JP2004275080A - イノシトールの定量方法及びフローインジェクションシステム - Google Patents

イノシトールの定量方法及びフローインジェクションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】マルチビタミンドリンクのようなイノシトールに比較して高濃度でグルコースを含んでなる液状サンプルであっても、当該サンプル中のイノシトールを高い精度で定量することができるイノシトールの定量方法を提供すること。
【解決手段】少なくともイノシトール及びグルコースを含んでなる液状サンプル中のイノシトールの定量方法であって、イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填したイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターの前段に、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを配してなるフローインジェクションシステムを用いて行うことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチビタミンドリンクのようなイノシトールに比較して高濃度でグルコースを含んでなる液状サンプルであっても、当該サンプル中のイノシトールを高い精度で定量することができるイノシトールの定量方法及びフローインジェクションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
イノシトール(inositol)は広く自然界に分布しているが、動物体内での合成は限界があることから成長因子として位置付けられ、代謝異常や病気の指標とされている(非特許文献1参照)。イーグル(Eagle)らによってヒト培養細胞で、イノシトール欠乏による増殖阻害と死滅が再現よく起こることが示され、イノシトールはビタミンの一種として認識されるようになり(非特許文献2参照)、他の水溶性ビタミンと共に栄養補給を目的としたマルチビタミンドリンクに配合されている。
【0003】
イノシトールは検出が困難な化合物として分析化学的な興味を集めており、そのことは分析方法や手法に関する数多くの報告に反映している(例えば非特許文献3参照)。最も一般的なイノシトールの分析方法はガスクロマトグラフィーであり、この方法は高い選択性を示すが検出限界が低いと言われている(非特許文献4参照)。ガスクロマトグラフィーによるマルチビタミンドリンク中のイノシトール分析も報告されており、それはトリメチルクロルシランによる誘導体化を必要とするものであった(非特許文献5参照)。この方法はシリル化したイノシトールを有機溶媒抽出する操作も含まれていることから、操作として煩雑であるばかりでなく環境に対する影響も無視出来ない。
【0004】
ミオイノシトールデヒドロゲナーゼ(Myo−inositol dehydrogenase)は、酸化型β−ジホスホピリジンヌクレオチド(β−Diphosphopyridine Nucleotide)(NAD)の存在下で、イノシトールをイノソース(inosose)に酸化する。その際生成するイノソースと等モルのNADが還元型β−ジホスホピリジンヌクレオチド(NADH)に還元されることから、その変化量をイノシトールの検出に用いる酵素法は古くから利用されてきた(非特許文献6参照)。
【0005】
初期のミオイノシトールデヒドロゲナーゼを利用した酵素的手法は、NADの変化量を吸光検出する単純なもので、検出感度の悪い方法であった。その後、この酵素反応の反応平衡(1.2 x 10−3M)が分析化学的に都合が悪いことに注目し、他の酵素反応を付与することで反応平衡を右側(生成物側)に傾けることで、感度を飛躍的に向上することに成功している(非特許文献7参照)。非特許文献7はフローインジェクションシステムを用いたミオイノシトールの検出方法に関する報告であるが、ミオイノシトールデヒドロゲナーゼの作用によるNADからNADHへの変化に対し、乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogenase)と乳酸オキシダーゼ(lactate oxidase)を作用させて最終的に発生する過酸化水素を電気化学的に検出する方法を提案するものである。このような他の反応をカスケードさせる分析法は、検出感度を向上させることは可能であるが、必要とする酵素リアクターの種類の増加を招くことで、日常の管理項目が増加することから、マルチビタミンドリンクの品質試験法としては不適当である。なお、非特許文献7には、イノシトールに比較して高濃度でグルコースを含んでなる液状サンプル中のイノシトールを精度よく検出するための方法について何らの示唆も記載もない。
【0006】
ところで、ミオイノシトールデヒドロゲナーゼは、高濃度に存在するグルコース(glucose)を誤認識することが報告されている(非特許文献8参照)。甘味剤として多量に配合したグルコースや、甘味剤として多量に配合したシュークロースの加水分解物としての多量のグルコースが存在するマルチビタミンドリンクの処方は、分析化学的にみて非常に特殊な環境である。このような特殊な環境にあるイノシトールを検出するためにはイノシトールを検出する前にグルコースを除去する必要がある。この点に関し、非特許文献3のミオイノシトールデヒドロゲナーゼを利用したイノシトール分析の報告でも、グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)を利用したグルコースの除去が試みられているが、ここに記載された方法は、自動分析を目指したものではなく、フローインジェクションシステムについては何らの示唆も記載もない。また、非特許文献9には、シュークロース(sucrose)、グルコース及びフラクトース(fructose)を、酵素リアクターを用いたフローインジェクションシステムによって分別定量する方法が記載されており、試料中に内在するグルコースを除去するために、グルコースオキシダーゼ、ムタロターゼ(mutarotase)及びカタラーゼ(catalase)を共固定化したセファロース担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを利用することが提案されているが、ここでは分析対象物質(シュークロース)に対して除去すべきグルコースの濃度は最大で5倍までの実験しかなされておらず、マルチビタミンドリンクの処方のような、イノシトールの100倍以上の濃度でグルコースを含む場合などの、特殊な環境にあるイノシトールを精度よく検出するための方法は今だかつて存在しない。
【0007】
【非特許文献1】
B.J.Holub, Adv.Nutr.Res., 4 (1982) 107−141.
【非特許文献2】
H.Eagle, V.I.Aaron, E.Freeman, J.Biol.Chem., 226 (1957) 191−205.
【非特許文献3】
L.C.MacGregor, F.M.Matschinsky, Anal.Biochem., 141 (1984) 382−389.
【非特許文献4】
M.A.Stewart, V.Rhee, Biochem.Biophys.Acta., 192 (1969) 361−363.
【非特許文献5】
K.Sagara, K.Ikunaga, T.Anmo, Chem.Pham.Bull., 27 (1979) 800−803.
【非特許文献6】
J.Bergmeyer, in H.U. Bergmeyer(Ed.), Method of Enzymatic Analysis (carbohydrate), 3rd edn., vol VI, Verlag Chemie, 1984, pp.366−370.
【非特許文献7】
B.O.Olsson, G.Marko−Varga, G.Johansson, Anal. Chim. Acta., 206 (1988) 49−55.
【非特許文献8】
A. Weissbach, Biochem. Biophys. Acta., 27 (1958) 608−611.
【非特許文献9】
K. Matsumoto, H. Kamikado, H. Matsubara, Y. Osajima, Anal. Chem., 60 (1988) 147−151.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、マルチビタミンドリンクのようなイノシトールに比較して高濃度でグルコースを含んでなる液状サンプルであっても、当該サンプル中のイノシトールを高い精度で定量することができるイノシトールの定量方法及びフローインジェクションシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の点に鑑みてなされた本発明のイノシトールの定量方法は、請求項1記載の通り、少なくともイノシトール及びグルコースを含んでなる液状サンプル中のイノシトールの定量方法であって、イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填したイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターの前段に、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを配してなるフローインジェクションシステムを用いて行うことを特徴とする。
また、請求項2記載の定量方法は、請求項1記載の定量方法において、グルコース除去酵素リアクターを通過させた後の液状サンプルと、補酵素酸化体を含む溶液を混合した後、この混合液をイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターに導入し、当該リアクター内でイノソースと補酵素還元体を生成させ、生成した補酵素還元体を蛍光検出することを特徴とする。
また、請求項3記載の定量方法は、請求項1又は2記載の定量方法において、液状サンプルが、イノシトールの100倍以上の濃度でグルコースを含んでなることを特徴とする。
また、請求項4記載の定量方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の定量方法において、液状サンプルが、少なくともイノシトール、グルコース及び/又はシュークロース、リン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを配合してなるマルチビタミンドリンクであることを特徴とする。
また、請求項5記載の定量方法は、請求項4記載の定量方法において、液状サンプルを、当該サンプルから予めリン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを除去した後に、フローインジェクションシステムに注入することを特徴とする。
また、請求項6記載の定量方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の定量方法において、グルコース除去酵素リアクターに充填されたグルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体が、十分量のカタラーゼを固定化したことでその表面が緑色の色調を呈してなることを特徴とする。
また、本発明のフローインジェクションシステムは、請求項7記載の通り、イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填したイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターの前段に、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを配してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、フローインジェクションシステムとは、内径数mm程度のチューブなどに分析対象物である液状サンプルを注入し、この液状サンプルの流れに試薬を混合・反応させた後、検出対象物を吸光光度法や蛍光光度法などで検出するための基本構成を有するシステムを意味する。本発明は、このシステム中にて、少なくともイノシトール及びグルコースを含んでなる液状サンプルと補酵素酸化体を含む溶液を混合した後、当該サンプル中のイノシトールと補酵素酸化体を、イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填したイノシトールデヒドロゲナーゼリアクター(以下IDRと略称する)内で反応させてイノソースと補酵素還元体を生成させ、例えば、生成した補酵素還元体を検出するにあたり、検出誤認を生じさせうるグルコースを予めグルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを用いて除去することを要旨とするものである。ここで、補酵素酸化体としては酸化型β−ジホスホピリジンヌクレオチド(NAD)など、補酵素還元体としては還元型β−ジホスホピリジンヌクレオチド(NADH)などを用いることができる。
【0011】
IDRは、例えば、カラムなどにイノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填してなる。イノシトールデヒドロゲナーゼは、イノシトールと補酵素酸化体から、イノソースと補酵素還元体を生成させる作用を有する酵素であれば特段限定されるものではないが、担体上に固定化しても安定なものが望ましい。イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化する担体としては、ケイソウ土、シリカゲル、ガラスビーズ、アルミナ、セラミック、カーボン、活性炭、モレキュラーシーブ、シリコンゴム、セルロース、アガロース、アミノ酸系ポリマーなどを用いることができる。固定化方法は、吸着法、化学結合法、包括法などのいずれでもよい。
【0012】
グルコース除去酵素リアクター(以下GERと略称する)は、例えば、カラムなどにグルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填してなる。グルコースオキシダーゼは、β−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化する作用を有する酵素であれば特段制限されるものではない。また、カタラーゼは、グルコースオキシダーゼの作用により、β−D−グルコースがD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化された際に生成する過酸化水素を水と酸素に分解する作用を有する酵素であれば特段制限されるものではない。また、ムタロターゼは、α−D−グルコースとβ−D−グルコース間の相互変換反応を触媒する酵素であれば特段制限されるものではない。しかしながら、これらの酵素は、担体上に共固定化しても安定なものが望ましい。これらの酵素を固定化する担体や固定化方法については、上記のイノシトールデヒドロゲナーゼを固定化する担体や固定化方法と同じでよい。
【0013】
液状サンプルが、甘味剤として配合したグルコースや、甘味剤として配合したシュークロースの加水分解物としてのグルコースを、イノシトールの100倍以上の濃度で含んでなるマルチビタミンドリンクのようなものである場合、GERに当該サンプルを通過させた際、グルコースが完全に除去されなければ、グルコースがIDRに導入されることでイノシトールとの誤認反応を生じさせる公算が高い。従って、GERに充填された担体には、十分量のグルコースオキシダーゼが固定化されている必要がある。また、グルコースが完全に除去された場合でも、グルコースが酸化された際に生成する過酸化水素がカタラーゼによって完全に水と酸素に分解されなければ、過酸化水素がIDRに導入されることでIDRの活性を失活させる公算が高い。従って、カタラーゼについても、GERに充填された担体には十分量が固定化されている必要がある。本発明者らの知見によれば、カタラーゼの固定化量は、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体の表面が、鉄を包接してなることで緑色をしたカタラーゼの色彩を反映して緑色の色調を呈するに至る量であることが望ましい。
【0014】
液状サンプル中のイノシトールの定量は、イノシトールと補酵素酸化体を、IDR内で反応させてイノソースと補酵素還元体を生成させ、生成した補酵素還元体を蛍光検出することが、非特許文献7に記載されたような他の酵素反応のカスケードを必要とせず、高い検出感度が得られることから望ましい。
【0015】
しかしながら、液状サンプルが、少なくともイノシトール、グルコース及び/又はシュークロース、リン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを配合してなるマルチビタミンドリンクである場合、蛍光性物質であるリン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンは、IDR内で生成した補酵素還元体の蛍光検出に悪影響を及ぼすことが予想される。従って、液状サンプルがこのようなマルチビタミンドリンクである場合、当該サンプルから予めリン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを除去した後に、フローインジェクションシステムに注入することが望ましい。液状サンプルからのリン酸リボフラビンの除去は、例えば、オクタデシルシリル化シリカゲルカートリッジに液状サンプルを通過させることで行えばよい。また、液状サンプルからの塩酸ピリドキシンの除去は、例えば、強陽イオン交換カートリッジに液状サンプルを通過させることで行えばよい。
【0016】
図1は、本発明のフローインジェクションシステムの具体例の流路図である。ポンプAは、オートサンプルインジェクター(Inj.)から注入された液状サンプルのキャリアー液を流すポンプである。ポンプBは、補酵素酸化体を含む溶液を流すポンプである。オートサンプルインジェクター(Inj.)から注入された液状サンプルは、キャリアー液とともにGERに導入されてグルコースが除去された後、補酵素酸化体を含む溶液と混合され、IDRに導入される。IDR内では、イノシトールと補酵素酸化体からイノソースと補酵素還元体が生成し、生成した補酵素還元体を蛍光検出器(D)にて検出し、データ処理装置(Cp)でデータ化されて液状サンプル中のイノシトール量が出力される。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
【0018】
(実験方法)
1.材料
ミオイノシトール及びウシ肝臓由来のカタラーゼ(EC 1.11.1.6, 凍結乾燥粉末, 5000−15000 units/mg material)は和光純薬株式会社より入手した(東京,日本)。Enterobacter aerogenes由来のミオイノシトールデヒドロゲナーゼ(ミオイノシトール: NAD 2−オキシドリダクターゼ, EC 1.1.1.18, 凍結乾燥粉末, 25−50 units/mg protein)はシグマより入手した(St. Louis, MO, USA)。微生物由来のグルコースオキシダーゼ(β−D−グルコース: オキシゲン 1−オキシドレダクターゼ, EC 1.1.3.4, 凍結乾燥粉末, more than 300 units/mg protein )及び酵母由来の酸化型β−ジホスホピリジンヌクレオチド(β−NAD)はオリエンタル酵母株式会社より入手した(大阪,日本)。ブタ腎臓由来のムタロターゼ(EC 5.1.3.3, 凍結乾燥粉末, more than 1500 units/mg material)はBiozyme Laboratories, LTD.より入手した(San Diego, CA, USA)。アミノプロピルコントロールド多孔質ガラス(aminopropyl−CPG, 1400 Å 孔径, 120−200 メッシュ)はCPG社より入手した(Lincorn, Park, NJ, USA)。本研究に用いた液状サンプルとしてのプロトタイプのマルチビタミンドリンクの処方は、100mL中にイノシトール50mgを含有し、その他の有効成分として、硝酸チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、タウリン及びカフェインを処方した。また、甘味剤としてグルコースを100mL中に7000mg含有し、その他の甘味剤としてソルビトールを処方した。ドリンク中のイノシトールとグルコースの濃度比率は1:140に設定した。
【0019】
2.酵素の固定化及び酵素リアクターの調製
ミオイノシトールデヒドロゲナーゼの固定化及び酵素リアクターの調製法は、非特許文献7に基づいて行った。ミオイノシトールデヒドロゲナーゼ(50units)は、アミノプロピルコントロールド多孔質ガラス(aminopropyl−CPG)に対してグルタルアルデヒドを介して5℃で1晩カップリングさせることで固定化した。固定化ミオイノシトールデヒドロゲナーゼは、50 x 4 mm I.D.のステンレススチールカラムにスラリー法で充填し、IDRとした。
グルコースオキシダーゼ/ムタロターゼ/カタラーゼの共固定化とGERの調製は、基本的にIDRの調製法を踏襲した。0.5gのaminopropyl−CPGを減圧化で2.5%のグルタルアルデヒドを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)中で1時間活性化し、ガラスフィルター上で水500mLにより洗浄した。得られたグルタルアルデヒド活性型aminopropyl−CPGとグルコースオキシダーゼ(8000units)、ムタロターゼ(10000units)及びカタラーゼ(230000units)は、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)5mL中で5℃で1晩反応した。得られた共固定化グルコースオキシダーゼ/ムタロターゼ/カタラーゼは、それぞれ500mLの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)及び0.4Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で洗浄後、250 x 2.1 mm I.D.のステンレススチールカラムにスラリー法で充填し、GER−1とした。
更に活性の高いGERを得るために、上記のようにして5℃で1晩カップリングした共固定化グルコースオキシダーゼ/ムタロターゼ/カタラーゼに対して、グルコースオキシダーゼ(8000units)、ムタロターゼ(10000units)及びカタラーゼ(230000units)を再度添加し、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)5mL中で室温4時間反応した。得られた高活性共固定化グルコースオキシダーゼ/ムタロターゼ/カタラーゼをそれぞれ500mLの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)及び0.4Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で洗浄後、250 x 2.1 mm I.D.のステンレススチールカラムにスラリー法で充填し、GER−2とした。
【0020】
3.装置及び手順
フローインジェクションシステムは図1に示したものを利用した。ポンプAにより0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を0.5mL/minの流速で送液を行い、GERによるグルコースの除去を行った。ポンプBにより4mMのNADを含む0.4Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を0.5mL/minの流速で送液を行い、ポンプAの流れとミキサー内で混合後、IDRへ導入した。両液混合後のpHはイノシトールデヒドロゲナーゼの最適pHであるpH8.5であることを確認した。
ポンプ2台(LC−10AD, Shimadzu, 京都)、カラムオーブン1台(CTO−10AC, Shimadzu)及びオートサンプルインジェクター1台(SIL−10AXL, Shimadzu)は、システムコントローラー(CTO−10AC, Shimadzu)により制御した。生成したNADHの検出は、蛍光検出器(1100 series, Agilent Technologies, Waldbronn, Germany)により行った。
GER及びIDRは、カラムオーブン(CTO−10AC, Shimadzu)内で30℃に加温し、それぞれ0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)と、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)及び0.4Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)の混合液(1:1)により平衡化した。液状サンプルは、オートサンプルインジェクターを通して20μL注入した。液状サンプルを、ポンプAのリン酸緩衝液の流れに乗ってGERに導入し、液状サンプル中のβ−D−グルコースをグルコースオキシダーゼによりD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化させるとともに、副生成物として生成する過酸化水素は、カタラーゼにより水と酸素に分解させた。つづいて、ポンプAの流れとポンプBの流れを(Non−Metal static mixer, 250μL volume, GL science, 東京)内で混合し、IDRに導入した。IDR内において液状サンプル中のイノシトールの量依存的に生成するNADHは、蛍光検出器(Em:340nm,Ex:460nm)により検出した。
【0021】
4.試料溶液及び標準溶液の調製
標準溶液は、ミオイノシトールを105℃4時間乾燥し、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で3μg/mL濃度に希釈した。
試料溶液の調製は、マルチビタミンドリンク中の蛍光物質であるリン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンの除去を必要とした。リン酸リボフラビンの除去は、オクタデシルシリル化シリカゲルカートリッジ(C18 cartridge, Sep−Pak Vac 6cc(1g), Waters Milford MA)で行い、塩酸ピリドキシンの除去は、強陽イオン交換カートリッジ(SCX cartridge, BOND ELUT LRC−SCX, 500MG, Varian Middelburg Netherlands)で行った。C18 cartridge及びSCX cartridgeを直列で接続し、シリンジを用いてメタノール及び水の順番で、それぞれ10mLをゆっくり通液し平衡化した。20mMのクエン酸溶液で10倍希釈したマルチビタミンドリンク2mLを平衡化したカートリッジに供し、20mMのクエン酸溶液15mLにてイノシトールを溶出した。その溶出液に水を加えて20mLとし、その液6mL正確にとり、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加えて20mLとし、試料溶液とした。
【0022】
(実験結果)
1.イノシトールの検出
イノシトールの濃度勾配系列を調製し、図1に示したフローインジェクションシステムで分析した。得られたシグナル及び用量反応曲線(dose response curve)を図2及び図3に示した。本システムにおけるイノシトールの検出限界(S/N=3)は、0.01μg/mLであった。この蛍光検出による検出感度は、吸光光度検出の検出感度(S/N=3:10μg/mL)と比較して、約100倍優れていた。そして、他の酵素反応をカスケードすることで検出感度を向上した非特許文献7の報告と比較しても同等の感度を得ることが出来た。また、1〜5μg/mL濃度範囲における検量線は、相関係数(r)は0.9993と良好な直線性を示したが原点を通過しなかった。よって本システムの利用は、標準溶液の3濃度をとり、それらのピーク高さより得られる検量線より、試料溶液中のイノシトール濃度を求める検量線法を選択することとした。
【0023】
2.グルコースの除去
イノシトールデヒドロゲナーゼは、高濃度に存在するグルコースを誤認識することから、本システムにおけるイノシトール検出もグルコースの影響を受ける。よって本法の課題は、マルチビタミンドリンクの甘味剤として配合されるグルコースの除去をGERによって行うことを目標としている。GERの評価を行うために、イノシトール、グルコース及びそれらの混合サンプルをリン酸緩衝液で希釈し、調製法の異なるGER−1及びGER−2のグルコース除去活性を、イノシトールのグルコース溶液からの回収率として示した結果を表1に示す。なお、イノシトール及びグルコースの混合比率は、マルチビタミンドリンクの処方を考慮して、1:140とした。
【0024】
【表1】
Figure 2004275080
【0025】
穏やかな条件でグルコースオキシダーゼ、ムタロターゼ及びカタラーゼの共固定化を行ったGER−1では、1μg/mL濃度のグルコース由来のシグナルは認められなかったが、イノシトール1μg/mL及びグルコース140μg/mLの混合溶液では、イノシトールの回収率に約6%の正の妨害が認められた。また連続分析を行う上で、得られるイノシトールのシグナル高さが減衰していく現象が認められた。これら問題点の原因は、3種の酵素の固定化量が充分でないことに起因し、IDRによるイノシトール検出に対して微量に残存するグルコースがイノシトールの検出を妨害すると共に、カタラーゼによる過酸化水素の除去が充分でないことで、GERの下流に位置するIDRが過酸化水素の影響を受け、イノシトールのシグナル強度が繰り返し分析に対応して減衰したと予想された。
そこで、充分な3種の酵素(グルコースオキシダーゼ、ムタロターゼ及びカタラーゼ)を固定化するために、共固定化操作において新たに酵素を加え、室温で更に4時間固定化反応を継続し得られたGER−2の性能評価を行った。その結果、イノシトール及びグルコースの混合液においても、高濃度で存在するグルコース(140〜420μg/mL)の影響を排除し、添加したイノシトール(1〜5μg/mL)をほぼ100%回収することが出来た。
GER−1に充填された、3種の酵素を共固定化した担体の表面は白色であったが、GER−2に充填された3種の酵素を共固定化した担体の表面は緑色の色調を呈していた。この現象は、GER−2においては、グルコースオキシダーゼ、ムタロターゼ及びカタラーゼの固定化量が増加しており、鉄を包接してなることで緑色をしたカタラーゼの色彩を反映したものであると考えられた。
【0026】
3.マルチビタミンドリンク中のイノシトールの分析
上記の通り、イノシトールを50mg/100mL及びグルコースを7000mg/100mL配合するマルチビタミンドリンクを調製した。その他有効成分として、硝酸チアミン、リン酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、タウリン及びカフェインを処方し、また、甘味剤としてグルコースの他、ソルビトールを処方した。本システムは生成するNADHを蛍光検出する事から、マルチビタミンドリンク中の蛍光性物質が検出の妨害となることが予想され、検討した結果、リン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンがNADHの蛍光検出を妨害した。液状サンプルであるマルチビタミンドリンクからリン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを除去するために、上記の通り、C18 cartridge及びSCX cartridgeに当該サンプルを通液し、通過画分をイノシトールの試料溶液とすることで、簡単に妨害を除去する事が出来た。
マルチビタミンドリンクに対して、イノシトールを3濃度で添加して回収率を求めた結果を表2に示す。表2から明らかなように、どの濃度においてもほぼ100%の回収率が得られ、本システムがマルチビタミンドリンク中のイノシトールの分析に十分応用可能なことを示すことが出来た。
【0027】
【表2】
Figure 2004275080
【0028】
(考察)
本研究においては、マルチビタミンドリンクによく処方され、イノシトールデヒドロゲナーゼによるイノシトールの検出を妨害するグルコースの除去が急所であった。グルコースオキシダーゼを用いたグルコース除去に関する報告はいくつか見あたるものの、定量対象とグルコースの濃度差が100倍以上あった例はない。今回十分なグルコース除去活性を得るために、3種の酵素を2段階のステップで固定化することで、充分なグルコース除去活性を得たばかりでなく、IDRの安定性に影響する過酸化水素を消去することが出来た。また、本研究の完成のもう一つの要因として、蛍光検出の選択により、充分な検出感度(S/N=3:0.01μg/mL)が得られた事が挙げられる。この感度は、イノシトールデヒドロゲナーゼの反応に対して、検出感度を向上するために乳酸デヒドロゲナーゼ及び乳酸オキシダーゼの反応をカスケードした非特許文献7の報告と比較しても、同等以上の感度である。蛍光検出の選択により、検出感度向上するため酵素リアクターを必要としなかったことから、試験法の規格化及び分析バリデーションにおいて複雑な管理を必要とする酵素カラムの種類を最小限に留めることができた。これは品質管理試験法として採択するにあたり、判断基準として重要なことである。
高いグルコース除去活性を有するGERと、IDR−蛍光検出の組み合わせにより、高濃度グルコースを含有するマルチビタミンドリンク中に存在するイノシトールを充分な精度にて定量することが出来た。またその迅速性は1分析10分以内であり、これまでの品質管理方法と比較して大きなアドバンテージを得ることが出来た。本システムは有機溶媒を使用せず、1時間に6サンプルの処理が可能な迅速性を有するものであり、環境への優しさ、迅速性及び経済性において満足できるレベルである。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、マルチビタミンドリンクのようなイノシトールに比較して高濃度でグルコースを含んでなる液状サンプルであっても、当該サンプル中のイノシトールを高い精度で定量することができるイノシトールの定量方法及びフローインジェクションシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローインジェクションシステムの具体例の流路図である。
【図2】実施例におけるイノシトールの所定濃度における標準シグナルを示すグラフである。
【図3】同、用量反応曲線を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 少なくともイノシトール及びグルコースを含んでなる液状サンプル中のイノシトールの定量方法であって、イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填したイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターの前段に、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを配してなるフローインジェクションシステムを用いて行うことを特徴とする定量方法。
  2. グルコース除去酵素リアクターを通過させた後の液状サンプルと、補酵素酸化体を含む溶液を混合した後、この混合液をイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターに導入し、当該リアクター内でイノソースと補酵素還元体を生成させ、生成した補酵素還元体を蛍光検出することを特徴とする請求項1記載の定量方法。
  3. 液状サンプルが、イノシトールの100倍以上の濃度でグルコースを含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の定量方法。
  4. 液状サンプルが、少なくともイノシトール、グルコース及び/又はシュークロース、リン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを配合してなるマルチビタミンドリンクであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定量方法。
  5. 液状サンプルを、当該サンプルから予めリン酸リボフラビン及び塩酸ピリドキシンを除去した後に、フローインジェクションシステムに注入することを特徴とする請求項4記載の定量方法。
  6. グルコース除去酵素リアクターに充填されたグルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体が、十分量のカタラーゼを固定化したことでその表面が緑色の色調を呈してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定量方法。
  7. イノシトールデヒドロゲナーゼを固定化した担体を充填したイノシトールデヒドロゲナーゼリアクターの前段に、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ及びムタロターゼを共固定化した担体を充填したグルコース除去酵素リアクターを配してなることを特徴とするフローインジェクションシステム。
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