JP2004294446A - ガス中の微量不純物の分析装置 - Google Patents

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田中  誠
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Abstract

【課題】 各種高純度ガス中のppb〜サブppbレベルの微量不純物の測定に有効な大気圧イオン化質量分析計とガスクロマトグラフとを一体的に結合させることにより、各種高純度ガス中の各種微量不純物を効率よく測定することができるガス中の微量不純物の分析装置を提供する。
【解決手段】 試料ガス導入源から導入される試料ガスを、大気圧イオン化質量分析計6に直接導入する第1分析系統7と、ガスクロマトグラフ8を介して大気圧イオン化質量分析計6に導入する第2分析系統9とを設けるとともに、試料ガスの流路を、前記両分析系統7,9のいずれかに切換えるための流路切換手段を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス中の微量不純物の分析装置に関し、詳しくは、各種高純度ガス中のppb〜サブppbレベルの微量不純物を効率よく測定するためのガス中の微量不純物の分析装置に関する。
従来、半導体製造工程に用いられる高純度ガス中に存在するppbレベルの各種不純物を分析する際には、光イオン化検出器付きのガスクロマトグラフや、ガスクロマトグラフ質量分析計、長光路ガスセルを設けたフーリエ変換型赤外分光分析計等が用いられていた。また、単機能の分析計としては、黄燐発光式の微量酸素計や、アルゴン中の窒素を分析するための発光分析計、各種微量水分計等が使われている。
最近では、大気圧イオン化質量分析装置(Atmospheric Pressure Ionization Mass Spectrometer;APIMS)という高感度ガス分析装置が用いられている。この分析装置は、高純度ガス中の不純物濃度がppb(10億分の1)からppt(1兆分の1)レベルを測定できる分析計として、高純度ガス中の不純物分析には欠かせない評価分析装置であり、現在では、この大気圧イオン化質量分析計を使って、窒素,アルゴン,水素,ヘリウム中の不純物分析がppb〜サブppbのレベルで行われている。
しかし、高純度ガス及び不純物の種類によっては、大気圧イオン化質量分析計では、原理上、測定困難なものもある。例えば、窒素中の水素,一酸化炭素といった不純物や、酸素中のほとんどの不純物に関しては、原理上、高感度な測定が困難である。窒素中の水素分析を大気圧イオン化質量分析計で行う場合、共存不純物として水分,メタンが含まれている試料ガスについては,水素を検出する質量数29(NH)に、水分,メタンのプロトン(H)が重なって検知されるため、精確な分析が困難である。
また、一酸化炭素の測定は、C(炭素)原子の質量数12を検知することにより行われるが、一酸化炭素と同様に、炭素原子を持つメタン(CH)や二酸化炭素(CO)等が多く共存すると、これらに起因する炭素と前者の炭素とを区別することができないため、これらの共存不純物は、実際に窒素中の一酸化炭素を測定する場合、極力少ないことが測定の条件となっていた。しかし、実際の窒素ガスでは、上述のような不純物が共存しており、そのレベルもまちまちであることから、窒素中の不純物分析においては、大気圧イオン化質量分析計以外に、水素,一酸化炭素を精確に測定できる別の分析装置が必要であった。
さらに、基本的な問題として、主成分ガスのイオン化ポテンシャルが不純物のそれより大きいことが大気圧イオン化質量分析計の測定では必要であるが、高純度酸素ガス中の不純物を分析する場合、主成分ガスである酸素のイオン化ポテンシャル(12.6eV)が小さいため、測定可能な不純物は、酸素よりイオン化ポテンシャルの小さい成分に限定されてしまい、イオン化ポテンシャルの大きい窒素,一酸化炭素,二酸化炭素,メタン等を検出することができないという原理上の欠点があった。
したがって、これらの不純物を測定する際には、各種充填剤を充填した分離カラムを使用して酸素ガスと不純物とを分離する手段と、不純物を検出する手段(光イオン化検出器や質量分析計等)とを結合させた分析装置、すなわち、光イオン化検出器付きガスクロマトグラフや、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)で対応しているのが現状である。
さらに、図4に示すように、高感度な分析を目指してガスクロマトグラフGの検出器に前述の大気圧イオン化質量分析計Aを用いたガスクロマトグラフ大気圧イオン化質量分析計も考案されているが、実用面での利用例は非常に少ない。また、酸素中の水分については、ガスクロマトグラフGではppbレベルでの分離が困難なため、一般には、ガスクロマトグラフGとは別に高感度水分計Wを切換弁Vを介して接続し、水分は別に測定するようにしている。一方、クラスター反応を利用して大気圧イオン化質量分析計により酸素中の水分を分析する方法も提案されているが、水分,炭化水素(エタン,プロパン等)以外の不純物への適応は困難であった。
このように、高純度ガス中の不純物分析には、様々な形で大気圧イオン化質量分析計が関わっているが、大気圧イオン化質量分析計単独で測定を行う場合と、ガスクロマトグラフを前段に設けて測定を行う場合で、装置への試料ガスの導入条件が違うため、前者の測定に引き続いて後者の測定を行う場合は、装置を停止させ、試料導入口をガスクロマトグラフ用に取替えた後に装置を立上げ、安定した状態になってから測定するため、かなりの手間と時間とを要していた。
さらに、前述したように、大気圧イオン化質量分析計だけでは、各種ガス中の不純物を全て高感度(ppb〜サブppb)で測定できないことを考慮すると、複数の分析手段を用いなければならず、各分析装置の調整が煩雑で、分析に多くの時間を費やすなどの不都合があった。
そこで本発明は、各種高純度ガス中のppb〜サブppbレベルの微量不純物の測定に有効な大気圧イオン化質量分析計とガスクロマトグラフとを一体的に結合させることにより、各種高純度ガス中の各種微量不純物を効率よく測定することができるガス中の微量不純物の分析装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のガス中の微量不純物の分析装置は、ガスクロマトグラフと大気圧イオン化質量分析計とを備えたガス中の微量不純物の分析装置であって、試料ガス導入源から導入される試料ガスを、前記大気圧イオン化質量分析計に直接導入する系統と、前記ガスクロマトグラフを介して大気圧イオン化質量分析計に導入する系統とを設けるとともに、試料ガスの流路を、前記両系統のいずれかに切換えるための流路切換手段を設け、前記ガスクロマトグラフには、該ガスクロマトグラフで分離した不純物を同伴して前記大気圧イオン化質量分析計に導入するためのキャリアガス導入経路が設けられていることを特徴としている。
本発明のガス中の微量不純物の分析装置によれば、試料ガスの導入経路を切換えるだけで試料ガス中の不純物を全て測定することができ、特に酸素ガス中の不純物を分析する際にも他の分析計を使う必要がなくなる。このため、複数の分析計を設置し、調整する必要がなくなり、分析に費やす時間や手間が省ける。さらに、これまで大気圧イオン化質量分析計と他の分析装置とで行っていた分析を、1ユニットの分析装置にて短時間で行うことができるとともに、ppb〜サブppbレベルの高感度かつ高精度な測定が可能となる。また、流路切換時の圧力変動等を抑制することにより、安定した状態で分析を行うことができる。
図1は、本発明の分析装置の一形態例を示す系統図である。この分析装置は、水素H,アルゴンAr,窒素N,酸素O,ヘリウムHeの5種類の高純度ガス中の微量不純物を分析するためのものであって、試料ガスとなる各高純度ガスの導入経路1,2,3,4,5と、各高純度ガスを大気圧イオン化質量分析計6に直接導入するための第1分析系統7と、各高純度ガスをガスクロマトグラフ8を介して前記大気圧イオン化質量分析計6に導入するための第2分析系統9とを備えている。
前記導入経路1,2,3,4,5には、圧力調節弁1a,2a,3a,4a,5aと、導入弁1b,2b,3b,4b,5b及びパージ弁1c,2c,3c,4c,5cを組合わせた導入切換弁1d,2d,3d,4d,5dとが設けられており、導入弁1b,2b,3b,4b,5bの二次側は、前記第1分析系統7を構成する第1分析経路10にそれぞれ並列に接続している。
上記第1分析経路10には、第1分析弁11a及び第1パージ弁11bからなる第1分析切換弁11が設けられ、第1分析弁11aの二次側が前記大気圧イオン化質量分析計6の入口部流路6aに接続している。さらに、大気圧イオン化質量分析計6の出口部流路6bには、流量計(マスフローメーター)12が設けられている。
また、窒素及び酸素の導入経路3,4に設けられたパージ弁3c,4cには、流路切換弁13に接続する第2分析経路14a,14bがそれぞれ接続しており、両経路14a,14bは、前記流路切換弁13によって前記ガスクロマトグラフ8の入口部流路8aとパージ流路13aとに切換えられる。一方、ガスクロマトグラフ8の出口部流路8bには、第2分析弁15a及び第2パージ弁15bからなる第2分析切換弁15が設けられ、第2分析弁15aの二次側が、前記第1分析経路10の第1分析弁11aと大気圧イオン化質量分析計6の入口部流路6aとの間に接続している。
すなわち、第2分析系統9は、第2分析経路14a,14bから流路切換弁13,入口部流路8a,ガスクロマトグラフ8,出口部流路8b及び第2分析切換弁15を経て前記大気圧イオン化質量分析計6の入口部流路6aに接続する経路により形成されている。そして、前記第1分析切換弁11と第2分析切換弁15とにより、試料ガスを大気圧イオン化質量分析計6に直接導入する第1分析系統7と、ガスクロマトグラフ8を介して大気圧イオン化質量分析計6に導入する第2分析系統9とを切換える流路切換手段が形成されている。
さらに、前記第1分析経路10には、試料ガス切換時に経路内のパージを行うための排気弁16aを有する排気経路16が接続され、ガスクロマトグラフ8には、ガス容器17a内のガスを圧力制御弁17b及び精製器17cを介して導入するキャリアガス導入経路17が接続されるとともに、キャリアガス導入経路17からガスクロマトグラフ8をバイパスして出口部流路8bに接続するメークアップガス経路18が設けられている。
各高純度ガスを大気圧イオン化質量分析計6で分析する場合は、測定対象となる試料ガスの導入経路に設けられた導入弁を開いてパージ弁を閉じるとともに、その他の導入経路の導入弁を閉じる。これにより、測定対象試料ガスが第1分析系統7の第1分析経路10に流れる状態となる。なお、その他の導入経路においては、配管等の脱ガスによる汚染を極力防ぐため、パージ弁を開いて常時ガスを流しておくことが好ましい。
例えば、水素の分析を行う場合は、導入経路1の導入弁1bを開いてパージ弁1cを閉じ、他の導入弁2b,3b,4b,5bを閉じておく。また、第1分析切換弁11の第1分析弁11aを開いて第1パージ弁11bを閉じ、第2分析切換弁15の第2分析弁15aは閉じておく。これにより、圧力調節弁1aで所定圧力に調節されて導入経路1から導入される水素が、導入弁1b,第1分析経路10,第1分析切換弁11の第1分析弁11aを経て入口部流路6aから大気圧イオン化質量分析計6の測定部に流入し、所定の分析が行われて出口部流路6bからマスフローメーター12を経て排出される状態となる。
水素の分析後に他のガス、例えばアルゴンを分析する場合は、水素の導入弁1bを閉じてアルゴンの導入弁2bを開き、パージ弁1c,2cの開閉も切換えればよい。このように、導入弁1b,2b,3b,4b,5b及びパージ弁1c,2c,3c,4c,5cを順次切換え開閉することにより、大気圧イオン化質量分析計6での高純度ガスの分析を連続的に行うことができる。なお、パージ弁3c,4cから第2分析経路14a,14bに流れた窒素及び酸素は、いずれか一方が流路切換弁13からパージ流路13aに排出され、他方がガスクロマトグラフ8に設けられている排気経路8cから排出される。
一方、ガスクロマトグラフ8を介して分析を行う場合、例えば、高純度酸素ガスの分析においては、上述のように大気圧イオン化質量分析計6で水分のみを分析した後、ガスクロマトグラフ8を介して他の不純物の分析を行う必要がある。このような場合は、大気圧イオン化質量分析計6での各高純度ガスの所定の分析が終了した後、分析系統を第1分析系統7から第2分析系統9に切換えて分析を行う。
すなわち、第1分析切換弁11と第2分析切換弁15とにおける弁の開閉状態を切換え、第2分析系統9からのガスクロマトグラフ8を経たガスが第2分析弁15aを通って大気圧イオン化質量分析計6に流れるようにするとともに、流路切換弁13の流路を酸素側とし、第2分析経路14bの酸素が、入口部流路8aを介してガスクロマトグラフ8に流れるようにする。
これにより、酸素中の不純物がガスクロマトグラフ8により分離された後、キャリアガスに同伴された状態で出口部流路8bから第2分析弁15a及び入口部流路6aを経て大気圧イオン化質量分析計6に導入され、大気圧イオン化質量分析計6で直接分析することができない水分以外の不純物が主成分である酸素と分離されて分析されることになる。また、メークアップガス経路18からは、大気圧イオン化質量分析計6の必要ガス量に対するガスクロマトグラフ8からの流出ガス量の不足分が補充される。
このように、大気圧イオン化質量分析計6に、通常の直接法による試料ガス導入ライン(第1分析系統7)に加えて、ガスクロマトグラフ6を介在させた第2の試料ガス導入ライン(第2分析系統9)を別に設け、この第2分析系統9に試料ガスを流すことにより、直接法では測定困難な窒素中の水素,一酸化炭素や、酸素中の一酸化炭素,水素,メタン,二酸化炭素,窒素等を測定することができ、これら以外の各種ガス中の不純物は、直接法の第1分析系統7を用いて測定することができる。これにより、高純度ガス等において測定対象となる不純物の略全種類をppb〜サブppbレベルで分析することが可能となる。また、弁の開閉だけの操作で切換えることができるので、短時間で容易に分析条件の切換えを行うことができる。
なお、ガスクロマトグラフ8に使用するキャリアガスは、主成分となる高純度ガスの種類や不純物の種類によって任意のガス、例えばヘリウム,アルゴン,窒素,水素等を使用することができるが、大気圧イオン化質量分析計6での分析を考慮すると、ヘリウムを使用することが望ましい。また、ガスクロマトグラフ8の分離カラムも、不純物の性状等に応じてゼオライト系や活性炭等の任意のものを使用することができる。
上述のような大気圧イオン化質量分析計6での直接分析と、ガスクロマトグラフ8を介しての分析とは、適当なシーケンス装置等を設けて各弁を切換え開閉することにより、連続的に順次繰返して行うことができ、各試料ガス中の各種不純物の自動分析が可能となる。各試料ガスの切換時間は、ガスの種類によって異なるが、通常は、15分〜30分程度である。
図2は、大気圧イオン化質量分析計6に導入する試料ガスの系統を切換えるための流路切換手段の他の形態例を示す系統図である。本形態例の流路切換手段20は、前記図1における第1分析系統7の第1分析切換弁11と第2分析系統9の第2分析切換弁15とを一体型の集積化バルブとしたものであって、第1分析系統7からの第1経路21と、第2分析系統9からの第2経路22と、パージ経路23と、大気圧イオン化質量分析計6に至る分析経路24とを、4個の弁25,26,27,28で図のように四角形状に接続したものである。この4個の弁は、図1の実施例に当てはめれば、弁25が図1の第1分析弁11aに、弁28が図1の第1パージ弁11bに、弁27が図1の第2分析弁15aに、弁26が図1の第2パージ弁15bに相当することは容易に理解できる。
したがって、上記構造の流路切換手段20において、第1分析弁25及び第2パージ弁26を開き、第2分析弁27及び第1パージ弁28を閉じることにより、第1経路21からの試料ガスが第1分析弁25を介して分析経路24に流れ、第2経路22からの試料ガスが第2パージ弁26を介してパージ経路23に流れる状態になる。逆に、第2分析弁27及び第1パージ弁28を開き、第1分析弁25及び第2パージ弁26を閉じることにより、第2経路22からの試料ガスが第2分析弁27を介して分析経路24に流れ、第1経路21からの試料ガスが第1パージ弁28を介してパージ経路23に流れる状態になる。
このように、分析系統の切換部を集積化バルブで形成することにより、デッドスペースを少なくすることができ、試料ガスの切換時間の短縮や分析精度の向上等が図れる。
図3は、分析系統切換時の圧力変動を防止するための手段を設けた形態例を示す系統図であって、導入経路は、窒素分析用の導入経路3のみを示している。まず、大気圧イオン化質量分析計6に導入する試料ガスの流量は、該大気圧イオン化質量分析計6の仕様で決定され、通常は毎分数百ミリリットルから数リットルとなり、ガスクロマトグラフ8のキャリアガスの流量は、通常は毎分20〜50ミリリットルである。
したがって、ガスクロマトグラフ8からの流出ガスには、前記メークアップガス経路18から相当量のメークアップガスを加える必要があるが、このメークアップガスは、測定対象である不純物を希釈してしまうため、できるだけ流量を少なくする必要がある。したがって、ガスクロマトグラフ8を介しての分析における不純物成分の感度を高めるためには、大気圧イオン化質量分析計6へ導入される試料ガス量を極力最少仕様のガス流量にすることが望ましく、例えば、毎分300ミリリットル程度にすることが望ましい。
また、ガスクロマトグラフ8と大気圧イオン化質量分析計6とは、両者ともに、大気圧以上で動作することから、通常のガスクロマトグラフ質量分析計のように、特殊なインターフェースを用いて大気圧以上から真空に圧力を下げる必要がないため、ガスクロマトグラフ8と大気圧イオン化質量分析計6とを単に連結して分析する場合には、メークアップガス経路18を付け加える以外に、なんら特別な工夫をせずに両者を連結するだけでよかった。
しかし、前述のように、大気圧イオン化質量分析計6に直接試料ガス導入する第1分析系統7と、ガスクロマトグラフ8を介して大気圧イオン化質量分析計6に試料ガスを導入する第2分析系統9とを切換え使用するシステムでは、両系統7,9を切換える際に圧力変動を生じることがある。このような圧力変動を生じると、大気圧イオン化質量分析計6のイオン源出口からイオン源内に空気が混入し、イオン源が汚染され、水分等の吸着成分を低減させるためにかなりの時間を要するおそれがあり、この場合には、試料ガスによるパージに非常に時間がかかる。
この圧力変動を確実に防止するためには、前記メークアップガス等の調節により、流路切換手段20における入口側、すなわち、各系統7,9の両経路21,22の試料ガスの圧力を等しくし、かつ、試料ガスの出口側であるパージ経路23と分析経路24とにおける圧力を等しくする必要がある。
上述のような圧力の均等化は、各部の配管抵抗を合わせるように、配管の長さと配管径とを調節することによっても可能ではあるが、これを厳密に行うためには、通常は、流路切換手段20の出入口の直近に、精密に圧力を測定する手段及びそれを調整する手段を設けるようにしている。ところが、このような手段を大気圧イオン化質量分析計6の上流側の試料ガスが通過するラインに設置することは、試料ガスの汚染を招く可能性を高めることとなり、超微量の不純物の測定を行う上においては好ましいことではない。
そこで、図3に示すように、導入経路部分に圧力調節手段を設けるとともに、大気圧イオン化質量分析計6の出口部流路6bと、パージ経路23とに、ニードルバルブやマスフローコントローラー,調整器等の流量制御機構31と圧力計32とを設けることにより、試料ガスの汚染を防止しながら、分析系統切換手段20の切換えにより発生する圧力変動を確実に防止することができる。また、このように形成することにより、試料ガスを高圧で大気圧イオン化質量分析計6に導入することが可能となるため、微量不純物の分析を、より高感度で行うことができる。
さらに、上記構成の分析装置は、窒素ガス中の不純物である水素や一酸化炭素の測定感度の面でも、これまで数ppbレベルであったものを、ppb〜サブppbレベルに向上させることができる。また、不純物の校正に必要な標準ガス希釈装置も、分析装置も含めた1ユニットの中に1台あればよく、複数の分析装置を使うこれまでのものと違い、複数の校正装置を使う器差等による誤差を防ぐことができ、精確な分析ができる。
図3に示す構成の分析装置を使用して高純度窒素中の全ての不純物を測定した。すなわち、導入経路3から圧力調節弁3aを介して所定圧力で試料ガスとなる高純度窒素を導入し、流路切換手段20の弁を所定の順序で開閉することにより分析を行った。
まず、流路切換手段20の弁25を開いた状態とし、導入経路3からの試料ガスを第1分析経路10から流路切換手段20を介して直接大気圧イオン化質量分析計6に導入し、不純物である酸素,二酸化炭素,メタン及び水分を測定した。
次に、流路切換手段20の弁27を開いた状態とし、導入経路3からの試料ガスを第2分析経路14aからガスクロマトグラフ8に導入し、ガスクロマトグラフ8からキャリアガスに同伴されて導出したガスにメークアップガスを加えて所定流量とした後、流路切換手段20を介して大気圧イオン化質量分析計6に導入し、不純物である水素及び一酸化炭素を測定した。なお、ガスクロマトグラフ8のキャリアガスには、精製したアルゴンガスを使用した。
その結果、直接分析では、酸素0.4ppb,二酸化炭素0.6ppb,メタン0.1ppb,水分4.0ppbという結果が得られ、ガスクロマトグラフ8を介しての分析では、水素2.5ppb,一酸化炭素0.8ppbという結果が得られた。
本発明の分析装置の一形態例を示す系統図である。 流路切換手段の他の形態例を示す系統図である。 分析系統切換時の圧力変動を防止するための手段を設けた形態例を示す系統図である。 従来の分析装置の一例を示す系統図である。
符号の説明
1,2,3,4,5…導入経路、1a,2a,3a,4a,5a…圧力調節弁、1b,2b,3b,4b,5b…導入弁、1c,2c,3c,4c,5c…パージ弁、6…大気圧イオン化質量分析計、6a…入口部流路、6b…出口部流路、7…第1分析系統、8…ガスクロマトグラフ、8a…入口部流路、8b…出口部流路、9…第2分析系統、10…第1分析経路、11…第1分析切換弁、11a…第1分析弁、11b…第1パージ弁、12…マスフローメーター、13…流路切換弁、13a…パージ流路、14a,14b…第2分析経路、15…第2分析切換弁、15a…第2分析弁、15b…第2パージ弁、16…排気経路、17…キャリアガス導入経路、18…メークアップガス経路、20…流路切換手段、21…第1経路、22…第2経路、23…パージ経路、24…分析経路、25,26,27,28…弁、31…流量制御機構、32…圧力計

Claims (1)

  1. ガスクロマトグラフと大気圧イオン化質量分析計とを備えたガス中の微量不純物の分析装置であって、試料ガス導入源から導入される試料ガスを、前記大気圧イオン化質量分析計に直接導入する系統と、前記ガスクロマトグラフを介して大気圧イオン化質量分析計に導入する系統とを設けるとともに、試料ガスの流路を、前記両系統のいずれかに切換えるための流路切換手段を設け、前記ガスクロマトグラフには、該ガスクロマトグラフで分離した不純物を同伴して前記大気圧イオン化質量分析計に導入するためのキャリアガス導入経路が設けられていることを特徴とするガス中の微量不純物の分析装置。
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