JP2004277803A - バルブシート皮膜形成用圧粉体電極およびバルブシート皮膜形成方法 - Google Patents

バルブシート皮膜形成用圧粉体電極およびバルブシート皮膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放電エネルギーを利用してバルブシート皮膜をシリンダヘッドのバルブシート部に形成するための処理操作を全体として高速化し、量産技術として適用することのできるバルブシート皮膜形成用圧粉体電極およびバルブシート皮膜形成方法を提供する。
【解決手段】圧粉体電極部2を導電性支持部材3の先端面3bおよび非導電性支持部材4の外周面4aに固着して圧粉体電極部2の脱落を防止し、かつ、圧粉体電極部2が消耗した際の異常放電を非導電性支持部材4の絶縁性によって防止することで、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極1の耐用時間を延長し、電極交換の頻度を減らすことで全体的な作業を効率化して量産化を実現する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極およびバルブシート皮膜形成方法の改良、具体的には、バルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成するための処理操作を全体として高速化し、量産技術として適用するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダヘッドのバルブシート部にはシリンダヘッドと別の部材から成るバルブシートリングを圧入して取り付け、このバルブシートリングによってバルブ周辺の機密性を確保するのが一般的であったが、この種の従来技術には、バルブシートリングが熱伝導の阻害要因となってバルブに過剰な温度上昇が生じたり、更には、この温度上昇によってエンジンの正常な点火が妨げられたりする欠点があった。
【0003】
そこで、シリンダヘッドと別の部材から成るバルブシートリングの使用を避け、レーザー加工を利用してバルブシート部に肉盛りを施すようにした技術が、特許第2964819号等として既に提案されている。
【0004】
しかし、レーザー加工を利用してバルブシート部に肉盛りを施すためには、大エネルギーのレーザー光を環状のバルブシート部に一巡させてレーザーを照射する必要がある。この結果、レーザー光の照射開始位置(加工開始点)とレーザー光の照射終了位置(加工終了点)とが重複してしまい、この重複部分に照射されるエネルギーがバルブシート部の他の箇所よりも大きくなり、全体としての肉盛りの厚みが一定とならず、圧力盛れ等の問題が発生する可能性があった。
【0005】
更に厳密に言えば、レーザー光の照射開始直後から、バルブシート部の周方向に隣接する各箇所に時系列に沿って連続的にレーザー光が照射されるのであるが、このエネルギーはバルブシート部の周辺に積算的に蓄積されていくので、レーザー光の強度を一定にしたとしても、バルブシート部の各箇所に供給されるエネルギーの量が時系列に沿って徐々に大きくなってしまうといった弊害がある。このようなエネルギー量の変化は連続的であり、従って、バルブシート部の周方向に隣接する各箇所間での温度の相違は僅かとも言えるが、前述した通り、レーザー光を環状のバルブシート部に一巡させて照射する関係上、加工開始時点の温度と加工終了時点の温度の相違は無視できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人らは、前述の不都合を解消すべく、バルブシートリングやレーザー加工を利用した肉盛りに代わるバルブシート部の構成について研究を重ね、放電エネルギーを用いて、バルブシートリングやレーザーを利用した肉盛りに代わるバルブシート皮膜を形成するようにしたバルブシート皮膜形成技術を特願2001−041075として提案した。
【0007】
このバルブシート皮膜形成技術は、簡潔に言えば、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極とシリンダヘッドのバルブシート部との間に所定の放電ギャップを維持した状態で両者間に間欠的な絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーでバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融し、更に、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成してバルブシート部に移着させ積層することによってバルブシート部の表面にバルブシート皮膜を形成するものである。
【0008】
この際に使用したバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を図6(a)に示す。このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極100は、シリンダヘッド101側に形成されたバルブシート部102の形状に倣った外周形状(テーパ面)を備えた圧粉体電極部103と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部103に通電するための導電性支持部材104とから成る。
【0009】
導電性支持部材104は銅等によって形成された円柱体、また、圧粉体電極部103は中空の環状体であり、圧粉体電極部103の上面を導電性支持部材104の先端面に導電性の接着剤105を用いて接着することにより両者が実質的に一体化されている。
【0010】
このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極100は、圧粉体電極部103が中空の環状体とされていることから圧粉体成分の材料を節約できるが、同時に、導電性支持部材104と圧粉体電極部103との間の接着面が僅かとなるため、加工中に圧粉体電極部103が導電性支持部材104の先端面から脱落する等の弊害もあった。この結果、皮膜形成作業を連続的に継続して行うことが困難で、結果として、全体としての処理操作に遅れが生じ、シリンダヘッドの量産化には不都合があった。
【0011】
そこで、本出願人らは、更に、図6(b)に示すようなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極106を開発した。
【0012】
このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極106は、バルブシート部102の形状に倣った外周形状(テーパ面)を備えた圧粉体電極部103と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部103に通電するための導電性支持部材107とから成る点では図6(a)のものと同様であるが、導電性支持部材107の先端部に縮径部107aを形成し、圧粉体電極部103の上面と導電性支持部材107の先端面、および、圧粉体電極部103の内周面と縮径部107aの外周面との間を導電性の接着剤105で接着するように改良したため、加工中に圧粉体電極部103が導電性支持部材107から脱落する等の問題が解消された。
【0013】
これにより、皮膜形成作業を連続して継続することが可能となったかに見えたが、実際に皮膜形成作業を行ってみると、図6(b)の(イ)に示されるように、圧粉体電極部103とバルブシート部102との間よりも先に、導電性支持部材107の縮径部107aの先端外周部とバルブシート部102との間で絶縁破壊が生じてしまうことがあり、圧粉体成分による皮膜形成が阻害される場合があることが判明した。
【0014】
また、一定以上の作業の継続によって圧粉体電極部103が消耗してくると、図6(b)の(ロ)に示されるように、導電性支持部材107の縮径部107aの先端外周部とバルブシート部102またはポート108との間で頻繁に放電が生じるといった重大な弊害が生じてしまう。
【0015】
このため、圧粉体電極部103の脱落は解消されても、同じバルブシート皮膜形成用圧粉体電極106を連続して使用することができない。つまり、圧粉体電極部103の部分を頻繁に交換しなければならず、導電性支持部材107に対する接着剤105の塗布、導電性支持部材107に対する圧粉体電極部103の接着、接着剤105の加熱硬化処理等の段取り作業が煩雑となり、全体としての処理操作に遅れが生じ、シリンダヘッドの量産化には不向きとなる欠点がある。
【0016】
また、本出願人らは、この他にも、この種の皮膜形成技術を適用したシリンダヘッドの量産化を困難とする原因として、以下の2点に想到した。
【0017】
まず、その1つは、放電加工機のサーボヘッドに対するバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の取付構造にある。
【0018】
この種の皮膜形成技術は通常の型彫り放電加工機を流用して行われるが、型彫り放電加工機の電極取付構造は、サーボヘッドに着脱自在に装着される電極ホルダによって構成され、銅等の非磁性体から形成された電極が電極ホルダを介してサーボヘッドに装着されるようになっている。電極ホルダに対する電極の取り付けは、一般に、電極ホルダに設けられた略L字型の電極受けと2本の固定用ボルトによって実現されるが、電極ホルダに電極を取り付ける作業それ自体が煩雑であり、この段取りの悪さが全体としての処理操作の遅れを増長している。
【0019】
また、皮膜形成技術を適用したシリンダヘッドの量産化が困難とされるもう1つの原因は、放電エネルギーによってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融し、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させて硬質の炭化物を生成し、バルブシート部に移着させて積層するという皮膜形成のプロセスそれ自体にある。
【0020】
つまり、皮膜形成に用いる加工用のパルス電源は、放電加工機のパルス電源をそのまま流用することが可能であり、加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等に関しては自由に設定することが可能であるが、例えば、皮膜形成速度を速くするためにパルス幅を長めに設定すると皮膜の面粗度が粗くなる等の問題が生じ、皮膜形成速度と精度の両立を図ることは非常に難しい。つまり、面粗度を向上させるためには加工速度が遅くなり、当然、全体としての処理操作が遅れてしまう。
【0021】
除去加工の一種である通常の放電加工においては、荒取り用の電源条件と仕上げ用の電源条件とをNC装置によって個別に設定し、加工の初期段階で大電力の除去加工を行い、最終的に残された取り代を仕上げ用の電源条件で綺麗に仕上げるといったことも可能であるが、放電エネルギーを利用して皮膜を形成する場合においては、初期の段階で皮膜面に荒れや凹凸が生じてしまうと、これらの荒れや凹凸が最後までウネリあるいは形状誤差として残ってしまうため、初期段階に粗い加工を行って加工所要時間を短縮するといったことはできない。つまり、放電加工の技術をそのまま適用しても皮膜形成速度と精度の両立を図ることはできない。
【0022】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の問題点を改善し、放電エネルギーを利用してバルブシート皮膜をシリンダヘッドのバルブシート部に形成するための処理操作を全体として高速化し、量産技術として適用することのできるバルブシート皮膜形成用圧粉体電極およびバルブシート皮膜形成方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極は、シリンダヘッドのバルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成する際に使用されるバルブシート皮膜形成用圧粉体電極であり、前記目的を達成するため、特に、
バルブシート部の形状に倣った外周形状を備え且つ中央部に孔を備えた圧粉体電極部と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部に通電するための導電性支持部材とを有し、
圧粉体電極部が、導電性支持部材と実質的に一体化されて導電性支持部材の先端から突出した非導電性支持部材に前記孔を嵌合させて、導電性支持部材の先端面および非導電性支持部材の外周面に固着されていることを特徴とした構成を有する。
【0024】
圧粉体電極部が導電性支持部材の先端面、および、実質的に導電性支持部材と一体化された非導電性支持部材の外周面に固着されて支えられるため、導電性支持部材に対する圧粉体電極部の取り付け強度が増し、加工中に圧粉体電極部が導電性支持部材から脱落する等の問題が解消される。
また、圧粉体電極部の中央部の孔に嵌合される非導電性支持部材は電気を通さない絶縁体であるため、仮に、圧粉体電極部が消耗して非導電性支持部材の先端が露出したような場合であっても、不適当な箇所で絶縁が破壊されて放電が生じることはなく、適正な皮膜形成プロセスを維持することができる。
これにより、従来のように頻繁に圧粉体電極部あるいはバルブシート皮膜形成用圧粉体電極自体を交換する必要がなくなり、全体としての処理操作が高速化され、シリンダヘッドの量産化が可能となった。
【0025】
具体的には、前述の非導電性支持部材は、導電性支持部材の中心部に形成された孔に固着されて導電性支持部材の先端から突出するセラミックス部材によって構成することが可能である。
【0026】
セラミックス部材は加工液となる油等に対して十分な耐久性があるため、加工プロセス中に損傷を生じる心配がない。
【0027】
また、この非導電性支持部材は、導電性支持部材の先端の縮径部と該縮径部を覆う非導電性皮膜とによって形成するようにしてもよい。
【0028】
導電性支持部材の先端を旋盤等で縮径して非導電性皮膜をコーティングするだけの簡単な作業で非導電性支持部材を形成することができるため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の製作に必要とされる材料費や製造コストを低減化できるメリットがある。
【0029】
また、本発明のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極は、前記と同様の目的を達成するため、
バルブシート部の形状に倣った外周形状を備えた圧粉体電極部と、放電加工機のサーボヘッドに設けられた電磁チャックに圧粉体電極部を装着して通電するための導電性支持部材とから成り、
この導電性支持部材が、圧粉体電極部の成形工程において、圧粉体電極部を形成する圧粉体に積層して圧粉体成形金型に投入された磁性粉末により、圧粉体電極部と一体に形成されていることを特徴とした構成を有する。
【0030】
圧粉体電極部と一体に形成された磁性粉末から成る導電性支持部材を介してバルブシート皮膜形成用圧粉体電極をサーボヘッドの電磁チャックに直に装着することが可能となるため、電極ホルダを用いた複雑な電極の脱着作業が省略され、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の交換に関連する段取り作業の所要時間が短縮される。
この結果、従来と同等の頻度でバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を交換する場合であっても、皮膜形成に用いられる放電加工機の稼動休止時間が相対的に短くなり、全体としての処理操作が高速化され、シリンダヘッドの量産化が可能となった。
また、導電性支持部材は圧粉体電極部と同時に圧粉体成形金型で成形されるため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の製造コストが軽減化されるメリットがある。
【0031】
本発明のバルブシート皮膜形成方法は、シリンダヘッドのバルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成するバルブシート皮膜形成方法であり、前記と同様の目的を達成するため、特に
バルブシート部の形状に倣った外周形状を備えたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転させながら前記外周形状とバルブシート部との間で間欠的に絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーによってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融し、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成してバルブシート部に移着させて積層することを特徴とした構成を有する。
【0032】
バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転(自転)させながらバルブシート部との間で間欠的に絶縁破壊を励起するようにしているため、バルブシート部の各箇所に炭化物が平均的に積層されて皮膜形成のプロセスが安定化するので、加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等の条件を従来以上に高パワー側に設定しても、従来と同等の面粗度や形状誤差を保証することができる。
つまり、従来と同等の精度を維持した状態で皮膜形成のプロセスを高速化することができ、全体としての処理操作が高速化される結果、シリンダヘッドの量産化が可能となった。
また、全体としての処理操作の所要時間が従来と同等でよいのであれば、バルブシート皮膜の形成に際して従来以上の面粗度と形状精度を得ることが可能となる。
【0033】
更に、バルブシート部の斜面に倣った外周形状を備えたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転(自転)させると共に、前記外周形状とバルブシート部の斜面との間に所定の放電ギャップが維持されるようにしてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を公転させながら、前記外周形状とバルブシート部との間で間欠的に絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーによってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融し、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成してバルブシート部に移着させて積層するようにしてもよい。
【0034】
バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を公転させることで、直径の小さなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を使用した場合であっても、より大きな直径を有するバルブシート部の斜面との間に一定の放電ギャップを保って放電を行いながらバルブシート皮膜を形成することが可能となる。この際、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極自体が回転(自転)しているので、電極の圧粉体成分が部分的に消耗する心配はなく、前記と同様、バルブシート部の各箇所に炭化物を平均的に積層して精密なバルブシート皮膜を形成することができる。
つまり、バルブシート部の斜面の傾きさえ一致していればバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を交換することなく別の仕様を有する(直径の異なる)シリンダヘッドのバルブシート部に対してバルブシート皮膜を形成することが可能となり、電極の交換に関連する段取り作業の所要時間が短縮され、全体としての処理操作が高速化される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1(a)は、本発明を適用した一実施形態のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極1の構造について示した断面図である。
【0036】
このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極1は、シリンダヘッド101側に形成されたバルブシート部102の形状に倣った外周形状(テーパ面)を備えた圧粉体電極部2と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部2に通電するための導電性支持部材3、および、導電性支持部材3と実質的に一体化されて導電性支持部材3の先端から突出した非導電性支持部材4とによって構成される。
【0037】
非導電性支持部材4は、電気的な絶縁機能を備えたセラミックス製であり、銅製の導電性支持部材3の中心部に形成された孔3aに固着されて、導電性支持部材3と実質的に一体化している。
【0038】
また、圧粉体電極部2の中央部には孔5が形成され、圧粉体電極部2は、非導電性支持部材4の先端に孔5を嵌合させた状態で、導電性の接着剤105により、導電性支持部材3の先端面3bおよび非導電性支持部材4の外周面4aに固着されている。
【0039】
このようにして、圧粉体電極部2が導電性支持部材3の先端面3b、および、導電性支持部材3と一体化された非導電性支持部材4の外周面4aに固着されて支えられるため、導電性支持部材4に対する圧粉体電極部2の取り付け強度が増し、また、圧粉体電極部2の部分的な欠け落ち等も未然に防止され、バルブシート皮膜の形成中に圧粉体電極部2が導電性支持部材4から脱落するといった問題が解消される。
【0040】
また、圧粉体電極部2の中央部の孔5に嵌合された非導電性支持部材4は電気を通さない絶縁体であるため、図6(b)の(イ)に示されるような従来例とは違って、皮膜形成時に非導電性支持部材4の先端外周部とバルブシート部102との間で絶縁破壊が生じてしまうようなことは一切なく、仮に、圧粉体電極部2が消耗して非導電性支持部材4の先端が露出した状態でギャップ一定のサーボ送りが進められて非導電性支持部材4の先端がポート108内に突入したような場合であっても、図6(b)の(ロ)に示される従来例とは違って、非導電性支持部材4とバルブシート部102またはポート108との間で異常放電が生ずる心配がない。
【0041】
従って、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極1を頻繁に交換しなくても異常な放電を防止して圧粉体電極部2の圧粉体成分による皮膜形成のプロセスを安定的に継続することができ、全体としての処理操作が高速化され、シリンダヘッドの量産化が可能となる。
【0042】
図1(b)は、本発明を適用した他の変形例のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極6の構造について示した断面図である。
【0043】
このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極6は、シリンダヘッド101側に形成されたバルブシート部102の形状に倣った外周形状(テーパ面)を備えた圧粉体電極部7と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部7に通電するための銅等から成る導電性支持部材8、および、導電性支持部材8の先端外周を旋盤加工等で切削して形成された縮径部9とから構成されている。
【0044】
そして、縮径部9の外周部および先端面にはポリマーコーティング等による非導電性皮膜10が形成され、この縮径部9が、外部に対して電気的に絶縁される。縮径部9と非導電性皮膜10とを合わせたものが本変形例における非導電性支持部材11である。
【0045】
図1(a)に示した実施形態と同様、粉体電極部7は、非導電性支持部材11に孔12を嵌合させた状態で導電性の接着剤105によって導電性支持部材8の先端面8bおよび非導電性支持部材11の外周面11aに固着されている。
【0046】
図1(a)に示した実施形態との相違は、導電性支持部材8の一部を利用して非導電性支持部材11を形成している点にあり、導電性支持部材8の先端外周を旋削して非導電性皮膜10をコーティングするだけの簡単な作業で非導電性支持部材11を形成することができるため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極6の製作に必要とされる材料費や製造コストを低減化できるメリットがある。
【0047】
その他の作用および効果の点に関しては図1(a)に示したバルブシート皮膜形成用圧粉体電極1と同様であるので説明を省略する。
【0048】
以上の実施形態では、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の実質的な耐用時間を延長して電極の交換回数を削減することで全体としての処理操作を高速化してシリンダヘッドの量産化を図った例について述べた。
【0049】
次に、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の交換に要する段取り作業の所要時間を短縮することで全体としての処理操作を高速化してシリンダヘッドの量産化を図った場合の一実施形態について説明する。
【0050】
図2(a)は本実施形態のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の構造について示した側面図、また、図2(b)は、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の製造工程について簡略化して示した模式図である。
【0051】
この実施形態のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13は、シリンダヘッド101側に形成されたバルブシート部102の形状に倣った外周形状(テーパ面)を備えた圧粉体電極部14と、放電加工機のサーボヘッドに設けられた電磁チャックに圧粉体電極部14を装着して通電するための導電性支持部材15とによって完全に一体に形成されている。
【0052】
バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の製造工程は図2(b)に示す通りのもので、まず、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を成形するための圧粉体成形金型16を予め準備しておき、この圧粉体成形金型16に圧粉体電極部14を形成するための圧粉体14’を投入し、更に、この圧粉体14’に積層するようにして導電性支持部材15を形成するための磁性粉末15’を投入した後、圧粉体成形金型16にピストン状の押圧部材17を内嵌して強力にプレスする。
【0053】
この1つの成形工程により圧粉体14’と磁性粉末15’とが一体化して固化され、圧粉体電極部14と導電性支持部材15とから成る一体のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13が形成される。このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を圧粉体成形金型16から取り出せば、成形工程の作業は完了である。
【0054】
この実施形態では、圧粉体電極部14を形成するための圧粉体14’として表1に示される金属粉末の混合体を、また、磁性粉末15’としては通常の鉄粉を使用した。
【0055】
【表1】
Figure 2004277803
【0056】
図3はバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を用いてバルブシート皮膜を形成する際に使用される型彫り放電加工機の主要部の構造を簡略化して示した模式図である。
【0057】
サーボヘッド18は、放電加工機のコラム部分に固設されており、図示しないNC装置により設定された加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等の加工条件に基いて加工用のパルス電源19から電力を供給され、電極ホルダ20および電磁チャック21を介してバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13に通電する。
【0058】
電磁チャック21自体は従来の放電加工用電極のようにして電極ホルダ20に対し固定用ボルト等によって着脱可能に固定されているが、本実施形態のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13は鉄粉を固化して形成した導電性支持部材15を備えているため、電極ホルダ20に電磁チャック21を装着したまま電磁チャック21の磁化状態をON/OFFするだけの簡単な操作で電磁チャック21に対するバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の着脱作業を行うことができ、電極ホルダ20それ自体に対しては何らの操作も要求されない。
【0059】
なお、電極ホルダ20は既に述べたように電極受けや固定用ボルト等によって構成され、様々な形状および大きさの放電加工用電極に対処することが可能な構造となっているので、これらの電極受けや固定用ボルト等を上手く利用すれば、電磁チャック21として改めて格別なものを設計製作する必要はなく、市販品から流用された電磁チャック21をそのまま電極ホルダ20に装着することも可能である。
【0060】
また、加工対象となるシリンダヘッド101は、バルブシート部102を上方に向けてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の圧粉体電極部14に対向させた状態で図3のようにして放電加工機のテーブル22上に固定され、テーブル22にはサーボヘッド18側と逆の極性でパルス電源19が接続されている。
【0061】
そして、テーブル22を覆う放電加工槽23に満たされた加工液(油)24によってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13とシリンダヘッド101との間が絶縁されている。
【0062】
サーボヘッド18は、図示しないNC装置によって、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の先端と被加工物となるシリンダヘッド101のバルブシート部102との間の離間距離が一定となるようにして上下方向の送りを掛けられ、放電ギャップを一定の値に保持するようになっている。これは、放電加工の分野でサーボ送りと呼ばれる制御方式であり、実際には、放電電流の値を予め決められた設定値に保持するようにZ軸のサーボモータをフィードバック制御することで両者間の放電ギャップが一定の値に保持されるようになっている。
【0063】
また、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の交換に際しては、手動制御装置からのジョグ送り指令等によってコラム自体を上方に退避させ、上下方向に十分な作業スペースを確保してバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の交換作業を行うことが可能である。
【0064】
ここで、図4を参照して従来の電極交換作業と本実施形態における電極交換作業との相違について説明する。
【0065】
図6(b)に示されるような従来型のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極106を使用した場合、通常、電極の交換作業は、銅製の導電性支持部材107のコストが高いこと等を理由に、圧粉体電極部103のみを取り替えることによって行われる。
【0066】
従って、この電極交換作業で必要とされる工程は図4に示されるように、圧粉体電極部103の成形工程(所要時間t1)と、導電性支持部材107に対する接着剤105の塗布工程(所要時間t2)、および、導電性支持部材107の先端に対する圧粉体電極部103の接着工程(所要時間t3)、ならびに、接着剤105を加熱して実用的な強度を発揮させるための加熱硬化工程(所要時間t4)、更に、接着により一体化された圧粉体電極部103と導電性支持部材107とから成るバルブシート皮膜形成用圧粉体電極106を放電加工機の電極ホルダに装着するための装着工程(所要時間t5)の5工程である。
【0067】
これに対し、本実施形態のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を使用した場合の電極交換作業で必要とされる工程は、図4に示されるように、圧粉体14’と磁性粉末15’からバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を一体に成形する成形工程と、このバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を放電加工機の電磁チャック21に装着する装着工程の2工程のみである。
【0068】
このうち、本実施形態の成形工程は、前述した通り、単一の圧粉体成形金型16に圧粉体14’および磁性粉末15’を投入して加圧プレスする1つの成形工程で済むため、その所要時間は、従来技術を適用して圧粉体電極部103を成形する場合の成形工程(所要時間t1)と実質的に同一である。
【0069】
また、本実施形態の装着工程は、電極ホルダ20に対して固定用ボルト等を用いてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を装着する必要はなく、電極ホルダ20に電磁チャック21を取り付けたまま、電磁チャック21側の磁化状態をON/OFFと切り替えてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の着脱を行うだけで済むから、その装着工程(所要時間t5’)は、従来技術における装着工程(所要時間t5)に比べて遥かに短くて済む。
【0070】
このように、本実施形態によれば、従来と同等の頻度でバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を交換する場合であっても、接着剤の塗布工程(所要時間t2)や接着工程(所要時間t3)および接着後の加熱硬化工程(所要時間t4)を完全に省略することができ、しかも、電磁チャック21にバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を取り付ける装着工程(所要時間t5’)は、電極ホルダ20に対して固定用ボルト等を用いて行われる従来の電極装着工程(所要時間t5)に比べて遥かに迅速に行うことができる。従って、電極交換の全体的な所要時間、言い換えれば、放電加工機の稼動休止時間を従来のものに比べて大幅に短縮することができ、全体としての処理操作が高速化されてシリンダヘッドの量産化が可能となる。
【0071】
なお、図6(b)に示されるような従来技術においても、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極106を予め多数準備しておき、電極106全体を次々と交換することで接着剤の塗布工程(所要時間t2),接着工程(所要時間t3),接着後の加熱硬化工程(所要時間t4)を省略して電極の交換作業の所要時間を短縮することが可能であるが、本実施形態においても、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を予め多数準備しておけば、これと同様のことが実現可能である。
【0072】
何れにしても、電極の装着工程は必要であり、従来技術における電極の装着工程(所要時間t5)に比べて本実施形態の電極の装着工程(所要時間t5’)の方が短時間で済むので、予め多数の電極を準備しておいたような場合でも、全体としての処理操作の高速化のためには本実施形態の方が遥かに有利である。
【0073】
また、本実施形態では、図6(b)に示されるような従来例と違って、高価な銅からなる導電性支持部材107を多数準備する必要はなく、鉄粉等の磁性粉末15’を用いた圧粉体成形で廉価に製造された導電性支持部材15を利用することができるため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極13の製造コスト自体が軽減化されるメリットがある。
【0074】
最大の作業効率を得るためには、前述のようにして製造されたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を予め幾つも準備しておき、電極の消耗に応じて次々とバルブシート皮膜形成用圧粉体電極13を交換していくようにすればよく、その際に必要とされる段取りの所要時間つまり加工の停止時間は、高々、電磁チャック21の磁化状態を切り替えて皮膜形成用圧粉体電極13を取り替えるために必要とされる所要時間t5’のみである。
【0075】
次に、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転(自転)させてバルブシート皮膜の形成プロセスそれ自体を相対的に高速化することで全体としての処理操作を高速化してシリンダヘッドの量産化を図った場合の実施形態について説明する。
【0076】
図5(a)は一実施形態のバルブシート皮膜形成方法について示した概念図である。バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25としては、図1(a),図1(b)で示したようなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極、または、図2(a)で示したようなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極、更には、図6(a),図6(b)で示したような従来型のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を利用することができる。
【0077】
バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25は、シリンダヘッド101側に形成されたバルブシート部102の形状に倣った外周形状(テーパ面)を備えた圧粉体電極部26と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部26に通電するための導電性支持部材27とによって実質的に一体に形成され、放電加工機のサーボヘッドに固設された電極回転機構(図示せず)に電極ホルダを介して取り付けられている。
【0078】
この電極回転機構は、円柱状の放電加工用電極を使用して放電加工を行う際に電極先端部の消耗を均一化するために電極の回転中心を所定位置に止めたまま電極を回転(自転)させたり、更には、小径の円柱状放電加工用電極を使用して電極径よりも大きな径の穴をワークに穿設したり、あるいは、廉価な管状の放電加工用電極を使用して芯を残さずにワークに穴明またはポケット加工を行うために電極を回転(自転)させつつ公転動作させることを目的として考案されたもので、型彫り放電加工機の分野では既に公知である。
【0079】
本実施形態においては、この電極回転機構が有する電極の回転(自転)機能を、バルブシート部102の各箇所に炭化物を平均的に積層させて皮膜形成のプロセスを安定化させ、加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等の条件を高パワー側に設定して従来と同等の面粗度や形状誤差を得るために流用する。
【0080】
ワークのセッティング等の段取りに関しては前記と同様であり、加工対象となるシリンダヘッド101は、バルブシート部102を上方に向けてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極25の圧粉体電極部26に対向させた状態で図5(a)のようにして放電加工槽23内に設置され、放電加工槽23に満たされた加工液(油)24によってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極25とシリンダヘッド101との間が絶縁される。
【0081】
この実施形態のシリンダヘッド101はアルミ合金製であり、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25の圧粉体電極部26には、Al,Zn,Sn,Cuと炭化して硬質の炭化物を生成するTi,Nb,V,Cr,Mn,Zr,Mo,W,Hf,Ta,Co,Niの金属粉末を混合した圧粉体を使用し、図5(a)の構成に従って油中放電を行うことで、バルブシート部102に耐磨耗性に優れた炭化チタンを主成分とする硬質のバルブシート皮膜を形成した。加工用のパルス電源に設定した電源条件と電極回転機構の駆動条件を表2に示す。
【0082】
【表2】
Figure 2004277803
【0083】
但し、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25とバルブシート部102との相対速度を示す0.5〜15mm/secの値は圧粉体電極部26の外周部のテーパ面の周速である。
【0084】
一般に、バルブシート皮膜の形成速度を速くするためにパルス幅やデューティ比および放電電流等を大きめに設定するとバルブシート皮膜の面粗度が粗くなる等の問題が生じ、また、十分な面粗度を得るためにはパルス幅やデューティ比および放電電流等を小さ目に設定する必要があるため、バルブシート皮膜の形成速度と精度の両立を図ることは困難であるが、このようにしてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極25を回転(自転)させながら表2に示されるような条件で圧粉体電極部26の外周形状(テーパ面)とバルブシート部102との間で間欠的に絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーによって圧粉体電極部26の圧粉体成分を溶融し、放電加工槽23中の加工液(油)24の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成してバルブシート部102に移着させて積層することで、高精度の面粗度と一様な組成を有する炭化チタンのバルブシート皮膜を比較的短時間のうちにバルブシート部102上に形成することができるようになる。
【0085】
つまり、圧粉体電極部26とバルブシート部102との間に生じる放電自体は分散的なものであっても、圧粉体電極部26自体を回転(自転)させることで、この分散的な放電がバルブシート部102上の各個所で頻繁に平均的に発生するようになるので、全体として、バルブシート部102上の全域に亘って均等に炭化物の皮膜が形成されるのである。また、これによりバルブシート皮膜の表面が多孔質状に荒れるといった弊害も解消される。
【0086】
但し、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25の回転数は皮膜の形成対象となるバルブシート部102の大きさ(直径)に応じて調整する必要があり、回転数が高すぎるとバルブシート部102上での放電点(絶縁が破壊される箇所)が定まり難くなるためにバルブシート皮膜の形成が困難となり、また、回転数が低いと面粗度が粗くなる弊害が生じるため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25とバルブシート部102との相対速度が0.5〜15mm/secとなるように電極回転機構の回転速度を設定することが望ましい。
【0087】
以上に述べたように、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極25を回転(自転)させながら放電を行ってバルブシート皮膜を形成することでバルブシート皮膜の面粗度と平滑性が保証されるので、加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等の条件を従来以上に高パワー側に設定しても最終的に従来と同等の面粗度や形状誤差を維持することができる。
【0088】
つまり、加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等の条件を高パワー側に設定してバルブシート皮膜の形成速度を高速化することが可能であり、全体としての処理操作が高速化される結果、シリンダヘッドの量産化が容易となる。
【0089】
また、全体としての処理操作の所要時間が従来と同等でよいのであれば、従来以上の面粗度と形状精度を獲得することができるので、より精密なバルブシート皮膜の形成にも適する。
【0090】
次に、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転(自転)させると共に公転させながらバルブシート皮膜を形成するようにしたバルブシート皮膜形成方法の実施形態について図5(b)を参照して説明する。
【0091】
この場合も、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28としては、図1(a),図1(b)で示したようなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極、または、図2(a)で示したようなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極、更には、図6(a),図6(b)で示したような従来型のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を利用することが可能である。
【0092】
バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28は、シリンダヘッド101側に形成されたバルブシート部102の斜面に倣った外周形状(テーパ面)を備え、かつ、バルブシート部102の直径よりも小さな直径を有する圧粉体電極部29と、放電加工機のサーボヘッドから圧粉体電極部29に通電するための導電性支持部材30とによって実質的に一体に形成され、放電加工機のサーボヘッドに固設された電極回転機構に電極ホルダを介して取り付けられている。
【0093】
この実施形態のバルブシート皮膜形成方法は、直径の小さなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28を使用して大きな直径を有するバルブシート部102の斜面にバルブシート皮膜を形成する際に使用するためのもので、その目的は、前述の電極回転機構を利用して、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28を回転(自転)させ、かつ、圧粉体電極部29の外周形状(テーパ面)とバルブシート部102の斜面との間に所定の放電ギャップが維持されるようにしてバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28を公転させることで達成される。
【0094】
仮に、図5(b)の例に示されるように、バルブシート部102の直径がDでバルブシート部102の斜面の傾きがθ、また、圧粉体電極部29の外周形状(テーパ面)の直径がdで所望される放電ギャップがSであるとすれば、バルブシート部102の中心から半径r=(D−d)/2−(S/sinθ)の円に沿ってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28の回転中心を公転させるようにすればよい。
【0095】
このようにして、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28を自転させると共に公転させることで、直径の小さなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28を使用した場合であっても、より大きな直径を有するバルブシート部102の斜面との間で一定の放電ギャップを保ってバルブシート皮膜を形成することが可能となる。この際、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28自体が回転(自転)しているので圧粉体電極部29の圧粉体成分が部分的に消耗する心配はなく、また、この回転により図5(a)の実施形態と同様にしてバルブシート部102の各箇所に炭化物が平均的に積層されるので、面粗度と平滑性に優れたバルブシート皮膜を比較的短時間のうちに形成することができる。
【0096】
つまり、バルブシート部102の斜面の傾きさえ一致していればバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28を交換することなくバルブシート部102の直径が相違する別の仕様のシリンダヘッド101のバルブシート部102に対してバルブシート皮膜の形成作業を継続して行うことが可能であり、電極の交換に関連する段取り作業の所要時間が短縮され、全体としての処理操作が高速化されることになる。
【0097】
バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28とバルブシート部102との相対速度は前記と同様に0.5〜15mm/secとすることが望ましいが、この場合の相対速度はバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28自体の回転(自転)による外周部の周速にバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28の公転による外周部の周速を加えた値〔公転方向と回転(自転)方向が一致している場合〕、または、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極28自体の回転(自転)による外周部の周速からバルブシート皮膜形成用圧粉体電極28の公転による外周部の周速を減じた値の絶対値〔公転方向と回転(自転)方向が逆の場合〕である。
【0098】
【発明の効果】
本発明のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極は、圧粉体電極部が導電性支持部材の先端面、および、実質的に導電性支持部材と一体化された非導電性支持部材の外周面に固着されて支えられる構造を有するので、導電性支持部材に対する圧粉体電極部の取り付け強度が増し、加工中に圧粉体電極部が導電性支持部材から脱落する問題が解消され、しかも、非導電性支持部材は電気を通さない絶縁体であるため、仮に、圧粉体電極部が消耗して非導電性支持部材の先端が露出したような場合であっても、不適当な箇所で絶縁が破壊されて放電が生じることはなく、継続して適正な皮膜形成プロセスを維持することができるので、従来のように頻繁に圧粉体電極部あるいはバルブシート皮膜形成用圧粉体電極自体を交換する必要がなくなり、全体としての処理操作が高速化されてシリンダヘッドの量産化が可能となる。
【0099】
また、非導電性支持部材をセラミックス部材によって構成することで、加工液となる油等に対しても十分な耐久性を発揮することができる。
【0100】
更に、導電性支持部材の先端の縮径部と該縮径部を覆う非導電性皮膜とによって非導電性支持部材を形成することで、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の製作に必要とされる材料費や製造コストを低減化することができる。
【0101】
本発明のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極は、圧粉体電極部の成形工程において圧粉体電極部となる圧粉体に積層して圧粉体成形金型に投入された磁性粉末により圧粉体電極部と一体に導電性支持部材を形成しているので、磁性粉末から成る導電性支持部材を介してバルブシート皮膜形成用圧粉体電極をサーボヘッドの電磁チャックに直に装着することが可能となり、ボルト等を利用した従来型の電極ホルダを用いた複雑な電極の脱着作業が省略され、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の交換に関連する段取り作業の所要時間が短縮されるので、従来と同等の頻度でバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を交換する必要がある場合であっても、皮膜形成に用いられる放電加工機の稼動休止時間を相対的に短縮することができ、全体としての処理操作が高速化されるので、シリンダヘッドの量産化が可能となる。
また、導電性支持部材は圧粉体電極部と同時に圧粉体成形金型で成形されるため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の製造コストが軽減され、予め多数のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を準備しておいて次々と電極を交換しながら作業を進めるような場合であっても、消耗品のランニングコストを安く抑えることができる。
【0102】
本発明のバルブシート皮膜形成方法は、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転させながらバルブシート部との間で間欠的に絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーによってバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融すると共に、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成してバルブシート部に移着させて積層するようにしているため、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の回転によってバルブシート部の各箇所に炭化物を平均的に積層して皮膜形成のプロセスを安定化することができる。この結果、加工電圧や加工電流およびパルス幅やデューティ比等の条件を従来以上に高パワー側に設定しても、従来と同等の面粗度や形状誤差を保証することが可能となり、従来と同等の精度を維持した状態で皮膜形成のプロセスを高速化して全体としての処理操作を高速化し、シリンダヘッドの量産化を達成することができる。(全体としての処理操作の所要時間が従来と同等でよいのであれば、従来以上の面粗度と形状精度を得ることが可能である。)
【0103】
更に、バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転および公転させることにより、直径の小さなバルブシート皮膜形成用圧粉体電極で大きな直径を有するバルブシート部にバルブシート皮膜を形成することもできるので、バルブシート部の斜面の傾きさえ一致していればバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を交換することなく別の仕様を有するシリンダヘッドのバルブシート部に対してバルブシート皮膜を形成することも可能であり、電極の交換に関連する段取り作業の所要時間を短縮してバルブシート皮膜の形成に関わる全体的な作業の流れを更に高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の実質的な耐用時間を延長して交換回数を削減することで全体としての処理操作を高速化してシリンダヘッドの量産化を図る場合の実施形態について示したもので、図1(a)は非導電性支持部材をセラミックスで形成した場合の例、また、図1(b)は非導電性支持部材を導電性支持部材の縮径部と非導電性皮膜とで形成した例である。
【図2】本発明を適用してバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の交換に要する段取り作業の所要時間を短縮することで全体としての処理操作を高速化してシリンダヘッドの量産化を図った場合の実施形態について示したもので、図2(a)はバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の構造について示した図、図2(b)は同実施形態のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極の製造工程について示した図である。
【図3】バルブシート皮膜を形成する際に使用される型彫り放電加工機について放電加工槽の周辺の構造を簡略化して示した模式図である。
【図4】同実施形態における電極交換作業の工程と従来の電極交換作業の工程との相違について示した概念図である。
【図5】皮膜形成のプロセスそれ自体を相対的に高速化することで全体としての処理操作を高速化してシリンダヘッドの量産化を図った場合の実施形態について示したもので、図5(a)はバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転させて皮膜の面粗度と平滑性を保証した状態で放電条件を高パワー側に設定して全体としての処理操作を高速化した例、図5(b)はバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転と同時に公転させて大径のバルブシート部への皮膜形成に対処した例である。
【図6】バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の従来例について示した断面図で、図6(a)は最初に開発されたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極、また、図6(b)は改良を施したバルブシート皮膜形成用圧粉体電極である。
【符号の説明】
1 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極
2 圧粉体電極部
3 導電性支持部材
3a 孔
3b 先端面
4 非導電性支持部材
4a 外周面
5 孔
6 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極
7 圧粉体電極部
8 導電性支持部材
8b 先端面
9 縮径部
10 非導電性皮膜
11 非導電性支持部材
11a 外周面
12 孔
13 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極
14 圧粉体電極部
14’ 圧粉体
15 導電性支持部材
15’ 磁性粉末
16 圧粉体成形金型
17 押圧部材
18 サーボヘッド
19 パルス電源
20 電極ホルダ
21 電磁チャック
22 テーブル
23 放電加工槽
24 加工液
25 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極
26 圧粉体電極部
27 導電性支持部材
28 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極
29 圧粉体電極部
30 導電性支持部材
100 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極(従来例)
101 シリンダヘッド
102 バルブシート部
103 圧粉体電極部(従来例)
104 導電性支持部材(従来例)
105 導電性の接着剤
106 バルブシート皮膜形成用圧粉体電極(従来例)
107 導電性支持部材(従来例)
107a 縮径部(従来例)
108 ポート

Claims (6)

  1. シリンダヘッドのバルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成する際に使用されるバルブシート皮膜形成用圧粉体電極であって、
    前記バルブシート部の形状に倣った外周形状を備え且つ中央部に孔を備えた圧粉体電極部と、放電加工機のサーボヘッドから前記圧粉体電極部に通電するための導電性支持部材とを有し、
    前記圧粉体電極部が、前記導電性支持部材と実質的に一体化されて前記導電性支持部材の先端から突出した非導電性支持部材に前記孔を嵌合させて、前記導電性支持部材の先端面および前記非導電性支持部材の外周面に固着されていることを特徴としたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極。
  2. 前記非導電性支持部材が、前記導電性支持部材の中心部に形成された孔に固着されて前記導電性支持部材の先端から突出するセラミックス部材によって形成されていることを特徴とした請求項1記載のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極。
  3. 前記非導電性支持部材が、前記導電性支持部材の先端の縮径部と該縮径部を覆う非導電性皮膜とによって形成されていることを特徴とした請求項1記載のバルブシート皮膜形成用圧粉体電極。
  4. シリンダヘッドのバルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成する際に使用されるバルブシート皮膜形成用圧粉体電極であって、
    前記バルブシート部の形状に倣った外周形状を備えた圧粉体電極部と、放電加工機のサーボヘッドに設けられた電磁チャックに前記圧粉体電極部を装着して通電するための導電性支持部材とから成り、
    前記導電性支持部材が、前記圧粉体電極部の成形工程で、前記圧粉体電極部を形成する圧粉体に積層して圧粉体成形金型に投入された磁性粉末により、前記圧粉体電極部と一体に形成されていることを特徴としたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極。
  5. シリンダヘッドのバルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成するバルブシート皮膜形成方法であって、
    前記バルブシート部の形状に倣った外周形状を備えたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転させながら前記外周形状とバルブシート部との間で間欠的に絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーによって前記バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融し、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成して前記バルブシート部に移着させて積層することを特徴としたバルブシート皮膜形成方法。
  6. シリンダヘッドのバルブシートリングに代わるバルブシート皮膜を放電エネルギーを利用してシリンダヘッドのバルブシート部に形成するバルブシート皮膜形成方法であって、
    前記バルブシート部の斜面に倣った外周形状を備えたバルブシート皮膜形成用圧粉体電極を回転させると共に、前記外周形状と前記バルブシート部の斜面との間に所定の放電ギャップが維持されるようにして前記バルブシート皮膜形成用圧粉体電極を公転させながら、前記外周形状とバルブシート部との間で間欠的に絶縁破壊を励起し、この際に生じる放電エネルギーによって前記バルブシート皮膜形成用圧粉体電極の圧粉体成分を溶融し、放電加工槽中の加工液の炭素原子と反応させ、硬質の炭化物を生成して前記バルブシート部に移着させて積層することを特徴としたバルブシート皮膜形成方法。
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