JP2004271795A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、帯電安定性、環境安定性、加熱保存安定性、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れたトナーを提供することにある。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、荷電制御剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、芳香族ヒドロキシカルボン酸アルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ画像解析装置で測定した形状係数SF−1、及びSF−2の値がそれぞれ、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、荷電制御剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、芳香族ヒドロキシカルボン酸アルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ画像解析装置で測定した形状係数SF−1、及びSF−2の値がそれぞれ、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等を利用して画像の形成がなされる電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等において、静電荷像の現像のために用いられる静電荷像現像用トナー粒子(以下、「トナー粒子」という。)及び外添剤を含む静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に形成された静電潜像を現像する方法として、微細トナーが電気絶縁性液体に分散された液体現像剤を用いる方法(湿式現像法)および結着樹脂中に着色剤あるいは磁性粉体等が分散されたトナーを用いる方法(乾式現像法)が知られている。乾式現像法では、キャリアとトナーとからなる二成分型現像剤を用いる方法、および、キャリアを用いずにトナーのみからなる一成分型現像剤を用いる方法が知られている。
【0003】
これら静電荷像現像用トナーは、結着樹脂とともに、染料、顔料などの着色剤、磁性トナーの場合には更に磁性粉体等が用いられているが、これらの成分のみでは通常望ましい帯電性が得られないため、さらに荷電制御剤を用いることが行われている。従来の荷電制御剤の代表的な例としては、トナーに正荷電を与えるものとしては、例えばニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料あるいは第4級アンモニウム塩等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとしては、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料のごとき含金属染料があげられる。しかし、このような従来の荷電制御剤には、結着樹脂との相溶性或いは濡れ性が悪くトナー中に均一分散しにくいとか、荷電制御剤の安定性が悪い、あるいは昇華性であるため等の理由により、長期にわたってトナーに安定して良好な荷電制御性を付与することができない、更には荷電制御剤が着色しておりカラートナーの荷電制御剤として適していない等の問題点を有するものが多くみられた。
【0004】
また更に、トナーを夏場などに長時間高温(40〜50℃)の状態で放置しておくことによりトナーの表面状態が経時変化を引き起こし複写画像の品質の悪化、トナーの紙等の被転写体へ転写される量の割合を示す数値である転写率の低下及び複写機やプリンターの機内のトナーの飛散を引き起こしてしまう問題がある。すなわち製造したばかりの状態では画像の品質に優れ、カブリが少なく、トナーの転写率も高く、また機内のトナーの飛散も少ないが、長時間高温の状態にさらされることによりトナーが経時変化を起こしてしまい、複写枚数の増加とともに、かぶりが増大し、更に機内飛散が増大してしまう。この加熱経時における劣化はトナーの帯電減衰によるものであり、荷電制御剤による原因が大きい。
【0005】
このような問題点を解決しうる荷電制御剤として、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体(例えば特許文献1、2および3)やサリチル酸およびその誘導体の二価の金属塩(例えば特許文献4)が提案されている。これらの荷電制御剤は、淡色のものが多く、カラートナー用として使用されているのが現状であるが、樹脂に対する均一分散性、荷電制御性について更に研究の余地を有するものである。また加熱経時による劣化の対策も施されていない問題点がある。
またCr、Fe、Mn、Cu等の金属を中心金属として用いると比較的良好な帯電制御性を得られるものの、有色であるためカラートナーには適さない。
【0006】
これらの欠点を改良する試みとして従来、着色剤の種類や添加量、荷電制御剤の添加量、流動化剤や研磨剤などの外添剤の種類や添加量、製造条件、更に二成分現像剤の場合は、キャリア粒子の粒度分布や抵抗、コーティング剤の選択等の材料の選択や組み合わせの改良が行われて来たが、必ずしも満足の行く結果が得られていないのが現状である。またフルカラートナー用の荷電制御剤は色再現性等の諸問題があり有用な材料が少ないのが現状である。
【0007】
また、形状係数に関する提案としては、SF−1およびSF−2(特許文献5、6および7)の値を規定することにより帯電性の安定化を図り、画像特性の向上を目的としたものも見られる。しかしこれでは帯電安定性が不十分で、画像特性を十分に満足できない場合がある。
【0008】
【特許文献1】特公昭55−42752号(請求項)
【特許文献2】特開平7−84412号(請求項)
【特許文献3】特開平9−34177号(請求項)
【特許文献4】特公平7−62766号(請求項)
【特許文献5】特開平8−278656号(請求項)
【特許文献6】特開平8−320591号(請求項)
【特許文献7】特開平8−328312号(請求項)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、静電荷像を現像するために用いられるトナーに含有される荷電制御剤には、荷電制御性はもとより、トナーの結着樹脂との相溶性或いは濡れ性、荷電制御剤の安定性、さらには無色であることが望まれているとともに、得られたトナーが保存安定性に優れ、多数回繰り返し使用される際にも耐久性を有し、またトナーの定着性やオフセット性に悪影響を与えないことも要求されている。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題、要望を解決し、優れた特性を有する静電荷像現像用トナーを提供することを目的としてなされたものである。
【0011】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ特定の形状係数を有するトナーが上記諸要求を満たすことを見いだして本発明に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち第1の発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、荷電制御剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記一般式(1)で表される芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ画像解析装置で測定した形状係数SF−1、及びSF−2の値がそれぞれ、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【化2】
(式中、R1 、R2 およびR3 は、水素原子、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基、または芳香族炭化水素基の残基であるアリール基を表すか、あるいはR1 およびR2 またはR2 およびR3 が互いに結合して、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基を有してもよい縮合環を形成する基を表す。)
【0013】
第2の発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸または3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸であることを特徴とする上記第1の発明の静電荷像現像用トナーである。
【0014】
第3の発明は、トナーが、非磁性トナーであることを特徴とする上記1又は2の発明の静電荷像現像用トナーである。
【0015】
第4の発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物の含有量が、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とする上記1〜3のいずれかの発明の静電荷像現像用トナーである。
【0016】
第5の発明は、着色剤のBET法によって得られた比表面積が30〜300m2/gであることを特徴とする上記1〜4のいずれかの発明の静電荷像現像用トナーである。
【0017】
第6の発明は、ジェット気流を用いた衝突型粉砕機により粉砕されて得られることを特徴とする上記1〜5のいずれかの発明の静電荷像現像用トナーである。
【0018】
第7の発明は、衝突型粉砕機の衝突板がカラーコーン型であることを特徴とする上記第6の発明に記載のトナーである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本願発明の荷電制御剤として有用な、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物は、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩の水溶液とハロゲン化アルミニウムの水溶液をモル比において約3:1の比で混合し反応させることにより製造される。これにより芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物が得られる。上記ハロゲン化アルミニウムの水溶液としては通常5〜20%程度、例えば10%程度の濃度の塩化アルミニウム水溶液等が用いられる。
一方、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液は、通常50〜70℃、好ましくは60〜65℃程度に加熱した、0.5ないし5%程度、例えば1ないし2%の濃度の水酸化アルカリ金属水溶液に、アルカリ金属に対しほぼ等モルの芳香族ヒドロキシカルボン酸を加え、好ましくは水溶液をこの温度に保持しつつ攪拌して芳香族ヒドロキシカルボン酸を溶解せしめることにより製造される。また、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液を製造する温度は、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩の溶解性を考慮して決定されるもので、上記範囲が通常利用される。
【0020】
ハロゲン化アルミニウム水溶液と芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液の混合は、ハロゲン化アルミニウム水溶液中に芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液を滴下する方法と芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液中にハロゲン化アルミニウム水溶液を滴下する方法といずれも可能であるが、いずれの方法においても混合における滴下速度が速いと収量が低下するため、ゆっくりと時間をかけて加えることが好ましい。またハロゲン化アルミニウム水溶液は、モル比において芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩3モル部に対しハロゲン化アルミニウム1モル部の範囲の量で使用される。芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属水溶液とハロゲン化アルミニウム水溶液の混合後さらに十分な時間、例えば1時間程度攪拌を続けた後、濾過し、反応生成物を濾別した後、水洗し、乾燥、粉砕することにより目的の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物が得られる。ここで濾過して得られた上記反応生成物を水洗するのはこのアルカリ金属塩成分を除去するためである。
このときハロゲン化アルミニウム水溶液の温度、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液の温度、ハロゲン化水素の温度、これらの混合液の温度、吸引濾過時の温度は、いずれも通常50〜70℃程度、好ましくは60〜65℃の温度を保持した状態としておくことが好ましい。また濾過は、吸引濾過方式、遠心分離方式等従来から公知の方法により行うことができる。
【0021】
また、本発明において使用される芳香族ヒドロキシカルボン酸は、上記一般式(1)で表されるものが好ましいが、上記一般式(1)中の置換基R1、R2およびR3としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等の不飽和アルキル基、あるいはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基が好ましいものとしてあげられる。その中で、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキル基やアリール基がより好ましく、更にはtert−ブチル基、tert−オクチル基、フェニル基が特に好ましいものである。
【0022】
本発明に使用できるヒドロキシ芳香族カルボン酸は先述したように一般式(1)に記載の骨格を持つものであれば良いが、本発明の荷電制御剤を設計する上では、原料である芳香族ヒドロキシカルボン酸の性質を十分に考慮して選択する必要がある。
芳香族性が高いものや、分子量が大きいものは、親油性が強く相溶性、濡れ性に優れ結着樹脂中への分散性が良好である傾向がある。
一方、芳香族性が低いものや、分子量が小さいものは、分子中の−OHの割合が高くなり負帯電性が強くなる。
このような性質を考慮して設計することにより、トナーとして良好な特性を得ることができる。中でも3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を用いることによりトナーとして良好な特性を得ることができる。
【0023】
ここで得られた芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物は結着樹脂中への分散が良好で、かつトナー化した時の帯電安定性に優れている。また純粋な白色を呈していることからも、色汚れを起こさず、色再現性に優れ、カラートナー用の荷電制御剤としてとても優れた材料である。
【0024】
本発明における形状係数を示すSF−1とSF−2について説明する。光学顕微鏡を用いて、400倍に拡大した最大長が2μm以上のトナーを100個無作為にサンプリングして、その画像情報をインターフェイスを介してニレコ社製画像解析装置(LUZEX FT)に導入し解析を行い、以下の式より算出して得られた値を本発明においては形状係数SF−1,SF−2と定義した。
【0025】
SF−1=(MXLNG)2/AREA × π/4 ×100
[式中、MXLNGは画像上トナーの絶対最大長を示し。AREAはトナーの投影面積を示す。]
【0026】
SF−2=(PERIME)2/AREA × 1/4π × 100
[式中、PELIMEは画像上トナー投影像の周辺長を示し、AREAはトナーの投影面積を示す。]
【0027】
形状係数SF−1はトナーの丸さの度合いを示し、その値が100であるときが真円であり、数値が大きくなるほど丸くなくなり不定形になる。形状係数SF−2はトナーの凸凹の度合いを示し、その値が100であるときが真円であり、数値が大きくなるほど凸凹の度合いが大きくなる。
【0028】
芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有する本発明のトナーの形状係数としては、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であり、より好ましくは155≦SF−1≦165、140≦SF−2≦150である。SF−1が150より小さくなるとトナーの形状は丸みを帯び、十分な摩擦帯電を維持することができなくなり、カブリが増大したり、機内飛散が増える問題が生じる。またSF−1が170より大きくなると過度の帯電量の上昇を引き起こし現像効率が悪くなり、画像濃度が低下してしまう問題がある。SF−2が135より小さくなると凸凹が少なくなり、トナーの帯電部材との接触面積が小さくなることにより帯電量が低下してしまい、カブリの増大や機内飛散が生じる。またSF−2が160より大きくなることによっても、トナーの帯電部材との接触面積が大きくなるため帯電量が高くなりチャージアップを起こし、画像濃度が低下する問題がある。またトナー表面の凸凹が大きくなるため凹部に流動性向上剤等の外添剤が溜まり、帯電分布が不均一になる問題もある。
【0029】
本発明の静電荷像現像用トナーの構成成分としては、上記した荷電制御剤以外に、トナーを構成する公知の材料である、結着樹脂、着色剤或いは磁性粉体、更に必要に応じ離型剤、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等が用いられる。また黒トナーとして用いる場合は、荷電制御剤として、上記の特定構造の荷電制御剤以外の、例えばCr、Co、Al、Feなどの金属含有アゾ系染料、樹脂型電荷調整剤等公知の負荷電性の荷電制御剤を併せて使用することもできる。
【0030】
本発明に用いられる着色剤としては、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各着色剤が好適に用いられる。
【0031】
イエローの着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0032】
マゼンタの着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が好適に用いられる。
【0033】
シアンの着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が好適に用いられる。
【0034】
黒の着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が好適に用いられる。
【0035】
上記着色剤は、単独で或いは2種以上を混合して使用することができ、通常結着樹脂の100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量がよい。
【0036】
本発明において使用する着色剤は上記のうち、BET法による比表面積が30〜300m2 /gのものを用いるとより好ましい効果を見い出すことができる。着色剤のBET法による比表面積が300m2 /gを超えるものを用いると、カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう場合がある。特に高温高湿環境では顕著にかぶりが生じ、機内中のトナー飛散が生じてしまう場合がある。また比表面積が30m2 /gより小さいものを用いると、着色剤の粒子がトナー粒子に十分な着色を行うことが困難になり、トナーとして所望の画像濃度を得ることができなくなる場合がある。ここで着色剤の比表面積とカブリの関係は一定の相関関係を見出すことができる。着色剤の比表面積とカブリの関係については、着色剤の分散性に大きな関係がある。着色剤の比表面積が300m2 /gを超えるとトナー粒子中への均一な分散が困難になり分散不良を起こしやすい。これによりトナー粒子中に着色剤の偏在が生じてしまうこととなりトナー粒子の抵抗値がばらついてしまい、均一な安定した電荷を保持することができなくなる。この着色剤の偏在が大きい物ほどカブリが生じやすい。この原因の1つとして荷電制御剤の粒子のまわりに着色剤が抱え込まれてしまい、荷電制御剤中の電荷が着色剤を介して漏出してしまいトナーとして安定した電荷を保持できなくることがある。
【0037】
本発明の静電荷像現像用トナーを磁性トナーとして用いる場合に使用できる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、カルシウム、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、亜鉛、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金の粉体及びこれらの混合物があげられる。これらの磁性材料は平均粒径が0.05〜2.0μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが望ましく、磁性トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対して5〜150重量部、好ましくは10〜120重量部である。また必要に応じて磁性材料と着色剤を併用して用いることもできる。着色剤としては、例えばカーボンブラック、銅フタロシアニン、鉄黒などが用いられる。
【0038】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、具体的にはスチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレンジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン系共重合体など;ポリエステル樹脂、例えば、脂肪属ジカルボン酸、芳香属ジカルボン酸、芳香属ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など;その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0039】
上記スチレン・アクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ) アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0040】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどの不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独であるいは混合して使用することができる。上記架橋剤は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0041】
これらの樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、特に優れた帯電特性を示すため好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフー)により測定される分子量分布で1×103 から5×104 の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ105 以上の領域に少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から好ましいものである。
【0042】
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力トナー用結着樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0043】
また本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来トナーを製造する際に用いられている離型剤などの添加剤を加えることができる。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。これらは通常0.5〜5重量%程度の量でトナー中に加えられる。
【0044】
本発明のトナーに用いられる外添剤としては流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤などのものを、使用することができる。本発明において使用される流動化剤の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末を用いることができる。また外添剤としての流動化剤はトナーに流動性を付与する目的のみならず、トナーの帯電性付与及び制御の役割をも担っている。つまり外添剤はトナーの最表部に付着することによって、トナーの帯電性に大きな影響を及ぼす。
【0045】
流動化剤に用いられる粒子については、表面処理を行わずそのまま用いることも可能ではあるが、吸湿性により環境安定性が損なわれてしまうことと、流動化剤が感光体ドラム表面に付着して、フィルミングを起こしてしまい画像欠陥を引き起こしてしまう問題が生じる場合がある。吸湿性による環境安定性が損なわれる問題については、高湿環境下では流動化剤が水分の影響を受けてしまい、トナーの帯電減衰を引き起こし、画像上のカブリの発生、トナーの機内飛散の原因となってしまう。そこで流動化剤に用いる粒子の表面処理を行い、疎水性持たせることが好ましい。またこの表面処理に用いる処理剤の選択により、正極性及び負極性の所望の極性を持たせトナーの帯電性を調整、制御し安定させることができる。使用する表面処理剤の選択を行う必要がある。
本発明において用いられる流動化剤の表面処理剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン類、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン等のオルガノアミノシラン類及びシリコーンオイル系の化合物を使用することができる。
【0046】
シリコーンオイル系の化合物としてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、または変性シリコーンオイルが使用できる。変性シリコーンオイルに用いられる変性基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリエーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタクリル基等があげられる。シリコーンオイルは優れた離型性、滑り性を持っていることにより、トナー成分の感光体ドラム表面への付着、フィルミングを防ぐ効果を有している。
【0047】
本発明に使用される流動化剤以外の外添剤は滑剤、研磨剤、導電性付与剤等について以下の公知のものを使用することができる。滑剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛などが、研磨剤としては例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化ケイ素などの微粉体が挙げられる。これらの研磨剤は感光体ドラム表面へのトナー成分の付着物、フィルミング物を研磨し削ることにより、除去する効果があり、前記のシリコーンオイルで表面処理を行った流動化剤と併せて用いることにより大きな効果を見い出すことができる。導電性付与剤としては酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。しかし、これらの例は単なる例示に過ぎないものであり、本発明の電子写真用現像剤に添加混合されるものが上記具体的に例示されたものに限定されるものではない。
【0048】
本発明で用いられるトナー粒子は、前記の荷電制御剤、結着樹脂、着色剤等のトナー粒子の原材料を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、しかる後、この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダ等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。
【0049】
特に粉砕工程はトナーの形状を決定する上で重要である。粉砕工程に用いる粉砕機としては、ジェットミル等のジェット気流を用いた衝突型粉砕機やターボミル、KTM、MVM、ACM等の機械式衝撃粉砕機が使用可能であるが、本発明においてはジェット気流を用いた衝突型粉砕機を用いることが好ましい。ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の粉砕部の一例(概要断面図)を図1に示す。図1において、1は圧縮空気の噴出口であり、2は衝突板である。ホッパー3から供給された粗粉砕された粒子は圧縮空気出口1から噴出されたジェット気流により衝突板2に衝突され、粉砕される。このときトナーの形状係数を決める大きな要因としては、▲1▼衝突板の形状、▲2▼粉砕圧力がある。
【0050】
衝突板の形状としては、図2に示されるカラーコーン型、図3に示される90°平板型、及び図4に示される45°型の3種類が通常用いられる。本発明においてはカラーコーン型の衝突板を用いるものが好ましい。衝突板の形状として45°型を用いると、穏やかに粉砕が行われ、トナーの形状が丸くなる傾向があり、形状係数は小さくなる傾向がある。一方、衝突板の形状として90°平板型を用いると、激しい粉砕が行われ、トナーの形状が角張る傾向があり、形状係数は大きくなる傾向がある。また粉砕圧力は、一般的には3〜8kg/cm2の範囲で調節すれば良いが、4〜6kg/cm2であることが好ましい。粉砕圧力が高いと形状係数はSF−1、SF−2とも大きくなり、一方、粉砕圧力が低いと形状係数はSF−1、SF−2とも小さくなる傾向がある。
本発明においては、これらの衝突板の形状と粉砕圧力を適宜選択或いは調節して、トナーの形状係数を調節すれば良い。
【0051】
最終的にトナーを製造するには、上記より得られたトナー粒子に外添剤を添加、混合させる必要がある。一般的にはヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどを用いてトナー粒子に外添剤を添加し混合する。
【0052】
外添剤を添加、混合した後の最終工程として、トナー中の異物除去の目的で篩い工程を経てトナーは製造される。篩の種類としては振動篩い機、超音波振動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。
【0053】
本発明で用いられるトナーとしては、体積平均粒径が3〜35μmであることが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。小粒径トナー粒子の場合には、4〜15μm程度の粒径で用いられる。
【0054】
本発明の静電荷像現像用トナーは、キャリアとともに用いることによって二成分系現像剤とすることもできる。本発明のトナーとともに用いられるキャリアは、従来用いられるキャリアのいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉等が好ましいものとして挙げられる。これらキャリアは、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等の樹脂或いはこれらの混合物で被覆されたものでよい。キャリアを樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させた後必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。またキャリア粒子の平均粒径は、通常15〜500μm、好ましくは20〜300μmのものを用いることができる。
【0055】
【実施例】
以下製造例、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。
【0056】
製造例1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム塩化合物の製造)
最初に下記▲1▼、▲2▼の2つの水溶液を作製した。
▲1▼水1350gに水酸化ナトリウム24g(0.6モル)を溶解し、次いで3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸150g(0.6モル)を内温60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.44であった。
▲2▼水1050gに塩化アルミニウム六水和物53.1g(0.22モル)を60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.35であった。
上記▲2▼の溶液を▲1▼に内温60〜65℃にて、2時間かけて滴下し、その後内温70〜80℃で1時間攪拌して沈殿物を得た。その時の溶液のpHは7.0であった。攪拌後、熱時濾過を行い、水1500gで水洗した.水洗終了時ではpHは7.21であった。得られた濾過物(wet)の重量は354.7gで最終的に、110℃で15時間乾燥し122.0gの荷電制御剤(A)を得た。荷電制御剤(A)は下記構造式(2)で表される化合物である。
【0057】
【化3】
【0058】
製造例2(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のアルミニウム塩化合物の製造)
最初に下記▲1▼、▲2▼の2つの水溶液を作製した。
▲1▼水1350gに水酸化ナトリウム24g(0.6モル)を溶解し、次いで3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 113g(0.6モル)を内温60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.57であった。
▲2▼水1050gに塩化アルミニウム六水和物53.1g(0.22モル)を60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.28であった。
上記▲2▼の溶液を▲1▼に内温60〜65℃にて、2時間かけて滴下し、その後内温70〜80℃で1時間攪拌して沈殿物を得た。その時の溶液のpHは7.2であった。攪拌後、熱時濾過を行い、水1500gで水洗した.水洗終了時ではpHは7.15であった。得られた濾過物(wet)の重量は 321.2gで最終的に、110℃で15時間乾燥し120.4gの荷電制御剤(B)を得た。荷電制御剤(B)は下記構造式(3)で表される化合物である。
【0059】
【化4】
【0060】
上記材料を均一に混合した後、エクストルーダで混練してチップを得て、該チップを粉砕、分級して、平均粒径11.0μmの負帯電性シアントナー粒子を得た。このとき粉砕はジェットミル(衝突型粉砕機)を用いて行い、衝突板の形状はカラーコーン型を使用し、粉砕圧力は5.0kg/cm2 であった。次いで、このトナー粒子100部に対し、シリコーンオイルにて表面処理したシリカ微粉体0.4部を添加、混合して負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は150、SF−2の値は145であった。
ここで加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃、72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0061】
[実施例2]
実施例1で用いた荷電制御剤(A)の代わりに荷電制御剤(B)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は160、SF−2の値は151であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃、72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0062】
[実施例3]
粉砕機の衝突板をカラーコーン型から45°型に変える以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は155、SF−2の値は150であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0063】
[実施例4]
粉砕機の衝突板をカラーコーン型から90°平板型に変える以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は158、SF−2の値は151であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0064】
[実施例5]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりにフタロシアニンブルー B(Pigment Blue 15:3)(比表面積 40m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は157、SF−2の値は147であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0065】
[実施例6]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりにフタロシアニンブルー C(Pigment Blue 15:3)(比表面積 250m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は155、SF−2の値は148であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0066】
[実施例7]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりにキナクリドン顔料(Pigment Red 122)(比表面積 125m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性マゼンタトナーを得た。このトナーのSF−1の値は161、SF−2の値は154であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このマゼンタトナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたマゼンタトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0067】
[実施例8]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりに不溶性アゾ顔料(Pigment Yellow 17) (比表面積 131m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性イエロートナーを得た。このトナーのSF−1の値は155、SF−2の値は146であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このイエロートナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたイエロートナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0068】
[比較例1]
粉砕条件として、粉砕圧力を5.0kg/cm2から3.0kg/cm2に下げ、粉砕機の衝突板をカラーコーン型から45°型に変えること以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は144、SF−2の値は131であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、初期からカブリが多く見られ、2万枚後では機内飛散が多く、画像汚れが見られた。
【0069】
[比較例2]
粉砕条件として、粉砕圧力を5.0kg/cm2 から6.0kg/cm2 に上げ、粉砕機の衝突板をカラーコーン型から90°平板型に変えること以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は176、SF−2の値は167であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、初期から2万枚まで画像濃度が低く推移し、カブリも増える傾向であった。
【0070】
[比較例3]
実施例1で用いた荷電制御剤(A)の代わりに3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は160、SF−2の値は147であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃、72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、良好なシアン色を再現することができず、若干黄味がかった色になったため、画像試験を中止した。またOHP透過性も悪かった。
【0071】
以上の実施例及び比較例をまとめて表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
特定の組成の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を含有し、かつ特定の形状を有するトナーを用いることにより、摩擦帯電量が高く、安定であり、さらに温度および湿度の変化を受けずに、カブリが増加したり、画像濃度低下等の現象が発生しない優れた静電荷像現像用トナーを得た。
【0074】
さらに、複写機やプリンターなどで繰り返し連続複写して用いた場合、カブリの増加や画像濃度の低下、また感光体表面にトナー成分の付着を起こさず、さらに高温下での放置による経時変化を受けても、カブリが増加せず、トナーの転写率低下が起こらず、また複写機、プリンターの機内飛散の起こらない耐久性、安定性のある優れた静電荷像現像用トナーを得た。更には色再現性に優れた鮮明なカラー画像を形成できるカラートナーを得た。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の粉砕部の一例の概要断面図である。
【図2】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の一例の斜視図である。
【図3】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の他の例の斜視図である。
【図4】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の更に他の例の斜視図である。
【符号の説明】
1 圧縮空気の噴出口
2 衝突板
3 ホッパー
T 粗粉砕トナー粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等を利用して画像の形成がなされる電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等において、静電荷像の現像のために用いられる静電荷像現像用トナー粒子(以下、「トナー粒子」という。)及び外添剤を含む静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に形成された静電潜像を現像する方法として、微細トナーが電気絶縁性液体に分散された液体現像剤を用いる方法(湿式現像法)および結着樹脂中に着色剤あるいは磁性粉体等が分散されたトナーを用いる方法(乾式現像法)が知られている。乾式現像法では、キャリアとトナーとからなる二成分型現像剤を用いる方法、および、キャリアを用いずにトナーのみからなる一成分型現像剤を用いる方法が知られている。
【0003】
これら静電荷像現像用トナーは、結着樹脂とともに、染料、顔料などの着色剤、磁性トナーの場合には更に磁性粉体等が用いられているが、これらの成分のみでは通常望ましい帯電性が得られないため、さらに荷電制御剤を用いることが行われている。従来の荷電制御剤の代表的な例としては、トナーに正荷電を与えるものとしては、例えばニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料あるいは第4級アンモニウム塩等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとしては、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料のごとき含金属染料があげられる。しかし、このような従来の荷電制御剤には、結着樹脂との相溶性或いは濡れ性が悪くトナー中に均一分散しにくいとか、荷電制御剤の安定性が悪い、あるいは昇華性であるため等の理由により、長期にわたってトナーに安定して良好な荷電制御性を付与することができない、更には荷電制御剤が着色しておりカラートナーの荷電制御剤として適していない等の問題点を有するものが多くみられた。
【0004】
また更に、トナーを夏場などに長時間高温(40〜50℃)の状態で放置しておくことによりトナーの表面状態が経時変化を引き起こし複写画像の品質の悪化、トナーの紙等の被転写体へ転写される量の割合を示す数値である転写率の低下及び複写機やプリンターの機内のトナーの飛散を引き起こしてしまう問題がある。すなわち製造したばかりの状態では画像の品質に優れ、カブリが少なく、トナーの転写率も高く、また機内のトナーの飛散も少ないが、長時間高温の状態にさらされることによりトナーが経時変化を起こしてしまい、複写枚数の増加とともに、かぶりが増大し、更に機内飛散が増大してしまう。この加熱経時における劣化はトナーの帯電減衰によるものであり、荷電制御剤による原因が大きい。
【0005】
このような問題点を解決しうる荷電制御剤として、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体(例えば特許文献1、2および3)やサリチル酸およびその誘導体の二価の金属塩(例えば特許文献4)が提案されている。これらの荷電制御剤は、淡色のものが多く、カラートナー用として使用されているのが現状であるが、樹脂に対する均一分散性、荷電制御性について更に研究の余地を有するものである。また加熱経時による劣化の対策も施されていない問題点がある。
またCr、Fe、Mn、Cu等の金属を中心金属として用いると比較的良好な帯電制御性を得られるものの、有色であるためカラートナーには適さない。
【0006】
これらの欠点を改良する試みとして従来、着色剤の種類や添加量、荷電制御剤の添加量、流動化剤や研磨剤などの外添剤の種類や添加量、製造条件、更に二成分現像剤の場合は、キャリア粒子の粒度分布や抵抗、コーティング剤の選択等の材料の選択や組み合わせの改良が行われて来たが、必ずしも満足の行く結果が得られていないのが現状である。またフルカラートナー用の荷電制御剤は色再現性等の諸問題があり有用な材料が少ないのが現状である。
【0007】
また、形状係数に関する提案としては、SF−1およびSF−2(特許文献5、6および7)の値を規定することにより帯電性の安定化を図り、画像特性の向上を目的としたものも見られる。しかしこれでは帯電安定性が不十分で、画像特性を十分に満足できない場合がある。
【0008】
【特許文献1】特公昭55−42752号(請求項)
【特許文献2】特開平7−84412号(請求項)
【特許文献3】特開平9−34177号(請求項)
【特許文献4】特公平7−62766号(請求項)
【特許文献5】特開平8−278656号(請求項)
【特許文献6】特開平8−320591号(請求項)
【特許文献7】特開平8−328312号(請求項)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、静電荷像を現像するために用いられるトナーに含有される荷電制御剤には、荷電制御性はもとより、トナーの結着樹脂との相溶性或いは濡れ性、荷電制御剤の安定性、さらには無色であることが望まれているとともに、得られたトナーが保存安定性に優れ、多数回繰り返し使用される際にも耐久性を有し、またトナーの定着性やオフセット性に悪影響を与えないことも要求されている。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題、要望を解決し、優れた特性を有する静電荷像現像用トナーを提供することを目的としてなされたものである。
【0011】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ特定の形状係数を有するトナーが上記諸要求を満たすことを見いだして本発明に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち第1の発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、荷電制御剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記一般式(1)で表される芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ画像解析装置で測定した形状係数SF−1、及びSF−2の値がそれぞれ、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【化2】
(式中、R1 、R2 およびR3 は、水素原子、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基、または芳香族炭化水素基の残基であるアリール基を表すか、あるいはR1 およびR2 またはR2 およびR3 が互いに結合して、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基を有してもよい縮合環を形成する基を表す。)
【0013】
第2の発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸または3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸であることを特徴とする上記第1の発明の静電荷像現像用トナーである。
【0014】
第3の発明は、トナーが、非磁性トナーであることを特徴とする上記1又は2の発明の静電荷像現像用トナーである。
【0015】
第4の発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物の含有量が、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とする上記1〜3のいずれかの発明の静電荷像現像用トナーである。
【0016】
第5の発明は、着色剤のBET法によって得られた比表面積が30〜300m2/gであることを特徴とする上記1〜4のいずれかの発明の静電荷像現像用トナーである。
【0017】
第6の発明は、ジェット気流を用いた衝突型粉砕機により粉砕されて得られることを特徴とする上記1〜5のいずれかの発明の静電荷像現像用トナーである。
【0018】
第7の発明は、衝突型粉砕機の衝突板がカラーコーン型であることを特徴とする上記第6の発明に記載のトナーである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本願発明の荷電制御剤として有用な、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物は、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩の水溶液とハロゲン化アルミニウムの水溶液をモル比において約3:1の比で混合し反応させることにより製造される。これにより芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物が得られる。上記ハロゲン化アルミニウムの水溶液としては通常5〜20%程度、例えば10%程度の濃度の塩化アルミニウム水溶液等が用いられる。
一方、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液は、通常50〜70℃、好ましくは60〜65℃程度に加熱した、0.5ないし5%程度、例えば1ないし2%の濃度の水酸化アルカリ金属水溶液に、アルカリ金属に対しほぼ等モルの芳香族ヒドロキシカルボン酸を加え、好ましくは水溶液をこの温度に保持しつつ攪拌して芳香族ヒドロキシカルボン酸を溶解せしめることにより製造される。また、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液を製造する温度は、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩の溶解性を考慮して決定されるもので、上記範囲が通常利用される。
【0020】
ハロゲン化アルミニウム水溶液と芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液の混合は、ハロゲン化アルミニウム水溶液中に芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液を滴下する方法と芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液中にハロゲン化アルミニウム水溶液を滴下する方法といずれも可能であるが、いずれの方法においても混合における滴下速度が速いと収量が低下するため、ゆっくりと時間をかけて加えることが好ましい。またハロゲン化アルミニウム水溶液は、モル比において芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩3モル部に対しハロゲン化アルミニウム1モル部の範囲の量で使用される。芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属水溶液とハロゲン化アルミニウム水溶液の混合後さらに十分な時間、例えば1時間程度攪拌を続けた後、濾過し、反応生成物を濾別した後、水洗し、乾燥、粉砕することにより目的の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物が得られる。ここで濾過して得られた上記反応生成物を水洗するのはこのアルカリ金属塩成分を除去するためである。
このときハロゲン化アルミニウム水溶液の温度、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩水溶液の温度、ハロゲン化水素の温度、これらの混合液の温度、吸引濾過時の温度は、いずれも通常50〜70℃程度、好ましくは60〜65℃の温度を保持した状態としておくことが好ましい。また濾過は、吸引濾過方式、遠心分離方式等従来から公知の方法により行うことができる。
【0021】
また、本発明において使用される芳香族ヒドロキシカルボン酸は、上記一般式(1)で表されるものが好ましいが、上記一般式(1)中の置換基R1、R2およびR3としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等の不飽和アルキル基、あるいはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基が好ましいものとしてあげられる。その中で、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキル基やアリール基がより好ましく、更にはtert−ブチル基、tert−オクチル基、フェニル基が特に好ましいものである。
【0022】
本発明に使用できるヒドロキシ芳香族カルボン酸は先述したように一般式(1)に記載の骨格を持つものであれば良いが、本発明の荷電制御剤を設計する上では、原料である芳香族ヒドロキシカルボン酸の性質を十分に考慮して選択する必要がある。
芳香族性が高いものや、分子量が大きいものは、親油性が強く相溶性、濡れ性に優れ結着樹脂中への分散性が良好である傾向がある。
一方、芳香族性が低いものや、分子量が小さいものは、分子中の−OHの割合が高くなり負帯電性が強くなる。
このような性質を考慮して設計することにより、トナーとして良好な特性を得ることができる。中でも3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を用いることによりトナーとして良好な特性を得ることができる。
【0023】
ここで得られた芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物は結着樹脂中への分散が良好で、かつトナー化した時の帯電安定性に優れている。また純粋な白色を呈していることからも、色汚れを起こさず、色再現性に優れ、カラートナー用の荷電制御剤としてとても優れた材料である。
【0024】
本発明における形状係数を示すSF−1とSF−2について説明する。光学顕微鏡を用いて、400倍に拡大した最大長が2μm以上のトナーを100個無作為にサンプリングして、その画像情報をインターフェイスを介してニレコ社製画像解析装置(LUZEX FT)に導入し解析を行い、以下の式より算出して得られた値を本発明においては形状係数SF−1,SF−2と定義した。
【0025】
SF−1=(MXLNG)2/AREA × π/4 ×100
[式中、MXLNGは画像上トナーの絶対最大長を示し。AREAはトナーの投影面積を示す。]
【0026】
SF−2=(PERIME)2/AREA × 1/4π × 100
[式中、PELIMEは画像上トナー投影像の周辺長を示し、AREAはトナーの投影面積を示す。]
【0027】
形状係数SF−1はトナーの丸さの度合いを示し、その値が100であるときが真円であり、数値が大きくなるほど丸くなくなり不定形になる。形状係数SF−2はトナーの凸凹の度合いを示し、その値が100であるときが真円であり、数値が大きくなるほど凸凹の度合いが大きくなる。
【0028】
芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有する本発明のトナーの形状係数としては、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であり、より好ましくは155≦SF−1≦165、140≦SF−2≦150である。SF−1が150より小さくなるとトナーの形状は丸みを帯び、十分な摩擦帯電を維持することができなくなり、カブリが増大したり、機内飛散が増える問題が生じる。またSF−1が170より大きくなると過度の帯電量の上昇を引き起こし現像効率が悪くなり、画像濃度が低下してしまう問題がある。SF−2が135より小さくなると凸凹が少なくなり、トナーの帯電部材との接触面積が小さくなることにより帯電量が低下してしまい、カブリの増大や機内飛散が生じる。またSF−2が160より大きくなることによっても、トナーの帯電部材との接触面積が大きくなるため帯電量が高くなりチャージアップを起こし、画像濃度が低下する問題がある。またトナー表面の凸凹が大きくなるため凹部に流動性向上剤等の外添剤が溜まり、帯電分布が不均一になる問題もある。
【0029】
本発明の静電荷像現像用トナーの構成成分としては、上記した荷電制御剤以外に、トナーを構成する公知の材料である、結着樹脂、着色剤或いは磁性粉体、更に必要に応じ離型剤、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等が用いられる。また黒トナーとして用いる場合は、荷電制御剤として、上記の特定構造の荷電制御剤以外の、例えばCr、Co、Al、Feなどの金属含有アゾ系染料、樹脂型電荷調整剤等公知の負荷電性の荷電制御剤を併せて使用することもできる。
【0030】
本発明に用いられる着色剤としては、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各着色剤が好適に用いられる。
【0031】
イエローの着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0032】
マゼンタの着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が好適に用いられる。
【0033】
シアンの着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が好適に用いられる。
【0034】
黒の着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が好適に用いられる。
【0035】
上記着色剤は、単独で或いは2種以上を混合して使用することができ、通常結着樹脂の100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量がよい。
【0036】
本発明において使用する着色剤は上記のうち、BET法による比表面積が30〜300m2 /gのものを用いるとより好ましい効果を見い出すことができる。着色剤のBET法による比表面積が300m2 /gを超えるものを用いると、カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう場合がある。特に高温高湿環境では顕著にかぶりが生じ、機内中のトナー飛散が生じてしまう場合がある。また比表面積が30m2 /gより小さいものを用いると、着色剤の粒子がトナー粒子に十分な着色を行うことが困難になり、トナーとして所望の画像濃度を得ることができなくなる場合がある。ここで着色剤の比表面積とカブリの関係は一定の相関関係を見出すことができる。着色剤の比表面積とカブリの関係については、着色剤の分散性に大きな関係がある。着色剤の比表面積が300m2 /gを超えるとトナー粒子中への均一な分散が困難になり分散不良を起こしやすい。これによりトナー粒子中に着色剤の偏在が生じてしまうこととなりトナー粒子の抵抗値がばらついてしまい、均一な安定した電荷を保持することができなくなる。この着色剤の偏在が大きい物ほどカブリが生じやすい。この原因の1つとして荷電制御剤の粒子のまわりに着色剤が抱え込まれてしまい、荷電制御剤中の電荷が着色剤を介して漏出してしまいトナーとして安定した電荷を保持できなくることがある。
【0037】
本発明の静電荷像現像用トナーを磁性トナーとして用いる場合に使用できる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、カルシウム、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、亜鉛、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金の粉体及びこれらの混合物があげられる。これらの磁性材料は平均粒径が0.05〜2.0μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが望ましく、磁性トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対して5〜150重量部、好ましくは10〜120重量部である。また必要に応じて磁性材料と着色剤を併用して用いることもできる。着色剤としては、例えばカーボンブラック、銅フタロシアニン、鉄黒などが用いられる。
【0038】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、具体的にはスチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレンジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン系共重合体など;ポリエステル樹脂、例えば、脂肪属ジカルボン酸、芳香属ジカルボン酸、芳香属ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など;その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0039】
上記スチレン・アクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ) アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0040】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどの不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独であるいは混合して使用することができる。上記架橋剤は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0041】
これらの樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、特に優れた帯電特性を示すため好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフー)により測定される分子量分布で1×103 から5×104 の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ105 以上の領域に少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から好ましいものである。
【0042】
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力トナー用結着樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0043】
また本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来トナーを製造する際に用いられている離型剤などの添加剤を加えることができる。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。これらは通常0.5〜5重量%程度の量でトナー中に加えられる。
【0044】
本発明のトナーに用いられる外添剤としては流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤などのものを、使用することができる。本発明において使用される流動化剤の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末を用いることができる。また外添剤としての流動化剤はトナーに流動性を付与する目的のみならず、トナーの帯電性付与及び制御の役割をも担っている。つまり外添剤はトナーの最表部に付着することによって、トナーの帯電性に大きな影響を及ぼす。
【0045】
流動化剤に用いられる粒子については、表面処理を行わずそのまま用いることも可能ではあるが、吸湿性により環境安定性が損なわれてしまうことと、流動化剤が感光体ドラム表面に付着して、フィルミングを起こしてしまい画像欠陥を引き起こしてしまう問題が生じる場合がある。吸湿性による環境安定性が損なわれる問題については、高湿環境下では流動化剤が水分の影響を受けてしまい、トナーの帯電減衰を引き起こし、画像上のカブリの発生、トナーの機内飛散の原因となってしまう。そこで流動化剤に用いる粒子の表面処理を行い、疎水性持たせることが好ましい。またこの表面処理に用いる処理剤の選択により、正極性及び負極性の所望の極性を持たせトナーの帯電性を調整、制御し安定させることができる。使用する表面処理剤の選択を行う必要がある。
本発明において用いられる流動化剤の表面処理剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン類、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン等のオルガノアミノシラン類及びシリコーンオイル系の化合物を使用することができる。
【0046】
シリコーンオイル系の化合物としてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、または変性シリコーンオイルが使用できる。変性シリコーンオイルに用いられる変性基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリエーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタクリル基等があげられる。シリコーンオイルは優れた離型性、滑り性を持っていることにより、トナー成分の感光体ドラム表面への付着、フィルミングを防ぐ効果を有している。
【0047】
本発明に使用される流動化剤以外の外添剤は滑剤、研磨剤、導電性付与剤等について以下の公知のものを使用することができる。滑剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛などが、研磨剤としては例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化ケイ素などの微粉体が挙げられる。これらの研磨剤は感光体ドラム表面へのトナー成分の付着物、フィルミング物を研磨し削ることにより、除去する効果があり、前記のシリコーンオイルで表面処理を行った流動化剤と併せて用いることにより大きな効果を見い出すことができる。導電性付与剤としては酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。しかし、これらの例は単なる例示に過ぎないものであり、本発明の電子写真用現像剤に添加混合されるものが上記具体的に例示されたものに限定されるものではない。
【0048】
本発明で用いられるトナー粒子は、前記の荷電制御剤、結着樹脂、着色剤等のトナー粒子の原材料を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、しかる後、この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダ等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。
【0049】
特に粉砕工程はトナーの形状を決定する上で重要である。粉砕工程に用いる粉砕機としては、ジェットミル等のジェット気流を用いた衝突型粉砕機やターボミル、KTM、MVM、ACM等の機械式衝撃粉砕機が使用可能であるが、本発明においてはジェット気流を用いた衝突型粉砕機を用いることが好ましい。ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の粉砕部の一例(概要断面図)を図1に示す。図1において、1は圧縮空気の噴出口であり、2は衝突板である。ホッパー3から供給された粗粉砕された粒子は圧縮空気出口1から噴出されたジェット気流により衝突板2に衝突され、粉砕される。このときトナーの形状係数を決める大きな要因としては、▲1▼衝突板の形状、▲2▼粉砕圧力がある。
【0050】
衝突板の形状としては、図2に示されるカラーコーン型、図3に示される90°平板型、及び図4に示される45°型の3種類が通常用いられる。本発明においてはカラーコーン型の衝突板を用いるものが好ましい。衝突板の形状として45°型を用いると、穏やかに粉砕が行われ、トナーの形状が丸くなる傾向があり、形状係数は小さくなる傾向がある。一方、衝突板の形状として90°平板型を用いると、激しい粉砕が行われ、トナーの形状が角張る傾向があり、形状係数は大きくなる傾向がある。また粉砕圧力は、一般的には3〜8kg/cm2の範囲で調節すれば良いが、4〜6kg/cm2であることが好ましい。粉砕圧力が高いと形状係数はSF−1、SF−2とも大きくなり、一方、粉砕圧力が低いと形状係数はSF−1、SF−2とも小さくなる傾向がある。
本発明においては、これらの衝突板の形状と粉砕圧力を適宜選択或いは調節して、トナーの形状係数を調節すれば良い。
【0051】
最終的にトナーを製造するには、上記より得られたトナー粒子に外添剤を添加、混合させる必要がある。一般的にはヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどを用いてトナー粒子に外添剤を添加し混合する。
【0052】
外添剤を添加、混合した後の最終工程として、トナー中の異物除去の目的で篩い工程を経てトナーは製造される。篩の種類としては振動篩い機、超音波振動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。
【0053】
本発明で用いられるトナーとしては、体積平均粒径が3〜35μmであることが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。小粒径トナー粒子の場合には、4〜15μm程度の粒径で用いられる。
【0054】
本発明の静電荷像現像用トナーは、キャリアとともに用いることによって二成分系現像剤とすることもできる。本発明のトナーとともに用いられるキャリアは、従来用いられるキャリアのいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉等が好ましいものとして挙げられる。これらキャリアは、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等の樹脂或いはこれらの混合物で被覆されたものでよい。キャリアを樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させた後必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。またキャリア粒子の平均粒径は、通常15〜500μm、好ましくは20〜300μmのものを用いることができる。
【0055】
【実施例】
以下製造例、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。
【0056】
製造例1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム塩化合物の製造)
最初に下記▲1▼、▲2▼の2つの水溶液を作製した。
▲1▼水1350gに水酸化ナトリウム24g(0.6モル)を溶解し、次いで3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸150g(0.6モル)を内温60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.44であった。
▲2▼水1050gに塩化アルミニウム六水和物53.1g(0.22モル)を60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.35であった。
上記▲2▼の溶液を▲1▼に内温60〜65℃にて、2時間かけて滴下し、その後内温70〜80℃で1時間攪拌して沈殿物を得た。その時の溶液のpHは7.0であった。攪拌後、熱時濾過を行い、水1500gで水洗した.水洗終了時ではpHは7.21であった。得られた濾過物(wet)の重量は354.7gで最終的に、110℃で15時間乾燥し122.0gの荷電制御剤(A)を得た。荷電制御剤(A)は下記構造式(2)で表される化合物である。
【0057】
【化3】
【0058】
製造例2(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のアルミニウム塩化合物の製造)
最初に下記▲1▼、▲2▼の2つの水溶液を作製した。
▲1▼水1350gに水酸化ナトリウム24g(0.6モル)を溶解し、次いで3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 113g(0.6モル)を内温60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.57であった。
▲2▼水1050gに塩化アルミニウム六水和物53.1g(0.22モル)を60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.28であった。
上記▲2▼の溶液を▲1▼に内温60〜65℃にて、2時間かけて滴下し、その後内温70〜80℃で1時間攪拌して沈殿物を得た。その時の溶液のpHは7.2であった。攪拌後、熱時濾過を行い、水1500gで水洗した.水洗終了時ではpHは7.15であった。得られた濾過物(wet)の重量は 321.2gで最終的に、110℃で15時間乾燥し120.4gの荷電制御剤(B)を得た。荷電制御剤(B)は下記構造式(3)で表される化合物である。
【0059】
【化4】
【0060】
上記材料を均一に混合した後、エクストルーダで混練してチップを得て、該チップを粉砕、分級して、平均粒径11.0μmの負帯電性シアントナー粒子を得た。このとき粉砕はジェットミル(衝突型粉砕機)を用いて行い、衝突板の形状はカラーコーン型を使用し、粉砕圧力は5.0kg/cm2 であった。次いで、このトナー粒子100部に対し、シリコーンオイルにて表面処理したシリカ微粉体0.4部を添加、混合して負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は150、SF−2の値は145であった。
ここで加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃、72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0061】
[実施例2]
実施例1で用いた荷電制御剤(A)の代わりに荷電制御剤(B)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は160、SF−2の値は151であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃、72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0062】
[実施例3]
粉砕機の衝突板をカラーコーン型から45°型に変える以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は155、SF−2の値は150であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0063】
[実施例4]
粉砕機の衝突板をカラーコーン型から90°平板型に変える以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は158、SF−2の値は151であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0064】
[実施例5]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりにフタロシアニンブルー B(Pigment Blue 15:3)(比表面積 40m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は157、SF−2の値は147であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0065】
[実施例6]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりにフタロシアニンブルー C(Pigment Blue 15:3)(比表面積 250m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は155、SF−2の値は148であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0066】
[実施例7]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりにキナクリドン顔料(Pigment Red 122)(比表面積 125m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性マゼンタトナーを得た。このトナーのSF−1の値は161、SF−2の値は154であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このマゼンタトナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたマゼンタトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0067】
[実施例8]
実施例1で用いたフタロシアニンブルー A(Pigment Blue 15:3)(比表面積 130m2/g)の代わりに不溶性アゾ顔料(Pigment Yellow 17) (比表面積 131m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性イエロートナーを得た。このトナーのSF−1の値は155、SF−2の値は146であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このイエロートナーを乾燥機中に50℃72時間放置した後、得られた加熱されたイエロートナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、現像初期より画像が均一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さらに加熱トナーを補充しながら2万枚の画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができた。
【0068】
[比較例1]
粉砕条件として、粉砕圧力を5.0kg/cm2から3.0kg/cm2に下げ、粉砕機の衝突板をカラーコーン型から45°型に変えること以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は144、SF−2の値は131であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、初期からカブリが多く見られ、2万枚後では機内飛散が多く、画像汚れが見られた。
【0069】
[比較例2]
粉砕条件として、粉砕圧力を5.0kg/cm2 から6.0kg/cm2 に上げ、粉砕機の衝突板をカラーコーン型から90°平板型に変えること以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は176、SF−2の値は167であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを加熱放置した後、得られた加熱されたトナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、初期から2万枚まで画像濃度が低く推移し、カブリも増える傾向であった。
【0070】
[比較例3]
実施例1で用いた荷電制御剤(A)の代わりに3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして負帯電性シアントナーを得た。このトナーのSF−1の値は160、SF−2の値は147であった。
実施例1と同様に加熱劣化によるトナーの品位を確認するべく、このシアントナーを乾燥機中に50℃、72時間放置した後、得られた加熱されたシアントナーとキャリア(シリコーン樹脂でコートした平均粒径50μmの球形フェライト粉)とをトナー濃度が5重量%となるように混合して、2成分現像剤とした。
このトナーと現像剤とを用い、市販の複写機CLC−550(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で実写試験を行なったところ、良好なシアン色を再現することができず、若干黄味がかった色になったため、画像試験を中止した。またOHP透過性も悪かった。
【0071】
以上の実施例及び比較例をまとめて表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
特定の組成の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を含有し、かつ特定の形状を有するトナーを用いることにより、摩擦帯電量が高く、安定であり、さらに温度および湿度の変化を受けずに、カブリが増加したり、画像濃度低下等の現象が発生しない優れた静電荷像現像用トナーを得た。
【0074】
さらに、複写機やプリンターなどで繰り返し連続複写して用いた場合、カブリの増加や画像濃度の低下、また感光体表面にトナー成分の付着を起こさず、さらに高温下での放置による経時変化を受けても、カブリが増加せず、トナーの転写率低下が起こらず、また複写機、プリンターの機内飛散の起こらない耐久性、安定性のある優れた静電荷像現像用トナーを得た。更には色再現性に優れた鮮明なカラー画像を形成できるカラートナーを得た。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の粉砕部の一例の概要断面図である。
【図2】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の一例の斜視図である。
【図3】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の他の例の斜視図である。
【図4】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の更に他の例の斜視図である。
【符号の説明】
1 圧縮空気の噴出口
2 衝突板
3 ホッパー
T 粗粉砕トナー粒子
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、荷電制御剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記一般式(1)で表される芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物を荷電制御剤として含有し、かつ画像解析装置で測定した形状係数SF−1、及びSF−2の値がそれぞれ、150≦SF−1≦170、135≦SF−2≦160であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 芳香族ヒドロキシカルボン酸が、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸または3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーが、非磁性トナーであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
- 芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム塩化合物の含有量が、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤のBET法によって得られた比表面積が30〜300m2/gであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
- ジェット気流を用いた衝突型粉砕機により粉砕されて得られることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
- 衝突型粉砕機の衝突板がカラーコーン型であることを特徴とする請求項6記載のトナー。
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-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003061095A patent/JP2004271795A/ja active Pending
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US8168363B2 (en) | 2008-01-10 | 2012-05-01 | Sharp Kabushiki Kaisha | Toner and producing method thereof, developer, two-component developer, developing device and image forming apparatus |
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