JP2004281267A - Electrolyte for dye-sensitized solar cell, and dye-sensitized solar cell - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素増感型太陽電池用電解質及び色素増感型太陽電池に係り、特に色素増感型太陽電池に用いられるゲル状電解質と、このようなゲル状電解質を備える色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
増感色素を吸着させた酸化物半導体を電極に用いて太陽電池を構成することは既に知られている。図1は、このような色素増感型太陽電池の一般的な構造を示す断面図である。図1に示す如く、ガラス基板等の基板1上に透明電極2が設けられ、この透明電極2上に分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体膜3が形成されている。この色素増感型半導体電極の透明電極2と対向して間隔をあけて対向電極4が設置されており、そして側部が封止材5により封止され、色素増感型半導体電極と対向電極4との間に電解質6が封入されている。色素吸着半導体膜3は、通常、色素を吸着させた酸化チタン薄膜よりなり、この酸化チタン薄膜に吸着されている色素が可視光によって励起され、発生した電子を酸化チタン微粒子に渡すことによって発電が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、色素増感型太陽電池の電解質は、一般に酸化還元性物質を溶媒に溶解してなる液状電解質であるため、封止部分からの液漏れ等の問題があり、このことが色素増感型太陽電池の耐久性、信頼性に影響を及ぼしていた。
【0004】
この問題を解決するために、従来、液状電解質をゲル状にして擬固体化することが検討されている。
【0005】
従来、一般的なゲル化手段として、各種ゲル化用モノマーにパーオキサイド等の重合開始剤を作用させてラジカル重合させる方法が知られているが、電解質中に酸化還元性物質として含まれるヨウ素が、パーオキサイドによる重合を阻害するために、電解質のゲル化にはこの方法を採用することはできない。これに対して、ゲル化用モノマーとしてアクリルモノマーを用い、重合開始剤の存在下に加熱重合させる方法もあり、具体的には、色素吸着半導体膜(例えば、色素を吸着させた酸化チタン薄膜)上で、酸化還元性物質とアクリルモノマーと重合開始剤を含むゲル化用電解質溶液を加熱重合させることによりゲル状電解質を形成することが行われる。しかし、この方法では、加熱重合のために、色素吸着半導体膜上で80℃程度の熱処理を数時間行う必要があり、一方で、色素吸着半導体膜に吸着された色素の耐熱性は高々80℃程度であり、耐熱限界の加熱処理を受けることにより色素吸着半導体膜の色素が劣化し、この結果、太陽電池の変換効率を低下させるという問題がある。また、このような加熱処理は、電解質形成用溶液の配合組成にも変化を及ぼす点からも好ましくない。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決し、熱処理等の、電解質、その他の電池要素に影響を及ぼす操作を必要とすることなく、ゲル化が可能な色素増感型太陽電池用電解質と、この色素増感型太陽電池用電解質を用いた色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の色素増感型太陽電池用液状電解質は、酸化還元性物質と、アクリル系重合体のシロキサン変性物とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明者らは、電解質のゲル化について鋭意研究を重ねた結果、アクリル重合体のシロキサン変性物(以下「シロキサン変性アクリル」と称す場合がある。)であれば、ラジカル重合反応を阻害するヨウ素を含む電解質中でも、大気中の水分を吸収して重合することによりゲル化すること、また、更にアミノシランが共存することにより、密閉状態でもゲル化することを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、シロキサン変性アクリルは、導入されたシロキサン単位部分が大気中の水分(H2O)と反応することによりこの部分で縮合してゲル化する。また、アミノシランが共存する場合には、シロキサン単位部分がアミノシランと反応することによりこの部分で縮合してゲル化する。又はアミノシランで自己縮合反応を促進するものと推定される。
【0010】
本発明において、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルを含む色素増感型太陽電池用液状電解質は、酸化還元性物質と、シロキサン変性アクリルとを溶媒に溶解してなり、酸化還元性物質の含有量が0.1〜20モル/Lで、シロキサン変性アクリルの含有量が1〜20重量%であることが好ましい。
【0011】
また、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとアミノシランを含む色素増感型太陽電池用液状電解質は、酸化還元性物質と、シロキサン変性アクリルとアミノシランとを溶媒に溶解してなり、酸化還元性物質の含有量が0.1〜20モル/Lで、シロキサン変性アクリルの含有量が1〜20重量%であり、アミノシランの含有量がシロキサン変性アクリルに対して30〜80重量%であることが好ましい。
【0012】
本発明の色素増感型太陽電池用ゲル状電解質は、このような本発明の色素増感型太陽電池用液状電解質をゲル化させてなるものである。即ち、本発明のゲル状電解質は、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとを含む色素増感型太陽電池用液状電解質を大気中に放置することにより、好ましくは、色素吸着半導体膜上で放置することによりゲル化させてなるか、或いは、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとアミノシランとを含む液状電解質を密封状態で、好ましくは、太陽電池用セル内に封入した状態でゲル化させてなる。
【0013】
本発明の色素増感型太陽電池は、色素増感型半導体電極と、この色素増感型半導体電極に対向して設けられた対向電極と、該色素増感型半導体電極と対向電極との間に配置された電解質とを有する色素増感型太陽電池において、該電解質が、このような本発明の色素増感型太陽電池用ゲル状電解質であるか、或いは密閉状態でゲル化可能な色素増感型太陽電池用液状電解質であるものであり、電解質、その他の電池要素に影響を及ぼすことなくゲル化可能な電解質により、電解質を凝固体化して、その液漏れを防止することができ、発電効率、耐久性、信頼性、安全性に優れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の色素増感型太陽電池用電解質及び色素増感型太陽電池の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明におけるゲル化剤としてのシロキサン変性アクリルについて説明する。
【0016】
シロキサン変性アクリルは、アクリル系重合体(共重合体を含む)にシロキサンを導入して変性したものであり、主鎖のアクリル系重合体を構成するアクリル系単量体としては、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメチルメタアクリレート等の1種又は2種以上、好ましくはメチルメタアクリレート等が挙げられる。
【0017】
このアクリル系重合体の分子量が過度に小さいとゲル化し難く、逆に過度に大きいと、電解質液の粘度が高くなり、酸化チタン膜の細孔に浸入し難くなり、又イオンが動き難くなるため電池性能が低下する。但し、高分子量ほどゲル化し易くなることから、分子量360〜8万程度のオリゴマーであることが好ましい。
【0018】
このようなアクリル系重合体に導入されるシロキサン単位としては、(RO)3SiO−で表されるものが挙げられ、ここでRは、メチル基、エチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基である。
【0019】
このようなシロキサン単位の導入量が過度に少ないとシロキサン単位による縮合反応が不十分であり、ゲル化が十分に進行しない。また、シロキサン単位の導入量が過度に多いと疎水性が強くなり、酸化チタン細孔に浸入し難くなり、電池性能が低下するため、アクリル基に対するシロキサン(RO)3SiOの割合で1〜50重量%程度であることが好ましい。
【0020】
また、このようなシロキサン変性アクリルと併用するアミノシランとしては、アミノ系シランカップリング剤と称されるものを用いることができ、例えば、次のようなものが挙げられる。
【0021】
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン:
(CH3O)3SiC3H6OCOCH=CH2
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン:
(CH3O)2Si(CH3)C3H6NHC2H4NH2
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン:
(CH3)3SiC3H6NHC2H4NH2
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン:
(C2H5O)3SiC3H6NHC2H4NH2
3−アミノプロピルトリメトキシシラン:(CH3O)3SiC3H6NH2
3−アミノプロピルトリエトキシシラン:
(C2H5O)3SiC3H6NH2
3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルア
ミン: (C2H5O)SiC3H6N=C(CH3)C4H9
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン:
(CH3O)3SiC3H6NH(Ph)
【0022】
酸化還元性物質としては、一般に電池や太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されないが、LiI、NaI、KI、CaI2などの金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせ、LiBr、NaBr、KBr、CaBr2などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせが好ましい。
【0023】
本発明の色素増感型太陽電池用液状電解質は、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリル、或いは酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとアミノシランとを溶媒に溶解して調製される。
【0024】
この溶媒としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質などの1種又は2種以上が挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が好ましい。
【0025】
本発明の色素増感型太陽電池用液状電解質が、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとを含む大気開放ゲル化型の液状電解質である場合、酸化還元性物質の含有量が0.1〜20モル/Lでシロキサン変性アクリルの含有量が1〜20重量%であることが好ましい。酸化還元性物質の含有量が0.1モル/L未満では十分な発電効率を得ることができず、20モル/Lを超えると電解質液の粘度が高くなり不適である。好ましい酸化還元性物質の含有量は0.3〜15モル/Lである。また、シロキサン変性アクリルの含有量が1重量%未満では十分なゲル化が起こらず、20重量%を超えると疎水性が強くなり、酸化チタン細孔に浸入し難くなり、電池性能が低下する。好ましいシロキサン変性アクリルの含有量は2〜15重量%である。
【0026】
本発明の色素増感型太陽電池用液状電解質が、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとアミノシランとを含む密閉ゲル化型の液状電解質である場合、酸化還元性物質の含有量が0.1〜20モル/Lでシロキサン変性アクリルの含有量が1〜20重量%で、アミノシランの含有量がシロキサン変性アクリルに対して30〜80重量%であることが好ましい。酸化還元性物質の含有量が0.1モル/L未満では十分な発電効率を得ることができず、20モル/Lを超えると電解質液の粘度が高くなり不適である。好ましい酸化還元性物質の含有量は0.3〜15モル/Lである。また、シロキサン変性アクリルの含有量が1重量%未満では十分なゲル化が起こらず、20重量%を超えると電解質液の粘度が高くなり、酸化チタン膜の細孔に浸入し難くなり、又イオンが動き難くなるため電池性能が低下する。好ましいシロキサン変性アクリルの含有量は2〜15重量%である。また、アミノシランの含有量がシロキサン変性アクリルに対して30重量%未満では十分なゲル化が起こらず、80重量%を超えると硬い固形物となり、電池性能が低下し不適である。好ましいアミノシランの含有量は40〜70重量%である。
【0027】
酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとを含む大気開放ゲル化型の液状電解質は、これを大気中に放置することにより、大気中の水分でゲル化させることができる。この場合、好ましくは後述する色素吸着半導体膜を準備し、この色素吸着半導体膜上に枠材等により堰を設け、液状電解質をこの色素吸着半導体膜上に所定の厚さとなるように配置し、そのまま大気中に放置すれば良い。大気放置条件は、室温で良く、そのゲル化のための放置時間は、液状電解質の組成や液量によっても異なるが、通常1〜3日程度である。
【0028】
このようにして色素吸着半導体膜上にゲル状電解質膜を形成したものを用いて太陽電池を組み立てれば良い。
【0029】
酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとアミノシランとを含む密閉ゲル化型の液状電解質は、これを直接太陽電池用セルに封入して用いることができ、この液状電解質は、封入された状態で経時によりゲル化する。この放置温度も室温で良く、ゲル化に要する時間は、液状電解質の組成や液量によっても異なるが、通常1〜3日程度である。
【0030】
なお、色素増感型太陽電池の電解質の厚さは、通常の場合10nm〜2mm程度であるため、本発明のゲル状電解質は、このような厚さとなるようにゲル化させることが好ましい。
【0031】
本発明の色素増感型太陽電池は、電解質としてこのような本発明の色素増感型太陽電池用電解質を用いたものであるが、電解質以外の他の構成は、図1に示すような従来の色素増感型太陽電池と同様の構成とされる。
【0032】
色素増感型太陽電池の基板1は、通常ガラス板であり、通常珪酸塩ガラスであるが、可視光線の透過性を確保できる限り、種々のプラスチック基板等を使用することができる。基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス板は、化学的に或いは熱的に強化させたものが好ましい。
【0033】
透明電極2としては、In2O3やSnO2の導電性金属酸化物薄膜を形成したものや金属等の導電性材料からなる基板が用いられる。導電性金属酸化物の好ましい例としては、In2O3:Sn(ITO)、SnO2:Sb、SnO2:F、ZnO:Al、ZnO:F、CdSnO4を挙げることができる。
【0034】
分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体膜3の金属酸化物半導体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化インジウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体の1種又は2種以上を用いることができる。特に、安定性、安全性の点から酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしてはアナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の酸化チタン或いは水酸化チタン、含水酸化チタンが含まれるが、特に本発明ではアナタース型酸化チタンが好ましい。また金属酸化物半導体膜は微細な結晶構造を有することが好ましい。また多孔質膜であることも好ましい。金属酸化物半導体の膜厚は、1〜20μm以上であることが一般的であり、5〜15μmが好ましい。
【0035】
酸化物半導体膜に吸着させる有機色素(分光増感色素)は、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つものであり、種々の金属錯体や有機色素の1種又は2種以上を用いることができる。分光増感色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基の官能基を有するものが半導体への吸着が速いため、好ましい。また、分光増感の効果や耐久性に優れているため、金属錯体が好ましい。金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、特開平1−220380号公報、特表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体を用いることができる。有機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素を用いることができる。シアニン系色素としては、具体的には、NK1194、NK3422(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げられる。メロシアニン系色素としては、具体的には、NK2426、NK2501(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げられる。キサンテン系色素としては、具体的には、ウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセインが挙げられる。トリフェニルメタン色素としては、具体的には、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレットが挙げられる。
【0036】
有機色素(分光増感色素)を半導体膜に吸着させるこのためには、有機色素を有機溶媒に溶解させて調製した有機色素溶液中に、常温又は加熱下に酸化物半導体膜を基板ととも浸漬すれば良い。前記の溶液の溶媒としては、使用する分光増感色素を溶解するものであれば良く、具体的には、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
【0037】
また、対向電極4としては、導電性を有するものであれば良く、任意の導電性材料が用いられるが、電解質のI3 −イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン、コバルト、ニッケル、クロム等が挙げられる。
【0038】
色素増感型半導体電極は、基板1上に、透明電極(透明性導電膜)2をコートし、その上に光電変換材料用半導体膜を形成し、上述のように色素を吸着して形成される。
【0039】
前述の大気開放ゲル化型の液状電解質の場合は、この半導体電極の色素を吸着させた半導体膜上で大気開放ゲル化させてゲル状電解質膜を形成し、このゲル状電解質膜を形成した半導体電極に対向電極として別の透明性導電膜をコートしたガラス板などの基板を積層し、太陽電池とすることができる。
【0040】
また、前述の密閉ゲル化型の液状電解質の場合は、上述の色素増感型半導体電極に対向電極4として別の透明性導電膜をコートしたガラス板などの基板を対面させ、これらの電極間に封止材5により封入すれば良く、これにより、液状の電解質は太陽電池用セル内に密封された状態で経時によりゲル化する。このようにして密封状態でゲル化させることにより、ゲル化の過程での電解質の組成変化や変質等の問題を防止することができ、初期性能を高く維持することができる。
【0041】
本発明の色素増感型太陽電池は、前記色素増感型半導体電極、電解質及び対向電極をケース内に収納して封止するが、それら全体を樹脂封止しても良い。この場合、その色素増感型半導体電極には光があたる構造とする。このような構造の電池では、その色素増感型半導体電極に太陽光又は太陽光と同等な可視光を当てると、色素増感型半導体電極とその対向電極との間に電位差が生じ、両極間に電流が流れるようになる。
【0042】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
【0043】
なお、以下において、シロキサン変性アクリルとアミノシランとしては、以下のものを用いた。
【0044】
[シロキサン変性アクリル]
大日本インキ工業(株)製「HARDIC」(メチルメタアクリレートオリゴマー部に対して(CH3O)3SiO−基が約5重量%導入されたもの。分子量約6万(Mw))
[アミノシラン]
3−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0045】
実施例1
下記配合の酸化還元性物質溶液0.4gにシロキサン変性アクリル20重量%溶液(イソプロパノール)0.1gを添加して大気開放型の液状電解質を調製した。
【0046】
[酸化還元性物質溶液]
溶媒(アセトニトリル)
ヨウ化リチウム:0.1モル/L
1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド
:0.15モル/L
ヨウ素:0.04モル/L
t−ブチルピリジン:0.4モル/L
【0047】
この液状電解質を用いて、以下のようにして色素増感型太陽電池を作製した。
【0048】
ガラス基板(厚さ:2mm)上に、厚さ9000ÅのFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜を形成し、この上に厚さ10μmの酸化チタン膜を塗布し乾燥した後、450℃で、30分焼成した。
【0049】
分光増感色素として、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4−ジカルボキシレート−4’−テトラブチルアンモニウムカルボキシレート)ルテニウム(II)をエタノール液に3×10−4モル/Lで溶解した液に上記酸化チタン膜を形成した基板を入れ、室温で18時間浸漬して、色素増感型半導体電極を得た。分光増感色素の吸着量は、酸化チタン膜の比表面積1cm2あたり10μgであった。
【0050】
この色素増感型半導体電極上に、液流れ防止テープを取り付けて堰を設け、上記液状電解質を塗布、含浸させて室温にて大気中に6時間放置してゲル化させて、ゲル状電解質膜を形成した。この電解質膜面に、対向電極として、白金を担持した透明導電性ガラス板を積層し、側面を樹脂で封止した後、リード線を取付けて、本発明の色素増感型太陽電池を作製した。
【0051】
得られた色素増感型太陽電池に、ソーラーシュミレーターで100mWの強度の光を照射したところ(セル面積1cm2)、Isc電流(7.4mA電流)及びEff変換効率(2.84)は表1に示す通りであり、また、電圧−電流密度曲線は図2に示す通りであった。
【0052】
比較例1
実施例1において、シロキサン変性アクリルを含まない、酸化還元性物質溶液のみを液状電解質として用い、これを色素増感型導電体電極と対向電極との間に封止したこと以外は同様にして色素増感型太陽電池を作製し、同様に評価を行って、結果を表1及び図2に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
表1及び図2より、本発明のゲル状電解質は、従来の液状電解質よりは若干劣るものの優れた電池性能を示すことが明らかである。
【0055】
実施例2
実施例1で用いたものと同様の酸化還元性物質溶液0.4gに、シロキサン変性アクリル20重量%溶液0.1gとアミノシランのアセトニトリル溶液(アミノシラン濃度20重量%)0.1gとを添加して、密閉ゲル化型の液状電解質を調製した。
【0056】
この液状電解質を用い、これを色素増感型導電体電極と対向電極との間に封止したこと以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し(即ち、注入口のみを残して、予め組み立てたセル状に液状電解質を封入した後、封止した。)、液状電解質のゲル化が進行していない密封初期及び液状電解質がゲル化した密閉6日後の色素増感型太陽電池について、各々、同様に評価を行って、結果を表2及び図3に示した。なお、表2及び図3には比較例1の結果を併記した。
【0057】
【表2】
【0058】
表2及び図3より、本発明のゲル状電解質は、従来の液状電解質とほぼ同等の電池性能を示し、特に、密閉状態でのゲル化の過程においても初期性能が維持され、ゲル化による性能低下は殆どないことが分かる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、電解質、その他の電池要素に影響を及ぼすことなくゲル化可能な色素増感型太陽電池用電解質により、電解質を容易にゲル化することにより凝固体化して、その液漏れを防止することができ、発電効率、耐久性、信頼性、安全性に優れた色素増感型太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】色素増感型太陽電池の一般的な構造を示す断面図である。
【図2】実施例1及び比較例1の電圧−電流密度曲線のグラフである。
【図3】実施例2及び比較例1の電圧−電流密度曲線のグラフである。
【符号の説明】
1 基板
2 透明電極
3 色素吸着半導体膜
4 対向電極
5 封止材
6 電解質[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a dye-sensitized solar cell electrolyte and a dye-sensitized solar cell, and more particularly to a gel electrolyte used for a dye-sensitized solar cell, and a dye-sensitized solar cell including such a gel electrolyte. About.
[0002]
[Prior art]
It is already known to form a solar cell using an oxide semiconductor to which a sensitizing dye is adsorbed as an electrode. FIG. 1 is a cross-sectional view showing a general structure of such a dye-sensitized solar cell. As shown in FIG. 1, a transparent electrode 2 is provided on a substrate 1 such as a glass substrate, and a metal oxide semiconductor film 3 having a spectral sensitizing dye adsorbed thereon is formed on the transparent electrode 2. A counter electrode 4 is provided at a distance from the transparent electrode 2 of the dye-sensitized semiconductor electrode, and the side portion is sealed with a sealing
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally, the electrolyte of a dye-sensitized solar cell is generally a liquid electrolyte obtained by dissolving an oxidation-reduction substance in a solvent, and thus has a problem such as liquid leakage from a sealing portion. This affected the durability and reliability of the solar cell.
[0004]
In order to solve this problem, conventionally, it has been studied to make the liquid electrolyte into a gel state to make it quasi-solid.
[0005]
Conventionally, as a general gelling means, a method of causing a polymerization initiator such as a peroxide to act on various gelling monomers to perform radical polymerization has been known, but iodine contained as an oxidation-reduction substance in an electrolyte is known. In addition, this method cannot be used for gelling the electrolyte because polymerization by peroxide is inhibited. On the other hand, there is also a method in which an acrylic monomer is used as a gelling monomer and heat polymerization is carried out in the presence of a polymerization initiator. Specifically, a dye-adsorbed semiconductor film (for example, a titanium oxide thin film on which a dye is adsorbed) is used. Above, a gel electrolyte is formed by heating and polymerizing a gelling electrolyte solution containing a redox substance, an acrylic monomer, and a polymerization initiator. However, in this method, a heat treatment at about 80 ° C. needs to be performed on the dye-adsorbed semiconductor film for several hours for heat polymerization, while the heat resistance of the dye adsorbed on the dye-adsorbed semiconductor film is at most 80 ° C. The heat treatment at the heat-resistant limit deteriorates the dye of the dye-adsorbed semiconductor film, and as a result, there is a problem that the conversion efficiency of the solar cell is reduced. Further, such a heat treatment is not preferable in that it also changes the composition of the electrolyte forming solution.
[0006]
The present invention solves the above-described conventional problems, and does not require an operation such as heat treatment that affects the electrolyte and other battery elements, and is capable of gelling and dye-sensitized solar cell electrolyte. An object is to provide a dye-sensitized solar cell using an electrolyte for a dye-sensitized solar cell.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention is characterized by containing a redox substance and a siloxane-modified acryl-based polymer.
[0008]
The present inventors have conducted intensive studies on the gelation of the electrolyte. As a result, if the acrylic polymer is a siloxane-modified product (hereinafter sometimes referred to as “siloxane-modified acrylic”), iodine that inhibits the radical polymerization reaction It has been found that, even in an electrolyte containing, a gel is formed by absorbing and polymerizing the moisture in the air, and furthermore, a gel is formed even in a closed state due to the coexistence of aminosilane, thereby completing the present invention.
[0009]
That is, in the siloxane-modified acrylic, the introduced siloxane unit reacts with atmospheric moisture (H 2 O) to condense at this portion and gel. When aminosilane coexists, the siloxane unit reacts with aminosilane to condense at this portion and gel. Alternatively, it is presumed that aminosilane promotes the self-condensation reaction.
[0010]
In the present invention, the liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell containing an oxidation-reduction substance and a siloxane-modified acrylic is obtained by dissolving an oxidation-reduction substance and a siloxane-modified acrylic in a solvent. Is preferably 0.1 to 20 mol / L, and the content of the siloxane-modified acrylic is preferably 1 to 20% by weight.
[0011]
Further, a liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell containing an oxidation-reduction substance, a siloxane-modified acrylic, and an aminosilane is obtained by dissolving an oxidation-reduction substance, a siloxane-modified acrylic, and an aminosilane in a solvent. It is preferable that the content is 0.1 to 20 mol / L, the content of the siloxane-modified acrylic is 1 to 20% by weight, and the content of the aminosilane is 30 to 80% by weight based on the siloxane-modified acrylic.
[0012]
The gel electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention is obtained by gelling such a liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention. That is, the gel electrolyte of the present invention is preferably obtained by leaving a liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell containing an oxidation-reduction substance and a siloxane-modified acrylic in the air, preferably on a dye-adsorbed semiconductor film. In this case, the liquid electrolyte containing the redox substance, the siloxane-modified acrylic, and the aminosilane is gelled in a hermetically sealed state, preferably in a state of being sealed in a solar cell.
[0013]
The dye-sensitized solar cell of the present invention includes a dye-sensitized semiconductor electrode, a counter electrode provided to face the dye-sensitized semiconductor electrode, and a gap between the dye-sensitized semiconductor electrode and the counter electrode. A dye-sensitized solar cell having an electrolyte disposed therein, wherein the electrolyte is such a gel-type electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention, or a dye-sensitized gelable electrolyte in a sealed state. It is a liquid electrolyte for sensitive solar cells.The electrolyte can be gelled without affecting the electrolyte and other battery elements. Excellent in efficiency, durability, reliability and safety.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the electrolyte for a dye-sensitized solar cell and the dye-sensitized solar cell of the present invention will be described in detail.
[0015]
First, a siloxane-modified acrylic as a gelling agent in the present invention will be described.
[0016]
The siloxane-modified acrylic is obtained by modifying an acrylic polymer (including a copolymer) by introducing siloxane, and the acrylic monomer constituting the main-chain acrylic polymer includes methyl methacrylate, One or more of ethyl methacrylate, butyl methacrylate, 2-hydroxyethyl methyl methacrylate and the like, preferably methyl methacrylate and the like.
[0017]
If the molecular weight of the acrylic polymer is too small, it is difficult to gel, whereas if it is too large, the viscosity of the electrolyte solution becomes high, making it difficult to penetrate into the pores of the titanium oxide film, and making it difficult for ions to move. Battery performance decreases. However, an oligomer having a molecular weight of about 360 to 80,000 is preferable because the higher the molecular weight, the more easily the gelation occurs.
[0018]
Examples of the siloxane unit to be introduced into such an acrylic polymer include those represented by (RO) 3 SiO—, where R is an alkyl group such as a methyl group or an ethyl group, preferably methyl Group.
[0019]
If the amount of the siloxane unit introduced is too small, the condensation reaction by the siloxane unit is insufficient, and the gelation does not proceed sufficiently. On the other hand, if the amount of the siloxane unit introduced is excessively large, the hydrophobicity becomes strong, it becomes difficult to penetrate into the pores of titanium oxide, and the battery performance deteriorates. Therefore, the ratio of siloxane (RO) 3 SiO to the acrylic group is 1 to 50. It is preferable that the amount is about% by weight.
[0020]
Further, as the aminosilane used in combination with such a siloxane-modified acrylic, a substance called an amino-based silane coupling agent can be used, and examples thereof include the following.
[0021]
3-acryloxypropyltrimethoxysilane:
(CH 3 O) 3 SiC 3 H 6 OCOCH = CH 2
N-2 (aminoethyl) 3-aminopropylmethyldimethoxysilane:
(CH 3 O) 2 Si (CH 3 ) C 3 H 6 NHC 2 H 4 NH 2
N-2 (aminoethyl) 3-aminopropyltrimethoxysilane:
(CH 3 ) 3 SiC 3 H 6 NHC 2 H 4 NH 2
N-2 (aminoethyl) 3-aminopropyltriethoxysilane:
(C 2 H 5 O) 3 SiC 3 H 6 NHC 2 H 4 NH 2
3-aminopropyltrimethoxysilane: (CH 3 O) 3 SiC 3 H 6 NH 2
3-Aminopropyltriethoxysilane:
(C 2 H 5 O) 3 SiC 3 H 6 NH 2
3-triethoxysilyl-N-(1,3-dimethyl - butylidene) propylamine: (C 2 H 5 O) SiC 3 H 6 N = C (CH 3) C 4 H 9
N-phenyl-3-aminopropyltrimethoxysilane:
(CH 3 O) 3 SiC 3 H 6 NH (Ph)
[0022]
The redox substance is not particularly limited as long as it can be generally used in a battery or a solar cell. LiI, NaI, KI, a combination of metal iodide such as CaI 2 and iodine, LiBr, NaBr, A combination of a metal bromide such as KBr and CaBr 2 with bromine is preferred, and among these, a combination of a metal iodide and iodine is preferred.
[0023]
The liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention is prepared by dissolving a redox substance and siloxane-modified acrylic, or a redox substance, siloxane-modified acrylic, and aminosilane in a solvent.
[0024]
Examples of the solvent include carbonate compounds such as propylene carbonate, nitrile compounds such as acetonitrile, alcohols such as ethanol, and one or more kinds of water, aprotic polar substances, and the like. Compounds and nitrile compounds are preferred.
[0025]
When the liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention is a gel electrolyte liquid electrolyte containing an oxidation-reduction substance and a siloxane-modified acrylic, the content of the oxidation-reduction substance is 0.1 to 20. It is preferable that the content of the siloxane-modified acrylic is 1 to 20% by weight in mol / L. When the content of the redox substance is less than 0.1 mol / L, sufficient power generation efficiency cannot be obtained, and when it exceeds 20 mol / L, the viscosity of the electrolyte solution becomes high, which is not suitable. The preferred content of the redox substance is 0.3 to 15 mol / L. On the other hand, if the content of the siloxane-modified acrylic is less than 1% by weight, sufficient gelation does not occur, and if it exceeds 20% by weight, the hydrophobicity becomes strong, it becomes difficult to penetrate into the titanium oxide pores, and the battery performance deteriorates. The preferred content of the siloxane-modified acrylic is 2 to 15% by weight.
[0026]
When the liquid electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention is a sealed gelled liquid electrolyte containing an oxidation-reduction substance, a siloxane-modified acrylic, and an aminosilane, the content of the oxidation-reduction substance is 0.1 to 0.1%. It is preferable that the content of the siloxane-modified acrylic is 20 to 20% by weight at 20 mol / L, and the content of the aminosilane is 30 to 80% by weight based on the siloxane-modified acrylic. When the content of the redox substance is less than 0.1 mol / L, sufficient power generation efficiency cannot be obtained, and when it exceeds 20 mol / L, the viscosity of the electrolyte solution becomes high, which is not suitable. The preferred content of the redox substance is 0.3 to 15 mol / L. On the other hand, if the content of the siloxane-modified acrylic is less than 1% by weight, sufficient gelation does not occur. Is difficult to move, and the battery performance is reduced. The preferred content of the siloxane-modified acrylic is 2 to 15% by weight. On the other hand, if the content of aminosilane is less than 30% by weight based on the siloxane-modified acrylic, sufficient gelation does not occur, and if it exceeds 80% by weight, a hard solid is formed, and the battery performance deteriorates, which is not suitable. The preferred aminosilane content is 40-70% by weight.
[0027]
An air-released gel electrolyte containing an oxidation-reduction substance and a siloxane-modified acrylic can be gelled with atmospheric moisture by leaving it in the air. In this case, it is preferable to prepare a dye-adsorbing semiconductor film described later, provide a weir with a frame material or the like on the dye-adsorbing semiconductor film, and arrange a liquid electrolyte on the dye-adsorbing semiconductor film so as to have a predetermined thickness. It may be left in the atmosphere as it is. The conditions for leaving in the air may be room temperature, and the leaving time for the gelation may vary depending on the composition and liquid amount of the liquid electrolyte, but is usually about 1 to 3 days.
[0028]
A solar cell may be assembled using a gel electrolyte film formed on the dye-adsorbed semiconductor film in this manner.
[0029]
A sealed gelled liquid electrolyte containing a redox substance, siloxane-modified acrylic, and aminosilane can be used by directly encapsulating it in a solar cell, and this liquid electrolyte can be used over time in the sealed state. Gels. This standing temperature may be room temperature, and the time required for gelation varies depending on the composition and liquid amount of the liquid electrolyte, but is usually about 1 to 3 days.
[0030]
Since the thickness of the electrolyte of the dye-sensitized solar cell is usually about 10 nm to 2 mm, the gel electrolyte of the present invention is preferably gelled to have such a thickness.
[0031]
The dye-sensitized solar cell of the present invention uses such an electrolyte for a dye-sensitized solar cell of the present invention as an electrolyte. Has the same configuration as the above dye-sensitized solar cell.
[0032]
The substrate 1 of the dye-sensitized solar cell is usually a glass plate, and is usually a silicate glass, but various plastic substrates and the like can be used as long as visible light transmittance can be ensured. The thickness of the substrate is generally 0.1 to 10 mm, preferably 0.3 to 5 mm. The glass plate is preferably chemically or thermally strengthened.
[0033]
As the transparent electrode 2, a substrate formed of a conductive metal oxide thin film of In 2 O 3 or SnO 2 or a substrate made of a conductive material such as a metal is used. Preferred examples of the conductive metal oxide include In 2 O 3 : Sn (ITO), SnO 2 : Sb, SnO 2 : F, ZnO: Al, ZnO: F, and CdSnO 4 .
[0034]
Examples of the metal oxide semiconductor of the metal oxide semiconductor film 3 to which the spectral sensitizing dye has been adsorbed include titanium oxide, zinc oxide, tungsten oxide, antimony oxide, niobium oxide, tungsten oxide, indium oxide, barium titanate, and strontium titanate. And one or more known semiconductors such as cadmium sulfide and the like. Particularly, titanium oxide is preferable from the viewpoint of stability and safety. Examples of titanium oxide include various titanium oxides such as anatase-type titanium oxide, rutile-type titanium oxide, amorphous titanium oxide, metatitanic acid, and orthotitanic acid, or titanium hydroxide, and hydrated titanium oxide. Titanium oxide is preferred. Further, the metal oxide semiconductor film preferably has a fine crystal structure. It is also preferable that the film is a porous film. The thickness of the metal oxide semiconductor is generally 1 to 20 μm or more, preferably 5 to 15 μm.
[0035]
The organic dye (spectral sensitizing dye) to be adsorbed to the oxide semiconductor film has an absorption in a visible light region and / or an infrared light region, and one or more of various metal complexes and organic dyes are used. Can be used. Spectral sensitizing dyes having a carboxyl group, a hydroxyalkyl group, a hydroxyl group, a sulfone group, or a carboxyalkyl group in the molecule are preferred because of their quick adsorption to semiconductors. Further, a metal complex is preferred because of its excellent spectral sensitizing effect and durability. As the metal complex, a metal phthalocyanine such as copper phthalocyanine and titanyl phthalocyanine, chlorophyll, hemin, and a complex of ruthenium, osmium, iron, and zinc described in JP-A-1-220380 and JP-A-5-504033 are used. Can be. As the organic dye, metal free phthalocyanine, cyanine dye, merocyanine dye, xanthene dye, and triphenylmethane dye can be used. Specific examples of the cyanine dye include NK1194 and NK3422 (both manufactured by Japan Photographic Dye Laboratories). Specific examples of the merocyanine dye include NK2426 and NK2501 (both manufactured by Japan Photographic Dye Laboratories). Specific examples of xanthene dyes include uranine, eosin, rose bengal, rhodamine B, and dibromofluorescein. Specific examples of the triphenylmethane dye include malachite green and crystal violet.
[0036]
The organic dye (spectral sensitizing dye) is adsorbed on the semiconductor film. To this end, the oxide semiconductor film is immersed in the organic dye solution prepared by dissolving the organic dye in an organic solvent at room temperature or under heating. Just do it. As a solvent for the above solution, any solvent may be used as long as it dissolves the spectral sensitizing dye to be used, and specifically, water, alcohol, toluene, and dimethylformamide can be used.
[0037]
Further, any material having conductivity may be used as the counter electrode 4, and any conductive material may be used. The reduction reaction of oxidized redox ions such as I 3 − ions of the electrolyte can be performed at a sufficient speed. It is preferable to use one having a catalytic ability to be carried out. Examples of such a material include a platinum electrode, a material obtained by subjecting a conductive material to platinum plating or platinum deposition, rhodium metal, ruthenium metal, ruthenium oxide, carbon, cobalt, nickel, chromium, and the like.
[0038]
The dye-sensitized semiconductor electrode is formed by coating a transparent electrode (transparent conductive film) 2 on a substrate 1, forming a photoelectric conversion material semiconductor film thereon, and adsorbing the dye as described above. You.
[0039]
In the case of the above-mentioned gel electrolyte liquid electrolyte which is open to the atmosphere, a gel electrolyte membrane is formed by gelation to the air on the semiconductor film on which the dye of the semiconductor electrode is adsorbed, and the semiconductor formed with the gel electrolyte membrane A solar cell can be obtained by stacking a substrate such as a glass plate coated with another transparent conductive film as an opposite electrode on the electrode.
[0040]
In the case of the aforementioned sealed gelled liquid electrolyte, a substrate such as a glass plate coated with another transparent conductive film as the counter electrode 4 faces the above-mentioned dye-sensitized semiconductor electrode, and The liquid electrolyte may be gelled over time while being sealed in the solar cell. By gelling in a sealed state in this manner, problems such as a change in the composition and deterioration of the electrolyte during the gelation process can be prevented, and the initial performance can be kept high.
[0041]
In the dye-sensitized solar cell of the present invention, the dye-sensitized semiconductor electrode, the electrolyte and the counter electrode are housed and sealed in a case, but may be entirely resin-sealed. In this case, the dye-sensitized semiconductor electrode has a structure in which light is applied. In a battery having such a structure, when sunlight or visible light equivalent to sunlight is applied to the dye-sensitized semiconductor electrode, a potential difference is generated between the dye-sensitized semiconductor electrode and its counter electrode, and the voltage between the two electrodes is increased. The current starts to flow.
[0042]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples. However, the present invention is not limited to the following Examples as long as the gist is not exceeded.
[0043]
In the following, the following was used as the siloxane-modified acrylic and aminosilane.
[0044]
[Siloxane modified acrylic]
Dainippon Ink and Chemicals Co., Ltd. "HARDIC" (relative to methyl methacrylate oligomer unit (CH 3 O) 3 SiO- which group is introduced about 5 wt%. Molecular weight of about 60,000 (Mw))
[Aminosilane]
3-aminopropyltrimethoxysilane
Example 1
0.1 g of a 20% by weight solution of siloxane-modified acrylic (isopropanol) was added to 0.4 g of a redox substance solution having the following composition to prepare a liquid electrolyte which was open to the atmosphere.
[0046]
[Redox substance solution]
Solvent (acetonitrile)
Lithium iodide: 0.1 mol / L
1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide: 0.15 mol / L
Iodine: 0.04 mol / L
t-butylpyridine: 0.4 mol / L
[0047]
Using this liquid electrolyte, a dye-sensitized solar cell was manufactured as follows.
[0048]
A FTO (fluorine-doped tin oxide) film having a thickness of 9000 mm is formed on a glass substrate (thickness: 2 mm), a titanium oxide film having a thickness of 10 μm is applied thereon, dried, and then heated at 450 ° C. for 30 minutes. Fired.
[0049]
As a spectral sensitizing dye, cis-di (thiocyanato) -bis (2,2′-bipyridyl-4-dicarboxylate-4′-tetrabutylammonium carboxylate) ruthenium (II) was added to an ethanol solution at 3 × 10 −4. The substrate on which the titanium oxide film was formed was put into a solution dissolved at mol / L, and immersed at room temperature for 18 hours to obtain a dye-sensitized semiconductor electrode. The adsorption amount of the spectral sensitizing dye was 10 μg per 1 cm 2 of the specific surface area of the titanium oxide film.
[0050]
A liquid flow prevention tape is attached to the dye-sensitized semiconductor electrode to form a weir. The liquid electrolyte is coated and impregnated, and left standing at room temperature for 6 hours in the air to form a gel. Was formed. On the surface of the electrolyte membrane, a transparent conductive glass plate carrying platinum was laminated as a counter electrode, and after sealing the side surface with a resin, a lead wire was attached to produce a dye-sensitized solar cell of the present invention. .
[0051]
When the obtained dye-sensitized solar cell was irradiated with light of 100 mW intensity (cell area 1 cm 2 ) using a solar simulator, the Isc current (7.4 mA current) and Eff conversion efficiency (2.84) were shown in Table 1. And the voltage-current density curve was as shown in FIG.
[0052]
Comparative Example 1
A dye was prepared in the same manner as in Example 1 except that only a redox substance solution containing no siloxane-modified acrylic was used as a liquid electrolyte, and this was sealed between a dye-sensitized conductor electrode and a counter electrode. A sensitized solar cell was manufactured and similarly evaluated, and the results are shown in Table 1 and FIG.
[0053]
[Table 1]
[0054]
From Table 1 and FIG. 2, it is clear that the gel electrolyte of the present invention exhibits excellent battery performance although slightly inferior to the conventional liquid electrolyte.
[0055]
Example 2
To 0.4 g of the same redox substance solution as used in Example 1, 0.1 g of a siloxane-modified acrylic 20% by weight solution and 0.1 g of an aminosilane acetonitrile solution (aminosilane concentration 20% by weight) were added. A sealed gelled liquid electrolyte was prepared.
[0056]
Using this liquid electrolyte, a dye-sensitized solar cell was produced in the same manner as in Example 1 except that the liquid electrolyte was sealed between the dye-sensitized conductor electrode and the counter electrode (that is, only the injection port was used). The liquid electrolyte was sealed in a pre-assembled cell shape, and sealed.), And the dye-sensitized type at the initial stage of sealing when the gelling of the liquid electrolyte did not proceed and at 6 days after sealing when the liquid electrolyte gelled. Each of the solar cells was similarly evaluated, and the results are shown in Table 2 and FIG. Table 2 and FIG. 3 also show the results of Comparative Example 1.
[0057]
[Table 2]
[0058]
From Table 2 and FIG. 3, the gel electrolyte of the present invention shows almost the same battery performance as the conventional liquid electrolyte. In particular, even in the process of gelation in a closed state, the initial performance is maintained, and the performance due to gelation is maintained. It can be seen that there is almost no decrease.
[0059]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, the electrolyte is easily solidified by the gelation of the electrolyte by the dye-sensitized solar cell electrolyte that can be gelled without affecting other battery elements. As a result, the liquid leakage can be prevented, and a dye-sensitized solar cell excellent in power generation efficiency, durability, reliability, and safety can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a general structure of a dye-sensitized solar cell.
FIG. 2 is a graph of a voltage-current density curve of Example 1 and Comparative Example 1.
FIG. 3 is a graph of a voltage-current density curve of Example 2 and Comparative Example 1.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Substrate 2 Transparent electrode 3 Dye adsorption semiconductor film 4
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