JP2004272582A - 計算機システムの性能予測プログラムおよび設計支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】部品結合情報入力部101と、部品性能データベース102Aと、シナリオ生成部103と、パラメータ設定部104と、性能予測部105と、性能表示部106とを備え、性能予測部105は部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を基に部品性能データベース102Aから各部品プログラムの性能値を読み出す機能と、シナリオ生成部103から受信したシナリオ情報とその発生頻度比率、パラメータ設定部104から受信した各パラメータを基に、シミュレーションによって計算機システムの性能値を予測し、その性能値を性能表示部106に送る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度な専門知識を必要とすることなく、インターネットシステム、イントラネットシステムなどの計算機システムの性能予測を行うためのプログラムおよび計算機システムの設計を行うと同時にその計算機システムの性能値が予測するための設計支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インターネットシステム、イントラネットシステムなどの計算機システムの設計では、技術者の過去の経験や勘に頼って計算機システムの性能予測が行われていた。そのため、計算機システムの実装が完成した段階で、要求性能が満たされないことが判明して、再設計など工程の大きな後戻りが発生したり、やむなくサーバ計算機の追加や性能の高い機種への交換が行われるなどの問題があった。
【0003】
特許文献1で開示されている「シミュレーションによるシステム設計支援方式」では、計算機システムの動作を複数のプロセスに分離し、プロセスのそれぞれを複数の動作の組合せで表現し、その組合せの動作パターンに分類し、この動作パターンに基づいて計算機システムのシミュレーションモデルを作成しているが、その目的とするところは、シミュレーションモデルを容易に作成、変更、修正でき、またシミュレーションを効率よく実行することであり、どのようなシミュレーションが行われるのか、シミュレーションの結果、どのようなシステム性能値が得られるのかは明らかになっていない。
【0004】
非特許文献1では、シングルプロファイル法と待ち行列ネットワークモデルを利用した性能予測方法が紹介されている。この方法は、1サーバに1クライアントのみが接続されている無競合状況でトランザクションを発生させ、1トランザクション当たりのシステム資源使用時間を測定し、次に、得られた測定情報を利用して、待ち行列ネットワークモデルを利用した解析的な方法でシステム性能を予測する方法である。しかし、この文献で紹介されている実現方法は、システム資源使用時間を厳密に測定するため、ソフトウェア機能とハードウェア機能を併用した測定ツールが利用され、OS(オペレーティングシステム)のカーネルにソフトウェアを埋め込み、そのソフトウェアにより検出された事象を、ボードを介して電気信号として取り出し記録するという方法であり、専用の装置と専門的な知識と技術を持たなければ実現できない。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−129653号公報
【0006】
【非特許文献1】
情報数学講座「性能評価の基礎と応用」亀田、李、紀著(共立出版)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の技術では、計算機システムの設計時に、システム性能の正確な見積りはできず、技術者の経験や勘に頼っており、経験の無い技術者にとっては大きく性能見積を誤る虞があった。
【0008】
また、提案されているシングルプロファイル法と待ち行列ネットワークモデルを利用した性能予測方法では、計算機システムの性能予測が行えるが、システム資源使用時間を計測するための専用装置と専門的な知識と技術を持たなければ実現できない問題がある。
【0009】
本発明の目的は、計算機システムの設計段階において、シミュレーションにより計算機システムの性能値を予測することが可能なプログラムおよび設計支援システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記部品プログラムとその部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報とを入力する部品結合情報入力手段、
一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオを生成するシナリオ生成手段、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段、
前記部品結合情報を基に、前記部品性能データベースから前記部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段、
前記シナリオと前記部品結合情報とから実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングとを生成する部品列生成手段および
前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とをメモリに保持し、当該保持した前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とを基にシミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラムである。
【0011】
第2の発明は、計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記部品プログラムとその部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報とを入力する部品結合情報入力手段、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段、
前記部品結合情報を基に、部品性能データベースから、前記部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段、
前記部品結合情報から、実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングとを生成する部品列生成手段および
前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とをメモリに保持し、当該保持した前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とを基に、シミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラム。
【0012】
このような第1,第2の発明によれば、ソフトウェアにより計測され得る部品プログラムの性能値とを基にシミュレーションするため、計測に特別な装置や知識は必要なく、容易に計算機システムの性能予測ができ、しかも、予測結果の性能値が要求性能を満たしていない場合には、要求性能を満たすようになるまで、部品プログラムの変更やハードウェアの構成や仕様の変更と、計算機システムの性能予測を繰り返すことができるので、経験の無い技術者でも正確に計算機システムの性能を予測することができ、要求性能を満たすシステムを設計することができる。
【0013】
第3の発明は、計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段および
部品性能データベースから、部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段、
前記部品プログラムの性能値をメモリに保持し、当該保持した前記部品プログラムの性能値を基に、シミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラムである。
【0014】
第4の発明は、計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記部品性能データベースから、前記部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段および
前記部品プログラムの性能値をメモリに保持し、当該保持した前記部品プログラムの性能値を基に、シミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラムである。
【0015】
この第3,第4の発明よれば、計算機システムの設計が行われる前の、計算機システムを構成する部品プログラムが作成された段階で、計算機システムの性能予測ができる。また、部品プログラムの性能を知ることができ、性能の悪い部品プログラムを特定することができ、作成し直すことができる。
【0016】
第5の発明は、計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続される設計支援システムにおいて、
前記部品プログラムとその部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報を入力する部品結合情報入力手段と、
一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオを生成するシナリオ生成手段と、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記部品結合情報を基に、前記部品性能データベースから部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段と、
前記シナリオと前記部品結合情報とから実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングとを生成する部品列生成手段と、
この部品列生成手段によって生成された一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記性能値とを基にシミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段と
を具備することを特徴とする計算機システムの設計支援システムである。
【0017】
この第5の発明によれば、計算機システムの設計に際し、その計算機システムの性能を予測することができる。また、予測された計算機システムの性能値が要求性能を満たさない場合には、要求性能が満たされるまで、部品プログラムの変更、あるいはハードウェアの変更が行え、システム構築後の工程の後戻りやハードウェアの追加という状況を事前に防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
第1の実施形態として、ユーザが計算機システムにアクセスする時の操作手順を想定した、一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオを生成し、ユーザがそのシナリオに基づいて操作する場合の、計算機システムの性能予測を行うことが可能なシステムについて説明する。
【0020】
図1は本実施の形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図である。すなわち、本実施形態の性能予測システムは、部品結合情報入力部101、シナリオ生成部103、パラメータ設定部104、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続している。
【0021】
部品結合情報入力部101は、計算機システムの開発において設定された、各リクエストと部品プログラム、または部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報を外部から受信し、性能予測部105に送信する機能を持つ。部品結合情報としては、例えば、各リクエストと部品プログラムとの結合としては、リクエストR1と部品プログラムaとが結合を表す情報や、部品プログラム間の結合としては、部品プログラムaとbとの結合を表す情報がある。
【0022】
ここで部品性能データベース102Aは、部品プログラムの性能値として、例えば計算機システムを構成する部品プログラム毎の当該部品プログラムを処理するのに要する時間(処理時間)と各サーバ計算機の資源使用率又は量を、性能予測部105から読み出し可能状態で保存している。部品プログラムとは計算機システムのプログラムモジュールであり、計算機システムのユーザからのリクエストに対して、一つの部品プログラム、あるいは複数の部品プログラムが対応し計算が行われる。サーバ計算機の資源とは、その計算機のCPU、ハードディスク、メモリなどである。資源使用率とは、例えばサーバ計算機が128MBのメモリを備えている場合に部品プログラムが64MBを使用するときは、50%という値をいう。また、資源使用量とは、上記の例では128MBのメモリ中、部品プログラムが64MBを使用する場合はその64MBという値をいう。
【0023】
シナリオ生成部103は、一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオを生成する機能と、その発生頻度比率を設定する機能と、そのシナリオ情報とその発生頻度比率を性能予測部105に送信する機能を持つ。シナリオとしては例えば、リクエストR1が呼ばれて実行後、TT1を経過後、リクエストR2に呼ばれるというシナリオ(情報)がある。
【0024】
パラメータ設定部104はハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータを設定し、性能予測部105に送信する機能を持つ。パラメータの内容として例えば、ハードウェアの構成としてはアプリサーバとDBサーバとが1台の計算機で構成されるという情報やアプリサーバとDBサーバとが各々1台ずつの計算機で構成されると言う情報がある。また、ハードウェアの仕様とは、ハードウェア自体の構成、つまり、計算機が有するCPUクロック数やメモリ容量などがある。サーバの種類としては、例えば、アプリサーバには複数の種類があり、各々性能が異なることからそのサーバ種類(内容)の情報がある。
【0025】
性能予測部105は、図示しないメモリを持ち、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を基に部品性能データベース102Aから各部品プログラムの性能値を読み出す機能と、シナリオ生成部103から受信したシナリオ情報とその発生頻度比率、パラメータ設定部104から受信した各パラメータを一時的に前記メモリに保持し該各部品プログラムの性能値、シナリオ情報とその発生頻度比率、各パラメータを基に、シミュレーションによって計算機システムの性能値を予測し、その性能値を性能表示部106に送信する機能を持つ。
【0026】
シミュレーションでは、計算機システムにアクセスするユーザ数が設定されると、シナリオの発生頻度比率に従って各ユーザの実行するシナリオが設定され、各ユーザは設定されたシナリオに従って計算機システムにアクセスする。
【0027】
また、各ユーザの実行するシナリオは決まっておらず、毎回発生頻度比率に従って確率的にシナリオが決定しても良い。
【0028】
性能表示部106は、性能予測部105から受信したシステム性能値を表示する機能を持つ。
【0029】
次に、以上のように構成された性能予測システムの動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
計算機システムの部品プログラムが設計、開発されると、その部品プログラムについて性能値が計測され、部品性能データベース102Aに保存される。ここでは、既に部品性能データベース102Aに、開発された計算機システムの部品プログラムの性能値が保存されているとして説明する。
【0031】
まず、部品結合情報入力部101に外部から部品結合情報が入力され(STEP201)、性能予測部105に送信される。
【0032】
シナリオ生成部103ではオペレータによって、想定される計算機システムのユーザの操作手順を基に、一連のリクエストとそのタイミングからなるシナリオが一種類、あるいは複数種類作成され、シナリオが複数種類作成された場合には、その発生頻度比率が設定され(STEP202)、性能予測部105に送信される。
【0033】
パラメータ設定部104では、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータが設定され(STEP203)、性能予測部105に送信される。
【0034】
性能予測部105では、まず、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値が読み出される(STEP204)。
【0035】
次に、シナリオ生成部103から受信したシナリオとその発生頻度比率と、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報は一時的にメモリに保持された後、これらを基に、実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングが生成される(STEP205)。
【0036】
最後に、一連の部品プログラム列とそのタイミング、部品プログラムの性能値に従って、シミュレーションが行われ(STEP206)、そして、シミュレーションの結果得られた計算機システムの性能値が性能表示部106に送信される。
【0037】
性能表示部106では受信したシステム性能値が表形式、またはグラフ形式で表示される(STEP207)。
【0038】
オペレータは性能表示部106に表示されたシステム性能値を見て、パラメータを変更すると判断すればSTEP203のパラメータ設定に戻る。また、部品プログラムを変更すると判断すれば、部品プログラムが変更され、STEP201の部品選択情報入力に戻る。表示されたシステム性能値が問題なく、パラメータや部品プログラムを変更する必要が無ければシミュレーションによる性能予測を終了することになる。
【0039】
本実施形態では、シナリオ生成部103において、シナリオの設定と、各シナリオの発生頻度比率を設定し、性能予測部105では計算機システムにアクセスするユーザ数が設定され、その結果として、各シナリオを使うユーザ数が設定されるが、シナリオ生成部103においては、シナリオの設定だけが行われ、性能予測部105において、各シナリオを使うユーザ数が直接設定されても良い。
【0040】
以上のように本実施形態によれば、計算機システムのユーザの想定される操作手順を基にシナリオを作成し、また、複数のシナリオの発生頻度比率も想定される値に設定することにより、計算機システムが実際にユーザに利用される環境における計算機システムの性能値を予測することができる。
【0041】
上述した説明は、部品結合情報入力部101、シナリオ生成部103、パラメータ設定部104、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続した性能予測システムに関するものであったが、部品結合情報入力部101、シナリオ生成部103、パラメータ設定部104、性能予測部105夫々に相当する機能を、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続したコンピュータで実現し得るプログラムとして構成することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
第2の実施形態として、ユーザが予め決められたシナリオに基づいて操作する場合、または選択されたリクエストを実施する場合の、計算機システムの性能予測を行うシステムについて説明する。
【0043】
図3は本実施の形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図である。本実施形態の性能予測システムは、部品結合情報入力部101、パラメータ設定部104、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続している。
【0044】
上記第1の実施形態では、シナリオを生成するシナリオ生成部103を装備していたが、本実施形態では、シナリオが予め決められている、または、リクエスト単位に選択されたものが実行されるため、シナリオ生成部103を装備しない。また、部品結合情報入力部101、部品性能データベース102A、パラメータ設定部104、性能表示部106については、その機能も第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0045】
性能予測部105は、図示しないメモリを持ち、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を基に部品性能データベース102Aから各部品プログラムの性能値を読み出す機能と、パラメータ設定部104から受信し一旦メモリに保持した各パラメータを一時的に前記メモリに保持し、該各部品プログラムの性能値、各パラメータを基に、シミュレーションによって計算機システムの性能値を予測し、その性能値を性能表示部106に送信する機能を持つ。
【0046】
シミュレーションでは、リクエスト列とそのタイミングとから構成されるシナリオが予め設定されており、ユーザは予め決められたシナリオに従って計算機システムにアクセスする。または、シナリオは無く、確率的にリクエストが選択され、ユーザは選択される通りに計算機システムにアクセスする。
【0047】
次に、以上のように構成された性能予測システムの動作を表わすフローチャートを図4に示す。図2と同じ動作を表わす手続には同じ符号を記し、説明を省略する。
【0048】
性能予測部105では、まず、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータを一時的にメモリに保持した後、これらを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値が読み出される(STEP204)。
【0049】
次に、予め決められたシナリオまたは確率的に選択されたリクエスト列と、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を基に、実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングが生成される(STEP401)。
【0050】
最後に、一連の部品プログラム列とそのタイミング、部品プログラムの性能値に従って、シミュレーションが行われ(STEP402)、そして、シミュレーションの結果得られた計算機システムの性能値が性能表示部106に送信される。
【0051】
本実施形態によれば、リクエスト単位の性能を知ることができ、性能の悪いリクエストを特定することができる。また、例えば、ユーザの操作手順が無数に考えられ、それら全てをシナリオにすることが難しい場合でも、リクエスト単位で利用頻度が決まっているならば、シナリオなしで計算機システムの性能を予測することができる。
【0052】
上述した説明は、部品結合情報入力部101、パラメータ設定部104、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続した性能予測システムに関するものであったが、部品結合情報入力部101、パラメータ設定部104、性能予測部105夫々に相当する機能を、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続したコンピュータで実現し得るプログラムとして構成することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
第3の実施形態として、予め決められた部品プログラム列とそのタイミングに従って部品プログラムが起動される場合、または選択された部品プログラムが起動される場合の、計算機システムの性能予測を行うシステムについて説明する。
【0054】
図5は本実施の形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図である。本実施形態の性能予測システムは、パラメータ設定部104、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続している。上記第2の実施形態では、部品結合情報入力部101を装備していたが、本実施形態では、起動する部品プログラム列とそのタイミングが予め決められている、または、部品プログラム単位に選択されたものが実行されるため、部品結合情報入力部101を装備しない。また、部品性能データベース102A、パラメータ設定部104、性能表示部106については、その機能も第2の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0055】
性能予測部105は、図示しないメモリを持ち、部品性能データベース102Aに登録されている各部品プログラムの性能値を読み出す機能と、パラメータ設定部104から受信した各パラメータを一時的に前記メモリに保持し該各部品プログラムの性能値、各パラメータを基に、シミュレーションによって計算機システムの性能値を予測し、その性能値を性能表示部106に送信する機能を持つ。
【0056】
シミュレーションでは、部品プログラム列とそのタイミングが予め設定されており、部品プログラムは決められた順番とそのタイミングに従って計算機システムで実行される。または、確率的に部品プログラムの実行順とそのタイミングが決定され、その実行順とタイミングで部品プログラムが計算機システムで実行される。
【0057】
次に、以上のように構成された性能予測システムの動作を表わすフローチャートを図6に示す。図4と同じ動作を表わす手続には同じ符号を記し、説明を省略する。
【0058】
性能予測部105では、まず、パラメータを使い、部品性能データベース102Aに登録されている部品プログラムの性能値が読み出される(STEP601)。
【0059】
次に、予め決められた部品プログラムの実行順とそのタイミング、または確率的に選択された部品プログラムとそのタイミングと、部品プログラムの性能値に従って、シミュレーションが行われ(STEP602)、そして、シミュレーションの結果得られた計算機システムの性能値が性能表示部106に送信される。
【0060】
本実施形態によれば、部品プログラムの性能を知ることができ、性能の悪い部品プログラムを特定することができる。また、計算機システムの設計が行われる前の、各部品プログラムが作成された段階で、計算機システムの利用時における部品プログラムの利用頻度が設定できれば、計算機システムの利用時の性能を予測することができる。
【0061】
上述した説明は、パラメータ設定部104、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続した性能予測システムに関するものであったが、パラメータ設定部104、性能予測部105夫々に相当する機能を、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続したコンピュータで実現し得るプログラムとして構成することができる。
【0062】
(第4の実施形態)
第4の実施形態として、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータが決められた状態で、予め決められた部品プログラム列とそのタイミングに従って部品プログラムが起動される場合、または確率的に部品プログラムとその実行タイミングが決定される場合の、計算機システムの性能予測を行うシステムについて説明する。
【0063】
図7は本実施の形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図である。上記第3の実施形態では、パラメータ設定部104を装備していたが、本実施形態では、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータが決まっているため、パラメータ設定部104を装備しない。
【0064】
その他の、部品性能データベース102A、性能予測部105、性能表示部106を備えていることは第3実施形態と同じである。また、部品性能データベース102A、性能表示部106については、その機能も第3の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0065】
性能予測部105は、図示しないメモリを持ち、部品性能データベース102Aに登録されている各部品プログラムの性能値を読み出す機能と、予め決められたハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータを一時的に前記メモリに保持し、該保持した各部品プログラムの性能値、予め決められたハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータを基に、シミュレーションによって計算機システムの性能値を予測し、その性能値を性能表示部106に送信する機能を持つ。
【0066】
シミュレーションでは、部品プログラム列とそのタイミングが予め設定されており、部品プログラムは決められた順番とそのタイミングに従って計算機システムで実行される。または、確率的に部品プログラムの実行順とそのタイミングが決定され、その実行順とタイミングで部品プログラムが計算機システムで実行される。
【0067】
次に、以上のように構成された性能予測システムの動作を表わすフローチャートを図8に示す。図6と同じ動作を表わす手続には同じ符号を記し、説明を省略する。
【0068】
性能予測部105では、まず、予め決められたハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータを使い、部品性能データベース102Aに登録されている部品プログラムの性能値が読み出される(STEP801)。
【0069】
次に、予め決められた部品プログラムの実行順とそのタイミング、または確率的に選択された部品プログラムとそのタイミングと、部品プログラムの性能値に従って、シミュレーションが行われ(STEP802)、そして、シミュレーションの結果得られた計算機システムの性能値が性能表示部106に送信される。
【0070】
本実施形態によれば、部品プログラムの性能を知ることができ、性能の悪い部品プログラムを特定することができる。また、計算機システムの設計が行われる前の、各部品プログラムが作成された段階で、計算機システムの利用時における部品プログラムの利用頻度が設定できれば、計算機システムの利用時の性能を予測することができる。また、計算機システムのハードウェアの構成と仕様、サーバの種類が決まっていなくても、標準的なハードウェアの構成と仕様、サーバを使用した場合の、計算機システムの利用時の性能を予測することができる。
【0071】
上述した説明は、性能予測部105を備え、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続した性能予測システムに関するものであったが、性能予測部105夫々に相当する機能を、部品性能データベース102Aを格納した記憶装置102および性能表示部106を接続したコンピュータで実現し得るプログラムとして構成することができる。
【0072】
次に、本発明を計算機システムの性能予測に適用した実施形態について説明する。
【0073】
(第5の実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、図1に示すシステムブロックで実施される。
【0074】
計算機システムの構成要素である部品プログラムが構築されると、各種サーバがそれぞれ別の計算機に搭載されるハードウェア構成で、無競合状態でその部品プログラムを単独に実行した場合の処理時間と、サーバ計算機の平均資源使用率又は量が計測され、その部品プログラムの性能値として部品性能データベース102Aに保存される。計算機システムによって、複数のサーバが同一の計算機に搭載されると決まっている場合には、複数のサーバが同一の計算機に搭載された構成で、サーバ計算機の資源使用率又は量が計測されれば良い。サーバ計算機の資源とは、その計算機のCPU、ハードディスク、メモリなどである。
【0075】
計測される部品プログラムの性能値は計測環境すなわち、サーバ計算機の構成や仕様、サーバの種類、データベースのレコード数などによって変化する。本実施形態では、あらゆるサーバ計算機、サーバの種類、データベースのレコード数などの条件で計測された結果が部品性能データベース102Aに記録されており、性能の予測時には、部品プログラム、計算機システムのサーバ計算機、サーバの種類、データベースのレコード数などの条件で検索することにより、前記条件に合う計測値が読み出されるとして説明するが、他の方法として、各部品プログラムについて基準となるサーバ計算機、サーバの種類、データベースのレコード数などの条件で計測された結果が部品性能データベース102Aに記録されており、性能の予測時には、計算機システムのサーバ計算機、サーバの種類、データベースのレコード数などの条件によって、部品性能データベース102Aに記録されている性能値データを変換する方法や、サーバ計算機の仕様やサーバの種類、データベースのレコード数などの条件を引数とした関数の形で部品プログラムの性能値が部品性能データベース102Aに記録されており、性能の予測時には計算機システムのサーバ計算機の仕様やサーバの種類、データベースのレコード数などの条件を引数として与えることで、部品プログラムの性能値が得られる方法などが考えられ、これらの方法を採用しても良い。
【0076】
計算機システムの設計段階では、複数の部品プログラムを組合わせることによって計算機システムが設計される。すると、各リクエストと部品プログラム、または部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報が部品結合情報入力部101を通して性能予測部105に入力される。リクエストと部品プログラム間の結合とは、そのリクエストが計算機システムのユーザによって選択されると実行される部品プログラムの関係を表わす。また、部品プログラム間の結合とは、部品プログラムから実行される部品プログラムの関係を表わす。ここでは部品結合情報として、リクエストR1が部品プログラムaに結合し、部品プログラムaが部品プログラムbに結合している、またリクエストR2が部品プログラムcに結合し、部品プログラムcが部品プログラムdに結合しているという部品結合情報が得られたとして説明する。
【0077】
シナリオ生成部103では、ユーザが計算機システムにアクセスする時の操作手順を基に、一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオが生成され、性能予測部105に送信される。ここでは図9に示すシナリオA1が生成されたとして説明する。シナリオA1はリクエスト(901)R1、R2の順に思考時間(902)TT1を挟んで実行されるシナリオである。
【0078】
パラメータ設定部104では、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータが設定され、性能予測部105に送信される。
【0079】
性能予測部105では、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータ設定部104から受信したパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。図10は部品プログラムa,b,c,dの性能値の一例であり、処理時間と平均Webサーバ計算機CPU使用率を表している。このように横が処理時間、縦がサーバ計算機の資源使用率又は量の長方形を部品ブロック1001ということにする。
【0080】
また、シナリオ生成部103から受信したシナリオと、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定される。図11は図10のシナリオA1と部品結合情報を基に決定された、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングである。シナリオA1のリクエストR1に対応する部品プログラムaとbが続けて実行され、終了すると、思考時間(902)TT1が入り、次いでリクエストR2に相当する部品プログラムcとdが実行される。
【0081】
次に、性能予測部105ではシミュレーションが行われる。シミュレーションでは、前もって、ユーザアクセス数の変化範囲、試行時間、試行回数が決まっていて、一つのユーザアクセス数に対して、試行時間分のシミュレーションが、ユーザアクセスの開始タイミングをランダムに変化させながら試行回数回繰り返される。
【0082】
ここでは一試行分のシミュレーション手順を説明する。
【0083】
・まず、サーバ計算機の資源毎に、シナリオに従ってユーザアクセス数分の部品ブロックが積み重ねられる。
【0084】
・部品ブロックによるサーバ計算機資源の使用率又は量合計が上限値を超える場合には、使用率又は量合計が上限値に一致するように、その部分の部品ブロックのサーバ計算機資源使用率又は量が縮小される。
【0085】
・サーバ計算機資源使用率又は量が縮小された部品ブロックについて、部品ブロックの面積(処理時間×サーバ計算機資源使用率又は量)が一定に保たれるように、処理時間が伸長される。
【0086】
・一つのサーバ計算機の資源について、ある部品ブロックの処理時間が伸長されると、それに合せて他のサーバ計算機の資源についても、その部品ブロックの処理時間が伸長され、同時にその部品ブロックの面積が一定に保たれるように、資源使用率又は量が縮小される。
【0087】
・部品ブロックを並べた結果から計算機システムの性能値が計測される。
【0088】
このシミュレーション結果から、計算機システムの性能値である、ラウンド時間(1101)RT、1秒間に処理されたリクエスト数、Webサーバ計算機の平均CPU使用率などの計算機システムの性能値が得られる。
【0089】
ここでは、図9のシナリオA1がユーザアクセス数2で同時に実行された場合のシミュレーション結果を考える。各部品プログラムが同時に実行され、その結果、部品ブロックが資源使用率又は量方向に積まれることになる。説明を簡単にするため、まずはWebサーバ計算機CPU使用率だけを取り上げて説明する。図12はWebサーバ計算機CPU使用率についてのシミュレーション結果である。図12中のDwはWebサーバ計算機のCPU使用率の上限値であり、100%に近い固定値が与えられている。図12では部品ブロックdの部分で部品ブロックによるWebサーバ計算機のCPU使用率合計が上限値Dwを超えており、その結果、CPU使用率合計が上限値Dwに一致するように部品ブロックdが変形されている。部品ブロックdの処理時間Twd、Webサーバ計算機CPU使用率Dwdは以下のように、Twd2、Dwd2に変化している。
【0090】
【数1】
【0091】
従って、シミュレーション結果、計算機システムの性能値は以下のように変化する。
【0092】
ラウンド時間(1101)RT2は
【数2】
になる。また、1秒間に処理されたリクエスト数は、
【数3】
になる。Webサーバ計算機の平均CPU使用率は
【数4】
になる。
【0093】
説明を簡単にするため、図12ではWebサーバ計算機のCPU使用率だけで説明したが、サーバ計算機が複数ある場合には各サーバ計算機について、また、資源としてCPUだけでなく、ハードディスクやメモリについても同様に部品ブロックを積み重ねていき、資源使用率又は量の上限値を超えた場合にはその部品ブロックが変形される。その場合、変形されるのは資源使用率又は量の上限値を超えたサーバ計算機の資源だけでなく、全サーバ計算機の全資源使用率又は量について、部品ブロックが変形される。
【0094】
次の説明では、Webサーバ計算機のCPU使用率とデータベースサーバ計算機のCPU使用率の2つを取り上げて説明する。図13は図10と同様に、部品プログラムa,b,c,dの性能値の一例であり、処理時間と平均データベースサーバ計算機CPU使用率を表している。
【0095】
シナリオA1がユーザアクセス数2で同時に実行された場合を考える。2ユーザによって同時にシナリオが実行された場合の結果は図14になる。すなわち、Webサーバ計算機のCPU使用率について、部品ブロックdで上限値Dwを超え、部品ブロックdが変形される。この変化に伴ってデータベースサーバ計算機CPU使用率の図でも部品ブロックdの処理時間がTdd2に伸長され、CPU使用率がDdd2に縮小される。
【0096】
【数5】
【0097】
上の説明では、ユーザアクセス数2で同時にシナリオが実行される場合について結果を示したが、実際のシミュレーションでは、前もって、ユーザアクセス数の変化範囲、試行時間、試行回数が決まっていて、一つのユーザアクセス数に対して、試行時間分のシミュレーションが、ユーザアクセスの開始タイミングをランダムに変化させながら試行回数回繰り返される。
【0098】
シミュレーションの結果得られた計算機システムの性能値が性能表示部106に送信される。性能表示部106では、受信したシミュレーション結果を表形式やグラフなどで表示する。図15から図17はシミュレーション結果を表わすグラフの例である。図15は横軸がユーザアクセス数、縦軸が1秒当たりのリクエスト数のグラフである。図16は横軸が1秒当たりのリクエスト数、縦軸がラウンド時間のグラフである。図17は横軸が1秒当たりのリクエスト数、縦軸がWebサーバのCPU使用率のグラフである。
【0099】
以上のように本実施形態によれば、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、ユーザアクセス数とシナリオに従って部品ブロックを積み重ねることで、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0100】
(第6の実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、複数のシナリオが生成され、各シナリオに設定された発生頻度比率に従って確率的に発生するシナリオが選択される場合の例であり、図1に示すシステムブロックで実施される。
【0101】
第5の実施形態では、シナリオ生成部103によって一つのシナリオA1が生成され、性能予測部105においても、一種類のシナリオが利用されるとして説明したが、本実施形態では、シナリオ生成部103によって複数種類のシナリオが生成され、各シナリオの発生頻度比率が設定される。また、性能予測部105では、複数種類のシナリオによるシミュレーションが行われる。その他の部分は第5の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0102】
ここでは部品プログラムa,b,c,dに加え、部品プログラムe,f,g,hの性能値が計測され、部品性能データベースに記録されているとする。
【0103】
複数の部品プログラムを組合わせることによって計算機システムが設計されると、各リクエストと部品プログラム、または部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報が部品結合情報入力部101を通して性能予測部105に入力される。ここでは部品結合情報として、リクエストR1が部品プログラムaに結合し、部品プログラムaが部品プログラムbに結合している、リクエストR2が部品プログラムcに結合し、部品プログラムcが部品プログラムdに結合している、リクエストR3が部品プログラムeに結合し、部品プログラムeが部品プログラムfに結合している、またリクエストR4が部品プログラムgに結合し、部品プログラムgが部品プログラムhに結合しているという情報が得られたとして説明する。
【0104】
シナリオ生成部103では、ユーザが計算機システムにアクセスする時の操作手順を基に、一連のリクエストとそのタイミングとから構成される複数のシナリオが生成され、各シナリオの発生頻度比率が設定される。そしてシナリオと発生頻度比率は性能予測部105に送信される。ここでは図18に示すA1とA2の2種類のシナリオが生成され、発生頻度比率は0.5、0.5に設定されたとして説明する。シナリオA1はリクエストR1、R2の順に思考時間TT1を挟んで実行される。シナリオA2はリクエストR3、R4の順に思考時間TT2を挟んで実行される。
【0105】
性能予測部105では、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータ設定部104から受信したパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。部品プログラムa,b,c,dの性能値は図9、部品プログラムe,f,g,hの性能値は図19であるとする。
【0106】
また、シナリオ生成部103から受信したシナリオ情報と、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定される。図20はシナリオA1とA2について、部品結合情報を基に決定された、部品プログラムの実行される順列とそのタイミングである。シナリオA1では、リクエストR1に対応する部品プログラムaとbが続けて実行され、終了すると、思考時間(902)TT1が入り、次いでリクエストR2に対応する部品プログラムcとdが実行される。シナリオA2では、リクエストR3に対応する部品プログラムeとfが続けて実行され、終了すると、思考時間(902)TT2が入り、次いでリクエストR4に対応する部品プログラムgとhが実行される。
【0107】
次に、性能予測部105ではシミュレーションが行われる。シミュレーションでは、前もって、ユーザアクセス数の変化範囲、試行時間、試行回数が決まっていて、一つのユーザアクセス数に対して、試行時間分のシミュレーションが、ユーザアクセスの開始タイミングをランダムに変化させながら試行回数回繰り返される。
【0108】
ここでは一試行分のシミュレーション手順を説明する。
【0109】
・まず、アクセスユーザ毎に、シナリオの発生頻度比率に従って確率的にシナリオが選択される。
【0110】
・サーバ計算機の資源毎に、シナリオに従ってアクセスユーザの部品ブロックが積み重ねられる。
【0111】
・部品ブロックによるサーバ計算機資源の使用率又は量の合計が上限値を超える場合には、使用率又は量の合計が上限値に一致するように、その部分の部品ブロックのサーバ計算機資源使用率又は量が縮小される。
【0112】
・サーバ計算機資源使用率又は量が縮小された部品ブロックについて、部品ブロックの面積(処理時間×サーバ計算機資源使用率又は量)が一定に保たれるように、処理時間が伸長される。
【0113】
・一つのサーバ計算機の資源について、ある部品ブロックの処理時間が伸長されると、それに合せて他のサーバ計算機の資源についても、その部品ブロックの処理時間が伸長され、同時にその部品ブロックの面積が一定に保たれるように、資源使用率又は量が縮小される。
【0114】
・部品ブロックを並べた結果から計算機システムの性能値が計測される。
【0115】
このシミュレーション結果から、計算機システムの性能値である、ラウンド時間(1101)RT、1秒間に処理されたリクエスト数、Webサーバ計算機の平均CPU使用率などの計算機システムの性能値が得られる。
【0116】
ここでは、アクセスユーザ数が2で、シナリオA1とA2が各1つ選択され、同時に実行された場合の結果を考える。各シナリオに従って部品ブロックが積まれる。説明を簡単にするため、Webサーバ計算機のCPU使用率だけを取り上げて説明するが、実際のシミュレーションでは、全サーバ計算機の全資源使用率又は量について計算が行われる。図21はWebサーバ計算機CPU使用率についてのシミュレーション結果である。図21中のDwはWebサーバ計算機のCPU使用率の上限値であり、100%に近い固定値が与えられている。図21では部品ブロックによるWebサーバ計算機CPU使用率合計が上限値Dwを超えることは無かったので部品ブロックの変形は行われていない。
【0117】
従って、シミュレーション結果、計算機システムの性能値は以下のようになる。
【0118】
シナリオA1のラウンド時間(1101)RT3_1は
【数6】
【0119】
シナリオA2のラウンド時間(1101)RT3_2は
【数7】
になる。また、1秒間に処理されたリクエスト数は、
【数8】
になる。Webサーバ計算機の平均CPU使用率は
【数9】
になる。
【0120】
以上のように本実施形態によれば、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、ユーザアクセス数と複数種類のシナリオに従って部品ブロックを積み重ねることで、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0121】
(第7の実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、パラメータとしてサーバ計算機の資源使用率又は量の上限値を設定できる場合の例であり、図1に示すシステムブロックで実施される。
【0122】
第5の実施形態、第6の実施形態では、サーバ計算機の資源使用率又は量の上限値は一定値に固定されているとして説明したが、本実施形態では、パラメータ設定部104において、パラメータの一つとしてサーバ計算機資源使用率又は量の上限値が設定される。また、性能予測部105では、パラメータ設定部104で設定されたサーバ計算機資源使用率又は量の上限値を使って計算機システムの性能予測が行われる。その他の部分は第5の実施形態、第6の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0123】
パラメータ設定部104では、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータに加え、サーバ計算機の資源使用率又は量の上限値が設定され、性能予測部105に送信される。
【0124】
性能予測部105では、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータ設定部104から受信したパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。
【0125】
また、シナリオ生成部103から受信したシナリオ情報と、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定される。
【0126】
次に、性能予測部105では、パラメータ設定部104から受信したサーバ計算機の資源使用率又は量の上限値としてシミュレーションが行われる。シミュレーションでは、前もって、ユーザアクセス数の変化範囲、試行時間、試行回数が決まっていて、一つのユーザアクセス数に対して、試行時間分のシミュレーションが、ユーザアクセスの開始タイミングをランダムに変化させながら試行回数回繰り返される。
【0127】
ここでは一試行分のシミュレーション手順を説明する。
【0128】
・まず、サーバ計算機の資源毎に、シナリオに従ってユーザアクセス数分の部品ブロックが積み重ねられる。
【0129】
・部品ブロックによるサーバ計算機資源の使用率又は量の合計が、パラメータ設定部104で設定されたサーバ計算機資源使用率又は量の上限値を超える場合には、使用率又は量の合計が上限値に一致するように、その部分の部品ブロックのサーバ計算機資源使用率又は量が縮小される。
【0130】
・サーバ計算機資源使用率又は量が縮小された部品ブロックについて、部品ブロックの面積(処理時間×サーバ計算機資源使用率又は量)が一定に保たれるように、処理時間が伸長される。
【0131】
・一つのサーバ計算機の資源について、ある部品ブロックの処理時間が伸長されると、それに合せて他のサーバ計算機の資源についても、その部品ブロックの処理時間が伸長され、同時にその部品ブロックの面積が一定に保たれるように、資源使用率又は量が縮小される。
【0132】
・部品ブロックを並べた結果から計算機システムの性能値が計測される。
【0133】
このシミュレーション結果から、計算機システムの性能値である、ラウンド時間(1101)RT、1秒間に処理されたリクエスト数、Webサーバ計算機の平均CPU使用率などの計算機システムの性能値が得られる。
【0134】
ここでは、Webサーバ計算機のCPU使用率の上限値がDw2に設定された時に、図9のシナリオA1がユーザアクセス数2で同時に実行された場合のシミュレーション結果を考える。各部品プログラムが同時に実行され、その結果、部品ブロックが資源使用率又は量方向に積まれることになる。説明を簡単にするため、Webサーバ計算機CPU使用率だけを取り上げて説明する。図22はWebサーバ計算機CPU使用率についてのシミュレーション結果である。図22中のDw2は、パラメータとして設定されたWebサーバ計算機のCPU使用率の上限値である。図22では部品ブロックbとdで上限値Dw2を超え、変形されている。部品ブロックb,dの処理時間Twb3,Twd3、Webサーバ計算機CPU使用率Dwb3,Dwd3は、以下のように、Twb3,Twd3,Dwb3,Dwd3に変化する。
【0135】
【数10】
【0136】
従って、シミュレーション結果、計算機システムの性能値は以下のように変化する。
【0137】
ラウンド時間RT4は
【数11】
になる。また、1秒間に処理されたリクエスト数は、
【数12】
になる。Webサーバ計算機の平均CPU使用率は
【数13】
になる。
【0138】
説明を簡単にするため、図22ではWebサーバ計算機のCPU使用率だけで説明したが、サーバ計算機が複数ある場合には各サーバ計算機について、また、資源としてCPUだけでなく、ハードディスクやメモリについても同様に部品ブロックを積み重ねていき、資源使用率又は量の上限値を超えた場合にはその部品ブロックが変形される。その場合、変形されるのは資源使用率又は量の上限値を超えたサーバ計算機の資源だけでなく、全サーバ計算機の全資源使用率又は量について、部品ブロックが変形される。
【0139】
以上のように本実施形態によれば、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、ユーザアクセス数とシナリオに従って部品ブロックを積み重ねて、サーバ計算機の資源使用率又は量が上限を超える場合には部品ブロックの面積は一定のままに部品ブロックを変形させることにより、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0140】
(第8の実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とを基に、サーバ計算機資源使用率又は量の時間平均値を計算し、そのサーバ計算機資源使用率又は量の時間平均値を使ったシミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する場合の例であり、図1に示すシステムブロックで実施される。
【0141】
第5の実施形態から第7の実施形態では、性能予測部105において、シナリオ生成部103から受信したシナリオ情報と、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とを使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定し、シミュレーションでは部品プログラムが実行される順列とそのタイミングに従って部品ブロックが積み重ねられるが、本実施形態では、性能予測部105において、シナリオ毎にサーバ計算機資源使用率又は量の時間平均値が計算され、その時間平均値を使った性能予測が行われる。その他の部分は第5の実施形態から第7の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0142】
性能予測部105では、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータ設定部104から受信したパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。
【0143】
また、シナリオ生成部103から受信したシナリオ情報と、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定する。
【0144】
次に、性能予測部105では、部品プログラムが実行される順列とそのタイミング、および部品プログラムの性能値とを基に、シナリオ毎にサーバ計算機資源使用率又は量の時間平均値が計算される。シナリオの処理時間を横、サーバ計算機資源使用率又は量を縦にするブロックを、平均値ブロック2301ということにする。図23はシナリオA1におけるWebサーバ計算機CPU使用率の平均値ブロックである。
【0145】
最後に、性能予測部105では、平均値ブロックを用いたシミュレーションが行われる。シミュレーションでは、前もってユーザアクセス数の変化範囲が決まっていて、ユーザアクセス数を変化させてシミュレーションが行われる。
【0146】
ここでは一試行分のシミュレーション手順を説明する。
【0147】
・まず、サーバ計算機の資源毎に、図23の平均値ブロックが、積み重ねられる。
【0148】
・サーバ計算機資源の使用率合計が上限値Dを超える場合には、使用率合計が上限値に一致するように、平均値ブロックのサーバ計算機資源使用率又は量が縮小される。
【0149】
・サーバ計算機資源使用率又は量が縮小された場合、平均値ブロックの面積(処理時間×サーバ計算機資源平均使用率)が一定に保たれるように、処理時間が伸長される。
【0150】
・一つのサーバ計算機資源について、平均値ブロックの処理時間が伸長されると、それに合せて他のサーバ計算機の資源についても、平均値ブロックの処理時間が伸長され、同時に平均値ブロックの面積が一定に保たれるように、資源平均使用率が縮小される。
【0151】
・平均値ブロックを並べた結果から計算機システムの性能値が計測される。
【0152】
このシミュレーション結果から、計算機システムの性能値である、ラウンド時間(1101)RT、1秒間に処理されたリクエスト数、Webサーバ計算機の平均CPU使用率などの計算機システムの性能値が得られる。
【0153】
ここでは、シナリオA1がユーザアクセス数2で同時に実行された場合のシミュレーション結果を考える。2ユーザによって同時にシナリオが実行された場合、平均値ブロックが資源使用率又は量方向に積まれることになる。説明を簡単にするため、Webサーバ計算機CPU使用率だけを取り上げて説明する。図24はWebサーバ計算機CPU使用率についてのシミュレーション結果である。図24中のDwはWebサーバ計算機のCPU使用率の上限値である。図24ではWebサーバ計算機のCPU使用率合計は上限値Dwを超えていない。従って、ラウンド時間RT5はRTのままで、
【数14】
になる。また、1秒間に処理されたリクエスト数は、
【数15】
になる。Webサーバ計算機の平均CPU使用率は
【数16】
になる。
【0154】
説明を簡単にするため、図24ではWebサーバ計算機のCPU使用率だけで説明したが、サーバ計算機が複数ある場合には各サーバ計算機について、また、資源としてCPUだけでなく、ハードディスクやメモリについても同様に平均ブロックを積み重ねていき、資源使用率又は量の上限値を超えた場合には平均ブロックが変形される。その場合、変形されるのは資源使用率又は量の上限値を超えたサーバ計算機の資源だけでなく、全サーバ計算機の全資源使用率又は量について、平均ブロックが変形される。
【0155】
以上のように本実施形態によれば、シナリオ生成部103が無い構成であり、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、資源使用率又は量の上限値を超えた場合には平均ブロックを変形した上で、当該部品ブロックをユーザアクセス数とシナリオに従って部品ブロックを積み重ねて、サーバ計算機の資源使用率又は量が上限を超える場合には部品ブロックの面積は一定のままに部品ブロックを変形させることにより、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0156】
(第9の実施形態)
本実施形態は、第2実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、計算機システムの性能予測システムにシナリオ生成部103が無い場合の例であり、図3に示すシステムブロックで実施される。
【0157】
第5の実施形態から第8の実施形態では、シナリオ生成部103によって、リクエスト列とそのタイミングからなるシナリオが生成されていたが、本実施形態では、シナリオ生成部103が無く、予め決められたシナリオが利用される、あるいはリクエスト単位に選択されたものが実行される。
【0158】
性能予測部105では、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報とパラメータ設定部104から受信したパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。
【0159】
また、予め決められたシナリオと、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定され、シミュレーションが行われる。あるいは、シナリオは決められて無く、確率的にリクエストとそのタイミングが決定され、部品結合情報入力部101から受信した部品結合情報を使って、部品プログラムが実行される順列とそのタイミングが決定され、シミュレーションが行われる。
【0160】
その他の部分は第5の実施形態から第8の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0161】
以上のように本実施形態によれば、シナリオ生成部103が無い構成で、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、ユーザアクセス数と、予め決められたシナリオ又はシナリオは決められて無くて確率的にリクエストとそのタイミングが決定されたものに従って部品ブロックを積み重ねて、サーバ計算機の資源使用率又は量が上限を超える場合には部品ブロックの面積は一定のままに部品ブロックを変形させることにより、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0162】
(第10の実施形態)
本実施形態は、第3実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、計算機システムの性能予測システムにシナリオ生成部103と部品結合情報入力部101がない場合の例であり、図5に示すシステムブロックで実施される。
【0163】
第5の実施形態から第8の実施形態では、シナリオ生成部103によって、リクエスト列とそのタイミングからなるシナリオが生成され、部品結合情報入力部101によって、リクエストと部品プログラム、または部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報が性能予測部105に入力されていた。しかし、本実施形態ではシナリオ生成部103と部品結合情報入力部101が無く、予め決められた部品プログラム列とそのタイミングが利用される、あるいは部品プログラム単位に選択されたものが実行される。
【0164】
性能予測部105では、パラメータ設定部104から受信したパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。
【0165】
また、予め決められた部品プログラムが実行される順列とそのタイミングに従ってシミュレーションが行われる。あるいは、確率的に部品プログラムの実行順とそのタイミングが決定され、シミュレーションが行われる。
【0166】
その他の部分は第5の実施形態から第8の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0167】
以上のように本実施形態によれば、シナリオ生成部103と部品結合情報入力部101が無い構成であるが、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、予め決められた部品プログラム列とそのタイミングと、予め決められたシナリオ又はシナリオは決められて無くて確率的にリクエストとそのタイミングが決定されたものに従って部品ブロックを積み重ねて、サーバ計算機の資源使用率又は量が上限を超える場合には部品ブロックの面積は一定のままに部品ブロックを変形させることにより、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0168】
(第11の実施形態)
本実施形態は、第4実施形態の発明を計算機システムの性能予測に適用したものであり、計算機システムの性能予測システムにシナリオ生成部103と部品結合情報入力部101とパラメータ設定部104が無い場合の例であり、図7に示すシステムブロックで実施される。
【0169】
第5の実施形態から第8の実施形態では、シナリオ生成部103によって、リクエスト列とそのタイミングからなるシナリオが生成され、部品結合情報入力部101によって、リクエストと部品プログラム、または部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報が性能予測部105に入力され、パラメータ設定部104によって、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータが設定され、性能予測部105に送信されていた。しかし、本実施形態ではシナリオ生成部103と部品結合情報入力部101とパラメータ設定部104が無く、ハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータが予め決められており、予め決められた部品プログラム列とそのタイミングが利用される、あるいは部品プログラム単位に選択されたものが実行される。
【0170】
性能予測部105では、予め決められたハードウェアの構成と仕様、サーバの種類を含むパラメータを基に、部品性能データベース102Aから選択された部品プログラムの性能値として処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量が読み出される。次に、予め決められた部品プログラムが実行される順列とそのタイミングに従ってシミュレーションが行われる。あるいは、確率的に部品プログラムの実行順とそのタイミングが決定され、シミュレーションが行われる。
【0171】
その他の部分は第5の実施形態から第8の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0172】
以上のように本実施形態によれば、シナリオ生成部103と部品結合情報入力部101とパラメータ設定部104が無い構成であるが、計算機システムを部品プログラムの組合せで表現し、部品プログラムを処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量との積である長方形の部品ブロックで表わし、予め決められた部品プログラム列とそのタイミングと、予め決められたシナリオ又はシナリオは決められて無くて確率的にリクエストとそのタイミングが決定されたものに従って部品ブロックを積み重ねて、サーバ計算機の資源使用率又は量が上限を超える場合には部品ブロックの面積は一定のままに部品ブロックを変形させることにより、計算機システムの性能を予測することができ、オペレータはこの予測結果を基に、部品プログラムの変更やハードウェア構成の変更などを判断することができる。また、部品プログラムの性能値は、処理時間、サーバ計算機の資源使用率又は量であり、計測に特別な装置などを要しないので、本実施形態は容易に実施することが可能である。
【0173】
なお、上記各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0174】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0175】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0176】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0177】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0178】
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0179】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0180】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0181】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、計算機システムの設計段階に、計算機システムを構成する部品プログラムの性能値と、設計情報、および想定されるユーザの操作手順を基に、シミュレーションにより計算機システムの性能値を予測することが可能なプログラムおよびシステムを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図。
【図2】同実施形態に係る性能予測方法の手順を示すフローチャート図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図。
【図4】同実施形態に係る性能予測方法の手順を示すフローチャート図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図。
【図6】同実施形態に係る性能予測方法の手順を示すフローチャート図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る性能予測プログラムが実行される性能予測システムの構成を例示するブロック図。
【図8】同実施形態に係る性能予測方法の手順を示すフローチャート図。
【図9】本発明の第5の実施形態におけるシナリオA1を表わす図。
【図10】同実施形態における部品プログラムa,b,c,dの処理時間と平均Webサーバ計算機CPU使用率を表わす図。
【図11】同実施形態におけるシナリオA1を部品プログラムの処理時間とタイミングとWebサーバ計算機CPU使用率で表した図。
【図12】同実施形態におけるシナリオA1を2ユーザで同時に実行したシミュレーション結果の図。
【図13】同実施形態における部品プログラムa,b,c,dの処理時間と平均データベースサーバ計算機CPU使用率を表わす図。
【図14】同実施形態におけるシナリオA1を2ユーザで同時に実行した場合のWebサーバ計算機のCPU使用率とデータベースサーバ計算機のCPU使用率の図。
【図15】同実施形態におけるシミュレーション結果を横軸がプロセス数、縦軸が1秒当たりのリクエスト数で示したグラフ。
【図16】同実施形態におけるシミュレーション結果を横軸が1秒当たりのリクエスト数、縦軸がラウンド時間で示したグラフ。
【図17】同実施形態におけるシミュレーション結果を横軸が1秒当たりのリクエスト数、縦軸がWebサーバのCPU使用率で示したグラフ。
【図18】本発明の第6の実施形態におけるシナリオA1とA2を表わす図。
【図19】同実施形態における部品プログラムe,f,g,hの処理時間と平均Webサーバ計算機CPU使用率を表わす図。
【図20】同実施形態におけるシナリオA1とA2を部品プログラムの処理時間とタイミングとWebサーバ計算機CPU使用率で表した図。
【図21】同実施形態におけるシナリオA1とA2を1ユーザずつで同時に実行したシミュレーション結果の図。
【図22】本発明の第7の実施形態におけるWebサーバ計算機CPU使用率の上限値をDw2に設定し、シナリオA1を2ユーザで同時に実行したシミュレーション結果の図。
【図23】本発明の第8の実施形態におけるシナリオA1におけるWebサーバ計算機CPU使用率の平均値ブロックの図。
【図24】同実施形態における平均値ブロックを使った、シナリオA1を2ユーザで同時に実行したシミュレーション結果の図。
【符号の説明】
101…部品結合情報入力部、102…記憶装置、102A…部品性能データベース、103…シナリオ生成部、104…パラメータ設定部、105…性能予測部、106…性能表示部、901…リクエスト、902…思考時間、1001…部品ブロック、1201…ラウンド時間、2301…平均値ブロック。
Claims (10)
- 計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記部品プログラムとその部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報とを入力する部品結合情報入力手段、
一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオを生成するシナリオ生成手段、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段、
前記部品結合情報を基に、前記部品性能データベースから前記部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段、
前記シナリオと前記部品結合情報とから実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングとを生成する部品列生成手段および
前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とをメモリに保持し、当該保持した前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とを基にシミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラム。 - 計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記部品プログラムとその部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報とを入力する部品結合情報入力手段、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段、
前記部品結合情報を基に、部品性能データベースから、前記部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段、
前記部品結合情報から、実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングとを生成する部品列生成手段および
前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とをメモリに保持し、当該保持した前記一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記部品プログラムの性能値とを基に、シミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラム。 - 計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段および
部品性能データベースから、部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段、
前記部品プログラムの性能値をメモリに保持し、該保持した部品プログラムの性能値を基に、シミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラム。 - 計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続されるコンピュータを、
前記部品性能データベースから、前記部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段および
前記部品プログラムの性能値をメモリに保持し、当該保持した前記部品プログラムの性能値を基に、シミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段
として機能させるための計算機システムの性能予測プログラム。 - 請求項1乃至4のいずれか一項記載の計算機システムの性能予測プログラムにおいて、
前記性能予測手段のシミュレーションは、前記部品プログラムの性能値として前記部品プログラムの処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量とに基づくシミュレーションであることを特徴とする計算機システムの性能予測プログラム。 - 請求項1乃至5のいずれか一項記載の計算機システムの性能予測プログラムにおいて、
前記性能予測手段のシミュレーションは、前記部品プログラムの性能値として前記部品プログラムの処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量に基づき、前記サーバ計算機の資源使用率又は量の時系列変化を計算し、前記サーバ計算機の資源使用率又は量が上限値を越える場合には、前記サーバ計算機の資源使用率又は量が上限値に一致するように、前記部品プログラムのサーバ計算機資源使用率又は量を減少させ、前記部品プログラムの処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量の積が一定になるように部品プログラムの処理時間を増加させることを特徴とする計算機システムの性能予測プログラム。 - 請求項1記載の計算機システムの性能予測プログラムにおいて、
前記シナリオ生成手段は、複数のシナリオの生成と、各シナリオの発生頻度比率の設定とが行われ、前記性能予測手段は、前記発生頻度比率に従って確率的に発生するシナリオが選択されることを特徴とする計算機システムの性能予測プログラム。 - 請求項1乃至3のいずれか一項記載の計算機システムの性能予測プログラムにおいて、
パラメータ設定手段は、パラメータとして、サーバ計算機の資源使用率又は量の上限値を設定でき、性能予測手段では、前記サーバ計算機の資源使用率又は量の上限値を越えないように前記部品プログラムのサーバ計算機資源使用率又は量を減少させ、前記部品プログラムの処理時間とサーバ計算機資源使用率又は量の積が一定になるように部品プログラムの処理時間を増加させることを特徴とする計算機システムの性能予測プログラム。 - 請求項1乃至8のいずれか一項記載の計算機システムの性能予測プログラムにおいて、
前記性能予測手段は、前記部品プログラムの性能値とを基に、サーバ計算機資源使用率又は量の時間平均値を計算し、そのサーバ計算機資源使用率又は量の時間平均値を使ったシミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測することを特徴とする計算機システムの性能予測プログラム。 - 計算機システムを構成する部品プログラムの性能値を保持した部品性能データベースに接続される設計支援システムにおいて、
前記部品プログラムとその部品プログラム間の結合を表わす部品結合情報を入力する部品結合情報入力手段と、
一連のリクエストとそのタイミングとから構成されるシナリオを生成するシナリオ生成手段と、
前記計算機システムのハードウェア構成と仕様とを含むパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記部品結合情報を基に、前記部品性能データベースから部品プログラムの性能値を読み出す性能読出手段と、
前記シナリオと前記部品結合情報とから実行される一連の部品プログラム列とそのタイミングとを生成する部品列生成手段と、
この部品列生成手段によって生成された一連の部品プログラム列とそのタイミングと前記性能値とを基にシミュレーションによって前記計算機システムの性能値を予測する性能予測手段と
を具備することを特徴とする計算機システムの設計支援システム。
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