JP2004279209A - 計量装置における重量信号補償装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】計量装置が有する重量測定系に起因して変化する重量信号が計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程にほぼ等しい信号を、基準とする信号を入力したとき、出力するようにCPU24が伝達関数を同定し、計量装置の稼働時に、伝達関数に基準とする信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を、CPU24が生成する。CPU24は、稼働時に補償信号を計量装置の重量信号に作用させて、重量信号の温度変化を補償する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量装置に電源を供給したとき、この計量装置を流れる電流による発熱によって重量信号に生じるドリフトを補償する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
計量装置としては、例えばロードセルのような重量センサ、測定回路及びA/D変換回路を備えるものがある。これらの部分は、電源の供給によって発熱する。上述した重量センサ等に含まれる抵抗器、半導体等の温度が上昇することによって、重量信号の零点やスパンに変動が生じる。
【0003】
電源投入直後の重量信号は、上記のように変動する性質を持っているので、計量装置への電源投入直後のタイミングから計量値を計量装置の表示装置に表示したならば、重量信号が大きくドリフトする。このドリフト期間に計量装置を使用すると正しい重量を表示しない。また、計量装置の調整時におけるドリフト期間に零点調整やスパン調整が行われると、その後に行われる重量測定は正確なものではなくなる。この点を改善するため、電源投入時から重量信号が安定するのに充分な時間が経過するまで、計量装置に計量値を表示させないようにし、計量装置を使用できないようにしている。また、電源投入時から充分に時間が経過した後に、スパン調整している。しかし、このような使用不能な時間が存在しないことが望ましく、電源投入直後に計量信号のドリフトを補償する装置が必要になる。
【0004】
このような補償手段を備えた計量装置の例が、特許文献1、2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−228121号公報
【特許文献2】
特開平6−307965号公報
【0006】
特許文献1の技術では、計量装置の調整モードにおいて、電源投入後から予め設定した時間まで、重量測定信号の零点の測定値を演算回路のメモリに記憶させ、電源投入後の時間と零点測定値とを対応させたテーブルをメモリ内に作成する。計量装置の使用モードには、時間経過に応じた零点測定値をテーブルから読み出して、現在の測定値から読み出した値を減算して、零点ドリフトを補償する。
【0007】
特許文献2の技術では、計量装置の重量センサの内部の温度を検出する温度センサを設け、電源投入後の重量測定信号の零点出力の変化量を、センサ内部の温度と、経過時間との関数として捉えている。重量センサの調整モードにおいて、予め重量センサの異なる内部温度ごとに、電源投入時から経過時間に応じて変化する零点出力を測定して、メモリに記憶させる。測定出力に対して重量センサの内部温度と経過時間とを変数としたテーブルを作成し、計量装置の使用モードにおいて、重量センサの内部温度と電源投入時からの経過時間とを測定して、これらに対応する測定記憶値をテーブルから読み出して、現在の測定値から読み出した値を減算して、零点のドリフトを補償している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の技術では、重量センサの周囲の温度変化を考慮せずに、テーブルを作成しているので、周囲温度が変化したときに、正しく零点のドリフトを調整することができない。
【0009】
特許文献2の技術では、重量センサの周囲温度を考慮しているので、特許文献1での問題は生じない。しかし、様々な温度ごとに電源投入時からの経過時間と、様々な時間ごとの零点測定値を記憶しなければならず、テーブルの構成が複雑になり、メモリに多くの容量が必要になる。
【0010】
また、特許文献2の技術では、ストレインゲージ式の重量センサのように、ストレインゲージの実際の温度変化が、温度センサによって検出されている温度変化よりも速い場合に問題が生じる。ストレインゲージ式のロードセルでは、電源投入時の零点ドリフトの最大の要因は、通電によるストレインゲージの発熱によりストレインゲージに生じる抵抗値変化である。重量センサに対して電源が投入されてから、しばらくして電源が遮断され、幾分の時間の経過後に、電源が投入された場合、ストレインゲージの温度は速い時間に上下するので、重量センサの内部に温度センサを設けているとしても、ストレインゲージの温度変化に温度センサの出力が追従していない。従って、温度センサの出力は、ストレインゲージの温度を正しく反映していなく、正しい補償ができない。上記の各問題点は、重量信号の零点の変動として捉えたが、重量信号のスパンにおいても同様な問題点が生じる。
【0011】
本発明は、計量装置に電源投入した直後に重量信号の測定系に含まれる部品の発熱によって生じる重量信号のドリフトを、簡単な構成によって補償する補償装置を提供することを目的とする。また、本発明は、重量センサの内部温度、例えば重量を電気信号に変換する変換部の温度を温度センサが正確に測定していないときでも、電源投入時の重量測定系の重量信号の変化を正しく補償することができる補償装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の1態様の計量装置における重量信号補償装置は、補償信号生成手段を有している。この補償信号生成手段が重量信号を補償する計量装置では、電源投入時に、例えば無負荷の状態であっても、この計量装置に含まれる重量測定系、例えばロードセル、具体的にはストレインゲージ式ロードセル、このロードセルからの信号を増幅する増幅手段、この増幅手段の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段を含む重量測定系における構成部品の発熱に起因して、重量信号が変化する。その重量信号は、前記電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するように変化する。この変化の過程を、基準とする信号を入力したとき、前記信号変化過程にほぼ等しい信号を出力することができるように、前記計量装置の調整時に同定された伝達関数を、前記補償信号生成手段が有している。この補償信号生成手段は、計量装置の稼働時に、伝達関数に前記基準とする信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を生成する。補償信号生成手段としては、例えばデジタルフィルタを使用することができ、構成の簡易化のため、巡回型のデジタルフィルタを使用することが望ましい。計量装置の稼働時に前記補償信号を前記計量装置の重量信号に作用させて、演算手段が前記重量信号の温度変化を補償する。補償信号は、零点の変動の補償用とすることもできるし、スパンの変動の補償用とすることもできる。
【0013】
このように構成した補償装置では、補償信号生成手段によって補償信号を生成するように構成しているので、テーブルに多数のデータを記憶する必要が無く、補償信号生成手段の構成を簡略化することができる。特に、巡回型のデジタルフィルタを補償信号生成手段として使用した場合には、遅延用のメモリと、いくつかの乗算手段と、加算手段とによって構成することができ、更に補償信号生成手段の構成を簡略化することができる。
【0014】
補償信号生成手段は、計量装置の周囲気体温度を直接に前記気体からまたは前記重量測定系の構成部品から間接的に測定する温度センサを備えることができる。その場合、基準とする入力信号の大きさまたは伝達関数のゲインを、温度センサの出力信号の関数とする。
【0015】
計量装置の周囲気体温度が異なると、計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程も異なり、補償信号生成手段の伝達関数も、周囲気体温度ごとに異なる。しかし、伝達関数の相違は、或る周囲気体温度における測定信号変化過程に基づいて同定した伝達関数におけるゲインを周囲気体温度の関数と見なして、ゲインを変更することによって、或いは伝達関数に入力する基準信号を周囲気体温度の関数と見なして変更することによって対応することができる。
【0016】
計量装置への電源供給停止時から電源の供給が再開されるまでの時間経過を測定する経過時間測定手段を設けることができる。この場合、経過時間測定手段によって測定された時間に応じて、補償信号生成手段の補償信号が補償信号変更手段によって変更される。
【0017】
このように構成した場合、例えば計量装置に電源が供給された後、電源が遮断され、短期間に再び電源が供給されたような場合でも、再び電源が供給された後に発生する補償信号は、電源が供給されていなかった期間における温度低下を見込んだものとなる。従って、正確な補償を行うことができる。温度センサを重量センサに設けて、重量センサの内部温度を測定するように構成し、その温度変化に基づいて伝達関数の特性を変更するように構成したとしても、上述したように温度センサが正確に重量センサの内部温度を測定していないことがある。このようなときでも、上述したような構成であるので、電源投入時の重量測定系の重量信号の変化を正しく補償することができる
【0018】
本発明の他の態様による計量装置も補償信号生成手段を有している。この補償信号生成手段は、計量装置が有する重量測定系に起因して変化する重量信号が前記計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程にほぼ等しい信号を、基準とする信号を入力したとき、出力する伝達関数の型式が予め決定されており、稼働のための前記計量装置への電源供給直後に得られる重量信号の値から前記伝達関数が持つ定数を決定し、前記決定された定数を持つ前記伝達関数に前記基準とする信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を生成する。伝達関数の型式としては、例えば1次遅れ系、無駄時間プラス1次遅れ系、高次遅れ系のような伝達関数の一般式を意味する。この一般式には、少なくとも1つの定数が含まれているが、この定数の値が、計量装置に稼働のために電源が供給された直後に得られる重量信号の値に基づいて決定される。稼働時に前記補償信号を前記計量装置の重量信号に作用させて、前記重量信号の温度変化を演算手段が補償する。
【0019】
このように構成すると、計量装置の稼働のために、計量装置に電源が供給された直後に、伝達関数の定数が定められるので、稼働時の計量装置の周囲温度を考慮した状態で、伝達関数の定数が決定される。従って、温度センサ等を設け、その温度センサの値から伝達関数の定数を決定する必要がなく、温度センサが不要になる。
【0020】
本発明の別の態様でも、補償信号生成手段が設けられている。補償信号生成手段は、計量装置が有する重量測定系に起因して変化する重量信号が前記計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程にほぼ等しい信号を、基準とする信号を入力したとき、出力する伝達関数が予め決定されている。稼働のための計量装置への電源供給直後に得られる重量信号の値から前記伝達関数に入力されたと見なせる前記基準とする信号の大きさが決定される。この決定された基準信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を補償信号生成手段が生成する。稼働時に前記補償信号を前記計量装置の重量信号に作用させて、前記重量信号の温度変化を演算手段が補償する。
【0021】
この態様でも、計量装置の周囲気体温度によって変化する基準信号の大きさを、稼働モードにおいて計量装置に電源を供給した直後の重量信号に基づいて決定している。従って、温度センサを設けて、その温度センサの値から、周囲気体温度に対応した基準信号の値を推定する必要が無く、温度センサが不要になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
計量装置において、電源が投入された重量測定系部品は、これらに流れる電流によって発熱し、温度上昇が生じる。これによって、計量装置からの重量信号にドリフトが生じる。やがて、重量測定系部品が熱平衡すると、ドリフトも飽和し、一定の大きさの最終値に収束する。
【0023】
図3(a)は、時刻t0において計量装置に電流が供給された場合に、重量信号Wが最終値Axに向かって零点ドリフトし、収束する状態を示している。電源供給による重量測定系部品の温度上昇による、時間経過に対する重量信号の変化は、一般式、例えば1次遅れの伝達関数G(s)=1/(Ts+1)を持つシステムに、図3(b)に示すように高さAxのステップ信号を入力した場合の時間応答出力信号とみなすことができる。この現象は、零点変動のみではなく、スパン特性にも表れる。伝達関数G(s)の定数である時定数Tで表される遅れ特性は、主として測定系の重量・電気信号変換部、信号増幅部を構成する電子部品の発熱、放熱応答特性から形成される熱応答であって、重量測定系に固有の性質である。
【0024】
重量センサの周囲気体温度が異なったとき、重量・電気信号変換部の電流加熱による熱平衡温度も異なり、重量信号の変化量が異なる。
【0025】
図4は、電流加熱による重量センサの重量・電気信号変換部や増幅部が時間経過と共に温度上昇し、零点出力が時間経過と共に曲線状に変化する様子を示している。周囲気体温度の違いによる重量センサ内部の温度によって、最終値の大きさが異なることと、通電前の零点出力が異なることを表している。
【0026】
電源供給後、重量信号がそれぞれの温度において全変化量の約60パーセントまで変化するのに要する時間Tは、ほぼ一定である。この現象は重量測定系の周囲気体温度に対応した大きさのステップ信号を、放熱、発熱特性を表す時定数Tの1次遅れ要素を持つ伝達関数G(s)に入力したときの出力信号として表すことができる。
【0027】
本発明による零点等のドリフトの補償技術の第1のものは、予め計量装置の調整モードにおいて、計量装置への電源供給開始時からの重量信号の時間経過に伴う変化過程を、或る基準入力信号が或るシステムに入力された場合の出力信号であると見なして、当該或るシステムの伝達関数を入力及び出力信号から同定し、計量装置の稼働時には、基準入力信号を前記或るシステムに入力し、その出力信号である時間応答波形信号によって、重量信号を補償しようとするものである。
【0028】
この技術では、調整モードにおいて、計量装置の重量測定系の周囲気体温度をほぼ一定にしておき、計量装置に電源を供給し、重量測定系が熱平衡するまでの重量信号の変化を測定する。この出力変化を熱応答系にステップ信号を入力したときの過渡応答特性と見なして、熱応答系の伝達関数G(s)を同定する。
【0029】
経験的にG(s)は1次遅れ系で近似できるので、ステップ信号入力に対して電源投入後、約63.2パーセント応答する時間Tを測定して、G(s)=1/(1+Ts)を決定すればよい。即ち、伝達関数の定数を決定できる。但し、重量センサの性質によっては、高次遅れ系、無駄時間プラス1次遅れ系などの型式に近似することもできる。
【0030】
過渡応答特性は、重量測定系の熱容量、伝熱、放熱特性によって決定されるが、過渡応答特性の最終値、即ち、変化量の大きさは、重量測定系の稼働開始時点での周囲気体温度によって決まる。重量測定系の温度によって、電源が供給されたとき、電流加熱によって熱平衡する温度が異なり、その値に応じて重量センサの重量信号の変化量も異なる。
【0031】
従って、入力するステップ信号の高さの値を周囲気体温度の関数とする。そのため、予め調整モードにおいて、複数種類の周囲気体温度に重量測定系を充分に長い時間にわたって置いて、その後に電源を供給して、重量信号の変化量を測定し、温度と変化量との関係を最小自乗法などの推定法を使用して、関数化しておく。
【0032】
補償の対象を重量センサの出力信号の零点の変動にとって説明する。重量センサの周囲気体温度または重量センサの内部温度を測定する温度センサを設け、計量装置の稼働モードでは、温度センサから得られる温度データによってステップ信号の高さを決める。重量センサの内部に温度センサの感温部分を配置したならば、電流加熱による温度上昇の影響を受ける場合には、温度センサは直接に周囲気体温度を測定するようにする。
【0033】
計量装置の調整モードにおいて、ステップ信号の高さと熱応答に関する伝達関数が定められていると、計量装置に電源を供給したときからの時間経過に伴う零点変化量を、計量装置の稼働モードにおいて重量信号を測定せずに、時間経過に伴って演算によって得られる。従って、計量装置に電源が投入された直後から、計量装置に荷重が負荷されても、零点変動を補償することができる。
【0034】
計量装置では、一旦供給された電源が遮断され、再び供給されることがある。この場合、一旦加熱され温度上昇した重量・電気信号変換部等が冷却され、電源供給によって再び温度上昇する。零点出力は、この温度変化に応じて変化する。この温度変化は重量センサの内部に温度センサを設けても、温度センサが重量・電気信号変換部、例えばストレインゲージ式ロードセルのストレインゲージそのものの温度に時間遅れなく追従できないので、従来の方法は、比較的短い時間の間に、電源を供給、遮断した場合、零点変化を正しく表すことができない。
【0035】
電源が遮断された場合、重量・電気信号変換部では予め定められた熱応答特性に応じて放熱が行われ、温度降下する。そこで、本発明は、計量装置の電源を遮断したときから、再び電源が供給されるまでの時間を計時手段によって測定している。計時手段としては、例えば計量装置のバッテリー電源などでバックアップされたクロックカウンタを使用する。電源が再び供給されたとき、電源が遮断されていた期間には、大きさ零のステップ信号が伝達関数に入力されていたものとして、応答値を計算することができる。
【0036】
この状態を図5に示す。図5は、G(s)=1/(1+Ts)で表される重量センサの熱応答系において、周囲気体温度がθで、電源供給後の電流加熱による零点変化量の最終値がZ(θ)である場合に、計量装置に時刻0で電源の供給を開始し、時刻t1で電源を遮断し、時刻t2で再び電源を供給した場合の零点出力の変化を示している。図5において、時刻0から時刻t1までの時間t1が、計量装置に備えられているクロックカウンタによってカウントされ、Z(θ)が予め定めた温度センサの出力と零点変化量との関数から与えられるので、A点の大きさ(時刻t1での零点変化量)は、
Z(θ、t1)=Z(θ)・{1−exp(−t1/T)}
によって計算できる。時刻t1において計量装置の電源が遮断されると、重量・電気信号変換部の温度が低下していく。そして、時刻t2に電源が供給されたとする。時刻t1からt2までの時間(t2−t1)は、バックアップされているクロックカウンタによって計測されている。B点の大きさ(時刻t2における零点変化量)は、
Z(θ、t2)=Z(θ)・{1−exp(−t1/T)}{exp[−(t2−t1)/T]}= Z(θ、t1){exp[−(t2−t1)/T]}
である。従って、C点の大きさ(時刻t3における零点の変化量)は、
Z(θ、t3)={Z(θ)−Z(θ、t2)}{exp[−(t3−t2)/T]}+Z(θ、t2)
と表される。Z(θ、t3)の値によって、零点補償値を求め、これを稼働中の重量センサの出力信号から減算することによって、電源の供給、遮断が繰り返されて、重量・電気信号変換部の温度が過渡的な値をとっても、正確に重量センサの零点を補償することができる。
【0037】
特許文献2に示されている様な技術では、多くの温度条件の下で、多くの時間ごとに零点変化量を記憶させる必要があるので、多くのメモリを必要とするが、本発明では、予め定められた伝達関数を表す式に計測した時間を代入して計算させることによって補償信号が得られるので、多くのメモリが不要である。
【0038】
実際に演算回路において上記の各式に時間を代入して計算させるよりも、熱応答の伝達関数G(s)を差分方程式に変換し、この差分方程式に基づいて図6に示すような1次遅れの巡回型デジタルフィルタを作成し、基準入力信号を入力して、補償信号を出力させる。この場合でも、多くのメモリは不要である。
【0039】
本発明の技術は、アナログ的にも実現が可能である。重量測定系の熱平衡特性に相当する伝達関数を表す回路を、抵抗器とコンデンサとからなるアナログフィルタによって構成する。一定電圧を感温抵抗器で分圧したものを使用して、周囲気体温度に応じて大きさが変化する電圧信号を作成し、この電圧信号をこのアナログフィルタへの入力信号とする。このアナログフィルタの出力をA/D変換器によってデジタル化し、演算回路に入力して、重量センサからの重量信号と演算して、零点の補償を行う。
【0040】
このように、入力信号回路とアナログフィルタ回路を構成すれば、電源投入と同時に、周囲気体温度に応じた高さのステップ電圧信号が上記のアナログフィルタに入力され、重量信号の変化と同じようにアナログフィルタの出力が変化し、電源を遮断した状態のときも、本来、重量測定系に電圧が与えられ、信号測定状体であれば、検出されるであろう重量信号の変化を表すことができる。
【0041】
本発明による零点変動の補償の別の解決技術は、計量装置の稼働モードにおいて、電源の供給が行われるごとに、電源供給後の比較的短い経過時間の間に、複数回分の重量信号を時間経過と共に測定し、これら測定値から最終変化値を予測する関数の定数を決定し、これら定数を組み込んだ関数を使用して、変化が収束するのに充分長い時間が経過するまでの零点変化量を算出して、出力し、その出力信号によって零点を補償するものである。この関数の一般式は、例えば1/1+Tsのように予め定められている。
【0042】
電源供給時点の重量・電気信号変換部等の温度がどのような値であっても、そのときの重量信号の変化を短い時間だけ測定し、これら測定値によって長い時間の経過後に重量信号が取る値を推定できる関数の定数を決定し、決定された定数を含めて関数を作成し、その作成後には、重量信号を測定しなくても、重量信号の変化量の推定出力が得られ、この推定出力によって、重量信号の変化を補償する。
【0043】
上記定数である長い時間経過後の重量信号の大きさを、電源供給後できるだけ速く推定することによって、電源供給後の速いタイミングから零点補償を可能にし、計量装置を使用状態に速くすることができる。上記定数の一部である時定数Tは予め調整モードにおいて重量信号の変化を測定することによって、定めておくこともできる。
【0044】
本発明の第1の解決技術を詳細に説明する。図2において縦軸に重量信号の大きさW、横軸に経過時間tをとって、電源供給後に初めて重量信号がサンプリングされる時刻を時刻t0として、そのときのサンプリング重量値をW(t0)とする。重量測定系の部品の温度が電流加熱によって時間経過と共に上昇するので、重量センサから出力された重量信号も時間経過と共に変化し、図2のようにほぼ1次遅れ応答の波形となる。重量信号は、時刻t0から充分に時間が経過した時刻tnにおいてほぼ最終値W(tn)となり、時刻t0における重量0からAxnだけ変化して安定する。この応答波形は、近似的に時定数Tの時間応答式
w(t)=W(t)−W(t0)=Axn[1−exp(−t/T)]・・・・・(1)
で表され、時定数Tの値は、重量測定系に使用されている部品の熱容量、熱伝導度によって決まる固有の値である。
【0045】
また、上記の時間応答式は、高さがAxnのステップ入力信号が、伝達関数
G(s)=1/(1+Ts)・・・(2)
のシステムに入力されたときの過渡応答、または高さが1のステップ入力信号が、伝達関数
G(s)=Axn/(1+Ts)
のシステムに入力された場合の過渡応答を表す。
【0046】
応答変化量Axnは、電源供給時点の測定系周辺の温度、その時点で測定系の部品が保持している温度と、電源供給後の加熱によって熱平衡した後の測定系の部品が保持している温度との差によって決定される。従って、Axnは、電源供給直後の測定系を構成する部品が保持している温度によって異なる。
【0047】
Axnを重量測定系の温度θの関数としてAxn(θ)と表すと、(1)式は、
w(t)=W(t)−W(t0)=Axn(θ)[1−exp(−t/T)]・・・・・(3)
と表される。従って、伝達関数G(s)も、重量測定系の温度がθのとき、
G(s)=Axn(θ)/(1+Ts)
と表される。これは、(2)式で表される伝達関数の系に大きさAxn(θ)のステップ信号を入力すると考えることも可能である。
【0048】
重量測定系において熱容量の大きい部品は重量センサであり、実際の重量測定系での電源投入時の特性は、重量センサの重量・電気信号変換部の性質によって主に支配される。そこで、本発明を重量センサに基づく零点変化に事例を取って以下に説明する。
【0049】
計量装置の調整モードでは、計量装置を周囲気体温度がほぼ一定である雰囲気中に置く。計量装置への電源供給後、測定回路素子と演算回路素子との動作が完全に正常になった後に最初に行われるA/D変換による重量信号の出力をW(t)=W(t0)とする。このタイミングをt0とする。サンプリング時間間隔をΔtとすると、時間間隔がΔtである各時刻t1、t2、t3・・・・における重量信号のデジタル値W(t)を順に演算回路のメモリに記憶させる。この動作を、充分に測定系が熱平衡し、重量信号が一定の値に収束するのに充分な時間が経過した時刻tnまで行う。予め予備テストによって応答波形を観測すれば、tnの値を決定することは容易に行える。サンプリング時間間隔Δtは、電源投入から熱平衡するまでの時間に比べて充分に短い値である。各サンプリングデータを記憶した後に、データ処理を行う。
【0050】
データ処理では、各記憶値の中で適当に定めた時間間隔mΔtを持つ時刻tkとt(k+m)との2つの時刻での零点変動値vk、v(k+m)と、vn=Axn(θ)の値とを使う。vkの値は、
vk=W(tk)−W(t0)=W(tk)−W(0)・・・(4)
として求められる。(3)式よりt=tk及びt=t(k+m)において、
w(tk)=vk=Axn(θ)[1−exp(−tk/T)]
w(tk+tm)=v(k+m)=Axn(θ)[1−exp(−t(k+m))/T)]
であるので、
vn−vk=Axn(θ)[exp(−tk/T)]=wk
vn−v(k+m)=Axn(θ)[exp(−t(k+m)/T)]=w(k+m)・・・(5)
となる。従って、
wk/w(k+m)=exp(−tk/T)/exp(−t(k+m)/T)・・・・(6)
であるので、両辺の自然対数をとると、
log{wk/w(k+m)}=log{exp(−tk/T)/exp(−t(k+m)/T)}=log{exp(−tk/T)}−log{exp(−t(k+m)/T)}=[t(k+m)/T]−[tk/T]={t(k+m)−tk}/T
となる。従って、時定数Tは、
T={t(k+m)−tk}/log{wk/w(k+m)}・・・(7)
によって求めることができる。時定数Tを正確に求めるためには、上記と同様な計算を、2つの時刻のそれぞれ異なる複数の組合せを使用して演算し、複数の時定数Tを求め、これらを平均したものを時定数Tとして使用することもできる。
【0051】
時定数Tの決定法の別のものとして、時定数Tは応答がAxn(θ){1−exp(−1)}=0.63212Axn(θ)に到達する時間から決定されるので、v1からvnまでの中で、最も0.63212Axn(θ)に近い値を探す。0.63212Axn(θ)に近い値に対応する時刻が時定数Tである。複数回のテストを行い、テストごとに時定数Tを求め、各時定数の平均値を算出し、この平均値を時定数Tとして使用することもできる。
【0052】
このようにして時定数Tが決定されると、次に重量測定系の周囲温度θを変更して、測定系が充分に周囲温度に等しくなった時点で電源を供給し、重量信号を測定して、電源投入時の変化がほぼ一定の値に飽和した時点で、電源投入時からの変化量Axn(θ)を求める。複数の周囲気体温度と、温度ごとのAxn(θ)とから、例えば最小自乗法によって任意の温度θにおけるAxn(θ)が求められるように、関数Axn(θ)の推定式を作成する。時定数TもAxn(θ)と同様に各周囲気体温度別にデータを求め、周囲気体温度の関数T(θ)の形で表すこともできる。
【0053】
重量信号に対する補償は、次のようにして行う。稼働モードにおいて、計量装置への電源供給に続いて、温度センサの出力を測定して、周囲気体温度θを求め、Axn(θ)の推定式にθを代入して、Axn(θ)を求める。基準入力信号であるステップ信号を上記の伝達関数G(s)へ入力したときの時間応答関数として、w(t)={W(t)−W(t0)}=Axn(θ)(1−exp(−t/T))を決定する。
【0054】
w(t)は、電源供給時から時間tが経過した時点での変化量の推定値を表している。従って、電源供給開始時点から常にどのタイミングにおいても、重量測定系が熱平衡した状態の零点を得るためには、電源供給後の経過時点tにおいてw(t)を計算し、現在の重量信号から熱平衡した重量信号までの変化分{Axn(θ)−w(t)}を補償値として求め、重量信号に加算すればよい。
【0055】
電源供給後から、継続して、上記の補償演算を行わせても、w(t)はやがてAxn(θ)の値に接近するので、最終的には補償値は零となり、問題はない。しかし、計量精度から見て、充分に零に接近する時間を予め定めて、この定めた時間を補償演算を行わせる最大時間とすることが望ましい。
【0056】
このように、本発明の補償手段では、変化過程を遅れ要素を持つ伝達関数で近似し、基準信号を入力したときの時間応答値として変化量を推定しているので、多くのメモリ容量を必要としない。
【0057】
また、本発明の補償手段は、電源が供給されてからしばらくして電源が遮断され、比較的短い時間の後に、また電源が投入されても、正しく電源供給時の零点変化を含む重量信号の変化を補償できるようにされている。
【0058】
即ち、上述した伝達関数G(s)は、
G(s)=H(s)/F(s)=1/(1+Ts)
と表される。従って、F(s)は、
F(s)=(1+Ts)・H(s)で表される。これを時間空間に変換すると、
f(t)=T*dh(t)/dt+h(t)
となる。これを差分方程式に変形すると、
f(nΔt)=T[h(nΔt)−h((n−1)Δt)/Δt]+h(nΔt)
となり、h(nΔt)は、
h(nΔt)=Ah((n−1)Δt)+Bf(nΔt)
となる。但し、A=(T/Δt)/{(T/Δt)+1}
B=1/{(T/Δt)+1}
である。但し、Δtは、t1、t2、t3・・・・の時間間隔であり、Tよりも充分に小さい値である。上記の式に基づいて図6に示すような巡回型デジタルフィルタを作成する。この巡回型フィルタは、h(n−1)を得るための遅延素子2と、A、Bを乗算するための乗算器4、6と加算器8とによって構成されている。
【0059】
図5において、t≦t1までは、図6のフィルタにΔtごとにf(nΔt)=Z(θ)を入力して、h(nΔt)を得る。Z(θ)はAxn(θ)である。従って、時刻t1までは基準ステップ信号としてAxn(θ)が与えられている。
【0060】
時刻t0において計量装置に電源が供給されると、計量装置のCPUのプログラムが起動され、温度センサの温度出力θを読み込んで、基準入力信号f(nΔt)=Z(θ)を決定する。アナログ回路が正常に動作するタイミングを待って、CPUが重量信号の読み込みを開始すると共に、Δtごとに巡回型フィルタの出力h(nΔt)を計算する。{Z(θ)−h(nΔt)}を求めて、補償値とし、同時刻に得られた重量信号に、この補償値を加算して、重量信号を補償する。
【0061】
時刻t1において、電源が遮断されると、h(nΔt)の値は、電源バックアップメモリに記憶される。このタイミングのフィルタ出力値をh(nΔt)=h(t1)とする。
【0062】
時刻t2において、電源が再び供給されると、CPUは直ちに電源遮断時に記憶したh(t1)をメモリから読み出し、フィルタの出力値として、巡回型フィルタの入力を0とおいて、即ち、基準入力信号として0を入力し、電源が遮断されていた時間t2−t1の時間分だけ、nを1から増加させて、t=t2におけるフィルタ出力値h(t2)を求める。時定数Tは時間間隔Δtよりも大きいので、係数Aの値は1よりも小さい。従って、h(t2)はh(t1)よりも小さい値となる。なお、この計算は、実際の時間t2−t1よりも非常に短い時間のうちに行われる。このh(t2)の値をフィルタ出力値とし、かつ基準入力を再びf(nΔt)=Z(θ)としてΔtごとに、出力を計算して、時刻t2以後のフィルタ出力値h(t)を求める。上記と同様にして、{Z(θ)−h(t)}を求めて、これを補償値として、同時刻に得られた重量信号に、この補償値を加算して、重量信号を補償する。
【0063】
無論、時刻t2におけるプログラムの立ち上がり時には、温度θを測定して、新しいZ(θ)を求めておく。時刻t2−t1が長く、周囲気体温度が次第に変化して、θの値が例えばθ3に変化した場合には、Z(θ)=Z(θ3)が決定され、この値が時刻t2以後の基準入力としてフィルタに入力され、図5に点線で示すような応答が出力される。
【0064】
クロックカウンタは、電源が供給されるごと、電源が遮断されるごとにリセットされるが、それ以外の時間にはクロックをカウントし続け、演算回路は、フィルタ回路出力値を計算するとき、カウンタの値を読み取る。
【0065】
このように、本発明の計量装置は、重量測定系の電源が供給、遮断されても、それによる電流加熱と放熱とによる重量信号の変化の状況を、シミュレーションする機能を有している。
【0066】
次に、本発明の第2の解決技術について説明する。伝達関数を1次遅れ系とするなら、時定数Tと、ゲインまたは基準入力信号とを、測定重量信号から稼働モード時に推定する。少なくとも電源供給直後のサンプリング時刻0から同時刻t1またはt2まで、計量動作不可能な時間帯として、それぞれの時刻にサンプリングした重量値をW(t0)、W(t1)、W(t2)とすると、(4)式より、重量信号の変化量v1、v2が
v1=W(t1)−W(t0)
v2=W(t2)−W(t1)
として求められる。v1、v2の最終値をvn=Axnとすると、w1=vn−v1、w2=vn−v2とすると、(5)、(6)式より、
w1/w2=exp(−t1/T)/exp(−t2/T)
となり、式(7)から、
T=(t2−t1)/log(w1/w2)=Δt/log(w1/w2)
として、時定数Tが稼働モードにおいて算出される。これによって、伝達関数G(s)=1/(1+Ts)を稼働モードにおいて同定する。TとW(t0)、W(t1)とを使用すれば、以下のようにようにして、定数である最終値Ax1を算出できる。
【0067】
時刻t1において重量信号W(t1)が測定されているので、
W(t1)−W(t0)=Ax1[1−exp(−t・T)]
と求められる。よって、Ax1は、
Ax1=w0={W(t1)−W(t0)}/[1−exp(−t・T)]・・・・(8)
と求められる。但し、電源供給直後に零点変化量を推定するために重量信号を測定している間には、負荷荷重は掛けない。時定数Tは伝達関数G(s)のs項の係数である。Ax1は伝達関数の出力応答信号を得るために入力されるステップ信号の高さ、或いは高さが1のステップ信号が入力される伝達関数のゲインである。
W(t1)から最終値Ax1までの偏差分w1は、
w1=Ax1−Ax1[1−exp(−t1/T)]=Ax1*exp(−t1/T)
であるので、時刻t1における重量値の熱平衡後の重量値との偏差分を補償した推定重量W(t)’は、
W(t)’=W(t1)+w1=W(t1)+Ax1*exp(−t1/T)
と表せる。調整モードにおいて、時定数Tを予め求めていると、時刻t2以降には、零点の変動を補償することができる。図2においてw2を
w2=Ax1−Ax1[1−exp(−t2/T)]=Ax1*exp(−t2/T)
と計算する。従って、時刻t2においてサンプリングされた重量信号W(t2)の熱平衡までの変動分を補償した重量値W(t2)’は、
W(t2)’=W(t2)+Ax1*exp(−t2/T)
と演算できる。以下、同様にして、サンプリング時刻ごとに、補償を行うことができる。時刻t2以降におけるサンプリング重量値から、荷重が載荷されていても補償を可能とするために、(8)式の値を継続的に使用する。
【0068】
このように演算することで、電源投入後の短い時間の後に、零点ドリフトの補償された計量動作を行うことが可能になる。しかも、Ax1を決定するために、温度センサは不要である。
【0069】
例えばtn=120秒であるような計量装置において、この補償を行わない場合には、計量を開始するまでに120秒もの時間、待つ必要があるが、この補償を行うと、Δt=20m秒の場合、電源供給後、アナログ回路の安定する数10m秒の短い時間だけ、待機した後に始まる時刻t0から時刻t2に至る40m秒または時刻t3に至る60m秒後には、計量開始可能となる。
【0070】
電源供給後できるだけ速く計量が開始できるように、時刻t0、t1の2回のサンプリングで、最終値Ax1を決定した。しかし、計量装置の測定系には各種のノイズが混入することがあるので、時刻tm(最終値Ax1にほぼ等しい測定値が得られる時刻よりもかなり短い時刻)までの各サンプリング値を使用して、推定最終値Ax1、Ax2・・・・Axmを求め、これらの平均値を推定最大変化量Axnとして使用することもできる。この場合、W(tm)までのサンプリング値には、加熱による重量変化分以外の変化分が含まれてはならないので、計量は時刻t(m+1)以後になる。
【0071】
上記の例では、基準入力信号をステップ信号としたが、実際の重量測定系への電源供給時の出力変化が、ステップ入力で近似する場合よりも緩やかである場合には、基準入力信号を、電源が供給されてから一定時間の間は時間経過と共に増加し、その後に一定レベルに飽和するランプ入力とすることもできる。
【0072】
上記の説明は、本発明を零点の変動の調整に適用したものであるが、同様にスパン補償も行うことができる。スパン補償の場合、調整モードにおいて、重量センサを無負荷とし、そのとき出力信号がほぼ零になるように調整して、上述したように電源供給時の零点変化量が充分に安定するまでの間、零点変化量wを所定時間間隔Δtごとにサンプリングして、時系列零点変化量データw(t)としてメモリに記憶させる。
【0073】
続いて、電源を遮断して、重量センサに与えられている熱量を完全に放熱させた後、重量センサの定格容量分の負荷をかけ、出力を測定する。変化が安定するまで重量センサの出力を所定時間間隔Δtごとに測定して、その測定データを零点変化分を含む時系列スパン変化量データwa(t)として記憶させる。これらデータwa(t)から対応する零点変化量w(t)を減算して、スパン変化分の時系列データws(t)を求め、メモリに記憶させる。
【0074】
電源供給時の重量信号の変化が緩やかな場合には、Δtを長く取り、毎回、零点変化量w(t)を測定し、スパン変化量データwaを測定して、スパン変化分の時系列データws(t)を求めるようにしてもよい。
【0075】
時刻tnにおいてws(tn)がほぼ一定に達したとすると、記憶したws(t0)、ws(t1)・・・ws(tn)の各スパン変化分の時系列データに対して、そのときの周囲気体温度をθ1として、周囲気体温度θ1のときの電源供給後の時間経過に伴うスパン変化率r(θ1、t)を、
r(θ1、t)=ws(t)/ws(tn)
の演算によって求める。但し、tはt0乃至tnである。これが、スパン変化過程を表す。重量センサの温度を、θ1以外に、θ2、θ3(θ1<θ2<θ3)にそれぞれ長い間保った後に、上記と同様にしてr(θ2、t)、r(θ3、t)を求める。そして、対応する温度データθ1、θ2、θ3と、r(θ2、t)、r(θ3、t)とを組にして、3元一次連立方程式を解くか、最小自乗法によって温度θの関数であるr(θ、t)を決定し、計量装置の稼働モードにおける電源供給時に、温度センサによって温度を読み込み、r(θ、t)を求める。
【0076】
もし、重量センサのスパンが電源供給後に時間経過に伴って増加する性質のものであると、電源供給時のr(θ、t0)(<1)は、或る時間経過後の時刻tnにr(θ、tn)=1に変化するので、零点変化の場合と同様に、時刻t0において大きさが{1−r(θ、0)}のステップ信号が入力される1次遅れ系の伝達関数を同定し、この伝達関数の時間応答値から、電源供給後の任意の時間におけるスパン比率を得ることができる。そして、計量装置の稼働モードにおいて重量信号を測定したとき、時刻t0からtnまでは経過時間に応じたスパン比率を上記伝達関数より求めて、そのスパン比率によってそのときの重量測定値を除算すれば、スパン補償を行うことができる。
【0077】
計量装置の電源供給時のスパンのドリフトは、通電前の温度と、通電加熱が完了した後の温度との差によって異なり、この温度差に応じてスパンの変動量も異なるので、電源供給時のスパンドリフト補償も零点ドリフト補償と同様に行える。
【0078】
【実施例】
図1に、本発明のうち、第1の解決技術を実施するための計量装置を示す。この計量装置は、重量センサ、例えばストレインゲージ式ロードセル12を有している。このロードセル12の重量信号は増幅手段、例えば演算増幅器14によって増幅され、フィルタ手段、例えばアナログフィルタ16によって不要な各種ノイズが除去された後、スイッチング手段、例えばアナログスイッチ18を介してデジタル変換手段ん、例えばA/D変換器20に供給される。A/D変換器20によってデジタル化されたデジタル重量信号は、入出力回路22を介して制御手段、例えばCPU24に供給される。CPU24には、記憶手段、例えばROM、RAM、EEPROMからなるメモリ26が接続されている。また、ロードセル12及び演算増幅器14、A/D変換器20等の計測系の周囲の気体温度を測定する温度センサ28も設けられている。温度センサ28は、ロードセルの起歪体におけるゲージの電流加熱による温度変化の影響を殆ど受けない部分に設置され、起歪体が感じる周囲気体の温度を検出する。温度センサ28の出力は、アナログスイッチ30を介してA/D変換器20に供給され、デジタル温度信号に変換され、入出力回路22を介してCPU24に供給される。アナログスイッチ18、30は入出力回路22を介してCPU24によって開閉制御される。
【0079】
一定時間間隔Δtごとにクロックを発生するパルス発生器32が設けられている。このクロックは、ゲート34を介して経過時間測定手段、例えばカウント36に供給されている。カウンタ36は、そのカウント値を出力データラインpから入出力回路22を介してCPU24に供給する。また、カウンタ36は、リセット端子Rにリセット信号が入出力回路20を介してCPU24から供給されたとき、リセットされる。また、カウンタ36のカウント値が飽和すると、s端子からゲート34にゲート閉信号が供給され、カウンタ36へのクロック信号の入力が禁止される。パルス発生器32、ゲート34及びカウンタ36はバッテリ38によってバックアップされており、計量装置の重量測定系への電源供給が絶たれても、カウンタ36はクロックのカウンタを行える。
【0080】
CPU24には、CPU24にデータを設定したり、操作命令を与えるためのキースイッチ40と、表示装置42とが接続されている。
【0081】
計量装置の電源スイッチがオンされると、重量信号が電流加熱によって変化する時間に比べて充分に短い時間の間に、CPU24が動作を開始する。また、ロードセル12、増幅回路14等も正常に動作する。電源が供給されてから、重量測定系の動作が立ち上がり、重量信号の測定、A/D変換が可能な状態になるまでに必要な時間tsは、カウンタ36の値を読み込んで判断する。CPU24は、カウンタ36の値がtsに相当する値よりも大きくなってから、A/D変換器20の出力信号を読み込む。
【0082】
キースイッチ40の操作によって、調整モードを指令すると、CPU24は、調整モードであることをメモリ26中の不揮発性メモリであるEEPROMに書き込む。一旦、電源を遮断して、重量測定系での加熱による影響が完全に消えるのを待つ。次に、電源を供給すると、計量装置は調整モードで動作を開始する。即ち、電源供給後の短い時間の後に、CPU24が動作を開始し、カウンタ36のカウント値を読み取り、直ちにカウンタ36をリセットする。カウンタ36は、リセット後、クロック信号のカウントを開始する。カウンタ36のカウント値は、CPU24に周期的に読み取られる。カウント値が経過時間tsに相当する値以上になると、CPU24は経過時間tをt0において、このときに読み込んだデジタル重量信号をW(t0)とする。経過時間tsは、重量測定系が電源供給後に機能的に正常に動作するのに必要な時間であって、重量信号が安定するまでに必要な時間と比較して極めて短い。
【0083】
以後、CPU24は、ΔtごとにA/D変換器20からデジタル重量信号とカウンタ36のカウント値とを読み取り、時系列にW(t1)、W(t2)・・・・W(tn)としてメモリ26に記憶させる。予め設定された重量信号の変化量が充分に安定するのに要する時間が経過したと、カウント値からCPU24が判断したとき、データの記憶作業が終了する。このとき、温度センサ28から温度信号がCPU24に読み込まれ、その温度はθ1であるとする。温度信号の読み込みは、デジタル計量信号の読み込みに先立って行っても良い。
【0084】
キースイッチ40を操作すると、零点変化量Axnが、W(tn)−W(t0)に基づいてCPU24によって演算される。このときの温度はθ1であるのでAxnはAxn(θ1)である。温度θ1とAxn(θ1)とがメモリ26に記憶される。
【0085】
続いて、キースイッチ40の操作によって、時系列データW(t0)、W(t1)・・・・W(tn)のうち、予め定めた時刻tk、t(k+m)のW(tk)、W(t(k+m))から、CPU24は、上述したようにw(tk)、w(t(k+m))を求め、更に上述したようにして時定数Tを求める。
【0086】
計量装置の電源を遮断して、重量測定系の温度をθ2、θ3・・・・θmと変化させ、重量測定系がそれぞれ温度θ2、θ3、・・・θmになった時点で、計量装置の電源を供給して、θ1の場合と同様にCPU24が演算を行う。
【0087】
温度の違いによって、零点変化量はAxn(θ1)、Axn(θ2)・・・・Axn(θm)と求められたので、これらのデータから様々な温度における零点変化量Axn(θ)を求めるための関数の係数を決定する。即ち、最小自乗法を使用して、Axn(θ)を2次方程式によって表すなら、
Axn(θ)=a1*θ2+a2*θ+a3
の各係数a1、a2、a3を決定する。時定数Tも、Axn(θ)のように各温度θ1乃至θmにおける時定数T1乃至TmからT(θ)を求める式を作成することも可能であるが、周囲気体温度によって変化することは少ないので、T1乃至Tmのうち任意の個数のものの平均値を時定数Tとして使用する。
【0088】
Axn(θ)と時定数Tとは、調整モードの終了時点でメモリ26のEEPROMに記憶される。また、上述した巡回型フィルタの係数A、Bが、Δtと時定数TとによってCPU24によって演算され、EEPROMに記憶される。
【0089】
調整モードの終了後にキースイッチ40の操作によって、計量装置を稼働モードに変更することができる。この時点で計量装置の電源を遮断する。CPU24は稼働モードであることをEEPROMに記憶させる。
【0090】
電源が遮断されることを検知したCPU24は、カウンタ36をリセットする。カウンタ36はバックアップ電源38によって動作を継続しており、カウンタを開始して、電源が遮断されている時間を測定している。
【0091】
次に、使用者が計量装置の電源を供給すると、重量測定系に電源が供給され、CPU24等が動作を開始する。電源が遮断されている間もカウンタ36はカウントを継続しているが、長い間にわたって電源が遮断されている場合には、カウンタ36のカウント値は飽和値に達しており、カウントを停止している。
【0092】
CPU24は、カウンタ36の値を読み込み、カウンタ36をリセットする。このように、カウンタ36は、電源が遮断されている間、及び電源が供給されている間を、それぞれ独立してカウントする。電源が遮断されていた時間は、次に電源が計量装置に供給されたときに、CPU24がカウント値を読み込むことによって判る。また、電源が供給されたとき、CPU24は温度センサ28から温度信号を読み込む。
【0093】
電源供給時に読み込まれたカウント値が予め定めた値以上の場合には、長時間にわたって電源が遮断されていたとみなして、巡回型フィルタの出力h(nΔt)を0にして、CPU24は巡回型フィルタの演算を開始する。
【0094】
電源が遮断されることを検知したときに、CPU24は、重量測定系の電源が遮断された時点における巡回型フィルタの出力h(nΔt)をEEPROMに記憶させている。
【0095】
電源が供給されたとき、カウンタ36のカウント値が予め定めた値よりも小さい場合には、前回に電源を遮断してからの経過時間が短いので、前回電源を遮断したときに記憶させた出力h(nΔt)をEEPROMから読み出し、この値をフィルタ出力値とし、入力は0として、電源が遮断されていた時間をΔtで除算した値(カウンタ36のカウント値)だけ巡回演算をさせて、電源供給時のフィルタ出力h(nΔt)を求める。
【0096】
温度センサ28の出力は、電源供給時にCPU24によって読み取られる。CPU24は、この温度信号に基づいてAxn(θ)を求め、これを入力信号f(nΔt)として巡回型フィルタに供給する。
【0097】
ここまでの演算を、電源が供給された後のわずかな時間の間に行い、以後の巡回型フィルタの出力h(nΔt)を求める計算は、Δtの経過ごとに行う。このフィルタ出力を元に、補償値wcを、z(θ)−h(nΔt)として演算する。Δtごとにデジタル重量信号がCPU24によって読み取られ、そのときに算出されている補償値wcと加算されて、零点補償が行われる。時刻tn以後には、フィルタの出力値は入力値にほぼ等しくなっているので、補償演算を停止させることができる。また、継続的に演算を行っても良い。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、計量装置に電源投入した直後に、重量信号の測定系に含まれる部品の発熱によって生じる重量信号のドリフトを、簡単な構成によって補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の補償装置を備えた計量装置のブロック図である。
【図2】計量装置における電源供給後の重量信号の変化を示す図である。
【図3】計量装置の重量信号の変化を示す図と、この重量信号の変化を伝達関数によってシミュレーションする際に入力するステップ信号とを示す図である。
【図4】計量装置において、異なる温度における重量センサの零点出力の変化を示す図である。
【図5】図1の計量装置において電源の供給、遮断、電源再供給した場合の零点出力の変化を示す図である。
【図6】図1の計量装置において使用する巡回型デジタルフィルタのブロック図である。
【符号の説明】
12 ロードセル
24 CPU(補償信号生成手段、演算手段)
28 温度センサ
Claims (5)
- 計量装置が有する重量測定系に起因して変化する重量信号が前記計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程にほぼ等しい信号を、基準とする信号を入力したとき、出力するように同定された伝達関数を有し、前記計量装置の稼働時に、前記伝達関数に前記基準とする信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を生成する補償信号生成手段と、
前記稼働時に前記補償信号を前記計量装置の重量信号に作用させて、前記重量信号の変化を補償する演算手段とを、
具備する計量装置における重量信号補償装置。 - 請求項1記載の重量信号補償装置において、前記補償信号生成手段は、前記計量装置の周囲気体温度を直接に前記気体からまたは前記重量測定系の構成部品から間接的に測定する温度センサを備え、前記基準とする入力信号の大きさまたは前記伝達関数のゲインを、前記温度センサの出力信号の関数とした重量信号補償装置。
- 請求項1記載の重量信号補償装置において、前記計量装置への電源供給停止時から電源の供給が再開されるまでの時間経過を測定する経過時間測定手段が設けられ、この経過時間測定手段によって測定された時間に応じて、前記補償信号生成手段の補償信号を変更する補償信号変更手段が設けられている重量信号補償装置。
- 計量装置が有する重量測定系に起因して変化する重量信号が前記計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程にほぼ等しい信号を、基準とする信号を入力したとき、出力する伝達関数の型式が予め決定されており、稼働のための前記計量装置への電源供給直後に得られる重量信号の値から前記伝達関数が持つ定数を決定し、前記決定された定数を持つ前記伝達関数に前記基準とする信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を生成する補償信号生成手段と、
前記稼働時に前記補償信号を前記計量装置の重量信号に作用させて、前記重量信号の温度変化を補償する演算手段とを、
具備する計量装置における重量信号補償装置。 - 計量装置が有する重量測定系に起因して変化する重量信号が前記計量装置への電源投入時から或る時間の経過後にほぼ最終値に到達するまでの信号変化過程にほぼ等しい信号を、基準とする信号を入力したとき、出力する伝達関数が予め決定されており、前記計量装置への電源供給直後に得られる重量信号の値から前記伝達関数に入力されたと見なせる前記基準とする信号の大きさを決定し、この決定された基準信号を入力したときの時間応答出力計算値に相当する補償信号を生成する補償信号生成手段と、
前記稼働時に前記補償信号を前記計量装置の重量信号に作用させて、前記重量信号の温度変化を補償する演算手段とを、
具備する計量装置における重量信号補償装置。
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