JP2004297937A - ノイズ量測定方法およびそれを用いたモータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サンプリングのタイミング毎に、入力データx(i)と出力データy(i)が異なる場合に1ずつ増加し、出力データy(i)が変化したときにnだけカウント値ct(i)を減少するノイズ量測定方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は装置の入出力信号に重畳するノイズ量を測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速・高精度を要求される用途から産業用機器全般へと、駆動源としてのサーボモータとその駆動装置の適用範囲はますます広がっている。
【0003】
図5にモータ駆動装置と上位装置の接続例を示す。
【0004】
上位装置1からは、2値をとる入力信号2がモータ駆動装置3に接続され、上位装置1からモータ駆動装置3のさまざまな動作を制御するために用いられる。このモータ駆動装置3も、最近ではマイコンを内蔵したディジタル制御方式がほとんどであり、ノイズ等による誤動作防止のため、入力信号2に対して複数回の一致判定を用いて内部データとする場合が多い。
【0005】
図4に、このような入力信号の一致判定処理の例をフローチャートで示す。
【0006】
ステップ1で入力信号をサンプリングし、入力データx(i)を作成する。ステップ2では過去(n−1)回の入力データx(i)からx(i−n+1)との一致判定を行い、ステップ3ではその結果が真のとき、入力データx(i)を出力データy(i)とし、結果が偽のときは前回の出力y(i−1)を保持する。こうすることで、最大(n−1)回までの誤入力を無効化でき、安定した入力信号を得ることができる。但し、入力信号を認識するのが最大n回サンプリングする時間だけ遅れるため、一般的にはこの回数は固定値とすることが多い。
【0007】
しかしサーボモータの適用範囲が広がるにつれ、リレーやソレノイドなどのスパイク状ノイズ発生源の近くや、強電界・輻射ノイズなどが加わるといったノイズ的悪環境での使用も増加している。こういった環境下で用いるためには、ノイズの入力信号に与える影響を定量的に測定し、上記一致判定回数を変更するなどの対策をしていく必要がある。
【0008】
このノイズ量の測定については、シリアル通信などの誤り検出機能を用いて、その回数や頻度を測定することでノイズ量を検出する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−838016号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなノイズ量測定方法では、シリアル通信インターフェイスや誤り検出機能を持つ通信プロトコルが必要であり、適用範囲が制限されるという課題があった。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、適切なノイズ対策を講じるために必要になる、より汎用的なノイズ量測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、2値をとる入力信号を用いて、前記のような複数回の一致判定を用いる際に、n回の一致判定において入力信号が正しく変化した場合には、入力データと出力データの不一致が必ずn回生じることを利用する。ノイズなどで入力信号の誤認識が生じた場合には、この回数が(n+1)回以上発生するため、その差をノイズ量として判別できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1記載のノイズ量測定方法は、2値をとる入力信号を一定周期でサンプリングすることで入力データを作成し、入力データがn回一致(nは2以上の正数)した場合に更新される出力データを用いて、動作を制御するモータ駆動装置において、サンプリングのタイミング毎に、サンプリング後のデータと内部データが異なる場合に1ずつ増加し、内部データが変化したときにnだけ減少するカウンタを用いてノイズ量を測定する。
【0014】
これにより、ノイズの影響が大きいほど、単位時間あたりのカウンタ値変化は大きくなり、これを測定することでノイズ量を定量的に把握することができる。
【0015】
また、請求項2記載のノイズ量測定方法は、請求項1のノイズ量測定方法を用いて、出力データが変化するまでの時間とカウンタ値の関係を一次式で近似し、その傾きをノイズ量としている。
【0016】
さらに、請求項3記載のモータ駆動装置は、請求項1または請求項2に記載のノイズ量測定方法を用いたものである。
【0017】
これにより、入力信号の変化と相関を持つチャタリングなどの影響を取り除くことができ、より精度のよいノイズ量測定が可能となり、モータ駆動装置などの装置に対して的確なノイズ対策ができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は、実施例1におけるノイズ量測定方法のフローチャートである。
【0020】
ステップ3までは従来例と同じ処理を行っているが、その結果を利用してステップ4でノイズ量の計算を行っている。
【0021】
n回一致が発生したときは、ステップ4−1で出力データが変化した場合のみ、カウント値を(n−1)だけ減算する。n回一致がなかった場合は、ステップ4−2のように出力データと入力データが異なっている場合に、カウント値に1だけ加算する。
【0022】
長時間の測定を行うほど、また入力信号の変化の頻度に対してノイズによる誤動作の頻度が高いほど、カウント値とノイズ量の相関が強くなり、正確なノイズ量の測定ができる。
【0023】
図2は、実施例1における入力データx(i)、出力データy(i)、カウント値ct(i)の変化を示したものである。
【0024】
(実施例2)
通常、入力信号の切替時には、チャタリングなどによる入力データの変動が見られる。これは本来ランダムに生じるノイズにより、経過時間に応じて累積されていくカウント数とは別に、出力データの変化回数と相関してカウント数が増加する傾向がある。
【0025】
したがって、正確なノイズの影響を知りたい場合には、これらのカウント値を分離する必要がある。
【0026】
実施例2では、図3に示すように、出力データが変化するまでの時間(回数)Δiを横軸にとり、縦軸にその間のカウント値変化量Δctをとり、出力データが変化するたびにプロットすることで、時間により増加するカウント値は時間に比例して大きくなり、出力データの変化毎に生じるカウント値は、平均すれば時間に関係しないことから、両者を分離できる。
【0027】
図3であれば、得られたデータから、例えば最小2乗法を用いて近似した一次式の、傾きと切片から時間に相関するカウント値と出力データの変化に相関するカウント値を知ることができる。
【0028】
なお、本発明のノイズ量測定方法は、モータ駆動装置への適用を限定するものではなく、ノイズの多い環境下で使用される機器に対しても有効である。
【0029】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、最低でも1本の2値入力信号が得られれば、配線に重畳するノイズの影響を定量的に測定することができる。
【0030】
また、請求項2記載の発明によれば、カウント値を統計処理することで、より正確なノイズ量の把握が可能となる。
【0031】
さらに、請求項3記載の発明によれば、モータ駆動装置に対してノイズが入力信号に与える影響を定量的に測定することができ、ノイズ対策とその効果を確認できる。
【0032】
このように、本発明による各種の位置制御手段を適用することで、悪環境下での使用時に、ノイズが入力信号に与える影響を定量的に測定することができ、適切な対策を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるノイズ量測定フローチャート
【図2】本発明の実施例1におけるカウント値の説明図
【図3】本発明の実施例2におけるカウント値の説明図
【図4】従来の入力信号の一致判定処理のフローチャート
【図5】モータ駆動装置と上位装置の接続図
【符号の説明】
x(i) 入力データ(i番目)
y(i) 出力データ(i番目)
ct(i) カウント値(i番目)
Claims (3)
- 2値をとる入力信号を一定周期でサンプリングすることで入力データを作成し、入力データがn回一致(nは2以上の正数)した場合に更新される出力データを用いて動作を制御する装置において、サンプリングのタイミング毎に、入力データと出力データが異なる場合に1ずつ増加し、出力データが変化したときにnだけ減少するカウンタを用いたノイズ量測定方法。
- 出力データが変化するまでの時間とカウンタ値の関係を一次式で近似し、その傾きをノイズ量とする請求項1に記載のノイズ量測定方法。
- 請求項1または請求項2に記載のノイズ量測定方法を用いたモータ駆動装置。
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JP2003088436A JP4140417B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | ノイズ量測定方法およびそれを用いたモータ駆動装置 |
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