JP2004276423A

JP2004276423A - Inkjet recording method

Info

Publication number: JP2004276423A
Application number: JP2003071350A
Authority: JP
Inventors: Koji Igarashi; 宏二五十嵐
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 2003-03-17
Filing date: 2003-03-17
Publication date: 2004-10-07

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an inkjet recording method, by which a favorable color developing properties/ink absorbency at printing with a pigment ink and a favorable pigment ink fixability after printing are obtained. <P>SOLUTION: In the inkjet recording method, in which recording is performed on an inkjet recording sheet having at least one ink receiving layer on a support with pigment ink liquid drops, which are discharged from an inkjet recording device and include a coloring material pigment, an anionic dispersant and water, the average dispersed particle diameter of the coloring material pigment is set to be not more than 80 nm and, at the same time, the inkjet recording sheet includes water-soluble polyvalent metal salt and at least one kind of cationic resins. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料インクを用いて記録するインクジェット記録方法に関するものであり、特に印字後高い発色性と優れたインク吸収性、良好なインク定着性を提供するインクジェット記録方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【０００３】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
【０００４】
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやＰＯＰアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット記録用紙を多用する理由ともなっている。
【０００５】
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニーズは高まっており、その結果記録装置或いは用紙に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。例えば、大判ポスターやＰＯＰアート、また写真画像を出力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候性、画像保存性が求められるようになっている。このような要望に対し、インク及び用紙の改良が進んでおり、従来よりはかなり良好な保存性が得られるようになってきている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされていないのが現状である。
【０００６】
このような要求を満たすために、最近では顔料タイプのインクが使用されるようになってきている。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解しないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存性が向上することが知られている。しかし、顔料インクに用いられる色材顔料は染料と異なり溶媒に不溶である。よって色材顔料を安定に分散させる必要があり、顔料インク中の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料タイプのインクのように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にくい。よって画像形成に使用されるインク量は染料インクに比べて多くなる傾向にある。特にインク量の多い重色部間では境界滲み（ブリーディング）が発生しやすい。
【０００７】
顔料インクの着色効率、すなわち発色性を向上させる方法として、色材顔料の分散粒子径を小さくする方法が考えられる（例えば、特許文献１参照。）。顔料インクの平均分散粒子径を微粒化する検討は以前からなされており（例えば、非特許文献１、２、３参照。）、発色性の向上には非常に有効な手段である。しかし、平均分散粒子径を小さくすることで顔料インクの特徴である耐光性が低下する。また、色材顔料粒子の微粒化により粒子の表面エネルギーが増大し、分散安定性が損なわれる。色材顔料粒子自体が微粒化され、且つ分散安定性を確保するために過剰な分散剤が添加されると、顔料インクのインクジェット記録用紙への浸透性が高くなり、色材顔料のインクジェット記録用紙表面近傍での存在率が低下することから、発色性が低下する場合がある。よって、色材顔料の平均分散粒子径は小さくとも１００ｎｍ前後であるのが一般的となっており、染料インクと比較した場合、その発色性は未だ劣っているというのが現状である。
【０００８】
また、近年のインクジェット技術進展に伴い、インクジェット記録が銀塩写真方式の代替として使用されるようなってきている。これに伴い、インク受理層表面を平滑或いは鏡面処理し、光沢が付与されたインクジェット記録用紙が多用されるようになってきている。このような用途では画像の保存性が重視されることから、顔料インクの使用が有効と考えられるが、光沢を有した用紙に顔料インクで印字した場合、その表面平滑性のため色材顔料がインク受理層中に入り込めず表面に残存する現象が発生する。結果として印字部分を触った場合に顔料がこすれ落ち、印字画像が乱れることとなる。
【０００９】
このような光沢が付与されたインクジェット記録用紙の顔料インク定着性を向上させる方法として、インクジェット記録用紙の表面処理が考えられる。具体的には、表面に凹凸を設けたり、特定の粗さに調整したり、ポリマー等を用いたインク定着層を塗工する方法である。しかしながらこれら方法では、インク吸収性や表面光沢の低下といった問題が発生する。色材顔料の平均分散粒子径を小さくするか或いはインクの浸透性を向上させることにより塗層表面のインク残存率を減少させる方法も考えられるが、前述したような問題が発生することから有効な手段とは言い難い。
【００１０】
顔料インクをインクジェット記録用紙表面に定着させる方法として、ヘッドから吐出された顔料インクがインクジェット記録用紙表面に着弾する前にインクジェト記録用紙表面にカチオン性の処理液を塗布し、色材顔料成分が浸透しないようにする処方が提案されている（例えば、特許文献２参照。）。しかしながらこの方法では、色材顔料を用紙表面に定着させることは出来るものの、顔料インクの溶媒だけでなく処理液分の吸収容量が必要となり、結果として印字部の乾燥性悪化や汚れが発生するため、上述したような課題すべてを満足する品質を得ることは難しかった。
【００１１】
【特許文献１】
特開２００３−５５９５１号公報（第４頁）
【特許文献２】
特開平８−７２２３４号公報（第３頁）
【非特許文献１】
色材講演会資料「インクジェット用色材の現状と最近の研究動向」、色材協会、２０００年１０月、２３〜３４頁
【非特許文献２】
ＩＳ＆Ｔ’ｓＮＩＰ１３、Ｄ．Ｅ．Ｂｕｒｎｅｒ、１９９７年、第６６７〜６６９頁
【非特許文献３】
色材，１９９８年、Ｖｏｌ７、［７］、第４５８〜４６４頁
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、顔料インクを用いて記録するインクジェット記録方法に関し、特に印字後高い発色性と優れたインク吸収性、良好なインク定着性を示すインクジェット記録方法を提供することにある。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体上に少なくとも１層以上のインク受理層を有し、少なくとも色材顔料、アニオン系分散剤、水を含んでなる顔料インクの液滴がインクジェット記録装置より吐出された際にこれをインクジェット記録用紙に記録するインクジェット記録方法において、使用される色材顔料の平均分散粒子径が８０ｎｍ以下であり、且つ使用されるインクジェット記録用紙が水溶性多価金属塩またはカチオン性樹脂の少なくともいずれか一方を含有してなるインクジェット記録方法である。
【００１４】
該多価金属塩として、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、バリウム塩から選ばれる少なくとも１種を含むインクジェット記録用紙を使用することで効果的となる。
【００１５】
該カチオン性樹脂のカチオン荷電量が、３ｍｅｑ／ｇ以上、１５ｍｅｑ／ｇ以下であるインクジェット記録用紙を使用することでより効果的となる。
【００１６】
また、該記録用紙の平均細孔半径が５０ｎｍ以上、５μｍ以下であるインクジェット記録用紙を使用することで更に効果的になる。
【００１７】
そして、該インクジェット記録用紙の表面が光沢を有し、該光沢度が、ＪＩＳＺ８７４１に規定される７５度鏡面光沢度において、３５％以上のインクジェット記録用紙の場合、著しい効果を示す。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録方法を詳細に説明する。
【００１９】
本発明は、顔料インクを用いて高い発色性を実現する方法として、色材顔料の平均分散粒子径が８０ｎｍ以下に微小化されたインクを使用し、顔料インクの溶媒分を顔料成分と分離し、色材顔料をインク受理層表面近傍に分布させ、溶媒分を下層に浸透させること、そして、色材顔料成分または分散剤に何らかの物質を作用させ、これらを固着させて色剤顔料成分の浸透を抑制することで、粒子径の小さい色材顔料の特徴である発色性を維持し、インクの吸収性を高めることが可能となる。
【００２０】
本発明では顔料インクの色材顔料あるいは分散剤に作用してこれを凝集、固着し、色材顔料成分と溶媒分を濾別する手法及び物質に関し鋭意検討した結果、特定の水溶性多価金属塩（以下、単に多価金属塩とする）、カチオン性樹脂の少なくとも１種類を含有せしめたインクジェット記録用紙を使用することで、平均分散粒子径８０ｎｍ以下の顔料インクを使用した場合でもその吸収性や発色性を維持向上させることが可能である。
【００２１】
本発明のインクジェット記録方法による発色性の改善は、インクジェット記録用紙に含有する多価金属塩、カチオン性樹脂が顔料インク中の色材顔料分散剤に作用することで、微小粒子径の色材顔料成分を塗層表面近傍に定着させ、インク溶媒分と濾別し、濾別された溶媒分を下層が吸収することにより示される。
【００２２】
本発明において、該多価金属塩、カチオン性樹脂が有効に作用する顔料インクは少なくとも色材顔料、アニオン系分散剤、水を含んでなる顔料インクである。本発明の多価金属塩、あるいはカチオン性樹脂は、ノニオン或いはカチオン系分散剤を使用した顔料インクに対しては該多価金属塩、カチオン性樹脂のインク凝集効果が認められず、アニオン系分散剤に作用する。
【００２３】
本発明では多価金属塩を含有するインクジェット記録用紙を使用する。２価以上の多価金属塩であれば特に問題なく使用できるが、これがＮａやＫといった１価金属塩の場合、顔料インクへの作用が弱く、多価金属塩と同等の効果を引き出すためには多量に使用する必要があり、結果として塗液の特性やインクジェット記録用紙としての特性に影響をもたらすため、実用的には使用し難い。
【００２４】
本発明において適用される多価金属塩は特に限定されるものではなく、顔料インクに対する効果は何れの金属の塩においても得られる。例えばＭｇ、Ａｌ、Ｃａ、Ｚｎ、Ｂａ、Ｃｕ、Ｆｅ、Ｎｉ、Ｂｉ、Ｃｏ、Ｍｎ、Ｐｂ、Ｃｒ、Ｚｒ等多価金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等、またミョウバンに代表されるような多価と１価の硫酸塩との複塩等が挙げられる。
【００２５】
これら多価金属塩は結晶水が付加した状態で安定に存在する場合があるが、このような結晶水が存在してもその効果に影響はない。また、これら多価金属塩は、単独で使用しても２種以上を併用してもかまわない。この場合、異なる多価金属塩同士でも良いし、同金属の硫酸塩と塩化物のような組合せでもかまわない。これら多価金属塩中でもＭｇ、Ａｌ、Ｃａ、Ｚｎ、Ｂａ、Ｚｒの多価金属塩は他の多価金属塩と比較して、人体への危険度、毒性が低いもの、水溶液が呈色を示さないものが多く、顔料インクに対して発色性とインク吸収性への作用が高く、添加量も少量で済むこと、塗液粘度などの液特性への影響が少ないことから特に好ましい。
【００２６】
インクジェット記録用紙中に含有せしめる該多価金属塩の量は、色材顔料をインク受理層表面近傍へ定着させる能力と関係があり、０．５ｇ／ｍ^２から５．０ｇ／ｍ^２が好ましい。ここで、該多価金属塩の含有量が０．５ｇ／ｍ^２を下回る場合，顔料インクに対しての作用が弱く，インク受理層内への顔料インクの浸透が大きくなり、発色性の低下を引き起こす。また、５．０ｇ／ｍ^２よりも多くなると，顔料インクに対しての作用が強くなり過ぎるため、印字部の色相が変化し、良好な発色性が得られなくなる。
【００２７】
また、本発明はカチオン性樹脂を含有せしめたインクジェット記録用紙を使用する。本発明で云うカチオン性樹脂とは、水媒体中でカチオンに解離するものをいい、典型的なカチオン性基としては、１級、２級、３級アミノ基、４級アンモニウム塩が挙げられる。カチオン性樹脂の例としては、ポリアルキレンポリアミド、ポリアルキレンポリ尿素、ポリアミドポリ尿素、ポリアミドエポキシ樹脂、或いはこれらとアルデヒドとの反応生成物やアルキル化剤との反応生成物、エチレンイミンの開環重合物、カチオン性ビニルポリマーの単独重合或いは他の重合性ポリマーとの共重合物、活性水素を有するポリマーに、アンモニア、１級アミン、２級アミンとホルムアルデヒドを反応させたマンニッヒ反応物、活性水素を有するポリマーとカチオン化剤との反応物、活性水素を有するポリマーとアンモニア、アミン類、エピハロヒドリンとの反応物、キチンを加水分解したキトサン活性水素を有するポリマーと上述のポリマーのいずれかをアルデヒド、エピハロヒドリン、ポリイソシアネートなどの架橋剤を用いて反応させた共重合物、無機のカチオン性樹脂としては、水酸化アルミニウムを塩酸に溶解し、重合反応させて得られるポリ塩化アルミニウム等が挙げられる。
【００２８】
本発明において適用されるカチオン性樹脂は特に限定されるものではなく、顔料インクに対する効果は何れのカチオン性樹脂においても得られる。インクジェット記録用紙に含有せしめる該カチオン性樹脂は、コロイド滴定法によるカチオン荷電量が３ｍｅｑ／ｇ以上、１５ｍｅｑ／ｇ以下であると、顔料インクに対して良好に作用し、高い発色性と定着性を得られるため好ましい。
【００２９】
本発明において、インクジェット記録用紙に含有される多価金属塩、カチオン性樹脂は、該記録用紙の原紙中、インク受理層中に最初から含有させてもかまわないし、該多価金属塩、カチオン性樹脂を含まない原紙表面に該多価金属塩溶液、該カチオン性樹脂溶液を塗布せしめてもかまわない。また、該多価金属塩、カチオン性樹脂を含まないインク受理層を塗工した後で該受理層表面に該多価金属塩溶液、該カチオン性樹脂溶液を塗布せしめてもかまわない。更に、多価金属塩及びカチオン性樹脂を含む塗工液にて処理してもその効果に変わりはない。
【００３０】
通常、顔料インクを表面近傍に定着せしめるために、インク受理層の平均細孔半径を顔料インクの色材分散粒子径と同等程度に調整されることが多い。しかしながら、該手法の場合、インクが表面に定着することにより該インク受理層の細孔が塞がれてしまい、顔料インクの溶媒分が濾別、浸透しにくくなり、結果としてインクの吸収性低下、印字画像の乱れを引き起こす場合がある。また、インクの吸収性を考慮し、該インク受理層の平均細孔半径を大きくすると、顔料インクの顔料成分自体が支持体に浸透してしまい、発色性の低下を招く。
【００３１】
本発明において、顔料インクは多価金属塩および／またはカチオン性樹脂によってインク受理層表面近傍に定着せしめられ、良好な特性を発現することができる。本発明において、該インク受理層の平均細孔半径は顔料インクと同等でも特に問題なく良好な特性を発揮できるが、該平均細孔半径を５０ｎｍ以上、５μｍ以下とすることでインク吸収性にも優れた特性を示し、本発明の効果を確実なものとできる。ここで、該平均細孔半径が５０ｎｍ以下の場合、顔料インク中の色材顔料が細孔を塞いでしまい、インク吸収性が低下する。また、該平均細孔半径が５μｍ以上であると、インクの吸収速度が色材顔料の表面への定着速度を上回るため、発色性が低下する。
【００３２】
本発明において、インクジェット記録用紙の表面が光沢を有し、該光沢度が、ＪＩＳＺ８７４１に規定される７５度鏡面光沢度において、３５％以上であるインクジェット記録用紙を使用することが好ましい。顔料インクを光沢を有するインクジェット記録用紙に適用する場合、前述したような色材顔料の擦過による印字画像の乱れやインクのインク受理層中への浸透による発色性の低下を発生することが多くある。しかしながら本発明において、色材顔料はインク受理層表面近傍に残存させ、定着性が良好となり、該インクジェット記録用紙のＪＩＳＺ８７４１に規定される７５度鏡面光沢度が、３５％以上であるインクジェット記録用紙を使用する場合、本発明の定着性および発色性への効果が著しい。
【００３３】
本発明で云う顔料インクとは、下記の色材顔料、アニオン系分散剤、水を含む溶媒、その他の添加剤からなる記録液体である。
【００３４】
本発明において適用対象としている顔料インクの色材顔料とは、どのような顔料でも良く、無機及び有機顔料のいずれでも良い。例えばチタンブラック、チタニウムイエロー、カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料等の色材顔料を使用したインクであれば良い。特にインクジェット記録において一般的に使用される４原色（ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー）に用いられる色材顔料は、例えばブラックインクとしては、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌａｃｋ７等、シアンインクとしては、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ２、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１５：３、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１６等、マゼンタインクとしては、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ５、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ４８：２、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ５７：１、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１１２、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１２２、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＶｉｏｒｅｔ１９等、イエローインクとしては、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ３、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１３、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ７４、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ８３、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１２８等が代表例であるが、水性インクを形成し得る色材顔料であれば特に限定されない。
【００３５】
また本発明において使用されるインクには、上記の色材顔料を分散させるために用いられている分散剤は、アニオン系分散剤である。アニオン系分散剤が１種あるいは数種類使用されている場合、またはノニオン系分散剤と併用されている場合でも本発明の効果は得られる。アニオン系分散剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフェートアンモニウム塩、Ｎ−メチル−Ｎ−オレオイルタウレートナトリウム、ポリオキシフォスフォニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−（メタ）アクリル酸共重合体等の界面活性剤または高分子分散剤が挙げられる。
【００３６】
インクの溶媒としては、例えば水および水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、ｓｅｃ−ブチルアルコール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数１〜４のアルキルアルコール類；ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類；アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトンアルコール類；テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類；ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類；エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、１，２，６ −ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が２〜６個のアルキレングリコール類；グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル（またはエチル）エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【００３７】
その他の添加剤としては、例えば、ｐＨ調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【００３８】
本発明におけるインク受理層とは、多孔質顔料、無機及び有機微粒子顔料といった各種顔料、バインダー、その他添加剤及び多価金属塩から構成される。特にインク受理層は、インクジェット記録用紙として大量のインクを吸収する必要性から、多孔質顔料を主体として形成されている。
【００３９】
本発明のインク受理層に含有される多孔質顔料とは、例えば合成シリカ（コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法非晶質シリカ）、アルミナ（気相法アルミナ、γ−アルミナ）或はアルミナ水和物（アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等）で、超微粒の一次粒子あるいはこれらが凝集した粒子径０．０１μｍ〜２０μｍの二次粒子を指し、塗工層を形成した時、一次粒子間の空隙が多数構成されて多孔質となる顔料をいう。これらの顔料を１種以上用いることができる。
【００４０】
本発明に用いられる多孔質顔料を含む塗工層には、他の無機あるいは有機の微粒子を配合することも出来る。また、バインダーを含有することも好ましい。
【００４１】
無機あるいは有機の微粒子としては、従来公知の各種顔料を用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン微粒子、マイクロカプセル、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子などの有機顔料などが挙げられる。
【００４２】
また、バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体；カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体；カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体；ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス；アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス；エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス；或はこれら各種重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス；メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤；ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂；ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
【００４３】
バインダーの配合量としては、多孔質顔料及び必要ならその他の顔料との総和１００質量部に対して、３〜７０質量部、好ましくは、５〜５０質量部であり、３質量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足するし、７０質量部を超えるとインク吸収性が低下する。
【００４４】
本発明において、インク受理層の塗工量は特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコートタイプインクジェット記録用紙と同様にインクの吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクが原紙の面方向に拡散して、鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生し、良好な品質の画像が得られない。また、あまり塗工量が多いと、塗工又は含浸後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に地汚れなどの発生がある。該塗工量の範囲は１〜３０ｇ／ｍ^２、より好ましくは４〜２０ｇ／ｍ^２である。
【００４５】
塗工量の多いインク受理層で生じる問題は、要求される品質に合わせて、インク受理層を複数に分けて設けることも可能であり、１層当たりのインク受理層の塗工量は塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影響されるが、望ましくは、１〜３０ｇ／ｍ^２さらに好ましくは４〜２０ｇ／ｍ^２である。
【００４６】
又、光沢を有するインクジェット記録シートについても上述のインク受理層と同じように、要求される品質に合わせた塗工量を設定すればよい。本発明で云う光沢を有するインクジェット記録シートとは、原紙上にインク受理層を設けスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、ＴＧカレンダー等でカレンダー処理したもの或いはキャスト処理したもの、最表層にコロイダルシリカやアルミナゾル等のコロイド粒子を塗工したもの或いはこれらをカレンダー処理、キャスト処理したもの、フィルムや工程紙上にインク受理層を予め塗工し、原紙或いは原紙に塗工層を設けた基材と貼り合わせたもの等、原紙を基材とし、表層に光沢を有するものを指す。
【００４７】
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
【００４８】
本発明のインクジェット記録シートに於いては、インク受理層を多層構成とし表面に光沢を発現する層を設けることも出来る。
【００４９】
本発明に於ける、インク受理層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オフマシンコーターのいずれでも良い。例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、キャストコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。また、塗工後には、マシンカレンダー、ＴＧカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも可能である。
【００５０】
本発明で使用される支持体としては、ＬＢＫＰ、ＮＢＫＰなどの化学パルプ、ＧＰ、ＰＧＷ、ＲＭＰ、ＴＭＰ、ＣＴＭＰ、ＣＭＰ、ＣＧＰなどの機械パルプ、ＤＩＰなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を１種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。この様な原紙および塗工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、ＴＧカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
【００５１】
また、支持体を挟んだインク受理層の反対面には、カール適性を付与するために、バックコート層を塗工することも可能であり、その際の顔料としては、前述した無機或いは有機顔料が使用できるが、特に平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
【００５２】
本発明における平均分散粒子径８０ｎｍ以下の顔料インクをインクジェット記録用紙にインクジェット印刷する方法は特に限定されるものではなく、通常のピエゾ方式やサーマル方式等を使用することができる。
【００５３】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例に於いて示す「部」および「％」は、特に明示しない限り質量部及び質量％を示す。
【００５４】
＜原紙の作製＞
濾水度４５０ｍｌＣＳＦのＬＢＫＰ７０部、濾水度４５０ｍｌＣＳＦのＮＢＫＰ３０部から成る木材パルプ１００部に、軽質炭酸カルシウム／重質炭酸カルシウム／タルクの比率が３０／３５／３５の顔料５部、アルキルケテンダイマー０．１部、カチオン系アクリルアミド０．０３部、カチオン化澱粉１．０部、硫酸バンド０．５部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量１０５ｇ／ｍ^２で抄造し、酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量５ｇ／ｍ^２とさせて乾燥して原紙を得た。
【００５５】
＜インク受理層Ａ用塗被組成物＞
インク受理層Ａの塗被組成物は、合成非晶質シリカ１００部、ポリビニルアルコール３０部を混合し、固形分濃度１３％に調整して得た。
【００５６】
＜インク受理層Ｂ用塗被組成物＞
インク受理層Ｂは光沢を発現するインク受理層であり、インク受理層Ａ上に積層する事を基本としている。該インク受理層Ｃの塗被組成物は、アルミナゾル５０部、コロイダルシリカ５０部、ポリビニルアルコール１０部を混合し、固形分１５％に調整して得た。
【００５７】
＜インク受理層Ｃ用塗被組成物＞
インク受理層Ｃもインク受理層Ｂ同様、光沢を発現するインク受理層であり、インク受理層Ａ上に積層する事を基本としている。該インク受理層Ｃの塗被組成物は、アルミナゾル８０部、コロイダルシリカ２０部、ポリビニルアルコール８部を混合し、固形分１２％に調整して得た。
【００５８】
＜インクジェット記録用紙Ａ＞
インク受理層Ａ用塗被組成物をエアナイフコーターにて乾燥塗工量１０ｇ／ｍ^２になるように原紙上に塗布、乾燥し、次いでスーパーカレンダー処理してインクジェット記録用紙Ａを得た。
【００５９】
＜インクジェット記録用紙Ｂ＞
インク受理層Ａ用塗被組成物を混合する際に、塩化亜鉛を５部添加した後、固形分濃度１５％に調整した以外はインクジェット記録用紙Ａと同様にしてインクジェット記録用紙Ｂを得た。
【００６０】
＜インクジェット記録用紙Ｃ＞
インクジェット記録用紙Ｃは２層からなる。インクジェット記録用紙Ａをスーパーカレンダー処理する前に、インク受理層Ｂ用塗被組成物をインクジェット記録用紙Ａ上に乾燥塗工量１０ｇ／ｍ^２となるように塗布し、湿潤状態のまま加熱した鏡面ロールに圧接して乾燥し、インクジェット記録用紙Ｃを得た。
【００６１】
＜インクジェット記録用紙Ｄ＞
インク受理層Ｂ用塗被組成物を混合する際に、硫酸カリウムアルミニウムを７部添加し、固形分濃度を１８％とした以外はインクジェット記録用紙Ｃと同様にしてインクジェット記録用紙Ｄを得た。
【００６２】
＜インクジェット記録用紙Ｅ＞
インク受理層Ｂ用塗被組成物を混合する際に、塩化マグネシウムを５部添加し、固形分濃度を１８％とした以外はインクジェット記録用紙Ｃと同様にしてインクジェット記録用紙Ｅを得た。
【００６３】
＜インクジェット記録用紙Ｆ＞
インクジェット記録用紙Ｅに含有される塩化マグネシウムを１０部とした以外はインクジェット記録用紙Ｅと同様にしてインクジェット記録用紙Ｆを得た。
【００６４】
＜インクジェット記録用紙Ｇ＞
インクジェット記録用紙Ｅの塩化マグネシウムをポリビニルアミン系重合物（カチオン荷電量：２．０ｍｅｑ／ｇ）１０部に変更した以外はインクジェット記録用紙Ｆと同様にしてインクジェット記録用紙Ｇを得た。
【００６５】
＜インクジェット記録用紙Ｈ＞
インクジェット記録用紙Ｅの塩化マグネシウムをポリアミド・エピクロルヒドリン共重合物（カチオン荷電量：７．０ｍｅｑ／ｇ）６部に変更した以外はインクジェット記録用紙Ｅと同様にしてインクジェット記録用紙Ｈを得た。
【００６６】
＜インクジェット記録用紙Ｉ＞
インクジェット記録用紙Ｅの塩化マグネシウムをアクリルアミド・ジアリルアミン共重合物（カチオン荷電量：３．５ｍｅｑ／ｇ）８部に変更した以外は同様にしてインクジェット記録用紙Ｉを得た。
【００６７】
＜インクジェット記録用紙Ｊ＞
インクジェット記録用紙Ｃに塗設するインク受理層Ｂ用塗被組成物を混合する際に、硫酸銅５部とポリビニルアミン系重合物（カチオン荷電量：２．０ｍｅｑ／ｇ）５部を添加した以外はインクジェット記録用紙Ｃと同様にしてインクジェット記録用紙Ｊを得た。
【００６８】
＜インクジェット記録用紙Ｋ＞
インクジェット記録用紙Ｅに含有される塩化マグネシウムを塩化ナトリウムに変更した以外はインクジェット記録用紙Ｅと同様にしてインクジェット記録用紙Ｋを得た。
【００６９】
＜インクジェット記録用紙Ｌ＞
インクジェット記録用紙Ｊの多価金属塩とカチオン性樹脂を、硫酸銅５部とポリアミド・エピクロルヒドリン共重合物（カチオン荷電量：７．０ｍｅｑ／ｇ）に変更した以外はインクジェット記録用紙Ｊと同様にしてインクジェット記録用紙Ｌを得た。
【００７０】
＜インクジェット記録用紙Ｍ＞
インクジェット記録用紙Ｊの多価金属塩とカチオン性樹脂を、塩化マグネシウム５部とアクリルアミド・ジアリルアミン共重合物（カチオン荷電量：３．５ｍｅｑ／ｇ）５部に変更した以外はインクジェット記録用紙Ｊと同様にしてインクジェット記録用紙Ｍを得た。
【００７１】
＜インクジェット記録用紙Ｎ＞
インクジェット記録用紙Ｍに塗設するインク受理層Ｂ用塗被組成物をインク受理層Ｃ用塗被組成物に変更し、且つインク受理層Ｃ用塗被組成物を混合する際に、塩化マグネシウム５部とアクリルアミド・ジアリルアミン共重合物（カチオン荷電量：３．５ｍｅｑ／ｇ）５部を添加し、固形分濃度を１２％とした以外はインクジェット記録用紙Ｎと同様にしてインクジェット記録用紙Ｏを得た。
【００７２】
＜インクジェット記録用紙Ｏ＞
インクジェット記録用紙Ｍのスーパーカレンダー処理を行わない以外はインクジェット記録用紙Ｎと同様にしてインクジェット記録用紙Ｏを得た。
【００７３】
以上のインクジェット記録用紙に下記の顔料インクを用いて印字を行った。
＜顔料インク１＞
平均分散粒子径が８０ｎｍに調整されたブラック（Ｂｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各顔料インクを顔料インク１とした。
【００７４】
＜顔料インク２＞
平均分散粒子径が５０ｎｍに調整されたブラック（Ｂｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各顔料インクを顔料インク２とした。
【００７５】
＜顔料インク３＞
平均分散粒子径が３０ｎｍに調整されたブラック（Ｂｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各顔料インクを顔料インク３とした。
【００７６】
＜顔料インク４＞
平均分散粒子径が１２０ｎｍに調整されたブラック（Ｂｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各顔料インクを顔料インク４とした。
【００７７】
［インクジェット記録方法］
実施例１〜１６、および比較例１〜７を以下の条件で、インクジェット記録を行い、それぞれ評価を行った。
【００７８】
実施例１〜１２
セイコーエプソン社製インクジェットプリンタ（ＭＪ−５０００Ｃ）に、顔料インク１をセットし、インクジェット記録用紙Ｂ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｌ、Ｍ、Ｎ、ＯにＢｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙの各単色及び、ブラックインクを除く他の３色インクで形成されるレッド（Ｒ）、グリーン（Ｇ）、ブルー（Ｂ）の重色、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローで形成される４重色の計８色のベタパターンを、２ｃｍ×２ｃｍで横一列に隣接して印字を行い、実施例１〜１２とした。
【００７９】
実施例１３および１４
実施例１〜１２で使用した顔料インクを顔料インク２に変更し、インクジェット記録用紙ＥおよびＩに実施例１〜１２と同様にして印字を行い、実施例１３および１４とした。
【００８０】
実施例１５および１６
実施例１３および１４で使用した顔料インクを顔料インク３に変更した以外は実施例１３および１４と同様にして印字を行い、実施例１５および１６とした。
【００８１】
比較例１〜３
実施例１〜１２で使用したインクジェット記録用紙をＡ、Ｃ、Ｋとした以外は実施例１〜１２と同様にして印字を行い、比較例１〜３とした。
【００８２】
比較例４〜７
印字に使用する顔料インクを顔料インク４とし、インクジェット記録用紙Ｃ、Ｅ、Ｉ、Ｊに実施例１〜１２と全く同様に印字を行い、比較例４〜７とした。
【００８３】
［評価方法］
上記、実施例１〜１６および比較例１〜７のインクジェット記録方法について得られたインクジェット記録用紙の評価方法を下記に説明する。
【００８４】
１）白紙光沢
得られたインクジェット記録用紙Ａ〜Ｏのぞれぞれのインク受理層表面の７５度鏡面光沢度を光沢度計（ディジタル光沢計ＧＭ−２６０Ｄ型：村上色彩技術研究所社製）で測定した。これらの結果は、表１にまとめる。
【００８５】
２）インク吸収性
各色の２ｃｍ×２ｃｍ四方ベタ印字部について、印字後２４時間経過後に各色の境界の滲みとベタ印字部の印字むらについて、以下の基準で目視評価した。
◎：各色の境界の滲み及びベタ印字部の印字むらが全く見られない。
○：４重色部分で若干のベタ印字部ムラが見られる。
△：重色において境界の滲みもしくはベタ印字部の印字むらのどちらかが見られる。
×：単色においても境界の滲みもしくはベタ印字部の印字むらのどちらかが見られる。
◎、○がインク吸収性として良好であり、△は実用限度である。
【００８６】
３）画像濃度
印字部の画像濃度は反射濃度計（ＴＲ−１２２４：Ｍａｃｂｅｔｈ社製）を使用して、得られたインクジェット記録用紙のブラック、シアン、マゼンタ、イエローを測定し、各色の測定値を総和した値を用いて評価を行った。ここで、画像濃度の総和が６．０以上であると鮮明な画像と発色性が得られる。該画像濃度の総和が６．０未満であると鮮明な画像が得られないため実用的でない。
【００８７】
４）インク定着性
＜擦過定着性＞
Ｂｋ印字部を指で擦過し、色材顔料のインクジェット記録用紙表面への擦過定着性を目視により、以下の基準により評価を行った。
◎：色材顔料が全く落ちないもの
○：色材顔料がわずかに擦れ落ちるもの
△：色材顔料が擦れ落ち、下地がうっすらと見えるもの
×：色材顔料が完全に落ちて、下地がきれいに露出するもの
ここで、◎、○が擦過定着性として良好であり、△は実用限度であり、×は使用不可能なレベルである。
【００８８】
＜耐水定着性＞
Ｂｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙ各色ベタ印字部に水を滴下し、色材顔料のインクジェット記録用紙表面への耐水定着性を目視により、以下の基準により評価を行った。
◎：色材顔料が全く滲まないもの
○：色材顔料がわずかに滲むもの
△：色材顔料が流れて色が変化するもの
×：色材顔料が完全に流れてしまい、下地が露出するもの
ここで、◎、○が耐水定着性として良好であり、△は実用限度であり、×は使用不可能なレベルである。
【００８９】
得られたインクジェット記録用紙の水銀ポロシメーター（島津製作所製）で細孔半径を測定した。なお、インク受理層の細孔半径は、インクジェット記録シートからインク受理層のみを剥離し、この剥離されたインク受理層を水銀ポロシメーターで測定した値である。該手法により、実施例および比較例に使用したインクジェット記録用紙の平均細孔半径として以下の値を得た。
インクジェット記録用紙ＡおよびＢ：５００ｎｍ〜５μｍ
インクジェット記録用紙Ｃ〜ＭおよびＯ：５０ｎｍ〜２μｍ
インクジェット記録用紙Ｎ：５０ｎｍ未満
【００９０】
【表１】

【００９１】
表１から、多価金属塩またはカチオン性樹脂を含有するインクジェット記録用紙を用い、顔料インクの平均分散粒子径が８０ｎｍのインクを使用して画像を記録せしめた実施例１〜１２は、良好なインク吸収性・画像濃度・ブリーディング・インク定着性を示すことが判る。特にインクジェット記録用紙に含有する多価金属塩、カチオン性樹脂が特定の範囲にある実施例２〜４、６、７、９、１０は特性向上が顕著であることがわかる。また、インクジェット記録用紙の平均細孔半径が５０ｎｍ未満である実施例１１においては、インク吸収性、擦過定着性が若干低下している。インクジェット記録用紙表面の光沢度が３５％以下である実施例１２では画像濃度が低下しており、光沢値による特性向上効果が顕著であることがわかる。顔料インクの平均分散粒子径を５０ｎｍとした実施例１３および１４は、インク吸収性の改善、画像濃度の向上、擦過定着性の向上が確認でき、顔料インクの平均分散粒子径を３０ｎｍとした実施例１５および１６では、それら特性を更に向上できることがわかる。
【００９２】
顔料インク１を使用した比較例１、２は、インクジェット記録用紙に多価金属塩あるいはカチオン性樹脂を含有しておらず、画像濃度・インク吸収性・定着性ともに劣っていることがわかる。金属塩として１価のナトリウムを含有するインクジェット記録用紙Ｋを使用した比較例３でも各特性とも劣っており、多価金属塩の効果が高いことを示している。顔料インク２を使用した比較例４〜７では十分な画像濃度が得られず、多価金属塩、カチオン性樹脂を用いたインクジェット記録用紙を使用した場合でもその効果が十分発現できない。
【００９３】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を実施することにより、特に印字後高い発色性と優れたインク吸収性、良好なインク定着性を示すインクジェット記録方法を提供することが可能となる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording method for recording using a pigment ink, and more particularly to an ink jet recording method that provides high color development after printing, excellent ink absorption, and good ink fixability.
[0002]
[Prior art]
In recent years, remarkable progress of ink jet printers and plotters has made it possible to easily obtain full-color and high-definition images.
[0003]
The ink jet recording system records minute images of ink and characters on a recording sheet such as paper by flying fine droplets of ink by various operation principles. 2. Description of the Related Art Ink jet printers and plotters have rapidly become widespread in various applications in recent years as hard copy creation devices for image information such as characters and various figures created by a computer. In particular, a color image formed by a multi-color ink jet system can obtain a record comparable to multi-color printing by a plate making system or printing by a color photographic system, and is used in applications where the number of copies is small. Is widely used because it is cheaper than printing and photographic techniques.
[0004]
Further, with the diversification of uses, they are increasingly used for large format posters, POP arts, and drafting applications. In these applications, since the high sharpness of the ink jet is utilized and the color saturation is excellent, a good image can be obtained, and the advertising effect is large. The application to these is because it is possible to easily obtain an image excellent in image reproducibility and color reproducibility such as sharpness and color at the level of a personal computer, which is a reason why the inkjet recording paper is frequently used. .
[0005]
Due to the high performance and diversification of applications of these ink jet recording apparatuses, needs for ink jet recording are increasing, and as a result, the characteristics and requirements required for the recording apparatus or paper are also becoming quite high. For example, in the case of a large format poster, a POP art, and a use for outputting a photographic image, since the use is for indoor and outdoor exhibitions and for storing personal records, weather resistance and image storability of the image are required more than before. It has become. In response to such demands, improvements in inks and papers have been made, and considerably better storability than in the past has been obtained. However, in particular, the light fastness has not yet reached the level of silver halide photography, and at present the requirements have not been satisfied.
[0006]
In order to satisfy such demands, pigment type inks have recently been used. It is known that pigment ink has less light deterioration and is not redissolved by water, so that weather resistance and image storability are improved as compared with dye type ink. However, the coloring material pigment used in the pigment ink is insoluble in the solvent unlike the dye. Therefore, it is necessary to stably disperse the coloring material pigment, and the ratio of the coloring material pigment in the pigment ink cannot be easily increased. Further, unlike the dye type ink, the coloring efficiency is not high, and it is difficult to obtain a clear color. Therefore, the amount of ink used for image formation tends to be larger than that of dye ink. In particular, bleeding (bleeding) easily occurs between heavy-color portions having a large amount of ink.
[0007]
As a method of improving the coloring efficiency of the pigment ink, that is, the color developing property, a method of reducing the dispersion particle diameter of the colorant pigment is considered (for example, see Patent Document 1). Studies have been made on reducing the average dispersed particle diameter of the pigment ink (for example, see Non-Patent Documents 1, 2, and 3), and this is a very effective means for improving the color developability. However, by reducing the average dispersed particle diameter, light resistance, which is a characteristic of pigment ink, is reduced. In addition, the atomization of the colorant pigment particles increases the surface energy of the particles, thereby impairing the dispersion stability. When the colorant pigment particles themselves are atomized and an excessive dispersing agent is added to ensure dispersion stability, the permeability of the pigment ink to the inkjet recording paper increases, and the colorant pigment inkjet recording paper Since the abundance in the vicinity of the surface decreases, the color developability may decrease. Therefore, the average dispersed particle diameter of the coloring material pigment is generally at least about 100 nm, and at present, its coloring property is still inferior to that of the dye ink.
[0008]
Further, with the recent development of inkjet technology, inkjet recording has been used as an alternative to the silver halide photographic method. Along with this, ink jet recording papers having a glossy surface by smoothing or mirror-finishing the surface of the ink receiving layer have come to be used frequently. In such applications, the use of pigment ink is considered to be effective because the storability of the image is emphasized.However, when printing on glossy paper with pigment ink, the colorant pigment is used due to its surface smoothness. A phenomenon occurs in which the ink cannot enter the ink receiving layer and remains on the surface. As a result, when the printed portion is touched, the pigment rubs off and the printed image is disturbed.
[0009]
As a method for improving the fixability of the pigment ink on the inkjet recording paper provided with such gloss, a surface treatment of the inkjet recording paper can be considered. Specifically, it is a method of providing irregularities on the surface, adjusting the surface to a specific roughness, or applying an ink fixing layer using a polymer or the like. However, these methods have problems such as a decrease in ink absorbency and surface gloss. A method of reducing the ink residual ratio on the surface of the coating layer by reducing the average dispersed particle diameter of the coloring material pigment or improving the permeability of the ink is also conceivable, but it is effective because the above-described problem occurs. It is hard to say.
[0010]
As a method of fixing the pigment ink on the surface of the ink jet recording paper, a cationic processing liquid is applied to the surface of the ink jet recording paper before the pigment ink discharged from the head lands on the surface of the ink jet recording paper, so that the coloring material pigment component permeates. A prescription for preventing such a treatment has been proposed (for example, see Patent Document 2). However, in this method, although the colorant pigment can be fixed on the paper surface, not only the solvent of the pigment ink but also the absorption capacity of the processing liquid is required, and as a result, the drying property of the printing part is deteriorated and the stain is generated. However, it has been difficult to obtain quality that satisfies all of the above-mentioned problems.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-2003-55951 (page 4)
[Patent Document 2]
JP-A-8-72234 (page 3)
[Non-patent document 1]
Color Materials Lecture Materials “Current Status of Color Materials for Inkjet and Recent Research Trends”, Color Materials Association, October 2000, pp. 23-34.
[Non-patent document 2]
IS &T's NIP13, D.I. E. FIG. Burner, 1997, 667-669.
[Non-Patent Document 3]
Coloring Materials, 1998, Vol 7, [7], pp. 458-464.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
It is an object of the present invention to provide an ink jet recording method for performing recording using a pigment ink, and in particular, to provide an ink jet recording method that exhibits high color development after printing, excellent ink absorption, and good ink fixability.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has at least one or more ink-receiving layers on a support, and when a droplet of a pigment ink containing at least a colorant pigment, an anionic dispersant, and water is ejected from an inkjet recording apparatus, In an ink jet recording method for recording this on an ink jet recording paper, the average dispersion particle diameter of the coloring material pigment used is 80 nm or less, and the ink jet recording paper used is at least a water-soluble polyvalent metal salt or a cationic resin. An ink jet recording method containing any one of them.
[0014]
The use of inkjet recording paper containing at least one selected from the group consisting of magnesium salt, zinc salt, aluminum salt, calcium salt, and barium salt as the polyvalent metal salt is effective.
[0015]
The use of an ink jet recording sheet having a cationic charge amount of 3 meq / g or more and 15 meq / g or less of the cationic resin is more effective.
[0016]
Further, the use of ink jet recording paper having an average pore radius of 50 nm or more and 5 μm or less of the recording paper is more effective.
[0017]
The surface of the ink jet recording paper has a gloss, and the gloss is 75% or more of the specular gloss specified in JIS Z8741.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the inkjet recording method of the present invention will be described in detail.
[0019]
In the present invention, as a method of realizing high color development using a pigment ink, an ink in which the average dispersed particle diameter of a coloring material pigment is reduced to 80 nm or less is used, and a solvent component of the pigment ink is separated from the pigment component. Dispersing the coloring material pigment in the vicinity of the surface of the ink receiving layer, allowing the solvent to penetrate the lower layer, and causing some substance to act on the coloring material pigment component or dispersant and fixing them to allow the penetration of the coloring material pigment component By suppressing the coloring, it is possible to maintain the color developability, which is a feature of the colorant pigment having a small particle diameter, and increase the ink absorbency.
[0020]
In the present invention, as a result of intensive studies on a method and a substance which act on a coloring material pigment or dispersant of a pigment ink to coagulate and fix the same and filter off the coloring material pigment component and a solvent component, a specific water-soluble polyvalent metal is obtained. By using an ink jet recording paper containing at least one of a salt (hereinafter, simply referred to as a polyvalent metal salt) and a cationic resin, even when a pigment ink having an average dispersed particle diameter of 80 nm or less is used, its absorptivity can be improved. It is also possible to maintain and improve the coloring properties.
[0021]
The improvement of the color developability by the ink jet recording method of the present invention is achieved by the fact that the polyvalent metal salt and the cationic resin contained in the ink jet recording paper act on the color material / pigment dispersant in the pigment ink, and thus the color material pigment having a fine particle diameter is obtained. This is indicated by the fact that the components are fixed near the surface of the coating layer, separated from the ink solvent by filtration, and the lower layer absorbs the filtered solvent.
[0022]
In the present invention, the pigment ink on which the polyvalent metal salt and the cationic resin effectively act is a pigment ink containing at least a coloring material pigment, an anionic dispersant, and water. The polyvalent metal salt or the cationic resin of the present invention has no ink aggregation effect of the polyvalent metal salt or the cationic resin with respect to a pigment ink using a nonionic or cationic dispersant, and has an anionic dispersion. Acts on agents.
[0023]
In the present invention, an ink jet recording paper containing a polyvalent metal salt is used. As long as it is a divalent or higher polyvalent metal salt, it can be used without any problem. However, when it is a monovalent metal salt such as Na or K, the effect on the pigment ink is weak and the same effect as the polyvalent metal salt can be obtained. Is required to be used in a large amount, and as a result, the properties of the coating liquid and the properties as the ink jet recording paper are affected, so that it is practically difficult to use.
[0024]
The polyvalent metal salt applied in the present invention is not particularly limited, and the effect on the pigment ink can be obtained with any metal salt. For example, sulfates, nitrates, chlorides, and the like of polyvalent metals such as Mg, Al, Ca, Zn, Ba, Cu, Fe, Ni, Bi, Co, Mn, Pb, Cr, and Zr, and such as alum Double salts of polyvalent and monovalent sulfates are exemplified.
[0025]
These polyvalent metal salts may exist stably with water of crystallization added thereto, but the presence of such water of crystallization does not affect its effect. In addition, these polyvalent metal salts may be used alone or in combination of two or more. In this case, different polyvalent metal salts may be used, or a combination such as a sulfate and a chloride of the same metal may be used. Among these polyvalent metal salts, the polyvalent metal salts of Mg, Al, Ca, Zn, Ba, and Zr have lower risk and toxicity to the human body than the other polyvalent metal salts, and the aqueous solution shows color. Many of these are not shown, and are particularly preferable because they have a high effect on the coloring properties and ink absorptivity of the pigment ink, require only a small amount of addition, and have little effect on liquid properties such as coating liquid viscosity.
[0026]
The amount of the polyvalent metal salt contained in the ink jet recording paper is related to the ability to fix the coloring material pigment near the surface of the ink receiving layer, and is 0.5 g / m 2. ² To 5.0 g / m ² Is preferred. Here, the content of the polyvalent metal salt is 0.5 g / m ² When the value is lower than the value, the effect on the pigment ink is weak, and the penetration of the pigment ink into the ink receiving layer becomes large, thereby causing a decrease in color developability. In addition, 5.0 g / m ² If the amount is larger than the above, the effect on the pigment ink becomes too strong, so that the hue of the printed portion changes, and good color developability cannot be obtained.
[0027]
Further, the present invention uses an ink jet recording paper containing a cationic resin. The cationic resin referred to in the present invention means a resin which dissociates into cations in an aqueous medium. Typical cationic groups include primary, secondary, tertiary amino groups and quaternary ammonium salts. Examples of the cationic resin include polyalkylene polyamide, polyalkylene polyurea, polyamide polyurea, polyamide epoxy resin, or a reaction product of these with an aldehyde or an alkylating agent, and ring-opening polymerization of ethyleneimine. Product, a homopolymer of a cationic vinyl polymer or a copolymer with another polymerizable polymer, a polymer having active hydrogen, a Mannich reaction product obtained by reacting ammonia, a primary amine, a secondary amine with formaldehyde, and an active hydrogen. Reaction product of a polymer having a cationizing agent, a polymer having active hydrogen and a reaction product of ammonia, amines, epihalohydrin, a polymer having chitosan active hydrogen obtained by hydrolyzing chitin and any of the above-mentioned polymers as an aldehyde, epihalohydrin And crosslinking agents such as polyisocyanates Copolymer reacted with, as the inorganic cation resin, aluminum hydroxide was dissolved in hydrochloric acid, polyaluminum chloride and the like obtained by the polymerization reaction.
[0028]
The cationic resin applied in the present invention is not particularly limited, and the effect on the pigment ink can be obtained with any of the cationic resins. The cationic resin to be contained in the ink jet recording paper, when the cationic charge amount by colloid titration is 3 meq / g or more and 15 meq / g or less, acts well on the pigment ink, and exhibits high color developability and fixability. It is preferable because it can be obtained.
[0029]
In the present invention, the polyvalent metal salt and the cationic resin contained in the ink jet recording paper may be initially contained in the ink receiving layer in the base paper of the recording paper, or the polyvalent metal salt and the cationic resin may be contained in the ink receiving layer. The polyvalent metal salt solution and the cationic resin solution may be applied to the base paper surface containing no resin. Further, after the ink receiving layer containing neither the polyvalent metal salt nor the cationic resin is applied, the surface of the receiving layer may be coated with the polyvalent metal salt solution or the cationic resin solution. Furthermore, the effect is not changed even if the treatment is performed with a coating solution containing a polyvalent metal salt and a cationic resin.
[0030]
Usually, in order to fix the pigment ink in the vicinity of the surface, the average pore radius of the ink receiving layer is often adjusted to the same level as the colorant dispersed particle diameter of the pigment ink. However, in the case of this method, when the ink is fixed on the surface, the pores of the ink receiving layer are closed, so that the solvent component of the pigment ink is difficult to separate and permeate, and as a result, the ink absorbability decreases. In some cases, the printed image may be disturbed. If the average pore radius of the ink receiving layer is increased in consideration of the ink absorbency, the pigment component of the pigment ink permeates into the support, resulting in a decrease in color forming properties.
[0031]
In the present invention, the pigment ink is fixed in the vicinity of the surface of the ink receiving layer by the polyvalent metal salt and / or the cationic resin, and can exhibit good characteristics. In the present invention, the average pore radius of the ink receiving layer can exhibit good characteristics without any problem even if the average pore radius is the same as that of the pigment ink. However, by setting the average pore radius to 50 nm or more and 5 μm or less, the ink absorbency is also reduced. It shows excellent characteristics, and can ensure the effects of the present invention. Here, when the average pore radius is 50 nm or less, the coloring material pigment in the pigment ink blocks the pores, and the ink absorbency decreases. When the average pore radius is 5 μm or more, the ink absorbing speed is higher than the fixing speed of the coloring material pigment on the surface, so that the coloring property is reduced.
[0032]
In the present invention, it is preferable to use an inkjet recording paper having a glossiness on the surface of the inkjet recording paper and a glossiness of 35% or more in a 75-degree specular glossiness specified in JIS Z8741. When the pigment ink is applied to a glossy inkjet recording paper, the printed image is often disturbed due to the rubbing of the coloring material pigment as described above, and the color developability often decreases due to the penetration of the ink into the ink receiving layer. . However, in the present invention, the colorant pigment is left near the surface of the ink receiving layer to improve the fixability, and the inkjet recording paper has a 75-degree specular glossiness defined by JIS Z8741 of 35% or more. In the case where is used, the effect of the present invention on the fixing property and the coloring property is remarkable.
[0033]
The pigment ink referred to in the present invention is a recording liquid comprising the following colorant pigment, an anionic dispersant, a solvent containing water, and other additives.
[0034]
The coloring material pigment of the pigment ink to be applied in the present invention may be any pigment, and may be any of inorganic and organic pigments. For example, color pigments such as titanium black, titanium yellow, carbon black, iron black, zinc oxide, cobalt oxide, silicon oxide, aluminum hydroxide, azo pigment, phthalocyanine pigment, anthraquinone pigment, thioindigo pigment, quinacridone pigment, and dioxazine pigment are used. Any ink can be used. In particular, color material pigments used for four primary colors (black, cyan, magenta, and yellow) generally used in ink jet recording include, for example, C.I. I. Pigment Black 7 and the like, and cyan inks include C.I. I. Pigment Blue 1, C.I. I. Pigment Blue 2, C.I. I. Pigment Blue 15: 3, C.I. I. PigmentBlue 16 and other magenta inks include C.I. I. Pigment Red 5, C.I. I. Pigment Red 48: 2, C.I. I. Pigment Red 57: 1, C.I. I. Pigment Red 112, C.I. I. Pigment Red 122, C.I. I. PigmentVioret19 and the like, as yellow inks, C.I. I. Pigment Yellow 1, C.I. I. Pigment Yellow 3, C.I. I. Pigment Yellow 13, C.I. I. Pigment Yellow 74, C.I. I. Pigment Yellow 83, C.I. I. Pigment Yellow 128 is a typical example, but is not particularly limited as long as it is a colorant pigment capable of forming an aqueous ink.
[0035]
In the ink used in the present invention, the dispersant used to disperse the colorant pigment is an anionic dispersant. The effect of the present invention can be obtained even when one or several anionic dispersants are used, or when used in combination with a nonionic dispersant. Examples of anionic dispersants include sodium dodecylbenzenesulfonate, sodium laurate, ammonium polyoxyethylene alkyl ether sulfate, sodium N-methyl-N-oleoyltaurate, polyoxyphosphonium salt, and polyacrylic acid. Sodium acrylate, sodium polyphosphate, sodium hexametaphosphate, sodium pyrophosphate, styrene-acrylic acid copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid-acrylate copolymer And a surfactant or a polymer dispersant such as styrene- (meth) acrylic acid copolymer.
[0036]
Examples of the solvent for the ink include water and various water-soluble organic solvents such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, and isobutyl alcohol. Alkyl alcohols having 1 to 4 carbon atoms; amides such as dimethylformamide and dimethylacetamide; ketones or ketone alcohols such as acetone and diacetone alcohol; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; poly such as polyethylene glycol and polypropylene glycol. Alkylene glycols; ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, triethylene glycol, 1,2,6-hexanetriol, Alkylene glycols having 2 to 6 alkylene groups such as diglycol, hexylene glycol and diethylene glycol; lower alkyls of polyhydric alcohols such as glycerin, ethylene glycol methyl ether, diethylene glycol methyl (or ethyl) ether and triethylene glycol monomethyl ether Ethers and the like. Among these many water-soluble organic solvents, polyhydric alcohols such as diethylene glycol, and lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as triethylene glycol monomethyl ether and triethylene glycol monoethyl ether are preferable.
[0037]
Examples of the other additives include a pH adjuster, a metal sequestering agent, an antioxidant, a fungicide, a viscosity adjuster, a surface tension adjuster, a wetting agent, a surfactant, and a rust inhibitor.
[0038]
The ink receiving layer in the present invention is composed of various pigments such as porous pigments, inorganic and organic fine particle pigments, binders, other additives, and polyvalent metal salts. In particular, the ink receiving layer is formed mainly of a porous pigment because it is necessary to absorb a large amount of ink as an ink jet recording paper.
[0039]
The porous pigment contained in the ink receiving layer of the present invention includes, for example, synthetic silica (colloidal silica, wet-process amorphous silica, vapor-phase amorphous silica), alumina (vapor-phase alumina, γ-alumina) Alternatively, alumina hydrate (alumina sol, colloidal alumina, cationic aluminum oxide or its hydrate, pseudo-boehmite, etc.), ultrafine primary particles or secondary particles having a particle diameter of 0.01 μm to 20 μm in which these are aggregated. And a porous pigment formed by forming a large number of voids between primary particles when a coating layer is formed. One or more of these pigments can be used.
[0040]
The coating layer containing the porous pigment used in the present invention may contain other inorganic or organic fine particles. It is also preferable to contain a binder.
[0041]
Various conventionally known pigments can be used as the inorganic or organic fine particles. For example, light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, magnesium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, aluminum silicate, diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate White inorganic pigments such as aluminum hydroxide, lithopone, zeolite, hydrohaloysite, and magnesium hydroxide; organic pigments such as styrene-based plastic pigments, acrylic-based plastic pigments, polyethylene fine particles, microcapsules, urea resin fine particles, melamine resin fine particles, and the like. No.
[0042]
Examples of the binder include starch derivatives such as oxidized starch, etherified starch, and phosphated starch; cellulose derivatives such as carboxymethyl cellulose and hydroxyethyl cellulose; casein, gelatin, soy protein, polyvinyl alcohol or derivatives thereof; Conjugated diene-based copolymer latex such as maleic acid resin, styrene-butadiene copolymer, methyl methacrylate-butadiene copolymer; acrylic polymer such as acrylate and methacrylate ester polymer or copolymer Acrylic polymer latex; vinyl polymer latex such as ethylene-vinyl acetate copolymer; or functional group-modified polymer latex with a functional group-containing monomer such as carboxy group of these various polymers; Aqueous adhesives such as thermosetting synthetic resins such as urea resin; acrylate or methacrylate polymer or copolymer resin such as polymethyl methacrylate; polyurethane resin, unsaturated polyester resin, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer And synthetic resin adhesives such as polyvinyl butyral and alkyd resin.
[0043]
The compounding amount of the binder is 3 to 70 parts by mass, preferably 5 to 50 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the total amount of the porous pigment and other pigments if necessary. If the coating strength of the layer is insufficient, and if it exceeds 70 parts by mass, the ink absorbency decreases.
[0044]
In the present invention, the coating amount of the ink receiving layer is not particularly limited, but if the amount is too small, the ink absorbency is as good as the non-coat type inkjet recording paper, but the image density, color, and sharpness are low. In addition, the ink diffuses in the direction of the surface of the base paper, causing deterioration of the dot shape called feathering, which is jagged like a bird's wing, and a good quality image cannot be obtained. Also, if the coating amount is too large, the drying load in the drying step after coating or impregnation increases, and not only does the productivity decrease due to the decrease in the coating or impregnation speed, but also the ink receiving in the drying under high load. The binder in the coating composition constituting the layer moves to the surface of the ink receiving layer together with the solvent that evaporates, and reduces the amount of voids on the surface. The range of the coating amount is 1 to 30 g / m. ² , More preferably 4 to 20 g / m ² It is.
[0045]
The problem that occurs in the ink receiving layer having a large amount of coating is that it is possible to provide a plurality of ink receiving layers in accordance with the required quality, and the coating amount of the ink receiving layer per layer is limited. Although it is affected by the concentration of the composition and the ability of the drying step, desirably 1 to 30 g / m ² More preferably, 4 to 20 g / m ² It is.
[0046]
Also, as for the glossy inkjet recording sheet, the coating amount may be set in accordance with the required quality, similarly to the above-described ink receiving layer. The glossy inkjet recording sheet referred to in the present invention is a sheet obtained by providing an ink receiving layer on a base paper, calendering or casting with a super calender, soft calender, TG calender or the like, and colloidal silica or alumina sol on the outermost layer. Coated colloidal particles or calendered or cast coatings of these, or ink or ink receiving layer pre-coated on film or process paper and bonded to base paper or base paper with a coating layer provided on the base paper , Which is based on base paper and has a glossy surface layer.
[0047]
Further, the ink receiving layer includes, as additives, dye fixing agents, pigment dispersants, thickeners, flow improvers, defoamers, foam inhibitors, release agents, foaming agents, penetrants, ultraviolet absorbers. In addition, an antioxidant, a preservative, an anti-binder, a water-proofing agent, a wet paper strength enhancer, a dry paper strength enhancer, and the like can be appropriately compounded.
[0048]
In the ink jet recording sheet of the present invention, the ink receiving layer may have a multilayer structure, and a layer exhibiting gloss may be provided on the surface.
[0049]
In the present invention, a method of providing an ink receiving layer may be either an on-machine coater or an off-machine coater. For example, various devices such as conventionally known air knife coater, curtain coater, die coater, blade coater, gate roll coater, bar coater, rod coater, roll coater, bill blade coater, short dwell blade coater, cast coater, size press, etc. It can be used on-machine or off-machine. After the coating, it is also possible to finish using a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, a super calendar, and a soft calendar.
[0050]
Examples of the support used in the present invention include chemical pulp such as LBKP and NBKP, mechanical pulp such as GP, PGW, RMP, TMP, CTMP, CMP and CGP, and wood pulp such as waste paper pulp such as DIP. Pigment as a main component, a binder and a sizing agent and a fixing agent, a retention agent, a cationizing agent, mixed with one or more kinds of additives such as a paper strength enhancer, fourdrinier paper machine, round paper machine, Base paper manufactured with various devices such as twin wire paper machine, base paper with size press with starch or polyvinyl alcohol, base paper with anchor coat layer, art paper with coat layer on them, coat paper Coated paper such as paper and cast coated paper is also included. Such base paper and coated paper may be provided with the coating layer according to the present invention as they are, or a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, or a soft calendar may be used for the purpose of controlling flattening. .
[0051]
On the other side of the ink receiving layer with the support interposed therebetween, a back coat layer can be applied in order to impart curl aptitude. Can be used, but a tabular pigment and hydrohaloysite are particularly preferable.
[0052]
The method for ink-jet printing the pigment ink having an average dispersed particle diameter of 80 nm or less on the ink-jet recording paper in the present invention is not particularly limited, and a usual piezo method or thermal method can be used.
[0053]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples. Further, "parts" and "%" shown in Examples are parts by mass and% by mass unless otherwise specified.
[0054]
<Preparation of base paper>
100 parts of wood pulp composed of 70 parts of LBKP having a freeness of 450 ml CSF and 30 parts of NBKP having a freeness of 450 ml CSF, 5 parts of pigment having a ratio of light calcium carbonate / heavy calcium carbonate / talc of 30/35/35, and alkyl ketene dimer 0 After preparing 1.0 part, cationic acrylamide 0.03 part, cationized starch 1.0 part, and sulfuric acid band 0.5 part, the basis weight was 105 g / m using a fourdrinier paper machine. ² And the oxidized starch was dried by an inked size press at 5 g / m2. ² And dried to obtain a base paper.
[0055]
<Coating composition for ink receiving layer A>
The coating composition of the ink receiving layer A was obtained by mixing 100 parts of synthetic amorphous silica and 30 parts of polyvinyl alcohol, and adjusting the solid content to 13%.
[0056]
<Coating composition for ink receiving layer B>
The ink receiving layer B is an ink receiving layer that exhibits gloss, and is basically laminated on the ink receiving layer A. The coating composition of the ink receiving layer C was obtained by mixing 50 parts of alumina sol, 50 parts of colloidal silica, and 10 parts of polyvinyl alcohol, and adjusting the solid content to 15%.
[0057]
<Coating composition for ink receiving layer C>
Like the ink receiving layer B, the ink receiving layer C is also an ink receiving layer exhibiting gloss, and is basically laminated on the ink receiving layer A. The coating composition of the ink receiving layer C was obtained by mixing 80 parts of alumina sol, 20 parts of colloidal silica, and 8 parts of polyvinyl alcohol, and adjusting the solid content to 12%.
[0058]
<Inkjet recording paper A>
Dry coating amount of the coating composition for ink receiving layer A with an air knife coater 10 g / m ² Was applied onto a base paper, dried, and then subjected to a super calender treatment to obtain an ink jet recording paper A.
[0059]
<Inkjet recording paper B>
Ink jet recording paper B was obtained in the same manner as ink jet recording paper A except that 5 parts of zinc chloride was added when the coating composition for ink receiving layer A was mixed, and then the solid content concentration was adjusted to 15%.
[0060]
<Inkjet recording paper C>
The ink jet recording paper C has two layers. Before the ink jet recording paper A is subjected to the super calender treatment, the coating composition for the ink receiving layer B is applied onto the ink jet recording paper A by a dry coating amount of 10 g / m 2. ² Then, it was pressed against a heated mirror roll in a wet state and dried to obtain inkjet recording paper C.
[0061]
<Inkjet recording paper D>
Ink jet recording paper D was obtained in the same manner as ink jet recording paper C except that 7 parts of potassium aluminum sulfate was added when the coating composition for ink receiving layer B was mixed, and the solid content concentration was 18%.
[0062]
<Inkjet recording paper E>
Inkjet recording paper E was obtained in the same manner as inkjet recording paper C, except that 5 parts of magnesium chloride was added when the coating composition for ink receiving layer B was mixed, and the solid content concentration was 18%.
[0063]
<Inkjet recording paper F>
Inkjet recording paper F was obtained in the same manner as inkjet recording paper E except that the amount of magnesium chloride contained in inkjet recording paper E was changed to 10 parts.
[0064]
<Inkjet recording paper G>
Inkjet recording paper G was obtained in the same manner as inkjet recording paper F, except that the magnesium chloride of inkjet recording paper E was changed to 10 parts of a polyvinylamine-based polymer (cation charge: 2.0 meq / g).
[0065]
<Inkjet recording paper H>
Inkjet recording paper H was obtained in the same manner as inkjet recording paper E, except that the magnesium chloride of inkjet recording paper E was changed to 6 parts of a polyamide / epichlorohydrin copolymer (cation charge: 7.0 meq / g).
[0066]
<Inkjet recording paper I>
Inkjet recording paper I was obtained in the same manner except that magnesium chloride of inkjet recording paper E was changed to 8 parts of acrylamide / diallylamine copolymer (cation charge: 3.5 meq / g).
[0067]
<Inkjet recording paper J>
Except that 5 parts of copper sulfate and 5 parts of a polyvinylamine-based polymer (cation charge: 2.0 meq / g) were added when mixing the coating composition for the ink receiving layer B applied to the ink jet recording paper C. Was obtained in the same manner as for the inkjet recording paper C.
[0068]
<Inkjet recording paper K>
Inkjet recording paper K was obtained in the same manner as inkjet recording paper E, except that magnesium chloride contained in inkjet recording paper E was changed to sodium chloride.
[0069]
<Inkjet recording paper L>
Except that the polyvalent metal salt and the cationic resin of the ink jet recording paper J were changed to 5 parts of copper sulfate and a polyamide / epichlorohydrin copolymer (cation charge: 7.0 meq / g), the same manner as the ink jet recording paper J was used. Inkjet recording paper L was obtained.
[0070]
<Inkjet recording paper M>
Same as inkjet recording paper J except that the polyvalent metal salt and the cationic resin of inkjet recording paper J were changed to 5 parts of magnesium chloride and 5 parts of an acrylamide / diallylamine copolymer (cation charge: 3.5 meq / g). Thus, an ink jet recording paper M was obtained.
[0071]
<Inkjet recording paper N>
When changing the coating composition for the ink receiving layer B applied to the ink jet recording paper M to the coating composition for the ink receiving layer C, and mixing the coating composition for the ink receiving layer C with magnesium chloride 5 Parts of acrylamide / diallylamine copolymer (cation charge: 3.5 meq / g) were added, and an ink jet recording paper O was obtained in the same manner as the ink jet recording paper N except that the solid content concentration was 12%. .
[0072]
<Inkjet recording paper O>
An ink jet recording paper O was obtained in the same manner as the ink jet recording paper N except that the super calendar treatment of the ink jet recording paper M was not performed.
[0073]
Printing was performed on the above inkjet recording paper using the following pigment ink.
<Pigment ink 1>
Each of black (Bk), cyan (C), magenta (M), and yellow (Y) pigment inks whose average dispersed particle diameter was adjusted to 80 nm was used as pigment ink 1.
[0074]
<Pigment ink 2>
Each of black (Bk), cyan (C), magenta (M), and yellow (Y) pigment inks whose average dispersed particle diameter was adjusted to 50 nm was used as pigment ink 2.
[0075]
<Pigment ink 3>
Each of black (Bk), cyan (C), magenta (M), and yellow (Y) pigment inks whose average dispersed particle diameter was adjusted to 30 nm was used as pigment ink 3.
[0076]
<Pigment ink 4>
Each of black (Bk), cyan (C), magenta (M), and yellow (Y) pigment inks whose average dispersed particle diameter was adjusted to 120 nm was used as pigment ink 4.
[0077]
[Inkjet recording method]
Ink jet recording was performed on Examples 1 to 16 and Comparative Examples 1 to 7 under the following conditions, and each was evaluated.
[0078]
Examples 1 to 12
The pigment ink 1 is set in an ink jet printer (MJ-5000C) manufactured by Seiko Epson Corporation, and Bk, C are applied to ink jet recording papers B, D, E, F, G, H, I, J, L, M, N, O. , M, and Y, and a multicolor of red (R), green (G), and blue (B) formed by three color inks other than the black ink, black, cyan, magenta, and yellow. The solid patterns of a total of eight colors of four colors were printed adjacent to one horizontal line at 2 cm × 2 cm.
[0079]
Examples 13 and 14
The pigment ink used in Examples 1 to 12 was changed to Pigment Ink 2, and printing was performed on inkjet recording papers E and I in the same manner as in Examples 1 to 12, and Examples 13 and 14 were obtained.
[0080]
Examples 15 and 16
Printing was performed in the same manner as in Examples 13 and 14 except that the pigment ink used in Examples 13 and 14 was changed to Pigment Ink 3, and Examples 15 and 16 were performed.
[0081]
Comparative Examples 1-3
Printing was performed in the same manner as in Examples 1 to 12, except that the ink jet recording papers used in Examples 1 to 12 were changed to A, C, and K, and Comparative Examples 1 to 3 were made.
[0082]
Comparative Examples 4 to 7
Pigment ink 4 was used as a pigment ink for printing, and printing was performed on inkjet recording papers C, E, I, and J in exactly the same manner as in Examples 1 to 12, and Comparative Examples 4 to 7 were obtained.
[0083]
[Evaluation method]
The evaluation method of the ink jet recording paper obtained by the ink jet recording methods of Examples 1 to 16 and Comparative Examples 1 to 7 will be described below.
[0084]
1) Blank paper gloss
The 75-degree specular gloss of the surface of the ink receiving layer of each of the obtained ink jet recording papers A to O was measured with a gloss meter (digital gloss meter GM-260D: manufactured by Murakami Color Research Laboratory). These results are summarized in Table 1.
[0085]
2) Ink absorption
With respect to the 2 cm × 2 cm square solid printing portion of each color, the bleeding at the boundary of each color and the printing unevenness of the solid printing portion were visually evaluated 24 hours after printing according to the following criteria.
：: No bleeding at the boundary of each color and no printing unevenness in the solid printing portion were observed.
：: Some solid printed portion unevenness is seen in the quadruple color portion.
Δ: Either bleeding of the boundary or uneven printing of the solid printing portion is observed in the heavy color.
×: Either bleeding of the boundary or uneven printing of the solid printing portion is observed even in a single color.
◎ and ○ indicate good ink absorbency, and △ indicates the practical limit.
[0086]
3) Image density
The image density of the printed portion was measured using a reflection densitometer (TR-1224: manufactured by Macbeth) for black, cyan, magenta, and yellow of the obtained inkjet recording paper, and the value obtained by summing the measured values of each color was calculated. The evaluation was carried out. Here, when the sum of the image densities is 6.0 or more, a clear image and coloring can be obtained. If the sum of the image densities is less than 6.0, a clear image cannot be obtained, which is not practical.
[0087]
4) Ink fixability
<Scratch fixing property>
The Bk print portion was rubbed with a finger, and the fixability of the colourant pigment to the surface of the ink jet recording paper was visually evaluated according to the following criteria.
：: Colorant pigment does not fall off at all
：: Slight rub off of coloring material pigment
Δ: Color pigment was rubbed off, and the undercoat was slightly visible.
×: The coloring material pigment is completely removed, and the base material is clearly exposed.
Here, ◎ and ○ are satisfactory as the rub fixing property, Δ is the practical limit, and × is the unusable level.
[0088]
<Water resistance>
Water was dropped onto the solid printing portion of each color of Bk, C, M, and Y, and the water-resistant fixability of the coloring material pigment to the surface of the inkjet recording paper was visually evaluated according to the following criteria.
：: Colorant pigment does not bleed at all
：: Color material pigment slightly bleeds
Δ: The color changes due to the flow of the coloring pigment.
×: The coloring material pigment completely flows to expose the base.
Here, ◎ and ○ indicate good water-resistant fixability, Δ indicates the practical limit, and X indicates an unusable level.
[0089]
The pore radius of the obtained ink jet recording paper was measured with a mercury porosimeter (manufactured by Shimadzu Corporation). The pore radius of the ink receiving layer is a value obtained by peeling only the ink receiving layer from the ink jet recording sheet and measuring the peeled ink receiving layer with a mercury porosimeter. By this method, the following values were obtained as the average pore radius of the ink jet recording paper used in the examples and comparative examples.
Ink jet recording papers A and B: 500 nm to 5 μm
Ink jet recording papers CM and O: 50 nm to 2 μm
Inkjet recording paper N: less than 50 nm
[0090]
[Table 1]

[0091]
From Table 1, it is found that Examples 1 to 12 in which an image was recorded using an ink having an average dispersed particle diameter of 80 nm of a pigment ink using an inkjet recording paper containing a polyvalent metal salt or a cationic resin showed good results. It can be seen that the ink exhibits ink absorbency, image density, bleeding and ink fixability. In particular, it can be seen that the properties of Examples 2 to 4, 6, 7, 9, and 10 in which the polyvalent metal salt and the cationic resin contained in the ink jet recording paper are in specific ranges are remarkably improved. In Example 11 in which the average pore radius of the ink jet recording paper was less than 50 nm, the ink absorbency and the abrasion fixability were slightly reduced. In Example 12 in which the glossiness of the surface of the ink jet recording paper was 35% or less, the image density was low, and it can be seen that the effect of improving the characteristics by the gloss value was remarkable. In Examples 13 and 14 in which the average dispersed particle diameter of the pigment ink was 50 nm, improvement in ink absorbency, improvement in image density, and improvement in rubbing fixation were confirmed. Examples 15 and 16 show that these characteristics can be further improved.
[0092]
Comparative Examples 1 and 2 using the pigment ink 1 do not contain a polyvalent metal salt or a cationic resin in the ink jet recording paper, and are inferior in image density, ink absorbency, and fixability. In Comparative Example 3 using the inkjet recording paper K containing monovalent sodium as the metal salt, each characteristic was also inferior, indicating that the effect of the polyvalent metal salt was high. In Comparative Examples 4 to 7 using the pigment ink 2, a sufficient image density cannot be obtained, and even when an inkjet recording paper using a polyvalent metal salt or a cationic resin is used, the effect cannot be sufficiently exhibited.
[0093]
【The invention's effect】
As described above, by carrying out the present invention, it is possible to provide an ink jet recording method showing high color developability, excellent ink absorbency, and good ink fixability, especially after printing.

Claims

Inkjet recording in which droplets of a pigment ink containing at least a colorant pigment, an anionic dispersant, and water discharged from an inkjet recording apparatus are recorded on an inkjet recording sheet having at least one ink receiving layer on a support. In a recording method, the average dispersion particle diameter of the coloring material pigment is 80 nm or less, and the inkjet recording paper contains at least one of a water-soluble polyvalent metal salt and a cationic resin. .

2. The ink jet recording method according to claim 1, wherein the polyvalent metal salt is an ink jet recording paper containing at least one selected from a magnesium salt, a zinc salt, a zirconium salt, an aluminum salt, a calcium salt, and a barium salt. .

3. The ink jet recording method according to claim 1, wherein the cationic charge amount of the cationic resin is an ink jet recording paper of 3 meq / g or more and 15 meq / g or less.

The ink jet recording method according to any one of claims 1 to 3, wherein the ink receiving layer of the recording paper has an average pore radius of 50 nm or more and 5 m or less.

5. The ink-jet recording paper according to claim 1, wherein the surface of the ink-jet recording paper has a gloss, and the gloss is 35% or more of a 75-degree specular gloss specified in JIS Z8741. 9. The ink jet recording method according to claim 1.