JP2004279365A - コレステリック液晶光学素子検査装置 - Google Patents

コレステリック液晶光学素子検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光全域でコレステリック液晶光学素子の光学特性を高い精度で再現性良く検査できる装置。
【解決手段】少なくとも400〜700nmの波長を発光する光源1を備え、光源1と測定対象物Oの間に、光源1から発する光源光を平行光とするコリメーター4を備え、その平行光の光路中に、楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光に変換する円偏光変換ユニット5+6を備え、測定対象物Oを通過した光を無偏光状態に変換する偏光解消ユニット11を備え、無偏光状態に変換された検出光をスペクトル分光して各波長の強度を検出する分光光度計12を備えているコレステリック液晶光学素子検査装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コレステリック液晶光学素子検査装置に関し、特に、液晶表示装置等の平面表示装置に用いられるコレステリック液晶からなる光学素子の光学特性の検査を行う基板検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コレステリック液晶(CLC)層を用いた光学素子は、液晶表示装置等において、半透過半反射板、カラーフィルター等に利用される。CLC層は、偏光されていない光を入射させると、CLCの螺旋のピッチに適合する波長であってその螺旋の方向の円偏光成分は反射され、その波長の反対の円偏光成分、及び、他の波長の成分は透過する特性を持っている。このようなCLC層光学素子として、CLC層で全反射による円偏光分離機能を利用して、液晶表示装置の輝度向上フィルムとして用いられる。また、CLC層における一方の円偏光状態の反射・透過比を制御することにより、半透過型液晶表示装置に用いることもできる(特許文献1)。また、CLC層の波長特性を利用して液晶表示装置用のカラーフィルターとしても構成できる(特許文献2、特許文献3)。
【0003】
ところで、液晶表示装置は、高い色再現性が求められるため、可視領域全体に所望の光学特性を要求される。よって、それに用いられる光学素子も同様な性能を求められる。特に、上記のようなCLC層光学素子の場合、その光学特性に高い性能と品質管理が必要となる。
【0004】
従来、このようなCLC層光学素子の検査するために、円偏光を測定光としてCLC層光学素子に入射させて光学特性を評価する一般的な光学測定装置が用いられており、その光学測定装置に円偏光を作る光学素子を任意に挿入して評価を行っていた。従来のこれらの装置は、主に単色のレーザー光を用い、試料の比較的微小なエリアを測定していた。また、使用するレーザーの波長だけの偏光状態を制御すればよいため、円偏光を直線偏光素子と位相子(λ/4波長板)とを組み合わせて発生させる場合、特定の波長のみに合った光学素子を用いればよかった。具体的には、偏光子としてグラントムソンプリズム、波長板として水晶等を用いていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−318234号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−281814号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2000−56338号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術では、可視光全体で良好な偏光状態が得られないため、CLC層光学素子(以下、CLC光学素子)の光学特性の評価が十分にできなかった。
【0009】
すなわち、測定光源―CLC光学素子間、CLC光学素子―検出器間の偏光状態に関して考慮されていなかったため、測定光の偏光状態によって、信頼性の高いデータを得ることができなかった。
【0010】
また、円偏光の測定光とCLC光学素子の間にレンズ系が用いられている場合には、そのレンズ系で偏光状態が変化してしまうため、CLC光学素子の正しい評価が得られなかった。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可視光全域でコレステリック液晶光学素子の光学特性を高い精度で再現性良く検査できる装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のコレステリック液晶光学素子検査装置は、少なくとも400〜700nmの波長を発光する光源を備え、前記光源と測定対象物の間に、前記光源から発する光源光を平行光とするコリメーターを備え、その平行光の光路中に、楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光に変換する円偏光変換ユニットを備え、測定対象物を通過した光を無偏光状態に変換する偏光解消ユニットを備え、前記無偏光状態に変換された検出光をスペクトル分光して各波長の強度を検出する分光光度計を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
この場合に、光源と円偏光変換ユニットの間に光源光を無偏光状態に変換する別の偏光解消ユニットを備えていることが望ましい。
【0014】
また、測定対象物と偏光解消ユニットの間に、測定対象物を透過した楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光を直線偏光に変換して通過させる円偏光直線偏光変換ユニットを備えていることが望ましい。
【0015】
また、その円偏光変換ユニットは、少なくとも400〜700nmの波長範囲において、入射する光を楕円率が95%以上の円偏光状態に変換するものであることが望ましい。
【0016】
さらに、円偏光直線偏光変換ユニットは、少なくとも400〜700nmの波長範囲の楕円率が95%以上の円偏光を直線偏光に変換して通過させるものであることが望ましい。
【0017】
また、円偏光変換ユニット及び円偏光直線偏光変換ユニットは、入射光と射出光の光軸が実質的に同軸であることが望ましい。
【0018】
また、円偏光変換ユニット及び円偏光直線偏光変換ユニットは、入射光と射出光の光軸が実質的に同軸とするダブル型のフレネルロムと直線偏光子とを備えているものであることが望ましい。
【0019】
本発明においては、少なくとも400〜700nmの波長を発光する光源を備え、前記光源と測定対象物の間に、前記光源から発する光源光を平行光とするコリメーターを備え、その平行光の光路中に、楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光に変換する円偏光変換ユニットを備え、測定対象物を通過した光を無偏光状態に変換する偏光解消ユニットを備え、前記無偏光状態に変換された検出光をスペクトル分光して各波長の強度を検出する分光光度計を備えているので、可視光全域でコレステリック液晶光学素子の光学特性を高い精度で再現性良く検査することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のコレステリック液晶光学素子検査装置を実施例に基づいて説明する。
【0021】
本発明のコレステリック液晶光学素子(CLC光学素子)検査装置の大きな特徴は、400〜700nmの波長範囲(可視域)において、入射する光を楕円率が95%以上の円偏光状態を作り出すことと、その円偏光状態を作り出すための円偏光変換ユニットに入射する光及び分光測定する分光光度計に入射する光の異方性をなくすために偏光解消ユニットを配置することと、測定対象物に入射させる光を平行光とすることとである。
【0022】
本発明のCLC光学素子検査装置は、後記の具体的な実施例から明らかなように、基本的に、400〜700nmの波長の光を発光する光源と、その光源から発する光をその波長域で楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光に変換する円偏光変換ユニットと、測定対象物を通過した測定光を無偏光に変換する偏光解消ユニットと、検出器としての分光光度計とを備えているものである。
【0023】
一般に、円偏光を作り出す円偏光素子は、直線偏光素子とは異なり、波長依存性が大きく可視光全体を円偏光に変換するようにするには高い技術が必要となる。例えば、直線偏光素子と4分の1波長位相差素子を組み合わせれば、円偏光状態を作る出すことはできるが、一般には、可視域のある特定の波長のみしか良好な円偏光状態は得られない。それを解決するために広帯域4分の1位相差フィルムと広帯域2分の1位相差フィルムを組み合わせて用いることにより、ある程度波長分散は解消されるものの、可視域全体をカバーするには至らず、通常、緑色の性能を重視して設計される。本発明に用いる円偏光変換ユニットとしては、可視光全域において一定水準以上の楕円率の円偏光状態になる必要であり、特に測定対象がコレステリック液晶層を含む場合、その測定対象に視野角依存性があるため、全波長域で同等な楕円率の円偏光状態が得られるものが必須となる。また、液晶表示装置に使われるCLC光学素子は多種多様であり、それらに対応して標準的な評価を得るには、波長依存性の少ない偏光解析が必要となる。
【0024】
そのため、本発明のCLC光学素子検査装置においては、波長分散が少なく、かつ、高い円偏光状態の円偏光を作り出す円偏光変換ユニットが必要である。さらに、円偏光変換ユニットを調整しても光軸が安定であることも必要であり、検出器である分光光度計の偏光依存性の解消も必要とする。
【0025】
これらを実現するためには、400〜700nmの波長範囲において、測定光の楕円率が95%以上の円偏光であり、円偏光変換ユニットの角度変化に対して光軸が実質的に変化しないこと、分光光度計に入射する光が無偏光であることが満たされなければならない。具体的には、4分の1波長板として、広帯域4分の1位相子を構成し、かつ、入射光と射出光の光軸が実質直線上にあるダブル型のフレネルロム(斜方体、菱面体)を用い、また、検出器の分光光度計に入射する検出光を偏光解消ユニットを通過させることにより達成される。
【0026】
以下に、本発明のCLC光学素子検査装置の1実施例の光学系の構成を図1に示す。この実施例のCLC光学素子検査装置は、光の進む順に、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の400〜700nmの波長範囲の光を発光する光源1と、その光源1からの光を集光する集光レンズ2と、集光レンズ2からの集光光の光路中に配置され光源1からの光の偏光を解消するリオの白色デポラライザー等の偏光解消子3と、偏光解消子3を通った集光光を平行光にするコリメーター4と、コリメーター4を経て平行になった無偏光光を直線偏光光に変換する直線偏光子としてのグラントムソンプリズム5と、グラントムソンプリズム5を通って平行な直線偏光光を所定の方向の円偏光に変換する広帯域4分の1位相子としてのダブル型のフレネルロム6と、ダブル型のフレネルロム6を経た平行な所定の方向の円偏光光が照射されるサンプル(CLC光学素子)Oを光軸に直交するX方向、Y方向に独立に移動可能に載置するXYステージ7と、サンプルOを通過した所定の方向の円偏光光を直線偏光光に戻すダブル型のフレネルロム6と同様のダブル型のフレネルロム8と、ダブル型のフレネルロム8で変換された直線偏光光を通過させる直線偏光子としてのグラントムソンプリズム9と、グラントムソンプリズム9を通って平行な直線偏光光を集光する集光レンズ10と、集光レンズ10で集光された検出光が一端に集光され、その中を導光されるときに偏光を解消する偏光解消ユニットとしての光ファイバー11と、光ファイバー11で導光された検出光をスペクトル分光して各波長の強度を検出する分光光度計12とからなる。
【0027】
なお、上記の光源1からダブル型のフレネルロム6までは下側素子群21を、ダブル型のフレネルロム8から集光レンズ10までは上側素子群22をそれぞれ構成しており、図2にその検査装置の全体の配置を示すように、検査装置の筐体50中の下側素子群ボックス51中にその下側素子群21を配置し、XYステージ7の上側に配置した上側素子群ボックス52中に上側素子群22を配置して、本発明の上記実施例のCLC光学素子検査装置を構成する。
【0028】
ここで、直線偏光を円偏光に、あるいは、円偏光を直線偏光に変換する広帯域4分の1位相子としてのダブル型のフレネルロム6、8について、図4を参照にして説明する。フレネルロム(フレネル斜方体、フレネル菱面体)と呼ばれるものは、図4に符号30、30’で示されるように、4つの平面31、32、33、34で囲まれた屈折率nの透明体からなり、向かい合う平面31と32、33と34は相互に平行で、各面に直交する断面(図の面)内では平行四辺形を構成しており、面31から垂直に入射した光は面33で1回目の全反射をし、その全反射光は面34で2回目の全反射をして面32から垂直に射出するものであり、面33への入射角(反射角)と面34への入射角(反射角)とは等しくなる。そして、よく知られたことであるが、各面での全反射の際にp偏光とs偏光との間に位相差が発生する。全反射の際に起こる位相差量は各面33、34への入射角に依存する。通常は、1回の全反射の際に45°(波長の8分の1)の位相差が発生するように平面31(32)と33(34)の間の角度を選択して1個のフレネルロムで90°の位相差が発生するようにして4分の1位相子として用いられる。
【0029】
しかし、その位相差発生の原理から、1回の全反射の際に22.5°(波長の16分の1)の位相差を発生するように平面31(32)と33(34)の間の角度を選択することもできる。図示の例では、透明体(ガラス)の屈折率nとしてn=1.51のものを用い、空気の屈折率nをn=1.00とするとき、図示のように、平面31(32)と33(34)のなす角度を74.72°とすることにより、8分の1位相子として用いることができる。
【0030】
このような8分の1位相子のフレネルロムを同じ形状のものを2個30、30’用意して、一方のフレネルロム30の射出光軸の周りで他方のフレネルロム30’を相対的に180°回転させて、一方のフレネルロム30の射出面32と他方のフレネルロム30’の入射面31とを相互に接着させてΛ状に構成すると(ダブル型のフレネルロム6、8)、当然ながら各々の2倍の位相子、すなわち、4分の1位相子として機能する。
【0031】
このようなダブル型のフレネルロム6、8は、全反射を利用して位相差を発生させているため、波長が変わっても位相差量が余り変化しない特長があり、そのため、広体域での4分の1位相子として用いることができる。直線偏光子として高い消光比10−6以上が得られる例えばグラントムソンプリズム5、9と組み合わせることにより、400〜700nmの波長範囲において楕円率が95%以上の円偏光を得ることができ、また、サンプルOを透過した測定対象の円偏光成分以外の成分を十分にカットすることができる。
【0032】
さらに、ダブル型のフレネルロム6、8は、入射光41と射出光42が一直線になり、この直線(光軸)の周りでそのダブル型のフレネルロム6、8を回転させても、射出光42の位置は変わらない特長がある。
【0033】
図1の光学系の構成に戻って、直線偏光子としてのグラントムソンプリズム5と、ダブル型のフレネルロム6と、サンプルOと、ダブル型のフレネルロム8と、直線偏光子としてのグラントムソンプリズム9との配置関係を図3に示す。図3(a)はこれらの光学素子の配置を示す斜視図、図3(b)は光学素子5、6、8、9の光軸周りの角度関係を示す図である。直線偏光子5の透過軸(両矢符で示す。)は図中の垂直軸に対して90°をなす水平方向に配置され、ダブル型のフレネルロム6の屈曲部の方向(入射面の方向。太い矢印で示す。)は、垂直軸に対して左側に45°をなす方向に配置され、ダブル型のフレネルロム8の屈曲部の方向(入射面の方向。太い矢印で示す。)は、垂直軸に対して右側に45°をなす方向に配置され、直線偏光子9の透過軸(両矢符で示す。)は垂直軸に対して90°をなす水平方向に配置される。
【0034】
このような配置であると、グラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光に変換する円偏光変換ユニットに入射した入射光61は、例えば右円偏光に変換されてサンプルOに入射し、その円偏光状態を変化させずにサンプルOを透過した成分は、ダブル型のフレネルロム8とグラントムソンプリズム9からなる円偏光直線偏光変換ユニットで円偏光からグラントムソンプリズム9で減衰されずに透過する直線偏光に変換されて射出光62として透過する。これに対して、サンプルOで円偏光状態が変化された成分(右円偏光から左円偏光になった成分)やノイズ光は円偏光直線偏光変換ユニットで減衰される。そのため、グラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光変換ユニットに対して、ダブル型のフレネルロム8とグラントムソンプリズム9からなる円偏光直線偏光変換ユニットを配置することで、サンプルOを透過した所定の円偏光成分をより正確に検出できることになる。
【0035】
図1のCLC光学素子検査装置を用いて、サンプルOのCLC光学素子の光学特性の検査のし方を説明する。まず、サンプルOの面内の光学特性の分布を検査するには、XYステージ7上にサンプルOを載置し、グラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光変換ユニットと、ダブル型のフレネルロム8とグラントムソンプリズム9からなる円偏光直線偏光変換ユニットの、図3での垂直方向を所定角度方向に固定して、光源1を点灯し、その光源1からの400〜700nmの波長範囲の光を集光レンズ2で集光させ、その集光光の光路中に配置され偏光解消子3で偏光を解消して無偏光光とし、偏光解消子3を通った集光光をコリメーター4で平行光にし、その無偏光光(入射光)61をグラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光変換ユニットで所定方向の円偏光光に変換する。この円偏光光を測定光としてXYステージ7上のサンプルOの光軸位置に入射する。そのサンプルOを通過した所定方向の円偏光は、ダブル型のフレネルロム8とグラントムソンプリズム9からなる円偏光直線偏光変換ユニットを経て直線偏光光に戻されて検出光(射出光)62となり、その検出光62は集光レンズ10で光ファイバー11の入射端に集光され、その中を導光されて偏光が解消され、その導光された検出光を分光光度計12に入射させてスペクトル分光され各波長毎のサンプルOの測定点の透過特性が検出される。
【0036】
サンプルOの測定点は、XYステージ7を光軸に直交するX方向、Y方向に移動調節することにより変えられるので、サンプルOの面内の所定方向の円偏光の透過波長特性の分布がこのようにして検査される。
【0037】
また、サンプルOのCLC光学素子は法線の周りで異方性が存在するので、その異方性を考慮した測定をするには、測定点を通る光軸周りで、グラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光変換ユニットと、ダブル型のフレネルロム8とグラントムソンプリズム9からなる円偏光直線偏光変換ユニットの角度関係を相互に固定したまま、両者を180°の角度範囲で順に一定角度ずつ回転させながら検出光のスペクトル分光を行うことにより、所定方向の円偏光の透過波長の角度依存性が測定できる。
【0038】
さらに、サンプルOに入射する測定光は、楕円率が100%であることが望ましいが、グラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光変換ユニットによっても、実質楕円率が100%の測定光は困難であり、測定光が楕円偏光である以上、異方性を有してしまう。一方、サンプルOのCLC層にもその螺旋の回転数が整数でない場合に異方性を有してしまうため、測定光と測定対象物の角度関係によって評価結果が異なる。そこで、得たい結果やサンプルの種類によっては、サンプルOの方位と測定光の楕円の軸との角度関係を定める必要がある。その場合にも、測定点を通る光軸周りで、グラントムソンプリズム5とダブル型のフレネルロム6からなる円偏光変換ユニットと、ダブル型のフレネルロム8とグラントムソンプリズム9からなる円偏光直線偏光変換ユニットの角度関係を相互に固定したまま、角度調節する。
【0039】
このように、本発明のCLC光学素子検査装置においては、下側素子群21中の円偏光変換ユニットと、上側素子群22中の円偏光直線偏光変換ユニットとを光軸周りで回転調節して測定を行うため、回転位置の違いによる偏光状態の差を解消するために、下側素子群21中の光源1と集光レンズ2の間にリオの白色デポラライザー等の偏光解消子3を、上側素子群22中の集光レンズ10と分光光度計12の間に偏光を解消する偏光解消ユニットとしての光ファイバー11を配置することが望ましい。
【0040】
また、下側素子群21中の円偏光変換ユニットを通ってサンプルOに至る測定光を平行光にして、その偏光状態を変化させないようにしている。CLC層をサンプルOとすると、CLC層の光学特性は入射角依存性があるため、斜め入射と垂直入射では測定結果が異なる。そのため、レンズ系等を用いて、測定光を集光した光とした場合、測定結果に信頼性が得られない。本発明のCLC光学素子検査装置においては、その問題を避けるために測定光をコリメーター4で平行光としており、さらに、その平行光が円偏光変換ユニットと円偏光直線偏光変換ユニットを透過するため、高い円偏光状態の円偏光を作り出すことができている。
【0041】
ところで、本発明のCLC光学素子検査装置の測定対象であるCLC層を持つ光学部材は、CLC層の厚さにより特定方向の円偏光の透過反射比が決まる。CLC光学素子検査装置においては、CLC層が選択反射する一方の円偏光のみを入射させて、その透過反射比を測定するが、CLC層から反射される円偏光は実質的に真円円偏光であるため、入射する円偏光が真円に近いものでないと正しい評価が得られない。もし、楕円率が小さい楕円偏光を測定光として用いた場合、実際の性能よりも透過率が高くなってしまう。また、広帯域コレステリック半透過層はどの波長であっても真円反射をするので、測定光もまた、各波長で高い楕円率が必要とされる。具体的には、楕円率は95%以上あれば、測定データとして信頼性が得られる。上記実施例のような本発明のCLC光学素子検査装置によれば、ダブル型のフレネルロム6、8からなる広体域での4分の1位相子と、10−6以上の高い消光比が得られるグラントムソンプリズム5、9等の直線偏光子とを組み合わせて、400〜700nmの波長範囲において楕円率が95%以上の円偏光を得るようにしているので、高信頼性の測定データが得られる。
【0042】
なお、400〜700nmの波長範囲において楕円率が95%以上の円偏光を得るための位相子としては、複数枚の位相差板を組み合わせることでも達成可能であるが、光の損失を考えると、上記実施例のようなダブル型のフレネルロムを用いることが望ましい。また、検出側の偏光解消ユニットとしては、上記実施例のようなある程度の長さ有する光ファイバー11や、偏光解消板、積分球、拡散板等を用いることもできる。
【0043】
以上、本発明のコレステリック液晶光学素子検査装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコレステリック液晶光学素子検査装置によると、少なくとも400〜700nmの波長を発光する光源を備え、前記光源と測定対象物の間に、前記光源から発する光源光を平行光とするコリメーターを備え、その平行光の光路中に、楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光に変換する円偏光変換ユニットを備え、測定対象物を通過した光を無偏光状態に変換する偏光解消ユニットを備え、前記無偏光状態に変換された検出光をスペクトル分光して各波長の強度を検出する分光光度計を備えているので、可視光全域でコレステリック液晶光学素子の光学特性を高い精度で再現性良く検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCLC光学素子検査装置の1実施例の光学系の構成を示す図である。
【図2】図1のCLC光学素子検査装置の全体の配置を示す図である。
【図3】図1の光学系の主要部の配置関係を示す図である。
【図4】図1の光学系で用いられている4分の1位相子としてのダブル型のフレネルロムの構成を説明するための図である。
【符号の説明】
O…サンプル(CLC光学素子)
1…光源
2…集光レンズ
3…リオの白色デポラライザー(偏光解消子)
4…コリメーター
5…グラントムソンプリズム(直線偏光子)
6…ダブル型のフレネルロム(広帯域4分の1位相子)
7…XYステージ
8…ダブル型のフレネルロム(広帯域4分の1位相子)
9…グラントムソンプリズム(直線偏光子)
10…集光レンズ
11…光ファイバー(偏光解消ユニット)
12…分光光度計
21…下側素子群
22…上側素子群
30、30’…フレネルロム(フレネル斜方体、フレネル菱面体)
31、32、33、34…平面
41…入射光
42…射出光
50…筐体
51…下側素子群ボックス
52…上側素子群ボックス
61…入射光(無偏光光)
62…射出光(検出光)

Claims (7)

  1. 少なくとも400〜700nmの波長を発光する光源を備え、前記光源と測定対象物の間に、前記光源から発する光源光を平行光とするコリメーターを備え、その平行光の光路中に、楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光に変換する円偏光変換ユニットを備え、測定対象物を通過した光を無偏光状態に変換する偏光解消ユニットを備え、前記無偏光状態に変換された検出光をスペクトル分光して各波長の強度を検出する分光光度計を備えていることを特徴とするコレステリック液晶光学素子検査装置。
  2. 前記光源と前記円偏光変換ユニットの間に光源光を無偏光状態に変換する別の偏光解消ユニットを備えていることを特徴とする請求項1記載のコレステリック液晶光学素子検査装置。
  3. 測定対象物と前記偏光解消ユニットの間に、測定対象物を透過した楕円率が95%以上の円偏光状態の測定光を直線偏光に変換して通過させる円偏光直線偏光変換ユニットを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のコレステリック液晶光学素子検査装置。
  4. 前記円偏光変換ユニットは、少なくとも400〜700nmの波長範囲において、入射する光を楕円率が95%以上の円偏光状態に変換するものであること特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のコレステリック液晶光学素子検査装置。
  5. 前記円偏光直線偏光変換ユニットは、少なくとも400〜700nmの波長範囲の楕円率が95%以上の円偏光を直線偏光に変換して通過させるものであること特徴とする請求項3又は4記載のコレステリック液晶光学素子検査装置。
  6. 前記円偏光変換ユニット及び前記円偏光直線偏光変換ユニットが、入射光と射出光の光軸が実質的に同軸であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のコレステリック液晶光学素子検査装置。
  7. 前記円偏光変換ユニット及び前記円偏光直線偏光変換ユニットは、入射光と射出光の光軸が実質的に同軸とするダブル型のフレネルロムと直線偏光子とを備えているものであることを特徴とする請求項6記載のコレステリック液晶光学素子検査装置。
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