JP2004279176A - 吸着体の寿命推定方法およびこれを用いた脱臭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の吸着体の推定手法である加速試験法においては、最適設計を求めるのに実験を繰り返して行なわなければならず、時間的にも経済的にも負担のかかるものである。また、計算による寿命予測手法は、定数や変数などの取り扱いが煩雑で、利便性に乏しいものであり、実験と計算を併用した方法では、変数などの取り扱いは簡便になるが、その実験系の条件のみに限定され、やはり最適設計には実験を繰り返す必要があるものであった。
【解決手段】第1の条件における破過特性について実験を行い、破過特性に対する初期除去率と破過時間とを定数として得られる関数近似式に基づき、第1の条件と吸着剤量等が異なる場合における吸着体の寿命を、確認実験を行うことなく、前記関数近似式の一部を定数変更するだけにより、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、簡便に推定できる、吸着体の寿命推定方法が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の条件における破過特性について実験を行い、破過特性に対する初期除去率と破過時間とを定数として得られる関数近似式に基づき、第1の条件と吸着剤量等が異なる場合における吸着体の寿命を、確認実験を行うことなく、前記関数近似式の一部を定数変更するだけにより、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、簡便に推定できる、吸着体の寿命推定方法が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機や脱臭装置などの脱臭手段に用いられている吸着体の寿命特性を推定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の吸着体の寿命推定については、一般的には加速試験法が用いられている。この手法は実使用条件より高濃度のガスを通気させ、その実験結果から予測するものであり、実験での濃度と実際の濃度の比を加速係数とするのが一般的である。
【0003】
また、一部には、計算による寿命予測手法や、実験と計算を併用した方法も見られる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−321257号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
加速試験法においては、機器やシステムの最適設計を求めるのに実験を繰り返して行なわなければならず、時間的にも経済的にも負担のかかるものである。
【0006】
また、計算による寿命予測手法は、定数や変数などの取り扱いが煩雑で、利便性に乏しいものであり、実験と計算を併用した方法では、変数などの取り扱いは簡便になるが、その実験系の条件のみに限定され、やはり最適設計には実験を繰り返す必要があるものであった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式により、簡便な方法で吸着体の寿命を予測することが可能な、吸着体の寿命推定方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、空間速度、吸着体の吸着剤量、吸着体の比表面積等が既知である所定の条件とは、条件が異なる場合でも、改めてその異なる条件(状態)で確認試験を行なうこともなく、所定の条件における経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式を一部変更するだけで、簡便に、吸着体の寿命を予測することが可能な、吸着体の寿命推定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の吸着体の寿命推定方法は、吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
【0010】
【数2】
【0011】
で表される、経過時間tと除去率kとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定するものである。
【0012】
これにより、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、初期の除去率koと除去率koが100%を維持すると仮定したときの破過時間τが既知の場合に簡便に取り扱える、経過時間tと除去率kとの相関を表す数式により、任意の除去率kにおける経過時間tより、吸着体の寿命が推定できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
【0014】
【数3】
【0015】
で表される、経過時間tと除去率kとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定するもので、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、経過時間tと除去率kとの相関が、初期の除去率koと破過時間τという定数を含んだ簡便な数式により表すことが可能となり、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定して、簡便に吸着体の寿命を予測することが可能となるものである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
k=ko×(1−ko)(t/ τ )/((1−ko)+ko×(1−ko)(t/ τ ))
で表される、除去率kと経過時間tとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定するもので、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、除去率kと経過時間tとの相関が、初期の除去率koと破過時間τという定数を含んだ簡便な数式により表すことが可能となり、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定して、簡便に吸着体の寿命を予測することが可能となるものである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、所定条件における空間速度SV1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から空間速度SV2が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)(SV1/SV2)
τ2=τ1×(SV1/SV2)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、空間速度が所定の条件とは異なる場合に、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、所定条件における吸着体の吸着剤量G1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から吸着剤量G2が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間定数τ2とを、それぞれ、
k2=k1
τ2=τ1×(G2/G1)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、吸着体の吸着剤量が所定の条件とは異なる場合に、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0019】
請求項5に記載した発明は、請求項1または2に記載の発明において、所定条件における吸着体の比表面積S1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から吸着体の比表面積S2が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)(S2/S1)
τ2=τ1
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、吸着体の比表面積が所定の条件とは異なる場合に、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0020】
請求項6に記載した発明は、請求項1または2に記載の発明において、空間速度SV1と、吸着体の吸着剤量G1と、吸着体の比表面積S1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知である条件1に基づき、空間速度SV2(既知)、吸着剤量G2(既知)、比表面積S2(既知)、初期の除去率k2、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2という条件2における前記除去率k2と破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1))
τ2=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、条件2における空間速度、吸着体の吸着剤量、吸着体の比表面積が、所定の条件1とは異なる場合に、その異なる条件2における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0021】
請求項7に記載した発明は、特に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸着体の吸着作用は、化学吸着による吸着作用とすることにより、吸着容量の濃度依存性が小さくなるため、さらに精度よく吸着体の寿命を推定することができる。
【0022】
請求項8に記載した発明は、特に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸着体は、ハニカム体とすることにより、比表面積や吸着剤量が安定すため、さらに精度よく吸着体の寿命を推定することができる。
【0023】
請求項9に記載した発明は、ガスを通気させる吸着体と、前記吸着体にガスが通気する時間を計時する計時手段と、表示手段とを備え、請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法を用いて、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定し、前記時間tが経過後に、前記吸着体の寿命が終わったとして前記表示手段で表示することを特徴とした、吸着体の寿命推定方法を用いた脱臭装置とした。これにより、吸着体の交換時期がきたこと等を容易に知ることができるようになる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面に基づき説明する。
【0025】
(実施例1)
本発明の第1の実施例において、関数近似工程の説明を行う。
【0026】
まず、予備実験を行なった。セル数が205個/inch2のハニカム体にマンガン、銅、コバルトの複合酸化物をコロイダルシリカをバインダーとして0.1g/ccの担持量(吸着剤量)とした。これを吸着体1とする。
【0027】
この吸着体1に対して、50ppmの硫化水素を、空間速度(SV)を20000/hとして通気したところ図1に示す破過特性を得た。このとき実験開始直後の初期の除去率は99.99%であった。また、この吸着体1の硫化水素の20℃における吸着等温線を測定したところ図2のようになった。平衡濃度に依存せず、吸着量がほぼ一定であり、これは化学吸着作用による吸着であることを示している。
【0028】
次に、空間速度を2倍の40000/hで通気したところ初期の除去率は99%であった。さらに4倍の80000/hで通気したところ初期の除去率は90%であった。
【0029】
以上から、空間速度SV1における初期の除去率をk1、任意の空間速度SV2における初期の除去率をk2とすれば、
k2=1−(1−k1)(SV1/SV2) (1)
として近似できる。
【0030】
一方、吸着体1に吸着した硫化水素は、マンガンなどと化学結合を形成していくため吸着体1の実質の体積は吸着量に従い減少するため、実質の空間速度は、体積の減少に反比例して増大していくとみなせる。吸着量は除去率×時間の累積に比例するので、これより、設定された空間速度をSVo、経過時間tにおける実質の空間速度をSVとすれば、SVは次の(式2)で表すことができる。ただし、吸着量と除去率×時間の累積との比例係数を1/τとする。
【0031】
【数4】
【0032】
(式1)および(式2)より、除去率kに関する積分方程式を立てて解けば、破過特性を表す次の(式3)を得る。
k=ko×(1−ko)α/((1−ko)+ko×(1−ko)α) (3)
また同じく、(式1)および(式2)より、経過時間tに関する積分方程式を立てて解けば、破過特性を表す次の(式4)を得る。
【0033】
【数5】
【0034】
(式3)、(式4)において、koは初期の除去率であり、(式3)において、αはt/τを表す変数(パラメータ)であり、(式3)、(式4)において、τは除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を示す定数である。この(式3)または(式4)を用いて、予め実験により得られているko=0.9999、τ=8hの関係を用いて、吸着体1の破過特性の近似を試みた。近似の結果と実験結果とを図1に合わせて示す。図1から、精度よく一致できていることが示されている。
【0035】
このように、初期の除去率を空間速度の比で表した(式1)および吸着量の経時変化を空間速度の経時変化として対応した(式2)により求めた、関数近似の(式3)または(式4)は、精度よく、破過特性を表現できることが示された。
【0036】
(実施例2)
本発明の第2の実施例において、吸着体の担持量(吸着剤量)Gが所定の条件と異なる場合の、定数変換工程の説明を行う。
【0037】
実施例1で用いた吸着体1は担持量(吸着剤量)G1が0.1g/ccであったが、本実施例では仮に0.05g/ccの担持量G2としたときの寿命予測を行なった。つまり、実施例1を条件1(k1=0.9999、τ1=8h、G1=0.1g/cc)とし、本実施例を条件2(k2、τ2、G2=0.05g/cc)として予測する。
【0038】
また、担持量(吸着剤量)の異なる場合に吸着体表面の吸着剤の厚みが変化しても、本実施例の初期の除去率k2は、実施例1(条件1)とほぼ同じとみなせるため、k2=k1=0.9999とした。
【0039】
また、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間は、担持量(吸着剤量)に比例すると考えられるため、本実施例(条件2)の破過時間τ2は、τ2=τ1×(G2/G1)=8h×(0.05/1)=4hとした。
【0040】
既に実施例1により、条件1での関数近似の(式3)または(式4)があるため、前記(式3)または(式4)において、ko=k2=0.9999とし、同じくτ=τ2=4hとすることにより、本実施例(条件2)における経過時間tと除去率kとの相関を表す関係式が得られる。このようにして得られた経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図3に示す。
【0041】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、ko=0.9999、τ=4hにおける(式3)または(式4)に基づく除去率kと経過時間tの相関からは、k=0.8においてt=3.4hであり、寿命が3.4時間と予測され、別途行った実験結果の3.7時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0042】
このように、吸着体1の吸着剤量の比(G2/G1)を破過時間の比(τ2/τ1)として対応することにより、吸着体の担持量など吸着剤量が所定の条件から異なるときでも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便で精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0043】
また、図2に示すように吸着容量が平衡濃度依存性の小さい化学吸着による吸着作用によるものであれば、より精度よく一致する。
【0044】
(実施例3)
本発明の第3の実施例において、空間速度が所定の条件と異なる場合の、定数変換工程の説明を行う。
【0045】
実施例1では空間速度SV1を20000/h、初期の除去率k1を0.9999として破過特性を求めたが、本実施例では空間速度SV3を40000/hとしたときの寿命予測を行なった。つまり、実施例1を条件1とし、本実施例を条件3として予測する。
【0046】
そして、前記(式1)に基づき、本実施例の初期の除去率k3を求めると、k3=1−(1−k1)(SV1/SV3)=1−(1−0.9999)(2000/4000)=0.99のようになり、この0.99を本実施例(条件3)における初期の除去率とする。
【0047】
また、空間速度は吸着体1の体積に反比例し、体積は担持量(吸着剤量)および、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間と比例する。したがって上記破過時間は空間速度と反比例することになり、実施例1(条件1)においてはτ1=8hであるため、本実施例(条件3)におけるτ3は、τ3=τ1×(SV1/SV3)=4hとなる。
【0048】
そして、前記(式3)または(式4)において、初期の除去率ko=k3=0.99、τ=τ3=4hとして得られる、経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図4に示す。
【0049】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、除去率kと経過時間tとの相関予測から、k=0.8においてt=2.8hとなり、寿命が2.8時間と予測され、別途行った実験結果の3時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0050】
このように、空間速度の比(SV1/SV3)をパラメータとして対応し、定数変換することにより、風量や、吸着体の体積の違いにより、空間速度が所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便で精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0051】
(実施例4)
本発明の第4の実施例において、吸着体の単位体積あたりの表面積である比表面積が所定の条件と異なる場合の、定数変換工程での実施例を示す。
【0052】
実施例1(条件1)で用いた吸着体1はセル数が205個/inch2であったが、本実施例(条件4)では仮に350個/inch2のセル数としたときの寿命予測を行なった。
【0053】
本実施例(条件4)における、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ4は、吸着剤量は実施例1(条件1)と同じであるため、τ4=τ1=8hとした。
【0054】
また、初期の除去率k4については、以下の変換をおこなった。すなわち、吸着体の比表面積の比は吸着体の体積の比であるとみなし、体積は空間速度と反比例するため、吸着体の比表面積の比を、実施例3における空間速度の比の逆数として取り扱うものである。ここで、実施例1(条件1)の比表面積S1と本実施例(条件4)の比表面積S4は、それぞれセル数が205個/inch2、350個/inch2であることから、S1=20.5cm2/cc、S4=26.4cm2/ccとなる。そして(式1)において、比表面積の比(S4/S1)を、実施例3における空間速度の比(SV4/SV1)の逆数とすると、k4=1−(1−k1)(SV1/SV4)=1−(1−k1)(S4/S1)=1−(1−0.9999)(26.4/20.5)=0.999993となる。
【0055】
そして、前記(式3)または(式4)において、初期の除去率ko=k4=0.999993、τ=τ4=8hとして得られる、経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図5に示す。
【0056】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、経過時間tと除去率kとの相関予測から、k=0.8においてt=7hとなり、寿命が7時間と予測され、別途行った実験結果の7.3時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0057】
このように、吸着体の比表面積の比(S4/S1)を空間速度の比(SV4/SV1)の逆数として対応し、定数変換することにより、吸着体のセル数など比表面積が所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便で精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0058】
尚、本実施例のように、吸着体としてハニカム体を用いれば、比表面積が一定しているため、精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0059】
(実施例5)
本発明の第5の実施例において、実施例2、3、4における条件の違いを全て含んだ場合(条件5)についての、定数変換工程を説明する。
【0060】
すなわち、吸着剤量が0.1g/ccから0.05g/ccに、比表面積が20.5cm2/ccから26.4cm2/ccに、さらに空間速度が20000/hから40000/hに、それぞれ異なっている場合における吸着剤の寿命の予測を行なった。尚、条件1における初期の除去率k1、破過時間τ1は、実施例1と同様、それぞれ、k1=0.9999、τ1=8hとする。
【0061】
本実施例(条件5)における初期の除去率について、先ず空間速度が異なっていると考え、(式1)あるいは実施例3より
1−k2=(1−k1)(SV1/SV2) (5)
次に(式5)の状態で、吸着剤量が異なっていると考え、実施例2より、
1−k3=1−k2 (6)
次に(式6)の状態で、比表面積が異なっていると考え、
1−k4=(1−k3)(S2/S1) (7)
したがって、(式7)に(式5)、(式6)を挿入して、
1−k4=(1−k3)(S2/S1)=(1−k2)(S2/S1)=((1−k1)(SV1/SV2))(S2/S1)=(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1)) (8)
となる。(式8)を一般式に置き換えると、
1−k2=(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1)) (9)
となり、さらに、
k2=1−(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1)) (10)
となる。
【0062】
同様に、除去率が100%を維持すると仮定したときの本実施例(条件5)の破過時間について、先ず空間速度が異なっていると考え、実施例3等より
τ2=τ1×(SV1/SV2) (11)
次に(式11)の状態で、吸着剤量が異なっていると考え、実施例2より、
τ3=τ2×(G2/G1) (12)
次に(式12)の状態で、比表面積が異なっていると考え実施例4より、
τ4=τ3 (13)
したがって、(式13)に(式11)、(式12)を挿入して、
τ4=τ3=τ2×(G2/G1)=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1
) (14)
となる。(式14)を一般式に置き換えると、
τ2=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1) (15)
上記(式10)、(式15)おいて、各数値を代入すると、
k2=1−(1−0.9999)((20000/40000) × (26.4/20.5))=0.997343
τ2=8h×(20000/40000)×(0.05/0.1)=2h
となる。
【0063】
そして、前記(式3)または(式4)において、初期の除去率ko=k2=0.997343、τ=τ2=2hとして得られる、経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図6に示す。
【0064】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、経過時間tと除去率kとの相関予測から、k=0.8においてt=1.3hとなり、寿命が1.3時間と予測され、別途行った実験結果の1.5時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0065】
このように、吸着体の吸着剤量、比表面積、および空間速度の全てが、所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便に定数変換することにより、精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0066】
尚、本実施例の(式10)あるいは(式15)において、吸着剤量G1とG2、あるいは比表面積S1とS2、あるいは空間速度SV1とSV2がそれぞれ同じ値であったとしても、(式10)あるいは(式15)の成立に支障がないものである。
【0067】
(実施例6)
本発明の第6の実施例では、本実施例の吸着体の寿命推定方法を用いた、吸着体の寿命が終わったことを表示する脱臭装置について説明する。
【0068】
本実施例の脱臭装置は、ガスを通気させる吸着体と、吸着体にガスが通気する時間を計時するタイマー等の計時手段と、LED、EL等の発光素子からなる表示手段とを備えるものである。そして、例えば実施例1の吸着体の寿命推定方法を用いて、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定し、前記時間tが経過したことを前記タイマーが計時後に、前記吸着体の寿命が尽きたとして前記発光素子で表示することにより、吸着体の交換時期がきたこと等を容易に知ることができる脱臭装置が提供できるようになる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式により、簡便な方法で吸着体の寿命を予測することが可能になる。
【0070】
また、空間速度、吸着体の吸着剤量、吸着体の比表面積等が所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、所定の条件における経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式の一部を定数変更するだけで、簡便に、吸着体の寿命を予測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図2】同、硫化水素の平衡濃度と吸着量の相関(吸着等温線)を示す図
【図3】本発明の実施例2の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図4】本発明の実施例3の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図5】本発明の実施例4の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図6】本発明の実施例5の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機や脱臭装置などの脱臭手段に用いられている吸着体の寿命特性を推定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の吸着体の寿命推定については、一般的には加速試験法が用いられている。この手法は実使用条件より高濃度のガスを通気させ、その実験結果から予測するものであり、実験での濃度と実際の濃度の比を加速係数とするのが一般的である。
【0003】
また、一部には、計算による寿命予測手法や、実験と計算を併用した方法も見られる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−321257号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
加速試験法においては、機器やシステムの最適設計を求めるのに実験を繰り返して行なわなければならず、時間的にも経済的にも負担のかかるものである。
【0006】
また、計算による寿命予測手法は、定数や変数などの取り扱いが煩雑で、利便性に乏しいものであり、実験と計算を併用した方法では、変数などの取り扱いは簡便になるが、その実験系の条件のみに限定され、やはり最適設計には実験を繰り返す必要があるものであった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式により、簡便な方法で吸着体の寿命を予測することが可能な、吸着体の寿命推定方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、空間速度、吸着体の吸着剤量、吸着体の比表面積等が既知である所定の条件とは、条件が異なる場合でも、改めてその異なる条件(状態)で確認試験を行なうこともなく、所定の条件における経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式を一部変更するだけで、簡便に、吸着体の寿命を予測することが可能な、吸着体の寿命推定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の吸着体の寿命推定方法は、吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
【0010】
【数2】
【0011】
で表される、経過時間tと除去率kとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定するものである。
【0012】
これにより、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、初期の除去率koと除去率koが100%を維持すると仮定したときの破過時間τが既知の場合に簡便に取り扱える、経過時間tと除去率kとの相関を表す数式により、任意の除去率kにおける経過時間tより、吸着体の寿命が推定できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
【0014】
【数3】
【0015】
で表される、経過時間tと除去率kとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定するもので、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、経過時間tと除去率kとの相関が、初期の除去率koと破過時間τという定数を含んだ簡便な数式により表すことが可能となり、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定して、簡便に吸着体の寿命を予測することが可能となるものである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
k=ko×(1−ko)(t/ τ )/((1−ko)+ko×(1−ko)(t/ τ ))
で表される、除去率kと経過時間tとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定するもので、煩雑な定数や変数を取り扱うこともなく、除去率kと経過時間tとの相関が、初期の除去率koと破過時間τという定数を含んだ簡便な数式により表すことが可能となり、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定して、簡便に吸着体の寿命を予測することが可能となるものである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、所定条件における空間速度SV1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から空間速度SV2が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)(SV1/SV2)
τ2=τ1×(SV1/SV2)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、空間速度が所定の条件とは異なる場合に、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、所定条件における吸着体の吸着剤量G1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から吸着剤量G2が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間定数τ2とを、それぞれ、
k2=k1
τ2=τ1×(G2/G1)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、吸着体の吸着剤量が所定の条件とは異なる場合に、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0019】
請求項5に記載した発明は、請求項1または2に記載の発明において、所定条件における吸着体の比表面積S1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から吸着体の比表面積S2が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)(S2/S1)
τ2=τ1
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、吸着体の比表面積が所定の条件とは異なる場合に、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0020】
請求項6に記載した発明は、請求項1または2に記載の発明において、空間速度SV1と、吸着体の吸着剤量G1と、吸着体の比表面積S1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知である条件1に基づき、空間速度SV2(既知)、吸着剤量G2(既知)、比表面積S2(既知)、初期の除去率k2、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2という条件2における前記除去率k2と破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1))
τ2=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とするものであり、条件2における空間速度、吸着体の吸着剤量、吸着体の比表面積が、所定の条件1とは異なる場合に、その異なる条件2における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、既知の数式の一部を変更するだけで、簡便に精度よく、任意の除去率における吸着体の寿命を推定することができる。
【0021】
請求項7に記載した発明は、特に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸着体の吸着作用は、化学吸着による吸着作用とすることにより、吸着容量の濃度依存性が小さくなるため、さらに精度よく吸着体の寿命を推定することができる。
【0022】
請求項8に記載した発明は、特に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸着体は、ハニカム体とすることにより、比表面積や吸着剤量が安定すため、さらに精度よく吸着体の寿命を推定することができる。
【0023】
請求項9に記載した発明は、ガスを通気させる吸着体と、前記吸着体にガスが通気する時間を計時する計時手段と、表示手段とを備え、請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法を用いて、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定し、前記時間tが経過後に、前記吸着体の寿命が終わったとして前記表示手段で表示することを特徴とした、吸着体の寿命推定方法を用いた脱臭装置とした。これにより、吸着体の交換時期がきたこと等を容易に知ることができるようになる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面に基づき説明する。
【0025】
(実施例1)
本発明の第1の実施例において、関数近似工程の説明を行う。
【0026】
まず、予備実験を行なった。セル数が205個/inch2のハニカム体にマンガン、銅、コバルトの複合酸化物をコロイダルシリカをバインダーとして0.1g/ccの担持量(吸着剤量)とした。これを吸着体1とする。
【0027】
この吸着体1に対して、50ppmの硫化水素を、空間速度(SV)を20000/hとして通気したところ図1に示す破過特性を得た。このとき実験開始直後の初期の除去率は99.99%であった。また、この吸着体1の硫化水素の20℃における吸着等温線を測定したところ図2のようになった。平衡濃度に依存せず、吸着量がほぼ一定であり、これは化学吸着作用による吸着であることを示している。
【0028】
次に、空間速度を2倍の40000/hで通気したところ初期の除去率は99%であった。さらに4倍の80000/hで通気したところ初期の除去率は90%であった。
【0029】
以上から、空間速度SV1における初期の除去率をk1、任意の空間速度SV2における初期の除去率をk2とすれば、
k2=1−(1−k1)(SV1/SV2) (1)
として近似できる。
【0030】
一方、吸着体1に吸着した硫化水素は、マンガンなどと化学結合を形成していくため吸着体1の実質の体積は吸着量に従い減少するため、実質の空間速度は、体積の減少に反比例して増大していくとみなせる。吸着量は除去率×時間の累積に比例するので、これより、設定された空間速度をSVo、経過時間tにおける実質の空間速度をSVとすれば、SVは次の(式2)で表すことができる。ただし、吸着量と除去率×時間の累積との比例係数を1/τとする。
【0031】
【数4】
【0032】
(式1)および(式2)より、除去率kに関する積分方程式を立てて解けば、破過特性を表す次の(式3)を得る。
k=ko×(1−ko)α/((1−ko)+ko×(1−ko)α) (3)
また同じく、(式1)および(式2)より、経過時間tに関する積分方程式を立てて解けば、破過特性を表す次の(式4)を得る。
【0033】
【数5】
【0034】
(式3)、(式4)において、koは初期の除去率であり、(式3)において、αはt/τを表す変数(パラメータ)であり、(式3)、(式4)において、τは除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を示す定数である。この(式3)または(式4)を用いて、予め実験により得られているko=0.9999、τ=8hの関係を用いて、吸着体1の破過特性の近似を試みた。近似の結果と実験結果とを図1に合わせて示す。図1から、精度よく一致できていることが示されている。
【0035】
このように、初期の除去率を空間速度の比で表した(式1)および吸着量の経時変化を空間速度の経時変化として対応した(式2)により求めた、関数近似の(式3)または(式4)は、精度よく、破過特性を表現できることが示された。
【0036】
(実施例2)
本発明の第2の実施例において、吸着体の担持量(吸着剤量)Gが所定の条件と異なる場合の、定数変換工程の説明を行う。
【0037】
実施例1で用いた吸着体1は担持量(吸着剤量)G1が0.1g/ccであったが、本実施例では仮に0.05g/ccの担持量G2としたときの寿命予測を行なった。つまり、実施例1を条件1(k1=0.9999、τ1=8h、G1=0.1g/cc)とし、本実施例を条件2(k2、τ2、G2=0.05g/cc)として予測する。
【0038】
また、担持量(吸着剤量)の異なる場合に吸着体表面の吸着剤の厚みが変化しても、本実施例の初期の除去率k2は、実施例1(条件1)とほぼ同じとみなせるため、k2=k1=0.9999とした。
【0039】
また、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間は、担持量(吸着剤量)に比例すると考えられるため、本実施例(条件2)の破過時間τ2は、τ2=τ1×(G2/G1)=8h×(0.05/1)=4hとした。
【0040】
既に実施例1により、条件1での関数近似の(式3)または(式4)があるため、前記(式3)または(式4)において、ko=k2=0.9999とし、同じくτ=τ2=4hとすることにより、本実施例(条件2)における経過時間tと除去率kとの相関を表す関係式が得られる。このようにして得られた経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図3に示す。
【0041】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、ko=0.9999、τ=4hにおける(式3)または(式4)に基づく除去率kと経過時間tの相関からは、k=0.8においてt=3.4hであり、寿命が3.4時間と予測され、別途行った実験結果の3.7時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0042】
このように、吸着体1の吸着剤量の比(G2/G1)を破過時間の比(τ2/τ1)として対応することにより、吸着体の担持量など吸着剤量が所定の条件から異なるときでも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便で精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0043】
また、図2に示すように吸着容量が平衡濃度依存性の小さい化学吸着による吸着作用によるものであれば、より精度よく一致する。
【0044】
(実施例3)
本発明の第3の実施例において、空間速度が所定の条件と異なる場合の、定数変換工程の説明を行う。
【0045】
実施例1では空間速度SV1を20000/h、初期の除去率k1を0.9999として破過特性を求めたが、本実施例では空間速度SV3を40000/hとしたときの寿命予測を行なった。つまり、実施例1を条件1とし、本実施例を条件3として予測する。
【0046】
そして、前記(式1)に基づき、本実施例の初期の除去率k3を求めると、k3=1−(1−k1)(SV1/SV3)=1−(1−0.9999)(2000/4000)=0.99のようになり、この0.99を本実施例(条件3)における初期の除去率とする。
【0047】
また、空間速度は吸着体1の体積に反比例し、体積は担持量(吸着剤量)および、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間と比例する。したがって上記破過時間は空間速度と反比例することになり、実施例1(条件1)においてはτ1=8hであるため、本実施例(条件3)におけるτ3は、τ3=τ1×(SV1/SV3)=4hとなる。
【0048】
そして、前記(式3)または(式4)において、初期の除去率ko=k3=0.99、τ=τ3=4hとして得られる、経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図4に示す。
【0049】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、除去率kと経過時間tとの相関予測から、k=0.8においてt=2.8hとなり、寿命が2.8時間と予測され、別途行った実験結果の3時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0050】
このように、空間速度の比(SV1/SV3)をパラメータとして対応し、定数変換することにより、風量や、吸着体の体積の違いにより、空間速度が所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便で精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0051】
(実施例4)
本発明の第4の実施例において、吸着体の単位体積あたりの表面積である比表面積が所定の条件と異なる場合の、定数変換工程での実施例を示す。
【0052】
実施例1(条件1)で用いた吸着体1はセル数が205個/inch2であったが、本実施例(条件4)では仮に350個/inch2のセル数としたときの寿命予測を行なった。
【0053】
本実施例(条件4)における、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ4は、吸着剤量は実施例1(条件1)と同じであるため、τ4=τ1=8hとした。
【0054】
また、初期の除去率k4については、以下の変換をおこなった。すなわち、吸着体の比表面積の比は吸着体の体積の比であるとみなし、体積は空間速度と反比例するため、吸着体の比表面積の比を、実施例3における空間速度の比の逆数として取り扱うものである。ここで、実施例1(条件1)の比表面積S1と本実施例(条件4)の比表面積S4は、それぞれセル数が205個/inch2、350個/inch2であることから、S1=20.5cm2/cc、S4=26.4cm2/ccとなる。そして(式1)において、比表面積の比(S4/S1)を、実施例3における空間速度の比(SV4/SV1)の逆数とすると、k4=1−(1−k1)(SV1/SV4)=1−(1−k1)(S4/S1)=1−(1−0.9999)(26.4/20.5)=0.999993となる。
【0055】
そして、前記(式3)または(式4)において、初期の除去率ko=k4=0.999993、τ=τ4=8hとして得られる、経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図5に示す。
【0056】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、経過時間tと除去率kとの相関予測から、k=0.8においてt=7hとなり、寿命が7時間と予測され、別途行った実験結果の7.3時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0057】
このように、吸着体の比表面積の比(S4/S1)を空間速度の比(SV4/SV1)の逆数として対応し、定数変換することにより、吸着体のセル数など比表面積が所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便で精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0058】
尚、本実施例のように、吸着体としてハニカム体を用いれば、比表面積が一定しているため、精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0059】
(実施例5)
本発明の第5の実施例において、実施例2、3、4における条件の違いを全て含んだ場合(条件5)についての、定数変換工程を説明する。
【0060】
すなわち、吸着剤量が0.1g/ccから0.05g/ccに、比表面積が20.5cm2/ccから26.4cm2/ccに、さらに空間速度が20000/hから40000/hに、それぞれ異なっている場合における吸着剤の寿命の予測を行なった。尚、条件1における初期の除去率k1、破過時間τ1は、実施例1と同様、それぞれ、k1=0.9999、τ1=8hとする。
【0061】
本実施例(条件5)における初期の除去率について、先ず空間速度が異なっていると考え、(式1)あるいは実施例3より
1−k2=(1−k1)(SV1/SV2) (5)
次に(式5)の状態で、吸着剤量が異なっていると考え、実施例2より、
1−k3=1−k2 (6)
次に(式6)の状態で、比表面積が異なっていると考え、
1−k4=(1−k3)(S2/S1) (7)
したがって、(式7)に(式5)、(式6)を挿入して、
1−k4=(1−k3)(S2/S1)=(1−k2)(S2/S1)=((1−k1)(SV1/SV2))(S2/S1)=(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1)) (8)
となる。(式8)を一般式に置き換えると、
1−k2=(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1)) (9)
となり、さらに、
k2=1−(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1)) (10)
となる。
【0062】
同様に、除去率が100%を維持すると仮定したときの本実施例(条件5)の破過時間について、先ず空間速度が異なっていると考え、実施例3等より
τ2=τ1×(SV1/SV2) (11)
次に(式11)の状態で、吸着剤量が異なっていると考え、実施例2より、
τ3=τ2×(G2/G1) (12)
次に(式12)の状態で、比表面積が異なっていると考え実施例4より、
τ4=τ3 (13)
したがって、(式13)に(式11)、(式12)を挿入して、
τ4=τ3=τ2×(G2/G1)=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1
) (14)
となる。(式14)を一般式に置き換えると、
τ2=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1) (15)
上記(式10)、(式15)おいて、各数値を代入すると、
k2=1−(1−0.9999)((20000/40000) × (26.4/20.5))=0.997343
τ2=8h×(20000/40000)×(0.05/0.1)=2h
となる。
【0063】
そして、前記(式3)または(式4)において、初期の除去率ko=k2=0.997343、τ=τ2=2hとして得られる、経過時間tと除去率kとの相関予測を、別途行った実験結果と併せて、図6に示す。
【0064】
除去率が80%を下回る時間を寿命とすれば、経過時間tと除去率kとの相関予測から、k=0.8においてt=1.3hとなり、寿命が1.3時間と予測され、別途行った実験結果の1.5時間と比較して、予測がほぼ一致する結果となった。
【0065】
このように、吸着体の吸着剤量、比表面積、および空間速度の全てが、所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、簡便に定数変換することにより、精度よく吸着体の寿命を予測することができる。
【0066】
尚、本実施例の(式10)あるいは(式15)において、吸着剤量G1とG2、あるいは比表面積S1とS2、あるいは空間速度SV1とSV2がそれぞれ同じ値であったとしても、(式10)あるいは(式15)の成立に支障がないものである。
【0067】
(実施例6)
本発明の第6の実施例では、本実施例の吸着体の寿命推定方法を用いた、吸着体の寿命が終わったことを表示する脱臭装置について説明する。
【0068】
本実施例の脱臭装置は、ガスを通気させる吸着体と、吸着体にガスが通気する時間を計時するタイマー等の計時手段と、LED、EL等の発光素子からなる表示手段とを備えるものである。そして、例えば実施例1の吸着体の寿命推定方法を用いて、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定し、前記時間tが経過したことを前記タイマーが計時後に、前記吸着体の寿命が尽きたとして前記発光素子で表示することにより、吸着体の交換時期がきたこと等を容易に知ることができる脱臭装置が提供できるようになる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式により、簡便な方法で吸着体の寿命を予測することが可能になる。
【0070】
また、空間速度、吸着体の吸着剤量、吸着体の比表面積等が所定の条件と異なる場合でも、その異なる条件における経過時間tと除去率kとの相関を調べる確認試験を行う必要も無く、所定の条件における経過時間tと除去率kとの相関を表す所定の式の一部を定数変更するだけで、簡便に、吸着体の寿命を予測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図2】同、硫化水素の平衡濃度と吸着量の相関(吸着等温線)を示す図
【図3】本発明の実施例2の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図4】本発明の実施例3の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図5】本発明の実施例4の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
【図6】本発明の実施例5の吸着体に硫化水素を通気した際における、経過時間と硫化水素の除去率の、実験に基づく相関(破過特性)および関数近似した近似式に基づく相関(破過特性)を示す図
Claims (9)
- 吸着体をガスが通過する際の吸着体による除去率をk、経過時間をt、初期の除去率を表す定数をko、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間を表す定数をτとしたときに、
k=ko×(1−ko)(t/ τ )/((1−ko)+ko×(1−ko)(t/ τ ))
で表される、除去率kと経過時間tとの相関に基づき、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定する、吸着体の寿命推定方法。 - 所定条件における空間速度SV1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から空間速度SV2(既知)が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)(SV1/SV2)
τ2=τ1×(SV1/SV2)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とした請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法。 - 所定条件における吸着体の吸着剤量G1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から吸着剤量G2(既知)が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間定数τ2とを、それぞれ、
k2=k1
τ2=τ1×(G2/G1)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき
ko=k2
τ=τ2
とした請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法。 - 所定条件における吸着体の比表面積S1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知の場合で、前記所定条件から吸着体の比表面積S2(既知)が異なる場合における初期の除去率k2と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)(S2/S1)
τ2=τ1
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とした請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法。 - 空間速度SV1と、吸着体の吸着剤量G1と、吸着体の比表面積S1と、初期の除去率k1と、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ1の値がそれぞれ既知である条件1に基づき、空間速度SV2(既知)、吸着剤量G2(既知)、比表面積S2(既知)、初期の除去率k2、除去率が100%を維持すると仮定したときの破過時間τ2という条件2における前記除去率k2と破過時間τ2とを、それぞれ、
k2=1−(1−k1)((SV1/SV2) × (S2/S1))
τ2=τ1×(SV1/SV2)×(G2/G1)
により求め、上記で得られたk2、τ2に基づき、
ko=k2
τ=τ2
とした請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法。 - 吸着体の吸着作用は化学吸着による吸着作用である請求項1から6のいずれか1項に記載の吸着体の寿命推定方法。
- 吸着体はハニカム体である請求項1から7のいずれか1項に記載の吸着体の寿命推定方法。
- ガスを通気させる吸着体と、前記吸着体にガスが通気する時間を計時する計時手段と、表示手段とを備え、請求項1または2に記載の吸着体の寿命推定方法を用いて、任意の除去率kにおける経過時間tを吸着体の寿命と推定し、前記時間tが経過後に、前記吸着体の寿命が終わったとして前記表示手段で表示することを特徴とした、吸着体の寿命推定方法を用いた脱臭装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003069960A JP2004279176A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 吸着体の寿命推定方法およびこれを用いた脱臭装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003069960A JP2004279176A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 吸着体の寿命推定方法およびこれを用いた脱臭装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004279176A true JP2004279176A (ja) | 2004-10-07 |
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JP (1) | JP2004279176A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017506579A (ja) * | 2014-12-31 | 2017-03-09 | シャオミ・インコーポレイテッド | 残りの使用期間の特定方法、装置、プログラム、及び記憶媒体 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069960A patent/JP2004279176A/ja not_active Withdrawn
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