JP2004278768A - バネ駆動発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】各部材を合理的に組み合わせて長時間発電すること。
【解決手段】バネ駆動集合体のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積することができると共に、機枠に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸と協働回転するゼンマイ巻上げ手段を中心軸に配設し、また、機枠に中心軸と共に回転する加速用伝動歯車機構を設け、この加速用伝動歯車機構によって加速する発電用回転軸を機枠に軸架し、また、この回転軸の回転速度を所定の速度に制御する回転力制御手段を機枠に設け、ストッパー部材のスッパーを解除したゼンマイバネの復帰時に、バネ駆動集合体の各ゼンマイバネの復帰力が、回転力制御手段で制動されることを特徴とするバネ駆動発電機。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯あるいは運搬可能なバネ駆動発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特開平10−55826号公報に記載の一実施例を指摘することができる。
この公報に記載の実施例は、発電時、ゼンマイバネの復帰力により回転数増大手段を介してダイナモの回転軸に回転力が付与される。すなわちゼンマイ巻上げ手段を基準にして一つのゼンマイバネと加速電動歯車機構と発電機を有している。
【0003】
もちろん、この従来例もゼンマイバネで発電をすることを目的としているが、前述したように一つのゼンマイバネであり、発電時間が短い。
【0004】
そこで、バネ駆動発電機を構成する各部材を合理的に組み合わせ、長時間発電できるバネ駆動発電機の出現が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、各部材を合理的に組み合わせて長時間発電すること。第2の目的は、ゼンマイバネを合理的に組み合わせ、一つのバネ駆動集合体を構成すること。第3の目的は、ゼンマイ巻上げ時に、操作部材から手を離しても、駆動軸が逆転しないこと。第4の目的は、バネ駆動集合体の復帰力を合理的に制動すること。第5の目的は、携帯用の発電手段に適用することができることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のバネ駆動発電機は、機枠に軸支されたゼンマイ用の中心軸に、少なくとも初段と最終段のゼンマイバネを有するバネ駆動集合体を配設し、ゼンマイバネの巻上げ時、機枠に所要間隔離間して配設された駆動力蓄積用ストッパー部材と逆転防止手段との間に於いて、前記バネ駆動集合体のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積することができると共に、前記機枠に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸と協働回転するゼンマイ巻上げ手段を前記中心軸に配設し、また、機枠に中心軸と共に回転する加速用伝動歯車機構を設け、この加速用伝動歯車機構によって加速する発電用回転軸を機枠に軸架し、また、この回転軸の回転速度を所定の速度に制御する回転力制御手段を機枠に設け、前記ストッパー部材のスッパーを解除したゼンマイバネの復帰時に、バネ駆動集合体の各ゼンマイバネの復帰力が、前記回転力制御手段で制動されることを特徴とする。
【0007】
また、バネ駆動発電機は、機枠に軸支されたゼンマイ用の中心軸に、少なくとも初段と最終段のゼンマイバネを有するバネ駆動集合体を配設し、ゼンマイバネの巻上げ時、前記バネ駆動集合体のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積することができると共に、前記機枠に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸と協働回転するゼンマイ巻上げ手段を前記中心軸に配設し、また、機枠に中心軸と共に回転する加速用伝動歯車機構を設け、この加速用伝動歯車機構によって加速する発電用回転軸を機枠に軸架し、また、この回転軸の回転速度を所定の速度に制御する回転力制御手段を機枠に設け、バネ駆動集合体の各ゼンマイバネの復帰力が、前記回転力制御手段で制動されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図8を参照にして本発明の一実施例を説明する。まず、1は横長状の箱体の機枠である。説明の便宜上、図1を基準にして簡略化した機枠1の各部に符号を付する。1aは水平のベース板、1bはベース1aに直交する垂直の第1支持板、1cは第1支持板1aに所要間隔を有して対向する第2支持板、1dは第2支持板に所要間隔を有して対向する第3支持板、1eは第3支持板1dに所要間隔を有して対向する第4支持板、1fは前記水平ベース1aと対向する天板或いは上部支持板である。
【0009】
機枠1の形態は特に問わない。要は、後述する複数個の軸を軸架でき、また、バネ駆動集合体、加速用伝動歯車、発電用回転軸、回転力制御手段等を取り付けることができるフレーム構造体であれば良い。2は垂直の第1支持板1bの上部に突設された逆転防止手段3用の支持部、一方、4は水平ベース板1aの他端部(左端部)の上面に所要の間隙を有して立設された発電機5用の支持台である。次に7は機枠1に軸支されたゼンマイ用の中心軸である。この中心軸7は前記第1支持板1b及び第2支持板1cの略中央部に設けた左右1対の玉軸受け8,8を介して機枠1に横設軸架されている。中心軸7の他端部(左端部)は第2支持板1cから突出している。
【0010】
次に、10は初段と最終段のゼンマイバネを有するバネ駆動集合体で、このバネ駆動集合体10は第1支持板1bと第2支持板1cとで設定された所要空間11内に位置するように中心軸7に配設されている。図2及び図3はバネ駆動集合体10と、このバネ駆動集合体10の初段(第1番目)のゼンマイバネを巻上げるゼンマイ巻上げ手段12を詳細に示す。
【0011】
ゼンマイ巻上げ手段12は、図2で示すように中心軸7に回転可能に設けられ、かつ、ゼンマイバネの巻上げ時に、機枠1に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸13の駆動歯車16と協働回転すると共に、バネ駆動集合体10のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積する機能を有する。
【0012】
ここでバネ駆動集合体10、ゼンマイ巻上げ手段12等を説明する前に、前記駆動軸13について説明する。駆動軸13も中心軸7と同様に、第1支持板1b及び第2支持板1cの上部に設けた左右1対の玉軸受け14,14を介して機枠1に横設軸架されている。したがって、駆動軸13は中心軸7の上方に位置し、かつ、該中心軸7と平行に配設されている。
【0013】
駆動軸13の一端部(右端部)は、第1支持板1bの支持部2から突出している。この突出端部13aには、レバーハンドル、振り子などの操作部材15が固定的に取り付けられている。また、駆動軸13の適宜箇所には駆動歯車16が固定的に設けられている。
【0014】
そこで、図2及び図3を参照にしてゼンマイ巻上げ手段12、バネ駆動集合体10等を説明する。
【0015】
まず、ゼンマイ巻上げ手段12は、前述した駆動歯車16と噛合するリング状のゼンマイギヤ20と、このゼンマイギヤギヤ20の内周壁に固定されたキャップ状ゼンマイ巻取り回転板21とから成る。
しかして、前記ゼンマイ巻取り回転板21は、図3で示すように、中心軸7に摺動自在に外嵌合するやや長い筒状部21aと、この長い筒状部21aの一端部の外周壁に固定或いは形成された短い筒状部21bと、この短い筒状部21bに垂直壁状に連設する円板部21cと、この円板部21cの縁部に突壁状に形成された外周壁部21dとから成り、前記外周壁部21dの内周壁の適宜部位には、初段のゼンマイバネ用のバネ端取り付け部23が設けられている。
【0016】
次にバネ駆動集合体10は、前記ゼンマイ巻上げ手段12のバネ端取り付け部23に外端部25aが取り付けられた初段ゼンマイバネ25と、この初段ゼンマイバネ25の内端部25bを固定的に支持すると共に、ゼンマイ巻上げ手段12の長い筒状部21aに摺動自在に外嵌合する第1摺動筒26と、この第1摺動筒26の外周壁に中央の短筒状部が固定されたキャップ状第1追動ゼンマイ巻上げ手段27と、この第1追動ゼンマイ巻上げ手段27の外周壁部の内周壁に外端部28aが取り付けられた第2段ゼンマイバネ28と、この第2段ゼンマイバネ28の内端部28bを固定的に支持すると共に、中心軸7に摺動自在に外嵌合する第2摺動筒29と、この第2摺動筒29の外周壁に中央の短筒状部が固定されたキャップ状第2追動ゼンマイ巻上げ手段30と、この第2追動ゼンマイ巻上げ手段30の外周壁部の内周壁に外端部が取り付けられた第3段ゼンマイバネ31と、この第3段ゼンマイバネ31の内端部を固定的に支持すると共に、中心軸7に摺動自在に外嵌合する第3摺動筒32と、この第3摺動筒32の外周壁に中央の短筒状部が固定された最終追動ゼンマイ巻上げ手段33と、この最終追動ゼンマイ巻上げ手段33の内周壁に外端部が取り付けられ、かつ、内端部が固着具34を介して中心軸7の他端部側に固定された最終段ゼンマイバネ35とから成る。
【0017】
なお、第1追動ゼンマイ巻上げ手段27乃至最終追動ゼンマイ巻上げ手段33は同一形態であり、また、ゼンマイ巻上げ手段12のゼンマイ巻取り回転板21と略同一構成なので、細部の説明を割愛する。
【0018】
したがって、本実施例では、複数個のゼンマイバネの巻上げ時、駆動軸13が回転すると、駆動歯車16に連動するゼンマイ巻上げ手段12を介して該バネ駆動集合体10の各構成部材がそれぞれ相互に作用し合い、初段ゼンマイバネ25から最終段ゼンマイバネ35へとバネ力(駆動力)が順次蓄積される。この時、バネ駆動集合体10の駆動力を蓄積するために、二つの手段を機枠1に設けている。
【0019】
その一つは機枠1の支持部2に駆動軸13に対して設けた逆転防止手段3である。この逆転防止手段3は、操作部材15を利用して駆動軸13を巻上げ方向に回転した際に、該駆動軸13が一方向へのみ回転させる機能を有する(一方向クラッチ、ラチエット歯と係合爪片との係脱機能など)。
【0020】
図5及び図7は、逆転防止手段3の一例を示す。37は前記支持部2に固定的に組み込まれ、かつ、内周壁に周方向にクラッチローラ38遊動用の切欠部39を有する固定筒である。切欠部39は周方向に所定間隔を有して合計3個形成されている。この固定筒37に駆動軸13の一端部が貫通状態に嵌挿している。
【0021】
図5は操作部材15を利用して駆動軸13を巻上げ方向に回転した場合に於いて、各クラッチローラ38はそれぞれの切欠部39内で遊動している状態を示す。
【0022】
これに対して、図7は、駆動軸13が逆回転すると、各切欠部39内のクラッチローラ38が切欠部の弧状内壁面39aの接線方向へと移動し、駆動軸13の外周壁と前記弧状内壁面39aとの間に挟まり、その結果、駆動軸13の逆方向への回転が阻止される。
【0023】
駆動力を蓄積するためのもう一つは、機枠1の第2支持板1cと第3支持板1dとの間の上部支持板1fにスライド自在に設けたストッパー部材41である。このストッパー部材41は、図2で示すように、機枠1の第1支持板1b側に設けられた逆転防止手段3と所要間隔離間して機枠1の第2支持板1c側に設けられ、本実施例では上部支持板1fに形成した水平方向のガイド溝42に係合する係合突起を有する。
【0024】
したがって、手動でストッパー部材41を水平方向へ移動すると、次に説明する加速用伝動歯車機構43を構成する歯車の一つと係脱する。
【0025】
図1及び図2を参照にして加速用伝動歯車機構43を説明する。44は中心軸7の突出端部に固定された第1伝動歯車である。この第1伝動歯車44の外径寸法は、他の伝動歯車に比較して格段に大きい。
【0026】
45はこの第1伝動歯車44に噛合するように機枠1の支持板1c,1dに横設軸架された横軸46に設けられた第2伝動歯車である。
【0027】
前述したストッパー部材41は、図6で示すように、仮想線に示す位置にある時は第2伝動歯車45に係合し、一方、実線の位置にある時は、第2伝動歯車45から離れる(ストッパー解除)。 47は機枠1の支持板1d,1eに横設軸架された発電用回転軸50の一端部に固定された第3伝動歯車で、この第3伝動歯車47は前記第2伝動歯車45と噛合する。したがって、第1伝動歯車44が回転すると、発電用回転軸50は高速回転する。
【0028】
次に、図8を参照にして回転力制御手段51を説明する。回転力制御手段51は、バネ駆動集合体10の駆動力で回転する回転軸50の回転速度を所定の速度に制御する機能を有する。
【0029】
52は回転軸50の一端部に固着具53を介して固定されたバネ端支持ボス部で、このバネ端支持ボス部52は回転軸50と共に回転する。バネ端支持ボス部52は回転軸50に固定されているから、軸方向へ移動しない。これに対し、54は回転軸50の他端部側にスライド自在に設けられたバネ端支持ボス部で、このバネ端支持ボス部54は軸方向に移動する。バネ端支持ボス部54は、ボス部54aに連設する円盤状の当接部54bを有する。
【0030】
55は固定側バネ端支持ボス部52と可動側バネ端支持ボス部54との間に位置するように回転軸50に巻装された付勢バネである。この付勢バネ55は、回転軸50の停止時、可動側バネ端支持ボス部54を、機枠1の第4支持板1eに突設した取り付部56を介して位置調整可能に設けられたブレーキ板57から離れる方向へ付勢する(図8の仮想線の位置まで広がる)。
【0031】
58は固定側バネ端支持ボス部52と可動側バネ端支持ボス部54にそれぞれ固定され、かつ、回転軸50の遠心力に応じて可動側のバネ端支持ボス部54を固定側のバネ端支持ボス部52へと引き寄せる遠心振り子部材である。この遠心振り子部材58は、本実施例では、中央部に振り子58aを有する複数本(合計4本)の板バネ58bを用いている。
【0032】
次に図1を参照にして発電機5について簡単に説明する。発電機5は、支持台の上面に設けられ、回転軸50の突出端部に固定され回転子60と、この回転子60に対して配設された鉄芯61と、発電コイル62等から成る。発電機5の構造に関しては、例えば回転子50は環状或いは環状的に配設された永久磁石が用いられている。
【0033】
上記構成に於いて、バネ駆動集合体10を巻上げる時は、ストッパー部材41をスライドさせ、第2伝動歯車45に係合させる。これにより、第2伝動歯車45はロックされる。
【0034】
次に操作部材15を操作する。図4及び図5で示すように、操作部材15を操作すると、駆動歯車16を備えた駆動軸13は、反時計方向へと回転する。そうすると、ゼンマイ巻上げ手段21のゼンマイギヤ20は駆動歯車16と噛合しているから、ゼンマイ巻取り回転板21は時計方向へと回転する。したがって、初段ゼンマイバネ25は巻き上がる。操作部材15の操作時、駆動軸13に対する逆転防止手段3の機能については前述した(図5,図7)。
【0035】
そこで、初段ゼンマイバネ25がゼンマイ巻上げ手段12によって巻かれると、バネ駆動集合体10の各摺動筒26,29,32の摩擦抵抗があるものの、力学的には、初段ゼンマイバネ25の外端部25aから内端部25bにバネ力が蓄積されていくことから、蓄積力がある一定の限界を超えると、第1追動ゼンマイ巻上げ手段27が回転し始める。この第1追動ゼンマイ巻上げ手段27が回転し始めると、第2段ゼンマイバネ28も初段ゼンマイバネ25と同様に外端部28aから内端部28bにバネ力が蓄積されていく。そして、蓄積力がある一定の限界を超えると、第2追動ゼンマイ巻上げ手段30が回転し始める。このようにして第3段ゼンマイバネ31並びに最終段ゼンマイバネ35が順次巻上げられ、全体的に駆動力が蓄積される。
【0036】
次に、発電する時は、図6で示すように、ストッパー部材41を実線の位置へとスライドさせ、第2伝動歯車45に対する係止を解除される。この時、駆動軸13に対して逆転防止手段3の阻止機能が働いているから、バネ駆動集合体10の蓄積されたゼンマイの駆動力は、中心軸7に作用する。
中心軸7がゼンマイの駆動力によって回転すると、大きい第1伝動歯車44によって小さい第2伝動歯車45並びに第3伝動歯車47の回転力が加速される。したがって、電動用回転軸50は高速回転する。
【0037】
電動用回転軸50が高速回転すると、遠心振り子部材58は固定側バネ端支持ボス部52を介して回転軸50と共に回転するから、回転軸50の回転数が高くなる程が外拡する。可動側のバネ端支持ボス部54は、遠心振り子部材58の外拡(遠心力)に対応して、図8の仮想線の位置から実線方向へとスライドする。
【0038】
その結果、可動側のバネ端支持ボス部54の当接部54bがブレーキ板57に当接する。このブレーキ板57が存在しないと、バネ駆動集合体10に蓄積された駆動力は一気に解かれることになるが、本実施例では、ゼンマイバネの復帰時に、バネ駆動集合体10の各ゼンマイバネの復帰力が、回転力制御手段50で定速度状態に制動される。それ故に、本発明では、ゼンマイの復帰作用の時間を複数倍に利用して発電することが可能になる。
【0039】
【実施例】
本発明の一実施例は、ゼンマイ巻上げ時にストッパー部材41を構成要件としているが、このストッパー部材41は、必ずしも本発明の特定(限定)要件ではない。本発明は、バネ駆動集合体10の各ゼンマイバネの復帰力が、回転力制御手段51で制動されることを特徴とするから、図9に示すように、第2伝動歯車45を係脱するストッパー部材を省いても良い。
【0040】
また、駆動軸13の逆回転を阻止する逆転防止手段3も、必ずしも本発明の特定(限定)要件ではない。本発明の技術的思想は、例えば自転車に装備される電燈用発電器、携帯用乾電池等にも応用することができるから、要は、機枠(箱体も含む)1に軸支されたゼンマイ用の中心軸7に、少なくとも初段と最終段のゼンマイバネを有するバネ駆動集合体10を配設し、ゼンマイバネの巻上げ時、前記バネ駆動集合体10のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積することができると共に、前記機枠1に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸13と協働回転するゼンマイ巻上げ手段21を前記中心軸7に配設し、また、機枠1に中心軸7と共に回転する加速用伝動歯車機構43を設け、この加速用伝動歯車機構43によって加速する発電用回転軸50を機枠1に軸架し、また、この回転軸50の回転速度を所定の速度に制御する回転力制御手段51を機枠1に設け、バネ駆動集合体10の各ゼンマイバネ25,28,31,35の復帰力が、前記回転力制御手段51で制動されれば良い。
【0041】
なお、バネ駆動集合体10のゼンマイバネは複数個であれば良いので、実施例の4個に限定されるものではない。また、遠心振り子部材58は、外拡可能な部材であれば、遠心リンクであっても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙するような効果がある。
(1)各部材を合理的に組み合わせて長時間発電することができる。
(2)ゼンマイバネを合理的に組み合わせ、一つのバネ駆動集合体を構成することができる。
(3)ゼンマイ巻上げ時に、操作部材から手を離しても、駆動軸が逆転しないことができる。
(4)バネ駆動集合体の復帰力を合理的に制動することができる。
(5)携帯用の発電手段に適用することができることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図8は、本発明の第1実施例を示す各説明図。図9は、本発明の特徴を示す説明図。
【図1】正面からの説明図。
【図2】バネ駆動集合体と、ゼンマイ巻上げ手段の正面からの説明図。
【図3】バネ駆動集合体と、ゼンマイ巻上げ手段の主要部の分解斜視図。
【図4】ゼンマイ巻上げ手段の巻上げ状態を示す説明図。
【図5】駆動軸が逆転防止手段に遊動している状態を示す説明図。
【図6】ストッパー部材が第2伝動歯車から解除した状態を示す説明図。
【図7】駆動軸13が逆転防止手段で回転を阻止される状態を示す説明図。
【図8】回転力制御手段が回転した状態を示す説明図。
【図9】本発明の特徴を示す説明図。
【符号の説明】
1…機枠、2…支持部、3…逆転防止手段、4…支持台、5…発電機、7…中心軸、8,8…玉軸受け、10…バネ駆動集合体、11…所要空間、12…ゼンマイ巻上げ手段、13…駆動軸、14,14…玉軸受け、15…操作部材、16…駆動歯車、20…ゼンマイギヤ、21…ゼンマイ巻取り回転板、30…第2追動ゼンマイ巻上げ手段、31…第3段ゼンマイバネ、32…第3摺動筒、33…最終追動ゼンマイ巻上げ手段、35…最終段ゼンマイバネ、41…ストッパー部材、43…加速用伝動歯車機構、51…回転力制御手段、55…付勢バネ、56…取り付部、57…ブレーキ板、58…遠心振り子部材。

Claims (5)

  1. 機枠に軸支されたゼンマイ用の中心軸に、少なくとも初段と最終段のゼンマイバネを有するバネ駆動集合体を配設し、ゼンマイバネの巻上げ時、機枠に所要間隔離間して配設された駆動力蓄積用ストッパー部材と逆転防止手段との間に於いて、前記バネ駆動集合体のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積することができると共に、前記機枠に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸と協働回転するゼンマイ巻上げ手段を前記中心軸に配設し、また、機枠に中心軸と共に回転する加速用伝動歯車機構を設け、この加速用伝動歯車機構によって加速する発電用回転軸を機枠に軸架し、また、この回転軸の回転速度を所定の速度に制御する回転力制御手段を機枠に設け、前記ストッパー部材のスッパーを解除したゼンマイバネの復帰時に、バネ駆動集合体の各ゼンマイバネの復帰力が、前記回転力制御手段で制動されることを特徴とするバネ駆動発電機。
  2. 請求項1に於いて、回転力制御手段は、発電用回転軸に設けられた固定側バネ端支持ボス部52及び可動側バネ端支持ボス部54と、これらに両端部がそれぞれ固定された遠心振り子部材58と、機枠に設けられたブレーキ板57とから成り、前記可動側バネ端支持ボス部54は、回転軸の回転時、遠心振り子部材58の遠心力に対応してスライドし、ブレーキ板57に当接することを特徴とするバネ駆動発電機。
  3. 請求項1に於いて、遠心振り子部材58は、板バネの中心部に振り子を有することを特徴とするバネ駆動発電機。
  4. 機枠に軸支されたゼンマイ用の中心軸に、少なくとも初段と最終段のゼンマイバネを有するバネ駆動集合体を配設し、ゼンマイバネの巻上げ時、前記バネ駆動集合体のバネ力を初段から最終段のゼンマイバネへと順次蓄積することができると共に、前記機枠に設けられたゼンマイ巻上げ用の駆動軸と協働回転するゼンマイ巻上げ手段を前記中心軸に配設し、また、機枠に中心軸と共に回転する加速用伝動歯車機構を設け、この加速用伝動歯車機構によって加速する発電用回転軸を機枠に軸架し、また、この回転軸の回転速度を所定の速度に制御する回転力制御手段を機枠に設け、バネ駆動集合体の各ゼンマイバネの復帰力が、前記回転力制御手段で制動されることを特徴とするバネ駆動発電機。
  5. 請求項4に於いて、ゼンマイ巻上げ駆動軸の逆回転を阻止することができるように機枠に逆転防止手段が設けられていることを特徴とするバネ駆動発電機。
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