JP2004275694A - 超小型携帯酸素マスク - Google Patents

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Masahiro Hirono
正弘 廣野
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Abstract

【課題】ビルや地下鉄の火災などにより発生した有毒ガスの充満するエリアから避難するためには、呼吸が数分間できるだけの酸素供給能力を持ち、常時持ち運びできる酸素マスクが必要である。ポケットに収納可能な、非常にコンパクトなサイズの超小型携帯酸素マスクを提供する。
【解決手段】水が封入されている容器3と、酸素発生剤と触媒が混合されている容器4、そして活性炭フィルター10から酸素発生装置は構成される。容器3を回転させると、容器4のネジの先端部分にあるツメ9によってフィルム8が破られ、酸素発生剤としての過炭酸ナトリウムと触媒作用をもつ二酸化マンガンが容器3の水の中で酸素を発生させる。発生した酸素は、フィルターを通って、酸素貯めとマスクの機能を併せもつ袋状容器に流入し、数分間の呼吸を可能にする。酸素発生装置は小型であり、袋状容器は折りたためばコンパクトになるので、ポケットに収納できるサイズが実現する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素発生剤として過炭酸ナトリウム、水性溶媒として水、触媒として二酸化マンガンを混合することにより酸素を発生させる比較的小型の装置を、プラスチック素材で構成される袋状の容器に取り付け、数分間の呼吸を可能にしたものである。また、本発明は、携帯することを前提にしているので、バッグやポケットに収納できるほどのきわめてコンパクトな形態になっている。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯用簡易酸素マスクといえば、使い捨てスプレー缶に充填した酸素ボンベと伸縮自在のコイル状のビニルホースとマスクから成る酸素吸入セットという発想がほとんどであった。また、簡易酸素発生装置といっても、酸素発生剤や水や触媒を用いるという原理的なものは本発明と同じなものの、それは比較的長時間安定した酸素の供給を可能とする目的があったため、その容量は本発明と比較すると格段に大き過ぎ、バッグやポケットに入れて常時持ち運ぶにはいずれも適さないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ビル火災や地下鉄火災などにより発生した有毒ガスが充満するエリアから逃れるには、数分間そのガスを吸わないことが生死を分けるといわれている。そうした事態は予測不能でいつ起きるかわからない。だから、そのような不測の事態に備えた避難グッズを常に持ち歩くことが、自分の身を守るために必要不可欠なのである。そのためには、できるだけコンパクトで常時携帯でき、かつ数分間の呼吸を可能にする酸素マスクが必要とされるのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、比較的長時間安定した酸素供給をめざすもではなく、わずか数分間の酸素供給を目的としているため、酸素発生装置は比較的小型であり、しかも、その発生した酸素をムダなく効率的に使用するために、酸素貯めとマスクの機能を併せもつプラスチック素材の袋状容器が、その装置に連結している。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、外出先の電車、地下道、ビル内での不意の火災等により発生した有毒ガスを極力吸引せず、その場から避難することを重点においた、常時携帯できるきわめてコンパクトな酸素マスクである。それを図面について説明すれば、比較的小型の酸素発生装置1を、酸素貯めと口にあてるマスク機能を併せもつ袋状のプラスチック容器2に連結する。小型の酸素発生装置1の構造については複室化しており、容器3には水5を、容器4には過炭酸ナトリウム6と二酸化マンガン7をそれぞれ入れる。容器3は水に溶けない薄いフィルム8で密封されている。容器3を回転すると、容器4のネジの先端部にあるツメ9によってフィルムが破られることにより、過炭酸ナトリウムと二酸化マンガンは容器3の室に入り込み水と反応し、二酸化マンガンの触媒作用により、酸素発生が起きる。この酸素がフィルター10を通過して、袋状容器2に流入していく。フィルターは、酸素を発生させる際、水などの液体が瞬間的に袋状容器2に流れこまないようにし、気体である酸素を通過させる働きを有する。袋状容器2の口に当たる部分には、片手で抑えても口もとや鼻にフィットしやすいように、いわばパッキンのような役目をはたす比較的厚い素材11が取り付けられている。そしてこの部分には、両耳にかけられるように2本のヒモ12が付属している。酸素発生装置は小型であり、袋状容器2も折りたためば極めてコンパクトになり、バッグやポケットに収納できるサイズの超小型携帯酸素マスクが実現する。
【0006】
【発明の効果】
このようにすれば、小さなバッグやポケットに入るほどの非常にコンパクトな収納ができ、それは同時に常時携帯を可能にする。不測の事態に備えるためには、この常時携帯という概念がなによりも重要で、これなくしては携帯酸素マスクの存在理由は何もないとさえいえるのである。袋状のマスクを口に装着し、顔を多少うつむきかげんにすると、小型酸素発生装置の重みも加わって、袋は圧迫されることなく自然に下に垂れ下がることになる。こうした状態で酸素を発生させると、呼吸によって排出された二酸化炭素は、酸素との質量の相対的な関係上、袋の下部に沈むことになり、発生した酸素を上方に押し上げ、酸素発生量があまり多くなくとも、それを外部に逃がすことなく、数分間にわたる効果的な呼吸を可能にするのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素発生装置と、酸素貯め機能をもつ袋状容器を示した断面図である。
【図2】酸素発生装置が連結している袋状容器を装着した際の斜視図である。
【図3】袋状容器をコンパクトに収納したときの側面図である。
【符号の説明】
1 酸素発生装置
2 酸素貯めとマスク機能を併せもつ袋状容器
3 水が入っている容器
4 過炭酸ナトリウムと二酸化マンガンが混合されている容器
5 水
6 過炭酸ナトリウム
7 二酸化マンガン
8 容器3の水を密封する薄いフィルム
9 フィルム8を破るツメ
10 活性炭が入っているフィルター
11 口もとや鼻にフィットする比較的厚みをおびたプラスチック素材
12 耳にかけるヒモ
13 収納した袋状容器のカバー

Claims (2)

  1. 酸素を発生する比較的小型の装置を袋状のマスクに取り付け、携帯できるようにした酸素マスク。
  2. 酸素発生剤、水性溶媒、触媒を材料にして酸素を発生させる比較的小型の装置に、酸素貯めとマスクの役目を同時にはたす袋状の容器を取り付けた、バッグやポケットの中にも入るほどのきわめてコンパクトな酸素マスク。
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