JP2004290074A - 無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター - Google Patents

無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター Download PDF

Info

Publication number
JP2004290074A
JP2004290074A JP2003086578A JP2003086578A JP2004290074A JP 2004290074 A JP2004290074 A JP 2004290074A JP 2003086578 A JP2003086578 A JP 2003086578A JP 2003086578 A JP2003086578 A JP 2003086578A JP 2004290074 A JP2004290074 A JP 2004290074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
compressed air
spraying
helicopter
spraying device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003086578A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Tsutaki
武男 蔦木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003086578A priority Critical patent/JP2004290074A/ja
Publication of JP2004290074A publication Critical patent/JP2004290074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sowing (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Special Spraying Apparatus (AREA)
  • Nozzles (AREA)

Abstract

【課題】飛行時のダウンウォッシュに伴い発生する大気速度の変化による影響を受け難く、有効散布幅の減少を防ぎ、それにより散布効果を高めることのできる、無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターを提供すること。
【解決手段】散布物を後記吹き付け処理部60に供給するための散布物供給部50と、該散布物供給部50から供給された散布物に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部60とを備え、該吹き付け処理部60は、ヘリコプター機体に設けられた圧縮空気発生手段66と、該圧縮空気発生手段66において発生した圧縮空気を外部に吹き出すための圧縮空気ダクト67とからなる、無人ヘリコプター用散布装置100とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターに関し、特に農業分野において、散布される液体や固体の散布範囲・散布方向・散布位置・散布量などの散布状態を適切に維持し、効果的かつ効率的な散布を行うことのできる、無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターに関する。
【0002】
【従来の技術】
無人ヘリコプターに散布装置を取り付け(無人ヘリコプター、散布装置のいずれも、社団法人農林水産航空協会(以下、「農水協」と略す。)の認可による。)、稲、麦、大豆を始めとした農作物に対し、殺菌殺虫といった防除作業を行なうことが、従来からなされている。また、このような農薬散布作業だけではなく、播種作業にも無人ヘリコプターによる散布が利用されている。液体(液剤)噴霧・散布技術、固体散布技術の現状は、以下のとおりである。なお、機体総重量が100kg未満の、いわゆるI種の無人ヘリコプターを主として述べる。
【0003】
(a)現行の液剤噴霧・散布装置は、一般的な絞り弁式のノズル式と、MDディスク状の円盤を数枚重ね合わせたものを高速回転させて遠心力により液剤を噴霧するアトマイザー式があり、それぞれの装置から噴霧された液剤は、ヘリコプターが吹き降ろすダウンウォッシュの流れにまかせ落下させていた。ダウンウォッシュとは、ヘリコプター浮揚の際ののローター回転により空気がローターの上方向から吸い込まれて下方向に吹き降ろされることにより生じる風で、扇状の形で広がっていく。この風は一定の圧力・速度で流れておらず、ローター回転軸中心から70〜80%の円周で最大となる(非特許文献1;社団法人日本航空技術協会発行新航空工学講座5「ヘリコプター」、第10章ローターの空気力学)。現在、I種(総重量100kg未満)の無人ヘリコプターの有効散布幅は7.5mが最大となっており、ダウンウォッシュはこの有効散布幅の拡大に障害となる。
【0004】
かかるダウンウォッシュの拡散性を向上させる工夫として、圧力・速度が最大となる円周付近で、取り付け高さはローターから0.8m程の下方向に薬剤吐出部が位置し、そこで噴霧させることにより薬剤の拡散性を向上させていた。しかしながらこのダウンウォッシュは機体と風の吹く速度できまる大気速度が、毎時ゼロkmの時であればそれ相応の拡散幅が得られるが、移動のため速度を持ち始めると、ローターの上方面の負圧部分と下方面の加圧部分との仕切り面(ローター回転面が仕切りとなる。)が、大気速度の増加と同時に移動し、負圧部と加圧部の仕切り面が少なくなり始める。これによりローター後流が発生し、機体後方の左右付近から上方向・内向きに渦輪が発生し、扇状に広がるダウンウォッシュが、ヘリコプター後方で上方向・内向きの渦輪となり、拡散された最外側の液剤粒子が内側に折り返され、結果として有効散布幅が狭くなってしまい、散布能率に限界が生じる。
【0005】
これに対し、できるだけ拡散性を上げるために、薬剤の吐出口をローター先端付近の下に近づける試みもなされている。しかしこの場合は渦輪の影響を受けるため、期待する効果は得られていない。この点について、非特許文献2;(社)日本航空技術協会発行「航空技術」平成13年11月発行のp37図5と、非特許文献3;イカロス出版株式会社発行「ヘリワールド」97−98、p38の写真が参考となる。上面から撮影した写真ではあるが、拡散された液剤が機体後方にて内側に折り返されているのが、確認できる。
【0006】
(b)無人ヘリコプターによる液剤散布では、隣接する散布未処理区に対して、液剤が飛散するおそれがある。このため、隣接未処理区圃場を散布する場合は、散布幅を縮小する必要があるが、そのための技術は、従来存在しない。
【0007】
(c)無人ヘリコプターに取り付ける固体(粒剤等)散布装置は、主に水稲の殺菌防除のための粒剤散布や播種作業に使われている。I種の無人ヘリコプターにおける散布の有効散布幅は、前述のとおり7.5mが最大である。
【0008】
図10に、従来の固体(粒剤等)散布装置の構成を説明図で示す。図示するように、従来における散布・飛散は、上部タンク35から自然落下してきた粒剤等を調量シャッター36と開閉シャッター37を経由させた後、インペラー38の回転する小羽により叩くことにより飛散させていた。現在の無人ヘリコプターにおいては、構造上、マフラー39排気口が固体飛散経路のほぼ真上に設けられており、この影響を受けて固体は前方方向に飛び難くなることから、ヘリコプター安全運行に支障がある。
【0009】
なお、これら従来の状況に関連して特許出願等により開示されている技術としては、後記の各特許文献があるが、いずれも上記(a)〜(c)に把握される従来状況に対して、何らかの示唆を与えるものではない。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−69937号公報「ラジコンヘリコプタに搭載される農薬散布装置」。特許請求の範囲、請求項1〜4。発明の詳細な説明、段落0011〜0013(発明が解決しようとする課題)。図面、図1。
【特許文献2】
特開平07−163223号公報「 ラジコンヘリコプタに搭載される粒状体散布装置」。特許請求の範囲、請求項1〜2。発明の詳細な説明、段落0005〜0008(発明が解決しようとする課題〜作用)。図面、図1。
【特許文献3】
特開平5−193584号公報「吊下荷物の姿勢安定装置」。特許請求の範囲、請求項1。図面、図1。
【非特許文献1】
(社)日本航空技術協会発行新航空工学講座5「ヘリコプター」、第10章 ローターの空気力学。
【非特許文献2】
(社)日本航空技術協会発行「航空技術」(平成13年11月発行)、p37。
【非特許文献3】
イカロス出版株式会社発行「ヘリワールド」97−98、p38。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた従来技術を検討すると、以下のような問題点がある。
(a)現行の液剤噴霧・散布装置において、ダウンウォッシュでは全ての気流が内側上方向に折り曲げられてしまうのではなく、渦輪より下側では散布に好適な扇状の広がりの流れが、流速は弱いものの発生している。しかし、この流れに含まれる液体(液剤)の分布密度が少ないために、充分な散布液体(液剤)量が確保できない。さらに渦輪による内側方向への流れによる薬剤の落下分布は密であるため、液体(液剤)分布は中心寄りとなる。農林水産航空協会が確認する拡散の条件として、液剤散布に係る有効散布幅の間隔を重ね合わせた場合の変動係数が30%以内であることが求められるため、上記の液体(液剤)密度減少を補わない限り、有効散布幅の拡大は不可能である。
【0012】
(b)無人ヘリコプターによる液剤散布において、上述のように隣接する散布未処理区に対する不要な飛散を防止するために液剤の散布幅を縮小する場合、液剤吐出量を制御する必要がある。たとえば散布幅が半分であれば、薬剤も半分吐出でよく、これを可能にするためには2系統の液剤圧送システムが必要となる。これはたとえば、通常時は2系統同時作動し、散布幅縮小時は1系統のみの作動にするといった方法で可能となるが、しかしこの方法では、ノズルの短所である液剤吐出の開始点と終始点(以下、「吐出終始」ともいう。)における液だれが生じ、たとえば、通常1,000倍の希釈倍率で使用される薬剤は無人ヘリコプターの場合は8倍の希釈で使用するため、液だれを極力防止することが液剤節約、コスト削減のために重要である。
【0013】
また、これと関連して液体散布装置では、ノズルから吐出される薬剤の終始粒径をいかに小さく、短時間のうちに通常吐出状態に持っていくかが重要となる。ノズルには通常、3kg/cm前後の液圧を掛けることによって液体の霧化が促進されり、この液圧がある程度以下になると霧化性能が低下し、粒径の拡大につながる。またノズルの液体吐出の終始はポンプ回転の断続(オン、オフ)により行われるため、当然、液圧はゼロから上昇し、時間を経過して通常圧力に達する(オフの場合はこれと逆の経過)。
【0014】
低液圧時に粒径が拡大することを防ぐ方法として、ノズルの手前に逆止弁(開閉をスプリング力と液圧の差によって制御する。)を設け、ゼロ圧力からスタートする圧力変化が直接ノズルに掛からないように配慮されてはいるが、、この逆止弁の開閉液圧は1kg/cm前後であり、通常圧力に達するまでは、やはり粒径の拡大を防止できない。
【0015】
(c)無人ヘリコプターに取り付ける固体(粒剤等)散布装置において、従来はインペラーを、たとえば毎分700回転程度で回転させたところに粒剤等を流し、インペラーの小羽でたたき出す方法であったため、より遠方に飛ばすためにはインペラー回転数を上げるか、またはインペラーの径を大きくする方法が採られている。
【0016】
しかし、いずれの方法も粒剤等が強く叩かれるため、形状破壊が起こりやすくなる。これは、固体が播種用の種子である場合は極めて重大である。かかる問題を解消するためにインペラー回転数を下げると、叩き出す力が弱くなり有効散布幅の減少に繋がる。また、インペラーにゴムのクッション剤を貼り付けると、ゴムが衝撃緩衝剤となって叩き出す力が弱くなりこれも有効散布幅の減少に繋がる。したがってインペラーは、種子等の破損と飛散距離の問題があり、その両者を解決する手段としては限界がある。
【0017】
また、安全運行上粒剤等散布装置で重要なことは、機体前方方向にいかにして遠くに飛散させることができるかである。散布圃場には電柱・電線・林・家屋といったヘリコプターが飛行するために障害となる障害物の付近を飛行しなければならない場合が多々あり、このため機体を障害物から充分離れた位置にて飛行させる必要がある。しかし現行の機体は、マフラーの取り付け位置が機体前方に設けられる構造であり、騒音を抑えるために下向きに向けられた排気口の排気圧の影響を、インペラーにより飛散した粒剤等が受けて下方向に押し付けられ、ついでダウンウォッシュによりさらに下方向に押し付けられることにより、粒剤等の飛散距離がさらに減少することになる。
【0018】
これを補うために操縦者はできる限り障害物に近づいて散布しようとするが、遠隔操作の無人ヘリコプターの場合、機体と障害物との距離は正確に把握することが不可能である。それを補助するために、無線により現場状況を報告する合図マンを使う場合があるが、この方法でも相互の誤解から障害物に接触し墜落する事故が後を絶たない。このことから前方への飛散距離拡大は安全運行上必要不可欠なものである。
【0019】
本発明の課題は、これら従来技術の各問題点を解決することのできる、すなわち下記に列挙するような無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターを提供することである。
(課題a)飛行時のダウンウォッシュに伴い発生する大気速度の変化による影響を受け難く、有効散布幅の減少を防ぎ、それにより散布効果を高めることのできる、無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターを提供すること。
【0020】
(課題b)隣接する未処理区に対しての液体(液剤)飛散防止効果が高く、液体(液剤)使用量を節減することのできる、無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターを提供すること。
【0021】
(課題c)種子、粒剤等固体の形状破壊を生じず、また機体前方への飛散性能が高く、それにより有効散布幅が拡大し、飛行の安全と散布精度の向上を図ることのできる、無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターを提供すること。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は上記課題につき鋭意検討し、その解決手段に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【0023】
(1) 散布物を後記吹き付け処理部に供給するための散布物供給部と、該散布物供給部から供給された散布物に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部とを備え、無人ヘリコプターに搭載されて用いられる無人ヘリコプター用散布装置であって、該吹き付け処理部は、ヘリコプター機体に設けられた圧縮空気発生手段と、該圧縮空気発生手段において発生した圧縮空気を外部に吹き出すための圧縮空気ダクトと、を備えてなることを特徴とする、無人ヘリコプター用散布装置。
【0024】
(2) 前記散布物供給部はそれ自体が液体散布装置であり、前記吹き付け処理部に係る圧縮空気ダクトは前記ヘリコプター機体からそのローター下方位置に延設され、かつ該圧縮空気ダクトの吹き出し口は該液体散布装置の散布口から散布される液体に対して圧縮空気を吹き付けることのできる位置に位置するよう設けられることを特徴とする、(1)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0025】
(3) 前記圧縮空気ダクトはその吹き出し口から、前記ローターの回転により発生する吹き降ろしの風(以下、「ダウンウォッシュ」という。)の中に霧化した液体を吹き出すことができるように設けられていることを特徴とする、(2)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0026】
(4) 前記ヘリコプターのローター回転軸から前記圧縮空気ダクトの吹き出し口までの長さが、該ローターの回転軸からその先端部までの長さの50%以上85%以下であることを特徴とする、(2)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0027】
(5) 前記圧縮空気ダクトの設けられている方向が、前記ヘリコプター機体の上下方向に対して略水平方向、かつ該機体前後方向に対して略直角方向であることを特徴とする、(2)ないし(4)のいずれかに記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0028】
(6) 前記圧縮空気発生手段が、前記ヘリコプター機体の飛行用動力部にエアーポンプを取り付けたものであることを特徴とする、(2)ないし(5)のいずれかに記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0029】
(7) (2)ないし(6)に記載の液体散布装置であって、該液体散布装置は、散布液体を貯蔵しこれを後記ノズル方向に供給するための液体タンクと、液体を霧化して散布するためのノズルと、該ノズルおよび該液体タンクの間に設けられる電磁弁と、電磁弁に接続してその制御のために設けられる電磁弁制御手段とからなり、該電磁弁制御手段は、電磁弁作動指令の無線通信を受信するための受信機を備えてなる、ことを特徴とする、液体散布装置。
【0030】
(8) 前記散布物供給部は粒状物等の固体を供給し、前記圧縮空気ダクトには該散布物供給部から供給される固体を該圧縮空気ダクト内部に導入するための導入部が設けられていることを特徴とする、(1)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0031】
(9) 前記圧縮空気ダクトには、前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられた吹き出し口が設けられていることを特徴とする、(8)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0032】
(10) 前記圧縮空気ダクトには、複数の吹き出し口が設けられ、少なくともその内の一つは前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられて設けられていることを特徴とする、(8)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0033】
(11) 前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられて設けられる吹き出し口は、前記ヘリコプター機体に設けられるマフラーの吹き出し口の位置を前方方向に越えた位置に位置することを特徴とする、(9)または(10)に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
【0034】
(12) 無人ヘリコプターであって、
(A) 液体散布物を後記吹き付け処理部に供給するための液体散布装置と、該液体散布装置から供給された液体に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部とを備え、無人ヘリコプターに搭載されて用いられる無人ヘリコプター用液体散布装置であって、該吹き付け処理部は、ヘリコプター機体に設けられた圧縮空気発生手段と、該圧縮空気発生手段において発生した圧縮空気を外部に吹き出すための圧縮空気ダクトと、を備えてなり、該圧縮空気ダクトは該ヘリコプター機体からそのローター下方位置に延設され、かつ該圧縮空気ダクトの吹き出し口は該液体散布装置の散布口から散布される液体に対して圧縮空気を吹き付けることのできる位置に位置するよう設けられた、無人ヘリコプター用液体散布装置を搭載し、
(B) 前記(A)の無人ヘリコプター用液体散布装置に用いられる液体散布装置は、散布液体を貯蔵しこれを後記ノズル方向に供給するための液体タンクと、液体を霧化して散布するためのノズルと、該ノズルおよび該液体タンクの間に設けられる電磁弁と、電磁弁に接続してその制御のために設けられる電磁弁制御手段とからなり、かつ、該電磁弁制御手段には、電磁弁作動指令の無線通信を受信するための受信機が設けられており、
(C) 粒状物等の固体散布物を後記吹き付け処理部に供給するための固体散布物供給部と、該固体散布物供給部から供給された固体に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部とを備え、無人ヘリコプターに搭載されて用いられる無人ヘリコプター用固体散布装置であって、該圧縮空気ダクトには該固体散布物供給部から供給される固体を該圧縮空気ダクト内部に導入するための導入部が設けられた、無人ヘリコプター用固体散布装置を搭載している、
ことを特徴とする、無人ヘリコプター。
【0035】
(13) (1)ないし(11)のいずれかに記載の無人ヘリコプター用散布装置を搭載した、農作業用無人ヘリコプター。
【0036】
本発明において散布物供給部とは、散布物である液体(液剤、薬剤など。)や固体(粒剤、播種用種子など。)を少なくとも貯留し、これを本発明の吹き付け処理部に対して送り出す機能を有する単位をいう。その送り出しは、それ自体が噴霧、散布であるものも含まれる。
【0037】
また、本発明において吹き付け処理とは、該散布物供給部から送り出された(供給された)散布物に対して、圧縮空気を吹き付ける処理をいい、吹き付け処理部とは、かかる吹き付け処理の機能を有する構成をいう。
【0038】
以下の説明において、本発明の無人ヘリコプター用散布装置は、この発明群に属する各発明の内容に合わせて、適宜、無人ヘリコプター用液体散布装置、無人ヘリコプター用固体散布装置、という場合がある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明に係る無人ヘリコプター用散布装置の構成を示す説明図である。図において本無人ヘリコプター用散布装置100(以下、単に「散布装置」ともいう。)は、散布物を後記吹き付け処理部60に供給するための散布物供給部50と、該散布物供給部50から供給された散布物に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部60とを備え、該吹き付け処理部60は、ヘリコプター機体に設けられた圧縮空気発生手段66と、該圧縮空気発生手段66において発生した圧縮空気を外部に吹き出すための圧縮空気ダクト67と、を備えてなることを、主たる構成とする(請求項1)。図において散布物としては、液体散布物、固体散布物いずれの場合もある。
【0040】
図2は、本発明の無人ヘリコプター用散布装置の別の構成を示す説明図である。図示するように本散布装置102では、前記散布物供給部50は、前記圧縮空気ダクト67に連通して設けられる構成とすることもできる。すなわち本発明の散布装置で該散布物供給部50は、図1のように該圧縮空気ダクト67と離間させて独立に設けることも、図2のように吹き付け処理部60と一体に設けることもできる。
【0041】
【作用】
図1において本無人ヘリコプター用散布装置100は上述のように構成されるため、圧縮空気発生手段66で圧縮空気が発生し、これが圧縮空気ダクト67を通って該ダクト67外に吹き出され、散布物供給部50から送り出された散布物は吹き出した圧縮空気による吹き付けを受けて、吹き付け方向に流れ、散布物の散布が行われる。
【0042】
一方図2においては、本無人ヘリコプター用散布装置102は上述のようにも構成されるため、圧縮空気発生手段66で圧縮空気が発生し、これが圧縮空気ダクト67を通って流れ、散布物供給部50から送り出された散布物は該ダクト67を流れる圧縮空気による吹き付けを受けて、該ダクト67外に吹き出され、吹き付け方向に流れ、散布物の散布が行われる。
【0043】
図3は、本発明の、液体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置の構成を示す説明図である。図において本装置は、前記散布物供給部(図1、2における50)はそれ自体が、たとえば構成要素1、2、3、および4からなる液体散布装置であり、前記吹き付け処理部(図1、2における60)に係る圧縮空気ダクト7は前記ヘリコプター機体からそのローター下方位置に延設され、かつ該圧縮空気ダクト7の吹き出し口は該液体散布装置の散布口から散布される液体5に対して圧縮空気8を吹き付けることのできる位置に位置するよう設けられる構成をとる(請求項2)。ここで、液体散布装置の構成要素例として図示したのは、液体タンク1、液体ポンプ2、弁(逆止弁と調量弁)3、および液体吐出部4である。なお、通常の散布では液体は霧状になっているが、そのような状態も「液体」と表現する。
【0044】
【作用】
図4は、図3に示した無人ヘリコプター用散布装置の作用について、ヘリコプター正面方向から説明する説明図である。本発明の液体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置は上述のように構成されるため、構成要素1、2、3、および4からなる液体散布装置から液体5が一次的に散布され、ヘリコプター機体からそのローター下方位置に延設された圧縮空気ダクト7の吹き出し口からは、圧縮空気発生部6で発生した圧縮空気8が吹き出され、吹き出した該圧縮空気8は、一次的に散布された該液体5に対して吹き付けられ、該液体5は吹き付け方向に流れ、散布が行われる。
【0045】
図4において本散布装置は、前記圧縮空気ダクト7はその吹き出し口から、前記ローターの回転により発生する吹き降ろしの風(ダウンウォッシュ。)の中の領域9に、霧化した液体を吹き出すことができるように構成することができる(請求項3)。これにより、一次的に液体散布装置(上記構成要素1、2、3、4を備えて構成。)から散布された液体に対して、圧縮空気を、ダウンウォッシュの強い領域内において吹き付けて液体の流れ方向を変えることができ、液体の散布を好適に行うことができる。
【0046】
図4において、本散布装置はまた、前記ヘリコプターのローター回転軸から前記圧縮空気ダクト7の吹き出し口までの長さが、該ローターの回転軸からその先端部までの長さの50%以上85%以下となるよう構成することができる(請求項4)。これにより、前記ダウンウォッシュの強い領域内における吹き付け処理を、より効果的に行うことができる。
【0047】
図4において、本散布装置はまた、前記圧縮空気ダクト7の設けられている方向が、前記ヘリコプター機体の上下方向に対して略水平方向、かつ該機体前後方向に対して略直角方向である構成とすることができる(請求項5)。
【0048】
図3、4において、本散布装置はまた、(6) 前記圧縮空気発生手段6として、前記ヘリコプター機体の飛行用動力部にエアーポンプを取り付けたものを用いることができる(請求項6)。これにより、既存の機体構造を利用した圧縮空気発生を行うことができる。
【0049】
図5は、本発明の液体散布装置の構成を示す説明図である。図において本液体散布装置は、散布液体を貯蔵しこれを後記ノズル方向に供給するための液体タンク11と、液体を霧化して散布するためのノズル14と、該ノズル14および該液体タンク11の間に設けられる電磁弁18と、該電磁弁18に接続してその制御のために設けられる電磁弁制御手段17とからなり、該電磁弁制御手段17は、電磁弁作動指令の無線通信を、外部の送信機15から受信するための受信機16を備えていることを、主たる構成とする(請求項7)。
【0050】
図6は、図5に示した本発明の液体散布装置に係る前記電磁弁18の構成を示す説明図である。図において該電磁弁18は、スプリング23を備えダイアフラム21に連結した鉄心22と、これが貫設されるソレノイドバルブ24を備えてなり、液体ポンプおよびリリーフバルブ(図5の12)を間に介して前記液体タンク11から延設される一系統配管13内に作用するよう構成される。該電磁弁18による開閉状態制御により、液体出口20からの液体吐出量が制御される。
【0051】
【作用】
図5、6において本発明の液体散布装置は上述のように構成されているため、ノズル14からの液体の吐出は、電磁弁18による開閉状態制御により、その量が制御される。したがって、1系統配管という簡素な構成により、しかも吐出終始における液だれのない状態で、液体の吐出、散布を行うことができる。また、電磁弁18作動指令は外部の送信機15から受信機16に対する無線通信により行うことができる。
【0052】
図7は、図5に示した本発明の液体散布装置の別の構成を示す説明図である。図のように本装置は、一系統配管13を分岐して、それぞれ電磁弁25、27、29、31等と、これらにより制御された液体が吐出するノズル26、28、30、32等を備えた構成とすることができる。
【0053】
図8は、本発明の、固体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置の構成を示す説明図である。図において本装置は、前記散布物供給部(図1、2の50)は粒状物等の固体を供給する固体タンク35であり、前記圧縮空気ダクト41には該散布物供給部(固体タンク)35から供給される固体を該圧縮空気ダクト41内部に導入するための導入部が設けられていることを、主たる構成とする(請求項8)。該導入部は、該固体タンク35と該圧縮空気ダクト41を連通させる構造であればよく、図では、36調量シャッターの下方に設けられる37開閉シャッターが、これに該当し得る。40は、圧縮空気発生部である。
【0054】
【作用】
図8において本装置は上述のように構成されるため、固体タンク35から開閉シャッター37等を通して圧縮空気ダクト41内に粒剤等の固体が供給され、該固体は、圧縮空気発生部40で発生し該圧縮空気ダクト41内に流れる圧縮空気の吹き付けを受けて、該圧縮空気ダクト41の吹き出し口から吹き出され、散布がなされる。図において本装置は、前記圧縮空気ダクト41には、前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられた吹き出し口が設けられている構成とすることができる(請求項9)。
【0055】
図9は、本発明の、固体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置の別の構成を示す説明図である。図において本装置は、前記圧縮空気ダクト41には、複数の吹き出し口(図示せず。)が設けられ、少なくともその内の一つは前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられて設けられている構成とすることができる(請求項10)。また特に、前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられて設けられる吹き出し口は、前記ヘリコプター機体に設けられるマフラー39の吹き出し口の位置を前方方向に越えた位置に位置するよう構成することができる(請求項11)。これにより、マフラー39からの排気の影響を受けずに、前方への固体散布を行うことができる。
【0056】
以上説明した、本発明の、液体用・固体用の各無人ヘリコプター用散布装置、および液剤散布機を用いて、これらを搭載した無人ヘリコプターを構成することができる(請求項12)。また、該無人ヘリコプターは、特に農作業用として用いることができる(請求項13)。
【0057】
【実施例】
以下、適宜前掲図を用いながら本発明の実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されない。また、以下の説明は、上述のI種の無人ヘリコプターについての説明を主とするが、本発明はこの規格に限定されない。なお、無人用ヘリコプターは機体の大きさによりI種、II種に区分されており、機体総重量が100kg未満のものがI種、機体総重量が100kg以上のものII種である。
【0058】
<実施例1 液剤(薬剤)散布装置>
本例装置取り付けの対象としたヘリコプターのモデルは、メインローター半径1.5m〜1.7m、機体重量95kg程度のもので、ダウンウォッシュの風速は実測値で毎秒13m程の風が流れており、薬剤は機体中心から左右それぞれ0.8m〜0.9m、ローターから約0.8m下の位置で吐出される。
【0059】
大気速度が少ない場合、噴出された薬剤の上から水平方向にダクトを通過した圧縮空気を噴射しても、ダウンウォッシュが強い部分であるため、さほどダウンウォッシュ内の外側部分には到達しにくいこととなるが、大気速度ゼロ時点ではもともと薬剤の広がりは良いため、圧縮空気の圧力は大気速度が増加した位置に合わせる。
【0060】
移動により大気速度が増加すると、ダウンウォッシュが後方に流れ始める。これにより、内向きの渦輪がローター先端部から発生し始め、さらに大気速度が増加し始めると噴霧した薬剤を含めた渦輪が発生し始める。この薬剤を含んだ渦輪が有効散布幅を縮小させる原因となるため、渦輪に噴霧液剤が混入しないように圧縮空気を噴霧口上部より水平方向に送風し、ダウンウォッシュの外側下付近に噴霧液剤を送り込むことにより、有効散布幅が増大し、安定した拡散が得られるようになる。
【0061】
なお、大気速度が増加してくると当然ながら渦輪の発生がはじまり、ダウンウォッシュのエネルギーが後方に分散され、噴霧口付近のダウンウォッシュの風速は低くなる。ホバリング時に最大となるダウンウォッシュの風速が毎秒13mであるため、ダクトから送風される圧縮空気の速度は、ホバリング時のダウンウォッシュと同等程度に設定することで、十分な効果が得られる。したがって、圧縮空気の動力源は、1馬力前後の背負い型動力噴霧機の動力部分を使用する方法と、機体飛行用の動力にエアーポンプを取り付ける方法のどちらかにより行なうことができる。
【0062】
前出の図3を用いて、本例の液剤装置を説明すれば、液剤タンク(液体タンク1)から供給された薬剤は、液剤ポンプ(液体ポンプ2)により圧送され、逆止弁3を通過し、横向きに取り付けられた広域専用液剤ノズル(液体吐出部4)から、5薬剤が噴霧される。エアーポンプ(圧縮空気発生手段6)により圧縮空気を発生させ、圧縮空気ダクト7により、広域専用液ノズル(4)の上部まで導き、圧縮空気8を吹き付ける。
【0063】
図4において本例の液剤(薬剤)散布装置では、ノズル(4)から噴霧された噴霧薬剤(液体5)は、圧縮空気ダクト7から吹き付けられた8圧縮空気8の流れに乗り、ダウンウォッシュが強い部分9を通過し、ダウンウォッシュ内の外側下位置10まで、送風がなされる。
【0064】
<実施例2 液体散布装置>
液体散布装置では、ノズルから吐出される薬剤の終始粒径をいかに小さく、短時間のうちに通常吐出状態に持っていくかが重要となる。本発明の液体散布装置に用いる電磁弁では、電源スイッチのオン、オフにより開閉が行なわれ、これにより配管内の液圧を常に通常圧に保つことができ、電磁弁開により即座にノズルに通常圧力を掛けることが可能となり、粒径の拡大を最小限に止めることが可能となる。
【0065】
電磁弁の取り付けは、従来の逆止弁を取り外した部分になされ、通電されていない場合はスプリングにより約2kg/cmの圧力にてバルブを閉じておく。液体は、ポンプからの液圧3kg/cmで圧送されてくるが、バルブに接触する面積が0.3cmと小さいため、加わる圧力は1kg/cm弱であり、閉じたままの状態を維持する。通電時はバルブ押上圧と電磁弁の鉄心の引き上げトルクを合わせ、2kg/cm以上で引き上げることにより、バルブが一瞬にして開放されることとなる。なお、このシステムは従来の薬剤吐出のオン、オフをポンプ作動の有無で行なっていたのとは違い、電磁弁にて薬剤吐出のオン、オフを行なうため、ポンプは常時作動状態にあり、圧力調整はポンプ内にあるリリーフバルブにて調圧された状態が維持される。
【0066】
本例の液体散布装置を、前出図面により説明する。
図5において本例の液体散布装置では、液剤タンク(液体タンク11)から供給された薬剤は、ポンプ(12)により圧力を加えられ、一系統配管13で導かれ、電磁弁18を通過後、ノズル14から噴霧される。電磁弁の作動は、送信機15から作動指示に係る電波信号を発し、受信機16によりその信号が受信、処理され、当該指示は制御機(電磁弁制御手段17)に送られ、電磁弁18へ作動電源が供給される。
【0067】
図6により電磁弁18の作動状態を説明すると、供給されてきた薬剤は、スプリング23の力を受けたダイアフラム21の作用により弁が閉じられているため、液体出口20への移動が止められているが、ソレノイドバルブ24が磁化されると、鉄心23が引き上げられて弁が開放され、液体出口20へ移動、吐出する。吐出された薬剤はノズル(図5の14)に送られ、噴霧される。
【0068】
図7の構成では、13の一系統配管13から供給された液剤は各電磁弁まで直接送られており、配線33に制御機からの作動電源が供給されることにより、電磁弁25、27が作動し、ノズル26、28から薬剤が吐出される。ついで配線34にも作動電源を供給することで、電磁弁29、31が作動し、ノズル30、32からも薬剤が吐出される。
【0069】
<実施例3 固体散布装置>
本例装置取り付けの対象としたヘリコプターのモデルは、実施例1と同様であり、ダウンウォッシュの風速は回転軸から円周方向に0.8〜0.9m、回転面から下方向に0.8mそれぞれ離れた位置での実測値で、毎秒13m前後となり、これに排気圧力の障害が付加される。本例固体散布装置は、従来のインペラーの代わりにエアーポンプからの圧縮空気を送り込み、粒剤等の固体を圧縮空気とともに送り出し、ダクトを通過させて、放出飛散させる構成である。
【0070】
本例固体分散装置では、ダクトはマフラーの排気口を通過して設けられているため、マフラーからの排気圧を受けることはなく、機体前方方向に飛散できる。圧縮空気の動力源は、液体散布装置と共通のものを使用し、1馬力前後の背負い型動力噴霧機の動力部分を使用する方法と、機体飛行用の動力にエアーポンプを取り付ける方法のどちらかにより行なうことができる。
【0071】
本例の液体散布装置を、前出図面により説明する。
図8において本例の液体散布装置では、インペラーの替わりに、圧縮空気ポンプ40と、圧縮空気ダクト41を装着し、ダクト先端はマフラー39を通過した先の位置に粒材等の固体を放出飛散することができる。
【0072】
図9において本例装置では、粒剤タンク(固体タンク35)、調量シャッター36、開閉シャッター37を通過した粒剤等は、圧縮空気ダクト41内部に供給されてくる。圧縮空気ポンプ40で発生した圧縮空気は圧縮空気ダクト41に送られ、ダクト41内部に供給されてくる粒剤等に吹き付け、ダクト41の吹き出し口へ送られる。そして、前方および左右方向に分岐したダクトにより、放出、散布される。なお、前方方向に飛散するダクトは、マフラー39の排気圧力の影響のある領域を通過した位置で、放出、散布される。
【0073】
<実施例4 無人ヘリコプター>
実施例1〜3で説明した、各散布装置および電磁弁を用いた液体散布装置を二以上組み合わせて、農薬散布、播種に用いる無人ヘリコプターを構成することができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプターは上述のように構成されるため、下記のような各効果を奏することができる。
(効果a)飛行時のダウンウォッシュに伴い発生する大気速度の変化による影響を解消し、有効散布幅の減少を防ぎ、それにより散布効果を高めることができる。また、有効散布幅の拡大が可能であるため、作業の能率向上につながり、時間当たりに作業可能な防除面積の拡大が図られることにより、コスト低減にも貢献できる。
【0075】
(効果b)隣接する未処理区に対しての液体(液剤)飛散防止効果が高く、液体(液剤)使用量を節減することができる。従来は飛行しながら有効散布幅を変える液剤散布装置がなかったため、隣接する未処理区に対しての液剤飛散防止対応が充分とはいえなかったが、本発明により散布幅の縮小を、任意にかつ煩わしさを伴うことなく行えるため、これを活用することにより液剤飛散量を最小限とすることができる。
【0076】
なお有効散布幅の縮小が液剤飛散の低減に貢献できる理由は、扇状に広がる薬剤の裾の幅を狭くできることにある。有効散布幅が狭くなると、ヘリコプターからの散布範囲が目視判断し易すくなることと、自然風による薬剤飛散が軽減でき、飛散液剤の単位体積当たりの液剤密度を低減することができるからである。さらにこの電磁弁を使用することにより、ノズルに短時間の間に通常の液圧を掛けることができ、液だれや粒径の拡大を抑えることが可能となり、局部的な液剤投下を防ぐことができ、植物への薬害防止に役立つ。
【0077】
(効果c)種子、粒剤等固体の形状破壊が生じず、また機体前方への飛散性能が高くなり、それにより有効散布幅を拡大できる。特に播種散布に関しては、発芽率の向上を図ることができる。また、マフラーの排気圧力の影響などにより前方への飛散性能が飛躍的に向上するため、圃場前方に存在する障害物へ機体を無理に接近させる必要がなくなり、飛行の安全と散布精度の向上を図れるとともに、飛散性が向上することにより、有効散布幅も広がり作業性の向上につながり、合わせてコストの低減に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無人ヘリコプター用散布装置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の無人ヘリコプター用散布装置の別の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の液体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示した無人ヘリコプター用散布装置の作用について、ヘリコプター正面方向から説明する説明図である。
【図5】本発明の液体散布装置の構成を示す説明図である。
【図6】図5に示した本発明の液体散布装置に係る前記電磁弁18の構成を示す説明図である。
【図7】図5に示した本発明の液体散布装置の別の構成を示す説明図である。
【図8】本発明の固体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の固体を散布物とした無人ヘリコプター用散布装置の別の構成を示す説明図である。
【図10】従来の固体(粒剤等)散布装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1…液体タンク、 2…液体ポンプ 3…逆止弁及び調量弁、 4…液体吐出部、 5…噴霧液体、 6…圧縮空気発生手段、 7…圧縮空気ダクト、 8…圧縮空気、 9…ダウンウォッシュの強い部分、 10…ダウンウォッシュ内の外側下位置、 11…液体タンク、 12…液体ポンプおよびリリーフバルブ、13…一系統配管、 14…ノズル、 15…送信機、 16…受信機、 17…電磁弁制御手段、 18…電磁弁、 20…液体出口、 21…ダイアフラム、 22…鉄心、 23…スプリング、 24… ソレノイドバルブ、 25、27、29、31…電磁弁、 26、28、30、32…ノズル、 33、34… 配線、 35…固体タンク、 36…調量シャッター、 37…開閉シャッター、 38…インペラー、 39…マフラー、 40…圧縮空気ポンプ、 41…圧縮空気ダクト、 50…散布物供給部、 60…吹き付け処理部、 66…圧縮空気発生手段、 67…圧縮空気ダクト、 100、102…無人ヘリコプター用散布装置

Claims (13)

  1. 散布物を後記吹き付け処理部に供給するための散布物供給部と、該散布物供給部から供給された散布物に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部とを備え、無人ヘリコプターに搭載されて用いられる無人ヘリコプター用散布装置であって、該吹き付け処理部は、ヘリコプター機体に設けられた圧縮空気発生手段と、該圧縮空気発生手段において発生した圧縮空気を外部に吹き出すための圧縮空気ダクトと、を備えてなることを特徴とする、無人ヘリコプター用散布装置。
  2. 前記散布物供給部はそれ自体が液体散布装置であり、前記吹き付け処理部に係る圧縮空気ダクトは前記ヘリコプター機体からそのローター下方位置に延設され、かつ該圧縮空気ダクトの吹き出し口は該液体散布装置の散布口から散布される液体に対して圧縮空気を吹き付けることのできる位置に位置するよう設けられることを特徴とする、請求項1に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  3. 前記圧縮空気ダクトはその吹き出し口から、前記ローターの回転により発生する吹き降ろしの風(以下、「ダウンウォッシュ」という。)の中に霧化した液体を吹き出すことができるように設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  4. 前記ヘリコプターのローター回転軸から前記圧縮空気ダクトの吹き出し口までの長さが、該ローターの回転軸からその先端部までの長さの50%以上85%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  5. 前記圧縮空気ダクトの設けられている方向が、前記ヘリコプター機体の上下方向に対して略水平方向、かつ該機体前後方向に対して略直角方向であることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  6. 前記圧縮空気発生手段が、前記ヘリコプター機体の飛行用動力部にエアーポンプを取り付けたものであることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  7. 請求項2ないし6に記載の液体散布装置であって、該液体散布装置は、散布液体を貯蔵しこれを後記ノズル方向に供給するための液体タンクと、液体を霧化して散布するためのノズルと、該ノズルおよび該液体タンクの間に設けられる電磁弁と、電磁弁に接続してその制御のために設けられる電磁弁制御手段とからなり、該電磁弁制御手段は、電磁弁作動指令の無線通信を受信するための受信機を備えてなる、ことを特徴とする、液体散布装置。
  8. 前記散布物供給部は粒状物等の固体を供給し、前記圧縮空気ダクトには該散布物供給部から供給される固体を該圧縮空気ダクト内部に導入するための導入部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  9. 前記圧縮空気ダクトには、前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられた吹き出し口が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  10. 前記圧縮空気ダクトには、複数の吹き出し口が設けられ、少なくともその内の一つは前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられて設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  11. 前記ヘリコプター機体の前方方向に向けられて設けられる吹き出し口は、前記ヘリコプター機体に設けられるマフラーの吹き出し口の位置を前方方向に越えた位置に位置することを特徴とする、請求項9または10に記載の無人ヘリコプター用散布装置。
  12. 無人ヘリコプターであって、
    (A)液体散布物を後記吹き付け処理部に供給するための液体散布装置と、該液体散布装置から供給された液体に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部とを備え、無人ヘリコプターに搭載されて用いられる無人ヘリコプター用液体散布装置であって、該吹き付け処理部は、ヘリコプター機体に設けられた圧縮空気発生手段と、該圧縮空気発生手段において発生した圧縮空気を外部に吹き出すための圧縮空気ダクトと、を備えてなり、該圧縮空気ダクトは該ヘリコプター機体からそのローター下方位置に延設され、かつ該圧縮空気ダクトの吹き出し口は該液体散布装置の散布口から散布される液体に対して圧縮空気を吹き付けることのできる位置に位置するよう設けられた、無人ヘリコプター用液体散布装置を搭載し、
    (B)前記(A)の無人ヘリコプター用液体散布装置に用いられる液体散布装置は、散布液体を貯蔵しこれを後記ノズル方向に供給するための液体タンクと、液体を霧化して散布するためのノズルと、該ノズルおよび該液体タンクの間に設けられる電磁弁と、電磁弁に接続してその制御のために設けられる電磁弁制御手段とからなり、かつ、該電磁弁制御手段には、電磁弁作動指令の無線通信を受信するための受信機が設けられており、
    (C)粒状物等の固体散布物を後記吹き付け処理部に供給するための固体散布物供給部と、該固体散布物供給部から供給された固体に吹き付け処理を加えてこれを散布するための吹き付け処理部とを備え、無人ヘリコプターに搭載されて用いられる無人ヘリコプター用固体散布装置であって、該圧縮空気ダクトには該固体散布物供給部から供給される固体を該圧縮空気ダクト内部に導入するための導入部が設けられた、無人ヘリコプター用固体散布装置を搭載している、
    ことを特徴とする、無人ヘリコプター。
  13. 請求項1ないし11のいずれかに記載の無人ヘリコプター用散布装置を搭載した、農作業用無人ヘリコプター。
JP2003086578A 2003-03-26 2003-03-26 無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター Pending JP2004290074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003086578A JP2004290074A (ja) 2003-03-26 2003-03-26 無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003086578A JP2004290074A (ja) 2003-03-26 2003-03-26 無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004290074A true JP2004290074A (ja) 2004-10-21

Family

ID=33401162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003086578A Pending JP2004290074A (ja) 2003-03-26 2003-03-26 無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004290074A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101775379B1 (ko) * 2015-08-12 2017-09-06 경남과학기술대학교 산학협력단 항공 직파 방법 및 항공 직파 장치
CN110316364A (zh) * 2019-06-26 2019-10-11 华南农业大学 用于积水水域防治蚊虫的固体药物抛投无人机及其抛投方法
JP2021504109A (ja) * 2017-12-08 2021-02-15 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッドSz Dji Technology Co.,Ltd ノズルアセンブリ、ノズル装置、及び無人航空機
WO2024142274A1 (ja) * 2022-12-27 2024-07-04 株式会社クボタ 農用資材射出装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101775379B1 (ko) * 2015-08-12 2017-09-06 경남과학기술대학교 산학협력단 항공 직파 방법 및 항공 직파 장치
JP2021504109A (ja) * 2017-12-08 2021-02-15 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッドSz Dji Technology Co.,Ltd ノズルアセンブリ、ノズル装置、及び無人航空機
JP6991332B2 (ja) 2017-12-08 2022-01-12 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド ノズルアセンブリ、ノズル装置、及び無人航空機
CN110316364A (zh) * 2019-06-26 2019-10-11 华南农业大学 用于积水水域防治蚊虫的固体药物抛投无人机及其抛投方法
CN110316364B (zh) * 2019-06-26 2023-04-07 华南农业大学 用于积水水域防治蚊虫的固体药物抛投无人机及其抛投方法
WO2024142274A1 (ja) * 2022-12-27 2024-07-04 株式会社クボタ 農用資材射出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6749948B2 (ja) コンパクトな噴霧モジュール、このようなモジュールを複数用いた噴霧および操縦用システム、およびこのようなシステムのモジュールの操縦方法
US11851184B2 (en) Systems and methods to control aerial distribution of materials
US5485956A (en) Agricultural sprayer
CN107771104A (zh) 喷洒单元、包括这种单元的紧凑型喷洒模块以及包括多个这种模块的喷洒和控制系统
US20180352799A1 (en) Insecticide sprayer and nozzle assembly
KR102155527B1 (ko) 분사노즐이 장착된 농업용 드론
WO2002034320A8 (en) Dry powder inhaler
US7516908B1 (en) Fire retardant discharge apparatus
WO2010140702A1 (ja) ノズル
AU694038B2 (en) Agricultural sprayer having spray shaping nozzles connected to low pressure air supply
JP2004290074A (ja) 無人ヘリコプター用散布装置および無人ヘリコプター
CN101797540A (zh) 喷雾喷粉机低量喷头
MX2008014697A (es) Metodo y dispositivo para distribuir artropodos beneficos.
WO1998005432A1 (fr) Appareil de pulverisation et methode correspondante
US2674494A (en) Shear nozzle for spraying and dusting apparatus
JP2000504990A (ja) 農業用その他のためのスプレイ装置および方法
US2721102A (en) Agricultural sprayer
CN207191438U (zh) 一种农用喷药无人机
US10124353B1 (en) Apparatus for deagglomerating and disseminating powders and particulate matter
RU2164827C2 (ru) Способ образования монодисперсного аэрозольного облака и устройство для его осуществления
EP3809841B1 (en) Anti-drift diffuser for pneumatic atomization sprayers
US10843216B2 (en) Fluid dispersion nozzle
US5501398A (en) Device for liquid and solid delivery from crop spraying aircraft
CN206433578U (zh) 一种养殖用的气雾免疫机
CN210094431U (zh) 一种植保烟雾机的雾化装置