JP2004298313A - 歩行支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人の動きに追従させて移動機構を移動させることができ、手足及び身体の自由がきかない被介護人等の歩行支援を適切に行える歩行支援装置を提供する。
【解決手段】本発明の走行支援装置は、天井面100との間に吸引力を作用させ、天井面に駆動車輪8,8を接触させた状態で駆動車輪に駆動力を付与することにより天井面上を移動する移動機構2と、移動機構から吊り下げられ人を吊る吊りワイヤ3と、吊りワイヤに所定の大きさの吊り上げ力を付与する定荷重ばね装置12(負荷軽減手段)とを備えた歩行支援装置において、吊りワイヤ3で吊られた人の移動に伴って移動機構2が追従するように駆動車輪8,8に駆動力を付与する追従制御手段を備えた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自力で体重を支えきれない被介護人等の歩行を支援する歩行支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人を吊るす移動機構に強力な永久磁石を設け、鋼鉄等の強磁性体で構成された天井面と移動機構との間に吸引力を作用させて、移動機構が天井面より落下しないようにし、かつ、移動機構の駆動車輪を天井面に接触させた状態で駆動車輪に駆動力を付与することによって、天井面上を移動機構が自由に移動できるように構成された歩行支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この歩行支援装置によれば、移動機構から吊りワイヤが吊り下げられてこの吊りワイヤにより人が移動機構に吊り下げられた状態で移動可能となり、また、移動機構には吊りワイヤに所定の大きさの吊り上げ力を付与する定加重ばね(負荷軽減手段)が設けられており、これにより吊りワイヤに吊り下げられた人が自重を感じずに移動できるようになるので、自力で体重を支えきれない被介護人等の歩行を支援することができる。
また、特許文献1では、歩行支援装置で吊られた人が手元で移動機構の駆動車輪の駆動モータのオンオフを操作できるようにして、移動機構を自走させることもできるとの記載がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−59200号公報(段落0027参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、手及び身体の自由がきかない被介護人等が特許文献1の歩行支援装置を使用する場合、そもそも手元で駆動車輪の駆動モータのオンオフ操作をすることができないので、駆動車輪を駆動させることができない。また、足及び身体の自由がきかない被介護人等が特許文献1の歩行支援装置を使用して手元で駆動車輪の駆動モータをオン操作した場合に移動機構の移動についていけない場合が生じて危険である。
従って、特許文献1の歩行支援装置では、手足及び身体の自由がきかない被介護人等の歩行支援を適切に行えない場合があるという課題があった。
本発明は、人の動きに追従させて移動機構を移動させることができ、手足及び身体の自由がきかない被介護人等の歩行支援を適切に行える歩行支援装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による歩行支援装置は、天井面との間に吸引力を作用させ、天井面に駆動車輪を接触させた状態で駆動車輪に駆動力を付与することにより天井面上を移動する移動機構と、移動機構から吊り下げられ人を吊る吊りワイヤと、吊りワイヤに所定の大きさの吊り上げ力を付与する負荷軽減手段とを備えた歩行支援装置において、吊りワイヤで吊られた人の移動に伴って移動機構が追従するように駆動車輪に駆動力を付与する追従制御手段を備えたものとした。
また、追従制御手段は、人の移動に伴う吊りワイヤの動きを検出する動き検出手段と、動き検出手段からの出力に基いて駆動車輪を駆動する駆動源に駆動制御信号を出力する制御手段とにより構成されたものとした。
また、追従制御手段は、吊りワイヤの吊り支点固定手段と、人の移動に伴う吊りワイヤの動きを検出する動き検出手段と、動き検出手段からの出力に基いて駆動車輪を駆動する駆動源に駆動制御信号を出力する制御手段とにより構成されたものとした。
また、動き検出手段は、操作レバーの作動により制御手段に信号を出力する信号出力装置と、人の移動に伴う吊りワイヤの動きに連動するとともに操作レバーを吊りワイヤの移動方向と同方向に動かして信号出力装置に信号を出力させる連繋手段とにより構成されたものとした。
また、動き検出手段は、吊りワイヤが垂下する基準状態から人の移動に伴ってどの方向にどれだけ傾斜したかを検出するセンサにより構成されたものとした。
また、駆動車輪が移動機構の天井面に対向する側に設けられた長板の両端側に設けられたものとした。
また、移動機構の天井面に対向する側において長板の両端側に設けられた駆動車輪を2つの頂点とする三角形のもう1つの頂点の位置に自由回転車輪を設け、吊りワイヤを垂下させる吊り元を自由回転車輪に近い位置に設定した。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1による歩行支援装置のイメージを示す図、図2は歩行支援装置の移動機構の内部の詳細を示す断面図、図3は移動機構を天井側から見た平面図、図4は移動機構を床側から見た底面図、図5は定荷重ばね装置を示す図、図6はXYスライダ装置を示す図、図7はジョイステックの動作図、図8はジョイステックの動きに対応する駆動車輪の動きを示した図である。
図1に示すように、歩行支援装置1は移動機構2と移動機構2から吊り下げられた吊りワイヤ3と移動機構2との間に吸引力を作用させ移動機構2が移動可能となった鋼鉄等の強磁性体から成る天井面100とで構成される。尚、吊りワイヤ3の下端にはフレーム3aが連結されている。人Hが装着具4を装着し、フレーム3aの下端側を装着具4に連結することにより、人Hが吊りワイヤ3で吊られた状態となる。
【0007】
図2に示すように、移動機構2は天井面100に対向する側に永久磁石5を備え、この永久磁石5により移動機構2と天井面100と間に磁力による吸引力を作用させているので、移動機構2は天井面100より落下することはない。永久磁石5としては希土類永久磁石のような強力なものを使用することが好ましい。尚、永久磁石5と天井面100とを完全に吸着させると移動機構2が動かなくなるので、移動機構2の天井面100に対向する側には、永久磁石5より天井面100側に突出して天井面100に接触する自由回転車輪6及び駆動モータ7により駆動される駆動車輪8が設けられている。つまり、自由回転車輪6及び駆動車輪8を天井面100に突っ張らせて天井面100と移動機構2の永久磁石5との間に若干の隙間を形成するようにし、これにより、駆動車輪8を駆動することで、移動機構2が天井面100を移動する。尚、図2,3に示すように、天井面100に対向する台座9の上には台座9の中心を通って台座9の径方向に延長する長板10が設けられ、この長板10上の両端側に駆動車輪8,8が設けられ、これら各駆動車輪8,8間の長板10上に永久磁石5と自由回転車輪6とが交互に配置されている。即ち、長板10上に駆動車輪8と自由回転車輪6が一列に並ぶように配置され、これら車輪間の長板10上に永久磁石5が固定されている。このように、自由回転車輪6及び駆動車輪8はそれぞれの車輪が一列に並ぶように構成されており、長板10の両端側に駆動車輪8,8が設けられているため、左右の駆動車輪8,8を互いに逆向きに回転させれば、図3の矢印Rのように移動機構2をその場で旋回させることができる。
【0008】
移動機構2において床101に対向する側には筐体11が設けられ、この筐体11の内側には吊りワイヤ3に所定の大きさの吊り上げ力を付与する定荷重ばね装置12(負荷軽減手段)が設けられている。定荷重ばね装置12は台座9に固定されており、定荷重ばね装置12を介して吊りワイヤ3が吊り下げられている。
【0009】
定荷重ばね装置12は、図2,図5に示すように、吊りワイヤ3の巻枠13と、この巻枠13のシャフト14に一定の回転力を与えるゼンマイばね15と、このゼンマイばね15を収納するケース16とにより構成される。ゼンマイばね15の始端はシャフト14に固定され、ゼンマイばね15の終端はケース16に固定されて成るものである。これによれば、ゼンマイばね15の巻き長さによるばね力によって、シャフト14に一定の回転力が与えられ、この回転力が吊り上げ力に変換される。即ち、ゼンマイばね15の巻き長さにより、所定の吊り上げ力が設定されている。したがって、例えば、吊り上げ力を30kgに設定すれば、体重60kgの人は、体重(負荷)が半減することになる。
【0010】
巻枠13は場所によって径が異なるように形成されており(つまり図5に示すように外径がコマの外径のようになっている)、吊りワイヤ3を吊るす場所の巻枠13の径を変更することで、吊り上げ力を調整することができるようになっている。例えば、巻枠13はシャフト14に対する係脱手段(図示せず)を備え、巻枠13をシャフト14から分離させて、つまみ(図示せず)で巻枠13を回転させることができるようになっている。巻き枠13を回転させることにより、吊りワイヤ3を吊るす巻枠13の径の位置、即ち、吊りワイヤ3が吊られている巻枠13の外周位置を変えることができる。この場合、ワイヤ巻収納部(図示せず)から引出された吊りワイヤ3が巻枠13に巻かれており、ワイヤ巻収納部にはロック機構(図示せず)が設けられていて、吊りワイヤ3を吊るす巻枠13の外周位置を変更した後は、吊りワイヤ3はワイヤ巻収納部より引出されたり、ワイヤ巻収納部に巻き取られることはない。このように、吊りワイヤ3を吊るす巻枠13の外周位置を変更した後に、係脱手段を操作して巻枠13をシャフト14に連結する。以上により、吊りワイヤ3を吊るす巻枠13の外周位置が変わるので、吊り上げ力を変更することができる。このような吊り上げ力可変手段を定荷重ばね装置12に備えていることにより、例えば、人を吊り上げる力を30kg〜50kgの間で可変できるようになる。
尚、この定荷重ばね装置12は、吊り上げ能力を機構的に制限する役目も持つ。すなわち、設計された値を超える重量の人が吊るされた場合においては、吊りワイヤ3が巻き上がらないことにより、過大な負荷荷重が移動機構2に加わることを本質的に防止できるので、移動機構2の落下を防止できる。
【0011】
図2において、20は滑車(吊り支点固定手段)、21はジョイステック(信号出力装置)、22はXYスライダ装置(連繋手段)、23はマイクロコンピュータ(制御手段)であり、これらは台座9に取付けられる。これらにより追従制御手段が構成され、ジョイステック21とXYスライダ装置22とにより、人の移動に伴う吊りワイヤ3の動きを検出する動き検出手段が構成される。尚、図2及び後述の図10においてマイクロコンピュータ23の入力及び出力信号線の図示は省略している。
【0012】
XYスライダ装置22は、図2,図6(図2のXYスライダ装置22を上側から見た図)に示すように、X軸スライド板24の一方の対の両端24a,24aがガイド部材25,25を介してガイドされることによりX軸スライド板24が矢印a方向(X軸方向)にスライド可能となっており、X軸スライド板24の他方の対の両端24b,24bに図外のねじ等の固定手段で固定されたガイド部材26,26を介してY軸スライド板27の他の一対の両端27a,27aがガイドされることによってY軸スライド板27が矢印b方向(Y軸方向)にスライド可能となっている。このXYスライダ装置22は両スライド板27,24に形成されたワイヤ挿通孔29,28(ワイヤ挿通孔28はY軸方向に延長する長孔)内を滑車20により固定された吊り支点3Xから垂下する吊りワイヤ3が通過するように位置された状態でガイド25,25が吊り手段30で台座9から吊られており、この状態でXYスライダ装置22の両スライド板27,24に形成された操作レバー挿通孔32,31(操作レバー挿通孔31はY軸方向に延長する長孔)にジョイステック21の操作レバー21aが基準位置(オフ位置)の状態で挿入されている。また、ワイヤ挿通孔29,28を通過した吊りワイヤ3は筐体11の下部中心側に設けられたワイヤ追従スライド板35に形成されたワイヤ引出孔36を介して筐体11の外に引出されている。ワイヤ追従スライド板35は、図4に示すように筐体11の下面中央に形成された孔37を塞ぐとともに、吊りワイヤ3の動きに伴って四方にスライド可能となっているものであり、スライド規制片38及び上部規制部材39によってスライド空間40から逸脱しないようになっている。また、吊りワイヤ3は孔37の孔縁にぶつかるまで移動可能である。吊りワイヤ3が滑車20により固定された吊り支点3Xより垂下している状態のときはジョイステック21の操作レバー21aは垂下した基準位置(オフ位置)であるので、ジョイステック21からマイクロコンピュータ23に信号が出力されず、駆動モータ7,7は駆動されない。即ち、図4に示すように筐体11の下面側の中央に位置した状態のワイヤ引出孔36から吊りワイヤ3が引出されて吊り支点3Xより垂下している状態が吊りワイヤ3の基準状態となる。この基準状態から人が動くと、吊りワイヤ3が人に引っ張られてワイヤ追従スライド板35がスライドし、XYスライダ装置22のワイヤ挿通孔29,28に吊りワイヤ3の力が加わってスライド板27,24がスライドして操作レバー挿通孔32,31が移動することによってジョイステック21の操作レバー21aが動くので、これによりジョイステック21から出力される信号がマイクロコンピュータ23に入力され、マイクロコンピュータ23がこの信号を解読して駆動モータ7,7に駆動制御信号を出力する。これにより、ジョイステック21の操作レバー21aの動きに応じて駆動車輪8,8を駆動させることができ、これにより、移動機構2を人の動きに追従させることができ、手足及び身体の自由がきかない被介護人等の歩行支援を適切に行える歩行支援装置1が得られる。
【0013】
ジョイステック21は図7に示すように操作レバー21aの動きによってそれぞれ異なる信号をマイクロコンピュータ23に出力し、マイクロコンピュータ23はその信号を入力して信号解析ソフトウエアにより解析し、駆動モータ7,7に所望の駆動制御信号を出力する。尚、図7はジョイステック21の操作レバー21aの動きを図2の天井側から見た図である。例えば、人が図2の紙面裏方向に動いて前進し、図7に示すように、操作レバー21aが前進領域A内で動けばマイクロコンピュータ23は各駆動車輪8,8をそれぞれ正回転させるための駆動制御信号を各駆動モータ7,7に送るので、これにより移動機構2は前進する。その後、移動機構2が移動後の人の真上まで移動して吊りワイヤ3が垂下状態になると、操作レバー21aも基準位置に戻るので前進動作が終了する。また、例えば、人が右に動き、操作レバー21aがその場旋回・右領域内で動けばマイクロコンピュータ23は図2の右の駆動車輪8を逆回転させ、左の駆動車輪8を正回転させるための駆動制御信号をそれぞれ駆動モータ7,7に送るので、移動機構2がその場で45度旋回する(即ち、図2の右側の部分が図2の紙面手前方向にくるように旋回する)。操作レバー21aは図7の円領域Xで示す範囲で自由に動くため、移動機構2がその場で45度旋回したことに伴って操作レバー21は前進領域A内に移動するので、移動機構2は右に移動する。その他の方向への制御態様は図7,図8に示すとおりである。即ち、長板10の両端側に駆動車輪8,8が設けられているため、左右の駆動車輪8,8を互いに逆向きに回転させれば、移動機構2をその場で旋回させて移動機構2の移動方向を変えることができるので、人が左右方向に移動した場合でも人の動きに対応して移動機構2を横方向に移動させることができる。
従って、前後斜めの人の動きに移動機構2を追従させることができる。
【0014】
尚、上記では、人の移動に伴う吊りワイヤ3の動きに連動するとともに操作レバー21aを吊りワイヤ3の移動方向と同方向に動かしてジョイステック21に信号を出力させる連繋手段としてXYスライダ装置22を用いた例を示したが、連繋手段として吊りワイヤ3と操作レバー21aとを連結する連結棒等を用いても構わない。
【0015】
実施の形態2
ジョイステック21の操作レバー21aの前進領域A及び後進領域Bの角度を狭く設定することにより、頻繁に斜め旋回の調整が行われるので、移動機構2の移動進行時の左右ぶれを小さくできる。
【0016】
実施の形態3
図9は実施の形態3による歩行支援装置1の移動機構2を天井側から見た平面図であり、図9に示すように、台座9上において長板10の両端側に設けられた駆動車輪8,8を2つの頂点とする三角形のもう1つの頂点の位置に自由駆動車輪50を設けるようにしてもよい。この場合、吊りワイヤ3の吊り支点3X(吊り元)を上記自由駆動車輪50に近い位置(例えば図9に示すように自由駆動車輪50の真下)に設定することにより、その場旋回中においても進行方向に移動機構2が進み始めるので、移動機構2の動きがスムーズになり、また、移動機構2の移動進行時の左右ぶれを少なくできる。
【0017】
実施の形態4
実施の形態1では、吊りワイヤ3の動きをXYスライダ装置22を介してジョイステック21の操作レバー21aに伝達することにより人の動きに対して移動機構2を追従させるようにしたが、XYスライダ装置22及びジョイステック21を用いずに、吊りワイヤ2に傾斜センサ及び方位センサを設けることにより、これらセンサの出力をマイクロコンピュータ23で解析して駆動モータ7,7を制御することにより人の動きに移動機構2を追従させるようにしてもよい。
【0018】
実施の形態5
図10に示すようにワイヤ追従スライド板35のワイヤ引出孔36の周囲の内側に、ワイヤ引出孔36から吊りワイヤ3が垂下している状態において上面40aが水平面となるセンサ取付け部41を設け、このセンサ取付け部41の上面40aに傾斜センサ45及び方位センサ46を設けるようにすれば、吊り支点固定手段を設けなくてもよくなる。
この実施の形態5の場合、図10に示すように、定荷重ばね装置12及び巻枠13を軸受60等を介して台座9に揺動可能に取付けておいてもよい。このように揺動可能に取付けておくことにより、人の移動時において吊りワイヤ3が引っ張られた時に移動機構2に加わる回転モーメント(移動機構2を天井面100から離そうとする力)を少なくでき、移動機構2の落下防止効果を高めることができる。
【0019】
実施の形態6
尚、吊りワイヤ3で吊られた人の動きを監視するCCDカメラ等の撮像手段を移動機構2に取付けて、撮像手段で撮像した映像をマイクロコンピュータ23で解析して移動機構2を人の動きに追従させるようにしてもよい。ただし、この手法によれば、高度な解析技術が必要となり、ノイズによる誤動作、映像解析プログラムのバグ等による誤動作等に対する対策が必要になるため、コスト高となる問題がある。一方、実施の形態1〜5の構成では、実施の形態6に比べて簡単な構成により追従制御手段を構成できるという利点がある。
【0020】
また、上記では、永久磁石5の磁力により移動機構2と天井面100と間に吸引力を発生させる構造の歩行支援装置1を説明したが、図示しない電動機等により羽根車を回転して天井面と移動機構との間の空気を吸引することにより吸引力を発生させる構造の歩行支援装置においても本発明を適用できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の請求項1による歩行支援装置によれば、吊りワイヤで吊られた人の移動に伴って移動機構が追従するように駆動車輪に駆動力を付与する追従制御手段を備えたので、人の動きに追従させて移動機構を移動させることができ、手足の自由がきかない被介護人等の歩行支援を適切に行える歩行支援装置を提供できる。この場合、追従制御手段を、吊りワイヤで吊られた人の動きを監視するCCDカメラ等の撮像手段とこの撮像手段で撮像した映像を解析するマイクロコンピュータ等の制御手段とで構成できる。
請求項2,3によれば、CDカメラ等の撮像手段で撮像した映像を解析するというような高度な手法によらず、簡単な構成の追従制御手段により請求項1の追従制御機能が確実に得られる。
請求項4によれば、吊りワイヤの動きを連繋手段を介して信号出力装置の操作レバーに直接伝達できるので、機械的な簡単な構成の追従制御手段により請求項1の追従制御機能が確実に得られる。
請求項5によれば、センサを用いることにより、簡単な構成の追従制御手段により請求項1の追従制御機能が確実に得られる。
請求項6によれば、駆動車輪が移動機構の天井面に対向する側に設けられた長板の両端側に設けられたので、移動機構を旋回させることが可能となり、人が左右に移動した場合においても移動機構を追従させることができるようになる。
請求項7によれば、移動機構の天井面に対向する側において長板の両端側に設けられた駆動車輪を2つの頂点とする三角形のもう1つの頂点の位置に自由駆動車輪を設け、吊りワイヤを垂下させる吊り元を自由駆動車輪に近い位置に設定したので、移動機構の動きをスムーズにでき、また、移動機構の進行時の左右ぶれを少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による歩行支援装置のイメージを示す図。
【図2】歩行支援装置の移動機構の内部の詳細を示す断面図。
【図3】移動機構を天井側から見た平面図。
【図4】移動機構を床側から見た底面図。
【図5】定荷重ばね装置を示す側面図。
【図6】XYスライダ装置を示す平面図。
【図7】ジョイステックの動作図。
【図8】ジョイステックの動きに対応する駆動車輪の動きを示した図。
【図9】実施の形態3を示す移動機構を天井側から見た平面図。
【図10】実施の形態5を示す移動機構の内部の詳細を示す断面図。
【符号の説明】
1 歩行支援装置、2 移動機構、3 吊りワイヤ、3X 吊り支点、
7 駆動モータ(駆動源)、8 駆動車輪、10 長板、
12 定荷重ばね装置(負荷軽減手段)、20 滑車(吊り点固定手段)、
21 ジョイステック(信号出力装置)、22 XYスライダ装置(連繋手段)、23 マイクロコンピュータ(制御手段)、50 自由駆動車輪、
60 傾斜センサ、61 方位センサ、100 天井面。

Claims (7)

  1. 天井面との間に吸引力を作用させ、天井面に駆動車輪を接触させた状態で駆動車輪に駆動力を付与することにより天井面上を移動する移動機構と、移動機構から吊り下げられ人を吊る吊りワイヤと、吊りワイヤに所定の大きさの吊り上げ力を付与する負荷軽減手段とを備えた歩行支援装置において、吊りワイヤで吊られた人の移動に伴って移動機構が追従するように駆動車輪に駆動力を付与する追従制御手段を備えたことを特徴とする歩行支援装置。
  2. 追従制御手段は、人の移動に伴う吊りワイヤの動きを検出する動き検出手段と、動き検出手段からの出力に基いて駆動車輪を駆動する駆動源に駆動制御信号を出力する制御手段とにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
  3. 追従制御手段は、吊りワイヤの吊り支点固定手段と、人の移動に伴う吊りワイヤの動きを検出する動き検出手段と、動き検出手段からの出力に基いて駆動車輪を駆動する駆動源に駆動制御信号を出力する制御手段とにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
  4. 動き検出手段は、操作レバーの作動により制御手段に信号を出力する信号出力装置と、人の移動に伴う吊りワイヤの動きに連動するとともに操作レバーを吊りワイヤの移動方向と同方向に動かして信号出力装置に信号を出力させる連繋手段とにより構成されたことを特徴とする請求項3に記載の歩行支援装置。
  5. 動き検出手段は、吊りワイヤが垂下する基準状態から人の移動に伴ってどの方向にどれだけ傾斜したかを検出するセンサにより構成されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の歩行支援装置。
  6. 駆動車輪が移動機構の天井面に対向する側に設けられた長板の両端側に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の歩行支援装置。
  7. 移動機構の天井面に対向する側において長板の両端側に設けられた駆動車輪を2つの頂点とする三角形のもう1つの頂点の位置に自由回転車輪を設け、吊りワイヤを垂下させる吊り元を自由回転車輪に近い位置に設定したことを特徴とする請求項6に記載の歩行支援装置。
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