JP2004290786A

JP2004290786A - Coating method and coating tool

Info

Publication number: JP2004290786A
Application number: JP2003085274A
Authority: JP
Inventors: Masatomo Yoshida; 正智吉田; Koji Fujiki; 康二藤木; Kenichi Kita; 賢一北; Masatoshi Onoda; 真稔小野田
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 2003-03-26
Filing date: 2003-03-26
Publication date: 2004-10-21
Anticipated expiration: 2023-03-26
Also published as: JP4045990B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To improve workability in the partial coating of the surface of an article. <P>SOLUTION: The tip part of a port part 11b of a metallic housing 11 is coated with a resin while the lower part side is masked. A masking tool 13 is composed of a fixing member 15 for fixedly holding the metallic housing 11, a packing 16 set to the fixed member 15 and arranged along the non-coated part side of a boundary part of the surface of the metallic housing 11, a press member 17 attached to the upper surface side of the fixing member 15 and for applying pressing force to the packing 16 to deform, a bottom cap 18 attached to the lower surface side of the fixing member 15 and the like. A cut tool is provided for cutting the coated layer after the coating in the boundary part. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品の表面に部分的にコーティングを行なうためのコーティング方法及びコーティング用治具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、自動車用の圧力センサは、図８に示すような形状の金属ハウジング１を備えている。この金属ハウジング１は、やや径大な円筒状をなす主部１ａの上部に径小なポート部１ｂを一体に有しており、そのポート部１ｂの基端側には、取付用のねじ部１ｃが形成されている。この場合、使用時において、金属ハウジング１のポート部１ｂの先端部（図でねじ部１ｃよりも上の部分）は、腐食環境に曝されるため、耐食性の向上を図るべく、樹脂コーティングが施されるようになっている。
【０００３】
この場合、樹脂コーティングは、例えばポリパラキシリレン樹脂を用いた化学蒸着（ＣＶＤ）法により行なわれるのであるが、このとき、従来では、一般に、樹脂コーティングを行なわない部分全体にマスキングテープ２（片面に接着剤が塗布されたプラスチック製のフレキシブルなテープ）を貼付けてマスキングし、このマスキング状態で樹脂コーティングを行い、その後、マスキングテープ２を剥がすことが行なわれていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したマスキングテープ２を用いたマスキングでは、マスキングする部分が多い場合や、マスキングする部分の形状が複雑な場合などにおいては、作業効率が悪く、非常に手間がかかる欠点がある。また、マスキングテープ２を剥がす際に、ねじ部１ｃ等に接着剤残りが生ずることがあるといった不具合もあった。
【０００５】
尚、樹脂コーティングはマスキングテープ２の表面にまで渡って施されるため、樹脂コーティング後、そのままで（カットせずに）マスキングテープ２を剥がそうとすると、樹脂コーティング層に剥れが起こる事情がある。そのため、樹脂コーティング後に、樹脂コーティング層をマスキングテープ２の縁部部分（境界部）で切断する必要があるが、その際、樹脂コーティング層を傷付けない（ささくれや引きつり等の生じない）ように綺麗に切断することが望まれる。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、物品の表面に部分的にコーティングを行なう場合の、作業性の向上を図ることができるコーティング方法及びコーティング用治具を提供するにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のコーティング方法は、物品の表面に部分的にコーティングを行なうにあたり、コーティング部と非コーティング部との境界部の該非コーティング部側に沿ってパッキンを配置し、そのパッキンに押圧力を加えて変形させることにより、物品の表面に密着させて非コーティング部のマスキングを行うようにしたところに特徴を有する（請求項１の発明）。
【０００８】
これによれば、コーティング部と非コーティング部との境界部に沿ってパッキンを密着させることによってマスキングを行なうものであるから、非コーティング部が大きかったり、複雑な形状であったりしても、パッキンは、境界部の形状に対応していれば済む。従って、マスキング作業が容易に行えるようになり、マスキングテープで非コーティング部全体をマスキングする場合と比較して、作業性の大幅な向上を図ることができる。また、マスキングテープを使用しないので、接着剤残りが発生することもない。
【０００９】
このとき、コーティングを実行した後、境界部にてコーティング層を切断する工程を実行することが望ましく（請求項２の発明）、これにより、パッキンによるマスキングを解除する際の境界部におけるコーティング層の剥れを防止することができる。
【００１０】
そして、本発明のコーティング用治具は、上記したコーティング方法における非コーティング部のマスキングを行なうためのマスキング治具を有し、そのマスキング治具を、物品を固定的に保持する固定部材と、この固定部材にセットされるパッキンと、前記固定部材に取付けられパッキンに押圧力を加えて変形させることにより物品の表面に密着させる押え部材とを備えて構成したところに特徴を有する（請求項３の発明）。
【００１１】
これによれば、押え部材によりパッキンが変形されることにより、固定部材に保持された物品のコーティング部と非コーティング部との境界部に沿ってパッキンが密着され、マスキングが行なわれる。従って、非コーティング部が大きかったり、複雑な形状であったりしても、パッキンは境界部の形状に対応していれば良いので、マスキング作業が容易に行えるようになり、マスキングテープで非コーティング部全体をマスキングする場合と比較して、作業性の大幅な向上を図ることができる。
【００１２】
このとき、パッキンの物品の表面に密着される先端部を、先細りのテーパ状に構成することができ（請求項４の発明）、これによれば、パッキンの基端側を肉厚として十分な変形量を確保することができ、パッキンの変形前におけるセットの作業を容易としながらも、変形時つまりマスキング時における物品の表面に対するパッキン先端部の密着性を高めることができる。
【００１３】
また、本発明のコーティング用治具においては、上記したマスキング治具に加えて、物品の表面のコーティング部と非コーティング部との境界部にてコーティング層を一括して切断するためのカット治具を設けることができる（請求項５の発明）。これによれば、コーティングを実行した後、境界部にてコーティング層を切断する工程を実行することができ、マスキングを解除する際の境界部におけるコーティング層の剥れを防止することができる。
【００１４】
この場合、本発明者らの研究によれば、カット治具の刃先部の角度を、２０〜３０度とすることにより、境界部にてコーティング層を切断する作業を、良好且つ確実に行なうことができた（請求項６の発明）。更に、パッキンの先端部に、カット治具による切断時に該パッキンの先端部の逃げ方向の変形を容易とするための段差部を設けることにより、パッキンの先端部が切断作業の障害となることなく、コーティング層の切断を確実に行なうことができる（請求項７の発明）。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施例について、図１ないし図６を参照しながら説明する。本実施例では、図２に示すように、物品としての、自動車用の圧力センサの金属ハウジング１１に対して、コーティングを行なう場合を具体例としている。詳しい図示及び説明は省略するが、この金属ハウジング１１は、例えば低炭素鋼からなり、やや径大な円筒状をなす主部１１ａの上部に径小な円筒状のポート部１１ｂを一体に有しており、そのポート部１１ｂの基端側には取付用のねじ部１１ｃが形成されている。
【００１６】
この場合、使用時において、金属ハウジング１１のポート部１１ｂの先端部は、腐食環境に曝されるため、耐食性の向上を図るべく、その表面に例えばポリパラキシリレン樹脂からなる樹脂コーティング（コーティング層１２）が施されるようになっている。このコーティング層１２は、例えば３μｍの厚みで形成されるようになっている。
【００１７】
この樹脂コーティングは、図２に細線で示す高さ位置（図でねじ部１１ｃよりもやや上）の境界部ｂの上側に対してのみ行われる。従って、境界部ｂより上部がコーティング部とされ、境界部ｂより下部が非コーティング部とされる。尚、本実施例では、金属ハウジング１１のポート部１１ｂの先端部の直径寸法Ｉは、１５．６ｍｍΦとされている。
【００１８】
さて、上記金属ハウジング１１のコーティングを行なうにあたっては、後述するような、本実施例に係るコーティング方法が採用されるのであるが、このコーティング方法を実行するためには、本実施例に係るコーティング用治具が用いられる。このコーティング用治具は、前記非コーティング部のマスキングを行なうためのマスキング治具１３（図１等参照）、及び、コーティング後にコーティング層１２を境界部ｂで切断するためのカット治具１４（図５等参照）を有して構成される。以下、このコーティング用治具について述べる。
【００１９】
まず、図１に示すように、前記マスキング治具１３は、前記金属ハウジング１１を固定的に保持する固定部材１５、この固定部材１５にセットされ前記金属ハウジング１１の表面の境界部ｂの該非コーティング部側に沿って配置されるパッキン１６、前記固定部材１５の上面側に取付けられ前記パッキン１６に押圧力を加えて変形させる押え部材１７、前記固定部材１５の下面側に取付けられる底蓋１８等を備えて構成される。
【００２０】
そのうち固定部材１５は、例えばアルミ等の金属から、全体として円形に構成され、その外周側に位置する厚肉なリング状のベース部１９と、その内周側に位置する薄肉な仕切板部２０とを一体に有している。前記ベース部１９の上面部には、外周側の複数箇所に位置して前記押え部材１７の取付用のねじ穴１９ａが形成されており、ベース部１９の下面部には、外周側の複数箇所に位置して前記底蓋１８の取付用のねじ穴１９ｂが形成されていると共に、その内周側に位置して、Ｏリング２１収容用の溝１９ｃがリング状に形成されている。
【００２１】
前記仕切板部２０の中心部には、前記金属ハウジング１１のねじ部１１ｃが螺合する雌ねじ部２０ａが上下に貫通して形成されている。また、この仕切板部２０の上面側は、前記パッキン１６がセットされる円形の凹部２０ｂとされている。尚、この凹部２０ｂの深さ寸法Ｈは、例えば２．３ｍｍとされている。この仕切板部２０の下面側は、前記金属ハウジング１１の主部１１ａが収容可能な空間部とされている。
【００２２】
前記パッキン１６は、弾性変形可能な材料例えばウレタンゴムからなり、図４に示すように、中心に円形穴１６ａを有したリング状の薄板状をなしている。この場合、このパッキン１６の外径寸法Ａは、前記固定部材１５の凹部２０ｂの内径寸法に等しく、厚み寸法Ｂ（外周側の肉厚）は、前記凹部２０ｂの深さ寸法Ｈよりもやや大きく構成されている。
【００２３】
また、このパッキン１６の上面の内周側部分は、前記円形穴１６ａの周縁部に向けて先細りとなるテーパ面１６ｂが形成され、従って、前記金属ハウジング１１の表面に密着する先端部が先細りのテーパ状とされている。さらに、このパッキン１６の下面側には、前記円形穴１６ａの周縁部に段差部１６ｃが形成されており、パッキン１６の先端部がその分薄肉とされている。
【００２４】
尚、本実施例では、図４に示すように、このパッキン１６の直径寸法Ｅ（前記固定部材１５の凹部２０ｂの内径寸法に等しい）は、例えば３０ｍｍΦとされ、厚み寸法Ｂは、例えば２．５ｍｍとされ、円形穴１６ａの直径寸法（内径寸法）Ａは、例えば１５．９ｍｍΦとされ、段差部１６ｃの高さ寸法Ｃは、例えば０．７ｍｍとされ、段差部１６ｃの直径寸法Ｄは、例えば１８ｍｍΦとされている。更に、このパッキン１６の硬度Ｆは、例えば５０°とされている。
【００２５】
前記押え部材１７は、図１等に示すように、例えばアルミ等の金属から、前記固定部材１５と同等の外径を有し、中央部に円形穴１７ａを備えたリング状の薄板状に構成されている。また、この押え部材１７の外周側には、前記ねじ穴１９ａに対応した複数個のねじ挿通孔１７ｂが形成されている。この押え部材１７は、前記固定部材１５のベース部１９の上面に載置された状態で、ねじ２２が、ねじ挿通孔１７ｂを通してねじ穴１９ａに締付けられることにより、固定部材１５に対して着脱可能に取付けられるようになっている。
【００２６】
このとき、後の工程説明でも述べるように、前記固定部材１５の凹部２０ｂにパッキン１６がセットされた状態で、この押え部材１７が固定部材１５に取付けられる（ねじ２２が締付けられる）ことにより、パッキン１６に上下方向に押圧力が加えられて内径が縮まるように変形し、もってパッキン１６の先端部が前記金属ハウジング１１の表面（境界部ｂの非コーティング側）に密着されるようになっているのである。
【００２７】
前記底蓋１８は、やはりアルミ等の金属から、前記固定部材１５と同等の外径を有する円板状に構成され、その外周側には、前記ねじ穴１９ｂに対応した複数個のねじ挿通孔１８ａが形成されている。この底蓋１８は、前記固定部材１５のベース部１９の下面に宛がわれた状態で、ねじ２３が、ねじ挿通孔１８ａを通してねじ穴１９ｂに締付けられることにより、固定部材１５に対して着脱可能に取付けられ、以て固定部材１５の下面側の開口を気密に塞ぐようになっている。
【００２８】
次に、前記カット治具１４は、例えばアルミ等の金属からなり、図５に示すように、円形の頭部１４ａと、その頭部１４ａから下方に延びる棒状部１４ｂと、その棒状部１４ｂの下端部に設けられた薄肉な円筒状のカッタ部１４ｃとを一体に有して構成されている。前記カッタ部１４ｃの先端（下端）は、外周側がテーパ面状に削られた断面が鋭利に尖った刃先部とされている。また、このカッタ部１４ｃには、その下端（刃先部）から上方に延びて４本の切込溝部１４ｄが９０度間隔で形成されている。
【００２９】
このとき、カッタ部１４ｃの刃先部の角度Ｇは、２０〜３０度の範囲内この場合２０度とされている。そして、前記カッタ部１４ｃの内径寸法Ｊは、前記金属ハウジング１１のポート部１１ｂの先端部の直径寸法Ｉ（１５．６ｍｍΦ）よりも若干大きく構成され、例えば１６．０ｍｍΦとされている。また、前記各切込溝部１４ｄは、例えば０．５ｍｍの幅寸法で形成され、この切込溝部１４ｄの幅寸法が縮まることにより、刃先部が縮径可能とされている。尚、カッタ部１４ｃの外径寸法Ｋは、例えば２０．０ｍｍΦとされている。
【００３０】
次に、上記のように構成されたコーティング用治具を用いた、金属ハウジング１１のコーティング部に対する本実施例に係るコーティング方法について、図３も参照して述べる。図３は、金属ハウジング１１のコーティング部に対するコーティングの作業手順を示している。尚、この図３では、便宜上、マスキング治具１３の底蓋１８の図示を省略している。
【００３１】
ここでは、まず図３（ａ）に示すように、金属ハウジング１１をマスキング治具１３にセットする（固定部材１５に保持させる）工程が実行される。この工程では、マスキング治具１３のうち、底蓋１８を固定部材１５から取外しておくと共に、押え部材１７を取付けるねじ２２を緩めておく（あるいは押え部材１７を固定部材１５から取外しておく）。これにより、固定部材１５の凹部２０ｂにセットされているパッキン１６は、圧縮力を受けることなく変形のない状態とされている。
【００３２】
その状態で、金属ハウジング１１は、固定部材１５の仕切り板部２０に対して下方から差込まれ、ねじ部１１ｃを雌ねじ部２０ａにねじ込むことにより、固定部材１５に固定的に保持されるようになる。ねじ部１１ｃを一杯までねじ込むことにより、金属ハウジング１１のポート部１１ｂの先端部が円形穴１６ａ内に下方から挿入され、これにて、パッキン１６の先端部が、金属ハウジング１１のコーティング部と非コーティング部との境界部ｂの該非コーティング部側に沿って配置されるようになる。また、このときには、パッキン１６の内径は、金属ハウジング１１の先端部の外径よりも大きくなっており、それらの間にクリアランスが設けられている。
【００３３】
次いで、固定部材１５に底蓋１８が取付けられる工程が実行され、これにて、図１に示すように、金属ハウジング１１の主部１１ａが、仕切板部２０の下面側と底蓋１８との間の空間部に収容されるようになる。そして、図３（ｂ）に示すように、押え部材１７を固定部材１５に取付ける（ねじ２２を締付ける）ことにより、パッキン１６の先端部を、金属ハウジング１１の表面の境界部ｂの非コーティング側に密着させる工程が実行される。
【００３４】
このとき、上述のように、パッキン１６に上下方向に押圧力が加えられることによって内径が縮まるように変形し、パッキン１６の先端部が金属ハウジング１１の表面に密着されるようになるのである。この場合、パッキン１６の基端側（外周側）を肉厚とし、先端部を先細りのテーパ状に構成することにより、パッキン１６の十分な変形量を確保することができ、パッキン１６の変形前における金属ハウジング１１のセットの作業を容易としながらも、マスキング時におけるパッキン１６先端部の密着性（シール性）を高めることができる。
【００３５】
これにて、金属ハウジング１１に対するマスキングが完了し、境界部ｂの上部のコーティング部のみが外部に露出し、それ以外の部分つまり非コーティング部がマスキング治具１３内に密封されるようになるのである。この後、図３（ｃ）に示すように、金属ハウジング１１のコーティング部に対する樹脂コーティングの工程が実行される。
【００３６】
この樹脂コーティングの工程は、例えばポリパラキシリレン樹脂を用いた化学蒸着（ＣＶＤ）法により行なわれる。これにて、金属ハウジング１１のコーティング部の表面に、ポリパラキシリレン樹脂からなるコーティング層１２が形成されるようになる。このとき、金属ハウジング１１の表面の境界部ｂの非コーティング側にパッキン１６が密着しているので、境界部ｂよりも下方に樹脂が付着することはなく、また、マスキング治具１３の下面側は、底蓋１８及びＯリング２１により密封されているので、マスキング治具１３の内部（非コーティング部側）に樹脂が侵入することもない。
【００３７】
しかして、図３（ｃ）に示すように、上記コーティング層１２は、金属ハウジング１１の表面のコーティング部だけでなく、パッキン１６の表面（テーパ面１６ｂ）や押え部材１７の表面にまでも連続した状態で形成されている。このため、このままでマスキング治具１３から金属ハウジング１１を外そうとすると、コーティング層１２の剥れが生ずることになる。そこで、本実施例では、図３（ｄ）及び（ｅ）に示すように、上記カット治具１４を用いてコーティング層１２を境界部ｂにて切断する工程が実行される。
【００３８】
この切断の工程では、まず図３（ｄ）に示すように、前記カット治具１４を、その先端部（カッタ部１４ｃ）が金属ハウジング１１の上端部に被さるように、下方に嵌挿していくことが行なわれる。この時点では、カッタ部１４ｃの内径寸法Ｊが、金属ハウジング１１のポート部１１ｂの先端部の直径寸法Ｉよりも大きいので、刃先部がコーティング層１２に押当たることはなく、切断は未だ行なわれない。
【００３９】
この状態から、カット治具１４が押込まれて行くと、図１に示すように、カッタ部１４ｃの刃先部がパッキン１６の先端部に当接するようになる。さらにカッタ部１４ｃが押込まれると、図３（ｅ）に示すように、カッタ部１４ｃが切込溝部１４ｄの存在によって縮径しながら、その刃先部が、パッキン１６の先端部と金属ハウジング１１の表面との間に差込まれていくようになり、その部分つまり境界部ｂにてコーティング層１２に押当てられて切断するようになるのである。このとき、コーティング層１２を切断する作業を、コーティング層１２を傷付けることなく（切断端部にささくれや引きつり等が生ずることなく）良好且つ確実に行なうことができた。
【００４０】
またこの場合、切断時にパッキン１６の先端部がカッタ部１４ｃの外面（テーパ面）により下方への押圧力を受けるが、パッキン１６の先端部の下面側に段差部１６ｃが設けられていることにより、パッキン１６の先端部の逃げ方向（下方）の変形が容易となり、パッキン１６の先端部が切断作業の障害となることなく、刃先部が奥まで入り込んでコーティング層１２の切断を確実に行なうことができるのである。
【００４１】
この切断の工程の後、金属ハウジング１１をマスキング治具１３から取外す工程が行なわれる。この工程は、図３（ｆ）に示すように、押え部材１７を取付けるねじ２２を緩めることによってパッキン１６の圧縮力を解除し、これと共に、底蓋１８を固定部材１５から取外し、金属ハウジング１１のねじ部１１ｃを雌ねじ部２０ａから螺退させることにより行なうことができる。このときも、パッキン１６の先端部と金属ハウジング１１との間には、クリアランスが設けられているので、スムーズに取外しを行なうことができる。
【００４２】
このように本実施例によれば、金属ハウジング１１の表面に部分的にコーティングを行なうにあたり、コーティング部と非コーティング部との境界部ｂに沿ってパッキン１６を密着させることによってマスキングを行なう構成としたので、マスキングテープ２で非コーティング部全体をマスキングするようにしていた従来と異なり、非コーティング部が大きかったり複雑な形状であったりしても、マスキング作業が容易に行えるようになり、作業性の大幅な向上を図ることができた。また、マスキングテープ２を使用しないので、金属ハウジング１１の表面に接着剤残りが発生することもない。
【００４３】
そして、本実施例では、金属ハウジング１１の表面に対するコーティングを実行した後、カット治具１４を用いて境界部ｂにてコーティング層１２を切断する工程を実行するようにしたので、境界部ｂにおけるコーティング層１２の剥れを防止することができることは勿論、樹脂コーティング層１２を傷付けない（切断端部にささくれや引きつり等の生じない）ように綺麗に切断することができたのである。
【００４４】
また、特に本実施例では、パッキン１６の弾性変形を利用してマスキングを行なうようにし、そのパッキン１６に関して、その先端部を先細りのテーパ状としたり、先端部に段差部１６ｃを形成したりする等の、パッキン１６の硬度や形状、各部の寸法などに工夫を施し、更には、カット治具１４の刃先部の角度Ｇを２０度とする等の工夫を施したことにより、シール性（金属ハウジング１１の表面に対する密着性）や、カット治具１４による切断性などを良好とすることができたのである。
【００４５】
ちなみに、本発明者等は、パッキンについて、その先端部（内径部）の断面形状や各部の寸法、硬度などについて、様々に変化させたものを試作し、また、カット治具について、その刃先部の角度を変化させたものについて、シール性及び切断性を調べる試験を行なった。その結果を、図６に示す。図中、評価の欄では、○は良好、×は不良、−は評価不能（評価せず）を示している。尚、上記実施例に示したパッキン１６は、Ｎｏ．８に相当している。
【００４６】
この結果からも理解できるように、パッキンについては、適当な形状と、適当な硬度（５０°）、内径寸法Ａ（１５．９ｍｍ）、厚み寸法Ｂ（２．５〜２．９ｍｍ）言い換えればつぶし代（０．２〜０．６ｍｍ）、段差部１６ｃの高さ寸法Ｃ（０．３〜０．７ｍｍ）を有することにより、シール性を良好とすることができる。また、カット治具の材質としては金属性が良く、特にアルミ製が適している。その刃先部の角度としては、２０〜３０度が適当である。上記実施例で示したパッキン１６及びカット治具１４については、総合的な評価が最も良いものであった。
【００４７】
図７は、本発明の他の実施例を示すものであり、一度に多数個の物品（例えば圧力センサの金属ハウジング）に対してその表面にコーティングを行なうことが可能なマスキング治具３１の構成を示している。このマスキング治具３１は、やはり、物品を固定的に保持する固定部材３２、この固定部材３２にセットされ物品の表面のコーティング部と非コーティング部との境界部の該非コーティング部側に沿って配置されるパッキン３３、固定部材３２に取付けられ前記パッキン３３に押圧力を加えて変形させることにより物品の表面に密着させる押え部材３４、前記固定部材３２の下面側を閉塞する底蓋（図示せず）等を備えて構成されている。
【００４８】
前記固定部材３２は、下面が開口した円筒容器状をなし、その上壁部には、物品が保持される多数個のねじ孔３２ａが形成されている。そして、各ねじ孔３２ａの上部周縁部に、リング状のパッキン３３が配置されるようになっている。前記押え部材３４は、円板状をなし、その板面には、前記各ねじ孔３２ａに対応して、物品のコーティング部を露出させるための孔３４ａが形成されている。詳しく図示はしないが、押え部材３４は、固定部材３２の上面に例えばねじ止めにより取付けられ、これによってパッキン３３を上下に圧縮させて内径を縮めるように変形させ、パッキン３３の先端部（内径部）を物品の表面（境界部）に密着させるようになっている。
【００４９】
これにより、上記実施例と同様の作用効果を得ることができると共に、多数個の物品に対し、一度にマスキングひいてはコーティングの作業を行なうことができ、作業効率をより一層向上させることができるものである。
【００５０】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば、物品としては圧力センサの金属ハウジングに限らず、各種の物品に本発明を適用することができる。この場合、物品の形状としても円筒状に限らず、その形状に合わせたパッキンを用いるようにすることにより、様々な外形形状のものに適用が可能である。また、固定部材に対する押え部材の取付け方法としても、ねじ止めに限らず、クランプを使用したいわゆるパッチン止め等、各種の取付け方法を採用することが可能である。
【００５１】
さらには、上記実施例で示したパッキン１６等の各部の寸法も、あくまでも一例を示したに過ぎず、さらには、コーティングの材料としても、ポリパラキシリレン樹脂に限らず、他の樹脂はもとより、金属、セラミック、塗料などのコーティングにも適用することができる。その他、マスキング治具やカット治具の構成などについても種々の変形が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で、適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示すもので、マスキング治具に金属ハウジングをセットした様子を示す縦断正面図
【図２】金属ハウジングの外形を示す図
【図３】コーティングの工程を順に示す図
【図４】パッキンの縦断正面図
【図５】カット治具の外観を示す正面図（ａ）及びカッタ部の拡大縦断面図（ｂ）
【図６】パッキンの先端部の様々な形状における評価結果を示す図
【図７】本発明の他の実施例を示すマスキング治具の平面図
【図８】従来例を示すものでマスキングの様子を示す図
【符号の説明】
図面中、１１は金属ハウジング（物品）、１２はコーティング層、１３，３１はマスキング治具、１４はカット治具、１４ｃはカット部、１４ｄは切込溝部、１５，３２は固定部材、１６，３３はパッキン、１６ｂはテーパ面、１６ｃは段差部、１７，３４は押え部材、１８は底蓋、ｂは境界部を示す。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating method and a coating jig for partially coating the surface of an article.
[0002]
[Prior art]
For example, an automobile pressure sensor includes a metal housing 1 having a shape as shown in FIG. The metal housing 1 integrally has a small-diameter port portion 1b on the upper portion of a somewhat large-diameter cylindrical main portion 1a, and a mounting thread portion is provided on the base end side of the port portion 1b. 1c is formed. In this case, at the time of use, the distal end portion (portion above the screw portion 1c in the figure) of the port portion 1b of the metal housing 1 is exposed to a corrosive environment, so that a resin coating is applied to improve corrosion resistance. It is supposed to be.
[0003]
In this case, the resin coating is performed by, for example, a chemical vapor deposition (CVD) method using a polyparaxylylene resin. At this time, conventionally, in general, the masking tape 2 (single-sided) is generally applied to the entire portion where the resin coating is not performed. (A flexible tape made of plastic coated with an adhesive) is applied and masked, resin coating is performed in this masked state, and then the masking tape 2 is peeled off.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-described masking using the masking tape 2 has a drawback that the work efficiency is low and the work is extremely troublesome when there are many masking portions or when the shape of the masking portion is complicated. Further, when the masking tape 2 is peeled off, there is a problem that an adhesive residue may be left on the screw portion 1c or the like.
[0005]
Since the resin coating is applied over the surface of the masking tape 2, if the masking tape 2 is peeled off without being cut after the resin coating, the resin coating layer may peel off. is there. Therefore, after the resin coating, it is necessary to cut the resin coating layer at the edge portion (boundary portion) of the masking tape 2. At this time, the resin coating layer is not damaged (no swelling or pulling is caused). It is desirable to cut it neatly.
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a coating method and a coating jig capable of improving workability when partially coating the surface of an article. is there.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the coating method of the present invention, when partially coating the surface of the article, arranging packing along the uncoated portion side of the boundary between the coated portion and the uncoated portion, The present invention is characterized in that the packing is deformed by applying a pressing force so that the packing is brought into close contact with the surface of the article to mask the uncoated portion (the invention of claim 1).
[0008]
According to this, the masking is performed by bringing the packing into close contact along the boundary between the coated part and the non-coated part. Therefore, even if the non-coated part is large or has a complicated shape, the packing is performed. Need only correspond to the shape of the boundary. Therefore, the masking operation can be easily performed, and the workability can be significantly improved as compared with the case where the entire non-coated portion is masked with the masking tape. In addition, since no masking tape is used, no adhesive residue is generated.
[0009]
At this time, it is desirable to execute a step of cutting the coating layer at the boundary after the coating is performed (the invention of claim 2), whereby the coating layer at the boundary at the time of canceling masking by packing is removed. Peeling can be prevented.
[0010]
The coating jig of the present invention has a masking jig for masking an uncoated portion in the above-described coating method, and the masking jig is provided with a fixing member for fixedly holding an article. The present invention is characterized in that it comprises a packing set on a fixing member, and a pressing member attached to the fixing member and applying a pressing force to the packing to deform the packing so as to make close contact with the surface of the article. invention).
[0011]
According to this, when the packing is deformed by the pressing member, the packing is brought into close contact with the article held by the fixing member along the boundary between the coated portion and the non-coated portion, and masking is performed. Therefore, even if the uncoated portion is large or has a complicated shape, the masking work can be easily performed because the packing only needs to correspond to the shape of the boundary portion, and the uncoated portion is masked with the masking tape. Workability can be greatly improved as compared with the case of masking the whole.
[0012]
At this time, the tip portion of the packing that is in close contact with the surface of the article can be configured to have a tapered shape (the invention of claim 4). The amount of deformation can be ensured, and the work of setting before packing deformation can be facilitated, but the adhesion of the packing tip to the surface of the article during deformation, ie, masking, can be increased.
[0013]
Further, in the coating jig of the present invention, in addition to the masking jig described above, a cutting jig for cutting the coating layer at a boundary portion between the coated portion and the non-coated portion on the surface of the article at a time (The invention of claim 5). According to this, after coating is performed, a step of cutting the coating layer at the boundary can be performed, and peeling of the coating layer at the boundary when masking is released can be prevented.
[0014]
In this case, according to the study of the present inventors, the work of cutting the coating layer at the boundary portion can be performed favorably and reliably by setting the angle of the cutting edge of the cutting jig to 20 to 30 degrees. (Invention of claim 6). Furthermore, by providing a step at the tip of the packing to facilitate deformation of the tip of the packing in the escape direction when cutting with a cutting jig, the tip of the packing does not hinder the cutting operation. In addition, the coating layer can be reliably cut (the invention of claim 7).
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In this embodiment, as shown in FIG. 2, a specific example is given in which a metal housing 11 of an automobile pressure sensor as an article is coated. Although detailed illustration and description are omitted, the metal housing 11 is made of, for example, low carbon steel, and has a small-diameter cylindrical port portion 11b integrally formed above a main portion 11a having a somewhat large-diameter cylindrical shape. At the base end side of the port portion 11b, a screw portion 11c for attachment is formed.
[0016]
In this case, since the tip of the port portion 11b of the metal housing 11 is exposed to a corrosive environment during use, the surface thereof is coated with a resin coating made of, for example, polyparaxylylene resin to improve the corrosion resistance. 12) is performed. The coating layer 12 has a thickness of, for example, 3 μm.
[0017]
This resin coating is performed only on the upper side of the boundary portion b at the height position (slightly higher than the screw portion 11c in the figure) shown by the thin line in FIG. Therefore, the upper part of the boundary part b is a coating part, and the lower part of the boundary part b is a non-coating part. In this embodiment, the diameter I of the distal end of the port 11b of the metal housing 11 is 15.6 mmΦ.
[0018]
When the metal housing 11 is coated, a coating method according to the present embodiment is employed as described later. In order to execute the coating method, the coating method according to the present embodiment is used. A jig is used. The coating jig includes a masking jig 13 (see FIG. 1 and the like) for masking the uncoated portion and a cutting jig 14 (see FIG. 1) for cutting the coating layer 12 at the boundary portion b after coating. 5 etc.). Hereinafter, this coating jig will be described.
[0019]
First, as shown in FIG. 1, the masking jig 13 includes a fixing member 15 for fixedly holding the metal housing 11, and the non-coating of the boundary b on the surface of the metal housing 11 set on the fixing member 15. Packing 16 arranged along the side of the fixing member, a pressing member 17 attached to the upper surface of the fixing member 15 to apply a pressing force to the packing 16 to deform the packing 16, a bottom cover 18 attached to the lower surface of the fixing member 15, and the like. It comprises.
[0020]
The fixing member 15 is made of, for example, a metal such as aluminum and has a circular shape as a whole, and has a thick ring-shaped base portion 19 located on its outer peripheral side and a thin partition plate portion 20 located on its inner peripheral side. And are integrally provided. On the upper surface of the base portion 19, screw holes 19a for mounting the holding member 17 are formed at a plurality of positions on the outer peripheral side. , A screw hole 19b for mounting the bottom cover 18 is formed, and a groove 19c for accommodating the O-ring 21 is formed in a ring shape on the inner peripheral side.
[0021]
At the center of the partition plate portion 20, a female screw portion 20a into which the screw portion 11c of the metal housing 11 is screwed is formed vertically. The upper surface of the partition plate portion 20 is formed as a circular recess 20b in which the packing 16 is set. The depth H of the recess 20b is, for example, 2.3 mm. The lower surface of the partition plate portion 20 is a space in which the main portion 11a of the metal housing 11 can be accommodated.
[0022]
The packing 16 is made of an elastically deformable material, for example, urethane rubber, and has a ring-shaped thin plate shape having a circular hole 16a at the center as shown in FIG. In this case, the outer diameter A of the packing 16 is equal to the inner diameter of the concave portion 20b of the fixing member 15, and the thickness B (thickness on the outer peripheral side) is slightly larger than the depth H of the concave 20b. It is configured.
[0023]
In addition, a tapered surface 16b that tapers toward the peripheral portion of the circular hole 16a is formed on the inner peripheral side portion of the upper surface of the packing 16, so that the tip that is in close contact with the surface of the metal housing 11 is tapered. It is tapered. Further, on the lower surface side of the packing 16, a step 16c is formed at the peripheral edge of the circular hole 16a, and the tip of the packing 16 is made thinner by that amount.
[0024]
In this embodiment, as shown in FIG. 4, the diameter E of the packing 16 (equal to the inner diameter of the recess 20b of the fixing member 15) is, for example, 30 mmΦ, and the thickness B is, for example, 2. The diameter (inner diameter) A of the circular hole 16a is, for example, 15.9 mmΦ, the height C of the step 16c is, for example, 0.7 mm, and the diameter D of the step 16c is, For example, it is 18 mmΦ. Further, the hardness F of the packing 16 is, for example, 50 °.
[0025]
As shown in FIG. 1 and the like, the holding member 17 is made of, for example, a metal such as aluminum and has a ring-shaped thin plate shape having an outer diameter equivalent to that of the fixing member 15 and having a circular hole 17a in the center. Have been. A plurality of screw insertion holes 17b corresponding to the screw holes 19a are formed on the outer peripheral side of the holding member 17. When the holding member 17 is placed on the upper surface of the base portion 19 of the fixing member 15, the screw 22 is tightened into the screw hole 19 a through the screw insertion hole 17 b so that the holding member 17 is detachable from the fixing member 15. It can be attached to.
[0026]
At this time, as described later in the process description, the holding member 17 is attached to the fixing member 15 (the screw 22 is tightened) with the packing 16 set in the recess 20b of the fixing member 15, whereby A pressing force is applied to the packing 16 in the vertical direction so that the packing 16 is deformed so as to reduce its inner diameter, so that the tip of the packing 16 comes into close contact with the surface of the metal housing 11 (the uncoated side of the boundary portion b). It is.
[0027]
The bottom cover 18 is also formed of a metal such as aluminum and has a disk shape having an outer diameter equivalent to that of the fixing member 15, and a plurality of screw insertion holes corresponding to the screw holes 19b are formed on the outer peripheral side thereof. 18a are formed. The bottom cover 18 is detachable from the fixing member 15 by being screwed into the screw hole 19b through the screw insertion hole 18a in a state where the bottom cover 18 is addressed to the lower surface of the base portion 19 of the fixing member 15. , So that the opening on the lower surface side of the fixing member 15 is airtightly closed.
[0028]
Next, as shown in FIG. 5, the cutting jig 14 is made of metal such as aluminum, and has a circular head 14a, a rod 14b extending downward from the head 14a, and a rod 14b. It is configured to integrally have a thin cylindrical cutter portion 14c provided at a lower end portion. The distal end (lower end) of the cutter portion 14c is a blade edge portion whose outer peripheral side is cut into a tapered surface and whose cross section is sharp. The cutter portion 14c has four cut grooves 14d extending upward from the lower end (blade edge) at 90-degree intervals.
[0029]
At this time, the angle G of the cutting edge of the cutter portion 14c is set to 20 degrees in this case within a range of 20 to 30 degrees. The inner diameter J of the cutter portion 14c is slightly larger than the diameter I (15.6 mmΦ) of the tip of the port portion 11b of the metal housing 11, and is, for example, 16.0 mmΦ. Each of the cut grooves 14d is formed, for example, with a width of 0.5 mm, and the diameter of the cutting edge can be reduced by reducing the width of the cut grooves 14d. The outer diameter K of the cutter portion 14c is, for example, 20.0 mmΦ.
[0030]
Next, a method of coating the coating portion of the metal housing 11 according to the present embodiment using the coating jig configured as described above will be described with reference to FIG. FIG. 3 shows an operation procedure for coating the coating portion of the metal housing 11. 3, the illustration of the bottom cover 18 of the masking jig 13 is omitted for convenience.
[0031]
Here, first, as shown in FIG. 3A, a step of setting the metal housing 11 on the masking jig 13 (holding the metal housing 11 on the fixing member 15) is executed. In this step, the bottom cover 18 of the masking jig 13 is removed from the fixing member 15 and the screw 22 for attaching the pressing member 17 is loosened (or the pressing member 17 is removed from the fixing member 15). As a result, the packing 16 set in the concave portion 20b of the fixing member 15 is in a state where it is not deformed without receiving a compressive force.
[0032]
In this state, the metal housing 11 is inserted from below into the partition plate portion 20 of the fixing member 15, and the screw portion 11c is screwed into the female screw portion 20a so as to be fixedly held by the fixing member 15. Become. By fully screwing the screw portion 11c, the distal end of the port portion 11b of the metal housing 11 is inserted from below into the circular hole 16a, so that the distal end of the packing 16 is not in contact with the coating portion of the metal housing 11. It is arranged along the uncoated portion side of the boundary portion b with the coated portion. At this time, the inner diameter of the packing 16 is larger than the outer diameter of the tip of the metal housing 11, and a clearance is provided between them.
[0033]
Next, a step of attaching the bottom cover 18 to the fixing member 15 is performed, whereby the main portion 11a of the metal housing 11 is connected to the lower surface side of the partition plate portion 20 and the bottom cover 18 as shown in FIG. It will be accommodated in the space between them. Then, as shown in FIG. 3B, by attaching the holding member 17 to the fixing member 15 (tightening the screw 22), the tip of the packing 16 is moved to the non-coating side of the boundary part b on the surface of the metal housing 11. Is carried out.
[0034]
At this time, as described above, the pressing force is applied to the packing 16 in the up-down direction, so that the inner diameter of the packing 16 is deformed so as to be reduced, and the tip of the packing 16 comes into close contact with the surface of the metal housing 11. In this case, a sufficient amount of deformation of the packing 16 can be secured by forming the base end side (outer peripheral side) of the packing 16 to be thick and the tip end portion to be tapered, so that the packing 16 is not deformed. In this case, the work of setting the metal housing 11 can be facilitated, but the adhesion (sealability) of the tip of the packing 16 during masking can be improved.
[0035]
As a result, the masking of the metal housing 11 is completed, and only the coating portion above the boundary portion b is exposed to the outside, and the other portion, that is, the non-coating portion, is sealed in the masking jig 13. is there. Thereafter, as shown in FIG. 3C, a step of resin coating on the coating portion of the metal housing 11 is performed.
[0036]
This resin coating step is performed, for example, by a chemical vapor deposition (CVD) method using a polyparaxylylene resin. Thus, the coating layer 12 made of polyparaxylylene resin is formed on the surface of the coating portion of the metal housing 11. At this time, since the packing 16 is in close contact with the non-coating side of the boundary portion b on the surface of the metal housing 11, the resin does not adhere below the boundary portion b and the lower surface side of the masking jig 13. Is sealed by the bottom cover 18 and the O-ring 21, so that the resin does not enter the inside of the masking jig 13 (the non-coating portion side).
[0037]
Thus, as shown in FIG. 3C, the coating layer 12 is continuous not only on the coating portion on the surface of the metal housing 11 but also on the surface of the packing 16 (tapered surface 16 b) and the surface of the holding member 17. It is formed in the state where it was done. Therefore, if the metal housing 11 is detached from the masking jig 13 as it is, the coating layer 12 will peel off. Therefore, in the present embodiment, as shown in FIGS. 3D and 3E, a step of cutting the coating layer 12 at the boundary portion b using the cutting jig 14 is executed.
[0038]
In this cutting step, first, as shown in FIG. 3D, the cutting jig 14 is inserted downward so that the tip (cutter portion 14c) covers the upper end of the metal housing 11. Is done. At this time, since the inner diameter dimension J of the cutter part 14c is larger than the diameter dimension I of the tip part of the port part 11b of the metal housing 11, the cutting edge does not press against the coating layer 12, and the cutting is still performed. Absent.
[0039]
When the cutting jig 14 is pushed in from this state, the cutting edge of the cutter 14c comes into contact with the tip of the packing 16 as shown in FIG. When the cutter portion 14c is further pushed in, as shown in FIG. 3 (e), the cutter portion 14c is reduced in diameter by the presence of the cut groove portion 14d, and the cutting edge portion is brought into contact with the tip end of the packing 16 and the metal housing 11. At the surface, that is, at the boundary portion b, and is pressed against the coating layer 12 to be cut. At this time, the operation of cutting the coating layer 12 was able to be performed favorably and reliably without damaging the coating layer 12 (without squeezing or pulling at the cut end).
[0040]
In this case, the tip of the packing 16 receives a downward pressing force due to the outer surface (tapered surface) of the cutter portion 14c at the time of cutting, but the step 16c is provided on the lower surface side of the tip of the packing 16. In addition, the tip of the packing 16 can be easily deformed in the escape direction (downward), and the tip of the packing 16 does not hinder the cutting operation, and the cutting edge portion goes into the back to reliably cut the coating layer 12. You can do it.
[0041]
After this cutting step, a step of removing the metal housing 11 from the masking jig 13 is performed. In this step, as shown in FIG. 3 (f), the compressive force of the packing 16 is released by loosening the screw 22 for attaching the holding member 17, and at the same time, the bottom cover 18 is removed from the fixing member 15, and the metal housing 11 is removed. Can be performed by screwing off the threaded portion 11c from the female threaded portion 20a. Also at this time, clearance is provided between the tip of the packing 16 and the metal housing 11, so that the removal can be performed smoothly.
[0042]
As described above, according to the present embodiment, when coating is partially performed on the surface of the metal housing 11, masking is performed by bringing the packing 16 into close contact with the boundary portion b between the coating portion and the non-coating portion. Therefore, unlike the conventional method in which the entire non-coated portion is masked with the masking tape 2, the masking operation can be easily performed even if the non-coated portion is large or has a complicated shape. Could be greatly improved. Further, since the masking tape 2 is not used, no adhesive remains on the surface of the metal housing 11.
[0043]
In the present embodiment, after the coating on the surface of the metal housing 11 is performed, the step of cutting the coating layer 12 at the boundary portion b using the cutting jig 14 is performed. Not only can the coating layer 12 be prevented from peeling off, but also the resin coating layer 12 can be cut neatly so as not to damage the cut end (no cut-off, pulling or the like occurs at the cut end).
[0044]
Further, in the present embodiment, in particular, the masking is performed by utilizing the elastic deformation of the packing 16, and the tip of the packing 16 is tapered or a step 16 c is formed at the tip. And the like, the hardness and shape of the packing 16, dimensions of each part, and the like are further improved, and further, the angle G of the cutting edge of the cutting jig 14 is set to 20 degrees. Thus, good adhesion to the surface of the housing 11) and cutability by the cutting jig 14 were achieved.
[0045]
By the way, the present inventors prototyped the packing with various changes in the cross-sectional shape of the tip portion (inner diameter portion), the dimensions of each portion, the hardness, and the like, and the cutting edge of the cutting jig. A test was conducted for examining the sealability and the cuttability of the specimens having different angles. The result is shown in FIG. In the figure, in the column of evaluation, ○ indicates good, × indicates bad, and-indicates unevaluable (not evaluated). In addition, the packing 16 shown in the above-mentioned embodiment is No. Eight.
[0046]
As can be understood from these results, the packing was formed with an appropriate shape, an appropriate hardness (50 °), an inner diameter dimension A (15.9 mm), and a thickness dimension B (2.5 to 2.9 mm). By having a margin (0.2 to 0.6 mm) and a height dimension C (0.3 to 0.7 mm) of the step portion 16c, it is possible to improve the sealing performance. Further, the material of the cutting jig has good metallic properties, and aluminum is particularly suitable. An appropriate angle of the cutting edge is 20 to 30 degrees. The overall evaluation of the packing 16 and the cutting jig 14 shown in the above embodiment was the best.
[0047]
FIG. 7 shows another embodiment of the present invention, in which the configuration of a masking jig 31 capable of coating the surface of a large number of articles (for example, a metal housing of a pressure sensor) at one time. Is shown. The masking jig 31 is also provided with a fixing member 32 for holding the article in a fixed manner, and set along the fixing member 32 and arranged along the non-coating section side of the boundary between the coating section and the non-coating section on the surface of the article. A packing member 33 attached to the fixing member 32, a pressing member 34 for applying a pressing force to the packing member 33 and deforming the packing member 33 so as to make close contact with the surface of the article, and a bottom cover (not shown) for closing the lower surface side of the fixing member 32. ) And the like.
[0048]
The fixing member 32 has a cylindrical container shape with an open lower surface, and has an upper wall formed with a number of screw holes 32a for holding articles. A ring-shaped packing 33 is arranged on the upper peripheral portion of each screw hole 32a. The holding member 34 has a disk shape, and has a plate surface formed with holes 34a for exposing the coating portion of the article corresponding to the screw holes 32a. Although not shown in detail, the holding member 34 is attached to the upper surface of the fixing member 32 by, for example, screwing, thereby compressing the packing 33 up and down and deforming so as to reduce the inner diameter. ) Is brought into close contact with the surface (boundary) of the article.
[0049]
Accordingly, the same operation and effect as those of the above embodiment can be obtained, and at the same time, a large number of articles can be masked and thus coated at a time, and the working efficiency can be further improved. is there.
[0050]
Note that the present invention is not limited to the above-described embodiment. For example, the present invention is not limited to the metal housing of the pressure sensor, but can be applied to various kinds of articles. In this case, the shape of the article is not limited to the cylindrical shape, but can be applied to various external shapes by using a packing according to the shape. Also, the method of attaching the pressing member to the fixing member is not limited to screwing, and various attaching methods such as so-called patching using a clamp can be adopted.
[0051]
Furthermore, the dimensions of each part of the packing 16 and the like shown in the above-described embodiment are merely examples, and the coating material is not limited to polyparaxylylene resin, but may be other resins. It can also be applied to coatings of metals, ceramics, paints and the like. In addition, various modifications can be made to the configuration of the masking jig and the cutting jig, and the present invention can be appropriately modified and implemented without departing from the gist.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an embodiment of the present invention, and is a longitudinal sectional front view showing a state where a metal housing is set on a masking jig.
FIG. 2 is a diagram showing an outer shape of a metal housing.
FIG. 3 is a view sequentially showing a coating process.
FIG. 4 is a longitudinal sectional front view of the packing.
5A is a front view showing the appearance of the cutting jig, and FIG. 5B is an enlarged vertical sectional view of a cutter portion.
FIG. 6 is a diagram showing evaluation results of various shapes of the tip portion of the packing.
FIG. 7 is a plan view of a masking jig showing another embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing a conventional example and showing a state of masking.
[Explanation of symbols]
In the drawings, 11 is a metal housing (article), 12 is a coating layer, 13 and 31 are masking jigs, 14 is a cutting jig, 14c is a cut portion, 14d is a cut groove, 15, 32 is a fixing member, and 16, 33 is a packing, 16b is a tapered surface, 16c is a step portion, 17 and 34 are holding members, 18 is a bottom cover, and b is a boundary portion.

Claims

A coating method for partially coating the surface of an article,
A packing is arranged along the uncoated portion side of the boundary between the coated portion and the uncoated portion on the surface of the article,
By applying a pressing force to the packing and deforming it, the masking of the non-coated portion is performed in close contact with the surface of the article,
A coating method for coating the coating portion in the masking state.

The coating method according to claim 1, wherein after performing the coating, a step of cutting the coating layer at the boundary portion is performed.

A coating jig used for performing the coating method according to claim 1 or 2,
Having a masking jig for masking the uncoated portion,
This masking jig is
A fixing member for fixedly holding the article,
Packing set on the fixing member and arranged along the uncoated portion side of the boundary between the coated portion and the uncoated portion on the surface of the article;
A jig for coating, comprising: a pressing member attached to the fixing member and deforming the packing by applying a pressing force to the surface of the article.

The coating jig according to claim 3, wherein a tip portion of the packing, which is in close contact with the surface of the article, has a tapered shape.

The coating jig according to claim 3 or 4, further comprising a cutting jig for cutting the coating layer at a boundary portion between the coated portion and the non-coated portion on the surface of the article.

The coating jig according to claim 5, wherein the angle of the cutting edge of the cutting jig is 20 to 30 degrees.

7. A step portion for facilitating deformation of the tip portion of the packing in a relief direction at the time of cutting by the cutting jig is provided at a tip portion of the packing. Jig for coating.