【0001】
本発明は高感度なハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハロゲン化銀写真感光材料(感料)の高感度化のために多大な努力がなされてきた。ハロゲン化銀写真乳剤においては、ハロゲン化銀粒子表面に吸着した増感色素が感材に入射した光を吸収し、その光エネルギーをハロゲン化銀粒子に伝達することによって感光性が得られる。したがって、ハロゲン化銀の分光増感においては、ハロゲン化銀粒子単位粒子表面積あたりの光吸収率を増加させることによってハロゲン化銀へ伝達される光エネルギ−を増大させることができ、分光感度の高感度化が達成されると考えられる。ハロゲン化銀粒子表面の光吸収率を向上させるためには、単位粒子表面積あたりの分光増感色素の吸着量を増加させればよい。
しかし、ハロゲン化銀粒子表面への増感色素の吸着量には限界があり、単層飽和吸着(すなわち一層吸着)より多くの色素発色団を吸着させるのは困難である。従って、分光増感領域における個々のハロゲン化銀粒子の入射光量子の吸収率は未だ低いのが現状である。
【0003】
これらの点を解決する方法として増感色素を一層吸着より多く吸着させる多くの提案がなされてきた。例えば、特開2002−23294号の従来技術の説明においてこれらの先行技術文献・特許が記載されているが、特に、近年、特定のカチオン性の色素とアニオン性の色素の組合せによる多層吸着による高感度化が試みられている。(例えば、特許文献1、2、3参照)
しかし、いずれの特許や文献の方法でも、十分な高感度化は達成できておらず、更なる技術開発を行う必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−239789号公報
【特許文献2】
特開平10−171058号公報
【特許文献3】
欧州特許出願公開第0985965A号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高感度なハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成された。
(1)下記一般式(1)で表される色素を少なくとも1種含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】
式中、Z1は5、または6員の含窒素複素環を形成する為に必要な原子群をあらあわす。Z1は縮環していてもよい。Xは置換または無置換のベンゾフラン基を表す。L1、L2はメチン基を表す。p1は0または1を表す。Qは一般式(1)の分子全体としてメチン色素を形成するのに必要な基を表す。R1はアルキル基、アリール基、複素環基を表す。M1は電荷均衡対イオンを表し、m1は分子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。
(2) ハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層吸着したことを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
【0010】
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基[(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、また、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、も含むこととする。]、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
【0011】
更に詳しくは、Wは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイド)、を表わす。
【0012】
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
【0013】
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、が挙げられる。
より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
【0014】
以下に、本発明のハロゲン化銀感光材料で用いる一般式(1)で表される色素について説明する。
一般式(1)で表されるメチン色素の構造としては、好ましくは、シアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素などのメチン色素が挙げられる。これらのうち好ましくはシアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、ロダシアニン色素であり、さらに好ましくはシアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素であり、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素であり、最も好ましくはトリメチンシアニン色素である。一般式(1)のQは、これらのメチン色素を完成するのに必要な残基である。
【0015】
これらの色素の詳細については、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、などに記載されている。
さらに説明を加えると、RD17643の23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右欄、欧州特許第0565096A1号の第65頁7〜10行、に記載されているものを好ましく用いることができる。また、好ましい色素の一般式としては、米国特許第5,747,236号(特に第30〜39頁)、米国特許第5、340、694号(特に第21〜60頁、但し、(XI)、(XII)、(XIII)に示されている増感色素において、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)に記載されている一般式等が挙げられる。
【0016】
Qによりシアニン色素が形成される場合は、下記のような共鳴式で表現することも可能である。
【0017】
【化3】
【0018】
本発明においては一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)または(3)で表される時が好ましい。一般式(2)と一般式(3)のうち、好ましくは一般式(2)である。
一般式(2)
【0019】
【化4】
【0020】
式中、 L3、L4、L5、L6、L7、L8及びL9はそれぞれメチン基を表す。R2及びR3は各々アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 Z2及びZ3はそれぞれ5又は6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、更に縮環されていても良い。n1は0、1、2または3を表す。p2及びp3はそれぞれ0又は1 を表す。X、M1、m1は一般式(1)中のものと同義である。
一般式(3)
【0021】
【化5】
【0022】
式中、 L10、L11、L12、及びL13はそれぞれメチン基を表す。 Z4は5又は6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、更に縮環されていても良い。Z5とZ5’は(N−R5)q1と一緒になって環式、または非環式の酸性末端基を形成する為に必要な原子群を表す。 R4及びR5は各々アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。q1は0または1を表す。n2は0、1、2または3を表す。p4は0又は1を表す。X、M1、m1は一般式(1)中のものと同義である。
【0023】
一般式(1)、(2) 及び(3)において、Z1、Z2、Z3及びZ4で表される5又は6員の含窒素複素環は、ベンゼン環などによりさらに縮環していてもよい。Z1 、Z2 、Z3及びZ4として、チアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば、3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核を挙げることができる。
【0024】
好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾイミダゾール核およびキノリン核であり、さらに好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核である。
【0025】
Xはベンゾフラン基を表す。XはZ1、Z2、Z3及びZ4で表される5又は6員の含窒素複素環上(縮環上も含む)のどこに結合していてもよい。Xは、ベンゾ縮環したベンゼン環上に結合しているのが好ましい。Z1〜Z4がベンゾアゾール環の場合、ベンゼン環への好ましい結合位置は5位または6位であり、特に5位が好ましい。
【0026】
ベンゾフラン基上に更に前述のWで示した置換基が置換していても良いが、好ましくは無置換またはハロゲン、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基が置換した場合であり、更に好ましくは、無置換またはカルバモイル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基が置換した場合であり、特に好ましくは無置換の場合である。
【0027】
Z5とZ5’は(N−R5)q1と一緒になって環式、または非環式の酸性末端基を形成する為に必要な原子群を表す。例えばZ5はチオカルボニル基、カルボニル基、エステル基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホニル基である。Z5’は酸性核及び非環式の酸性末端基を形成するために必要な残りの原子群を表す。
【0028】
Z5とZ5’は(N−R5)q1と一緒になって形成される環式または非環式の酸性末端基は、例えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the Photographic Process)第4版、マクミラン出版社、1977年、198〜200頁に記載されている。ここでは、非環式の酸性末端基とは、酸性すなわち電子受容性の末端基のうち、環を形成しないものを意味することとする。環式の酸性末端基は以下酸性核と呼ぶ。
酸性核及び非環式の酸性末端基は、具体的には、米国特許第3、567、719号、第3、575、869号、第3、804、634号、第3、837、862号、第4、002、480号、第4、925、777号、特開平3ー167546号、米国特許第5,994,051号、米国特許5,747,236号などに記載されているものが挙げられる。
【0029】
酸性核は、炭素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原子からなる複素環(好ましくは5員又は6員の含窒素複素環)を形成するとき好ましく、さらに好ましくは炭素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原子からなる5員又は6員の含窒素複素環を形成するときである。具体的には、例えば次の核が挙げられる。
【0030】
2ーピラゾリンー5ーオン、ピラゾリジンー3、5ージオン、イミダゾリンー5ーオン、ヒダントイン、2または4ーチオヒダントイン、2ーイミノオキサゾリジンー4ーオン、2ーオキサゾリンー5ーオン、2―チオオキサゾリジンー2、5―ジオン、2ーチオオキサゾリンー2、4ージオン、イソオキサゾリンー5ーオン、2ーチアゾリンー4ーオン、チアゾリジンー4ーオン、チアゾリジンー2、4ージオン、ローダニン、チアゾリジンー2、4ージチオン、イソローダニン、インダンー1、3ージオン、チオフェンー3ーオン、チオフェンー3ーオンー1、1ージオキシド、インドリンー2ーオン、インドリンー3ーオン、2ーオキソインダゾリニウム、3ーオキソインダゾリニウム、5、7ージオキソー6、7ージヒドロチアゾロ[3,2−a]ピリミジン、シクロヘキサンー1、3ージオン、3、4ージヒドロイソキノリンー4ーオン、1、3ージオキサンー4、6ージオン、バルビツール酸、2ーチオバルビツール酸、クロマンー2、4ージオン、インダゾリンー2ーオン、ピリド[1,2−a]ピリミジンー1、3ージオン、ピラゾロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1、2、3、4ーテトラヒドロキノリンー2、4ージオン、3ーオキソー2、3ージヒドロベンゾ[d]チオフェンー1、1ージオキサイド、3ージシアノメチンー2、3ージヒドロベンゾ[d]チオフェンー1、1ージオキサイドの核。
【0031】
さらに、これらの核を形成しているカルボニル基もしくはチオカルボニル基を、酸性核の活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する核、及び、非環式の酸性末端基の原料となるケトメチレンやシアノメチレンなどの構造を有する活性メチレン化合物の活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する核。
【0032】
これらの酸性核、及び非環式の酸性末端基には、前述の置換基Wで示した置換基又は環が、置換していても、縮環していても良い。
【0033】
q1は0又は1であるが、好ましくは1である。
【0034】
Z5とZ5’は(N−R5)q1と一緒になって形成される環式または非環式の酸性末端基としては、ヒダントイン、2または4ーチオヒダントイン、2ーオキサゾリンー5ーオン、2ーチオオキサゾリンー2、4ージオン、チアゾリジンー2、4ージオン、ローダニン、チアゾリジンー2、4ージチオン、バルビツール酸、2ーチオバルビツール酸が好ましいが、より好ましくは、2または4ーチオヒダントイン、2ーオキサゾリンー5ーオン、2ーチオオキサゾリンー2、4ージオン、ローダニン、チアゾリジンー2、4ージチオン、バルビツール酸、2ーチオバルビツール酸であり、更に好ましくは、バルビツール酸、2ーチオバルビツール酸である。
【0035】
R1 、R2、R3、R4及びR5はそれぞれアルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアルキル基としては、例えば、炭素原子1から18、好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、炭素原子1から18、好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば前述のWが置換したアルキル基が挙げられる。好ましくはアラルキル基(例えばベンジル、2−フェニルエチル)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば2−フェノキシエチル、2−(1−ナフトキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば3−フェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えばN,N−ジメチルカルバモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−〔3−スルホプロポキシ〕エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル)、スルホアルケニル基(例えば、スルホアリル基)、スルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、2−フルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、テトラヒドロフルフリル、3−(1−ピリジニオ)プロピル、3−(3−メチル−1‐イミダゾリオ)プロピル)、アルキルスルホニルカルバモイルメチル基(例えばメタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アンモニオアルキル基(例えば、3−(トリメチルアンモニオ)プロピル、3−アンモニオプロピル)、アミノアルキル基(例えば、3−アミノプロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、4−(メチルアミノ)ブチル)、グアニジノアルキル基(例えば、4−グアノジノブチル)が挙げられる。
【0036】
R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアリール基としては、炭素原子1から18、好ましくは1から10の、置換または無置換のアリール基{置換基としては前述のWが置換したアリール基が挙げられる。例えば、無置換のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、アルキルアリール基(例えば、4‐メチルフェニル、5,8‐ジメチルナフチル基)、不飽和炭化水素基置換アリール基(例えば、4‐ビニルフェニル基)、ヒドロキシアリール基(例えば、2−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル)、カルボキシアリール基(例えば、2−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニル)、アルコキシアリール基(例えば、4−メトキシフェニル)、アリーロキシアリール基(例えば2−フェノキシフェニル)、アルコキシカルボニルアリール基(例えばエトキシカルボニルフェニル)、アリーロキシカルボニルアリール基、アシルオキシアリール基、アシルアリール基、ハロゲン置換アリール基(例えば4−クロロフェニル基)、スルファモイルアリール基、スルホアリール基、及びこれらに更に前述の置換基Wが置換したアリール基}が挙げられる。
【0037】
R1、R2、R3、R4及びR5で表される複素環基としては、前述のZ1などによって形成される複素環基などが挙げられる。
【0038】
R1、R2、R3、R4及びR5で表される基として好ましくは、アルキル基であり、さらに好ましくは上述の無置換アルキル基、カルボキシアルキル基、アンモニオアルキル基、アミノアルキル基、グアニジノアルキル基、及びスルホアルキル基であり、さらに好ましくは無置換アルキル基、アンモニオアルキル基、及びスルホアルキル基であり、特に好ましくはスルホプロピル基である。
【0039】
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、L11、L12、及びL13はそれぞれ独立にメチン基を表す。L1 〜L13で表されるメチン基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えば置換もしくは無置換の炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から5のアルキル基(例えばメチル、エチル、2−カルボキシエチル)、置換もしくは無置換の炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、さらに好ましくは炭素数6から10のアリール基(例えばフェニル、o−カルボキシフェニル)、置換もしくは無置換の炭素数3から20、好ましくは炭素数4から15、さらに好ましくは炭素数6から10の複素環基(例えばN,N−、ジエチルバルビツール酸基)、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素、沃素)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から5のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から5のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、さらに好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数2から10、さらに好ましくは炭素数4から10のアミノ基(例えば、N,N−ジフェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチルピペラジノ)などが挙げられる。また他のメチン基と環を形成してもよく、あるいはZ1、Z2、Z3 、Z4 、Z5と環を形成することもできる。
【0040】
n1 、n2 として好ましくは0、1、2、3である。n1 としてさらに好ましくは0、1であり、特に好ましくは1である。n2 として好ましくは0、1であり、さらに好ましくは0である。n1 、n2 が2以上の時、メチン基が繰り返されるが同一である必要はない。
【0041】
M1 は色素のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イオンの存在を示すため式の中に含められている。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H+ ) 、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。m1 は電荷を均衡させるのに必要な数を表し、分子内で塩を形成する場合に0である。
【0042】
以下に本発明で用いられる一般式(1)で表される色素(下位概念の一般式(2)、及び(3) で表される色素を含む)の具体例を示すが、これにより本発明が制限されるわけではない。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
本発明で用いられるpH変化によりJ会合性が変化する色素は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレイテイド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds − Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compouds − Special Topics in Heterocyclic Chemistry)」、第18章、第14節、482から515頁、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compouds)」第2版、ボリュームIV、パートB、第15章、369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社−ニューヨーク、1977年刊などに記載の方法を参考にして合成することが出来る。
【0049】
本発明に用いる色素の合成例を示す。
下記スキームに従ってdye1を合成した。
【0050】
【化11】
【0051】
窒素気流下、5−ブロモ−2−メチルベンゾオキサゾール(1)21g、アリールホウ酸(2)25g、炭酸カリウム43g、DMF200mlを混合し、外温100℃で攪拌しながら、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2gを添加し、この温度で5時間攪拌した。反応終了後、水200mlと酢酸エチル300mlを加えよく攪拌し、セライト濾過し、濾液を分液ロートに移して静置後、有機層を分離して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ゴミ取り濾過後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた結晶を酢酸エチルから再結晶することにより、化合物3を得た。得られた化合物が化合物3であることをNMRにより確認した。収率72%。
次に、化合物3を6gと、プロパンサルトン4.4g、アニソール5mlを混合し、140℃で5時間攪拌した。冷却後、アセトン80mlを添加し晶析、濾取乾燥することで四級塩化合物4を得た。(収率79%)
四級塩化合物4を5g、トリエチルオルトプロピオネイト15ml、ピリジン15ml、及び酢酸5mlを混合し、外温120℃で2時間攪拌した。冷却後、アセトン100mlを加え室温で30分攪拌、結晶を濾取した。更に結晶をメタノールで熱洗浄し、結晶を濾取乾燥した。
得られた結晶はdye1であることをNMR により確認した。収量1.36g(収率23%)
【0052】
本発明において、一般式(1)で表される色素はだけでなく、一般式(1)で表される色素に以外の他の増感色素を用いたり、併用しても良い。用いられる色素として、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、アロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素である。これらの色素の詳細については、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、などに記載されている。
さらに説明を加えると、RD17643の23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右欄、欧州特許第0565096A1号の第65頁7〜10行、に記載されているものを好ましく用いることができる。また、好ましい色素の一般式としては、米国特許第5,747,236号(特に第30〜39頁)、米国特許第5,340,694号(特に第21〜60頁、但し、(XI)、(XII)、(XIII)に示されている増感色素において、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)に記載されている一般式等が挙げられる。
【0053】
本発明で用いられる、一般式(1)で表される色素は(以下単にメチン色素と言う)の添加量は好ましくはハロゲン化銀1モル当り0.01〜8.0ミリモルであり、さらに好ましくはハロゲン化銀1モル当り0.1〜3.5ミリモルであり、特に好ましくはハロゲン化銀1モル当り0.2〜1.5ミリモルである。最適の色素濃度は写真材料の意図された最終用途に依存するであろうし、当該技術分野で知られる方法により決定できる。
【0054】
本発明では、以上詳述した、一般式(1)で表される色素を本発明のハロゲン化銀乳剤中に含有させるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、或いは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。また、米国特許3,469,987号明細書等に記載のごとき、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶液を水又は親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24185号等に記載のごとき、水不溶性色素を溶解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号、特公昭44−27555号、特公昭57−22091号等に記載されているごとき、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加したり、酸又は塩基を共存させて水溶液とし乳剤中へ添加する方法、米国特許3,822,135号、米国特許4,006,025号明細書等に記載のごとき、界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中へ添加する方法、特開昭53−102733号、特開昭58−105141号に記載のごとき、親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74624号に記載のごとき、レッドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法等を用いることもできる。また、溶解に超音波を使用することもできる。
【0055】
本発明で用いられる、一般式(1)で表される色素は分割して添加しても、一度に添加してもよい。一般式(1)で表される色素の添加は乳剤調製時のいかなる時期に添加してもよい。色素の添加温度は何度でもよいが、一般式(1)で表される色素添加時の乳剤温度は好ましくは10℃以上75℃以下、特に好ましくは30℃以上65℃以下である。本発明で用いられる乳剤は未化学増感でもよいが、化学増感してあることが好ましい。一般式(1)で表される色素の全添加量が化学増感前に添加されてもよいし、化学増感後に添加されてもよい。
【0056】
次に、多層吸着について説明するが、まず、以下の説明において用いる用語の意味を記述する。
色素占有面積:色素一分子あたりの占有面積。吸着等温線から実験的に求めることが出来る。共有結合で色素発色団が連結された色素の場合には、連結しない状態の個々の色素の色素占有面積を基準とする。簡易的には80Å2。
一層飽和被覆量:一層飽和被覆時の単位粒子表面積あたりの色素吸着量。添加された色素のうち最小の色素占有面積の逆数。
多層吸着:単位粒子表面積あたりの色素発色団の吸着量が一層飽和被覆量よりも多い状態。
吸着層数:一層飽和被覆量を基準とした時の単位粒子表面積あたりの色素発色団の吸着量。
【0057】
本発明において、多層吸着とは、色素発色団がハロゲン化銀粒子表面上に一層より多く積層していることを意味する。
ここで、増感色素がハロゲン化銀粒子表面上に一層より多く積層した状態とは、ハロゲン化銀粒子近傍に束縛された色素が一層より多く存在することを意味し、分散媒中に存在する色素を含まない。また、色素発色団が粒子表面上に吸着した物質と共有結合で連結されている場合でも、連結基が非常に長く、色素発色団が分散媒中に存在する場合には光吸収強度を増加させる効果は小さく、好ましくない。また、粒子表面に直接吸着していない色素によって分光増感が生じることが必要であり、そのためにはハロゲン化銀に直接吸着していない色素から粒子に直接吸着した色素への励起エネルギーの伝達が必要となる。したがって、励起エネルギーの伝達が10段階を超えて起きる必要のある場合には、最終的な励起エネルギーの伝達効率が低くなるため好ましくない。この1例は特開平2―113239などのポリマー色素のように色素発色団の大部分が分散媒中に存在し、励起エネルギーの伝達が10段階以上必要な場合が挙げられる。
本発明では一分子あたりの色素発色団数は1から3が好ましく、1から2がさらに好ましく、1であることが最も好ましい。
【0058】
ここで述べた発色団とは、理化学辞典(第四版、岩波書店、1987年)、985〜986頁に記載の分子の吸収帯の主な原因となる原子団を意味し、例えばC=C、N=Nなどの不飽和結合を持つ原子団など、いかなる原子団も可能である。
【0059】
例えば、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素が挙げられる。
好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素などのポリメチン発色団が挙げられる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、最も好ましくはシアニン色素である。
【0060】
これらの色素の詳細については、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、などに記載されている。
さらに説明を加えると、RD17643の23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右欄、欧州特許第0565096A1号の第65頁7〜10行、に記載されているものを好ましく用いることができる。また、好ましい色素の一般式としては、米国特許第5,747,236号(特に第30〜39頁)、米国特許第5、340、694号(特に第21〜60頁、但し、(XI)、(XII)、(XIII)に示されている増感色素において、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)に記載されている一般式等が挙げられる。
【0061】
ハロゲン化銀粒子への色素発色団の吸着は、好ましくは1.5層以上、さらに好ましくは1.7層以上、特に好ましくは2層以上である。なお、上限は特にないが、10層以下が好ましく、さらに好ましくは5層以下である。
【0062】
本発明においてハロゲン化銀粒子表面に発色団が一層より多く吸着した状態とは、該乳剤に添加される増感色素のうち、ハロゲン化銀粒子表面の色素占有面積が最も小さい色素によって到達する単位表面積あたりの飽和吸着量を一層飽和被覆量とし、この一層飽和被覆量に対して色素発色団の単位面積当たりの吸着量が多い状態をいう。また、吸着層数は一層飽和被覆量を基準とした時の吸着量を意味する。ここで、共有結合で色素発色団が連結された色素の場合には、連結しない状態の個々の色素の色素占有面積を基準とすることが出来る。
色素占有面積は、遊離色素濃度と吸着色素量の関係を示す吸着等温線、および粒子表面積から求めることが出来る。吸着等温線は、例えばエー・ハーツ(A.Herz)らのアドソープション フロム アクエアス ソリューション(Adsorption from Aqueous Solution)アドバンシーズ イン ケミストリー シリーズ(Advances in Chemistry Series)No.17、173ページ(1968年)などを参考にして求めることが出来る。
【0063】
増感色素の乳剤粒子への吸着量は、色素を吸着させた乳剤を遠心分離器にかけて乳剤粒子と上澄みのゼラチン水溶液に分離し、上澄み液の分光吸収測定から未吸着色素濃度を求めて添加色素量から差し引くことで吸着色素量を求める方法と、沈殿した乳剤粒子を乾燥し、一定質量の沈殿をチオ硫酸ナトリウム水溶液とメタノールの1:1混合液に溶解し、分光吸収測定することで吸着色素量を求める方法の2つの方法を用いることが出来る。複数種の増感色素を用いている場合には高速液体クロマトグラフィーなどの手法で個々の色素について吸着量を求めることも出来る。上澄み液中の色素量を定量することで色素吸着量を求める方法は、例えばダブリュー・ウエスト(W.West)らのジャーナル オブ フィジカル ケミストリー(Journal of Physical Chemistry)第56巻、1054ページ(1952年)などを参考にすることができる。しかし、色素添加量の多い条件では未吸着色素までも沈降することがあり、上澄み中の色素濃度を定量する方法では必ずしも正しい吸着量を得られないことがあった。一方沈降したハロゲン化銀粒子を溶解して色素吸着量を測定する方法であれば乳剤粒子の方が圧倒的に沈降速度が速いため粒子と沈降した色素は容易に分離でき、粒子に吸着した色素量だけを正確に測定できる。この方法が色素吸着量を求める方法として最も信頼性が高い。
【0064】
ハロゲン化銀粒子表面積の測定方法の一例としては、レプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮影して、個々の粒子の形状とサイズを求め算出する方法がある。この場合、平板状粒子において厚みはレプリカの影(シャドー)の長さから算出する。透過型電子顕微鏡写真の撮影方法としては、例えば、日本電子顕微鏡学会関東支部編「電子顕微鏡試料技術集」誠分堂新光社1970年刊、バターワーズ社(Buttwrworths)、ロンドン、1965刊、ピー・ビー・ヒルシュ(P.B.Hirsch)らのエレクトロン マイクロスコープ オブ チン クリスタル(Electron Microscopy of Thin
Crystals)を参考にすることができる。
【0065】
他の方法としては、例えばエイ・エム・クラギン(A.M.Kragin)らのらのジャーナル オブ フォトグラフィック サイエンス(The Journal of Photographic Science)第14巻、185ページ(1966年)、ジェイ・エフ・パディ(J.F.Paddy)のトランスアクションズ オブ ザ ファラデ− ソサイアティ(Transactions of the Faraday Society)第60巻1325ページ(1964年)、エス・ボヤー(S.Boyer)らのジュナル デ シミフィジク エ デ フィジコシミ ビジョロジク(Journal de Chimie Physique et de Physicochimie biologique)第63巻、1123ページ(1963年)、ダブリュー・ウエスト(W.West)らのジャーナル オブ フィジカル ケミストリー(Journal of Physical Chemistry)第56巻、1054ページ(1952年)、エイチ・ソーヴエニアー(H.Sauvenier)編集、イー・クライン(E.Klein)らのインターナショナル・コロキウム(International Coloquium)、リエージュ(Liege)、1959年、「サイエンティフィック フォトグラフィー(Scientific Photography)」などを参考にすることができる。
色素占有面積は上記の方法で個々の場合について実験的に求められるが、通常用いられる増感色素の分子占有面積はほぼ80Å2付近であるので、簡易的にすべての色素について色素占有面積を80Å2としておおよその吸着層数を見積もることも出来る。
【0066】
本発明において、ハロゲン化銀粒子に色素発色団が多層に吸着している場合、ハロゲン化銀粒子に直接吸着している、いわゆる1層目の色素発色団と2層目以上の色素発色団の還元電位、及び酸化電位はいかなるものでも良いが、1層目の色素発色団の還元電位が2層目以上の色素発色団の還元電位の値から0.2vを引いた値よりも、貴であることが好ましい。
【0067】
還元電位、及び酸化電位の測定は、種々の方法が可能であるが、好ましくは、位相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィーで行う場合であり、正確な値を求めることができる。なお、以上の位相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィーによる電位の測定法はジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(Journal of Imaging Science)、第30巻、第27頁(1986年)に記載されている。
【0068】
また、2層目以上の色素発色団は、発光性色素の場合が好ましい。発光性色素の種類としては色素レーザー用に使用される色素の骨格構造を持つものが好ましい。これらは例えば、前田三男、レーザー研究、第8巻、694頁、803頁、958頁(1980年)及び第9巻、85頁(1981年)、及びF. Sehaefer著、「Dye Lasers」、Springer(1973年)の中に整理されている。
【0069】
さらに、1層目の色素発色団のハロゲン化銀写真感光材料中における吸収極大波長が2層目以上の色素発色団の吸収極大波長よりも長波長であることが好ましい。さらに、2層目以上の色素発色団の発光が1層目の色素発色団の吸収と重なることが好ましい。また、1層目の色素発色団はJ−会合体を形成した方が好ましい。さらに、所望の波長範囲に吸収および分光感度を有するためには、2層目以上の色素発色団もJ会合体を形成していることが好ましい。
二層目色素の励起エネルギーの一層目色素へのエネルギー移動効率は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは60%、特に好ましくは90%以上である。ここで二層目色素の励起エネルギーとは、二層目色素が光エネルギーを吸収して生成した励起状態の色素が有するエネルギーを指す。ある分子の持つ励起エネルギーが他の分子に移動する場合には励起電子移動機構、フェルスター型エネルギー移動機構(Forster Model)、デクスターエネルギー移動機構(Dextor Model)等を経て励起エネルギーが移動すると考えられているため、本研究の多層吸着系においても、これらの機構から考えられる効率よい励起エネルギー移動を起こすための条件を満たすことが好ましい。さらに、フェルスター型エネルギー移動機構を起こすための条件を満たすことが特に好ましい。フェルスター型のエネルギー移動効率を高めるためには、乳剤粒子表面近傍の屈折率を低下させることも有効である。
二層目色素から一層目色素へのエネルギー移動の効率は、二層目色素励起時の分光増感効率/一層目色素励起時の分光増感効率として求めることが出来る。
【0070】
本発明において光吸収強度とは、単位粒子表面積あたりの増感色素による光吸収面積強度であり、粒子の単位表面積に入射する光量をI0 、該表面で増感色素に吸収された光量をIとしたときの光学濃度Log(I0 /(I0 −I))を波数(cm−1)に対して積分した値と定義する。積分範囲は5000cm−1から35000cm−1までである。
【0071】
本発明にかかわるハロゲン化銀写真乳剤は、分光吸収極大波長が500nm以上の粒子の場合には光吸収強度が100以上、分光吸収極大波長が500nm未満の粒子の場合には光吸収強度が60以上のハロゲン化銀粒子を全ハロゲン化銀粒子投影面積の1/2以上含むことが好ましい。また、分光吸収極大波長が500nm以上の粒子の場合には、光吸収強度は好ましくは150以上、さらに好ましくは170以上、特に好ましくは200以上、であり、分光吸収極大波長が500nm未満の粒子の場合には、光吸収強度は好ましくは90以上、さらに好ましくは100以上、特に好ましくは120以上である。上限は特にないが、好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下、特に好ましくは500以下である。
また分光吸収極大波長が500nm未満の粒子に関しては、分光吸収極大波長は350nm以上であることが好ましい。
【0072】
光吸収強度を測定する方法の一例としては、顕微分光光度計を用いる方法を挙げることができる。顕微分光光度計は微小面積の吸収スペクトルが測定できる装置であり、一粒子の透過スペクトルの測定が可能である。顕微分光法による一粒子の吸収スペクトルの測定については、山下らの報告(日本写真学会、1996年度年次大会講演要旨集、15ページ)を参照することができる。この吸収スペクトルから一粒子あたりの吸収強度が求められるが、粒子を透過する光は上部面と下部面の二面で吸収されるため、粒子表面の単位面積あたりの吸収強度は前述の方法で得られた一粒子あたりの吸収強度の1/2として求めることができる。このとき、吸収スペクトルを積分する区間は光吸収強度の定義上は5000cm−1から35000cm−1であるが、実験上は増感色素による吸収のある区間の前後500cm−1程度を含む区間の積分で構わない。
また、光吸収強度は増感色素の振動子強度と単位面積当たりの吸着分子数で一義的に決定される値であり、増感色素の振動子強度、色素吸着量および粒子表面積を求めれば光吸収強度に換算することが出来る。
増感色素の振動子強度は、増感色素溶液の吸収面積強度(光学濃度×cm−1)に比例する値として実験的に求めることが出来るので、1Mあたりの色素の吸収面積強度をA(光学濃度×cm−1)、増感色素の吸着量をB(mol/molAg)、粒子表面積をC(m2 /molAg)とすれば、次の式により光吸収強度を誤差10%程度の範囲で求めることが出来る。
0.156 ×A×B/C
この式から光吸収強度を算出しても、前述の定義に基づいて測定された光吸収強度(Log(I0 /(I0 −I)))を波数(cm−1)に対して積分した値)と実質的に同じ値が得られる。
【0073】
本発明において、光吸収強度を増加させる方法としては、増感色素をハロゲン化銀粒子表面上に多層吸着させること、すなわちハロゲン化銀粒子表面上に一層より多く積層させることである。
【0074】
また、本発明において光吸収強度の粒子間分布は小さいことが好ましい。
【0075】
光吸収強度の粒子間分布は、顕微分光法を用いて無作為に測定した100個以上の粒子の光吸収強度の変動係数として表すことが出来る。変動係数は100×標準偏差/平均(%)として求められる。光吸収強度は色素吸着量に比例する値であるので、光吸収強度の粒子間分布を色素吸着量の粒子間分布と言い換えても構わない。光吸収強度の粒子間分布の変動係数は、好ましくは60%以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下である。
増感色素の吸収の最大値Amaxのそれぞれ50%を示す最も短波長と最も長波長の間隔の粒子間分布の変動係数は、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
また、粒子ごとの増感色素の吸収極大波長について、好ましくは投影面積の70%以上、さらに好ましくは90%以上の粒子が10nm以内の波長範囲に吸収極大を持つことが好ましい。さらにより好ましくは、粒子ごとの増感色素の吸収極大波長について、好ましくは投影面積の50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上の粒子が5nm以内の波長範囲に吸収極大を持つことが好ましい。
【0076】
光吸収強度(色素吸着量)の粒子間分布は、吸着部位がハロゲン化銀粒子表面に固定されている場合には色素吸着量の増加とともに均一化することが知られているが、本発明の多層吸着の場合には、二層にとどまらず数層吸着が可能であるならば吸着部位に制限はなく、ある粒子は一層吸着、ある粒子は三層吸着といったように非常に粒子間分布が生じ易くなっていることがわかった。解析の結果、二層目色素の全吸着エネルギーに対する二層目色素間の相互作用エネルギーの割合が高まる(一層目と二層目色素分子間の相互作用エネルギーの割合が相対的に低下する)と、多層吸着系の色素吸着量の粒子間不均一が生じ易くなること明らかとなった。一層目と二層目色素分子間の相互作用エネルギーは、二層目色素の全吸着エネルギーに対して、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上である。
【0077】
一層目色素と二層目色素間の相互作用を強化するためには、一層目と二層目の色素分子間の静電相互作用、ファンデルワールス相互作用、水素結合、配位結合およびこれらの複合的な相互作用力を利用することが好ましい。また二層目色素間の主な相互作用は色素発色団間のファンデルワールス相互作用であることが好ましいが、上記の好ましい関係を満たす範囲では静電相互作用、ファンデルワールス相互作用、水素結合、配位結合およびこれらの複合的な相互作用を利用することもまた好ましい。
二層目色素の全吸着エネルギーに対する一層目と二層目色素分子間の相互作用エネルギーの割合は、前述の方法で同様に測定することが出来る。
また色素吸着量の粒子間分布、および2層目以降の増感色素の状態は、色素の添加条件等にも影響される。好ましくは比較的低温で色素を添加し、その後昇温する方法である。
また、色素を80℃以上の高温で添加するのは好ましくない場合がある。
【0078】
光吸収強度60、又は100以上のハロゲン化銀写真乳剤粒子を含有する乳剤の増感色素による分光吸収率の最大値Amax、および分光感度の最大値Smaxのそれぞれ50%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは120nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
またAmaxおよびSmaxの80%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は好ましくは20nm以上で、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下、特に好ましくは50nm以下である。
またAmaxおよびSmaxの20%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは180nm以下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは120nm以下、最も好ましくは100nm以下である。
AmaxまたはSmaxの50%の分光吸収率を示す最も長波長は好ましくは460nmから510nm、または560nmから610nm、または640nmから730nmである。
【0079】
分光吸収極大波長が500nm未満で光吸収強度が60以上、または分光吸収極大波長が500nm以上で光吸収強度が100以上のハロゲン化銀粒子を実現する好ましい第一の方法は、次のような特定の色素を用いる方法である。
【0080】
例えば、特開平10−239789、同8−269009、同10−123650号、特開平8−328189号に記載されている芳香族基を持つ色素、又は芳香族基を持つカチオン色素とアニオン色素を併用する方法、特開平10−171058号に記載されている多価電荷を持つ色素を用いる方法、特開平10−104774号に記載されているピリジニウム基を持つ色素を用いる方法、特開平10−186559号に記載されている疎水性基を持つ色素を用いる方法、特開平10−197980号に記載されている配位結合基を持つ色素を用いる方法、及び、特願平11−63588、同11−80141号、同11−159731号、同11−159730号、同11−171324号、同11−221479号、同11−265769号、同11−260643号、同11−331571号、同11−331570号、同11−311039号、同11−331567号、同11−347781号、特願2000−18966号記載の特定の色素を用いる方法、などが好ましい。
【0081】
多層吸着に用いられる色素としては、例えば前述の色素発色団の例として示した色素が挙げられる。好ましくは、前述のポリメチン色素発色団の例として示した色素が挙げられる。
【0082】
さらに好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素であり、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、最も好ましくはシアニン色素である。
【0083】
多層吸着させる特に好ましい方法は、ハロゲン化銀粒子が、(a)アニオン性基少なくとも一つ有する色素が存在し、且つ(b)カチオン性基を少なくとも一つ有する色素が存在している2種以上の色素の組み合わせにより分光増感されている場合である。
【0084】
色素としては、例えば前述の色素発色団の例として示した色素が挙げられる。好ましくは、前述のポリメチン色素発色団の例として示した色素が挙げられる。
【0085】
さらに好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素であり、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、最も好ましくはシアニン色素である。
【0086】
ここで言うアニオン性置換基とは、負電荷を有した置換基であり、例えばpH5〜8の間で90%以上解離したプロトン解離性酸性基が挙げられる。具体的には、例えばスルホ基、カルボキシル基、スルファト基、リン酸基、ほう酸基、が挙げられる。その他に、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、フェノール性水酸基、など、これらのpkaと周りのpHによっては、プロトンが解離する基が挙げられる。さらに好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONHSO2−基、−CONHCO−基、−SO2NHSO2−基である。
なお、−CONHSO2−基、−CONHCO−基、−SO2NHSO2−基は、これらのpkaと周りのpHにより、プロトンが解離しない場合もあり、この場合は、ここでは言うアニオン性置換基には含めない。
【0087】
アニオン性基を少なくとも1つ有する色素として好ましくは、RD17643の23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右欄、欧州特許第0565096A1号の第65頁7〜10行、に記載されているものなどが挙げられる。また、好ましい色素の一般式としては、米国特許第5,747,236号(特に第30〜39頁)、米国特許第5、340、694号(特に第21〜60頁、但し、(XI)、(XII)、(XIII)に示されている増感色素において、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)に記載されている一般式等が挙げられる。これらに上述のアニオン性基が少なくとも1つ置換したものが好ましい。
【0088】
カチオン性置換基としては、置換又は無置換のアンモニウム基、ピリジニウム基、ホスホニウム基、イミダゾリウム基などが挙げられる。
【0089】
カチオン性基を少なくとも1つ有する色素として好ましくは、出願人が本願と同じで平成10年6月28日公開の特開平10−171058号で示したカチオン色素等が挙げられる。該出願例示のカチオン色素のうち、更に好ましくはアンモニウム基、もしくはピリジニウム基が置換した色素である。
しかし、カチオン性基を少なくとも1つ有する色素として最も好ましい場合は、本願の一般式(I)で表される化合物である場合である。
【0090】
上記の好ましい方法により、分光吸収極大波長が500nm未満で光吸収強度が60以上、または分光吸収極大波長が500nm以上で光吸収強度が100以上のハロゲン化銀粒子を実現することができるが、二層目の色素は通常は単量体状態で吸着するため、所望の吸収幅および分光感度幅よりも広くなることがほとんどである。したがって所望の波長域で高い感度を実現するためには、二層目に吸着する色素にJ会合体を形成させることが必要である。さらにJ会合体は蛍光収率が高く、ストークスシフトも小さいため、光吸収波長の接近した一層目色素へ二層目色素の吸収した光エネルギーをフェルスター型のエネルギー移動で伝達するのにも好ましい。
【0091】
本発明において、二層目以上の色素とは、ハロゲン化銀粒子には吸着しているが、ハロゲン化銀に直接は吸着していない色素のことである。
本発明において2層目以上の色素のJ会合体とは、二層目以上に吸着した色素の示す吸収の長波長側の吸収幅が、色素発色団間の相互作用のない単量体状態の色素溶液が示す吸収の長波長側の吸収幅の2倍以下であると定義する。ここで長波長側の吸収幅とは、吸収極大波長と、吸収極大波長より長波長で吸収極大の1/2の吸収を示す波長とのエネルギー幅を表す。一般にJ会合体を形成すると単量体状態と比較して長波長側の吸収幅は小さくなることが知られている。単量体状態で二層目に吸着した場合には、吸着位置および状態の不均一性があるため色素溶液の単量体状態の長波長側の吸収幅の2倍以上に大きくなる。したがって、上記定義により二層目以上の色素のJ会合体を定義することが出来る。
【0092】
二層目以上に吸着した色素の分光吸収は、該乳剤の全体の分光吸収から一層目色素による分光吸収を引いて求めることが出来る。
一層目色素による分光吸収は、一層目色素のみを添加したときの吸収スペクトルを測定すれば求められる。また、増感色素が多層吸着した乳剤に色素脱着剤を添加して二層目以上の色素を脱着させることで、一層目色素による分光吸収スペクトルを測定することも出来る。
色素脱着剤を用いて粒子表面から色素を脱着させる実験では、通常一層目色素は二層目以上の色素が脱着した後に脱着されるので、適切な脱着条件を選べば、一層目色素による分光吸収を求めることが出来る。これにより、二層目以上の色素の分光吸収を求めることが可能となる。色素脱着剤を用いる方法は、浅沼らの報告(ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー B(Journal of Physical Chemistry B)第101巻2149頁から2153頁(1997年))を参考にすることが出来る。
【0093】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に含まれる増感色素としては、上述の色素の他、他の増感色素と組合せて用いることが出来る。その際、用いられる色素として、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、アロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素である。これらの色素の詳細については、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515頁、John&Wiley&Sons、New
York、London、1977年刊などに記載されている。
好ましい色素としては、米国特許第5,994,051号第32〜44頁記載、及び米国特許第5,747,236号第30〜39頁記載の一般式、及び具体例で示された増感色素が挙げられる。
また、好ましいシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の一般式は、米国特許第5、340、694号第21〜22欄の(XI)、(XII)、(XIII)に示されているもの(ただし、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)が挙げられる。
【0094】
これらの増感色素は1種用いても良いが、2種以上用いても良く、増感色素の組み合わせは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米国特許2,688,545号、同2,977,229号、同3,397,060号、同3,522,052号、同3,527,641号、同3,617,293号、同3,628,964号、同3,666,480号、同3,672,898号、同3,679,428号、同3,303,377号、同3,769,301号、同3,814,609号、同3,837,862号、同4,026,707号、英国特許1,344,281号、同1,507,803号、特公昭43−49336号、同53−12375号、特開昭52−110618号、同52−109925号などに記載されている。
【0095】
増感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んで良い。
【0096】
上述の本発明の増感色素として用いられる色素と同時に用いて、有用な強色増感剤(例えば、ピリミジルアミノ化合物、トリアジニルアミノ化合物、アゾリウム化合物、アミノスチリル化合物、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物、アザインデン化合物、カドミウム塩)、及び強色増感剤と増感色素の組み合わせは、例えば米国特許3,511,664号、同3,615,613号、同3,615,632号、同3,615,641号、同4,596,767号、同4,945,038号、同4,965,182号、同4,965,182号、同2,933,390号、同3,635,721号、同3,743,510号、同3,617,295号、同3,635,721号等に記載されており、その使用法に関しても上記の特許に記載されている方法が好ましい。
【0097】
上述の本発明以外の増感色素として用いられる色素(また、その他の増感色素、強色増感剤についても同様)を本発明のハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認められている乳剤調製の如何なる工程中であってもよい。例えば、米国特許2,735,766号、同3,628,960号、同4,183,756号、同4,225,666号、特開昭58−184142号、同60−196749号等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時期、特開昭58−113920号等に開示されているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工程に於いて添加されても良い。また、米国特許4,225,666号、特開昭58−7629号等に開示されているように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加しても良く、分割して添加する化合物及び化合物の組み合わせの種類をも変えて添加されても良い。
【0098】
上述の本発明以外の増感色素として用いられる色素(また、その他の増感色素、強色増感剤についても同様)の添加量としては、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なり、いかなる添加量でも良いが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−8〜8×10−1モルで用いることができる。例えば、ハロゲン化銀粒子サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀1モル当たり、2×10−6〜3.5×10−3モルの添加量が好ましく、7.5×10−6〜1.5×10−3モルの添加量がより好ましい。
【0099】
上述の本発明以外の増感色素として用いられる色素(また、その他の増感色素、強色増感剤についても同様)は、直接乳剤中へ分散することができる。また、これらはまず適当な溶媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添加することもできる。この際、塩基や酸、界面活性剤などの添加物を共存させることもできる。また、溶解に超音波を使用することもできる。また、この化合物の添加方法としては米国特許第3,469,987号などに記載のごとき、該化合物を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24185号などに記載のごとき、水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,135号に記載のごとき、界面活性剤に化合物を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74624号に記載のごとき、レッドシフトさせる化合物を用いて溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭50−80826号に記載のごとき、化合物を実質的に水を含まない酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法などが用いられる。その他、乳剤中への添加には米国特許第2,912,343号、同3,342,605号、同2,996,287号、同3,429,835号などに記載の方法も用いられる。
【0100】
本発明において感光機構をつかさどる写真乳剤にはハロゲン化銀として臭化銀、ヨウ臭化銀、塩臭化銀、ヨウ化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭塩化銀、塩化銀のいずれを用いてもよいが。ハロゲン化銀粒子の部分によってハロゲン組成が変化しても良いが、粒子の表面と内部でハロゲン化銀組成が異なる粒子が好ましい。
粒子サイズ分布は、広くても狭くてもいずれでもよいが、狭い方がよりこのましい。
写真乳剤のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体、斜方十二面体のような規則的(regular)な結晶体を有するもの、また球状、板状などのような変則的(irregular)な結晶形をもつもの、高次の面((hkl)面)をもつもの、あるいはこれらの結晶形の粒子の混合からなってもよいが、好ましくは平板状粒子であり、平板状粒子については下記に詳細に記述する。高次の面を持つ粒子についてはJournal of Imaging Science誌、第30巻(1986年)の247頁から254頁を参照することができる。
また、本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤は、上記のハロゲン化銀粒子を単独または複数混合して含有していても良い。ハロゲン化銀粒子は、内部と表層が異なる相をもっていても、接合構造を有するような多相構造であっても、粒子表面に局在相を有するものであっても、あるいは粒子全体が均一な相から成っていても良い。またそれらが混在していてもよい。
これら各種の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型のいずれでもよい。
【0101】
本発明では、ハロゲン組成が塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀の平板ハロゲン化銀粒子が好ましく使用される。平板粒子は、(100)又は(111)かの主表面を持つものが好ましい。(111)主表面を有する平板粒子、以下これを(111)平板と呼ぶ、は普通三角形か六角形の面をもつ。一般的には分布がより均一になれば、より六角形の面を持つ平板粒子の比率が高くなる。六角形の単分散平板に関しては特公平5−61205に記載されている。
【0102】
(100)面を主表面に持つ平板状粒子、以下(100)平板と呼ぶ、は長方形または正方形の形も持つ。この乳剤においては針状粒子より、隣接辺比が5:1未満の粒子が平板粒子と呼ばれる。塩化銀或いは塩化銀を多く含む平板粒子ににおいては、(100)平板粒子は本来(111)平板に比べて主表面の安定性が高い。(111)平板の場合は、(111)主表面を安定化させる事が必要であるが、それに関しては特開平9−80660号、特開平9−80656号、米国特許第5298388号に記載されている。
【0103】
本発明において用いられる塩化銀或いは塩化銀の含有率の高い(111)平板に関しては下記の特許に開示されている。
米国特許第4414306号、米国特許第4400463号、米国特許第4713323号、米国特許第4783398号、米国特許第4962491号、米国特許第4983508号、米国特許第4804621号、米国特許第5389509号、米国特許第5217858号、米国特許第5460934号。
【0104】
本発明に用いられる高臭化銀(111)平板粒子に関しては下記の特許に記載されている。
米国特許第4425425号、米国特許第4425426号、米国特許第443426号、米国特許第4439520号、米国特許第4414310号、米国特許第4433048号、米国特許第4647528号、米国特許第4665012号、米国特許第4672027号、米国特許第4678745号、米国特許第4684607号、米国特許第4593964号、米国特許第4722886号、米国特許第4722886号、米国特許第4755617号、米国特許第4755456号、米国特許第4806461号、米国特許第4801522、米国特許第4835322号、米国特許第4839268号、米国特許第4914014号、米国特許第4962015号、米国特許第4977074号、米国特許第4985350号、米国特許第5061609号、米国特許第5061616号、米国特許第5068173号、米国特許第5132203号、米国特許第5272048号、米国特許第5334469号、米国特許第5334495号、米国特許第5358840号、米国特許第5372927号。
【0105】
本発明に用いられる(100)平板に関しては、下記の特許に記載されている。
米国特許第4386156号、米国特許第5275930号、米国特許第5292632号、米国特許第5314798号、米国特許第5320938号、米国特許第5319635号、米国特許第5356764号、欧州特許第569971号、欧州特許第737887号、特開平6−308648号、特開平9−5911号。
【0106】
本発明に使用するハロゲン化銀乳剤は、本発明に開示する増感色素を吸着せしめた、より表面積/体積比の高い平板状ハロゲン化銀粒子が好ましく、好ましくはアスペクト比は2以上、更に好ましくは5以上、特に好ましくは8以上である。上限は特にないが、好ましくは1000以下、更に好ましくは500以下である。平板状粒子の厚さは、0.2μm未満が好ましく、より好ましくは0.1μm未満、更に好ましくは0.07μm未満である。
【0107】
ここでのアスペクト比が2以上であるとは、アスペクト比(ハロゲン化銀粒子の円相当直径/粒子厚み)が2以上のハロゲン化銀粒子が乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上存在することを意味する。好ましくは、70%以上、特に好ましくは85%以上存在する乳剤である。
【0108】
この様な高アスペクト比で且つ薄い平板粒子を調製する為に下記の技術が適用される。
本発明の平板粒子は粒子間の転位線量分布が均一であることが望ましい。本発明の乳剤は1粒子当たり10本以上の転位線を含むハロゲン化銀粒子が全粒子の100ないし50%(個数)を占めることが好ましく、より好ましくは100ないし70%を、特に好ましくは100ないし90%を占める。50%を下回ると粒子間の均質性の点で好ましくない。
【0109】
本発明において転位線を含む粒子の割合及び転位線の本数を求める場合は、少なくとも100粒子について転位線を直接観察して求めることが好ましく、より好ましくは200粒子以上、特に好ましくは300粒子以上について観察して求める。
【0110】
本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバインターとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のようなセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾールのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新しく用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ましくは3〜8の範囲である。水洗時のpAg も目的に応じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶことができる。
【0111】
本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子のコアー部のみ、あるいはシェル部のみにドープする方法も選べる。例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Biを用いることができる。これらの金属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるいは6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させることができる塩の形であれば添加できる。例えば、CdBr2、CdCl2、Cd(NO3)2、Pb(NO3)2 、Pb(CH3COO)2、K3[Fe(CN)6]、(NH4)4[Fe(CN)6]、K3IrCl6、(NH4)3RhCl6、K4Ru(CN)6 があげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選ぶことができる。これらは金属化合物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてよい。
【0112】
金属化合物は水またはメタノール、アセトンのような適当な有機溶媒に溶かして添加するのが好ましい。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液(例えば、HCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr)を添加する方法を用いることができる。また必要に応じ酸・アルカリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反応容器に添加しても粒子形成の途中で加えることもできる。また水溶性銀塩(例えば、AgNO3)あるいはハロゲン化アルカリ水溶液(例えば、NaCl、KBr、KI)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリとは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続して添加してもよい。さらに種々の添加方法を組み合せるのも好ましい。
【0113】
米国特許第3,772,031号に記載されているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加する方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0114】
本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セレン増感、金増感、パラジウム増感又は貴金属増感、還元増感の少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の工程で施こすことができる。2種以上の増感法を組み合せることは好ましい。どの工程で化学増感するかによって種々のタイプの乳剤を調製することができる。粒子の内部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作るタイプがある。本発明の乳剤は目的に応じて化学増感核の場所を選ぶことができるが、一般に好ましいのは表面近傍に少なくとも一種の化学増感核を作った場合である。
本発明で好ましく実施しうる化学増感の一つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであり、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォトグラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977年、(T.H.James、The Theory of the Photographic Process,4th ed,Macmillan,1977)67−76頁に記載されるように活性ゼラチンを用いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロージャー、120巻、1974年4月、12008;リサーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、13452、米国特許第2,642,361号、同第3,297,446号、同第3,772,031号、同第3,857,711、同第3,901,714号、同第4,266,018号、および同第3,904,415号、並びに英国特許第1,315,755号に記載されるようにpAg 5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすることができる。貴金属増感においては、金、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いることができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、R2PdX6またはR2PdX4で表わされる。ここでRは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わす。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃素原子を表わす。
【0115】
具体的には、K2PdCl4、(NH4)2PdCl6、Na2PdCl4、(NH4)2PdCl4、Li2PdCl4 、Na2PdCl6 またはK2PdBr4 が好ましい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好ましい。
硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,711号、同第4,266,018号および同第4,054,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザインデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同第3,411,914号、同第3,554,757号、特開昭58−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化学」、138〜143頁に記載されている。
本発明の乳剤は金増感を併用することが好ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モル当り1×10−4〜1×10−7モルであり、さらに好ましいのは1×10−5〜5×10−7モルである。パラジウム化合物の好ましい範囲は1×10−3から5×10−7である。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲は5×10−2から1×10−6である。
本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用する好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×10−4〜1×10−7モルであり、さらに好ましいのは1×10−5〜5×10−7モルである。
本発明の乳剤に対して好ましい増感法としてセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケトン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場合がある。
【0116】
本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、あるいは化学増感後に還元増感することは好ましい。
ここで、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg 1〜7の低pAg の雰囲気で成長あるいは熟成させる方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長あるいは熟成させる方法のいずれを選ぶこともできる。また2つ以上の方法を併用することもできる。
還元増感剤を添加する方法は還元増感のレベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
還元増感剤としては、例えば、第一錫塩、アスコルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物、ボラン化合物が公知である。本発明の還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、また2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル当り10−7〜10−3モルの範囲が適当である。
還元増感剤は、例えば、水あるいはアルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類のような有機溶媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用いてハロゲン化銀粒子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添加するのも好ましい方法である。
【0117】
本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここで生成する銀イオンは、例えば、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀のような水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀のような水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機の酸化剤としては、例えば、オゾン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO2 ・H2O2 ・3H2O、2NaCO3・3H2O2 、Na4P2O7・2H2O2 、2Na2SO4 ・H2O2 ・2H2O)、ペルオキシ酸塩(例えば、K2S2O8、K2C2O6、K2P2O8)、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2[Ti(O2)C2O4]・3H2O、4K2SO4 ・Ti(O2)OH・SO4・2H2O、Na3[VO(O2)(C2H4)2]・6H2O)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4)、クロム酸塩(例えば、K2Cr2O7 )のような酸素酸塩、沃素や臭素のようなハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば、過沃素酸カリウム)、高原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオスルフォン酸塩がある。
【0118】
また、有機の酸化剤としては、p−キノンのようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のような有機過酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロムサクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例として挙げられる。
【0119】
本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ましい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法のなかから選んで用いることができる。これらの方法は粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることができる。
【0120】
本発明に用いられる写真乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール類、例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類、例えば、オキサドリンチオンのようなチオケト化合物、アザインデン類、例えば、トリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類のようなかぶり防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物を加えることができる。例えば、米国特許第3,954,474号、同第3,982,947号、特公昭52−28660号に記載されたものを用いることができる。好ましい化合物の一つに特開昭63−212932号に記載された化合物がある。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加することができる。乳剤調製中に添加して本来のかぶり防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の晶壁を制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制御するなど多目的に用いることができる。
【0121】
本発明により調製されたハロゲン化銀乳剤はカラー写真感光材料および黒白写真感光材料のいずれにも用いることができる。カラー写真感光材料としては特にカラー印画紙、カラー撮影用フィルム、カラーリバーサルフィルム、カラー拡散転写フィルム、黒白写真感光材料としては一般撮影用フィルム、X−レイ用フィルム、医療診断用フィルム、印刷感材用フィルム、拡散転写フィルム等を挙げることができる。
【0122】
医療診断用フィルム、印刷感材用フィルム分野において、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができる。
これらの分野の技術については、特開平7−287,337号、特開平4−335,342号、特開平5−313,289号、特開平8−122、954号、特開平8−292、512号などに記載されている。
また、熱現像感光材料を用いることもできる。例えば、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例えば、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した感光性層を有している材料などが知られている。これらについては、例えば、米国特許3152904号、米国特許3457075号、米国特許2910377号、米国特許第4,500,626号、特公昭43−4924号、特開平11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同6−130607号、同6−332134号、同6−332136号、同6−347970号、同7−261354号、特願2000−89436号、等を挙げることができる。
【0123】
本発明の色素は拡散転写感材にも好ましく用いることが出来る。これらのうち、熱現像拡散転写方式については特願平10−265273号(プレフォームド色素使用)、特願平2000−89436号(カップリング形成色素使用)に、インスタント写真方式については特願平11−89801号に記載されている方法を参考にできる。
【0124】
本発明に用いられる写真乳剤の調製法等については特開平10−239789号明細書の第63欄36行〜第65欄2行等が適用できる。
また、カラーカプラー等の添加剤、写真感光材料添加剤等、本発明が適用される感光材料の種類、感光材料の処理等については、特開平10−239789号明細書の第65欄3行〜第73欄13行等が適用できる。
【0125】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、前記の種々の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種々の添加剤を用いることができる。
これらの添加剤は、より詳しくはResearch Disclosure誌のItem17643(1978年12月)、同Item18716(1979年11月)および同Item308119(1989年12月)に記載されており、その該当の個所を後掲の表にまとめて示した。
【0126】
【0127】
本発明の写真感光材料に使用することができる層配列等の技術、ハロゲン化銀乳剤、色素形成カプラー、DIRカプラー等の機能性カプラー、各種の添加剤等、および現像処理については、欧州特許第0565096A1号(1993年10月13日公開)およびこれに引用された特許に記載されている。以下に各項目とこれに対応する記載箇所を列記する。
【0128】
1.層構成: 61頁23〜35行、41行〜62頁14行
2.中間層: 61頁36〜40行
3.重層効果付与層: 62頁15〜18行
4.ハロゲン化銀ハロゲン組成: 62頁21〜25行
5.ハロゲン化銀粒子晶癖: 62頁26〜30行
6.ハロゲン化銀粒子サイズ: 62頁31〜34行
7.乳剤製造法: 62頁35〜40行
8.ハロゲン化銀粒子サイズ分布: 62頁41〜42行
9.平板粒子: 62頁43〜46行
10.粒子の内部構造: 62頁47〜53行
11.乳剤の潜像形成タイプ: 62頁54行〜63頁5行
12.乳剤の物理熟成・化学増感: 63頁6〜9行
13.乳剤の混合使用: 63頁10〜13行
14.かぶらせ乳剤: 63頁14〜31行
15.非感光性乳剤: 63頁32〜43行
16.塗布銀量: 63頁49〜50行
【0129】
17.ホルムアルデヒドスカベンジャー: 64頁54〜57行
18.メルカプト系カブリ防止剤: 65頁1〜2行
19.かぶらせ剤等放出剤: 65頁3〜7行
20.色素: 65頁7〜10行
21.カラーカプラー全般: 65頁11〜13行
22.イエロー、マゼンタおよびシアンカプラー:65頁14〜25行
23.ポリマーカプラー: 65頁26〜28行
24.拡散性色素形成カプラー: 65頁29〜31行
25.カラードカプラー: 65頁32〜38行
26.機能性カプラー全般: 65頁39〜44行
27.漂白促進剤放出カプラー: 65頁45〜48行
28.現像促進剤放出カプラー: 65頁49〜53行
29.その他のDIRカプラー: 65頁54行〜66頁4行
30.カプラー分散方法: 66頁5〜28行
【0130】
31.防腐剤・防かび剤: 66頁29〜33行
32.感材の種類: 66頁34〜36行
33.感光層膜厚と膨潤速度: 66頁40行〜67頁1行
34.バック層: 67頁3〜8行
35.現像処理全般: 67頁9〜11行
36.現像液と現像薬: 67頁12〜30行
37.現像液添加剤: 67頁31〜44行
38.反転処理: 67頁45〜56行
39.処理液開口率: 67頁57行〜68頁12行
40.現像時間: 68頁13〜15行
41.漂白定着・漂白・定着: 68頁16行〜69頁31行
42.自動現像機: 69頁32〜40行
43.水洗・リンス・安定化: 69頁41行〜70頁18行
44.処理液補充・再使用: 70頁19〜23行
45.現像薬感材内蔵: 70頁24〜33行
46.現像処理温度: 70頁34〜38行
47.レンズ付きフィルムへの使用: 70頁39〜41行
【0131】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の露光方法について説明する。
写真像を得るための露光は通常の方法を用いて行なえばよい。すなわち自然光(日光)、タングステン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素アーク灯、キセノンフラッシュ灯、レーザー、LED、CRTなど公知の多種の光源をいずれでも用いることができる。また、電子線、X線、γ(ガンマ)線、α(アルファ)線などによって励起された蛍光体から放出する光によって露光されてもよい。
【0132】
本発明においては、レーザー光源が好ましく用いられることもある。レーザー光には、レーザー発振媒体としてヘリウム−ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、二酸化炭素ガスなどを利用したもの、またルビー、カドミウムなどの固体を発振媒体としたレーザー、その他液体レーザー、半導体レーザーなどがある。これらのレーザー光は、通常の照明などに用いられている光と異なり、単一周波数で位相のそろった鋭い方向性を有するコヒーレントな光であることから、それらを光源として露光するためのハロゲン化銀写真感光材料は、使用するレーザーの発光波長に合致した分光特性を有することを必要とする。
上記のレーザーのうち、好ましくは半導体レーザーを使用する場合である。
【0133】
また、本発明の化合物は、増感色素以外にも、鮮鋭度、色分解能向上などの目的のために種々のフィルター染料、イラジエーション防止染料またはアンチハレーション用染料などとして用いることが出来る。
この化合物は慣用の方法でハロゲン化銀写真感光材料層、フィルター層および/またはハレーション防止層などの塗布液に含有さあせることができる。染料の使用料は写真層を着色させるに十分な量でよく、当業者は容易にこの量を使用目的に応じて適宜選定できる、一般的には光学濃度が0.05ないし3.0の範囲になるように使用するのが好ましい。添加時期は塗布される前のいかなる工程でもよい。
【0134】
また、染料イオンと反対の荷電をもつポリマーを媒染剤として層に共存させ、これを染料分子との相互作用によって、染料を特定層中に局在化させることもできる。
ポリマー媒染剤としては例えば米国特許2,548,564号、同4,124,386号、同3,625,694号、同3,958,995号、同4,168,976号、同3,445,231号に記載されているものなどを挙げることが出来る。
上述の本発明の増感色素として用いられる色素は感光性乳剤層以外に、中間層、保護層、バック層など所望の層に添加できる。
【0135】
さらに上述の本発明の増感色素として用いられる色素は光増感剤(光電荷分離剤)として、種々の非銀塩式光画像形成法等に用いることもできるし、光触媒、光水素発生剤等に用いることもできる。
【0136】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0137】
実施例1
銀1モル当りテトラクロロ金酸カリウム3.5mg、チオ硫酸ナトリウム3.5mg、及びチオシアン酸ナトリウム20mgを用いて化学増感した沃臭化銀平板状粒子乳剤(沃化銀1.9モル%、アスペクト比:7.0)を0.5又は0.75ミリモル色素/モル銀で分光増感した。下記表1中に示した本発明の色素化合物、並びに比較色素(以下に示す)を評価した。4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン(2.1g/モルAg)もまたかぶり防止剤として添加した。この乳剤をポリエチレンテレフタレート支持体上に平方メ−トル当たり4gのゼラチン及び2g銀のレベルで、塗布助剤としての1.5%の1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノールと共に塗布した。細片をSC−50(富士フイルム(株)社製黄色フィルタ−)を通して露光を与えそして富士フイルム(株)社製、CEPROS−M自動現像機を用いて Dry to Dry 45秒で処理した。写真感度をDmin プラス0.3の濃度で測定した。感度、カブリの結果を(表1)に示した。
【0138】
【化12】
【0139】
【化13】
【0140】
【表1】
【0141】
表1において、“感度”は、比較色素A及びBの感度を100とした相対値で示した。表1のデータは、本発明のシアニン色素が乳剤カブリが少なく感度が高いことを実証するものである。
【0142】
実施例2
実施例1と同様な比較を、特開平8−29904号の実施例5のカラーネガ感材の系にて行なったところ、比較色素Aを用いた場合に比べ、本発明のdye1を用いた感材は、被りが少なく、感度が高いことがわかった。また、特願平11−89801号の実施例1のインスタント感材の系においても同様な比較を行なったところ、比較色素Aを用いた場合に比べ、本発明のdye1を用いた感材は、被りが少なく、感度が高いことがわかった。さらに、特開平7−92601号、同11−160828号の実施例1のカラー反転感材の系、特開平6−347944号の実施例1のカラーペーパーの系、特開平8−122954号実施例1のX線感材の系、特願2000−89436号の実施例1の熱現像感材の系、特開平8−292512号の実施例1の印刷感材の系でも本発明の化合物を用いた感材は比較化合物に対して被りが少なく、残色が低いことがわかった。さらにこれらのいずれの系でも比較例同等以上の感度を示し、他の写真性も大きな問題がないことがわかった。
【0143】
実施例3
以下の製法によりハロゲン化銀乳剤Em−Aを調製した。
(Em−Aの製法)
フタル化率97%のフタル化した分子量15000の低分子量ゼラチン31.7g、KBr31.7gを含む水溶液42.2Lを35℃に保ち激しく攪拌した。AgNO3、316.7gを含む水溶液1583mLとKBr、221.5g、分子量15000の低分子量ゼラチン52.7gを含む水溶液1583mLをダブルジェット法で1分間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr52.8gを加えて、AgNO3、398.2gを含む水溶液2485mLとKBr、291.1gを含む水溶液2581mLをダブルジェット法で2分間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr、47.8gを添加した。その後、40℃に昇温し、充分熟成した。熟成終了後、フタル化率97%のフタル化した分子量100000のゼラチン923gとKBr、79.2gを添加し、AgNO3、5103gを含む水溶液15947mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の1.4倍になるように流量加速して12分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−60mVに保った。水洗した後、ゼラチンを加えpH、5.7、pAg、8.8、乳剤1kg当たりの銀換算の質量131.8g、ゼラチン質量64.1gに調整し、種乳剤とした。フタル化率97%のフタル化ゼラチン46g、KBr1.7gを含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌した。前述した種乳剤を9.9g加えた後、変成シリコンオイル(日本ユニカ−株式会社製品、L7602)を0.3g添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した後、AgNO3、7.0gを含む水溶液67.6mLとKBr水溶液をダブルジェットで最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して6分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。
【0144】
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム、2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加した後、AgNO3、134.4gを含む水溶液、381mLとKBrの水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.7倍になるように流量加速して56分間に渡り添加した。この時、0.037μmの粒子サイズのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有量が3mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して−30mVに保った。AgNO3、45.6gを含む水溶液121.3mLとKBr水溶液をダブルジェット法で22分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して+20mVに保った。82℃に昇温し、KBrを添加して銀電位を−80mVに調整した後、0.037μmの粒子サイズのAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.33g添加した。添加終了後、直ちに、AgNO3、66.4gを含む水溶液206.2mLを16分間に渡り添加した。添加初期の5分間はKBr水溶液で銀電位を−80mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH、5.8、pAg、8.7に調整した。ハロゲン化銀粒子の平均球相当径は1.7μm、平均円相当径は3.2μm、平均厚みは0.3μm、平均アスペクト比は11、平均ヨード含有量は4.0mol%であった。
【0145】
(Em−A1〜9製法)
Em−Aに化合物11および12を添加した後、60℃に昇温した。KOH水溶液を添加することで表2に示すpHに調整した後、表2に示す本発明または比較の増感色素を添加し30分間攪拌した。その後、前添加のKOHとほぼ同じmol量のH2SO4を含む水溶液を添加することで、元のpH、5.8に調整した後に、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合物13および化合物14を添加し、Em−A1〜9とした。ここで、最適に化学増感するとは、増感色素ならびに各化合物をハロゲン化銀1molあたり10−1から10−8molの添加量範囲から選択したことを意味する。
【0146】
【化14】
【0147】
【化15】
【0148】
【化16】
【0149】
【化17】
【0150】
得られた粒子を液体窒素で冷却しながら透過電子顕微鏡で観察した結果、粒子中心部から投影面積で80%以内に転位存が存在しない粒子が全数の約98%であった。また、粒子外周部から投影面積で20%の粒子周辺部には一粒子当たり平均13本の転位線が観察された。
【0151】
色素吸着量は、得られた液体乳剤を10,000rpmで10分間遠心沈降させ、沈殿を凍結乾燥した後、沈殿0.05gを25%チオ硫酸ナトリウム水溶液25mlとメタノールを加えて50mlにした。この溶液を高速液体クロマトグラフィーで分析し、色素濃度を定量して求めた。
【0152】
単位面積当たりの光吸収強度の測定は、得られた乳剤をスライドガラス上に薄く塗布し、カールツアイス株式会社製の顕微分光光度計MSP65を用いて以下の方法でそれぞれの粒子の透過スペクトルおよび反射スペクトルを測定して、吸収スペクトルを求めた。透過スペクトルのリファレンスは粒子の存在しない部分を、反射スペクトルは反射率の分かっているシリコンカーバイドを測定してリファレンスとした。測定部は直径1μmの円形アパチャー部であり、粒子の輪郭にアパチャー部が重ならないように位置を調整して14000cm−1(714nm)から28000cm−1(357nm)までの波数領域で透過スペクトルおよび反射スペクトルを測定し、1−T(透過率)−R(反射率)を吸収率Aとして吸収スペクトルを求めた。ハロゲン化銀の吸収を差し引いて吸収率A’とし、−Log(1−A’)を波数(cm−1)に対して積分した値を1/2にして単位表面積あたりの光吸収強度とした。積分範囲は14000cm−1から28000cm−1までである。この際、光源はタングステンランプを用い、光源電圧は8Vとした。光照射による色素の損傷を最小限にするため、一次側のモノクロメーターを使用し、波長間隔は2nm、スリット幅を2.5nmに設定した。
本実施例で用いた他のハロゲン化銀乳剤(Em−B〜P)の特性を表2に示す。
【0153】
【表2】
【0154】
本実施例で用いた乳化物の調製処方の概略を以下に示す。
10%のゼラチン溶液に、カプラーを酢酸エチルに溶解した溶液、高沸点有機溶媒、および界面活性剤を添加し、混合したホモジナイザー(日本精機)を用いて乳化し、乳化物を得る。
【0155】
1)支持体
本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成した。
【0156】
ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100質量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社製)2質量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムを得た。なお、このPENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技法:公技番号94−6023号記載のI−1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−27、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻き付けて、110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0157】
2)下塗層の塗設
上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼラチン0.1g/m2、ソウジウムa−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH20.012g/m2、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10mL/m2、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃となっている)。
【0158】
3)バック層の塗設
下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
3−1)帯電防止層の塗設
平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2 CH20.02g/m2、ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.005g/m2及びレゾルシンと塗布した。
【0159】
3−2)磁気記録層の塗設
3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で被覆処理されたコバルト酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89Am2/kg、Fe2+/Fe3+=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2質量%で処理されている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH−C6H3(CH3)NCO)30.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で処理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ10mg/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDBの色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.2Am2/kg、保磁力7.3×104A/m、角形比は65%であった。
【0160】
3−3)滑り層の調製
ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(化合物a、6mg/m2)/C50H101O(CH2CH2O)16H(化合物b、9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で被覆された酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ15mg/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0161】
4)感光層の塗設
次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成の各層を重層塗布し、カラーネガ感光材料である試料を作成した。試料は以下に示すような乳剤、乳化物およびカプラーを使用して作成した。
【0162】
(感光層の組成)
各層に使用する素材の主なものは下記のように分類されている;
ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤
ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤
ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤
(具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付けられ、後ろに化学式が挙げられている)
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。
【0163】
第1層(第1ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.155
0.07μmの表面かぶらせAgBrI(2) 銀 0.01
ゼラチン 0.87
ExC−1 0.002
ExC−3 0.002
Cpd−2 0.001
HBS−1 0.004
HBS−2 0.002。
【0164】
第2層(第2ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.066
ゼラチン 0.407
ExM−1 0.050
ExF−1 2.0×10−3
HBS−1 0.074
固体分散染料 ExF−2 0.015
固体分散染料 ExF−3 0.020。
【0165】
第3層(中間層)
0.07μmのAgBrI(2) 0.020
ExC−2 0.022
ポリエチルアクリレートラテックス 0.085
ゼラチン 0.294。
【0166】
第4層(低感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤M 銀 0.065
沃臭化銀乳剤N 銀 0.100
沃臭化銀乳剤O 銀 0.158
ExC−1 0.109
ExC−3 0.044
ExC−4 0.072
ExC−5 0.011
ExC−6 0.003
Cpd−2 0.025
Cpd−4 0.025
HBS−1 0.17
ゼラチン 0.80。
【0167】
第5層(中感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤K 銀 0.21
沃臭化銀乳剤L 銀 0.62
ExC−1 0.14
ExC−2 0.026
ExC−3 0.020
ExC−4 0.12
ExC−5 0.016
ExC−6 0.007
Cpd−2 0.036
Cpd−4 0.028
HBS−1 0.16
ゼラチン 1.18。
【0168】
第6層(高感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤P 銀 1.67
ExC−1 0.18
ExC−3 0.07
ExC−6 0.047
Cpd−2 0.046
Cpd−4 0.077
HBS−1 0.25
HBS−2 0.12
ゼラチン 2.12。
【0169】
第7層(中間層)
Cpd−1 0.089
固体分散染料ExF−4 0.030
HBS−1 0.050
ポリエチルアクリレートラテックス 0.83
ゼラチン 0.84。
【0170】
第8層(重層効果ドナー層(赤感層へ重層効果を与える層))
沃臭化銀乳剤E 銀 0.560
Cpd−4 0.030
ExM−2 0.096
ExM−3 0.028
ExY−1 0.031
ExG−1 0.006
HBS−1 0.085
HBS−3 0.003
ゼラチン 0.58。
【0171】
第9層(低感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤G 銀 0.39
沃臭化銀乳剤H 銀 0.28
沃臭化銀乳剤I 銀 0.35
ExM−2 0.36
ExM−3 0.045
ExG−1 0.005
HBS−1 0.28
HBS−3 0.01
HSB−4 0.27
ゼラチン 1.39。
【0172】
第10層(中感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤F 銀 0.20
沃臭化銀乳剤G 銀 0.25
ExC−6 0.009
ExM−2 0.031
ExM−3 0.029
ExY−1 0.006
ExM−4 0.028
ExG−1 0.005
HBS−1 0.064
HBS−3 2.1×10−3
ゼラチン 0.44。
【0173】
第11層(高感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤J 銀 1.200
ExC−6 0.004
ExM−1 0.014
ExM−3 0.038
ExM−4 0.021
ExM−5 0.006
ExY−5 0.008
ExM−2 0.013
Cpd−4 0.007
HBS−1 0.18
ポリエチルアクリレートラテックス 0.099
ゼラチン 1.11。
【0174】
第12層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 銀 0.047
Cpd−1 0.16
固体分散染料ExF−5 0.010
固体分散染料ExF−6 0.010
HBS−1 0.082
ゼラチン 1.057。
【0175】
第13層(低感度青感乳剤層)
沃臭化銀乳剤B 銀 0.18
沃臭化銀乳剤C 銀 0.20
沃臭化銀乳剤D 銀 0.07
ExC−1 0.041
ExC−8 0.012
ExY−1 0.035
ExY−2 0.71
ExY−3 0.10
ExY−4 0.005
Cpd−2 0.10
Cpd−3 4.0×10−3
HBS−1 0.24
ゼラチン 1.41。
【0176】
第14層(高感度青感乳剤層)
表2記載の乳剤Em−A1〜Em−A9 銀 0.75
ExC−1 0.013
ExY−2 0.31
ExY−3 0.05
ExY−6 0.062
Cpd−2 0.075
Cpd−3 1.0×10−3
HBS−1 0.10
ゼラチン 0.91。
【0177】
第15層(第1保護層)
0.07μmのAgBrI(2) 銀 0.30
UV−1 0.21
UV−2 0.13
UV−3 0.20
UV−4 0.025
F−18 0.009
F−19 0.005
F−20 0.005
HBS−1 0.12
HBS−4 5.0×10−2
ゼラチン 2.3。
【0178】
第16層(第2保護層)
H−1 0.40
B−1(直径1.7μm) 5.0×10−2
B−2(直径1.7μm) 0.15
B−3 0.05
S−1 0.20
ゼラチン 0.75。
【0179】
更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、B−4ないしB−6、F−1ないしF−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パラジウム塩、イリジウム塩、ルテニウム塩、ロジウム塩が含有されている。また、第8層の塗布液にハロゲン化銀1モル当たり8.5×10−3グラム、第11層に7.9×10−3グラムのカルシウムを硝酸カルシウム水溶液で添加し、試料を作製した。更に帯電防止性を良くするためにW−1、W−6、W−7、W−8を少なくとも1種含有しており、塗布性を良くするためW−2、W−5を少なくとも1種含有している。
【0180】
有機固体分散染料の分散物の調製
下記、ExF−3を次の方法で分散した。即ち、水21.7(以下、ミリリットルを「mL」とも表記する)及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3mL並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル(重合度10)0.5gとを700mLのポットミルに入れ、染料ExF−3を5.0gと酸化ジルコニウムビーズ(直径1mm)500mLを添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44μmであった。
同様にして、ExF−4の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は、0.45μmであった。ExF−2は欧州特許出願公開(EP)第549,489A号明細書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0181】
ExF−6の固体分散物を以下の方法で分散した。
水を18%含むExF−6のウェットケーキ2800gに4000gの水及びW−2の3%溶液を376g加えて攪拌し、ExF−6の濃度32%のスラリーとした。次にアイメックス(株)製ウルトラビスコミル(UVM−2)に平均粒径0.5mmのジルコニアビーズを1700mL充填し、スラリーを通して周速約10m/sec、吐出量0.5リットル/minで8時間粉砕した。
上記各層の形成に用いた化合物は、以下に示すとおりである。
【0182】
【化18】
【0183】
【化19】
【0184】
【化20】
【0185】
【化21】
【0186】
【化22】
【0187】
【化23】
【0188】
【化24】
【0189】
【化25】
【0190】
【化26】
【0191】
【化27】
【0192】
【化28】
【0193】
【化29】
【0194】
【化30】
【0195】
【化31】
【0196】
試料の評価法は以下の通り。富士フイルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(カットオフ波長が390nmである長波長光透過フィルター)またはショット製370nmの干渉フィルターと連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。現像は富士写真フイルム社製自動現像機FP−360Bを用いて下記のように行った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴へ流さず、全て廃液タンクへ排出する様に改造を行った。このFP−360Bは発明協会公開技法94−4992号に記載の蒸発補正手段を搭載している。
【0197】
処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0198】
安定液及び定着液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、及び定着液の水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLであった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
上記処理機の開口面積は発色現像液で100cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約100cm2であった。
【0199】
以下に処理液の組成を示す。
【0200】
【0201】
【0202】
(水洗水)
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/Lを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0203】
【0204】
試料101〜110対して前記処理を施した。処理済の試料を青色フィルターで濃度測定することにより写真性能の評価を行った。得られた結果を表3に示す。
【0205】
【表3】
【0206】
表3で用いた増感色素Aを示す。
【0207】
【化32】
【0208】
表3において、感度は比較試料No.101の感度を100とした時の相対値で表した。表3のデータは本発明の色素を用いた多層吸着系のハロゲン化銀感材は感度が高いことを実証するものである。乳剤被りは色素が添加されていない乳剤の値をゼロとした。
【0209】
実施例4
Em―Zの調製
フタル化率97%の分子量100000のフタル化ゼラチン、0.38g、KBr、0.99gを含む水溶液1200mlを60℃に保ち、pHを2に調整し激しく攪拌した。AgNO3、1.96gを含む水溶液とKBr、1.97g、KI、0.172gを含む水溶液をダブルジェット法で30秒間に渡り添加した。熟成終了後、1g当たり35μmolのメチオニンを含有する分子量100000のアミノ基をトリメリット酸で化学修飾したトリメリット化ゼラチン12.8gを添加した。pHを5.9に調整した後、KBr、2.99g、NaCl6.2gを添加した。AgNO3、27.3gを含む水溶液60.7mlとKBr水溶液をダブルジェット法で35分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−50mVに保った。AgNO3、65.6gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の2.1倍になるように流量加速して37分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有量が6.5mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を−50mVに保った。二酸化チオ尿素、1.5mgを添加した後、AgNO3、41.8gを含む水溶液132mlとKBr水溶液をダブルジェット法で13分間に渡り添加した。添加終了時の銀電位を+40mVになるようにKBr水溶液の添加を調整した。ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム、2mgを添加した後、KBrを添加して銀電位を−100mVに調整した。
上述のAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.2g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3、88.5gを含む水溶液300mlを8分間に渡り添加した。添加終了時の電位が+60mVになるようにKBr水溶液の添加で調整した。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH6.5、pAg、8.2に調整した。調製された乳剤粒子は、投影面積径3.18μm、アスペクト比22の平板状粒子であった。化合物11および12を添加した後、61℃に昇温した。表3に示した増感色素を添加した後、K2IrCl6、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ヂメチルセレノウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合物13および14を添加した。
表4の乳剤を実施例3のEm−Jと置き換えて試料201〜209として塗布し、緑色フィルター露光したこと以外は実施例1と同様に写真感度、及び残色を比較した。高感青感層は表2のEm−A1を用いた。結果を表4に示す。表4において、感度は比較試料No.201の感度を100とした時の相対値で表した。
【0210】
【表4】
【0211】
表4のデータは本発明の色素を用いた多層吸着系のハロゲン化銀感材は感度が高いことを実証するものである。
【0212】
【発明の効果】
本発明の構成により、高感度のハロゲン化銀写真感光材料が得られた。[0001]
The present invention relates to a high-sensitivity silver halide photographic light-sensitive material.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, great efforts have been made to increase the sensitivity of silver halide photographic light-sensitive materials (sensitizing materials). In the silver halide photographic emulsion, the sensitizing dye adsorbed on the surface of the silver halide grains absorbs the light incident on the photosensitive material, and the light energy is transmitted to the silver halide grains, thereby obtaining the photosensitivity. Therefore, in the spectral sensitization of silver halide, the light energy transmitted to the silver halide can be increased by increasing the light absorptance per unit surface area of the silver halide grains, resulting in high spectral sensitivity. Sensitivity is expected to be achieved. In order to improve the light absorptance on the surface of the silver halide grains, the adsorption amount of the spectral sensitizing dye per unit grain surface area may be increased.
However, the amount of sensitizing dye adsorbed on the surface of silver halide grains is limited, and it is difficult to adsorb more dye chromophores than single layer saturated adsorption (ie, single layer adsorption). Therefore, at present, the absorption rate of incident photons of individual silver halide grains in the spectral sensitization region is still low.
[0003]
As a method for solving these problems, many proposals have been made to adsorb more sensitizing dye than adsorption. For example, these prior art documents and patents are described in the description of the prior art in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-23294. However, in recent years, in particular, the high adsorption due to multilayer adsorption by a combination of a specific cationic dye and an anionic dye. Attempts have been made to increase sensitivity. (For example, see Patent Documents 1, 2, and 3)
However, none of the methods of patents and literatures has achieved a sufficiently high sensitivity, and further technical development is required.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-10-239789
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-171058
[Patent Document 3]
European Patent Application No. 0985965A
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a silver halide photographic material having high sensitivity.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention has been achieved by the following means.
(1) A silver halide photographic light-sensitive material containing at least one dye represented by the following general formula (1).
General formula (1)
[0007]
[Chemical 2]
[0008]
In the formula, Z1 represents an atomic group necessary for forming a 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocyclic ring. Z1 may be condensed. X represents a substituted or unsubstituted benzofuran group. L1 and L2 represent a methine group. p1 represents 0 or 1. Q represents a group necessary for forming a methine dye as the whole molecule of the general formula (1). R1 represents an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. M1 represents a charge balanced counter ion, and m1 represents a number of 0 or more necessary for neutralizing the charge of the molecule.
(2) The silver halide photographic light-sensitive material as described in (1), wherein a sensitizing dye is adsorbed in multiple layers on the surface of the silver halide grains.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the present invention, when a specific moiety is referred to as a “group”, the moiety may be unsubstituted or substituted with one or more (up to the maximum possible) substituents. Means good. For example, “alkyl group” means a substituted or unsubstituted alkyl group. Moreover, the substituent which can be used for the compound in the present invention may be any substituent regardless of the presence or absence of substitution.
[0010]
When such a substituent is W, the substituent represented by W is not particularly limited and includes, for example, a halogen atom, an alkyl group [(cycloalkyl group, bicycloalkyl group, tricycloalkyl group). Group), alkenyl groups (including cycloalkenyl groups and bicycloalkenyl groups), and alkynyl groups. ], Aryl group, heterocyclic group (also referred to as heterocyclic group), cyano group, hydroxyl group, nitro group, carboxyl group, alkoxy group, aryloxy group, silyloxy group, heterocyclic oxy group, acyloxy group, carbamoyl Oxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (including anilino group), ammonio group, acylamino group, aminocarbonylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, sulfamoylamino group Alkyl, arylsulfonylamino group, mercapto group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic thio group, sulfamoyl group, sulfo group, alkyl and arylsulfinyl group, alkyl and arylsulfonyl group, acyl group, aryl Xoxycarbonyl group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, aryl and heterocyclic azo group, imide group, phosphino group, phosphinyl group, phosphinyloxy group, phosphinylamino group, phosphono group, silyl group, hydrazino group, ureido group A boronic acid group (-B (OH)2), Phosphato groups (-OPO (OH)2), Sulfato groups (-OSO3H) and other known substituents.
[0011]
More specifically, W represents a halogen atom (for example, a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, an iodine atom), an alkyl group [a linear, branched, or cyclic substituted or unsubstituted alkyl group. They are alkyl groups (preferably alkyl groups having 1 to 30 carbon atoms such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, t-butyl, n-octyl, eicosyl, 2-chloroethyl, 2-cyanoethyl, 2-ethylhexyl). A cycloalkyl group (preferably a substituted or unsubstituted cycloalkyl group having 3 to 30 carbon atoms, such as cyclohexyl, cyclopentyl, 4-n-dodecylcyclohexyl), a bicycloalkyl group (preferably having 5 to 30 carbon atoms). A substituted or unsubstituted bicycloalkyl group, that is, a monovalent group obtained by removing one hydrogen atom from a bicycloalkane having 5 to 30 carbon atoms, for example, bicyclo [1,2,2] heptan-2-yl, bicyclo [2,2,2] octane-3-yl), a tricyclo structure with more ring structures Domo is intended to cover. An alkyl group (for example, an alkyl group of an alkylthio group) in the substituent described below represents an alkyl group having such a concept, but further includes an alkenyl group and an alkynyl group. ], An alkenyl group [represents a linear, branched or cyclic substituted or unsubstituted alkenyl group. They are alkenyl groups (preferably substituted or unsubstituted alkenyl groups having 2 to 30 carbon atoms, such as vinyl, allyl, prenyl, geranyl, oleyl), cycloalkenyl groups (preferably substituted or substituted groups having 3 to 30 carbon atoms). An unsubstituted cycloalkenyl group, that is, a monovalent group obtained by removing one hydrogen atom of a cycloalkene having 3 to 30 carbon atoms (for example, 2-cyclopenten-1-yl, 2-cyclohexen-1-yl), Bicycloalkenyl group (a substituted or unsubstituted bicycloalkenyl group, preferably a substituted or unsubstituted bicycloalkenyl group having 5 to 30 carbon atoms, that is, a monovalent group obtained by removing one hydrogen atom of a bicycloalkene having one double bond. For example, bicyclo [2,2,1] hept-2-en-1-yl, bicyclo 2,2,2] oct-2-en-4-yl). An alkynyl group (preferably a substituted or unsubstituted alkynyl group having 2 to 30 carbon atoms, such as ethynyl, propargyl, trimethylsilylethynyl group), an aryl group (preferably a substituted or unsubstituted aryl having 6 to 30 carbon atoms) Groups such as phenyl, p-tolyl, naphthyl, m-chlorophenyl, o-hexadecanoylaminophenyl), heterocyclic groups (preferably 5- or 6-membered substituted or unsubstituted aromatic or non-aromatic heterocycles A monovalent group obtained by removing one hydrogen atom from a compound, and more preferably a 5- or 6-membered aromatic heterocyclic group having 3 to 30 carbon atoms, such as 2-furyl, 2-thienyl, 2-pyrimidinyl, 2-benzothiazolyl, and the like 1-methyl-2-pyridinio and 1-methyl-2-quinolinio A cyano group, a hydroxyl group, a nitro group, a carboxyl group, an alkoxy group (preferably a substituted or unsubstituted alkoxy group having 1 to 30 carbon atoms such as methoxy, ethoxy, Propoxy, t-butoxy, n-octyloxy, 2-methoxyethoxy), aryloxy group (preferably a substituted or unsubstituted aryloxy group having 6 to 30 carbon atoms, such as phenoxy, 2-methylphenoxy, 4- t-butylphenoxy, 3-nitrophenoxy, 2-tetradecanoylaminophenoxy), silyloxy group (preferably a silyloxy group having 3 to 20 carbon atoms, such as trimethylsilyloxy, t-butyldimethylsilyloxy), heterocyclic oxy A group (preferably a substitution of 2 to 30 carbon atoms or Unsubstituted heterocyclic oxy group, 1-phenyltetrazol-5-oxy, 2-tetrahydropyranyloxy), acyloxy group (preferably formyloxy group, substituted or unsubstituted alkylcarbonyloxy group having 2 to 30 carbon atoms, A substituted or unsubstituted arylcarbonyloxy group having 6 to 30 carbon atoms, such as formyloxy, acetyloxy, pivaloyloxy, stearoyloxy, benzoyloxy, p-methoxyphenylcarbonyloxy), carbamoyloxy group (preferably having 1 carbon atom) To 30 substituted or unsubstituted carbamoyloxy groups such as N, N-dimethylcarbamoyloxy, N, N-diethylcarbamoyloxy, morpholinocarbonyloxy, N, N-di-n-octylaminocarbonyloxy, Nn -Octylcarbamoyloxy), alkoxycarbonyloxy group (preferably a substituted or unsubstituted alkoxycarbonyloxy group having 2 to 30 carbon atoms, such as methoxycarbonyloxy, ethoxycarbonyloxy, t-butoxycarbonyloxy, n-octylcarbonyloxy) An aryloxycarbonyloxy group (preferably a substituted or unsubstituted aryloxycarbonyloxy group having 7 to 30 carbon atoms such as phenoxycarbonyloxy, p-methoxyphenoxycarbonyloxy, pn-hexadecyloxyphenoxycarbonyloxy ), An amino group (preferably an amino group, a substituted or unsubstituted alkylamino group having 1 to 30 carbon atoms, a substituted or unsubstituted anilino group having 6 to 30 carbon atoms, such as amino, Amino, dimethylamino, anilino, N-methyl-anilino, diphenylamino), ammonio groups (preferably ammonio groups, substituted or unsubstituted alkyls having 1 to 30 carbon atoms, aryl, heterocyclic rings substituted, Trimethylammonio, triethylammonio, diphenylmethylammonio), acylamino group (preferably formylamino group, substituted or unsubstituted alkylcarbonylamino group having 1 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted group having 6 to 30 carbon atoms) Arylcarbonylamino groups such as formylamino, acetylamino, pivaloylamino, lauroylamino, benzoylamino, 3,4,5-tri-n-octyloxyphenylcarbonylamino), aminocarbonylamino groups (preferably carbon A substituted or unsubstituted aminocarbonylamino having a number of 1 to 30, for example, carbamoylamino, N, N-dimethylaminocarbonylamino, N, N-diethylaminocarbonylamino, morpholinocarbonylamino), an alkoxycarbonylamino group (preferably having a carbon number) 2 to 30 substituted or unsubstituted alkoxycarbonylamino groups such as methoxycarbonylamino, ethoxycarbonylamino, t-butoxycarbonylamino, n-octadecyloxycarbonylamino, N-methyl-methoxycarbonylamino), aryloxycarbonylamino groups (Preferably a substituted or unsubstituted aryloxycarbonylamino group having 7 to 30 carbon atoms such as phenoxycarbonylamino, p-chlorophenoxycarbonylamino, m -N-octyloxyphenoxycarbonylamino), a sulfamoylamino group (preferably a substituted or unsubstituted sulfamoylamino group having 0 to 30 carbon atoms, such as sulfamoylamino, N, N-dimethylaminosulfonyl) Amino, Nn-octylaminosulfonylamino), alkyl and arylsulfonylamino groups (preferably substituted or unsubstituted alkylsulfonylamino having 1 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted arylsulfonylamino having 6 to 30 carbon atoms) , For example, methylsulfonylamino, butylsulfonylamino, phenylsulfonylamino, 2,3,5-trichlorophenylsulfonylamino, p-methylphenylsulfonylamino), mercapto group, alkylthio group (preferably having 1 to 30 carbon atoms) Substituted or unsubstituted alkylthio groups such as methylthio, ethylthio, n-hexadecylthio), arylthio groups (preferably substituted or unsubstituted arylthio having 6 to 30 carbon atoms such as phenylthio, p-chlorophenylthio, m-methoxyphenylthio) ), A heterocyclic thio group (preferably a substituted or unsubstituted heterocyclic thio group having 2 to 30 carbon atoms, such as 2-benzothiazolylthio, 1-phenyltetrazol-5-ylthio), a sulfamoyl group (preferably carbon 0 or 30 substituted or unsubstituted sulfamoyl groups such as N-ethylsulfamoyl, N- (3-dodecyloxypropyl) sulfamoyl, N, N-dimethylsulfamoyl, N-acetylsulfamoyl, N -Benzoylsulfamoyl, N- (N'- Phenylcarbamoyl) sulfamoyl), sulfo groups, alkyl and arylsulfinyl groups (preferably substituted or unsubstituted alkylsulfinyl groups having 1 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted arylsulfinyl groups having 6 to 30 carbon atoms, such as methylsulfinyl , Ethylsulfinyl, phenylsulfinyl, p-methylphenylsulfinyl), alkyl and arylsulfonyl groups (preferably substituted or unsubstituted alkylsulfonyl groups having 1 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted arylsulfonyl groups having 6 to 30 carbon atoms) , For example, methylsulfonyl, ethylsulfonyl, phenylsulfonyl, p-methylphenylsulfonyl), acyl group (preferably formyl group, substituted or unsubstituted alkylcarbonyl group having 2 to 30 carbon atoms, 7 carbon atoms 30 substituted or unsubstituted arylcarbonyl groups, heterocyclic carbonyl groups bonded to carbonyl groups by substituted or unsubstituted carbon atoms having 4 to 30 carbon atoms, such as acetyl, pivaloyl, 2-chloroacetyl, stearoyl , Benzoyl, pn-octyloxyphenylcarbonyl, 2-pyridylcarbonyl, 2-furylcarbonyl), an aryloxycarbonyl group (preferably a substituted or unsubstituted aryloxycarbonyl group having 7 to 30 carbon atoms, such as phenoxy Carbonyl, o-chlorophenoxycarbonyl, m-nitrophenoxycarbonyl, pt-butylphenoxycarbonyl), alkoxycarbonyl group (preferably a substituted or unsubstituted alkoxycarbonyl group having 2 to 30 carbon atoms, such as methoxycarbon Nyl, ethoxycarbonyl, t-butoxycarbonyl, n-octadecyloxycarbonyl), a carbamoyl group (preferably a substituted or unsubstituted carbamoyl having 1 to 30 carbon atoms such as carbamoyl, N-methylcarbamoyl, N, N-dimethyl) Carbamoyl, N, N-di-n-octylcarbamoyl, N- (methylsulfonyl) carbamoyl), aryl and heterocyclic azo groups (preferably substituted or unsubstituted arylazo groups having 6 to 30 carbon atoms, 3 to 30 carbon atoms) Substituted or unsubstituted heterocyclic azo groups such as phenylazo, p-chlorophenylazo, 5-ethylthio-1,3,4-thiadiazol-2-ylazo), imide groups (preferably N-succinimide, N-phthalimide) ), Phosphino groups (preferably carbon A substituted or unsubstituted phosphino group having 2 to 30 carbon atoms, such as dimethylphosphino, diphenylphosphino, methylphenoxyphosphino), a phosphinyl group (preferably a substituted or unsubstituted phosphinyl group having 2 to 30 carbon atoms, such as Phosphinyl, dioctyloxyphosphinyl, diethoxyphosphinyl), phosphinyloxy group (preferably a substituted or unsubstituted phosphinyloxy group having 2 to 30 carbon atoms, such as diphenoxyphosphinyloxy, Dioctyloxyphosphinyloxy), a phosphinylamino group (preferably a substituted or unsubstituted phosphinylamino group having 2 to 30 carbon atoms, such as dimethoxyphosphinylamino, dimethylaminophosphinylamino), Phosphor group, silyl group (preferably carbon number 3 to 30 substituted or unsubstituted silyl groups such as trimethylsilyl, t-butyldimethylsilyl, phenyldimethylsilyl), hydrazino groups (preferably substituted or unsubstituted hydrazino groups having 0 to 30 carbon atoms such as trimethylhydra Dino), a ureido group (preferably a substituted or unsubstituted ureido group having 0 to 30 carbon atoms, such as N, N-dimethylureido).
[0012]
In addition, two Ws can be combined to form a ring (aromatic or non-aromatic hydrocarbon ring or heterocyclic ring. These can be further combined to form a polycyclic fused ring. For example, a benzene ring or naphthalene. Ring, anthracene ring, phenanthrene ring, fluorene ring, triphenylene ring, naphthacene ring, biphenyl ring, pyrrole ring, furan ring, thiophene ring, imidazole ring, oxazole ring, thiazole ring, pyridine ring, pyrazine ring, pyrimidine ring, pyridazine ring, Indolizine ring, indole ring, benzofuran ring, benzothiophene ring, isobenzofuran ring, quinolidine ring, quinoline ring, phthalazine ring, naphthyridine ring, quinoxaline ring, quinoxazoline ring, isoquinoline ring, carbazole ring, phenanthridine ring, acridine ring, Phenanthroline ring, thian Ren ring, chromene ring, xanthene ring, phenoxathiin ring, a phenothiazine ring and a phenazine ring.) May also be formed.
[0013]
Among the above substituents W, those having a hydrogen atom may be substituted with the above groups by removing this. Examples of such substituents include -CONHSO2-Group (sulfonylcarbamoyl group, carbonylsulfamoyl group), -CONHCO- group (carbonylcarbamoyl group), -SO2NHSO2-Group (sulfonylsulfamoyl group).
More specifically, alkylcarbonylaminosulfonyl group (for example, acetylaminosulfonyl), arylcarbonylaminosulfonyl group (for example, benzoylaminosulfonyl group), alkylsulfonylaminocarbonyl group (for example, methylsulfonylaminocarbonyl), arylsulfonylamino A carbonyl group (for example, p-methylphenylsulfonylaminocarbonyl) is mentioned.
[0014]
The dye represented by the general formula (1) used in the silver halide light-sensitive material of the present invention will be described below.
The structure of the methine dye represented by the general formula (1) is preferably a cyanine dye, hemicyanine dye, streptocyanine dye, styryl dye, merocyanine dye, trinuclear merocyanine dye, tetranuclear merocyanine dye, rhodacyanine dye, complex cyanine. Examples thereof include methine dyes such as dyes, complex merocyanine dyes, allopolar dyes, oxonol dyes, hemioxonol dyes, squalium dyes, croconium dyes, and azamethine dyes. Of these, a cyanine dye, a hemicyanine dye, a streptocyanine dye, a merocyanine dye, a trinuclear merocyanine dye, a four-nuclear merocyanine dye, an oxonol dye, a hemioxonol dye, and a rhodacyanine dye, more preferably a cyanine dye, a hemicyanine dye, Streptocyanine dyes, merocyanine dyes, oxonol dyes and hemioxonol dyes are more preferable cyanine dyes and merocyanine dyes, particularly preferably cyanine dyes, and most preferably trimethine cyanine dyes. Q in the general formula (1) is a residue necessary to complete these methine dyes.
[0015]
For more information on these dyes, see F.M. Harmer, “Heterocyclic Compounds-Cyanine Dies and Related Compounds,” John. “Heterocyclic Compounds-Cyanine Dies and Related Compounds”. John Wiley & Sons-New York, London, 1964, by DM Sturmer, "Heterocyclic Compounds in Special Topics in Heterocyclic." Chemistry (Heterocyclic Compounds-Special topics in heterochemical chemistry) "Chapter 18, Section 14, pp. 482-515, John Wiley & Sons-New York, London, 1977," Rods Chemistry of Carbon Compounds (Rodd). " 's Chemistry of Carbon Compounds) "2nd. Ed. vol. IV, part B, 1977, Chapter 15, pages 369-422, published by Elsevier Science Publishing Company Inc., New York, and the like.
Furthermore, RD 17643, pages 23 to 24, RD 18716, page 648, right column to page 649, right column, RD 308119, page 996, right column to page 998, right column, European Patent No. 056596A1, page 65, lines 7 to 10 What is described in, can be used preferably. The general formulas of preferred dyes include U.S. Pat. No. 5,747,236 (especially pages 30 to 39), U.S. Pat. No. 5,340,694 (especially pages 21 to 60, provided that (XI) , (XII), (XIII)12, N15, N17, N18The number of is not limited and is an integer of 0 or more (preferably 4 or less). ) And the like.
[0016]
When a cyanine dye is formed by Q, it can also be expressed by the following resonance equation.
[0017]
[Chemical 3]
[0018]
In the present invention, it is preferable that the compound represented by the general formula (1) is represented by the following general formula (2) or (3). Of the general formulas (2) and (3), the general formula (2) is preferable.
General formula (2)
[0019]
[Formula 4]
[0020]
In the formula, L3, L4, L5, L6, L7, L8 and L9 each represent a methine group. R2 and R3 each represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group. Z2 and Z3 each represent an atomic group necessary for forming a 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocycle, and may be further condensed. n1 represents 0, 1, 2 or 3. p2 and p3 each represents 0 or 1; X, M1, and m1 have the same meaning as in general formula (1).
General formula (3)
[0021]
[Chemical formula 5]
[0022]
In the formula, L10, L11, L12, and L13 each represent a methine group. Z4 represents an atomic group necessary for forming a 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocyclic ring, and may be further condensed. Z5 and Z5 'represent an atomic group necessary for forming a cyclic or acyclic acidic end group together with (N-R5) q1. R4 and R5 each represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group. q1 represents 0 or 1. n2 represents 0, 1, 2 or 3. p4 represents 0 or 1. X, M1, and m1 have the same meaning as in general formula (1).
[0023]
In the general formulas (1), (2) and (3), the 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocycle represented by Z1, Z2, Z3 and Z4 may be further condensed by a benzene ring or the like. Z 1, Z 2, Z 3 and Z 4 include thiazoline nucleus, thiazole nucleus, benzothiazole nucleus, oxazoline nucleus, oxazole nucleus, benzoxazole nucleus, selenazoline nucleus, selenazole nucleus, benzoselenazole nucleus, 3,3-dialkylindolenin nucleus (for example, 3,3-dimethylindolenine), imidazoline nucleus, imidazole nucleus, benzimidazole nucleus, 2-pyridine nucleus, 4-pyridine nucleus, 2-quinoline nucleus, 4-quinoline nucleus, 1-isoquinoline nucleus, 3-isoquinoline nucleus, Examples include imidazo [4,5-b] quinoxaline nucleus, oxadiazole nucleus, thiadiazole nucleus, tetrazole nucleus, and pyrimidine nucleus.
[0024]
Preferred are a benzoxazole nucleus, a benzothiazole nucleus, a benzimidazole nucleus and a quinoline nucleus, and more preferred are a benzoxazole nucleus and a benzothiazole nucleus.
[0025]
X represents a benzofuran group. X may be bonded anywhere on the 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocyclic ring (including the condensed ring) represented by Z1, Z2, Z3 and Z4. X is preferably bonded to a benzo-fused benzene ring. When Z1 to Z4 are benzoazole rings, the preferred bonding position to the benzene ring is the 5th or 6th position, and the 5th position is particularly preferred.
[0026]
The above-mentioned substituent represented by W may be further substituted on the benzofuran group, but preferably it is unsubstituted or substituted with a halogen, amide group, hydroxy group or carboxy group, more preferably unsubstituted. Or it is a case where a carbamoyl group, a hydroxy group, and a carboxy group are substituted, and it is particularly preferably an unsubstituted case.
[0027]
Z5 and Z5 'represent an atomic group necessary for forming a cyclic or acyclic acidic end group together with (N-R5) q1. For example, Z5 is a thiocarbonyl group, a carbonyl group, an ester group, an acyl group, a carbamoyl group, a cyano group, or a sulfonyl group. Z5 'represents the remaining atomic group necessary to form an acidic nucleus and an acyclic acidic end group.
[0028]
Cyclic or acyclic acidic end groups formed by Z5 and Z5 ′ together with (N—R5) q1 are, for example, “The Theory of the Photographic Process” edited by James. (The Theory of the Photographic Process), 4th edition, Macmillan Publishers, 1977, pp. 198-200. Here, an acyclic acidic terminal group means an acidic or electron-accepting terminal group that does not form a ring. The cyclic acidic end group is hereinafter referred to as an acidic nucleus.
Acid nuclei and acyclic acidic end groups are specifically described in U.S. Pat. Nos. 3,567,719, 3,575,869, 3,804,634, 3,837,862. No. 4,002,480, No. 4,925,777, JP-A-3-167546, US Pat. No. 5,994,051, US Pat. No. 5,747,236, etc. Can be mentioned.
[0029]
The acidic nucleus is preferred when forming a heterocycle (preferably a 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocycle) composed of carbon, nitrogen, and / or chalcogen (typically oxygen, sulfur, selenium, and tellurium) atoms. More preferably, when forming a 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocycle consisting of carbon, nitrogen, and / or chalcogen (typically oxygen, sulfur, selenium, and tellurium) atoms. Specifically, for example, the following nuclei can be mentioned.
[0030]
2-pyrazolin-5-one, pyrazolidine-3,5-dione, imidazoline-5-one, hydantoin, 2 or 4-thiohydantoin, 2-iminooxazolidine-4-one, 2-oxazoline-5-one, 2-thiooxazolidine-2, 5-dione, 2- Thioxazoline-2,4-dione, isoxazoline-5-one, 2-thiazoline-4-one, thiazolidine-4-one, thiazolidine-2,4-dione, rhodanine, thiazolidine-2,4-dithione, isorhodanine, indan-1,3-dione, thiophene-3-one, thiophene 3-one-1, 1-dioxide, indoline-2-one, indoline-3-one, 2-oxoindazolinium, 3-oxoindazolinium, 5,7-dioxo-6, 7-dihydrothiazolo 3,2-a] pyrimidine, cyclohexane-1,3-dione, 3,4-dihydroisoquinoline-4-one, 1,3-dioxane-4,6-dione, barbituric acid, 2-thiobarbituric acid, chroman-2, 4-dione , Indazolin-2-one, pyrido [1,2-a] pyrimidine-1,3-dione, pyrazolo [1,5-b] quinazolone, pyrazolo [1,5-a] benzimidazole, pyrazolopyridone, 1,2,3,4 Tetrahydroquinoline-2, 4-dione, 3-oxo-2, 3-dihydrobenzo [d] thiophene-1, 1-dioxide, 3-dicyanomethine-2, 3-dihydrobenzo [d] thiophene-1, 1-dioxide nucleus.
[0031]
Furthermore, a nucleus having an exomethylene structure in which the carbonyl group or thiocarbonyl group forming these nuclei is substituted at the active methylene position of the acidic nucleus, and ketomethylene or cyano as a raw material for the acyclic acidic terminal group. A nucleus having an exomethylene structure substituted at the active methylene position of an active methylene compound having a structure such as methylene.
[0032]
These acidic nuclei and acyclic acidic terminal groups may be substituted or condensed with the substituent or ring represented by the aforementioned substituent W.
[0033]
q1 is 0 or 1, but preferably 1.
[0034]
Z5 and Z5 ′ are formed together with (N—R5) q1 and cyclic or acyclic acidic end groups include hydantoin, 2 or 4-thiohydantoin, 2-oxazoline-5-one, and 2-thiooxazoline. -2, 4-dione, thiazolidine-2, 4-dione, rhodanine, thiazolidine-2, 4-dithione, barbituric acid, 2-thiobarbituric acid are preferred, more preferably 2 or 4-thiohydantoin, 2-oxazoline-5-one, 2-thiooxazoline-2,4-dione, rhodanine, thiazolidine-2,4-dithione, barbituric acid, 2-thiobarbituric acid, more preferably barbituric acid, 2-thiobarbituric acid.
[0035]
R1, R2, R3, R4 and R5 each represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group. Examples of the alkyl group represented by R1, R2, R3, R4 and R5 include unsubstituted alkyl groups having 1 to 18, preferably 1 to 7, particularly preferably 1 to 4 carbon atoms (for example, methyl, ethyl, Propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, hexyl, octyl, dodecyl, octadecyl), a substituted alkyl group having 1 to 18, preferably 1 to 7, particularly preferably 1 to 4 carbon atoms {for example, an alkyl group substituted with W as described above Can be mentioned. Preferably, an aralkyl group (for example, benzyl, 2-phenylethyl), an unsaturated hydrocarbon group (for example, allyl group), a hydroxyalkyl group (for example, 2-hydroxyethyl, 3-hydroxypropyl), a carboxyalkyl group (for example, 2- Carboxyethyl, 3-carboxypropyl, 4-carboxybutyl, carboxymethyl), an alkoxyalkyl group (eg, 2-methoxyethyl, 2- (2-methoxyethoxy) ethyl), an aryloxyalkyl group (eg, 2-phenoxyethyl, 2- (1-naphthoxy) ethyl), alkoxycarbonylalkyl group (eg ethoxycarbonylmethyl, 2-benzyloxycarbonylethyl), aryloxycarbonylalkyl group (eg 3-phenoxycarbonylpropyl), acyloxyalkyl group For example, 2-acetyloxyethyl), acylalkyl groups (for example, 2-acetylethyl), carbamoylalkyl groups (for example, 2-morpholinocarbonylethyl), sulfamoylalkyl groups (for example, N, N-dimethylcarbamoylmethyl), sulfoalkyl groups (For example, 2-sulfoethyl, 3-sulfopropyl, 3-sulfobutyl, 4-sulfobutyl, 2- [3-sulfopropoxy] ethyl, 2-hydroxy-3-sulfopropyl, 3-sulfopropoxyethoxyethyl), sulfoalkenyl group (For example, a sulfoallyl group), a sulfatoalkyl group (for example, 2-sulfatoethyl group, 2-sulfatopropyl, 4-sulfatobutyl), a heterocyclic-substituted alkyl group (for example, 2- (pyrrolidin-2-one- 1-yl) ethyl, tetrahydrofurf , 3- (1-pyridinio) propyl, 3- (3-methyl-1-imidazolio) propyl), alkylsulfonylcarbamoylmethyl group (eg methanesulfonylcarbamoylmethyl group), ammonioalkyl group (eg 3- (trimethyl) Ammonio) propyl, 3-ammoniopropyl), aminoalkyl groups (eg 3-aminopropyl, 3- (dimethylamino) propyl, 4- (methylamino) butyl), guanidinoalkyl groups (eg 4-guanodinobutyl) Is mentioned.
[0036]
The aryl group represented by R 1, R 2, R 3, R 4 and R 5 is a substituted or unsubstituted aryl group having 1 to 18 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms. Groups. For example, an unsubstituted aryl group (eg, phenyl, naphthyl), an alkylaryl group (eg, 4-methylphenyl, 5,8-dimethylnaphthyl group), an unsaturated hydrocarbon group-substituted aryl group (eg, 4-vinylphenyl) Group), hydroxyaryl group (for example, 2-hydroxyphenyl, 4-hydroxyphenyl), carboxyaryl group (for example, 2-carboxyphenyl, 4-carboxyphenyl), alkoxyaryl group (for example, 4-methoxyphenyl), aryl Roxyaryl group (eg 2-phenoxyphenyl), alkoxycarbonylaryl group (eg ethoxycarbonylphenyl), aryloxycarbonylaryl group, acyloxyaryl group, acylaryl group, halogen-substituted aryl group (eg 4-chlorophenyl group) Sulfamoyl aryl group, a sulfo aryl group, and further the above-described substituent W is an aryl group} substituted thereto.
[0037]
Examples of the heterocyclic group represented by R1, R2, R3, R4 and R5 include heterocyclic groups formed by the aforementioned Z1 and the like.
[0038]
The group represented by R1, R2, R3, R4 and R5 is preferably an alkyl group, more preferably the above-mentioned unsubstituted alkyl group, carboxyalkyl group, ammonioalkyl group, aminoalkyl group, guanidinoalkyl group, And a sulfoalkyl group, more preferably an unsubstituted alkyl group, an ammonioalkyl group, and a sulfoalkyl group, and particularly preferably a sulfopropyl group.
[0039]
L1, L2, L3, L4, L5, L6, L7, L8, L9, L10, L11, L12, and L13 each independently represent a methine group. The methine group represented by L1 to L13 may have a substituent, and examples of the substituent include substituted or unsubstituted carbon atoms of 1 to 15, preferably 1 to 10, and more preferably 1 carbon atom. To 5 alkyl groups (for example, methyl, ethyl, 2-carboxyethyl), substituted or unsubstituted aryl groups having 6 to 20, preferably 6 to 15, more preferably 6 to 10 carbon atoms (for example, phenyl). O-carboxyphenyl), a substituted or unsubstituted heterocyclic group having 3 to 20 carbon atoms, preferably 4 to 15 carbon atoms, more preferably 6 to 10 carbon atoms (for example, N, N-, diethyl barbituric acid group) ), Halogen atoms (for example, chlorine, bromine, fluorine, iodine), C 1-15, preferably C 1-10, more preferably C 1 An alkoxy group (for example, methoxy, ethoxy), an alkylthio group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, more preferably 1 to 5 carbon atoms (for example, methylthio, ethylthio), 6 to 20 carbon atoms, preferably An arylthio group having 6 to 15 carbon atoms, more preferably 6 to 10 carbon atoms (for example, phenylthio), 0 to 15 carbon atoms, preferably 2 to 10 carbon atoms, and more preferably an amino group having 4 to 10 carbon atoms (for example, N, N-diphenylamino, N-methyl-N-phenylamino, N-methylpiperazino) and the like. Further, it may form a ring with other methine groups, or it can form a ring with Z1, Z2, Z3, Z4 and Z5.
[0040]
n1 and n2 are preferably 0, 1, 2, and 3. n1 is more preferably 0 or 1, and particularly preferably 1. n2 is preferably 0 or 1, and more preferably 0. When n1 and n2 are 2 or more, the methine group is repeated, but it is not necessary to be the same.
[0041]
M1 is included in the formula to indicate the presence of a cation or anion when necessary to neutralize the ionic charge of the dye. Typical cations include hydrogen ions (H+), Inorganic cations such as alkali metal ions (for example, sodium ion, potassium ion, lithium ion), alkaline earth metal ions (for example calcium ion), ammonium ions (for example, ammonium ion, tetraalkylammonium ion, pyridinium ion, ethyl) Organic ions such as pyridinium ions). The anion may be either an inorganic anion or an organic anion, such as a halogen anion (eg, fluorine ion, chlorine ion, iodine ion), a substituted aryl sulfonate ion (eg, p-toluenesulfonate ion, p-chloro). Benzene sulfonate ion), aryl disulfonate ion (for example, 1,3-benzene sulfonate ion, 1,5-naphthalene disulfonate ion, 2,6-naphthalene disulfonate ion), alkyl sulfate ion (for example, methyl sulfate ion), Examples thereof include sulfate ion, thiocyanate ion, perchlorate ion, tetrafluoroborate ion, picrate ion, acetate ion, and trifluoromethanesulfonate ion. Furthermore, you may use the ionic polymer or the other pigment | dye which has a charge opposite to a pigment | dye. m1 represents a number necessary for balancing the electric charge, and is 0 when a salt is formed in the molecule.
[0042]
Specific examples of the dye represented by the general formula (1) used in the present invention (including the dye represented by the subordinate general formulas (2) and (3)) are shown below. Is not limited.
[0043]
[Chemical 6]
[0044]
[Chemical 7]
[0045]
[Chemical 8]
[0046]
[Chemical 9]
[0047]
Embedded image
[0048]
The dye used in the present invention whose J-association property is changed by pH change is described by FM Harmer, “Heterocyclic Compounds-Cyanine”, “Heterocyclic Compounds-Cyanine Soybeans and Related Compounds”. "Dyes and Related Compounds", John Wiley & Sons-New York, London, 1964, "Dam Sturmer" "Heterocyclic Compounds-Special"・ Topics in Heterocyclic Chemistry (Special Cyclics in Heteroc) clic chemistry ", Chapter 18, Section 14, 482-515, John Wiley & Sons-New York, London, 1977," Rods Chemistry of Carbon Compounds ". (Rodd's Chemistry of Carbon Compounds), 2nd edition, Volume IV, Part B, Chapter 15, pages 369-422, Elsevier Science Publishing Company Inc.-New York, Inc. It can be synthesized with reference to the method described in 1977.
[0049]
Synthesis examples of the dye used in the present invention will be shown.
According to the following scheme, dye1 was synthesized.
[0050]
Embedded image
[0051]
Under a nitrogen stream, 21 g of 5-bromo-2-methylbenzoxazole (1), 25 g of arylboric acid (2), 43 g of potassium carbonate, and 200 ml of DMF were mixed, and 2 g of tetrakistriphenylphosphine palladium was stirred while stirring at an external temperature of 100 ° C. Add and stir at this temperature for 5 hours. After completion of the reaction, 200 ml of water and 300 ml of ethyl acetate were added and stirred well, filtered through Celite, the filtrate was transferred to a separatory funnel and allowed to stand, the organic layer was separated, dried over anhydrous magnesium sulfate, filtered off dust, The solvent was distilled off with a rotary evaporator. The obtained crystals were recrystallized from ethyl acetate to obtain Compound 3. It was confirmed by NMR that the obtained compound was Compound 3. Yield 72%.
Next, 6 g of compound 3, 4.4 g of propane sultone and 5 ml of anisole were mixed and stirred at 140 ° C. for 5 hours. After cooling, 80 ml of acetone was added, crystallized, filtered and dried to obtain a quaternary salt compound 4. (Yield 79%)
5 g of quaternary salt compound 4, 15 ml of triethylorthopropionate, 15 ml of pyridine, and 5 ml of acetic acid were mixed and stirred at an external temperature of 120 ° C. for 2 hours. After cooling, 100 ml of acetone was added and stirred at room temperature for 30 minutes, and the crystals were collected by filtration. The crystals were further washed with methanol and the crystals were collected by filtration and dried.
It was confirmed by NMR that the obtained crystal was dye1. Yield 1.36 g (23% yield)
[0052]
In the present invention, not only the dye represented by the general formula (1) but also a sensitizing dye other than the dye represented by the general formula (1) may be used or used in combination. Preferred examples of the dye used include cyanine dyes, merocyanine dyes, rhodacyanine dyes, trinuclear merocyanine dyes, tetranuclear merocyanine dyes, allopolar dyes, hemicyanine dyes, and styryl dyes. More preferred are cyanine dyes, merocyanine dyes and rhodacyanine dyes, and particularly preferred are cyanine dyes. For more information on these dyes, see F.M. Harmer, “Heterocyclic Compounds-Cyanine Dies and Related Compounds”, John. John Wiley & Sons-New York, London, 1964, by DM Sturmer, “Heterocyclic Compounds in Special Topics in Heterocyclics” Chemistry (Heterocyclic Compounds-Special topics in heterochemical chemistry) "Chapter 18, Section 14, 482-515, John Wiley & Sons-New York, London, 1977," Rods Chemistry of Carbon Compounds (Rodd). 's Chemistry of Carbon Compounds) "2nd. Ed. vol. IV, part B, 1977, Chapter 15, pages 369-422, published by Elsevier Science Publishing Company Inc., New York, and the like.
Furthermore, RD 17643, pages 23 to 24, RD 18716, page 648, right column to page 649, right column, RD308119, page 996, right column to page 998, right column, European Patent No. 056596A1, page 65, lines 7 to 10 What is described in, can be used preferably. Moreover, as a general formula of a preferable dye, U.S. Pat. No. 5,747,236 (especially pages 30 to 39), U.S. Pat. No. 5,340,694 (especially pages 21 to 60, provided that (XI) , (XII), (XIII)12, N15, N17, N18The number of is not limited and is an integer of 0 or more (preferably 4 or less). ) And the like.
[0053]
The dye represented by the general formula (1) used in the present invention (hereinafter simply referred to as methine dye) is preferably added in an amount of 0.01 to 8.0 millimoles per mole of silver halide, more preferably Is from 0.1 to 3.5 mmol per mol of silver halide, particularly preferably from 0.2 to 1.5 mmol per mol of silver halide. The optimum dye concentration will depend on the intended end use of the photographic material and can be determined by methods known in the art.
[0054]
In the present invention, in order to incorporate the dye represented by the general formula (1) described in detail above in the silver halide emulsion of the present invention, they may be dispersed directly in the emulsion, or water, Methanol, ethanol, propanol, acetone, methyl cellosolve, 2,2,3,3-tetrafluoropropanol, 2,2,2-trifluoroethanol, 3-methoxy-1-propanol, 3-methoxy-1-butanol, A solvent such as 1-methoxy-2-propanol, acetonitrile, tetrahydrofuran, N, N-dimethylformamide or the like may be dissolved in a mixed solvent and added to the emulsion. Further, as described in US Pat. No. 3,469,987, etc., the dye is dissolved in a volatile organic solvent, the solution is dispersed in water or a hydrophilic colloid, and this dispersion is added to the emulsion. As described in JP-B-46-24185, etc., in which a water-insoluble dye is dispersed in a water-soluble solvent without dissolving it, and this dispersion is added to the emulsion, JP-B-44-23389, As described in JP-B-44-27555, JP-B-57-22091, etc., a dye is dissolved in an acid and the solution is added to an emulsion, or an acid or a base is allowed to coexist to form an aqueous solution into the emulsion. Addition method, as described in US Pat. No. 3,822,135, US Pat. No. 4,006,025, etc., is added to the emulsion in the form of an aqueous solution or colloidal dispersion in the presence of a surfactant. Method, special As described in JP-A-53-102733 and JP-A-58-105141, a method of directly dispersing a dye in a hydrophilic colloid and adding the dispersion to an emulsion, described in JP-A-51-74624 For example, a method of dissolving a dye using a compound that shifts red and adding the solution to an emulsion can be used. In addition, ultrasonic waves can be used for dissolution.
[0055]
The coloring matter represented by the general formula (1) used in the present invention may be added separately or may be added at once. The dye represented by formula (1) may be added at any time during emulsion preparation. The addition temperature of the dye may be any number of times, but the emulsion temperature at the time of addition of the dye represented by the general formula (1) is preferably 10 ° C. or more and 75 ° C. or less, particularly preferably 30 ° C. or more and 65 ° C. or less. Although the emulsion used in the present invention may be non-chemically sensitized, it is preferably chemically sensitized. The total addition amount of the dye represented by the general formula (1) may be added before chemical sensitization, or may be added after chemical sensitization.
[0056]
Next, multilayer adsorption will be described. First, the meaning of terms used in the following description will be described.
Dye occupation area: Occupied area per molecule of dye. It can be determined experimentally from the adsorption isotherm. In the case of a dye in which a dye chromophore is linked by a covalent bond, the dye occupation area of each dye that is not linked is used as a reference. 80Å for simplicity2.
Single-layer saturation coating amount: Dye adsorption amount per unit particle surface area during single-layer saturation coating. The reciprocal of the smallest dye occupancy area among the added dyes.
Multilayer adsorption: A state in which the adsorption amount of the dye chromophore per unit particle surface area is larger than the saturated coating amount.
Number of adsorbed layers: The amount of adsorbed dye chromophore per unit particle surface area based on the single layer saturated coating amount.
[0057]
In the present invention, multilayer adsorption means that more dye chromophores are laminated on the surface of silver halide grains.
Here, the state in which more sensitizing dyes are laminated on the surface of the silver halide grains means that more dyes are bound in the vicinity of the silver halide grains and are present in the dispersion medium. Contains no pigments. Even when the dye chromophore is covalently linked to the substance adsorbed on the particle surface, if the linking group is very long and the dye chromophore is present in the dispersion medium, the light absorption intensity is increased. The effect is small and undesirable. In addition, it is necessary for spectral sensitization to occur due to a dye that is not directly adsorbed on the grain surface. To that end, excitation energy is transferred from a dye that is not directly adsorbed to silver halide to a dye that is adsorbed directly to the grain. Necessary. Therefore, when the transmission of excitation energy needs to occur in more than 10 stages, it is not preferable because the final excitation energy transmission efficiency is lowered. An example of this is the case where most of the dye chromophore is present in the dispersion medium, such as a polymer dye such as JP-A-2-113239, and it is necessary to transmit excitation energy in 10 steps or more.
In the present invention, the number of dye chromophores per molecule is preferably 1 to 3, more preferably 1 to 2, and most preferably 1.
[0058]
The chromophore mentioned here means an atomic group which mainly causes the absorption band of the molecule described in the physics and chemistry dictionary (4th edition, Iwanami Shoten, 1987), pages 985 to 986. For example, C = C Any atomic group is possible, such as an atomic group having an unsaturated bond such as N = N.
[0059]
For example, cyanine dye, styryl dye, hemicyanine dye, merocyanine dye, trinuclear merocyanine dye, tetranuclear merocyanine dye, rhodacyanine dye, complex cyanine dye, complex merocyanine dye, allopolar dye, oxonol dye, hemioxonol dye, squalium dye, croconium dye Dye, azamethine dye, coumarin dye, arylidene dye, anthraquinone dye, triphenylmethane dye, azo dye, azomethine dye, spiro compound, metallocene dye, fluorenone dye, fulgide dye, perylene dye, phenazine dye, phenothiazine dye, quinone dye, indigo Dye, diphenylmethane dye, polyene dye, acridine dye, acridinone dye, diphenylamine dye, quinacridone dye, quinophthalone Arsenide, phenoxazine dyes, phthaloperylene dyes, porphyrin dyes, chlorophyll dyes, phthalocyanine dyes and metal complex dyes.
Preferably, cyanine dye, styryl dye, hemicyanine dye, merocyanine dye, trinuclear merocyanine dye, tetranuclear merocyanine dye, rhodacyanine dye, complex cyanine dye, complex merocyanine dye, allopolar dye, oxonol dye, hemioxonol dye, squalium dye, And polymethine chromophores such as croconium dyes and azamethine dyes. More preferred are cyanine dyes, merocyanine dyes, trinuclear merocyanine dyes, tetranuclear merocyanine dyes and rhodacyanine dyes, particularly preferred are cyanine dyes, merocyanine dyes and rhodacyanine dyes, and most preferred are cyanine dyes.
[0060]
For more information on these dyes, see F.M. Harmer, “Heterocyclic Compounds-Cyanine Dies and Related Compounds”, John. John Wiley & Sons-New York, London, 1964, by DM Sturmer, “Heterocyclic Compounds in Special Topics in Heterocyclics” Chemistry (Heterocyclic Compounds-Special topics in heterochemical chemistry) "Chapter 18, Section 14, 482-515, John Wiley & Sons-New York, London, 1977," Rods Chemistry of Carbon Compounds (Rodd). 's Chemistry of Carbon Compounds) "2nd. Ed. vol. IV, part B, 1977, Chapter 15, pages 369-422, published by Elsevier Science Publishing Company Inc., New York, and the like.
Furthermore, RD 17643, pages 23 to 24, RD 18716, page 648, right column to page 649, right column, RD 308119, page 996, right column to page 998, right column, European Patent No. 056596A1, page 65, lines 7 to 10 What is described in, can be used preferably. The general formulas of preferred dyes include U.S. Pat. No. 5,747,236 (especially pages 30 to 39), U.S. Pat. No. 5,340,694 (especially pages 21 to 60, provided that (XI) , (XII), (XIII)12, N15, N17, N18The number of is not limited and is an integer of 0 or more (preferably 4 or less). ) And the like.
[0061]
Adsorption of the dye chromophore to the silver halide grains is preferably 1.5 layers or more, more preferably 1.7 layers or more, and particularly preferably 2 layers or more. Although there is no particular upper limit, 10 layers or less are preferable, and 5 layers or less are more preferable.
[0062]
In the present invention, the state in which a larger amount of chromophore is adsorbed on the surface of the silver halide grain means a unit reached by the dye having the smallest dye occupation area on the surface of the silver halide grain among the sensitizing dyes added to the emulsion. The saturated adsorption amount per surface area is defined as a saturated coating amount, and the amount of adsorption per unit area of the dye chromophore is larger than the saturated coating amount. Further, the number of adsorbing layers means an adsorbing amount based on a single layer saturated covering amount. Here, in the case of a dye in which a dye chromophore is linked by a covalent bond, the dye occupation area of each dye that is not linked can be used as a reference.
The dye occupation area can be obtained from an adsorption isotherm indicating the relationship between the free dye concentration and the amount of adsorbed dye, and the particle surface area. Adsorption isotherms are described, for example, by A. Herz et al., Adsorption from Aqueous Solution, Advances in Chemistry Series No. 17, 173 pages (1968).
[0063]
The amount of the sensitizing dye adsorbed on the emulsion grains is determined by separating the emulsion adsorbed with the dye into emulsion grains and the supernatant gelatin aqueous solution, and determining the unadsorbed dye concentration from the spectral absorption measurement of the supernatant. The amount of adsorbed dye is determined by subtracting from the amount, and the precipitated emulsion grains are dried, and a fixed mass of precipitate is dissolved in a 1: 1 mixture of sodium thiosulfate aqueous solution and methanol, and adsorbed dye is measured by spectral absorption measurement. Two methods of obtaining the quantity can be used. When a plurality of types of sensitizing dyes are used, the amount of adsorption for each dye can be determined by a technique such as high performance liquid chromatography. The method for determining the amount of dye adsorbed by quantifying the amount of dye in the supernatant is, for example, W. West et al., Journal of Physical Chemistry, Vol. 56, page 1054 (1952). Etc. can be referred to. However, under conditions where the amount of added dye is large, even unadsorbed dye may settle out, and the method for quantifying the dye concentration in the supernatant may not always provide the correct amount of adsorption. On the other hand, if the method is to measure the amount of dye adsorbed by dissolving the precipitated silver halide grains, the emulsion grains have an overwhelmingly faster settling speed, so the grains and the settled dye can be easily separated, and the dye adsorbed on the grains Only the amount can be measured accurately. This method is the most reliable method for obtaining the dye adsorption amount.
[0064]
As an example of a method for measuring the surface area of silver halide grains, there is a method of obtaining and calculating the shape and size of each grain by taking a transmission electron micrograph by a replica method. In this case, the thickness of the tabular grains is calculated from the length of the shadow of the replica. As a method for taking a transmission electron micrograph, for example, “Electron Microscope Sample Technique Collection” published by the Japan Society for Electron Microscopy, published by Seikodo Shinkosha, 1970, Butterworths, London, 1965, PB • Electron Microscope of Chin (P. B. Hirsch, et al.)
Reference can be made to Crystals).
[0065]
Other methods include, for example, The Journal of Photographic Science, Vol. 14, page 185 (1966), J.F. J. F. Paddy's Transactions of the Faraday Society, Volume 60, page 1325 (1964), S. Boyer, et al. (Journal de Chimie Physique et de Physicochimie biologic) Vol. 63, p. 1123 (1963), Journal of Physical Chemistry, 56, 1054 (1952), W. West et al., Edited by H. Sauvenier, E. Klein ( Reference can be made to E. Klein et al., International Colloquium, Liege, 1959, “Scientific Photography”.
The dye occupancy area is experimentally determined for each case by the above method, but the molecular occupancy area of a commonly used sensitizing dye is approximately 80 mm.2Because it is in the vicinity, the area occupied by all the dyes is simply 80 Å.2The approximate number of adsorbed layers can also be estimated.
[0066]
In the present invention, when the dye chromophore is adsorbed in multiple layers on the silver halide grains, the so-called first layer dye chromophore and the second layer or more dye chromophore adsorbed directly on the silver halide grains. Any reduction potential and oxidation potential may be used, but the reduction potential of the dye chromophore in the first layer is more precious than the value obtained by subtracting 0.2 v from the value of the reduction chromophore in the second layer or more. Preferably there is.
[0067]
Various methods can be used to measure the reduction potential and the oxidation potential. Preferably, the reduction potential and the oxidation potential are measured by phase discrimination type second harmonic AC polarography, and an accurate value can be obtained. The method of measuring the potential by the above-described phase discrimination type second harmonic alternating current polarography is described in Journal of Imaging Science, Volume 30, Page 27 (1986). Yes.
[0068]
The dye chromophore in the second layer or more is preferably a luminescent dye. As the kind of the luminescent dye, those having a skeleton structure of a dye used for a dye laser are preferable. These include, for example, Maeda Mitsuo, Laser Research, Vol. 8, 694, 803, 958 (1980) and Vol. 9, 85 (1981); Organized in Sehafer, “Dye Lasers”, Springer (1973).
[0069]
Further, the absorption maximum wavelength of the first layer dye chromophore in the silver halide photographic light-sensitive material is preferably longer than the absorption maximum wavelength of the second layer or more dye chromophore. Furthermore, it is preferable that the light emission of the dye chromophore in the second layer or more overlaps with the absorption of the dye chromophore in the first layer. Further, it is preferable that the first layer dye chromophore forms a J-aggregate. Further, in order to have absorption and spectral sensitivity in a desired wavelength range, it is preferable that the dye chromophore in the second layer or more also forms a J aggregate.
The energy transfer efficiency of the excitation energy of the second layer dye to the first layer dye is preferably 30% or more, more preferably 60%, and particularly preferably 90% or more. Here, the excitation energy of the second layer dye refers to the energy of the dye in the excited state generated by the light absorption of the second layer dye. When the excitation energy of a molecule moves to another molecule, it is considered that the excitation energy moves via an excited electron transfer mechanism, a Forster model energy transfer mechanism (Forster Model), a Dexter energy transfer mechanism (Dextor Model), etc. Therefore, even in the multilayer adsorption system of this research, it is preferable that the conditions for causing efficient excitation energy transfer considered from these mechanisms are satisfied. Furthermore, it is particularly preferable to satisfy the conditions for causing the Forster-type energy transfer mechanism. In order to increase the Forster-type energy transfer efficiency, it is also effective to lower the refractive index near the emulsion grain surface.
The efficiency of energy transfer from the second layer dye to the first layer dye can be determined as the spectral sensitization efficiency at the time of second layer dye excitation / the spectral sensitization efficiency at the time of first layer dye excitation.
[0070]
In the present invention, the light absorption intensity is the light absorption area intensity by the sensitizing dye per unit particle surface area.0 , The optical density Log (I when the amount of light absorbed by the sensitizing dye on the surface is I.0 / (I0 -I)) to wave number (cm-1) Is defined as the integrated value. Integration range is 5000cm-1To 35000cm-1Up to.
[0071]
The silver halide photographic emulsion according to the present invention has a light absorption intensity of 100 or more in the case of grains having a spectral absorption maximum wavelength of 500 nm or more, and a light absorption intensity of 60 or more in the case of grains having a spectral absorption maximum wavelength of less than 500 nm. It is preferable that the silver halide grains are contained at least ½ of the total projected area of the silver halide grains. In the case of particles having a spectral absorption maximum wavelength of 500 nm or more, the light absorption intensity is preferably 150 or more, more preferably 170 or more, particularly preferably 200 or more, and the particle having a spectral absorption maximum wavelength of less than 500 nm. In some cases, the light absorption intensity is preferably 90 or more, more preferably 100 or more, and particularly preferably 120 or more. Although there is no upper limit in particular, it is preferably 2000 or less, more preferably 1000 or less, and particularly preferably 500 or less.
For particles having a spectral absorption maximum wavelength of less than 500 nm, the spectral absorption maximum wavelength is preferably 350 nm or more.
[0072]
An example of a method for measuring the light absorption intensity is a method using a microspectrophotometer. A microspectrophotometer is a device that can measure an absorption spectrum of a small area, and can measure a transmission spectrum of one particle. For the measurement of the absorption spectrum of a single particle by microspectroscopy, the report by Yamashita et al. (The Photographic Society of Japan, 1996 Annual Meeting Abstract, page 15) can be referred to. The absorption intensity per particle is obtained from this absorption spectrum. However, since the light transmitted through the particle is absorbed by the upper surface and the lower surface, the absorption intensity per unit area of the particle surface can be obtained by the method described above. It can be determined as 1/2 of the absorption intensity per particle obtained. At this time, the interval in which the absorption spectrum is integrated is 5000 cm on the definition of the light absorption intensity.-1To 35000cm-1However, in the experiment, 500 cm before and after the section with absorption by the sensitizing dye-1Integration of the interval including the degree is acceptable.
The light absorption intensity is a value that is uniquely determined by the oscillator strength of the sensitizing dye and the number of adsorbed molecules per unit area. It can be converted into absorption intensity.
The vibrator strength of the sensitizing dye is the absorption area strength of the sensitizing dye solution (optical density × cm-1), The absorption area intensity of the dye per 1M can be determined as A (optical density × cm).-1), The adsorption amount of the sensitizing dye is B (mol / mol Ag), and the particle surface area is C (m2 / MolAg), the light absorption intensity can be determined in the range of about 10% error by the following equation.
0.156 x A x B / C
Even if the light absorption intensity is calculated from this equation, the light absorption intensity (Log (I0 / (I0 -I))) wavenumber (cm-1Substantially the same value as the value integrated with respect to) is obtained.
[0073]
In the present invention, the method for increasing the light absorption intensity is to adsorb the sensitizing dye on the surface of the silver halide grains in multiple layers, that is, to stack more layers on the surface of the silver halide grains.
[0074]
In the present invention, it is preferable that the light absorption intensity distribution between particles is small.
[0075]
The inter-particle distribution of the light absorption intensity can be expressed as a coefficient of variation of the light absorption intensity of 100 or more particles measured at random using the microspectroscopy method. The coefficient of variation is determined as 100 × standard deviation / average (%). Since the light absorption intensity is a value proportional to the dye adsorption amount, the interparticle distribution of the light absorption intensity may be rephrased as the interparticle distribution of the dye adsorption amount. The variation coefficient of the light absorption intensity distribution between particles is preferably 60% or less, more preferably 30% or less, and particularly preferably 10% or less.
The coefficient of variation of the interparticle distribution between the shortest wavelength and the longest wavelength interval, each showing 50% of the maximum absorption Amax of the sensitizing dye, is preferably 30% or less, more preferably 10% or less, and particularly preferably 5 % Or less.
Further, regarding the absorption maximum wavelength of the sensitizing dye for each particle, it is preferable that 70% or more of the projected area, more preferably 90% or more of the particles have an absorption maximum in a wavelength range of 10 nm or less. Even more preferably, the absorption maximum wavelength of the sensitizing dye for each particle is preferably 50% or more of the projected area, more preferably 70% or more, particularly preferably 90% or more of the particles having an absorption maximum within a wavelength range of 5 nm or less. It is preferable to have
[0076]
It is known that the distribution of light absorption intensity (dye adsorption amount) between grains becomes uniform as the amount of dye adsorption increases when the adsorption site is fixed on the surface of the silver halide grain. In the case of multilayer adsorption, there is no restriction on the adsorption site as long as adsorption is possible not only in two layers but also in several layers. I found it easier. As a result of the analysis, the ratio of the interaction energy between the second layer dyes to the total adsorption energy of the second layer dye increases (the ratio of the interaction energy between the first and second layer dye molecules decreases relatively). Thus, it has been clarified that the non-uniformity of the dye adsorption amount of the multilayer adsorption system is likely to occur. The interaction energy between the first layer and second layer dye molecules is preferably 20% or more, more preferably 40% or more, based on the total adsorption energy of the second layer dye.
[0077]
In order to enhance the interaction between the first layer dye and the second layer dye, electrostatic interaction, van der Waals interaction, hydrogen bond, coordination bond and these It is preferable to use a complex interaction force. The main interaction between the second-layer dyes is preferably van der Waals interaction between the dye chromophores, but electrostatic interaction, van der Waals interaction, hydrogen bonding, as long as the above preferable relationship is satisfied. It is also preferred to utilize coordinate bonds and their complex interactions.
The ratio of the interaction energy between the first-layer and second-layer dye molecules with respect to the total adsorption energy of the second-layer dye can be similarly measured by the method described above.
In addition, the distribution of the dye adsorption amount between particles and the state of the sensitizing dye in the second and subsequent layers are also affected by the conditions for adding the dye. A method of adding a dye at a relatively low temperature and then raising the temperature is preferable.
Moreover, it may not be preferable to add a pigment | dye at high temperature 80 degreeC or more.
[0078]
The shortest wavelength and the longest wavelength which show 50% of the maximum value Amax of the spectral absorptivity due to the sensitizing dye and the maximum value Smax of the spectral sensitivity of the emulsion containing silver halide photographic emulsion grains having a light absorption intensity of 60 or 100 or more, respectively. The long wavelength interval is preferably 120 nm or less, and more preferably 100 nm or less.
Further, the interval between the shortest wavelength and the longest wavelength showing 80% of Amax and Smax is preferably 20 nm or more, preferably 100 nm or less, more preferably 80 nm or less, and particularly preferably 50 nm or less.
The interval between the shortest wavelength and the longest wavelength that represents 20% of Amax and Smax is preferably 180 nm or less, more preferably 150 nm or less, particularly preferably 120 nm or less, and most preferably 100 nm or less.
The longest wavelength exhibiting a spectral absorption of 50% of Amax or Smax is preferably 460 to 510 nm, or 560 to 610 nm, or 640 to 730 nm.
[0079]
A preferred first method for realizing silver halide grains having a spectral absorption maximum wavelength of less than 500 nm and a light absorption intensity of 60 or more, or a spectral absorption maximum wavelength of 500 nm or more and a light absorption intensity of 100 or more is as follows. It is a method using the dye.
[0080]
For example, a dye having an aromatic group described in JP-A Nos. 10-239789, 8-269909, 10-123650, and JP-A No. 8-328189, or a cationic dye having an aromatic group and an anion dye are used in combination. A method using a dye having a polyvalent charge described in JP-A-10-171058, a method using a dye having a pyridinium group described in JP-A-10-104774, and JP-A-10-186559. A method using a dye having a hydrophobic group described in JP-A-10-197980, a method using a dye having a coordination bond group described in JP-A-10-197980, and Japanese Patent Application Nos. 11-63588 and 11-80141. 11-159331, 11-159730, 11-171324, 11-221479, 11-2657 Specific dyes described in No. 9, No. 11-260643, No. 11-331571, No. 11-331570, No. 11-311039, No. 11-331567, No. 11-347781, No. 2000-18966 A method of using is preferable.
[0081]
Examples of the dye used for multilayer adsorption include the dyes shown as examples of the aforementioned dye chromophore. Preferably, the dye shown as an example of the above-mentioned polymethine dye chromophore is mentioned.
[0082]
More preferably, cyanine dye, styryl dye, hemicyanine dye, merocyanine dye, trinuclear merocyanine dye, tetranuclear merocyanine dye, rhodacyanine dye, complex cyanine dye, complex merocyanine dye, allopolar dye, oxonol dye, hemioxonol dye, squalium dye , Croconium dyes, azamethine dyes, more preferably cyanine dyes, merocyanine dyes, trinuclear merocyanine dyes, tetranuclear merocyanine dyes, rhodacyanine dyes, particularly preferably cyanine dyes, merocyanine dyes, rhodacyanine dyes, most preferably It is a cyanine dye.
[0083]
Two or more types of silver halide grains in which silver halide grains are present are (a) a dye having at least one anionic group and (b) a dye having at least one cationic group. This is a case where spectral sensitization is performed with a combination of the above dyes.
[0084]
Examples of the dye include the dyes shown as examples of the aforementioned dye chromophore. Preferably, the dye shown as an example of the above-mentioned polymethine dye chromophore is mentioned.
[0085]
More preferably, cyanine dye, styryl dye, hemicyanine dye, merocyanine dye, trinuclear merocyanine dye, tetranuclear merocyanine dye, rhodacyanine dye, complex cyanine dye, complex merocyanine dye, allopolar dye, oxonol dye, hemioxonol dye, squalium dye , Croconium dyes, azamethine dyes, more preferably cyanine dyes, merocyanine dyes, trinuclear merocyanine dyes, tetranuclear merocyanine dyes, rhodacyanine dyes, particularly preferably cyanine dyes, merocyanine dyes, rhodacyanine dyes, most preferably It is a cyanine dye.
[0086]
The anionic substituent mentioned here is a substituent having a negative charge, and examples thereof include a proton dissociable acidic group dissociated by 90% or more between pH 5-8. Specific examples include a sulfo group, a carboxyl group, a sulfato group, a phosphoric acid group, and a boric acid group. In addition, -CONHSO2-Group (sulfonylcarbamoyl group, carbonylsulfamoyl group), -CONHCO- group (carbonylcarbamoyl group), -SO2NHSO2Depending on the pka and the surrounding pH, a group capable of dissociating protons, such as a -group (a sulfonylsulfamoyl group) and a phenolic hydroxyl group, can be mentioned. More preferably, a sulfo group, a carboxyl group, -CONHSO2-Group, -CONHCO- group, -SO2NHSO2-Group.
In addition, -CONHSO2-Group, -CONHCO- group, -SO2NHSO2The group may not be dissociated by protons depending on the pka and surrounding pH, and in this case, it is not included in the anionic substituent referred to here.
[0087]
As a dye having at least one anionic group, RD17643, pages 23 to 24, RD18716, page 648, right column to page 649, right column, RD308119, page 996, right column to page 998, right column, European Patent No. 0565096A1 And those described in page 65, lines 7 to 10. Further, as a general formula of preferable dyes, U.S. Pat. No. 5,747,236 (especially pages 30 to 39), U.S. Pat. No. 5,340,694 (especially pages 21 to 60, provided that (XI) , (XII), (XIII)12, N15, N17, N18The number of is not limited and is an integer of 0 or more (preferably 4 or less). ) And the like. Those in which at least one of the above-mentioned anionic groups is substituted are preferable.
[0088]
Examples of the cationic substituent include a substituted or unsubstituted ammonium group, pyridinium group, phosphonium group, and imidazolium group.
[0089]
Preferred examples of the dye having at least one cationic group include the cationic dyes disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-171058 published on June 28, 1998 by the same applicant as the present application. Among the cationic dyes exemplified in the application, a dye having an ammonium group or a pyridinium group substituted is more preferable.
However, the most preferable case as the dye having at least one cationic group is a compound represented by the general formula (I) of the present application.
[0090]
By the above preferred method, silver halide grains having a spectral absorption maximum wavelength of less than 500 nm and a light absorption intensity of 60 or more, or a spectral absorption maximum wavelength of 500 nm or more and a light absorption intensity of 100 or more can be realized. Since the dye in the layer is usually adsorbed in a monomer state, it is almost always wider than the desired absorption width and spectral sensitivity width. Therefore, in order to realize high sensitivity in a desired wavelength region, it is necessary to form a J aggregate on the dye adsorbed in the second layer. Furthermore, since the J aggregate has a high fluorescence yield and a small Stokes shift, it is preferable for transferring the light energy absorbed by the second layer dye to the first layer dye having a light absorption wavelength close to each other by Forster-type energy transfer. .
[0091]
In the present invention, the dye in the second layer or more is a dye that is adsorbed on the silver halide grains but not directly adsorbed on the silver halide.
In the present invention, the J-aggregate of the dye in the second layer or more is a monomer state in which the absorption width on the long wavelength side of the dye adsorbed in the second layer or more has no interaction between the dye chromophores. It is defined as being not more than twice the absorption width on the long wavelength side of the absorption exhibited by the dye solution. Here, the absorption width on the long wavelength side represents the energy width between the absorption maximum wavelength and a wavelength that is longer than the absorption maximum wavelength and exhibits half the absorption maximum. In general, it is known that when a J aggregate is formed, the absorption width on the long wavelength side is smaller than that in the monomer state. When adsorbed in the second layer in the monomer state, the absorption position and state are non-uniform, and therefore, the absorption width is larger than twice the long wavelength side absorption width of the monomer state of the dye solution. Therefore, it is possible to define the J-aggregate of the second or more dyes according to the above definition.
[0092]
The spectral absorption of the dye adsorbed in the second layer or more can be determined by subtracting the spectral absorption by the first dye from the total spectral absorption of the emulsion.
Spectral absorption by the first layer dye can be obtained by measuring the absorption spectrum when only the first layer dye is added. Further, the spectral absorption spectrum of the first layer dye can be measured by adding a dye desorbing agent to the emulsion in which the sensitizing dye is adsorbed in multiple layers and desorbing the dye in the second layer or more.
In experiments in which a dye is desorbed from the particle surface using a dye desorbing agent, the first layer dye is usually desorbed after the second layer or more of the dye is desorbed, so if appropriate desorption conditions are selected, the spectral absorption by the first layer dye Can be requested. This makes it possible to determine the spectral absorption of the second and higher layer dyes. The method using a depigmenting agent can be referred to a report by Asanuma et al. (Journal of Physical Chemistry B, Vol. 101, pages 2149 to 2153 (1997)).
[0093]
The sensitizing dye contained in the silver halide photographic light-sensitive material of the present invention can be used in combination with other sensitizing dyes in addition to the dyes described above. In this case, the dye used is preferably a cyanine dye, merocyanine dye, rhodacyanine dye, trinuclear merocyanine dye, tetranuclear merocyanine dye, allopolar dye, hemicyanine dye, or styryl dye. More preferred are cyanine dyes, merocyanine dyes and rhodacyanine dyes, and particularly preferred are cyanine dyes. For more information on these dyes, see F.M. Harmer, “Heterocyclic Compounds-Cyanine Dies and Related Compounds”, John. Willie & Sons (Sons)-New York, London, 1964, MM Sturmer, "Heterocyclic Compounds in Special Topics in Heterocyclic"・ Chemistry (Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry) ry) ", Chapter 18, Section 14, 515 pages from the 482, John & Wiley & Sons, New
For example, York, London, 1977.
Preferred dyes include the general formulas described in US Pat. No. 5,994,051 pages 32 to 44 and the general formulas described in US Pat. No. 5,747,236 pages 30 to 39, and sensitization shown in specific examples. Pigments.
In addition, general formulas of preferable cyanine dyes, merocyanine dyes, and rhodacyanine dyes are those shown in (XI), (XII), and (XIII) in U.S. Pat. , N12, n15, n17, n18 are not limited, and may be an integer of 0 or more (preferably 4 or less).
[0094]
These sensitizing dyes may be used alone or in combination of two or more. The combination of sensitizing dyes is often used for the purpose of supersensitization. Typical examples thereof are U.S. Pat. Nos. 2,688,545, 2,977,229, 3,397,060, 3,522,052, 3,527,641, 3,617, No. 293, No. 3,628,964, No. 3,666,480, No. 3,672,898, No. 3,679,428, No. 3,303,377, No. 3,769,301 3,814,609, 3,837,862, 4,026,707, British Patents 1,344,281, 1,507,803, JP 43-49336, 53-12375, JP-A 52-110618, and 52-109925.
[0095]
In addition to the sensitizing dye, the emulsion itself may contain a dye that does not have spectral sensitizing action or a substance that does not substantially absorb visible light and exhibits supersensitization.
[0096]
Useful supersensitizers (for example, pyrimidylamino compounds, triazinylamino compounds, azolium compounds, aminostyryl compounds, aromatic organic acid formaldehyde condensates) together with the dyes used as the sensitizing dyes of the present invention described above , Azaindene compounds, cadmium salts), and combinations of supersensitizers and sensitizing dyes include, for example, U.S. Pat. Nos. 3,511,664, 3,615,613, 3,615,632, 3 615,641, 4,596,767, 4,945,038, 4,965,182, 4,965,182, 2,933,390, 3,635 No. 721, No. 3,743,510, No. 3,617,295, No. 3,635,721, etc., and its usage is also described in the above patents. And methods are preferred.
[0097]
The time when the dyes used as sensitizing dyes other than the above-mentioned invention (and other sensitizing dyes and supersensitizers) are added to the silver halide emulsion of the invention has been useful so far. It may be during any step of emulsion preparation that is recognized as being. For example, U.S. Pat. Nos. 2,735,766, 3,628,960, 4,183,756, 4,225,666, JP-A-58-184142, 60-19649, etc. As disclosed, the silver halide grain formation step or / and the time before desalting, the time during the desalting step and / or after the desalting to the start of chemical ripening, JP-A-58-11939 As disclosed in the above, it may be added in the process at any time immediately before chemical ripening, during the process, or after the chemical ripening and before the coating of the emulsion. Further, as disclosed in U.S. Pat. No. 4,225,666, JP-A-58-7629, etc., the same compound can be used alone or in combination with a compound having a different structure, for example, during the grain formation process and It may be added separately during the ripening process or after completion of chemical ripening, or divided before or during chemical ripening, or after completion of the process, etc. May also be added.
[0098]
The addition amount of the dye used as the sensitizing dye other than the above-mentioned present invention (and the same applies to other sensitizing dyes and supersensitizers) depends on the shape and size of the silver halide grains, and any addition 1 × 10 per mole of silver halide, but preferably-8~ 8x10-1Can be used in moles. For example, when the silver halide grain size is 0.2 to 1.3 μm, 2 × 10 2 per mole of silver halide.-6~ 3.5 × 10-3Molar addition amount is preferred, 7.5 × 10-6~ 1.5 × 10-3A molar addition amount is more preferable.
[0099]
The dyes used as sensitizing dyes other than the above-described present invention (and other sensitizing dyes and supersensitizers) can be directly dispersed in the emulsion. These can be first dissolved in an appropriate solvent such as methyl alcohol, ethyl alcohol, methyl cellosolve, acetone, water, pyridine or a mixed solvent thereof and added to the emulsion in the form of a solution. At this time, additives such as a base, an acid, and a surfactant may be allowed to coexist. In addition, ultrasonic waves can be used for dissolution. Further, as a method for adding this compound, as described in US Pat. No. 3,469,987, the compound is dissolved in a volatile organic solvent, and the solution is dispersed in a hydrophilic colloid. Is added to the emulsion, as described in JP-B-46-24185, etc., dispersed in a water-soluble solvent, and this dispersion is added to the emulsion, as described in US Pat. No. 3,822,135. A method of dissolving a compound in a surfactant and adding the solution to an emulsion, such as described in JP-A-51-74624, using a compound that causes red shift, and dissolving the solution into an emulsion. For example, as described in JP-A-50-80826, a compound is dissolved in an acid substantially free of water, and the solution is added to the emulsion. In addition, the methods described in U.S. Pat. Nos. 2,912,343, 3,342,605, 2,996,287, and 3,429,835 are also used for addition to the emulsion. .
[0100]
In the present invention, any of silver bromide, silver iodobromide, silver chlorobromide, silver iodide, silver iodochloride, silver iodobromochloride and silver chloride can be used for the photographic emulsion that controls the photosensitive mechanism. Good. Although the halogen composition may vary depending on the portion of the silver halide grains, grains having different silver halide compositions on the surface and inside of the grains are preferred.
The particle size distribution may be wide or narrow, but the narrower is better.
The silver halide grains in photographic emulsions have regular crystals such as cubes, octahedrons, tetrahedrons, rhombohedral dodecahedrons, irregular shapes such as spheres, plates, etc. Those having an (irregular) crystal form, having a higher-order plane ((hkl) plane), or a mixture of grains of these crystal forms are preferred. The particles are described in detail below. For particles having higher-order planes, Journal of Imaging Science, Vol. 30 (1986), pages 247 to 254 can be referred to.
The silver halide photographic emulsion used in the present invention may contain the above silver halide grains alone or in combination. Silver halide grains may have a phase different from the inside and the surface layer, a multiphase structure having a junction structure, a local phase on the grain surface, or a uniform grain overall. It may consist of phases. Moreover, they may be mixed.
These various emulsions may be either a surface latent image type in which a latent image is mainly formed on the surface or an internal latent image type in which grains are formed inside the grains.
[0101]
In the present invention, tabular silver halide grains having a halogen composition of silver chloride, silver bromide, silver chlorobromide, silver iodobromide, silver chloroiodobromide, and silver iodochloride are preferably used. The tabular grains preferably have a main surface of (100) or (111). A tabular grain having a (111) main surface, hereinafter referred to as a (111) tabular plate, usually has a triangular or hexagonal surface. In general, the more uniform the distribution, the higher the proportion of tabular grains having hexagonal faces. A hexagonal monodispersed flat plate is described in JP-B-5-61205.
[0102]
Tabular grains having a (100) plane as a main surface, hereinafter referred to as (100) planes, also have a rectangular or square shape. In this emulsion, grains having an adjacent side ratio of less than 5: 1 are called tabular grains rather than needle-like grains. In the tabular grains containing a large amount of silver chloride or silver chloride, the (100) tabular grains have higher stability of the main surface than the original (111) tabular grains. In the case of the (111) flat plate, it is necessary to stabilize the (111) main surface, which is described in JP-A-9-80660, JP-A-9-80656, and US Pat. No. 5,298,388. Yes.
[0103]
The silver chloride or (111) flat plate having a high silver chloride content used in the present invention is disclosed in the following patent.
U.S. Pat.No. 4,414,306, U.S. Pat.No. 4,440,343, U.S. Pat.No. 4,713,323, U.S. Pat.No. 4,783,398, U.S. Pat.No. 4,926,491, U.S. Pat. No. 4,983,508, U.S. Pat. No. 5,217,858, U.S. Pat. No. 5,460,934.
[0104]
The high silver bromide (111) tabular grains used in the present invention are described in the following patents.
U.S. Pat.No. 4,425,425, U.S. Pat.No. 4,425,426, U.S. Pat.No. 4,434,426, U.S. Pat. US Pat. No. 4,672,027, US Pat. No. 4,678,745, US Pat. No. 4,684,607, US Pat. No. 4,593,964, US Pat. No. 4,722,886, US Pat. US Pat. No. 4,801,522, US Pat. No. 4,835,322, US Pat. No. 4,839,268, US Pat. No. 4,914,014, US Pat. No. 4,96,2015, US Pat. No. 4,977704, US Pat. No. 4,985,350 U.S. Pat.No. 5,661,609, U.S. Pat.No. 5,616,616, U.S. Pat.No. 5,068,173, U.S. Pat. No. 5372927.
[0105]
The (100) flat plate used in the present invention is described in the following patent.
US Patent No. 4,386,156, US Patent No. 5,275,930, US Patent No. 5,292,632, US Patent No. 5,314,798, US Patent No. 5,320,938, US Patent No. No. 737887, JP-A-6-308648, JP-A-9-5911.
[0106]
The silver halide emulsion used in the present invention is preferably a tabular silver halide grain having a higher surface area / volume ratio adsorbed with the sensitizing dye disclosed in the present invention, preferably an aspect ratio of 2 or more, more preferably Is 5 or more, particularly preferably 8 or more. There is no particular upper limit, but it is preferably 1000 or less, more preferably 500 or less. The thickness of the tabular grains is preferably less than 0.2 μm, more preferably less than 0.1 μm, and still more preferably less than 0.07 μm.
[0107]
Here, the aspect ratio of 2 or more means that the silver halide grains having an aspect ratio (equivalent circle diameter / grain thickness of silver halide grains) of 2 or more are 50 of the projected area of all silver halide grains in the emulsion. % Means that it exists. The emulsion is preferably present in an amount of 70% or more, particularly preferably 85% or more.
[0108]
In order to prepare such a thin tabular grain having a high aspect ratio, the following technique is applied.
The tabular grains of the present invention desirably have a uniform dislocation dose distribution between grains. In the emulsion of the present invention, silver halide grains containing 10 or more dislocation lines per grain preferably occupy 100 to 50% (number) of all grains, more preferably 100 to 70%, particularly preferably 100. It accounts for 90%. If it is less than 50%, it is not preferable in terms of homogeneity between particles.
[0109]
In the present invention, when determining the ratio of dislocation lines and the number of dislocation lines, it is preferable to directly observe the dislocation lines for at least 100 particles, more preferably 200 particles or more, and particularly preferably 300 particles or more. Look for it.
[0110]
As the protective colloid used in the preparation of the emulsion of the present invention and as a binder for other hydrophilic colloid layers, gelatin is advantageously used, but other hydrophilic colloids can also be used.
For example, gelatin derivatives, graft polymers of gelatin and other polymers, proteins such as albumin and casein; cellulose derivatives such as hydroxyethyl cellulose, carboxymethyl cellulose and cellulose sulfates, sugar derivatives such as sodium alginate and starch derivatives Various synthetic hydrophilic polymers such as polyvinyl alcohol, polyvinyl alcohol partial acetal, poly-N-vinyl pyrrolidone, polyacrylic acid, polymethacrylic acid, polyacrylamide, polyvinyl imidazole, polyvinylpyrazole, or a single or copolymer Substances can be used.
Examples of gelatin include lime-processed gelatin, acid-processed gelatin, and Bull. Soc. Sci. Photo. Japan. No. 16. An enzyme-treated gelatin as described in P30 (1966) may be used, and a hydrolyzate or enzyme-decomposed product of gelatin can also be used.
The emulsion of the present invention is preferably washed with water for desalting to form a newly prepared protective colloid dispersion. The temperature for washing with water can be selected according to the purpose, but is preferably selected within the range of 5 ° C to 50 ° C. Although pH at the time of water washing can also be chosen according to the objective, it is preferred to choose between 2-10. More preferably, it is the range of 3-8. Although pAg at the time of water washing can also be selected according to the objective, it is preferable to select between 5-10. The washing method can be selected from a noodle washing method, a dialysis method using a semipermeable membrane, a centrifugal separation method, a coagulation sedimentation method, and an ion exchange method. In the case of the coagulation sedimentation method, a method using a sulfate, a method using an organic solvent, a method using a water-soluble polymer, a method using a gelatin derivative and the like can be selected.
[0111]
In preparation of the emulsion of the present invention, for example, at the time of grain formation, desalting step, chemical sensitization, it is preferable that a metal ion salt is present before coating depending on the purpose. When the particles are doped, it is preferably added after the formation of the particles, before the completion of the chemical sensitization after the formation of the particles when used as a particle sensitizer or a chemical sensitizer. A method of doping the entire particle and a method of doping only the core portion or the shell portion of the particle can also be selected. For example, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Sc, Y, La, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Ru, Rh, Pd, Re, Os, Ir, Pt, Au, Cd, Hg, Tl, In, Sn, Pb, and Bi can be used. These metals can be added in the form of a salt that can be dissolved during particle formation, such as ammonium salt, acetate salt, nitrate salt, sulfate salt, phosphate salt, hydrate salt, hexacoordinated complex salt, and tetracoordinated complex salt. For example, CdBr2, CdCl2, Cd (NO3)2, Pb (NO3)2 , Pb (CH3COO)2, K3[Fe (CN)6], (NH4)4[Fe (CN)6], K3IrCl6, (NH4)3RhCl6, K4Ru (CN)6 Is given. The ligand of the coordination compound can be selected from halo, aco, cyano, cyanate, thiocyanate, nitrosyl, thionitrosyl, oxo and carbonyl. These may use only one kind of metal compound, but may be used in combination of two or more kinds.
[0112]
The metal compound is preferably added after being dissolved in water or a suitable organic solvent such as methanol or acetone. In order to stabilize the solution, a method of adding an aqueous hydrogen halide solution (for example, HCl, HBr) or an alkali halide (for example, KCl, NaCl, KBr, NaBr) can be used. Moreover, you may add an acid, an alkali, etc. as needed. The metal compound can be added to the reaction vessel before particle formation or can be added during particle formation. In addition, water-soluble silver salt (for example, AgNO3) Or an aqueous alkali halide solution (for example, NaCl, KBr, KI) and can be added continuously during the formation of silver halide grains. Further, a solution independent of the water-soluble silver salt and alkali halide may be prepared and added continuously at an appropriate time during grain formation. It is also preferable to combine various addition methods.
[0113]
A method of adding a chalcogen compound during preparation of an emulsion as described in US Pat. No. 3,772,031 may be useful. In addition to S, Se, and Te, cyanate, thiocyanate, selenocyanic acid, carbonate, phosphate, and acetate may be present.
[0114]
The silver halide grains of the present invention are subjected to at least one of sulfur sensitization, selenium sensitization, gold sensitization, palladium sensitization, noble metal sensitization and reduction sensitization in any step of the silver halide emulsion production process. be able to. It is preferable to combine two or more sensitization methods. Various types of emulsions can be prepared depending on the step of chemical sensitization. There are types that embed chemically sensitized nuclei inside the particles, types that embed in shallow positions from the surface of the particles, and types that make chemical sensitized nuclei on the surface. In the emulsion of the present invention, the location of chemical sensitization nuclei can be selected according to the purpose, but generally preferred is the case where at least one chemical sensitization nucleus is formed in the vicinity of the surface.
One chemical sensitization that can be preferably carried out in the present invention is chalcogen sensitization and noble metal sensitization, either alone or in combination, by TH James, The Photographic Process, 4th Edition, Macmillan. 1977, (TH James, The Theory of the Photographic Process, 4th ed, Macmillan, 1977), pages 67-76, and can also be performed using active gelatin. Disclosure, 120, April 1974, 12008; Research Disclosure, 34, June 1975, 13452, U.S. Pat. Nos. 2,642,361, 3,297,446, 3, No. 772,031, No. 3,857,711, No. 3,90 , 714, 4,266,018, and 3,904,415, and British Patent 1,315,755, pAg 5-10, pH 5-8 and temperature 30. At ˜80 ° C., sulfur, selenium, tellurium, gold, platinum, palladium, iridium or a combination of these sensitizers can be used. In the noble metal sensitization, noble metal salts such as gold, platinum, palladium, iridium and the like can be used, and gold sensitization, palladium sensitization and the combined use of both are particularly preferable. In the case of gold sensitization, known compounds such as chloroauric acid, potassium chloroaurate, potassium aurithiocyanate, gold sulfide, and gold selenide can be used. The palladium compound means a palladium divalent salt or a tetravalent salt. Preferred palladium compounds are R2PdX6Or R2PdX4It is represented by Here, R represents a hydrogen atom, an alkali metal atom or an ammonium group. X represents a halogen atom and represents a chlorine, bromine or iodine atom.
[0115]
Specifically, K2PdCl4, (NH4)2PdCl6, Na2PdCl4, (NH4)2PdCl4, Li2PdCl4 , Na2PdCl6 Or K2PdBr4 Is preferred. Gold compounds and palladium compounds are preferably used in combination with thiocyanate or selenocyanate.
As sulfur sensitizers, hypo, thiourea compounds, rhodanine compounds and sulfur described in US Pat. Nos. 3,857,711, 4,266,018 and 4,054,457 Containing compounds can be used. Chemical sensitization can also be performed in the presence of a so-called chemical sensitization aid. Useful chemical sensitization aids include compounds known to suppress fog and increase sensitivity during the process of chemical sensitization, such as azaindene, azapyridazine, and azapyrimidine. Examples of chemical sensitization aid modifiers are disclosed in U.S. Pat. Nos. 2,131,038, 3,411,914, 3,554,757, JP-A-58-126526, and the above-mentioned daffine. It is described in the book “photographic emulsion chemistry”, pp. 138-143.
The emulsion of the present invention is preferably used in combination with gold sensitization. The preferred amount of gold sensitizer is 1 x 10 per mole of silver halide.-4~ 1x10-7Mole, more preferably 1 × 10-5~ 5x10-7Is a mole. The preferred range of the palladium compound is 1 × 10-3To 5 × 10-7It is. A preferable range of the thiocyan compound or the selenocyan compound is 5 × 10.-2To 1 × 10-6It is.
The preferred amount of sulfur sensitizer used for the silver halide grains of the present invention is 1 x 10 per mole of silver halide.-4~ 1x10-7Mole, more preferably 1 × 10-5~ 5x10-7Is a mole.
Selenium sensitization is a preferred sensitizing method for the emulsion of the present invention. In selenium sensitization, a known unstable selenium compound is used. Specifically, colloidal metal selenium, selenoureas (for example, N, N-dimethylselenourea, N, N-diethylselenourea), selenoketones Selenium compounds such as selenoamides can be used. Selenium sensitization may be preferably used in combination with sulfur sensitization, noble metal sensitization, or both.
[0116]
It is preferred to subject the silver halide emulsion of the present invention to reduction sensitization during grain formation, after grain formation and before or during chemical sensitization, or after chemical sensitization.
Here, reduction sensitization means a method of adding a reduction sensitizer to a silver halide emulsion, a method of growing or ripening in a low pAg atmosphere called silver ripening, and a pH of 8 to 8 called high pH ripening. Any of the methods of growing or aging in an atmosphere of 11 high pH can be selected. Two or more methods can be used in combination.
The method of adding a reduction sensitizer is a preferable method in that the level of reduction sensitization can be finely adjusted.
As reduction sensitizers, for example, stannous salts, ascorbic acid and derivatives thereof, amines and polyamines, hydrazine derivatives, formamidine sulfinic acid, silane compounds, and borane compounds are known. In the reduction sensitization of the present invention, these known reduction sensitizers can be selected and used, and two or more compounds can be used in combination. As a reduction sensitizer, stannous chloride, thiourea dioxide, dimethylamine borane, ascorbic acid and derivatives thereof are preferable compounds. Since the addition amount of the reduction sensitizer depends on the emulsion production conditions, it is necessary to select the addition amount, but it is 10 per mol of silver halide.-7-10-3A molar range is suitable.
The reduction sensitizer is dissolved in water or an organic solvent such as alcohols, glycols, ketones, esters, and amides and added during particle growth. Although it may be added to the reaction vessel in advance, a method of adding it at an appropriate time of particle growth is preferred. Alternatively, a reduction sensitizer may be added in advance to the water solubility of the water-soluble silver salt or water-soluble alkali halide, and silver halide grains may be precipitated using these aqueous solutions. It is also preferable to add the reduction sensitizer solution several times as the particle grows, or to add it continuously for a long time.
[0117]
It is preferable to use an oxidizing agent for silver during the production process of the emulsion of the present invention. The oxidizing agent for silver refers to a compound having an action of acting on metallic silver and converting it into silver ions. Particularly effective are compounds capable of converting very fine silver grains by-produced in the process of silver halide grain formation and chemical sensitization into silver ions. The silver ions generated here may form, for example, a silver salt that is hardly soluble in water such as silver halide, silver sulfide, or silver selenide, or a silver salt that is easily soluble in water such as silver nitrate. May be formed. The oxidizing agent for silver may be an inorganic substance or an organic substance. Examples of the inorganic oxidizing agent include ozone, hydrogen peroxide and adducts thereof (for example, NaBO).2 ・ H2O2 ・ 3H2O, 2NaCO3・ 3H2O2 , Na4P2O7・ 2H2O2 2Na2SO4 ・ H2O2 ・ 2H2O), peroxyacid salts (eg K2S2O8, K2C2O6, K2P2O8), Peroxy complex compounds (for example, K2[Ti (O2) C2O4] 3H2O, 4K2SO4 ・ Ti (O2) OH / SO4・ 2H2O, Na3[VO (O2) (C2H4)2] 6H2O), permanganate (eg KMnO)4), Chromate (eg, K2Cr2O7 ) Oxygenates, halogen elements such as iodine and bromine, perhalogenates (eg potassium periodate), high valent metal salts (eg potassium hexacyanoferrate) and thiosulfone There is an acid salt.
[0118]
Examples of organic oxidizing agents include quinones such as p-quinone, organic peroxides such as peracetic acid and perbenzoic acid, and compounds that release active halogens (for example, N-bromosuccinimide, chloramine T, An example is chloramine B).
[0119]
Preferred oxidizing agents of the present invention are ozone, hydrogen peroxide and its adducts, halogen elements, thiosulfonate inorganic oxidizing agents and quinone organic oxidizing agents. It is a preferred embodiment to use the aforementioned reduction sensitization in combination with an oxidizing agent for silver. The method can be selected from a method of applying reduction sensitization after using an oxidizing agent, a reverse method thereof, or a method of coexisting both at the same time. These methods can be selected and used in either the particle formation step or the chemical sensitization step.
[0120]
The photographic emulsion used in the present invention may contain various compounds for the purpose of preventing fogging during the production process, storage or photographic processing of the light-sensitive material, or stabilizing the photographic performance. That is, thiazoles such as benzothiazolium salts, nitroimidazoles, nitrobenzimidazoles, chlorobenzimidazoles, bromobenzimidazoles, mercaptothiazoles, mercaptobenzothiazoles, mercaptobenzimidazoles, mercaptothiadiazoles, amino Triazoles, benzotriazoles, nitrobenzotriazoles, mercaptotetrazoles (especially 1-phenyl-5-mercaptotetrazole), mercaptopyrimidines, mercaptotriazines, for example, thioketo compounds such as oxadoline thione, azaindenes, for example , Triazaindenes, tetraazaindenes (especially 4-hydroxy substituted (1,3,3a, 7) tetraazaindenes), pentaazaindenes Known as antifoggants or stabilizers, such as, it can be added to many compounds. For example, those described in US Pat. Nos. 3,954,474, 3,982,947, and Japanese Patent Publication No. 52-28660 can be used. One preferred compound is a compound described in JP-A-63-212932. Antifoggants and stabilizers are used at various times before particle formation, during particle formation, after particle formation, water washing process, dispersion after water washing, chemical sensitization, during chemical sensitization, after chemical sensitization, and before coating. It can be added depending on the purpose. In addition to the original antifogging and stabilizing effect added during emulsion preparation, control the crystal wall of grains, reduce grain size, reduce grain solubility, control chemical sensitization, It can be used for various purposes such as controlling the arrangement of dyes.
[0121]
The silver halide emulsion prepared according to the present invention can be used for both color photographic light-sensitive materials and black-and-white photographic light-sensitive materials. As color photographic light-sensitive materials, color photographic paper, color photographic film, color reversal film, color diffusion transfer film, and as black-and-white photographic light-sensitive materials, general photographic film, X-ray film, medical diagnostic film, printing photographic material Film, diffusion transfer film and the like.
[0122]
In the field of films for medical diagnosis and printing sensitive materials, it can be efficiently exposed by a laser image setter or a laser imager.
Regarding the technology in these fields, JP-A-7-287,337, JP-A-4-335,342, JP-A-5-313,289, JP-A-8-122,954, JP-A-8-292, No. 512 and the like.
A photothermographic material can also be used. For example, a catalytically active amount of a photocatalyst (for example, silver halide), a reducing agent, a reducible silver salt (for example, an organic silver salt), and a color tone that controls the color tone of silver, if necessary, are dispersed in a binder matrix. A material having a photosensitive layer is known. For example, U.S. Pat. No. 3,152,904, U.S. Pat. No. 3,457,075, U.S. Pat. No. 2,910,377, U.S. Pat.No. 4,500,626, JP-B 43-4924, JP-A-11-24200, and 11-24201. 11-30832, 11-84574, 11-65021, 11-109547, 11-125880, 11-129629, 11-133536 to 11-133539, 11-133542, 11-133543, 11-223898, 11-352627, 6-130607, 6-332134, 6-332136, 6-347970, 7- No. 261354, Japanese Patent Application No. 2000-89436, and the like.
[0123]
The dye of the present invention can be preferably used for a diffusion transfer photosensitive material. Of these, Japanese Patent Application No. 10-265273 (using preformed dyes) and Japanese Patent Application No. 2000-89436 (using coupling forming dyes) are used for the heat development diffusion transfer system, and Japanese Patent Application No. Hei No. 10-265273 (using coupling-forming dyes). The method described in 11-89801 can be referred to.
[0124]
As for the preparation method and the like of the photographic emulsion used in the present invention, JP-A-10-239789, column 63, line 36 to column 65, line 2 can be applied.
Further, the kind of photosensitive material to which the present invention is applied, the processing of the photosensitive material, etc., such as additives such as color couplers, photographic photosensitive material additives, etc., column 65, line 3 to JP-A-10-239789. Column 73, line 13, etc. can be applied.
[0125]
The above-mentioned various additives are used in the silver halide photographic light-sensitive material of the present invention, but various additives can be used depending on the purpose.
These additives are described in more detail in Research Disclosure, Item 17643 (December 1978), Item 18716 (November 1979), and Item 308119 (December 1989). These are summarized in the table below.
[0126]
[0127]
Regarding the technology such as layer arrangement that can be used in the photographic light-sensitive material of the present invention, silver halide emulsions, functional couplers such as dye-forming couplers and DIR couplers, various additives, and development processing, European Patent No. No. 0565096A1 (published Oct. 13, 1993) and the patents cited therein. The following is a list of each item and the corresponding location.
[0128]
1. Layer structure: 61 pages 23-35 lines, 41 lines 62 pages 14 lines
2. Middle layer: 61 pages 36-40 lines
3. Multi-layer effect layer: 62 pages 15-18 lines
4). Silver halide halogen composition: 62 pages 21-25
5). Silver halide grain habit: 62 pages 26-30
6). Silver halide grain size: 62 pages 31-34
7). Emulsion production method: 62 pages 35 to 40 lines
8). Silver halide grain size distribution: 62 pages 41-42
9. Tabular grains: 62 pages 43-46
10. Particle internal structure: 62 pages 47-53 lines
11. Emulsion latent image formation type: 62 pages, 54 lines to 63 pages, 5 lines
12 Emulsion physical ripening / chemical sensitization: p. 63, lines 6-9
13. Emulsion mixed use: 63 pages 10-13
14 Kabaze emulsion: p. 63, lines 14-31
15. Non-light-sensitive emulsion: 63 pages, lines 32 to 43
16. Amount of applied silver: 63 pages, 49-50 lines
[0129]
17. Formaldehyde scavenger: 64 pages 54-57 lines
18. Mercapto-type antifoggant: 65 pages 1-2 lines
19. Release agent such as fogging agent: 65 pages 3-7 lines
20. Dye: 65 pages 7-10 lines
21. Color couplers in general: 65 pages, lines 11-13
22. Yellow, magenta and cyan couplers: 65 pages 14-25
23. Polymer coupler: 65 pages 26-28 lines
24. Diffusible dye-forming coupler: 65 pages 29-31
25. Colored coupler: 65 pages 32 to 38 lines
26. Functional couplers in general: 65 pages 39-44
27. Bleach accelerator releasing coupler: 65 pages 45-48
28. Development accelerator releasing coupler: p. 65, lines 49-53
29. Other DIR couplers: page 65, line 54 to page 66, line 4
30. Coupler dispersion method: 66 pages 5 to 28 lines
[0130]
31. Preservatives and fungicides: Page 66, lines 29-33
32. Type of sensitive material: 66 pages 34-36
33. Photosensitive layer thickness and swelling speed: 66 pages 40 lines to 67 pages 1 line
34. Back layer: 67 pages 3-8 lines
35. General development processing: 67 pages, lines 9-11
36. Developer and developer: p. 67, lines 12-30
37. Developer additive: Page 67, lines 31-44
38. Inversion processing: 67 pages 45-56 lines
39. Treatment liquid opening ratio: 67 pages 57 lines to 68 pages 12 lines
40. Development time: 68 pages 13-15 lines
41. Bleaching / Bleaching / Fixing: 68 pages, 16 lines to 69 pages, 31 lines
42. Automatic processor: 69 pages, 32-40 lines
43. Flushing, rinsing and stabilization: 69 pages 41 lines to 70 pages 18 lines
44. Treatment liquid replenishment / reuse: p. 70, lines 19-23
45. Built-in developer sensitive material: 70 pages 24 to 33 lines
46. Development processing temperature: 70 pages 34-38 lines
47. Use with lens film: 70 pages 39-41
[0131]
The exposure method for the silver halide photographic light-sensitive material of the present invention will be described.
Exposure for obtaining a photographic image may be performed using a normal method. That is, any of a variety of known light sources such as natural light (sunlight), tungsten lamp, fluorescent lamp, mercury lamp, xenon arc lamp, carbon arc lamp, xenon flash lamp, laser, LED, and CRT can be used. Further, exposure may be performed by light emitted from a phosphor excited by an electron beam, X-ray, γ (gamma) ray, α (alpha) ray, or the like.
[0132]
In the present invention, a laser light source may be preferably used. Laser light includes lasers that use helium-neon gas, argon gas, krypton gas, carbon dioxide gas, etc., lasers that use solids such as ruby and cadmium, and other liquid lasers and semiconductor lasers. is there. Unlike laser light used for normal illumination, these laser lights are coherent light with a single frequency and a uniform direction, so that they are halogenated to expose them as a light source. The silver photographic light-sensitive material needs to have a spectral characteristic that matches the emission wavelength of the laser used.
Of the above lasers, a semiconductor laser is preferably used.
[0133]
In addition to the sensitizing dye, the compound of the present invention can be used as various filter dyes, irradiation prevention dyes or antihalation dyes for the purpose of improving sharpness and color resolution.
This compound can be contained in a coating solution such as a silver halide photographic material layer, a filter layer and / or an antihalation layer by a conventional method. The amount of the dye used may be sufficient to color the photographic layer, and those skilled in the art can easily select this amount according to the purpose of use. Generally, the optical density is in the range of 0.05 to 3.0. It is preferable to use so that it becomes. The addition time may be any step before application.
[0134]
In addition, a polymer having a charge opposite to that of the dye ion can coexist in the layer as a mordant, and the dye can be localized in the specific layer by interaction with the dye molecule.
Examples of polymer mordants include U.S. Pat. Nos. 2,548,564, 4,124,386, 3,625,694, 3,958,995, 4,168,976, and 3,445. , 231 and the like.
The dye used as the sensitizing dye of the present invention can be added to a desired layer such as an intermediate layer, a protective layer and a back layer in addition to the photosensitive emulsion layer.
[0135]
Further, the dye used as the sensitizing dye of the present invention can be used as a photosensitizer (photocharge separation agent) in various non-silver salt photoimage forming methods, photocatalysts, and photohydrogen generators. Etc. can also be used.
[0136]
【Example】
The present invention will be specifically described below with reference to examples. However, the present invention is not limited to these.
[0137]
Example 1
Silver iodobromide tabular grain emulsion chemically sensitized with 3.5 mg potassium tetrachloroaurate, 3.5 mg sodium thiosulfate, and 20 mg sodium thiocyanate per mole of silver (1.9 mol% of silver iodide, Aspect ratio: 7.0) was spectrally sensitized with 0.5 or 0.75 mmol dye / mol silver. The dye compounds of the present invention shown in Table 1 below and comparative dyes (shown below) were evaluated. 4-hydroxy substituted (1,3,3a, 7) tetraazaindene (2.1 g / mol Ag) was also added as an antifoggant. This emulsion was coated on a polyethylene terephthalate support at a level of 4 g gelatin and 2 g silver per square meter with 1.5% 1,3-divinylsulfonyl-2-propanol as a coating aid. The strips were exposed through SC-50 (Yellow filter manufactured by Fuji Film Co., Ltd.) and processed using a CEPROS-M automatic developing machine manufactured by Fuji Film Co., Ltd. for 45 seconds. Photosensitivity was measured at a density of Dmin plus 0.3. The results of sensitivity and fog are shown in (Table 1).
[0138]
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[0139]
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[0140]
[Table 1]
[0141]
In Table 1, “sensitivity” is shown as a relative value with the sensitivity of the comparative dyes A and B as 100. The data in Table 1 demonstrates that the cyanine dyes of the present invention have low emulsion fog and high sensitivity.
[0142]
Example 2
The same comparison as in Example 1 was carried out in the color negative photosensitive material system of Example 5 of JP-A-8-29904. As compared with the case of using Comparative Dye A, the photosensitive material using dye 1 of the present invention was used. Was found to be less sensitive and sensitive. Further, when the same comparison was made in the instant photosensitive material system of Example 1 of Japanese Patent Application No. 11-89801, the photosensitive material using the dye 1 of the present invention was compared with the case where the comparative dye A was used. It was found that there was little covering and high sensitivity. Furthermore, the color reversal sensitive material system of Example 1 of JP-A-7-92601 and 11-160828, the color paper system of Example 1 of JP-A-6-347944, and the example of JP-A-8-122951. The X-ray sensitive material system of No. 1, the thermal development sensitive material system of Example 1 of Japanese Patent Application No. 2000-89436, and the printing sensitive material system of Example 1 of Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-292512 can also be used. The light-sensitive material was found to have less covering and lower residual color than the comparative compound. Furthermore, it was found that the sensitivity of each of these systems was equal to or higher than that of the comparative example, and other photographic properties were not problematic.
[0143]
Example 3
A silver halide emulsion Em-A was prepared by the following production method.
(Em-A manufacturing method)
42.2 L of an aqueous solution containing 31.7 g of phthalated low molecular weight gelatin having a phthalation rate of 97% and a molecular weight of 15000 and KBr 31.7 g was kept at 35 ° C. and stirred vigorously. AgNO31583 mL of an aqueous solution containing 316.7 g and 1583 mL of an aqueous solution containing 52.7 g of low molecular weight gelatin having a KBr of 221.5 g and a molecular weight of 15000 were added over 1 minute by the double jet method. Immediately after the addition, 52.8 g of KBr is added and AgNO32485 mL of an aqueous solution containing 398.2 g and 2581 mL of an aqueous solution containing KBr and 291.1 g were added over 2 minutes by the double jet method. Immediately after the addition, 47.8 g of KBr was added. Then, it heated up to 40 degreeC and fully matured. After completion of ripening, 923 g of phthalated gelatin having a phthalation rate of 97% and a molecular weight of 100,000 were added, and 79.2 g of KBr was added.3An aqueous solution of 15947 mL containing 5103 g and an aqueous KBr solution were added over 12 minutes while accelerating the flow rate so that the final flow rate was 1.4 times the initial flow rate by the double jet method. At this time, the silver potential was kept at −60 mV with respect to the saturated calomel electrode. After washing with water, gelatin was added to adjust the pH to 5.7, pAg, 8.8, 131.8 g in terms of silver per kg of emulsion, and 64.1 g of gelatin to make a seed emulsion. 1211 mL of an aqueous solution containing 46 g of phthalated gelatin having a phthalation rate of 97% and 1.7 g of KBr was kept at 75 ° C. and vigorously stirred. After adding 9.9 g of the seed emulsion described above, 0.3 g of modified silicone oil (Nihon Unicar Co., Ltd. product, L7602) was added. H2SO4After adjusting pH to 5.5, AgNO3Then, 67.6 mL of an aqueous solution containing 7.0 g and an aqueous KBr solution were added with a double jet over 6 minutes while accelerating the flow rate so that the final flow rate was 5.1 times the initial flow rate. At this time, the silver potential was kept at −20 mV with respect to the saturated calomel electrode.
[0144]
After adding 2 mg of sodium benzenethiosulfonate and 2 mg of thiourea dioxide, AgNO3An aqueous solution containing 134.4 g, an aqueous solution of 381 mL and KBr were added over 56 minutes while accelerating the flow rate so that the final flow rate was 3.7 times the initial flow rate by the double jet method. At this time, an AgI fine grain emulsion having a grain size of 0.037 μm was added while simultaneously accelerating the flow rate so that the silver iodide content was 3 mol%, and the silver potential was kept at −30 mV with respect to the saturated calomel electrode. AgNO3, 121.3 mL of an aqueous solution containing 45.6 g and an aqueous KBr solution were added over 22 minutes by the double jet method. At this time, the silver potential was kept at +20 mV with respect to the saturated calomel electrode. The temperature was raised to 82 ° C., KBr was added to adjust the silver potential to −80 mV, and then 6.33 g of an AgI fine grain emulsion having a grain size of 0.037 μm was added in terms of KI mass. Immediately after the addition, AgNO3206.2 mL of an aqueous solution containing 66.4 g was added over 16 minutes. The silver potential was kept at −80 mV with an aqueous KBr solution for 5 minutes at the beginning of the addition. After washing with water, gelatin was added and adjusted to pH 5.8, pAg, 8.7 at 40 ° C. The silver halide grains had an average equivalent sphere diameter of 1.7 μm, an average equivalent circle diameter of 3.2 μm, an average thickness of 0.3 μm, an average aspect ratio of 11, and an average iodine content of 4.0 mol%.
[0145]
(Em-A1-9 manufacturing method)
After adding compounds 11 and 12 to Em-A, the temperature was raised to 60 ° C. After adjusting to pH shown in Table 2 by adding KOH aqueous solution, this invention or the comparative sensitizing dye shown in Table 2 was added, and it stirred for 30 minutes. After that, almost the same mol amount of HOH as the pre-added KOH2SO4After adjusting to the original pH of 5.8 by adding an aqueous solution containing potassium, thiocyanate, chloroauric acid, sodium thiosulfate, and N, N-dimethylselenourea were added for optimal chemical sensitization. At the end of chemical sensitization, compounds 13 and 14 were added to give Em-A1 to 9. Here, optimal chemical sensitization means that the sensitizing dye and each compound are added at a rate of 10 per mol of silver halide.-1To 10-8It means that it selected from the addition amount range of mol.
[0146]
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[0147]
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[0148]
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[0149]
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[0150]
As a result of observing the obtained particles with a transmission electron microscope while cooling with liquid nitrogen, about 98% of the particles had no dislocation within 80% of the projected area from the center of the particles. In addition, an average of 13 dislocation lines per particle was observed from the outer peripheral portion of the particle to the peripheral portion of the particle having a projected area of 20%.
[0151]
The amount of the dye adsorbed was centrifuged at 10,000 rpm for 10 minutes, and the precipitate was freeze-dried. This solution was analyzed by high performance liquid chromatography, and the dye concentration was determined and determined.
[0152]
The light absorption intensity per unit area was measured by thinly coating the obtained emulsion on a slide glass and using a microspectrophotometer MSP65 manufactured by Carl Zeiss Co., Ltd. with the following method, the transmission spectrum and reflection of each particle. The spectrum was measured to obtain an absorption spectrum. The reference of the transmission spectrum was a part where no particle was present, and the reflection spectrum was used as a reference by measuring silicon carbide whose reflectance was known. The measurement part is a circular aperture part with a diameter of 1 μm, and the position is adjusted to 14,000 cm so that the aperture part does not overlap the particle outline.-1(714nm) to 28000cm-1A transmission spectrum and a reflection spectrum were measured in a wave number region up to (357 nm), and an absorption spectrum was obtained with 1-T (transmittance) -R (reflectance) as an absorption factor A. Absorption rate A 'is obtained by subtracting the absorption of silver halide, and -Log (1-A') is set to wave number (cm-1) To obtain a light absorption intensity per unit surface area. Integration range is 14000cm-1To 28000cm-1Up to. At this time, a tungsten lamp was used as the light source, and the light source voltage was 8V. In order to minimize damage to the pigment due to light irradiation, a monochromator on the primary side was used, the wavelength interval was set to 2 nm, and the slit width was set to 2.5 nm.
Table 2 shows the characteristics of other silver halide emulsions (Em-BP) used in this example.
[0153]
[Table 2]
[0154]
The outline of the preparation of the emulsion used in this example is shown below.
A 10% gelatin solution containing a coupler dissolved in ethyl acetate, a high-boiling organic solvent, and a surfactant are added and emulsified using a mixed homogenizer (Nippon Seiki) to obtain an emulsion.
[0155]
1) Support
The support used in this example was prepared by the following method.
[0156]
100 parts by mass of polyethylene-2,6-naphthalate polymer and Tinuvin P.I. 326 (manufactured by Ciba-Geigy Ciba-Geigy) was dried, melted at 300 ° C, extruded from a T-die, and stretched 3.3 times at 140 ° C, followed by 130 ° C. The film was stretched by 3.3 times and further heat-fixed at 250 ° C. for 6 seconds to obtain a PEN (polyethylene naphthalate) film having a thickness of 90 μm. The PEN film has a blue dye, a magenta dye, and a yellow dye (public techniques: I-1, I-4, I-6, I-24, I-26, I- 27, II-5) was added in an appropriate amount. Furthermore, it was wound around a stainless steel core having a diameter of 20 cm to give a thermal history of 110 ° C. and 48 hours, thereby providing a support that is difficult to curl.
[0157]
2) Application of undercoat layer
The support was subjected to corona discharge treatment, UV discharge treatment, and glow discharge treatment on both sides, and then gelatin 0.1 g / m on each side.2Sodium a-sulfodi-2-ethylhexyl succinate 0.01 g / m2, Salicylic acid 0.04 g / m2P-chlorophenol 0.2 g / m2, (CH2= CHSO2CH2CH2NHCO)2CH20.012 g / m2, Polyamide-epichlorohydrin polycondensate 0.02 g / m2Apply a primer solution (10 mL / m2, Using a bar coater), an undercoat layer was provided on the high-temperature surface side during stretching. Drying was carried out at 115 ° C. for 6 minutes (all rollers and transport devices in the drying zone were at 115 ° C.).
[0158]
3) Coating the back layer
An antistatic layer having the following composition, a magnetic recording layer, and a sliding layer were coated as a back layer on one surface of the support after the undercoating.
3-1) Application of antistatic layer
The specific resistance of the tin oxide-antimony oxide composite having an average particle size of 0.005 μm is 0.2 g / m of a dispersion of fine particle powder (secondary aggregate particle size of about 0.08 μm) of 5 Ω · cm.2, Gelatin 0.05g / m2, (CH2= CHSO2CH2CH2NHCO)2 CH20.02 g / m2, Poly (degree of polymerization 10) oxyethylene-p-nonylphenol 0.005 g / m2And coated with resorcin.
[0159]
3-2) Coating of magnetic recording layer
Cobalt iron oxide coated with 3-poly (degree of polymerization 15) oxyethylene-propyloxytrimethoxysilane (15% by mass) (specific surface area 43 m2/ G, long axis 0.14 μm, single axis 0.03 μm, saturation magnetization 89 Am2/ Kg, Fe2+/ Fe3+= 6/94, the surface is treated with aluminum oxide silicon oxide with 2% by mass of iron oxide) 0.06 g / m2Diacetylcellulose 1.2 g / m2(Iron oxide was dispersed with an open kneader and sand mill)2H5C (CH2OCONH-C6H3(CH3) NCO)30.3 g / m2Was coated with a bar coater using acetone, methyl ethyl ketone and cyclohexanone as a solvent to obtain a magnetic recording layer having a thickness of 1.2 μm. 10 mg each of abrasive aluminum oxide (0.15 μm) coated with silica particles (0.3 μm) and 3-poly (polymerization degree 15) oxyethylene-propyloxytrimethoxysilane (15% by mass) as a matting agent / M2It added so that it might become. Drying was performed at 115 ° C. for 6 minutes (all rollers and conveyors in the drying zone were 115 ° C.). D of magnetic recording layer with X-light (blue filter)BThe increase in color density is about 0.1, and the saturation magnetization moment of the magnetic recording layer is 4.2 Am2/ Kg, coercive force 7.3 × 104A / m, the squareness ratio was 65%.
[0160]
3-3) Preparation of sliding layer
Diacetylcellulose (25mg / m2), C6H13CH (OH) C10H20COOC40H81(Compound a, 6 mg / m2) / C50H101O (CH2CH2O)16H (Compound b, 9 mg / m2) The mixture was applied. This mixture was prepared by melting at 105 ° C. in xylene / propylene monomethyl ether (1/1), pouring and dispersing in propylene monomethyl ether at room temperature (10-fold amount), and then dispersing the dispersion ( The average particle size was 0.01 μm) and then added. 15 mg / m each of aluminum oxide (0.15 μm) coated with silica particles (0.3 μm) and 3-poly (polymerization degree 15) oxyethylenepropyloxytrimethoxysilane (15% by mass) as a matting agent2It added so that it might become. Drying was performed at 115 ° C. for 6 minutes (all rollers and transport devices in the drying zone were 115 ° C.). The sliding layer has a dynamic friction coefficient of 0.06 (5 mmφ stainless hard ball, load of 100 g, speed of 6 cm / min), static friction coefficient of 0.07 (clipping method), and the dynamic friction coefficient of the emulsion surface and sliding layer described later is also 0.12. Excellent characteristics.
[0161]
4) Coating of photosensitive layer
Next, each layer having the following composition was applied on the opposite side of the back layer obtained above to prepare a sample which is a color negative photosensitive material. Samples were prepared using emulsions, emulsions and couplers as shown below.
[0162]
(Composition of photosensitive layer)
The main materials used in each layer are classified as follows:
ExC: Cyan coupler UV: UV absorber
ExM: Magenta coupler HBS: High boiling point organic solvent
ExY: Yellow coupler H: Gelatin hardener
(Specific compounds are described below, followed by a numerical value followed by a chemical formula.)
The number corresponding to each component is g / m2The coating amount expressed in units is shown. For silver halide, the coating amount in terms of silver is shown.
[0163]
First layer (first antihalation layer)
Black colloidal silver Silver 0.155
0.07 μm surface fogging AgBrI (2) Silver 0.01
Gelatin 0.87
ExC-1 0.002
ExC-3 0.002
Cpd-2 0.001
HBS-1 0.004
HBS-2 0.002.
[0164]
Second layer (second antihalation layer)
Black colloidal silver Silver 0.066
Gelatin 0.407
ExM-1 0.050
ExF-1 2.0 × 10-3
HBS-1 0.074
Solid disperse dye ExF-2 0.015
Solid disperse dye ExF-3 0.020.
[0165]
Third layer (intermediate layer)
0.07 μm AgBrI (2) 0.020
ExC-2 0.022
Polyethyl acrylate latex 0.085
Gelatin 0.294.
[0166]
4th layer (low sensitivity red sensitive emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion M Silver 0.065
Silver iodobromide emulsion N Silver 0.100
Silver iodobromide emulsion O Silver 0.158
ExC-1 0.109
ExC-3 0.044
ExC-4 0.072
ExC-5 0.011
ExC-6 0.003
Cpd-2 0.025
Cpd-4 0.025
HBS-1 0.17
Gelatin 0.80.
[0167]
5th layer (medium sensitivity red emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion K Silver 0.21
Silver iodobromide emulsion L Silver 0.62
ExC-1 0.14
ExC-2 0.026
ExC-3 0.020
ExC-4 0.12
ExC-5 0.016
ExC-6 0.007
Cpd-2 0.036
Cpd-4 0.028
HBS-1 0.16
Gelatin 1.18.
[0168]
6th layer (high-sensitivity red-sensitive emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion P Silver 1.67
ExC-1 0.18
ExC-3 0.07
ExC-6 0.047
Cpd-2 0.046
Cpd-4 0.077
HBS-1 0.25
HBS-2 0.12
Gelatin 2.12.
[0169]
7th layer (intermediate layer)
Cpd-1 0.089
Solid disperse dye ExF-4 0.030
HBS-1 0.050
Polyethyl acrylate latex 0.83
Gelatin 0.84.
[0170]
Eighth layer (Multilayer effect donor layer (layer that gives a multilayer effect to the red-sensitive layer))
Silver iodobromide emulsion E Silver 0.560
Cpd-4 0.030
ExM-2 0.096
ExM-3 0.028
ExY-1 0.031
ExG-1 0.006
HBS-1 0.085
HBS-3 0.003
Gelatin 0.58.
[0171]
9th layer (low sensitivity green emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion G Silver 0.39
Silver iodobromide emulsion H Silver 0.28
Silver iodobromide emulsion I Silver 0.35
ExM-2 0.36
ExM-3 0.045
ExG-1 0.005
HBS-1 0.28
HBS-3 0.01
HSB-4 0.27
Gelatin 1.39.
[0172]
10th layer (medium sensitive green sensitive emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion F Silver 0.20
Silver iodobromide emulsion G Silver 0.25
ExC-6 0.009
ExM-2 0.031
ExM-3 0.029
ExY-1 0.006
ExM-4 0.028
ExG-1 0.005
HBS-1 0.064
HBS-3 2.1 × 10-3
Gelatin 0.44.
[0173]
11th layer (high sensitivity green emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion J Silver 1.200
ExC-6 0.004
ExM-1 0.014
ExM-3 0.038
ExM-4 0.021
ExM-5 0.006
ExY-5 0.008
ExM-2 0.013
Cpd-4 0.007
HBS-1 0.18
Polyethyl acrylate latex 0.099
Gelatin 1.11.
[0174]
12th layer (yellow filter layer)
Yellow colloidal silver Silver 0.047
Cpd-1 0.16
Solid disperse dye ExF-5 0.010
Solid disperse dye ExF-6 0.010
HBS-1 0.082
Gelatin 1.057.
[0175]
13th layer (low sensitivity blue-sensitive emulsion layer)
Silver iodobromide emulsion B Silver 0.18
Silver iodobromide emulsion C Silver 0.20
Silver iodobromide emulsion D Silver 0.07
ExC-1 0.041
ExC-8 0.012
ExY-1 0.035
ExY-2 0.71
ExY-3 0.10
ExY-4 0.005
Cpd-2 0.10
Cpd-3 4.0 × 10-3
HBS-1 0.24
Gelatin 1.41.
[0176]
14th layer (high sensitivity blue-sensitive emulsion layer)
Emulsions listed in Table 2 Em-A1 to Em-A9 Silver 0.75
ExC-1 0.013
ExY-2 0.31
ExY-3 0.05
ExY-6 0.062
Cpd-2 0.075
Cpd-3 1.0 × 10-3
HBS-1 0.10
Gelatin 0.91.
[0177]
15th layer (first protective layer)
0.07 μm AgBrI (2) Silver 0.30
UV-1 0.21
UV-2 0.13
UV-3 0.20
UV-4 0.025
F-18 0.009
F-19 0.005
F-20 0.005
HBS-1 0.12
HBS-4 5.0 × 10-2
Gelatin 2.3.
[0178]
16th layer (second protective layer)
H-1 0.40
B-1 (diameter 1.7 μm) 5.0 × 10-2
B-2 (diameter 1.7 μm) 0.15
B-3 0.05
S-1 0.20
Gelatin 0.75.
[0179]
Furthermore, storage stability, processability, pressure resistance, antifungal and antibacterial properties, B-4 to B-6, F-1 to F-18, and iron salts, lead salts, gold salts, platinum salts, as appropriate for each layer , Palladium salt, iridium salt, ruthenium salt and rhodium salt are contained. In addition, 8.5 × 10 5 per mol of silver halide in the eighth layer coating solution.-3Grams, 7.9 x 10 in the eleventh layer-3A sample was prepared by adding grams of calcium in an aqueous calcium nitrate solution. Further, at least one of W-1, W-6, W-7 and W-8 is contained for improving the antistatic property, and at least one of W-2 and W-5 is used for improving the coating property. Contains.
[0180]
Preparation of dispersions of organic solid disperse dyes
The following ExF-3 was dispersed by the following method. That is, 21.7 water (hereinafter also referred to as “mL”), 3 mL of 5% aqueous solution of p-octylphenoxyethoxyethoxyethanesulfonic acid soda and 5% aqueous solution of p-octylphenoxypolyoxyethylene ether (degree of polymerization) 10) 0.5 g was placed in a 700 mL pot mill, 5.0 g of dye ExF-3 and 500 mL of zirconium oxide beads (diameter 1 mm) were added, and the contents were dispersed for 2 hours. A BO-type vibrating ball mill manufactured by Chuo Koki was used for this dispersion. After dispersion, the contents were taken out and added to 8 g of a 12.5% aqueous gelatin solution, and the beads were removed by filtration to obtain a gelatin dispersion of the dye. The average particle diameter of the dye fine particles was 0.44 μm.
Similarly, a solid dispersion of ExF-4 was obtained. The average particle size of the dye fine particles was 0.45 μm. ExF-2 was dispersed by the microprecipitation dispersion method described in Example 1 of EP 549,489A. The average particle size was 0.06 μm.
[0181]
A solid dispersion of ExF-6 was dispersed by the following method.
To 2800 g of ExF-6 wet cake containing 18% of water, 376 g of 4000 g of water and a 3% solution of W-2 was added and stirred to obtain a slurry of ExF-6 having a concentration of 32%. Next, 1700 mL of zirconia beads having an average particle diameter of 0.5 mm was filled in Ultraviscomil (UVM-2) manufactured by Imex Co., Ltd., and the peripheral speed was about 10 m / sec through the slurry, and the discharge rate was 0.5 l / min for 8 hours. Crushed.
The compounds used for forming each of the above layers are as shown below.
[0182]
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[0183]
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[0184]
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[0185]
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[0186]
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[0188]
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[0189]
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[0190]
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[0191]
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[0192]
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[0193]
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[0194]
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[0195]
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[0196]
The sample evaluation method is as follows. The film was exposed for 1/100 second through a gelatin filter SC-39 (a long-wavelength light transmission filter having a cut-off wavelength of 390 nm) manufactured by Fuji Film Co., Ltd. or an interference filter made of Schott 370 nm and a continuous wedge. Development was performed as follows using an automatic processor FP-360B manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. In addition, the overflow solution of the bleaching bath was remodeled so as not to flow to the rear bath but to discharge all to the waste liquid tank. This FP-360B is equipped with the evaporation correction means described in JIII Journal of Technical Disclosure No. 94-4992.
[0197]
The treatment process and the treatment liquid composition are shown below.
[0198]
The stabilizing solution and the fixing solution were a countercurrent system from (2) to (1), and all the overflow solution of the washing water was introduced into the fixing bath (2). The amount of developer brought into the bleaching step, the amount of bleaching solution brought into the fixing step, and the amount of fixing solution brought into the water washing step were 2.5 mL and 2.0 mL, respectively, per photosensitive material 35 mm width 1.1 m, 2.0 mL. The crossover times are all 6 seconds, and this time is included in the processing time of the previous step.
The opening area of the processor is 100 cm with color developer.2, 120cm with bleach2Other processing solutions are about 100cm2Met.
[0199]
The composition of the treatment liquid is shown below.
[0200]
[0201]
[0202]
(Washing water)
Tap water is passed through a mixed bed column packed with H-type strongly acidic cation exchange resin (Amberlite IR-120B manufactured by Rohm and Haas) and OH-type strongly basic anion exchange resin (Amberlite IR-400). Then, the calcium and magnesium ion concentrations were adjusted to 3 mg / L or less, and then sodium isocyanurate dichloride 20 mg / L and sodium sulfate 150 mg / L were added. The pH of this solution was in the range of 6.5 to 7.5.
[0203]
[0204]
The said process was given with respect to the samples 101-110. Photographic performance was evaluated by measuring the density of the processed sample with a blue filter. The obtained results are shown in Table 3.
[0205]
[Table 3]
[0206]
The sensitizing dye A used in Table 3 is shown.
[0207]
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[0208]
In Table 3, the sensitivity is comparative sample No. The relative value when the sensitivity of 101 is 100 is shown. The data in Table 3 demonstrate that the multi-layer adsorption silver halide light sensitive material using the dye of the present invention has high sensitivity. Emulsion coverage was zero for emulsions without added dye.
[0209]
Example 4
Preparation of Em-Z
1200 ml of an aqueous solution containing phthalated gelatin having a phthalation rate of 97% and a molecular weight of 100,000, 0.38 g, KBr, and 0.99 g was maintained at 60 ° C., pH was adjusted to 2, and vigorously stirred. AgNO3An aqueous solution containing 1.96 g and an aqueous solution containing KBr, 1.97 g, KI and 0.172 g were added over 30 seconds by the double jet method. After ripening, 12.8 g of trimellitated gelatin obtained by chemically modifying an amino group having a molecular weight of 100,000 containing 35 μmol of methionine per gram with trimellitic acid was added. After adjusting the pH to 5.9, KBr, 2.99 g, and NaCl 6.2 g were added. AgNO360.7 ml of an aqueous solution containing 27.3 g and an aqueous KBr solution were added over 35 minutes by the double jet method. At this time, the silver potential was kept at −50 mV with respect to the saturated calomel electrode. AgNO3The aqueous solution containing 65.6 g and the aqueous KBr solution were added over 37 minutes while accelerating the flow rate so that the final flow rate was 2.1 times the initial flow rate by the double jet method. At this time, the AgI fine grain emulsion used in the preparation of Em-A was simultaneously added at a flow rate acceleration so that the silver iodide content was 6.5 mol%, and the silver potential was kept at -50 mV. After adding 1.5 mg of thiourea dioxide, AgNO3132 ml of an aqueous solution containing 41.8 g and an aqueous KBr solution were added over 13 minutes by the double jet method. The addition of the aqueous KBr solution was adjusted so that the silver potential at the end of the addition was +40 mV. After adding 2 mg of sodium benzenethiosulfonate, KBr was added to adjust the silver potential to -100 mV.
6.2 g of the above-mentioned AgI fine grain emulsion was added in terms of KI mass. Immediately after the addition, AgNO3300 ml of an aqueous solution containing 88.5 g was added over 8 minutes. Adjustment was made by adding an aqueous KBr solution so that the potential at the end of the addition was +60 mV. After washing with water, gelatin was added and adjusted to pH 6.5, pAg, 8.2 at 40 ° C. The prepared emulsion grains were tabular grains having a projected area diameter of 3.18 μm and an aspect ratio of 22. After adding compounds 11 and 12, the temperature was raised to 61 ° C. After adding the sensitizing dye shown in Table 3, K2IrCl6Potassium thiocyanate, chloroauric acid, sodium thiosulfate and N, N-dimethylselenourea were added for optimum chemical sensitization. Compounds 13 and 14 were added at the end of chemical sensitization.
The emulsion of Table 4 was replaced with Em-J of Example 3 and coated as Samples 201 to 209, and the photographic sensitivity and the residual color were compared in the same manner as in Example 1 except that it was coated with a green filter. For the high-sensitivity blue-sensitive layer, Em-A1 shown in Table 2 was used. The results are shown in Table 4. In Table 4, the sensitivity is the comparative sample No. The relative value when the sensitivity of 201 is 100 is shown.
[0210]
[Table 4]
[0211]
The data in Table 4 demonstrate that the multi-layer adsorption silver halide light-sensitive material using the dye of the present invention has high sensitivity.
[0212]
【The invention's effect】
With the constitution of the present invention, a high-sensitivity silver halide photographic light-sensitive material was obtained.