JP2004294480A - 静電潜像現像剤および画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像剤および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電潜像を現像して記録媒体に画像を形成する画像形成装置に使用される静電潜像現像剤において、着色剤として使用される酸化鉄の元素の調整といったような手間を掛けることなく、良好な画質が得られるようにする。
【解決手段】水との接触角が90°より大きく、シランカップリング剤による粒子表面の被覆率が25〜80%になるように粒子表面の改質処理がなされた酸化鉄粒子を用いてトナー(静電潜像現像剤)を製造する。そして、このトナーを塩酸中にて溶解させた際に、トナーの内部に位置している等の事情により溶解しない酸化鉄粒子の割合(内包率)が25重量%以上であるトナーを使用して、画像を形成すれば、酸化鉄の元素調整等を行うことなく、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体に形成された静電潜像を現像し、記録媒体に画像を形成するのに使用される静電潜像現像剤、および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、感光体に形成された静電潜像を現像し、記録媒体に画像を形成するレーザプリンタ等の画像形成装置において使用される静電潜像現像剤が広く知られている。この静電潜像現像剤に含有される着色剤としては、カーボンブラックや酸化鉄等が使用され、着色剤として酸化鉄を使用する際に、良好な状態の画像が得られる静電潜像現像剤にするためには、酸化鉄を静電潜像現像剤中に良好に分散させることが必要である。従って、酸化鉄の表面改質処理を加えていない酸化鉄であっては、静電潜像現像剤中に良好に分散させることが困難であるため、酸化鉄を静電潜像現像剤中に良好に分散させるために、各種カップリング剤により酸化鉄の表面改質を行っている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の静電潜像現像剤では、酸化鉄の表面を改質するためにシランで処理した磁性粉を着色剤として使用している。
また、特許文献2に記載の静電潜像現像剤では、酸化鉄の表面を改質するためにチタンカップリング剤またはシランカップリング剤で処理した磁性粉を着色剤として使用している。
【0004】
また、特許文献3に記載の静電潜像現像剤では、酸化鉄粒子中のケイ素原子の量と酸化鉄粒子表面のケイ素原子の量とを限定し、その酸化鉄をカップリング剤で処理した磁性粉を着色剤として使用している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−009153号公報
【特許文献2】
特開昭58−007646号公報
【特許文献3】
特開平10−239897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の静電潜像現像剤では、酸化鉄の表面処理に使用するカップリング剤が実際に化学的に結合しているか否かや、結合していても、どの程度の割合で化学的に結合しているかについての言及がなされておらず、単にカップリング剤により酸化鉄の表面処理を行うだけでは、両者(酸化鉄とカップリング剤)の結合状態によっては、酸化鉄の静電潜像現像剤中への分散不良が起こり、記録媒体に画像を形成する際の画質に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0007】
また、特許文献3に記載の静電潜像現像剤では、酸化鉄粒子を構成する元素の調整に手間が掛かるという問題点があった。
そこで、このような問題点を鑑み、感光体に形成された静電潜像を現像し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に使用される静電潜像現像剤において、着色剤として使用する酸化鉄の元素の調整といったような手間を掛けることなく、高品位な画像が得られるようにすることを本発明の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
かかる目的を達成するために成された、請求項1に記載の発明は、感光体に形成された静電潜像を現像して記録媒体に画像を形成する画像形成装置において使用され、少なくとも、着色剤として有機の表面改質剤で粒子表面が改質処理された酸化鉄粒子、および結着樹脂を含有する静電潜像現像剤であって、前記粒子表面が改質処理された酸化鉄粒子は、水との接触角が90°より大きく、前記表面改質剤による粒子表面の被覆率が25〜80%であって、当該静電潜像現像剤は、塩酸中にて溶解させた際に、溶解しない着色剤の割合が25%以上であることを特徴としている。
【0009】
つまり、請求項1に記載の静電潜像現像剤は、水との接触角が90°より大きく、有機の表面改質剤による粒子表面の被覆率が25〜80%になるように粒子表面の改質処理がなされた酸化鉄粒子を用いて製造され、この静電潜像現像剤を塩酸中にて溶解させた際に、静電潜像現像剤の内部に位置している等の事情により溶解しない酸化鉄粒子の割合が25重量%以上であることを意味する。
【0010】
このような静電潜像現像剤を用いて画像形成装置により画像形成を行えば、後述する実験結果より、酸化鉄の元素調整等を行うことなく、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
ここで、かぶりとは、かぶり値(%)で表され、感光体または印刷した紙において、本来、静電潜像現像剤が付着するべきでない部分に、静電潜像現像剤が付着した程度を示す指標である。例えば、レーザプリンタ等の静電潜像現像式のプリンタにおいて、静電潜像現像剤が、充分に帯電していない等の理由により、感光体上の、静電潜像現像剤が付着すべきでない部分(例えば帯電していない部分)にも静電潜像現像剤が付着してしまうことがあり、その付着の程度をかぶり値とする。このかぶり値が小さい(つまり0に近い)程良好な画質で画像形成ができる静電潜像現像剤であることを意味する。
【0011】
尚、かぶり値、接触角、および、被覆率の具体的な測定方法は、後に詳述するため、ここでの説明は省略する。
次に、静電潜像現像剤の粒子径Dに対する前記酸化鉄粒子の粒子径dの比の値(d/D)は、静電潜像現像剤の粒子径Dに対する前記酸化鉄粒子の粒子径dの比の値(d/D)が、小さすぎると印字濃度が満足できなくなり、逆に大きすぎても静電潜像現像剤中での偏析により画像形成時の帯電が不均一になり易いため、請求項2に記載のように、0.01〜0.03の範囲であることが好ましい。
【0012】
このようにすると、良好な帯電性能を有する静電潜像現像剤を製造でき、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
加えて、後述する実験結果より、酸化鉄の元素調整等を行うことなく、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【0013】
また、請求項3に記載のように、静電潜像現像剤は、79.6kA/mの磁場における保磁力Hcが3〜10kA/mの範囲であって、飽和磁化σsに対する残留磁化σrの比の値(σr/σs)が0.3以下であることが好ましい。
本発明(請求項3)で、静電潜像現像剤の磁気特性について記載したのは、静電潜像現像剤の着色剤として磁性のあるもの(本発明では酸化鉄粒子)を使用する場合には、その磁気特性は、酸化鉄粒子の静電潜像現像剤内での分散性、それに起因する帯電の均一性、および帯電能力にも影響を及ぼすものと考えられるからである。
【0014】
このような事情から、請求項3に記載の静電潜像現像剤であれば、良好な帯電性能を有するので、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
更に、静電潜像現像剤は、粉砕法、乳化重合法、ソープフリー重合法、溶解懸濁法、分散重合法等の方法で製造されてもよいが、請求項4に記載のように、懸濁重合法で製造されていることが好ましく、懸濁重合法で製造されていれば、確実にかぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【0015】
次に、酸化鉄粒子の表面処理に使用する表面改質剤は、チタンカップリング剤等であってもよいが、請求項5に記載のように、シランカップリング剤であるとよい。このようにすると、確実にかぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【0016】
また、静電潜像現像剤に使用される酸化鉄粒子の形状は、6面体、8面体、針状等の形状が考えられるが、請求項6に記載のように、球形であることが望ましい。
つまり、静電潜像現像剤の中で、酸化鉄粒子を凝集させずに分散させていることは、画像形成の際の印字濃度や、静電潜像現像剤が感光体に引き寄せられる際の帯電性能を考慮すると重要と考えられるので、請求項6に記載のように、酸化鉄粒子の形状を球形にして、酸化鉄粒子同士の接触面積を小さくすることにより、酸化鉄粒子同士を凝集し難くしているのである。
【0017】
このようにすると、多面体形状を有する酸化鉄粒子を使用する場合と比べて、酸化鉄粒子同士が凝集し難くなるため、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
次に、請求項7に記載の発明は、感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体および静電潜像現像剤を備え、前記感光体に形成された静電潜像を、少なくとも前記静電潜像現像剤により現像し、可視像を形成する現像ユニットと、前記感光体に対向して位置し、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置において、前記静電潜像現像剤は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の静電潜像現像剤であることを特徴としている。
【0018】
このように、請求項1〜請求項6の何れかに記載の静電潜像現像剤を使用して画像を形成する画像形成装置であれば、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
また、請求項7に記載の画像形成装置は、請求項8に記載のように、静電潜像現像剤のみにより前記感光体に形成された静電潜像を現像する1成分画像形成装置であることが好ましい。
【0019】
このように、画像形成装置に請求項1〜請求項5に記載の静電潜像現像剤を使用すれば、静電潜像現像剤とともにキャリア等を混ぜたものを用いて画像を形成する必要がないため、静電潜像現像剤のみにより前記感光体に形成された静電潜像を現像する1成分画像形成装置に使用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明にかかる実施の形態を説明する。
先ず、本発明の静電潜像現像剤としてのトナーの製造方法について説明する。
本実施の形態で使用されたトナーA〜M(表1参照)は、表面処理された酸化鉄からなる着色剤と、結着樹脂と、その他の添加物(離型剤、荷電制御剤、外添剤等)とを含有している。
【0021】
本発明の着色剤として使用する酸化鉄は、例えば、ヘマタイト粒子(α−Fe2O3あるいはγ−Fe2O3)、マグネタイト粒子(Fe3O4)、ベルトライド化合物粒子(FeOx・Fe2O3、0<x<1)及びこれら粒子にFe以外の2価金属(Mn、Ni、Cu、Mg、Co等の1種または2種以上)を含むスピネルフェライト粒子を使用することができ、本実施の形態で使用されたトナーA〜EおよびI〜M(表1参照)ではマグネタイト(MAT206:戸田工業製)を使用している。また、これらの形状は針状、6面体、8面体、12面体、球状等のいずれであってもよく、特に球状のものが先述した通り分散性の点で好ましい。これらの着色剤はトナー100重量部に対して、通常1〜40重量部の割合で用いられる。
【0022】
さらにこれらの酸化鉄に他の着色剤を併用してもよい。例えば、カーボンブラックやチタンブラック、酸化亜鉛、酸化マンガン、ニグロシンなどのトナーの分野で用いられている各種顔料および染料を使用することができる。
これらの酸化鉄の表面は親水性であるため、表面改質剤等で酸化鉄表面を疎水化処理することが重要である。疎水化処理は各種カップリング剤を用いるカップリング処理や、シリコンオイル等を用いるオイル処理、スプレードライやグラフト化等の樹脂処理等の公知の手段が使用できるが、本発明のようなカップリング処理がトナー中での分散性という点で好ましい。カップリング処理はシラン系、アルミ系、チタン系などのカップリング剤があるが、シラン系カップリング剤が取り扱い等の点で好ましい。シランカップリング剤は一般式
RmSiYn
[式中、Rはアルコキシル基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す]で示されるものである。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトシキシラン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0023】
次に、結着樹脂の具体的な例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、ポリアクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、本実施例では、スチレン(メタ)アクリル共重合体を使用している。
【0024】
トナーの定着温度を下げたり、離型性を高めるなどのために、低軟化点物質を用いることが好ましい。低軟化点物質は、単量体混合物中に添加して、生成する重合トナー中に含有させる。重合トナーがコア・シェル構造を有するものである場合には、低軟化点物質は、コアとなる着色重合体粒子中に含有させる。
【0025】
低軟化点物質は、重合性単量体の主成分として汎用のスチレン単量体に室温で可溶性のものであることが好ましい。このような低軟化点物質としては、3官能以上のアルコールとカルボン酸とからなる多官能エステル化合物や、炭素数15以上のアルコールとカルボン酸とからなる芳香族カルボン酸エステル化合物が好ましい。低軟化点物質がスチレン単量体に非可溶性のものである場合には、重合性単量体組成物を調製する工程で、低軟化点物質の溶融温度以上の温度に加熱して分散させる必要があるが、このようにして分散させても、重合工程で生成する重合トナー表面にブリードしやすいので、好ましくない。
【0026】
3官能以上のアルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ペンタグリセロールなどの脂肪族アルコール類;フロログルシトール、クエルシトール、イノシトールなどの脂環式アルコール類;トリス(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族アルコール類;D−エリトロース、L−アラビノース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ラムノース、サッカロース、マルトース、ラクトースなどの糖類;エリトリット、D−トレイット、L−アラビット、アドニット、キシリットなどの糖アルコール類;などを挙げることができる。これらのうち、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好適である。
【0027】
炭素原子数が15以上のアルコールの具体例としては、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、へプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコールなどが挙げられる。
【0028】
カルボン酸としては、酢酸、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、セロチン酸、メリキシン酸、エリカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニル酸、テトロル酸、キシメニン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンカルボン酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸などの脂環式カルボン酸類;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリト酸、ヘミメリト酸などの芳香族カルボン酸類;等を挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数が通常10〜30個、好ましくは13〜25個のカルボン酸、特に該炭素原子数の脂肪族カルボン酸類や、カルボキシル基が2以上の芳香族カルボン酸が好適である。
【0029】
多官能エステル化合物は、3官能以上のアルコールの各水酸基と結合する複数のカルボン酸が、それぞれ異なるものであっても、同じものであってもよいが、好適には、複数のカルボン酸中の炭素原子数の最大値と最小値との差が9以下、好ましくは5以下のものである。具体的には、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトララウレート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートとグリセロールトリアラキン酸などを挙げることができる。
【0030】
離型剤多官能エステル化合物などの低軟化点物質は、離型剤としても作用するため、これらを使用する場合には、その他の離型剤の使用は必要ないけれども、所望により、オフセット防止などの目的で、その他の各種離型剤を含有させることができる。離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類;分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン、及びこれらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン、及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;これらの混合物等が例示される。これらの離型剤は、結着樹脂または結着樹脂を形成する重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部(更には1〜15重量部)用いることが好ましい。
【0031】
トナーの帯電性を向上させるために、各種の正帯電性または負帯電性の帯電制御剤を単量体組成物中に含有させることが好ましい。帯電制御剤としては、例えば、ボントロンN01(オリエント化学社製)、ニグロシンベースEX(オリエント化学社製)、スピロブラックTRH(保土ケ谷化学社製)、T−77(保土ケ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE−81(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)、ボントロンE−89(オリエント化学社製)、ボントロンF−21(オリエント化学社製)、COPY CHRGE NX(クラリアント社製)、COPY CHRGE NEG(クラリアント社製)、TNS−4−1(保土ケ谷化学社製)、TNS−4−2(保土ケ谷化学社製)、LR−147(日本カーリット社製)などの帯電制御剤;特開平11−15192号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報などに記載の4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、特開平3−243954号公報、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などに記載のスルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂;等を用いることができる。帯電制御剤は、結着樹脂または結着樹脂を形成する重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部の割合で用いられる。
【0032】
流動性や研磨性などの向上を目的として、汎用の外添剤を使用することが好ましい。外添剤としては、無機粒子および/または有機樹脂粒子が挙げられる。無機微粒子としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。これらの粒子の表面を疎水化処理したものが好ましい。また、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。外添剤の量は、特に限定されないが、通常トナー100重量部に対して0.1〜6重量部である。本実施例では、疎水化処理した二酸化ケイ素を使用している。
【0033】
本発明における酸化鉄の表面処理方法としては、湿式法と乾式法の2種類が考えられ、何れの方法で酸化鉄の表面処理を行ってもよいが、本実施の形態では乾式法を採用した。
尚、湿式法は、酸化鉄を水、または有機溶剤に分数させてスラリー化し、攪拌しながらカップリング剤を添加する方法である。この方法では、液中にて酸化鉄にカップリング剤を添加するので、酸化鉄を一次粒子へ分散しやすいため、均質な処理が可能である。一方、乾式法は、酸化鉄をヘンシェルミキサー等の高速攪拌機中で攪拌しながら、カップリング剤そのもの、或いは、水または有機溶剤でカップリング剤を希釈したものを噴霧する方法である。この方法は、特に乾燥工程による極端な凝集体が発生し難いため、大量生産に適している。
【0034】
また、本実施の形態で使用されたトナーA〜Mは、公知の懸濁重合法により製造されている。この懸濁重合法では、重合性のモノマーと、重合開始剤と、着色剤を成分とする重合性組成物とを、水性分散剤が含まれる水中に懸濁させ、水温を上げて水中で重合性組成物を重合させて粒子を製造し、その後乾燥させてトナーを得るのである。この製造方法では、比較的簡単に着色剤を含有する重合粒子が得られるという利点がある。
【0035】
このようにして製造されたトナーA〜Mの材料および性質をひとまとめにしたものを表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004294480
【0037】
ここで、表1に記載されている測定量(添加量、被覆率、接触角、内包率、保磁力、飽和磁化、残留磁化、酸化鉄粒子径、トナー粒子径、およびかぶり)について説明する。
添加量(重量%)は、酸化鉄の重量に対するカップリング剤の重量を示すものである。
【0038】
被覆率(%)は、酸化鉄表面一層を被覆するのに必要な量のカップリング剤(以下、理論添加量という)を添加し、酸化鉄の表面処理をした場合に添加したカップリング剤すべてが酸化鉄表面に付着した状態を被覆率100%とし、これに対し実際に酸化鉄表面の水酸基(−OH)と化学的に結合(吸着)したカップリング剤の割合を示す。
【0039】
ここで、理論添加量w(g)は次式により求められる。
w=(W×b)/a
但し、各記号はカップリング剤固有の最小被覆面積a(m/g)、処理を行う酸化鉄のBET比表面積b(m/g)、および処理を行う酸化鉄の量W(g)を示す。この被覆率は、以下のようにして測定される。
(1)任意の量のカップリング剤で処理された酸化鉄を有機溶剤(トルエン等)で洗浄・ろ過し、化学的に結合していないカップリング剤を排除して、再度酸化鉄を乾燥させる。この洗浄後の酸化鉄の炭素元素分析を行い、トータルカーボン量qを測定する。
(2)(1)で使用したものと同じ種類のカップリング剤を理論添加量wだけ加えて表面処理を行い、処理後の酸化鉄の炭素元素分析を行い、トータルカーボン量Qを測定する。
【0040】
(1)および(2)の結果より、被覆率H(%)は次式で求められる。
H=q/Q×100
このようにして、カップリング剤が酸化鉄の表面一層を100%被覆した場合に対して、カップリング剤が酸化鉄の水酸基と実際に化学的に結合した度合いを示す被覆率が求められる。
【0041】
尚、本実施の形態におけるトータルカーボン量の測定には、炭素分析装置(住化分析センター製、NC−900)を使用した。
接触角は、次のようにして測定される。
先ず、カップリング剤にて表面処理済の酸化鉄を10g秤量し、圧縮成型機(前川製、TESTING MACHINE BRE−30)に投入する。次に、180kNで2分間圧縮する。このようにして得られた酸化鉄ペレットの表面に蒸留水を滴下して10秒経過後、自動接触角計(協和界面科学製、CA−Z)で接触角を測定する。尚、同一ペレット上の13箇所で同様の測定を行い、その平均値を代表値として採用した。また、表1において、接触角0°となっているもの(トナーJ、およびK)は、蒸留水を滴下して10秒以内に蒸留水が酸化鉄の表面に留まることなく吸収されてしまうことを意味する。
【0042】
内包率は、トナーA〜Mを生成した後で、このトナーA〜Mを塩酸(6N)中に投入し、このとき全く溶解しない酸化鉄の割合を示し、次のように求められ
る。
先ず、酸化鉄が含有されているトナー約10mgを熱重量分析装置(セイコーインスツルメンツ(株)製、TG/DTA320)内に載置し、トナーA〜M中の酸化鉄の重量a(重量%)を測定する。
【0043】
次に、このトナーA〜Mを、約1g秤量し、塩酸(6N)約8g中で約1時間溶解させ、濾過した後、乾燥させる。そして、塩酸処理後のトナーを約10mg採取し、再び、熟重量分析装置で、塩酸に溶解しなかった酸化鉄の割合b(重量%)を求める。
【0044】
この結果から、内包率(塩酸に全く溶解しない酸化鉄の割合)c%は、次式で求められる。
c=b/a×100
かぶり値は、先にも述べたように、感光体または印刷した紙において、トナー組成物が本来付着するべきでない部分に、トナー組成物が付着した程度を示す指標である。例えば、静電潜像現像式のプリンタにおいて、トナー組成物が、充分に帯電していない、或いは逆帯電している等の理由により、感光体上の、トナー組成物が付着すべきでない部分(例えば帯電していない部分)にもトナー組成物が付着してしまうことがあり、その付着の程度をかぶり値とする。
【0045】
かぶり値の具体的測定方法は、以下のようにした。ページプリンタ(ブラザー工業製、HL−1240)を使用し、白ベタ印刷時(つまり、感光体上のいずれの場所も帯電しておらず、トナー組成物が本来付着していないはずの状態)の感光体上に付着している転写前のトナー組成物を、スコッチメンディングテープ(住友3M製)で採取し、そのテープを4200DP 20lb用紙(ゼロックス製)に貼り付ける。また、比較対照用として、トナー組成物を採取しないテープを上記用紙に貼り付ける。
【0046】
そして、白色度計(東京電色製、MODEL TC−6MC)を用いて、感光体上からトナー組成物を採取したテープを用紙に張り付けたものの白色度Ds(%)と、トナー組成物を採取していないテープを用紙に貼り付けたものの白色度Do(%)とをそれぞれ測定し、それらの白色度をもとに、以下の式よりかぶり値を算出した。
【0047】
かぶり値(%)=Do(%)−Ds(%)
ここで、このかぶり値は、この値が小さい(つまり0に近い)程、画像形成した際の画質が良好なトナーであることを意味し、特にこのかぶり値が2未満であれば、紙上でのかぶりは目視での確認が困難になるため、極めて画質が良好であるといえる。
【0048】
表1に示すトナーA〜Mは、多種多様のトナーを製造し、性質を測定した結果の一部であり、トナーA〜Hには、前述のかぶり値が2未満のものを示す。
表1のトナーA〜Hの測定結果から解るように、トナーA〜Hは、水との接触角が90°より大きく、有機の表面改質剤による粒子表面の被覆率が25〜80%になるように粒子表面の改質処理がなされた酸化鉄粒子を用いて製造され、製造されたトナーA〜Hを塩酸中にて溶解させた際に、トナーA〜Hの内部に位置している等の事情により溶解しない酸化鉄粒子の割合(内包)が25重量%以上である。
【0049】
このようなトナーA〜Hを用いて、画像形成装置により画像形成を行えば、酸化鉄の元素調整等を行うことなく、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
トナー粒子径D(μm)は、コールターマルチサイザー2型(コールター製)を使用し、測定条件としては、アパーチャ径を50μmとし、サンプル濃度を20秒当たり約5万カウントになるように調整し、測定した。
【0050】
また、酸化鉄粒子径d(μm)は、電子顕微鏡(例えば、SUPERSCAN220(島津製作所製))を使用し、50〜100個程度の酸化鉄粒子について、酸化鉄粒子径dを測定し、その平均値を採用している。
また、トナーA〜Hの磁気特性は、酸化鉄粒子の静電潜像現像剤内での分散性、それに起因する帯電の均一性、および帯電能力にも影響を及ぼすものと考えられるため、79.6kA/mの磁場であっては、保磁力Hcが3〜10kA/mの範囲であって、飽和磁化σsに対する残留磁化σrの比の値(σr/σs)が0.3以下であれば、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【0051】
また、酸化鉄粒子の表面処理に使用するカップリング剤には、トナーA〜Hのようにシランカップリング剤を使用したトナーであれば、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
更に、本実施例で得られたトナーA〜Hのように、懸濁重合法で製造したトナーA〜Hであれば、確実にかぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【0052】
また、トナーA〜Hに使用される酸化鉄粒子の形状を球形にして、酸化鉄粒子同士の接触面積を小さくすることにより、酸化鉄粒子同士を凝集し難くしているので、多面体形状を有する酸化鉄粒子を使用する場合と比べて、酸化鉄粒子同士を凝集し難くなり、トナーA〜Hであると、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【0053】
次に、本実施例で得られたトナーA〜Hを使用して、画像形成を行う画像形成装置について説明する。
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタの1実施形態を示す要部側断面図である。図1において、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0054】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる紙粉取りローラ10および11と、紙粉取りローラ10および11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0055】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ローラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設され、給紙パット9の裏側に配設されるばね13によって、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ10および11によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしている。
【0056】
なお、このフィーダ部4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット25とを備えており、マルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット25は、互いに対向状に配設され、マルチパーパス側給紙パット25の裏側に配設されるばね25aによって、マルチパーパス側給紙パット25がマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧されている。マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側給紙パット25とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
【0057】
画像形成部5は、露光手段としてのスキャナユニット16、現像ユニットとしてのプロセスユニット17、定着部18などを備えている。
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示省略)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20および21、反射鏡22、23および24などを備えており、レーザ発光部から発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22および23、レンズ21、反射鏡24の順に通過あるいは反射させて、後述するプロセスユニット17の感光体としての感光ドラム27の表面上に高速走査にて照射させている。
【0058】
プロセスユニット17は、スキャナユニット16の下方に配設され、図2に示すように、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるドラムカートリッジ26内に、感光ドラム27、現像カートリッジ28、スコロトロン型帯電器29、転写手段としての転写ローラ30、クリーニングローラ51を備えている。
【0059】
現像カートリッジ28は、ドラムカートリッジ26に対して着脱自在に装着されており、現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33およびトナーボックス34などを備えている。
トナーボックス34内には、トナー(表1参照)が充填されている。そして、トナーボックス34内のトナーは、トナーボックス34の中心に設けられる回転軸35に支持されるアジテータ36の矢印方向(時計方向)への回転により、攪拌されて、トナーボックス34の側部に開口されたトナー供給口37から放出される。なお、トナーボックス34の側壁には、トナーの残量検知用の窓38が設けられており、回転軸35に支持されたクリーナ39によって清掃される。
【0060】
トナー供給口37の側方位置には、供給ローラ33が矢印方向(反時計方向)に回転可能に配設されており、また、この供給ローラ33に対向して、現像ローラ31が矢印方向(反時計方向)に回転可能に配設されている。そして、これら供給ローラ33と現像ローラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
【0061】
供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。また、現像ローラ31は、金属製のローラ軸に、磁気特性を持たない導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ31のローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。なお、現像ローラ31には、現像バイアスが印加される。
【0062】
また、現像ローラ31の近傍には、層厚規制ブレード32が配設されている。この層厚規制ブレード32は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部40を備えており、現像ローラ31の近くにおいて現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブレード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接されるように構成されている。
【0063】
そして、トナー供給口37から放出されるトナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給され、この時、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32の押圧部40と現像ローラ31との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
【0064】
感光ドラム27は、現像ローラ31の側方位置において、その現像ローラ31と対向するような状態で矢印方向(時計方向)に回転可能に配設されている。この感光ドラム27は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分が、ポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。なお、この感光ドラム27は、図示しないメインモータからの動力によって回転駆動されるように構成されている。
【0065】
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム27の上方に、感光ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。このスコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0066】
そして、感光ドラム27の表面は、その感光ドラム27の回転に伴なって、まず、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0067】
次いで、現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム27に対向して接触する時に、感光ドラム27の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム27の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0068】
転写ローラ30は、感光ドラム27の下方において、この感光ドラム27に対向するように配置され、ドラムカートリッジ26に矢印方向(反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光ドラム27の表面上に担持された可視像は、用紙3が感光ドラム27と転写ローラ30との間を通る間に用紙3に転写される。
【0069】
定着部18は、図1に示すように、プロセスユニット17の側方下流側に配設され、加熱ローラ41、加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、および、これら加熱ローラ41および押圧ローラ42の下流側に設けられる1対の搬送ローラ43を備えている。加熱ローラ41は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、プロセスユニット17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。排紙パス44に送られた用紙3は、排紙ローラ45に送られて、その排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。
【0070】
また、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するために、反転搬送部47が設けられている。この反転搬送部47は、排紙ローラ45と、反転搬送パス48と、フラッパ49と、複数の反転搬送ローラ50とを備えている。
【0071】
排紙ローラ45は、1対のローラからなり、正回転および逆回転の切り換えができるように構成されている。この排紙ローラ45は、上記したように、排紙トレイ46上に用紙3を排紙する場合には、正方向に回転するが、用紙3を反転させる場合には、逆方向に回転する。
【0072】
反転搬送パス48は、排紙ローラ45から画像形成部5の下方に配設される複数の反転搬送ローラ50まで用紙3を搬送することができるように、上下方向に沿って設けられており、その上流側端部が、排紙ローラ45の近くに配置されるとともに、その下流側端部が、反転搬送ローラ50の近くに配置されている。
【0073】
フラッパ49は、排紙パス44と反転搬送パス48との分岐部分に臨むように、揺動可能に設けられており、図示しないソレノイドの励磁または非励磁により、排紙ローラ45によって反転された用紙3の搬送方向を、排紙パス44に向かう方向から、反転搬送パス48に向かう方向に切り換えることができるように構成されている。
【0074】
反転搬送ローラ50は、給紙トレイ6の上方において、略水平方向に複数設けられており、最も上流側の反転搬送ローラ50が、反転搬送パス48の後端部の近くに配置されるとともに、最も下流側の反転搬送ローラ50が、レジストローラ12の下方に配置されるように設けられている。
【0075】
そして、用紙3の両面に画像を形成する場合には、この反転搬送部47が、次のように動作される。すなわち、一方の面に画像が形成された用紙3が搬送ローラ43によって排紙パス44から排紙ローラ45に送られてくると、排紙ローラ45は、用紙3を挟んだ状態で正回転して、この用紙3を一旦外側(排紙トレイ46側)に向けて搬送し、用紙3の大部分が外側に送られ、用紙3の後端が排紙ローラ45に挟まれた時に、正回転を停止する。次いで、排紙ローラ45は、逆回転するとともに、フラッパ49が、用紙3が反転搬送パス48に搬送されるように、搬送方向を切り換えて、用紙3を前後逆向きの状態で反転搬送パス48に搬送するようにする。なお、フラッパ49は、用紙3の搬送が終了すると、元の状態、すなわち、搬送ローラ43から送られる用紙3を排紙ローラ45に送る状態に切り換えられる。次いで、反転搬送パス48に逆向きに搬送された用紙3は、反転搬送ローラ50に搬送され、この反転搬送ローラ50から、上方向に反転されて、レジストローラ12に送られる。レジストローラ12に搬送された用紙3は、裏返しの状態で、再び、所定のレジスト後に、画像形成部5に向けて送られ、これによって、用紙3の両面に所定の画像が形成される。
【0076】
このように、トナーA〜Hの何れかを使用して、レーザプリンタ1により画像を形成すれば、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
また、このレーザプリンタ1は、トナーA〜Hにキャリア等を混ぜる必要がなく、トナーA〜Hの何れかのみを使用して画像を形成する1成分画像形成装置として使用することができる。
【0077】
尚、本実施例におけるトナーA〜Hでは、カップリング剤にシランカップリング剤を用いたが、特に、シランカップリング剤に限らず、例えば、チタンカップリング剤等を用いてもよい。
また、本実施例におけるトナーA〜Hでは、懸濁重合法により、トナーA〜Hを製造したが、特に懸濁重合法に限らず、例えば、分散重合法等の方法で製造してもよい。
【0078】
上述のようにしても、かぶりの少ない高品位な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプリンタの1実施形態を示す側断面図である。
【図2】プロセスユニット部分の側断面図である。
【符号の説明】
1…レーザプリンタ、2…本体ケーシング、3…用紙、4…フィーダ部、5…画像形成部、6…給紙トレイ、7…用紙押圧板、8…給紙ローラ、9…給紙パット、10…紙粉取りローラ、12…レジストローラ、14…マルチパーパストレイ、15…マルチパーパス側給紙ローラ、16…スキャナユニット、17…プロセスユニット、18…定着部、19…ポリゴンミラー、20…レンズ、21…レンズ、22、24…反射鏡、25…マルチパーパス側給紙パット、26…ドラムカートリッジ、27…感光ドラム、28…現像カートリッジ、29…スコロトロン型帯電器、30…転写ローラ、31…現像ローラ、32…層厚規制ブレード、33…供給ローラ、34…トナーボックス、35…回転軸、36…アジテータ、37…トナー供給口、38…窓、39…クリーナ、40…押圧部、41…加熱ローラ、42…押圧ローラ、43…搬送ローラ、44…排紙パス、45…排紙ローラ、47…反転搬送部、48…反転搬送パス、49…フラッパ、50…反転搬送ローラ、51…クリーニングローラ。

Claims (8)

  1. 感光体に形成された静電潜像を現像して記録媒体に画像を形成する画像形成装置において使用され、少なくとも、着色剤として有機の表面改質剤で粒子表面が改質処理された酸化鉄粒子、および結着樹脂を含有する静電潜像現像剤であって、
    前記粒子表面が改質処理された酸化鉄粒子は、水との接触角が90°より大きく、前記表面改質剤による粒子表面の被覆率が25〜80%であって、
    当該静電潜像現像剤は、塩酸中にて溶解させた際に、溶解しない着色剤の割合が25%以上であること
    を特徴とする静電潜像現像剤。
  2. 当該静電潜像現像剤の粒子径Dに対する前記酸化鉄粒子の粒子径dの比の値(d/D)が、0.01〜0.03の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤。
  3. 当該静電潜像現像剤は、79.6kA/mの磁場における保磁力Hcが3〜10kA/mの範囲であって、飽和磁化σsに対する残留磁化σrの比の値(σr/σs)が0.3以下であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電潜像現像剤。
  4. 当該静電潜像現像剤は、懸濁重合法により形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の静電潜像現像剤。
  5. 前記表面改質剤はシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の静電潜像現像剤。
  6. 前記酸化鉄粒子の形状が球形であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の静電潜像現像剤。
  7. 感光体に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記感光体および静電潜像現像剤を備え、前記感光体に形成された静電潜像を、少なくとも前記静電潜像現像剤により現像し、可視像を形成する現像ユニットと、
    前記感光体に対向して位置し、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置において、
    前記静電潜像現像剤は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の静電潜像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 当該画像形成装置は、前記静電潜像現像剤のみにより前記感光体に形成された静電潜像を現像する1成分画像形成装置であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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