JP2004283034A - 消化率を改善した飼料 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種の酵素を含む飼料において、さらに消化率を改善した飼料を提供すること。
【解決手段】飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む動物用飼料。
【選択図】 なし
【解決手段】飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む動物用飼料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消化率を改善した動物用飼料、より詳細には、プロテアーゼ阻害剤を配合することによって消化率を改善した動物用飼料に関する。
【0002】
【従来技術】
トウモロコシ・大豆粕飼料は家畜用飼料として世界中で広く使用されている。トウモロコシ・大豆粕飼料は消化性が非常に高い。しかしながら、非デンプン多糖含有量が通常10%以上であるため、酵素を添加することにより、トウモロコシ・大豆粕飼料の消化率を高めることができる(非特許文献1)。
【0003】
近年、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼ等を含む市販の酵素製剤を使用することにより、複数種の動物用飼料中におけるデンプン、タンパク質、脂質、及び無機物の利用可能性を高めることができることが示されている(非特許文献2から6)。
【0004】
上記の通り、飼料にセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等を含む酵素混合物を添加することにより飼料の消化率が改善され、ブロイラーや産卵鶏の生産性が向上することが知られている。しかしながら、飼料用酵素製剤はプロテアーゼを含む各種酵素の混合物であり、精製された単一の酵素の効果については調べられていない。さらに、各種酵素の組み合わせと効果の関係についてもほとんど調べられていない。
【0005】
【非特許文献1】
Bach Knudsen (1997) Animal Feed Science and Technology, 67:319−338
【非特許文献2】
Classen, HL. (1996) Animal Feed Science and Technology, 62:21−27
【非特許文献3】
Malathi, V & Devegowda G. (2001) Poultry Science, 80:302−305
【非特許文献4】
Wiryawan, KG & Dingle, JG. (1999) Animal Feed Science and Technology, 76:185−193
【非特許文献5】
Bedford, MR & Classen, HL. (1993) Poultry Science, 72:137−143
【非特許文献6】
Castanton, JIR., Flores, MP. & Petterson, D. (1997) Animal Feed Science and Technology, 68:361−365
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種の酵素を含む飼料において、さらに消化率を改善した飼料を提供することを解決すべき課題とした。
【0007】
本発明者らは上記課題を解決することを鋭意検討した結果、酵素を含む飼料にプロテアーゼ阻害剤を配合することによって飼料の消化率を高めることができることを実証した。本発明はこの知見に基づいて完成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む動物用飼料が提供される。
好ましくは、飼料成分は大豆粕及び/又はトウモロコシである。
【0009】
好ましくは、酵素は微生物由来の酵素混合物である。
好ましくは、酵素はセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼから成る群から選ばれる少なくとも1種以上の酵素である。
【0010】
好ましくは、プロテアーゼ阻害剤の配合により粗タンパク質の消化率が向上している。
好ましくは、プロテアーゼ阻害剤はロイペプチンである。
好ましくは、動物は、家畜、家禽、養殖魚介類又はペットである。
【0011】
本発明の別の側面によれば、プロテアーゼ阻害剤から成る、飼料成分及び少なくとも1種以上の酵素を含む動物用飼料のための消化率改善剤が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の動物用飼料は、飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む飼料である。本発明者らの研究により、現在市販されている飼料用酵素剤からプロテアーゼを除けば消化率を更に改善して高めることができることが示唆されていた(Fuad, S., 他、(2003) Animal Science Journal, 74:23−29)。しかし、実際に市販されている飼料用酵素剤(酵素混合物)からプロテアーゼを除くことは困難である。そこで、本発明では、既に市販されている酵素剤の効果の改善を目的として、プロテアーゼ阻害剤の効果を検討した。
【0013】
本明細書の実施例において使用したロイペプチンは放線菌由来のプロテアーゼ阻害剤である。セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼを含む酵素混合物にロイペプチンを加え、トウモロコシ・大豆粕混合物のin vitro消化率を調べたところ、粗タンパク質の消化率は向上した。市販の酵素剤であるデンマークのノボ社のEnergex(現在は、ロッシュ社からロノザイムVPとして販売されている)にロイペプチンを添加した場合も同様の傾向が見られた。これらの結果から、プロテアーゼ阻害剤の添加は飼料の粗タンパク質消化率の向上に有効であることが分かる。
【0014】
本発明で用いる飼料成分は、動物又は魚介類用の飼料として一般に使用されるものであればいずれでもよい。そのような飼料は、通常、とうもろこし、ふすま、米、麦、綿実粕、マイロ、大豆粕、生魚、冷凍魚、冷蔵魚、魚粉、脱脂米糠、油脂、アルファルファ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化コリン、各種ビタミン剤(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸)、無機塩(硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト)等の一部又は全部を混合して調製される。
【0015】
飼料中の主要な成分としては、
トウモロコシ、粉砕したトウモロコシ、トウモロコシ粉、トウモロコシ胚芽粗粉、マイロ、キビ、小麦、小麦粉、小麦胚芽粉、大麦、米、ライ麦、燕麦などの穀物類又は加工穀物類副製品;
米ヌカ、フスマ、麦ヌカなどの糟糠類、エンドウマメ種子、ピーナッツ粉、大豆粉などのマメ類、ジャガイモ粉などのイモ類;
大豆粕、脱脂大豆、綿実粕、菜種粕、ゴマ粕、落花生粕、ヒマワリ粕、サフラワー粕、ココヤシ粗粉などの植物性油粕等;
オオムギモルト、ビール粕、酒粕、グルタミン酸発酵粕、トウモロコシ発酵粕、コーングルテンフィード、コーンジャームミール、コンニャク飛粉などの製造粕類;
生魚、冷凍魚、冷蔵魚、魚粉、肉粉、肉骨粉、ミートミール、ミートボーンミール、血粉、フェザーミール、脱脂粉乳、乾燥ホエー、オキアミミール、カゼイン、ゼラチンなどの動物質材料;
ビール酵母などの酵母類;
トウモロコシデンプン、デキストリンなどの糖類;
アルファルファ、乾燥アルファルファ、牧草、各種リーフミール、大豆タンパク、小麦グルテン、トウモロコシツエインなどの植物性タンパク質;
結晶性セルロース、タルク、シリカ、白雲母、ゼオライト等の無機物質の微粉末;
炭酸カルシウムなどの無機カルシウム化合物;並びに
リン酸カルシウムなどの無機リン酸塩;
などを挙げることができる。飼料には、さらに必要に応じ、飼料には、畜産分野で許容されている他の添加物(例えば、他の抗生物質や殺菌剤、駆虫剤、抗酸化剤など)を飼料に配合することもできる。
【0016】
上記の中でも、本発明で用いる飼料成分の特に好ましい例は、大豆粕及び/又はトウモロコシであり、最も好ましい例は、大豆粕とトウモロコシの混合物である。
【0017】
本発明の動物用飼料には少なくとも1種以上の酵素が含まれている。本発明で用いる酵素としては、各種の炭水化物分解酵素を使用することができ、使用する酵素の種類や数は特に限定されない。例えば、セルロースを加水分解するセルラーゼ、ヘミセルロースを加水分解するヘミセルラーゼ、ペクチンを加水分解するペクチナーゼ、キシランを加水分解するキシラナーゼ、グルカンを加水分解するグルカナーゼ、及びフィターゼ、プロテアーゼなどが挙げられ、本発明においては、これらの少なくとも1種類以上、好ましくは少なくとも2種類以上、さらに好ましくは少なくとも3種類以上、最も好ましくはこれらの全ての混合物を使用することができる。酵素としては、微生物由来の酵素混合物を使用することができる。
【0018】
酵素の添加量は特に限定されず、飼料の消化率の向上を達成できる程度に適量を飼料に対して添加することができる。一例としては、トウモロコシ・大豆粕混合飼料の場合には250mgの飼料当たり、10〜100Uのセルラーゼ、0.1〜5Uのヘミセルラーゼ、5〜50Uのペクチナーゼ、5〜50Uのキシラナーゼ、0.1〜5Uのグルカナーゼ、及び0.1〜5Uのフィターゼを使用することができるが、酵素の使用量は適宜変更することができ、この範囲に限定されるものではない。
【0019】
本発明の動物用飼料にはプロテアーゼ阻害剤が含まれている。本発明の飼料においては、プロテアーゼ阻害剤の配合により粗タンパク質の消化率が向上していることを特徴としている。本発明で用いるプロテアーゼ阻害剤の種類は特に限定されず、粗タンパク質の消化率を向上できる限り、任意のプロテアーゼ阻害剤を使用することができる。
【0020】
本発明で用いるプロテアーゼ阻害剤としては、各種のプロテアーゼに対する阻害剤が挙げられ、例えば、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤、メタロプロテアーゼ阻害剤などが挙げられる。
【0021】
ここで、セリンプロテアーゼ阻害剤としては、α1アンチトリプシン、アンチキモトリプシン、アンチトロンビン、α2アンチプラスミン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター、膵臓分泌トリプシンインヒビター、ヒルジンなどの動物由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、トリプシンインヒビター、サブチリシンインヒビター、ロイペプチン、キモスタチン、エラスタチナールなどの植物や微生物由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、α2マクログロブリンやオボマクログロブリンなどの生物由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、ベンズアミジン、アミノカプロン酸、トラネキサム酸、ペプチド性クロロメチンケトン体などが挙げられる。
【0022】
システインプロテアーゼ阻害剤としては、ステフィン、シスタチンやキニノーゲンなどの生物由来のものがあげられる。
また、メタロプロテアーゼ阻害剤としては、EDTA、フェナンスロリン、DTPAなどの金属キレート剤、α2マクログロブリン、オボマクログロブリン、コラゲナーゼインヒビター(TIMP)などの生物由来のメタロプロテアーゼ阻害剤があげられる。
【0023】
さらに、セリンプロテアーゼ及びシステインプロテアーゼの両方の阻害剤としては、ロイペプチンが挙げられる。
本発明では、上記に例示したプロテアーゼの一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
上記したプロテアーゼ阻害剤は、飼料成分及び少なくとも1種以上の酵素を含む動物用飼料のための消化率改善剤として使用することができる。
【0024】
本明細書で言う動物とは、ヒトを含めて最も広義に解釈されるものであり、例えば、家畜、家禽、養殖魚介類又はペットなどが挙げられる。
より具体的には、豚、牛、馬、ヤギ、鹿、ウサギ、ミンク、羊、山羊等の家畜類、ニワトリ(ブロイラー、採卵鶏の両方を含む)、七面鳥、アヒル、ウズラ、カモ、キジまたはガチョウ等の家禽類、猿、マウス、ラット、モルモット等の実験動物、ハマチ、マダイ、フグ、マグロ、ヒラメ、シマアジ、マアジ、サケ、ギンザケ、コイ、ウナギ、ニジマス、アユ、エビ類(クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ロブスター、ブラックタイガー等)、カニ類(タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニ等)、貝類(アワビ、サザエ等)等の養殖水産動物、犬又は猫などのペット、並びに、象、キリン、ライオンその他の動物園で飼育される動物などが挙げられる。
【0025】
本発明の飼料におけるプロテアーゼ阻害剤の含有量は特には限定されないが、一般的には0.001重量%〜1重量%であり、好ましくは0.01重量%〜0.1重量%の範囲である。しかしながら、飼料中におけるプロテアーゼ阻害剤の含有量は、上記の量に限定されるものではなく、使用するプロテアーゼ阻害剤の種類、飼料に含まれる他の酵素の種類およびその含有量、飼料の種類などに応じて必要量を適宜選択して添加配合することができ、それにより得られる効果を調整することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【0026】
【実施例】
(A)材料と方法
(1)試料の調製
70重量%の粉砕トウモロコシと30重量%の大豆粕を混合してトウモロコシ・大豆粕混合物(以下、CSBMとも略記する)を調製した。
【0027】
(2)タンパク質消化率の測定
タンパク質消化率は、既報のペプシン−パンクレチン法(Saunders, RM.,他、(1973) Journal of Nutrition, 103: 530−535)に一つの改良を加えて測定した。678Uのペプシン(1Uのペプシンは、基質としてヘモグロビンを用いてTCA可溶産物として測定した場合、37℃でpH2.0で1分あたり0.001のΔA280を産生する)(Sigma Chemical, St Louise, MO, USA)を含有する15mlの0.1NのHClおよび試験酵素を、1mm篩にかけた250mgのCSBMと混合し、混合物を37℃で3時間穏やかに振とうした。0.5NのNaOHで中和した後、消化物を5mlのパンクレアチン溶液(少なくともU.S.P.規格に相当する活性、リパーゼ>8U/mg、プロテアーゼ>100U/mg、アミラーゼ>100U/mg)(豚膵臓、パンクレア、Sigma Chemical, St Louise, MO, USA )と混合した。パンクレアチン(4mg)を7.5mlの0.2Mリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、混合物を37℃の湯浴で24時間振とうした。次いで、溶液を1200rpmで10分間遠心し、上層の濾紙(Whatman 5A)と下層のボトルトップフィルター(0.22μm、Milipore Corporation, Bedford)から成る二重層で濾過した。濾液を使用して、Kjeldahl法にて窒素含有量の分析を行った。粗タンパク質消化率は以下の式により計算した。
【0028】
粗タンパク質(CP)消化率(%)=(上清中の窒素/試料中の全窒素)×100
【0029】
(3)酵素
グルカナーゼ以外の酵素は全てSigma Chemical, St Louise, MO, USAから購入した。グルカナーゼは、ICN Biochemical Inc.(California, USA)から購入した。セルラーゼ(1,4−(1,3:1,4)−β−D−Glucan 4−glucano−hydrolase)は、Trichoderma viride由来である。1ユニットは、37℃でpH5.0で1時間にセルロースから1.0マイクロモルのグルコースを遊離させる。キシラナーゼ(endo−1,3−β−Xylanase 1,4−β−D−Xylanxylanohydrolase)はTrichoderma viride由来である。1ユニットは、30℃でpH4.5で1分間にキシランからキシロースとして測定として1マイクロモルの還元糖を遊離させる。ペクチナーゼ(Poly−(1,4−α−D−galacturonide)glycanohydrolase)はAspergillus niger由来である。1ユニットは、25℃でpH4.0で1分間にポリガラクツロン酸から1.0マイクロモルのガラクツロン酸を遊離させる。ヘミセルラーゼはAspergillus niger由来である。1ユニットは、37℃でpH5.5で1時間にヘミセルロースから1.0マイクロモルのD−ガラクトースを遊離させる。フィターゼ(3−Phytase: myo−Inositol−hexakisphosphate 3−phosphohydrolase)はAspergillus ficuum由来である。1ユニットは、37℃でpH2.5で1分間に0.042Mのマグネシウム−カリウムフィテートから1.0マイクロモルの無機Pを遊離させる。プロテアーゼ(Enzyme Commission(EC))はAspergillus saitoi由来である。1ユニットは、37℃でpH2.8で1分間に、ヘモグロビンを加水分解して1.0マイクロモルのチロシンに相当する発色を生じる。グルカナーゼ(β−1,3−glucanase)はArthrobacter luteus由来である。1ユニットは25℃でpH7.5で1分間に0.001のΔA800を生じさせる。
【0030】
セルラーゼ(46U)、キシラナーゼ(15U)、ペクチナーゼ(12.5U)、ヘミセルロース(1U)、グルカナーゼ(1U)、フィターゼ(1.5U)、プロテアーゼ(0.9U)を使用した。また、各試料につきロイペプチン(0.055mg)(プロテアーゼ阻害剤)(Peptide Institute, Inc. Osaka, Japan)を使用した。
【0031】
(2)結果
本実施例では、トウモロコシ・大豆粕混合物中のタンパク質の消化率に対する各種酵素の影響をインビトロ評価法(Saunders, RM.,他、(1973) Journal of Nutrition, 103: 530−535)を用いて評価した。
図1から分かるように、セルラーゼは粗タンパク質(CP)消化率を有意に高めた。トウモロコシ・大豆粕混合物は3.9%のセルロースを含有し、これは非デンプン多糖の約40%に相当する。細胞壁でのNSP消化のために、タンパク質を含む細胞成分の消化が促進されるのかもしれない。本実施例では、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ、グルカナーゼ及びヘミセルラーゼは粗タンパク質消化率に影響しなかった。各種酵素を組み合わせることが、トウモロコシ・大豆粕混合物の細胞壁成分の消化の完遂には重要であるのかもしれない。
【0032】
図1の結果から分かるように、粗タンパク質消化率は各種酵素の組み合わせにより有意に増加し、プロテアーゼを除いた場合、又はプロテアーゼ阻害剤を添加した場合に、この効果はより高かった。これらの結果は、本実施例で使用した炭水化物加水分解酵素がインキュベーション中にプロテアーゼによって消化されている可能性を示す。また、Energexは粗タンパク質消化率に影響しなかったが、プロテアーゼ阻害剤をEnergexに添加した場合、粗タンパク質消化率は高まった。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、消化率、特に粗タンパク質消化率を改善した動物用飼料を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、トウモロコシ・大豆粕混合物の粗たんぱく質消化率に対する各種酵素のインビトロでの効果を示す。値は平均±標準偏差で示す。異なる添字を有する平均値は互いに有意差があることを示す(P<0.05)。*パンクレアチン
【発明の属する技術分野】
本発明は、消化率を改善した動物用飼料、より詳細には、プロテアーゼ阻害剤を配合することによって消化率を改善した動物用飼料に関する。
【0002】
【従来技術】
トウモロコシ・大豆粕飼料は家畜用飼料として世界中で広く使用されている。トウモロコシ・大豆粕飼料は消化性が非常に高い。しかしながら、非デンプン多糖含有量が通常10%以上であるため、酵素を添加することにより、トウモロコシ・大豆粕飼料の消化率を高めることができる(非特許文献1)。
【0003】
近年、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼ等を含む市販の酵素製剤を使用することにより、複数種の動物用飼料中におけるデンプン、タンパク質、脂質、及び無機物の利用可能性を高めることができることが示されている(非特許文献2から6)。
【0004】
上記の通り、飼料にセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等を含む酵素混合物を添加することにより飼料の消化率が改善され、ブロイラーや産卵鶏の生産性が向上することが知られている。しかしながら、飼料用酵素製剤はプロテアーゼを含む各種酵素の混合物であり、精製された単一の酵素の効果については調べられていない。さらに、各種酵素の組み合わせと効果の関係についてもほとんど調べられていない。
【0005】
【非特許文献1】
Bach Knudsen (1997) Animal Feed Science and Technology, 67:319−338
【非特許文献2】
Classen, HL. (1996) Animal Feed Science and Technology, 62:21−27
【非特許文献3】
Malathi, V & Devegowda G. (2001) Poultry Science, 80:302−305
【非特許文献4】
Wiryawan, KG & Dingle, JG. (1999) Animal Feed Science and Technology, 76:185−193
【非特許文献5】
Bedford, MR & Classen, HL. (1993) Poultry Science, 72:137−143
【非特許文献6】
Castanton, JIR., Flores, MP. & Petterson, D. (1997) Animal Feed Science and Technology, 68:361−365
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種の酵素を含む飼料において、さらに消化率を改善した飼料を提供することを解決すべき課題とした。
【0007】
本発明者らは上記課題を解決することを鋭意検討した結果、酵素を含む飼料にプロテアーゼ阻害剤を配合することによって飼料の消化率を高めることができることを実証した。本発明はこの知見に基づいて完成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む動物用飼料が提供される。
好ましくは、飼料成分は大豆粕及び/又はトウモロコシである。
【0009】
好ましくは、酵素は微生物由来の酵素混合物である。
好ましくは、酵素はセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼから成る群から選ばれる少なくとも1種以上の酵素である。
【0010】
好ましくは、プロテアーゼ阻害剤の配合により粗タンパク質の消化率が向上している。
好ましくは、プロテアーゼ阻害剤はロイペプチンである。
好ましくは、動物は、家畜、家禽、養殖魚介類又はペットである。
【0011】
本発明の別の側面によれば、プロテアーゼ阻害剤から成る、飼料成分及び少なくとも1種以上の酵素を含む動物用飼料のための消化率改善剤が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の動物用飼料は、飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む飼料である。本発明者らの研究により、現在市販されている飼料用酵素剤からプロテアーゼを除けば消化率を更に改善して高めることができることが示唆されていた(Fuad, S., 他、(2003) Animal Science Journal, 74:23−29)。しかし、実際に市販されている飼料用酵素剤(酵素混合物)からプロテアーゼを除くことは困難である。そこで、本発明では、既に市販されている酵素剤の効果の改善を目的として、プロテアーゼ阻害剤の効果を検討した。
【0013】
本明細書の実施例において使用したロイペプチンは放線菌由来のプロテアーゼ阻害剤である。セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼを含む酵素混合物にロイペプチンを加え、トウモロコシ・大豆粕混合物のin vitro消化率を調べたところ、粗タンパク質の消化率は向上した。市販の酵素剤であるデンマークのノボ社のEnergex(現在は、ロッシュ社からロノザイムVPとして販売されている)にロイペプチンを添加した場合も同様の傾向が見られた。これらの結果から、プロテアーゼ阻害剤の添加は飼料の粗タンパク質消化率の向上に有効であることが分かる。
【0014】
本発明で用いる飼料成分は、動物又は魚介類用の飼料として一般に使用されるものであればいずれでもよい。そのような飼料は、通常、とうもろこし、ふすま、米、麦、綿実粕、マイロ、大豆粕、生魚、冷凍魚、冷蔵魚、魚粉、脱脂米糠、油脂、アルファルファ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化コリン、各種ビタミン剤(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸)、無機塩(硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト)等の一部又は全部を混合して調製される。
【0015】
飼料中の主要な成分としては、
トウモロコシ、粉砕したトウモロコシ、トウモロコシ粉、トウモロコシ胚芽粗粉、マイロ、キビ、小麦、小麦粉、小麦胚芽粉、大麦、米、ライ麦、燕麦などの穀物類又は加工穀物類副製品;
米ヌカ、フスマ、麦ヌカなどの糟糠類、エンドウマメ種子、ピーナッツ粉、大豆粉などのマメ類、ジャガイモ粉などのイモ類;
大豆粕、脱脂大豆、綿実粕、菜種粕、ゴマ粕、落花生粕、ヒマワリ粕、サフラワー粕、ココヤシ粗粉などの植物性油粕等;
オオムギモルト、ビール粕、酒粕、グルタミン酸発酵粕、トウモロコシ発酵粕、コーングルテンフィード、コーンジャームミール、コンニャク飛粉などの製造粕類;
生魚、冷凍魚、冷蔵魚、魚粉、肉粉、肉骨粉、ミートミール、ミートボーンミール、血粉、フェザーミール、脱脂粉乳、乾燥ホエー、オキアミミール、カゼイン、ゼラチンなどの動物質材料;
ビール酵母などの酵母類;
トウモロコシデンプン、デキストリンなどの糖類;
アルファルファ、乾燥アルファルファ、牧草、各種リーフミール、大豆タンパク、小麦グルテン、トウモロコシツエインなどの植物性タンパク質;
結晶性セルロース、タルク、シリカ、白雲母、ゼオライト等の無機物質の微粉末;
炭酸カルシウムなどの無機カルシウム化合物;並びに
リン酸カルシウムなどの無機リン酸塩;
などを挙げることができる。飼料には、さらに必要に応じ、飼料には、畜産分野で許容されている他の添加物(例えば、他の抗生物質や殺菌剤、駆虫剤、抗酸化剤など)を飼料に配合することもできる。
【0016】
上記の中でも、本発明で用いる飼料成分の特に好ましい例は、大豆粕及び/又はトウモロコシであり、最も好ましい例は、大豆粕とトウモロコシの混合物である。
【0017】
本発明の動物用飼料には少なくとも1種以上の酵素が含まれている。本発明で用いる酵素としては、各種の炭水化物分解酵素を使用することができ、使用する酵素の種類や数は特に限定されない。例えば、セルロースを加水分解するセルラーゼ、ヘミセルロースを加水分解するヘミセルラーゼ、ペクチンを加水分解するペクチナーゼ、キシランを加水分解するキシラナーゼ、グルカンを加水分解するグルカナーゼ、及びフィターゼ、プロテアーゼなどが挙げられ、本発明においては、これらの少なくとも1種類以上、好ましくは少なくとも2種類以上、さらに好ましくは少なくとも3種類以上、最も好ましくはこれらの全ての混合物を使用することができる。酵素としては、微生物由来の酵素混合物を使用することができる。
【0018】
酵素の添加量は特に限定されず、飼料の消化率の向上を達成できる程度に適量を飼料に対して添加することができる。一例としては、トウモロコシ・大豆粕混合飼料の場合には250mgの飼料当たり、10〜100Uのセルラーゼ、0.1〜5Uのヘミセルラーゼ、5〜50Uのペクチナーゼ、5〜50Uのキシラナーゼ、0.1〜5Uのグルカナーゼ、及び0.1〜5Uのフィターゼを使用することができるが、酵素の使用量は適宜変更することができ、この範囲に限定されるものではない。
【0019】
本発明の動物用飼料にはプロテアーゼ阻害剤が含まれている。本発明の飼料においては、プロテアーゼ阻害剤の配合により粗タンパク質の消化率が向上していることを特徴としている。本発明で用いるプロテアーゼ阻害剤の種類は特に限定されず、粗タンパク質の消化率を向上できる限り、任意のプロテアーゼ阻害剤を使用することができる。
【0020】
本発明で用いるプロテアーゼ阻害剤としては、各種のプロテアーゼに対する阻害剤が挙げられ、例えば、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤、メタロプロテアーゼ阻害剤などが挙げられる。
【0021】
ここで、セリンプロテアーゼ阻害剤としては、α1アンチトリプシン、アンチキモトリプシン、アンチトロンビン、α2アンチプラスミン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター、膵臓分泌トリプシンインヒビター、ヒルジンなどの動物由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、トリプシンインヒビター、サブチリシンインヒビター、ロイペプチン、キモスタチン、エラスタチナールなどの植物や微生物由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、α2マクログロブリンやオボマクログロブリンなどの生物由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、ベンズアミジン、アミノカプロン酸、トラネキサム酸、ペプチド性クロロメチンケトン体などが挙げられる。
【0022】
システインプロテアーゼ阻害剤としては、ステフィン、シスタチンやキニノーゲンなどの生物由来のものがあげられる。
また、メタロプロテアーゼ阻害剤としては、EDTA、フェナンスロリン、DTPAなどの金属キレート剤、α2マクログロブリン、オボマクログロブリン、コラゲナーゼインヒビター(TIMP)などの生物由来のメタロプロテアーゼ阻害剤があげられる。
【0023】
さらに、セリンプロテアーゼ及びシステインプロテアーゼの両方の阻害剤としては、ロイペプチンが挙げられる。
本発明では、上記に例示したプロテアーゼの一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
上記したプロテアーゼ阻害剤は、飼料成分及び少なくとも1種以上の酵素を含む動物用飼料のための消化率改善剤として使用することができる。
【0024】
本明細書で言う動物とは、ヒトを含めて最も広義に解釈されるものであり、例えば、家畜、家禽、養殖魚介類又はペットなどが挙げられる。
より具体的には、豚、牛、馬、ヤギ、鹿、ウサギ、ミンク、羊、山羊等の家畜類、ニワトリ(ブロイラー、採卵鶏の両方を含む)、七面鳥、アヒル、ウズラ、カモ、キジまたはガチョウ等の家禽類、猿、マウス、ラット、モルモット等の実験動物、ハマチ、マダイ、フグ、マグロ、ヒラメ、シマアジ、マアジ、サケ、ギンザケ、コイ、ウナギ、ニジマス、アユ、エビ類(クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ロブスター、ブラックタイガー等)、カニ類(タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニ等)、貝類(アワビ、サザエ等)等の養殖水産動物、犬又は猫などのペット、並びに、象、キリン、ライオンその他の動物園で飼育される動物などが挙げられる。
【0025】
本発明の飼料におけるプロテアーゼ阻害剤の含有量は特には限定されないが、一般的には0.001重量%〜1重量%であり、好ましくは0.01重量%〜0.1重量%の範囲である。しかしながら、飼料中におけるプロテアーゼ阻害剤の含有量は、上記の量に限定されるものではなく、使用するプロテアーゼ阻害剤の種類、飼料に含まれる他の酵素の種類およびその含有量、飼料の種類などに応じて必要量を適宜選択して添加配合することができ、それにより得られる効果を調整することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【0026】
【実施例】
(A)材料と方法
(1)試料の調製
70重量%の粉砕トウモロコシと30重量%の大豆粕を混合してトウモロコシ・大豆粕混合物(以下、CSBMとも略記する)を調製した。
【0027】
(2)タンパク質消化率の測定
タンパク質消化率は、既報のペプシン−パンクレチン法(Saunders, RM.,他、(1973) Journal of Nutrition, 103: 530−535)に一つの改良を加えて測定した。678Uのペプシン(1Uのペプシンは、基質としてヘモグロビンを用いてTCA可溶産物として測定した場合、37℃でpH2.0で1分あたり0.001のΔA280を産生する)(Sigma Chemical, St Louise, MO, USA)を含有する15mlの0.1NのHClおよび試験酵素を、1mm篩にかけた250mgのCSBMと混合し、混合物を37℃で3時間穏やかに振とうした。0.5NのNaOHで中和した後、消化物を5mlのパンクレアチン溶液(少なくともU.S.P.規格に相当する活性、リパーゼ>8U/mg、プロテアーゼ>100U/mg、アミラーゼ>100U/mg)(豚膵臓、パンクレア、Sigma Chemical, St Louise, MO, USA )と混合した。パンクレアチン(4mg)を7.5mlの0.2Mリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、混合物を37℃の湯浴で24時間振とうした。次いで、溶液を1200rpmで10分間遠心し、上層の濾紙(Whatman 5A)と下層のボトルトップフィルター(0.22μm、Milipore Corporation, Bedford)から成る二重層で濾過した。濾液を使用して、Kjeldahl法にて窒素含有量の分析を行った。粗タンパク質消化率は以下の式により計算した。
【0028】
粗タンパク質(CP)消化率(%)=(上清中の窒素/試料中の全窒素)×100
【0029】
(3)酵素
グルカナーゼ以外の酵素は全てSigma Chemical, St Louise, MO, USAから購入した。グルカナーゼは、ICN Biochemical Inc.(California, USA)から購入した。セルラーゼ(1,4−(1,3:1,4)−β−D−Glucan 4−glucano−hydrolase)は、Trichoderma viride由来である。1ユニットは、37℃でpH5.0で1時間にセルロースから1.0マイクロモルのグルコースを遊離させる。キシラナーゼ(endo−1,3−β−Xylanase 1,4−β−D−Xylanxylanohydrolase)はTrichoderma viride由来である。1ユニットは、30℃でpH4.5で1分間にキシランからキシロースとして測定として1マイクロモルの還元糖を遊離させる。ペクチナーゼ(Poly−(1,4−α−D−galacturonide)glycanohydrolase)はAspergillus niger由来である。1ユニットは、25℃でpH4.0で1分間にポリガラクツロン酸から1.0マイクロモルのガラクツロン酸を遊離させる。ヘミセルラーゼはAspergillus niger由来である。1ユニットは、37℃でpH5.5で1時間にヘミセルロースから1.0マイクロモルのD−ガラクトースを遊離させる。フィターゼ(3−Phytase: myo−Inositol−hexakisphosphate 3−phosphohydrolase)はAspergillus ficuum由来である。1ユニットは、37℃でpH2.5で1分間に0.042Mのマグネシウム−カリウムフィテートから1.0マイクロモルの無機Pを遊離させる。プロテアーゼ(Enzyme Commission(EC))はAspergillus saitoi由来である。1ユニットは、37℃でpH2.8で1分間に、ヘモグロビンを加水分解して1.0マイクロモルのチロシンに相当する発色を生じる。グルカナーゼ(β−1,3−glucanase)はArthrobacter luteus由来である。1ユニットは25℃でpH7.5で1分間に0.001のΔA800を生じさせる。
【0030】
セルラーゼ(46U)、キシラナーゼ(15U)、ペクチナーゼ(12.5U)、ヘミセルロース(1U)、グルカナーゼ(1U)、フィターゼ(1.5U)、プロテアーゼ(0.9U)を使用した。また、各試料につきロイペプチン(0.055mg)(プロテアーゼ阻害剤)(Peptide Institute, Inc. Osaka, Japan)を使用した。
【0031】
(2)結果
本実施例では、トウモロコシ・大豆粕混合物中のタンパク質の消化率に対する各種酵素の影響をインビトロ評価法(Saunders, RM.,他、(1973) Journal of Nutrition, 103: 530−535)を用いて評価した。
図1から分かるように、セルラーゼは粗タンパク質(CP)消化率を有意に高めた。トウモロコシ・大豆粕混合物は3.9%のセルロースを含有し、これは非デンプン多糖の約40%に相当する。細胞壁でのNSP消化のために、タンパク質を含む細胞成分の消化が促進されるのかもしれない。本実施例では、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ、グルカナーゼ及びヘミセルラーゼは粗タンパク質消化率に影響しなかった。各種酵素を組み合わせることが、トウモロコシ・大豆粕混合物の細胞壁成分の消化の完遂には重要であるのかもしれない。
【0032】
図1の結果から分かるように、粗タンパク質消化率は各種酵素の組み合わせにより有意に増加し、プロテアーゼを除いた場合、又はプロテアーゼ阻害剤を添加した場合に、この効果はより高かった。これらの結果は、本実施例で使用した炭水化物加水分解酵素がインキュベーション中にプロテアーゼによって消化されている可能性を示す。また、Energexは粗タンパク質消化率に影響しなかったが、プロテアーゼ阻害剤をEnergexに添加した場合、粗タンパク質消化率は高まった。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、消化率、特に粗タンパク質消化率を改善した動物用飼料を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、トウモロコシ・大豆粕混合物の粗たんぱく質消化率に対する各種酵素のインビトロでの効果を示す。値は平均±標準偏差で示す。異なる添字を有する平均値は互いに有意差があることを示す(P<0.05)。*パンクレアチン
Claims (8)
- 飼料成分、少なくとも1種以上の酵素、及びプロテアーゼ阻害剤を含む動物用飼料。
- 飼料成分が大豆粕及び/又はトウモロコシである、請求項1に記載の動物用飼料。
- 酵素が微生物由来の酵素混合物である、請求項1に記載の動物用飼料。
- 酵素がセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びプロテアーゼから成る群から選ばれる少なくとも1種以上の酵素である、請求項1又は2に記載の動物用飼料。
- プロテアーゼ阻害剤の配合により粗タンパク質の消化率が向上している、請求項1から3の何れかに記載の動物用飼料。
- プロテアーゼ阻害剤がロイペプチンである、請求項1から4の何れかに記載の動物試料。
- 動物が、家畜、家禽、養殖魚介類又はペットである、請求項1から5の何れかに記載の動物用飼料。
- プロテアーゼ阻害剤から成る、飼料成分及び少なくとも1種以上の酵素を含む動物用飼料のための消化率改善剤。
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