JP2004292856A - 高炉炉底側壁部の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高炉の炉底側壁面の鉄皮温度が局所的に上昇した際に、この温度上昇した領域を安い設備費用で効率良く冷却することが可能な冷却装置を提供する。
【解決手段】上記課題は、1つの側面が開口したジャケット型の冷却体1と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮17の表面とを固着する接合手段10、11と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙4内へ冷却水を供給する給水管5と、前記間隙内から冷却水を排出する排水管6と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置される、高炉炉底側壁部の冷却装置冷却装置により解決される。
【選択図】 図1
【解決手段】上記課題は、1つの側面が開口したジャケット型の冷却体1と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮17の表面とを固着する接合手段10、11と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙4内へ冷却水を供給する給水管5と、前記間隙内から冷却水を排出する排水管6と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置される、高炉炉底側壁部の冷却装置冷却装置により解決される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉底側壁部の鉄皮を局所的に強冷却することが可能な、高炉炉底側壁部の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鉄工程において鉄鉱石を還元する高炉は、その本体の外殻が鉄皮で形成され、鉄皮の内側は耐火物で構成されている。この耐火物は炉内に装入された原料との摩擦、炉内の温度変動、或いは炉内ガスとの反応によって損傷し消耗していく。特に、高炉の炉底部は、高温の溶銑及び溶融スラグを貯留するので耐火物の損傷が激しく、高炉の寿命を長期化させるためには、炉底部耐火物の熱による損傷を抑制する必要がある。
【0003】
この炉底部耐火物の熱による損傷を防止するために、高炉炉底の下部には、冷却管を配置して耐火物を冷却すると共に、炉底部側壁面の鉄皮には、散水ノズルやクーリングステーブを配置して冷却している。ここで、クーリングステーブとは、高炉の鉄皮の内側に、内部に冷却流路を有する鉄製鋳物若しくは銅製鋳物を鉄皮と固定して配置し、その内部に冷却水を通水して耐火物を間接的に冷却する装置である。近年の高炉寿命は10年以上であり、なかには20年以上の寿命を目的とする高炉も存在し、このような長寿命化を達成するための1つの対策として、高炉炉底部の冷却能を強化する手段が多数提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、金属を含浸させた金属含浸耐火物を鉄皮の内部に施工し、鉄皮の外側にはジャケットを設置し、ジャケット内に冷却水を流して鉄皮を冷却する構造の炉壁が提案されており、特許文献2には、炉底面と炉底側壁面とが独立した冷却水系統で冷却される高炉において、炉底面及び炉底側壁面の温度を検出し、温度が上昇したとき、供給する冷却水の温度を冷却機によって低下させ、冷却能を高めて冷却する方法が提案されており、又、特許文献3には、高炉の鉄皮表面に光ファイバーを螺旋状に配置し、光ファイバーによって得た情報から鉄皮温度を求め、求めた鉄皮温度が設定温度を超える部位に散水ノズルから自動的に散水して鉄皮表面を冷却する方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−70986号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−145738号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平9−194916号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
高炉の炉底部を冷却することにより、炉底耐火物の内表面には銑鉄の凝固層が形成され、この凝固層は、炉底耐火物と溶銑との直接接触を防止し、炉底耐火物を損耗から保護する。但し、炉底部の冷却が過度になり、この凝固層が発達し過ぎると溶銑の温度が低下し、溶銑温度の低下に起因して高炉操業が不安定になるため、安定した炉況で操業するためには銑鉄の凝固層を適度な厚みに制御する必要がある。
【0009】
しかし、銑鉄の凝固層厚みは、高炉炉底部の湯溜り内における溶銑の流動によって大きく影響され、その厚みが変動する。例えば、溶銑流の流速の大きな領域が局部的に存在すると、その領域における溶銑の凝固層は溶銑流で侵食されて減少し、消滅することも発生する。このように、所定の凝固層厚みを維持するために必要とする冷却能は炉底の円周方向各部位で異なるため、散水ノズルなどによって鉄皮を冷却していても、例えば溶銑流の流速が大きな領域では溶銑の凝固層が局所的に消滅し、これに伴って炉底部側壁の鉄皮温度が局所的に上昇することが発生する。この場合には、温度上昇した鉄皮部位を局所的に強冷却し、溶銑の凝固層を再形成させる必要がある。
【0010】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2は、その構造上から炉底の円周方向全体を強冷却することは可能であるが、局所的に強冷却することは実質的に不可能であり、このような局所的に鉄皮温度が上昇した場合は、対処することができない。特許文献1及び特許文献2でも、冷却系統を多岐に分割し、個々の冷却系統毎に冷却水の流量又は冷却水の温度を制御可能な構成にすれば、局所的に強冷却することは可能ではあるが、巨大な高炉に対応するには、設備費が高価になり過ぎることから工業的には成り立たない。
【0011】
特許文献3は、本来、局所的な温度上昇に対処するための手段であるが、炉底部側壁の外表面は元々散水されている場合が多く、単に散水量を多くしたとしても、冷却能はそれほど強くならない。この理由は、散水して冷却する場合の冷却能力は冷却対象面を流下する水の流速及び冷却水の温度に依存するため、温度が同一の条件下で散水量を単に多くしても、自重で流下する流速はそれほど速くならないためである。又、特許文献3の場合も、局所的に流量調整することの可能な多岐の散水ノズル系列が必要であり、必然的に設備費が高価になる。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉の炉底側壁面の鉄皮温度が局所的に上昇した際に、この温度上昇した領域を安い設備費用で効率良く冷却することが可能な、高炉炉底側壁部の冷却装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、1つの側面が開口したジャケット型の冷却体と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮表面とを固着する接合手段と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙内へ冷却水を供給する給水管と、前記間隙内から冷却水を排出する排水管と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置されることを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、第1の発明において、前記冷却体の鉄皮表面と接触する部位には、前記接合手段として、磁性体が設置されていることを特徴とするものである。
【0015】
第3の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、第2の発明において、前記冷却体は弾性体から構成されており、冷却体の設置される鉄皮表面の曲率が変化しても鉄皮と密着可能であることを特徴とするものである。
【0016】
第4の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記冷却水の経路は循環式になっており、該経路には冷却水を冷却し、冷却水温度を室温よりも低下させる冷却機が設置されていることを特徴とするものである。
【0017】
第5の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、上下の端面と1つの側面とが開口した筒状の冷却体と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮表面とを固着する接合手段と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙内に鉛直下向き方向の流れの冷却水を供給する給水管と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置されることを特徴とするものである。
【0018】
流れる冷却水を用いて鉄皮表面を冷却する場合、冷却水の冷却能力は冷却水の流速及び温度に依存する。冷却水の流速と冷却能力即ち熱伝達率との関係は下記の(1)式で表され、(1)式に示されるように、熱伝達率は流速の1/2乗に比例する。但し、(1)式において、αは熱伝達率、Re はレイノズル数、Vは冷却水の流速、C1 及びC2 は定数である。
【0019】
【数1】
【0020】
通常、冷却水の温度は室温と同等であり、冷却水を室温よりも低下させるなどの特別の処理を施さない限り、冷却能力は冷却水の流速に依存することになる。従って、冷却水の流量が同一の場合、冷却水の冷却能力を高めるためには、冷却水の流路を狭くして流速を上昇させることが望ましい。
【0021】
本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、高炉炉底側壁部の任意の位置の鉄皮に対して着脱可能であるため、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に鉄皮のどの位置であっても、温度上昇した部位に取り付けて、鉄皮を冷却することが可能であり、鉄皮温度が上昇した部位にのみ冷却装置を設置すればよく、大掛かりな設備を必要としないため、設備費を抑えることができると同時に、冷却水は、冷却体と鉄皮表面とで形成される狭い間隙内を流れるので、その流速を、例えば自重によって鉄皮表面を流下する散水の場合に比較して極めて高速度化することが可能となり、その結果、冷却能力を高めることができ、効率良く鉄皮を冷却することが達成され、銑鉄の凝固層を短期間で形成させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。先ず、第1の実施の形態について、図1及び図2に基づき説明する。図1は、第1の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図1(A)は、正面図、図1(B)は、図1(A)のX−X’矢視による概略図、図2は、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置の全体構成図である。
【0023】
図1に示すように、鉄皮17を冷却するためのジャケット型の冷却体1は、その1つの側面が開口し、その内部は仕切板12によって複数の空間(図1では4箇所)に仕切られており、冷却体1の開口した側面を鉄皮17に密着させることで、冷却体1と鉄皮17とで形成する間隙が冷却水の通る流路4となっている。最下段の流路4には、流路4内に冷却水を供給するための給水管5が接続し、一方、最上段の流路4には、流路4内から冷却水を排出するための排水管6が接続されている。又、仕切板12によって仕切られた流路4間には冷却水接続管7が設けられており、各流路4はこの冷却水接続管7によって繋がっており、給水管5から供給された冷却水は、流路4と冷却水接続管7とを経由して排水管6から排出されるようになっている。この冷却水の流れる方向を図1の白抜き矢印で示す。このように、流路4内を流れる冷却水は鉄皮17と直接接触して鉄皮17を冷却するようになっている。
【0024】
冷却体1には、フランジ孔(図示せず)を有する複数のフランジ9が設けられており、一方、鉄皮17には、鉄皮17の任意の位置に埋込みボルト10が設けられており、埋込みボルト10をフランジ9のフランジ孔に貫通させ、貫通した埋込みボルト10の先端にナット11を噛み合わせることで、冷却体1は鉄皮17に固定される。冷却体1と鉄皮17との接触面には弾性体などからなるシール材(図示せず)を配置する。こうして冷却体1は鉄皮17に密着して固定される。埋込みボルト10は鉄皮17の任意の位置に設置することができるため、鉄皮17の温度が上昇した部位を選択して冷却体1を設置することができる。
【0025】
冷却体1は鋼などの金属製でもよいが、高炉炉底側壁部の鉄皮17の半径は側壁部上部よりも側壁部下部の方が大きくなっているため、即ち鉄皮表面の曲率が側壁部の高さ位置によって異なっているため、金属製にした場合には、冷却体1の形状を円弧状にし、且つ冷却体1と鉄皮17との接触面にシール材を配置しても、冷却体1と鉄皮17との密着性が損なわれる恐れがある。鉄皮17の曲率に応じて多数の冷却体1を準備すれば、鉄皮17の任意の位置に対処可能であるが、その分設備費が上昇する。そのため、冷却体1をゴムや合成樹脂などの弾性体で構成することが好ましい。弾性体で構成した場合には冷却体1が変形するため、鉄皮17の曲率が異なる位置であっても、1つの冷却体1で対応することができる。
【0026】
冷却体1から排出された冷却水は、図2に示すように、排水管6を経由して貯水槽16に戻り、室温まで冷却された後、ポンプ15で加圧され、冷却機14を経由して冷却体1に循環して供給されるようになっている。本発明において、冷却機14は必ずしも必要ではないが、冷却機14によって冷却水を室温以下、例えば室温が20℃の場合でも10℃以下まで低下させることができ、鉄皮17をより一層強冷却することが可能となるため、冷却機14を配置することが好ましい。
【0027】
図1に示す冷却体1では、冷却体1と鉄皮17との接合手段として、埋込みボルト10及びナット11を用いているが、この接合手段の替わりに、図3に示すように磁性体13を冷却体1と鉄皮17との接触部に配置してもよい。接合手段として磁性体13を用いた場合には、冷却体1の脱着を瞬時に行うことができ、埋込みボルト10を用いた場合に比較して作業性が大幅に向上する。尚、図3は、第1の実施の形態例の変形例を示す図である。
【0028】
又、図1に示す冷却体1では、その内部に複数の流路4が設置されているが、図4に示すように、流路4を一箇所のみとしてもよい。この一箇所のみの流路4を有する冷却体2を使用する場合には、冷却する鉄皮17の範囲に応じて複数個の冷却体2を設置し、各冷却体2を冷却水接続管7によって繋げることで、1つの給水管5及び排水管6で給排水することができる。尚、図4は、第1の実施の形態例の変形例を示す図であり、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図4(A)は、正面図、図4(B)は、図4(A)のY−Y’矢視による概略図であり、この冷却装置では、冷却体2の構造以外は図1に示す冷却装置と実質的に同一構造となっており、同一の部分は同一符号により示し、その説明は省略する。図4中に示す白抜き矢印は冷却水の流れる方向を示している。
【0029】
このように構成される、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を用い、以下のようにして高炉炉底側壁部の鉄皮17を冷却する。
【0030】
高炉炉底側壁部の鉄皮17を散水ノズル(図示せず)若しくはクーリングステーブ(図示せず)によって冷却しながら高炉操業を行っている際に、炉底耐火物の内表面に形成されていた溶銑の凝固層の消滅などによって、高炉炉底側壁部の鉄皮17の温度が局所的に上昇したなら、温度上昇した部位の鉄皮17の表面に埋込みボルト10を取り付け、次いで、埋込みボルト10をフランジ9に通し、ナット11によって冷却体1又は冷却体2を鉄皮17の外表面に固定する。鉄皮17の温度検出は赤外線温度計や熱電対などの慣用の手段によって検出することができる。尚、接合手段として磁性体13を採用した場合には、埋込みボルト10は設置する必要がなく、所定の位置に取り付けることができる。
【0031】
高炉炉底側壁の鉄皮17の温度が局所的に上昇する場合、通常その範囲は高さ方向で1.0〜1.5m程度であるので、1つの冷却体1で高さ方向を覆うことができるように、冷却体1の高さ方向の寸法を1.5m程度とすることが好ましい。冷却体2の場合には、4〜6個程度の冷却体2で覆うような寸法とする。この場合、冷却体1と冷却体2とを組み合わせて使用してもよい。
【0032】
給水管5、排水管6及び冷却水接続管7を連結した後、ポンプ15を駆動させて冷却水を通水する。鉄皮17を冷却するには冷却水の流速は速いほど好ましく、従って、流路4における冷却水の流速が、少なくとも4.0m/秒以上、望ましくは6.0m/秒以上確保されるように、ポンプ15から供給される冷却水の流量及び圧力を調整する。散水ノズルによって供給された冷却水が鉄皮17を流下する流速は通常2〜3m/秒程度であり、少なくともこの流速より速くする必要がある。
【0033】
上記の流速を確保した上で、必要に応じて冷却機14によって冷却水を室温よりも低下させて冷却する。溶銑の凝固層が形成されて鉄皮17の表面温度が低下したならば、冷却体1及び冷却体2による冷却を停止し、設置した冷却体1及び冷却体2を取り外し、周囲と同一方法によって鉄皮17を冷却する。
【0034】
以上説明したように、上記構成の本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置によれば、鉄皮17の任意の位置に着脱可能であり、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に鉄皮17のどの位置であっても、温度上昇した鉄皮17の部位に的確に取り付けて、鉄皮17を冷却することができる。又、鉄皮温度が上昇した部位にのみ冷却装置を設置すればよく、大掛かりな設備を必要としないため、設備費を抑えることができる。更に、冷却水は、狭い流路4内を流れるので、その流速を高速度化することが可能となり、その結果、冷却能力を大幅に高めることができ、鉄皮17を効率良く冷却することが達成され、銑鉄の凝固層を短時間で形成させることが可能となり、高炉寿命の延命化に貢献する。
【0035】
次に、第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図5(A)は、正面図、図5(B)は、図5(A)のZ−Z’矢視による概略図である。
【0036】
図5に示すように、鉄皮17を冷却するための筒状の冷却体3は、上端部と下端部、更にその1つの側面が開口しており、冷却体3の開口した側面を鉄皮17に密着させることで、冷却体3と鉄皮17とで形成する間隙が冷却水の通る流路4となっている。冷却体3の上部には、流路4内に冷却水を供給するための給水管8が接続されている。給水管8は給水用ポンプ(図示せず)に接続されている。給水管8の先端は鉛直下向き方向に曲げられており、給水管8によって流路4内に導入された冷却水は、鉛直下側方向、即ち図5中に示す白抜き矢印の方向に強制的に流れ、冷却体3の下端部の開口部から排出されるようになっている。又、散水ノズル(図示せず)によって鉄皮17の表面へ散水され流下する冷却水が、冷却体3の上端部の開口部から冷却体3の流路4内に流入するようになっている。このように、流路4内を流れる冷却水は鉄皮17と直接接触して鉄皮17を冷却するようになっている。第1の実施の形態例と同様に冷却水を冷却機によって室温以下まで冷却してもよい。この場合、冷却水を循環させる必要はない。
【0037】
冷却体3には、フランジ孔(図示せず)を有する複数のフランジ9が設けられており、一方、鉄皮17には、鉄皮17の任意の位置に埋込みボルト10が設けられており、埋込みボルト10をフランジ9のフランジ孔に貫通させ、貫通した埋込みボルト10の先端にナット11を噛み合わせることで、冷却体3は鉄皮17に固定される。冷却体3と鉄皮17との接触面には弾性体などからなるシール材(図示せず)を配置する。こうして冷却体3は鉄皮17に密着して固定される。埋込みボルト10は鉄皮17の任意の位置に設置することができるため、鉄皮17の温度が上昇した部位を選択して冷却体3を設置することができる。尚、冷却体3と鉄皮17との接合手段として、埋込みボルト10及びナット11の替わりに、前述した第1の実施の形態例と同様に磁性体を用いてもよい。
【0038】
このように構成される、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を用い、以下のようにして高炉炉底側壁部の鉄皮17を冷却する。
【0039】
高炉炉底側壁部の鉄皮17を散水ノズル(図示せず)若しくはクーリングステーブ(図示せず)によって冷却しながら高炉操業を行っている際に、炉底耐火物の内表面に形成されていた溶銑の凝固層の消滅などによって、高炉炉底側壁部の鉄皮17の温度が局所的に上昇したなら、温度上昇した部位の鉄皮17の表面に埋込みボルト10を取り付け、次いで、埋込みボルト10をフランジ9に通し、ナット11によって冷却体3を鉄皮17の外表面に固定する。鉄皮17の温度検出は赤外線温度計や熱電対などの慣用の手段によって検出することができる。尚、接合手段として磁性体を採用した場合には、埋込みボルト10は設置する必要がなく、所定の位置に取り付けることができる。
【0040】
高炉炉底側壁の鉄皮17の温度が局所的に上昇する場合、通常その範囲は高さ方向で1.0〜1.5m程度であるので、1つの冷却体3で高さ方向を覆うことができるように、冷却体3の高さ方向の寸法を1.5m程度とすることが好ましい。図5では、冷却体3の幅方向の寸法が高さ方向の寸法に比較して短いが、幅方向寸法を高さ方向寸法と同等以上としてもよい。
【0041】
給水管8を連結した後、冷却水を通水する。鉄皮17を冷却するには冷却水の流速は速いほど好ましく、従って、流路4における冷却水の流速が、少なくとも4.0m/秒以上、望ましくは6.0m/秒以上確保されるように、ポンプ15から供給される冷却水の流量及び圧力を調整する。散水ノズルによって供給された冷却水が鉄皮17を流下する流速は通常2〜3m/秒程度であり、少なくともこの流速より速くする必要がある。
【0042】
溶銑の凝固層が形成されて鉄皮17の表面温度が低下したならば、冷却体3による冷却を停止し、設置した冷却体3を取り外し、周囲と同一方法によって鉄皮17を冷却する。
【0043】
以上説明したように、上記構成の本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置によれば、鉄皮17の任意の位置に着脱可能であり、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に鉄皮17のどの位置であっても、温度上昇した鉄皮17の部位に的確に取り付けて、鉄皮17を冷却することができる。又、鉄皮温度が上昇した部位にのみ冷却装置を設置すればよく、大掛かりな設備を必要としないため、設備費を抑えることができる。更に、冷却水は、狭い流路4内を流れるので、その流速を高速度化することが可能となり、その結果、冷却能力を大幅に高めることができ、鉄皮17を効率良く冷却することが達成され、銑鉄の凝固層を短時間で形成させることが可能となり、高炉寿命の延命化に貢献する。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置によれば、高炉炉底側壁部の鉄皮の任意の位置に設置可能であるため、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に温度上昇した部位に的確に取り付けることが可能で、且つ、鉄皮を効率良く冷却することができる。その結果、銑鉄の凝固層を短期間で形成させることが可能となり、溶銑による侵食から炉底耐火物を保護し、長期間にわたって安定した炉況下で操業することが達成され、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図1(A)は、正面図、図1(B)は、図1(A)のX−X’矢視による概略図である。
【図2】第1の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る冷却装置の全体構成図である。
【図3】第1の実施の形態例の変形例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態例の変形例を示す図であり、本発明に係る冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図4(A)は、正面図、図4(B)は、図4(A)のY−Y’矢視による概略図である。
【図5】第2の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図5(A)は、正面図、図5(B)は、図5(A)のZ−Z’矢視による概略図である。
【符号の説明】
1 冷却体
2 冷却体
3 冷却体
4 流路
5 給水管
6 排水管
7 冷却水接続管
8 給水管
9 フランジ
10 埋込みボルト
11 ナット
12 仕切板
13 磁性体
14 冷却機
15 ポンプ
16 貯水槽
17 鉄皮
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉底側壁部の鉄皮を局所的に強冷却することが可能な、高炉炉底側壁部の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鉄工程において鉄鉱石を還元する高炉は、その本体の外殻が鉄皮で形成され、鉄皮の内側は耐火物で構成されている。この耐火物は炉内に装入された原料との摩擦、炉内の温度変動、或いは炉内ガスとの反応によって損傷し消耗していく。特に、高炉の炉底部は、高温の溶銑及び溶融スラグを貯留するので耐火物の損傷が激しく、高炉の寿命を長期化させるためには、炉底部耐火物の熱による損傷を抑制する必要がある。
【0003】
この炉底部耐火物の熱による損傷を防止するために、高炉炉底の下部には、冷却管を配置して耐火物を冷却すると共に、炉底部側壁面の鉄皮には、散水ノズルやクーリングステーブを配置して冷却している。ここで、クーリングステーブとは、高炉の鉄皮の内側に、内部に冷却流路を有する鉄製鋳物若しくは銅製鋳物を鉄皮と固定して配置し、その内部に冷却水を通水して耐火物を間接的に冷却する装置である。近年の高炉寿命は10年以上であり、なかには20年以上の寿命を目的とする高炉も存在し、このような長寿命化を達成するための1つの対策として、高炉炉底部の冷却能を強化する手段が多数提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、金属を含浸させた金属含浸耐火物を鉄皮の内部に施工し、鉄皮の外側にはジャケットを設置し、ジャケット内に冷却水を流して鉄皮を冷却する構造の炉壁が提案されており、特許文献2には、炉底面と炉底側壁面とが独立した冷却水系統で冷却される高炉において、炉底面及び炉底側壁面の温度を検出し、温度が上昇したとき、供給する冷却水の温度を冷却機によって低下させ、冷却能を高めて冷却する方法が提案されており、又、特許文献3には、高炉の鉄皮表面に光ファイバーを螺旋状に配置し、光ファイバーによって得た情報から鉄皮温度を求め、求めた鉄皮温度が設定温度を超える部位に散水ノズルから自動的に散水して鉄皮表面を冷却する方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−70986号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−145738号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平9−194916号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
高炉の炉底部を冷却することにより、炉底耐火物の内表面には銑鉄の凝固層が形成され、この凝固層は、炉底耐火物と溶銑との直接接触を防止し、炉底耐火物を損耗から保護する。但し、炉底部の冷却が過度になり、この凝固層が発達し過ぎると溶銑の温度が低下し、溶銑温度の低下に起因して高炉操業が不安定になるため、安定した炉況で操業するためには銑鉄の凝固層を適度な厚みに制御する必要がある。
【0009】
しかし、銑鉄の凝固層厚みは、高炉炉底部の湯溜り内における溶銑の流動によって大きく影響され、その厚みが変動する。例えば、溶銑流の流速の大きな領域が局部的に存在すると、その領域における溶銑の凝固層は溶銑流で侵食されて減少し、消滅することも発生する。このように、所定の凝固層厚みを維持するために必要とする冷却能は炉底の円周方向各部位で異なるため、散水ノズルなどによって鉄皮を冷却していても、例えば溶銑流の流速が大きな領域では溶銑の凝固層が局所的に消滅し、これに伴って炉底部側壁の鉄皮温度が局所的に上昇することが発生する。この場合には、温度上昇した鉄皮部位を局所的に強冷却し、溶銑の凝固層を再形成させる必要がある。
【0010】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2は、その構造上から炉底の円周方向全体を強冷却することは可能であるが、局所的に強冷却することは実質的に不可能であり、このような局所的に鉄皮温度が上昇した場合は、対処することができない。特許文献1及び特許文献2でも、冷却系統を多岐に分割し、個々の冷却系統毎に冷却水の流量又は冷却水の温度を制御可能な構成にすれば、局所的に強冷却することは可能ではあるが、巨大な高炉に対応するには、設備費が高価になり過ぎることから工業的には成り立たない。
【0011】
特許文献3は、本来、局所的な温度上昇に対処するための手段であるが、炉底部側壁の外表面は元々散水されている場合が多く、単に散水量を多くしたとしても、冷却能はそれほど強くならない。この理由は、散水して冷却する場合の冷却能力は冷却対象面を流下する水の流速及び冷却水の温度に依存するため、温度が同一の条件下で散水量を単に多くしても、自重で流下する流速はそれほど速くならないためである。又、特許文献3の場合も、局所的に流量調整することの可能な多岐の散水ノズル系列が必要であり、必然的に設備費が高価になる。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉の炉底側壁面の鉄皮温度が局所的に上昇した際に、この温度上昇した領域を安い設備費用で効率良く冷却することが可能な、高炉炉底側壁部の冷却装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、1つの側面が開口したジャケット型の冷却体と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮表面とを固着する接合手段と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙内へ冷却水を供給する給水管と、前記間隙内から冷却水を排出する排水管と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置されることを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、第1の発明において、前記冷却体の鉄皮表面と接触する部位には、前記接合手段として、磁性体が設置されていることを特徴とするものである。
【0015】
第3の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、第2の発明において、前記冷却体は弾性体から構成されており、冷却体の設置される鉄皮表面の曲率が変化しても鉄皮と密着可能であることを特徴とするものである。
【0016】
第4の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記冷却水の経路は循環式になっており、該経路には冷却水を冷却し、冷却水温度を室温よりも低下させる冷却機が設置されていることを特徴とするものである。
【0017】
第5の発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、上下の端面と1つの側面とが開口した筒状の冷却体と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮表面とを固着する接合手段と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙内に鉛直下向き方向の流れの冷却水を供給する給水管と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置されることを特徴とするものである。
【0018】
流れる冷却水を用いて鉄皮表面を冷却する場合、冷却水の冷却能力は冷却水の流速及び温度に依存する。冷却水の流速と冷却能力即ち熱伝達率との関係は下記の(1)式で表され、(1)式に示されるように、熱伝達率は流速の1/2乗に比例する。但し、(1)式において、αは熱伝達率、Re はレイノズル数、Vは冷却水の流速、C1 及びC2 は定数である。
【0019】
【数1】
【0020】
通常、冷却水の温度は室温と同等であり、冷却水を室温よりも低下させるなどの特別の処理を施さない限り、冷却能力は冷却水の流速に依存することになる。従って、冷却水の流量が同一の場合、冷却水の冷却能力を高めるためには、冷却水の流路を狭くして流速を上昇させることが望ましい。
【0021】
本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置は、高炉炉底側壁部の任意の位置の鉄皮に対して着脱可能であるため、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に鉄皮のどの位置であっても、温度上昇した部位に取り付けて、鉄皮を冷却することが可能であり、鉄皮温度が上昇した部位にのみ冷却装置を設置すればよく、大掛かりな設備を必要としないため、設備費を抑えることができると同時に、冷却水は、冷却体と鉄皮表面とで形成される狭い間隙内を流れるので、その流速を、例えば自重によって鉄皮表面を流下する散水の場合に比較して極めて高速度化することが可能となり、その結果、冷却能力を高めることができ、効率良く鉄皮を冷却することが達成され、銑鉄の凝固層を短期間で形成させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。先ず、第1の実施の形態について、図1及び図2に基づき説明する。図1は、第1の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図1(A)は、正面図、図1(B)は、図1(A)のX−X’矢視による概略図、図2は、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置の全体構成図である。
【0023】
図1に示すように、鉄皮17を冷却するためのジャケット型の冷却体1は、その1つの側面が開口し、その内部は仕切板12によって複数の空間(図1では4箇所)に仕切られており、冷却体1の開口した側面を鉄皮17に密着させることで、冷却体1と鉄皮17とで形成する間隙が冷却水の通る流路4となっている。最下段の流路4には、流路4内に冷却水を供給するための給水管5が接続し、一方、最上段の流路4には、流路4内から冷却水を排出するための排水管6が接続されている。又、仕切板12によって仕切られた流路4間には冷却水接続管7が設けられており、各流路4はこの冷却水接続管7によって繋がっており、給水管5から供給された冷却水は、流路4と冷却水接続管7とを経由して排水管6から排出されるようになっている。この冷却水の流れる方向を図1の白抜き矢印で示す。このように、流路4内を流れる冷却水は鉄皮17と直接接触して鉄皮17を冷却するようになっている。
【0024】
冷却体1には、フランジ孔(図示せず)を有する複数のフランジ9が設けられており、一方、鉄皮17には、鉄皮17の任意の位置に埋込みボルト10が設けられており、埋込みボルト10をフランジ9のフランジ孔に貫通させ、貫通した埋込みボルト10の先端にナット11を噛み合わせることで、冷却体1は鉄皮17に固定される。冷却体1と鉄皮17との接触面には弾性体などからなるシール材(図示せず)を配置する。こうして冷却体1は鉄皮17に密着して固定される。埋込みボルト10は鉄皮17の任意の位置に設置することができるため、鉄皮17の温度が上昇した部位を選択して冷却体1を設置することができる。
【0025】
冷却体1は鋼などの金属製でもよいが、高炉炉底側壁部の鉄皮17の半径は側壁部上部よりも側壁部下部の方が大きくなっているため、即ち鉄皮表面の曲率が側壁部の高さ位置によって異なっているため、金属製にした場合には、冷却体1の形状を円弧状にし、且つ冷却体1と鉄皮17との接触面にシール材を配置しても、冷却体1と鉄皮17との密着性が損なわれる恐れがある。鉄皮17の曲率に応じて多数の冷却体1を準備すれば、鉄皮17の任意の位置に対処可能であるが、その分設備費が上昇する。そのため、冷却体1をゴムや合成樹脂などの弾性体で構成することが好ましい。弾性体で構成した場合には冷却体1が変形するため、鉄皮17の曲率が異なる位置であっても、1つの冷却体1で対応することができる。
【0026】
冷却体1から排出された冷却水は、図2に示すように、排水管6を経由して貯水槽16に戻り、室温まで冷却された後、ポンプ15で加圧され、冷却機14を経由して冷却体1に循環して供給されるようになっている。本発明において、冷却機14は必ずしも必要ではないが、冷却機14によって冷却水を室温以下、例えば室温が20℃の場合でも10℃以下まで低下させることができ、鉄皮17をより一層強冷却することが可能となるため、冷却機14を配置することが好ましい。
【0027】
図1に示す冷却体1では、冷却体1と鉄皮17との接合手段として、埋込みボルト10及びナット11を用いているが、この接合手段の替わりに、図3に示すように磁性体13を冷却体1と鉄皮17との接触部に配置してもよい。接合手段として磁性体13を用いた場合には、冷却体1の脱着を瞬時に行うことができ、埋込みボルト10を用いた場合に比較して作業性が大幅に向上する。尚、図3は、第1の実施の形態例の変形例を示す図である。
【0028】
又、図1に示す冷却体1では、その内部に複数の流路4が設置されているが、図4に示すように、流路4を一箇所のみとしてもよい。この一箇所のみの流路4を有する冷却体2を使用する場合には、冷却する鉄皮17の範囲に応じて複数個の冷却体2を設置し、各冷却体2を冷却水接続管7によって繋げることで、1つの給水管5及び排水管6で給排水することができる。尚、図4は、第1の実施の形態例の変形例を示す図であり、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図4(A)は、正面図、図4(B)は、図4(A)のY−Y’矢視による概略図であり、この冷却装置では、冷却体2の構造以外は図1に示す冷却装置と実質的に同一構造となっており、同一の部分は同一符号により示し、その説明は省略する。図4中に示す白抜き矢印は冷却水の流れる方向を示している。
【0029】
このように構成される、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を用い、以下のようにして高炉炉底側壁部の鉄皮17を冷却する。
【0030】
高炉炉底側壁部の鉄皮17を散水ノズル(図示せず)若しくはクーリングステーブ(図示せず)によって冷却しながら高炉操業を行っている際に、炉底耐火物の内表面に形成されていた溶銑の凝固層の消滅などによって、高炉炉底側壁部の鉄皮17の温度が局所的に上昇したなら、温度上昇した部位の鉄皮17の表面に埋込みボルト10を取り付け、次いで、埋込みボルト10をフランジ9に通し、ナット11によって冷却体1又は冷却体2を鉄皮17の外表面に固定する。鉄皮17の温度検出は赤外線温度計や熱電対などの慣用の手段によって検出することができる。尚、接合手段として磁性体13を採用した場合には、埋込みボルト10は設置する必要がなく、所定の位置に取り付けることができる。
【0031】
高炉炉底側壁の鉄皮17の温度が局所的に上昇する場合、通常その範囲は高さ方向で1.0〜1.5m程度であるので、1つの冷却体1で高さ方向を覆うことができるように、冷却体1の高さ方向の寸法を1.5m程度とすることが好ましい。冷却体2の場合には、4〜6個程度の冷却体2で覆うような寸法とする。この場合、冷却体1と冷却体2とを組み合わせて使用してもよい。
【0032】
給水管5、排水管6及び冷却水接続管7を連結した後、ポンプ15を駆動させて冷却水を通水する。鉄皮17を冷却するには冷却水の流速は速いほど好ましく、従って、流路4における冷却水の流速が、少なくとも4.0m/秒以上、望ましくは6.0m/秒以上確保されるように、ポンプ15から供給される冷却水の流量及び圧力を調整する。散水ノズルによって供給された冷却水が鉄皮17を流下する流速は通常2〜3m/秒程度であり、少なくともこの流速より速くする必要がある。
【0033】
上記の流速を確保した上で、必要に応じて冷却機14によって冷却水を室温よりも低下させて冷却する。溶銑の凝固層が形成されて鉄皮17の表面温度が低下したならば、冷却体1及び冷却体2による冷却を停止し、設置した冷却体1及び冷却体2を取り外し、周囲と同一方法によって鉄皮17を冷却する。
【0034】
以上説明したように、上記構成の本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置によれば、鉄皮17の任意の位置に着脱可能であり、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に鉄皮17のどの位置であっても、温度上昇した鉄皮17の部位に的確に取り付けて、鉄皮17を冷却することができる。又、鉄皮温度が上昇した部位にのみ冷却装置を設置すればよく、大掛かりな設備を必要としないため、設備費を抑えることができる。更に、冷却水は、狭い流路4内を流れるので、その流速を高速度化することが可能となり、その結果、冷却能力を大幅に高めることができ、鉄皮17を効率良く冷却することが達成され、銑鉄の凝固層を短時間で形成させることが可能となり、高炉寿命の延命化に貢献する。
【0035】
次に、第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図5(A)は、正面図、図5(B)は、図5(A)のZ−Z’矢視による概略図である。
【0036】
図5に示すように、鉄皮17を冷却するための筒状の冷却体3は、上端部と下端部、更にその1つの側面が開口しており、冷却体3の開口した側面を鉄皮17に密着させることで、冷却体3と鉄皮17とで形成する間隙が冷却水の通る流路4となっている。冷却体3の上部には、流路4内に冷却水を供給するための給水管8が接続されている。給水管8は給水用ポンプ(図示せず)に接続されている。給水管8の先端は鉛直下向き方向に曲げられており、給水管8によって流路4内に導入された冷却水は、鉛直下側方向、即ち図5中に示す白抜き矢印の方向に強制的に流れ、冷却体3の下端部の開口部から排出されるようになっている。又、散水ノズル(図示せず)によって鉄皮17の表面へ散水され流下する冷却水が、冷却体3の上端部の開口部から冷却体3の流路4内に流入するようになっている。このように、流路4内を流れる冷却水は鉄皮17と直接接触して鉄皮17を冷却するようになっている。第1の実施の形態例と同様に冷却水を冷却機によって室温以下まで冷却してもよい。この場合、冷却水を循環させる必要はない。
【0037】
冷却体3には、フランジ孔(図示せず)を有する複数のフランジ9が設けられており、一方、鉄皮17には、鉄皮17の任意の位置に埋込みボルト10が設けられており、埋込みボルト10をフランジ9のフランジ孔に貫通させ、貫通した埋込みボルト10の先端にナット11を噛み合わせることで、冷却体3は鉄皮17に固定される。冷却体3と鉄皮17との接触面には弾性体などからなるシール材(図示せず)を配置する。こうして冷却体3は鉄皮17に密着して固定される。埋込みボルト10は鉄皮17の任意の位置に設置することができるため、鉄皮17の温度が上昇した部位を選択して冷却体3を設置することができる。尚、冷却体3と鉄皮17との接合手段として、埋込みボルト10及びナット11の替わりに、前述した第1の実施の形態例と同様に磁性体を用いてもよい。
【0038】
このように構成される、本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置を用い、以下のようにして高炉炉底側壁部の鉄皮17を冷却する。
【0039】
高炉炉底側壁部の鉄皮17を散水ノズル(図示せず)若しくはクーリングステーブ(図示せず)によって冷却しながら高炉操業を行っている際に、炉底耐火物の内表面に形成されていた溶銑の凝固層の消滅などによって、高炉炉底側壁部の鉄皮17の温度が局所的に上昇したなら、温度上昇した部位の鉄皮17の表面に埋込みボルト10を取り付け、次いで、埋込みボルト10をフランジ9に通し、ナット11によって冷却体3を鉄皮17の外表面に固定する。鉄皮17の温度検出は赤外線温度計や熱電対などの慣用の手段によって検出することができる。尚、接合手段として磁性体を採用した場合には、埋込みボルト10は設置する必要がなく、所定の位置に取り付けることができる。
【0040】
高炉炉底側壁の鉄皮17の温度が局所的に上昇する場合、通常その範囲は高さ方向で1.0〜1.5m程度であるので、1つの冷却体3で高さ方向を覆うことができるように、冷却体3の高さ方向の寸法を1.5m程度とすることが好ましい。図5では、冷却体3の幅方向の寸法が高さ方向の寸法に比較して短いが、幅方向寸法を高さ方向寸法と同等以上としてもよい。
【0041】
給水管8を連結した後、冷却水を通水する。鉄皮17を冷却するには冷却水の流速は速いほど好ましく、従って、流路4における冷却水の流速が、少なくとも4.0m/秒以上、望ましくは6.0m/秒以上確保されるように、ポンプ15から供給される冷却水の流量及び圧力を調整する。散水ノズルによって供給された冷却水が鉄皮17を流下する流速は通常2〜3m/秒程度であり、少なくともこの流速より速くする必要がある。
【0042】
溶銑の凝固層が形成されて鉄皮17の表面温度が低下したならば、冷却体3による冷却を停止し、設置した冷却体3を取り外し、周囲と同一方法によって鉄皮17を冷却する。
【0043】
以上説明したように、上記構成の本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置によれば、鉄皮17の任意の位置に着脱可能であり、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に鉄皮17のどの位置であっても、温度上昇した鉄皮17の部位に的確に取り付けて、鉄皮17を冷却することができる。又、鉄皮温度が上昇した部位にのみ冷却装置を設置すればよく、大掛かりな設備を必要としないため、設備費を抑えることができる。更に、冷却水は、狭い流路4内を流れるので、その流速を高速度化することが可能となり、その結果、冷却能力を大幅に高めることができ、鉄皮17を効率良く冷却することが達成され、銑鉄の凝固層を短時間で形成させることが可能となり、高炉寿命の延命化に貢献する。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る高炉炉底側壁部の冷却装置によれば、高炉炉底側壁部の鉄皮の任意の位置に設置可能であるため、局所的に鉄皮温度が上昇した場合に温度上昇した部位に的確に取り付けることが可能で、且つ、鉄皮を効率良く冷却することができる。その結果、銑鉄の凝固層を短期間で形成させることが可能となり、溶銑による侵食から炉底耐火物を保護し、長期間にわたって安定した炉況下で操業することが達成され、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図1(A)は、正面図、図1(B)は、図1(A)のX−X’矢視による概略図である。
【図2】第1の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る冷却装置の全体構成図である。
【図3】第1の実施の形態例の変形例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態例の変形例を示す図であり、本発明に係る冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図4(A)は、正面図、図4(B)は、図4(A)のY−Y’矢視による概略図である。
【図5】第2の実施の形態の1例を示す図であり、本発明に係る冷却装置を構成する冷却体の概略図で、図5(A)は、正面図、図5(B)は、図5(A)のZ−Z’矢視による概略図である。
【符号の説明】
1 冷却体
2 冷却体
3 冷却体
4 流路
5 給水管
6 排水管
7 冷却水接続管
8 給水管
9 フランジ
10 埋込みボルト
11 ナット
12 仕切板
13 磁性体
14 冷却機
15 ポンプ
16 貯水槽
17 鉄皮
Claims (5)
- 1つの側面が開口したジャケット型の冷却体と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮表面とを固着する接合手段と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙内へ冷却水を供給する給水管と、前記間隙内から冷却水を排出する排水管と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置されることを特徴とする、高炉炉底側壁部の冷却装置。
- 前記冷却体の鉄皮表面と接触する部位には、前記接合手段として、磁性体が設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の高炉炉底側壁部の冷却装置。
- 前記冷却体は弾性体から構成されており、冷却体の設置される鉄皮表面の曲率が変化しても鉄皮と密着可能であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の高炉炉底側壁部の冷却装置。
- 前記冷却水の経路は循環式になっており、該経路には冷却水を冷却し、冷却水温度を室温よりも低下させる冷却機が設置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の高炉炉底側壁部の冷却装置。
- 上下の端面と1つの側面とが開口した筒状の冷却体と、該冷却体の開口した側面と高炉炉底側壁部の鉄皮表面とを固着する接合手段と、前記冷却体と前記鉄皮表面とで形成する間隙内に鉛直下向き方向の流れの冷却水を供給する給水管と、を備えた高炉炉底側壁部の冷却装置であって、前記冷却体は、前記接合手段によって前記鉄皮表面の任意の位置に着脱可能であり、鉄皮の表面温度が局部的に上昇したときに鉄皮の温度上昇した部位に前記接合手段によって設置されることを特徴とする、高炉炉底側壁部の冷却装置。
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