JP2004293321A - 水位センサレスポンプの渇水運転防止方法および装置 - Google Patents

Abstract

【課題】外部の変動要因に影響されることなく有効に機能する、水位センサレスポンプの渇水運転防止方法および装置の提供。
【解決手段】コンデンサ４を用いた単相誘導モータ１におけるモータ端子電圧検出回路５とコンデンサ端子電圧検出回路６を、コントロールボックス１に接続し、該コントロールボックス７からの電気出力信号により開閉される主回路開閉器８をモータ主回路に付設した。そして無負荷運転状態でのモータ端子電圧との比率から求められるモータ固有の定数を定め、運転中におけるモータ端子電圧とコンデンサ端子電圧を検出してこれ前記モータ固有の定数と比較し、予め任意に設定された条件値に達したことにより渇水状態と判定しモータ電源を遮断する。
【選択図】 図２

Description

【０００１】
【発明の技術分野】
本発明は、水位センサレスポンプの渇水運転防止方法および装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
電極やフロート等の水位センサを用いない水位センサレスポンプの運転制御については従来は、モータに供給される電圧と電流の位相差を検出する位相差検出手段と、その検出値が所定のしきい値に達したときに水中ポンプを停止させるポンプ制御手段を設けている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００２−１２２０９３号公報 （要約）
【０００４】
【発明が解決しょうとする課題】
しかし特許文献１のように電流や力率を検出して無負荷の判別を行う方式のポンプでは、例えば供給される電源電圧が高ければ検出される力率が低下するため、あたかも負荷が軽減されたと誤判別されてしまう。即ち該供給電源の電圧変動や温度変化等外部の変動要因により影響されて上記検出値が運転状態を判別するための判別真正値と相違するため、水位制御精度が悪くて有効な渇水運転防止を期待することができない。
【０００５】
本発明の目的は、外部の変動要因に影響されることなく有効に機能する、水位センサレスポンプの渇水運転防止方法および装置を提供することにある。
【０００６】
【問題を解決するための手段】
本発明に係る水位センサレスポンプの渇水運転防止方法では、コンデンサを用いた単相誘導モータの巻線に起因するモータ特性を利用し、無負荷運転状態でのモータ端子電圧とコンデンサ端子電圧との比率から求められるモータ固有の定数を定め、運転中におけるモータ端子電圧およびコンデンサ端子電圧を検出してこれ前記モータ固有の定数と比較し、予め任意に設定された条件値に達したことにより渇水状態と判定しモータ電源を遮断する。また、本発明に係る水位センサレスポンプの渇水運転防止装置では、コンデンサを用いた単相誘導モータにおけるモータ端子電圧検出回路およびコンデンサ端子電圧検出回路を、コントロールボックスの入力側にそれぞれ接続し、該コントロールボックスからの電気出力信号により開閉される主回路開閉器をモータ主回路に付設するが、該コントロールボックスからの電気出力信号により開閉される主回路開閉器が半導体素子を主体とする無接点方式のもを採用することもある。
【０００７】
【発明の実施の態様】
以下の図１ないし図５の実施例により説明をする。
【０００８】
１はポンプ駆動用のモータ、２は主巻線、３は補助巻線、４は運転用のコンデンサ、５はモータ端子電圧検出回路、６はコンデンサ端子電圧検出回路、７はコントロールボックスであり、その入力側はモータ端子電圧検出回路５およびコンデンサ端子電圧検出回路６にそれぞれ接続されている。８はコントロールボックス７からの電気出力信号により開閉される主回路開閉器であり、図１にしめされているよう可動部を有する有接点方式のものでよいが、図２に示されるよう半導体素子の例えばトライアックを主体とする無接点方式のものとすることが望ましい。
【０００９】
本発明ではポンプ渇水運転状態がほぼ無負荷状態に近似するとして、コンデンサ４を用いた単相誘導モータの巻線に起因するモータ特性を利用し、無負荷運転状態でのモータ端子電圧とコンデンサ端子電圧との比率から求められるモータ固有の定数を定めるが、それについては例えば下記の数式１が用いられる。
【００１０】
【数１】

【００１１】
次に上記モータ特性を基に運転中におけるモータ１内のモータ端子電圧およびコンデンサ端子電圧を検出・比較・判定をコントロールボックス７で行わせるが、それにつれては例えば下記の数式２により所定の条件値が設定される。
【００１２】
【数２】

【００１３】
そして予め任意に設定された所定の条件値に達したときに、渇水状態と判定して主回路開閉器８によりモータ電源を遮断するのであるが、主回路開閉器８を図２に示すよう、半導体素子を主体とする無接点方式のものとしておけば、接点荒れ等を生じることがなく、図１に示された有接点方式のものよりも有利となる。また、図３および図４に示された電圧変化率（△Ｖｃ／Ｖ１）は、負荷変動１０％に対して３％程度であるため、本実施例では概ね電圧変化率を５％レスの想定任意数値として約０．９５としている。そして本発明方法および装置によるポンプ運転制御の流れは図５のようになる。
【００１４】
【発明の効果】
本発明によれば、外部の変動要因に影響されることなく有効に機能する、水位センサレスポンプの渇水運転防止方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明装置の回路図であって、主回路開閉器として可動部を有する有接点式のものを用いた事例を示す。
【図２】本発明装置の回路図であって、主回路開閉器として半導体素子を主体とした無接点式のものを用いた事例を示す。
【図３】本発明におけるモータ巻線に起因する、すべりとコンデンサ端子電圧の関係を示すモータ特性図である。
【図４】本発明における入力電源の電圧変動状態での、すべりとコンデンサ端子電圧の関係を示すモータ特性図である。
【図５】本発明によるポンプ運転制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ ポンプ駆動用のモータ
２ 主巻線
３ 補助巻線
４ 運転用のコンデンサ
５ モータ端子電圧検出回路
６ コンデンサ端子電圧検出回路
７ コントロールボックス
８ 主回路開閉器

Claims (3)

1. コンデンサを用いた単相誘導モータの巻線に起因するモータ特性を利用し、無負荷運転状態でのモータ端子電圧とコンデンサ端子電圧との比率から求められるモータ固有の定数を定め、運転中におけるモータ端子電圧およびコンデンサ端子電圧を検出してこれ前記モータ固有の定数と比較し、予め任意に設定された条件値に達したことにより渇水状態と判定しモータ電源を遮断することを特徴とする水位センサレスポンプの渇水運転防止方法。
2. コンデンサを用いた単相誘導モータにおけるモータ端子電圧検出回路およびコンデンサ端子電圧検出回路を、コントロールボックスの入力側にそれぞれ接続し、該コントロールボックスからの電気出力信号により開閉される主回路開閉器をモータ主回路に付設したことを特徴とする、水位センサレスポンプの渇水運転防止装置。
3. コントロールボックスからの電気出力信号により開閉される主回路開閉器が半導体素子を主体とする無接点方式のものであることを特徴とする、請求項２記載の水位センサレスポンプの渇水運転防止装置。

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