JP2004274174A - 位置登録エリア設定方法、基地局及び移動管理サーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】基地局群の位置関係やトラヒック等に応じて位置登録エリアの設定を柔軟且つ適正に行う。
【解決手段】新設BSは、GPSにより自局の位置情報を認識し(S01)、同一サブネット内のBS11、12から位置情報通知を受ける(S03)。新設BSから最も近くに位置し且つ同じサブネットアドレスを有するBSを隣接BSとして認識し(S04)、隣接BSからマルチキャストIPアドレス管理テーブルを受信する。そして、当該テーブルに基づき自局のマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(S07)、位置管理を行うHA30に、当該マルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループに新設BSを追加するよう要請する(S08)。そして、当該要請に基づき当該マルチキャストグループにBS10のIPアドレスが追加され(S09)、また、BS10の上位に接続されたRT20により、BS10への経路情報が更新される。
【選択図】 図2
【解決手段】新設BSは、GPSにより自局の位置情報を認識し(S01)、同一サブネット内のBS11、12から位置情報通知を受ける(S03)。新設BSから最も近くに位置し且つ同じサブネットアドレスを有するBSを隣接BSとして認識し(S04)、隣接BSからマルチキャストIPアドレス管理テーブルを受信する。そして、当該テーブルに基づき自局のマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(S07)、位置管理を行うHA30に、当該マルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループに新設BSを追加するよう要請する(S08)。そして、当該要請に基づき当該マルチキャストグループにBS10のIPアドレスが追加され(S09)、また、BS10の上位に接続されたRT20により、BS10への経路情報が更新される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IPベースの移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法(特に、新設、撤去及びサービスイン後の位置登録エリア設定方法)、基地局及び移動管理サーバに関する。
【0002】
なお、本明細書において「着信トラヒック」とは、通信開始のための制御データのトラヒックを意味し、「通信トラヒック」とは、通信中の端末(移動局等)間におけるコンテンツデータ(いわゆる実データ)のトラヒックを意味する。
【0003】
【従来の技術】
ある基地局に関する位置登録エリアを変更する技術として、位置情報管理サーバが、位置登録エリア管理テーブルにおいて該基地局の所属を変更元の位置登録エリアから変更先の位置登録エリアへ変更し、また、該基地局が、位置登録エリア識別子を変更先の位置登録エリアのエリア識別子に変更することが考えられる。この技術は従来のIPを実装していない移動通信システムについては有効である。
【0004】
ところが、IPベース移動通信システムに適用した場合、上記技術にはIPマルチキャストの概念が無いため、位置情報管理サーバが、位置登録エリア管理テーブルにおいて、基地局が所属する位置登録エリアのみ変更しても呼出パケットを転送することが出来ない。このため、上記の技術には未だ改善の余地がある。
【0005】
また、IPベースの移動通信システムではIP Paging方法が用いられる。この場合、位置登録エリアとして、同一のマルチキャストIPアドレスを受信する基地局の集合を位置登録エリアと定義する。各基地局の上位の経路選択装置(以下、「RT」という)は、PA(paging agent)から転送されてきたpaging notificationsの宛先マルチキャストIPアドレスに応じてRT配下の基地局に対し、マルチキャストパケットを転送する(下記の非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
R.Ramjee, T.F.Porta, L.Salgarelli, S.Thuel and K.Varadhan, ”IP−Based Access Network Infrastructure for Next−Generation Wireless Data Networks”, IEEE Personal Communications, pp.34−41,August,2000.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のIP Paging方法では、ネットワーク構築時に、位置登録エリアを形成する基地局群に対しマルチキャストIPアドレスを一旦割当ててしまうと、該位置登録エリアを形成する基地局への経路上のRTにおいて経路設定を行うため、一旦設定した位置登録エリアを動的に変更することが困難となる、という問題点があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、基地局群の位置関係やトラヒック等に応じて位置登録エリアの設定を柔軟且つ適正に行うことができる位置登録エリア設定方法、基地局及び移動管理サーバを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項1に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、前記移動通信システムに新設された新設基地局が、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、当該新設基地局に関する隣接基地局を認識する隣接基地局認識ステップと、新設基地局が、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集する情報収集ステップと、新設基地局が、隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定ステップと、新設基地局が、移動管理サーバに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明が適用される移動通信システムは、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成されたシステムであり、基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、当該アイドル状態の移動局の在圏位置は移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、アイドル状態の移動局宛のパケットが移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に上記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されている。
【0011】
このような移動通信システムに基地局が新設された場合、当該新設された新設基地局が、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、当該新設基地局に関する隣接基地局を認識し(隣接基地局認識ステップ)、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集する(情報収集ステップ)。そして、新設基地局が、収集で得られた隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定し(アドレス設定ステップ)、移動管理サーバに、当該設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する(変更要請ステップ)。このようにして、新設基地局は、新設時の位置登録エリアの再設定を自律的かつ適正に行うことができる。
【0012】
より具体的には、請求項2に記載したように、隣接基地局認識ステップにて新設基地局は、当該新設基地局の位置情報を測定するとともに周辺基地局から無線又は有線にて当該周辺基地局の位置情報を収集し、当該新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識し、変更要請ステップにて新設基地局は、変更要請とともに、前記設定された自局のマルチキャストIPアドレスを、移動管理サーバ及び経路選択装置へ通知し、移動管理サーバは、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局配下の移動局のマルチキャストIPアドレスとして登録し、経路選択装置は、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局への経路情報として登録することが望ましい。このように新設基地局は、自局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接基地局を認識することができる。また、移動管理サーバが、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局配下の移動局のマルチキャストIPアドレスとして登録し、経路選択装置が、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局への経路情報として登録することで、基地局の新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。
【0013】
本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項3に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、移動管理サーバが、前記移動通信システムに新設された新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、移動管理サーバが、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が形成しているマルチキャストグループに当該新設基地局を登録する登録ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
上記移動通信システムに基地局が新設された場合、移動管理サーバは、新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信し(位置情報受信ステップ)、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が形成しているマルチキャストグループに当該新設基地局を登録する(登録ステップ)。このようにして、移動管理サーバは、基地局の新設時の位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0015】
なお、位置情報受信ステップで受信される新設基地局の位置情報としては、例えば、GPSによる測定で得られた新設基地局の地理的位置情報や、RT Solicitationにより新設基地局が接続した経路選択装置(RT)の情報などを採用することができる。
【0016】
より具体的には、請求項4に記載したように、移動管理サーバは、各基地局の位置情報、IPアドレスにより規定される階層構造、及び各基地局が所属している位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスを管理しており、登録ステップにて、移動管理サーバは、新設基地局の周辺に位置する周辺基地局を検出し、当該周辺基地局のうち新設基地局から最短距離に位置する基地局を隣接基地局として認識し、当該隣接基地局と同一のマルチキャストIPアドレスを、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録し、さらに、登録したマルチキャストIPアドレスを、新設基地局及び当該新設基地局までの経路上に存在する経路選択装置に通知し、新設基地局は、移動管理サーバから通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、経路選択装置は、移動管理サーバから通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局の経路情報に登録することが望ましい。このように移動管理サーバは、新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接基地局を認識することができる。また、新設基地局が、通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、経路選択装置が、通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局の経路情報に登録することで、基地局の新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。
【0017】
本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項5に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定ステップと、複数の基地局からトラヒック情報を受信した移動管理サーバが、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択ステップと、移動管理サーバが、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を行う変更ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
上記移動通信システムにおいて、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定する(トラヒック測定ステップ)。そして、複数の基地局からトラヒック情報を受信した移動管理サーバが、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する(選択ステップ)。さらに、移動管理サーバが、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を行う(変更ステップ)。このようにして移動管理サーバは、トラヒック情報に基づいて、位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0019】
より具体的には、請求項6に記載したように、選択ステップにて移動管理サーバは、トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出し、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択し、変更ステップにて移動管理サーバは、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当て、当該変更基地局及び経路選択装置に変更後のマルチキャストIPアドレスを通知し、変更基地局は、上記通知を受けた場合、従前のマルチキャストIPアドレスを、通知されたマルチキャストIPアドレスに変更し、経路選択装置は、上記通知を受けた場合、通知された情報に基づいて変更基地局への経路情報を変更することが望ましい。
【0020】
本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項7に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定ステップと、複数の基地局が、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択ステップと、複数の基地局が、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を移動管理サーバに要請する変更要請ステップとを有することを特徴とする。
【0021】
上記移動通信システムにおいて、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定する(トラヒック測定ステップ)。そして、複数の基地局が、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する(選択ステップ)。さらに、複数の基地局が、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を移動管理サーバに要請する(変更要請ステップ)。要請を受けた移動管理サーバは、変更先の位置登録エリアに応じて変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更することとなる。このようにして、複数の基地局は、トラヒック情報に基づいて、位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0022】
また、請求項8に記載したように、選択ステップにて各基地局は、自局の周辺に位置する周辺基地局を認識し、測定で得られたトラヒック情報を周辺基地局との間で相互に送受信し、周辺基地局のうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺基地局を検出し、検出された周辺基地局のトラヒック情報と通知元基地局のトラヒック情報とを比較し、自局のトラヒックが何れの周辺基地局のトラヒックよりも大きい場合、自局を変更基地局として選択し、変更要請ステップにて各基地局は、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして変更し、移動管理サーバ及び経路選択装置に変更後のマルチキャストIPアドレスを通知し、移動管理サーバは、上記通知を受けた場合、該変更基地局あてのマルチキャストIPアドレスを、通知されたマルチキャストIPアドレスに変更し、経路選択装置は、上記通知を受けた場合、通知されたマルチキャストIPアドレスに基づいて、該変更基地局への経路情報を変更することが望ましい。
【0023】
上記の請求項6、8に記載の発明によれば、トラヒックが多い近隣の基地局から変更基地局が選択され、トラヒックが最小の周辺基地局のマルチキャストIPアドレスが変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして設定され、これに応じて該変更基地局への経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。
【0024】
ところで、本発明は、上記のような位置登録エリア設定方法に関する発明として捉えることができるほか、以下のような基地局に関する発明、移動管理サーバに関する発明として捉えることができる。
【0025】
本発明に係る基地局は、請求項9に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける基地局であって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、自局の位置情報及び自局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、自局に関する隣接基地局を認識する隣接基地局認識手段と、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集するアドレス情報収集手段と、隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定手段と、移動管理サーバに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
このとき、隣接基地局認識手段は、請求項10に記載したように、新設基地局の位置情報を測定するとともに前記周辺基地局から無線又は有線にて当該周辺基地局の位置情報を収集する位置情報収集手段と、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて当該新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識する認識手段とを含んだ構成とすることが望ましい。
【0027】
本発明に係る基地局は、請求項11に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける基地局であって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、自局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定手段と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段と、変更先の位置登録エリアに応じて変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更するよう移動管理サーバに要請する変更要請手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】
このとき、選択手段は、請求項12に記載したように、自局の周辺に位置する周辺基地局を認識し前記測定で得られたトラヒック情報を周辺基地局との間で相互に送受信する情報交換手段と、周辺基地局のうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺基地局を検出する周辺基地局検出手段と、検出された周辺基地局のトラヒック情報と通知元基地局のトラヒック情報とを比較する比較手段と、比較結果により、自局のトラヒックが何れの周辺基地局のトラヒックよりも大きい場合、自局を変更基地局として選択し、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして選択する選択制御手段とを含んだ構成とすることが望ましい。
【0029】
本発明に係る移動管理サーバは、請求項13に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける移動管理サーバであって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、移動通信システムに新設された新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信する位置情報受信手段と、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が受信しているマルチキャストグループに新設基地局を登録する登録手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
なお、位置情報受信手段により受信される新設基地局の位置情報としては、例えば、GPSによる測定で得られた新設基地局の地理的位置情報や、RT Solicitationにより新設基地局が接続した経路選択装置(RT)の情報などを採用することができる。
【0031】
このとき、請求項14に記載したように、移動管理サーバは、基地局の位置情報、IPアドレスにより規定される階層構造、及び各基地局が所属している位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスを管理しており、登録手段は、新設基地局の周辺に位置する周辺基地局を検出する周辺基地局検出手段と、当該周辺基地局のうち新設基地局から最短距離に位置する基地局を隣接基地局として認識する隣接基地局認識手段と、当該隣接基地局と同一のマルチキャストIPアドレスを、該新設基地局が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録するアドレス登録手段とを含んだ構成とすることが望ましい。
【0032】
本発明に係る移動管理サーバは、請求項15に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける移動管理サーバであって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、複数の基地局の各々の配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を各基地局から受信するトラヒック受信手段と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段と、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を実行する変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
このとき、請求項16に記載したように、選択手段は、トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出する基地局群検出手段と、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択する基地局選択手段とを含んで構成され、変更手段は、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当てる構成とすることが望ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る各種の実施形態について順に説明する。
【0035】
[第1実施形態]
請求項1、2に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項9、10に記載の基地局に関する第1実施形態について説明する。
【0036】
[移動通信システムの構成]
図1には、本実施形態の想定する移動通信システム1の構成を示す。同図に示すように移動通信システム1は、複数の基地局(Base Station:以下「BS」という)10〜13と、複数の移動局(Mobile Host:以下「MH」という)40、41と、IP網50に接続され各基地局が接続された経路選択装置(RT)20と、IP網50に接続され移動局の移動管理を行う移動管理サーバ(HA)30とを含んで構成されている。例えば、BS10はRT20に接続されMH40との間で無線リンクを介して無線通信を行い、RT20はBS10〜12を集約する。
【0037】
この移動通信システム1では、基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとする。また、移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、アイドル状態の移動局の在圏位置はHA30により位置登録エリア単位で管理され、アイドル状態の移動局宛のパケットがHA30に到着した場合、HA30は宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に上記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送する。
【0038】
図22には、本実施形態におけるBS10の構成を示す。同図に示すようにBS10は、自局の位置情報及び自局の周辺に位置する周辺BSの位置情報に基づいて、自局に関する隣接BSを認識する隣接基地局認識手段101と、隣接BSのマルチキャストIPアドレス情報を収集するアドレス情報収集手段102と、隣接BSのマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定手段103と、HAに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請手段104とを備えており、特に上記の隣接基地局認識手段101は、当該新設BSの位置情報を測定するとともに前記周辺BSから無線又は有線にて当該周辺BSの位置情報を収集する位置情報収集手段101Aと、当該新設BSの位置情報及び当該新設BSの周辺に位置する周辺BSの位置情報に基づいて当該新設BSとの距離が最短である周辺BSを、当該新設BSに関する隣接BSとして認識する認識手段101Bとを含んで構成されている。
【0039】
[第1実施形態の動作]
以下、第1実施形態における動作を説明する。
【0040】
[BSを新設する場合の一連の動作]
まず、図2に基づき、BSを新設する場合の一連の動作を説明する。
【0041】
新設BS10は、Global Positioning System(GPS)により自局の絶対的位置情報を認識し(S01)、自局が接続したRT20に接続されている同一サブネット内のBS11、12に対し位置情報通知要請パケットを送信する(S02)。当該パケットを受信したBS11、12は、送信元のBS10に対し応答パケットを返信する(S03)。
【0042】
応答パケットを受信したBS10は、自局の位置と応答パケットに含まれた位置とを比較することで、自局から最も近くに位置し、かつ自局と同じサブネットアドレスを有するBSを自局の隣接BSとして認識する(S04)。ここで、当該認識結果から該BS10の隣接BSがBS12であるとすると、BS10は、隣接BS12に対し、該BS12が受信しているマルチキャストIPアドレスの情報を要請する(S05)。当該情報要請を受けたBS12は、自局が持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルをBS10に対し転送する(S06)。
【0043】
マルチキャストIPアドレス管理テーブルを受信したBS10は、当該受信したマルチキャストIPアドレス管理テーブルに基づいて、自局のマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(S07)。更に、このようにして自局が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識したBS10は、MHの位置管理を行うHA30に対し、当該認識したマルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループに自局を追加するよう要請を行う(S08)。当該追加要請を受信したHA30は、当該マルチキャストグループに該BS10のIPアドレスを追加し(S09)、該追加完了後、該BS10に対し、追加完了したことを通知する(S10)。通知を受けたBS10は、自局の上位に接続されているRT20に対し経路情報の更新を要請する(S11)。要請を受けたRT20は、経路情報を更新した後、該BS10に対し経路情報の更新済みであることを通知する(S12)。
【0044】
[BSを撤去する場合の一連の動作]
次に、図3に基づき、BSを撤去する場合の一連の動作を説明する。
【0045】
撤去予定のBS10は、HA30に対し、該BS10が撤去される旨を通知し該マルチキャストグループから該BS10のIPアドレスを削除するよう要請する(S21)。要請を受けたHA30は、該マルチキャストグループから該BS10のIPアドレスを削除する(S22)。作業完了後、HA30は、BS10に対し削除完了通知を送信する(S23)。当該削除完了通知を受信したBS10は、当該BS10が接続しているRT20に対し、該BS10への経路情報を削除するよう要請する(S24)。当該要請を受けたRT20は、該BS10への経路情報を削除する(S25)。削除完了後、RT20は、BS10に対し削除完了通知を送信する(S26)。BS10は、削除完了通知を受信した後、該BS10を撤去する(S27)。
【0046】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図4、図5に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0047】
最初に、BS10は自局が新設BSであるかどうかを判断する(B01)。BS10が新設BSであれば、該BS10は、GPSにより自BSの地理的な位置を認識し(B02)、位置情報の通知要請パケットを他のBSに送信する(B03)。そして、当該パケットに対する応答があるかどうかを確認し(B04)、応答があった場合には、当該応答パケット内の他のBSの位置情報を取り出し、応答した他のBS各々について自BS10と他のBSとの距離を計算する(B05)。そして、計算で得られた距離より、自局から最も近くに位置するBSを隣接BSとして認識する(B06)。
【0048】
BS10は、自局の隣接BSに対し、隣接BSが持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを要請し(B07)、当該要請後、隣接BSから応答があるかどうかを確認する(B08)。応答があった場合には、応答パケット内のマルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを基にマルチキャスト管理テーブルを作成するとともに、自局が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、当該認識したマルチキャストIPアドレスから所属すべきマルチキャストグループを認識する(B09)。そして、HA30に対し、該マルチキャストグループに参加することを表明する旨を通知する(B10)。HA30に対する通知後、HA30から応答があるかどうかを確認する(B11)。応答があった場合には、HA30における設定が完了したので、続いて経路上のRT20の経路情報を設定するために、RT20に対し経路情報の更新を要請する(B12)。
【0049】
一方、BS10が新設BSでない場合には、撤去予定のBSであるかどうかを確認する(B13)。その結果、撤去予定のBSである場合には、HA30に対し、今まで参加していたマルチキャストグループからの脱退を表明する旨を通知する(B14)。そして、マルチキャストグループからの脱退表明(即ち、削除要請)をしたBS10は、HA30からの応答があるかどうかを確認する(B15)。その結果、応答があった場合にはHA30での削除手続きが完了したので、続けて、経路上のRT20から該撤去予定のBS10の経路情報を削除するようRT20に要請する(B16)。
【0050】
[RTの動作フロー]
次に、図6に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0051】
最初に、RT20はBS10から撤去予定(即ち、経路情報の削除要請)を受けたかどうかを判断する(R01)。判断した結果、該BS10から経路情報の削除要請を受信した場合、該RT20が持つ経路情報管理テーブルから該BS10の経路情報を削除し(R02)、自局が持つ経路情報管理テーブルから、該BS10への経路情報の削除が完了した旨の経路情報削除完了通知を該BS10に送信する(R03)。
【0052】
一方、該BS10からの通知が撤去予定でない場合には、新設通知(即ち、経路情報の更新要請)であるかどうかを判断する(R04)。判断した結果、該BSから経路情報の更新要請を受信した場合に、RT20は、該RT20が持つ経路情報管理テーブルに、該BS10への経路情報を追加する(R05)。更に、経路情報管理テーブルに該BS10への経路情報の追加が完了した旨の経路情報更新完了通知を該BS10に送信する(R06)。
【0053】
[HAの動作フロー]
次に、図7に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0054】
最初に、HA30は、新設BS10から、該BS10が所属すべきマルチキャストグループへの参加表明通知があるかどうかを判断する(H01)。通知があった場合には、通知されたマルチキャストグループに該BSを登録することで、マルチキャストグループ管理テーブルを更新する(H02)。そして、登録完了後、該BS10に対し、登録が完了した旨のマルチキャストグループ登録完了通知を送信する(H03)。
【0055】
一方、H01にて判断した結果、BS10からの通知がマルチキャストグループヘの参加表明でない場合には、該通知がマルチキャストグループからの脱退表明であるかどうかを判断する(H04)。判断した結果、該通知がマルチキャストグループからの脱退表明である場合には、該BS10が登録しているマルチキャストグループから該BSを削除することで、マルチキャストグループ管理テーブルを更新する(H05)。そして、削除完了後、該BS10に対し、マルチキャストグループ削除完了通知を送信する(H06)。
【0056】
以上の第1実施形態によれば、新設BSは、自局との距離が最短である周辺BSを、隣接BSとして認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接BSを認識することができる。また、HAが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BS配下のMHのマルチキャストIPアドレスとして登録し、RTが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BSへの経路情報として登録することで、BSの新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、新設BSは、新設時の位置登録エリアの再設定を自律的かつ適正に行うことができる。
【0057】
[第2実施形態]
請求項3、4に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項13、14に記載の移動管理サーバに関する第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動通信システムの構成は図1の第1実施形態での構成と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
図23には、本実施形態におけるHA30の構成を示す。同図に示すようにHA30は、移動通信システム1に新設された新設BS10から、当該新設BS10の位置情報を受信する位置情報受信手段301と、受信した新設BS10の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設BS10が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の他のBSが受信しているマルチキャストグループに新設BS10を登録する登録手段302とを備えており、特に上記の登録手段302は、新設BS10の周辺に位置する周辺BSを検出する周辺基地局検出手段302Aと、当該周辺BSのうち新設BS10から最短距離に位置するBSを隣接BSとして認識する隣接基地局認識手段302Bと、当該隣接BSと同一のマルチキャストIPアドレスを、該新設BS10が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録するアドレス登録手段302Cとを含んで構成されている。
【0059】
[第2実施形態の動作]
以下、第2実施形態における動作を説明する。
【0060】
[BSを新設する場合の一連の動作]
まず、図8に基づき、BSを新設する場合の一連の動作を説明する。
【0061】
新設BS10は、自局の位置情報(ここでは、例えば、GPSによる測定で得られた自局の地理的位置情報や、RT Solicitationにより接続したRT20の情報など)を認識し(S31)、当該認識した位置情報をHA30に送信する(S32)。当該位置情報の通知を受けたHA30は、該BS10の位置情報に基づいて該BS10が所属すべき位置登録エリアを選択するとともに、当該位置登録エリア内の他のBSが受信しているマルチキャストグループに該BS10を新規登録する(S33)。そして、HA30は、該BS10に対し、当該選択された位置登録エリアとBS10が受信すべきマルチキャストIPアドレスとを通知する(S34)。
【0062】
上記通知を受けたBS10は、通知されたマルチキャストIPアドレスに基づきマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(S35)、テーブル作成後、HA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成が完了したことを通知する(S36)。この完了通知を受信したHA30は、該BS10の経路上のRT20に対し、該BS10への経路情報を更新(ここでは新規登録)するよう要請する(S37)。
【0063】
経路情報の更新要請を受信したRT20は経路情報の更新を行い(S38)、経路情報の更新完了後に、当該RT20はHA30に対し、経路情報の更新完了通知を送信する(S39)。この経路情報の更新完了通知を受信したHA30は該BS10に対し、全ての設定が完了したことを通知する(S40)。
【0064】
[BSが撤去される場合の一連の動作]
次に、図9に基づき、BSが撤去される場合の一連の動作を説明する。
【0065】
撤去予定のBS10は、HA30に対し、自局が撤去予定であることを通知する(S41)。該BS10から撤去予定の通知を受けたHA30は、該BS10が登録していたマルチキャストグループから該BS10のIPアドレスを削除し(S42)、マルチキャストグループからの削除完了後に、該BS10への経路上の各RT20に対し、該BS10への経路情報を削除するよう削除要請をする(S43)。
【0066】
HA30から経路情報の削除要請を受けたRT20は、該BS10への経路情報を削除し(S44)、削除完了後に、HA30に対し経路情報の削除完了通知を送信する(S45)。そして、各RT20から経路情報の削除完了通知を受信したHA30は、該BS10に対し、削除設定が完了したことを通知する(S46)。この削除設定の完了通知を受信したBS10は、自局の撤去作業を行う(S47)。
【0067】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図10に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0068】
最初に、BS10は、自局が新設BSであるかどうかを判断する(B31)。判断結果から該BS10が新設BSである場合には、自局の位置情報(例えば、GPSによる測定で得られた自局の絶対的な位置情報、又は、RT Solicitationパケットを送信することで自局が接続したRTの情報など)を認識する(B32)。そして、当該認識した位置情報をHA30に対し送信し(B33)、位置情報の通知後は、HA30から応答があるかどうかを確認する(B34)。応答があった場合には、HA30から通知されるマルチキャストIPアドレスに基づいて、該BS10が受信すべきマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(B35)。そして、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成後、BS10は、HA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成が完了した旨のマルチキャストIPアドレス管理テーブル作成完了通知を送信し(B36)、通知後、HA30から応答があるかどうかを確認する(B37)。そして、応答があった場合には、全ての設定が完了したため、サービスを開始する(B38)。
【0069】
[RTの動作フロー]
次に、図11に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0070】
最初に、RT20は、HA30から、撤去予定のBS10による経路情報の削除要請を受けたかどうかを判断する(R31)。判断の結果、HA30から経路情報の削除要請を受けた場合、RT20が持つ経路情報管理テーブルから該BS10の経路情報を削除し(R32)、経路情報管理テーブルから該BS10への経路情報を削除した旨の経路情報削除完了通知をHA30に対し送信する(R33)。
【0071】
一方、HA30からの要請が経路情報の削除要請でない場合には、新設BS10への経路情報の更新要請を受けたかどうかを判断する(R34)。判断の結果、HA30から経路情報の更新要請を受けた場合、RT20は該BS10への経路情報を経路情報管理テーブルに追加し(R35)、経路情報管理テーブルに該BS10への経路情報を追加した旨の経路情報更新完了通知をHA30に対し通知する(R36)。
【0072】
[HAの動作フロー]
次に、図12に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0073】
最初に、HA30は、新設BS10から該BS10の位置情報通知があるかどうかを判断する(H31)。判断の結果、BS10から位置情報を通知された場合、HA30は、通知された位置情報に基づいて、該BS10が所属すべき位置登録エリアを選択する(H32)。また、当該選択した位置登録エリア内の他のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスを認識し、該マルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループに新設BS10を登録する(H33)。更に、当該選択した位置登録エリア及びマルチキャストIPアドレスを該BS10に通知し(H34)、当該通知後、BS10から応答があるかどうかを確認する(H35)。応答があった場合には、HA30は、該BS10への経路設定を行うため、経路上のRT20に対し、経路情報の更新要請を送信する(H36)。この更新要請の送信後、各RT20から応答があるかどうかを確認する(H37)。更新要請をした全てのRT20から応答があった場合には、該BS10に対し、設定が完了したことを通知する(H38)。
【0074】
一方、該BS10からの通知が位置情報通知でない場合は、当該通知が撤去予定通知であるかどうかを判断する(H39)。当該通知が撤去予定通知の場合は、該BS10が参加していたマルチキャストグループから該BS10を削除し(H40)、当該削除後、該BS10への経路上の各RT20に対し、該BS10への経路情報の削除要請を送信する(H41)。当該削除要請の送信後、RT20から応答があるかどうかを判断し(H42)、削除要請を行った全てのRT20から応答があった場合、該BS10に対し、削除設定が完了した旨の削除設定完了通知を送信する(H43)。
【0075】
以上の第2実施形態によれば、HAは、新設BSとの距離が最短である周辺BSを、当該新設BSに関する隣接BSとして認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接BSを認識することができる。また、新設BSが、通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、RTが、通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設BSの経路情報に登録することで、BSの新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、HAは、新設時の位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0076】
[第3実施形態]
請求項5、6に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項15、16に記載の移動管理サーバに関する第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動通信システムの構成は図1の第1実施形態での構成と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
図24には、本実施形態におけるHA30の構成を示す。同図に示すようにHA30は、複数のBSの各々の配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を各BSから受信するトラヒック受信手段303と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更BS、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段304と、変更先の位置登録エリアに応じた変更BSのマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を実行する変更手段305とを備えており、特に上記の選択手段304は、トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出する基地局群検出手段304Aと、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択する基地局選択手段304Bとを含んで構成され、上記の変更手段305は、当該周辺BSのうち最小のトラヒックを持つ周辺BSのマルチキャストIPアドレスを、変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当てるよう構成されている。
【0078】
[第3実施形態の動作]
以下、第3実施形態における動作を説明する。
【0079】
[位置登録エリアの再設定に関する一連の動作]
まず、図14に基づき、位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を説明する。
【0080】
各BS10、11、12は、自局配下のセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を、断続的又は連続的に測定し(S51)、当該測定で得たトラヒックデータをHA30に通知する(S52)。トラヒックデータの通知を受けたHA30は、各BSのGPSにより得られた地理的位置情報から位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、トラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択するとともに、当該選択した変更BSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスを認識し、前記選択したBSを該マルチキャストグループに登録する(S53)。ここでは、トラヒック状況及びBSの絶対的な位置から、位置登録エリアの変更BSとしてBS10が選択されたとすると、該BS10に対し、位置登録エリアの変更と変更先位置登録エリアで該BS10が受信すべきマルチキャストIPアドレスグループを通知する(S54)。
【0081】
当該通知を受けたBS10は、これまで保持していたマルチキャストIPアドレス管理テーブルを破棄し、通知されたマルチキャストIPアドレスをもとに新規にマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(S55)。当該作成が終了したBS10は、HA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成完了通知を送信する(S56)。
【0082】
当該作成完了通知を受信したHA30は、該BS10が接続しているRT20に対し、経路情報の更新要請を行う(S57)。当該更新要請を受けたRT20は、該BS10への経路情報の更新を行う(S58)。RT20は、当該経路情報の更新が終了すると、HA30に対し、経路情報の更新完了通知を送信する(S59)。当該更新完了通知を受信したHA30は、該BS10に対し、位置登録エリアの設定完了通知を送信する(S60)。
【0083】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図15に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0084】
最初に、BS10は、自局が形成するセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を、連続的に又は断続的に測定する(B51)。当該測定した着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方のトラヒックデータをHA30に周期的に、連続的に、又は、任意の契機で通知し(B52)、当該トラヒックデータ通知後、HA30からの応答があるかどうかを判断する(B53)。
【0085】
応答があった場合には、HA30から通知されるマルチキャストIPアドレスに基づいて、該BS10が受信すべきマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(B54)。当該作成完了後に、BS10はHA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成が完了した旨のマルチキャストIPアドレス管理テーブル作成完了通知を送信し(B55)、当該通知後、HA30から応答があるかどうかを確認する(B56)。そして、応答があった場合には、全ての設定が完了したため、サービスを開始する(B57)。
【0086】
[RTの動作フロー]
次に、図16に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0087】
最初に、RT20は、位置登録エリアを変更する予定のBS10への経路情報更新要請を受けたかどうかを判断する(R51)。判断した結果、HA30から経路情報更新要請を受けた場合、RT20は経路情報管理テーブルにおける該BS10への経路情報を更新する(R52)。更に、経路情報管理テーブルにおける該BS10への経路情報の更新が完了した旨の経路情報の更新完了通知をHA30に対し通知する(R53)。
【0088】
[HAの動作フロー]
次に、図17に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0089】
最初に、HA30は、BS10、11、12の各々から着信トラヒック及び通信トラヒックの一方又は両方に関するトラヒックデータを通知されたかどうかを判断する(H51)。各BSからトラヒックデータを通知された場合、当該トラヒックデータから位置登録エリア内でトラヒックの多い順にBSをランク付けする(H52)。一方で、各BSの絶対的な位置情報から、当該位置登録エリアに隣接しているBSを抽出する(H53)。そして、位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、トラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択する(H54)。ここでは、変更BSとしてBS10が選択されたとする。
【0090】
そして、当該選択されたBS10が変更先の位置登録エリア内で受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、該マルチキャストグループに該BS10を登録し、該BS10に対し該マルチキャストIPアドレスを通知する(H55)。マルチキャストIPアドレス通知後は、BS10から応答があるかどうかを判断する(H56)。判断の結果、該BS10から応答があった場合には、該BS10が接続しているRT20に対し、経路情報の更新を要請する(H57)。経路情報の更新要請後は、RT20から応答があるかどうかを判断する(H58)。RT20から応答があった場合には、位置登録エリアの変更を行うBS10に対し、位置登録エリア変更の設定が完了した旨の位置登録エリア変更完了通知を送信する(H59)。
【0091】
以上の第3実施形態によれば、位置登録エリア境界付近のセルのBSのうち、トラヒックの多いBSが優先的に選択され、当該選択されたBSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスが変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして設定される。そして、これに応じて該変更BSへの経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、移動管理サーバは、トラヒック情報に基づいて、位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0092】
[第4実施形態]
請求項7、8に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項11、12に記載の基地局に関する第4実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動通信システムの構成は図1の第1実施形態での構成と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
図25には、本実施形態におけるBS10の構成を示す。同図に示すようにBS10は、自局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定手段105と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更BS及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段106と、変更先の位置登録エリアに応じて変更BSのマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更するようHA30に要請する変更要請手段107とを備えており、特に、上記の選択手段106は、自局の周辺に位置する周辺BSを認識しトラヒック測定手段105による測定で得られたトラヒック情報を周辺BSとの間で相互に送受信する情報交換手段106Aと、周辺BSのうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺BSを検出する検出手段106Bと、検出された周辺BSのトラヒック情報と通知元BSのトラヒック情報とを比較する比較手段106Cと、比較結果により、自局のトラヒックが何れの周辺BSのトラヒックよりも大きい場合に、自局を変更BSとして選択し、当該周辺BSのうち最小のトラヒックを持つ周辺BSのマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして選択する選択制御手段106Dとを含んで構成されている。
【0094】
[第4実施形態の動作]
以下、第4実施形態における動作を説明する。
【0095】
[位置登録エリアの再設定に関する一連の動作]
まず、図18に基づき、位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を説明する。
【0096】
各BS10、11、12は、自局配下のセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を、連続的又は断続的に測定し(S71)、当該測定したトラヒックデータを連続的又は周期的又は任意の契機で周辺BSに対し同報することで周辺BSとトラヒックデータを共有する(S72)。そして、BS10、11、12は、各BSのGPSにより得られた地理的位置情報から位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、当該共有したトラヒックデータからトラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択する(S73)。ここでは、変更BSとしてBS10が選択されたものとする。
【0097】
当該BS10はハンドオフMH40(図1)から通知されるハンドオフ前BS情報から周囲のBSを認識するか、或いは、GPSによる測定で得た地理的位置情報に基づき周囲BSを認識し、当該認識したBSの中から、当該BS10が受信しているマルチキャストIPアドレスと異なるマルチキャストIPアドレスを受信しているBS13を選択し、当該BS13に対しBS13が持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを要請する(S74)。
【0098】
マルチキャストIPアドレス管理テーブルコピー要請を受けたBS13は、該BS10に対し、自局(BS13)が持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルを送信する(S75)。このマルチキャストIPアドレス管理テーブルを受信したBS10は、マルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(S76)、自局(BS10)が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、HA30に対し、該マルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループヘの変更を要請する(S77)。
【0099】
マルチキャストグループの変更要請を受けたHA30は、該BS10から通知されたマルチキャストグループに該BS10を変更する(S78)。マルチキャストグループ変更後、HA30はBS10に対し、マルチキャストグループ変更完了通知を送信する(S79)。マルチキャストIPアドレス変更完了通知を受信したBS10は、RT20に対し、経路情報の更新を要請する(S80)。経路情報更新要請を受信したRT20は、該BS10への経路情報を更新する(S81)。RT20は、経路情報更新完了後、BS10に対し、経路情報更新完了通知を送信する(S82)。当該完了通知を受信したBS10はサービスを開始する(S83)。
【0100】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図19に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0101】
最初に、BS10は、自局配下のセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方のトラヒック特性を、連続的又は継続的に測定し(B71)、当該測定したトラヒックデータを、連続的、周期的、又は任意の契機で周囲BSへ同報することで周囲BSと共有する(B72)。そして、GPSにより得られた地理的位置情報から位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、当該共有したトラヒックデータからトラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択し、自局が変更BSに該当すると判断したBSは自ら立候補する(B73)。ここでは、BS10が立候補するものとする。
【0102】
当該BS10は、自局とは異なる位置登録エリアに含まれ且つ隣接する基地局13を認識し、当該BS13に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを要請する(B74)。当該要請後、該BS13から応答があるかどうかを確認する(B75)。上記のB74では、BS10は、ハンドオフMH40から通知されるハンドオフ前BS情報、GPSにより得られる地理的位置、及び転送遅延時間の何れかに基づいて、異なる位置登録エリアに含まれ且つ隣接する基地局13を認識することができる。
【0103】
確認した結果、該BS13から応答があった場合には、当該応答に含まれるマルチキャストIPアドレス管理テーブルからマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(B76)、当該作成したマルチキャストIPアドレス管理テーブルから、自局が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、HA30に対し当該認識したマルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループヘの登録変更を要請する(B77)。登録変更要請後は、HA30から応答があるかどうかを判断する(B78)。
【0104】
判断した結果、HA30から応答があった場合には、HA30での設定が完了したので、次に、自局の接続しているRT20に対し、経路情報の更新を要請する(B79)。経路情報更新要請後は、RT20から応答があるかどうかを確認する(B80)。確認の結果、RT20から応答があった場合には、すべての設定完了したので、サービスを開始する(B81)。
【0105】
[RTの動作フロー]
次に、図20に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0106】
最初に、RT20は、位置登録エリアを変更する予定のBS10から経路情報更新要請を受けたかどうかを判断する(R71)。判断した結果、BS10から経路情報更新要請を受けた場合、RT20は経路情報管理テーブルの該BS10への経路情報を更新する(R72)。更に、経路情報管理テーブルにおける該BS10への経路情報の更新が完了した旨の経路情報更新完了通知をBS10に対し通知する(R73)。
【0107】
[HAの動作フロー]
次に、図21に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0108】
最初に、HA30は、何れかのBSからマルチキャストグループの登録変更要請を受けたかどうかを確認する(H71)。確認した結果、何れかのBS(ここではBS10)からマルチキャストグループ登録変更要請を受けた場合には、該BS10から通知されたマルチキャストグループへ、該BS10を再登録する(H72)。再登録の完了後は、BS10に対し、マルチキャストグループの登録変更が完了した旨のマルチキャストグループ登録変更完了通知を送信する(H73)。
【0109】
以上の第4実施形態によれば、位置登録エリア境界付近のセルのBSのうち、トラヒックの多いBSが優先的に選択され、当該選択されたBSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスが変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして設定される。そして、これに応じて該変更BSへの経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、複数のBSは、トラヒック情報に基づいて、自律的に位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、新設BS又はHAは、当該新設BSとの距離が最短である周辺BSを、隣接BSとして認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接BSを認識することができ、また、HAが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BS配下のMHのマルチキャストIPアドレスとして登録し、RTが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BSへの経路情報として登録することで、BSの新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、新設時の位置登録エリアの再設定を自律的かつ適正に行うことができる。
【0111】
また、位置登録エリア境界付近のセルのBSのうち、トラヒックの多いBSが優先的に選択され、当該選択されたBSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスが変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして設定される。そして、これに応じて該変更BSへの経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、トラヒック情報に基づく位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0112】
また、BSの新設時に、当該新設BSが自局の地理的又は周辺BSとの相対的な位置を認識し、周囲BS及びHAとコンセンサスを行うため、ある位置登録エリアにおいて新設BSが孤立した状態となることを回避することができる。
【0113】
更に、BSが自局配下のセルの着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を含むトラヒック特性を認識し、当該トラヒック特性をもとに位置登録エリア内のBSの数を動的に変化させるため、上記トラヒック特性を平滑化できるとともに、位置登録エリアの大きさを最適化でき、チャネル効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4実施形態における移動通信システムの構成図である。
【図2】第1実施形態におけるBS新設時の一連の動作を示すチャートである。
【図3】第1実施形態におけるBS撤去時の一連の動作を示すチャートである。
【図4】第1実施形態におけるBSの動作フローの前段を示す流れ図である。
【図5】第1実施形態におけるBSの動作フローの後段を示す流れ図である。
【図6】第1実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図7】第1実施形態におけるHAの動作フローを示す流れ図である。
【図8】第2実施形態におけるBS新設時の一連の動作を示すチャートである。
【図9】第2実施形態におけるBS撤去時の一連の動作を示すチャートである。
【図10】第2実施形態におけるBSの動作フローを示す流れ図である。
【図11】第2実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図12】第2実施形態におけるHAの動作フローの前段を示す流れ図である。
【図13】第2実施形態におけるHAの動作フローの後段を示す流れ図である。
【図14】第3実施形態における位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を示すチャートである。
【図15】第3実施形態におけるBSの動作フローを示す流れ図である。
【図16】第3実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図17】第3実施形態におけるHAの動作フローを示す流れ図である。
【図18】第4実施形態における位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を示すチャートである。
【図19】第4実施形態におけるBSの動作フローを示す流れ図である。
【図20】第4実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図21】第4実施形態におけるHAの動作フローを示す流れ図である。
【図22】第1実施形態の基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【図23】第2実施形態の移動管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図24】第3実施形態の移動管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図25】第4実施形態の基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…移動通信システム、10、11、12、13…基地局、20、21…経路選択装置、30…移動管理サーバ、40、41…移動局、50…IP網、101…隣接基地局認識手段、101A…位置情報収集手段、101B…認識手段、102…アドレス情報収集手段、103…アドレス設定手段、104…変更要請手段、105…トラヒック測定手段、106…選択手段、106A…情報交換手段、106B…検出手段、106C…比較手段、106D…選択制御手段、107…変更要請手段、301…位置情報受信手段、302…登録手段、302A…周辺基地局検出手段、302B…隣接基地局認識手段、302C…アドレス登録手段、303…トラヒック受信手段、304…選択手段、304A…周辺基地局検出手段、304B…比較手段、304C…基地局選択手段、305…変更手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、IPベースの移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法(特に、新設、撤去及びサービスイン後の位置登録エリア設定方法)、基地局及び移動管理サーバに関する。
【0002】
なお、本明細書において「着信トラヒック」とは、通信開始のための制御データのトラヒックを意味し、「通信トラヒック」とは、通信中の端末(移動局等)間におけるコンテンツデータ(いわゆる実データ)のトラヒックを意味する。
【0003】
【従来の技術】
ある基地局に関する位置登録エリアを変更する技術として、位置情報管理サーバが、位置登録エリア管理テーブルにおいて該基地局の所属を変更元の位置登録エリアから変更先の位置登録エリアへ変更し、また、該基地局が、位置登録エリア識別子を変更先の位置登録エリアのエリア識別子に変更することが考えられる。この技術は従来のIPを実装していない移動通信システムについては有効である。
【0004】
ところが、IPベース移動通信システムに適用した場合、上記技術にはIPマルチキャストの概念が無いため、位置情報管理サーバが、位置登録エリア管理テーブルにおいて、基地局が所属する位置登録エリアのみ変更しても呼出パケットを転送することが出来ない。このため、上記の技術には未だ改善の余地がある。
【0005】
また、IPベースの移動通信システムではIP Paging方法が用いられる。この場合、位置登録エリアとして、同一のマルチキャストIPアドレスを受信する基地局の集合を位置登録エリアと定義する。各基地局の上位の経路選択装置(以下、「RT」という)は、PA(paging agent)から転送されてきたpaging notificationsの宛先マルチキャストIPアドレスに応じてRT配下の基地局に対し、マルチキャストパケットを転送する(下記の非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
R.Ramjee, T.F.Porta, L.Salgarelli, S.Thuel and K.Varadhan, ”IP−Based Access Network Infrastructure for Next−Generation Wireless Data Networks”, IEEE Personal Communications, pp.34−41,August,2000.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のIP Paging方法では、ネットワーク構築時に、位置登録エリアを形成する基地局群に対しマルチキャストIPアドレスを一旦割当ててしまうと、該位置登録エリアを形成する基地局への経路上のRTにおいて経路設定を行うため、一旦設定した位置登録エリアを動的に変更することが困難となる、という問題点があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、基地局群の位置関係やトラヒック等に応じて位置登録エリアの設定を柔軟且つ適正に行うことができる位置登録エリア設定方法、基地局及び移動管理サーバを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項1に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、前記移動通信システムに新設された新設基地局が、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、当該新設基地局に関する隣接基地局を認識する隣接基地局認識ステップと、新設基地局が、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集する情報収集ステップと、新設基地局が、隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定ステップと、新設基地局が、移動管理サーバに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明が適用される移動通信システムは、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成されたシステムであり、基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、当該アイドル状態の移動局の在圏位置は移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、アイドル状態の移動局宛のパケットが移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に上記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されている。
【0011】
このような移動通信システムに基地局が新設された場合、当該新設された新設基地局が、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、当該新設基地局に関する隣接基地局を認識し(隣接基地局認識ステップ)、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集する(情報収集ステップ)。そして、新設基地局が、収集で得られた隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定し(アドレス設定ステップ)、移動管理サーバに、当該設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する(変更要請ステップ)。このようにして、新設基地局は、新設時の位置登録エリアの再設定を自律的かつ適正に行うことができる。
【0012】
より具体的には、請求項2に記載したように、隣接基地局認識ステップにて新設基地局は、当該新設基地局の位置情報を測定するとともに周辺基地局から無線又は有線にて当該周辺基地局の位置情報を収集し、当該新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識し、変更要請ステップにて新設基地局は、変更要請とともに、前記設定された自局のマルチキャストIPアドレスを、移動管理サーバ及び経路選択装置へ通知し、移動管理サーバは、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局配下の移動局のマルチキャストIPアドレスとして登録し、経路選択装置は、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局への経路情報として登録することが望ましい。このように新設基地局は、自局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接基地局を認識することができる。また、移動管理サーバが、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局配下の移動局のマルチキャストIPアドレスとして登録し、経路選択装置が、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局への経路情報として登録することで、基地局の新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。
【0013】
本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項3に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、移動管理サーバが、前記移動通信システムに新設された新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、移動管理サーバが、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が形成しているマルチキャストグループに当該新設基地局を登録する登録ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
上記移動通信システムに基地局が新設された場合、移動管理サーバは、新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信し(位置情報受信ステップ)、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が形成しているマルチキャストグループに当該新設基地局を登録する(登録ステップ)。このようにして、移動管理サーバは、基地局の新設時の位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0015】
なお、位置情報受信ステップで受信される新設基地局の位置情報としては、例えば、GPSによる測定で得られた新設基地局の地理的位置情報や、RT Solicitationにより新設基地局が接続した経路選択装置(RT)の情報などを採用することができる。
【0016】
より具体的には、請求項4に記載したように、移動管理サーバは、各基地局の位置情報、IPアドレスにより規定される階層構造、及び各基地局が所属している位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスを管理しており、登録ステップにて、移動管理サーバは、新設基地局の周辺に位置する周辺基地局を検出し、当該周辺基地局のうち新設基地局から最短距離に位置する基地局を隣接基地局として認識し、当該隣接基地局と同一のマルチキャストIPアドレスを、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録し、さらに、登録したマルチキャストIPアドレスを、新設基地局及び当該新設基地局までの経路上に存在する経路選択装置に通知し、新設基地局は、移動管理サーバから通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、経路選択装置は、移動管理サーバから通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局の経路情報に登録することが望ましい。このように移動管理サーバは、新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接基地局を認識することができる。また、新設基地局が、通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、経路選択装置が、通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局の経路情報に登録することで、基地局の新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。
【0017】
本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項5に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定ステップと、複数の基地局からトラヒック情報を受信した移動管理サーバが、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択ステップと、移動管理サーバが、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を行う変更ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
上記移動通信システムにおいて、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定する(トラヒック測定ステップ)。そして、複数の基地局からトラヒック情報を受信した移動管理サーバが、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する(選択ステップ)。さらに、移動管理サーバが、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を行う(変更ステップ)。このようにして移動管理サーバは、トラヒック情報に基づいて、位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0019】
より具体的には、請求項6に記載したように、選択ステップにて移動管理サーバは、トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出し、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択し、変更ステップにて移動管理サーバは、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当て、当該変更基地局及び経路選択装置に変更後のマルチキャストIPアドレスを通知し、変更基地局は、上記通知を受けた場合、従前のマルチキャストIPアドレスを、通知されたマルチキャストIPアドレスに変更し、経路選択装置は、上記通知を受けた場合、通知された情報に基づいて変更基地局への経路情報を変更することが望ましい。
【0020】
本発明に係る位置登録エリア設定方法は、請求項7に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定ステップと、複数の基地局が、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択ステップと、複数の基地局が、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を移動管理サーバに要請する変更要請ステップとを有することを特徴とする。
【0021】
上記移動通信システムにおいて、複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定する(トラヒック測定ステップ)。そして、複数の基地局が、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する(選択ステップ)。さらに、複数の基地局が、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を移動管理サーバに要請する(変更要請ステップ)。要請を受けた移動管理サーバは、変更先の位置登録エリアに応じて変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更することとなる。このようにして、複数の基地局は、トラヒック情報に基づいて、位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0022】
また、請求項8に記載したように、選択ステップにて各基地局は、自局の周辺に位置する周辺基地局を認識し、測定で得られたトラヒック情報を周辺基地局との間で相互に送受信し、周辺基地局のうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺基地局を検出し、検出された周辺基地局のトラヒック情報と通知元基地局のトラヒック情報とを比較し、自局のトラヒックが何れの周辺基地局のトラヒックよりも大きい場合、自局を変更基地局として選択し、変更要請ステップにて各基地局は、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして変更し、移動管理サーバ及び経路選択装置に変更後のマルチキャストIPアドレスを通知し、移動管理サーバは、上記通知を受けた場合、該変更基地局あてのマルチキャストIPアドレスを、通知されたマルチキャストIPアドレスに変更し、経路選択装置は、上記通知を受けた場合、通知されたマルチキャストIPアドレスに基づいて、該変更基地局への経路情報を変更することが望ましい。
【0023】
上記の請求項6、8に記載の発明によれば、トラヒックが多い近隣の基地局から変更基地局が選択され、トラヒックが最小の周辺基地局のマルチキャストIPアドレスが変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして設定され、これに応じて該変更基地局への経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。
【0024】
ところで、本発明は、上記のような位置登録エリア設定方法に関する発明として捉えることができるほか、以下のような基地局に関する発明、移動管理サーバに関する発明として捉えることができる。
【0025】
本発明に係る基地局は、請求項9に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける基地局であって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、自局の位置情報及び自局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、自局に関する隣接基地局を認識する隣接基地局認識手段と、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集するアドレス情報収集手段と、隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定手段と、移動管理サーバに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
このとき、隣接基地局認識手段は、請求項10に記載したように、新設基地局の位置情報を測定するとともに前記周辺基地局から無線又は有線にて当該周辺基地局の位置情報を収集する位置情報収集手段と、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて当該新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識する認識手段とを含んだ構成とすることが望ましい。
【0027】
本発明に係る基地局は、請求項11に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける基地局であって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、自局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定手段と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段と、変更先の位置登録エリアに応じて変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更するよう移動管理サーバに要請する変更要請手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】
このとき、選択手段は、請求項12に記載したように、自局の周辺に位置する周辺基地局を認識し前記測定で得られたトラヒック情報を周辺基地局との間で相互に送受信する情報交換手段と、周辺基地局のうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺基地局を検出する周辺基地局検出手段と、検出された周辺基地局のトラヒック情報と通知元基地局のトラヒック情報とを比較する比較手段と、比較結果により、自局のトラヒックが何れの周辺基地局のトラヒックよりも大きい場合、自局を変更基地局として選択し、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして選択する選択制御手段とを含んだ構成とすることが望ましい。
【0029】
本発明に係る移動管理サーバは、請求項13に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける移動管理サーバであって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、移動通信システムに新設された新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信する位置情報受信手段と、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が受信しているマルチキャストグループに新設基地局を登録する登録手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
なお、位置情報受信手段により受信される新設基地局の位置情報としては、例えば、GPSによる測定で得られた新設基地局の地理的位置情報や、RT Solicitationにより新設基地局が接続した経路選択装置(RT)の情報などを採用することができる。
【0031】
このとき、請求項14に記載したように、移動管理サーバは、基地局の位置情報、IPアドレスにより規定される階層構造、及び各基地局が所属している位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスを管理しており、登録手段は、新設基地局の周辺に位置する周辺基地局を検出する周辺基地局検出手段と、当該周辺基地局のうち新設基地局から最短距離に位置する基地局を隣接基地局として認識する隣接基地局認識手段と、当該隣接基地局と同一のマルチキャストIPアドレスを、該新設基地局が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録するアドレス登録手段とを含んだ構成とすることが望ましい。
【0032】
本発明に係る移動管理サーバは、請求項15に記載したように、複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける移動管理サーバであって、当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、複数の基地局の各々の配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を各基地局から受信するトラヒック受信手段と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段と、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を実行する変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
このとき、請求項16に記載したように、選択手段は、トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出する基地局群検出手段と、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択する基地局選択手段とを含んで構成され、変更手段は、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当てる構成とすることが望ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る各種の実施形態について順に説明する。
【0035】
[第1実施形態]
請求項1、2に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項9、10に記載の基地局に関する第1実施形態について説明する。
【0036】
[移動通信システムの構成]
図1には、本実施形態の想定する移動通信システム1の構成を示す。同図に示すように移動通信システム1は、複数の基地局(Base Station:以下「BS」という)10〜13と、複数の移動局(Mobile Host:以下「MH」という)40、41と、IP網50に接続され各基地局が接続された経路選択装置(RT)20と、IP網50に接続され移動局の移動管理を行う移動管理サーバ(HA)30とを含んで構成されている。例えば、BS10はRT20に接続されMH40との間で無線リンクを介して無線通信を行い、RT20はBS10〜12を集約する。
【0037】
この移動通信システム1では、基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとする。また、移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、アイドル状態の移動局の在圏位置はHA30により位置登録エリア単位で管理され、アイドル状態の移動局宛のパケットがHA30に到着した場合、HA30は宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に上記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送する。
【0038】
図22には、本実施形態におけるBS10の構成を示す。同図に示すようにBS10は、自局の位置情報及び自局の周辺に位置する周辺BSの位置情報に基づいて、自局に関する隣接BSを認識する隣接基地局認識手段101と、隣接BSのマルチキャストIPアドレス情報を収集するアドレス情報収集手段102と、隣接BSのマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定手段103と、HAに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請手段104とを備えており、特に上記の隣接基地局認識手段101は、当該新設BSの位置情報を測定するとともに前記周辺BSから無線又は有線にて当該周辺BSの位置情報を収集する位置情報収集手段101Aと、当該新設BSの位置情報及び当該新設BSの周辺に位置する周辺BSの位置情報に基づいて当該新設BSとの距離が最短である周辺BSを、当該新設BSに関する隣接BSとして認識する認識手段101Bとを含んで構成されている。
【0039】
[第1実施形態の動作]
以下、第1実施形態における動作を説明する。
【0040】
[BSを新設する場合の一連の動作]
まず、図2に基づき、BSを新設する場合の一連の動作を説明する。
【0041】
新設BS10は、Global Positioning System(GPS)により自局の絶対的位置情報を認識し(S01)、自局が接続したRT20に接続されている同一サブネット内のBS11、12に対し位置情報通知要請パケットを送信する(S02)。当該パケットを受信したBS11、12は、送信元のBS10に対し応答パケットを返信する(S03)。
【0042】
応答パケットを受信したBS10は、自局の位置と応答パケットに含まれた位置とを比較することで、自局から最も近くに位置し、かつ自局と同じサブネットアドレスを有するBSを自局の隣接BSとして認識する(S04)。ここで、当該認識結果から該BS10の隣接BSがBS12であるとすると、BS10は、隣接BS12に対し、該BS12が受信しているマルチキャストIPアドレスの情報を要請する(S05)。当該情報要請を受けたBS12は、自局が持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルをBS10に対し転送する(S06)。
【0043】
マルチキャストIPアドレス管理テーブルを受信したBS10は、当該受信したマルチキャストIPアドレス管理テーブルに基づいて、自局のマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(S07)。更に、このようにして自局が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識したBS10は、MHの位置管理を行うHA30に対し、当該認識したマルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループに自局を追加するよう要請を行う(S08)。当該追加要請を受信したHA30は、当該マルチキャストグループに該BS10のIPアドレスを追加し(S09)、該追加完了後、該BS10に対し、追加完了したことを通知する(S10)。通知を受けたBS10は、自局の上位に接続されているRT20に対し経路情報の更新を要請する(S11)。要請を受けたRT20は、経路情報を更新した後、該BS10に対し経路情報の更新済みであることを通知する(S12)。
【0044】
[BSを撤去する場合の一連の動作]
次に、図3に基づき、BSを撤去する場合の一連の動作を説明する。
【0045】
撤去予定のBS10は、HA30に対し、該BS10が撤去される旨を通知し該マルチキャストグループから該BS10のIPアドレスを削除するよう要請する(S21)。要請を受けたHA30は、該マルチキャストグループから該BS10のIPアドレスを削除する(S22)。作業完了後、HA30は、BS10に対し削除完了通知を送信する(S23)。当該削除完了通知を受信したBS10は、当該BS10が接続しているRT20に対し、該BS10への経路情報を削除するよう要請する(S24)。当該要請を受けたRT20は、該BS10への経路情報を削除する(S25)。削除完了後、RT20は、BS10に対し削除完了通知を送信する(S26)。BS10は、削除完了通知を受信した後、該BS10を撤去する(S27)。
【0046】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図4、図5に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0047】
最初に、BS10は自局が新設BSであるかどうかを判断する(B01)。BS10が新設BSであれば、該BS10は、GPSにより自BSの地理的な位置を認識し(B02)、位置情報の通知要請パケットを他のBSに送信する(B03)。そして、当該パケットに対する応答があるかどうかを確認し(B04)、応答があった場合には、当該応答パケット内の他のBSの位置情報を取り出し、応答した他のBS各々について自BS10と他のBSとの距離を計算する(B05)。そして、計算で得られた距離より、自局から最も近くに位置するBSを隣接BSとして認識する(B06)。
【0048】
BS10は、自局の隣接BSに対し、隣接BSが持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを要請し(B07)、当該要請後、隣接BSから応答があるかどうかを確認する(B08)。応答があった場合には、応答パケット内のマルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを基にマルチキャスト管理テーブルを作成するとともに、自局が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、当該認識したマルチキャストIPアドレスから所属すべきマルチキャストグループを認識する(B09)。そして、HA30に対し、該マルチキャストグループに参加することを表明する旨を通知する(B10)。HA30に対する通知後、HA30から応答があるかどうかを確認する(B11)。応答があった場合には、HA30における設定が完了したので、続いて経路上のRT20の経路情報を設定するために、RT20に対し経路情報の更新を要請する(B12)。
【0049】
一方、BS10が新設BSでない場合には、撤去予定のBSであるかどうかを確認する(B13)。その結果、撤去予定のBSである場合には、HA30に対し、今まで参加していたマルチキャストグループからの脱退を表明する旨を通知する(B14)。そして、マルチキャストグループからの脱退表明(即ち、削除要請)をしたBS10は、HA30からの応答があるかどうかを確認する(B15)。その結果、応答があった場合にはHA30での削除手続きが完了したので、続けて、経路上のRT20から該撤去予定のBS10の経路情報を削除するようRT20に要請する(B16)。
【0050】
[RTの動作フロー]
次に、図6に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0051】
最初に、RT20はBS10から撤去予定(即ち、経路情報の削除要請)を受けたかどうかを判断する(R01)。判断した結果、該BS10から経路情報の削除要請を受信した場合、該RT20が持つ経路情報管理テーブルから該BS10の経路情報を削除し(R02)、自局が持つ経路情報管理テーブルから、該BS10への経路情報の削除が完了した旨の経路情報削除完了通知を該BS10に送信する(R03)。
【0052】
一方、該BS10からの通知が撤去予定でない場合には、新設通知(即ち、経路情報の更新要請)であるかどうかを判断する(R04)。判断した結果、該BSから経路情報の更新要請を受信した場合に、RT20は、該RT20が持つ経路情報管理テーブルに、該BS10への経路情報を追加する(R05)。更に、経路情報管理テーブルに該BS10への経路情報の追加が完了した旨の経路情報更新完了通知を該BS10に送信する(R06)。
【0053】
[HAの動作フロー]
次に、図7に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0054】
最初に、HA30は、新設BS10から、該BS10が所属すべきマルチキャストグループへの参加表明通知があるかどうかを判断する(H01)。通知があった場合には、通知されたマルチキャストグループに該BSを登録することで、マルチキャストグループ管理テーブルを更新する(H02)。そして、登録完了後、該BS10に対し、登録が完了した旨のマルチキャストグループ登録完了通知を送信する(H03)。
【0055】
一方、H01にて判断した結果、BS10からの通知がマルチキャストグループヘの参加表明でない場合には、該通知がマルチキャストグループからの脱退表明であるかどうかを判断する(H04)。判断した結果、該通知がマルチキャストグループからの脱退表明である場合には、該BS10が登録しているマルチキャストグループから該BSを削除することで、マルチキャストグループ管理テーブルを更新する(H05)。そして、削除完了後、該BS10に対し、マルチキャストグループ削除完了通知を送信する(H06)。
【0056】
以上の第1実施形態によれば、新設BSは、自局との距離が最短である周辺BSを、隣接BSとして認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接BSを認識することができる。また、HAが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BS配下のMHのマルチキャストIPアドレスとして登録し、RTが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BSへの経路情報として登録することで、BSの新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、新設BSは、新設時の位置登録エリアの再設定を自律的かつ適正に行うことができる。
【0057】
[第2実施形態]
請求項3、4に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項13、14に記載の移動管理サーバに関する第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動通信システムの構成は図1の第1実施形態での構成と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
図23には、本実施形態におけるHA30の構成を示す。同図に示すようにHA30は、移動通信システム1に新設された新設BS10から、当該新設BS10の位置情報を受信する位置情報受信手段301と、受信した新設BS10の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設BS10が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の他のBSが受信しているマルチキャストグループに新設BS10を登録する登録手段302とを備えており、特に上記の登録手段302は、新設BS10の周辺に位置する周辺BSを検出する周辺基地局検出手段302Aと、当該周辺BSのうち新設BS10から最短距離に位置するBSを隣接BSとして認識する隣接基地局認識手段302Bと、当該隣接BSと同一のマルチキャストIPアドレスを、該新設BS10が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録するアドレス登録手段302Cとを含んで構成されている。
【0059】
[第2実施形態の動作]
以下、第2実施形態における動作を説明する。
【0060】
[BSを新設する場合の一連の動作]
まず、図8に基づき、BSを新設する場合の一連の動作を説明する。
【0061】
新設BS10は、自局の位置情報(ここでは、例えば、GPSによる測定で得られた自局の地理的位置情報や、RT Solicitationにより接続したRT20の情報など)を認識し(S31)、当該認識した位置情報をHA30に送信する(S32)。当該位置情報の通知を受けたHA30は、該BS10の位置情報に基づいて該BS10が所属すべき位置登録エリアを選択するとともに、当該位置登録エリア内の他のBSが受信しているマルチキャストグループに該BS10を新規登録する(S33)。そして、HA30は、該BS10に対し、当該選択された位置登録エリアとBS10が受信すべきマルチキャストIPアドレスとを通知する(S34)。
【0062】
上記通知を受けたBS10は、通知されたマルチキャストIPアドレスに基づきマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(S35)、テーブル作成後、HA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成が完了したことを通知する(S36)。この完了通知を受信したHA30は、該BS10の経路上のRT20に対し、該BS10への経路情報を更新(ここでは新規登録)するよう要請する(S37)。
【0063】
経路情報の更新要請を受信したRT20は経路情報の更新を行い(S38)、経路情報の更新完了後に、当該RT20はHA30に対し、経路情報の更新完了通知を送信する(S39)。この経路情報の更新完了通知を受信したHA30は該BS10に対し、全ての設定が完了したことを通知する(S40)。
【0064】
[BSが撤去される場合の一連の動作]
次に、図9に基づき、BSが撤去される場合の一連の動作を説明する。
【0065】
撤去予定のBS10は、HA30に対し、自局が撤去予定であることを通知する(S41)。該BS10から撤去予定の通知を受けたHA30は、該BS10が登録していたマルチキャストグループから該BS10のIPアドレスを削除し(S42)、マルチキャストグループからの削除完了後に、該BS10への経路上の各RT20に対し、該BS10への経路情報を削除するよう削除要請をする(S43)。
【0066】
HA30から経路情報の削除要請を受けたRT20は、該BS10への経路情報を削除し(S44)、削除完了後に、HA30に対し経路情報の削除完了通知を送信する(S45)。そして、各RT20から経路情報の削除完了通知を受信したHA30は、該BS10に対し、削除設定が完了したことを通知する(S46)。この削除設定の完了通知を受信したBS10は、自局の撤去作業を行う(S47)。
【0067】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図10に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0068】
最初に、BS10は、自局が新設BSであるかどうかを判断する(B31)。判断結果から該BS10が新設BSである場合には、自局の位置情報(例えば、GPSによる測定で得られた自局の絶対的な位置情報、又は、RT Solicitationパケットを送信することで自局が接続したRTの情報など)を認識する(B32)。そして、当該認識した位置情報をHA30に対し送信し(B33)、位置情報の通知後は、HA30から応答があるかどうかを確認する(B34)。応答があった場合には、HA30から通知されるマルチキャストIPアドレスに基づいて、該BS10が受信すべきマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(B35)。そして、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成後、BS10は、HA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成が完了した旨のマルチキャストIPアドレス管理テーブル作成完了通知を送信し(B36)、通知後、HA30から応答があるかどうかを確認する(B37)。そして、応答があった場合には、全ての設定が完了したため、サービスを開始する(B38)。
【0069】
[RTの動作フロー]
次に、図11に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0070】
最初に、RT20は、HA30から、撤去予定のBS10による経路情報の削除要請を受けたかどうかを判断する(R31)。判断の結果、HA30から経路情報の削除要請を受けた場合、RT20が持つ経路情報管理テーブルから該BS10の経路情報を削除し(R32)、経路情報管理テーブルから該BS10への経路情報を削除した旨の経路情報削除完了通知をHA30に対し送信する(R33)。
【0071】
一方、HA30からの要請が経路情報の削除要請でない場合には、新設BS10への経路情報の更新要請を受けたかどうかを判断する(R34)。判断の結果、HA30から経路情報の更新要請を受けた場合、RT20は該BS10への経路情報を経路情報管理テーブルに追加し(R35)、経路情報管理テーブルに該BS10への経路情報を追加した旨の経路情報更新完了通知をHA30に対し通知する(R36)。
【0072】
[HAの動作フロー]
次に、図12に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0073】
最初に、HA30は、新設BS10から該BS10の位置情報通知があるかどうかを判断する(H31)。判断の結果、BS10から位置情報を通知された場合、HA30は、通知された位置情報に基づいて、該BS10が所属すべき位置登録エリアを選択する(H32)。また、当該選択した位置登録エリア内の他のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスを認識し、該マルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループに新設BS10を登録する(H33)。更に、当該選択した位置登録エリア及びマルチキャストIPアドレスを該BS10に通知し(H34)、当該通知後、BS10から応答があるかどうかを確認する(H35)。応答があった場合には、HA30は、該BS10への経路設定を行うため、経路上のRT20に対し、経路情報の更新要請を送信する(H36)。この更新要請の送信後、各RT20から応答があるかどうかを確認する(H37)。更新要請をした全てのRT20から応答があった場合には、該BS10に対し、設定が完了したことを通知する(H38)。
【0074】
一方、該BS10からの通知が位置情報通知でない場合は、当該通知が撤去予定通知であるかどうかを判断する(H39)。当該通知が撤去予定通知の場合は、該BS10が参加していたマルチキャストグループから該BS10を削除し(H40)、当該削除後、該BS10への経路上の各RT20に対し、該BS10への経路情報の削除要請を送信する(H41)。当該削除要請の送信後、RT20から応答があるかどうかを判断し(H42)、削除要請を行った全てのRT20から応答があった場合、該BS10に対し、削除設定が完了した旨の削除設定完了通知を送信する(H43)。
【0075】
以上の第2実施形態によれば、HAは、新設BSとの距離が最短である周辺BSを、当該新設BSに関する隣接BSとして認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接BSを認識することができる。また、新設BSが、通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、RTが、通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設BSの経路情報に登録することで、BSの新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、HAは、新設時の位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0076】
[第3実施形態]
請求項5、6に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項15、16に記載の移動管理サーバに関する第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動通信システムの構成は図1の第1実施形態での構成と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
図24には、本実施形態におけるHA30の構成を示す。同図に示すようにHA30は、複数のBSの各々の配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を各BSから受信するトラヒック受信手段303と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更BS、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段304と、変更先の位置登録エリアに応じた変更BSのマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を実行する変更手段305とを備えており、特に上記の選択手段304は、トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出する基地局群検出手段304Aと、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択する基地局選択手段304Bとを含んで構成され、上記の変更手段305は、当該周辺BSのうち最小のトラヒックを持つ周辺BSのマルチキャストIPアドレスを、変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当てるよう構成されている。
【0078】
[第3実施形態の動作]
以下、第3実施形態における動作を説明する。
【0079】
[位置登録エリアの再設定に関する一連の動作]
まず、図14に基づき、位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を説明する。
【0080】
各BS10、11、12は、自局配下のセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を、断続的又は連続的に測定し(S51)、当該測定で得たトラヒックデータをHA30に通知する(S52)。トラヒックデータの通知を受けたHA30は、各BSのGPSにより得られた地理的位置情報から位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、トラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択するとともに、当該選択した変更BSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスを認識し、前記選択したBSを該マルチキャストグループに登録する(S53)。ここでは、トラヒック状況及びBSの絶対的な位置から、位置登録エリアの変更BSとしてBS10が選択されたとすると、該BS10に対し、位置登録エリアの変更と変更先位置登録エリアで該BS10が受信すべきマルチキャストIPアドレスグループを通知する(S54)。
【0081】
当該通知を受けたBS10は、これまで保持していたマルチキャストIPアドレス管理テーブルを破棄し、通知されたマルチキャストIPアドレスをもとに新規にマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(S55)。当該作成が終了したBS10は、HA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成完了通知を送信する(S56)。
【0082】
当該作成完了通知を受信したHA30は、該BS10が接続しているRT20に対し、経路情報の更新要請を行う(S57)。当該更新要請を受けたRT20は、該BS10への経路情報の更新を行う(S58)。RT20は、当該経路情報の更新が終了すると、HA30に対し、経路情報の更新完了通知を送信する(S59)。当該更新完了通知を受信したHA30は、該BS10に対し、位置登録エリアの設定完了通知を送信する(S60)。
【0083】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図15に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0084】
最初に、BS10は、自局が形成するセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を、連続的に又は断続的に測定する(B51)。当該測定した着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方のトラヒックデータをHA30に周期的に、連続的に、又は、任意の契機で通知し(B52)、当該トラヒックデータ通知後、HA30からの応答があるかどうかを判断する(B53)。
【0085】
応答があった場合には、HA30から通知されるマルチキャストIPアドレスに基づいて、該BS10が受信すべきマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成する(B54)。当該作成完了後に、BS10はHA30に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルの作成が完了した旨のマルチキャストIPアドレス管理テーブル作成完了通知を送信し(B55)、当該通知後、HA30から応答があるかどうかを確認する(B56)。そして、応答があった場合には、全ての設定が完了したため、サービスを開始する(B57)。
【0086】
[RTの動作フロー]
次に、図16に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0087】
最初に、RT20は、位置登録エリアを変更する予定のBS10への経路情報更新要請を受けたかどうかを判断する(R51)。判断した結果、HA30から経路情報更新要請を受けた場合、RT20は経路情報管理テーブルにおける該BS10への経路情報を更新する(R52)。更に、経路情報管理テーブルにおける該BS10への経路情報の更新が完了した旨の経路情報の更新完了通知をHA30に対し通知する(R53)。
【0088】
[HAの動作フロー]
次に、図17に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0089】
最初に、HA30は、BS10、11、12の各々から着信トラヒック及び通信トラヒックの一方又は両方に関するトラヒックデータを通知されたかどうかを判断する(H51)。各BSからトラヒックデータを通知された場合、当該トラヒックデータから位置登録エリア内でトラヒックの多い順にBSをランク付けする(H52)。一方で、各BSの絶対的な位置情報から、当該位置登録エリアに隣接しているBSを抽出する(H53)。そして、位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、トラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択する(H54)。ここでは、変更BSとしてBS10が選択されたとする。
【0090】
そして、当該選択されたBS10が変更先の位置登録エリア内で受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、該マルチキャストグループに該BS10を登録し、該BS10に対し該マルチキャストIPアドレスを通知する(H55)。マルチキャストIPアドレス通知後は、BS10から応答があるかどうかを判断する(H56)。判断の結果、該BS10から応答があった場合には、該BS10が接続しているRT20に対し、経路情報の更新を要請する(H57)。経路情報の更新要請後は、RT20から応答があるかどうかを判断する(H58)。RT20から応答があった場合には、位置登録エリアの変更を行うBS10に対し、位置登録エリア変更の設定が完了した旨の位置登録エリア変更完了通知を送信する(H59)。
【0091】
以上の第3実施形態によれば、位置登録エリア境界付近のセルのBSのうち、トラヒックの多いBSが優先的に選択され、当該選択されたBSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスが変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして設定される。そして、これに応じて該変更BSへの経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、移動管理サーバは、トラヒック情報に基づいて、位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0092】
[第4実施形態]
請求項7、8に記載の位置登録エリア設定方法及び請求項11、12に記載の基地局に関する第4実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動通信システムの構成は図1の第1実施形態での構成と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
図25には、本実施形態におけるBS10の構成を示す。同図に示すようにBS10は、自局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定手段105と、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更BS及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段106と、変更先の位置登録エリアに応じて変更BSのマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更するようHA30に要請する変更要請手段107とを備えており、特に、上記の選択手段106は、自局の周辺に位置する周辺BSを認識しトラヒック測定手段105による測定で得られたトラヒック情報を周辺BSとの間で相互に送受信する情報交換手段106Aと、周辺BSのうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺BSを検出する検出手段106Bと、検出された周辺BSのトラヒック情報と通知元BSのトラヒック情報とを比較する比較手段106Cと、比較結果により、自局のトラヒックが何れの周辺BSのトラヒックよりも大きい場合に、自局を変更BSとして選択し、当該周辺BSのうち最小のトラヒックを持つ周辺BSのマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして選択する選択制御手段106Dとを含んで構成されている。
【0094】
[第4実施形態の動作]
以下、第4実施形態における動作を説明する。
【0095】
[位置登録エリアの再設定に関する一連の動作]
まず、図18に基づき、位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を説明する。
【0096】
各BS10、11、12は、自局配下のセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を、連続的又は断続的に測定し(S71)、当該測定したトラヒックデータを連続的又は周期的又は任意の契機で周辺BSに対し同報することで周辺BSとトラヒックデータを共有する(S72)。そして、BS10、11、12は、各BSのGPSにより得られた地理的位置情報から位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、当該共有したトラヒックデータからトラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択する(S73)。ここでは、変更BSとしてBS10が選択されたものとする。
【0097】
当該BS10はハンドオフMH40(図1)から通知されるハンドオフ前BS情報から周囲のBSを認識するか、或いは、GPSによる測定で得た地理的位置情報に基づき周囲BSを認識し、当該認識したBSの中から、当該BS10が受信しているマルチキャストIPアドレスと異なるマルチキャストIPアドレスを受信しているBS13を選択し、当該BS13に対しBS13が持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを要請する(S74)。
【0098】
マルチキャストIPアドレス管理テーブルコピー要請を受けたBS13は、該BS10に対し、自局(BS13)が持つマルチキャストIPアドレス管理テーブルを送信する(S75)。このマルチキャストIPアドレス管理テーブルを受信したBS10は、マルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(S76)、自局(BS10)が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、HA30に対し、該マルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループヘの変更を要請する(S77)。
【0099】
マルチキャストグループの変更要請を受けたHA30は、該BS10から通知されたマルチキャストグループに該BS10を変更する(S78)。マルチキャストグループ変更後、HA30はBS10に対し、マルチキャストグループ変更完了通知を送信する(S79)。マルチキャストIPアドレス変更完了通知を受信したBS10は、RT20に対し、経路情報の更新を要請する(S80)。経路情報更新要請を受信したRT20は、該BS10への経路情報を更新する(S81)。RT20は、経路情報更新完了後、BS10に対し、経路情報更新完了通知を送信する(S82)。当該完了通知を受信したBS10はサービスを開始する(S83)。
【0100】
[BSの動作フロー]
以下、本実施形態におけるBS10、RT20、HA30のそれぞれの動作フローを順に説明する。まず、図19に基づきBS10の動作フローを説明する。
【0101】
最初に、BS10は、自局配下のセル内での着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方のトラヒック特性を、連続的又は継続的に測定し(B71)、当該測定したトラヒックデータを、連続的、周期的、又は任意の契機で周囲BSへ同報することで周囲BSと共有する(B72)。そして、GPSにより得られた地理的位置情報から位置登録エリアの境界に近いという第1条件と、当該共有したトラヒックデータからトラヒックが多いという第2条件の2つの条件を満たすBSを、総合的な判断により変更BSとして選択し、自局が変更BSに該当すると判断したBSは自ら立候補する(B73)。ここでは、BS10が立候補するものとする。
【0102】
当該BS10は、自局とは異なる位置登録エリアに含まれ且つ隣接する基地局13を認識し、当該BS13に対し、マルチキャストIPアドレス管理テーブルのコピーを要請する(B74)。当該要請後、該BS13から応答があるかどうかを確認する(B75)。上記のB74では、BS10は、ハンドオフMH40から通知されるハンドオフ前BS情報、GPSにより得られる地理的位置、及び転送遅延時間の何れかに基づいて、異なる位置登録エリアに含まれ且つ隣接する基地局13を認識することができる。
【0103】
確認した結果、該BS13から応答があった場合には、当該応答に含まれるマルチキャストIPアドレス管理テーブルからマルチキャストIPアドレス管理テーブルを作成し(B76)、当該作成したマルチキャストIPアドレス管理テーブルから、自局が受信すべきマルチキャストIPアドレスを認識し、HA30に対し当該認識したマルチキャストIPアドレスを持つマルチキャストグループヘの登録変更を要請する(B77)。登録変更要請後は、HA30から応答があるかどうかを判断する(B78)。
【0104】
判断した結果、HA30から応答があった場合には、HA30での設定が完了したので、次に、自局の接続しているRT20に対し、経路情報の更新を要請する(B79)。経路情報更新要請後は、RT20から応答があるかどうかを確認する(B80)。確認の結果、RT20から応答があった場合には、すべての設定完了したので、サービスを開始する(B81)。
【0105】
[RTの動作フロー]
次に、図20に基づきRT20の動作フローを説明する。
【0106】
最初に、RT20は、位置登録エリアを変更する予定のBS10から経路情報更新要請を受けたかどうかを判断する(R71)。判断した結果、BS10から経路情報更新要請を受けた場合、RT20は経路情報管理テーブルの該BS10への経路情報を更新する(R72)。更に、経路情報管理テーブルにおける該BS10への経路情報の更新が完了した旨の経路情報更新完了通知をBS10に対し通知する(R73)。
【0107】
[HAの動作フロー]
次に、図21に基づきHA30の動作フローを説明する。
【0108】
最初に、HA30は、何れかのBSからマルチキャストグループの登録変更要請を受けたかどうかを確認する(H71)。確認した結果、何れかのBS(ここではBS10)からマルチキャストグループ登録変更要請を受けた場合には、該BS10から通知されたマルチキャストグループへ、該BS10を再登録する(H72)。再登録の完了後は、BS10に対し、マルチキャストグループの登録変更が完了した旨のマルチキャストグループ登録変更完了通知を送信する(H73)。
【0109】
以上の第4実施形態によれば、位置登録エリア境界付近のセルのBSのうち、トラヒックの多いBSが優先的に選択され、当該選択されたBSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスが変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして設定される。そして、これに応じて該変更BSへの経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、複数のBSは、トラヒック情報に基づいて、自律的に位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、新設BS又はHAは、当該新設BSとの距離が最短である周辺BSを、隣接BSとして認識することで、比較的簡単な計算処理で隣接BSを認識することができ、また、HAが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BS配下のMHのマルチキャストIPアドレスとして登録し、RTが、通知された新設BSのマルチキャストIPアドレスを当該新設BSへの経路情報として登録することで、BSの新設に伴うマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、新設時の位置登録エリアの再設定を自律的かつ適正に行うことができる。
【0111】
また、位置登録エリア境界付近のセルのBSのうち、トラヒックの多いBSが優先的に選択され、当該選択されたBSに隣接している位置登録エリア内のBSが受信しているマルチキャストIPアドレスが変更BSの新たなマルチキャストIPアドレスとして設定される。そして、これに応じて該変更BSへの経路情報も変更されるため、トラヒックの変動によるマルチキャストIPアドレス及び経路情報の変更管理を適正に行うことができる。このようにして、トラヒック情報に基づく位置登録エリアの再設定を適正に行うことができる。
【0112】
また、BSの新設時に、当該新設BSが自局の地理的又は周辺BSとの相対的な位置を認識し、周囲BS及びHAとコンセンサスを行うため、ある位置登録エリアにおいて新設BSが孤立した状態となることを回避することができる。
【0113】
更に、BSが自局配下のセルの着信トラヒック及び通信トラヒックのどちらか一方又は両方を含むトラヒック特性を認識し、当該トラヒック特性をもとに位置登録エリア内のBSの数を動的に変化させるため、上記トラヒック特性を平滑化できるとともに、位置登録エリアの大きさを最適化でき、チャネル効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4実施形態における移動通信システムの構成図である。
【図2】第1実施形態におけるBS新設時の一連の動作を示すチャートである。
【図3】第1実施形態におけるBS撤去時の一連の動作を示すチャートである。
【図4】第1実施形態におけるBSの動作フローの前段を示す流れ図である。
【図5】第1実施形態におけるBSの動作フローの後段を示す流れ図である。
【図6】第1実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図7】第1実施形態におけるHAの動作フローを示す流れ図である。
【図8】第2実施形態におけるBS新設時の一連の動作を示すチャートである。
【図9】第2実施形態におけるBS撤去時の一連の動作を示すチャートである。
【図10】第2実施形態におけるBSの動作フローを示す流れ図である。
【図11】第2実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図12】第2実施形態におけるHAの動作フローの前段を示す流れ図である。
【図13】第2実施形態におけるHAの動作フローの後段を示す流れ図である。
【図14】第3実施形態における位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を示すチャートである。
【図15】第3実施形態におけるBSの動作フローを示す流れ図である。
【図16】第3実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図17】第3実施形態におけるHAの動作フローを示す流れ図である。
【図18】第4実施形態における位置登録エリアの再設定に関する一連の動作を示すチャートである。
【図19】第4実施形態におけるBSの動作フローを示す流れ図である。
【図20】第4実施形態におけるRTの動作フローを示す流れ図である。
【図21】第4実施形態におけるHAの動作フローを示す流れ図である。
【図22】第1実施形態の基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【図23】第2実施形態の移動管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図24】第3実施形態の移動管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図25】第4実施形態の基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…移動通信システム、10、11、12、13…基地局、20、21…経路選択装置、30…移動管理サーバ、40、41…移動局、50…IP網、101…隣接基地局認識手段、101A…位置情報収集手段、101B…認識手段、102…アドレス情報収集手段、103…アドレス設定手段、104…変更要請手段、105…トラヒック測定手段、106…選択手段、106A…情報交換手段、106B…検出手段、106C…比較手段、106D…選択制御手段、107…変更要請手段、301…位置情報受信手段、302…登録手段、302A…周辺基地局検出手段、302B…隣接基地局認識手段、302C…アドレス登録手段、303…トラヒック受信手段、304…選択手段、304A…周辺基地局検出手段、304B…比較手段、304C…基地局選択手段、305…変更手段。
Claims (16)
- 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、
前記移動通信システムに新設された新設基地局が、当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、当該新設基地局に関する隣接基地局を認識する隣接基地局認識ステップと、
新設基地局が、隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集する情報収集ステップと、
新設基地局が、隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定ステップと、
新設基地局が、移動管理サーバに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請ステップと、
を有する位置登録エリア設定方法。 - 前記隣接基地局認識ステップにて、新設基地局は、
当該新設基地局の位置情報を測定するとともに前記周辺基地局から無線又は有線にて当該周辺基地局の位置情報を収集し、当該新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識し、
前記変更要請ステップにて、新設基地局は、前記変更要請とともに、前記設定された自局のマルチキャストIPアドレスを、移動管理サーバ及び経路選択装置へ通知し、
移動管理サーバは、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを、当該新設基地局配下の移動局のマルチキャストIPアドレスとして登録し、
経路選択装置は、通知された新設基地局のマルチキャストIPアドレスを、当該新設基地局への経路情報として登録する、
ことを特徴とする請求項1記載の位置登録エリア設定方法。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、
移動管理サーバが、前記移動通信システムに新設された新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、
移動管理サーバが、受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が形成しているマルチキャストグループに当該新設基地局を登録する登録ステップと、
を有する位置登録エリア設定方法。 - 移動管理サーバは、
各基地局の位置情報、IPアドレスにより規定される階層構造、及び各基地局が所属している位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスを管理しており、
前記登録ステップにて、移動管理サーバは、新設基地局の周辺に位置する周辺基地局を検出し、当該周辺基地局のうち新設基地局から最短距離に位置する基地局を隣接基地局として認識し、当該隣接基地局と同一のマルチキャストIPアドレスを、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録し、さらに、登録したマルチキャストIPアドレスを、新設基地局及び当該新設基地局までの経路上に存在する経路選択装置に通知し、
新設基地局は、
移動管理サーバから通知されたマルチキャストIPアドレスを設定し、
経路選択装置は、
移動管理サーバから通知されたマルチキャストIPアドレスを当該新設基地局の経路情報に登録する、
ことを特徴とする請求項3記載の位置登録エリア設定方法。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、
複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定ステップと、
複数の基地局からトラヒック情報を受信した移動管理サーバが、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択ステップと、
移動管理サーバが、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を行う変更ステップと、
を有する位置登録エリア設定方法。 - 前記選択ステップにて、移動管理サーバは、
トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出し、当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択し、
前記変更ステップにて、移動管理サーバは、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当て、当該変更基地局及び経路選択装置に変更後のマルチキャストIPアドレスを通知し、
変更基地局は、前記通知を受けた場合、従前のマルチキャストIPアドレスを、通知されたマルチキャストIPアドレスに変更し、
経路選択装置は、前記通知を受けた場合、通知された情報に基づいて変更基地局への経路情報を変更する、
ことを特徴とする請求項5記載の位置登録エリア設定方法。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成され、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成された移動通信システムにおける位置登録エリア設定方法であって、
複数の基地局の各々が、各基地局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定ステップと、
複数の基地局が、所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択ステップと、
複数の基地局が、変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を移動管理サーバに要請する変更要請ステップと、
を有する位置登録エリア設定方法。 - 前記選択ステップにて、各基地局は、
自局の周辺に位置する周辺基地局を認識し、測定で得られたトラヒック情報を周辺基地局との間で相互に送受信し、周辺基地局のうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺基地局を検出し、検出された周辺基地局のトラヒック情報と通知元基地局のトラヒック情報とを比較し、自局のトラヒックが何れの周辺基地局のトラヒックよりも大きい場合、自局を変更基地局として選択し、
前記変更要請ステップにて、各基地局は、
当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして変更し、移動管理サーバ及び経路選択装置に変更後のマルチキャストIPアドレスを通知し、
移動管理サーバは、前記通知を受けた場合、該変更基地局あてのマルチキャストIPアドレスを、通知されたマルチキャストIPアドレスに変更し、
経路選択装置は、前記通知を受けた場合、通知されたマルチキャストIPアドレスに基づいて、該変更基地局への経路情報を変更する、
ことを特徴とする請求項7記載の位置登録エリア設定方法。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける基地局であって、
当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、
自局の位置情報及び自局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて、自局に関する隣接基地局を認識する隣接基地局認識手段と、
隣接基地局のマルチキャストIPアドレス情報を収集するアドレス情報収集手段と、
隣接基地局のマルチキャストIPアドレスを自局のマルチキャストIPアドレスとして設定するアドレス設定手段と、
移動管理サーバに、前記設定に応じた自局の位置登録エリアの変更を要請する変更要請手段と、
を備えたことを特徴とする基地局。 - 前記隣接基地局認識手段は、
当該新設基地局の位置情報を測定するとともに前記周辺基地局から無線又は有線にて当該周辺基地局の位置情報を収集する位置情報収集手段と、
当該新設基地局の位置情報及び当該新設基地局の周辺に位置する周辺基地局の位置情報に基づいて当該新設基地局との距離が最短である周辺基地局を、当該新設基地局に関する隣接基地局として認識する認識手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項9記載の基地局。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける基地局であって、
当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、
自局配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を測定するトラヒック測定手段と、
所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段と、
変更先の位置登録エリアに応じて変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアを変更するよう移動管理サーバに要請する変更要請手段と、
を備えたことを特徴とする基地局。 - 前記選択手段は、
自局の周辺に位置する周辺基地局を認識し前記測定で得られたトラヒック情報を周辺基地局との間で相互に送受信する情報交換手段と、
周辺基地局のうちマルチキャストIPアドレスが自局と異なる周辺基地局を検出する周辺基地局検出手段と、
検出された周辺基地局のトラヒック情報と通知元基地局のトラヒック情報とを比較する比較手段と、
比較結果により、自局のトラヒックが何れの周辺基地局のトラヒックよりも大きい場合、自局を変更基地局として選択し、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、自局の新たなマルチキャストIPアドレスとして選択する選択制御手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項11記載の基地局。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける移動管理サーバであって、
当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、
前記移動通信システムに新設された新設基地局から、当該新設基地局の位置情報を受信する位置情報受信手段と、
受信した新設基地局の位置情報及び位置登録エリアの管理情報に基づいて、当該新設基地局が所属すべき位置登録エリアを選択し、選択された位置登録エリア内の基地局が受信しているマルチキャストグループに新設基地局を登録する登録手段と、
を備えたことを特徴とする移動管理サーバ。 - 前記移動管理サーバは、基地局の位置情報、IPアドレスにより規定される階層構造、及び各基地局が所属している位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスを管理しており、
前記登録手段は、
新設基地局の周辺に位置する周辺基地局を検出する周辺基地局検出手段と、
当該周辺基地局のうち新設基地局から最短距離に位置する基地局を隣接基地局として認識する隣接基地局認識手段と、
当該隣接基地局と同一のマルチキャストIPアドレスを、該新設基地局が所属すべき位置登録エリアに対応したマルチキャストIPアドレスとして登録するアドレス登録手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項13記載の移動管理サーバ。 - 複数の基地局と、複数の移動局と、インターネットプロトコル網に接続され各基地局が接続された経路選択装置と、前記インターネットプロトコル網に接続され前記移動局の移動管理を行う移動管理サーバとを含んで構成された移動通信システムにおける移動管理サーバであって、
当該移動通信システムは、前記基地局の集合がマルチキャストグループを形成し、前記マルチキャストグループ内の基地局は同一のマルチキャストIPアドレスが付加されたマルチキャストパケットを受信することが可能で、前記マルチキャストパケットを受信可能な基地局の形成するセルの集合を位置登録エリアとし、前記移動局が通信を行っていないアイドル状態にある場合に、前記アイドル状態の移動局の在圏位置は前記移動管理サーバにより位置登録エリア単位で管理され、前記アイドル状態の移動局宛のパケットが前記移動管理サーバに到着した場合、当該移動管理サーバは宛先の移動局の在圏する位置登録エリアに対応するマルチキャストIPアドレスにて、当該位置登録エリア内の全基地局に前記移動局の呼出用パケットをマルチキャストで転送するよう構成されており、
複数の基地局の各々の配下の着信トラヒック又は通信トラヒックの両方又は一方を含むトラヒック情報を各基地局から受信するトラヒック受信手段と、
所定の規則に基づいて、所属先の位置登録エリアを変更すべき変更基地局、及び変更先の位置登録エリアを選択する選択手段と、
変更先の位置登録エリアに応じた変更基地局のマルチキャストIPアドレス及び位置登録エリアの変更を実行する変更手段と、
を備えたことを特徴とする移動管理サーバ。 - 前記選択手段は、
トラヒック情報を通知した通知元基地局の間で当該トラヒックを比較することでトラヒックが多い基地局群を検出する基地局群検出手段と、
当該基地局群の各基地局の位置情報に基づいて位置登録エリアの境界に近い基地局を変更基地局として選択する基地局選択手段とを含んで構成され、
前記変更手段は、当該周辺基地局のうち最小のトラヒックを持つ周辺基地局のマルチキャストIPアドレスを、変更基地局の新たなマルチキャストIPアドレスとして割り当てる、
ことを特徴とする請求項15記載の移動管理サーバ。
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