【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、樹脂皮膜などを形成するための被膜形成方法、および、それを用いた電子写真複写機やレーザープリンタ等に搭載される電子写真感光体の製造方法に関し、特にその製造過程における有機溶剤の排出を極力少なくした被膜形成方法、およびそれを用いた電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に塗料を塗布して成る被膜は、結着樹脂等を有機溶剤に溶解或いは分散し、被覆したい基体上に塗布し、有機溶剤を乾燥して形成される。一方、電子写真方式を採用した画像形成装置には感光ドラムが搭載されているが、現在ではそのほとんどが電子写真感光体である。中でも現在の主流は、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層した機能分離型有機電子写真感光体である。
【0003】
有機電子写真感光体は、低コストで使用範囲が広いので、現在では世界中で年間数千万本が生産されている。通常、有機電子写真感光体は、感光材料と結着樹脂等を有機溶剤に溶解或いは分散して塗料化し、基体上に塗布して感光層を形成して製造される。
【0004】
塗料の塗布後は、有機溶剤を乾燥させるが、その際に蒸発した有機溶剤は、外気中に排出されている。有機溶剤の排出については、近年環境問題の高まりにより、大気汚染の原因物質の一つである有機溶剤は、少しでも排出量を削減させることが求められている。特に有機溶剤の乾燥が室内にてなされる場合には、その蒸気の臭いや人体への害に対する対策も必要である。
【0005】
このため、例えば、特開2001−334205のように、被膜形成材料を有機溶剤に溶解或いは分散した塗料を、被膜形成材料は不溶で、且つ有機溶剤には混和する第二の溶剤に接触させることで、塗膜から有機溶剤を第二の溶剤中に溶出、除去するという画期的な発明がなされている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−334205
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、この方法では、異なる種別(例えば、芳香族炭化水素系溶剤とエーテル系溶剤)の有機溶剤を組み合せた塗料の場合、片方の溶剤しか除去できない。実用の塗料では、単一種の有機溶剤のみで構成されている塗料は少ないのが現状である。これは、単一種の有機溶媒のみで構成した塗料は、製造工程において、少なからず扱いにくい特性(例えば結着樹脂としてポリカーボネート、有機溶剤としてテトラヒドロフランのみを用いた場合、塗布環境の湿度を十分低く保たないと、塗布直後に白濁を引き起こす等)を示すからである。このため、現在使用されている塗料は、少なくとも二種類以上の異なる種別の有機溶剤を組み合わせ、お互いの不足分を補足した混合溶剤系塗料が大半を占めている。従って、特開2001−334205の方法では、単一種の有機溶剤の大気放出量は削減できるが、実態に即した2種以上の混合有機溶剤の大気放出量の大幅な削減は見込めない。
【0008】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、実態に即した製造過程において、良好な塗膜を得るとともに、有機溶剤の排出量を極力削減し、臭気や大気汚染を防止した被膜形成方法、およびそれを用いた電子写真感光体の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち本発明は、
(1) 基体上に、少なくとも被膜形成材料を、少なくとも異なる二種類の有機溶剤A及び有機溶剤Bを含んでなる第一の溶剤に溶解或いは分散した塗料を塗布して、塗膜を形成する工程と、
乾燥前の塗膜を、被膜形成材料及び有機溶媒Bには不溶で、且つ有機溶剤Aに混和する第二の溶剤に接触させた後、被膜形成材料は不溶で、且つ有機溶剤Bに混和する第三の溶剤に接触させ、塗膜から有機溶剤を除去する工程と
を有することを特徴とする被膜形成方法。
【0010】
(2) 第二の溶剤が水が主体とした溶剤であり、第三の溶剤が低級アルコールが主体の溶剤であることを特徴とする前記(1)に記載の被膜形成方法。
【0011】
(3) 導電性基体上に、少なくとも感光層形成材料を、異なる二種類の有機溶剤A及び有機溶剤Bを含んでなる第一の溶剤に溶解或いは分散した感光層塗料を塗布して、塗膜を形成する工程と、
乾燥前の塗膜を、感光層形成材料及び有機溶媒Bには不溶で、且つ有機溶剤Aに混和する第二の溶剤に接触させた後、被膜形成材料は不溶で、且つ有機溶剤Bに混和する第三の溶剤に接触させ、塗膜から有機溶剤を除去する工程と、塗膜を乾燥して、感光層を形成する工程と、を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0012】
(4) 第二の溶剤が水が主体とした溶剤であり、第三の溶剤が低級アルコールが主体の溶剤であることを特徴とする前記(3)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(被膜形成方法)
本発明の被膜形成方法は、基体上に、少なくとも被膜形成材料を、少なくとも異なる二種類の有機溶剤A及び有機溶剤Bを含んでなる第一の溶剤に溶解或いは分散した塗料を塗布して、塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」という)と、乾燥前の塗膜を、結着樹脂及び有機溶剤Bには不溶で、且つ有機溶剤Aに混和する第二の溶媒に接触させた後、結着樹脂は不溶で、且つ有機溶剤Bには混和する第三の溶剤に接触させ、塗膜から有機溶剤を除去する工程(以下、「有機溶剤除去工程」という)とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の被膜形成方法は、少なくとも二種類の異なる種別の有機溶剤を組み合わせ、お互いの不足分を補足した混合溶剤系塗料を使用する場合に適用するものであり、上記複数の溶剤を使用することで選択的に有機溶剤を塗膜から除去し、良好な塗膜を得るとともに、有機溶剤の排出量を極力減らし、臭気や大気の汚染を防止する。また、選択的に有機溶剤を複数の溶剤中にそれぞれ混和(溶解)させるので、分別回収も可能となる。
【0015】
−塗膜形成工程−
塗膜形成工程においては、少なくとも被膜形成材料を、異なる二種類の有機溶剤A及び有機溶剤Bを含んでなる第一の溶剤に溶解させて調製して使用する。被膜形成材料としては、用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等の汎用樹脂、後述する感光層形成材料などが挙げられる。また、被膜形成材料には、用途に応じて、フタロシアニン、ペリレン、ビスアゾ顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料、フッ素樹脂粉体などのような樹脂粒子、その他添加物が配合されてもよい。
【0016】
塗膜形成工程において、有機溶剤としては、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、モノクロルベンゼン等)、塩素化炭化水素(例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロセン等)、ケトン類(アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等)等の汎用溶剤が挙げられる。これらの中でも、後述する第二の溶剤として、取り扱いが簡便な水と混和しやすい性質を有するエーテル類等、第三の溶剤として、取り扱いが比較的簡便な芳香族炭化水素と混和しやすい性質を有するアルコール類等が好ましい。同一種に類する有機溶剤は、単一で用いてもよいし、複数種併用してもよい。また、必要用途に応じ、使用する溶剤種別数を二種類以上に増やすこともできるが、後述する有機溶媒除去工程が煩雑になる上、塗膜に与えるストレスも大きくなるため、多くても四種類以内が限度であり、二種類が好適である。
【0017】
塗膜形成工程において、基体は被膜を塗布形成する基板に相当するものであり、その材料種及び形状は、用途に応じて適宜選択することができる。
塗膜形成工程において、塗料の塗布は、公知の塗布方法で行うことができ、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ローラー塗布法、刷毛塗り法などが挙げられる。
【0018】
−有機溶剤除去工程−
有機溶剤除去工程においては、乾燥前の塗膜を、少なくとも被膜形成材料及び一方の有機溶剤(有機溶剤A)には不溶で、且つもう一方の有機溶剤(有機溶剤B)には混和する第二の溶剤(以下、単に「第二の溶剤」という)に接触させる。その時、第二の溶剤は、被膜形成材料には不溶で、且つ一方の有機溶剤(有機溶剤A)は混和するので、一方の有機溶剤(有機溶剤A)のみが選択的に第二の溶剤中に溶出する。次に、被膜形成材料は不溶で、且つ残ったもう一方の有機溶剤(有機溶剤B)に混和する第三の溶剤(以下、単に「第三の溶剤」という)に接触させる。この第三の溶剤に接触させることで、第三の溶剤は、被膜形成材料は不溶で、残ったもう一方の有機溶媒(有機溶剤B)は混和するので、残ったもう一方の有機溶剤(有機溶剤B)のみが第三の溶剤中に溶出する。その結果、塗膜の乾燥の際、塗膜に含まれる有機溶剤の大気中への排出が削減される。
【0019】
有機溶剤除去工程において、第二の溶剤および第三の溶剤としては、少なくとも被膜形成材料は不溶で、且つ有機溶媒に混和するものであれば、如何なるものでもよい。例えば、有機溶剤として芳香族炭化水素や塩素化炭化水素を用いる場合、第二の溶媒としては、アルコール類(例えばメタノール、エタノール等)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン等)が挙げられる。有機溶剤としてケトン類、エステル類、エーテル類を用いる場合、有機溶剤としては、アルコール類、水が好適に挙げられる。特に有機溶剤としてエーテル類のような水やアルコールと混和しやすい性質を有するものと、芳香族炭化水素のようなアルコールと混和しやすい性質を有するものとを混合して用いる場合、第二の溶剤としては水を主体とた溶剤、第三の溶剤としてはメタノール、エタノールなどの低級アルコールを主体とした溶剤が扱いが簡便で最も好ましい。
【0020】
なお、これらの溶剤は目的とする有機溶剤を混和させて塗膜から除去するためのものであり、この機能を満たせば、所望の溶剤は溶剤全体のうち主体として含まれていればよく、具体的には、例えば所望の溶剤は溶剤全体の75%以上を占ていればよい。
【0021】
有機溶剤除去工程において、塗膜と第二の溶剤或いは第三の溶剤との接触方法としては、塗膜を第二の溶剤或いは第三の溶剤の中に浸漬する方法、塗膜に第二の溶剤或いは第三の溶剤を流下させる方法、塗膜に第二の溶剤を吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、塗膜を第二の溶剤或いは第三の溶剤の中に浸漬する方法が、簡易に且つ効率よく行える点から特に好適である。この方法を図1(図1は、塗膜を第二の溶剤に浸漬する方法を説明する概要図である)を参照して説明する。図1に示すように、塗膜10を形成した基材9を、容器12に満たされた第二の溶剤11中に浸漬する。基体9を第二の溶剤11に浸漬することで、効率よく、有機溶剤が塗膜10から第二の溶剤11中に溶出し、塗膜10中に含まれる有機溶剤を除去することができる。第三の溶剤に浸漬する方法は、容器12内の第二の溶剤11を第三の溶剤に置き換え、同様に浸漬すればよい。
【0022】
有機溶剤除去工程において、特に、塗膜を第二或いは第三の溶剤に浸漬する方法は、浮力の作用により、塗膜の垂れを防止することができる点で、好ましい。例えば、20μmを超えるような厚い膜厚を形成した場合、重力の影響を受けて常に下方に垂れやすくなり、塗膜の上端では垂れにより膜厚が薄くなる問題が発生することがある。第二の溶剤或いは第三の溶剤に浸漬することで、塗膜に浮力が働き、長時間有機溶剤除去工程を行っても、垂れを防止することができる。ただし、第二の溶剤に浸漬し、塗膜を引き離した後、第三の溶剤に浸漬するまでの時間が長いと、第二の溶剤で除去されないほうの有機溶剤(すなわち、第三の溶剤に溶出する有機溶剤)がまだ膜中に残っているため、垂れが生じる場合がある。これを回避するために、あらかじめ塗布速度を制御し、上端の膜厚を厚くするなどの技術を併用しても構わない。
【0023】
有機溶剤除去工程において、塗膜と第二の溶剤或いは第三の溶剤との接触時間は、接触方法、塗膜の厚さ等により異なり、適宜選択される。一般的に、塗膜からの有機溶剤の放出量は接触時間と共に増加する傾向にあるが、塗膜には、第二の溶剤或いは第三の溶剤に接触した表面に被膜が次第に形成されて、有機溶剤が第二の溶剤へ溶出しにくくなるので、完全に塗膜から有機溶剤を除去することは困難である。しかし、例えば、接触方法として浸漬方法を行った場合、一定時間塗膜を第二の溶剤に浸漬することで、塗膜中の有機溶剤を、大体60〜95%程度除去することは可能であり、これにより塗膜は形成される。この他に、第二の溶媒或いは第三の溶剤の温度を10〜40℃、好ましくは15〜35℃の範囲で制御したり、第二の溶剤或いは第三の溶剤を循環方式にすることで、塗膜近傍の有機溶剤が多量に含まれた第二の溶剤を絶えず置換することにより、塗膜中の有機溶剤の除去率を更に向上させることができる。循環方式内に第二の溶剤或いは第三の溶剤中に溶出した有機溶剤を分離、除去する機能を具備した設備であれば、ほぼ半永久的に高い溶剤除去率を維持でき、且つ分離した有機溶剤は、再利用することも可能である。
【0024】
有機溶剤除去工程において、塗膜を第二の溶剤或いは第三の溶剤に浸漬することで塗膜中の有機溶剤を除去する時間は、空気中で塗膜を自然乾燥するよりも速い。また、有機溶剤が大気中に放出されないので、室内で作業を行っても臭気は少ない。
【0025】
以上説明した塗膜形成工程、有機溶剤除去工程を経た後、被膜の種類によって、乾燥や加熱等を行い、被膜を形成することができる。加熱や乾燥前に、塗膜と第二の溶剤との接触を解除した際、(例えば、接触を浸漬にて行った場合、引き離した後)、塗膜の表面に第二の溶剤が水玉のようになって残る場合があるが、長時間の放置をしない限り、好ましくは10分以内の間に、次の第三の溶剤と接触させるため、問題にはならない。塗膜と第三の溶剤との接触を解除した際、塗膜の表面に第三の溶剤が水玉にようになって残る場合には、第三の溶剤を拭き取って除去するか、あるいは塗膜をアセトンやエタノールなどの速乾性の水溶性溶剤に短時間浸漬して除去してもよいが、第三の溶剤に低級アルコールを用いる場合には、この機能を兼ねるため特に必要ない。また、引き離す際の速度を十分遅くすることで、第三の溶剤の表面張力を利用して、水玉様の溶剤残りは回避することもできる。乾燥は加熱の際は、上述の有機溶剤除去工程によって、塗膜に含まれる有機溶剤量は、非常に少ないので、有機溶剤の排出量を削減することができ、さらには乾燥が短時間に行える。また、乾燥が短時間に行われるため、膜厚の厚い被膜を形成する場合でも、塗膜の垂れを防止することができるという副次効果も得られる。
【0026】
本発明の被膜形成方法において、有機溶剤が溶出した第二の溶剤或いは第三の溶剤は、有機溶剤の濃度が高くなると有機溶剤が溶出しにくくなるので、濃度はおよそ2〜10%程度を超えないようにすることが好ましいが、循環方式にすることで、その濃度を最大50%程度にまで引上げることができる。第二の溶剤或いは第三の溶剤中の有機溶剤の濃度が高くなった場合には、沸点の差を利用した分留などの方法で、第二の溶剤或いは第三の溶剤と有機溶剤を分けることができる。分けられた第二の溶剤或いは第三の溶剤と有機溶剤とはそれぞれ再利用することができる。
【0027】
このように、本発明の被膜形成方法は、様々な用途の被膜の形成に適用することができ、例えば、無端ベルトのポリイミド被膜の形成、帯電、転写ロール表面層に代表されるポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミドなどの被膜の形成、特に後述する電子写真感光体における被膜(感光層)形成に好適に適用することができる。
【0028】
(電子写真感光体の製造方法)
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性基体上に、少なくとも感光層形成材料を、異なる二種類の有機溶剤A及び有機溶剤Bを含む第一の溶剤に溶解或いは分散した感光層塗料を塗布して、塗膜を形成する工程(以下、「感光層塗布形成工程」という)と、乾燥前の塗膜を、感光層形成材料及び有機溶剤Bには不溶で、且つ有機溶剤Aに混和する第二の溶媒に接触させた後、感光層形成材料は不溶で、且つ有機溶剤Bには混和する第三の溶剤に接触させ、塗膜から有機溶剤を除去する工程(以下、「感光層有機溶剤除去工程」という)と、塗膜を乾燥して、感光層を形成する工程(以下、「感光層形成工程」という)とを有する。また、必要に応じて、その他の工程を有してもよい。
【0029】
−感光層塗膜形成工程−
感光層塗膜形成工程においては、少なくとも感光層形成材料を、異なる二種類以上の有機溶剤に溶解或いは分散させて、感光層塗料を調製するが、感光層形成材料は感光層の種類に応じて、従来公知の材料から適宜選択させる。例えば、機能性粉体分散型の下引き層を形成する場合、電荷輸送材料(例えばカーボンブラック等の有機顔料や酸化チタン、酸化亜鉛等の無機顔料)と、結着樹脂(等)と必要に応じて、球形シリコン樹脂、フッ素樹脂粉体等の樹脂粒子を有機溶剤に溶解或いは分散させて調製する。電荷発生層を形成する場合、電荷発生材料(例えばフタロシアニン、ペリレン、ビスアゾ顔料等)と、結着樹脂(ポリビニルブチラール等)とを、有機溶剤に溶解或いは分散させて調製する。例えば、電荷輸送層を形成する場合、電荷輸送材料(例えばヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、トリフェニルアミン化合物等)と、結着樹脂(例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等)と必要に応じて、球形シリコン樹脂、フッ素樹脂粉体等の樹脂粒子を有機溶剤に溶解或いは分散させて調製する。単層型感光層を形成する場合、上記電荷発生材と結着樹脂と、必要に応じて上記電荷輸送材とを有機溶剤に溶解或いは分散させて調製する。なお、電荷輸送性材料として、高分子電荷輸送性化合物を用いる場合は、結着樹脂は特に必要としない。また、有機溶媒としては、前述した本発明の被膜形成方法の塗膜形成工程で例示した有機溶剤と同様のものが挙げられる。
【0030】
感光層塗膜形成工程において、導電性基体としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、IOT等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等或いは導電性付与材を塗布、または、含浸させた紙、及びプラスチックフィルム等が挙げれる。さらに必要に応じて導電性基体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面の酸化処理、薬品処理、脱脂処理、着色処理、砂目立て等の乱反射処理等を行うことができる。
【0031】
感光層塗膜形成工程において、感光層塗料の塗布は、通常、浸漬塗布法によって行われるのが一般的であるが、他の公知の塗布法を行ってもよい。なお、「導電性基体上に塗布する」とは、導電性基体の表面上、及び該表面上に層を有する場合は、その層表面上に塗布することを意味する。
【0032】
−感光層有機溶剤除去工程−
感光層有機溶剤除去工程においては、乾燥前の塗膜を、少なくとも感光層形成材料及び一方の有機溶剤には不溶で、且つもう一方の溶剤には混和する第二の溶剤に接触させる。その時、第二の溶剤は、感光層形成材料には不溶で、且つ一方の有機溶剤は混和するので、一方の有機溶剤のみが選択的に第二の溶剤中に溶出する。次に、感光層形成材料は不溶で、且つ残った有機溶剤に混和する第三の溶剤に接触させる。この第三の溶剤に接触させることで、第三の溶剤は、感光層形成材料は不溶で、残ったもう一方の有機溶媒は混和するので、有機溶剤のみが第三の溶剤中に溶出する。その結果、塗膜の乾燥の際、塗膜に含まれる有機溶剤の大気中への排出が削減される。なお、感光層有機溶剤除去工程は、前述の本発明の被膜形成方法における有機溶剤除去工程と同様に、第二の溶剤及び第三の溶剤を用いて行うことができるため、その詳細は省略する。
【0033】
−感光層形成工程−
感光層形成工程において、乾燥は、塗膜中に浸透した第二の溶剤及び第三の溶剤と残留する有機溶剤とを除去する目的で行う。この乾燥は、用いる材料や、その膜厚、残留する有機溶剤量等により異なるが、20〜50℃の温度で、5〜20分間行うことが好ましい。風を当てることももちろん有効である。次いで、80〜150℃の温度で、20〜60分間残留溶剤を完全に除去することが好ましい。この乾燥は、温度を段階的に上昇させたり、一定速度で上昇させてもよい。
【0034】
感光層形成工程において、前記乾燥後、感光層が形成されるが、感光層形成材料として架橋硬化性の材料を用いた場合は、更に、加熱硬化させることで、感光層が形成される。加熱硬化の際、溶剤が少しでも残留していると電子写真感光体に膨れが生じることがあるため、前記乾燥には、完全に残留溶剤を除去することが好ましい。上記加熱硬化は、温度を段階的に上昇させたり、一定速度で上昇させることが好ましい。
【0035】
本発明の電子写真感光体の製造方法により得られる電子写真感光体は、例えば図2に示すような、従来公知の構成、及び性能を有するものを得ることができる。図2は、本発明の電子写真感光体の製造方法により得られる電子写真感光体の1例を示す該略図である。図2に示す電子写真感光体1は、導電性基体2の表面に、下引き層3が形成され、その上に、電荷発生層(電荷輸送層)4と電荷輸送層(電荷発生層)5とが順次積層された積層型である。通常、下引き層3の膜厚は0.1〜2μm程度だが、機能性粉体を分散させたものでは1〜30μm程度、電荷発生層4の膜厚は0.1〜1μm程度、電荷輸送層5の膜厚は10〜30μm程度である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中の「部」とは、「質量部」を示す。
【0037】
(実施例1)
重量平均分子量が3万のポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300、三菱ガス化学社製) 1部をテトラヒドロフラン3部、トルエン 1部に溶解或いは分散し、塗料とした。ポリカーボネート樹脂は水、エタノールに溶解せず、テトラヒドロフランは水、メタノールと混和する有機溶剤である。また、トルエンは水には溶解しないが、メタノールとは混和する。これをアルミニウム板に刷毛で塗布し、塗膜を形成した。次に塗膜を水に4分間浸漬し、基材を引上げたところ、テトラヒドロフランは当初の約80%が除去され、トルエンはほぼ残っている塗膜が形成されて、この段階で塗膜が垂れを生じることはほとんどなかった。これを更にメタノールに4分間浸漬し、基材を引上げ、常温下での5分間の静置により表面に付着したメタノールが蒸発した後に塗膜の状態を調べたところ、約10μm厚の被膜が形成されており、塗膜からはテトラヒドロフラン臭およびトルエン臭はなくなっていた。残留溶剤を測定しても、当初の95%以上が除去できていた。
【0038】
(比較例1)
実施例1において、塗膜を水及びエタノールに浸漬しないで自然乾燥させたところ、テトラヒドロフランの沸点が66℃であるのに対し、トルエンは沸点が110℃という揮発性の遅い溶剤であるため、被膜の乾燥に約30分間程度要し、実施例1より多くの時間がかかった。また、テトラヒドロフランとトルエンは、大気中に放出された。
【0039】
(比較例2)
30mmφ×334mmLのアルミニウム製円筒形基体を用意し、その表面を液体ホーニング方法によってRa=0.18μmになるよう粗面化した。まず8ナイロン(ラッカマイド、大日本インキ化学社製) 5部をメタノール 40部および1−ブタノール 60部の混合溶剤に溶解或いは分散し、得られた下引き層形成用塗布液を基体上に浸漬塗布し、135℃で10分間の乾燥をして、膜厚1μmの下引き層を形成した。次に、ポリビニルブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製) 1部をシクロヘキサノン 19部に溶解或いは分散し、これにクロロガリウムフタロシアニン 3部を加えてサンドミルで分散した。分散後に更に2−ブタノン 30部を加え、得られた塗布液を下引き層に浸漬塗布し、膜厚0.12μmの電荷発生層を形成した。続いて、電荷輸送材であるN,N’−ジフェニル−N,N’−(m−トリル)ベンジジン 36部と重量平均分子量が4万のポリカーボネートZ樹脂(ユーピロンZ400、三菱ガス化学社製) 64部をテトラヒドロフラン 225部およびモノクロルベンゼン 75部から成る混合有機溶剤に溶解或いは分散した。これを塗布液として電荷発生層上に浸漬塗布した後、常温にて5分間の乾燥を行い、次いで135℃で40分間の加熱乾燥をして、膜厚26μmの電荷輸送層を形成した。
【0040】
各層の乾燥において蒸発する有機溶剤は、下引き層では約0.65g、電荷発生層では約0.05g、電荷輸送層では約3.2gである。この結果から、電荷輸送層からの蒸発量が圧倒的に多く、効率よく溶剤排出量を削減するには、電荷輸送層からの蒸発量を削減する必要があることが分かる。なお、蒸発する有機溶剤量は、塗膜形成量から溶剤濃度をもとに算出することができる。
【0041】
(実施例2)
下引き層と電荷発生層は上記比較例2と同様にして塗布し形成した。次に上記比較例2と同様にして電荷輸送層を浸漬塗布した後、すぐに基体ごと第二の溶剤としての水の中に浸漬した。テトラヒドロフランは水とはよく混和する性質であり、電荷輸送層の表面からテトラヒドロフランが、ゆらゆらと水中へ溶出する様子を観察することができた。5分間の浸漬の後、基体を取り出し、次いで第三の溶剤としてのエタノールの中に浸漬した。モノクロルベンゼンはエタノールとはよく混和する性質であり、モノクロルベンゼンにおいても、電荷輸送層の表面から、第三の溶剤中へ溶出する様子を観察することができた。2分間の浸漬の後、基体を引上げ、常温下での5分間の静置により塗膜表面に付着したエタノールを蒸発させた。これにより、塗膜中のテトラヒドロフランおよびモノクロルベンゼンの約95%を除去することができた。次いで135℃で20分間の加熱乾燥をして、膜厚26μmの電荷輸送層を形成した。加熱乾燥時間は、比較例2の場合より短くすることができた。また、電荷輸送層の表面は第二の溶剤及び第三の溶剤によって荒れる等の影響を受けることはなかった。
【0042】
電荷輸送層の乾燥において蒸発した有機溶剤は約0.3gであった。この結果より、比較例2より2.9gも削減することができたことが分かる。
【0043】
(性能評価)
得られた比較例2および実施例2の電子写真感光体をデジタル複写機(富士ゼロックス製Able1405)に組み込み、下記条件にて試験を行った。
【0044】
−条件−
プロセススピード : 173mm/秒
帯電方式 : 帯電ロールによる接触帯電
電子写真感光体の電位 : Vh=−420V,Vl=−100V
現像剤 : 磁性一成分トナー
現像方式 : 非接触磁性一成分現像
転写方式 : 転写ロールによる接触転写
クリーニング方式 : ポリウレタンブレードの押し付け
【0045】
その結果、比較例2と実施例2との電子写真感光体には特性及び画質上の差はなく、いずれも良好な画像を得ることができた。電荷輸送層表面に差がないので、クリーニング性も同等であった。
【0046】
これらの結果から、従来の同等な性能を有しつつ、電子写真感光体の層形成の際、乾燥での溶剤蒸気量は、従来の1本当たり合計3.9gから、1.0g程度へと74%も減少させることができたことが分かる。
【0047】
【発明の効果】
以上により、本発明は、製造過程において、有機溶剤の排出量を極力削減し、臭気や大気汚染を防止した被膜形成方法、およびそれを用いた電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗膜を第二の溶剤(或いは第三の溶剤)に浸漬する方法を説明する該略図である。
【図2】本発明の電子写真感光体製造方法により得られる電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 導電性基体
3 下引き層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
9 基体
10塗膜
11 第二の溶剤(第三の溶剤)
12 容器[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to, for example, a method for forming a film for forming a resin film and the like, and a method for manufacturing an electrophotographic photoreceptor mounted on an electrophotographic copying machine or a laser printer using the same, particularly in the manufacturing process. The present invention relates to a method for forming a film in which discharge of an organic solvent is minimized, and a method for manufacturing an electrophotographic photoreceptor using the same.
[0002]
[Prior art]
Generally, a coating film formed by applying a coating material is formed by dissolving or dispersing a binder resin or the like in an organic solvent, applying the solution on a substrate to be coated, and drying the organic solvent. On the other hand, an image forming apparatus employing an electrophotographic method is equipped with a photosensitive drum, but most of them are electrophotographic photosensitive members at present. Among them, the current mainstream is a function-separated type organic electrophotographic photoconductor in which a charge transport layer is laminated on a charge generation layer.
[0003]
Since organic electrophotographic photoreceptors are inexpensive and widely used, tens of millions of organic electrophotographic photoreceptors are currently produced annually worldwide. In general, an organic electrophotographic photoreceptor is manufactured by dissolving or dispersing a photosensitive material and a binder resin in an organic solvent to form a coating, and applying the coating on a substrate to form a photosensitive layer.
[0004]
After the application of the paint, the organic solvent is dried, and the organic solvent evaporated at that time is discharged into the outside air. Regarding the emission of organic solvents, it has been required to reduce the emission of organic solvents, which is one of the substances causing air pollution, as much as possible due to the increasing environmental problems in recent years. Particularly when the organic solvent is dried indoors, it is necessary to take measures against the smell of the vapor and the harm to the human body.
[0005]
For this reason, for example, as in JP-A-2001-334205, a coating material in which a film-forming material is dissolved or dispersed in an organic solvent is brought into contact with a second solvent in which the film-forming material is insoluble and is miscible with the organic solvent. Thus, an epoch-making invention of eluting and removing an organic solvent from a coating film into a second solvent has been made.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 2001-334205A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
On the other hand, in this method, in the case of a paint in which organic solvents of different types (for example, an aromatic hydrocarbon solvent and an ether solvent) are combined, only one solvent can be removed. At present, there are few practical paints composed of only one kind of organic solvent. This is because paint composed of only a single type of organic solvent has some difficult characteristics in the manufacturing process (for example, when only polycarbonate is used as the binder resin and only tetrahydrofuran is used as the organic solvent, the humidity of the coating environment is kept sufficiently low. Otherwise, cloudiness will be caused immediately after application). For this reason, most of the paints currently used are mixed solvent-based paints in which at least two or more different types of organic solvents are combined to compensate for each other's shortage. Therefore, the method disclosed in JP-A-2001-334205 can reduce the amount of the single organic solvent released to the atmosphere, but does not expect a significant reduction in the amount of the mixed organic solvent released to the atmosphere according to the actual situation.
[0008]
An object of the present invention is to solve the above-described conventional problems and achieve the following objects. That is, an object of the present invention is to provide a coating film forming method in which a good coating film is obtained in the manufacturing process in accordance with the actual situation, the emission amount of the organic solvent is reduced as much as possible, and odor and air pollution are prevented. An object of the present invention is to provide a method for manufacturing an electrophotographic photosensitive member.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The above problem is solved by the following means. That is, the present invention
(1) A step of applying a coating material in which at least a film forming material is dissolved or dispersed in a first solvent containing at least two different types of organic solvents A and B on a substrate to form a coating film When,
After contacting the coating film before drying with a second solvent that is insoluble in the film forming material and the organic solvent B and that is miscible with the organic solvent A, the film forming material is insoluble and miscible with the organic solvent B. Contacting a third solvent to remove the organic solvent from the coating;
A method for forming a film, comprising:
[0010]
(2) The method according to (1), wherein the second solvent is a solvent mainly composed of water, and the third solvent is a solvent mainly composed of lower alcohol.
[0011]
(3) A photosensitive layer paint in which at least a photosensitive layer forming material is dissolved or dispersed in a first solvent containing two different types of organic solvents A and B on a conductive substrate, Forming a;
After contacting the coating film before drying with a second solvent that is insoluble in the photosensitive layer forming material and the organic solvent B and is miscible with the organic solvent A, the film forming material is insoluble and miscible with the organic solvent B. A process of removing an organic solvent from a coating film by contacting the coating solution with a third solvent, and drying the coating film to form a photosensitive layer.
[0012]
(4) The method according to (3), wherein the second solvent is a solvent mainly composed of water, and the third solvent is a solvent mainly composed of lower alcohol.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
(Coating method)
The method of forming a film of the present invention comprises applying a coating solution in which at least a film forming material is dissolved or dispersed in a first solvent containing at least two different organic solvents A and B on a substrate. A step of forming a film (hereinafter referred to as a “coating film forming step”) and contacting the coating film before drying with a second solvent that is insoluble in the binder resin and the organic solvent B and is miscible with the organic solvent A After that, a step of removing the organic solvent from the coating film by bringing the binder resin into contact with a third solvent that is insoluble and is miscible with the organic solvent B (hereinafter, referred to as an “organic solvent removing step”) is included. It is characterized by the following.
[0014]
The film forming method of the present invention is applied when using a mixed solvent-based paint that combines at least two different types of organic solvents and complements each other's shortcomings, and uses the plurality of solvents described above. The method selectively removes the organic solvent from the coating film, obtains a good coating film, minimizes the amount of organic solvent discharged, and prevents odor and air pollution. Further, since the organic solvent is selectively mixed (dissolved) in each of the plurality of solvents, it is possible to separate and collect the organic solvent.
[0015]
-Coating film formation process-
In the coating film forming step, at least a film forming material is dissolved in a first solvent containing two different types of organic solvents A and B and prepared and used. The film-forming material can be appropriately selected depending on the application. Examples thereof include general-purpose resins such as nylon, polyvinyl butyral, polycarbonate, polyarylate, polymethyl methacrylate, and polyester, and a photosensitive layer-forming material described below. . Depending on the application, the film-forming material may contain organic pigments such as phthalocyanine, perylene and bisazo pigments, inorganic pigments such as titanium oxide and zinc oxide, resin particles such as fluororesin powder, and other additives. May be done.
[0016]
In the coating film forming step, organic solvents include aromatic hydrocarbons (eg, toluene, xylene, monochlorobenzene, etc.), chlorinated hydrocarbons (eg, methylene chloride, chloroform, chlorocene, etc.), ketones (acetone, butanone, cyclohexanone, etc.). ), Esters (eg, ethyl acetate, butyl acetate, etc.) and ethers (eg, tetrahydrofuran, dioxane, etc.). Among them, ethers having a property of being easily miscible with water as a second solvent described later, such as ethers having a property of being easily miscible with water, and a property of being easily miscible with an aromatic hydrocarbon which is relatively easily handled as a third solvent. Alcohols and the like are preferred. The same kind of organic solvents may be used alone or in combination of two or more. In addition, the number of types of solvents used can be increased to two or more types according to the required application.However, the organic solvent removal step described later becomes complicated, and the stress applied to the coating film increases. Is the limit, and two types are suitable.
[0017]
In the coating film forming step, the substrate corresponds to the substrate on which the coating film is formed, and the material type and shape thereof can be appropriately selected according to the application.
In the coating film forming step, the coating can be applied by a known coating method, and examples thereof include a dip coating method, a spray coating method, a roller coating method, and a brush coating method.
[0018]
-Organic solvent removal process-
In the organic solvent removing step, a second coating film which is insoluble in at least the film forming material and one organic solvent (organic solvent A) and is miscible with the other organic solvent (organic solvent B) is used in the organic solvent removing step. (Hereinafter simply referred to as “second solvent”). At that time, the second solvent is insoluble in the film-forming material and one organic solvent (organic solvent A) is miscible, so that only one organic solvent (organic solvent A) is selectively contained in the second solvent. To elute. Next, the film-forming material is brought into contact with a third solvent (hereinafter simply referred to as “third solvent”) which is insoluble and is mixed with the remaining organic solvent (organic solvent B). When the third solvent is brought into contact with the third solvent, the film forming material is insoluble and the remaining organic solvent (organic solvent B) is mixed with the third solvent. Only solvent B) elutes in the third solvent. As a result, when the coating film is dried, discharge of the organic solvent contained in the coating film into the atmosphere is reduced.
[0019]
In the organic solvent removing step, any solvent may be used as the second solvent and the third solvent as long as at least the film-forming material is insoluble and miscible with the organic solvent. For example, when an aromatic hydrocarbon or a chlorinated hydrocarbon is used as the organic solvent, examples of the second solvent include alcohols (eg, methanol, ethanol, etc.) and aliphatic hydrocarbons (eg, hexane, heptane, etc.). When ketones, esters, and ethers are used as the organic solvent, alcohols and water are preferably used as the organic solvent. In particular, when a mixture of an organic solvent having a property of being easily miscible with water or alcohol such as ethers and an organic solvent having a property of being miscible with alcohol such as an aromatic hydrocarbon is used, a second solvent is used. As a third solvent, a solvent mainly composed of a lower alcohol such as methanol or ethanol is simple and most preferable.
[0020]
Note that these solvents are used for removing the organic solvent from the coating film by mixing the intended organic solvent. If this function is satisfied, the desired solvent may be contained as a main component in the entire solvent, and Specifically, for example, the desired solvent may occupy 75% or more of the entire solvent.
[0021]
In the organic solvent removing step, as a method of contacting the coating film with the second solvent or the third solvent, a method of immersing the coating film in the second solvent or the third solvent, A method in which a solvent or a third solvent flows down, a method in which a second solvent is sprayed on a coating film, and the like are exemplified. Among these, the method of dipping the coating film in the second solvent or the third solvent is particularly preferable because it can be performed easily and efficiently. This method will be described with reference to FIG. 1 (FIG. 1 is a schematic diagram illustrating a method of immersing a coating film in a second solvent). As shown in FIG. 1, the substrate 9 on which the coating film 10 is formed is immersed in a second solvent 11 filled in a container 12. By immersing the substrate 9 in the second solvent 11, the organic solvent is efficiently eluted from the coating film 10 into the second solvent 11, and the organic solvent contained in the coating film 10 can be removed. As a method of immersing in the third solvent, the second solvent 11 in the container 12 may be replaced with a third solvent, and immersion may be performed similarly.
[0022]
In the organic solvent removing step, a method of immersing the coating film in the second or third solvent is particularly preferable since the coating film can be prevented from sagging by the action of buoyancy. For example, when a thick film having a thickness of more than 20 μm is formed, the film tends to hang down constantly under the influence of gravity, and a problem may occur in which the film thickness becomes thin at the upper end of the coating film. By dipping in the second solvent or the third solvent, buoyancy acts on the coating film, and dripping can be prevented even when the organic solvent removing step is performed for a long time. However, if the time until immersion in the third solvent after immersion in the second solvent and separating the coating film is long, the organic solvent that is not removed by the second solvent (that is, Since the (eluting organic solvent) still remains in the film, dripping may occur. In order to avoid this, a technique of controlling the coating speed in advance and increasing the film thickness at the upper end may be used in combination.
[0023]
In the organic solvent removing step, the contact time between the coating film and the second solvent or the third solvent varies depending on the contact method, the thickness of the coating film, and the like, and is appropriately selected. In general, the amount of the organic solvent released from the coating tends to increase with the contact time, but the coating gradually forms on the surface in contact with the second solvent or the third solvent, Since it is difficult for the organic solvent to elute into the second solvent, it is difficult to completely remove the organic solvent from the coating film. However, for example, when a dipping method is performed as a contact method, it is possible to remove approximately 60 to 95% of the organic solvent in the coating film by dipping the coating film in the second solvent for a certain period of time. Thus, a coating film is formed. In addition, by controlling the temperature of the second solvent or the third solvent in the range of 10 to 40 ° C., preferably 15 to 35 ° C., or by circulating the second solvent or the third solvent, By constantly replacing the second solvent containing a large amount of the organic solvent near the coating film, the removal rate of the organic solvent in the coating film can be further improved. If the equipment has a function of separating and removing the organic solvent eluted in the second solvent or the third solvent in the circulation system, a high solvent removal rate can be maintained almost semi-permanently, and the separated organic solvent can be maintained. Can be reused.
[0024]
In the organic solvent removing step, the time for removing the organic solvent in the coating by immersing the coating in the second solvent or the third solvent is faster than drying the coating naturally in the air. Further, since the organic solvent is not released into the atmosphere, there is little odor even when working indoors.
[0025]
After the coating film forming step and the organic solvent removing step described above, the film can be formed by drying or heating depending on the type of the film. Before heating or drying, when the contact between the coating film and the second solvent is released (for example, when the contact is performed by immersion, after the separation), the second solvent has a polka dot on the surface of the coating film. This may be left as it is, but it is not a problem because it is brought into contact with the next third solvent preferably within 10 minutes unless left for a long time. If the third solvent remains as a polka dot on the surface of the coating when the contact between the coating and the third solvent is released, remove the third solvent by wiping or removing the coating. May be removed by immersing it in a quick-drying water-soluble solvent such as acetone or ethanol for a short time. However, when a lower alcohol is used as the third solvent, this is not particularly necessary because it also serves as this function. In addition, by making the speed at the time of separation sufficiently low, it is possible to avoid the polka dot-like solvent residue by utilizing the surface tension of the third solvent. When the drying is performed by heating, the amount of the organic solvent contained in the coating film is very small due to the above-mentioned organic solvent removing step, so that the amount of the organic solvent discharged can be reduced, and furthermore, the drying can be performed in a short time . In addition, since the drying is performed in a short time, a secondary effect of preventing sagging of the coating film can be obtained even when a thick film is formed.
[0026]
In the film forming method of the present invention, the concentration of the second solvent or the third solvent from which the organic solvent elutes exceeds about 2 to 10% because the organic solvent becomes difficult to elute when the concentration of the organic solvent is high. It is preferable that the concentration is not increased, but the concentration can be increased up to about 50% by using a circulation system. When the concentration of the organic solvent in the second solvent or the third solvent increases, the second solvent or the third solvent is separated from the organic solvent by a method such as fractionation utilizing a difference in boiling point. be able to. The separated second or third solvent and the organic solvent can be reused.
[0027]
As described above, the film forming method of the present invention can be applied to the formation of films for various uses, for example, formation of a polyimide film of an endless belt, charging, polyurethane, polyfluoride represented by a transfer roll surface layer, and the like. The present invention can be suitably applied to the formation of a film such as vinylidene, tetrafluoroethylene copolymer, polyester, and polyimide, particularly to the formation of a film (photosensitive layer) in an electrophotographic photoreceptor described later.
[0028]
(Method of manufacturing electrophotographic photoreceptor)
The method for producing an electrophotographic photoreceptor of the present invention is directed to a photosensitive layer coating material in which at least a photosensitive layer forming material is dissolved or dispersed in a first solvent containing two different types of organic solvents A and B on a conductive substrate. (Hereinafter referred to as “photosensitive layer coating forming step”), and coating the coating before drying is insoluble in the photosensitive layer forming material and the organic solvent B, and in the organic solvent A. After contacting with the second solvent to be mixed, the material for forming a photosensitive layer is insoluble, and is contacted with a third solvent that is mixed with the organic solvent B to remove the organic solvent from the coating film (hereinafter referred to as “photosensitive”). And a step of drying the coating film to form a photosensitive layer (hereinafter referred to as a “photosensitive layer forming step”). Further, other steps may be provided as necessary.
[0029]
-Photosensitive layer coating process-
In the photosensitive layer coating film forming step, at least the photosensitive layer forming material is dissolved or dispersed in two or more different organic solvents to prepare a photosensitive layer paint, the photosensitive layer forming material according to the type of the photosensitive layer , May be appropriately selected from conventionally known materials. For example, when a functional powder-dispersed undercoat layer is formed, a charge transport material (for example, an organic pigment such as carbon black or an inorganic pigment such as titanium oxide or zinc oxide) and a binder resin (and the like) are required. Accordingly, resin particles such as spherical silicon resin and fluororesin powder are dissolved or dispersed in an organic solvent. When the charge generation layer is formed, a charge generation material (eg, phthalocyanine, perylene, bisazo pigment, etc.) and a binder resin (eg, polyvinyl butyral) are dissolved or dispersed in an organic solvent. For example, when forming a charge transport layer, a charge transport material (for example, hydrazone compound, stilbene compound, benzidine compound, triphenylamine compound, etc.) and a binder resin (for example, polycarbonate, polyarylate, polymethyl methacrylate, polyester, etc.) It is prepared by dissolving or dispersing resin particles such as spherical silicone resin and fluororesin powder in an organic solvent as needed. When a single-layer type photosensitive layer is formed, the charge generating material, the binder resin, and, if necessary, the charge transporting material are dissolved or dispersed in an organic solvent. When a high molecular charge transporting compound is used as the charge transporting material, a binder resin is not particularly required. Examples of the organic solvent include those similar to the organic solvents exemplified in the coating film forming step of the above-described coating film forming method of the present invention.
[0030]
In the photosensitive layer coating film forming step, conductive substrates include metals such as aluminum, nickel, chromium, and stainless steel, and aluminum, titanium, nickel, chromium, stainless steel, gold, vanadium, tin oxide, indium oxide, and IOT. And a plastic film coated with or impregnated with a conductivity-imparting material or a plastic film provided with a thin film. Further, if necessary, the surface of the conductive substrate can be subjected to various treatments within a range that does not affect the image quality. For example, surface oxidation treatment, chemical treatment, degreasing treatment, coloring treatment, irregular reflection treatment such as graining, or the like can be performed.
[0031]
In the photosensitive layer coating film forming step, the coating of the photosensitive layer paint is generally performed by a dip coating method, but other known coating methods may be performed. Note that “applying on a conductive substrate” means applying on the surface of the conductive substrate and, when a layer is provided on the surface, on the surface of the layer.
[0032]
-Photosensitive layer organic solvent removal process-
In the photosensitive layer organic solvent removal step, the coating film before drying is brought into contact with at least a photosensitive layer forming material and a second solvent that is insoluble in one organic solvent and is miscible in the other solvent. At that time, the second solvent is insoluble in the photosensitive layer forming material, and one organic solvent is miscible, so that only one organic solvent is selectively eluted into the second solvent. Next, the photosensitive layer forming material is brought into contact with a third solvent which is insoluble and is miscible with the remaining organic solvent. When the third solvent is brought into contact with the third solvent, the third layer solvent is insoluble in the photosensitive layer forming material and the remaining organic solvent is miscible, so that only the organic solvent is eluted into the third solvent. As a result, when the coating film is dried, discharge of the organic solvent contained in the coating film into the atmosphere is reduced. Note that the photosensitive layer organic solvent removing step can be performed using the second solvent and the third solvent in the same manner as the organic solvent removing step in the above-described film forming method of the present invention, and thus details thereof are omitted. .
[0033]
-Photosensitive layer forming process-
In the photosensitive layer forming step, drying is performed for the purpose of removing the second solvent and the third solvent that have penetrated into the coating film and the remaining organic solvent. This drying is preferably performed at a temperature of 20 to 50 ° C. for 5 to 20 minutes, depending on the material used, its film thickness, the amount of the remaining organic solvent, and the like. Applying the wind is of course also effective. Next, it is preferable to completely remove the residual solvent at a temperature of 80 to 150 ° C for 20 to 60 minutes. In this drying, the temperature may be increased stepwise or at a constant rate.
[0034]
In the photosensitive layer forming step, a photosensitive layer is formed after the drying. When a cross-linking and curable material is used as the photosensitive layer forming material, the photosensitive layer is further formed by heating and curing. During heating and curing, if a small amount of solvent remains, the electrophotographic photosensitive member may swell. Therefore, it is preferable to completely remove the residual solvent in the drying. In the heat curing, the temperature is preferably increased stepwise or at a constant rate.
[0035]
As the electrophotographic photoreceptor obtained by the method of manufacturing an electrophotographic photoreceptor of the present invention, for example, an electrophotographic photoreceptor having a conventionally known configuration and performance as shown in FIG. 2 can be obtained. FIG. 2 is a schematic view showing one example of an electrophotographic photosensitive member obtained by the method for producing an electrophotographic photosensitive member of the present invention. In the electrophotographic photoreceptor 1 shown in FIG. 2, an undercoat layer 3 is formed on the surface of a conductive substrate 2, and a charge generation layer (charge transport layer) 4 and a charge transport layer (charge generation layer) 5 are formed thereon. Are a stacked type in which layers are sequentially stacked. Usually, the thickness of the undercoat layer 3 is about 0.1 to 2 μm, but about 1 to 30 μm when the functional powder is dispersed, the thickness of the charge generation layer 4 is about 0.1 to 1 μm, The thickness of the layer 5 is about 10 to 30 μm.
[0036]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, these embodiments do not limit the present invention. In addition, “parts” in the text indicates “parts by mass”.
[0037]
(Example 1)
One part of a polycarbonate resin having a weight average molecular weight of 30,000 (Iupilon Z300, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) was dissolved or dispersed in 3 parts of tetrahydrofuran and 1 part of toluene to prepare a coating. Polycarbonate resin does not dissolve in water and ethanol, and tetrahydrofuran is an organic solvent miscible with water and methanol. Further, toluene does not dissolve in water but is miscible with methanol. This was applied to an aluminum plate with a brush to form a coating film. Next, the coating film was immersed in water for 4 minutes, and when the substrate was pulled up, about 80% of the initial amount of tetrahydrofuran was removed, and toluene was almost completely formed, and the coating film dripped at this stage. Rarely occurred. This was further immersed in methanol for 4 minutes, the base material was pulled up, and the state of the coating film was examined after the methanol adhering to the surface was evaporated by standing at room temperature for 5 minutes to form a coating film having a thickness of about 10 μm. As a result, the smell of tetrahydrofuran and the smell of toluene were eliminated from the coating film. Even when the residual solvent was measured, 95% or more of the initial solvent could be removed.
[0038]
(Comparative Example 1)
In Example 1, when the coating film was air-dried without being immersed in water and ethanol, the boiling point of tetrahydrofuran was 66 ° C, whereas toluene was a volatile solvent having a boiling point of 110 ° C. It took about 30 minutes to dry the film, and it took more time than in Example 1. In addition, tetrahydrofuran and toluene were released into the atmosphere.
[0039]
(Comparative Example 2)
An aluminum cylindrical substrate of 30 mmφ × 334 mmL was prepared, and the surface was roughened by a liquid honing method to Ra = 0.18 μm. First, 5 parts of 8 nylon (lactamide, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.) are dissolved or dispersed in a mixed solvent of 40 parts of methanol and 60 parts of 1-butanol, and the obtained coating liquid for forming an undercoat layer is dip-coated on a substrate. Then, drying was performed at 135 ° C. for 10 minutes to form an undercoat layer having a thickness of 1 μm. Next, 1 part of polyvinyl butyral resin (BM-1, manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) was dissolved or dispersed in 19 parts of cyclohexanone, and 3 parts of chlorogallium phthalocyanine was added thereto and dispersed by a sand mill. After the dispersion, 30 parts of 2-butanone was further added, and the obtained coating solution was dip-coated on the undercoat layer to form a charge generation layer having a thickness of 0.12 μm. Subsequently, 36 parts of N, N'-diphenyl-N, N '-(m-tolyl) benzidine, which is a charge transporting material, and a polycarbonate Z resin having a weight average molecular weight of 40,000 (Iupilon Z400, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) 64 Parts were dissolved or dispersed in a mixed organic solvent consisting of 225 parts of tetrahydrofuran and 75 parts of monochlorobenzene. This was applied as a coating solution on the charge generation layer by dip coating, dried at room temperature for 5 minutes, and then heated and dried at 135 ° C. for 40 minutes to form a charge transport layer having a thickness of 26 μm.
[0040]
The amount of the organic solvent that evaporates during drying of each layer is about 0.65 g in the undercoat layer, about 0.05 g in the charge generation layer, and about 3.2 g in the charge transport layer. From this result, it is understood that the amount of evaporation from the charge transport layer is overwhelmingly large, and it is necessary to reduce the amount of evaporation from the charge transport layer in order to efficiently reduce the amount of solvent discharged. The amount of the organic solvent that evaporates can be calculated from the amount of the formed coating film based on the solvent concentration.
[0041]
(Example 2)
The undercoat layer and the charge generation layer were applied and formed in the same manner as in Comparative Example 2 described above. Next, the charge transport layer was applied by dip coating in the same manner as in Comparative Example 2, and then immediately dipped together with the substrate in water as a second solvent. Tetrahydrofuran has a property of being miscible with water well, and it was observed that tetrahydrofuran elutes into the water from the surface of the charge transport layer. After immersion for 5 minutes, the substrate was removed and then immersed in ethanol as a third solvent. Monochlorobenzene is miscible with ethanol, and it was observed that monochlorobenzene was eluted from the surface of the charge transport layer into the third solvent. After immersion for 2 minutes, the substrate was pulled up and allowed to stand at room temperature for 5 minutes to evaporate the ethanol adhering to the coating film surface. As a result, about 95% of tetrahydrofuran and monochlorobenzene in the coating film could be removed. Next, the resultant was dried by heating at 135 ° C. for 20 minutes to form a charge transport layer having a thickness of 26 μm. The heating and drying time was shorter than that of Comparative Example 2. Further, the surface of the charge transport layer was not affected by the second solvent and the third solvent being roughened.
[0042]
About 0.3 g of the organic solvent evaporated during the drying of the charge transport layer. From this result, it can be seen that 2.9 g was reduced as compared with Comparative Example 2.
[0043]
(Performance evaluation)
The obtained electrophotographic photosensitive members of Comparative Example 2 and Example 2 were assembled in a digital copying machine (Able 1405 manufactured by Fuji Xerox) and tested under the following conditions.
[0044]
−Condition−
Process speed: 173mm / sec
Charging method: Contact charging by charging roll
Potential of electrophotographic photoreceptor: Vh = −420V, Vl = −100V
Developer: Magnetic one-component toner
Development method: Non-contact magnetic one-component development
Transfer method: Contact transfer by transfer roll
Cleaning method: Pressing polyurethane blade
[0045]
As a result, there was no difference in characteristics and image quality between the electrophotographic photoreceptors of Comparative Example 2 and Example 2, and good images could be obtained in each case. Since there was no difference in the surface of the charge transport layer, the cleaning properties were the same.
[0046]
From these results, while forming the layer of the electrophotographic photoreceptor, the amount of solvent vapor in drying when forming the layer of the electrophotographic photosensitive member is reduced from the total of 3.9 g per conventional one to about 1.0 g while having the same performance as the conventional one. It can be seen that it could be reduced by 74%.
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a method for forming a film in which the amount of discharged organic solvent is reduced as much as possible in the manufacturing process to prevent odor and air pollution, and a method for manufacturing an electrophotographic photoreceptor using the same. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating a method of immersing a coating film in a second solvent (or a third solvent).
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view illustrating an example of an electrophotographic photosensitive member obtained by the method of manufacturing an electrophotographic photosensitive member of the present invention.
[Explanation of symbols]
1. Electrophotographic photoreceptor
2 conductive substrate
3 Undercoat layer
4 Charge generation layer
5 charge transport layer
9 Substrate
10 coatings
11 Second solvent (third solvent)
12 containers