JP2004282685A - 移動体光通信システムおよび移動体光通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速かつ高品質で移動体通信が可能な移動体光通信システムおよび移動体光通信方法を提供する。
【解決手段】移動体11の軌道に沿って漏洩光ファイバ24が敷設されており、発光部23が情報に応じて信号制御部22で変調駆動されることによって光信号が漏洩光ファイバ24に出射される。漏洩光ファイバ24の表面から光信号が漏洩するので、これを移動体11の受光部12で受光し、復調部13で復調して情報を受信する。また、移動体11から送信する情報は、変調部14で変調して発光部15を駆動制御し、光信号を漏洩光ファイバ16に出射させる。漏洩光ファイバ16の表面から光信号が漏洩するので、軌道に所定間隔で配置されている受光部25によって漏洩した光信号を受光し、信号制御部22で復調して情報を受信する。軌道は移動体11に覆われ、暗い中で光通信を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】移動体11の軌道に沿って漏洩光ファイバ24が敷設されており、発光部23が情報に応じて信号制御部22で変調駆動されることによって光信号が漏洩光ファイバ24に出射される。漏洩光ファイバ24の表面から光信号が漏洩するので、これを移動体11の受光部12で受光し、復調部13で復調して情報を受信する。また、移動体11から送信する情報は、変調部14で変調して発光部15を駆動制御し、光信号を漏洩光ファイバ16に出射させる。漏洩光ファイバ16の表面から光信号が漏洩するので、軌道に所定間隔で配置されている受光部25によって漏洩した光信号を受光し、信号制御部22で復調して情報を受信する。軌道は移動体11に覆われ、暗い中で光通信を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体と地上との間で光を用いた通信を行うための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
列車などの移動体と地上を結ぶ通信手段としては、従来より無線が用いられている。一般に携帯電話などで用いられている方法では、基地局を設置し、その基地局と移動局との間で通信を行っている。しかし、トンネル内などでは電波が遮断されるため、通信を行うことができない。そのため、例えば電話などでは通話が途切れたり、データ通信を行っている場合にはセッションが切れてしまうといった問題がある。また、基地局との距離に応じて電波が減衰するため、それほど伝送速度を上げられない。さらに、フェージングなどの影響も受け、通信品質はそれほどよくない。
【0003】
新幹線などでは、線路上あるいは線路脇に漏洩同軸ケーブル(LCX:Leaky Coaxial Cable)を敷設し、公衆電話の通信に利用している。この漏洩同軸ケーブルは、ケーブルに高周波の電流を流すと周囲に電磁波が輻射される性質を利用したものである。この漏洩同軸ケーブルは、走行する新幹線などの列車に近接して敷設されているため、距離による減衰量はそれほど変動せず、高品質の通信が可能である。またトンネル内などでも漏洩同軸ケーブルを敷設しておけば通信を行うことができる。しかし、トンネル内では壁面による電波の反射が発生するため、マルチパスフェージングの影響を強く受け、通信特性が著しく劣化するという欠点がある。また、通信速度についても、2.6Mbps程度であり、さらなる高速化が望まれている。
【0004】
近年のネットワーク技術の向上とともに、どこでも、いつでも通信が可能なユビキタスネットワーク社会の構築が提唱されてきている。このようなユビキタスネットワーク社会を担う通信手段としては、上述のような従来の通信手段では通信速度、通信品質とも十分ではなく、さらに高速、高品質で通信を行うことができる通信技術が待たれている。
【0005】
一方、固定局間の高速大容量の通信を行うために光ファイバが利用されている。一般的な光ファイバでは、光ファイバの技術は伝送損失を抑えるための技術であり、光ファイバに出射された光をなるべく受光側に届けることに注力されていた。そのため、通信用の光ファイバでは、光の漏洩を極力抑えるように構成されている。
【0006】
このような一般的な通信用の光ファイバとは異なる光ファイバとして、例えば特許文献1に記載されているような、光ファイバの表面から光が漏洩する漏洩光ファイバが開発されており、種々の方式が開発途上にある。特許文献1には、このような漏洩光ファイバを誘導用に用いたり、装飾用や、ライトガイドとして用いる旨が記載されており、さらに、通信用として利用可能である旨が記載されている。しかし、通信用として利用するにしても、どのように漏洩光ファイバを利用するのかについて全く記載されていない。上述のように光ファイバは固定局間で利用されるが、このような利用形態で漏洩光ファイバを用いた場合、光の漏洩は伝送損失となり、通信品質の劣化を招いてしまう。そのため、漏洩光ファイバを従来の固定局間での通信に利用することはできないだけでなく、実際に漏洩光ファイバを用いて通信を行った事例はない。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−133652号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、高速かつ高品質で移動体通信が可能な移動体光通信システムおよび移動体光通信方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動体に対して情報を送信する移動体光通信システムにおいて、情報により変調された光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバが前記移動体の移動経路に沿って敷設されており、前記移動体は、前記漏洩光ファイバに略対向して設けられ前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した光信号を復調して情報を取得する復調手段を有し、前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体に送信することを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、移動体に対して情報を送信する移動体光通信方法において、表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを前記移動体の移動経路に沿って敷設しておき、また前記移動体に前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光する受光手段を前記漏洩光ファイバに略対向させて設けるとともに、前記受光手段で受光した光信号を復調して情報を取得する復調手段を設けておき、情報により変調された光信号を前記漏洩光ファイバに導通させて前記漏洩光ファイバの表面から光信号を漏洩させ、前記移動体に設けられた前記受光手段によって前記漏洩光ファイバの表面から漏洩した光信号を受光して前記復調手段で復調し、情報を取得することにより、前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体に送信することを特徴とするものである。
【0011】
このように移動体に対して情報を送信する場合には、移動体の経路に敷設しておいた漏洩光ファイバから光信号を漏洩させ、移動体に設けられた受光手段によって漏洩した光信号を受光する。連続した漏洩光ファイバが敷設されている区間においては、漏洩光ファイバから同じ光信号が漏洩しているので、その区間内であれば移動体が移動しても同じ光信号を受光することができる。このとき、固定した点からの光ではなく、移動経路に沿って漏洩する光を移動体で受光するため、漏洩光ファイバと移動体との距離をほぼ保つことができるとともに近距離での送受光となる。従って高品質の通信が可能となる。また光を用いているため電波のようなマルチパスフェージングの影響を受けにくく、トンネル内などにおいても通信品質を保つことができ、また高速な通信を実現することが可能である。
【0012】
さらに本発明は、移動体から情報を送信する移動体光通信システムにおいて、前記移動体は、情報を変調する変調手段と、変調された情報を光信号として放射する発光手段と、前記発光手段から放射される光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを有し、また前記移動体の前記漏洩光ファイバに略対向して設けられ前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光し電気信号に変換する受光手段が前記移動体の移動経路に沿って所定の間隔で複数配置されており、前記移動体に設けられた前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体から送信することを特徴とするものである。
【0013】
さらにまた本発明は、移動体から情報を送信する移動体光通信方法において、前記移動体に情報を変調する変調手段と、変調された情報を光信号として放射する発光手段と、前記発光手段から放射される光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを設けるとともに、前記移動体の前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光し電気信号に変換する受光手段を前記漏洩光ファイバに略対向して前記移動体の移動経路に沿って所定の間隔で複数配置しておき、前記移動体において情報を前記変調手段で変調して前記発光手段で光信号として前記漏洩光ファイバへ放射し、前記漏洩光ファイバの表面から漏洩する光信号を前記受光手段によって受光して電気信号に変換することによって、前記移動体からの情報の送信を行うことを特徴とするものである。
【0014】
このように移動体から情報を送信する場合についても、移動体に設けておいた漏洩光ファイバから光信号を漏洩させ、移動体の移動経路に沿って所定の間隔で配置しておいた受光手段によって漏洩した光信号を受光する。移動体が移動し、漏洩光ファイバが移動しても、漏洩光ファイバの長さに相当する区間には光信号が漏洩する。従って、複数配置した受光手段の少なくとも1つが移動体の漏洩光ファイバから漏洩した光信号を受光できれば、移動体からの情報を受信することができる。また、移動体上の漏洩光ファイバと受光手段との距離はほぼ一定に保つことができるため、高品質の通信が可能となる。また光を用いているため電波のようなマルチパスフェージングの影響を受けにくく、トンネル内などにおいても通信品質を保つことができ、また高速な通信を実現することが可能である。
【0015】
これらの本発明によって、移動体への情報の送信あるいは移動体からの情報の送信を行うことができる。この場合、移動体側の漏洩光ファイバや受光手段は、移動体の床裏に設け、地上側の漏洩光ファイバや受光手段を軌道内に設置することができる。通信を行う際には移動体が軌道を覆うため、暗い中で光による通信を行うことができ、太陽光などの外乱光の影響を低減して高品質かつ高速な通信を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示す概略構成図である。図中、11は移動体、12は受光部、13は復調部、14は変調部、15は発光部、16は漏洩光ファイバ、21はネットワーク、22は信号制御部、23は発光部、24は漏洩光ファイバ、25は受光部である。移動体11は、一定の経路を移動するものであり、例えば列車や搬送車などが考えられるが、本発明はこれらに限られるものではない。ここでは一例として移動体11が列車であるものとして説明する。
【0017】
移動体11が移動する経路には、適当な長さの漏洩光ファイバ24が移動体11の経路に沿って敷設されている。例えば列車の軌道である線路内に敷設したり、あるいは線路脇、または防音壁などの側壁、あるいは電車であれば架線とともに敷設することもできる。
【0018】
漏洩光ファイバ24は、上述の特許文献1に記載されているもの、あるいはそれ以外の光を漏洩する特性を有するあらゆる光ファイバを用いることができる。1本の漏洩光ファイバ24は、例えば移動体11が列車であれば数十m以上の長さとするとよい。光の漏洩による減衰などを考慮して1本あたりの敷設長を決定すればよい。なお、漏洩光ファイバ24は、一列に敷設するほか、発光区間が一部が重複するように敷設して、切れ目ができないようにしてもよい。
【0019】
漏洩光ファイバ24の一端には、漏洩光ファイバ24に光信号を送るための発光部23が設けられ、信号制御部22によって駆動制御されている。発光部23としては、例えばレーザダイオード(LD:Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。特にLDは鋭い指向性を有しており、好適である。いずれの場合も、高速な応答特性を有しており、信号制御部22によって高速にON/OFFあるいは光量の制御を行うことによって変調し、漏洩光ファイバ24に対して光信号を出射することができる。
【0020】
信号制御部22は、ネットワーク21から移動体11へ送信する情報に応じて発光部23を駆動制御し、発光部23から漏洩光ファイバ24へ光信号を送出させる。また、受光部25で受光した光信号を復調して、ネットワーク21へ情報を送る。なお、移動体11へ情報を送信する場合に、移動体11が漏洩光ファイバ24による漏洩光の照射範囲に入っているときに動作するように、動作制御を行う機能を有していてもよい。また、信号制御部22間で通信を行い、あるいは別の制御手段による制御によって、移動体11の移動に従った漏洩光ファイバ24の切替制御を行うように構成することもできる。
【0021】
なお、ネットワーク21は任意の通信路により構成することができ、有線の通信ケーブルなどである。もちろん、その通信ケーブルを通じてインターネットなどのバックボーンネットワークに接続されていてよい。
【0022】
受光部25は、移動体11に設けられている漏洩光ファイバ16と略対向するように設けられ、漏洩光ファイバ16から漏洩する光を受光して電気信号に変換し、信号制御部22に伝える。受光部25としてはフォトダイオード(PD:Photo Diode)などの受光素子を用いることができる。
【0023】
一方、移動体11には情報を受信するための構成として受光部12および復調部13が設けられており、また情報を送信するための構成として変調部14および発光部15,漏洩光ファイバ16が設けられている。受光部12は移動経路に沿って敷設されている漏洩光ファイバ24に略対向するように設けられ、漏洩光ファイバ24から漏洩する光信号を受光して電気信号に変換する。この受光部12も上述の受光部25と同様に、PDなどの受光素子を用いることができる。
【0024】
復調部13は、受光部25で受光して電気信号に変換した信号を復調し、送られてきた情報を取得する。復調した情報は、移動体11内のコンピュータあるいはネットワークに送られる。
【0025】
移動体11から送信する情報は変調部14に伝えられ、変調部14は送信する情報に従って発光部15のON/OFFあるいは光量を変化させるように駆動制御する。発光部15は上述の発光部23と同様、LDやLEDなどで構成することができ、変調部14による駆動制御に従って光信号を漏洩光ファイバ16に送出する。
【0026】
漏洩光ファイバ16は上述の漏洩光ファイバ24と同様のものであり、移動体11の移動方向に沿って設けられている。そして、発光部15から送出される光信号をその表面から漏洩する。
【0027】
図2は、本発明の実施の一形態における移動体11へ情報を送信する場合(ダウンリンク)の動作の一例の説明図である。移動体11が漏洩光ファイバ24上にさしかかると、信号制御部22は予めネットワーク21から受信しておいた移動体11に送信すべき情報に従って発光部23を駆動制御し、発光部23から漏洩光ファイバ24へ変調された光信号を送出させる。
【0028】
発光部23から放射された光信号は漏洩光ファイバ24中を進むが、一部は漏洩光ファイバ24の表面から漏れ出す。図2(A)に示すように漏洩光ファイバ24の上に移動体11の受光部12が来ると、受光部12が漏洩光ファイバ24から漏洩している光信号を受光し、電気信号に変換する。そして、受光部12で電気信号に変換された光信号を復調部13で復調し、情報を取得することができる。
【0029】
例えば漏洩光ファイバ24が線路などの軌道に敷設されている場合、受光部12は移動体11の床下に設けられる。一般に軌道上には太陽光や街灯など、周囲の光が照射するため、漏洩光ファイバ24から漏洩する光信号はこれらの外乱光の影響を受けやすい。しかし、列車などの移動体11が存在する場合には移動体11が軌道を覆う。そのため、漏洩光ファイバ24と移動体11の受光部12とは移動体11の陰に入り、非常に暗い状態が形成される。よって太陽光や街灯などの外乱光などの影響を著しく軽減することができ、高品質の通信が可能であり、通信速度も高めることができる。もちろん、漏洩光ファイバ24が軌道以外に敷設される場合でも、例えば周囲光とともに光信号を受光部12で受光し、以降の信号処理で例えば周囲光との差分などを検出するなど、通常の外乱光への対策を講じることによって光信号を検出可能である。また、移動体11が電車などでは、スパークなどによって電磁ノイズが頻繁に発生するが、光信号はこのような電磁ノイズの影響を受けずに通信を行うことができる。さらに、トンネル内などでもフェージングの影響を受けないことから、従来の電波を用いる場合に比べて格段に高品質の通信を行うことができ、また高速な通信が可能である。
【0030】
移動体11はそのまま軌道上を走行してゆく。例えば図2中の(A)から(B)まで走行したとする。その間、移動体11の移動とともに受光部12も移動してゆくが、移動体11の移動方向に延在する漏洩光ファイバ24との距離は大きく変わることはない。また、漏洩光ファイバ24は、入射された光をほぼ一様に漏出させるので、移動体11が移動しても移動体11の受光部12が受光する光信号の強度はそれほど変化しない。従って、移動体11が移動しても高品質、高速な通信をそのまま維持し続けられる。
【0031】
移動体11がさらに移動を続けると1本の漏洩光ファイバ24の一端を越えて移動することになるが、その場合には次に敷設されている漏洩光ファイバ24からの漏洩光を受光することによって情報の受信を続けることができる。このとき、例えば漏洩光ファイバ24の光の漏洩範囲を重複させておけば、通信がとぎれることはない。
【0032】
このようにして、移動体11への情報の送信(ダウンリンク)を行うことができる。なお、図1に示したように複数の漏洩光ファイバ24を敷設している場合、いずれの発光部23を駆動制御するかは任意に制御することができる。例えば列車であれば踏切などの制御システムと連動あるいは同様にして、列車が近づいたことを検知して発光部23の駆動制御を開始すればよい。また、移動体11との間で双方向の通信を行っている場合には、図1に示す1ないし複数個手前の受光部25で移動体11からの光信号を受光していることを検知して、当該発光部23の駆動制御を開始してもよい。もちろん、常に情報に従って発光部23を駆動制御していてもよい。
【0033】
図3は、本発明の実施の一形態における移動体11から情報を送信する場合(アップリンク)の動作の一例の説明図である。移動体11から情報を送信するアップリンクの場合も、上述のダウンリンクの場合と同様に通信を行うことができる。移動体11においては、送信すべき情報が変調部14で変調され、変調された情報によって発光部15の駆動制御が行われて、漏洩光ファイバ16中に光信号が出射される。発光部15から出射された光信号は漏洩光ファイバ16中を進むが、一部は漏洩光ファイバ16の表面から漏れ出す。
【0034】
図3(A)に示すように移動体11の漏洩光ファイバ16の光が漏出する領域が外部の受光部25にかかると、受光部25が漏洩光ファイバ16から漏洩する光信号を受光し、電気信号に変換する。そして、信号制御部22で電気信号に変換された光信号を復調し、情報を取得することができる。
【0035】
このような移動体11からの情報の送信(アップリンク)の場合にも、上述のダウンリンクの場合と同様、例えば漏洩光ファイバ24が線路などの軌道に敷設されている場合、移動体11自体の陰において通信を行うことができ、外乱光の影響を軽減できる。また、電磁ノイズやフェージングなどの影響が少ないため、高品質、高速な通信が可能である。
【0036】
移動体11はそのまま軌道上を走行してゆく。例えば図3中の(A)から(B)まで走行したとする。この場合、上述のダウンリンクの場合とは反対に、移動体11の移動とともに漏洩光ファイバ16が移動してゆく。しかし、移動体11の漏洩光ファイバ16と外部に設けられている受光部25との距離は大きく変わることはない。また、漏洩光ファイバ16は、入射された光をほぼ一様に漏出させるので、移動体11が移動して受光部25と対向する漏洩光ファイバ16の位置は変化しても、外部の受光部25が受光する光信号の強度はそれほど変化しない。従って、移動体11が移動しても高品質、高速な通信をそのまま維持し続けられる。
【0037】
このようにして、移動体11からの情報の送信(アップリンク)を行うことができる。なお、さらに移動体11が移動した場合には、所定間隔で配置されている次の別の受光部25によって移動体11の漏洩光ファイバ16から漏洩する光信号を受光すればよい。受光部25は、移動体11に設けられている漏洩光ファイバ16の長さ以内の間隔で配置されていればよい。
【0038】
上述のダウンリンクおよびアップリンクの通信を組み合わせて用いることによって、移動体11との間で双方向の通信を行うことができる。列車の運行管理などの業務用途の他、例えば移動体11に乗車中の利用者が端末装置からインターネットなどのネットワーク21を利用することが可能になる。もちろん一方向のみの構成によって一方向通信を実現する構成も可能である。例えば移動体11へ情報を送るダウンリンクのみの放送型システムを構築し、映像情報を各移動体11へ配信するなどといった利用も可能である。
【0039】
上述のように、本発明においては移動体11と地上側の構成はほぼ同様である。すなわち、送信側の構成として漏洩光ファイバおよび発光部と、発光部を駆動制御する構成を有し、受信側の構成として受光部と復調部を有していればよい。構成が同じことから、移動体11への情報の送信と、移動体11からの情報の送信の際の通信速度をほぼ同じとすることができる。通信速度は漏洩光ファイバを工夫することでアップリンクおよびダウンリンクとも1Gbps以上も可能である。例えば上述のように移動体11の乗客が外部のネットワーク21を利用する場合、乗客100人が10Mbpsで同時に通信を行っても十分な通信速度を確保することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、無線通信の媒体として光を利用しており、その特性からフェージングの影響や電磁ノイズの影響を排除し、高品質、高速な移動体通信を実現することができる。また、移動体への情報の送信(ダウンリンク)および移動体からの情報の送信(アップリンク)とも、同様の構成によって通信を行うことができ、双方向とも同じ通信速度で通信を行うことが可能である。さらに、例えば列車の床裏と線路上とで通信を行う場合などでは、列車の陰において暗い状態で通信を行うことができ、外乱光の影響を格段に低減して高品質の通信が可能である。本発明によれば、上述のように従来の電波を用いた移動体通信では実現できなかったような種々の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態における移動体11へ情報を送信する場合(ダウンリンク)の動作の一例の説明図である。
【図3】本発明の実施の一形態における移動体11から情報を送信する場合(アップリンク)の動作の一例の説明図である。
【符号の説明】
11…移動体、12…受光部、13…復調部、14…変調部、15…発光部、16…漏洩光ファイバ、21…ネットワーク、22…信号制御部、23…発光部、24…漏洩光ファイバ、25…受光部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体と地上との間で光を用いた通信を行うための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
列車などの移動体と地上を結ぶ通信手段としては、従来より無線が用いられている。一般に携帯電話などで用いられている方法では、基地局を設置し、その基地局と移動局との間で通信を行っている。しかし、トンネル内などでは電波が遮断されるため、通信を行うことができない。そのため、例えば電話などでは通話が途切れたり、データ通信を行っている場合にはセッションが切れてしまうといった問題がある。また、基地局との距離に応じて電波が減衰するため、それほど伝送速度を上げられない。さらに、フェージングなどの影響も受け、通信品質はそれほどよくない。
【0003】
新幹線などでは、線路上あるいは線路脇に漏洩同軸ケーブル(LCX:Leaky Coaxial Cable)を敷設し、公衆電話の通信に利用している。この漏洩同軸ケーブルは、ケーブルに高周波の電流を流すと周囲に電磁波が輻射される性質を利用したものである。この漏洩同軸ケーブルは、走行する新幹線などの列車に近接して敷設されているため、距離による減衰量はそれほど変動せず、高品質の通信が可能である。またトンネル内などでも漏洩同軸ケーブルを敷設しておけば通信を行うことができる。しかし、トンネル内では壁面による電波の反射が発生するため、マルチパスフェージングの影響を強く受け、通信特性が著しく劣化するという欠点がある。また、通信速度についても、2.6Mbps程度であり、さらなる高速化が望まれている。
【0004】
近年のネットワーク技術の向上とともに、どこでも、いつでも通信が可能なユビキタスネットワーク社会の構築が提唱されてきている。このようなユビキタスネットワーク社会を担う通信手段としては、上述のような従来の通信手段では通信速度、通信品質とも十分ではなく、さらに高速、高品質で通信を行うことができる通信技術が待たれている。
【0005】
一方、固定局間の高速大容量の通信を行うために光ファイバが利用されている。一般的な光ファイバでは、光ファイバの技術は伝送損失を抑えるための技術であり、光ファイバに出射された光をなるべく受光側に届けることに注力されていた。そのため、通信用の光ファイバでは、光の漏洩を極力抑えるように構成されている。
【0006】
このような一般的な通信用の光ファイバとは異なる光ファイバとして、例えば特許文献1に記載されているような、光ファイバの表面から光が漏洩する漏洩光ファイバが開発されており、種々の方式が開発途上にある。特許文献1には、このような漏洩光ファイバを誘導用に用いたり、装飾用や、ライトガイドとして用いる旨が記載されており、さらに、通信用として利用可能である旨が記載されている。しかし、通信用として利用するにしても、どのように漏洩光ファイバを利用するのかについて全く記載されていない。上述のように光ファイバは固定局間で利用されるが、このような利用形態で漏洩光ファイバを用いた場合、光の漏洩は伝送損失となり、通信品質の劣化を招いてしまう。そのため、漏洩光ファイバを従来の固定局間での通信に利用することはできないだけでなく、実際に漏洩光ファイバを用いて通信を行った事例はない。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−133652号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、高速かつ高品質で移動体通信が可能な移動体光通信システムおよび移動体光通信方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動体に対して情報を送信する移動体光通信システムにおいて、情報により変調された光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバが前記移動体の移動経路に沿って敷設されており、前記移動体は、前記漏洩光ファイバに略対向して設けられ前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した光信号を復調して情報を取得する復調手段を有し、前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体に送信することを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、移動体に対して情報を送信する移動体光通信方法において、表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを前記移動体の移動経路に沿って敷設しておき、また前記移動体に前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光する受光手段を前記漏洩光ファイバに略対向させて設けるとともに、前記受光手段で受光した光信号を復調して情報を取得する復調手段を設けておき、情報により変調された光信号を前記漏洩光ファイバに導通させて前記漏洩光ファイバの表面から光信号を漏洩させ、前記移動体に設けられた前記受光手段によって前記漏洩光ファイバの表面から漏洩した光信号を受光して前記復調手段で復調し、情報を取得することにより、前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体に送信することを特徴とするものである。
【0011】
このように移動体に対して情報を送信する場合には、移動体の経路に敷設しておいた漏洩光ファイバから光信号を漏洩させ、移動体に設けられた受光手段によって漏洩した光信号を受光する。連続した漏洩光ファイバが敷設されている区間においては、漏洩光ファイバから同じ光信号が漏洩しているので、その区間内であれば移動体が移動しても同じ光信号を受光することができる。このとき、固定した点からの光ではなく、移動経路に沿って漏洩する光を移動体で受光するため、漏洩光ファイバと移動体との距離をほぼ保つことができるとともに近距離での送受光となる。従って高品質の通信が可能となる。また光を用いているため電波のようなマルチパスフェージングの影響を受けにくく、トンネル内などにおいても通信品質を保つことができ、また高速な通信を実現することが可能である。
【0012】
さらに本発明は、移動体から情報を送信する移動体光通信システムにおいて、前記移動体は、情報を変調する変調手段と、変調された情報を光信号として放射する発光手段と、前記発光手段から放射される光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを有し、また前記移動体の前記漏洩光ファイバに略対向して設けられ前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光し電気信号に変換する受光手段が前記移動体の移動経路に沿って所定の間隔で複数配置されており、前記移動体に設けられた前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体から送信することを特徴とするものである。
【0013】
さらにまた本発明は、移動体から情報を送信する移動体光通信方法において、前記移動体に情報を変調する変調手段と、変調された情報を光信号として放射する発光手段と、前記発光手段から放射される光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを設けるとともに、前記移動体の前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光し電気信号に変換する受光手段を前記漏洩光ファイバに略対向して前記移動体の移動経路に沿って所定の間隔で複数配置しておき、前記移動体において情報を前記変調手段で変調して前記発光手段で光信号として前記漏洩光ファイバへ放射し、前記漏洩光ファイバの表面から漏洩する光信号を前記受光手段によって受光して電気信号に変換することによって、前記移動体からの情報の送信を行うことを特徴とするものである。
【0014】
このように移動体から情報を送信する場合についても、移動体に設けておいた漏洩光ファイバから光信号を漏洩させ、移動体の移動経路に沿って所定の間隔で配置しておいた受光手段によって漏洩した光信号を受光する。移動体が移動し、漏洩光ファイバが移動しても、漏洩光ファイバの長さに相当する区間には光信号が漏洩する。従って、複数配置した受光手段の少なくとも1つが移動体の漏洩光ファイバから漏洩した光信号を受光できれば、移動体からの情報を受信することができる。また、移動体上の漏洩光ファイバと受光手段との距離はほぼ一定に保つことができるため、高品質の通信が可能となる。また光を用いているため電波のようなマルチパスフェージングの影響を受けにくく、トンネル内などにおいても通信品質を保つことができ、また高速な通信を実現することが可能である。
【0015】
これらの本発明によって、移動体への情報の送信あるいは移動体からの情報の送信を行うことができる。この場合、移動体側の漏洩光ファイバや受光手段は、移動体の床裏に設け、地上側の漏洩光ファイバや受光手段を軌道内に設置することができる。通信を行う際には移動体が軌道を覆うため、暗い中で光による通信を行うことができ、太陽光などの外乱光の影響を低減して高品質かつ高速な通信を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示す概略構成図である。図中、11は移動体、12は受光部、13は復調部、14は変調部、15は発光部、16は漏洩光ファイバ、21はネットワーク、22は信号制御部、23は発光部、24は漏洩光ファイバ、25は受光部である。移動体11は、一定の経路を移動するものであり、例えば列車や搬送車などが考えられるが、本発明はこれらに限られるものではない。ここでは一例として移動体11が列車であるものとして説明する。
【0017】
移動体11が移動する経路には、適当な長さの漏洩光ファイバ24が移動体11の経路に沿って敷設されている。例えば列車の軌道である線路内に敷設したり、あるいは線路脇、または防音壁などの側壁、あるいは電車であれば架線とともに敷設することもできる。
【0018】
漏洩光ファイバ24は、上述の特許文献1に記載されているもの、あるいはそれ以外の光を漏洩する特性を有するあらゆる光ファイバを用いることができる。1本の漏洩光ファイバ24は、例えば移動体11が列車であれば数十m以上の長さとするとよい。光の漏洩による減衰などを考慮して1本あたりの敷設長を決定すればよい。なお、漏洩光ファイバ24は、一列に敷設するほか、発光区間が一部が重複するように敷設して、切れ目ができないようにしてもよい。
【0019】
漏洩光ファイバ24の一端には、漏洩光ファイバ24に光信号を送るための発光部23が設けられ、信号制御部22によって駆動制御されている。発光部23としては、例えばレーザダイオード(LD:Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。特にLDは鋭い指向性を有しており、好適である。いずれの場合も、高速な応答特性を有しており、信号制御部22によって高速にON/OFFあるいは光量の制御を行うことによって変調し、漏洩光ファイバ24に対して光信号を出射することができる。
【0020】
信号制御部22は、ネットワーク21から移動体11へ送信する情報に応じて発光部23を駆動制御し、発光部23から漏洩光ファイバ24へ光信号を送出させる。また、受光部25で受光した光信号を復調して、ネットワーク21へ情報を送る。なお、移動体11へ情報を送信する場合に、移動体11が漏洩光ファイバ24による漏洩光の照射範囲に入っているときに動作するように、動作制御を行う機能を有していてもよい。また、信号制御部22間で通信を行い、あるいは別の制御手段による制御によって、移動体11の移動に従った漏洩光ファイバ24の切替制御を行うように構成することもできる。
【0021】
なお、ネットワーク21は任意の通信路により構成することができ、有線の通信ケーブルなどである。もちろん、その通信ケーブルを通じてインターネットなどのバックボーンネットワークに接続されていてよい。
【0022】
受光部25は、移動体11に設けられている漏洩光ファイバ16と略対向するように設けられ、漏洩光ファイバ16から漏洩する光を受光して電気信号に変換し、信号制御部22に伝える。受光部25としてはフォトダイオード(PD:Photo Diode)などの受光素子を用いることができる。
【0023】
一方、移動体11には情報を受信するための構成として受光部12および復調部13が設けられており、また情報を送信するための構成として変調部14および発光部15,漏洩光ファイバ16が設けられている。受光部12は移動経路に沿って敷設されている漏洩光ファイバ24に略対向するように設けられ、漏洩光ファイバ24から漏洩する光信号を受光して電気信号に変換する。この受光部12も上述の受光部25と同様に、PDなどの受光素子を用いることができる。
【0024】
復調部13は、受光部25で受光して電気信号に変換した信号を復調し、送られてきた情報を取得する。復調した情報は、移動体11内のコンピュータあるいはネットワークに送られる。
【0025】
移動体11から送信する情報は変調部14に伝えられ、変調部14は送信する情報に従って発光部15のON/OFFあるいは光量を変化させるように駆動制御する。発光部15は上述の発光部23と同様、LDやLEDなどで構成することができ、変調部14による駆動制御に従って光信号を漏洩光ファイバ16に送出する。
【0026】
漏洩光ファイバ16は上述の漏洩光ファイバ24と同様のものであり、移動体11の移動方向に沿って設けられている。そして、発光部15から送出される光信号をその表面から漏洩する。
【0027】
図2は、本発明の実施の一形態における移動体11へ情報を送信する場合(ダウンリンク)の動作の一例の説明図である。移動体11が漏洩光ファイバ24上にさしかかると、信号制御部22は予めネットワーク21から受信しておいた移動体11に送信すべき情報に従って発光部23を駆動制御し、発光部23から漏洩光ファイバ24へ変調された光信号を送出させる。
【0028】
発光部23から放射された光信号は漏洩光ファイバ24中を進むが、一部は漏洩光ファイバ24の表面から漏れ出す。図2(A)に示すように漏洩光ファイバ24の上に移動体11の受光部12が来ると、受光部12が漏洩光ファイバ24から漏洩している光信号を受光し、電気信号に変換する。そして、受光部12で電気信号に変換された光信号を復調部13で復調し、情報を取得することができる。
【0029】
例えば漏洩光ファイバ24が線路などの軌道に敷設されている場合、受光部12は移動体11の床下に設けられる。一般に軌道上には太陽光や街灯など、周囲の光が照射するため、漏洩光ファイバ24から漏洩する光信号はこれらの外乱光の影響を受けやすい。しかし、列車などの移動体11が存在する場合には移動体11が軌道を覆う。そのため、漏洩光ファイバ24と移動体11の受光部12とは移動体11の陰に入り、非常に暗い状態が形成される。よって太陽光や街灯などの外乱光などの影響を著しく軽減することができ、高品質の通信が可能であり、通信速度も高めることができる。もちろん、漏洩光ファイバ24が軌道以外に敷設される場合でも、例えば周囲光とともに光信号を受光部12で受光し、以降の信号処理で例えば周囲光との差分などを検出するなど、通常の外乱光への対策を講じることによって光信号を検出可能である。また、移動体11が電車などでは、スパークなどによって電磁ノイズが頻繁に発生するが、光信号はこのような電磁ノイズの影響を受けずに通信を行うことができる。さらに、トンネル内などでもフェージングの影響を受けないことから、従来の電波を用いる場合に比べて格段に高品質の通信を行うことができ、また高速な通信が可能である。
【0030】
移動体11はそのまま軌道上を走行してゆく。例えば図2中の(A)から(B)まで走行したとする。その間、移動体11の移動とともに受光部12も移動してゆくが、移動体11の移動方向に延在する漏洩光ファイバ24との距離は大きく変わることはない。また、漏洩光ファイバ24は、入射された光をほぼ一様に漏出させるので、移動体11が移動しても移動体11の受光部12が受光する光信号の強度はそれほど変化しない。従って、移動体11が移動しても高品質、高速な通信をそのまま維持し続けられる。
【0031】
移動体11がさらに移動を続けると1本の漏洩光ファイバ24の一端を越えて移動することになるが、その場合には次に敷設されている漏洩光ファイバ24からの漏洩光を受光することによって情報の受信を続けることができる。このとき、例えば漏洩光ファイバ24の光の漏洩範囲を重複させておけば、通信がとぎれることはない。
【0032】
このようにして、移動体11への情報の送信(ダウンリンク)を行うことができる。なお、図1に示したように複数の漏洩光ファイバ24を敷設している場合、いずれの発光部23を駆動制御するかは任意に制御することができる。例えば列車であれば踏切などの制御システムと連動あるいは同様にして、列車が近づいたことを検知して発光部23の駆動制御を開始すればよい。また、移動体11との間で双方向の通信を行っている場合には、図1に示す1ないし複数個手前の受光部25で移動体11からの光信号を受光していることを検知して、当該発光部23の駆動制御を開始してもよい。もちろん、常に情報に従って発光部23を駆動制御していてもよい。
【0033】
図3は、本発明の実施の一形態における移動体11から情報を送信する場合(アップリンク)の動作の一例の説明図である。移動体11から情報を送信するアップリンクの場合も、上述のダウンリンクの場合と同様に通信を行うことができる。移動体11においては、送信すべき情報が変調部14で変調され、変調された情報によって発光部15の駆動制御が行われて、漏洩光ファイバ16中に光信号が出射される。発光部15から出射された光信号は漏洩光ファイバ16中を進むが、一部は漏洩光ファイバ16の表面から漏れ出す。
【0034】
図3(A)に示すように移動体11の漏洩光ファイバ16の光が漏出する領域が外部の受光部25にかかると、受光部25が漏洩光ファイバ16から漏洩する光信号を受光し、電気信号に変換する。そして、信号制御部22で電気信号に変換された光信号を復調し、情報を取得することができる。
【0035】
このような移動体11からの情報の送信(アップリンク)の場合にも、上述のダウンリンクの場合と同様、例えば漏洩光ファイバ24が線路などの軌道に敷設されている場合、移動体11自体の陰において通信を行うことができ、外乱光の影響を軽減できる。また、電磁ノイズやフェージングなどの影響が少ないため、高品質、高速な通信が可能である。
【0036】
移動体11はそのまま軌道上を走行してゆく。例えば図3中の(A)から(B)まで走行したとする。この場合、上述のダウンリンクの場合とは反対に、移動体11の移動とともに漏洩光ファイバ16が移動してゆく。しかし、移動体11の漏洩光ファイバ16と外部に設けられている受光部25との距離は大きく変わることはない。また、漏洩光ファイバ16は、入射された光をほぼ一様に漏出させるので、移動体11が移動して受光部25と対向する漏洩光ファイバ16の位置は変化しても、外部の受光部25が受光する光信号の強度はそれほど変化しない。従って、移動体11が移動しても高品質、高速な通信をそのまま維持し続けられる。
【0037】
このようにして、移動体11からの情報の送信(アップリンク)を行うことができる。なお、さらに移動体11が移動した場合には、所定間隔で配置されている次の別の受光部25によって移動体11の漏洩光ファイバ16から漏洩する光信号を受光すればよい。受光部25は、移動体11に設けられている漏洩光ファイバ16の長さ以内の間隔で配置されていればよい。
【0038】
上述のダウンリンクおよびアップリンクの通信を組み合わせて用いることによって、移動体11との間で双方向の通信を行うことができる。列車の運行管理などの業務用途の他、例えば移動体11に乗車中の利用者が端末装置からインターネットなどのネットワーク21を利用することが可能になる。もちろん一方向のみの構成によって一方向通信を実現する構成も可能である。例えば移動体11へ情報を送るダウンリンクのみの放送型システムを構築し、映像情報を各移動体11へ配信するなどといった利用も可能である。
【0039】
上述のように、本発明においては移動体11と地上側の構成はほぼ同様である。すなわち、送信側の構成として漏洩光ファイバおよび発光部と、発光部を駆動制御する構成を有し、受信側の構成として受光部と復調部を有していればよい。構成が同じことから、移動体11への情報の送信と、移動体11からの情報の送信の際の通信速度をほぼ同じとすることができる。通信速度は漏洩光ファイバを工夫することでアップリンクおよびダウンリンクとも1Gbps以上も可能である。例えば上述のように移動体11の乗客が外部のネットワーク21を利用する場合、乗客100人が10Mbpsで同時に通信を行っても十分な通信速度を確保することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、無線通信の媒体として光を利用しており、その特性からフェージングの影響や電磁ノイズの影響を排除し、高品質、高速な移動体通信を実現することができる。また、移動体への情報の送信(ダウンリンク)および移動体からの情報の送信(アップリンク)とも、同様の構成によって通信を行うことができ、双方向とも同じ通信速度で通信を行うことが可能である。さらに、例えば列車の床裏と線路上とで通信を行う場合などでは、列車の陰において暗い状態で通信を行うことができ、外乱光の影響を格段に低減して高品質の通信が可能である。本発明によれば、上述のように従来の電波を用いた移動体通信では実現できなかったような種々の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態における移動体11へ情報を送信する場合(ダウンリンク)の動作の一例の説明図である。
【図3】本発明の実施の一形態における移動体11から情報を送信する場合(アップリンク)の動作の一例の説明図である。
【符号の説明】
11…移動体、12…受光部、13…復調部、14…変調部、15…発光部、16…漏洩光ファイバ、21…ネットワーク、22…信号制御部、23…発光部、24…漏洩光ファイバ、25…受光部。
Claims (8)
- 移動体に対して情報を送信する移動体光通信システムにおいて、情報により変調された光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバが前記移動体の移動経路に沿って敷設されており、前記移動体は、前記漏洩光ファイバに略対向して設けられ前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した光信号を復調して情報を取得する復調手段を有し、前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体に送信することを特徴とする移動体光通信システム。
- 前記漏洩光ファイバは前記移動体の軌道内に敷設されていることを特徴とする請求項1に記載の移動体光通信システム。
- 移動体から情報を送信する移動体光通信システムにおいて、前記移動体は、情報を変調する変調手段と、変調された情報を光信号として放射する発光手段と、前記発光手段から放射される光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを有し、また前記移動体の前記漏洩光ファイバに略対向して設けられ前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光し電気信号に変換する受光手段が前記移動体の移動経路に沿って所定の間隔で複数配置されており、前記移動体に設けられた前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体から送信することを特徴とする移動体光通信システム。
- 前記漏洩光ファイバは前記移動体の床裏に設けられており、また前記受光手段は前記移動体の軌道内に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の移動体光通信システム。
- 移動体に対して情報を送信する移動体光通信方法において、表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを前記移動体の移動経路に沿って敷設しておき、また前記移動体に前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光する受光手段を前記漏洩光ファイバに略対向させて設けるとともに、前記受光手段で受光した光信号を復調して情報を取得する復調手段を設けておき、情報により変調された光信号を前記漏洩光ファイバに導通させて前記漏洩光ファイバの表面から光信号を漏洩させ、前記移動体に設けられた前記受光手段によって前記漏洩光ファイバの表面から漏洩した光信号を受光して前記復調手段で復調し、情報を取得することにより、前記漏洩光ファイバを通じて光により情報を前記移動体に送信することを特徴とする移動体光通信方法。
- 前記漏洩光ファイバは前記移動体の軌道内に敷設されていることを特徴とする請求項5に記載の移動体光通信方法。
- 移動体から情報を送信する移動体光通信方法において、前記移動体に情報を変調する変調手段と、変調された情報を光信号として放射する発光手段と、前記発光手段から放射される光信号を導通するとともに表面より光信号を漏洩する漏洩光ファイバを設けるとともに、前記移動体の前記漏洩光ファイバから漏洩する光信号を受光し電気信号に変換する受光手段を前記漏洩光ファイバに略対向して前記移動体の移動経路に沿って所定の間隔で複数配置しておき、前記移動体において情報を前記変調手段で変調して前記発光手段で光信号として前記漏洩光ファイバへ放射し、前記漏洩光ファイバの表面から漏洩する光信号を前記受光手段によって受光して電気信号に変換することによって、前記移動体からの情報の送信を行うことを特徴とする移動体光通信方法。
- 前記漏洩光ファイバは前記移動体の床裏に設けられており、また前記受光手段は前記移動体の軌道内に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の移動体光通信方法。
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