JP2004282687A - 符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法 - Google Patents
符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】符号化による動画像データの圧縮率を低下させずに所要計算量を抑え、十分なセキュリティを確保する。
【解決手段】この符号化装置は、フレーム単位の動画像データを直交変換するDCT部204と、上記動画像データの動き分を予測する予測画像データおよび上記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成する動き補償部213と、上記DCT部204における符号化方法を選択して該符号化方法をモード情報として出力するモード選択部208と、上記モード情報に基づき上記係数情報および上記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき上記モード情報を暗号化する電子鍵挿入部206と、上記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する可変長符号化部207とを具備している。
【選択図】 図2
【解決手段】この符号化装置は、フレーム単位の動画像データを直交変換するDCT部204と、上記動画像データの動き分を予測する予測画像データおよび上記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成する動き補償部213と、上記DCT部204における符号化方法を選択して該符号化方法をモード情報として出力するモード選択部208と、上記モード情報に基づき上記係数情報および上記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき上記モード情報を暗号化する電子鍵挿入部206と、上記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する可変長符号化部207とを具備している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像データに暗号鍵を挿入することで、当該動画像データの不正再生や不正複製を防止することのできる符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットなどの通信メディアやCATVなどの放送メディアの高度化とその普及に伴い、通信メディアや放送メディアを通じて動画像データを伝送することが一般に行われている。動画像データは、音声データなど比較してデータ量が多いので、その伝送には非常に大きい伝送容量が必要となる。そこで、このような動画像データを伝送する場合、予測符号化や動き処理、変換符号化などの技術を用いた圧縮技術・符号化技術が利用されている。このような圧縮・符号化技術の例としては、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式による圧縮・符号化技術などがある。
【0003】
一方で、著作権上あるいはセキュリティ上の観点から、限られたユーザーのみに動画像データを伝送する場合には、動画像データに電子鍵を挿入してスクランブルをかけることが行われている。従来の電子鍵を利用した画像符号化システムとしては、画像データの符号化過程において直交変換により得られた直交変換係数のうち、特定の係数に電子鍵を挿入するものがある(例えば、特許文献1参照)。この画像符号化システムによれば、直交変換係数の高周波数成分に対して鍵となるデータを付加するので、画質の劣化を抑えつつ他人による画像データの無断盗用を防止することができる。
【0004】
しかし、このような画像符号化システムを動画像データの圧縮・符号化装置に適用した場合、データの特定部分に電子鍵データを挿入するのみであるので、当該電子鍵の解除法を知らない第三者であってもデータの受信や再生等を事実上行うことができてしまう。
【0005】
また、第三者の不正再生を防ぐ方法として、動画像データにスクランブルをかけた後に圧縮符号化処理をすることも考えられる。しかし、動画像データの全てのフレームに電子鍵を挿入する場合、必要となる計算量が膨大となり、専用のハードウェアを用意する必要が生じて装置コストがかさむ原因となる。一方、計算量を減らすために全てのフレームに共通の電子鍵を挿入する場合、スクランブルが破られる可能性が高くなるという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
公開特許公報(特開2000−312296)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法では、セキュリティを向上させるために動画像データの全フレームに電子鍵を挿入すると符号化過程において計算量が増加し、ハードウェアコストがかさむという問題がある。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、符号化による動画像データの圧縮率を低下させずに所要計算量を抑え、十分なセキュリティを確保することのできる符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の符号化装置は、入力されたフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報を出力する変換手段と、前記係数情報に基づき前記動画像データを元の動画像データに再生して、該動画像データの動き分を予測する予測画像データおよび前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成する動き補償手段と、フレーム全体の動画像データを前記直交変換手段に入力するフレーム内予測符号化モード、およびフレーム全体の動画像データと前記予測画像データとの差分の動画像データを前記直交変換手段に入力するフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択して前記直交変換手段に入力する動画像データを切り換えるとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するモード選択手段と、前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する符号化手段とを具備している。
【0010】
本発明の復号化装置は、入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報とを分離する復号化手段と、所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除する暗号解除手段と、前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生する変換手段と、前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力する動き補償部とを具備している。
【0011】
本発明の通信システムは、(a)入力されたフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報を出力する変換手段と、前記係数情報に基づき前記動画像データを元の動画像データに再生して該動画像データの動き分を予測する予測画像データと、前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報とを生成して出力する動き補償手段と、フレーム全体の動画像データを前記直交変換手段に入力してフレーム全体の動画像データに対応する係数情報を出力させるフレーム内予測符号化モード、およびフレーム全体の動画像データと前記予測画像データとの差分動画像データを前記直交変換手段に入力して差分の動画像データに対応する係数情報を出力させるフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択して前記直交変換手段に入力する動画像データを切り換えるとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するモード選択手段と、前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する符号化手段とを具備した符号化装置を備え、前記データストリームを送信する送信器と、(b)前記送信器から送信されたデータストリームを、前記係数情報と、前記動きベクトル情報と、前記モード情報とに分解する復号化手段と、所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除する暗号解除手段と、前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生する変換手段と、前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力する動き補償部とを具備した復号化装置を備えた受信器とを具備している。
【0012】
また、本発明の符号化方法は、フレーム全体の動画像データ、およびフレーム全体の動画像データと該動画像データ動き分を予測した予測画像データとの差分動画像データのいずれかを有するフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報に変換するステップと、前記係数情報に基づき、前記動画像データを元の動画像データに再生して前記予測画像データを生成するとともに前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成するステップと、フレーム全体の動画像データを直交変換して係数情報に変換するフレーム内予測符号化モード、および前記差分動画像データを直交変換して係数情報に変換するフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択するとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するステップと、前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化するステップと、前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力するステップとを有している。
【0013】
さらに、本発明の復号化方法は、入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報とに分離するステップと、所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除するステップと、前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生するステップと、前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力するステップとを有している。
【0014】
本発明では、動画像データをフレーム全体の動画像データと差分動画像データとのどちらで圧縮符号化を実行したかを示すモード情報に基づいて、圧縮・符号化された動画像データのパラメータを暗号化するので、動画像データの圧縮率を低下させずに所要の計算量を抑え、十分なセキュリティを確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る通信システムは、送信器101、伝送路102、受信器103、カメラ104、マイク105、スピーカ106および表示装置107により構成される。
【0016】
送信器101は、カメラ104およびマイク105により取り込まれた動画像データを伝送路102に送出する機能を有する。伝送路102は、動画像データを受信器103へ伝送する無線回線や電話回線などの伝送線路であり、回線交換型回線であってもパケット交換型回線であってもよい。また、1対1の接続形態であっても、インターネットのように1対多の接続形態であってもよい。受信器103は、伝送路102を介して伝送された動画像データを受信してスピーカ106および表示装置107を通じてユーザへ動画像を伝える機能を有する。表示装置107は、動画像を表示する装置であり、例えばブラウン管やLCDなどのディスプレー装置である。
【0017】
送信器101は、A/D変換装置108、符号化装置109および送受信装置110を備える。A/D変換装置108は、アナログの動画像データをデジタルの動画像データに変換する機能を有する。符号化装置109は、変換符号化や量子化などの処理を組合わせた圧縮符号化装置であり、例えばMPEG方式に準拠した圧縮符号化装置などである。この符号化装置109は、デジタルデータの圧縮・符号化機能に加えて、動画像データに電子鍵を挿入して当該動画像データにスクランブルをかける機能をも併せ持っている。送受信装置110は、符号化された動画像データを伝送路102へ送出する。送受信装置110は、伝送路102の回線種別に応じて伝送形式が選択される。すなわち、伝送路102が無線回線であれば送受信装置110は無線送受信装置となり、伝送路102がインターネット回線であればサーバやルータなどとなる。
【0018】
受信器103は、送受信装置111、復号化装置112およびD/A変換装置113などを備える。送受信装置111は、送受信装置110と同様に伝送路102に応じて選択され、伝送路102から動画像データを受け取ってベースバンド信号へ変換する機能を有する。復号化装置112は、符号化装置109と逆の手順により電子鍵を解読して動画像データのスクランブルを解除するとともに、動画像データを伸張・復号する機能を有する。D/A変換装置113は、復号された動画像データをアナログ信号に変換してスピーカ106や表示装置107へ出力する機能を有する。
【0019】
なお、この実施形態では、動画像データが送信器101から受信器103へのみ伝送される片方向通信としているが、カメラ104、マイク105、送信器101、受信器103、スピーカ106および表示装置107をそれぞれ双方に備えて双方向通信としてもよい。
この実施形態の通信システムによれば、符号化装置において電子鍵を挿入して動画像データにスクランブルをかけるので、解除法を知らない第三者による動画像データの再生を防ぐことができる。
【0020】
次に、図2を参照して符号化装置109について説明する。図2は、符号化装置109の構成を示す図である。
図2に示すように、符号化装置109は、ブロック化部201、減算器202、切替器203aおよび203b、離散コサイン変換(DCT)部204、量子化部205、電子鍵挿入部206、可変長符号化部207、モード選択部208、逆量子化部209、逆離散コサイン変換(IDCT)部210、加算器211、フレームメモリ212および214、動き補償部213および215ならびに形状符号化部216を備える。
【0021】
ブロック化部201は、1フレーム分の動画像データを所定数のブロックに分割する機能を有する。DCT部204は、動画像データを空間周波数領域に直交変換する機能を有する。直交変換とは、画像データにおける隣接画素等の相関を周波数で表して当該画像データを周波数成分へ分解することで変換係数を生成する処理をいい、被処理画像データを圧縮する作用をする。DCTは直交変換方法の一種であり、DCTに代えて他の直交変換方法を用いてもよい。量子化部205は、直交変換により得られた変換係数を量子化して量子データに変換する。すなわち、DCT部204および量子化部205は、ブロック化された動画像データを直交変換により圧縮して変換係数を生成するとともに、生成した変換係数を量子データに変換して、DCT係数情報を生成する作用をする。
【0022】
逆量子化部209は、量子化された直交変換の変換係数を元の変換係数に逆変換する機能を有し、量子化部205に対応する。IDCT部210は、直交変換の変換係数を元のデータに逆変換する機能を有し、DCT部204に対応する。すなわち、逆量子化部209およびIDCT部210は、DCT部204および量子化部205により動画像データを圧縮・量子化して生成したDCT係数情報を、元の動画像データに逆変換する作用をする。
【0023】
フレームメモリ212および214は、ブロック化された動画像データをフレーム単位で記憶するメモリであり、逆量子化部209およびIDCT部210により逆変換された動画像データ(局部復号信号)を記憶する。動き補償部213および215は、当該動画像データにおけるフレーム間の動きを検出して動き分を補償する機能を有し、前のフレームの動画像データに相当する予測画像データおよび動画像データの動き分のベクトル成分を含む動きベクトル情報を生成する作用をする。
【0024】
形状符号化部216は、ブロック化された動画像データを所定の形状単位で切り出すとともに、切り出した動画像データを当該形状単位で圧縮・符号化した形状符号化情報を生成する機能を有する。ここで、フレームメモリ212の記憶内容は等しくフレームメモリ214にも記憶され、動き補償部213が生成する動きベクトル情報は等しく動き補償部215にも提供される。形状符号化部216は、フレームメモリ214の記憶内容および動き補償部215に供給された動きベクトル情報をそれぞれ参照して、符号化する所定の形状と原画像とを比較する機能をも有し、動画像データのうち所定形状部分の動きを検出することができる。
減算器202は、処理対象のブロック化された動画像データと動き補償部213からの予測画像データとの差分を算出して予測残差データを生成する機能を有する。
【0025】
モード選択部208は、処理対象の動画像データについて符号化するモードを判定してモード情報を生成する機能を有する。ここで、動画像データの符号化モードとしては、圧縮符号化処理をしない非符号化モード、処理されるデータがブロック化されたフレーム内の相関を利用して圧縮されるフレーム全体データであるフレーム内予測符号化モード、処理されるデータがブロック化された前フレームの動画像データから動き補償を実行したフレーム間予測符号化データであるフレーム間予測符号化モード、処理されるデータがブロック化された前後各々のフレームの動画像データから動き補償を実行したフレーム間予測符号化データである後方予測符号化モードなどがある。
【0026】
切替器203aおよび203bは、モード選択部208からのモード情報に基づき変換符号化する信号(データ)の流れを切り替える機能を有し、データの符号化モードに応じた変換符号化処理を実現する作用をする。
【0027】
電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、量子化された直交変換の変換係数(DCT係数情報)、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データを暗号化する電子鍵を生成して当該データにスクランブルをかけるとともに、モード情報を暗号化する機能を有する。可変長符号化部207は、暗号化したモード情報、スクランブルをかけたDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報の各データの各シンボルに可変長符号を割当てて符号化し、各データを多重化してデータストリームに変換する機能を有する。
【0028】
このように、この実施形態における符号化装置によれば、複数のデータ符号化モードに基づいて動画像データをブロック化されたフレーム単位で圧縮・符号化するので、データ伝送容量を小さくすることができる。また、この符号化装置では、データ符号化モードに基づき、圧縮したDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報をブロック化されたフレーム単位で暗号化するので、動画像データの圧縮率を低下させることなく解読が困難な暗号化を実現することができる。
【0029】
ここで、図3を参照して符号化装置109における電子鍵挿入部206について詳細に説明する。図3は、電子鍵挿入部206の構成を示す図である。
図3に示すように、電子鍵挿入部206は、メモリ部301、電子鍵生成部302、電子鍵挿入実行部303およびモード情報暗号化部304を備える。メモリ部301は、ブロック化された1フレーム分の動画像データであるDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報を記憶する。このメモリ部301に記憶される1フレーム分の動画像データは、次の1フレーム分の動画像データを暗号化するために用いられる。電子鍵生成部302は、モード情報およびメモリ部301に記憶された動画像データに基づき、電子鍵を生成する機能を有する。電子鍵はデータのスクランブルを実行する並べ替えキーであり、フレームごとにその都度生成される。すなわち、電子鍵生成部302は、暗号化する1フレーム分の動画像データに対応するモード情報と、メモリ部301に記憶された1つ前のフレーム分の動画像データとに基づき、電子鍵を生成する。
【0030】
電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいてDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報の各データにスクランブルをかける機能を有する。すなわち各データは、当該各データに対応するモード情報および当該データの1つ前のフレーム分のデータに基づいて生成された電子鍵によって暗号化される。
【0031】
モード情報暗号化部304は、動画像データの伝送先である受信器103の識別情報(ID)に基づいてモード情報を暗号化する機能を有する。ここで、IDは、伝送先である受信器103の電話番号やMACアドレスなど、伝送先個々に対応する情報を用いることができ、当該情報に基づいてモード情報を暗号化する。
【0032】
このように、この実施形態の符号化装置によれば、圧縮符号化後の動画像データにスクランブルを施すので、データ量を増加させることなく動画像データを暗号化することができる。また、この符号化装置によれば、動画像データの圧縮・符号化の過程において生成するモード情報と、被処理データの1つ前のフレーム分のデータとに基づいて電子鍵を生成して動画像データにスクランブルを施すので、データ量を増加させずにフレームごとに異なる電子鍵でスクランブルをかけることができ、十分なセキュリティを確保することができる。さらに、この符号化装置によれば、モード情報を伝送先のIDに基づいて暗号をかけるので、暗号化データを解読できる相手を特定することができる。
【0033】
次に、図4を参照して復号化装置112について説明する。図4は、復号化装置112の構成を示す図である。
図4に示すように、復号化装置112は、可変長復号化部401、電子鍵解除部402、逆量子化部403、逆離散コサイン変換(IDCT)部404、加算器405、フレームメモリ406、動き補償部407および412、スイッチ408、画像処理部409、形状復号化部410およびメモリ411を備える。
【0034】
可変長復号化部401は、送受信装置111により受信された動画像データを量子化データに復号する機能を有し、モード情報、DCT係数情報、動きベクトル情報および形状復号化情報をデータストリームから分離する作用をする。電子鍵解除部402は、暗号化されたモード情報の暗号を解除するとともに、スクランブル化されたDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報のスクランブルを解除する機能を有する。
【0035】
逆量子化部403は、量子化されたDCT係数情報を元のDCT係数情報へ変換する機能を有し、IDCT部404は、DCT係数情報から元の動画像データへ変換する機能を有する。すなわち、逆量子化部403およびIDCT部404は、符号化装置109により圧縮・符号化された動画像データを逆の手順により伸張・復号する機能を有する。
【0036】
フレームメモリ406は、動画像データをフレーム単位で記憶するメモリであり、動き補償部407は、動画像データにおけるフレーム間の動きを検出して動き分を補償する機能を有する。そして、加算器405は、フレームメモリ406および動き補償部407により動き分が補償された前フレームデータと次のフレームデータとを加算して完全なフレームに再生する機能を有する。スイッチ408は、モード情報に応じて動き補償の有無を選択する機能を有する。
【0037】
形状復号化部410は、形状符号化情報から所定の形状を復号する機能を有する。メモリ411は、復号された形状情報を記憶する機能を有し、動き補償部412は、記憶された形状情報と動きベクトル情報とから形状の動き分を補償する機能を有する。そして、形状復号化部410は、補償された動き分情報を参照して形状を復号する機能をも有する。
画像処理部409は、加算器405を経て再生したブロック化された1フレーム分の動画像データと、形状復号化部410により復号された形状情報とをオブジェクトとして合成・編集等を実行する機能を有する。
【0038】
このように、この復号化装置112によれば、符号化装置109によりセキュリティを確保しつつ圧縮・符号化された動画像データを復号することができる。
【0039】
次に、図5を参照して、復号化装置112における電子鍵解除部402について詳細に説明する。図5は、電子鍵解除部402の構成を示す図である。
図5に示すように、電子鍵解除部402は、モード情報暗号解除部501、メモリ部502、電子鍵生成部503および電子鍵解除実行部504を備える。モード情報暗号解除部501は、電子鍵挿入部206におけるモード情報暗号化部304に対応し、受信器103の識別情報(ID)などに基づき暗号化されたモード情報の暗号を解除する機能を有する。メモリ部502は、スクランブルが解除された1フレーム分のDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データを記憶する。電子鍵生成部503は、電子鍵挿入部206における電子鍵生成部302と対応し、メモリ部502に記憶された1つ前の1フレーム分の動画像データと、モード情報暗号解除部501により暗号が解除されたモード情報とに基づき電子鍵を生成する。電子鍵解除実行部504は、電子鍵挿入部206における電子鍵挿入実行部303に対応し、電子鍵により動画像データのスクランブルを解除する機能を有する。
【0040】
このように、この実施形態の復号化装置によれば、暗号を解除したモード情報と、メモリに記憶されたスクランブルの解除された動画像データとに基づいて電子鍵を生成し、この電子鍵により動画像データのスクランブルを解除するので、フレーム単位でスクランブルがかけられた動画像データを復号することができる。
【0041】
続いて、図6〜図11を参照してこの通信システムの動作を説明する。図6〜図9に示すのは符号化装置109の動作を示すフローチャート、図10は復号化装置112の動作を示すフローチャート、図11は電子鍵挿入部206における電子鍵挿入実行部303の動作を示す図である。
【0042】
図1に示すようにこの通信システムでは、カメラ104およびマイク105が動画像データを取り込むと、A/D変換装置108は、アナログの動画像データをデジタルの動画像データに変換して符号化装置109へ入力する。
符号化装置109は、デジタルデータに変換された動画像データについて直交変換処理、量子化処理、動き補償処理、形状符号化処理、電子鍵挿入処理および可変長符号化処理の各処理を実行して、当該動画像データを圧縮・符号化されたデータストリームに変換する。
【0043】
送受信装置110は、データストリーム化された動画像データを伝送路102に適合した形式に変調・変換し、伝送路102へ送出する。伝送路102を介して動画像データを受け取った送受信装置111は、データストリーム化された動画像データに変換して復号化装置112へ入力する。
復号化装置112は、入力された動画像データストリームについて可変長復号化処理、電子鍵解除処理、逆量子化処理、逆直交変換処理、動き補償処理、形状復号化処理および画像処理の各処理を実行し、元のデジタル動画像データへ変換する。そして、D/A変換装置113は、元の動画像データをデジタルデータからアナログデータへ変換し、スピーカ106および表示装置107により元の動画像を表示または出力する。
【0044】
次に、図2および図6〜図9を参照して符号化装置109の動作を詳細に説明する。本実施形態における符号化装置109は、フレーム単位の動画像データを複数のブロック単位に分割して圧縮・符号化処理を行う。また、動画像データをフレーム内予測符号化データ(Iピクチャ)、フレーム間予測符号化データ(Pピクチャ)および後方予測符号化データ(Bピクチャ)に分割して動画像データを圧縮・符号化する。ここで、過去のフレームから一方向のフレーム間予測を行い、差分を符号化した動画像データをPピクチャ、過去と未来の2つのフレームから二方向のフレーム間予測を行い、差分を符号化した動画像データをBピクチャと呼ぶ。
【0045】
まず、図6を参照してフレーム内予測符号化データの圧縮・符号化動作を説明する。図6は、図2に示す符号化装置109のフレーム内予測符号化処理を示すフローチャートである。
【0046】
ブロック化部201は、A/D変換されたフレーム単位の動画像データを所定のマクロブロックにフレーム分割する。フレーム内予測符号化処理の場合、モード選択部208はフレーム内予測符号化モード(イントラモード)を選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Aを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてイントラモードを伝える(ステップS601。以下「S601」のように表す。)。切替器203aは、マクロブロック化された動画像データをDCT部204へ入力する。
【0047】
DCT部204は、ブロック化された動画像データを空間周波数領域に直交変換してDCT係数情報を生成する(S602)。この直交変換処理により、空間周波数の高い領域のデータが丸められてデータが圧縮される。DCT部204は、動画像データをDCT係数情報に変換すると量子化部205に入力する。
【0048】
量子化部205は、DCT係数情報を量子化し、量子化データを電子鍵挿入部206および逆量子化部209へ入力する(S603)。
【0049】
量子化データを受け取った電子鍵挿入部206は、モード情報に基づいて量子化データにスクランブルをかける。具体的には、図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S604)。なお、先頭の動画像データについてはメモリ部301に1フレーム前の動画像データが記憶されていないため、伝送先である受信器103のID等に基づき電子鍵を生成する。
【0050】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいてDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの量子化データにスクランブルをかける(S605)。量子化データのスクランブル化に併せて、モード情報暗号化部304は、伝送先である受信器103のID等に基づきモード情報を暗号化する。量子化データをスクランブル化するとともにモード情報を暗号化すると、電子鍵挿入部206は、スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を可変長符号化部207に入力する。
【0051】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化されたモード情報を受け取ると、可変長符号化部207は、当該量子化データおよびモード情報の各シンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S606)。
【0052】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を符号化すると、可変長符号化部207は、符号化した量子化データおよびモード情報を多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S607)。
【0053】
ここで、量子化部205がDCT係数情報を量子化すると、逆量子化部209およびIDCT部210は、量子化の逆の手順により1フレーム分の動画像データのマクロブロックを再生するとともに、加算器211を介してフレームメモリ212へ再生した動画像データ(局部復号信号)を入力する。フレームメモリ212へ記憶されるマクロブロック化した動画像データは、フレーム間予測符号化処理において予測用参照画像として用いられる。
【0054】
次に、図7および図8を参照して、フレーム間予測符号化データおよび後方予測符号化データの符号化動作を説明する。図7は、図2に示す符号化装置109によるフレーム間予測符号化処理を示すフローチャートであり、図8は、同じく後方予測符号化処理を示すフローチャートである。
【0055】
まず、フレーム間予測符号化処理について説明する。ブロック化部201は、フレーム内予測符号化処理の場合と同様に、A/D変換されたフレーム単位の動画像データを所定のマクロブロックにフレーム分割する。フレーム間予測符号化処理の場合、モード選択部208は、フレーム間予測符号化モード(インターモード)を選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Bを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてインターモードを伝える(S701)。切替器203aおよび203bが切り替わると、ブロック化部201は、マクロブロック化した動画像データを減算器202、動き補償部213および形状符号化部216に入力する。
【0056】
フレーム間予測符号化処理においては、予めフレーム内予測符号化処理等によりフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像を利用する。動き補償部213は、マクロブロック化した動画像データを参照して、当該マクロブロック化された動画像データとフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像とから予測画像データおよび動きベクトル情報を生成する(S702)。
【0057】
予測画像データが生成されると、減算器202は、当該予測画像データとブロック化部201から受け取った動画像データとを減算処理して予測残差データを生成する。予測残差データが生成されると、DCT部204は、予測残差データを空間周波数領域に直交変換して予測残差データ(差分)のDCT係数情報を生成し、量子化部205に入力する(S703)。
【0058】
差分のDCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、差分のDCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206および逆量子化部209に入力する(S704)。
【0059】
量子化された差分のDCT係数情報を受け取ると、電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、動きベクトル情報および量子化された差分のDCT係数情報にスクランブルをかける。具体的には、図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S705)。
【0060】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいて動きベクトル情報、差分のDCT係数情報および形状符号化情報などの量子化データにスクランブルをかける(S706)。また、フレーム内予測符号化処理と同様に、モード情報暗号化部304は、伝送先である受信器103のID等に基づきモード情報を暗号化する。量子化データをスクランブル化するとともにモード情報を暗号化すると、電子鍵挿入部206は、スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を可変長符号化部207に入力する。
【0061】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化されたモード情報を受け取ると、可変長符号化部207は、当該量子化データおよびモード情報のシンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S707)。
【0062】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を符号化すると、可変長符号化部207は、符号化した量子化データおよびモード情報を多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S708)。
【0063】
続いて、後方予測符号化処理について説明する。図8に示すように、後方予測符号化処理を行う符号化装置109の動作は、フレーム間予測符号化処理の場合とほぼ共通する。ブロック化部201は、フレーム内予測符号化処理の場合と同様に、A/D変換されたフレーム単位の動画像データを所定のマクロブロックにフレーム分割する。後方予測符号化処理の場合、モード選択部208は、後方予測符号化モードを選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Bを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報として後方予測符号化モードを伝える(S801)。切替器203aおよび203bが切り替わると、ブロック化部201は、マクロブロック化した動画像データを減算器202、動き補償部213および形状符号化部216に入力する。
【0064】
後方予測符号化処理においても、予めフレーム内予測符号化処理等によりフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像を利用する。ただし、後方予測符号化処理の場合、フレームメモリ212は、1つ前のフレームと1つ後のフレームの両方の予測用参照画像を記憶する。そして、動き補償部213は、マクロブロック化した動画像データを参照して、当該マクロブロック化された動画像データとフレームメモリ212に記憶された2つの予測用参照画像とから予測画像データおよび動きベクトル情報を生成する(S802)。
【0065】
予測画像データが生成されると、減算器202は、当該予測画像データとブロック化部201から受け取った動画像データとを減算処理して予測残差データを生成する。予測残差データが生成されると、DCT部204は、予測残差データを空間周波数領域に直交変換して予測残差データ(差分)のDCT係数情報を生成し、量子化部205に入力する(S803)。
【0066】
差分のDCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、差分のDCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206および逆量子化部209に入力する(S804)。
【0067】
量子化された差分のDCT係数情報を受け取ると、電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、動きベクトル情報および量子化された差分のDCT係数情報にスクランブルをかける。具体的には、図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S805)。
【0068】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいて動きベクトル情報、差分のDCT係数情報および形状符号化情報などの量子化データにスクランブルをかける(S806)。また、フレーム内予測符号化処理と同様に、モード情報暗号化部304は、伝送先である受信器103のID等に基づきモード情報を暗号化する。量子化データをスクランブル化するとともにモード情報を暗号化すると、電子鍵挿入部206は、スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を可変長符号化部207に入力する。
【0069】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化されたモード情報を受け取ると、可変長符号化部207は、当該量子化データおよびモード情報のシンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S807)。
【0070】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を符号化すると、可変長符号化部207は、符号化した量子化データおよびモード情報を多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S808)。
【0071】
次に、図9を参照して、形状符号化処理を含めた符号化装置109の具体的な処理について説明する。図9は、符号化装置109の具体的動作を示すフローチャートである。
この実施形態における符号化装置の動画像データ圧縮・符号化処理では、先に説明したフレーム内予測符号化処理、フレーム間予測符号化処理および後方予測符号化処理のいずれかを適宜選択して処理を実行している。例えば、動画像データの圧縮率を優先する場合、フレーム間予測符号化処理や後方予測符号化処理による差分データの処理割合を全フレームデータの処理割合よりも増やせばよい。逆に、動画像データの品質を優先する場合、フレーム内予測符号化処理による全フレームデータの処理割合を差分データの処理割合よりも増やせばよい。また、形状符号化処理はフレーム全体に対する処理とは別個に処理が実行される。
【0072】
図9に示すように、ブロック化部201が動画像データをマクロブロックにフレーム分割すると、形状符号化部216は、ブロック化された動画像データが形状符号化処理の対象であるか否かを判定する(S901)。
【0073】
ブロック化された動画像データが形状符号化処理の対象である場合(S901のYes)、形状符号化部216は、動画像データから形状情報を抽出し、フレームメモリ214の記憶内容および動き補償部215からの動きベクトル情報に基づき形状符号化情報を生成する。また、形状符号化部216は、生成した形状符号化情報について直交変換処理および量子化処理を実行し、DCT係数情報に変換して電子鍵挿入部206へ入力する(S902)。
【0074】
ブロック化された動画像データが形状符号化処理の対象でない場合(S901のNo)、モード選択部208は、ブロック化された動画像データがフレーム内予測符号化処理の対象かフレーム間予測符号化処理の対象かを判定する(S903)。
【0075】
ブロック化された動画像データがフレーム内予測符号化処理の対象である場合(S903のA)、モード選択部208はイントラモードを選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Aに接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてイントラモードを伝える。切替器203aは、動画像データをDCT部204へ入力する。
【0076】
DCT部204は、ブロック化された動画像データを空間周波数領域に直交変換してDCT係数情報を生成し、量子化部205へ入力する(S904)。
【0077】
DCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、DCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206へ入力する(S905)。
【0078】
ブロック化された動画像データがフレーム間予測符号化処理の対象である場合(S903のB)、モード選択部208はインターモードを選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Bを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてイントラモードを伝える。切替器203aおよび203bが切り替わると、ブロック化部201は、マクロブロック化した動画像データを減算器202および動き補償部213に入力する。
【0079】
マクロブロック化した動画像データを受け取ると、動き補償部213は、当該マクロブロック化された動画像データとフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像とから予測画像データおよび動きベクトル情報を生成する(S906)。
【0080】
予測画像データが生成されると、減算器202は、当該予測画像データとブロック化部201から受け取った動画像データとを減算処理して予測残差データを生成する。予測残差データが生成されると、DCT部204は、予測残差データを直交変換処理して差分のDCT係数情報を生成し、量子化部205に入力する(S907)。
【0081】
差分のDCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、差分のDCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206および逆量子化部209に入力する(S908)。
【0082】
量子化された動画像データを受け取ると、電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、動きベクトル情報、DCT係数情報および形状符号化情報にスクランブルをかける。具体的には図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S909)。
【0083】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいて動きベクトル情報、全フレームおよび差分のDCT係数情報および形状符号化情報についてスクランブルをかけ、モード情報を暗号化する(S910)。スクランブルや暗号化の手法はフレーム内符号化処理やフレーム間符号化処理と同様である。
【0084】
モード情報が暗号化され、形状符号化情報、全フレームおよび差分のDCT係数情報および動きベクトル情報にスクランブルがかけられると、可変長符号化部207は、各々のシンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S911)。
【0085】
各情報が符号化されると、可変長符号化部207は、符号化されたデータを多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S912)。
【0086】
なお、ここでは形状符号化処理、フレーム内符号化処理およびフレーム間符号化処理を行う例を説明したが、さらに後方予測符号化処理を行ってもよい。この場合、モード選択部208は、イントラモード、インターモードおよび後方予測符号化モードのいずれかを判定することになる。
【0087】
次に、図10を参照して、図4に示す復号化装置112の動作について説明する。図10は、復号化装置112の動作を示すフローチャートである。
【0088】
伝送路102を介して送受信装置111が受信したデータストリームは、ベースバンド信号に変換されて復号化装置112の可変長復号化部401に入力される(S1001)。
【0089】
データストリームが入力されると、可変長復号化部401は、多重化されたデータストリームからモード情報、形状復号化情報、DCT係数情報および動きベクトル情報を分離し、それぞれを量子化されたシンボル値に変換して電子鍵解除部402に入力する(S1002)。
【0090】
分離された各情報を受け取ると、電子鍵解除部402は、モード情報の暗号を解除するとともに電子鍵を生成する。具体的には、図5に示す電子鍵解除部402において、暗号化されたモード情報を受け取ったモード情報暗号解除部501は、自らのID等を利用してモード情報の暗号を解除して電子鍵生成部503に入力する。モード情報を受け取ると、電子鍵生成部503は、モード情報と、予めメモリ部502に記憶されている1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵解除実行部504に入力する(S1003)。なお、先頭の動画像データについては、メモリ部502に1フレーム前の動画像データが記憶されていないので、自らのID等を利用して電子鍵を生成する。
【0091】
電子鍵を受け取ると、電子鍵解除実行部504は、電子鍵に基づきDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データのスクランブルを解除する(S1004)。すなわち、スクランブルの解除は、電子鍵挿入部206の電子鍵挿入実行部303におけるスクランブル化と逆の手順で行われる。
【0092】
スクランブルが解除されると、電子鍵解除部402は、解除した情報が形状符号化情報か否か判定する(S1005)。
【0093】
解除した情報が形状符号化情報である場合(S1005のYes)、電子鍵解除部402は、形状符号化情報を形状復号化部410へ入力する。形状符号化情報を受け取ると、形状復号化部410は、逆量子化処理および逆直交変換処理を実行して形状符号化情報を伸張・復号する。伸張・復号された形状符号化情報は、メモリ411および動き補償部412により動き補償を施されて元の形状情報に復元される。(S1006)。形状情報が復元されると、形状復号化部410は形状情報を画像処理部409へ渡す。
【0094】
解除した情報が形状符号化情報でない場合(S1005のNo)、電子鍵解除部402は、モード情報に基づき解除した情報がイントラモードであるか、インターモードであるかを判定する(S1007)。
【0095】
モード情報がイントラモードである場合(S1007のA)、電子鍵解除部402は、スイッチ408をオフとしてスクランブルが解除されたDCT係数情報を逆量子化部403に入力する。DCT係数情報を受け取ると、逆量子化部403は、量子化されたDCT係数情報を元のDCT係数情報に変換してIDCT部404に渡す(S1008)。
【0096】
元のDCT係数情報を受け取ると、IDCT部404は、DCT係数情報を逆直交変換して元の動画像データを再生し、画像処理部409に入力する(S1009)。
【0097】
モード情報がインターモードである場合(S1007のB)、電子鍵解除部402は、スイッチ408をオンとしてスクランブルが解除された差分のDCT係数情報を逆量子化部403に入力するとともに、動きベクトル情報を動き補償部407に入力する(S1010)。
【0098】
差分のDCT係数情報を受け取ると、逆量子化部403は、量子化された差分のDCT係数情報を元のDCT係数情報に変換してIDCT部404に入力する(S1011)。
【0099】
元のDCT係数情報を受け取ると、IDCT部404は、DCT係数情報に逆直交変換処理を施して元の予測残差データを再生して加算器405に入力する(S1012)。
【0100】
一方、動きベクトル情報を受け取った動き補償部407は、動きベクトル情報に基づいて、フレームメモリ406に記憶された予測参照画像(前フレームの動画像データ)に動き補償を実行して加算器405に入力する。加算器405は、予測残差データと動き補償された予測参照画像とを足し合わせて1フレーム分の動画像データを再生し、画像処理部409に入力する(S1013)。
【0101】
ここで、DCT係数情報および差分のDCT係数情報から復号されたデータは、元の動画像データである。一方、形状符号化情報から復号されたデータは、動画像データから所定の形状をオブジェクトとして切り出されたデータである。再生した動画像データおよび形状情報を受け取った画像処理部409は、各々の情報をオブジェクトとして合成・編集・削除等の処理を実行する(S1014)。合成等の処理を施された動画像データは、D/A変換装置113によりアナログ変換されてスピーカ106や表示装置107によりユーザに提供される。
【0102】
なお、ここでは形状符号化処理、フレーム内符号化処理およびフレーム間符号化処理を行う例を説明したが、さらに後方予測符号化処理を行ってもよい。この場合、電子鍵解除部402は、イントラモード、インターモードまたは後方予測符号化モードのいずれかを判定することになる。
【0103】
次に、図11を参照して、符号化装置109における電子鍵挿入部206の具体的動作例について詳細に説明する。図11は、電子鍵挿入部206により量子化データにスクランブルをかける様子の一例を示す図である。
【0104】
図3に示す電子鍵挿入部206では、メモリ部301にブロック化された1フレーム前の動画像データが記憶される。電子鍵生成部302は、メモリ部301から動画像データを読み取り、この動画像データの平均値に基づいて並べ替える桁数を決定する。例えば、動画像データのRGB値が8ビットであると仮定して平均値が100以下を1桁、100以上200未満を2桁、200以上を3桁のように並び替える桁数を予め設定しておく。図11に示す例では、並べ替え対象の動画像データの値が「240」(ビット表記で「11110000」)の場合において、ブロック内のRGB値の平均が100以上200未満であったと仮定してデータビットの2桁を並び替えている。
【0105】
次に、電子鍵生成部302は、モード情報に基づきRGBの要素のうち並べ替えを行う要素を決定する。例えば、モード情報がイントラモードである場合はモード1として要素Rを並べ替え、インターモードである場合はモード2として要素Gを並べ替え、非圧縮モードである場合はモード3として要素Bを並べ替えるようにする。図10(a)に示す例では、モード1として要素Rの上位2桁を並び替えを行っている。また、図10(b)に示す例では、モード2として要路Gの上位2桁の並び替えを行っている。図10(c)に示す例では、モード3として要素Bの上位2桁の並び替えを行っている。
【0106】
ここで、この実施形態における電子鍵挿入部206では、RGB値データの平均値とモード情報とに基づいて並べ替え対象および桁数を決定しているが、これに限定されるものではなく、色差データを用いたり最大値や最小値を判定材料としてもよい。すなわち、モード情報と、DCT係数情報、動きベクトル情報または形状符号化情報などの動画像データとにより並べ替えの規則を組み立てる構成であればよい。
【0107】
このように、この実施形態の通信システムによれば、予測符号化処理により生成されるモード情報と、DCT係数情報、動きベクトル情報または形状符号化情報などの1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成し、直交変換・量子化後の動画像データを当該電子鍵により暗号化するので、データ量を増やすことなくフレーム単位で暗号をかけることが可能となり、十分なセキュリティを確保することができる。
【0108】
次に、図12および図13を参照して本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムについて説明する。図12は、本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。なお、図1と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0109】
図12に示す通信システムでは、受信器103において、送受信装置111、復号化装置112およびD/A変換装置113に加えて、さらに指示入力装置114を備えている。指示入力装置114は、ユーザからの動画像伝送要求の指示を受けて、復号化装置112、送受信装置111、伝送路102および送受信装置110を通じて符号化装置109に対し動画像データの圧縮・符号化処理の開始を要求する機能を有する。この動画像伝送要求の指示は、符号化の要否、暗号化の要否、符号化・暗号化のブロック指定等を含めることができる。
【0110】
次に、図13を参照して、本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置の関係について説明する。図13は、符号化装置および復号化装置の構成を示す図である。なお、図2と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。また、送受信装置や伝送路など、符号化装置および復号化装置以外の構成については図示を省略した。
【0111】
図13に示すように、この通信システムでは、図2に示した復号化装置112の構成に加えて、さらに画像要求部413を備える。画像要求部413は、指示入力装置114を介して受けたユーザの指示に基づき、符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号等を生成して、符号化装置109の電子鍵挿入部206へ指示する機能を有する。指示を受けた電子鍵挿入部206は、符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号等に基づいて符号化・暗号化の制御やブロックの指定等を実行する。
【0112】
続いて、図12および図13を参照して、この第2の実施形態に係る通信システムの動作について説明する。
【0113】
ユーザから動画像伝送要求の指示を受けると、指示入力装置114は、復号化装置112の画像要求部217に対して動画像データの圧縮・符号化処理の開始を指示する。指示を受けた画像要求部217は、指示に基づいて符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を生成し、送受信装置111を介して送信器101へ送出する。
伝送路102を介して符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を受けた送信器101は、これらの信号を送受信装置110によりベースバンド信号に変換して符号化装置109へ入力する。
【0114】
ベースバンド信号に変換された符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を受け取ると、符号化装置109は各信号を電子鍵挿入部206へ入力する。符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を受け取った電子鍵挿入部206は、各信号に基づいてブロック化部201および形状符号化部216にブロックや形状の特定を指示するとともに、当該ブロックや形状について符号化処理および暗号化処理を実行する。
【0115】
このように、第2の実施形態に係る通信システムによれば、ユーザの指示に基づいて暗号化するブロックや形状を動的に指定することができる。
【0116】
次に、図14乃至図16を参照して、本発明の第3の実施形態に係る符号化装置および復号化装置について説明する。図14は、本発明の第3の実施形態に係る符号化装置109の構成を示す図、図15は、同じく電子鍵挿入部206を示す図、図16は、同じく電子鍵解除部402を示す図である。
【0117】
前述した通り、本発明の第1および第2の実施形態に係る符号化装置、復号化装置および通信システムでは、1フレーム前の動画像データに基づいて電子鍵を生成し、動画像データにスクランブルをかけている。したがって、本発明の復号化装置においてスクランブルを解除するためには、1フレーム前の動画像データがメモリ部502に正常に記録されている必要がある。
しかし、伝送路102の伝送品質によっては伝送経路において伝送データの一部が欠落する可能性があり、そうすると電子鍵の生成に失敗してスクランブル解除ができなくなってしまう。
この実施形態の符号化装置、復号化装置および通信システムは、電子鍵生成のための動画像データを複数フレーム分用意して、伝送データが欠落しても電子鍵生成を維持できるようにしたものである。
【0118】
まず、図14を参照して、この実施形態の符号化装置109について説明する。この実施形態の符号化装置109は、第1の実施形態に係る符号化装置109にフレーム番号情報決定手段217をさらに備えたものである。なお、図2と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0119】
図14に示すように、フレーム番号情報決定手段217には、基準クロック発生手段(図示せず)などにより生成された基準時間情報が入力され、この基準時間情報に基づきフレーム番号情報を生成して電子鍵挿入部206に入力する。基準時間情報は、動画像データの中から電子鍵の挿入を開始する先頭動画像データを特定する情報であり、例えばカメラ104により撮影された日時情報に対応して生成される。また、フレーム番号情報は、基準時間情報で特定された先頭動画像データ以後の動画像データをフレーム単位で特定する情報であり、当該先頭動画像データからの連続した一連番号などにより構成される情報である。
【0120】
圧縮符号化処理においては、動画像データが動きベクトル情報などに分解されるので、原動画像データに含まれていたフレーム単位の情報が欠落してしまう。この実施形態の符号化装置109におけるフレーム番号情報決定手段217は、動画像データをフレーム単位で特定する情報を補う機能を有している。
電子鍵挿入部206は、モード情報に加えてフレーム番号情報を利用して電子鍵を生成し、DCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報に電子鍵を挿入する。
【0121】
次に、図15を参照して、この実施形態の電子鍵挿入部206について説明する。この実施形態の電子鍵挿入部206は、第1の実施形態に係る電子鍵挿入部206に電子鍵生成制御部305をさらに備えたものであり、図3と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図15に示すように、この実施形態の電子鍵挿入部206は、メモリ部301、電子鍵生成部302、電子鍵挿入実行部303、モード情報暗号化部304および電子鍵生成制御部305を備えている。
【0122】
このメモリ部301は、ブロック化された所定のフレーム数の動画像データであるDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報を記憶する。第1の実施形態と異なるのは、第3の実施形態に係る電子鍵挿入部206のメモリ部301では、1つ前のフレームに対応する動画像データだけではなく、所定のフレーム数に相当する動画像データが記憶される点である。例えば、伝送路102において最大1秒程度の伝送欠落が見込まれる場合、それに対応して30フレーム程度の動画像データを記憶する。そして、記憶された動画像データのうちいずれかの1フレーム分の動画像データが電子鍵生成に用いられる。
【0123】
電子鍵生成制御部305は、入力されたフレーム番号情報に基づきメモリ部301に記憶されるフレーム単位の動画像データそれぞれにフレーム番号を割り当てるとともに、メモリ部301に記憶された動画像データのうち電子鍵生成の基準とすべきフレームを特定するための基準フレーム情報を生成して電子鍵生成部302に伝える。
【0124】
基準フレーム情報は、例えば基準時間情報で特定される先頭動画像データから遡るフレーム数の情報や、先頭動画像データからの経過時間の情報などからなる情報であるが、これらに限られるものではない。すなわち、先頭動画像データ以後のフレーム単位の動画像データを特定する情報であれば、どのような情報でも基準フレーム情報として用いることができる。
【0125】
電子鍵生成部302は、モード情報およびメモリ部301に記憶された動画像データのうち基準フレーム情報で特定された動画像データに基づき、電子鍵を生成する機能を有する。すなわち、電子鍵生成部302は、暗号化する1フレーム分の動画像データに対応するモード情報と、メモリ部301に記憶された所定フレーム数の動画像データのうち電子鍵生成制御部305が決定した基準フレーム情報に対応する動画像データに基づき、電子鍵を生成する。
【0126】
電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいてDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報の各データにスクランブルをかける機能を有する。モード情報暗号化部304は、動画像データの伝送先である受信器103の識別情報(ID)に基づいて、モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報を暗号化する機能を有する。
【0127】
続いて、図16を参照して、この実施形態の電子鍵解除部402について説明する。この実施形態の電子鍵解除部402は、第1の実施形態に係る電子鍵解除部402に電子鍵生成制御部505をさらに備えたものであり、図5と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0128】
図16に示すように、この実施形態の電子鍵解除部402は、モード情報暗号解除部501、メモリ部502、電子鍵生成部503、電子鍵解除実行部504および電子鍵生成制御部505を備える。モード情報暗号解除部501は、電子鍵挿入部206におけるモード情報暗号化部304に対応し、受信器103の識別情報(ID)などに基づき暗号化されたモード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号を解除する機能を有する。
【0129】
メモリ部502は、スクランブルが解除された所定のフレーム数分のDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データを記憶する。この実施形態のメモリ部502は、1フレーム分の動画像データだけではなく、電子鍵挿入部206に対応する所定のフレーム数の動画像データを記憶する点が第1の実施形態と相違している。
【0130】
電子鍵生成制御部505は、暗号が解除されたフレーム番号情報からメモリ部502に記憶されたフレーム単位の動画像データそれぞれにフレーム番号を割り当てるとともに、同じく暗号が解除された基準フレーム情報に基づき、メモリ部502に記憶された動画像データのうち電子鍵生成の基準とすべき動画像データを特定する。
【0131】
電子鍵生成部503は、電子鍵挿入部206における電子鍵生成部302と対応し、メモリ部502に記憶されている電子鍵生成制御部505により特定された動画像データと、モード情報暗号解除部501により暗号が解除されたモード情報とに基づき電子鍵を生成する。電子鍵解除実行部504は、電子鍵挿入部206における電子鍵挿入実行部303に対応し、電子鍵により動画像データのスクランブルを解除する機能を有する。
【0132】
このように、この実施形態の符号化装置、復号化装置によれば、メモリ部301・502に所定フレーム数の動画像データを逐次記憶しておき、動画像データの圧縮・符号化の過程において生成するモード情報と、記憶された動画像データのうち基準フレーム情報で特定されたフレームの動画像データとに基づいて電子鍵を生成して動画像データにスクランブルを施すので、伝送路102においてデータ欠落が発生しても、次の動画像データのスクランブルを解除する電子鍵を生成する動画像データをメモリ部502から読み出すことができる。
【0133】
続いて、図15および図17を参照して、この実施形態の符号化装置109における電子鍵生成処理について詳細に説明する。図17は、この実施形態の電子鍵挿入部206の動作を示すフローチャートである。
【0134】
動画像データへの電子鍵挿入が開始されると、フレーム番号情報決定手段217は、先頭動画像データに対応する基準時間情報を受け取り、フレーム番号情報を生成して基準時間情報とともに電子鍵挿入部206の電子鍵生成制御部305に入力する(S1701)。
【0135】
基準時間情報とフレーム番号情報が入力されると、電子鍵生成制御部305は、電子鍵を生成する基準となる動画像データに対応する基準フレーム情報(例えば先頭動画像データから15フレーム遡るとして「15」)を生成する(S1702)。
【0136】
基準フレーム情報を生成すると、電子鍵生成制御部305は、基準時間情報およびフレーム番号情報に基づき、メモリ部301に記憶される動画像データにフレーム番号を割り当てる(S1703)。このフレーム番号は、例えば一連番号のように処理開始の後重複しないように生成される。
【0137】
電子鍵の挿入が開始されてから所定のフレーム数(例えば30フレーム分)が記憶されるまでは、メモリ部301にはまだ十分なフレーム数の動画像データが蓄積されていない。そのため、電子鍵生成制御部305は、初期段階として1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するよう電子鍵生成部302に指示する。指示を受けた電子鍵生成部302は、メモリ部301から1つ前のフレームに対応する動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する。電子鍵が生成されると、電子鍵挿入実行部303は、動画像データに電子鍵を挿入する(S1704)。なお、先頭データには1つ前のフレームに対応する動画像データがメモリ部301に記憶されていないので、伝送先である受信器103のID情報等に基づき電子鍵を生成する。
【0138】
電子鍵生成制御部305は、メモリ部301に所定フレーム数の動画像データが記憶されたか判定する(S1705)。メモリ部301に所定フレーム数の動画像データが記憶されていない場合(S1705のNo)、電子鍵生成制御部305は、1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部302に指示する。指示を受けた電子鍵生成部302は、メモリ部301から1つ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する。電子鍵が生成されると、電子鍵挿入実行部303は、動画像データに電子鍵を挿入する(S1704)。この初期段階のループの間、メモリ部301は動画像データを逐次記憶していく。
【0139】
メモリ部301に所定フレーム数の動画像データが記憶された場合(S1705のYes)、電子鍵生成制御部305は、先頭動画像データから基準フレーム情報だけ前の動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部302に指示する。指示を受けた電子鍵生成部302は、メモリ部301から基準フレーム情報だけ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する。すなわち、この例では15フレーム前の動画像データに基づき電子鍵を生成する。電子鍵が生成されると、電子鍵挿入実行部303は、動画像データに電子鍵を挿入する(S1706)。以後、基準フレーム番号だけ前の動画像データを基準として電子鍵が生成される。
【0140】
次に、図16および図18を参照して、この実施形態の復号化装置119における電子鍵生成処理について詳細に説明する。図18は、この実施形態の電子鍵解除部402の動作を示すフローチャートである。
【0141】
電子鍵解除処理が開始されると、モード情報暗号解除部501は、ID情報などに基づいて、モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号を解除する(S1801)。
【0142】
モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム番号の暗号が解除されると、電子鍵生成制御部505は、フレーム番号情報に基づき、メモリ部502に記憶される動画像データにフレーム番号を割り当てる(S1802)。この処理により、スクランブルをかける際に割り当てられたフレーム番号に対応するフレーム番号が、スクランブルを解除する際にも割り当てられることになる。
【0143】
電子鍵の挿入が開始されてから所定のフレーム数(例えば30フレーム分)が記憶されるまでは、メモリ部502にはまだ十分なフレーム数の動画像データが蓄積されていない。そのため、電子鍵生成制御部505は、初期段階として1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するよう電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前のフレームに対応する動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S1803)。なお、先頭の動画像データについてはメモリ部502に1つ前のフレームに対応する動画像データが記憶されていないので、自らのID情報等に基づき電子鍵が生成される。
【0144】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、当該電子鍵を用いて動画像データのスクランブルを解除する(S1804)。
【0145】
電子鍵生成制御部505は、メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されたか判定する(S1805)。メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されていない場合(S1805のNo)、電子鍵生成制御部305は、1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S1803)。
【0146】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S1804)。この初期段階ループの間、メモリ部502は、動画像データを逐次記憶していく。
【0147】
メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶された場合(S1805のYes)、電子鍵生成制御部505は、基準フレーム情報だけ前の動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から基準フレーム情報だけ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S1806)。すなわち、この例では15フレームだけ前の動画像データに基づき電子鍵が生成される。
【0148】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S1807)。以後、基準フレーム情報だけ前の動画像データを基準として電子鍵が生成される。
【0149】
この実施形態に係る符号化装置109、復号化装置112によれば、伝送データに欠落が生じても、基準フレーム情報に基づきメモリ部502に記憶された動画像データの中から次のフレームに対応する動画像データを読み出すことができるので、正常に電子鍵を生成することができる。
【0150】
なお、この実施形態では、フレーム番号情報決定手段217によりフレーム番号情報を生成し、これをメモリ部301・502に割り当てることでフレーム単位の動画像データの特定を可能にしているが、これに限られるものではない。例えば、メモリ部301・502の記憶領域にアドレスを付して、当該アドレス単位でフレーム単位の動画像データを特定してもよい。
【0151】
また、この実施形態は、前述した第1の実施形態に係る符号化装置および復号化装置に適用するだけに限られず、第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置に適用してもよい。さらに、この実施形態では、メモリ部301・502に所定のフレーム数の動画像データが記憶されるまでを初期段階とし、初期段階においては1つ前のフレームの動画像データに基づき電子鍵を生成しているが、これに限られるものではない。すなわち、先頭動画像データがメモリ部301・502に記憶されてからの経過時間によって初期段階を規定してもよい。
【0152】
また、この実施形態では電子鍵生成制御部305が基準フレーム情報を生成しているが、ユーザにより入力するものでもよい。また、この実施形態の電子鍵生成制御部305は、基準フレーム情報を一定の値として生成しているが、これに限られるものではなく、所定のフレーム単位や経過時間単位に応じて動的に生成するものであってもよい。この場合、暗号強度を高める効果を得ることができる。
【0153】
次に、図19および図20を参照して本発明の第4の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムについて説明する。図19は、本発明の第4の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図、図20は、この通信システムの電子鍵解除処理を示すフローチャートである。なお、図13および14と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0154】
図19に示すように、この通信システムは、図14に示した符号化装置109と、図16に示した電子鍵解除部402を備えた復号化装置112を有しており、復号化装置112に通信状態監視部414をさらに備えるものである。通信状態監視部414は、可変長復号化部401で復号されるデータを常に監視して、伝送欠落(パケットロス)の有無を検査する機能を有する。そして、パケットロスの有無に基づき、通信状態監視部414は、動画像データの送信元の符号化装置109における電子鍵挿入部206に対して電子鍵生成について制御指示を送る機能を有している。
【0155】
続いて、図16および図20を参照して第4の実施形態に係る通信システムの電子鍵解除処理について説明する。
【0156】
電子鍵解除処理が開始されると、モード情報暗号解除部501は、ID情報などに基づいて、モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号を解除する(S2001)。
【0157】
モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号が解除されると、電子鍵生成制御部505は、フレーム番号情報に基づき、メモリ部502に記憶される動画像データにフレーム番号を割り当てる(S2002)。この処理により、スクランブルをかける際に割り当てられたフレーム番号がスクランブルを解除する際にも割り当てられることになる。
【0158】
電子鍵の挿入が開始されてから所定のフレーム数(例えば30フレーム分)が記憶されるまでは、メモリ部502にはまだ十分なフレーム数の動画像データが蓄積されていない。そのため、電子鍵生成制御部505は、初期段階として1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するよう電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前のフレームに対応する動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S2003)。
【0159】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、当該電子鍵を用いて動画像データのスクランブルを解除する(S2004)。
【0160】
電子鍵生成制御部505は、メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されたか判定する(S2005)。メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されていない場合(S2005のNo)、電子鍵生成制御部305は、1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S2003)。
【0161】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S2004)。この初期段階のループの間、メモリ部502は、動画像データを逐次記憶していく。
【0162】
メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶された場合(S2005のYes)、電子鍵生成制御部505は、基準フレーム情報だけ前の動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から基準フレーム情報だけ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S2006)。
【0163】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S2007)。以後、基準フレーム情報だけ前の動画像データを基準として電子鍵が生成される。
【0164】
通信状態監視部414は、電子鍵解除処理が開始されると可変長復号化部401を通過するトラヒックを検出してパケットロスの有無を監視する(S2008)。パケットロスが発生しない場合(S2008のNo)、そのまま電子鍵解除処理が実行される(S2007)。
【0165】
通信状態監視部414がパケットロスの発生を検知した場合(S2008のYes)、通信状態監視部414は、伝送路102を介して電子鍵挿入部206に基準フレーム情報の再設定を指示する(S2009)。指示を受けた電子鍵挿入部206の電子鍵生成制御部305は、基準フレーム情報を再設定して電子鍵生成部302に電子鍵生成を指示する。この結果、パケットロスで失われた動画像データは電子鍵生成の基準とは使われなくなるので、パケットロスが生じても電子鍵解除は正常に行われる。
【0166】
ここで、図21を参照して、この実施形態の通信システムにおける基準フレーム情報の再設定について詳細に説明する。図21は、この実施形態に係る通信システムにおけるパケットロスの復旧動作について示した概要図である。図21では、伝送される動画像データに一連のフレーム番号1,2,3,4…が割り当てられており、二つ前の動画像データに基づいて電子鍵が生成される例を示している。したがって、基準フレーム情報は「2」である。
【0167】
図21(a)に示すように、暗号化される動画像データは、電子鍵解除部402のメモリ部502に記憶された動画像データに基づいて電子鍵が生成され、スクランブルが解除される。この例では基準フレーム情報は「2」であるから、電子鍵生成部503は、メモリ部502に記憶された2つ前のフレームの動画像データに基づき電子鍵を生成する。すなわち、フレーム番号3の動画像データはメモリ部502に記憶されたフレーム番号1の動画像データ、フレーム番号6の動画像データは同じくフレーム番号4の動画像データに基づき電子鍵が生成され、スクランブルが解除される。
なお、この例においてフレーム番号1および2は、電子鍵生成の基準となる動画像データがメモリ部502に記憶されていないため、ID情報などにより電子鍵が生成される。
【0168】
図21(b)に示すように、フレーム番号4に対応する動画像データがエラー等により廃棄されてパケットロスとなった場合、メモリ部502にはフレーム番号4の動画像データは記憶されない。そうすると、電子鍵生成部503は、フレーム番号6の動画像データのスクランブルを解除する電子鍵を生成することができなくなり、連鎖的にフレーム番号8の動画像データに対応する電子鍵を生成することもできなくなる。この実施形態の通信システムでは伝送する動画像データは圧縮符号化されているから、スクランブルを解除できないデータが徐々に増えて画質が劣化する原因となってしまう。
【0169】
図21(c)は、通信状態監視部414により基準フレーム情報が再設定される例である。通信状態監視部414は、フレーム番号4の動画像データが欠落したことを検知すると、電子鍵挿入部206に対してフレーム番号4の動画像データのパケットが廃棄されたことを伝え、基準フレーム情報の再設定を指示する。指示を受けた電子鍵挿入部206の電子鍵生成制御部305は、フレーム番号6を暗号化する電子鍵の生成において基準フレーム情報を「1」に設定し、この情報をモード情報とともに復号化装置112に伝える。
【0170】
電子鍵生成部302は、基準フレーム情報の再設定に伴い、フレーム番号6の暗号化に用いる電子鍵を1つ前のフレームであるフレーム番号5の動画像データに基づいて電子鍵を生成する。電子鍵挿入実行部303は、当該電子鍵によりフレーム番号6の動画像データにスクランブルをかける。
【0171】
電子鍵解除部402における電子鍵生成制御部505は、フレーム番号6に対応する基準フレーム情報が「1」であることを通知されると、フレーム番号6の動画像データに対応する電子鍵の生成について、1つ前のフレーム番号5の動画像データを参照するように電子鍵生成部503に指示し、電子鍵生成部503は、メモリ部502からフレーム番号5の動画像データを読み出して電子鍵を生成する。電子鍵解除実行部504は、当該電子鍵によりフレーム番号6の動画像データについてスクランブルを解除する。なお、フレーム番号7の動画像データについては、2つ前のフレーム番号5が正常に復号できているので、予め決められた基準フレーム情報が「2」であるとしてスクランブルを解除することができる。
【0172】
このように、伝送線路においてパケットロスが生じ電子鍵生成のための動画像データが途切れた場合でも、通信状態監視部414は、基準フレーム番号を動的に再設定するので、電子鍵生成を維持することができる。
【0173】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態における符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法は、ハードウェアとして実現してもよいし、ソフトウェアを組み込んだコンピュータにより実現してもよい。ソフトウェアを組み込んだコンピュータにより実現する場合、ソフトウェアは、フレキシブルディスクなどのコンピュータが読み出し可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、コンピュータは、記憶媒体に記憶されたソフトウェアに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコンなどの一つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステムなどのいずれの構成であってもよい。さらに、コンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコンなども含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法によれば、符号化による動画像データの圧縮率を低下させずに十分なセキュリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した符号化装置の構成を示す図である。
【図3】図2に示した電子鍵挿入部の構成を示す図である。
【図4】図1に示した復号化装置の構成を示す図である。
【図5】図4に示した電子鍵解除部の構成を示す図である。
【図6】図2に示した符号化装置によるフレーム内予測符号化処理を示すフローチャートである。
【図7】図2に示した符号化装置によるフレーム間予測符号化処理を示すフローチャートである。
【図8】図2に示した符号化装置による後方予測符号化処理を示すフローチャートである。
【図9】図2に示した符号化装置の具体的動作を示すフローチャートである。
【図10】図4に示した復号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】図3に示した電子鍵挿入部により量子化データにスクランブルをかける様子の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
【図13】図12に示した符号化装置および復号化装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る符号化装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る電子鍵挿入部の構成を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る電子鍵解除部の構成を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の電子鍵挿入部の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態の電子鍵解除部の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態の通信システムの電子鍵解除処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第4の実施形態の通信システムにおけるパケットロスの復旧動作について示す図である。
【符号の説明】
101…送信器、102…伝送路、103…受信器、104…カメラ、105…マイク、106…スピーカ、107…表示装置、108…A/D変換装置、109…符号化装置、110…送受信装置、111…送受信装置、112…復号化装置、113…D/A変換装置、114…指示入力装置、
201…ブロック化部、202…減算器、203a・203b…切替器、204…DCT部、205…量子化部、206…電子鍵挿入部、207…可変長符号化部、208…モード選択部、209…逆量子化部、210…IDCT部、211…加算器、212・214…フレームメモリ、213・215…動き補償部、216…形状符号化部、217…フレーム番号情報決定手段、
301…メモリ部、302…電子鍵生成部、303…電子鍵挿入実行部、304…モード情報暗号化部、305…電子鍵生成制御部、
401…可変長復号化部、402…電子鍵解除部、403…逆量子化部、404…IDCT部、405…加算器、406…フレームメモリ、407…動き補償部、408…スイッチ、409…画像処理部、410…形状復号化部、411…メモリ、412…動き補償部、413…画像要求部、414…通信状態監視部、
501…モード情報暗号解除部、502…メモリ部、503…電子鍵生成部、504…電子鍵解除実行部、505…電子鍵生成制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像データに暗号鍵を挿入することで、当該動画像データの不正再生や不正複製を防止することのできる符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットなどの通信メディアやCATVなどの放送メディアの高度化とその普及に伴い、通信メディアや放送メディアを通じて動画像データを伝送することが一般に行われている。動画像データは、音声データなど比較してデータ量が多いので、その伝送には非常に大きい伝送容量が必要となる。そこで、このような動画像データを伝送する場合、予測符号化や動き処理、変換符号化などの技術を用いた圧縮技術・符号化技術が利用されている。このような圧縮・符号化技術の例としては、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式による圧縮・符号化技術などがある。
【0003】
一方で、著作権上あるいはセキュリティ上の観点から、限られたユーザーのみに動画像データを伝送する場合には、動画像データに電子鍵を挿入してスクランブルをかけることが行われている。従来の電子鍵を利用した画像符号化システムとしては、画像データの符号化過程において直交変換により得られた直交変換係数のうち、特定の係数に電子鍵を挿入するものがある(例えば、特許文献1参照)。この画像符号化システムによれば、直交変換係数の高周波数成分に対して鍵となるデータを付加するので、画質の劣化を抑えつつ他人による画像データの無断盗用を防止することができる。
【0004】
しかし、このような画像符号化システムを動画像データの圧縮・符号化装置に適用した場合、データの特定部分に電子鍵データを挿入するのみであるので、当該電子鍵の解除法を知らない第三者であってもデータの受信や再生等を事実上行うことができてしまう。
【0005】
また、第三者の不正再生を防ぐ方法として、動画像データにスクランブルをかけた後に圧縮符号化処理をすることも考えられる。しかし、動画像データの全てのフレームに電子鍵を挿入する場合、必要となる計算量が膨大となり、専用のハードウェアを用意する必要が生じて装置コストがかさむ原因となる。一方、計算量を減らすために全てのフレームに共通の電子鍵を挿入する場合、スクランブルが破られる可能性が高くなるという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
公開特許公報(特開2000−312296)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法では、セキュリティを向上させるために動画像データの全フレームに電子鍵を挿入すると符号化過程において計算量が増加し、ハードウェアコストがかさむという問題がある。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、符号化による動画像データの圧縮率を低下させずに所要計算量を抑え、十分なセキュリティを確保することのできる符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の符号化装置は、入力されたフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報を出力する変換手段と、前記係数情報に基づき前記動画像データを元の動画像データに再生して、該動画像データの動き分を予測する予測画像データおよび前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成する動き補償手段と、フレーム全体の動画像データを前記直交変換手段に入力するフレーム内予測符号化モード、およびフレーム全体の動画像データと前記予測画像データとの差分の動画像データを前記直交変換手段に入力するフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択して前記直交変換手段に入力する動画像データを切り換えるとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するモード選択手段と、前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する符号化手段とを具備している。
【0010】
本発明の復号化装置は、入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報とを分離する復号化手段と、所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除する暗号解除手段と、前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生する変換手段と、前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力する動き補償部とを具備している。
【0011】
本発明の通信システムは、(a)入力されたフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報を出力する変換手段と、前記係数情報に基づき前記動画像データを元の動画像データに再生して該動画像データの動き分を予測する予測画像データと、前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報とを生成して出力する動き補償手段と、フレーム全体の動画像データを前記直交変換手段に入力してフレーム全体の動画像データに対応する係数情報を出力させるフレーム内予測符号化モード、およびフレーム全体の動画像データと前記予測画像データとの差分動画像データを前記直交変換手段に入力して差分の動画像データに対応する係数情報を出力させるフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択して前記直交変換手段に入力する動画像データを切り換えるとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するモード選択手段と、前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する符号化手段とを具備した符号化装置を備え、前記データストリームを送信する送信器と、(b)前記送信器から送信されたデータストリームを、前記係数情報と、前記動きベクトル情報と、前記モード情報とに分解する復号化手段と、所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除する暗号解除手段と、前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生する変換手段と、前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力する動き補償部とを具備した復号化装置を備えた受信器とを具備している。
【0012】
また、本発明の符号化方法は、フレーム全体の動画像データ、およびフレーム全体の動画像データと該動画像データ動き分を予測した予測画像データとの差分動画像データのいずれかを有するフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報に変換するステップと、前記係数情報に基づき、前記動画像データを元の動画像データに再生して前記予測画像データを生成するとともに前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成するステップと、フレーム全体の動画像データを直交変換して係数情報に変換するフレーム内予測符号化モード、および前記差分動画像データを直交変換して係数情報に変換するフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択するとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するステップと、前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化するステップと、前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力するステップとを有している。
【0013】
さらに、本発明の復号化方法は、入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報とに分離するステップと、所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除するステップと、前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生するステップと、前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力するステップとを有している。
【0014】
本発明では、動画像データをフレーム全体の動画像データと差分動画像データとのどちらで圧縮符号化を実行したかを示すモード情報に基づいて、圧縮・符号化された動画像データのパラメータを暗号化するので、動画像データの圧縮率を低下させずに所要の計算量を抑え、十分なセキュリティを確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る通信システムは、送信器101、伝送路102、受信器103、カメラ104、マイク105、スピーカ106および表示装置107により構成される。
【0016】
送信器101は、カメラ104およびマイク105により取り込まれた動画像データを伝送路102に送出する機能を有する。伝送路102は、動画像データを受信器103へ伝送する無線回線や電話回線などの伝送線路であり、回線交換型回線であってもパケット交換型回線であってもよい。また、1対1の接続形態であっても、インターネットのように1対多の接続形態であってもよい。受信器103は、伝送路102を介して伝送された動画像データを受信してスピーカ106および表示装置107を通じてユーザへ動画像を伝える機能を有する。表示装置107は、動画像を表示する装置であり、例えばブラウン管やLCDなどのディスプレー装置である。
【0017】
送信器101は、A/D変換装置108、符号化装置109および送受信装置110を備える。A/D変換装置108は、アナログの動画像データをデジタルの動画像データに変換する機能を有する。符号化装置109は、変換符号化や量子化などの処理を組合わせた圧縮符号化装置であり、例えばMPEG方式に準拠した圧縮符号化装置などである。この符号化装置109は、デジタルデータの圧縮・符号化機能に加えて、動画像データに電子鍵を挿入して当該動画像データにスクランブルをかける機能をも併せ持っている。送受信装置110は、符号化された動画像データを伝送路102へ送出する。送受信装置110は、伝送路102の回線種別に応じて伝送形式が選択される。すなわち、伝送路102が無線回線であれば送受信装置110は無線送受信装置となり、伝送路102がインターネット回線であればサーバやルータなどとなる。
【0018】
受信器103は、送受信装置111、復号化装置112およびD/A変換装置113などを備える。送受信装置111は、送受信装置110と同様に伝送路102に応じて選択され、伝送路102から動画像データを受け取ってベースバンド信号へ変換する機能を有する。復号化装置112は、符号化装置109と逆の手順により電子鍵を解読して動画像データのスクランブルを解除するとともに、動画像データを伸張・復号する機能を有する。D/A変換装置113は、復号された動画像データをアナログ信号に変換してスピーカ106や表示装置107へ出力する機能を有する。
【0019】
なお、この実施形態では、動画像データが送信器101から受信器103へのみ伝送される片方向通信としているが、カメラ104、マイク105、送信器101、受信器103、スピーカ106および表示装置107をそれぞれ双方に備えて双方向通信としてもよい。
この実施形態の通信システムによれば、符号化装置において電子鍵を挿入して動画像データにスクランブルをかけるので、解除法を知らない第三者による動画像データの再生を防ぐことができる。
【0020】
次に、図2を参照して符号化装置109について説明する。図2は、符号化装置109の構成を示す図である。
図2に示すように、符号化装置109は、ブロック化部201、減算器202、切替器203aおよび203b、離散コサイン変換(DCT)部204、量子化部205、電子鍵挿入部206、可変長符号化部207、モード選択部208、逆量子化部209、逆離散コサイン変換(IDCT)部210、加算器211、フレームメモリ212および214、動き補償部213および215ならびに形状符号化部216を備える。
【0021】
ブロック化部201は、1フレーム分の動画像データを所定数のブロックに分割する機能を有する。DCT部204は、動画像データを空間周波数領域に直交変換する機能を有する。直交変換とは、画像データにおける隣接画素等の相関を周波数で表して当該画像データを周波数成分へ分解することで変換係数を生成する処理をいい、被処理画像データを圧縮する作用をする。DCTは直交変換方法の一種であり、DCTに代えて他の直交変換方法を用いてもよい。量子化部205は、直交変換により得られた変換係数を量子化して量子データに変換する。すなわち、DCT部204および量子化部205は、ブロック化された動画像データを直交変換により圧縮して変換係数を生成するとともに、生成した変換係数を量子データに変換して、DCT係数情報を生成する作用をする。
【0022】
逆量子化部209は、量子化された直交変換の変換係数を元の変換係数に逆変換する機能を有し、量子化部205に対応する。IDCT部210は、直交変換の変換係数を元のデータに逆変換する機能を有し、DCT部204に対応する。すなわち、逆量子化部209およびIDCT部210は、DCT部204および量子化部205により動画像データを圧縮・量子化して生成したDCT係数情報を、元の動画像データに逆変換する作用をする。
【0023】
フレームメモリ212および214は、ブロック化された動画像データをフレーム単位で記憶するメモリであり、逆量子化部209およびIDCT部210により逆変換された動画像データ(局部復号信号)を記憶する。動き補償部213および215は、当該動画像データにおけるフレーム間の動きを検出して動き分を補償する機能を有し、前のフレームの動画像データに相当する予測画像データおよび動画像データの動き分のベクトル成分を含む動きベクトル情報を生成する作用をする。
【0024】
形状符号化部216は、ブロック化された動画像データを所定の形状単位で切り出すとともに、切り出した動画像データを当該形状単位で圧縮・符号化した形状符号化情報を生成する機能を有する。ここで、フレームメモリ212の記憶内容は等しくフレームメモリ214にも記憶され、動き補償部213が生成する動きベクトル情報は等しく動き補償部215にも提供される。形状符号化部216は、フレームメモリ214の記憶内容および動き補償部215に供給された動きベクトル情報をそれぞれ参照して、符号化する所定の形状と原画像とを比較する機能をも有し、動画像データのうち所定形状部分の動きを検出することができる。
減算器202は、処理対象のブロック化された動画像データと動き補償部213からの予測画像データとの差分を算出して予測残差データを生成する機能を有する。
【0025】
モード選択部208は、処理対象の動画像データについて符号化するモードを判定してモード情報を生成する機能を有する。ここで、動画像データの符号化モードとしては、圧縮符号化処理をしない非符号化モード、処理されるデータがブロック化されたフレーム内の相関を利用して圧縮されるフレーム全体データであるフレーム内予測符号化モード、処理されるデータがブロック化された前フレームの動画像データから動き補償を実行したフレーム間予測符号化データであるフレーム間予測符号化モード、処理されるデータがブロック化された前後各々のフレームの動画像データから動き補償を実行したフレーム間予測符号化データである後方予測符号化モードなどがある。
【0026】
切替器203aおよび203bは、モード選択部208からのモード情報に基づき変換符号化する信号(データ)の流れを切り替える機能を有し、データの符号化モードに応じた変換符号化処理を実現する作用をする。
【0027】
電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、量子化された直交変換の変換係数(DCT係数情報)、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データを暗号化する電子鍵を生成して当該データにスクランブルをかけるとともに、モード情報を暗号化する機能を有する。可変長符号化部207は、暗号化したモード情報、スクランブルをかけたDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報の各データの各シンボルに可変長符号を割当てて符号化し、各データを多重化してデータストリームに変換する機能を有する。
【0028】
このように、この実施形態における符号化装置によれば、複数のデータ符号化モードに基づいて動画像データをブロック化されたフレーム単位で圧縮・符号化するので、データ伝送容量を小さくすることができる。また、この符号化装置では、データ符号化モードに基づき、圧縮したDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報をブロック化されたフレーム単位で暗号化するので、動画像データの圧縮率を低下させることなく解読が困難な暗号化を実現することができる。
【0029】
ここで、図3を参照して符号化装置109における電子鍵挿入部206について詳細に説明する。図3は、電子鍵挿入部206の構成を示す図である。
図3に示すように、電子鍵挿入部206は、メモリ部301、電子鍵生成部302、電子鍵挿入実行部303およびモード情報暗号化部304を備える。メモリ部301は、ブロック化された1フレーム分の動画像データであるDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報を記憶する。このメモリ部301に記憶される1フレーム分の動画像データは、次の1フレーム分の動画像データを暗号化するために用いられる。電子鍵生成部302は、モード情報およびメモリ部301に記憶された動画像データに基づき、電子鍵を生成する機能を有する。電子鍵はデータのスクランブルを実行する並べ替えキーであり、フレームごとにその都度生成される。すなわち、電子鍵生成部302は、暗号化する1フレーム分の動画像データに対応するモード情報と、メモリ部301に記憶された1つ前のフレーム分の動画像データとに基づき、電子鍵を生成する。
【0030】
電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいてDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報の各データにスクランブルをかける機能を有する。すなわち各データは、当該各データに対応するモード情報および当該データの1つ前のフレーム分のデータに基づいて生成された電子鍵によって暗号化される。
【0031】
モード情報暗号化部304は、動画像データの伝送先である受信器103の識別情報(ID)に基づいてモード情報を暗号化する機能を有する。ここで、IDは、伝送先である受信器103の電話番号やMACアドレスなど、伝送先個々に対応する情報を用いることができ、当該情報に基づいてモード情報を暗号化する。
【0032】
このように、この実施形態の符号化装置によれば、圧縮符号化後の動画像データにスクランブルを施すので、データ量を増加させることなく動画像データを暗号化することができる。また、この符号化装置によれば、動画像データの圧縮・符号化の過程において生成するモード情報と、被処理データの1つ前のフレーム分のデータとに基づいて電子鍵を生成して動画像データにスクランブルを施すので、データ量を増加させずにフレームごとに異なる電子鍵でスクランブルをかけることができ、十分なセキュリティを確保することができる。さらに、この符号化装置によれば、モード情報を伝送先のIDに基づいて暗号をかけるので、暗号化データを解読できる相手を特定することができる。
【0033】
次に、図4を参照して復号化装置112について説明する。図4は、復号化装置112の構成を示す図である。
図4に示すように、復号化装置112は、可変長復号化部401、電子鍵解除部402、逆量子化部403、逆離散コサイン変換(IDCT)部404、加算器405、フレームメモリ406、動き補償部407および412、スイッチ408、画像処理部409、形状復号化部410およびメモリ411を備える。
【0034】
可変長復号化部401は、送受信装置111により受信された動画像データを量子化データに復号する機能を有し、モード情報、DCT係数情報、動きベクトル情報および形状復号化情報をデータストリームから分離する作用をする。電子鍵解除部402は、暗号化されたモード情報の暗号を解除するとともに、スクランブル化されたDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報のスクランブルを解除する機能を有する。
【0035】
逆量子化部403は、量子化されたDCT係数情報を元のDCT係数情報へ変換する機能を有し、IDCT部404は、DCT係数情報から元の動画像データへ変換する機能を有する。すなわち、逆量子化部403およびIDCT部404は、符号化装置109により圧縮・符号化された動画像データを逆の手順により伸張・復号する機能を有する。
【0036】
フレームメモリ406は、動画像データをフレーム単位で記憶するメモリであり、動き補償部407は、動画像データにおけるフレーム間の動きを検出して動き分を補償する機能を有する。そして、加算器405は、フレームメモリ406および動き補償部407により動き分が補償された前フレームデータと次のフレームデータとを加算して完全なフレームに再生する機能を有する。スイッチ408は、モード情報に応じて動き補償の有無を選択する機能を有する。
【0037】
形状復号化部410は、形状符号化情報から所定の形状を復号する機能を有する。メモリ411は、復号された形状情報を記憶する機能を有し、動き補償部412は、記憶された形状情報と動きベクトル情報とから形状の動き分を補償する機能を有する。そして、形状復号化部410は、補償された動き分情報を参照して形状を復号する機能をも有する。
画像処理部409は、加算器405を経て再生したブロック化された1フレーム分の動画像データと、形状復号化部410により復号された形状情報とをオブジェクトとして合成・編集等を実行する機能を有する。
【0038】
このように、この復号化装置112によれば、符号化装置109によりセキュリティを確保しつつ圧縮・符号化された動画像データを復号することができる。
【0039】
次に、図5を参照して、復号化装置112における電子鍵解除部402について詳細に説明する。図5は、電子鍵解除部402の構成を示す図である。
図5に示すように、電子鍵解除部402は、モード情報暗号解除部501、メモリ部502、電子鍵生成部503および電子鍵解除実行部504を備える。モード情報暗号解除部501は、電子鍵挿入部206におけるモード情報暗号化部304に対応し、受信器103の識別情報(ID)などに基づき暗号化されたモード情報の暗号を解除する機能を有する。メモリ部502は、スクランブルが解除された1フレーム分のDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データを記憶する。電子鍵生成部503は、電子鍵挿入部206における電子鍵生成部302と対応し、メモリ部502に記憶された1つ前の1フレーム分の動画像データと、モード情報暗号解除部501により暗号が解除されたモード情報とに基づき電子鍵を生成する。電子鍵解除実行部504は、電子鍵挿入部206における電子鍵挿入実行部303に対応し、電子鍵により動画像データのスクランブルを解除する機能を有する。
【0040】
このように、この実施形態の復号化装置によれば、暗号を解除したモード情報と、メモリに記憶されたスクランブルの解除された動画像データとに基づいて電子鍵を生成し、この電子鍵により動画像データのスクランブルを解除するので、フレーム単位でスクランブルがかけられた動画像データを復号することができる。
【0041】
続いて、図6〜図11を参照してこの通信システムの動作を説明する。図6〜図9に示すのは符号化装置109の動作を示すフローチャート、図10は復号化装置112の動作を示すフローチャート、図11は電子鍵挿入部206における電子鍵挿入実行部303の動作を示す図である。
【0042】
図1に示すようにこの通信システムでは、カメラ104およびマイク105が動画像データを取り込むと、A/D変換装置108は、アナログの動画像データをデジタルの動画像データに変換して符号化装置109へ入力する。
符号化装置109は、デジタルデータに変換された動画像データについて直交変換処理、量子化処理、動き補償処理、形状符号化処理、電子鍵挿入処理および可変長符号化処理の各処理を実行して、当該動画像データを圧縮・符号化されたデータストリームに変換する。
【0043】
送受信装置110は、データストリーム化された動画像データを伝送路102に適合した形式に変調・変換し、伝送路102へ送出する。伝送路102を介して動画像データを受け取った送受信装置111は、データストリーム化された動画像データに変換して復号化装置112へ入力する。
復号化装置112は、入力された動画像データストリームについて可変長復号化処理、電子鍵解除処理、逆量子化処理、逆直交変換処理、動き補償処理、形状復号化処理および画像処理の各処理を実行し、元のデジタル動画像データへ変換する。そして、D/A変換装置113は、元の動画像データをデジタルデータからアナログデータへ変換し、スピーカ106および表示装置107により元の動画像を表示または出力する。
【0044】
次に、図2および図6〜図9を参照して符号化装置109の動作を詳細に説明する。本実施形態における符号化装置109は、フレーム単位の動画像データを複数のブロック単位に分割して圧縮・符号化処理を行う。また、動画像データをフレーム内予測符号化データ(Iピクチャ)、フレーム間予測符号化データ(Pピクチャ)および後方予測符号化データ(Bピクチャ)に分割して動画像データを圧縮・符号化する。ここで、過去のフレームから一方向のフレーム間予測を行い、差分を符号化した動画像データをPピクチャ、過去と未来の2つのフレームから二方向のフレーム間予測を行い、差分を符号化した動画像データをBピクチャと呼ぶ。
【0045】
まず、図6を参照してフレーム内予測符号化データの圧縮・符号化動作を説明する。図6は、図2に示す符号化装置109のフレーム内予測符号化処理を示すフローチャートである。
【0046】
ブロック化部201は、A/D変換されたフレーム単位の動画像データを所定のマクロブロックにフレーム分割する。フレーム内予測符号化処理の場合、モード選択部208はフレーム内予測符号化モード(イントラモード)を選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Aを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてイントラモードを伝える(ステップS601。以下「S601」のように表す。)。切替器203aは、マクロブロック化された動画像データをDCT部204へ入力する。
【0047】
DCT部204は、ブロック化された動画像データを空間周波数領域に直交変換してDCT係数情報を生成する(S602)。この直交変換処理により、空間周波数の高い領域のデータが丸められてデータが圧縮される。DCT部204は、動画像データをDCT係数情報に変換すると量子化部205に入力する。
【0048】
量子化部205は、DCT係数情報を量子化し、量子化データを電子鍵挿入部206および逆量子化部209へ入力する(S603)。
【0049】
量子化データを受け取った電子鍵挿入部206は、モード情報に基づいて量子化データにスクランブルをかける。具体的には、図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S604)。なお、先頭の動画像データについてはメモリ部301に1フレーム前の動画像データが記憶されていないため、伝送先である受信器103のID等に基づき電子鍵を生成する。
【0050】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいてDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの量子化データにスクランブルをかける(S605)。量子化データのスクランブル化に併せて、モード情報暗号化部304は、伝送先である受信器103のID等に基づきモード情報を暗号化する。量子化データをスクランブル化するとともにモード情報を暗号化すると、電子鍵挿入部206は、スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を可変長符号化部207に入力する。
【0051】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化されたモード情報を受け取ると、可変長符号化部207は、当該量子化データおよびモード情報の各シンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S606)。
【0052】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を符号化すると、可変長符号化部207は、符号化した量子化データおよびモード情報を多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S607)。
【0053】
ここで、量子化部205がDCT係数情報を量子化すると、逆量子化部209およびIDCT部210は、量子化の逆の手順により1フレーム分の動画像データのマクロブロックを再生するとともに、加算器211を介してフレームメモリ212へ再生した動画像データ(局部復号信号)を入力する。フレームメモリ212へ記憶されるマクロブロック化した動画像データは、フレーム間予測符号化処理において予測用参照画像として用いられる。
【0054】
次に、図7および図8を参照して、フレーム間予測符号化データおよび後方予測符号化データの符号化動作を説明する。図7は、図2に示す符号化装置109によるフレーム間予測符号化処理を示すフローチャートであり、図8は、同じく後方予測符号化処理を示すフローチャートである。
【0055】
まず、フレーム間予測符号化処理について説明する。ブロック化部201は、フレーム内予測符号化処理の場合と同様に、A/D変換されたフレーム単位の動画像データを所定のマクロブロックにフレーム分割する。フレーム間予測符号化処理の場合、モード選択部208は、フレーム間予測符号化モード(インターモード)を選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Bを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてインターモードを伝える(S701)。切替器203aおよび203bが切り替わると、ブロック化部201は、マクロブロック化した動画像データを減算器202、動き補償部213および形状符号化部216に入力する。
【0056】
フレーム間予測符号化処理においては、予めフレーム内予測符号化処理等によりフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像を利用する。動き補償部213は、マクロブロック化した動画像データを参照して、当該マクロブロック化された動画像データとフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像とから予測画像データおよび動きベクトル情報を生成する(S702)。
【0057】
予測画像データが生成されると、減算器202は、当該予測画像データとブロック化部201から受け取った動画像データとを減算処理して予測残差データを生成する。予測残差データが生成されると、DCT部204は、予測残差データを空間周波数領域に直交変換して予測残差データ(差分)のDCT係数情報を生成し、量子化部205に入力する(S703)。
【0058】
差分のDCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、差分のDCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206および逆量子化部209に入力する(S704)。
【0059】
量子化された差分のDCT係数情報を受け取ると、電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、動きベクトル情報および量子化された差分のDCT係数情報にスクランブルをかける。具体的には、図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S705)。
【0060】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいて動きベクトル情報、差分のDCT係数情報および形状符号化情報などの量子化データにスクランブルをかける(S706)。また、フレーム内予測符号化処理と同様に、モード情報暗号化部304は、伝送先である受信器103のID等に基づきモード情報を暗号化する。量子化データをスクランブル化するとともにモード情報を暗号化すると、電子鍵挿入部206は、スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を可変長符号化部207に入力する。
【0061】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化されたモード情報を受け取ると、可変長符号化部207は、当該量子化データおよびモード情報のシンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S707)。
【0062】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を符号化すると、可変長符号化部207は、符号化した量子化データおよびモード情報を多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S708)。
【0063】
続いて、後方予測符号化処理について説明する。図8に示すように、後方予測符号化処理を行う符号化装置109の動作は、フレーム間予測符号化処理の場合とほぼ共通する。ブロック化部201は、フレーム内予測符号化処理の場合と同様に、A/D変換されたフレーム単位の動画像データを所定のマクロブロックにフレーム分割する。後方予測符号化処理の場合、モード選択部208は、後方予測符号化モードを選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Bを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報として後方予測符号化モードを伝える(S801)。切替器203aおよび203bが切り替わると、ブロック化部201は、マクロブロック化した動画像データを減算器202、動き補償部213および形状符号化部216に入力する。
【0064】
後方予測符号化処理においても、予めフレーム内予測符号化処理等によりフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像を利用する。ただし、後方予測符号化処理の場合、フレームメモリ212は、1つ前のフレームと1つ後のフレームの両方の予測用参照画像を記憶する。そして、動き補償部213は、マクロブロック化した動画像データを参照して、当該マクロブロック化された動画像データとフレームメモリ212に記憶された2つの予測用参照画像とから予測画像データおよび動きベクトル情報を生成する(S802)。
【0065】
予測画像データが生成されると、減算器202は、当該予測画像データとブロック化部201から受け取った動画像データとを減算処理して予測残差データを生成する。予測残差データが生成されると、DCT部204は、予測残差データを空間周波数領域に直交変換して予測残差データ(差分)のDCT係数情報を生成し、量子化部205に入力する(S803)。
【0066】
差分のDCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、差分のDCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206および逆量子化部209に入力する(S804)。
【0067】
量子化された差分のDCT係数情報を受け取ると、電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、動きベクトル情報および量子化された差分のDCT係数情報にスクランブルをかける。具体的には、図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S805)。
【0068】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいて動きベクトル情報、差分のDCT係数情報および形状符号化情報などの量子化データにスクランブルをかける(S806)。また、フレーム内予測符号化処理と同様に、モード情報暗号化部304は、伝送先である受信器103のID等に基づきモード情報を暗号化する。量子化データをスクランブル化するとともにモード情報を暗号化すると、電子鍵挿入部206は、スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を可変長符号化部207に入力する。
【0069】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化されたモード情報を受け取ると、可変長符号化部207は、当該量子化データおよびモード情報のシンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S807)。
【0070】
スクランブル化した量子化データおよび暗号化したモード情報を符号化すると、可変長符号化部207は、符号化した量子化データおよびモード情報を多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S808)。
【0071】
次に、図9を参照して、形状符号化処理を含めた符号化装置109の具体的な処理について説明する。図9は、符号化装置109の具体的動作を示すフローチャートである。
この実施形態における符号化装置の動画像データ圧縮・符号化処理では、先に説明したフレーム内予測符号化処理、フレーム間予測符号化処理および後方予測符号化処理のいずれかを適宜選択して処理を実行している。例えば、動画像データの圧縮率を優先する場合、フレーム間予測符号化処理や後方予測符号化処理による差分データの処理割合を全フレームデータの処理割合よりも増やせばよい。逆に、動画像データの品質を優先する場合、フレーム内予測符号化処理による全フレームデータの処理割合を差分データの処理割合よりも増やせばよい。また、形状符号化処理はフレーム全体に対する処理とは別個に処理が実行される。
【0072】
図9に示すように、ブロック化部201が動画像データをマクロブロックにフレーム分割すると、形状符号化部216は、ブロック化された動画像データが形状符号化処理の対象であるか否かを判定する(S901)。
【0073】
ブロック化された動画像データが形状符号化処理の対象である場合(S901のYes)、形状符号化部216は、動画像データから形状情報を抽出し、フレームメモリ214の記憶内容および動き補償部215からの動きベクトル情報に基づき形状符号化情報を生成する。また、形状符号化部216は、生成した形状符号化情報について直交変換処理および量子化処理を実行し、DCT係数情報に変換して電子鍵挿入部206へ入力する(S902)。
【0074】
ブロック化された動画像データが形状符号化処理の対象でない場合(S901のNo)、モード選択部208は、ブロック化された動画像データがフレーム内予測符号化処理の対象かフレーム間予測符号化処理の対象かを判定する(S903)。
【0075】
ブロック化された動画像データがフレーム内予測符号化処理の対象である場合(S903のA)、モード選択部208はイントラモードを選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Aに接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてイントラモードを伝える。切替器203aは、動画像データをDCT部204へ入力する。
【0076】
DCT部204は、ブロック化された動画像データを空間周波数領域に直交変換してDCT係数情報を生成し、量子化部205へ入力する(S904)。
【0077】
DCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、DCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206へ入力する(S905)。
【0078】
ブロック化された動画像データがフレーム間予測符号化処理の対象である場合(S903のB)、モード選択部208はインターモードを選択して、切替器203aおよび203bのそれぞれに対し端子Bを接続するように指示を出すとともに、電子鍵挿入部206に対しモード情報としてイントラモードを伝える。切替器203aおよび203bが切り替わると、ブロック化部201は、マクロブロック化した動画像データを減算器202および動き補償部213に入力する。
【0079】
マクロブロック化した動画像データを受け取ると、動き補償部213は、当該マクロブロック化された動画像データとフレームメモリ212に記憶された予測用参照画像とから予測画像データおよび動きベクトル情報を生成する(S906)。
【0080】
予測画像データが生成されると、減算器202は、当該予測画像データとブロック化部201から受け取った動画像データとを減算処理して予測残差データを生成する。予測残差データが生成されると、DCT部204は、予測残差データを直交変換処理して差分のDCT係数情報を生成し、量子化部205に入力する(S907)。
【0081】
差分のDCT係数情報を受け取ると、量子化部205は、差分のDCT係数情報を量子化して電子鍵挿入部206および逆量子化部209に入力する(S908)。
【0082】
量子化された動画像データを受け取ると、電子鍵挿入部206は、モード情報に基づき、動きベクトル情報、DCT係数情報および形状符号化情報にスクランブルをかける。具体的には図3に示す電子鍵挿入部206において、モード情報を受け取った電子鍵生成部302は、モード情報とメモリ部301に記憶された1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵挿入実行部303に入力する(S909)。
【0083】
電子鍵を受け取ると、電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいて動きベクトル情報、全フレームおよび差分のDCT係数情報および形状符号化情報についてスクランブルをかけ、モード情報を暗号化する(S910)。スクランブルや暗号化の手法はフレーム内符号化処理やフレーム間符号化処理と同様である。
【0084】
モード情報が暗号化され、形状符号化情報、全フレームおよび差分のDCT係数情報および動きベクトル情報にスクランブルがかけられると、可変長符号化部207は、各々のシンボルに可変長符号を割当てて符号化する(S911)。
【0085】
各情報が符号化されると、可変長符号化部207は、符号化されたデータを多重化してデータストリームを生成し、送受信装置110を介して伝送路102へ送出する(S912)。
【0086】
なお、ここでは形状符号化処理、フレーム内符号化処理およびフレーム間符号化処理を行う例を説明したが、さらに後方予測符号化処理を行ってもよい。この場合、モード選択部208は、イントラモード、インターモードおよび後方予測符号化モードのいずれかを判定することになる。
【0087】
次に、図10を参照して、図4に示す復号化装置112の動作について説明する。図10は、復号化装置112の動作を示すフローチャートである。
【0088】
伝送路102を介して送受信装置111が受信したデータストリームは、ベースバンド信号に変換されて復号化装置112の可変長復号化部401に入力される(S1001)。
【0089】
データストリームが入力されると、可変長復号化部401は、多重化されたデータストリームからモード情報、形状復号化情報、DCT係数情報および動きベクトル情報を分離し、それぞれを量子化されたシンボル値に変換して電子鍵解除部402に入力する(S1002)。
【0090】
分離された各情報を受け取ると、電子鍵解除部402は、モード情報の暗号を解除するとともに電子鍵を生成する。具体的には、図5に示す電子鍵解除部402において、暗号化されたモード情報を受け取ったモード情報暗号解除部501は、自らのID等を利用してモード情報の暗号を解除して電子鍵生成部503に入力する。モード情報を受け取ると、電子鍵生成部503は、モード情報と、予めメモリ部502に記憶されている1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成して電子鍵解除実行部504に入力する(S1003)。なお、先頭の動画像データについては、メモリ部502に1フレーム前の動画像データが記憶されていないので、自らのID等を利用して電子鍵を生成する。
【0091】
電子鍵を受け取ると、電子鍵解除実行部504は、電子鍵に基づきDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データのスクランブルを解除する(S1004)。すなわち、スクランブルの解除は、電子鍵挿入部206の電子鍵挿入実行部303におけるスクランブル化と逆の手順で行われる。
【0092】
スクランブルが解除されると、電子鍵解除部402は、解除した情報が形状符号化情報か否か判定する(S1005)。
【0093】
解除した情報が形状符号化情報である場合(S1005のYes)、電子鍵解除部402は、形状符号化情報を形状復号化部410へ入力する。形状符号化情報を受け取ると、形状復号化部410は、逆量子化処理および逆直交変換処理を実行して形状符号化情報を伸張・復号する。伸張・復号された形状符号化情報は、メモリ411および動き補償部412により動き補償を施されて元の形状情報に復元される。(S1006)。形状情報が復元されると、形状復号化部410は形状情報を画像処理部409へ渡す。
【0094】
解除した情報が形状符号化情報でない場合(S1005のNo)、電子鍵解除部402は、モード情報に基づき解除した情報がイントラモードであるか、インターモードであるかを判定する(S1007)。
【0095】
モード情報がイントラモードである場合(S1007のA)、電子鍵解除部402は、スイッチ408をオフとしてスクランブルが解除されたDCT係数情報を逆量子化部403に入力する。DCT係数情報を受け取ると、逆量子化部403は、量子化されたDCT係数情報を元のDCT係数情報に変換してIDCT部404に渡す(S1008)。
【0096】
元のDCT係数情報を受け取ると、IDCT部404は、DCT係数情報を逆直交変換して元の動画像データを再生し、画像処理部409に入力する(S1009)。
【0097】
モード情報がインターモードである場合(S1007のB)、電子鍵解除部402は、スイッチ408をオンとしてスクランブルが解除された差分のDCT係数情報を逆量子化部403に入力するとともに、動きベクトル情報を動き補償部407に入力する(S1010)。
【0098】
差分のDCT係数情報を受け取ると、逆量子化部403は、量子化された差分のDCT係数情報を元のDCT係数情報に変換してIDCT部404に入力する(S1011)。
【0099】
元のDCT係数情報を受け取ると、IDCT部404は、DCT係数情報に逆直交変換処理を施して元の予測残差データを再生して加算器405に入力する(S1012)。
【0100】
一方、動きベクトル情報を受け取った動き補償部407は、動きベクトル情報に基づいて、フレームメモリ406に記憶された予測参照画像(前フレームの動画像データ)に動き補償を実行して加算器405に入力する。加算器405は、予測残差データと動き補償された予測参照画像とを足し合わせて1フレーム分の動画像データを再生し、画像処理部409に入力する(S1013)。
【0101】
ここで、DCT係数情報および差分のDCT係数情報から復号されたデータは、元の動画像データである。一方、形状符号化情報から復号されたデータは、動画像データから所定の形状をオブジェクトとして切り出されたデータである。再生した動画像データおよび形状情報を受け取った画像処理部409は、各々の情報をオブジェクトとして合成・編集・削除等の処理を実行する(S1014)。合成等の処理を施された動画像データは、D/A変換装置113によりアナログ変換されてスピーカ106や表示装置107によりユーザに提供される。
【0102】
なお、ここでは形状符号化処理、フレーム内符号化処理およびフレーム間符号化処理を行う例を説明したが、さらに後方予測符号化処理を行ってもよい。この場合、電子鍵解除部402は、イントラモード、インターモードまたは後方予測符号化モードのいずれかを判定することになる。
【0103】
次に、図11を参照して、符号化装置109における電子鍵挿入部206の具体的動作例について詳細に説明する。図11は、電子鍵挿入部206により量子化データにスクランブルをかける様子の一例を示す図である。
【0104】
図3に示す電子鍵挿入部206では、メモリ部301にブロック化された1フレーム前の動画像データが記憶される。電子鍵生成部302は、メモリ部301から動画像データを読み取り、この動画像データの平均値に基づいて並べ替える桁数を決定する。例えば、動画像データのRGB値が8ビットであると仮定して平均値が100以下を1桁、100以上200未満を2桁、200以上を3桁のように並び替える桁数を予め設定しておく。図11に示す例では、並べ替え対象の動画像データの値が「240」(ビット表記で「11110000」)の場合において、ブロック内のRGB値の平均が100以上200未満であったと仮定してデータビットの2桁を並び替えている。
【0105】
次に、電子鍵生成部302は、モード情報に基づきRGBの要素のうち並べ替えを行う要素を決定する。例えば、モード情報がイントラモードである場合はモード1として要素Rを並べ替え、インターモードである場合はモード2として要素Gを並べ替え、非圧縮モードである場合はモード3として要素Bを並べ替えるようにする。図10(a)に示す例では、モード1として要素Rの上位2桁を並び替えを行っている。また、図10(b)に示す例では、モード2として要路Gの上位2桁の並び替えを行っている。図10(c)に示す例では、モード3として要素Bの上位2桁の並び替えを行っている。
【0106】
ここで、この実施形態における電子鍵挿入部206では、RGB値データの平均値とモード情報とに基づいて並べ替え対象および桁数を決定しているが、これに限定されるものではなく、色差データを用いたり最大値や最小値を判定材料としてもよい。すなわち、モード情報と、DCT係数情報、動きベクトル情報または形状符号化情報などの動画像データとにより並べ替えの規則を組み立てる構成であればよい。
【0107】
このように、この実施形態の通信システムによれば、予測符号化処理により生成されるモード情報と、DCT係数情報、動きベクトル情報または形状符号化情報などの1フレーム前の動画像データとに基づいて電子鍵を生成し、直交変換・量子化後の動画像データを当該電子鍵により暗号化するので、データ量を増やすことなくフレーム単位で暗号をかけることが可能となり、十分なセキュリティを確保することができる。
【0108】
次に、図12および図13を参照して本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムについて説明する。図12は、本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。なお、図1と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0109】
図12に示す通信システムでは、受信器103において、送受信装置111、復号化装置112およびD/A変換装置113に加えて、さらに指示入力装置114を備えている。指示入力装置114は、ユーザからの動画像伝送要求の指示を受けて、復号化装置112、送受信装置111、伝送路102および送受信装置110を通じて符号化装置109に対し動画像データの圧縮・符号化処理の開始を要求する機能を有する。この動画像伝送要求の指示は、符号化の要否、暗号化の要否、符号化・暗号化のブロック指定等を含めることができる。
【0110】
次に、図13を参照して、本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置の関係について説明する。図13は、符号化装置および復号化装置の構成を示す図である。なお、図2と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。また、送受信装置や伝送路など、符号化装置および復号化装置以外の構成については図示を省略した。
【0111】
図13に示すように、この通信システムでは、図2に示した復号化装置112の構成に加えて、さらに画像要求部413を備える。画像要求部413は、指示入力装置114を介して受けたユーザの指示に基づき、符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号等を生成して、符号化装置109の電子鍵挿入部206へ指示する機能を有する。指示を受けた電子鍵挿入部206は、符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号等に基づいて符号化・暗号化の制御やブロックの指定等を実行する。
【0112】
続いて、図12および図13を参照して、この第2の実施形態に係る通信システムの動作について説明する。
【0113】
ユーザから動画像伝送要求の指示を受けると、指示入力装置114は、復号化装置112の画像要求部217に対して動画像データの圧縮・符号化処理の開始を指示する。指示を受けた画像要求部217は、指示に基づいて符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を生成し、送受信装置111を介して送信器101へ送出する。
伝送路102を介して符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を受けた送信器101は、これらの信号を送受信装置110によりベースバンド信号に変換して符号化装置109へ入力する。
【0114】
ベースバンド信号に変換された符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を受け取ると、符号化装置109は各信号を電子鍵挿入部206へ入力する。符号化要求信号、暗号化要求信号およびブロック指定信号を受け取った電子鍵挿入部206は、各信号に基づいてブロック化部201および形状符号化部216にブロックや形状の特定を指示するとともに、当該ブロックや形状について符号化処理および暗号化処理を実行する。
【0115】
このように、第2の実施形態に係る通信システムによれば、ユーザの指示に基づいて暗号化するブロックや形状を動的に指定することができる。
【0116】
次に、図14乃至図16を参照して、本発明の第3の実施形態に係る符号化装置および復号化装置について説明する。図14は、本発明の第3の実施形態に係る符号化装置109の構成を示す図、図15は、同じく電子鍵挿入部206を示す図、図16は、同じく電子鍵解除部402を示す図である。
【0117】
前述した通り、本発明の第1および第2の実施形態に係る符号化装置、復号化装置および通信システムでは、1フレーム前の動画像データに基づいて電子鍵を生成し、動画像データにスクランブルをかけている。したがって、本発明の復号化装置においてスクランブルを解除するためには、1フレーム前の動画像データがメモリ部502に正常に記録されている必要がある。
しかし、伝送路102の伝送品質によっては伝送経路において伝送データの一部が欠落する可能性があり、そうすると電子鍵の生成に失敗してスクランブル解除ができなくなってしまう。
この実施形態の符号化装置、復号化装置および通信システムは、電子鍵生成のための動画像データを複数フレーム分用意して、伝送データが欠落しても電子鍵生成を維持できるようにしたものである。
【0118】
まず、図14を参照して、この実施形態の符号化装置109について説明する。この実施形態の符号化装置109は、第1の実施形態に係る符号化装置109にフレーム番号情報決定手段217をさらに備えたものである。なお、図2と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0119】
図14に示すように、フレーム番号情報決定手段217には、基準クロック発生手段(図示せず)などにより生成された基準時間情報が入力され、この基準時間情報に基づきフレーム番号情報を生成して電子鍵挿入部206に入力する。基準時間情報は、動画像データの中から電子鍵の挿入を開始する先頭動画像データを特定する情報であり、例えばカメラ104により撮影された日時情報に対応して生成される。また、フレーム番号情報は、基準時間情報で特定された先頭動画像データ以後の動画像データをフレーム単位で特定する情報であり、当該先頭動画像データからの連続した一連番号などにより構成される情報である。
【0120】
圧縮符号化処理においては、動画像データが動きベクトル情報などに分解されるので、原動画像データに含まれていたフレーム単位の情報が欠落してしまう。この実施形態の符号化装置109におけるフレーム番号情報決定手段217は、動画像データをフレーム単位で特定する情報を補う機能を有している。
電子鍵挿入部206は、モード情報に加えてフレーム番号情報を利用して電子鍵を生成し、DCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報に電子鍵を挿入する。
【0121】
次に、図15を参照して、この実施形態の電子鍵挿入部206について説明する。この実施形態の電子鍵挿入部206は、第1の実施形態に係る電子鍵挿入部206に電子鍵生成制御部305をさらに備えたものであり、図3と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図15に示すように、この実施形態の電子鍵挿入部206は、メモリ部301、電子鍵生成部302、電子鍵挿入実行部303、モード情報暗号化部304および電子鍵生成制御部305を備えている。
【0122】
このメモリ部301は、ブロック化された所定のフレーム数の動画像データであるDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報を記憶する。第1の実施形態と異なるのは、第3の実施形態に係る電子鍵挿入部206のメモリ部301では、1つ前のフレームに対応する動画像データだけではなく、所定のフレーム数に相当する動画像データが記憶される点である。例えば、伝送路102において最大1秒程度の伝送欠落が見込まれる場合、それに対応して30フレーム程度の動画像データを記憶する。そして、記憶された動画像データのうちいずれかの1フレーム分の動画像データが電子鍵生成に用いられる。
【0123】
電子鍵生成制御部305は、入力されたフレーム番号情報に基づきメモリ部301に記憶されるフレーム単位の動画像データそれぞれにフレーム番号を割り当てるとともに、メモリ部301に記憶された動画像データのうち電子鍵生成の基準とすべきフレームを特定するための基準フレーム情報を生成して電子鍵生成部302に伝える。
【0124】
基準フレーム情報は、例えば基準時間情報で特定される先頭動画像データから遡るフレーム数の情報や、先頭動画像データからの経過時間の情報などからなる情報であるが、これらに限られるものではない。すなわち、先頭動画像データ以後のフレーム単位の動画像データを特定する情報であれば、どのような情報でも基準フレーム情報として用いることができる。
【0125】
電子鍵生成部302は、モード情報およびメモリ部301に記憶された動画像データのうち基準フレーム情報で特定された動画像データに基づき、電子鍵を生成する機能を有する。すなわち、電子鍵生成部302は、暗号化する1フレーム分の動画像データに対応するモード情報と、メモリ部301に記憶された所定フレーム数の動画像データのうち電子鍵生成制御部305が決定した基準フレーム情報に対応する動画像データに基づき、電子鍵を生成する。
【0126】
電子鍵挿入実行部303は、電子鍵に基づいてDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報の各データにスクランブルをかける機能を有する。モード情報暗号化部304は、動画像データの伝送先である受信器103の識別情報(ID)に基づいて、モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報を暗号化する機能を有する。
【0127】
続いて、図16を参照して、この実施形態の電子鍵解除部402について説明する。この実施形態の電子鍵解除部402は、第1の実施形態に係る電子鍵解除部402に電子鍵生成制御部505をさらに備えたものであり、図5と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0128】
図16に示すように、この実施形態の電子鍵解除部402は、モード情報暗号解除部501、メモリ部502、電子鍵生成部503、電子鍵解除実行部504および電子鍵生成制御部505を備える。モード情報暗号解除部501は、電子鍵挿入部206におけるモード情報暗号化部304に対応し、受信器103の識別情報(ID)などに基づき暗号化されたモード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号を解除する機能を有する。
【0129】
メモリ部502は、スクランブルが解除された所定のフレーム数分のDCT係数情報、動きベクトル情報および形状符号化情報などの動画像データを記憶する。この実施形態のメモリ部502は、1フレーム分の動画像データだけではなく、電子鍵挿入部206に対応する所定のフレーム数の動画像データを記憶する点が第1の実施形態と相違している。
【0130】
電子鍵生成制御部505は、暗号が解除されたフレーム番号情報からメモリ部502に記憶されたフレーム単位の動画像データそれぞれにフレーム番号を割り当てるとともに、同じく暗号が解除された基準フレーム情報に基づき、メモリ部502に記憶された動画像データのうち電子鍵生成の基準とすべき動画像データを特定する。
【0131】
電子鍵生成部503は、電子鍵挿入部206における電子鍵生成部302と対応し、メモリ部502に記憶されている電子鍵生成制御部505により特定された動画像データと、モード情報暗号解除部501により暗号が解除されたモード情報とに基づき電子鍵を生成する。電子鍵解除実行部504は、電子鍵挿入部206における電子鍵挿入実行部303に対応し、電子鍵により動画像データのスクランブルを解除する機能を有する。
【0132】
このように、この実施形態の符号化装置、復号化装置によれば、メモリ部301・502に所定フレーム数の動画像データを逐次記憶しておき、動画像データの圧縮・符号化の過程において生成するモード情報と、記憶された動画像データのうち基準フレーム情報で特定されたフレームの動画像データとに基づいて電子鍵を生成して動画像データにスクランブルを施すので、伝送路102においてデータ欠落が発生しても、次の動画像データのスクランブルを解除する電子鍵を生成する動画像データをメモリ部502から読み出すことができる。
【0133】
続いて、図15および図17を参照して、この実施形態の符号化装置109における電子鍵生成処理について詳細に説明する。図17は、この実施形態の電子鍵挿入部206の動作を示すフローチャートである。
【0134】
動画像データへの電子鍵挿入が開始されると、フレーム番号情報決定手段217は、先頭動画像データに対応する基準時間情報を受け取り、フレーム番号情報を生成して基準時間情報とともに電子鍵挿入部206の電子鍵生成制御部305に入力する(S1701)。
【0135】
基準時間情報とフレーム番号情報が入力されると、電子鍵生成制御部305は、電子鍵を生成する基準となる動画像データに対応する基準フレーム情報(例えば先頭動画像データから15フレーム遡るとして「15」)を生成する(S1702)。
【0136】
基準フレーム情報を生成すると、電子鍵生成制御部305は、基準時間情報およびフレーム番号情報に基づき、メモリ部301に記憶される動画像データにフレーム番号を割り当てる(S1703)。このフレーム番号は、例えば一連番号のように処理開始の後重複しないように生成される。
【0137】
電子鍵の挿入が開始されてから所定のフレーム数(例えば30フレーム分)が記憶されるまでは、メモリ部301にはまだ十分なフレーム数の動画像データが蓄積されていない。そのため、電子鍵生成制御部305は、初期段階として1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するよう電子鍵生成部302に指示する。指示を受けた電子鍵生成部302は、メモリ部301から1つ前のフレームに対応する動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する。電子鍵が生成されると、電子鍵挿入実行部303は、動画像データに電子鍵を挿入する(S1704)。なお、先頭データには1つ前のフレームに対応する動画像データがメモリ部301に記憶されていないので、伝送先である受信器103のID情報等に基づき電子鍵を生成する。
【0138】
電子鍵生成制御部305は、メモリ部301に所定フレーム数の動画像データが記憶されたか判定する(S1705)。メモリ部301に所定フレーム数の動画像データが記憶されていない場合(S1705のNo)、電子鍵生成制御部305は、1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部302に指示する。指示を受けた電子鍵生成部302は、メモリ部301から1つ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する。電子鍵が生成されると、電子鍵挿入実行部303は、動画像データに電子鍵を挿入する(S1704)。この初期段階のループの間、メモリ部301は動画像データを逐次記憶していく。
【0139】
メモリ部301に所定フレーム数の動画像データが記憶された場合(S1705のYes)、電子鍵生成制御部305は、先頭動画像データから基準フレーム情報だけ前の動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部302に指示する。指示を受けた電子鍵生成部302は、メモリ部301から基準フレーム情報だけ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する。すなわち、この例では15フレーム前の動画像データに基づき電子鍵を生成する。電子鍵が生成されると、電子鍵挿入実行部303は、動画像データに電子鍵を挿入する(S1706)。以後、基準フレーム番号だけ前の動画像データを基準として電子鍵が生成される。
【0140】
次に、図16および図18を参照して、この実施形態の復号化装置119における電子鍵生成処理について詳細に説明する。図18は、この実施形態の電子鍵解除部402の動作を示すフローチャートである。
【0141】
電子鍵解除処理が開始されると、モード情報暗号解除部501は、ID情報などに基づいて、モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号を解除する(S1801)。
【0142】
モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム番号の暗号が解除されると、電子鍵生成制御部505は、フレーム番号情報に基づき、メモリ部502に記憶される動画像データにフレーム番号を割り当てる(S1802)。この処理により、スクランブルをかける際に割り当てられたフレーム番号に対応するフレーム番号が、スクランブルを解除する際にも割り当てられることになる。
【0143】
電子鍵の挿入が開始されてから所定のフレーム数(例えば30フレーム分)が記憶されるまでは、メモリ部502にはまだ十分なフレーム数の動画像データが蓄積されていない。そのため、電子鍵生成制御部505は、初期段階として1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するよう電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前のフレームに対応する動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S1803)。なお、先頭の動画像データについてはメモリ部502に1つ前のフレームに対応する動画像データが記憶されていないので、自らのID情報等に基づき電子鍵が生成される。
【0144】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、当該電子鍵を用いて動画像データのスクランブルを解除する(S1804)。
【0145】
電子鍵生成制御部505は、メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されたか判定する(S1805)。メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されていない場合(S1805のNo)、電子鍵生成制御部305は、1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S1803)。
【0146】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S1804)。この初期段階ループの間、メモリ部502は、動画像データを逐次記憶していく。
【0147】
メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶された場合(S1805のYes)、電子鍵生成制御部505は、基準フレーム情報だけ前の動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から基準フレーム情報だけ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S1806)。すなわち、この例では15フレームだけ前の動画像データに基づき電子鍵が生成される。
【0148】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S1807)。以後、基準フレーム情報だけ前の動画像データを基準として電子鍵が生成される。
【0149】
この実施形態に係る符号化装置109、復号化装置112によれば、伝送データに欠落が生じても、基準フレーム情報に基づきメモリ部502に記憶された動画像データの中から次のフレームに対応する動画像データを読み出すことができるので、正常に電子鍵を生成することができる。
【0150】
なお、この実施形態では、フレーム番号情報決定手段217によりフレーム番号情報を生成し、これをメモリ部301・502に割り当てることでフレーム単位の動画像データの特定を可能にしているが、これに限られるものではない。例えば、メモリ部301・502の記憶領域にアドレスを付して、当該アドレス単位でフレーム単位の動画像データを特定してもよい。
【0151】
また、この実施形態は、前述した第1の実施形態に係る符号化装置および復号化装置に適用するだけに限られず、第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置に適用してもよい。さらに、この実施形態では、メモリ部301・502に所定のフレーム数の動画像データが記憶されるまでを初期段階とし、初期段階においては1つ前のフレームの動画像データに基づき電子鍵を生成しているが、これに限られるものではない。すなわち、先頭動画像データがメモリ部301・502に記憶されてからの経過時間によって初期段階を規定してもよい。
【0152】
また、この実施形態では電子鍵生成制御部305が基準フレーム情報を生成しているが、ユーザにより入力するものでもよい。また、この実施形態の電子鍵生成制御部305は、基準フレーム情報を一定の値として生成しているが、これに限られるものではなく、所定のフレーム単位や経過時間単位に応じて動的に生成するものであってもよい。この場合、暗号強度を高める効果を得ることができる。
【0153】
次に、図19および図20を参照して本発明の第4の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムについて説明する。図19は、本発明の第4の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図、図20は、この通信システムの電子鍵解除処理を示すフローチャートである。なお、図13および14と共通する部分には同一の符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0154】
図19に示すように、この通信システムは、図14に示した符号化装置109と、図16に示した電子鍵解除部402を備えた復号化装置112を有しており、復号化装置112に通信状態監視部414をさらに備えるものである。通信状態監視部414は、可変長復号化部401で復号されるデータを常に監視して、伝送欠落(パケットロス)の有無を検査する機能を有する。そして、パケットロスの有無に基づき、通信状態監視部414は、動画像データの送信元の符号化装置109における電子鍵挿入部206に対して電子鍵生成について制御指示を送る機能を有している。
【0155】
続いて、図16および図20を参照して第4の実施形態に係る通信システムの電子鍵解除処理について説明する。
【0156】
電子鍵解除処理が開始されると、モード情報暗号解除部501は、ID情報などに基づいて、モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号を解除する(S2001)。
【0157】
モード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報の暗号が解除されると、電子鍵生成制御部505は、フレーム番号情報に基づき、メモリ部502に記憶される動画像データにフレーム番号を割り当てる(S2002)。この処理により、スクランブルをかける際に割り当てられたフレーム番号がスクランブルを解除する際にも割り当てられることになる。
【0158】
電子鍵の挿入が開始されてから所定のフレーム数(例えば30フレーム分)が記憶されるまでは、メモリ部502にはまだ十分なフレーム数の動画像データが蓄積されていない。そのため、電子鍵生成制御部505は、初期段階として1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するよう電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前のフレームに対応する動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S2003)。
【0159】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、当該電子鍵を用いて動画像データのスクランブルを解除する(S2004)。
【0160】
電子鍵生成制御部505は、メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されたか判定する(S2005)。メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶されていない場合(S2005のNo)、電子鍵生成制御部305は、1つ前のフレームに対応する動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から1つ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S2003)。
【0161】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S2004)。この初期段階のループの間、メモリ部502は、動画像データを逐次記憶していく。
【0162】
メモリ部502に所定フレーム数の動画像データが記憶された場合(S2005のYes)、電子鍵生成制御部505は、基準フレーム情報だけ前の動画像データに基づき電子鍵を生成するように電子鍵生成部503に指示する。指示を受けた電子鍵生成部503は、メモリ部502から基準フレーム情報だけ前の動画像データを読み出してモード情報に基づき電子鍵を生成する(S2006)。
【0163】
電子鍵が生成されると、電子鍵解除実行部504は、動画像データのスクランブルを解除する(S2007)。以後、基準フレーム情報だけ前の動画像データを基準として電子鍵が生成される。
【0164】
通信状態監視部414は、電子鍵解除処理が開始されると可変長復号化部401を通過するトラヒックを検出してパケットロスの有無を監視する(S2008)。パケットロスが発生しない場合(S2008のNo)、そのまま電子鍵解除処理が実行される(S2007)。
【0165】
通信状態監視部414がパケットロスの発生を検知した場合(S2008のYes)、通信状態監視部414は、伝送路102を介して電子鍵挿入部206に基準フレーム情報の再設定を指示する(S2009)。指示を受けた電子鍵挿入部206の電子鍵生成制御部305は、基準フレーム情報を再設定して電子鍵生成部302に電子鍵生成を指示する。この結果、パケットロスで失われた動画像データは電子鍵生成の基準とは使われなくなるので、パケットロスが生じても電子鍵解除は正常に行われる。
【0166】
ここで、図21を参照して、この実施形態の通信システムにおける基準フレーム情報の再設定について詳細に説明する。図21は、この実施形態に係る通信システムにおけるパケットロスの復旧動作について示した概要図である。図21では、伝送される動画像データに一連のフレーム番号1,2,3,4…が割り当てられており、二つ前の動画像データに基づいて電子鍵が生成される例を示している。したがって、基準フレーム情報は「2」である。
【0167】
図21(a)に示すように、暗号化される動画像データは、電子鍵解除部402のメモリ部502に記憶された動画像データに基づいて電子鍵が生成され、スクランブルが解除される。この例では基準フレーム情報は「2」であるから、電子鍵生成部503は、メモリ部502に記憶された2つ前のフレームの動画像データに基づき電子鍵を生成する。すなわち、フレーム番号3の動画像データはメモリ部502に記憶されたフレーム番号1の動画像データ、フレーム番号6の動画像データは同じくフレーム番号4の動画像データに基づき電子鍵が生成され、スクランブルが解除される。
なお、この例においてフレーム番号1および2は、電子鍵生成の基準となる動画像データがメモリ部502に記憶されていないため、ID情報などにより電子鍵が生成される。
【0168】
図21(b)に示すように、フレーム番号4に対応する動画像データがエラー等により廃棄されてパケットロスとなった場合、メモリ部502にはフレーム番号4の動画像データは記憶されない。そうすると、電子鍵生成部503は、フレーム番号6の動画像データのスクランブルを解除する電子鍵を生成することができなくなり、連鎖的にフレーム番号8の動画像データに対応する電子鍵を生成することもできなくなる。この実施形態の通信システムでは伝送する動画像データは圧縮符号化されているから、スクランブルを解除できないデータが徐々に増えて画質が劣化する原因となってしまう。
【0169】
図21(c)は、通信状態監視部414により基準フレーム情報が再設定される例である。通信状態監視部414は、フレーム番号4の動画像データが欠落したことを検知すると、電子鍵挿入部206に対してフレーム番号4の動画像データのパケットが廃棄されたことを伝え、基準フレーム情報の再設定を指示する。指示を受けた電子鍵挿入部206の電子鍵生成制御部305は、フレーム番号6を暗号化する電子鍵の生成において基準フレーム情報を「1」に設定し、この情報をモード情報とともに復号化装置112に伝える。
【0170】
電子鍵生成部302は、基準フレーム情報の再設定に伴い、フレーム番号6の暗号化に用いる電子鍵を1つ前のフレームであるフレーム番号5の動画像データに基づいて電子鍵を生成する。電子鍵挿入実行部303は、当該電子鍵によりフレーム番号6の動画像データにスクランブルをかける。
【0171】
電子鍵解除部402における電子鍵生成制御部505は、フレーム番号6に対応する基準フレーム情報が「1」であることを通知されると、フレーム番号6の動画像データに対応する電子鍵の生成について、1つ前のフレーム番号5の動画像データを参照するように電子鍵生成部503に指示し、電子鍵生成部503は、メモリ部502からフレーム番号5の動画像データを読み出して電子鍵を生成する。電子鍵解除実行部504は、当該電子鍵によりフレーム番号6の動画像データについてスクランブルを解除する。なお、フレーム番号7の動画像データについては、2つ前のフレーム番号5が正常に復号できているので、予め決められた基準フレーム情報が「2」であるとしてスクランブルを解除することができる。
【0172】
このように、伝送線路においてパケットロスが生じ電子鍵生成のための動画像データが途切れた場合でも、通信状態監視部414は、基準フレーム番号を動的に再設定するので、電子鍵生成を維持することができる。
【0173】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態における符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法は、ハードウェアとして実現してもよいし、ソフトウェアを組み込んだコンピュータにより実現してもよい。ソフトウェアを組み込んだコンピュータにより実現する場合、ソフトウェアは、フレキシブルディスクなどのコンピュータが読み出し可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、コンピュータは、記憶媒体に記憶されたソフトウェアに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコンなどの一つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステムなどのいずれの構成であってもよい。さらに、コンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコンなども含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法によれば、符号化による動画像データの圧縮率を低下させずに十分なセキュリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した符号化装置の構成を示す図である。
【図3】図2に示した電子鍵挿入部の構成を示す図である。
【図4】図1に示した復号化装置の構成を示す図である。
【図5】図4に示した電子鍵解除部の構成を示す図である。
【図6】図2に示した符号化装置によるフレーム内予測符号化処理を示すフローチャートである。
【図7】図2に示した符号化装置によるフレーム間予測符号化処理を示すフローチャートである。
【図8】図2に示した符号化装置による後方予測符号化処理を示すフローチャートである。
【図9】図2に示した符号化装置の具体的動作を示すフローチャートである。
【図10】図4に示した復号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】図3に示した電子鍵挿入部により量子化データにスクランブルをかける様子の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
【図13】図12に示した符号化装置および復号化装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る符号化装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る電子鍵挿入部の構成を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る電子鍵解除部の構成を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の電子鍵挿入部の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態の電子鍵解除部の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る符号化装置および復号化装置を備えた通信システムの構成を示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態の通信システムの電子鍵解除処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第4の実施形態の通信システムにおけるパケットロスの復旧動作について示す図である。
【符号の説明】
101…送信器、102…伝送路、103…受信器、104…カメラ、105…マイク、106…スピーカ、107…表示装置、108…A/D変換装置、109…符号化装置、110…送受信装置、111…送受信装置、112…復号化装置、113…D/A変換装置、114…指示入力装置、
201…ブロック化部、202…減算器、203a・203b…切替器、204…DCT部、205…量子化部、206…電子鍵挿入部、207…可変長符号化部、208…モード選択部、209…逆量子化部、210…IDCT部、211…加算器、212・214…フレームメモリ、213・215…動き補償部、216…形状符号化部、217…フレーム番号情報決定手段、
301…メモリ部、302…電子鍵生成部、303…電子鍵挿入実行部、304…モード情報暗号化部、305…電子鍵生成制御部、
401…可変長復号化部、402…電子鍵解除部、403…逆量子化部、404…IDCT部、405…加算器、406…フレームメモリ、407…動き補償部、408…スイッチ、409…画像処理部、410…形状復号化部、411…メモリ、412…動き補償部、413…画像要求部、414…通信状態監視部、
501…モード情報暗号解除部、502…メモリ部、503…電子鍵生成部、504…電子鍵解除実行部、505…電子鍵生成制御部
Claims (13)
- 入力されたフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報を出力する変換手段と、
前記係数情報に基づき前記動画像データを元の動画像データに再生して、該動画像データの動き分を予測する予測画像データおよび前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成する動き補償手段と、
フレーム全体の動画像データを前記直交変換手段に入力するフレーム内予測符号化モード、およびフレーム全体の動画像データと前記予測画像データとの差分の動画像データを前記直交変換手段に入力するフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択して前記直交変換手段に入力する動画像データを切り換えるとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するモード選択手段と、
前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する符号化手段と
を具備したことを特徴とする符号化装置。 - 請求項1記載の符号化装置であって、前記入力されたフレーム単位の動画像データから所定の形状を切り出すとともに空間周波数領域に直交変換した形状符号化情報を生成し、該形状符号化情報を前記暗号化手段に入力する形状符号化手段をさらに備え、
前記暗号化手段は、前記モード情報に基づき前記形状符号化情報をさらに暗号化し、
前記符号化手段は、前記暗号化された形状符号化情報をさらに可変長符号化して、前記暗号化および可変長符号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報とともに多重化してデータストリームとして出力することを特徴とする符号化装置。 - 前記暗号化手段は、1フレーム分の前記係数情報および前記動きベクトル情報を前フレーム動画像データとして記憶するメモリ手段と、
前記モード情報および前記前フレーム動画像データに基づき電子鍵を生成する電子鍵生成手段と、
前記電子鍵に基づき、前記前フレーム動画像データの次のフレームに対応する係数情報および動きベクトル情報を暗号化する暗号実行手段と、
前記モード情報を所定の識別情報に基づき暗号化するモード情報暗号化手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の符号化装置。 - 前記入力されたフレーム単位の動画像データに対応するフレーム番号情報を生成するフレーム番号情報生成手段をさらに備え、
前記暗号化手段は、前記係数情報および前記動きベクトル情報をフレーム単位で所定フレーム数の動画像データとして前記フレーム番号情報と対応させて記憶するメモリ手段と、被暗号化動画像データを暗号化する電子鍵の生成の基準となる動画像データを前記メモリ手段に記憶された動画像データの中から特定するための基準フレーム情報を生成する基準フレーム情報生成手段と、前記メモリ手段に記憶され前記基準フレーム情報により特定される動画像データと前記モード情報とに基づき電子鍵を生成する電子鍵生成手段と、前記電子鍵に基づき前記被暗号化動画像データに対応する係数情報および動きベクトル情報を暗号化する暗号実行手段と、前記モード情報、前記フレーム番号情報および前記基準フレーム情報を所定の識別情報に基づき暗号化するモード情報暗号化手段とを備え、
前記符号化手段は、前記暗号化されたモード情報、フレーム番号情報、基準フレーム情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力すること
を特徴とする請求項1記載の符号化装置。 - 入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報とを分離する復号化手段と、
所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除する暗号解除手段と、
前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生する変換手段と、
前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力する動き補償部と
を具備したことを特徴とする復号化装置。 - 請求項5記載の復号化装置であって、
前記入力されたフレーム単位の動画像データから切り出された所定の形状について空間周波数領域に直交変換した形状符号化情報を逆直交変換して元の形状情報を再生する形状復号化手段と、
前記動きベクトル情報に基づき前記元の形状情報動き補償して出力する形状動き補償部をさらに備え、
前記復号化手段は、前記入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームを前記暗号化された形状符号化情報にさらに分解し、
前記暗号解除手段は、暗号が解除された前記モード情報に基づき前記形状符号化情報の暗号を解除すること
を特徴とする復号化装置。 - 前記暗号解除手段は、
暗号化されたモード情報について所定の識別情報に基づき暗号を解除するモード情報復元手段と、
1フレーム分の前記係数情報および前記動きベクトル情報を前フレーム動画像データとして記憶するメモリ手段と、
前記暗号を解除されたモード情報および前記前フレーム動画像データに基づき電子鍵を生成する電子鍵生成手段と、
前記電子鍵に基づき、前記係数情報および前記動きベクトル情報の次のフレームに対応する係数情報および動きベクトル情報について暗号を解除する暗号解除実行手段と
を備えることを特徴とする請求項5記載の復号化装置。 - 前記復号化手段は、前記暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報と、前記動画像データ各々にフレーム単位で対応するフレーム番号情報と、暗号解除対象動画像データの暗号を解除する電子鍵生成の基準となる動画像データを特定するための基準フレーム情報とを分離し、
前記暗号解除手段は、暗号化されたモード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報について所定の識別情報に基づき暗号を解除するモード情報復元手段と、前記係数情報および前記動きベクトル情報をフレーム単位で所定フレーム数の動画像データとして前記フレーム番号情報と対応させて記憶するメモリ手段と、前記暗号を解除されたモード情報と前記メモリ手段に記憶され前記暗号を解除された基準フレーム情報により特定される動画像データとに基づき電子鍵を生成する電子鍵生成手段と、前記電子鍵に基づき、前記暗号解除対象動画像データに対応する係数情報および動きベクトル情報について暗号を解除する暗号解除実行手段とを備えること
を特徴とする請求項5記載の復号化装置。 - (a)入力されたフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報を出力する変換手段と、
前記係数情報に基づき前記動画像データを元の動画像データに再生して該動画像データの動き分を予測する予測画像データと、前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報とを生成して出力する動き補償手段と、
フレーム全体の動画像データを前記直交変換手段に入力してフレーム全体の動画像データに対応する係数情報を出力させるフレーム内予測符号化モード、およびフレーム全体の動画像データと前記予測画像データとの差分動画像データを前記直交変換手段に入力して差分の動画像データに対応する係数情報を出力させるフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択して前記直交変換手段に入力する動画像データを切り換えるとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するモード選択手段と、
前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力する符号化手段とを具備した符号化装置を備え、前記データストリームを送信する送信器と、
(b)前記送信器から送信されたデータストリームを、前記係数情報と、前記動きベクトル情報と、前記モード情報とに分解する復号化手段と、
所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除する暗号解除手段と、
前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生する変換手段と、
前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力する動き補償部とを具備した復号化装置を備えた受信器と
を具備したことを特徴とする通信システム。 - 前記受信器は、ユーザからの復号化指示を受けて前記復号化手段に伝える指示入力手段と、
前記復号化指示に基づき、前記復号化指示を前記送信器へ伝える画像要求手段とをさらに備え、
前記暗号化手段は、前記受信器の画像要求手段から受けた符号化指示に基づき符号化を実行することを特徴とする請求項9記載の通信システム。 - 前記送信器は、前記入力されたフレーム単位の動画像データに対応するフレーム番号情報を生成するフレーム番号情報生成手段をさらに備え、
前記暗号化手段は、前記係数情報および前記動きベクトル情報をフレーム単位で所定フレーム数の動画像データとして前記フレーム番号情報と対応させて記憶するメモリ手段と、被暗号化動画像データを暗号化する電子鍵生成の基準となる動画像データを前記メモリ手段に記憶された動画像データの中から特定するための基準フレーム情報を生成する基準フレーム情報生成手段と、前記メモリ手段に記憶され前記基準フレーム情報により特定される動画像データと前記モード情報とに基づき電子鍵を生成する電子鍵生成手段と、前記電子鍵に基づき前記被暗号化動画像データに対応する係数情報および動きベクトル情報を暗号化する暗号実行手段と、前記モード情報、前記フレーム番号情報および前記基準フレーム情報を所定の識別情報に基づき暗号化するモード情報暗号化手段とを備え、
前記符号化手段は、前記暗号化されたモード情報、フレーム番号情報、基準フレーム情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力し、
前記復号化手段は、前記送信器から送信されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報と、前記動画像データ各々にフレーム単位で対応するフレーム番号情報と、暗号解除対象動画像データの暗号を解除する電子鍵生成の基準となる動画像データを特定するための基準フレーム情報とを分離し、
前記暗号解除手段は、暗号化されたモード情報、フレーム番号情報および基準フレーム情報について所定の識別情報に基づき暗号を解除するモード情報復元手段と、前記係数情報および前記動きベクトル情報をフレーム単位で所定フレーム数の動画像データとして前記フレーム番号情報と対応させて記憶するメモリ手段と、前記暗号を解除されたモード情報と前記メモリ手段に記憶され前記暗号を解除された基準フレーム情報により特定される動画像データとに基づき電子鍵を生成する電子鍵生成手段と、前記電子鍵に基づき、前記暗号解除対象動画像データに対応する係数情報および動きベクトル情報について暗号を解除する暗号解除実行手段とを備え、
前記受信器は、前記送信器から送信されたデータストリーム中のパケットロスを監視する通信状態監視手段をさらに備え、該パケットロスを検知した場合に前記基準フレーム情報を再生成するよう基準フレーム情報生成手段に指示することを特徴とする請求項9記載の通信システム。 - フレーム全体の動画像データ、およびフレーム全体の動画像データと該動画像データ動き分を予測した予測画像データとの差分動画像データのいずれかを有するフレーム単位の動画像データを空間周波数領域に直交変換して係数情報に変換するステップと、
前記係数情報に基づき、前記動画像データを元の動画像データに再生して前記予測画像データを生成するとともに前記動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報を生成するステップと、
フレーム全体の動画像データを直交変換して係数情報に変換するフレーム内予測符号化モード、および前記差分動画像データを直交変換して係数情報に変換するフレーム間予測符号化モードのいずれかを選択するとともに、該選択されたモードをモード情報として出力するステップと、
前記モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報を暗号化するとともに、所定の識別情報に基づき前記モード情報を暗号化するステップと、
前記暗号化されたモード情報、係数情報および動きベクトル情報を可変長符号化するとともに多重化してデータストリームとして出力するステップと
を有することを特徴とする符号化方法。 - 入力されたフレーム単位の動画像データからなる暗号化されたデータストリームから、空間周波数領域に直交変換された前記動画像データの係数情報と、前記動画像データの動き分のベクトル成分を有する動きベクトル情報と、前記動画像データの符号化方法を示すモード情報とに分離するステップと、
所定の識別情報に基づき前記モード情報の暗号を解除するとともに、暗号が解除された該モード情報に基づき前記係数情報および前記動きベクトル情報の暗号を解除するステップと、
前記係数情報を逆直交変換してフレーム単位の動画像データとして再生するステップと、
前記モード情報および前記再生された動画像データに基づき、前記再生された動画像データを動き補償して出力するステップと
を有することを特徴とする復号化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003186058A JP2004282687A (ja) | 2003-01-23 | 2003-06-30 | 符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2003014506 | 2003-01-23 | ||
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Publications (1)
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ID=33301529
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JP2003186058A Withdrawn JP2004282687A (ja) | 2003-01-23 | 2003-06-30 | 符号化装置、復号化装置、通信システム、符号化方法および復号化方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004282687A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100764246B1 (ko) * | 2005-12-30 | 2007-10-08 | 고려대학교 산학협력단 | 비디오 암호화 방법, 비디오 복호화 방법 및 그 장치 |
JP2008524950A (ja) * | 2004-12-22 | 2008-07-10 | テールズ | 同期化及びシンタックスの互換性を保護するビデオh.264暗号化 |
CN113542747A (zh) * | 2020-04-21 | 2021-10-22 | 株式会社东芝 | 服务器装置、通信系统以及存储介质 |
JP7496034B2 (ja) | 2020-11-19 | 2024-06-05 | テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド | ピクチャ暗号化方法、装置、コンピュータ機器、及びコンピュータプログラム |
-
2003
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