JP2004280233A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】データを失うことなく、実際の揮発性メモリに対するバックアップ時間を長くする。
【解決手段】複数のメモリブロック1,2,3,4を有するDRAM5を備え、個々のメモリブロックに対してバックアップ用電源を用いてバックアップを行う。環境温度予測部10は、温度変化格納部11に格納された1日および1年の温度変化に基づいてバックアップ期間の環境温度を予測する。さらに、入力部12からの地域および場所と温度検出部13からの検出温度情報とに基づいて、予測環境温度を補正する。制御部9は、予測・補正環境温度を加味して、少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように圧縮伸張部8を制御してデータ圧縮するのに必要な電力と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップするのに要する電力とに基づいて、圧縮伸張部8による圧縮開始タイミングを定める。
【選択図】 図2
【解決手段】複数のメモリブロック1,2,3,4を有するDRAM5を備え、個々のメモリブロックに対してバックアップ用電源を用いてバックアップを行う。環境温度予測部10は、温度変化格納部11に格納された1日および1年の温度変化に基づいてバックアップ期間の環境温度を予測する。さらに、入力部12からの地域および場所と温度検出部13からの検出温度情報とに基づいて、予測環境温度を補正する。制御部9は、予測・補正環境温度を加味して、少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように圧縮伸張部8を制御してデータ圧縮するのに必要な電力と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップするのに要する電力とに基づいて、圧縮伸張部8による圧縮開始タイミングを定める。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像処理装置に関する。より詳しくは、複数のメモリブロックを有する揮発性メモリを備えて、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を行うようになっている画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラルズ(Multi Function Peripherals)の略で、効率的なオフィス業務を提供するために、コピー,ファクシミリ,プリンタ,スキャナ等の機能を1台に集約した機器を指す)等に代表される画像処理装置においては、画像データを記憶するためにDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)を備えることが多い。このDRAMは、揮発性メモリであり、定期的にリフレッシュを行わないと記憶内容が消去されてしまう。そこで、画像処理装置の本体の主電源(メインスイッチ)がオフになったりコンセントが抜かれた場合であっても、定期的にリフレッシュ動作を行ってデータの消失を防止するように、DRAMに対してバックアップ用電源によって電源供給がなされる(これを「バックアップ」という)。このバックアップ用電源としては、ニッケルカドミウム等の2次電池やリチウム電池等の1次電池が用いられている。
【0003】
従来は、例えばファクシミリ装置においては、上記DRAMを複数のブロックに分けておき、データを格納していないブロックについてバックアップを停止する方式(以下、「第1の方式」と言う)や、バックアップ用電源の電圧が低下した場合に、その程度に応じて、より重要度の低いブロックからバックアップを停止する方式(以下、「第2の方式」と言う)が知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、同一容量の電源であっても、DRAMに対するバックアップの時間をより長くしたり、また、重要なデータについてはバックアップの時間を長くすることを図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5‐91225号公報(第1頁,要約書)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のメモリ管理によれば、ジョブの受け付け順に応じてデータを格納すべきメモリ領域が確保され、ジョブの実行完了と共にそのメモリ領域が解放される。このジョブの受け付け順とジョブの実行完了順とは異なる場合があるため、通常動作時にはDRAMの複数のブロック全部にわたって画像データが断片化して格納される。
【0006】
そのために、上記第1の方式の場合では、実際にはバックアップを停止できるブロックが発生せず、DRAMに対するバックアップ時間を長くする効果が得られないという問題がある。また、上記第2の方式の場合では、DRAMに対するバックアップ時間を長くするために一部のデータが失われるという問題がある。
【0007】
さらに、メモリは使用温度環境によって著しく電力消費量が変動する。したがって、バックアップ期間中の環境温度によって、同容量のバックアップ電源を用いたとしても揮発性メモリのデータバックアップ時間が変動するという問題がある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、データを失うことなく、実際の揮発性メモリに対するバックアップ時間を長くすることができる画像処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の画像処理装置は、複数のメモリブロックを有する揮発性メモリを備え、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対してバックアップ用電源を用いてバックアップを行うようになっている画像処理装置であって、
上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を制御し得る電源供給制御手段と、
上記揮発性メモリに格納されたデータを所定の圧縮方法で圧縮した後、伸張し得るデータ圧縮伸張手段と、
上記揮発性メモリに対するデータ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測する環境温度予測手段と、
少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように上記データ圧縮伸張手段によってデータ圧縮するのに必要な電力と、上記環境温度予測手段による予測結果に基づいて上記データ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力とを求め、上記求められたデータ圧縮に必要な電力とバックアップに要する電力とに基づいて、上記データ圧縮伸張手段による圧縮開始タイミングを定めるバックアップ制御手段
を備えたことを特徴とする。
【0010】
尚、「バックアップ」とは、揮発性メモリに対してバックアップ用電源からの電源供給を行って、上記揮発性メモリの記憶内容を保持することを意味する。例えば装置の主電源(メインスイッチ)がオフになったりコンセントが抜かれたりした時や、停電時には、バックアップを行って揮発性メモリの記憶内容を保持するものとする。
【0011】
また、上記揮発性メモリの「メモリブロック」は、個々に電源供給が行われる限り、任意の単位を取り得る。例えば、1枚の基板に複数個のDRAMチップが搭載され、それらのDRAMチップに対して個々に電源供給が行われる場合は、各DRAMチップが単位となる。また、1枚の基板に複数個のメモリチップを搭載してなるメモリユニットを複数備え、各メモリユニットに対して個々に電源供給が行われる場合は、各メモリユニットが単位となる。
【0012】
「圧縮方法」とは、圧縮アルゴリズム,画像解像度,圧縮パラメータ等によって圧縮の仕方を定める概念を意味する。
【0013】
「空きメモリブロック」とは、上記揮発性メモリのメモリブロックであって、記憶しているデータが無いもの(または、後述するバックアップ対象に該当するデータが無いもの)を意味する。
【0014】
また、データ圧縮伸張手段によって圧縮されたデータは、圧縮後の状態で揮発性メモリに保存されるものとする。圧縮前のデータは失われる。
【0015】
この請求項1の画像処理装置では、バックアップ制御手段が、少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように上記データ圧縮伸張手段によってデータ圧縮するのに必要な電力と、そのデータ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力とに基づいて、例えば所定のバックアップ保証期間の満了までバックアップを継続できるように上記データ圧縮伸張手段による圧縮開始タイミングを定める。
【0016】
その場合、上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力は環境温度によって変動する。そこで、環境温度予測手段によって、上記データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測する。そして、上記バックアップ制御手段は、上記予測された環境温度に基づいて、上述したように、上記データ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力を求め、上記圧縮開始タイミングを定めるのである。そうした後、その圧縮開始タイミングで上記データ圧縮伸張手段にデータ圧縮を実行させる。
【0017】
ここで、上記電源供給制御手段は、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を制御し得るようになっている。したがって、上記データ圧縮伸張手段によるデータ圧縮によって少なくとも1つの空きメモリブロックが生じれば、電源供給制御手段は、その空きメモリブロックに対して電源供給を停止することができる。このようにした場合、限られた容量のバックアップ用電源を用いていても、実際に揮発性メモリに対するバックアップ時間を長くすることができる。
【0018】
例えば「バックアップ保証期間」が予め定められている場合は、そのバックアップ保証期間の満了までバックアップを継続することができる。尚、「バックアップ保証期間」は、バックアップを確実に行える期間として、この画像処理装置が適用された製品の仕様などによって予め定められるものとする。「バックアップ保証期間」はバックアップの開始時点からカウントされる。
【0019】
また、上記バックアップ制御手段は、上記圧縮開始タイミングで初めて上記データ圧縮伸張手段にデータ圧縮を実行させるので、例えばその圧縮開始タイミングまでに装置の主電源が復帰したような場合に、無駄なデータ圧縮が行われず、無駄な電力が消費されない。
【0020】
また、上記バックアップ制御手段は、少なくとも1つの空きメモリブロックが生じる場合にのみ上記データ圧縮伸張手段にデータ圧縮を実行させるので、無駄な電力が消費されない。
【0021】
また、上記データ圧縮伸張手段によって圧縮されたデータは、上記データ圧縮伸張手段によって伸張され得る。したがって、画質が劣化する可能性はあるが、データが失われることはない。
【0022】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記環境温度予測手段は計時手段を有しており、この計時手段による計時結果に基づく季節および時間に応じて、上記環境温度を予測するようになっていることを特徴とする。
【0023】
この請求項2の画像処理装置では、上記環境温度予測手段は、計時手段による計時結果に基づいて上記データ圧縮後のバックアップ期間における季節および時間を得る。そして、この得られた季節および時間に基づいて上記環境温度を予測する。こうすることによって、1年を通しての温度変化および1日を通しての温度変化を考慮して、精度良く環境温度が予測される。
【0024】
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1あるいは請求項2に記載の画像処理装置において、設置場所を入力する設置場所入力手段を備えると共に、上記環境温度予測手段は、上記入力された設置場所に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行うようになっていることを特徴とする。
【0025】
この請求項3の画像処理装置では、上記環境温度予測手段は、設置場所入力手段から入力された設置場所に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行う。例えば、上記入力された設置場所が北海道の学校であり、日本の平均気温に基づいて上記データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測した場合には、この予測された環境温度が、同じ季節同じ時間における北海道の学校に応じた環境温度に補正される。こうして、より現実の環境に則した環境温度が得られる。
【0026】
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1あるいは請求項2に記載の画像処理装置において、環境温度を検出する温度検出手段を備えると共に、上記環境温度予測手段は、上記検出された実際の環境温度に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行うようになっていることを特徴とする。
【0027】
この請求項4の画像処理装置では、上記環境温度予測手段は、温度検出手段によって検出された実際の環境温度に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行う。こうして、上記データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度が正確に予測される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の画像処理装置におけるメモリに関する電源系統の構成を示すブロック図である。また、図2は、上記メモリに対してデータ入出力を行うデータ入出力系統の構成を示すブロック図である。本実施の形態における画像処理装置は、コピー,ファクシミリ,プリンタ,ネットワークスキャナ等のアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と言う)を実行するジョブのために用いられるものとする。先ず、図2に従って、本実施の形態の画像処理装置におけるメモリに対するデータ入出力について説明する。
【0029】
図2に示すように、この画像処理装置は、データを記憶するための揮発性メモリとしてのDRAM5と、データを入力するためのデータ入力部6と、データを出力するためのデータ出力部7と、データを圧縮および/または伸張し得るデータ圧縮伸張手段としての圧縮伸張部8と、DRAM5に対するメモリ管理を含む装置全体の制御を行う制御部9とを備えている。また、環境温度予測手段としての環境温度予測部10は、温度変化格納部11に格納された1日および1年の温度変化に基づいて現在の環境温度を予測すると共に、入力部12から入力された地域および場所と温度検出部13からの検出温度情報とに基づいて、上記予測した環境温度を補正する。
【0030】
上記DRAM5は、複数(この例では4個)のメモリブロック1,2,3,4に分割され、各メモリブロック毎に独立して動作可能になっている。そして、DRAM5に対するデータ入出力の処理は、制御部9による制御に基づいて、図3に示すフローチャートに従って行われるのである。以下、図3に従って、DRAM5に対するデータ入出力処理について説明する。
【0031】
先ず、ステップS1で、上記データ入力部6を介して入力されたデータがDRAM5に格納される。この入力されたデータが画像データである場合には、一般にデータ量が多いために圧縮する必要性が高い。そこで、ステップS2で、画像データは圧縮伸張部8によって所定の圧縮アルゴリズムで圧縮される。こうして圧縮されたデータ(圧縮データ)は、圧縮後の状態でDRAM5に保存されるのである。その場合、圧縮前のデータは失われることになる。
【0032】
次に、データが出力される場合には、ステップS3で、上記DRAM5に格納されている圧縮データが、上記圧縮アルゴリズムとは逆の伸張アルゴリズムで伸張される。そして、ステップS4で、伸張後のデータがデータ出力部7を介して出力されるのである。尚、その際に、圧縮伸張部8が、可逆圧縮アルゴリズムを用いた圧縮方法で圧縮を行っている場合には、上記圧縮アルゴリズムとは逆の伸張アルゴリズムで伸張を行うことによって、元のデータが復元される。
【0033】
上記コピー,ファクシミリ,プリンタ,ネットワークスキャナ等のアプリケーションは、ユーザの操作等に基づく要求が生じる毎に、上記制御部9の制御に基づいて、圧縮データをDRAM5内の各メモリブロック1,2,3,4に保存して行く。一方、各種アプリケーションのために使用されたデータは、順次消去されて行くのである。通常のメモリ管理によれば、ジョブの受け付け順に応じてデータを格納すべきメモリ領域が確保され、ジョブの実行完了とともにそのメモリ領域が解放される。このジョブの受け付け順とジョブの実行完了順とは異なる場合があるため、画像処理装置がしばらくの期間動作すると、通常はDRAM5の複数のブロック1,2,3,4全部にわたって画像データが断片化して格納されることになる。
【0034】
図1は、本実施の形態における画像処理装置のメモリに関する電源系統のブロック構成を示している。図1に示すように、DRAM5の各メモリブロック1,2,3,4には、夫々電源制御部21によって制御される電源切替スイッチ22,23,24,25が直列に接続されている。尚、電源制御部21は上述した制御部9によって制御される。そして、各電源切替スイッチ22,23,24,25,電源制御部21および制御部9は、DRAM5の個々のメモリブロック1,2,3,4に対して電源供給を制御する電源供給制御手段として機能する。
【0035】
直列接続されている上記メモリブロック1と電源切替スイッチ22、メモリブロック2と電源切替スイッチ23、メモリブロック3と電源切替スイッチ24、メモリブロック4と電源切替スイッチ25に対して、通常動作時に用いられる主電源としての商用電源26が共通に接続されると共に、バックアップ用電源27としてのバックアップ電池(例えばニッケルカドミウム電池)が共通に接続されている。
【0036】
通常動作時には、上記電源制御部21の制御によって、上記電源切替スイッチ22,23,24,25が商用電源26を選択する側に切り替えられる。これによって、商用電源26から個々のメモリブロック1,2,3,4に対して電源供給が行われる。
【0037】
一方、上記商用電源26がオフになった場合やコンセントが抜かれたりした場合、あるいは、停電によって商用電源26からの電源供給が受けられなくなった場合には、電源制御部21の制御によって、電源切替スイッチ22,23,24,25がバックアップ用電源27を選択する側に切り替えられる。これによって、個々のメモリブロック1,2,3,4に対してバックアップ電池27からの電源供給(バックアップ)が可能になっている。また、電源制御部21は、電源切替スイッチ22,23,24,25をオープンにして、個々のメモリブロック1,2,3,4に対する電源供給を遮断することも可能になっている。尚、停電状態であることは、図示しない停電検出センサによって電源制御部21へ通知される構成になっている。
【0038】
さて、本画像処理装置においては、装置の仕様によって、予め、バックアップを確実に行う期間として「バックアップ保証期間」が定められているものとする。尚、上記「バックアップ保証期間」は、バックアップの開始時点からカウントされる。
【0039】
本画像処理装置では、上記制御部9が圧縮伸張部8を動作させて、DRAM5に格納されている画像データをバックアップ開始後に圧縮する。これによって、メモリブロック1,2,3,4の中に少なくとも1つの空きメモリブロックを発生させる。そして、電源制御部21を介して、その空きメモリブロックに対する電源供給を遮断することによってバックアップ時間を長くするのである。ここで、上述したように、上記DRAM5に格納されている画像データは、既に圧縮された状態にある。したがって、バックアップ開始後にDRAM5に格納されている画像データに対して行われる圧縮処理は、既に圧縮されている画像データに対して行われることになる。
【0040】
ここで、上記画像データの解像度や階調等のデータ量を減らして、または、非可逆圧縮を行って、圧縮率を大きくする方法の場合には、画像の品質が劣化してしまう。また、圧縮方法によっては画質が劣化しない場合があるが、その場合でも、圧縮を行うために電力が消費される。したがって、上記バックアップ保証期間の満了までバックアップを継続できる限り、バックアップ開始後のデータ圧縮は極力控える方が望ましい。また、バックアップ開始後に行われるデータ圧縮の圧縮率は、できるだけ小さく設定するのが望ましい。
【0041】
このような観点から、本実施の形態においては、少なくとも1つのメモリブロック1,2,3,4が空きメモリブロックとなるようにデータ圧縮するのに必要な電力と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップするのに要する電力とに基づいて、上記バックアップ保証期間の満了までバックアップを継続できるように圧縮開始タイミングを定めるのである。しかしながら、揮発性メモリをバックアップするのに要する電力は、環境温度の影響によって変動する。したがって、環境温度予測部10によってデータ圧縮後のバックアップ期間の環境温度変化を予測し、この予測結果に従ってデータ圧縮後の状態でバックアップ期間のDRAM5をバックアップするのに要する電力を求め、この電力に基づいて圧縮開始タイミングを定めるのである。
【0042】
次に、上記環境温度と不揮発性メモリの消費電力量の変化との関係について具体的に説明する。図4は、環境温度と消費電力の変化率との関係を示し、横軸は不揮発性メモリの環境温度であり、縦軸は25℃における消費電力量を1とした電力変化率を示す。図4に示すように、上記環境温度が0℃から55℃まで上昇するに連れて電力変化率は二次関数的に上昇するのである。
【0043】
以下、上記圧縮開始タイミングを定める場合の考え方を、図5(a),図5(b)を用いて具体的に説明する。図5(a),図5(b)において、横軸はバックアップ開始後の経過時間tであり、縦軸はバックアップ電源を用いて消費した電気量の累積値(以下、「電力消費量」と言う)である。
【0044】
図5(a)中における実線Cは、時刻t=0でバックアップを開始した場合における時間tの経過と電力消費量との関係を例示している。時刻t=0でバックアップを開始した直後の消費電力は、画像データが格納されたメモリブロックの数に応じて、実線Cの勾配αで示されるとする。この例では、バックアップ開始後にデータ圧縮を行わなければ、太い破線で示すように、時刻tX(tX<tQ)に電池容量が尽きてバックアップが終了してしまい、バックアップ保証期間tQまでバックアップを継続することができない。
【0045】
そこで、或る圧縮方法を採用するものとして、データ圧縮する際に要する電力α1と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップする際に要する電力α2とに基づいて、バックアップ保証期間tQが終わるまでバックアップを継続できるように圧縮開始タイミングt1を定める。つまり、バックアップ保証期間の満了タイミングtQから、勾配α2,勾配α1で順次遡ってゆき、バックアップ開始直後の勾配αの直線との交点(以下、「圧縮開始点」と言う)Aを求める。この圧縮開始点Aの横座標が圧縮開始タイミングt1に相当するのである。
【0046】
ここで、上記データ圧縮を行う場合には、バックアップ開始直後に比して余分に電力を消費することから、α1>αである。この例では、圧縮完了時刻をt2で表している。圧縮方法(圧縮アルゴリズムや画像解像度を含む)が定まってα1が定まっていれば、圧縮に要する時間(t2−t1)は、圧縮対象となった画像データのサイズに依存する。また、データ圧縮後の状態では、バックアップ対象となるメモリブロックの数が減ることから、α2<αである。
【0047】
また、図5(b)は、図5(a)の場合に比してバックアップ対象である画像データのサイズが大きく、したがってその画像データが格納されたメモリブロックの数が多い場合の時間tと電力消費量との関係を実線C’で示している。時刻t=0でバックアップを開始した直後の消費電力がα’(>α)であったとする。この場合も、図5(a)の場合と同様に、バックアップ保証期間tQまでバックアップを継続することができない。そこで、データ圧縮を行うのに必要な電力α1’と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップするのに要する電力α2’とに基づいて、バックアップ保証期間tQが終わるまでバックアップを継続できるように圧縮開始点A’を求め、圧縮開始タイミングt1’を定めるのである。
【0048】
尚、図5(b)に示す例の場合には圧縮完了時刻がt2’になっている。さらに、図5(a)の場合に比して画像データのサイズが大きいため、データ圧縮を行うのに必要な電力α1’は図5(a)のα1より大きくなり、圧縮に要する時間(t2’−t1’)も図5(a)の(t2−t1)より増えている。これらの結果、圧縮開始タイミングt1’は図5(a)のt1よりも早くなっている。
【0049】
図6は、上述の圧縮開始タイミングを定める考え方を適用した制御部9による処理を例示するフローチャートである。以下、図6に従って、適宜図5(a)中の符号を用いて、バックアップ時圧縮動作について説明する。
【0050】
i) バックアップが開始されると、ステップS11で、制御部9によって、バックアップ用電源27の残量が確認される。バックアップ用電源27の残量は、例えば電源電圧検出センサ(図示せず)を用いてバックアップ用電源27の現時点の電圧を検出し、その電圧に基づいて判断する。
【0051】
ii) 次に、ステップS12で、上記制御部9によって、上記バックアップ用電源27の残量に基づいて、圧縮開始タイミングが到来したか否かが判断される。この例の場合では、バックアップ用電源27の残量が、図5(a)において細い破線で示す電池容量から圧縮開始点Aでの電力消費量を差し引いた値に相当するところまで減った時点で、圧縮開始タイミングt1が到来したと判断されるのである。そして、到来したと判断された場合にはステップS13に進み、そうでない場合には上記ステップS11に戻ってバックアップ用電源27の残量確認が継続される。
【0052】
iii) そして、ステップS13で、上記制御部9によって、その圧縮開始タイミングt1で、少なくとも1つの空きメモリブロックが生ずるように圧縮伸張部8にデータ圧縮を実行させるのである。そうした後、バックアップ時圧縮動作を終了する。
【0053】
以上の処理によって、上記メモリブロック1,2,3,4の中に少なくとも1つの空きメモリブロックを発生させる。そして、制御部9によって電源制御部21を介して上記空きメモリブロックに対応する電源切替スイッチをオープンにして電源供給を遮断することによって、バックアップ時間を長くする。その結果、バックアップ保証期間tQの満了までバックアップを継続することができるのである。
【0054】
また、上記制御部9は、上記圧縮開始タイミングt1が到来して初めて圧縮伸張部8にデータ圧縮を実行させるので、例えばその圧縮開始タイミングt1が到来するまでに商用電源26が復帰した場合には、無駄なデータ圧縮を行う必要はない。したがって、無駄な電力は消費されないのである。
【0055】
また、上記制御部9は、少なくとも1つの空きメモリブロックが生じる場合にのみ圧縮伸張部8にデータ圧縮を実行させるので、無駄な電力が消費されない。
【0056】
また、上記圧縮伸張部8によって圧縮されたデータは、圧縮伸張部8によって伸張され得る。したがって、画質が劣化する可能性はあるが、データが失われることはないのである。
【0057】
次に、上記圧縮伸長部8によって実行されるデータ圧縮のアルゴリズムおよび画像解像度等のパラメータを可変して設定する方法について、具体例を挙げて説明する。
【0058】
上記データ圧縮のアルゴリズム(形式)を変更する方法としては、例えばFAX通信データの場合には、圧縮率の低いMH,MR,MMR形式のデータを圧縮率の高いJBIG形式のデータに変更する方法がある。また、MH形式のデータをMR形式のデータに変換することによっても圧縮率が大きくなる。このような圧縮形式の変換は画質を劣化させない。
【0059】
また、画像の解像度を落す方法としては、例えば解像度400dpi×400dpiである画像データを解像度200dpi×200dpiに変換する方法が挙げられる。この変換によれば、データサイズが簡単に1/4に圧縮される。しかしながら、画質が劣化してしまうのである。
【0060】
また、画像の階調を落とす方法としては、例えば階調性が256階調である画像データを64階調に変換する方法が挙げられる。この変換によれば、データサイズが簡単に1/4に圧縮される。しかしながら、この場合も画質が劣化するのである。
【0061】
次に、上記環境温度予測部10によって行われる環境温度予測について、具体的に例を挙げて説明する。
【0062】
図7(a)はある場所での1日の温度変化を示し、図7(b)は1年間の温度変化を示している。環境温度予測部10は計時手段を備えており、データ圧縮後のバックアップ期間の季節および時間を取得可能になっている。さらに、図7に示すような1日間および1年間の温度変化を温度変化格納部11に格納している。そして、取得したデータ圧縮後のバックアップ期間の季節および時間と温度変化格納部11に格納された1日間および1年間の温度変化とを比較することによって、データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測するのである。尚、環境温度予測部10による上記環境温度の予測方法については、特に上述の方法に限定するのもではない。
【0063】
その場合に、上記環境温度予測部10には、設置場所入力手段としての入力部12から本画像処理装置が設置されている地域および場所が入力可能になっている。また、環境温度予測部10は、温度検出手段としての温度検出部13から出力される検出温度情報に基づいて、設置場所における所定時間分の環境温度の変化を例えば内部メモリ等に記憶するようになっている。ここで、上記地域に関しては、北海道,関東,九州等のごとく、1年間を通して温度変化が略等しい地域をグループ化しておく。また、場所に関しては、本画像処理装置の設置場所を、例えばオフィス,コンビニまたは工場等の空調条件を特定できる情報を用いる。
【0064】
そして、上記入力部12から入力された地域および場所に基づいて、上記予測した環境温度に補正を施すのである。さらには、温度検出部13からの環境温度の変化記録に基づいて、データ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップする期間の環境温度予測精度の向上を図るのである。具体的には、バックアップ用電源27に切り替わる時点での環境温度を、上記環境温度の変化記録から求める。そして、得られた上記切り替わる時点での環境温度と上述した環境温度予測部10による予測結果との差分の分だけ、上記データ圧縮後の状態でのバックアップ期間の予測環境温度を補正するのである。また、本画像処理装置の空調設定を学習し、この学習結果に基づいて環境温度予測部10による予測結果を補正することも可能である。
【0065】
上記実施の形態においては、バックアップされる揮発性メモリとしてDRAM5を例に挙げて説明している。しかしながら、上記揮発性メモリはこれに限定されるものではなく、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)をバックアップする場合にも同様に適用することができる。
【0066】
また、上記実施の形態においては、上記温度変化格納部11,入力部12および温度検出部13は環境温度予測部10と独立しているとして説明したが、温度変化格納部,入力部および温度検出部は環境温度予測部に含まれる概念としても一向に差し支えない。
【0067】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の画像処理装置によれば、データを失うことなく、実際に揮発性メモリのバックアップ時間を長くすることができる。その際に、上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力に対する環境温度の影響を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置におけるメモリに関する電源系統のブロック図である。
【図2】図1におけるメモリに対するデータ入出力系統のブロック図である。
【図3】図2における制御部によって実行されるデータ入出力の処理動作のフローチャートである。
【図4】不揮発性メモリの環境温度とバックアップ時における消費電力の変化率との関係を示す図である。
【図5】圧縮開始タイミングを定める考え方の説明図である。
【図6】図2における制御部によって実行されるバックアップ時圧縮動作のフローチャートである。
【図7】ある場所での1日の温度変化および1年間の温度変化を例示する図である。
【符号の説明】
1,2,3,4…メモリブロック、
5…DRAM、
6…データ入力部、
7…データ出力部、
8…圧縮伸張部、
9…制御部、
10…環境温度予測部、
11…温度変化格納部、
12…入力部、
13…温度検出部、
21…電源制御部、
22,23,24,25…電源切替スイッチ、
26…商用電源、
27…バックアップ用電源。
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像処理装置に関する。より詳しくは、複数のメモリブロックを有する揮発性メモリを備えて、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を行うようになっている画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラルズ(Multi Function Peripherals)の略で、効率的なオフィス業務を提供するために、コピー,ファクシミリ,プリンタ,スキャナ等の機能を1台に集約した機器を指す)等に代表される画像処理装置においては、画像データを記憶するためにDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)を備えることが多い。このDRAMは、揮発性メモリであり、定期的にリフレッシュを行わないと記憶内容が消去されてしまう。そこで、画像処理装置の本体の主電源(メインスイッチ)がオフになったりコンセントが抜かれた場合であっても、定期的にリフレッシュ動作を行ってデータの消失を防止するように、DRAMに対してバックアップ用電源によって電源供給がなされる(これを「バックアップ」という)。このバックアップ用電源としては、ニッケルカドミウム等の2次電池やリチウム電池等の1次電池が用いられている。
【0003】
従来は、例えばファクシミリ装置においては、上記DRAMを複数のブロックに分けておき、データを格納していないブロックについてバックアップを停止する方式(以下、「第1の方式」と言う)や、バックアップ用電源の電圧が低下した場合に、その程度に応じて、より重要度の低いブロックからバックアップを停止する方式(以下、「第2の方式」と言う)が知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、同一容量の電源であっても、DRAMに対するバックアップの時間をより長くしたり、また、重要なデータについてはバックアップの時間を長くすることを図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5‐91225号公報(第1頁,要約書)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のメモリ管理によれば、ジョブの受け付け順に応じてデータを格納すべきメモリ領域が確保され、ジョブの実行完了と共にそのメモリ領域が解放される。このジョブの受け付け順とジョブの実行完了順とは異なる場合があるため、通常動作時にはDRAMの複数のブロック全部にわたって画像データが断片化して格納される。
【0006】
そのために、上記第1の方式の場合では、実際にはバックアップを停止できるブロックが発生せず、DRAMに対するバックアップ時間を長くする効果が得られないという問題がある。また、上記第2の方式の場合では、DRAMに対するバックアップ時間を長くするために一部のデータが失われるという問題がある。
【0007】
さらに、メモリは使用温度環境によって著しく電力消費量が変動する。したがって、バックアップ期間中の環境温度によって、同容量のバックアップ電源を用いたとしても揮発性メモリのデータバックアップ時間が変動するという問題がある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、データを失うことなく、実際の揮発性メモリに対するバックアップ時間を長くすることができる画像処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の画像処理装置は、複数のメモリブロックを有する揮発性メモリを備え、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対してバックアップ用電源を用いてバックアップを行うようになっている画像処理装置であって、
上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を制御し得る電源供給制御手段と、
上記揮発性メモリに格納されたデータを所定の圧縮方法で圧縮した後、伸張し得るデータ圧縮伸張手段と、
上記揮発性メモリに対するデータ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測する環境温度予測手段と、
少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように上記データ圧縮伸張手段によってデータ圧縮するのに必要な電力と、上記環境温度予測手段による予測結果に基づいて上記データ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力とを求め、上記求められたデータ圧縮に必要な電力とバックアップに要する電力とに基づいて、上記データ圧縮伸張手段による圧縮開始タイミングを定めるバックアップ制御手段
を備えたことを特徴とする。
【0010】
尚、「バックアップ」とは、揮発性メモリに対してバックアップ用電源からの電源供給を行って、上記揮発性メモリの記憶内容を保持することを意味する。例えば装置の主電源(メインスイッチ)がオフになったりコンセントが抜かれたりした時や、停電時には、バックアップを行って揮発性メモリの記憶内容を保持するものとする。
【0011】
また、上記揮発性メモリの「メモリブロック」は、個々に電源供給が行われる限り、任意の単位を取り得る。例えば、1枚の基板に複数個のDRAMチップが搭載され、それらのDRAMチップに対して個々に電源供給が行われる場合は、各DRAMチップが単位となる。また、1枚の基板に複数個のメモリチップを搭載してなるメモリユニットを複数備え、各メモリユニットに対して個々に電源供給が行われる場合は、各メモリユニットが単位となる。
【0012】
「圧縮方法」とは、圧縮アルゴリズム,画像解像度,圧縮パラメータ等によって圧縮の仕方を定める概念を意味する。
【0013】
「空きメモリブロック」とは、上記揮発性メモリのメモリブロックであって、記憶しているデータが無いもの(または、後述するバックアップ対象に該当するデータが無いもの)を意味する。
【0014】
また、データ圧縮伸張手段によって圧縮されたデータは、圧縮後の状態で揮発性メモリに保存されるものとする。圧縮前のデータは失われる。
【0015】
この請求項1の画像処理装置では、バックアップ制御手段が、少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように上記データ圧縮伸張手段によってデータ圧縮するのに必要な電力と、そのデータ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力とに基づいて、例えば所定のバックアップ保証期間の満了までバックアップを継続できるように上記データ圧縮伸張手段による圧縮開始タイミングを定める。
【0016】
その場合、上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力は環境温度によって変動する。そこで、環境温度予測手段によって、上記データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測する。そして、上記バックアップ制御手段は、上記予測された環境温度に基づいて、上述したように、上記データ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力を求め、上記圧縮開始タイミングを定めるのである。そうした後、その圧縮開始タイミングで上記データ圧縮伸張手段にデータ圧縮を実行させる。
【0017】
ここで、上記電源供給制御手段は、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を制御し得るようになっている。したがって、上記データ圧縮伸張手段によるデータ圧縮によって少なくとも1つの空きメモリブロックが生じれば、電源供給制御手段は、その空きメモリブロックに対して電源供給を停止することができる。このようにした場合、限られた容量のバックアップ用電源を用いていても、実際に揮発性メモリに対するバックアップ時間を長くすることができる。
【0018】
例えば「バックアップ保証期間」が予め定められている場合は、そのバックアップ保証期間の満了までバックアップを継続することができる。尚、「バックアップ保証期間」は、バックアップを確実に行える期間として、この画像処理装置が適用された製品の仕様などによって予め定められるものとする。「バックアップ保証期間」はバックアップの開始時点からカウントされる。
【0019】
また、上記バックアップ制御手段は、上記圧縮開始タイミングで初めて上記データ圧縮伸張手段にデータ圧縮を実行させるので、例えばその圧縮開始タイミングまでに装置の主電源が復帰したような場合に、無駄なデータ圧縮が行われず、無駄な電力が消費されない。
【0020】
また、上記バックアップ制御手段は、少なくとも1つの空きメモリブロックが生じる場合にのみ上記データ圧縮伸張手段にデータ圧縮を実行させるので、無駄な電力が消費されない。
【0021】
また、上記データ圧縮伸張手段によって圧縮されたデータは、上記データ圧縮伸張手段によって伸張され得る。したがって、画質が劣化する可能性はあるが、データが失われることはない。
【0022】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記環境温度予測手段は計時手段を有しており、この計時手段による計時結果に基づく季節および時間に応じて、上記環境温度を予測するようになっていることを特徴とする。
【0023】
この請求項2の画像処理装置では、上記環境温度予測手段は、計時手段による計時結果に基づいて上記データ圧縮後のバックアップ期間における季節および時間を得る。そして、この得られた季節および時間に基づいて上記環境温度を予測する。こうすることによって、1年を通しての温度変化および1日を通しての温度変化を考慮して、精度良く環境温度が予測される。
【0024】
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1あるいは請求項2に記載の画像処理装置において、設置場所を入力する設置場所入力手段を備えると共に、上記環境温度予測手段は、上記入力された設置場所に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行うようになっていることを特徴とする。
【0025】
この請求項3の画像処理装置では、上記環境温度予測手段は、設置場所入力手段から入力された設置場所に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行う。例えば、上記入力された設置場所が北海道の学校であり、日本の平均気温に基づいて上記データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測した場合には、この予測された環境温度が、同じ季節同じ時間における北海道の学校に応じた環境温度に補正される。こうして、より現実の環境に則した環境温度が得られる。
【0026】
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1あるいは請求項2に記載の画像処理装置において、環境温度を検出する温度検出手段を備えると共に、上記環境温度予測手段は、上記検出された実際の環境温度に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行うようになっていることを特徴とする。
【0027】
この請求項4の画像処理装置では、上記環境温度予測手段は、温度検出手段によって検出された実際の環境温度に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行う。こうして、上記データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度が正確に予測される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の画像処理装置におけるメモリに関する電源系統の構成を示すブロック図である。また、図2は、上記メモリに対してデータ入出力を行うデータ入出力系統の構成を示すブロック図である。本実施の形態における画像処理装置は、コピー,ファクシミリ,プリンタ,ネットワークスキャナ等のアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と言う)を実行するジョブのために用いられるものとする。先ず、図2に従って、本実施の形態の画像処理装置におけるメモリに対するデータ入出力について説明する。
【0029】
図2に示すように、この画像処理装置は、データを記憶するための揮発性メモリとしてのDRAM5と、データを入力するためのデータ入力部6と、データを出力するためのデータ出力部7と、データを圧縮および/または伸張し得るデータ圧縮伸張手段としての圧縮伸張部8と、DRAM5に対するメモリ管理を含む装置全体の制御を行う制御部9とを備えている。また、環境温度予測手段としての環境温度予測部10は、温度変化格納部11に格納された1日および1年の温度変化に基づいて現在の環境温度を予測すると共に、入力部12から入力された地域および場所と温度検出部13からの検出温度情報とに基づいて、上記予測した環境温度を補正する。
【0030】
上記DRAM5は、複数(この例では4個)のメモリブロック1,2,3,4に分割され、各メモリブロック毎に独立して動作可能になっている。そして、DRAM5に対するデータ入出力の処理は、制御部9による制御に基づいて、図3に示すフローチャートに従って行われるのである。以下、図3に従って、DRAM5に対するデータ入出力処理について説明する。
【0031】
先ず、ステップS1で、上記データ入力部6を介して入力されたデータがDRAM5に格納される。この入力されたデータが画像データである場合には、一般にデータ量が多いために圧縮する必要性が高い。そこで、ステップS2で、画像データは圧縮伸張部8によって所定の圧縮アルゴリズムで圧縮される。こうして圧縮されたデータ(圧縮データ)は、圧縮後の状態でDRAM5に保存されるのである。その場合、圧縮前のデータは失われることになる。
【0032】
次に、データが出力される場合には、ステップS3で、上記DRAM5に格納されている圧縮データが、上記圧縮アルゴリズムとは逆の伸張アルゴリズムで伸張される。そして、ステップS4で、伸張後のデータがデータ出力部7を介して出力されるのである。尚、その際に、圧縮伸張部8が、可逆圧縮アルゴリズムを用いた圧縮方法で圧縮を行っている場合には、上記圧縮アルゴリズムとは逆の伸張アルゴリズムで伸張を行うことによって、元のデータが復元される。
【0033】
上記コピー,ファクシミリ,プリンタ,ネットワークスキャナ等のアプリケーションは、ユーザの操作等に基づく要求が生じる毎に、上記制御部9の制御に基づいて、圧縮データをDRAM5内の各メモリブロック1,2,3,4に保存して行く。一方、各種アプリケーションのために使用されたデータは、順次消去されて行くのである。通常のメモリ管理によれば、ジョブの受け付け順に応じてデータを格納すべきメモリ領域が確保され、ジョブの実行完了とともにそのメモリ領域が解放される。このジョブの受け付け順とジョブの実行完了順とは異なる場合があるため、画像処理装置がしばらくの期間動作すると、通常はDRAM5の複数のブロック1,2,3,4全部にわたって画像データが断片化して格納されることになる。
【0034】
図1は、本実施の形態における画像処理装置のメモリに関する電源系統のブロック構成を示している。図1に示すように、DRAM5の各メモリブロック1,2,3,4には、夫々電源制御部21によって制御される電源切替スイッチ22,23,24,25が直列に接続されている。尚、電源制御部21は上述した制御部9によって制御される。そして、各電源切替スイッチ22,23,24,25,電源制御部21および制御部9は、DRAM5の個々のメモリブロック1,2,3,4に対して電源供給を制御する電源供給制御手段として機能する。
【0035】
直列接続されている上記メモリブロック1と電源切替スイッチ22、メモリブロック2と電源切替スイッチ23、メモリブロック3と電源切替スイッチ24、メモリブロック4と電源切替スイッチ25に対して、通常動作時に用いられる主電源としての商用電源26が共通に接続されると共に、バックアップ用電源27としてのバックアップ電池(例えばニッケルカドミウム電池)が共通に接続されている。
【0036】
通常動作時には、上記電源制御部21の制御によって、上記電源切替スイッチ22,23,24,25が商用電源26を選択する側に切り替えられる。これによって、商用電源26から個々のメモリブロック1,2,3,4に対して電源供給が行われる。
【0037】
一方、上記商用電源26がオフになった場合やコンセントが抜かれたりした場合、あるいは、停電によって商用電源26からの電源供給が受けられなくなった場合には、電源制御部21の制御によって、電源切替スイッチ22,23,24,25がバックアップ用電源27を選択する側に切り替えられる。これによって、個々のメモリブロック1,2,3,4に対してバックアップ電池27からの電源供給(バックアップ)が可能になっている。また、電源制御部21は、電源切替スイッチ22,23,24,25をオープンにして、個々のメモリブロック1,2,3,4に対する電源供給を遮断することも可能になっている。尚、停電状態であることは、図示しない停電検出センサによって電源制御部21へ通知される構成になっている。
【0038】
さて、本画像処理装置においては、装置の仕様によって、予め、バックアップを確実に行う期間として「バックアップ保証期間」が定められているものとする。尚、上記「バックアップ保証期間」は、バックアップの開始時点からカウントされる。
【0039】
本画像処理装置では、上記制御部9が圧縮伸張部8を動作させて、DRAM5に格納されている画像データをバックアップ開始後に圧縮する。これによって、メモリブロック1,2,3,4の中に少なくとも1つの空きメモリブロックを発生させる。そして、電源制御部21を介して、その空きメモリブロックに対する電源供給を遮断することによってバックアップ時間を長くするのである。ここで、上述したように、上記DRAM5に格納されている画像データは、既に圧縮された状態にある。したがって、バックアップ開始後にDRAM5に格納されている画像データに対して行われる圧縮処理は、既に圧縮されている画像データに対して行われることになる。
【0040】
ここで、上記画像データの解像度や階調等のデータ量を減らして、または、非可逆圧縮を行って、圧縮率を大きくする方法の場合には、画像の品質が劣化してしまう。また、圧縮方法によっては画質が劣化しない場合があるが、その場合でも、圧縮を行うために電力が消費される。したがって、上記バックアップ保証期間の満了までバックアップを継続できる限り、バックアップ開始後のデータ圧縮は極力控える方が望ましい。また、バックアップ開始後に行われるデータ圧縮の圧縮率は、できるだけ小さく設定するのが望ましい。
【0041】
このような観点から、本実施の形態においては、少なくとも1つのメモリブロック1,2,3,4が空きメモリブロックとなるようにデータ圧縮するのに必要な電力と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップするのに要する電力とに基づいて、上記バックアップ保証期間の満了までバックアップを継続できるように圧縮開始タイミングを定めるのである。しかしながら、揮発性メモリをバックアップするのに要する電力は、環境温度の影響によって変動する。したがって、環境温度予測部10によってデータ圧縮後のバックアップ期間の環境温度変化を予測し、この予測結果に従ってデータ圧縮後の状態でバックアップ期間のDRAM5をバックアップするのに要する電力を求め、この電力に基づいて圧縮開始タイミングを定めるのである。
【0042】
次に、上記環境温度と不揮発性メモリの消費電力量の変化との関係について具体的に説明する。図4は、環境温度と消費電力の変化率との関係を示し、横軸は不揮発性メモリの環境温度であり、縦軸は25℃における消費電力量を1とした電力変化率を示す。図4に示すように、上記環境温度が0℃から55℃まで上昇するに連れて電力変化率は二次関数的に上昇するのである。
【0043】
以下、上記圧縮開始タイミングを定める場合の考え方を、図5(a),図5(b)を用いて具体的に説明する。図5(a),図5(b)において、横軸はバックアップ開始後の経過時間tであり、縦軸はバックアップ電源を用いて消費した電気量の累積値(以下、「電力消費量」と言う)である。
【0044】
図5(a)中における実線Cは、時刻t=0でバックアップを開始した場合における時間tの経過と電力消費量との関係を例示している。時刻t=0でバックアップを開始した直後の消費電力は、画像データが格納されたメモリブロックの数に応じて、実線Cの勾配αで示されるとする。この例では、バックアップ開始後にデータ圧縮を行わなければ、太い破線で示すように、時刻tX(tX<tQ)に電池容量が尽きてバックアップが終了してしまい、バックアップ保証期間tQまでバックアップを継続することができない。
【0045】
そこで、或る圧縮方法を採用するものとして、データ圧縮する際に要する電力α1と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップする際に要する電力α2とに基づいて、バックアップ保証期間tQが終わるまでバックアップを継続できるように圧縮開始タイミングt1を定める。つまり、バックアップ保証期間の満了タイミングtQから、勾配α2,勾配α1で順次遡ってゆき、バックアップ開始直後の勾配αの直線との交点(以下、「圧縮開始点」と言う)Aを求める。この圧縮開始点Aの横座標が圧縮開始タイミングt1に相当するのである。
【0046】
ここで、上記データ圧縮を行う場合には、バックアップ開始直後に比して余分に電力を消費することから、α1>αである。この例では、圧縮完了時刻をt2で表している。圧縮方法(圧縮アルゴリズムや画像解像度を含む)が定まってα1が定まっていれば、圧縮に要する時間(t2−t1)は、圧縮対象となった画像データのサイズに依存する。また、データ圧縮後の状態では、バックアップ対象となるメモリブロックの数が減ることから、α2<αである。
【0047】
また、図5(b)は、図5(a)の場合に比してバックアップ対象である画像データのサイズが大きく、したがってその画像データが格納されたメモリブロックの数が多い場合の時間tと電力消費量との関係を実線C’で示している。時刻t=0でバックアップを開始した直後の消費電力がα’(>α)であったとする。この場合も、図5(a)の場合と同様に、バックアップ保証期間tQまでバックアップを継続することができない。そこで、データ圧縮を行うのに必要な電力α1’と、そのデータ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップするのに要する電力α2’とに基づいて、バックアップ保証期間tQが終わるまでバックアップを継続できるように圧縮開始点A’を求め、圧縮開始タイミングt1’を定めるのである。
【0048】
尚、図5(b)に示す例の場合には圧縮完了時刻がt2’になっている。さらに、図5(a)の場合に比して画像データのサイズが大きいため、データ圧縮を行うのに必要な電力α1’は図5(a)のα1より大きくなり、圧縮に要する時間(t2’−t1’)も図5(a)の(t2−t1)より増えている。これらの結果、圧縮開始タイミングt1’は図5(a)のt1よりも早くなっている。
【0049】
図6は、上述の圧縮開始タイミングを定める考え方を適用した制御部9による処理を例示するフローチャートである。以下、図6に従って、適宜図5(a)中の符号を用いて、バックアップ時圧縮動作について説明する。
【0050】
i) バックアップが開始されると、ステップS11で、制御部9によって、バックアップ用電源27の残量が確認される。バックアップ用電源27の残量は、例えば電源電圧検出センサ(図示せず)を用いてバックアップ用電源27の現時点の電圧を検出し、その電圧に基づいて判断する。
【0051】
ii) 次に、ステップS12で、上記制御部9によって、上記バックアップ用電源27の残量に基づいて、圧縮開始タイミングが到来したか否かが判断される。この例の場合では、バックアップ用電源27の残量が、図5(a)において細い破線で示す電池容量から圧縮開始点Aでの電力消費量を差し引いた値に相当するところまで減った時点で、圧縮開始タイミングt1が到来したと判断されるのである。そして、到来したと判断された場合にはステップS13に進み、そうでない場合には上記ステップS11に戻ってバックアップ用電源27の残量確認が継続される。
【0052】
iii) そして、ステップS13で、上記制御部9によって、その圧縮開始タイミングt1で、少なくとも1つの空きメモリブロックが生ずるように圧縮伸張部8にデータ圧縮を実行させるのである。そうした後、バックアップ時圧縮動作を終了する。
【0053】
以上の処理によって、上記メモリブロック1,2,3,4の中に少なくとも1つの空きメモリブロックを発生させる。そして、制御部9によって電源制御部21を介して上記空きメモリブロックに対応する電源切替スイッチをオープンにして電源供給を遮断することによって、バックアップ時間を長くする。その結果、バックアップ保証期間tQの満了までバックアップを継続することができるのである。
【0054】
また、上記制御部9は、上記圧縮開始タイミングt1が到来して初めて圧縮伸張部8にデータ圧縮を実行させるので、例えばその圧縮開始タイミングt1が到来するまでに商用電源26が復帰した場合には、無駄なデータ圧縮を行う必要はない。したがって、無駄な電力は消費されないのである。
【0055】
また、上記制御部9は、少なくとも1つの空きメモリブロックが生じる場合にのみ圧縮伸張部8にデータ圧縮を実行させるので、無駄な電力が消費されない。
【0056】
また、上記圧縮伸張部8によって圧縮されたデータは、圧縮伸張部8によって伸張され得る。したがって、画質が劣化する可能性はあるが、データが失われることはないのである。
【0057】
次に、上記圧縮伸長部8によって実行されるデータ圧縮のアルゴリズムおよび画像解像度等のパラメータを可変して設定する方法について、具体例を挙げて説明する。
【0058】
上記データ圧縮のアルゴリズム(形式)を変更する方法としては、例えばFAX通信データの場合には、圧縮率の低いMH,MR,MMR形式のデータを圧縮率の高いJBIG形式のデータに変更する方法がある。また、MH形式のデータをMR形式のデータに変換することによっても圧縮率が大きくなる。このような圧縮形式の変換は画質を劣化させない。
【0059】
また、画像の解像度を落す方法としては、例えば解像度400dpi×400dpiである画像データを解像度200dpi×200dpiに変換する方法が挙げられる。この変換によれば、データサイズが簡単に1/4に圧縮される。しかしながら、画質が劣化してしまうのである。
【0060】
また、画像の階調を落とす方法としては、例えば階調性が256階調である画像データを64階調に変換する方法が挙げられる。この変換によれば、データサイズが簡単に1/4に圧縮される。しかしながら、この場合も画質が劣化するのである。
【0061】
次に、上記環境温度予測部10によって行われる環境温度予測について、具体的に例を挙げて説明する。
【0062】
図7(a)はある場所での1日の温度変化を示し、図7(b)は1年間の温度変化を示している。環境温度予測部10は計時手段を備えており、データ圧縮後のバックアップ期間の季節および時間を取得可能になっている。さらに、図7に示すような1日間および1年間の温度変化を温度変化格納部11に格納している。そして、取得したデータ圧縮後のバックアップ期間の季節および時間と温度変化格納部11に格納された1日間および1年間の温度変化とを比較することによって、データ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測するのである。尚、環境温度予測部10による上記環境温度の予測方法については、特に上述の方法に限定するのもではない。
【0063】
その場合に、上記環境温度予測部10には、設置場所入力手段としての入力部12から本画像処理装置が設置されている地域および場所が入力可能になっている。また、環境温度予測部10は、温度検出手段としての温度検出部13から出力される検出温度情報に基づいて、設置場所における所定時間分の環境温度の変化を例えば内部メモリ等に記憶するようになっている。ここで、上記地域に関しては、北海道,関東,九州等のごとく、1年間を通して温度変化が略等しい地域をグループ化しておく。また、場所に関しては、本画像処理装置の設置場所を、例えばオフィス,コンビニまたは工場等の空調条件を特定できる情報を用いる。
【0064】
そして、上記入力部12から入力された地域および場所に基づいて、上記予測した環境温度に補正を施すのである。さらには、温度検出部13からの環境温度の変化記録に基づいて、データ圧縮後の状態でDRAM5をバックアップする期間の環境温度予測精度の向上を図るのである。具体的には、バックアップ用電源27に切り替わる時点での環境温度を、上記環境温度の変化記録から求める。そして、得られた上記切り替わる時点での環境温度と上述した環境温度予測部10による予測結果との差分の分だけ、上記データ圧縮後の状態でのバックアップ期間の予測環境温度を補正するのである。また、本画像処理装置の空調設定を学習し、この学習結果に基づいて環境温度予測部10による予測結果を補正することも可能である。
【0065】
上記実施の形態においては、バックアップされる揮発性メモリとしてDRAM5を例に挙げて説明している。しかしながら、上記揮発性メモリはこれに限定されるものではなく、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)をバックアップする場合にも同様に適用することができる。
【0066】
また、上記実施の形態においては、上記温度変化格納部11,入力部12および温度検出部13は環境温度予測部10と独立しているとして説明したが、温度変化格納部,入力部および温度検出部は環境温度予測部に含まれる概念としても一向に差し支えない。
【0067】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の画像処理装置によれば、データを失うことなく、実際に揮発性メモリのバックアップ時間を長くすることができる。その際に、上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力に対する環境温度の影響を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置におけるメモリに関する電源系統のブロック図である。
【図2】図1におけるメモリに対するデータ入出力系統のブロック図である。
【図3】図2における制御部によって実行されるデータ入出力の処理動作のフローチャートである。
【図4】不揮発性メモリの環境温度とバックアップ時における消費電力の変化率との関係を示す図である。
【図5】圧縮開始タイミングを定める考え方の説明図である。
【図6】図2における制御部によって実行されるバックアップ時圧縮動作のフローチャートである。
【図7】ある場所での1日の温度変化および1年間の温度変化を例示する図である。
【符号の説明】
1,2,3,4…メモリブロック、
5…DRAM、
6…データ入力部、
7…データ出力部、
8…圧縮伸張部、
9…制御部、
10…環境温度予測部、
11…温度変化格納部、
12…入力部、
13…温度検出部、
21…電源制御部、
22,23,24,25…電源切替スイッチ、
26…商用電源、
27…バックアップ用電源。
Claims (4)
- 複数のメモリブロックを有する揮発性メモリを備え、上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対してバックアップ用電源を用いてバックアップを行うようになっている画像処理装置であって、
上記揮発性メモリの個々のメモリブロックに対して電源供給を制御し得る電源供給制御手段と、
上記揮発性メモリに格納されたデータを所定の圧縮方法で圧縮した後、伸張し得るデータ圧縮伸張手段と、
上記揮発性メモリに対するデータ圧縮後のバックアップ期間における環境温度を予測する環境温度予測手段と、
少なくとも1つのメモリブロックが空きメモリブロックとなるように上記データ圧縮伸張手段によってデータ圧縮するのに必要な電力と、上記環境温度予測手段による予測結果に基づいて上記データ圧縮後の状態で上記揮発性メモリをバックアップするのに要する電力とを求め、上記求められたデータ圧縮に必要な電力とバックアップに要する電力とに基づいて、上記データ圧縮伸張手段による圧縮開始タイミングを定めるバックアップ制御手段
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
上記環境温度予測手段は計時手段を有しており、この計時手段による計時結果に基づく季節および時間に応じて、上記環境温度を予測するようになっていることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1あるいは請求項2に記載の画像処理装置において、
設置場所を入力する設置場所入力手段を備えると共に、
上記環境温度予測手段は、上記入力された設置場所に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行う
ようになっていることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1あるいは請求項2に記載の画像処理装置において、
環境温度を検出する温度検出手段を備えると共に、
上記環境温度予測手段は、上記検出された実際の環境温度に応じて、上記予測された環境温度に対して補正を行う
ようになっていることを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003067746A JP2004280233A (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 画像処理装置 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006334948A (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-14 | Ricoh Co Ltd | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、その方法をコンピュータに実行させるプログラム、およびそのプログラムを格納する記憶媒体 |
JP2014137643A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-07-28 | Fujitsu Ltd | データ保持装置、およびデータ保持方法 |
CN105657181A (zh) * | 2016-02-24 | 2016-06-08 | 努比亚技术有限公司 | 一种数据备份方法及装置 |
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2003
- 2003-03-13 JP JP2003067746A patent/JP2004280233A/ja active Pending
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