JP2004294384A - 1−デオキシノジリマイシンの測定方法 - Google Patents

1−デオキシノジリマイシンの測定方法 Download PDF

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俊之 木村
Hiroko Saito
裕子 齋藤
Kiyotaka Nakagawa
清隆 仲川
Yoji Niimoto
洋士 新本
Koji Yamaki
幸二 八巻
Kenji Yamagishi
賢治 山岸
Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Haruo Miyazawa
陽夫 宮澤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、従来の1−デオキシノジリマイシン測定方法における欠点を克服し、安定性、再現性及び感度において優れ、かつ分析単価の安価な1−デオキシノジリマイシン測定方法を提供することである。
【解決手段】式Iで表される1−デオキシノジリマイシンの測定方法であって、試料を液体クロマトグラフィーで分離し、1−デオキシノジリマイシンを光散乱検出器で検出することを特徴とする上記測定方法。
【化1】
Figure 2004294384

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品産業分野、医学分野等において有用な1−デオキシノジリマイシンの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1−デオキシノジリマイシンは、ブドウ糖の類縁化合物であり、摂食時に糖質の分解酵素であるグルコシダーゼの阻害剤として働き、血糖値の上昇を抑える。
桑葉は植物由来の1−デオキシノジリマイシンを豊富に含むことが知られ、国内養蚕業の衰退に伴う遊休桑園の新たな桑樹の利用法として期待されている。このような背景の下、現在、茶、サプリメントなど種々の形態の「桑1−デオキシノジリマイシン含有製品」が商品化され、市場に販売されている。しかし、これら商品の多くは、1−デオキシノジリマイシンの効能を謳っているにもかかわらず、1−デオキシノジリマイシンを定量することが困難であり、経済的かつ簡便な測定方法が存在しないため、その含量については明記していない。
【0003】
1−デオキシノジリマイシンは、一般的な分析で多用されるODS(オクタデシルシラン)カラムのような逆相カラムで保持されない他、配位子交換カラムにおいても保持されない。また、1−デオキシノジリマイシンは、その分子内に特徴的な官能基を持たないことから通常のUV検出器などを利用した分析機器で定量することが特に難しく、さらに、試料中における含量が微量であるため示唆屈折計で検出することも困難であった。
【0004】
このため従来では、他の夾雑物質の混在条件下で高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(以下LC/MSと称する)により、1−デオキシノジリマイシン該当分子イオンピークを抽出し、定量分析が行われた例がある。しかし、LC/MSによる分析は、LC/MSが非常に高額な機器であること、分析にかかる費用が高価であること、MSでの定量分析は不安定であり再現性が得にくいことから、問題を有していた。また、LC/MSによる分析においては、夾雑物質混在下での1−デオキシノジリマイシンの分析と純粋な1−デオキシノジリマイシン標準品の分析とで、イオン化条件が異なり、イオン化効率が異なると考えられるため正しい定量結果を得られているか不明であった。さらに、質量分析計(MS)の試料導入部が汚れやすく多数試料の連続分析が不可能であること等の難点も有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来の1−デオキシノジリマイシン測定方法における欠点を克服し、安定性、再現性及び感度において優れ、かつ分析単価の安価な1−デオキシノジリマイシンの測定方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1−デオキシノジリマイシンが親水性相互液体クロマトグラフィー(HILIC)を原理とする分離カラムに十分に保持されること、そして光散乱検出器により試料中の1−デオキシノジリマイシンの定量に必要とされる十分な感度及び安定性が得られることを見出した。また、分離カラム、検出条件、分離条件、試料溶液の調製法を鋭意検討した結果、1−デオキシノジリマイシンを夾雑物質と分離し、かつ効果的に測定できる条件を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)式Iで表される1−デオキシノジリマイシンの測定方法であって、試料を液体クロマトグラフィーで分離し、1−デオキシノジリマイシンを光散乱検出器で検出することを特徴とする上記測定方法。
【化2】
Figure 2004294384
【0008】
(2)液体クロマトグラフィーが、親水性相互液体クロマトグラフィーである(1)に記載の方法。
(3)液体クロマトグラフィーにおいて、アミド基を有する固定相を用いる(1)又は(2)に記載の方法。
(4)液体クロマトグラフィーにおける移動相が水及び有機溶媒の混合溶液あって、該混合溶液が揮発性塩を含有しpHが2〜8である(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)移動相が、水とアセトニトリルの混合溶液であって、揮発性塩としてのアンモニウム塩を含む(4)に記載の方法。
(6)試料が植物抽出物である(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)植物抽出物が、水及び有機溶媒を含む抽出液を用いて抽出されたものであり、該抽出液が揮発性塩を含有しpHが2〜8である(6)に記載の方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、1−デオキシノジリマイシンとは、下記の式I:
【化3】
Figure 2004294384
で表される化合物を意味する。1−デオキシノジリマイシンは桑科植物に含まれることが知られており、小腸二糖類分解酵素であるスクラーゼやマルターゼの阻害物質であること、血糖値上昇抑制効果があることが報告されている(Y. Yoshikuni : Agric. Biol. Chem., 52, (1), 121 (1988))。
【0010】
本発明の測定方法は、液体クロマトグラフィーによって試料から1−デオキシノジリマイシンを分離することを特徴とする。本発明においては、親水性相互液体クロマトグラフィーを使用するのが好ましい。親水性相互液体クロマトグラフィーとは、担体に結合させた極性導入基と分析物質との間の親水的相互作用により、分析物質を保持及び分離する順相クロマトグラフィーの一種である。一般の順相クロマトグラフィーでは、カロチノイドのような疎水性物質を、担体に極性基を結合させた固定相を用い、ヘキサンなどの非極性溶媒で溶出するのに対し、親水性相互液体クロマトグラフィーは、担体に極性基を結合させた固定相に対し、ODSの逆相クロマトグラフィーで用いるような含水性極性溶媒(例えば、水/メタノールや水/アセトニトリル)を移動相として溶出を行うことを特徴とする。
【0011】
上記クロマトグラフィーで使用する固定相は、担体に極性基を化学結合させたものであれば、特に制限されない。結合させる極性基としては、例えば、アミド基(カルバモイル基)、ポリハイドロキシエチルアスパルトアミド基、α−シクロデキストリン、ポリスルホエチルアスパルトアミド基及び水酸基等が挙げられ、本発明においては、分離能の観点から、アミド基(カルバモイル基)を結合させた担体を固定相として用いるのが好ましい。
【0012】
担体としては、クロマトグラフィーにおいて通常用いられるものを使用でき、例えば、無機系シリカ、アルミナ、有機高分子系樹脂(例えば、親水性ビニルポリマー)等が挙げられる。本発明においては、無機系シリカを使用するのが好ましい。
【0013】
具体的には、本発明のクロマトグラフィーにおける分離カラムとしては、例えば、アミド基をゲル基剤に結合させたTSK gel Amide−80(東ソー社製)、ポリハイドロキシエチルアスパルトアミド(PolyLC社製)等を使用することができ、特に、TSK gel Amide−80(東ソー社製)を使用するのが好ましい。
【0014】
本発明におけるクロマトグラフィーでは、移動相として、1−デオキシノジリマイシンが溶解するような水及び有機溶媒の混合溶液を使用する。有機溶媒としては、水と混和できるものであれば特に制限されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。本発明においては、極性溶媒、例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール等を使用するのが好ましい。特に、移動相として、水とアセトニトリルの混合溶液を使用するのが好ましい。水と有機溶媒の混合比率は、通常、7:3〜1:9、好ましくは、5:5〜1:9である。あるいは、移動相において、有機溶媒と水の濃度勾配、例えば、アセトニトリル/水の9/1〜5/5の濃度勾配を使用することもできる。水としては、検出系に影響を与えないものであれば特に制限されず、冷水、温水のいずれも用いることができる。
【0015】
また、移動相は、イオン強度を調整するための塩を含有するのが好ましい。このような塩としては、揮発性塩であれば特に制限されない。本発明において揮発性塩とは、加熱、減圧又はその両方によって、液体又は固体状態から気体又は蒸気の状態に変わる塩を意味し、例えば、常圧下、50〜150℃で揮発・分解する塩が挙げられる。具体的には、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ギ酸アンモニウム及び酢酸アンモニウム、などのアンモニウム塩等が挙げられる。本発明においては、アンモニウム塩、特に酢酸アンモニウムもしくはギ酸アンモニウムを使用するのが好ましい。移動相における揮発性塩の濃度は、通常、5mM以上が望ましく、ESI−MS、光散乱検出器(ELSD)での検出の際には5〜10mMが望ましい。
【0016】
また、移動相のpHは、通常、2〜8、好ましくは4〜6である。pHは、移動相に酸を添加することにより調整することができ、酸としては、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸などの有機酸及び無機酸を使用することができる。本発明においては、有機酸、特に酢酸を用いるのが好ましい。
【0017】
クロマトグラフィーにおける移動相の流速は、当業者であれば分離能等に合わせて適宜選択することができ、通常、0.1〜3.0ml/分、好ましくは0.5〜1.0ml/分である。分離カラムの温度は、分離の対象となる1−デオキシノジリマイシンの検出に影響を及ぼさない範囲であれば特に制限されず、通常、20〜60℃、好ましくは35〜40℃である。
【0018】
上記のような親水性相互クロマトグラフィーにより、1−デオキシノジリマイシンを十分にカラムに保持させ、また試料中の他の夾雑物質から効果的に分離することが可能である。
【0019】
本発明はまた、試料から上記クロマトグラフィーによって分離した1−デオキシノジリマイシンを光散乱検出器(ELSD)を用いて測定することを特徴とする。本発明で用いられる光散乱検出器は、カラムより溶出する溶離液を圧縮ガスとの混合によりネブライザーにて霧状とし、その霧を加温することにより揮発性化合物を除去し、不揮発性化合物を検出できるものであれば、いずれのものでもよい。具体的な光散乱検出器としては、例えば、Low Angle Laser Light Scattering(LALLS)、Multi Angle Laser Light Scattering (MALLS)、Right Angle Laser Light Scattering (RALLS)、Two Angle Laser Light Scattering (TALLS)等が挙げられる。
【0020】
圧縮ガスとしては、窒素、ヘリウム、空気等の不活性ガスを用いることができる。当該ガスは、通常、1.0〜5.0L/分、特に1.5〜2.0L/分で混合するのが好ましい。噴霧ガス圧は、通常、0.8〜4.0bar、好ましくは0.8〜2.0barである。加温条件(ヒートチューブ温度)は、通常、30〜80℃、好ましくは50〜70℃である。
【0021】
上記のような光散乱検出器を用いることにより、試料から優れた感度と安定性で、1−デオキシノジリマイシンを検出することができる。
【0022】
また、本発明の1−デオキシノジリマイシンの測定方法は、測定誤差をなくすため自動化されていることが好ましい。本発明の方法を実施するための自動化された分析装置の光学的機序の説明については、例えば、Kim & Ornstein, 1983, Cytometry, 3:419−427;Ornstein及びKimの米国特許第4,412,004号明細書;Tycko et al., 1985, Appl. Optics, 24:1355−1365;Tyckoの米国特許第4,735,504号明細書;並びにMohandas et al., 1986,Blood, 68:506−513を参照されたい。
【0023】
試料としては、1−デオキシノジリマイシンを含みうるものであれば特に制限されないが、植物試料が好適である。特に、1−デオキシノジリマイシンは、桑科植物に含有されていることが知られており、このような桑科植物としては、例えば、ヤマグワ(Morus bombycis Koidzumi)、マグワ(Morus alba L.)、シマグワ(Morus australis Poir)、ロソウ(Morus latifolia Poir)、モウコグワ(Morus mongolica Schneid)、アカミグワ(Morus rubra L.)などが挙げられる。
【0024】
本発明の方法は、1−デオキシノジリマイシンを含みうる食品、医薬品、農産物等の製品における1−デオキシノジリマイシンの含有量を測定するためにも、好適に使用できる。
【0025】
1−デオキシノジリマイシンの測定にあたっては、試料となる植物及び食品等の抽出物を使用するのが好ましい。試料となる抽出物の調製方法は特に制限されないが、クロマトグラフィーにおける移動相と同じ成分を有する溶液を抽出液として使用し、抽出を行ったものが好ましい。
【0026】
すなわち、抽出液として水及び有機溶媒の混合溶液を使用するのが好ましい。
有機溶媒としては、水と混和できるものであれば特に制限されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。本発明においては、極性溶媒、例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール等を使用するのが好ましい。特に、抽出液として、水とアセトニトリルの混合溶液を使用するのが好ましい。水と有機溶媒の混合比率は、通常、7:3〜1:9、好ましくは5:5〜1:9である。水としては、抽出及び検出系に影響を与えないものであれば特に制限されず、冷水、温水のいずれも用いることができる。
【0027】
また、抽出液は、揮発性の塩を含有するのが好ましく、このような塩としては、特に制限されないが、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ギ酸アンモニウム及び酢酸アンモニウムなどのアンモニウム塩等が挙げられる。本発明においては、特に酢酸アンモニウム又はギ酸アンモニウムを使用するのが好ましい。抽出液における揮発性塩の濃度は、通常、5mM以上、好ましくは5〜10mMである。クロマトグラフィーにおける移動相に使用するのと同じ塩を用いるのが好ましい。
【0028】
また、抽出液のpHは、通常、2〜8、好ましくは4〜6である。pHは、抽出液に酸を添加することにより調整することができ、酸としては、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸などの有機酸及び無機酸を使用することができる。本発明においては、有機酸、特に酢酸を用いるのが好ましい。pHについても、クロマトグラフィーにおける移動相と同じpHに調整するのが好ましい。水のみ及び有機溶媒のみで抽出を行うこともできる。
【0029】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0030】
【実施例】
試薬及び材料
1−デオキシノジリマイシン標準品、酢酸アンモニウムは和光純薬、アセトニトリル、水、酢酸は関東試薬より購入した。桑葉は福島県農業試験場において栽培された桑樹より、2002年の6月に採取した。また桑1−デオキシノジリマイシン製品は一般に市販されているものを購入した。
【0031】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置及び光散乱検出器
HPLCは、島津製作所製のLC10システム(ポンプ:LC10AD、カラム恒温槽:CTO−10A、オートサンプラー:SIL−10A、データ処理装置:C−R6A)を使用した。分離カラムは、東ソー社製のTSK gel Amide−80(4.6×250mm)を使用した。また検出器は、Sedere社製の光散乱検出器SEDEX55、Applied Biosystems社製のAPI TOF型質量分析計を使用した。
【0032】
HPLC分析条件
カラムは東ソー社製TSK gel Amide−80(4.6×250mm)を使用し、カラム温度を40℃に設定し、移動相はアセトニトリル/水=81/19の溶液(6.5mM酢酸アンモニウムを含む、pH5.5)を使用し、流速1ml/分で、アイソクラティック条件で溶出した。光散乱検出器は、ドリフト管温度を60℃に設定し、窒素噴霧ガス圧を1.0barに設定した。質量分析計は、ポジティブモード、スプレー電圧2900V、ノズル電圧220V、ノズル温度140度、窒素噴霧ガス0.3ml/分に設定し、質量分析計データは、分子量100〜1000の範囲で3秒ごとにスキャンし、データの取り込みを行った。
【0033】
(実施例1)試料の調製及び測定
収穫した桑葉を水で洗浄し、真空凍結乾燥した後、粉末化した。凍結乾燥粉末100mgにアセトニトリル/水=50/50の溶液(6.5mM酢酸アンモニウムを含む、pH5.5)1mlを加え、超音波破砕機で1分間抽出を行い、15000×gで遠心し、上清を45μmポアサイズのPTFEメンブランで濾過した濾過液を測定試料溶液とした。桑葉製品についても、粉末0.1gを同様に処理し、測定試料とした。
【0034】
これらの試料をHPLC―ELSD分析装置及びHPLC−MS分析装置で、それぞれ測定した。
【0035】
図1に桑葉抽出液のHPLC−ELSD分析装置の分離パターンを示す。この分析におけるHPLC溶離液を、質量分析計を用いて、1−デオキシノジリマイシンの分子量(164.09、M+H)にて測定したクロマトグラフを図2に示す。図2において、1−デオキシノジリマイシンのピークは他の夾雑物質ピークと比べ、ベースラインより完全に分離し、その保持時間は図1と2で完全に一致した。このことにより図1で得られたクロマトグラフにおいて矢印で示されたピークは、1−デオキシノジリマイシンのものと確認された。すなわち、本発明の方法により、試料中に微量にしか含まれない1−デオキシノジリマイシンが高感度に検出できることがわかる。
【0036】
また、1−デオキシノジリマイシンのピーク部分に相当する画分のMSスペクトルを図3に示す。これにより、分子量100〜1000までの間に1−デオキシノジリマイシンに相当するピークを得、他の夾雑物質を含まない純粋なものであることが分かった。
【0037】
1−デオキシノジリマイシンの含有量を、桑葉において測定した結果を表1に、桑葉関連製品において測定した結果を表2に示す。測定値のばらつきは、n=3において2%程であり、本発明の方法による測定結果は信頼性及び再現性が高いことが分かった。
【0038】
【表1】
Figure 2004294384
【0039】
【表2】
Figure 2004294384
【0040】
(実施例2)1−デオキシノジリマイシンの検量線の作製
1−デオキシノジリマイシン標準品を試料溶液と同じくアセトニトリル/水=50/50の溶液(6.5mM酢酸アンモニウムを含む、pH5.5)を使用し、0.010、0.032、0.10、0.32、1.0及び3.2mg/mlの濃度に調製し、各10μlをHPLCにインジェクトし、1−デオキシノジリマイシン導入量と光散乱検出器で検出されたピーク面積により、検量線を作成した。
【0041】
1−デオキシノジリマイシンの検量曲線を図4に示す。1−デオキシノジリマイシンは本発明において100〜320000ngの広い範囲において良好な相関を得ることができた。桑葉においては1−デオキシノジリマイシンの含量はおよそ0.1〜0.2%(乾燥重量あたり)であるが、本発明の1−デオキシノジリマイシン測定方法が、桑葉に含まれる1−デオキシノジリマイシンの定量に必要十分な感度を有することが明らかである。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、安定性、再現性及び感度において優れ、かつ分析単価の安価な1−デオキシノジリマイシン測定方法が提供される。そして、本発明の方法により、桑科植物及び桑科植物含有食品等における1−デオキシノジリマイシン含有量の定量が可能になるとともに、1−デオキシノジリマイシン含有植物のスクリーニングを行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた桑抽出液のHPLC−ELSDの分離パターンである。横軸は保持時間(分)、縦軸は相対強度(%)を示す。1−デオキシノジリマイシンに相当するピークを矢印で示す。
【図2】HPLC溶離液を、質量分析計を用いて、1−デオキシノジリマイシンの分子量(164.09、M+H)にて測定したクロマトグラフを図2に示す。横軸は保持時間(分)、縦軸は相対強度(%)で示す。
【図3】図1の分析における1−デオキシノジリマイシンのピーク部分に相当する画分の、100〜1000の分子量範囲におけるMSスペクトルを示す。横軸は分子量(m/z)、縦軸は相対強度(%)で示す。
【図4】1−デオキシノジリマイシンの検量曲線を表す。横軸は1−デオキシノジリマイシン量(ng)、縦軸はピーク面積を示す。

Claims (7)

  1. 式Iで表される1−デオキシノジリマイシンの測定方法であって、試料を液体クロマトグラフィーで分離し、1−デオキシノジリマイシンを光散乱検出器で検出することを特徴とする上記測定方法。
    Figure 2004294384
  2. 液体クロマトグラフィーが、親水性相互液体クロマトグラフィーである請求項1に記載の方法。
  3. 液体クロマトグラフィーにおいて、アミド基を有する固定相を用いる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 液体クロマトグラフィーにおける移動相が水及び有機溶媒の混合溶液であって、該混合溶液が揮発性塩を含有しpHが2〜8である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 移動相が、水とアセトニトリルの混合溶液であって、揮発性塩としてのアンモニウム塩を含む請求項4に記載の方法。
  6. 試料が植物抽出物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 植物抽出物が、水及び有機溶媒を含む抽出液を用いて抽出されたものであり、該抽出液が揮発性塩を含有しpHが2〜8である請求項6に記載の方法。
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