JP2004293564A - 水素貯蔵タンク及びその製造方法 - Google Patents

水素貯蔵タンク及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ライナの開口部の気密性を高めるのが容易となり、しかもMHの充填が容易になる水素貯蔵タンクを提供する。
【解決手段】水素貯蔵タンク11は、アルミニウム合金製のライナ12と、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13とを備え、ライナ12の内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニット15が複数収容されている。ライナ12は円筒状の胴部12aと、その両端に形成されたドーム部12bとを備え、一端側に水素吸蔵用ユニット15を挿入可能な開口部16が形成され、他端側に水素の導入、排出用の水素通路用開口部17が設けられている。開口部16は直径がライナ12の胴部12aの内径の1/2未満に形成されている。水素吸蔵用ユニット15は、各水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の両端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18が連結パイプ20によって直列に接続されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水素貯蔵タンクに係り、詳しくは中空状のライナと、ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットが収容されている水素貯蔵タンク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素エネルギーは太陽熱エネルギーと並んでクリーンエネルギーとして注目されている。水素の貯蔵、輸送の方法として、ある温度、圧力の条件のもとで水素を吸蔵して水素化物になり、必要時に別の温度、圧力の条件のもとで水素を放出する「水素吸蔵合金(以下、MHという)」といわれる金属の利用が着目されている。そして、水素の供給をMHを使用して行う水素エンジンや燃料電池電気自動車、あるいはMHが水素を吸蔵・放出するときの発熱・吸熱を利用するヒートポンプ等の研究が行われている。
【0003】
そして、MHを充填した圧力容器(タンク)では、MHによる水素の吸蔵・放出を円滑に行うため、タンク内に熱交換器が内蔵されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1及び特許文献2には、熱媒体を流す熱媒管に複数のフィンが設けられた構造の熱交換器をステンレス鋼製の容器に内蔵したものが開示されている。
【0004】
水素エンジンや燃料電池電気自動車の燃料の供給源として水素貯蔵タンクを自動車に搭載する場合は、水素貯蔵タンクの軽量化が重要になる。圧力容器の軽量化を図るため、アルミニウム製のライナの外周に樹脂含浸繊維束を巻き付けて熱硬化させた繊維強化樹脂層を設けたものがある。
【0005】
また、図7(a),(b)に示すように、一対のアルミニウム製の鏡板51を対向配置し、その間に外套52を架設し、その外周に複合材53を巻回して鏡板51を連結するとともに、鏡板51と外套52との当接部にゴム製のシール材54を介在させた高圧容器55が提案されている(例えば、特許文献3参照)。外套52は金属製である。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−288419号公報(図1,2)
【特許文献2】
特開2000−249425号公報(図1)
【特許文献3】
実開平2−91264号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び特許文献2にはタンク内に熱交換器が内蔵されている構成は開示されているが、熱交換器をどのようにしてタンク内に収容するのかに関しては記載されていない。特許文献3に記載の高圧容器55は、内部に高圧状態でガスを貯蔵することを目的としており、MHや熱交換器を内蔵することは考慮されていない。
【0008】
ところで、熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットを内蔵した水素貯蔵タンクの軽量化のため、アルミニウム製のライナの外面を繊維強化樹脂層で覆った構造のタンクを製造する場合は、熱交換器の組立体を円筒状のライナにろう付けした後、スピニング加工することによって製造される。しかし、スピニング加工により製造するとライナに熱が加わるので、強度が下がり割れ易くなることから、例えば500度程度でライナを再熱処理する必要がある。しかし、再熱処理を行うと、ろう付け部分が剥がれたり、局所的に配置されたシールの材質がもたない問題が生じる。また、MHを充填した状態でライナの熱処理を行うと、熱処理時にMHが劣化するという問題がある。
【0009】
そこで、熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットを内蔵する場合には、図8に示すように、ライナ56を、水素吸蔵用ユニット57を挿入可能な開口部58を有する本体部56aと、その開口部58を覆う蓋部56bとに分割する。そして、ライナ56を形成した後、水素吸蔵用ユニット57をライナ56内に収容して樹脂含浸繊維束の巻付け、樹脂の熱硬化を行うことが考えられる。
【0010】
しかし、ライナ56を分割式にして、外径がライナ56の内径に近い水素吸蔵用ユニット57を挿入可能な開口部58を設けると、開口部58と蓋部56bとの気密性を確保するのが難しくなる。また、樹脂含浸繊維束の巻付け、樹脂の熱硬化を水素吸蔵用ユニット57にMHが充填された状態で行うと、樹脂の熱硬化時にMHが空気で酸化されるという問題がある。また、ライナ56への樹脂含浸繊維束の巻付け時あるいは樹脂硬化が完了するまでに、揮発した樹脂成分の一部がMHに吸着されてMHが劣化する虞もある。この問題を解消するためには、MHの充填を繊維強化樹脂層が形成された後に行う必要があるが、その場合、充填に手間がかかるという問題がある。
【0011】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的はライナの開口部の気密性を高めるのが容易となり、しかも水素吸蔵物質の充填が容易になる水素貯蔵タンク及び水素貯蔵タンクの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットが収容されている水素貯蔵タンクである。少なくとも前記ライナの一端側に開口部が設けられ、前記ライナの内部に前記開口部を通過可能な形状の前記水素吸蔵用ユニットが複数収容されている。
【0013】
この発明では、水素貯蔵タンクの内部には複数の水素吸蔵用ユニットが収容されているため、複数の水素吸蔵用ユニットの外径が同じ場合、開口部の径をライナの胴部の内径の半分以下にすることが可能となり、ライナの開口部の気密性を高めるのが容易となる。また、ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層が形成された後に水素吸蔵用ユニットを開口部からライナ内に挿入して組み付けることが可能なため、水素吸蔵物質をライナの外で水素吸蔵用ユニットに充填することができ、水素吸蔵物質の充填が容易となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記水素吸蔵用ユニットは、各水素吸蔵用ユニットの熱媒管の両端が水素吸蔵用ユニットの一端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニットの熱媒管が連結パイプによって接続されている。この発明では、タンクに内蔵された各水素吸蔵用ユニットの熱媒管への熱媒の供給及び排出をライナの一端側から容易に行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記水素吸蔵用ユニットは、各水素吸蔵用ユニットの熱媒管の一端が水素吸蔵用ユニットの一端側に、他端が水素吸蔵用ユニットの他端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニットの熱媒管が連結パイプによって接続されている。この発明では、各水素吸蔵用ユニットの熱媒管同士を接続する連結パイプがライナの一端側に集中せずに両側に分散されるため、連結パイプの取付け作業が容易になる。熱媒管を折り返すように屈曲形成する必要がなく、熱交換器の組立体の構造が簡単になる。また、水素吸蔵用ユニットが偶数個設けられた場合は、各水素吸蔵用ユニットに1本の熱媒管を設けることで、各熱媒管への熱媒の供給及び排出をライナの一端側から容易に行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットが複数収容されている水素貯蔵タンクの製造方法である。中空状のライナの外面に樹脂含浸繊維束を巻き付ける樹脂含浸繊維束巻付け工程と、前記ライナの外面に巻き付けられた樹脂含浸繊維束を熱硬化させる樹脂熱硬化工程とを備えている。また、水素吸蔵物質を充填した複数の水素吸蔵用ユニットを、前記樹脂熱硬化工程で形成されたタンク本体内に、該タンク本体の開口部から順次収容して組み付ける水素吸蔵用ユニット組付け工程を備えている。
【0017】
この発明では、樹脂含浸繊維束巻付け工程及び樹脂熱硬化工程の段階では、ライナに水素吸蔵用ユニットが組み付けられていないため、水素吸蔵物質が充填された水素吸蔵用ユニットが回転されたり、加熱されることによる悪影響を受ける虞がない。また、ライナの外部で水素吸蔵物質を充填できるため、水素吸蔵物質の充填が容易となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図3に従って説明する。図1(a)は水素貯蔵タンクの模式断面図、(b)は各水素吸蔵用ユニットと連結パイプの関係を示す一端側から見た模式図、(c)は各水素吸蔵用ユニットの関係を示す他端側から見た模式図である。
【0019】
図1(a)〜(c)に示すように、水素貯蔵タンク11は、細長い中空状のライナ12と、ライナ12の外面の略全域を覆う繊維強化樹脂層13とを備え、ライナ12の内部の収容室14に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニット15が複数収容されている。なお、図1(a)における右側を水素貯蔵タンク11の一端側とし、左側を他端側とする。
【0020】
ライナ12は例えばアルミニウム合金を材質とし、水素貯蔵タンク11の気密性を確保している。ライナ12は円筒状の胴部12aと、その両端に形成されたドーム部12bとを備え、一端側に水素吸蔵用ユニット15を挿入可能な開口部16が形成され、他端側に水素の導入、排出用の水素通路用開口部17が設けられている。開口部16は断面が円形で、その口径が水素吸蔵用ユニット15が通過可能、即ち水素吸蔵用ユニット15を挿入可能な大きさに形成されている。開口部16は直径がライナ12の胴部12aの内径の1/2未満に、この実施の形態ではほぼ1/3に形成されている。水素通路用開口部17はその直径が開口部16の直径より小さく形成されている。
【0021】
繊維強化樹脂層13は、この実施の形態では炭素繊維を強化繊維としたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)で構成され、水素貯蔵タンク11の耐圧性(機械的強度)を確保している。繊維強化樹脂層13は、樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等)が含浸された炭素繊維束を、ヘリカル巻層及びフープ巻層を有するようにライナ12に巻き付け、樹脂を熱硬化することによって形成されている。
【0022】
各水素吸蔵用ユニット15は、水素貯蔵タンク11の軸方向(図1の左右方向)に延びるパイプからなる熱媒管18を備えている。熱媒管18は、その両端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に設けられている。この実施の形態では熱媒管18はU字状に屈曲され、熱媒管18には略円板状のフィン19が軸方向に等間隔に複数固着されている。フィン19の間には水素吸蔵物質としての粉末状のMHがフィン19と接触する状態で収容されている。MHは水素貯蔵タンク11内の水素の充填量を多くする機能があり、大気中に比べて数百〜1000倍の水素充填を可能にする。フィン19の径方向端部には全てのフィン19を覆う状態で、MHの通過を阻止し水素を透過可能なフィルタ(図示せず)が設けられている。
【0023】
この実施の形態では7個の水素吸蔵用ユニット15がライナ12内に収容され、水素吸蔵用ユニット15は6個が同じ径で1個のみ他の水素吸蔵用ユニット15より小さな径に形成されている。6個の水素吸蔵用ユニット15は外径がライナ12の胴部12aの内径の1/3より若干小さく形成されている。他の1個は、5個の水素吸蔵用ユニット15が胴部12aの内面及び相互に接する状態に配置された状態で、その両端に位置する水素吸蔵用ユニット15の間を通過可能な外径に形成されている。外径が大きな水素吸蔵用ユニット15の外径をDとすると、小さな外径の水素吸蔵用ユニット15の外径はD(√3−1)に形成されている。
【0024】
図1(b),(c)に示すように、外径が大きな6個の水素吸蔵用ユニット15のうちの1個がライナ12の中央に配置され、残りの5個は胴部12aの内面が、隣り合う他の水素吸蔵用ユニット15の外面に当接する状態で配設されている。外径の小さな水素吸蔵用ユニット15は、中央に配置された水素吸蔵用ユニット15と当接する状態で配設されている。
【0025】
全ての水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18は、連結パイプ20によって直列に接続されている。各熱媒管18と連結パイプ20とはワンタッチ継手21(図2(a)〜(c)に図示)を介して接続され、熱媒管18の端部にはワンタッチ継手21の雄側継手部21aが固着され、連結パイプ20の端部にはワンタッチ継手21の雌側継手部21bが固着されている。図2(a)〜(c)に示すように、各雄側継手部21a及び雌側継手部21bにはワンタッチ継手21の雄側継手部21a及び雌側継手部21bか連結された状態において、管内を外部と連通可能な位置に配置される弁体22が装備されている。
【0026】
図1(a)に示すように、開口部16には栓23が螺合されている。栓23には図示しない熱媒供給部から供給される熱媒としての水(冷水又は加熱水)が流れるパイプ24a,24bと、前記水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の一部とが接続される通路23a,23bが形成されている。この実施の形態では通路23aが上流側、通路23bが下流側となっている。従って、パイプ24aから加熱水が供給されると水素吸蔵用ユニット15を構成するMHが加熱され、パイプ24aから冷水が供給されるとMHが冷却される。栓23とライナ12の端面との間にはシールリング(図示せず)が介装されている。
【0027】
図1(a),(b)に示すように、ライナ12の中央に配置された水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18は、出口側が入口側より長く形成され、その出口側、即ち長い方向の端部18aが通路23bに嵌合されている。また、外径の小さな水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18は、入口側が出口側より長く形成されるとともに屈曲形成され、その入口側、即ち長い方向の端部18aが通路23aに接続されている。パイプ24a,24bと通路23a,23bとの間、熱媒管18と通路23a,23bとの間にはそれぞれシールリング25が介装されている。
【0028】
水素通路用開口部17にはバルブ26が螺合されている。バルブ26はレギュレータを内蔵するとともに、水素貯蔵タンク11の使用状態が水素放出状態と水素充填状態とに切換可能となっている。水素放出状態とは、水素貯蔵タンク11内の水素がバルブ26を介して外部へ放出可能、かつ外部から水素貯蔵タンク11内への水素の供給が不能な状態を意味する。また、水素充填状態とは、水素貯蔵タンク11内の水素をバルブ26を介して外部へ放出不能、かつ外部から水素貯蔵タンク11内への水素の供給が可能な状態を意味する。バルブ26とライナ12の端面との間にはシールリング(図示せず)が介装されている。
【0029】
次に前記のように構成された水素貯蔵タンク11の製造方法を説明する。図3は製造手順を示すフローチャートである。
水素貯蔵タンク11を製造する際は、ステップS1のライナ加工工程で先ずライナ12の絞り加工が行われ、次にステップS2のライナ熱処理工程でライナ12の熱処理が行われる。ライナ12の材料にはアルミニウム合金が使用される。次にステップS3の樹脂含浸繊維束巻付け工程としてのCF巻付け工程で、ライナ12がフィラメントワインディング装置にセットされ、樹脂含浸繊維束(樹脂含浸炭素繊維束)の巻き付けが行われる。ライナ12の外面に樹脂含浸繊維束をヘリカル巻層及びフープ巻層が所定層数形成されるまで巻き付けられる。フープ巻層は主にライナ12の胴部12aに形成される。次に、樹脂含浸繊維束が巻き付けられたライナ12がフィラメントワインディング装置から取り外され、ステップS4の樹脂熱硬化工程で加熱炉に入れられて、樹脂が加熱硬化される。次にバリ等の除去が行われる。以上により、タンク本体の形成が終了する。
【0030】
次にステップS5の水素吸蔵ユニット組付け工程で、複数の水素吸蔵用ユニット15が開口部16からライナ12の内部に順次収容されて組み付けられる。水素吸蔵用ユニット15として、ライナ12の外部で予めMHが充填された状態のものがライナ12に順次収容される。水素吸蔵用ユニット15を組み付ける際は、外径の大きな水素吸蔵用ユニット15のうち、熱媒管18の一端が長く、中央に配置される水素吸蔵用ユニット15以外の5個の水素吸蔵用ユニット15が順次、開口部16からライナ12内に挿入される。そして、隣接して配置される水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の端部同士が連結パイプ20により接続される。熱媒管18と連結パイプ20とは図2(a)〜(c)に示すようにワンタッチ継手21を介して接続され、図2(c)に示すように、雄側継手部21a及び雌側継手部21bの接合が完了した状態で、熱媒がワンタッチ継手21を通過可能となる。
【0031】
次に外径の小さな水素吸蔵用ユニット15がライナ12内に挿入され、該水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18は連結パイプ20と接続されずに、最後の水素吸蔵用ユニット15の挿入に支障とならない位置に配置される。その状態で、最後の水素吸蔵用ユニット15がライナ12内に挿入された後、外径の小さな水素吸蔵用ユニット15は熱媒管18の長い方の端部18aが開口部16と対応する位置に配置される。そして、熱媒管18の短い方の端部が隣接する水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の端部と連結パイプ20を介して接続される。また、最後にライナ12に収容された水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の短い方の端部が、隣接する水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の端部に連結パイプ20を介して接続される。
【0032】
次に、栓23が開口部16の内面に形成されている雌ねじ部16aに螺入される。通路23a,23bが2個の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の長い方の端部18aと係合する位置まで栓23が螺入された状態で、栓23及び水素吸蔵用ユニット15を回転不能に支持する。なお、水素吸蔵用ユニット15は水素通路用開口部17からライナ12内に挿入された治具を介して回転不能に支持する。そして、その状態でライナ12側を水素吸蔵用ユニット15及び栓23に対して回転させ、栓23をさらに開口部16内に螺入させる。栓23が所定位置まで螺入されることにより、2本の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の長い方の端部18aが通路23a,23bに嵌合され、水素吸蔵用ユニット15のライナ12への組付けが完了する。最後に水素通路用開口部17の雌ねじ部17aにバルブ26が螺合されて水素貯蔵タンク11の製造が完了する。
【0033】
次に、前記のように構成された水素貯蔵タンク11の作用を、燃料電池搭載電気自動車に使用する場合を例に説明する。
水素貯蔵タンク11は通路23a,23bに熱媒供給部から供給される熱媒としての水(冷水又は加熱水)が流れるパイプ24a,24bが接続され、バルブ26が燃料電池に繋がるパイプ(図示せず)に接続された状態で使用される。収容室14には高圧状態で水素が充填されている。収容室14を高圧にするのは、水素吸蔵用ユニット15が占める以外の部分における水素の充填量を多くするためであり、例えば収容室14内の圧力を25MPaとした場合には、収容室14内が大気圧の場合と比較して約250倍の水素が充填可能となる。
【0034】
バルブ26が水素放出状態に保持された状態において燃料極で水素ガスが使用されると、バルブ26を介して水素貯蔵タンク11から水素ガスが放出されて燃料極に供給される。水素貯蔵タンク11内から水素ガスが放出されると、MHの水素吸蔵・放出反応が放出側へ移動してMHから水素ガスが放出される。水素の放出は吸熱反応であるので、水素の放出に必要な熱が熱媒により供給されないと、MHは自身の顕熱を消費して水素を放出するためその温度が低下する。MHの温度が低下すると水素放出の反応速度が低下する。しかし、水素放出時には通路23a、熱媒管18、連結パイプ20及び通路23bを加熱水が流れ、この加熱水によって熱媒管18及びフィン19を介してMHの温度降下が抑制され、水素放出の反応が円滑に進行する。MHから放出された水素はバルブ26を経て水素貯蔵タンク11の外部へ放出され、燃料極へと供給される。
【0035】
水素が放出された水素貯蔵タンク11に再び水素ガスを充填、即ちMHに水素ガスを吸蔵させる場合は、バルブ26を水素充填状態に切り換えてバルブ26から水素貯蔵タンク11に水素ガスを供給する。水素貯蔵タンク11内に供給された水素ガスは、MHと反応して水素化物となってMHに吸蔵される。水素の吸蔵反応は発熱反応であるので、水素の吸蔵反応で発生した熱を除去しないと吸蔵反応が円滑に進行しない。しかし、水素ガスを充填する際は、通路23a、熱媒管18、連結パイプ20及び通路23bを冷水が流れ、この冷水によって熱媒管18及びフィン19を介してMHの温度上昇が抑制され、水素ガスの吸蔵が効率よく行われる。
【0036】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 外面を繊維強化樹脂層13で覆われたライナ12の内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニット15が収容された水素貯蔵タンク11において、少なくともライナ12の一端側に開口部16が設けられ、ライナ12の内部に開口部16を通過可能な形状の水素吸蔵用ユニット15が複数収容されている。従って、複数の水素吸蔵用ユニット15の外径を同じにした場合、開口部16の径をライナ12の内径の1/2未満にすることが可能となり、開口部16の気密性を高めるのが容易となる。また、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13が形成された後に、水素吸蔵用ユニット15を開口部16からライナ12内に挿入して組み付けることが可能なため、水素吸蔵物質(MH)をライナ12の外で水素吸蔵用ユニット15に充填することができ、水素吸蔵物質の充填が容易となる。
【0037】
(2) 開口部16は直径がライナ12の胴部12aの内径のほぼ1/3のため、開口部16の気密性を高めるのがより容易となる。
(3) 各水素吸蔵用ユニット15は、熱媒管18の両端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18が連結パイプ20によって直列に接続されている。従って、水素貯蔵タンク11に内蔵された各水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18への熱媒の供給及び排出をライナ12の一端側から容易に行うことができる。
【0038】
(4)各水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18はU字状に屈曲されているため、熱媒管18を直線状として入口から導入された熱媒が各水素吸蔵用ユニット15を1方向に流れる構成とした場合に比較して、熱交換効率を高めることができ、しかも屈曲回数を複数とする場合に比較して構造が簡単となる。
【0039】
(5) 連結パイプ20と熱媒管18とはワンタッチ継手21で接続されている。従って、ライナ12の内部に水素吸蔵用ユニット15が収容された状態において、隣接する水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18を連結パイプ20で接続するのが容易となる。
【0040】
(6) 外径の小さな水素吸蔵用ユニット15を除き、中央に配置された水素吸蔵用ユニット15の周囲に配置された水素吸蔵用ユニット15はライナ12の内面と、隣接する水素吸蔵用ユニット15とに当接する状態に配置されている。従って、水素貯蔵タンク11が振動しても収容室14内で水素吸蔵用ユニット15がライナ12に対して振動し難くなる。
【0041】
(7) ライナ12の他端側に水素の導入、排出用の通路としての水素通路用開口部17が設けられているため、熱媒の供給及び排出と、水素の導入及び排出を同じ側から行う構成に比較して、構造が簡単になる。
【0042】
(8) バルブ26はレギュレータや水素の導入、排出の切換部を内蔵しているため、水素貯蔵タンク11の外部にレギュレータ等を配設する必要がなく、設置スペースの確保が容易となる。
【0043】
(9) 水素吸蔵用ユニット15を7個設けるとともに、1個の水素吸蔵用ユニット15を他の6個の水素吸蔵用ユニット15より外径を小さく形成した。従って、開口部16をライナ12の軸心に一致させて、開口部16の径を大きくせずに7個の水素吸蔵用ユニット15をライナ12内に効率良く収容することができる。
【0044】
(10) 栓23の通路23a,23bに挿入される熱媒管18を備え、開口部16と対向しない位置に配置される水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の一方の端部18aが屈曲されているため、直線状の場合と比較して栓23への組み付けが容易になる。
【0045】
(11) ライナ12内に複数の水素吸蔵用ユニット15が収容されているがライナ12内には空間が存在し、水素充填時の水素貯蔵タンク11内の圧力を調整することにより、空間部分に貯蔵される水素の量を調整できる。従って、MHがライナ12に隙間無く充填された構成に比較して、水素貯蔵タンク11全体の重量当たりの水素貯蔵量を多くすることができる。
【0046】
(第2実施の形態)
次に第2の実施の形態を図4に従って説明する。この実施の形態では、7個の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の構造が前記第1の実施の形態と大きく異なっている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。図4(a)は水素貯蔵タンクの模式断面図、(b)は各水素吸蔵用ユニットと連結パイプの関係を示す一端側から見た模式図、(c)は各水素吸蔵用ユニットの関係を示す他端側から見た模式図である。
【0047】
各水素吸蔵用ユニット15に設けられた熱媒管18は直線状に形成され、それぞれ熱媒管18の一端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に、他端が水素吸蔵用ユニット15の他端側に設けられている。中央に配置された水素吸蔵用ユニット15には2本の熱媒管18が設けられ、それ以外の各水素吸蔵用ユニット15には1本の熱媒管18が設けられている。そして、全ての水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18が連結パイプ20によって直列に接続されている。中央に配置された水素吸蔵用ユニット15の2本の熱媒管18の一端側が栓23の通路23a,23bに接続されている。
【0048】
水素貯蔵タンク11を製造する場合は、前記第1の実施の形態と同様に樹脂熱硬化工程が終了したタンク本体に、水素吸蔵用ユニット組付け工程で水素吸蔵用ユニット15の組付けが行われる。水素吸蔵用ユニット15を組み付ける際は、第1の実施の形態と同様に5個の水素吸蔵用ユニット15が順次、ライナ12内に挿入されるとともに、連結パイプ20によって熱媒管18が接続される。そして、外径の小さな水素吸蔵用ユニット15がライナ12内に収容された後、2本の熱媒管18を備えた水素吸蔵用ユニット15がライナ12の中央に収容され、熱媒管18の他端側が連結パイプ20を介して他の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の他端側と接続される。その後、栓23が第1の実施の形態と同様にして開口部16の雌ねじ部16aに螺合され、中央の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18の端部18aが通路23a,23bに接続される。最後にバルブ26が水素通路用開口部17の雌ねじ部17aに螺合されて水素貯蔵タンク11の製造が完了する。
【0049】
この実施の形態の水素貯蔵タンク11も第1の実施の形態の水素貯蔵タンク11と基本的に同じに作用する。この実施の形態では第1の実施の形態の(1),(2),(5)〜(9),(11)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
【0050】
(12) 熱媒管18が直線状に形成されているため、U字状に屈曲された第1の実施の形態の熱媒管18に比較して構造が簡単になる。また、通路23a,23bと接続される熱媒管18の端部18aがともに直線状で屈曲されていないため、第1の実施の形態より熱交換器の構造が簡単になる。
【0051】
(13) 各水素吸蔵用ユニット15は、熱媒管18の一端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に、他端が水素吸蔵用ユニット15の他端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18が連結パイプ20によって直列に接続されている。従って、各水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18同士を接続する連結パイプ20がライナ12の一端側に集中せずに両側に分散されるため、連結パイプ20の取付け作業が容易になる。
【0052】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 7個の水素吸蔵用ユニット15をライナ12に収容する構成において、図5に示すように、ライナ12の中心軸と同軸上に配置される水素吸蔵用ユニット15を他の6個の水素吸蔵用ユニット15より外径を大きく形成してもよい。6個の水素吸蔵用ユニット15は、5個の水素吸蔵用ユニット15が胴部12aの内面及び相互に接する状態に配置された状態で、残りの1個が図5に鎖線で示すように、5個の水素吸蔵用ユニット15の両端に位置する水素吸蔵用ユニット15の間を通過可能となる外径に形成されている。この構成においても開口部をライナ12の中心軸上に設けて、7個の水素吸蔵用ユニット15を整然と水素貯蔵タンク11内に収容できる。開口部16の径はライナ12の胴部12aの内径の1/3より大きくなるが、前記実施の形態に比較してその増加の割合は1割以下となる。
【0053】
○ 水素貯蔵タンク11に内蔵される水素吸蔵用ユニット15の数は7個に限らず複数個であればよい。例えば、図6(a),(b)に示すように、水素吸蔵用ユニット15の数を5個又は6個にしてもよい。また、水素吸蔵用ユニット15の数を8個以上にしてもよい。これらの場合も、開口部16をライナ12の中心軸上に設けることができる。また、図6(c),(d),(e)に示すように、水素吸蔵用ユニット15の数を2〜4個としてもよい。これらの場合、開口部16の位置をライナ12の中心軸上に設けることはできないが、開口部16を偏心位置に配置することにより、開口部16の口径をライナ12の胴部12aの内径の1/2未満にすることが可能となる。
【0054】
○ 水素吸蔵用ユニット15の数が7個以外の場合でも、異なる外径の水素吸蔵用ユニット15をライナ12内に収容した構成としてもよい。しかし、外径が同じ水素吸蔵用ユニット15を収容可能な場合は、同じ外径の水素吸蔵用ユニット15を収容する構成の方が部品の種類を少なくでき、製造コストを低減できる。
【0055】
○ 熱媒の供給と排出の方向を逆、即ち通路23aを出口とし、通路23bを入口としてもよい。
○ ライナ12中心軸と同軸上に配置される水素吸蔵用ユニット15以外の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18を屈曲させて、端部18aを通路23a,23bの一方に直接接続する代わりに、屈曲させずに連結パイプ20を介して接続する構成としてもよい。
【0056】
○ 水素ガスの導入、排出用の通路を、熱媒管18が固定される一端側に設けてもよい。例えば、栓23に熱媒用の通路23a,23bに加えて、水素の導入及び排出を行うための孔を形成するとともに、その孔にパイプを嵌合する。そして、パイプをレギュレータや切換えバルブを介して燃料電池等と接続する。この場合、ライナ12の他端側に水素ガスの通路を設ける必要がなく、気密性の確保がより容易になる。
【0057】
○ 熱媒の水素貯蔵タンク11への導入及び排出が異なる側となる構成としてもよい。例えば、第2の実施の形態において、全ての水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18を1本とし、水素通路用開口部17にはバルブ26に代えて、水素ガスの導入、排出用の通路と、熱媒用の通路とを備えた栓を螺合させる。そして、水素ガスの導入、排出用の通路には水素ガス用のパイプを嵌合し、熱媒用の通路には直列に接続された熱媒管18の出口側となる他端側の端部を嵌合する。この場合、水素吸蔵用ユニット15の個数が奇数個の場合に、全ての水素吸蔵用ユニット15に装備される熱媒管18の本数を1本としても、容易に熱媒の排出供給を行うことができる。
【0058】
○ 熱媒管18の両端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に設けられた構成において、熱媒管18はU字状ではなく複数回屈曲された形状でもよい。また、熱媒管18の一端が水素吸蔵用ユニット15の一端側に、他端が水素吸蔵用ユニット15の他端側に設けられた構成において、熱媒管18が直線状ではなく螺旋状やジグザグ状に屈曲した形状としてもよい。
【0059】
○ 複数の水素吸蔵用ユニット15の熱媒管18を連結パイプ20で直列に接続する構成に限らない。例えば、全ての熱媒管18を熱媒の導入部及び排出部に並列に接続したり、一部の熱媒管18を直列に接続して、直列に接続された熱媒管18と、他の熱媒管18とを熱媒の導入部及び排出部に並列に接続する。導入部及び排出部は、外部の配管に接続される。
【0060】
○ 水素吸蔵用ユニット15が胴部12aの内面及び他の水素吸蔵用ユニット15の外面に対して3箇所以上で当接していない場合、当該水素吸蔵用ユニット15と当接する支持部材を配設してもよい。
【0061】
○ ライナ12の中心軸と同軸上に配置される水素吸蔵用ユニット15の周りに配置される水素吸蔵用ユニット15は、ライナ12の胴部12aと、その長手方向全体において当接する構成に限らない。例えば、胴部12aの内面に凸部を設け、凸部と当接する構成としたり、胴部12a内面と水素吸蔵用ユニット15外面との間に緩衝材を介在させてもよい。
【0062】
○ 水素吸蔵用ユニット15の形状はほぼ円柱状に限らず、例えば、断面多角形状であってもよい。熱媒管18に固着されるフィン19の形状を、四角形にすれば四角柱状となり、六角形とすれば六角柱状となる。
【0063】
○ MH粉末だけで成形、又は良熱伝導材と混合して成形した水素吸蔵合金成形体をフィン19の間に収容してもよい。水素吸蔵合金成形体は熱媒管18を挟むように配置され、フィン19の形状に対応して、半円形状等に形成される。この場合、MH粉末を充填するより水素吸蔵用ユニット15の組立が簡単になる。
【0064】
○ 熱媒管18にフィン19を備えずに、単に熱媒を流す構成とし、フィルタで囲まれた収容空間に、MH粉末を充填したり、水素吸蔵合金成形体を収容する構成としてもよい。
【0065】
○ 繊維強化樹脂の強化繊維は炭素繊維に限らず、ガラス繊維や炭化ケイ素系セラミック繊維やアラミド繊維等の一般に高弾性・高強度といわれるその他の繊維を強化繊維として使用してもよい。
【0066】
○ ライナ12の材質はアルミニウム合金に限らず、気密性を確保可能でアルミニウムと同程度の比重の金属や、金属に限らずポリアミド、高密度ポリエチレン等の合成樹脂であってもよい。
【0067】
○ 水素貯蔵タンク11は燃料電池搭載電気自動車の水素源として搭載されて使用するものに限らず、例えば、水素エンジンの水素源やヒートポンプ等に適用してもよい。また、家庭用電源の燃料電池の水素源として使用してもよい。
【0068】
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項3に記載の発明において、前記水素吸蔵用ユニットは奇数個設けられ、1個の水素吸蔵用ユニットは2本の熱媒管を備え、各熱媒管は他の水素吸蔵用ユニットの熱媒管に連結パイプによって直列に接続されている。
【0069】
(2) 請求項2、請求項3及び前記技術的思想(1)に記載の発明において、前記連結パイプと熱媒管とはワンタッチ継手で連結されている。
(3) 請求項1、請求項2及び前記技術的思想(1)に記載の発明において、前記ライナの他端側には水素の導入、排出用の水素通路用開口部が設けられている。
【0070】
(4) 請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発明において、前記開口部は直径がライナの胴部の内径の1/2未満である。
【0071】
(5) 請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)〜(4)のいずれか一項に記載の発明において、前記ライナの中央部に配置された水素吸蔵用ユニットの周囲に他の水素吸蔵用ユニットが配置され、中央部に配置された水素吸蔵用ユニットの外径が他の水素吸蔵用ユニットの外径より大きく形成されている。
【0072】
(6) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)〜(5)のいずれか一項に記載の発明において、前記ライナの中心軸上に配置された以外の水素吸蔵用ユニットは、ライナの中心軸上に配置された水素吸蔵用ユニット15と、ライナの内面とに当接する状態で収容されている。
【0073】
(7) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)〜(6)のいずれか一項に記載の水素貯蔵タンクを備えたヒートポンプ。
【0074】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、ライナの開口部の気密性を高めるのが容易となり、しかもMHの充填が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の水素貯蔵タンクを示し、(a)は模式断面図、(b)は水素吸蔵用ユニットと連結パイプの関係を示す一端側から見た模式図、(c)は水素吸蔵用ユニットの関係を示す他端側から見た模式図。
【図2】(a)〜(c)はワンタッチ継手の作用を説明する模式断面図。
【図3】水素貯蔵タンクの製造手順を示すフローチャート。
【図4】第2の実施の形態の水素貯蔵タンクを示し、(a)は模式断面図、(b)は水素吸蔵用ユニットと連結パイプの関係を示す一端側から見た模式図、(c)は水素吸蔵用ユニットの関係を示す他端側から見た模式図。
【図5】別の実施の形態の水素吸蔵用ユニットの配置を示す模式図。
【図6】(a)〜(e)は別の実施の形態の水素吸蔵用ユニットの配置を示す模式図。
【図7】(a)は従来の圧力容器の模式断面図、(b)は(a)の部分拡大図。
【図8】ライナを分割式にした水素貯蔵タンクの模式断面図。
【符号の説明】
11…水素貯蔵タンク、12…ライナ、13…繊維強化樹脂層、15…水素吸蔵用ユニット、16…開口部、18…熱媒管、20…連結パイプ。

Claims (4)

  1. 中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットが収容されている水素貯蔵タンクであって、
    少なくとも前記ライナの一端側に開口部が設けられ、前記ライナの内部に前記開口部を通過可能な形状の前記水素吸蔵用ユニットが複数収容されている水素貯蔵タンク。
  2. 前記水素吸蔵用ユニットは、各水素吸蔵用ユニットの熱媒管の両端が水素吸蔵用ユニットの一端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニットの熱媒管が連結パイプによって接続されている請求項1に記載の水素貯蔵タンク。
  3. 前記水素吸蔵用ユニットは、各水素吸蔵用ユニットの熱媒管の一端が水素吸蔵用ユニットの一端側に、他端が水素吸蔵用ユニットの他端側に設けられ、全ての水素吸蔵用ユニットの熱媒管が連結パイプによって接続されている請求項1に記載の水素貯蔵タンク。
  4. 中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に熱交換機能を有する水素吸蔵用ユニットが複数収容されている水素貯蔵タンクの製造方法であって、
    中空状のライナの外面に樹脂含浸繊維束を巻き付ける樹脂含浸繊維束巻付け工程と、
    前記ライナの外面に巻き付けられた樹脂含浸繊維束を熱硬化させる樹脂熱硬化工程と、
    水素吸蔵物質を充填した複数の水素吸蔵用ユニットを、前記樹脂熱硬化工程で形成されたタンク本体内に、該タンク本体の開口部から順次収容して組み付ける水素吸蔵用ユニット組付け工程と
    を備えた水素貯蔵タンクの製造方法。
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