JP2004280373A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが、希望の仕様に応じて、ケース内に基板を追加したり、変更したりできる電子機器において、ケース内の異常な温度上昇から機器を保護する。
【解決手段】ケース内に収納される基板50に実装された冷接点補償用の感温素子40によって、ケース内部の温度を検出し、一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときには、温度上昇を報知したり、当該電子機器の出力を制限したり、低諸費電力モードに移行するという保護動作を行う。
【選択図】 図10
【解決手段】ケース内に収納される基板50に実装された冷接点補償用の感温素子40によって、ケース内部の温度を検出し、一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときには、温度上昇を報知したり、当該電子機器の出力を制限したり、低諸費電力モードに移行するという保護動作を行う。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電子機器に関し、更に詳しくは、温度調節器やデジタルパネルメータなどのように温度を計測するのに好適な電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
温度を計測する電子機器として、例えば、デジタルパネルメータや温度調節器があり、温度調節器として、各種のものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる温度調節器やデジタルパネルメータでは、予めメーカによって各種の基板などがケース内に組み込まれた完成仕様として販売され、定格消費電力での使用が保証されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−351552号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では、基板等が完全にケース内に組み込まれた完成仕様で販売され、ユーザでは、かかる完成仕様の状態で使用されるので、定格消費電力を上回る状態で使用されることがなく、保証された周囲温度範囲で使用される限りは、ケース内部の温度が異常に上昇することはなかった。
【0006】
これに対して、本件出願人は、平成14年5月20日に特願2002−14490号として出願している「電子機器および電子機器の使用方法」において、入力用、出力用、電源用、通信用といった多種類の基板を準備し、必要な基板を選択して共通のケースに装着して所要の機種を構成する電子機器を提案している。
【0007】
かかる電子機器では、将来的に、ユーザが、希望する仕様に応じて、ケース内に収納する基板を変更したり、追加したりすることが想定され、消費電力が大きな基板が追加されて定格消費電力を上回ってしまい、ケース内の温度が上昇して誤動作したり、損傷を受けたりする虞がある。
【0008】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、ケース内の温度の上昇から機器を保護できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0010】
すなわち、本発明の電子機器は、ケース内の温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出温度が一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときに保護動作を行う保護手段とを備えている。
【0011】
本発明によると、ケース内の温度が異常に上昇したときには、保護動作を行うので、当該電子機器を温度上昇から保護することができる。
【0012】
本発明の一実施態様においては、前記保護動作が、温度上昇を報知する報知動作、当該電子機器の出力を制限する出力制限動作、および、低消費電力モードへの移行動作の少なくともいずれか一つである。
【0013】
本発明によると、ケース内の温度が異常に上昇したときには、それを報知するので、ユーザは、適宜の措置をとることができ、あるいは、出力を禁止したり、安全側になるように出力を制限するので、誤動作による悪影響を外部の装置に及ぼすことなく、安心して機器を使用することができ、あるいは、低消費電力モードに移行するので、温度を降下させるといったことが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様においては、前記温度センサが冷接点補償用の感温素子である。
【0015】
本発明によると、温度計測の際の冷接点補償に用いられる感温素子をケース内の温度検出に兼用するので、別途温度センサを設ける必要がない。
【0016】
本発明の一実施態様においては、前記ケース内には、複数のコネクタを有するベース基板と、前記コネクタに着脱自在に装着される複数の装着用基板とが収納され、前記ベース基板は、複数の前記コネクタに接続されたバス配線を有し、前記装着用基板は、機能に応じた専用回路を有するとともに、前記コネクタに装着されることによって前記専用回路が前記バス配線に接続されるものであり、前記ベース基板または前記装着用基板のいずれかに実装されるとともに、前記バス配線に接続される制御回路を備え、前記制御回路は、前記ベース基板の前記コネクタに装着されている装着用基板を識別して複数の機種の内の所要の機種として動作するように制御するものである。
【0017】
ここで、機能とは、例えば、入力、出力、電源、通信といった機能のみならず、アナログ入力、デジタル入力、さらには、リレー出力、トランジスタ出力といった出力形式や入出力点数などの機能をいうものであり、専用回路とは、かかる機能に応じた専用の回路をいい、例えば、入力回路、出力回路、電源回路などの回路をいう。
【0018】
また、機種とは、機器の種類をいい、例えば、温度調節器やデジタルパネルメータといった電子機器そのものの種類を含むのみならず、同じ種類の電子機器、例えば、温度調節器において、その上位機種や下位機種といった機能の種類、さらに、例えば、入出力点数や出力形式などの種類、その他の種類を含む。
【0019】
本発明によると、バス配線を有するベース基板のコネクタに、機能に応じた専用回路を有する装着用基板を装着することによって、専用回路とバス配線とがバス接続され、ベース基板または装着用基板のいずれかに実装された制御回路は、前記バス配線を介して装着用基板を識別し、所要の機種として動作させるので、所要の機種に応じた機能の装着用基板を選択してベース基板に装着することによって、所要の機種を構成できることになる。したがって、同一の機能を有する機種間、例えば、同一のリレー出力機能を有する機種間においては、その機能に応じた装着用基板、例えば、リレー出力用の装着用基板を共用できることになる。
【0020】
本発明の好ましい実施態様においては、前記専用回路として、入力回路、電源回路および出力回路をそれぞれ有する入力用、電源用および出力用の各装着用基板を含み、前記制御回路は、前記所要の機種としての温度制御動作または計測処理動作を行うように制御するものである。
【0021】
本発明によると、所要の機種の入力、電源および出力の各仕様に応じた機能を有する入力用、電源用および出力用の装着用基板を選択してベース基板に装着することによって、所要の機種の温度調節器あるいは計測機器を構成できることになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、本発明の実施の形態に係る電子機器としての温度調節器1A、1B、および1Cの概略斜視図である。
【0024】
図1(a)に示される温度調節器1Aにおける前面のフロントケース2aの外形寸法はDIN規格に基づく96×96mmであり、図1(b)に示される温度調節器1Bにおけるフロントケース2bの外形寸法はDIN規格に基づく48×96mmであり、図1(c)に示される温度調節器1Cのフロントケース2cの外形寸法は、DIN規格に基づく48×48mmである。これら温度調節器1A〜1Cは、いずれも本発明に係る電子機器としての温度調節器である。以下においては、説明の便宜上、図1(a),(b),(c)それぞれの温度調節器1A,1B,1Cを、大型、中型、小型の温度調節器と称する。
【0025】
大型、中型、小型の各温度調節器1A〜1Cは、上述のフロントケース2a〜2cとリアケース3a〜3cとからなるケース4a〜4cをそれぞれ有し、各ケース4a〜4cの寸法が異なっている。
【0026】
各フロントケース2a〜2cそれぞれは、現在温度や目標温度などの温度情報を表示する、例えば矩形の液晶からなる温度情報表示部5a〜5cを有している。これら各温度情報表示部5a〜5cそれぞれの下方には、各種の機能設定などのための複数の操作キー6a〜6cがそれぞれ設けられている。
【0027】
各温度調節器1A〜1Cそれぞれは、ケース4a〜4c内に後述する複数の回路基板をそれぞれ収納して構成されるとともに、それら回路基板の共用化を図るために、基本的に同様の回路構成とされている。
【0028】
図2は、これらの各温度調節器1A〜1Cに共通の回路構成を説明するためのブロック図である。この回路構成は、基本的に各温度調節器1A〜1Cそれぞれに共通である。
【0029】
この実施の形態では、各温度調節器1A〜1Cは、フロントモジュール7、入力モジュール8、電源モジュール9、および出力/通信モジュール10を備えるモジュール構成となっている。なお、出力/通信モジュール10を、出力モジュールと通信モジュールとに分けてもよい。
【0030】
フロントモジュール7は、上述のフロントケース2a〜2c側に収納されるベース基板で構成され、大型、中型、小型の各型の機種に応じた専用のサイズとなっている。フロントモジュール7は、上述の温度情報表示部5における表示を行なうために、液晶セル(LCD)11、LCDドライバ12、バックライトLED13および表示用のサブCPU14を備えるとともに、上述の操作キー6に対応するキースイッチ15およびデコーダ16を備えている。さらに、フロントモジュール7は、入力モジュール8、電源モジュール9、および出力/通信モジュール10を、バス接続するためのバス配線を備えている。
【0031】
入力モジュール8は、温度調節器1A〜1Cの各機種としての動作を制御する制御回路としてのメインCPU17を有するとともに、図示しない熱電対や測温抵抗体などの温度センサからの入力が与えられるとともに、冷接点補償用の感温素子40からの入力が与えられる入力回路18を有している。入力モジュール8は、フロントモジュール7を構成するベース基板にコネクタを介して着脱自在に装着される入力用の装着用基板としての温度調節器用基板で構成されている。
【0032】
この温度調節器用基板は、大型、中型、小型および出力形式などの仕様の異なる全ての機種の温度調節器1A〜1Cそれぞれに共用される。すなわち、入力モジュール8のメインCPU17は、大型、中型、小型の3機種としての制御を行なうことが可能であるとともに、各型の機種において、例えば、出力形式などの仕様の異なる機種としての制御を行なうことが可能である。このメインCPU17は、フロントモジュール7を構成するベース基板に装着される各モジュール9,10を構成する基板を後述のようにして識別し、それらに対応する機種としての制御動作を行うものであって、制御モジュールとして動作する。
【0033】
さらに、この温度調節器用基板は、例えば、1ch用であって、冷接点補償用のダイオードなどからなる上述の感温素子40が実装されており、制御回路としてのメインCPU17は、この感温素子40の入力に基づいて、冷接点補償を行うとともに、ケース4a〜4c内部の温度を検出して一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときには、後述のように保護動作を行う保護手段としての機能を備えている。
【0034】
電源モジュール9は、電源回路19を備え、AC電源またはDC電源を各部に供給するものであって、前記ベース基板にコネクタを介して着脱自在に装着される装着用基板としての複数のAC電源用基板およびDC電源用基板で構成される。これら電源用基板は、大型、中型、小型の各機種に共用できるようになっており、電圧仕様などに応じて、必要な電源用基板が選択されてフロントモジュール7を構成するベース基板に装着され、機能モジュールとして動作する。
【0035】
出力/通信モジュール10は、シリアル/パラレル変換回路20を有するとともに、出力回路21または通信回路22を有している。この出力/通信モジュール10は、リレー出力、電流出力、トランジスタオープンコレクタ出力、BCD出力などの各種出力あるいはRS−485やRS−232Cなどの通信出力を出力するものである。この出力/通信モジュール10は、それら出力にそれぞれ対応するとともに、フロントモジュール7を構成するベース基板にコネクタを介して着脱自在に装着される装着用基板としてのリレー出力基板、電流出力基板、トランジスタオープンコレクタ出力基板、BCD出力基板あるいはRS−485通信出力基板、RS−232C通信出力基板などの複数の出力/通信基板で構成される。これら出力/通信用基板は、基本的には、大型、中型、小型の各機種に共用できるようになっており、機能や仕様に応じて、必要な出力/通信用基板が選択されてフロントモジュール7を構成するベース基板に装着され、機能モジュールとして動作する。
【0036】
この出力/通信モジュール10では、例えば、リレー出力基板、電流出力基板、トランジスタオープンコレクタ出力基板は、大型、中型、小型のいずれの機種にも共用でき、例えば、RS−485通信出力基板は、通信機能を有する機種にのみ使用される。
【0037】
フロントモジュール7を構成するベース基板は、フロントケースに対応するサイズとなっており、上述のように大型、中型、小型の各型に専用となっている。このベース基板は、温度調節器用基板、電源用基板および出力/通信用基板を着脱自在に装着するための接続部としての複数のコネクタを有している。
【0038】
図3(a)(b)(c)は、フロントモジュール7を構成する大型、中型、小型の各ベース基板23a、23b、23cと、それぞれにおけるコネクタ24とを示している。
【0039】
図3(a)に示される大型の温度調節器1Aのベース基板23aは、フロントケース2aに対応した寸法を有し、上述の各モジュール8,9,10を構成する基板(以下、「モジュール基板」という)を装着するための11個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大11枚のモジュール基板を装着することができる。
【0040】
図3(b)に示される中型の温度調節器1Bのベース基板23bは、モジュール基板を装着するための5個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大5枚のモジュール基板を装着することができる。
【0041】
図3(c)に示される小型の温度調節器1Cのベース基板23cは、モジュール基板を装着するための3個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大3枚のモジュール基板を装着することができる。
【0042】
図4には、大型のベース基板23aの各コネクタ24に対して、11枚のモジュール基板25を、該モジュール基板25側のコネクタ26を介して装着した状態を示している。なお、図4においては、各モジュール基板25に搭載されている電子部品等を省略して同一の参照符号「25」を付しているが、各モジュール基板25は、上述のように、各モジュール8,9,10を構成する温度調節器用基板、電源用基板および出力/通信用基板であって、機能が異なる基板で構成される。
【0043】
フロントモジュール7を構成するベース基板23a〜23cは、上述のように、各モジュール8,9,10を接続するバス配線を有しており、この実施の形態では、次のようなバス構成となっている。
【0044】
すなわち、図2に示されるように、フロントモジュール7を構成するベース基板23a〜23cは、入力モジュール8のメインCPU17とフロントモジュール7の表示用サブCPU14とのデータ通信を行なうためのシリアルバス(UART)である表示サブCPU用バス27と、各モジュール8,9,10にアクセスする場合のモジュールセレクト信号を生成するためのアドレス信号用のモジュールアドレスバス28と、各モジュール8,9,10にアクセスする場合のセレクト信号用のモジュールセレクトバス29と、各モジュール8,9,10を構成するモジュール基板の機能などの種類を識別するための(TYPE)タイプバス30と、外部通信用のUARTバス31と、各モジュール8,9,10とのデータ交信用の同期シリアルバス32と、電源ライン33とを備えている。同期シリアルバス32は、複数で構成されるとともに、電源ライン33は、複数の異なる電源ラインで構成される。
【0045】
この実施の形態では、寸法の異なる大型、中型、小型のいずれの機種にも、入力モジュール8、電源モジュール9、および出力/通信モジュール10を構成するモジュール基板を共用するために、各モジュール基板は、最も小さい小型の温度調節器1Cに収納できる基板サイズに統一している。
【0046】
図5〜図7は、大型、中型、小型の各温度調節器1A〜1Cのケース4a〜4c内に収納されているベース基板23a〜23cおよびモジュール基板25をそれぞれ示す分解斜視図である。これらの図においては、各基板に実装されている電子部品等は、省略している。
【0047】
図5の大型の温度調節器1Aは、フロントモジュール7を構成するベース基板23aに対して、この例では、11枚のモジュール基板25を装着する例を示している。
【0048】
これらモジュール基板35は、入力モジュール8を構成する温度調節器用基板、電源モジュール9を構成する電源用基板、出力/通信モジュール10を構成する複数の出力/通信用基板で構成されている。
【0049】
また、図6の中型の温度調節器1Bは、フロントモジュール7を構成するベース基板23bに対して、この例では、5枚のモジュール基板25を装着する例を示している。
【0050】
これらモジュール基板25は、入力モジュール8を構成する温度調節器用基板、電源モジュール9を構成する電源用基板、出力/通信モジュール10を構成する複数の出力/通信用基板で構成されている。
【0051】
さらに、図7の小型の温度調節器1Cは、フロントモジュール7を構成するベース基板23cに対して、3枚のモジュール基板25を装着している。
【0052】
これらモジュール基板25は、入力モジュール8を構成する温度調節器用基板、電源モジュール9を構成する電源基板、出力/通信モジュール10を構成する出力/通信用基板で構成されており、各モジュール8,9,10に対応する3枚の基板構成が基本となる。
【0053】
なお、図5,図6は、回路基板の構成の一例を示しており、大型、中型の各機種において、さらに、入出力点数や出力形式などの仕様に応じて、ベース基板23a,23bに装着される各モジュール基板25の数や種類は、適宜選択されることになる。
【0054】
次に、このようにしてベース基板23a〜23cに、入力モジュール8、電源モジュール9、出力/通信モジュール10を構成する複数のモジュール基板25が装着されて構成される温度調節器1A〜1CのメインCPU17の制御動作を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
電源が投入されると、制御モジュールとしての入力モジュール8のメインCPU17は、フロントモジュール7を構成するベース基板23a〜23cの表示用のサブCPU14に対して、大型、中型、小型のいずれの機種であるかをシリアル通信によって問い合わせる。ベース基板23a〜23cは、上述のように各型に専用となっているので、表示用サブCPU14は、その型を回答する。この表示用サブCPU14から回答によって、メインCPU17は、いずれの型であるかを認識する(ステップn1)。
【0056】
次に、ベース基板23a〜23cの各コネクタ24に装着されているモジュール基板25の種類、すなわち、電源モジュール9および出力/通信モジュール10として装着されているモジュール基板25がどのような機能のモジュール基板25であるかを、順番に読み込んでその種類を識別する(ステップn2)。このモジュール基板25の種類の識別は、上述のモジュールセレクトバス29およびタイプバス30を用いて後述のようにして行なわれる。
【0057】
これによって、メインCPU17は、大型、中型、小型のいずれの型の機種であって、出力形式や入出力点数などがどのような仕様の機種であるかを認識できることになり、その機種を確定して(ステップn3)、その機種に合った制御動作を行なう定常動作に移行する(ステップn4)。
【0058】
図9は、この定常動作のフローチャートである。
【0059】
この定常動作では、表示処理や通信処理の要求を示す表示通信フラグがオンしているか否かを判断し(ステップn5)、オンしているときには、表示通信処理を実行し(ステップn6)、キーが操作されて対応する処理を行なう必要があるか否かを示すHMI(Human Machine Interface)起動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップn7)、オンしているときには、キー操作に対応したHMI処理を行う(ステップn8)。次に、制御処理を行う必要があるか否かを示す制御起動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップn9)、オンしているときには、温度制御処理を行なってステップn11に移る(ステップn10)。
【0060】
温度制御処理では、図示しない熱電対からの入力および上述の感温素子40からの入力に基づいて冷接点補償を行って温度を計測し、設定された目標温度になるように制御出力を与えるものである。
【0061】
この実施の形態の温度調節器1A,1B,1Cは、ベース基板23a〜23cのコネクタ24に装着されるモジュール基板(装着用基板)25の枚数や機能が異なることになり、例えば、ユーザ側で、モジュール基板25を追加したり、変更したりして定格消費電力を上回ってしまい、ケース4a〜4c内の温度が異常に上昇した場合に対応できるように、次のように構成している。
【0062】
すなわち、消費電力とケース内部の温度とは、ほぼ比例するために、この実施の形態では、感温素子40によってケース4a〜4c内の温度を検出し、検出温度が、一定温度、例えば、70℃を越えた状態が、一定時間、例えば、5分以上継続したときに、定格消費電力を超えて使用されて温度が異常に上昇したとして保護動作を行うものである。前記一定温度は、例えば、周囲温度が保証されている最高温度において、最大消費電力で上昇する最高の温度としてもよい。また、一定温度および一定時間は、上述に限らないのは勿論である。
【0063】
なお、図10に、感温素子40が実装されている入力用のモジュール基板としての温度調節器用基板50が、ベース基板23aに装着されている状態を示している。感温素子40は、温度調節器用基板50の後方側の下方の端部に配置されている。
【0064】
この実施の形態では、上述の図9のステップn10の温度制御処理において、感温素子40によって検出されるケース4a〜4c内の温度が一定温度を越えたときには、その越えた時間を計測するという処理を併せて行う。
【0065】
ステップn11では、ケース4a〜4c内の温度が異常であるか否かを判断し、異常でないときには、ステップn5に戻り、異常であるときには、ステップn12に移って保護動作を行う。
【0066】
このステップn11では、上述の温度制御処理における感温素子40による検出温度が一定温度を越えた時間が、一定時間以上継続したときに、異常と判断するものである。
【0067】
ステップn12における保護動作は、温度が異常に上昇している旨を温度情報表示部5a〜5cに表示して報知する警告表示動作、制御出力を安全側になるようにオフする出力制限動作、および、低消費電力モードにする動作の少なくともいずれか一つの動作を行うものである。なお、保護動作として、機器の動作を停止させるようにしてもよい。
【0068】
次に、ベース基板23a〜23cに対するモジュール基板25の装着の有無の判別および装着されている各モジュール基板25の識別について、図11および図12に基づいて説明する。
【0069】
先ず、制御モジュールとしての入力モジュール8のメインCPU17は、図11に示されるように、ベース基板23aの最大11個のコネクタ24を順番に選択するための選択信号として4ビットのモジュールアドレス信号MA0〜MA3を、ベース基板23a〜23cの図2に示されるデコーダ16に出力し、デコーダ16は、そのモジュールアドレス信号をデコードして、11個のコネクタ24に対応するいずれかのモジュールを指定する反転MS信号を出力し、これを反転したMS信号によって、図12に示されるように、対応するモジュール基板25のトランジスタ37がオンする。各モジュール基板25は、制御素子としてのトランジスタ37がオンすることによって導通する複数の識別素子としてのダイオード38を有しており、このダイオード38の数が、モジュール基板25の種類、すなわち、機能に対応している。
【0070】
したがって、指定されたコネクタ24に装着されているモジュール基板25のダイオード38の数に対応した識別信号としてのタイプ信号TYPE0〜TYPE6が、タイプバス30を介してメインCPU17に与えられ、これによって、メインCPU17は、指定したコネクタ24に対するモジュール基板の装着の有無を判別できるとともに、装着されているモジュール基板25の種類を識別できることになる。
【0071】
以上のようにして寸法が異なる大型、中型、小型の温度調節器1A〜1Cにおいて、入力、電源および出力/通信の各モジュールを構成するモジュール基板を共用するので、各機種毎に個別に設計する場合に比べて、設計費用の削減、組み立て性の簡易化、さらに、同一の基板の量産数量の増大などによってコストの低減を図ることができる。
【0072】
(実施の形態2)
図13は、本発明の他の実施の形態の電子機器としてのデジタルパネルメータの分解斜視図である。
【0073】
このデジタルパネルメータ51は、計測値などを表示する表示部41および複数の操作キー42を有するフロントケース43と、リアケース44とからなるケース45を備えている。このケース45内に、ベース基板46と、この例では、3枚のモジュール基板25とを収納して構成されており、各モジュール基板25には、端子台47が装備され、これら端子台47を覆うように端子カバー48が取り付けられる。
【0074】
ベース基板46は、デジタルパネルメータ51に専用のサイズとなっており、図14に示されるように、モジュール基板25を装着するための5個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大5枚のモジュール基板25を装着することができる。
【0075】
このベース基板46は、上述の温度調節器1A〜1Cのベース基板23a〜23cと同様に、図2のフロントモジュール7を構成するものであり、表示用サブCPU14や同期シリアルバス32等の共用配線を有している。
【0076】
また、この実施の形態では、デジタルパネルメータ51の表示用のソフトウェアを、上述の温度調節器1A〜1Cの表示用のソフトウェアと共通としており、入力モジュール8のメインCPUが、温度調節器であるかデジタルパネルメータであるかといった機種を上述のようにして識別し、その機種に必要なHMIのみを表示するようにしている。これによって、温度調節器とデジタルパネルメータとで個別に表示用のソフトウェアを作成する必要がなく、コストを低減することができる。また、メインCPUが、温度調節器であるかデジタルパネルメータであるかといった機種を識別し、その機種に必要な項目(パラメータ)のみを表示して不必要な項目の表示を行なわないので、複数の機種に表示用のソフトウェアを共用しても表示される設定項目数が増大することなく、設定操作が容易になるとともに、設定ミスを防止することができる。
【0077】
このベース基板46に装着されるモジュール基板25は、図2の入力モジュール8と、電源モジュール9と、出力/通信モジュール10とを構成するものであり、電源モジュール9および出力/通信モジュール10は、上述の温度調節器1A〜1Cのモジュール基板と同じものを共用できるように構成されている。
【0078】
入力モジュール8は、デジタルパネルメータの各機種としての動作を制御するメインCPUを有するとともに、図示しない各種センサからの入力が与えられる入力回路を有しており、ベース基板46にコネクタを介して着脱自在に装着される計測処理用基板で構成される。この計測処理用基板は、温度制御処理を行なう上述の温度調節器用基板と異なり、デジタルパネルメータとしての計測処理を行うものである。
【0079】
なお、図13においては、ベース基板46に3枚のモジュール基板25を装着した例を示しているが、入出力点数や出力形式などの仕様に応じて、ベース基板に装着される各モジュール基板25の数や種類は、適宜選択されることになる。
【0080】
図15は、このデジタルパネルメータ51の定常動作のフローチャートである。
【0081】
この定常動作では、上述の図9の温度調節器の温度制御処理に代えて計測処理が行なわれる以外は、温度調節器の場合と基本的に同様であるが、このデジタルパネルメータ51は、従来のデジタルパネルメータと同様に、計測値などの表示を行なうとともに、予め設定されている比較値との比較結果に基づいて、警報出力を与える。
【0082】
また、上述の温度調節器と同様に、冷接点補償用の感温素子に入力に基づいて、ケース45内の温度を検出し、検出温度が一定温度を越えた状態が一定時間以上継続したときに、保護動作を行うものである。
【0083】
この実施の形態によれば、温度調節器1A〜1Cのみならず、デジタルパネルメータ51においても、電源および出力/通信のモジュール基板を共用することが可能となり、これによって、設計、製造、管理において、コストの一層の低減を図ることが可能となる。
【0084】
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態では、冷接点補償用の感温素子によってケース内の温度を検出したけれども、本発明の他の実施の形態として、ケース内の温度を専用に検出する温度センサを設けてもよい。
【0085】
上述の実施の形態では、制御回路としてのメインCPUは、入力モジュールに設けたけれども、本発明の他の実施の形態として、メインCPUを、フロントモジュールやその他のモジュールに設けてもよい。
【0086】
本発明の他の実施の形態として、オプションとしての機能を備える増設モジュール基板などを装着できようにしてもよい。
【0087】
上述の実施の形態では、温度調節器およびデジタルパネルメータに適用して説明したけれども、本発明は、カウンタ、タイマ、表示器などの他の電子機器に適用することもできる。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ケース内の温度が異常に上昇したときには、温度上昇を報知する報知動作、当該電子機器の出力を制限する出力制限動作、低消費電力モードへの移行動作といった保護動作を行うので、当該電子機器を温度上昇から有効に保護することができる。
【0089】
また、本発明によれば、ベース基板または装着用基板のいずれかに実装された制御回路は、装着用基板を識別して所要の機種として動作させるので、所要の機種に応じた機能の装着用基板を選択してベース基板に装着することによって、所要の機種を構成できることになり、したがって、同一の機能を有する機種間においては、その機能に応じた装着用基板を共用できることになり、このように基板を、複数の機種で共用することにより、設計、製造および管理におけるコストの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る温度調節器の斜視図である。
【図2】図1の温度調節器の回路構成を示すブロック図である。
【図3】図1の温度調節器のベース基板のコネクタ配置を示す図である。
【図4】ベース基板にモジュール基板を装着した状態を示す斜視図である。
【図5】温度調節器の回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図6】温度調節器の回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図7】温度調節器の回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図8】温度調節器の動作説明に供するフローチャートである。
【図9】温度調節器の動作説明に供するフローチャートである。
【図10】温度調節器用基板が、ベース基板に装着されている状態を示す斜視図である。
【図11】モジュール基板の識別のためのモジュールセレクト信号の生成を示す図である。
【図12】モジュール基板の識別のためのタイプ信号の生成を示す図である。
【図13】デジタルパネルメータの回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図14】図13のデジタルパネルメータのベース基板のコネクタ配置を示す図である。
【図15】動作説明に供するフローチャートである。
の生成を示す図である。
【符号の説明】
1A〜1C 温度調節器
7 フロントモジュール
8 入力モジュール
9 電源モジュール
10 出力/通信モジュール
17 メインCPU
23a〜23c,46 ベース基板
25 モジュール基板
40 感温素子
51 デジタルパネルメータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電子機器に関し、更に詳しくは、温度調節器やデジタルパネルメータなどのように温度を計測するのに好適な電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
温度を計測する電子機器として、例えば、デジタルパネルメータや温度調節器があり、温度調節器として、各種のものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる温度調節器やデジタルパネルメータでは、予めメーカによって各種の基板などがケース内に組み込まれた完成仕様として販売され、定格消費電力での使用が保証されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−351552号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では、基板等が完全にケース内に組み込まれた完成仕様で販売され、ユーザでは、かかる完成仕様の状態で使用されるので、定格消費電力を上回る状態で使用されることがなく、保証された周囲温度範囲で使用される限りは、ケース内部の温度が異常に上昇することはなかった。
【0006】
これに対して、本件出願人は、平成14年5月20日に特願2002−14490号として出願している「電子機器および電子機器の使用方法」において、入力用、出力用、電源用、通信用といった多種類の基板を準備し、必要な基板を選択して共通のケースに装着して所要の機種を構成する電子機器を提案している。
【0007】
かかる電子機器では、将来的に、ユーザが、希望する仕様に応じて、ケース内に収納する基板を変更したり、追加したりすることが想定され、消費電力が大きな基板が追加されて定格消費電力を上回ってしまい、ケース内の温度が上昇して誤動作したり、損傷を受けたりする虞がある。
【0008】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、ケース内の温度の上昇から機器を保護できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0010】
すなわち、本発明の電子機器は、ケース内の温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出温度が一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときに保護動作を行う保護手段とを備えている。
【0011】
本発明によると、ケース内の温度が異常に上昇したときには、保護動作を行うので、当該電子機器を温度上昇から保護することができる。
【0012】
本発明の一実施態様においては、前記保護動作が、温度上昇を報知する報知動作、当該電子機器の出力を制限する出力制限動作、および、低消費電力モードへの移行動作の少なくともいずれか一つである。
【0013】
本発明によると、ケース内の温度が異常に上昇したときには、それを報知するので、ユーザは、適宜の措置をとることができ、あるいは、出力を禁止したり、安全側になるように出力を制限するので、誤動作による悪影響を外部の装置に及ぼすことなく、安心して機器を使用することができ、あるいは、低消費電力モードに移行するので、温度を降下させるといったことが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様においては、前記温度センサが冷接点補償用の感温素子である。
【0015】
本発明によると、温度計測の際の冷接点補償に用いられる感温素子をケース内の温度検出に兼用するので、別途温度センサを設ける必要がない。
【0016】
本発明の一実施態様においては、前記ケース内には、複数のコネクタを有するベース基板と、前記コネクタに着脱自在に装着される複数の装着用基板とが収納され、前記ベース基板は、複数の前記コネクタに接続されたバス配線を有し、前記装着用基板は、機能に応じた専用回路を有するとともに、前記コネクタに装着されることによって前記専用回路が前記バス配線に接続されるものであり、前記ベース基板または前記装着用基板のいずれかに実装されるとともに、前記バス配線に接続される制御回路を備え、前記制御回路は、前記ベース基板の前記コネクタに装着されている装着用基板を識別して複数の機種の内の所要の機種として動作するように制御するものである。
【0017】
ここで、機能とは、例えば、入力、出力、電源、通信といった機能のみならず、アナログ入力、デジタル入力、さらには、リレー出力、トランジスタ出力といった出力形式や入出力点数などの機能をいうものであり、専用回路とは、かかる機能に応じた専用の回路をいい、例えば、入力回路、出力回路、電源回路などの回路をいう。
【0018】
また、機種とは、機器の種類をいい、例えば、温度調節器やデジタルパネルメータといった電子機器そのものの種類を含むのみならず、同じ種類の電子機器、例えば、温度調節器において、その上位機種や下位機種といった機能の種類、さらに、例えば、入出力点数や出力形式などの種類、その他の種類を含む。
【0019】
本発明によると、バス配線を有するベース基板のコネクタに、機能に応じた専用回路を有する装着用基板を装着することによって、専用回路とバス配線とがバス接続され、ベース基板または装着用基板のいずれかに実装された制御回路は、前記バス配線を介して装着用基板を識別し、所要の機種として動作させるので、所要の機種に応じた機能の装着用基板を選択してベース基板に装着することによって、所要の機種を構成できることになる。したがって、同一の機能を有する機種間、例えば、同一のリレー出力機能を有する機種間においては、その機能に応じた装着用基板、例えば、リレー出力用の装着用基板を共用できることになる。
【0020】
本発明の好ましい実施態様においては、前記専用回路として、入力回路、電源回路および出力回路をそれぞれ有する入力用、電源用および出力用の各装着用基板を含み、前記制御回路は、前記所要の機種としての温度制御動作または計測処理動作を行うように制御するものである。
【0021】
本発明によると、所要の機種の入力、電源および出力の各仕様に応じた機能を有する入力用、電源用および出力用の装着用基板を選択してベース基板に装着することによって、所要の機種の温度調節器あるいは計測機器を構成できることになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、本発明の実施の形態に係る電子機器としての温度調節器1A、1B、および1Cの概略斜視図である。
【0024】
図1(a)に示される温度調節器1Aにおける前面のフロントケース2aの外形寸法はDIN規格に基づく96×96mmであり、図1(b)に示される温度調節器1Bにおけるフロントケース2bの外形寸法はDIN規格に基づく48×96mmであり、図1(c)に示される温度調節器1Cのフロントケース2cの外形寸法は、DIN規格に基づく48×48mmである。これら温度調節器1A〜1Cは、いずれも本発明に係る電子機器としての温度調節器である。以下においては、説明の便宜上、図1(a),(b),(c)それぞれの温度調節器1A,1B,1Cを、大型、中型、小型の温度調節器と称する。
【0025】
大型、中型、小型の各温度調節器1A〜1Cは、上述のフロントケース2a〜2cとリアケース3a〜3cとからなるケース4a〜4cをそれぞれ有し、各ケース4a〜4cの寸法が異なっている。
【0026】
各フロントケース2a〜2cそれぞれは、現在温度や目標温度などの温度情報を表示する、例えば矩形の液晶からなる温度情報表示部5a〜5cを有している。これら各温度情報表示部5a〜5cそれぞれの下方には、各種の機能設定などのための複数の操作キー6a〜6cがそれぞれ設けられている。
【0027】
各温度調節器1A〜1Cそれぞれは、ケース4a〜4c内に後述する複数の回路基板をそれぞれ収納して構成されるとともに、それら回路基板の共用化を図るために、基本的に同様の回路構成とされている。
【0028】
図2は、これらの各温度調節器1A〜1Cに共通の回路構成を説明するためのブロック図である。この回路構成は、基本的に各温度調節器1A〜1Cそれぞれに共通である。
【0029】
この実施の形態では、各温度調節器1A〜1Cは、フロントモジュール7、入力モジュール8、電源モジュール9、および出力/通信モジュール10を備えるモジュール構成となっている。なお、出力/通信モジュール10を、出力モジュールと通信モジュールとに分けてもよい。
【0030】
フロントモジュール7は、上述のフロントケース2a〜2c側に収納されるベース基板で構成され、大型、中型、小型の各型の機種に応じた専用のサイズとなっている。フロントモジュール7は、上述の温度情報表示部5における表示を行なうために、液晶セル(LCD)11、LCDドライバ12、バックライトLED13および表示用のサブCPU14を備えるとともに、上述の操作キー6に対応するキースイッチ15およびデコーダ16を備えている。さらに、フロントモジュール7は、入力モジュール8、電源モジュール9、および出力/通信モジュール10を、バス接続するためのバス配線を備えている。
【0031】
入力モジュール8は、温度調節器1A〜1Cの各機種としての動作を制御する制御回路としてのメインCPU17を有するとともに、図示しない熱電対や測温抵抗体などの温度センサからの入力が与えられるとともに、冷接点補償用の感温素子40からの入力が与えられる入力回路18を有している。入力モジュール8は、フロントモジュール7を構成するベース基板にコネクタを介して着脱自在に装着される入力用の装着用基板としての温度調節器用基板で構成されている。
【0032】
この温度調節器用基板は、大型、中型、小型および出力形式などの仕様の異なる全ての機種の温度調節器1A〜1Cそれぞれに共用される。すなわち、入力モジュール8のメインCPU17は、大型、中型、小型の3機種としての制御を行なうことが可能であるとともに、各型の機種において、例えば、出力形式などの仕様の異なる機種としての制御を行なうことが可能である。このメインCPU17は、フロントモジュール7を構成するベース基板に装着される各モジュール9,10を構成する基板を後述のようにして識別し、それらに対応する機種としての制御動作を行うものであって、制御モジュールとして動作する。
【0033】
さらに、この温度調節器用基板は、例えば、1ch用であって、冷接点補償用のダイオードなどからなる上述の感温素子40が実装されており、制御回路としてのメインCPU17は、この感温素子40の入力に基づいて、冷接点補償を行うとともに、ケース4a〜4c内部の温度を検出して一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときには、後述のように保護動作を行う保護手段としての機能を備えている。
【0034】
電源モジュール9は、電源回路19を備え、AC電源またはDC電源を各部に供給するものであって、前記ベース基板にコネクタを介して着脱自在に装着される装着用基板としての複数のAC電源用基板およびDC電源用基板で構成される。これら電源用基板は、大型、中型、小型の各機種に共用できるようになっており、電圧仕様などに応じて、必要な電源用基板が選択されてフロントモジュール7を構成するベース基板に装着され、機能モジュールとして動作する。
【0035】
出力/通信モジュール10は、シリアル/パラレル変換回路20を有するとともに、出力回路21または通信回路22を有している。この出力/通信モジュール10は、リレー出力、電流出力、トランジスタオープンコレクタ出力、BCD出力などの各種出力あるいはRS−485やRS−232Cなどの通信出力を出力するものである。この出力/通信モジュール10は、それら出力にそれぞれ対応するとともに、フロントモジュール7を構成するベース基板にコネクタを介して着脱自在に装着される装着用基板としてのリレー出力基板、電流出力基板、トランジスタオープンコレクタ出力基板、BCD出力基板あるいはRS−485通信出力基板、RS−232C通信出力基板などの複数の出力/通信基板で構成される。これら出力/通信用基板は、基本的には、大型、中型、小型の各機種に共用できるようになっており、機能や仕様に応じて、必要な出力/通信用基板が選択されてフロントモジュール7を構成するベース基板に装着され、機能モジュールとして動作する。
【0036】
この出力/通信モジュール10では、例えば、リレー出力基板、電流出力基板、トランジスタオープンコレクタ出力基板は、大型、中型、小型のいずれの機種にも共用でき、例えば、RS−485通信出力基板は、通信機能を有する機種にのみ使用される。
【0037】
フロントモジュール7を構成するベース基板は、フロントケースに対応するサイズとなっており、上述のように大型、中型、小型の各型に専用となっている。このベース基板は、温度調節器用基板、電源用基板および出力/通信用基板を着脱自在に装着するための接続部としての複数のコネクタを有している。
【0038】
図3(a)(b)(c)は、フロントモジュール7を構成する大型、中型、小型の各ベース基板23a、23b、23cと、それぞれにおけるコネクタ24とを示している。
【0039】
図3(a)に示される大型の温度調節器1Aのベース基板23aは、フロントケース2aに対応した寸法を有し、上述の各モジュール8,9,10を構成する基板(以下、「モジュール基板」という)を装着するための11個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大11枚のモジュール基板を装着することができる。
【0040】
図3(b)に示される中型の温度調節器1Bのベース基板23bは、モジュール基板を装着するための5個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大5枚のモジュール基板を装着することができる。
【0041】
図3(c)に示される小型の温度調節器1Cのベース基板23cは、モジュール基板を装着するための3個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大3枚のモジュール基板を装着することができる。
【0042】
図4には、大型のベース基板23aの各コネクタ24に対して、11枚のモジュール基板25を、該モジュール基板25側のコネクタ26を介して装着した状態を示している。なお、図4においては、各モジュール基板25に搭載されている電子部品等を省略して同一の参照符号「25」を付しているが、各モジュール基板25は、上述のように、各モジュール8,9,10を構成する温度調節器用基板、電源用基板および出力/通信用基板であって、機能が異なる基板で構成される。
【0043】
フロントモジュール7を構成するベース基板23a〜23cは、上述のように、各モジュール8,9,10を接続するバス配線を有しており、この実施の形態では、次のようなバス構成となっている。
【0044】
すなわち、図2に示されるように、フロントモジュール7を構成するベース基板23a〜23cは、入力モジュール8のメインCPU17とフロントモジュール7の表示用サブCPU14とのデータ通信を行なうためのシリアルバス(UART)である表示サブCPU用バス27と、各モジュール8,9,10にアクセスする場合のモジュールセレクト信号を生成するためのアドレス信号用のモジュールアドレスバス28と、各モジュール8,9,10にアクセスする場合のセレクト信号用のモジュールセレクトバス29と、各モジュール8,9,10を構成するモジュール基板の機能などの種類を識別するための(TYPE)タイプバス30と、外部通信用のUARTバス31と、各モジュール8,9,10とのデータ交信用の同期シリアルバス32と、電源ライン33とを備えている。同期シリアルバス32は、複数で構成されるとともに、電源ライン33は、複数の異なる電源ラインで構成される。
【0045】
この実施の形態では、寸法の異なる大型、中型、小型のいずれの機種にも、入力モジュール8、電源モジュール9、および出力/通信モジュール10を構成するモジュール基板を共用するために、各モジュール基板は、最も小さい小型の温度調節器1Cに収納できる基板サイズに統一している。
【0046】
図5〜図7は、大型、中型、小型の各温度調節器1A〜1Cのケース4a〜4c内に収納されているベース基板23a〜23cおよびモジュール基板25をそれぞれ示す分解斜視図である。これらの図においては、各基板に実装されている電子部品等は、省略している。
【0047】
図5の大型の温度調節器1Aは、フロントモジュール7を構成するベース基板23aに対して、この例では、11枚のモジュール基板25を装着する例を示している。
【0048】
これらモジュール基板35は、入力モジュール8を構成する温度調節器用基板、電源モジュール9を構成する電源用基板、出力/通信モジュール10を構成する複数の出力/通信用基板で構成されている。
【0049】
また、図6の中型の温度調節器1Bは、フロントモジュール7を構成するベース基板23bに対して、この例では、5枚のモジュール基板25を装着する例を示している。
【0050】
これらモジュール基板25は、入力モジュール8を構成する温度調節器用基板、電源モジュール9を構成する電源用基板、出力/通信モジュール10を構成する複数の出力/通信用基板で構成されている。
【0051】
さらに、図7の小型の温度調節器1Cは、フロントモジュール7を構成するベース基板23cに対して、3枚のモジュール基板25を装着している。
【0052】
これらモジュール基板25は、入力モジュール8を構成する温度調節器用基板、電源モジュール9を構成する電源基板、出力/通信モジュール10を構成する出力/通信用基板で構成されており、各モジュール8,9,10に対応する3枚の基板構成が基本となる。
【0053】
なお、図5,図6は、回路基板の構成の一例を示しており、大型、中型の各機種において、さらに、入出力点数や出力形式などの仕様に応じて、ベース基板23a,23bに装着される各モジュール基板25の数や種類は、適宜選択されることになる。
【0054】
次に、このようにしてベース基板23a〜23cに、入力モジュール8、電源モジュール9、出力/通信モジュール10を構成する複数のモジュール基板25が装着されて構成される温度調節器1A〜1CのメインCPU17の制御動作を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
電源が投入されると、制御モジュールとしての入力モジュール8のメインCPU17は、フロントモジュール7を構成するベース基板23a〜23cの表示用のサブCPU14に対して、大型、中型、小型のいずれの機種であるかをシリアル通信によって問い合わせる。ベース基板23a〜23cは、上述のように各型に専用となっているので、表示用サブCPU14は、その型を回答する。この表示用サブCPU14から回答によって、メインCPU17は、いずれの型であるかを認識する(ステップn1)。
【0056】
次に、ベース基板23a〜23cの各コネクタ24に装着されているモジュール基板25の種類、すなわち、電源モジュール9および出力/通信モジュール10として装着されているモジュール基板25がどのような機能のモジュール基板25であるかを、順番に読み込んでその種類を識別する(ステップn2)。このモジュール基板25の種類の識別は、上述のモジュールセレクトバス29およびタイプバス30を用いて後述のようにして行なわれる。
【0057】
これによって、メインCPU17は、大型、中型、小型のいずれの型の機種であって、出力形式や入出力点数などがどのような仕様の機種であるかを認識できることになり、その機種を確定して(ステップn3)、その機種に合った制御動作を行なう定常動作に移行する(ステップn4)。
【0058】
図9は、この定常動作のフローチャートである。
【0059】
この定常動作では、表示処理や通信処理の要求を示す表示通信フラグがオンしているか否かを判断し(ステップn5)、オンしているときには、表示通信処理を実行し(ステップn6)、キーが操作されて対応する処理を行なう必要があるか否かを示すHMI(Human Machine Interface)起動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップn7)、オンしているときには、キー操作に対応したHMI処理を行う(ステップn8)。次に、制御処理を行う必要があるか否かを示す制御起動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップn9)、オンしているときには、温度制御処理を行なってステップn11に移る(ステップn10)。
【0060】
温度制御処理では、図示しない熱電対からの入力および上述の感温素子40からの入力に基づいて冷接点補償を行って温度を計測し、設定された目標温度になるように制御出力を与えるものである。
【0061】
この実施の形態の温度調節器1A,1B,1Cは、ベース基板23a〜23cのコネクタ24に装着されるモジュール基板(装着用基板)25の枚数や機能が異なることになり、例えば、ユーザ側で、モジュール基板25を追加したり、変更したりして定格消費電力を上回ってしまい、ケース4a〜4c内の温度が異常に上昇した場合に対応できるように、次のように構成している。
【0062】
すなわち、消費電力とケース内部の温度とは、ほぼ比例するために、この実施の形態では、感温素子40によってケース4a〜4c内の温度を検出し、検出温度が、一定温度、例えば、70℃を越えた状態が、一定時間、例えば、5分以上継続したときに、定格消費電力を超えて使用されて温度が異常に上昇したとして保護動作を行うものである。前記一定温度は、例えば、周囲温度が保証されている最高温度において、最大消費電力で上昇する最高の温度としてもよい。また、一定温度および一定時間は、上述に限らないのは勿論である。
【0063】
なお、図10に、感温素子40が実装されている入力用のモジュール基板としての温度調節器用基板50が、ベース基板23aに装着されている状態を示している。感温素子40は、温度調節器用基板50の後方側の下方の端部に配置されている。
【0064】
この実施の形態では、上述の図9のステップn10の温度制御処理において、感温素子40によって検出されるケース4a〜4c内の温度が一定温度を越えたときには、その越えた時間を計測するという処理を併せて行う。
【0065】
ステップn11では、ケース4a〜4c内の温度が異常であるか否かを判断し、異常でないときには、ステップn5に戻り、異常であるときには、ステップn12に移って保護動作を行う。
【0066】
このステップn11では、上述の温度制御処理における感温素子40による検出温度が一定温度を越えた時間が、一定時間以上継続したときに、異常と判断するものである。
【0067】
ステップn12における保護動作は、温度が異常に上昇している旨を温度情報表示部5a〜5cに表示して報知する警告表示動作、制御出力を安全側になるようにオフする出力制限動作、および、低消費電力モードにする動作の少なくともいずれか一つの動作を行うものである。なお、保護動作として、機器の動作を停止させるようにしてもよい。
【0068】
次に、ベース基板23a〜23cに対するモジュール基板25の装着の有無の判別および装着されている各モジュール基板25の識別について、図11および図12に基づいて説明する。
【0069】
先ず、制御モジュールとしての入力モジュール8のメインCPU17は、図11に示されるように、ベース基板23aの最大11個のコネクタ24を順番に選択するための選択信号として4ビットのモジュールアドレス信号MA0〜MA3を、ベース基板23a〜23cの図2に示されるデコーダ16に出力し、デコーダ16は、そのモジュールアドレス信号をデコードして、11個のコネクタ24に対応するいずれかのモジュールを指定する反転MS信号を出力し、これを反転したMS信号によって、図12に示されるように、対応するモジュール基板25のトランジスタ37がオンする。各モジュール基板25は、制御素子としてのトランジスタ37がオンすることによって導通する複数の識別素子としてのダイオード38を有しており、このダイオード38の数が、モジュール基板25の種類、すなわち、機能に対応している。
【0070】
したがって、指定されたコネクタ24に装着されているモジュール基板25のダイオード38の数に対応した識別信号としてのタイプ信号TYPE0〜TYPE6が、タイプバス30を介してメインCPU17に与えられ、これによって、メインCPU17は、指定したコネクタ24に対するモジュール基板の装着の有無を判別できるとともに、装着されているモジュール基板25の種類を識別できることになる。
【0071】
以上のようにして寸法が異なる大型、中型、小型の温度調節器1A〜1Cにおいて、入力、電源および出力/通信の各モジュールを構成するモジュール基板を共用するので、各機種毎に個別に設計する場合に比べて、設計費用の削減、組み立て性の簡易化、さらに、同一の基板の量産数量の増大などによってコストの低減を図ることができる。
【0072】
(実施の形態2)
図13は、本発明の他の実施の形態の電子機器としてのデジタルパネルメータの分解斜視図である。
【0073】
このデジタルパネルメータ51は、計測値などを表示する表示部41および複数の操作キー42を有するフロントケース43と、リアケース44とからなるケース45を備えている。このケース45内に、ベース基板46と、この例では、3枚のモジュール基板25とを収納して構成されており、各モジュール基板25には、端子台47が装備され、これら端子台47を覆うように端子カバー48が取り付けられる。
【0074】
ベース基板46は、デジタルパネルメータ51に専用のサイズとなっており、図14に示されるように、モジュール基板25を装着するための5個のコネクタ24を有し、斜線で示される領域に、最大5枚のモジュール基板25を装着することができる。
【0075】
このベース基板46は、上述の温度調節器1A〜1Cのベース基板23a〜23cと同様に、図2のフロントモジュール7を構成するものであり、表示用サブCPU14や同期シリアルバス32等の共用配線を有している。
【0076】
また、この実施の形態では、デジタルパネルメータ51の表示用のソフトウェアを、上述の温度調節器1A〜1Cの表示用のソフトウェアと共通としており、入力モジュール8のメインCPUが、温度調節器であるかデジタルパネルメータであるかといった機種を上述のようにして識別し、その機種に必要なHMIのみを表示するようにしている。これによって、温度調節器とデジタルパネルメータとで個別に表示用のソフトウェアを作成する必要がなく、コストを低減することができる。また、メインCPUが、温度調節器であるかデジタルパネルメータであるかといった機種を識別し、その機種に必要な項目(パラメータ)のみを表示して不必要な項目の表示を行なわないので、複数の機種に表示用のソフトウェアを共用しても表示される設定項目数が増大することなく、設定操作が容易になるとともに、設定ミスを防止することができる。
【0077】
このベース基板46に装着されるモジュール基板25は、図2の入力モジュール8と、電源モジュール9と、出力/通信モジュール10とを構成するものであり、電源モジュール9および出力/通信モジュール10は、上述の温度調節器1A〜1Cのモジュール基板と同じものを共用できるように構成されている。
【0078】
入力モジュール8は、デジタルパネルメータの各機種としての動作を制御するメインCPUを有するとともに、図示しない各種センサからの入力が与えられる入力回路を有しており、ベース基板46にコネクタを介して着脱自在に装着される計測処理用基板で構成される。この計測処理用基板は、温度制御処理を行なう上述の温度調節器用基板と異なり、デジタルパネルメータとしての計測処理を行うものである。
【0079】
なお、図13においては、ベース基板46に3枚のモジュール基板25を装着した例を示しているが、入出力点数や出力形式などの仕様に応じて、ベース基板に装着される各モジュール基板25の数や種類は、適宜選択されることになる。
【0080】
図15は、このデジタルパネルメータ51の定常動作のフローチャートである。
【0081】
この定常動作では、上述の図9の温度調節器の温度制御処理に代えて計測処理が行なわれる以外は、温度調節器の場合と基本的に同様であるが、このデジタルパネルメータ51は、従来のデジタルパネルメータと同様に、計測値などの表示を行なうとともに、予め設定されている比較値との比較結果に基づいて、警報出力を与える。
【0082】
また、上述の温度調節器と同様に、冷接点補償用の感温素子に入力に基づいて、ケース45内の温度を検出し、検出温度が一定温度を越えた状態が一定時間以上継続したときに、保護動作を行うものである。
【0083】
この実施の形態によれば、温度調節器1A〜1Cのみならず、デジタルパネルメータ51においても、電源および出力/通信のモジュール基板を共用することが可能となり、これによって、設計、製造、管理において、コストの一層の低減を図ることが可能となる。
【0084】
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態では、冷接点補償用の感温素子によってケース内の温度を検出したけれども、本発明の他の実施の形態として、ケース内の温度を専用に検出する温度センサを設けてもよい。
【0085】
上述の実施の形態では、制御回路としてのメインCPUは、入力モジュールに設けたけれども、本発明の他の実施の形態として、メインCPUを、フロントモジュールやその他のモジュールに設けてもよい。
【0086】
本発明の他の実施の形態として、オプションとしての機能を備える増設モジュール基板などを装着できようにしてもよい。
【0087】
上述の実施の形態では、温度調節器およびデジタルパネルメータに適用して説明したけれども、本発明は、カウンタ、タイマ、表示器などの他の電子機器に適用することもできる。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ケース内の温度が異常に上昇したときには、温度上昇を報知する報知動作、当該電子機器の出力を制限する出力制限動作、低消費電力モードへの移行動作といった保護動作を行うので、当該電子機器を温度上昇から有効に保護することができる。
【0089】
また、本発明によれば、ベース基板または装着用基板のいずれかに実装された制御回路は、装着用基板を識別して所要の機種として動作させるので、所要の機種に応じた機能の装着用基板を選択してベース基板に装着することによって、所要の機種を構成できることになり、したがって、同一の機能を有する機種間においては、その機能に応じた装着用基板を共用できることになり、このように基板を、複数の機種で共用することにより、設計、製造および管理におけるコストの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る温度調節器の斜視図である。
【図2】図1の温度調節器の回路構成を示すブロック図である。
【図3】図1の温度調節器のベース基板のコネクタ配置を示す図である。
【図4】ベース基板にモジュール基板を装着した状態を示す斜視図である。
【図5】温度調節器の回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図6】温度調節器の回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図7】温度調節器の回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図8】温度調節器の動作説明に供するフローチャートである。
【図9】温度調節器の動作説明に供するフローチャートである。
【図10】温度調節器用基板が、ベース基板に装着されている状態を示す斜視図である。
【図11】モジュール基板の識別のためのモジュールセレクト信号の生成を示す図である。
【図12】モジュール基板の識別のためのタイプ信号の生成を示す図である。
【図13】デジタルパネルメータの回路基板構成を示す分解斜視図である。
【図14】図13のデジタルパネルメータのベース基板のコネクタ配置を示す図である。
【図15】動作説明に供するフローチャートである。
の生成を示す図である。
【符号の説明】
1A〜1C 温度調節器
7 フロントモジュール
8 入力モジュール
9 電源モジュール
10 出力/通信モジュール
17 メインCPU
23a〜23c,46 ベース基板
25 モジュール基板
40 感温素子
51 デジタルパネルメータ
Claims (5)
- ケース内の温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出温度が一定温度を越えた状態が、一定時間以上継続したときに保護動作を行う保護手段とを備えることを特徴とする電子機器。
- 前記保護動作が、温度上昇を報知する報知動作、当該電子機器の出力を制限する出力制限動作、および、低消費電力モードへの移行動作の少なくともいずれか一つである請求項1記載の電子機器。
- 前記温度センサが冷接点補償用の感温素子である請求項1または2記載の電子機器。
- 前記ケース内には、複数のコネクタを有するベース基板と、前記コネクタに着脱自在に装着される複数の装着用基板とが収納され、
前記ベース基板は、複数の前記コネクタに接続されたバス配線を有し、前記装着用基板は、機能に応じた専用回路を有するとともに、前記コネクタに装着されることによって前記専用回路が前記バス配線に接続されるものであり、
前記ベース基板または前記装着用基板のいずれかに実装されるとともに、前記バス配線に接続される制御回路を備え、
前記制御回路は、前記ベース基板の前記コネクタに装着されている装着用基板を識別して複数の機種の内の所要の機種として動作するように制御する請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。 - 前記専用回路として、入力回路、電源回路および出力回路をそれぞれ有する入力用、電源用および出力用の各装着用基板を含み、
前記制御回路は、前記所要の機種としての温度制御動作または計測処理動作を行うように制御する請求項4記載の電子機器。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101551051B1 (ko) | 2011-06-02 | 2015-09-07 | 애플 인크. | 전자 장치에서의 다중 레벨 열 관리 |
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2003
- 2003-03-14 JP JP2003069806A patent/JP2004280373A/ja active Pending
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