。
【0035】
(e) 試験片40をろ紙30上に載置してから、30分経過した時点でビュレット内液面fの目盛値を読み、これを先に計測したろ紙飽和状態におけるビュレット内液面fの目盛値から差して、高吸収性ポリマーpの吸引力により容器21内から吸い上げられた人工尿の量を求め、これを重さに換算した値を毛管吸引力とする。なお、本実施例では、5分間隔でビュレット内液面fの目盛値を控え、各段階での吸上げ量も測定した。
【0036】
(計測結果)
計測結果は表1に示されている。従来一般的に用いられていた高吸収性ポリマーの毛管吸引力は0.7g以下であり、本発明範囲に該当する実施例1〜3のものと比べると極端に低い結果となっている。
【0037】
【表1】
Figure 2004298384
【0038】
(考察)
上記結果から、吸収体若しくは体液吸収性物品の吸収性能を考える場合、高吸収性ポリマーと繊維との相関が如何に重要であるかが判る。
【0039】
また、上記結果は、吸収体若しくは物品としての吸収性能を直接表したものではないが、ろ紙層と高吸収性ポリマーとからなる部分は前述の吸収体における高吸収性ポリマーとこれに接触する拡散層、吸収紙若しくは表面層との関係に近似できるものであり、この吸収性能が吸収体若しくは体液吸収性物品における性能と直接的な相関を有することは明らかである。さらに毛管吸引力は所定時間あたりの体液吸収量であるものの、計測した体液吸収量の経時変化をみれば、拡散性および吸収量がどの程度のものであるかは評価でき、この観点から表1に示される結果を見ると、毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーを用いれば吸収性能が著しく向上することは容易に予測される。
【0040】
<試験2:吸収特性試験>
上記考察を踏まえ、吸収体としての特性を確認するべく次のような試験を行った。
【0041】
(供試体)
図7に示すように、上層ULとしてのパルプシート(重量8g)、中層MLとしての拡散シート、および下層LLとしての高吸収性ポリマーシート(不織布(ポリエステルスパンボンド不織布、坪量18g/m)の表面にホットメルト接着剤を用いて高吸収性ポリマーを目付け250 g/mで付着させた形態)を一体化した吸収体(長さ200mm×幅400mm)を製造し、これを供試体とした。なお、高吸収性ポリマーシートLLはポリマー付着側面を拡散シートMLと接触するように配置した。また、高吸収性ポリマーは毛管吸引力試験で用いた4種類とし、高吸収性ポリマー以外は共通の構成とした。
【0042】
(試験方法)
図8に示すように、水平面に対して15度の角度をなす平坦な傾斜面SF上に供試吸収体ABを配置し、その長手方向を傾斜面SFに沿う高さ方向に合わせて固定する。しかる後、供試体ABの上端から100mm離間した幅方向中央位置に、ピペットを用いて人孔尿Uを注入する。この注入は10分間隔で3回行い、注入量は1回あたり50ccとする。注入後の状態を、○:もれずに吸収される、△:供試体下端ぎりぎりまで濡れる、×:供試体下端から漏れ出る、の三段階で評価し、供試体下端から漏れ出た場合にはその漏出量を計測する。
【0043】
(試験結果)
表2に、高吸収性ポリマーの種類および試験結果を示す。前述の毛管吸引力試験の考察で予測したとおりの結果となった。
【0044】
【表2】
Figure 2004298384
【0045】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、より確実に体液の拡散を制御でき、吸収体を十分に有効利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙おむつの展開状態における表面層側平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】表面層と防漏層との間の部分の、長手方向に沿う断面図である。
【図5】毛管吸引力試験に用いる試験装置例を示す概略図である。
【図6】試験片の載置位置を示す平面図である。
【図7】吸収特性試験に用いた試料の概要図である。
【図8】吸収特性試験の要領を示す概要図である。
【符号の説明】
1…体液吸収性物品、2…表面層、3…防漏層、5…吸収体、6…拡散層。

Claims (4)

  1. 毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーにより全体または一部が構成されていることを特徴とする吸収体。
  2. 繊維集合体と、その繊維に接触し、かつ毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーとを有することを特徴とする吸収体。
  3. 毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーを含む体液吸収保持部を有することを特徴とする体液吸収性物品。
  4. 身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた吸収体を有する体液吸収性物品において、
    前記吸収体は、毛管吸引力が1.2g以上の高吸収性ポリマーを有するものであることを特徴とする体液吸収性物品。
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