JP2004271276A - 走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法、検査方法、使用方法 - Google Patents

走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法、検査方法、使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法、検査方法およb使用方法を提供する。
【解決手段】単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法であって、探針基体の先端に触媒金属を付与した後、走査プローブ顕微鏡内で不活性ガス雰囲気下において、細針状カーボン電極間に生起させたアーク放電で上記探針基体先端の触媒付与部を照射することにより、該触媒付与部に単層カーボンナノチューブを成長させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層カーボンナノチューブ(Single Wall Carbon Nanotube:SWCNT)から成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法、検査方法および使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)は、鋭利な先端を持つ探針(プローブ)で試料表面を走査して観察する顕微鏡であり、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)に代表的されるように、電子顕微鏡のように真空を必要とせずに、種々の環境(気体、液体)中で材料表面をナノメータオーダで観察ができる。そのため、バイオ関連材料、触媒材料、半導体材料をはじめとする種々の新材料の開発に重要なツールとなっている。
【0003】
探針先端の寸法は分解能に直結するため、半導体プロセスにより微細加工が可能な珪素(Si)や窒化珪素(Si)で作られているが、それでも、最も鋭利なものでも先端半径5nm程度であり、一般に10nmを超える。また、先端の開き角は数十度以上であるため試料表面の深い凹凸を忠実に再現できない。
【0004】
そこで、更に高い分解能を得るために、例えば特許文献1(特開2000−227435)に、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:CNT)を探針に用いることが提案されている。
【0005】
カーボンナノチューブは、1)先端径が小さい(最小直径1nm程度)ので横方向の分解能を高くできる、2)大きなアスペクト比が得られるので深い凹凸を忠実に再現できる、3)従来の探針材料である珪素や窒化珪素に比べて高い弾力性があるので試料と衝突して損傷させることが無く、かつ丈夫で長寿命である、等々といった、探針として優れた特性を有する。
【0006】
上記特許文献1の提案においては、予め作製した多層カーボンナノチューブ(Multi Wall Carbon Nanotube:MWCNT)を、走査電子顕微鏡内で観察しながら、探針基体の先端に取り付け炭素膜で固定することにより、多層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針を作製する。
【0007】
このように走査電子顕微鏡による観察下での取り付け操作を要するため、観察可能性および取り扱い強度の上から、上記提案の方法を適用するにはカーボンナノチューブのサイズとして直径10nmオーダが必要であった(図1(a))。そのため、多層カーボンナノチューブには適用できるが、直径1nmあるいはそれ以下の単層カーボンナノチューブ(Single Wall Carbon Nanotube:SWCNT)(図1(b))には適用できない、という限界があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−227435(段落0042〜0043)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法、検査方法およb使用方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1発明によれば、単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法であって、
探針基体の先端に触媒金属を付与した後、走査プローブ顕微鏡内で不活性ガス雰囲気下において、細針状カーボン電極間に生起させたアーク放電で上記探針基体先端の触媒付与部を照射することにより、該触媒付与部に単層カーボンナノチューブを成長させることを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法が提供される。
【0011】
細針状カーボン電極のうち陽極が触媒金属を含有していることが望ましい。
【0012】
探針基体先端で成長途中の単層カーボンナノチューブで試料表面のナノメータオーダの段差部を走査し、得られた段差部画像の鮮鋭度に基づいて単層カーボンナノチューブの長さを求め、所要長さになった時点でアーク放電を停止して単層カーボンナノチューブの成長を停止させることができる。
【0013】
段差部のある試料を強冷ステージに保持して行なうことが望ましい。
【0014】
また、第2発明によれば、単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法であって、
探針基体の先端に触媒金属を付与した後、不活性雰囲気下において、その長さ方向に直角な軸の回りに高速回転させながら、上記探針基体先端の触媒付与部を、細針状カーボン電極間に生起させたアーク放電と、レーザビームとで交互に照射し、アーク放電照射時には該触媒付与部に単層カーボンナノチューブを成長させ、レーザビーム照射時にはラマン分光分析により単層カーボンナノチューブの成長を逐次監視することを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法が提供される。
【0015】
成長しつつある単層カーボンナノチューブへの上記アーク放電照射時に微量の酸化性ガスを吹きつけることにより、単層カーボンナノチューブの先端キャップ部を焼き切って先鋭化することができる。
【0016】
上記の酸化性ガスは、典型的にはCO、CO、HO、H、CHOHの少なくとも1種を含む。
【0017】
更に、第3発明によれば、第1、第2発明により製造された探針を検査する方法であって、
上記探針を用いて試料表面のナノメータオーダの段差部を走査し、得られた段差部画像の実形状に対するずれ角度および方位に基づいて、探針の尖頭部を構成する単層カーボンナノチューブの付与方位を求めることを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の検査方法が提供される。
【0018】
更に、第4発明によれば、上記の検査方法により単層カーボンナノチューブの付与方位を求めた探針を走査プローブ顕微鏡において使用する方法であって、
上記付与方位に対応させて試料ステージを傾斜させることにより、単層カーボンナノチューブから成る探針尖頭部の向きを試料表面に直交させることを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の使用方法が提供される。
【0019】
上記の使用方法において、それぞれ独立に制御可能な3基のアクチュエータにより試料ステージを傾斜させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
図2に、第1発明により単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針を製造するための装置の構成例を模式的に示す。
【0021】
探針基体10の先端に触媒金属12を付着させる。この触媒金属付与は走査プローブ顕微鏡内で行なっても良いし、予め触媒金属を付与した探針基体を走査プローブ顕微鏡内に装着しても良い。
【0022】
本発明においてカーボンナノチューブの生成自体は、触媒金属を用いたアーク放電による従来公知の方法によって行なう。図示の構成例では、Ar、N等の不活性ガス雰囲気としたチャンバ14内に細針状のカーボン製陽極16および陰極18を対向配置し、両極間にアーク放電20を生成させる。アーク放電による発熱でカーボン電極16、18から雰囲気中にカーボンが蒸発する。探針基体10先端の触媒金属12付与部をアーク放電20で照射すると、触媒金属12付与部にカーボンナノチューブ22が生成する。単層カーボンナノチューブを選択的に生成させるには、アーク放電20の制御、陽極16中への触媒金属付与などの手段を適宜採用すればよい。これにより、探針基体10の先端部に単層カーボンナノチューブから成る尖頭部22を備えた走査プローブ顕微鏡用探針24が得られる。
【0023】
従来は、別途製造したカーボンナノチューブを走査電子顕微鏡による観察下で探針基体の先端部に取り付けていたため、観察下能性と取り扱い強度の点から、適用対象は直径数十nmの多層カーボンナノチューブのみに限定され、先端部に単層カーボンナノチューブを備えた探針を製造することはできなかった。
【0024】
本発明は、探針基体の先端部にカーボンナノチューブを直接成長させることにより、上記従来技術における制限を解消し、単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた探針を製造することを可能とした。
【0025】
本発明の製造方法においては、図3(a)に示すように、アーク放電によりカーボン電極から蒸発したカーボンを原料として、触媒金属12を付与された探針基体10の先端で優先的に単層カーボンナノチューブ22が生成される。単層カーボンナノチューブ22のみを選択的に生成させるには、アーク放電の制御、陽極中への触媒金属付与、などの手段を適宜採用する。そして、図3(b)に示すように、触媒金属付与部のみで、すなわち生成したカーボンナノチューブの根元のみで選択的に単層カーボンナノチューブの生成が進行するので、単層カーボンナノチューブが図中下向き矢印のように直線状に成長する。
【0026】
触媒金属としては、アーク放電によるカーボンナノチューブ生成を促進する金属であれば良く、特に限定しないが、一般にFe、Co、Ni等が用いられる。
【0027】
単層カーボンナノチューブを優先的に生成させるためには、陽極16をカーボンと上記触媒金属との複合材料として作製することが望ましい。
【0028】
探針基体10としては、従来の探針を用いればよく、珪素や窒化珪素で作製してあってよい。
〔実施形態2〕
図4に、第1発明による探針製造方法の別の実施形態を示す。本実施形態では、実施形態1の構成に加えて、アクチュエータとしての圧電素子26上に設けた試料ステージ28にナノメータオーダの表面段差を持つ検知用基板30を装着して用いる。このような段差としては、例えばSi基板の清浄表面に現われるナノステップが適当である。これを用いて成長中のカーボンナノチューブの長さを下記のようにして逐次監視する。
【0029】
すなわち、カーボンナノチューブが未成長あるいは短いときには、図5(a)に示すように、探針基体先端の曲率半径が数十nmであるためナノメータオーダ(1nm以下)の段差を忠実に再現できず、実段差が直角に切り立っていても段差画像は角度θの斜面状段差として観察される。単層カーボンナノチューブが成長して探針基体の曲率半径の影響を受けずに事実上の探針である尖頭部を形成する状態になると、直角に切り立った実段差が忠実に再現されるので、段差画像も角度θが90°の垂直段差として観察される。このように実段差が忠実に画像化された時点でアーク放電を停止して単層カーボンナノチューブの成長を停止させることにより、適度なアスペクト比すなわち所要長さの単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた探針を得ることができる。
【0030】
なお、ステージ28と圧電素子26とから成るアセンブリを貫通する冷媒循環路32に液体窒素等の冷媒を循環させて、アーク放電下で安定して走査プローブ顕微鏡観察ができるようにしてある。
〔実施形態3〕
図6に、第2発明により単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針を製造するための装置の構成例を模式的に示す。
【0031】
まず、Ar、N等の不活性ガス雰囲気としたチャンバ14内に細針状のカーボン製陽極16および陰極18を対向配置し、両極間にアーク放電20を生成させる構成は、実施形態1、2と同様である。
【0032】
ただし、本実施形態においては、探針基体10を回転ホルダー34に固定し、探針基体10の長さ方向に直角な回転軸34の回りに例えば1000〜20000rpmで高速回転させる。探針基体10の触媒付与部12の回転軌跡22Cは、細針状カーボン電極16、18間のアーク放電20と、レーザ源36から照射されたレーザビーム38とに交錯する。回転軌跡20を挟んでレーザ源36とは反対側にラマン分光検出器40が配置される。
【0033】
探針基体10の触媒付与部12は、アーク放電20とレーザビーム38とに交互に照射され、アーク放電照射時には触媒付与部12で単層カーボンナノチューブが成長し、レーザビーム照射時にはラマン分光分析により単層カーボンナノチューブの成長を逐次監視する。
【0034】
本実施形態の構成によれば、高速回転により探針基体10の長手方向に作用する遠心力が、この方向に沿って単層カーボンナノチューブの直線的な成長を促す。また、アーク放電照射による単層カーボンナノチューブの成長をレーザビーム照射によるラマン分光分析で逐次監視する。すなわち、図7(a)〜(d)に示すように単層カーボンナノチューブの成長に伴ってラマンピーク強度が増大する。また、同図では明示していないが、成長に伴ってラマンピーク位置のシフト等も生じ得る。したがって、予め成長途中の単層カーボンナノチューブの長さとラマンピークの強度、位置シフト等の性状との関係を較正しておけば、実際に成長しつつある単層カーボンナノチューブの長さをラマンピークの性状値から知ることができる。そして、ラマンピークの諸性状が所定値となった時点でアーク放電を停止すれば、所定長さの単層カーボンナノチューブが得られる。
【0035】
このように本実施形態によれば、特に成長方位の制御性を高めることができると共に、所望長さで単層カーボンナノチューブを得ることができる。
〔実施形態4〕
図8に、第2発明による探針製造方法の別の実施形態を示す。本実施形態では、実施形態3の構成に加えて、アーク放電照射時にノズル42から微量の酸化性ガス44を吹きつける。
【0036】
単層カーボンナノチューブは、側面が安定な6員環Cグラフェンシートで形成されているのに対し、先端キャップ部は半球状に閉じるために不安定な5員環Cを含んでいる。したがって、酸化性ガスを吹きつけると、不安定な先端キャップ部5員環部のカーボンが攻撃され、酸化損傷が開始する。
【0037】
酸化性ガスとしては、CO、CO、HO、H、CHOH等のように構成元素に酸素Oを含む化合物、すなわち酸素ガスOに比べて酸化力の弱いものを用いることが望ましい。Oを微量用いてもよいが、酸化力が強いため、カーボンナノチューブの側面まで攻撃される恐れがある。側面は燃焼せず、先端キャップ部のみを選択的に燃焼させることが重要である。
【0038】
アーク放電の熱により、これにより、図9に示すように、成長中の単層カーボンナノチューブ22の先端キャップ部(図9(a))を焼き切って先鋭化する(図9(b))。この先鋭化の進行は、図10(a)〜(d)に示すようにラマンスペクトルで監視できる。ラマンスペクトルで所望の先鋭化が検知されたら、アーク放電および酸化性ガス吹き付けを停止し、単層カーボンナノチューブの成長を終了させる。
【0039】
本実施形態によれば、単層カーボンナノチューブの先端キャップ部を更に先鋭化することができ、更に高い分解能を得ることができる。
〔実施形態5〕
図11を参照して、第1、第2発明により製造した走査プローブ顕微鏡用探針を第3発明により検査する方法の一実施形態を説明する。
【0040】
図11(a)に平面図および断面図を示すようにナノメータオーダの円形段差46Aを表面に形成した検査用基板46を、製造した探針を用いて走査プローブ顕微鏡で観察する。
【0041】
この例では、図11(b)に断面図で示すように、探針基体10の触媒金属付与部12に成長した単層カーボンナノチューブ22の長手軸の垂直面上投影成分X1が、垂直基準線Y(探針基体10の長手軸方向)に対して角度θ1で傾斜している。この単層カーボンナノチューブ22を探針として矢印方向に走査すると、検査用基板46の断面プロフィル画像48は図示のように表示される。ここで、実際の段差46Aの側面は垂直に切り立っているのに対して、段差画像は探針22の傾斜により図示のように斜面として表示されている。
【0042】
また、図11(c)に平面図で示すように、単層カーボンナノチューブ22の長手軸の水平面上投影成分X2は、水平基準線Zに対して角度θ2で傾斜している。そのため、円形段差46Aの平面画像50は図示のように、実際の位置から図中で右下方へ角度θ2でシフトして表示される。
【0043】
上記でえられた垂直面内傾斜角度θ1と水平面内傾斜角度θ2とから、探針基体10の長手軸に対する単層カーボンナノチューブ22の3次的なずれの角度・方位を求めることができる。
【0044】
本実施形態によれば、探針基体10の先端に成長した単層カーボンナノチューブ22の探針基体10に対する傾斜を検査することができる。そして、検査により求めた傾斜(角度・方位)に基づいて、次の実施形態で説明する使用方法により、傾斜していても探針として使用することが可能になる。
〔実施形態6〕
図12を参照して、第3発明により検査した単層カーボンナノチューブを第4発明により実際に走査プローブ顕微鏡において探針として使用する方法の一実施形態を説明する。
【0045】
図12(a)に断面図で示すように、単層カーボンナノチューブ探針22の傾斜の角度・方位に対応させて試料ステージ52を傾斜させることにより、ステージ52面(試料面)対して単層カーボンナノチューブ探針22を直交させる。これにより、実段差46Aを忠実に再現した画像60が得られる。
【0046】
このようなステージ52の傾斜動作は、図12(b)に平面図で示すように、それぞれ独立に制御可能な3基のアクチュエータ54、56、58で行なうことができる。アクチュエータとしては、ナノメータオーダでの変位が可能な圧電素子が適している。
【0047】
本実施形態によれば、実施形態5で説明したような第3発明の検査方法で求めた角度・方位に基づいて、傾斜した単層カーボンナノチューブ探針でも実際に走査プローブ顕微鏡に用いることができるので、単層カーボンナノチューブの製造歩留りを実質的に高めるのと同等の利点がある。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法、検査方法およb使用方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、(a)多層カーボンナノチューブと(b)単層カーボンナノチューブの層構造および概略寸法を比較して模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、第1発明により単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針を製造するための装置の構成例を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明による単層カーボンナノチューブの成長の原理を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、第1発明による探針製造方法の別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、図4の実施形態により単層カーボンナノチューブが(a)成長前および(b)成長後の時点における試料の実段差と画像との関係を比較して示す断面図である。
【図6】図6は、第2発明により単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針を製造するための装置の構成例を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は、図6の装置により成長する単層カーボンナノチューブのラマンピークの経時変化(a)〜(d)を示すラマンスペクトルチャートの模式図である。
【図8】図8は、図6の装置構成に更に酸化性ガスの吹きつけ機能を付加した実施形態を模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、(a)先端キャップ部を持つ単層カーボンナノチューブおよび(b)図8の装置を用いて先端キャップ部を切り落とした単層カーボンナノチューブを模式的に示す斜視図である。
【図10】図10は、図8の装置により先端キャップ部を切り落とした場合のラマンピークの経時変化(a)〜(b)を示すラマンスペクトルチャートの模式図である。
【図11】図11は、第3発明により単層カーボンナノチューブ探針の傾斜の角度・方位を検査する方法における(a)ナノメータオーダの段差を形成した検査用基板(平面図および断面図)、(b)横断面プロフィルについて実段差と画像との関係を示す断面図、および(c)平面形状について実段差と画像との関係を示す平面図である。
【図12】図12は、傾斜した単層カーボンナノチューブ探針を第4発明により実際に走査プローブ顕微鏡に使用する方法において(a)試料ステージを傾斜させた状態を示す断面図および(b)試料ステージを傾斜させるための3基のアクチュエータを示す平面図である。
【符号の説明】
10…探針基体
12…触媒金属
14…雰囲気チャンバ
16…細針状のカーボン製陽極
18…細針状のカーボン製陰極
20…アーク放電
22…単層カーボンナノチューブ
24…走査プローブ顕微鏡用探針
26…アクチュエータ(圧電素子)
28…試料ステージ
30…検知用基板
32…冷媒循環路
34…回転ホルダー
36…レーザ源
38…レーザビーム
40…ラマン分光検出器
42…ノズル
44…酸化性ガス
46…検査用基板
46A…円形段差
48…断面プロフィル画像
50…平面画像
52…試料ステージ
54、56、58…アクチュエータ
60…画像(ステージ傾斜時)

Claims (10)

  1. 単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法であって、
    探針基体の先端に触媒金属を付与した後、走査プローブ顕微鏡内で不活性ガス雰囲気下において、細針状カーボン電極間に生起させたアーク放電で上記探針基体先端の触媒付与部を照射することにより、該触媒付与部に単層カーボンナノチューブを成長させることを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、細針状カーボン電極のうち陽極が触媒金属を含有していることを特徴とする製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法において、前記探針基体先端で成長途中の単層カーボンナノチューブで試料表面のナノメータオーダの段差部を走査し、得られた段差部画像の鮮鋭度に基づいて該単層カーボンナノチューブの長さを求め、所要長さになった時点で前記アーク放電を停止して該単層カーボンナノチューブの成長を停止させることを特徴とする製造方法。
  4. 請求項3記載の方法において、前記段差部のある試料を強冷ステージに保持して行なうことを特徴とする製造方法。
  5. 単層カーボンナノチューブから成る尖頭部を備えた走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法であって、
    探針基体の先端に触媒金属を付与した後、不活性雰囲気下において、その長さ方向に直角な軸の回りに高速回転させながら、上記探針基体先端の触媒付与部を、細針状カーボン電極間に生起させたアーク放電と、レーザビームとで交互に照射し、アーク放電照射時には該触媒付与部に単層カーボンナノチューブを成長させ、レーザビーム照射時にはラマン分光分析により単層カーボンナノチューブの成長を逐次監視することを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法において、成長しつつある単層カーボンナノチューブへの前記アーク放電照射時に微量の酸化性ガスを吹きつけることにより、該単層カーボンナノチューブの先端キャップ部を焼き切って先鋭化することを特徴とする製造方法。
  7. 請求項6記載の製造方法において、前記酸化性ガスがCO、CO、HO、H、CHOHの少なくとも1種を含むことを特徴とする製造方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項記載の方法により製造された探針を検査する方法であって、
    上記探針を用いて試料表面のナノメータオーダの段差部を走査し、得られた段差部画像の実形状に対するずれ角度および方位に基づいて、上記探針の尖頭部を構成する単層カーボンナノチューブの付与方位を求めることを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の検査方法。
  9. 請求項8記載の検査方法により単層カーボンナノチューブの付与方位を求めた探針を走査プローブ顕微鏡において使用する方法であって、
    上記付与方位に対応させて試料ステージを傾斜させることにより、単層カーボンナノチューブから成る探針尖頭部の向きを試料表面に直交させることを特徴とする走査プローブ顕微鏡用探針の使用方法。
  10. 請求項9記載の使用方法において、それぞれ独立に制御可能な3基のアクチュエータにより前記試料ステージを傾斜させることを特徴とする使用方法。
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