JP2004271144A - 換気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】速度指令電圧に対するPWM制御信号のデューティのばらつきを、換気装置の設置現場での簡便な操作によって補償できるようにする。
【解決手段】速度指令電圧を徐々に増加しながらファンモータの回転速度を監視し、ファンモータの回転が開始されるときの電圧Vs0とモータの回転速度が飽和するときの電圧Vs100とを求め、電圧Vs0をPWMデューティ0%に対する電圧Vs0(n)、電圧Vs100をPWMデューティ100%に対する電圧Vs100(n)として記憶しておく。所定の回転速度を得るべく所定のPWMデューティDtとしたい場合には、PWMデューティ0%での電圧Vs0(n)とPWMデューティ100%での電圧Vs100(n)とを結ぶ直線を校正線とし、Dtに対する速度指令電圧Vsを算出する。これにより、工場出荷前に予め上記ばらつきを補償するような測定を行うことが不要になる。
【選択図】 図5
【解決手段】速度指令電圧を徐々に増加しながらファンモータの回転速度を監視し、ファンモータの回転が開始されるときの電圧Vs0とモータの回転速度が飽和するときの電圧Vs100とを求め、電圧Vs0をPWMデューティ0%に対する電圧Vs0(n)、電圧Vs100をPWMデューティ100%に対する電圧Vs100(n)として記憶しておく。所定の回転速度を得るべく所定のPWMデューティDtとしたい場合には、PWMデューティ0%での電圧Vs0(n)とPWMデューティ100%での電圧Vs100(n)とを結ぶ直線を校正線とし、Dtに対する速度指令電圧Vsを算出する。これにより、工場出荷前に予め上記ばらつきを補償するような測定を行うことが不要になる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室内等に設置される換気装置に関し、更に詳しくは、該換気装置のファンを回転駆動するファンモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンションなどの集合住宅や一戸建て住宅などでは、浴室とトイレの2室、或いは、浴室、トイレ及び洗面所の3室などの多室換気を行う換気装置が設置されることが多くなっている。こうした換気装置では、一般に浴室の天井面に設置された装置本体と各室に開口して設けられた吸気グリルとを接続する吸気ダクトや、屋外に開口して設けられた排気口と装置本体とを接続する排気ダクトなどの長さは個々の住戸の広さや間取りなどに応じて様々である。こうしたダクトの長さが相違すると該ダクトでの流路抵抗(圧損)も相違するため、これによって換気ファンの回転速度が変化し換気風量も変わってしまう。そこで、従来より、換気装置を住宅に設置してダクトを配管した後に、現場で実際に換気ファンを駆動させて所定の風量となるようにファンモータの回転速度を調整するといった作業が実行される(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
ところで、上記特許文献1に記載の装置でもそうであるように、こうした換気装置の換気ファンを回転駆動するファンモータの回転速度を制御するためにPWM駆動回路が利用されている。PWM駆動回路では、マイクロコンピュータを含む制御部が制御目標である回転速度に対応した速度指令電圧を出力し、この速度指令電圧の電圧値に応じてパルス幅が変化するPWM制御信号を発生する。そして、このPWM制御信号により半導体スイッチをオン・オフさせることでモータの巻線に駆動電流を断続的に供給し、モータの回転速度を制御する。
【0004】
上記のようなPWM駆動によるモータ駆動回路は、通常、ワンチップIC化されている。しかしながら、こうしたICでは、速度指令電圧の電圧値に応じて得られるPWM制御信号のパルス幅(換言すればデューティ)のばらつきが比較的大きいという傾向がある。図6は入力される速度指令電圧Vsとこれに対する出力であるPWM制御信号のデューティDtとの関係の一例を示す図である。この図6でAで囲まれた範囲はICのばらつき(個体差)によるものである。図6によれば、例えば速度指令電圧Vsを4[V]に設定した場合でも、出力されるPWM制御信号のデューティは約45〜70%の範囲でばらつく可能性があることが判る。このことは、同一の速度指令電圧を与えてもファンモータの実際の回転速度は上記範囲でばらつくことを意味する。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−28192号公報(段落0002)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来はこうした主としてICのばらつきに依存するばらつきを補償するために、工場出荷前の調整工程において1台1台、この速度指令電圧とモータの回転速度との関係を求める測定を行い、その対応関係を表すデータをメモリに記憶させている。そして、換気装置の設置現場では、そのメモリに記憶されたデータに基づいて、所望の回転速度が得られるようなPWM制御信号に対する速度指令電圧を算出するようにし、さらにダクトの圧損を測定して所定の風量が得られるような回転速度(PWMデューティ)を設定するような作業を行っている。
【0007】
しかしながら、上記のように工場出荷前の調整工程において1台1台、ばらつきを補償するような測定を行うことは、非常に面倒であり、コストを引き上げる大きな要因となっている。本発明はこのような課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、速度指令電圧とPWMデューティ又は回転速度との関係が個体差によりばらついた場合でも、こうしたばらつきを容易に且つ確実に補償することができる換気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明は、換気ファンを回転駆動するファンモータと、該ファンモータへの給電を制御するべくスイッチング素子を有する給電制御手段と、前記ファンモータの回転速度を指示するための速度指令電圧に応じて前記スイッチング素子をオン・オフするためのパラメータが変化する給電制御信号を発生する信号発生手段と、を具備する換気装置において、
a)前記ファンモータの回転速度を監視する速度監視手段と、
b)前記速度指令電圧を変化させつつ前記速度監視手段によりファンモータの回転速度を監視し、該モータの回転開始に対応する回転開始時速度指令電圧と回転速度の飽和に対応する回転飽和時速度指令電圧との少なくともいずれか一方を取得する基準指令電圧取得手段と、
c)前記回転開始時速度指令電圧及び/又は回転飽和時速度指令電圧を利用して、目的とする回転速度となるような給電制御信号を発生させるための速度指令電圧を算出してこれを前記信号発生手段に与える速度制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の具体的な一態様としては、前記信号発生手段は、速度指令電圧に応じたパルス幅を有するPWM制御信号を給電制御信号として発生する構成とすることができる。
【0010】
この構成による換気装置では、基本的な動作として、換気ファンを駆動する際に、速度制御手段は信号発生手段に対し速度指令電圧を与え、信号発生手段はこの速度指令電圧の電圧値に応じてPWM制御信号のパルス幅を設定する。給電制御手段のスイッチング素子はそのPWM制御信号によりオン・オフ動作し、ファンモータへの給電が断続的に行われて所定の回転速度で回転駆動される。速度指令電圧の電圧値を変化させるとそれに伴ってPWM制御信号のパルス幅(デューティ)も変化し、それによってファンモータの回転速度が変化する。但し、信号発生手段による速度指令電圧からPWM制御信号のパルス幅への変換にはばらつきがあるため、異なる換気装置においては、たとえ速度指令電圧が同一であってもPWM制御信号のパルス幅は同一とはならない。
【0011】
そこで、本換気装置の初期設定として、基準指令電圧取得手段は、速度指令電圧を変化させつつファンモータの回転速度を監視し、そのファンモータの回転開始に対応する回転開始時速度指令電圧か、或いは回転速度の飽和に対応する回転飽和時速度指令電圧の少なくともいずれか一方を取得する。回転開始時速度指令電圧はPWM制御信号のデューティ0%に対応し、回転飽和時速度指令電圧はPWM制御信号のデューティ100%に対応していると看做すことができるから、これにより、速度指令電圧とPWM制御信号のデューティとの関係の一部が確定し、それに基づいてその関係の全体を推定することができる。そこで、速度制御手段は、回転開始時速度指令電圧及び/又は回転飽和時速度指令電圧を利用して、目的とする回転速度となるような給電制御信号を発生させるための速度指令電圧を推算し、これを信号発生手段に与えることでファンモータの回転速度を制御する。
【0012】
本発明に係る換気装置によれば、自動的に速度指令電圧を走査することでその回路のばらつきを補償するための情報を収集し、その情報に基づいてファンモータの回転速度を所望の値にするのに適切な速度指令電圧を出力するので、例えば従来のように工場出荷前に予め上記のようなばらつきを補償するための情報を1台1台測定する必要がない。従って、工場での調整工程の作業が簡単になり、製造コストを抑制することができる。
【0013】
上述したように、信号発生手段による速度指令電圧と給電制御信号のパラメータとの関係は個体差があるものの、その関係は所定関係を維持したまま平行移動するようなばらつきであることが多い。従って、その場合には或る1点で両者の関係が見い出せれば、それに基づいてその関係の全体を推定することができる。しかしながら、1点ではなく独立な2点で両者の関係が見い出せれば、より高い精度で以て両者の関係の全体を推定することができる。
【0014】
そこで、本発明に係る換気装置では、好ましくは、前記基準指令電圧取得手段は、前記回転開始時速度指令電圧及び回転飽和時速度指令電圧の両方を取得し、前記速度制御手段は、回転開始時速度指令電圧と回転飽和時速度指令電圧との間で速度指令電圧と前記パラメータとの関係が線形になると看做して速度指令電圧を算出する構成とするとよい。
【0015】
また、本発明に係る換気装置において、前記基準指令電圧取得手段は、前記信号発生手段における速度指令電圧と前記パラメータとの関係のばらつきの範囲を考慮し、そのばらつきの範囲又はそれよりも若干広い範囲で前記速度指令電圧を変化させつつファンモータの回転速度を監視する構成とすることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、回転開始時速度指示電圧及び回転飽和時速度指示電圧を見い出すために速度指示電圧を変化させる範囲を絞ることができるので、その走査に要する時間を短縮化することができる。それによって、例えばこの換気装置を設置する現場において初期設定に要する時間が短くて済み、作業の効率が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例による換気装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は本実施例の換気装置の要部の電気系構成図である。
【0018】
この換気装置は、主として、CPU、ROM、RAM、タイマなどを含むマイクロコンピュータを中心に構成される制御部10と、その制御部10から出力される制御信号に応じて0〜6.5[V]程度の範囲の直流電圧である速度指令電圧Vsを発生する指令電圧発生部15と、換気ファン26を回転駆動するファンモータ25に駆動電力を供給するモータ駆動部20と、そのモータ駆動部20に電源電力を供給する電源回路17と、ファンモータ25に付設され、その回転子の回転位置に応じた回転変位信号を出力するホールIC27と、を含む。
【0019】
より詳しく述べると、制御部10は、PWMデューティ指示部11と、指令電圧算出部12と、記憶部13と、回転速度変化検出部14とを機能的に備え、ファンモータ25の回転速度を制御するための速度指令情報を制御信号として指令電圧発生部15に送る。具体的には、例えばこの制御信号はパルス信号の周波数を速度指令情報として有するものであって、指令電圧発生部15はこのパルス信号を周波数/電圧変換することにより速度指令電圧Vsを発生する。
【0020】
モータ駆動部20は、周期一定(例えば20kHz)のパルス信号のデューティを上記速度指令電圧Vsの電圧値に応じて変化させたPWM制御信号を発生するPWM制御信号発生部21と、そのPWM制御信号によりオン・オフされる複数の半導体スイッチを含むスイッチング部22と、後述するホールIC27からの回転変位信号を受けて回転位置信号を生成しPWM制御信号発生部21及び回転パルス発生部24へとそれぞれ出力する回転制御部23と、その回転位置信号に基づきファンモータ25の回転速度に応じて周波数が変化するパルス信号PGを発生する回転パルス発生部24と、を含む。
【0021】
電源回路17は、図示しないものの整流回路や平滑回路を含み、100[V]の商用交流電源16を整流及び平滑化することで生成した高電圧の直流電圧Vmをモータ駆動部20へ供給すると共に、例えば5[V]程度の低電圧の直流電圧Vccを制御部10及びモータ駆動部20へと供給する。
【0022】
上記構成を有する本実施例の換気装置においてモータ駆動部20はワンチップIC化されているが、PWM制御信号発生部21に入力される速度指令電圧Vsとその出力であるPWM制御信号のデューティ(ここではデューティは全て%情報とする)との関係が図6に示したような範囲でばらつき(個体差)を持つ。本実施例の換気装置では、こうしたばらつきを補償するために、施工現場(本換気装置を設置する住戸内)で特徴的な初期設定動作が実行される。次に、この初期設定動作について、図2〜図4のフローチャート、及び図5のグラフを参照して説明する。
【0023】
本換気装置で始めて通電が行われると、又は所定操作によりリセットが実行されると、制御部10は、まず回転開始時速度指令電圧Vs0(n)の取得処理を実行し(ステップS1)、引き続いて回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)の取得処理を実行する(ステップS2)。この回転開始時速度指令電圧Vs0(n)はファンモータ25の回転が始まる最も低い速度指令電圧であり、図5に示すようにPWM制御信号のデューティでは0%に相当する。一方、回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)はファンモータ25の回転がそれ以上上昇しないような速度指令電圧のうちの最も低い速度指令電圧であり、図5に示すようにPWM制御信号のデューティでは100%に相当する。上記のようなICの特性のばらつきによって、回転開始時速度指令電圧Vs0(n)及び回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)は各装置毎に相違しており、上記ステップS1及びS2の処理の結果、算出された回転開始時速度指令電圧Vs0(n)及び回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)は記憶部13に保存される。なお、このステップS1、S2の処理内容については後で詳述する。
【0024】
図示しないリモコンからの操作指示等に基づいて換気運転が指示されると、制御部10では換気ファン26の駆動要求があると判定され(ステップS3で「Yes」)、PWMデューティ指示部11は所定の回転速度を得るために必要なPWMデューティの目標値Dtを取得する(ステップS4)。指令電圧算出部12は、記憶部13から回転開始時速度指令電圧Vs0(n)及び回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)を読み出し、図5に示すようにその両点を結ぶ直線を一種の校正線として利用して、上記PWMデューティの目標値Dtに対する速度指令電圧設定値Vstを算出する(ステップS5)。
【0025】
制御部10は上記のようにして算出した速度指令電圧設定値Vstに対応した制御信号を出力し、指令電圧発生部15はこの制御信号に応じて電圧値が変化する速度指令電圧Vstを発生する。モータ駆動部20においてはPWM制御信号発生部21は上記速度指令電圧Vstの電圧値に応じてパルス幅が変化する(つまりはPWMデューティが上記目標値Dtとほぼ一致するような)PWM制御信号を発生し、スイッチング部22の半導体スイッチはPWM制御信号によりオン・オフ駆動される。それによって、ファンモータ25にはスイッチング部22から駆動電流が断続的に供給され、換気ファン26はファンモータ25により所定の回転速度で回転される(ステップS6)。
【0026】
一方、上記ステップS3で換気ファン26の駆動要求がない場合には、ステップS7へと進み、PWMデューティ指示部11は指令電圧算出部12に対しデューティ0%を設定し、それによって速度指令電圧Vsは0[V]となる。これにより、スイッチング部22からファンモータ25への給電は停止され、換気ファン26の回転は停止する。
【0027】
次に、上記ステップS1の回転開始時速度指令電圧Vs0(n)の取得処理について、図3を参照して説明する。まず、予め決められているVs0(min)から0.1[V]を減じた値をVs0に設定する(ステップS11)。Vs0(min)は、このモータ駆動部20を構成するICの規格で定められている、PWMデューティ0%に対する速度指令電圧Vsのばらつきの最小値である。制御部10はこのVs0に対応する制御信号を指令電圧発生部15へと与え、ファンモータ25の駆動を試みる(ステップS12)。その後、回転速度を安定させるために5秒間待機し(ステップS13)、5秒が経過したならば、回転速度変化検出部14は回転パルス発生部24からの回転パルス信号を読み込んで、その時点での回転速度P1を検出する(ステップS14)。
【0028】
次に、その回転速度P1が10rpm以上であるか否かを判定し(ステップS15)、10rpm未満である場合には、指令電圧算出部12は先のVs0に0.02[V]を加算したものを新たにVs0とし(ステップS16)、ステップS12へと戻る。従って、ステップS12〜S16の繰り返しにより、ファンモータ25が回転し始めてその回転速度が10rpm以上に上昇するまで、速度指令電圧VsはVs0(min)−0.1[V]から0.02[V]ずつステップ状に増加される。そして、ファンモータ25の回転速度が10rpm以上に達すると、ステップS15からS17へと進み、そのときの速度指令電圧Vs0を回転開始時速度指令電圧Vs0(n)として記憶部13に保存するとともに、そのときの回転速度P1を過去の回転速度P0として保存する(ステップS18)。
【0029】
次に、上記ステップS2の回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)の取得処理について、図4を参照して説明する。まず、予め決められているVs100(min)から0.1[V]を減じた値をVs100に設定する(ステップS21)。Vs100(min)は、このモータ駆動用ICの規格で定められている、PWMデューティ100%に対する速度指令電圧Vsのばらつきの最小値である。制御部10はこのVs100に対応する制御信号を指令電圧発生部15へと与え、ファンモータ25を駆動をする(ステップS22)。その後、回転速度を安定させるために5秒間待機し(ステップS23)、5秒が経過したならば、回転パルス発生部24による回転パルス信号に基づいて、回転速度変化検出部14はその時点での回転速度P1を検出する(ステップS24)。
【0030】
次に、検出された回転速度P1が先に保存してあった過去の回転速度P0と等しいか否かを判定し(ステップS25)、等しくない場合、つまりP1>P0である場合には、このP1を新たにP0として保存し直し(ステップS26)、Vs100に0.02[V]を加算したものを新たにVs100として(ステップS27)、ステップS22へと戻る。従って、ステップS22〜S27の繰り返しにより、ファンモータ25の回転速度が増加しなくなる、つまり飽和するまで、VsはVs100(min)−0.1から0.02[V]ずつ増加される。そしてファンモータ25の回転速度が飽和すると、ステップS25からS28へと進み、そのときの速度指令電圧Vs100を回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)として保存する。
【0031】
以上のように、速度指令電圧Vsが徐々に増加するように走査を行いながらファンモータ25の回転速度を監視することにより、各換気装置毎に、ファンモータ25の回転開始時及び回転飽和時の速度指令電圧Vs0(n)及びVs100(n)を確実且つ容易に取得することができる。これにより、図5に示すように、速度指令電圧VsとPWMデューティとの対応関係を示すグラフにおいて、PWMデューティ0%での回転開始時速度指令電圧Vs0(n)と、PWMデューティ100%での回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)との2点が確定するので、それを結ぶ直線に相当する演算を行うことにより、0〜100%内の任意のPWMデューティに対する速度指令電圧Vsを容易に求めることができる。
【0032】
なお、図5及び図6で明らかなように、多くの場合には、速度指令電圧VsとPWMデューティとの関係を表す直線はばらつきの範囲A内で殆ど平行移動するものと看做すことができ、その直線の傾きは既知である。従って、回転開始時速度指令電圧Vs0(n)又は回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)のいずれか一点のみが求まれば、その点を通過するように所定の傾きの直線を引くことで、PWMデューティと速度指令電圧Vsとの関係を得ることができる。
【0033】
また、上記説明では、PWMデューティ0%での回転開始時速度指令電圧Vs0(n)と、PWMデューティ100%での回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)とを直線で結んでいたが、この関係が直線ではなく2次曲線等、他の関数で表される曲線で結ばれる場合でも、その関数が予め判っていさえすれば本発明を適用することができることは明らかである。
【0034】
また、上記実施例はいずれも本発明の単に一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本発明に包含されることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による換気装置の要部の電気系構成図。
【図2】本実施例による換気装置におけるファンモータ制御の初期設定動作を示すフローチャート。
【図3】図2中の回転開始時速度指令電圧の取得処理を示すフローチャート。
【図4】図2中の回転飽和時速度指令電圧の取得処理を示すフローチャート。
【図5】本実施例による換気装置におけるファンモータ制御の初期設定動作を説明するためのグラフ。
【図6】入力される速度指令電圧Vsとこれに対する出力であるPWM制御信号のデューティとの関係の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
10…制御部
11…PWMデューティ指示部
12…指令電圧算出部
13…記憶部
14…回転速度変化検出部
15…指令電圧発生部
17…電源回路
20…モータ駆動部
21…PWM制御信号発生部
22…スイッチング部
23…回転制御部
24…回転パルス発生部
25…ファンモータ
26…換気ファン
27…ホールIC
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室内等に設置される換気装置に関し、更に詳しくは、該換気装置のファンを回転駆動するファンモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンションなどの集合住宅や一戸建て住宅などでは、浴室とトイレの2室、或いは、浴室、トイレ及び洗面所の3室などの多室換気を行う換気装置が設置されることが多くなっている。こうした換気装置では、一般に浴室の天井面に設置された装置本体と各室に開口して設けられた吸気グリルとを接続する吸気ダクトや、屋外に開口して設けられた排気口と装置本体とを接続する排気ダクトなどの長さは個々の住戸の広さや間取りなどに応じて様々である。こうしたダクトの長さが相違すると該ダクトでの流路抵抗(圧損)も相違するため、これによって換気ファンの回転速度が変化し換気風量も変わってしまう。そこで、従来より、換気装置を住宅に設置してダクトを配管した後に、現場で実際に換気ファンを駆動させて所定の風量となるようにファンモータの回転速度を調整するといった作業が実行される(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
ところで、上記特許文献1に記載の装置でもそうであるように、こうした換気装置の換気ファンを回転駆動するファンモータの回転速度を制御するためにPWM駆動回路が利用されている。PWM駆動回路では、マイクロコンピュータを含む制御部が制御目標である回転速度に対応した速度指令電圧を出力し、この速度指令電圧の電圧値に応じてパルス幅が変化するPWM制御信号を発生する。そして、このPWM制御信号により半導体スイッチをオン・オフさせることでモータの巻線に駆動電流を断続的に供給し、モータの回転速度を制御する。
【0004】
上記のようなPWM駆動によるモータ駆動回路は、通常、ワンチップIC化されている。しかしながら、こうしたICでは、速度指令電圧の電圧値に応じて得られるPWM制御信号のパルス幅(換言すればデューティ)のばらつきが比較的大きいという傾向がある。図6は入力される速度指令電圧Vsとこれに対する出力であるPWM制御信号のデューティDtとの関係の一例を示す図である。この図6でAで囲まれた範囲はICのばらつき(個体差)によるものである。図6によれば、例えば速度指令電圧Vsを4[V]に設定した場合でも、出力されるPWM制御信号のデューティは約45〜70%の範囲でばらつく可能性があることが判る。このことは、同一の速度指令電圧を与えてもファンモータの実際の回転速度は上記範囲でばらつくことを意味する。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−28192号公報(段落0002)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来はこうした主としてICのばらつきに依存するばらつきを補償するために、工場出荷前の調整工程において1台1台、この速度指令電圧とモータの回転速度との関係を求める測定を行い、その対応関係を表すデータをメモリに記憶させている。そして、換気装置の設置現場では、そのメモリに記憶されたデータに基づいて、所望の回転速度が得られるようなPWM制御信号に対する速度指令電圧を算出するようにし、さらにダクトの圧損を測定して所定の風量が得られるような回転速度(PWMデューティ)を設定するような作業を行っている。
【0007】
しかしながら、上記のように工場出荷前の調整工程において1台1台、ばらつきを補償するような測定を行うことは、非常に面倒であり、コストを引き上げる大きな要因となっている。本発明はこのような課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、速度指令電圧とPWMデューティ又は回転速度との関係が個体差によりばらついた場合でも、こうしたばらつきを容易に且つ確実に補償することができる換気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明は、換気ファンを回転駆動するファンモータと、該ファンモータへの給電を制御するべくスイッチング素子を有する給電制御手段と、前記ファンモータの回転速度を指示するための速度指令電圧に応じて前記スイッチング素子をオン・オフするためのパラメータが変化する給電制御信号を発生する信号発生手段と、を具備する換気装置において、
a)前記ファンモータの回転速度を監視する速度監視手段と、
b)前記速度指令電圧を変化させつつ前記速度監視手段によりファンモータの回転速度を監視し、該モータの回転開始に対応する回転開始時速度指令電圧と回転速度の飽和に対応する回転飽和時速度指令電圧との少なくともいずれか一方を取得する基準指令電圧取得手段と、
c)前記回転開始時速度指令電圧及び/又は回転飽和時速度指令電圧を利用して、目的とする回転速度となるような給電制御信号を発生させるための速度指令電圧を算出してこれを前記信号発生手段に与える速度制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の具体的な一態様としては、前記信号発生手段は、速度指令電圧に応じたパルス幅を有するPWM制御信号を給電制御信号として発生する構成とすることができる。
【0010】
この構成による換気装置では、基本的な動作として、換気ファンを駆動する際に、速度制御手段は信号発生手段に対し速度指令電圧を与え、信号発生手段はこの速度指令電圧の電圧値に応じてPWM制御信号のパルス幅を設定する。給電制御手段のスイッチング素子はそのPWM制御信号によりオン・オフ動作し、ファンモータへの給電が断続的に行われて所定の回転速度で回転駆動される。速度指令電圧の電圧値を変化させるとそれに伴ってPWM制御信号のパルス幅(デューティ)も変化し、それによってファンモータの回転速度が変化する。但し、信号発生手段による速度指令電圧からPWM制御信号のパルス幅への変換にはばらつきがあるため、異なる換気装置においては、たとえ速度指令電圧が同一であってもPWM制御信号のパルス幅は同一とはならない。
【0011】
そこで、本換気装置の初期設定として、基準指令電圧取得手段は、速度指令電圧を変化させつつファンモータの回転速度を監視し、そのファンモータの回転開始に対応する回転開始時速度指令電圧か、或いは回転速度の飽和に対応する回転飽和時速度指令電圧の少なくともいずれか一方を取得する。回転開始時速度指令電圧はPWM制御信号のデューティ0%に対応し、回転飽和時速度指令電圧はPWM制御信号のデューティ100%に対応していると看做すことができるから、これにより、速度指令電圧とPWM制御信号のデューティとの関係の一部が確定し、それに基づいてその関係の全体を推定することができる。そこで、速度制御手段は、回転開始時速度指令電圧及び/又は回転飽和時速度指令電圧を利用して、目的とする回転速度となるような給電制御信号を発生させるための速度指令電圧を推算し、これを信号発生手段に与えることでファンモータの回転速度を制御する。
【0012】
本発明に係る換気装置によれば、自動的に速度指令電圧を走査することでその回路のばらつきを補償するための情報を収集し、その情報に基づいてファンモータの回転速度を所望の値にするのに適切な速度指令電圧を出力するので、例えば従来のように工場出荷前に予め上記のようなばらつきを補償するための情報を1台1台測定する必要がない。従って、工場での調整工程の作業が簡単になり、製造コストを抑制することができる。
【0013】
上述したように、信号発生手段による速度指令電圧と給電制御信号のパラメータとの関係は個体差があるものの、その関係は所定関係を維持したまま平行移動するようなばらつきであることが多い。従って、その場合には或る1点で両者の関係が見い出せれば、それに基づいてその関係の全体を推定することができる。しかしながら、1点ではなく独立な2点で両者の関係が見い出せれば、より高い精度で以て両者の関係の全体を推定することができる。
【0014】
そこで、本発明に係る換気装置では、好ましくは、前記基準指令電圧取得手段は、前記回転開始時速度指令電圧及び回転飽和時速度指令電圧の両方を取得し、前記速度制御手段は、回転開始時速度指令電圧と回転飽和時速度指令電圧との間で速度指令電圧と前記パラメータとの関係が線形になると看做して速度指令電圧を算出する構成とするとよい。
【0015】
また、本発明に係る換気装置において、前記基準指令電圧取得手段は、前記信号発生手段における速度指令電圧と前記パラメータとの関係のばらつきの範囲を考慮し、そのばらつきの範囲又はそれよりも若干広い範囲で前記速度指令電圧を変化させつつファンモータの回転速度を監視する構成とすることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、回転開始時速度指示電圧及び回転飽和時速度指示電圧を見い出すために速度指示電圧を変化させる範囲を絞ることができるので、その走査に要する時間を短縮化することができる。それによって、例えばこの換気装置を設置する現場において初期設定に要する時間が短くて済み、作業の効率が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例による換気装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は本実施例の換気装置の要部の電気系構成図である。
【0018】
この換気装置は、主として、CPU、ROM、RAM、タイマなどを含むマイクロコンピュータを中心に構成される制御部10と、その制御部10から出力される制御信号に応じて0〜6.5[V]程度の範囲の直流電圧である速度指令電圧Vsを発生する指令電圧発生部15と、換気ファン26を回転駆動するファンモータ25に駆動電力を供給するモータ駆動部20と、そのモータ駆動部20に電源電力を供給する電源回路17と、ファンモータ25に付設され、その回転子の回転位置に応じた回転変位信号を出力するホールIC27と、を含む。
【0019】
より詳しく述べると、制御部10は、PWMデューティ指示部11と、指令電圧算出部12と、記憶部13と、回転速度変化検出部14とを機能的に備え、ファンモータ25の回転速度を制御するための速度指令情報を制御信号として指令電圧発生部15に送る。具体的には、例えばこの制御信号はパルス信号の周波数を速度指令情報として有するものであって、指令電圧発生部15はこのパルス信号を周波数/電圧変換することにより速度指令電圧Vsを発生する。
【0020】
モータ駆動部20は、周期一定(例えば20kHz)のパルス信号のデューティを上記速度指令電圧Vsの電圧値に応じて変化させたPWM制御信号を発生するPWM制御信号発生部21と、そのPWM制御信号によりオン・オフされる複数の半導体スイッチを含むスイッチング部22と、後述するホールIC27からの回転変位信号を受けて回転位置信号を生成しPWM制御信号発生部21及び回転パルス発生部24へとそれぞれ出力する回転制御部23と、その回転位置信号に基づきファンモータ25の回転速度に応じて周波数が変化するパルス信号PGを発生する回転パルス発生部24と、を含む。
【0021】
電源回路17は、図示しないものの整流回路や平滑回路を含み、100[V]の商用交流電源16を整流及び平滑化することで生成した高電圧の直流電圧Vmをモータ駆動部20へ供給すると共に、例えば5[V]程度の低電圧の直流電圧Vccを制御部10及びモータ駆動部20へと供給する。
【0022】
上記構成を有する本実施例の換気装置においてモータ駆動部20はワンチップIC化されているが、PWM制御信号発生部21に入力される速度指令電圧Vsとその出力であるPWM制御信号のデューティ(ここではデューティは全て%情報とする)との関係が図6に示したような範囲でばらつき(個体差)を持つ。本実施例の換気装置では、こうしたばらつきを補償するために、施工現場(本換気装置を設置する住戸内)で特徴的な初期設定動作が実行される。次に、この初期設定動作について、図2〜図4のフローチャート、及び図5のグラフを参照して説明する。
【0023】
本換気装置で始めて通電が行われると、又は所定操作によりリセットが実行されると、制御部10は、まず回転開始時速度指令電圧Vs0(n)の取得処理を実行し(ステップS1)、引き続いて回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)の取得処理を実行する(ステップS2)。この回転開始時速度指令電圧Vs0(n)はファンモータ25の回転が始まる最も低い速度指令電圧であり、図5に示すようにPWM制御信号のデューティでは0%に相当する。一方、回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)はファンモータ25の回転がそれ以上上昇しないような速度指令電圧のうちの最も低い速度指令電圧であり、図5に示すようにPWM制御信号のデューティでは100%に相当する。上記のようなICの特性のばらつきによって、回転開始時速度指令電圧Vs0(n)及び回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)は各装置毎に相違しており、上記ステップS1及びS2の処理の結果、算出された回転開始時速度指令電圧Vs0(n)及び回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)は記憶部13に保存される。なお、このステップS1、S2の処理内容については後で詳述する。
【0024】
図示しないリモコンからの操作指示等に基づいて換気運転が指示されると、制御部10では換気ファン26の駆動要求があると判定され(ステップS3で「Yes」)、PWMデューティ指示部11は所定の回転速度を得るために必要なPWMデューティの目標値Dtを取得する(ステップS4)。指令電圧算出部12は、記憶部13から回転開始時速度指令電圧Vs0(n)及び回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)を読み出し、図5に示すようにその両点を結ぶ直線を一種の校正線として利用して、上記PWMデューティの目標値Dtに対する速度指令電圧設定値Vstを算出する(ステップS5)。
【0025】
制御部10は上記のようにして算出した速度指令電圧設定値Vstに対応した制御信号を出力し、指令電圧発生部15はこの制御信号に応じて電圧値が変化する速度指令電圧Vstを発生する。モータ駆動部20においてはPWM制御信号発生部21は上記速度指令電圧Vstの電圧値に応じてパルス幅が変化する(つまりはPWMデューティが上記目標値Dtとほぼ一致するような)PWM制御信号を発生し、スイッチング部22の半導体スイッチはPWM制御信号によりオン・オフ駆動される。それによって、ファンモータ25にはスイッチング部22から駆動電流が断続的に供給され、換気ファン26はファンモータ25により所定の回転速度で回転される(ステップS6)。
【0026】
一方、上記ステップS3で換気ファン26の駆動要求がない場合には、ステップS7へと進み、PWMデューティ指示部11は指令電圧算出部12に対しデューティ0%を設定し、それによって速度指令電圧Vsは0[V]となる。これにより、スイッチング部22からファンモータ25への給電は停止され、換気ファン26の回転は停止する。
【0027】
次に、上記ステップS1の回転開始時速度指令電圧Vs0(n)の取得処理について、図3を参照して説明する。まず、予め決められているVs0(min)から0.1[V]を減じた値をVs0に設定する(ステップS11)。Vs0(min)は、このモータ駆動部20を構成するICの規格で定められている、PWMデューティ0%に対する速度指令電圧Vsのばらつきの最小値である。制御部10はこのVs0に対応する制御信号を指令電圧発生部15へと与え、ファンモータ25の駆動を試みる(ステップS12)。その後、回転速度を安定させるために5秒間待機し(ステップS13)、5秒が経過したならば、回転速度変化検出部14は回転パルス発生部24からの回転パルス信号を読み込んで、その時点での回転速度P1を検出する(ステップS14)。
【0028】
次に、その回転速度P1が10rpm以上であるか否かを判定し(ステップS15)、10rpm未満である場合には、指令電圧算出部12は先のVs0に0.02[V]を加算したものを新たにVs0とし(ステップS16)、ステップS12へと戻る。従って、ステップS12〜S16の繰り返しにより、ファンモータ25が回転し始めてその回転速度が10rpm以上に上昇するまで、速度指令電圧VsはVs0(min)−0.1[V]から0.02[V]ずつステップ状に増加される。そして、ファンモータ25の回転速度が10rpm以上に達すると、ステップS15からS17へと進み、そのときの速度指令電圧Vs0を回転開始時速度指令電圧Vs0(n)として記憶部13に保存するとともに、そのときの回転速度P1を過去の回転速度P0として保存する(ステップS18)。
【0029】
次に、上記ステップS2の回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)の取得処理について、図4を参照して説明する。まず、予め決められているVs100(min)から0.1[V]を減じた値をVs100に設定する(ステップS21)。Vs100(min)は、このモータ駆動用ICの規格で定められている、PWMデューティ100%に対する速度指令電圧Vsのばらつきの最小値である。制御部10はこのVs100に対応する制御信号を指令電圧発生部15へと与え、ファンモータ25を駆動をする(ステップS22)。その後、回転速度を安定させるために5秒間待機し(ステップS23)、5秒が経過したならば、回転パルス発生部24による回転パルス信号に基づいて、回転速度変化検出部14はその時点での回転速度P1を検出する(ステップS24)。
【0030】
次に、検出された回転速度P1が先に保存してあった過去の回転速度P0と等しいか否かを判定し(ステップS25)、等しくない場合、つまりP1>P0である場合には、このP1を新たにP0として保存し直し(ステップS26)、Vs100に0.02[V]を加算したものを新たにVs100として(ステップS27)、ステップS22へと戻る。従って、ステップS22〜S27の繰り返しにより、ファンモータ25の回転速度が増加しなくなる、つまり飽和するまで、VsはVs100(min)−0.1から0.02[V]ずつ増加される。そしてファンモータ25の回転速度が飽和すると、ステップS25からS28へと進み、そのときの速度指令電圧Vs100を回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)として保存する。
【0031】
以上のように、速度指令電圧Vsが徐々に増加するように走査を行いながらファンモータ25の回転速度を監視することにより、各換気装置毎に、ファンモータ25の回転開始時及び回転飽和時の速度指令電圧Vs0(n)及びVs100(n)を確実且つ容易に取得することができる。これにより、図5に示すように、速度指令電圧VsとPWMデューティとの対応関係を示すグラフにおいて、PWMデューティ0%での回転開始時速度指令電圧Vs0(n)と、PWMデューティ100%での回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)との2点が確定するので、それを結ぶ直線に相当する演算を行うことにより、0〜100%内の任意のPWMデューティに対する速度指令電圧Vsを容易に求めることができる。
【0032】
なお、図5及び図6で明らかなように、多くの場合には、速度指令電圧VsとPWMデューティとの関係を表す直線はばらつきの範囲A内で殆ど平行移動するものと看做すことができ、その直線の傾きは既知である。従って、回転開始時速度指令電圧Vs0(n)又は回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)のいずれか一点のみが求まれば、その点を通過するように所定の傾きの直線を引くことで、PWMデューティと速度指令電圧Vsとの関係を得ることができる。
【0033】
また、上記説明では、PWMデューティ0%での回転開始時速度指令電圧Vs0(n)と、PWMデューティ100%での回転飽和時速度指令電圧Vs100(n)とを直線で結んでいたが、この関係が直線ではなく2次曲線等、他の関数で表される曲線で結ばれる場合でも、その関数が予め判っていさえすれば本発明を適用することができることは明らかである。
【0034】
また、上記実施例はいずれも本発明の単に一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本発明に包含されることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による換気装置の要部の電気系構成図。
【図2】本実施例による換気装置におけるファンモータ制御の初期設定動作を示すフローチャート。
【図3】図2中の回転開始時速度指令電圧の取得処理を示すフローチャート。
【図4】図2中の回転飽和時速度指令電圧の取得処理を示すフローチャート。
【図5】本実施例による換気装置におけるファンモータ制御の初期設定動作を説明するためのグラフ。
【図6】入力される速度指令電圧Vsとこれに対する出力であるPWM制御信号のデューティとの関係の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
10…制御部
11…PWMデューティ指示部
12…指令電圧算出部
13…記憶部
14…回転速度変化検出部
15…指令電圧発生部
17…電源回路
20…モータ駆動部
21…PWM制御信号発生部
22…スイッチング部
23…回転制御部
24…回転パルス発生部
25…ファンモータ
26…換気ファン
27…ホールIC
Claims (4)
- 換気ファンを回転駆動するファンモータと、スイッチング素子を有し前記ファンモータへの給電を制御する給電制御手段と、前記ファンモータの回転速度を指示するための速度指令電圧に応じて前記スイッチング素子をオン・オフするためのパラメータが変化する給電制御信号を発生する信号発生手段と、を具備する換気装置において、
a)前記ファンモータの回転速度を監視する速度監視手段と、
b)前記速度指令電圧を変化させつつ前記速度監視手段によりファンモータの回転速度を監視し、該モータの回転開始に対応する回転開始時速度指令電圧と回転速度の飽和に対応する回転飽和時速度指令電圧との少なくともいずれか一方を取得する基準指令電圧取得手段と、
c)前記回転開始時速度指令電圧及び/又は回転飽和時速度指令電圧を利用して、目的とする回転速度となるような給電制御信号を発生させるための速度指令電圧を算出してこれを前記信号発生手段に与える速度制御手段と、
を備えることを特徴とする換気装置。 - 前記信号発生手段は、速度指令電圧に応じたパルス幅を有するPWM制御信号を給電制御信号として発生することを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
- 前記基準指令電圧取得手段は、前記回転開始時速度指令電圧及び回転飽和時速度指令電圧の両方を取得し、前記速度制御手段は、回転開始時速度指令電圧と回転飽和時速度指令電圧との間で速度指令電圧と前記パラメータとの関係が線形になると看做して速度指令電圧を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の換気装置。
- 前記基準指令電圧取得手段は、前記信号発生手段における速度指令電圧と前記パラメータとの関係のばらつきの範囲を考慮し、そのばらつきの範囲又はそれよりも若干広い範囲で前記速度指令電圧を変化させつつファンモータの回転速度を監視することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の換気装置。
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