JP2004296233A - 燃料電池評価装置および燃料電池評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池1の燃料極側の状態を評価する燃料電池評価装置であって、ガス供給流路内の所定位置から赤外光を照射するようにガス供給流路に配置された発光用ファイバ11−1〜11−nと、発光用ファイバ11−1〜11−nからの赤外光が燃料ガス中を透過した透過光を受光するようにガス供給流路に配置された受光用ファイバ12−1〜12−nとを備えると共に、発光用ファイバ11−1〜11−nを介して赤外光を照射する光源部13と、受光用ファイバ12−1〜12−nを介して受光する透過光の強度を検出する光強度検出部15と、透過光の強度が水滴によって散乱して減衰することを利用して水滴の発生状況を検出し燃料極側に流れるガスの加湿状態を評価する機能を有する処理部16とを有する分析計本体18を備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の状態を評価する燃料電池評価装置および燃料電池評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境の保護を目的として二酸化炭素や有害物質を一切排出することなく水のみを排出する燃料電池が注目されている。また、この燃料電池は車両への応用が期待されていると共に、種々の方面における実用化に向けて研究が行われている。
【0003】
図7は、従来の燃料電池評価方法を説明するための燃料電池の基本構成を示す斜視図である。図7に示す燃料電池1において、2は空気(酸素O2 )の流路である空気極、3は燃料としての水素H2 の流路である燃料極、4は空気極2に隣接する多孔質の陽極、5は燃料極3に隣接する多孔質の陰極、6は陰極5側から陽極4側に水素イオンH+ (プロトン)を透過することができる高分子(例えば固体高分子膜)からなるイオン透過膜である。
【0004】
2aは空気極2に当接する板状のセパレータであり、3aは燃料極3に当接する板状のセパレータである。2bはセパレータ2aとの間に空気(酸素O2 )の流れの方向に形成された複数の溝からなる空気ガス供給流路、3bは水素H2 の流れの方向に形成された複数の溝からなる燃料ガス供給流路である。酸素O2 および水素H2 は、空気ガス供給流路2bおよび燃料ガス供給流路3bをそれぞれ通って流れることにより、空気極2および燃料極3の全面をムラなく流れて陽極4および陰極5にそれぞれ接触するようになっている。
【0005】
燃料極3を通る水素H2 は陰極5に電子を渡して水素イオンH+ となり、この水素イオンH+ が、イオン透過膜6を透過して陽極4側に移動する。次いで、2個の水素イオンH+ が陽極4から2個の電子をもらって水素H2 となり、この1個の水素H2 と1/2個の酸素O2 と結合して水H2 Oを生成する。即ち、この一連の化学反応により、陽極4と陰極5間に起電力が発生し、陽極4と陰極5間に接続された負荷(図示せず)に電流が流れ全体として電池として動作する。
【0006】
つまり、燃料電池1が電池として動作するためには、イオン透過膜6が水素イオンH+ を陽極4の方向に透過することが必要である。ところで、特に、このイオン透過膜6の燃料極3側の面においては、十分に加湿されていることが、水素H2 のイオン化にあたり重要であり、このために燃料ガスである水素H2 は水蒸気によって加湿された状態で供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、燃料極3に供給される燃料ガスである水素H2 は幾らかの圧力をかけた状態で供給されるだけでなく、特にイオン透過膜6として例えば固体高分子膜を用いたような燃料電池は動作温度が低いため、燃料ガスである水素H2 に加えて供給する水蒸気が燃料極3の燃料ガス供給流路3b内で結露して水滴Wとなり、この水滴Wが燃料ガス供給流路3bを閉鎖することがあった。燃料ガス供給流路3bが閉鎖されると、燃料ガスである水素H2 が燃料ガス供給流路3b内には流れないので、閉鎖されていないその他の燃料ガス供給流路3bだけに水素H2 が流れ、その分、発電効率が低下するという問題があった。また、こういった発電効率の低下の問題は、空気極2に空気を供給する場合にも生じている。
【0008】
そこで、このような発電効率の低下の原因となる燃料電池1内での結露や水分蒸気濃度の測定手法として、例えば、次のような方法が考えられる。燃料電池1において、ポンプ9を用い、1本のガスサンプリングチューブ7を介して、燃料電池1内から採取されたサンプリングガスSGをガス分析計8で分析し、燃料電池1内の結露や水分蒸気濃度を測定する方法も考えられるが、燃料電池1の燃料ガス供給流路3b内の例えば、一つの位置からサンプリングガスSGを採取すると、燃料電池1の特性に影響を与えることが懸念されている。また、複数本のガスサンプリングチューブ7を設けて燃料電池1内の複数の位置からサンプリングガスSGを採取する構成も考えられるが、このような構成は実現することが難しく、また現実的ではなかった。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を測定でき、燃料電池の状態を評価することができる燃料電池評価装置および燃料電池評価方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、燃料電池のガス供給流路内の所定位置から所定波長の光を照射するように前記ガス供給流路に配置された発光用ファイバと、この発光用ファイバからの光がガス中を透過した透過光を受光するように前記ガス供給流路に配置された受光用ファイバとを備えると共に、前記発光用ファイバを介して前記光を照射する光源部と、前記受光用ファイバを介して受光した透過光の強度を検出する光強度検出部と、前記透過光の強度が液滴によって散乱して減衰することを利用して液滴の発生状況を検出し前記ガスの加湿状態を評価する機能を有する処理部とを有する分析計本体を備えたことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
この構成の燃料電池評価装置においては、光源部からの所定波長の光が発光用ファイバを介してガス供給流路内を照射し、この照射した光が液滴によって散乱して減衰し、その減衰後の透過光の強度が光強度検出部によって検出される。そして、前記検出された透過光の強度に基づいて処理部は、前記ガス供給流路内に流れるガスの加湿状態を検出する。つまり、燃料電池のガス供給流路内に発光用ファイバと受光用ファイバを配置させることで、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になる。これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0012】
前記液滴が水滴であり、前記所定波長の光が、水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とである場合(請求項2)、前記光強度検出部に入射する第1の赤外光による透過光と、第2の赤外光による透過光とに強度差が生じ、これにより、前記ガス供給流路内の加湿状態を検出することが可能になる。
【0013】
また、本発明は、燃料電池のガス供給流路内の所定位置から赤外光を照射するように前記ガス供給流路に配置された発光用ファイバと、この発光用ファイバからの赤外光がガス中を透過した透過光を受光するように前記ガス供給流路に配置された受光用ファイバとを備えると共に、前記発光用ファイバを介して前記赤外光を照射する光源部と、前記受光用ファイバを介して受光した透過光の強度を検出する光強度検出部と、前記透過光の強度が水滴によって散乱して減衰することを利用して水滴の発生状況を検出し前記ガスの加湿状態を評価する機能を有する処理部とを有する分析計本体を備えたことを特徴とする(請求項3)。
【0014】
この構成の燃料電池評価装置においては、光源部からの赤外光が発光用ファイバを介してガス供給流路内を照射し、この照射した赤外光が水滴によって散乱し減衰し、その減衰後の透過光の強度が光強度検出部によって検出される。そして、前記検出された透過光の強度に基づいて処理部は、前記ガス供給流路内に流れるガスの加湿状態を検出する。つまり、ガス供給流路内に発光用ファイバと受光用ファイバを配置させることで、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になる。これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0015】
前記光源部が、少なくとも水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とを発光するものであり、前記処理部が、前記光強度検出部によって検出された前記第1の赤外光及び前記第2の赤外光の透過光の強度差から前記ガス供給流路内の気化した水分の量を算出して前記ガスの加湿状態を評価する機能を有する場合(請求項4)は、燃料電池内に水滴があると、前記光源部からの第1,第2の赤外光が燃料ガス中を透過した第1,第2の透過光の強度に差が生じ、この強度差に基づいてガスの加湿状態を評価することが可能になる。
【0016】
前記発光用ファイバと前記受光用ファイバとの光ファイバ対を複数設け、複数の光ファイバ対を択一的に前記分析計本体に接続するファイバ切替器を有する場合(請求項5)は、前記分析計本体と前記ファイバ切替器との間を接続する光ファイバは例えば2本で済むので、前記分析計本体の構成を簡単にすることができる。
【0017】
また、本発明は、燃料電池のガス供給流路内に所定波長の光を入射し、前記ガス供給流路からの前記所定波長の光による出射光に基づいて、前記ガス供給流路内の加湿状態を検出することによって前記燃料電池におけるガス供給流路内の状態を評価することを特徴とする(請求項6)。
【0018】
この燃料電池評価方法によれば、所定波長の光を、ガス供給流路内に照射し、この照射した光がガス中を透過し、この透過した出射光の強度に基づいて前記ガス供給流路内に流れるガスの加湿状態が検出される。つまり、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することができ、これによって燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定することが可能になり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0019】
また、本発明は、燃料電池のガス供給流路内に、水による光吸収のある波長の第1の光と、水による光吸収のない波長の第2の光とを入射し、前記ガス供給流路内の水滴によって生じる散乱と光吸収とにより減衰した第1の光の減衰を測定すると共に、前記ガス供給流路内の水滴によって生じる散乱により減衰した第2の光の減衰を測定し、前記第1の光の減衰と前記第2の光の減衰との差に基づいて気相状態による光吸収を測定し、前記第2の光減衰に基づいて水滴の情報を判断することを特徴とする(請求項7)。
【0020】
この燃料電池評価方法によれば、第1の光と第2の光とをガス供給流路内に照射し、第1の光は水滴によって生じる散乱と光吸収とにより光減衰(第1の光減衰)し、第2の光は水滴によって生じる散乱によって光減衰(第2の光減衰)する。これらの第1の光減衰と第2の光減衰との差をとれば、気相による光吸収が定量でき、第2の光減衰から水滴情報(定量・定性・有無)が判断できる。つまり、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になり、これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化をその動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0021】
また、本発明は、燃料電池におけるガス供給流路に対面するように発光用ファイバと受光用ファイバとからなる光ファイバ対を配置し、前記発光用ファイバを用いて前記ガス供給流路内の所定位置から赤外光を照射したときにガス中を透過した透過光を、前記受光用ファイバを介して受光することで、前記ガス供給流路内の水滴によって生じた散乱光によって減衰した透過光の強度を測定し、この測定された透過光の強度に基づいて前記ガス供給流路内に流れるガスの加湿状態を評価することを特徴とする(請求項8)。
【0022】
この燃料電池評価方法によれば、赤外光を発光用ファイバを介してガス供給流路内に照射し、この照射した赤外光が水滴によって散乱して減衰し、その減衰後の透過光が受光用ファイバを介して取り出され検出される。そして、前記検出された透過光の強度に基づいて燃料極側に流れる燃料ガスの加湿状態が検出される。つまり、発光用ファイバと受光用ファイバとを燃料電池内のガス供給流路に配置することで、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になる。これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0023】
前記赤外光が、少なくとも水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とであり、両波長の透過光の強度差に基づいて前記ガス供給流路内の気化した水分の量を算出して、ガスの加湿状態を評価する場合(請求項9)は、燃料電池内に水滴があると、ガス中を透過した第1,第2の透過光の強度に差が生じ、この強度差に基づいて燃料ガスの加湿状態を評価することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る燃料電池評価装置の特徴的構成を示すブロック図である。この燃料電池評価装置は、燃料電池1内の各ガス供給流路(以下では、特に燃料ガス供給流路を挙げて説明し、詳細は後述する)の所定位置から赤外光(所定波長の光)を照射するように各燃料ガス供給流路に配置された各発光用ファイバ11−1〜11−nと、各発光用ファイバ11−1〜11−nから生じて燃料電池1の燃料ガス中を透過した透過光を受光するように各燃料ガス供給流路内の所定位置に配置された受光用ファイバ12−1〜12−nとを備えると共に、ファイバ切替器19および各発光用ファイバ11−1〜11−nを介して赤外光(所定波長の光)を照射する光源部13と、各受光用ファイバ12−1〜12−nおよびファイバ切替器19を介し受光部14で受光する透過光の強度を検出する光強度検出部15と、前記透過光の強度が水滴によって散乱して減衰することを利用して水滴の発生状況を検出し燃料極(後述する)側に流れる燃料ガスの加湿状態を評価する機能を有する処理部16と、これらの各部を制御する制御部17とを有する分析計本体18を備えている。
【0025】
詳しくは、分析計本体18において、光源部13は、少なくとも水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とを発光するものであり、処理部16は、光強度検出部15によって検出された第1,第2の透過光の強度差から気化した状態の水分の量を算出して燃料ガスの加湿状態を評価する機能を有するものである。また、ファイバ切替器19は、各発光用ファイバ11−1〜11−nと各受光用ファイバ12−1〜12−nとの各ファイバ対を択一的に分析計本体18に接続するものである。
【0026】
図2は本実施形態における燃料電池1の簡略化した構成を示す分解斜視図である。図2において、燃料電池1は、空気(酸素O2)の流路である空気極27と、水素H2の流路である燃料極25と、空気極27に隣接する多孔質の陽極28と、燃料極25に隣接する多孔質の陰極29と、陰極29側から陽極28側に水素イオンH+ (プロトン)を透過することができる高分子(例えば固体高分子膜)からなるイオン透過膜30とを基本構成要素とし、この基本構成要素がセパレータ26を挟んで複数個重ねられて、1個の燃料電池1を構成している。
また、前記空気極及び燃料極には、それぞれ空気(酸素O2 )又は水素H2 を供給するためのガス供給流路として空気供給流路27a又は燃料ガス供給流路25aを有している。
【0027】
そして、本実施形態では、燃料ガス供給流路25aを例にとり説明するが、各層における燃料極25の各燃料ガス供給流路25aの一端には、各燃料ガス供給流路25a内に赤外光をそれぞれ照射するための発光用ファイバ11−1〜11−nがそれぞれ配置されている。また、各燃料ガス供給流路25aの他端には、発光用ファイバ11−1〜11−nから生じて燃料ガス中を透過した透過光を受光するように、受光用ファイバ12−1〜12−nがそれぞれ配置されている。
【0028】
図3は本実施形態における燃料電池評価装置および燃料電池評価方法を説明するための全体構成図である。図3に示す燃料電池評価装置において、測定対象である燃料電池1における燃料極の燃料ガス供給流路の一端(図2参照)には、燃料ガス供給流路内に赤外光を照射するための発光用ファイバ11−1〜11−nがそれぞれ配置されている。なお、発光用ファイバ11−1は複数個のファイバからなる束であり、各ファイバは各層の燃料ガス供給流路の一端に配置される。その他の発光用ファイバ11−nなどについても同様である。また、燃料ガス供給流路の他端には、発光用ファイバ11−1〜11−nからの赤外光が燃料ガスである水素ガス中を透過した透過光を受光するように、受光用ファイバ12−1〜12−nがそれぞれ配置されている。なお、受光用ファイバ12−1は、複数個のファイバからなる束であり、各ファイバは各層の燃料ガス供給流路の他端に配置される。その他の受光用ファイバ12−nなどについても同様である。
【0029】
また、ガス供給容器31は、燃料ガスとなる水素を供給するための燃料入口33aと、水素の残留ガスを排出するための燃料出口33bと、空気(酸素)を供給するための空気入口32aと、空気(残留酸素)を排出するための空気出口32bとを備えている。また、ガス供給容器31は、燃料電池1の起電力発生時において電気抵抗により生じる熱エネルギーのために燃料電池1内のセルの温度が上昇するのを抑えるために、冷却水を供給するための冷却水入口34aと、その冷却水を排出するための冷却水出口34bとを備えている。この冷却水出口34bから排出される冷却水は、温められているので、給湯や暖房などに利用することもできる。分析計本体18の光入出力側には、複数の発光用ファイバ11−1〜11−nおよび複数の受光用ファイバ12−1〜12−nが接続され、その信号出力側には処理装置20が接続されている。
【0030】
ここで、本実施形態の燃料電池評価装置を用いて燃料電池1における燃料ガス供給流路25a内の水分の測定を可能にする原理について説明しておく。
【0031】
代表的な各種気体は、図4に示すように近赤外領域にそれぞれ固有の吸収波長帯を持っており、その吸収波長帯には多くの吸収線が存在している。例えば、水の吸収波長は1.365μmであり、この波長の赤外光が水により最も多く吸収されることが分かる。また、図5に示すように、例えば、吸収線51,52,53のうちの1本に対して、例えば半導体レーザダイオードから出力される発振波長の赤外光を掃引することによって吸収波54を測定することができる。この吸収波54の波形と参照光波形との比を取ることによりスペクトルプロファイル55を測定する。例えば、水の場合、波長λ1が1.365μm(図4参照)となり、この波長λ1で吸収度が最大になる。
【0032】
本実施形態では、少なくとも水に吸収される波長の第1の赤外光を発光する第1発光素子(図示せず)と、水に吸収されない波長の第2の赤外光を発光する第2発光素子(図示せず)とが図1中の光源部13に備えられているものとする。例えば、図6(a)に示すように、燃料ガス供給流路25a内に水蒸気(図示せず)のみが存在する場合、第1発光素子からの第1の赤外光61は、前記図5で説明したスペクトルプロファイル55に従って光吸収された第1の透過光62となり、この第1の透過光62が図1中の受光部14で受光される。また、図6(c)に示すように、同じく燃料ガス供給流路25a内に水蒸気(図示せず)のみが存在する場合、第2発光素子からの第2の赤外光64は前記スペクトルプロファイルに従わない(気相による吸収がない)第2の透過光65となり、この第2の透過光65が図1中の受光部14で受光される。
【0033】
一方、図6(b),(d)に示すように、燃料ガス供給流路25a内に液相の水(液滴)67のみが存在する場合を想定すると、第1発光素子からの第1の赤外光61と第2発光素子からの第2の赤外光64とはそれぞれ水67によって乱反射が生じ、第1の赤外光61が減衰した第1の透過光63と、第2の赤外光64が減衰した第2の透過光66とが、受光部14で受光されることになる。
【0034】
さらに、燃料ガス供給流路25a内に水蒸気と水67が共存する場合、第1の赤外光61と第2の赤外光64とは共に光減衰が生じるが、第1の赤外光61においては、水67による散乱と気相の水(水蒸気の水)による吸収が重畳した減衰となる。ここでの両光減衰量の差を気相による吸収量と見なせば(両赤外光間の散乱強度に分散がないと仮定)、気相濃度を決定することが可能になる。第2の赤外光64における散乱光のみの強度を水67の存在量と関係付けられる可能性もある。なお、第1の赤外光61としては、例えば温度範囲273K〜360Kでの水蒸気の吸収感度が最大になる波長の赤外光を選び、第2の赤外光64としては、例えば前記温度範囲で水蒸気の吸収感度がない波長の赤外光を選ぶ。図1に示す光源部13では、第1の赤外光61を発光する第1の半導体レーザダイオードと、第2の赤外光64を発光する第2の半導体レーザダイオードを備えて構成しても良いし、あるいは第1の赤外光61および第2の赤外光64の両方を発光することができるチューナブル(波長可変)半導体レーザダイオードを備えて構成しても良い。
【0035】
次に、図1〜図3を参照して本実施形態の燃料電池評価装置を用いて燃料電池1における燃料ガス供給流路25a(図2参照)内の水分を測定する方法と、そのときの動作について説明する。
【0036】
測定対象である燃料電池1を動作させるためにガス供給容器31において、空気入口32aから空気(酸素)を送り込むと共に、燃料入口33aから水素を送り込む。また、ガス供給容器31の冷却水入口34aには冷却器(図示しない)からの冷却水が供給されて、燃料電池1の各セルを冷却し、温まった冷却水は冷却水出口34bから放出されて前記冷却器に戻る。このように冷却水は、前記冷却器、ガス供給容器31、前記冷却器という経路で循環する。
【0037】
このようなガス供給容器31の作用により、燃料電池1においては、空気極27(図2参照)に空気(酸素)が流れると共に、燃料極25の燃料ガス供給流路25aに水素が流れる。この結果、燃料ガス供給流路25aを通る水素H2 は陰極29に電子を渡して水素イオンH+ となり、この水素イオンH+ がイオン透過膜30を透過して陽極28側に移動する。次いで、2個の水素イオンH+ が陽極28から2個の電子をもらって水素H2 となり、この1個の水素H2 と1/2個の酸素O2 と結合して水H2 Oを生成する。即ち、この一連の化学反応により、陽極28と陰極29間に起電力が発生し、陽極28と陰極29間に接続された負荷(図示せず)に電流が流れることになる。
【0038】
このようにして燃料電池1が動作しているとき、燃料ガスとしての水素ガスが燃料ガス供給流路25aを流れるが、加湿により水素ガス中に水分が含まれるので、この水分を測定するために、分析計本体18は光源部13から赤外光を発光させる。そして、制御部17の制御により、ファイバ切替器19は例えば発光用ファイバ11−1および受光用ファイバ12−1を選択するので、光源部13からの赤外光は発光用ファイバ11−1を介して燃料ガス供給流路25aに照射される。ここでは、一番上の層の燃料ガス供給流路25aに配置された発光用ファイバ11−1が選択されたと仮定する。
【0039】
発光用ファイバ11−1を介して燃料ガス供給流路25aに照射される赤外光としては、水による光吸収のある波長の第1の赤外光と、水による光吸収のない波長の第2の赤外光とが有り、第1の赤外光が燃料ガス供給流路25aに照射されたときは、その第1の赤外光は燃料ガス(水素ガス)中に含まれる水分により散乱すると共に光吸収され、水素ガス中を透過した第1の透過光は、受光用ファイバ12―1で受光されファイバ切替器19を介して受光部14に伝送される。受光部14で受光された第1の透過光は光強度検出部15に入射され、この透過光の光強度が検出される。第1の赤外光の強度と前記検出された光強度との差が第1の赤外光の光減衰量を意味する。
【0040】
次に、第2の赤外光が燃料ガス供給流路25aに照射されたときは、その第2の赤外光は、燃料ガス(水素ガス)中に含まれる水分により散乱し、水素ガス内を透過した第2の透過光は、受光用ファイバ12−1で受光され、ファイバ切替器19を介して受光部14に伝送される。受光部14で受光された第2の透過光は光強度検出部15に入射され、この第2の透過光の光強度が検出される。第2の赤外光の強度と前記検出された光強度との差が第2の赤外光の光減衰量を意味する。
【0041】
処理部16では、第1の赤外光に対する光減衰(第1の透過光の強度)と、第2の赤外光に対する光減衰(第2の透過光の強度)とを比較し、この強度差から燃料電池1の燃料ガス供給流路25a内の気化した状態の水分量を算出して、燃料ガス(水素ガス)の加湿状態を評価する。
【0042】
次に、制御部17の制御により、ファイバ切替器19は発光用ファイバ11−2および受光用ファイバ12−2の光ファイバ対を選択するので、光源部13からの第1の赤外光は、発光用ファイバ11−2を介して燃料ガス供給流路25aに照射される。
【0043】
発光用ファイバ11−2からの第1の赤外光を燃料ガス供給流路25a内に照射したときは、その第1の赤外光は、燃料ガスである水素ガス中に含まれる(燃料ガス供給流路25aに含まれる)水分により散乱すると共に光吸収され、水素ガス中を透過した第1の透過光は、受光用ファイバ12−2で受光され、ファイバ切替器19を介して受光部14に伝送される。受光部14で受光された第1の透過光は光強度検出部15に入射され、その光強度が検出される。
【0044】
次に、同じく発光用ファイバ11−2からの第2の赤外光が燃料ガス供給流路25aに照射されたときは、その第2の赤外光は燃料ガス(水素ガス)中に含まれる水分により散乱し、水素ガス中を透過した第2の透過光は、受光用ファイバ12−2で受光され、ファイバ切替器19を介して受光部14に伝送される。受光部14で受光された第2の透過光は光強度検出部15に入射され、その光強度が検出される。
【0045】
処理部16では、前記と同様、第1の赤外光に対する光減衰(第1の透過光の強度)と、第2の赤外光に対する光減衰(第2の透過光の強度)とを比較し、この強度差から燃料電池1の燃料ガス供給流路25a内の気化した水分量を算出して燃料ガスである水素ガスの加湿状態を評価する。
【0046】
このようにして、発光用ファイバと受光用ファイバとの光ファイバ対を順次選択し、同様な処理により、燃料ガス供給流路25a内で気化した水分量を算出して燃料ガスの加湿状態を評価し、この評価結果を処理装置20に入力して、測定対象である燃料電池1の燃料極25側に流れる燃料ガスの加湿状態を画面表示したりプリント出力したりする。このように画面表示やプリント出力された加湿状態の情報を見ることにより、今後の燃料電池の高効率化および長寿命を図るための開発に役立てることができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、光源部13から異なる波長の第1,第2の赤外光を交互に出射する構成について述べたが、これに限らず、光源部13から同時に異なる波長の赤外光を出射し、受光部14に分光器を設け、受光部14に入射される異なる波長の透過光を分光して光強度検出部15に導いても良い。
【0048】
以上説明したように上記実施形態によれば、光源部13からの水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とを発光用ファイバ11−1〜11−nを介して燃料ガス供給流路25a内に照射し、この照射した第1,第2の赤外光が水滴によって散乱して燃料ガス中を透過した第1,第2の透過光が受光用ファイバ12−1〜12−nを介して受光部14で受光され各透過光の強度が光強度検出部15によって検出される。第1の透過光は、第1の赤外光が燃料ガス中において水滴による散乱と光吸収によって減衰した光であり第2の透過光は、第2の赤外光が燃料ガス中において水滴による散乱のみによって減衰した光であるので、第1の透過光と第2の透過光との強度差をとれば気相による光吸収のみが定量できる(光吸収量が測定できる)。一方、第2の透過光の強度によって液滴情報(定量・定性・有無)が判断できる。
【0049】
また、燃料ガス供給流路25a内に発光用ファイバ11−1〜11−nと受光用ファイバ12−1〜12−nを配置させることで、燃料電池1内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になる。これによって、燃料電池1を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0050】
また、発光用ファイバ11−1〜11−nと受光用ファイバ12−1〜12−nとの光ファイバ対を複数設け、複数の光ファイバ対を択一的に分析計本体18に接続するファイバ切替器19を備えたので、分析計本体18とファイバ切替器19との間を接続する光ファイバは光ファイバ19a,19bの2本で済むので分析計本体18の構成を簡単にすることができる。なお、分析計本体18とファイバ切替器19との間の光ファイバを1本とし、光源部13からファイバ切替器19へ赤外光を伝送するタイミングと、ファイバ切替器19から受光部14へ透過光を伝送するタイミングとを時分割で制御しても良い。
【0051】
さらに、上記実施形態では、発光用ファイバ及び受光用ファイバを燃料ガス供流路内に設けたが、それらファイバを空気(酸素O2 )供給流路内にも設けてもよい。空気供給流路内に設けた場合には、空気中の水分の相別(気相又は液相)の水分の定量を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明の燃料電池評価装置によれば、燃料電池のガス供給流路内に発光用ファイバと受光用ファイバを配置させ、光源部からの所定波長の光を発光用ファイバを介してガス供給流路内に照射させ、この照射した光が液滴によって散乱して、ガス中を透過した透過光を受光用ファイバを介して光強度検出部に入射させ、その強度を検出し、この検出した透過光の強度に基づいて処理部は、ガス供給流路内のガスの加湿状態を評価するように構成したので、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になり、これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0053】
また、本発明の燃料電池評価装置によれば、燃料電池のガス供給流路内に発光用ファイバと受光用ファイバとを配置させ、光源部からの赤外光を発光用ファイバを介してガス供給流路内に照射させ、この照射した赤外光が水滴によって散乱して、ガス中を透過した透過光を受光用ファイバを介して光強度検出部に入射させ、その強度を検出し、この検出した透過光の強度に基づいて処理部は、ガス供給流路内のガスの加湿状態を評価するように構成したので、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になり、これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0054】
また、本発明の燃料電池評価方法によれば、燃料電池のガス供給流路内に所定波長の光を入射し、ガス供給流路からの所定波長の光による出射光に基づいて、ガス供給流路内の加湿状態を検出することによって、燃料電池におけるガス供給流路内の状態を評価するようにしたので、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することができ、これによって燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定することが可能になり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0055】
また、本発明の燃料電池評価方法によれば、燃料電池のガス供給流路内に水による光吸収のある波長の第1の光と、水による光吸収のない波長の第2の光とを入射し、第1の光がガス供給流路内の液滴によって生じる散乱と光吸収とにより減衰した第1の光減衰を測定すると共に、第2の光がガス供給流路内の液滴によって生じる散乱により減衰した第2の光減衰を測定し、第1の光減衰と第2の光減衰との差に基づいて気相による光吸収を測定し、第2の光減衰に基づいて液滴の情報を判断するようにしたので、第1の光減衰と第2の光減衰との差をとれば、気相による光吸収が定量でき、第2の光減衰から液滴情報(定量・定性・有無)が判断できる。即ち、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になり、これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化をその動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【0056】
また、本発明の燃料電池評価方法によれば、ガス供給流路に対面するように発光用ファイバと受光用ファイバとからなる光ファイバ対を配置し、発光用ファイバを用いてガス供給流路内の所定位置から赤外光を照射したときにガス中を透過した透過光を、受光用ファイバを介して受光することで、ガス供給流路内の水滴によって生じた散乱光により減衰した透過光の強度を測定し、この測定された透過光の強度に基づいてガス供給流路内のガスの加湿状態を評価するようにしたので、燃料電池内における結露や水分蒸気濃度を直接的に測定することが可能になり、これによって、燃料電池を動作している状態における経時的な変化を、その動作に影響を与えることなく測定可能であり、燃料電池内の状態を解析して、高効率で長寿命の燃料電池の開発に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池評価装置の特徴的構成を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態における燃料電池の簡略化した構成を示す分解斜視図である。
【図3】前記実施形態における燃料電池評価装置および燃料電池評価方法を説明するための全体構成図である。
【図4】前記実施形態において近赤外領域における各種代表的ガスの吸収波長を示す図である。
【図5】前記実施形態において波長と吸収度との関係を示すスペクトルプロファイルを説明するための図である。
【図6】前記実施形態において赤外光がガス供給流路内で減衰することを説明するための図である。
【図7】従来の燃料電池評価方法を説明するための燃料電池の基本構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…燃料電池、11−1〜11−n…発光用ファイバ、12−1〜12−n…受光用ファイバ、13…光源部、15…光強度検出部、16…処理部、18…分析計本体、19…ファイバ切替器。
Claims (9)
- 燃料電池のガス供給流路内の所定位置から所定波長の光を照射するように前記ガス供給流路に配置された発光用ファイバと、この発光用ファイバからの光がガス中を透過した透過光を受光するように前記ガス供給流路に配置された受光用ファイバとを備えると共に、前記発光用ファイバを介して前記光を照射する光源部と、前記受光用ファイバを介して受光した透過光の強度を検出する光強度検出部と、前記透過光の強度が液滴によって散乱して減衰することを利用して液滴の発生状況を検出し前記ガスの加湿状態を評価する機能を有する処理部とを有する分析計本体を備えたことを特徴とする燃料電池評価装置。
- 前記液滴が水滴であり、前記所定波長の光が、水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池評価装置。
- 燃料電池のガス供給流路内の所定位置から赤外光を照射するように前記ガス供給流路に配置された発光用ファイバと、この発光用ファイバからの赤外光がガス中を透過した透過光を受光するように前記ガス供給流路に配置された受光用ファイバとを備えると共に、前記発光用ファイバを介して前記赤外光を照射する光源部と、前記受光用ファイバを介して受光した透過光の強度を検出する光強度検出部と、前記透過光の強度が水滴によって散乱して減衰することを利用して水滴の発生状況を検出し前記ガスの加湿状態を評価する機能を有する処理部とを有する分析計本体を備えたことを特徴とする燃料電池評価装置。
- 前記光源部が、少なくとも水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とを発光するものであり、前記処理部が、前記光強度検出部によって検出された前記第1の赤外光及び前記第2の赤外光の透過光の強度差から前記ガス供給流路内の気化した水分の量を算出して前記ガスの加湿状態を評価する機能を有することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池評価装置。
- 前記発光用ファイバと前記受光用ファイバとの光ファイバ対を複数設け、複数の光ファイバ対を択一的に前記分析計本体に接続するファイバ切替器を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の燃料電池評価装置。
- 燃料電池のガス供給流路内に所定波長の光を入射し、前記ガス供給流路からの前記所定波長の光による出射光に基づいて、前記ガス供給流路内の加湿状態を検出することによって前記燃料電池におけるガス供給流路内の状態を評価することを特徴とする燃料電池評価方法。
- 燃料電池のガス供給流路内に、水による光吸収のある波長の第1の光と、水による光吸収のない波長の第2の光とを入射し、前記ガス供給流路内の水滴によって生じる散乱と光吸収とにより減衰した第1の光の減衰を測定すると共に、前記ガス供給流路内の水滴によって生じる散乱により減衰した第2の光の減衰を測定し、前記第1の光の減衰と前記第2の光の減衰との差に基づいて気相状態による光吸収を測定し、前記第2の光減衰に基づいて水滴の情報を判断することを特徴とする燃料電池評価方法。
- 燃料電池におけるガス供給流路に対面するように発光用ファイバと受光用ファイバとからなる光ファイバ対を配置し、前記発光用ファイバを用いて前記ガス供給流路内の所定位置から赤外光を照射したときにガス中を透過した透過光を、前記受光用ファイバを介して受光することで、前記ガス供給流路内の水滴によって生じた散乱光によって減衰した透過光の強度を測定し、この測定された透過光の強度に基づいて前記ガス供給流路内に流れるガスの加湿状態を評価することを特徴とする燃料電池評価方法。
- 前記赤外光が、少なくとも水に吸収される波長の第1の赤外光と、水に吸収されない波長の第2の赤外光とであり、両赤外光による透過光の強度差に基づいて前記ガス供給流路内の気化した水分の量を算出してガスの加湿状態を評価することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池評価方法。
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