JP2004270285A - プレキャストコンクリート耐力壁、連層耐力壁構造及び鉄筋ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレキャストコンクリート耐力壁の壁体10の上下の両端部に突出部21,22 を形成して配設した異形鉄筋からなる複数本の縦筋20と、該縦筋の突出部21,22 と直交する横筋30,31 とを備える。横筋30,31 は縦筋の突出部21,22 において溶接により縦筋20に接合される。縦筋の突出部21,22 と横筋30,31 とが床スラブ50厚さh3 内において定着される。上層のプレキャストコンクリート耐力壁1の下側の縦筋の突出部22と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁1の上側の縦筋の突出部21とが、床スラブ厚さ内において上下方向に重なり部oを形成している。縦筋の突出部21,22 に複数本の横筋30,31 が方形の格子状となるように配筋され、複数本の横筋30,31 が重なり部oに位置する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレキャストコンクリート耐力壁及びこの耐力壁を用いた連層耐力壁構造、さらにプレキャストコンクリート耐力壁の壁体に内蔵される鉄筋ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄筋を内蔵したプレキャストコンクリート壁を上下に接合する工法として、モルタル充填式スリーブを用いて縦筋の継手部を形成する、モルタル充填式スリーブ工法が知られている。
しかし、この工法によると、施工が簡単ではなく、またモルタル充填式スリーブ自体のコストが高いことに加えてグラウト材料や施工費も高く、全体としてコストが高くなる。
特許文献1には、このような工法によらず、プレキャスト壁の下部に縦方向の切欠きを設け、縦筋は伸ばしておき、予め下階のプレキャスト壁を取着しようとする位置に施工した差し筋に前記プレキャスト壁を建込み、前記プレキャスト壁の切欠き部にコンクリート或いはモルタルを吹きつけてなるプレキャスト壁の接合構造が開示されている。しかし、プレキャスト壁に切欠き部を形成することを必要とし、また、切欠き部にコンクリート或いはモルタルを吹きつけて表面をこて仕上げで平滑にする作業が必要となる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7ー139053号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製作が容易で経済的なプレキャストコンクリート耐力壁及びこの耐力壁を用い、充填式スリーブ工法によらずに容易に施工できる連層耐力壁構造、さらにプレキャストコンクリート耐力壁の壁体に内蔵される鉄筋ユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、壁体に鉄筋が内蔵されたプレキャストコンクリート耐力壁において、壁体の上下の両端部に突出部を形成して配設した異形鉄筋からなる複数本の縦筋と、該縦筋の突出部と直交する横筋とを備えてなる、プレキャストコンクリート耐力壁である。
上記プレキャストコンクリート耐力壁においては、前記縦筋の突出部において溶接により縦筋に接合した横筋を備えたものとすることが好ましい。
また、予め前記縦筋の突出部において溶接により縦筋に接合した横筋を備えた鉄筋ユニットを用いて構成したものとすることが好ましい。
また、前記縦筋の突出部と前記横筋とが床スラブ厚さ内において定着されるようにしたものとすることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、上記のようなプレキャストコンクリート耐力壁を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造であって、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の下側の縦筋の突出部と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の上側の縦筋の突出部とが、床スラブ厚さ内において上下方向に重なり部を形成している、連層耐力壁構造である。
この連層耐力壁構造においては、前記縦筋の突出部に複数本(複数段)の横筋が方形の格子状となるように配筋され、前記複数本の横筋が前記重なり部に位置するものとすることができる。
また、前記縦筋を壁体内に表裏二層に複配筋してなるものとし、上層のプレキャストコンクリート耐力壁と下層のプレキャストコンクリート耐力壁とは、壁体内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋の層間の間隔がいずれも実質的に同じ長さに形成され、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の下側の縦筋の突出部と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の上側の縦筋の突出部とは、各縦筋が壁体の面に沿う左右方向(壁体の横長さ方向)又は厚さ方向にずれた位置に近接して配設され、前記重なり部を形成しているものとすることができる。
また、前記重なり部によって、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の下側の縦筋と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の上側の縦筋とが応力を伝達する重ね継手を形成しているものとすることができる。
また、前記重なり部において、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の縦筋の下側の突出部に設けられた複数本の横筋のうち、最下側の横筋と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の縦筋の上側の突出部に設けられた複数本の横筋のうち、最上側の横筋との間の距離o1内に、平面視、横筋と交叉する差筋が設けられているものとすることができる。
【0007】
また、本発明は、プレキャストコンクリート耐力壁の壁体に内蔵される鉄筋ユニットであって、複数の異形鉄筋からなる縦筋と、プレキャストコンクリート耐力壁の壁体の上下の両端部に突出部を形成する位置となる縦筋の両端部に溶接により接合した横筋とを備えてなる鉄筋ユニットである。
なお、請求項1に係る発明と請求項5に係る発明は特許法第37条第1号、第2号又は第3号の関係を具備し、請求項1に係る発明と請求項11に係る発明は特許法第37条第1号、第2号又は第3号の関係を具備する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。各図において、同じ構成要素には同じ符号を用い、重複する説明は適宜省略する場合がある。
図1は本発明に係るプレキャストコンクリート耐力壁1の実施例1を示す縦断面図である。
【0009】
図1に示すとおり、プレキャストコンクリート耐力壁(以下、PCa耐力壁という)1は、厚さt1を有するコンクリート製の壁体10内に表裏二層に複配筋された複数本の縦筋20,20を有している。縦筋20は、壁体10の上下の両端部に、夫々長さh1,h2を有する突出部21(図面上側),22(図面下側)を形成して配設した異形鉄筋からなる。壁体10の下面は厚さ方向の中心部に向けて壁高さが徐々に高くなるように傾斜面11を形成している。
【0010】
壁体10内の上端部付近には、例えば主筋16とあばら筋17を備えてなる梁部15が内蔵されている。また、壁体10内には、複数の内蔵横筋40を備えている。内蔵横筋40は結束によりあるいは溶接により縦筋20に接合され、通常、全体として方形の格子状をなすように配筋されるが、特に限定されない。
【0011】
縦筋20の一方の突出部21にはこれと直交する横筋30が、また、縦筋20の他方の突出部22にはこれと直交する横筋31が、夫々溶接により縦筋20に接合されている。横筋30,31は、夫々壁体10の上下端面に沿う方向に水平に延び、各縦筋20に接合されている。横筋30,31が接合され、複配筋された対向する縦筋20,20は同じ構造で対称的に配置されている。縦筋20の各突出部21,22には、夫々上下に、好ましくは、複数本の横筋30・30,31・31が方形(矩形)の格子状となるように配筋される(夫々1本の横筋を配筋したものでもよい)。横筋30・30間の長さw1と横筋31・31間の距離w2とは、必ずしも同じである必要はない。
PCa耐力壁1は、予め縦筋の突出部21,22において溶接により縦筋20に接合した横筋30,31を備えた鉄筋ユニット(例えば、1m前後の幅の鉄筋ユニット)を用いて構成するのが望ましい。そのようにすれば、このような鉄筋ユニットを予め鉄筋製造工場で製造しておき、これを現場付近に設置したPCa耐力壁の製作工場あるいは現場ヤードに搬入し、そこでその鉄筋ユニットを適宜の数横に連設して(並べて)、適宜内蔵横筋を配筋し、型枠を用いて1枚のPCa耐力壁1を製作することができ、そのようにすることによりPCa耐力壁1の製作が簡便であり、輸送コストも低減し得る。図2に鉄筋ユニット3の一例を示す。この鉄筋ユニット3は、複数の異形鉄筋からなる縦筋20と、プレキャストコンクリート耐力壁の壁体の上下の両端部に突出部を形成する位置となる縦筋20の両端部に溶接により接合した横筋30・30,31・31とを備えてなる。横筋30・30,31・31は、各縦筋20と直交して水平に延びている。鉄筋ユニット3の高さは階高に応じて設定される。鉄筋ユニット3の横長さや横長さにおける縦筋の本数は、必要に応じて設定し得る。通常、このような鉄筋ユニット3を、目的とするPCa耐力壁1の横長さに応じて、適宜の数横に連設してPCa耐力壁1を製作する。連設する各鉄筋ユニット3の横長さや横長さにおける縦筋の本数は、必ずしも同じものでなくてもよい。
なお、横筋30,31を設けた方形の格子状をなす鉄筋ユニットは、JIS G 3551に定める鉄筋格子における溶接点せん断強さを備えたものか、好ましくは250N以上の交点強度を備えたものが使用される。横筋30,31は、通常、異形鉄筋で構成されるが、節部のない丸鋼鉄筋を用いてもよい。節部のない丸鋼鉄筋を用いる場合、格子状の鉄筋の製作がより簡便となる。
【0012】
PCa耐力壁1の、複配筋された縦筋20,20は、いずれも直線状に形成されている。内蔵横筋40は壁体10内において、縦筋20の外側に配設されている。縦筋20の一方(図面上側)の突出部21において、横筋30は、内蔵横筋40と同様に縦筋20の外側に接合されている。縦筋20の他方(図面下側)の突出部21では、横筋31は、縦筋20の内側に接合されている。
【0013】
図3は、図1に示すPCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造における上層と下層の接合部を示す。図3の(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。なお、上層のPCa耐力壁1の鉄筋と下層のPCa耐力壁1の鉄筋との関係をわかりやすくするため、上層のPCa耐力壁1の鉄筋は鎖線及び塗りつぶした黒丸で示している。
符号50は床スラブであり、この実施例では半製品である半PCa板を用いて構成している。符号51は打設コンクリート、53は半製品である半PCa板、54は半PCa板に設けられたトラス筋、55は床スラブ内鉄筋を示す。縦筋20の突出部21,22と横筋30,31とが床スラブ50厚さ(厚さh3)内において定着されている。
上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とが、共に床スラブ50厚さ内において上下方向に重なり部oを形成している。
また、縦筋20の上側の突出部21及び下側の突出部22に夫々設けられた複数本の横筋30・30,31・31は方形の格子状となるように配筋され、この複数本の横筋30・30,31・31が重なり部oに位置している。そして、この重なり部oによって、上層のPCa耐力壁1の縦筋20と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20とが応力を伝達する重ね継手を形成している。
重なり部oにおいては、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22に設けられた複数本の横筋31・31のうち、最下側の横筋31と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21に設けられた複数本の横筋30・30のうち、最上側の横筋30との間に、距離o1が形成され、この距離o1内に、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22に設けられた複数本の横筋31・31のうち、最下側の横筋31ではない他の横筋31と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21に設けられた複数本の横筋30・30のうち、最上側の横筋30ではない他の横筋30とが位置する態様となっている。縦筋20の上側の突出部21に設けられた複数本の横筋30・30と下側の突出部22に設けられた複数本の横筋31・31とは、上下方向において、横筋30,横筋31,横筋30,横筋31というように交互に位置している。
上記重なり部oにおける上下方向の最外側に位置する横筋30,31間の距離o1は、通常、100〜300mm、好ましくは150〜200mm、また、スラブ50の厚さh3に対し、通常、4/5〜2/5、好ましくは3/4〜1/2の範囲である。この場合、重なり部oにおける上下方向の最外側に位置する横筋30,31間の距離o1は、横筋の直径の約10倍、また縦筋の直径の5〜15倍の範囲が好ましい。
【0014】
上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2がいずれも実質的に同じ長さに形成されている。ただし、図3(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の左右方向(壁体10の面に沿う左右方向)にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。上層のPCa耐力壁1の縦筋20下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、それらの位置関係において、各縦筋20,20の軸心が完全に一致していると、重なり部oを形成することができない。実施例1のものは、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、各縦筋20の軸心をずらしているが、基本的に同じ構造であり、同じ鉄筋ユニットを使用して、各PCa耐力壁1を製作し、これを用いて連層耐力壁構造を構築することができる。なお、PCa耐力壁1の上下の関係を逆にすることができるのは勿論である。
【0015】
上記連層耐力壁構造の好ましい構築方法(施工方法)を例示して説明する。
先ず、下層のPCa耐力壁1を立設した後、この下層のPCa耐力壁1の壁体10の上面両端部に載るように、半製品としての半床(プレキャストコンクリート等の板やデッキ、中空スラブ板等)53を設置する。
次いで、下層のPCa耐力壁1の上に、上層のPCa耐力壁1を、床スラブ50が形成される間隔h3を保持して仮設する。このとき、前記のように、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とが、上下方向に重なり部oを形成するように仮設する。PCa耐力壁1と柱の取合いやPCa耐力壁1同士の取合いは、公知の手段を適用でき、特に限定されないため、説明を省略する。
【0016】
次に、下層のPCa耐力壁1と上層のPCa耐力壁1の間の空隙及び半床53の上に、コンクリート51を打設して(適宜配筋をして)床スラブ(全床)50を形成する。この全床を形成する床スラブ50の厚さh3の中で、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21による重なり部oが形成され、この重なり部oによって、応力を伝達する重ね継手が形成される。
なお、壁体10の下面は厚さ方向の中心部に向けて壁高さが徐々に高くなるように傾斜面11を形成しているため、コンクリート51打設の際、コンクリート充填が確実に行われ、空隙部等の不具合を防止する。
【0017】
以下、本発明のPCa耐力壁1及び連層耐力壁構造の他の実施例について図4〜図10を参照して説明する。各図は、連層耐力壁構造における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。なお、上層のPCa耐力壁1の鉄筋と下層のPCa耐力壁1の鉄筋との関係をわかりやすくするため、上層のPCa耐力壁1の鉄筋は鎖線及び塗りつぶした黒丸で示している。重複記載を避けるため、主として実施例1と相違する点について説明する。
【0018】
図4に示す実施例2は、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1との関係において、横筋30,31及び内蔵横筋40の配置態様を変更したものである。
上層のPCa耐力壁1では、内蔵横筋40は壁体10内において縦筋20の外側に配設され、また、縦筋20の下側の突出部22及び上側の突出部21(図示省略)両方とも、横筋30は、内蔵横筋40と同様に縦筋20の外側に接合されている。
一方、下層のPCa耐力壁1では、内蔵横筋40は壁体10内において縦筋20の内側に配設され、また、縦筋20の上側の突出部21及び下側の突出部22(図示省略)両方とも、横筋30は、内蔵横筋40と同様に縦筋20の内側に接合されている。
このような2種のPCa耐力壁1を交互に積層して連層耐力壁構造を構築することができる。
実施例1と同様、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2がいずれも実質的に同じ長さに形成されている。ただし、図4(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の左右方向(壁体10の面に沿う左右方向)にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。
【0019】
図5に示す実施例3は、実施例1に対し、横筋30,31の配置態様を変更したものである。
上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、基本的に同じ構造であり、上層のPCa耐力壁1、下層のPCa耐力壁1両方とも、内蔵横筋40は壁体10内において、縦筋20の外側に配設されている点は実施例1と同じである。また、表裏二層に複配筋された対向する縦筋20,20は同じ構造で対称的に配置されている点も同じであるが、横筋30,31の接合態様が対称的ではない。すなわち、PCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21において、横筋30は、複配筋された縦筋20,20に対し、一方の側の縦筋20については内側に、他方の側の縦筋20については外側に、それぞれ接合されている。
また、PCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22において、横筋31は、複配筋された縦筋20,20に対し、上側の突出部21の場合とは逆に、一方の側の縦筋20については外側に、他方の側の縦筋20については内側に、それぞれ接合されている。
実施例1と同様、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2がいずれも実質的に同じ長さに形成されている。ただし、図5(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の左右方向(壁体10の面に沿う左右方向)にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。
【0020】
図6に示す実施例4は、実施例1と異なり、上層のPCa耐力壁1、下層のPCa耐力壁1両方とも、壁体10に複配筋される縦筋20,20が壁体10に対して一方の面側に偏心して内蔵されている。偏心の向きは、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とでは反対側となる。
また、上層のPCa耐力壁1、下層のPCa耐力壁1両方とも、内蔵横筋40は壁体10内において、縦筋20の外側に配設され、また、縦筋20の下側の突出部22及び上側の突出部21両方とも、横筋30は、内蔵横筋40と同様に縦筋20の外側に接合されている。上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、各縦筋20の軸心をずらしているが、基本的に同じ構造であり、同じ鉄筋ユニットを使用して、各PCa耐力壁1を製作し、これを用いて連層耐力壁構造を構築することができる。
実施例1と同様、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2がいずれも実質的に同じ長さに形成されている。ただし、図6(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の厚さ方向にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。
【0021】
図7に示す実施例5は、縦筋20の一方(図面上側)の突出部21の構成は実施例1と同様の構成であるが、縦筋20の他方(図面下側)の突出部22の構成が異なっている。上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、同じ構造である。
PCa耐力壁1の複配筋された縦筋20,20は直線状に形成されておらず、複配筋された対向する縦筋20,20は、PCa耐力壁1の壁体10の下側の端部において、壁体10の厚さの中心に向けて屈曲され、壁体10の外に直線状に突出して突出部22を形成している。また、縦筋20の突出部22において、横筋31は、縦筋20の外側に接合されている。壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の壁体内の間隔t2に対し、突出部22における対向する縦筋20,20の層間の間隔が小さく形成されており、横筋30,30を含む突出部22,22における幅が、複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2内に収まる寸法に形成されている。
上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1との接合部において、上層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の下側の突出部22,22はいずれも、下層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の上側の突出部21,21間に挿入される態様で配置され、図7(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の厚さ方向にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。
【0022】
図8に示す実施例6は、上記実施例5のPCa耐力壁1の上下の関係を逆にしたものである。
PCa耐力壁1の縦筋20,20をその上側の端部において、梁型(梁部15)を形成しているせん断補強筋(あばら筋17)の内側に折り曲げて梁型(梁部15)の主筋16,16間を通して上方に伸ばし、壁体10の外に直線状に突出する突出部21,21を形成している。
上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1との接合部において、下層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の上側の突出部21,21はいずれも、上層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の下側の突出部22,22間に挿入される態様で配置され、図8(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の厚さ方向にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。
【0023】
図9に示す実施例7は、前記実施例5に変形を加えたものである。
PCa耐力壁1の複配筋された対向する縦筋20,20は、PCa耐力壁1の壁体10の下側の端部において、実施例4よりもさらに絞りこまれた形で、壁体10の厚さの中心に向けて屈曲され、壁体10の外に直線状に突出して突出部22を形成している。
また、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20は、図9(b)(c)に示すとおり、その平面形において対称に配置されておらず、ピッチをずらして非対称に配設されている。そして、突出部22における対向する(図面左右の)縦筋20,20は、壁体10の厚さのほぼ中心位置においてほぼ同一平面上に位置するように配設されている。
【0024】
図10に示す実施例8は、前記実施例2に変形を加えたものである。
実施例2のものは、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20は、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1との関係において、各縦筋20の軸心が壁体10の左右方向(壁体10の面に沿う左右方向)にずれた位置に近接して配設されているのに対し、実施例6では、壁体10内における位置関係では軸心が一致している点で異なっている。
そして、この実施例8のものは、縦筋20,20は直線状に形成されておらず、縦筋20の一方(図面上側)の突出部21及び縦筋20の他方(図面下側)の突出部22の構成が実施例2と異なっている。すなわち、実施例8では、複配筋された対向する縦筋20,20は、PCa耐力壁1の壁体10の下側の端部近傍で、壁体10の厚さの中心に向けて屈曲され、壁体10の外に突出して突出部22を形成している。また、複配筋された対向する縦筋20,20は、PCa耐力壁1の壁体10の上側の端部近傍で、壁体10の厚さの外側に向けて屈曲され、壁体10の外に突出して突出部21を形成している。
上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1との接合部において、上層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の下側の突出部22,22はいずれも、下層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の上側の突出部21,21間に挿入される態様で配置され、図7(b)(c)に示すとおり、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21とは、各縦筋20の軸心が壁体10の厚さ方向にずれた位置に近接して配設されており、これによって重なり部oを形成している。なお、PCa耐力壁1の上下の関係を逆にすることができるのは勿論である。
【0025】
なお、上記実施例8において、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1とは、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2がいずれも実質的に同じ長さに形成されているが、壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20の層間の間隔t2について、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1のいずれか一方を小さく形成し、両PCa耐力壁1の壁体10内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋20,20を直線状に形成して突出部21,22で屈曲させないように構成し、上層のPCa耐力壁1と下層のPCa耐力壁1との接合部において、上層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の下側の突出部22,22が、下層のPCa耐力壁1の縦筋20,20の上側の突出部21,21間に挿入される態様あるいはその逆の態様で配置されるようにしてもよい。
【0026】
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形、付加等が可能である。
前記実施例に示したものの他、これらの各実施例を組み合わせたもの等のバリエーションが可能である。縦筋20が複配筋されたPCa耐力壁を示して説明したが、シングル筋にも適用することができる。また、横筋30,31が壁体10の上下端面に沿う方向(壁体の横長さ方向)に配設されたPCa耐力壁を示して説明したが、横筋30,31は突出部に直交する方向であれば、例えば、壁体10の厚さ方向に伸びるように形成されたものでもよい。この場合、縦筋20の端部を横方向に屈曲形成することにより、この屈曲形成された部分が横筋となるように構成してもよい。
【0027】
図11は、図3に示した連層耐力壁構造に対して付加的構成を備えた連層耐力壁構造における上層と下層の接合部を縦断面図で示すものである。図12は、この連層耐力壁構造における接合部の鉄筋の配置態様を模式的に示す平断面図である。
図11に示す連層耐力壁構造では、重なり部oにおいて、上層のPCa耐力壁1の縦筋20の下側の突出部22に設けられた複数本の横筋31・31のうち、最下側の横筋31と、下層のPCa耐力壁1の縦筋20の上側の突出部21に設けられた複数本の横筋30・30のうち、最上側の横筋30との間に、形成された距離o1内に、平面視、横筋30,31と交叉する差筋60が設けられている。図示の例では、差筋60は、横筋30,31と直交する方向に形成されている。差筋60は、縦筋20,20と直交して床スラブ50厚さ内で定着されている。また、差筋60は、U字形をなしており、一対の差筋60,60を夫々壁体10の両側方向から差し込んで互いに近接させて設けている。もっとも、差筋60は、このようなU字形のものでなく直線状の棒状体等であってもよい。差筋60を一のPCa耐力壁1に対して設ける本数及びその配設ピッチは必要に応じて適宜設定し得る。差筋60は、例えば、下層のPCa耐力壁1の上に、上層のPCa耐力壁1を仮設した後、コンクリート51を打設する前に配設する。差筋60は、例えば縦筋20等に針金で結束して固定すればよい。差筋60は、横筋30又は31上に載る態様で配置できるので、所定位置に固定しやすい。
壁体10の上下端面に沿う方向に水平に延びる横筋30,31に加えて、横筋30,31と交叉する差筋60が、床スラブ50厚さh3内において定着され、壁体10の上下端面に沿う方向のみならず壁体10の厚さ方向にも広がりを有する継手構造となり、上層と下層のPCa耐力壁1間に、より大きな伝達力を確実に生じさせることができる。上記のような差筋60は、前述した各実施例2〜8に適用することもできる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、突出部を形成した縦筋と、該縦筋の突出部と直交する横筋とを床スラブ厚さ内に簡単かつ確実に定着することができ、PCa耐力壁の製作も容易で経済的である。連層耐力壁構造を構築するのに好適である。請求項2に係る発明によれば、縦筋の突出部において溶接により縦筋に接合した横筋を備えてなるため、鉄筋の壁体の厚さ方向への突出を避けることができ、施工しやすい。
請求項3に係る発明によれば、予め縦筋の突出部において溶接により縦筋に接合した横筋を備えた鉄筋ユニットを用いて構成したため、例えば、このような鉄筋ユニットを予め工場で製造しておき、これを現場に搬入し、現場ヤードでその鉄筋ユニットを横に連設して、適宜内蔵横筋を配筋し、型枠を用いて1枚のPCa耐力壁1を製作することができ、PCa耐力壁の製作が簡便であり、輸送コストも低減し得る。
請求項4に係る発明によれば、差し筋を別途設ける必要がなく、縦筋の突出部と横筋とが床スラブ厚さ内において定着される。
請求項5に係る発明によれば、上層のPCa耐力壁の下側の縦筋の突出部と、下層のPCa耐力壁の上側の縦筋の突出部とが、床スラブ厚さ内において上下方向に重なり部を形成しているため、充填式スリーブ工法によらずに容易かつ確実に連層耐力壁構造を構築することができる。
請求項6に係る発明によれば、縦筋の突出部に複数本の横筋が方形の格子状となるように配筋され、複数本の横筋が重なり部に位置するため、上層と下層の縦筋の相互定着がより確実となる。
請求項7に係る発明によれば、縦筋を壁体内に表裏二層に複配筋して耐力の高い強固な連層耐力壁構造が構築され、上層のPCa耐力壁と下層のPCa耐力壁とは、壁体内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋の層間の間隔がいずれも実質的に同じ長さに形成され、上層のPCa耐力壁の下側の縦筋の突出部と、下層のPCa耐力壁の上側の縦筋の突出部とは、各縦筋が壁体の面に沿う左右方向又は厚さ方向にずれた位置に近接して配設され、重なり部を形成しているため、複配筋した対向する縦筋を有しながらも、施工が容易であり、かつ耐力の高い強固な連層耐力壁構造を構築することができる。
請求項8に係る発明によれば、重なり部によって、上層のPCa耐力壁の下側の縦筋と、下層のPCa耐力壁の上側の縦筋とが応力を伝達する重ね継手を形成しているため、機械式継手によらず、PCa耐力壁の上層・下層間の強固な継手構造が形成される。
請求項9に係る発明によれば、横筋に加えて、横筋と交叉する差筋が、床スラブ厚さ内において定着され、壁体の上下端面に沿う方向及び壁体の厚さ方向の両方に広がる継手構造となり、上層と下層のPCa耐力壁間に、より大きな伝達力を確実に生じさせることができる。
請求項10に係る発明によれば、複数の異形鉄筋からなる縦筋と、少なくともPCa耐力壁の壁体の上下の両端部に突出部を形成する位置となる縦筋の両端部に溶接により接合した横筋とを備えてなるため、連層耐力壁構造を構築するのに好適な、製作が容易で経済的なPCa耐力壁の壁体に内蔵される鉄筋ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPCa耐力壁1の実施例1を示す縦断面図である。
【図2】鉄筋ユニット3の正面図である。
【図3】実施例1のPCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図4】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図5】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図6】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図7】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図8】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図9】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図、(c)は上下層のPCa耐力壁の配置関係を示す平断面図である。
【図10】PCa耐力壁1を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造の実施例における上層と下層の接合部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は鉄筋の配置態様を示す正面図である。
【図11】本発明の実施の形態である連層耐力壁構造における上層と下層の接合部の縦断面図である。
【図12】図11に示す連層耐力壁構造における接合部の鉄筋の配置態様を模式的に示す平断面図である。
【符号の説明】
1 PCa耐力壁
3 鉄筋ユニット
10 壁体
20 縦筋
21,22 縦筋の突出部
30,31 横筋
40 内蔵横筋
50 床スラブ
o 重なり部
Claims (10)
- 壁体に鉄筋が内蔵されたプレキャストコンクリート耐力壁において、
壁体の上下の両端部に突出部を形成して配設した異形鉄筋からなる複数本の縦筋と、該縦筋の突出部と直交する横筋とを備えてなる、プレキャストコンクリート耐力壁。 - 前記縦筋の突出部において溶接により縦筋に接合した横筋を備えた、請求項1に記載のプレキャストコンクリート耐力壁。
- 予め前記縦筋の突出部において溶接により縦筋に接合した横筋を備えた鉄筋ユニットを用いて構成した、請求項2に記載のプレキャストコンクリート耐力壁。
- 前記縦筋の突出部と前記横筋とが床スラブ厚さ内において定着されるようにした、請求項1〜3のいずれかに記載のプレキャストコンクリート耐力壁。
- 請求項4に記載のプレキャストコンクリート耐力壁を上下方向に連層してなる連層耐力壁構造であって、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の下側の縦筋の突出部と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の上側の縦筋の突出部とが、床スラブ厚さ内において上下方向に重なり部を形成している、連層耐力壁構造。
- 前記縦筋の突出部に複数本の横筋が方形の格子状となるように配筋され、前記複数本の横筋が前記重なり部に位置する、請求項5に記載の連層耐力壁構造。
- 前記縦筋を壁体内に表裏二層に複配筋してなり、
上層のプレキャストコンクリート耐力壁と下層のプレキャストコンクリート耐力壁とは、壁体内に表裏二層に複配筋した対向する縦筋の層間の間隔がいずれも実質的に同じ長さに形成され、
上層のプレキャストコンクリート耐力壁の下側の縦筋の突出部と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の上側の縦筋の突出部とは、各縦筋が壁体の面に沿う左右方向又は厚さ方向にずれた位置に近接して配設され、前記重なり部を形成している、請求項6に記載の連層耐力壁構造。 - 前記重なり部によって、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の下側の縦筋と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の上側の縦筋とが応力を伝達する重ね継手を形成している、請求項5〜7のいずれかに記載の連層耐力壁構造。
- 前記重なり部において、上層のプレキャストコンクリート耐力壁の縦筋の下側の突出部に設けられた複数本の横筋のうち、最下側の横筋と、下層のプレキャストコンクリート耐力壁の縦筋の上側の突出部に設けられた複数本の横筋のうち、最上側の横筋との間の距離o1内に、平面視、横筋と交叉する差筋が設けられている、請求項5〜8のいずれかに記載の連層耐力壁構造。
- プレキャストコンクリート耐力壁の壁体に内蔵される鉄筋ユニットであって、複数の異形鉄筋からなる縦筋と、プレキャストコンクリート耐力壁の壁体の上下の両端部に突出部を形成する位置となる縦筋の両端部に溶接により接合した横筋とを備えてなる鉄筋ユニット。
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