【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は木質繊維板の表面処理の技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、家具や建材等に好適に使用し得る、インシュレーションボード（ＩＢ）、中密度ファイバーボード（ＭＤＦ）、高密度ファイバーボード（ＨＤＦ）、あるいはハードボード（ＨＢ）等の木質繊維板は、従来、次のようにして表面処理している。まず、木質繊維板の表面を研摩して素地調整した後、ポリウレタン系又はポリエステル系の透明サンディングシーラを塗布して表面を平滑にし、さらに研摩した後、同じくポリウレタン系又はポリエステル系の透明合成樹脂塗料を塗布して塗膜着色し、そして最後にクリアのトップコートを施している。このように、サンディングシーラや塗膜着色のための塗料に透明材料を用いることにより、木質繊維板の素地感が隠蔽されずにそのまま透けて見えるようになる。
【０００３】
なお、木質繊維板の表面処理に関する技術として、特許文献１には、繊維板の表面に界面活性剤水溶液を塗布した後、その上に着色液を部分的に塗布することにより、着色液が滲んだ柔らかい模様を得ることを図った、繊維板の表面模様形成方法が記載されている。
【０００４】
また、特許文献２には、木質繊維板に紫外線硬化型塗料を下塗りした後、適宜色の上塗りを行うことにより、繊維の毛羽立ちを抑制することを図った、木質繊維板の塗装方法が記載されている。
【０００５】
また、特許文献３には、木質繊維板の裏面に熱可塑性樹脂を熱接着し、木口部分に防水防湿剤をコートすることにより、木質繊維板の防水防湿性を改良することが記載されている。
【０００６】
【特許文献１】
特許第２５２６６０６号明細書
【特許文献２】
特開平７−３２８５３４号公報
【特許文献３】
特開平１１−３００７１２号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の表面処理では、木質繊維板特有の繊維模様がどうしても曇って、明瞭に発現せず、意匠性に劣った、不満足な外観となっていた。
【０００８】
そこで、本発明は、木質繊維板特有の繊維模様が曇らずはっきりと際立って発現する木質繊維板の表面処理方法を提供することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究・検討を重ねた結果、従来の表面処理において、素地研摩した木質繊維板に最初に塗布するサンディングシーラに含有される体質顔料が曇りを生じさせることを見出し、本発明を完成したものである。なお、本明細書で単に「％」とあるときは、特に断らない限り「重量％」を意味する。
【００１０】
すなわち、本願の請求項１に記載の発明は、木質繊維板の表面処理方法であって、木質繊維板の表面を、染料系ステイン、又は体質顔料を含有しない顔料系ステインを用いて、素地着色することを特徴とする。
【００１１】
また、請求項２に記載の発明は、上記請求項１に記載の発明において、顔料系ステインを用いて素地着色する場合、その素地着色用組成物は、所望の色彩の顔料を０．０２〜６．５０重量％含有するものであることを特徴とする。
【００１２】
また、請求項３に記載の発明は、上記請求項１又は２に記載の発明において、顔料系ステインを用いて素地着色する場合、その素地着色用組成物は、白色系顔料を含有するものであることを特徴とする。
【００１３】
また、請求項４に記載の発明は、上記請求項３に記載の表面処理方法において、顔料系ステインを用いて素地着色する場合、その素地着色用組成物は、所望の色彩の顔料を０．０２〜６．５０重量％、及び白色系顔料を０．０２〜６．５０重量％含有するものであることを特徴とする。
【００１４】
また、請求項５に記載の発明は、表面処理された木質繊維板であって、表面が、染料系ステイン、又は体質顔料を含有しない顔料系ステインであって、所望の色彩の顔料を０．０２〜６．５０重量％、及び白色系顔料を０．０２〜６．５０重量％含有する素地着色用組成物を用いて、素地着色されていることを特徴とする。
【００１５】
本発明によれば、染料系ステインを用いて、あるいは体質顔料を含有しない顔料系ステインを用いて、木質繊維板の表面を最初に素地着色するから、染料又は顔料が木質繊維板を構成する繊維や繊維間に含浸・吸収され、その含浸量の差（例えば木が冬場に成長した固い繊維に対しては含浸量が少なくなって着色が薄くなり、逆に木が夏場に成長した柔らかい繊維に対しては含浸量が多くなって着色が濃くなる）により、木質繊維板特有の繊維模様がはっきりと明瞭に際立って浮かび上がり、活き活きとした、意匠性に富む、商品価値の高い木質繊維板が得られる。
【００１６】
その場合に、顔料系ステインを用いるときは、体質顔料を含有しない顔料系ステインを用いるから、体質顔料によってもたらされる曇りの問題が解消されて、木質繊維板特有の繊維模様がはっきりと際立って発現することが確保される。
【００１７】
なお、体質顔料が曇りの原因となるのは、体質顔料（例えば、シリカ、アルミナホワイト、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、タルク、炭酸マグネシウム等）は、粒径が概して大きいから、木質繊維板を構成する繊維や繊維間に浸透せず、該繊維の表層に付着して、繊維模様を隠蔽してしまうことが一因であると考えられる。
【００１８】
本発明で用いられる染料系ステインとしては、例えば、酢酸クロム、塩基性塩化クロム、木酢酸鉄、酢酸第一鉄、酢酸銅、酢酸ニッケル、塩基性硫酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム等の金属塩の高濃度溶液の他、例えば、赤キャベツの葉、こがね花の根、紫根の根、茜の根、くちなしの実、クロウメモドキの実、ザクロの実の皮等の植物の各部分から抽出した色素成分を濃縮液体化したもの等が好適に使用可能である。
【００１９】
また、本発明で用いられる顔料系ステインとしては、例えば、亜鉛華、コバルトブルー、チタンイエロー、モリブデンレッド、群青、マンガンバイオレット等の無機顔料、又は、例えば、ナフトールレッド、キナクリドンレッド、ペリレンレッド、ペリレンオレンジ、フタロシアニンブルー、イソインドリノンイエロー等の有機顔料の水性ステイン又は油性ステインが好適に使用可能である。
【００２０】
ただし、木質繊維板を緑色系に素地着色すると、緑色は、木質繊維の天然の色彩である薄茶色〜茶色〜褐色と補色の関係にあるから、色相が幾分濁り気味となることがある。
【００２１】
本発明の１態様によれば、好ましくは、染料系ステイン又は顔料系ステインを薄め液（例えば水性の場合は水、油性の場合はウレタンシンナー等）で薄めた素地着色用組成物を、素地研摩した木質繊維板に最初に塗布する。その場合の素地着色用組成物中における顔料の好ましい含有量は、本発明者等の知見によれば、請求項２に記載したように、例えば０．０２〜６．５０％等である。０．０２％未満では着色度合いが不足する一方、６．５０％を超えると、着色が濃くなり過ぎるばかりでなく、例えばスプレーによる吹き付けの場合に、スプレームラができ、きれいな仕上がりが得られないことがある。
【００２２】
この場合、顔料濃度が０．０２％の着色用組成物を得るためには、例えば顔料濃度が２０％の顔料系ステイン（配合例：顔料２０％＋酢酸エチル７０％＋酢酸ブチル１０％）を、薄め液としてのウレタンシンナーで０．１％に薄めればよい。また、顔料濃度が６．５０％の着色用組成物を得るためには、例えば顔料濃度が６５％の顔料系ステイン（配合例：顔料６５％＋酢酸エチル３０％＋酢酸ブチル５％）を、ウレタンシンナーで１０％に薄めればよい。
【００２３】
なお、着色用組成物が水性の場合、例えば他に防腐剤等の微量の添加物を含んでいてもよい。
【００２４】
本発明で用いられるステインの塗布方式としては、例えば、スプレー方式、刷毛方式、ロールコータ方式等が好適に使用可能である。
【００２５】
なお、本明細書で、インシュレーションボード（ＩＢ）とは、木材を繊維化し、接着剤を加えてあるいは加えずに、熱圧成形したファイバーボードのうち、密度が０．３５ｇ／ｃｍ３未満のものをいい、中密度ファイバーボード（ＭＤＦ）とは、同じくファイバーボードのうち、密度が０．３５ｇ／ｃｍ３以上のものをいい、高密度ファイバーボード（ＨＤＦ）とは、上記中密度ファイバーボードのうち、密度が比較的高い範囲に属するものをいい、ハードボード（ＨＢ）とは、上記ファイバーボードのうち、密度が０．８０ｇ／ｃｍ３以上のものをいう。
【００２６】
ところで、木質繊維板を素地着色すると、木質繊維板が濡れ色となり、表面の色調がやや低下する（暗くなる）場合がある。そのようなときは、請求項３に記載したように、素地着色用組成物に明度の高い白色系顔料を含有させて素地着色すると、色調の低下を抑制することができて好ましい結果が得られる。このように、素地着色に起因する濡れ色、及びそれによる色調のトーン低下を抑制することにより、木質繊維板自体の色に影響されず、予め調合した所望の色目がそのまま多彩に活き活きと表現することが可能になる（従来は、木質繊維板自体の色の影響を受けて、木質繊維板を微妙な色合いやカラフルに着色することが困難であった）。
【００２７】
ただし、あまり粒径の大きな白色系顔料を使うと、体質顔料の場合と同様、繊維中に浸透せず、繊維模様を隠蔽して曇らせてしまうから、なるべく粒径が小さいものを使うことが肝要である。
【００２８】
なお、白色系顔料の添加により希望する色相が変化してしまうような場合は、明度の高い他の色、例えば黄色系顔料を使うこともできる。
【００２９】
この場合の、白色系顔料の配合比率は、着色のために使用する本来の所望の色彩の顔料との兼ね合いもあるが、本発明者等の知見によれば、請求項４や請求項５に記載したように、概して、素地着色用組成物全体に対し、例えば所望の色彩の顔料が０．０２〜６．５０％であれば、同じく０．０２〜６．５０％程度が好適である。０．０２％未満では白色系顔料による色調低下抑制効果が不足する一方、６．５０％を超えると、白色が強くなり過ぎるばかりでなく、例えばスプレーによる吹き付けの場合に、スプレームラができ、きれいな仕上がりが得られないことがある。
【００３０】
この場合、白色系顔料濃度が０．０２％の着色用組成物を得るためには、例えば白色系顔料濃度が２０％の顔料系ステイン（配合例：白色系顔料２０％＋酢酸エチル７０％＋酢酸ブチル１０％）を、ウレタンシンナーで０．１％に薄めればよい。また、白色系顔料濃度が６．５０％の着色用組成物を得るためには、例えば白色系顔料濃度が６５％の顔料系ステイン（配合例：白色系顔料６５％＋酢酸エチル３０％＋酢酸ブチル５％）を、ウレタンシンナーで１０％に薄めればよい。
【００３１】
よって、いま所望の色彩の顔料として赤を例にとると、素地着色用組成物中の好ましい顔料濃度として、赤色顔料０．０２％＋白色系顔料０．０２％〜赤色顔料６．５０％＋白色系顔料６．５０％の範囲内で赤と白とを任意に組み合わせることが可能となる。この場合、赤色顔料の比率を多くすると赤色着色用の組成物が得られ、逆に白色系顔料の比率を多くすると桃色着色用の組成物が得られる。
【００３２】
例えば、赤色顔料０．０２％＋白色系顔料０．０２％の着色用組成物を得るための配合の１例は、赤色顔料濃度が２０％の顔料系ステイン（配合例：赤色顔料２０％＋酢酸エチル７０％＋酢酸ブチル１０％）０．１％、白色系顔料濃度が２０％の顔料系ステイン（配合例：白色系顔料２０％＋酢酸エチル７０％＋酢酸ブチル１０％）０．１％、及びウレタンシンナー９９．８％である。
【００３３】
また、例えば、赤色顔料６．５０％＋白色系顔料６．５０％の着色用組成物を得るための配合の１例は、赤色顔料濃度が６５％の顔料系ステイン（配合例：赤色顔料６５％＋酢酸エチル３０％＋酢酸ブチル５％）１０％、白色系顔料濃度が６５％の顔料系ステイン（配合例：白色系顔料６５％＋酢酸エチル３０％＋酢酸ブチル５％）１０％、及びウレタンシンナー８０％である。
【００３４】
因みに、これを、素地着色用組成物中における顔料系ステインの配合比率で表すと、該ステインが、顔料２０〜６５％＋酢酸エチル３０〜７０％＋酢酸ブチル５〜１０％の配合である場合、０．２〜２０％となる。本発明者等の知見によれば、塗装仕上がり後の意匠性の観点から、素地着色用組成物中における顔料系ステインの配合比率が特に４〜１０％の場合に、より好ましい結果が得られる。
【００３５】
本発明の１態様によれば、好ましくは、まず、木質繊維板の表面を研摩して素地調整をする。その場合、例えば♯１８０〜♯２４０等のやや粗い番手を使い、ステインが染み込み易くなるようにする（通常は素地調整に♯２４０以上を使う）。
【００３６】
次に、染料系ステイン又は体質顔料を含有しない顔料系ステインを薄め液で薄めた素地着色用組成物を例えばスプレーで吹き付けて素地着色をする。その場合の吹き付け量は、組成物中の染料や顔料の濃度、及び希望する着色度合いにもよるが、例えば４０〜１２０ｇ／ｍ２程度が好適である。もちろん、複数回に分けて塗布してもよい。
【００３７】
次に、ポリウレタン系又はポリエステル系の透明サンディングシーラを塗布して表面を平滑にする。なお、透明系の樹脂としては、他にも、状況に応じて、アクリル系、エポキシ系、セルロース系、天然樹脂等が好適に使用可能である。また、塗布量は、例えば４０〜１２０ｇ／ｍ２程度が好適である。もちろん、複数回に分けて塗布してもよい。
【００３８】
次に、上記シーラの表面を、例えば♯２４０以上の細かい番手を使って研摩し鏡面仕上げとした後、最後にその上にポリウレタン樹脂塗料でクリアのトップコート層を形成する。なお、クリア樹脂としては、他にも、状況に応じて、アクリル系、エポキシ系、セルロース系、天然樹脂等が好適に使用可能である。また、塗布量は、例えば４０〜１２０ｇ／ｍ２程度が好適である。
【００３９】
このように、サンディングシーラやトップコート層に透明材料を用いることにより、木質繊維板の素地感が隠蔽されずにそのまま透けて見え、その結果、木質繊維板特有の繊維模様が曇らず活き活きと明瞭に発現し、意匠性に富んだ外観の、商品価値の高い木質繊維板が得られる。以下、実施例を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【００４０】
【実施例】
［実施例１］
まず、黄色顔料２０％＋酢酸エチル７０％＋酢酸ブチル１０％の混合物である黄色の顔料系ステイン４重量部と、薄め液としてのウレタンシンナー９６重量部とを混合して、黄色系の素地着色用組成物を調製した。この場合、素地着色用組成物中におけるステイン濃度は４％、顔料濃度は０．８％である。一方、１００ｍｍ×１５０ｍｍのＭＤＦの表面をサンディングペーパ（♯１８０）で研摩して素地調整をした後、その上から、上記着色用組成物を、４０ｇ／ｍ２の割合でスプレー塗布し、乾燥後、ポリウレタン系の透明サンディングシーラを、４０ｇ／ｍ２の割合で塗布し、乾燥させて、表面を平滑にした。さらに、上記シーラの表面をサンディングペーパ（♯２４０）で研摩して鏡面仕上げとした。しかる後、最後に、その上に、ポリウレタン樹脂塗料でクリアのトップコート層を形成した。仕上がったＭＤＦの外観を図１に示す。ＭＤＦ特有の繊維模様が曇らず活き活きと明瞭に発現し、意匠性に富んだ外観の、商品価値の高いＭＤＦが得られた。
【００４１】
［実施例２］
まず、黄色顔料と青色顔料とを混合して作成した緑色顔料６５％＋酢酸エチル３０％＋酢酸ブチル５％の混合物である緑色の顔料系ステイン２重量部と、白色系顔料６５％＋酢酸エチル３０％＋酢酸ブチル５％の混合物である白色の顔料系ステイン３重量部と、薄め液としてのウレタンシンナー９５重量部とを混合して、緑色系の素地着色用組成物を調製した。この場合、素地着色用組成物中における全ステイン濃度は５％、全顔料濃度は３．２５％である。この着色用組成物を用い、実施例１と同様にして、ＭＤＦを表面処理した。この場合、実施例１の黄色の場合に比べて明度の低い緑色に着色したため、ＭＤＦの表面の色調がやや暗い感じとなった。また、ステインによる素地着色によりＭＤＦが濡れ色となり、これによっても（もちろん実施例１の場合でも）ＭＤＦの表面の色調がやや低下気味となった。しかし、それでも明度の高い白色系顔料を添加したことによって、色調の過度の低下が抑えられ、その結果、ＭＤＦ自体の色に影響されず、予め調合した所望の色目がそのまま多彩に活き活きと表現することができ、かつ、依然として、ＭＤＦ特有の繊維模様が曇らず活き活きと明瞭に発現し、意匠性に富んだ外観の、商品価値の高いＭＤＦが得られた。
【００４２】
その他、各種色彩の顔料を用い、素地着色用組成物中におけるその顔料の配合量を０．０２〜６．５０％の範囲内で種々変更したり、白色系顔料の配合量を０．０２〜６．５０％の範囲内で種々変更したり、あるいは顔料系ステインに代えて染料系ステインを用いたりして、木質繊維板を表面処理したが、結果はいずれも実施例１、２と同様、好ましいものであった。
【００４３】
［比較例］
実施例１の黄色系の素地着色用組成物に体質顔料を１％添加したものを用い、実施例１と同様にして、ＭＤＦを表面処理した。仕上がったＭＤＦの外観を図２に示す。体質顔料によって繊維模様が曇り、繊維模様がはっきりと明瞭に発現しない、意匠性に乏しい、不満足な外観のＭＤＦしか得られなかった。
【００４４】
【発明の効果】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明によれば、木質繊維板の表面を染料系ステイン又は体質顔料を含有しない顔料系ステインを用いて素地着色することにより、木質繊維板特有の繊維模様を曇らせずにはっきりと際立たせて発現させることができる。本発明は木質繊維板の表面処理の技術分野において幅広い産業上の利用可能性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る方法で表面処理した木質繊維板の外観を示す図面である。
【図２】比較のため体質顔料を含有する顔料系ステインで表面処理した木質繊維板の外観を示す図面である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention belongs to the technical field of surface treatment of wood fiberboard.
[0002]
[Prior art]
Generally, wood fiberboards such as insulation board (IB), medium density fiberboard (MDF), high density fiberboard (HDF), and hardboard (HB), which can be suitably used for furniture and building materials, are conventionally used. The surface is treated as follows. First, after polishing the surface of the wood fiber board to adjust the base material, apply a polyurethane-based or polyester-based transparent sanding sealer to smooth the surface, and after further polishing, similarly, a polyurethane-based or polyester-based transparent synthetic resin paint. Is applied to color the coating, and finally a clear top coat is applied. As described above, by using a transparent material for the sanding sealer or the paint for coloring the coating film, the texture of the wood fiberboard can be seen through without being concealed.
[0003]
As a technique relating to the surface treatment of a wood fiberboard, Patent Document 1 discloses that after applying a surfactant aqueous solution to the surface of the fiberboard and then partially applying a coloring liquid thereon, the coloring liquid bleeds. A method for forming a surface pattern of a fiberboard, which aims to obtain a soft pattern, is described.
[0004]
Further, Patent Document 2 describes a method of coating a wood fiber board, in which the wood fiber board is coated with an ultraviolet curable paint, and then a color overcoat is appropriately performed to suppress fluffing of fibers. ing.
[0005]
Further, Patent Document 3 describes that a thermoplastic resin is thermally bonded to the back surface of a wood fiber board, and a waterproof / moisture proof agent is coated on a wooden mouth portion, thereby improving the waterproof / moisture-proof property of the wood fiber board. .
[0006]
[Patent Document 1]
Patent No. 2526606 [Patent Document 2]
JP-A-7-328534 [Patent Document 3]
JP-A-11-300712
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-mentioned conventional surface treatment, the fiber pattern peculiar to the wood fiberboard is inevitably fogged, does not clearly appear, and has an unsatisfactory appearance inferior in design.
[0008]
Therefore, an object of the present invention is to provide a surface treatment method for a wood fiber board in which a fiber pattern peculiar to the wood fiber board is clearly and distinctly expressed without fogging.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have conducted intensive studies and studies, and as a result, in the conventional surface treatment, the extender pigment contained in the sanding sealer to be first applied to the base fiber-polished wood fiber board is clouded. The present invention has been completed, and the present invention has been completed. In this specification, “%” means “% by weight” unless otherwise specified.
[0010]
That is, the invention according to claim 1 of the present application is a method for treating the surface of a wood fiber board, in which the surface of the wood fiber board is colored using a dye-based stain or a pigment-based stain containing no extender pigment. It is characterized by doing.
[0011]
Further, in the invention according to claim 2, in the invention according to claim 1, when the base coloring is performed using a pigment-based stain, the base coloring composition includes a pigment having a desired color of 0.02 to It is characterized by containing 6.50% by weight.
[0012]
Further, in the invention according to claim 3, in the invention according to claim 1 or 2, when the base color is colored using a pigment-based stain, the base coloring composition contains a white pigment. There is a feature.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the surface treatment method according to the third aspect, when the base coloring is performed using a pigment-based stain, the base-coloring composition includes a pigment having a desired color of 0.1%. It is characterized by containing from 02 to 6.50% by weight and from 0.02 to 6.50% by weight of a white pigment.
[0014]
The invention according to claim 5 is a surface-treated wood fiber board whose surface is a dye-based stain or a pigment-based stain containing no extender pigment, and a pigment of a desired color is used. It is characterized by being base-colored using a base-coloring composition containing from 02 to 6.50% by weight and from 0.02 to 6.50% by weight of a white pigment.
[0015]
According to the present invention, the surface of the wood fiberboard is first subjected to the base coloring using the dye-based stain or the pigment-based stain containing no extender pigment. And the fiber impregnated and absorbed, the difference in the amount of impregnation (for example, for hard fibers that grow in winter, the amount of impregnation decreases and the color becomes lighter. In contrast, the amount of impregnation increases and the color becomes deeper), and the fiber pattern unique to the wood fiber board clearly and clearly stands out, giving a vibrant, richly designed wood fiber board of high commercial value. can get.
[0016]
In this case, when a pigment-based stain is used, since the pigment-based stain containing no extender pigment is used, the problem of fogging caused by the extender pigment is eliminated, and a fiber pattern peculiar to a wood fiber board is clearly and clearly expressed. Is ensured.
[0017]
The reason why the extender pigment becomes cloudy is that extender pigments (eg, silica, alumina white, barium sulfate, barium carbonate, calcium carbonate, gypsum, talc, magnesium carbonate, etc.) generally have a large particle size, and It is considered that one of the factors is that the fibers do not penetrate into the fibers constituting the fiberboard or between the fibers, but adhere to the surface layer of the fibers and conceal the fiber pattern.
[0018]
Examples of the dye-based stain used in the present invention include, for example, metal salts such as chromium acetate, basic chromium chloride, iron acetate, iron acetate, copper acetate, nickel acetate, basic aluminum sulfate, and basic aluminum acetate. Other than the high-concentration solution, for example, pigments extracted from each part of the plant, such as red cabbage leaves, roots of kogane flower, roots of purple roots, roots of akane, roots of chinashi, nuts of buckthorn, and bark of pomegranate A liquid obtained by concentrating the components is preferably used.
[0019]
Examples of the pigment-based stain used in the present invention include, for example, zinc white, cobalt blue, titanium yellow, molybdenum red, ultramarine, inorganic pigments such as manganese violet, or, for example, naphthol red, quinacridone red, perylene red, and perylene. Aqueous or oily stains of organic pigments such as orange, phthalocyanine blue and isoindolinone yellow can be suitably used.
[0020]
However, if the wood fiber board is green-colored to a green color, the hue may be slightly turbid because green has a complementary color with light brown to brown to brown, which are the natural colors of wood fibers.
[0021]
According to one aspect of the present invention, preferably, a base coloring composition obtained by diluting a dye-based stain or a pigment-based stain with a diluting liquid (for example, water when water-based, or urethane thinner when oil-based) is used. First applied to the wood fiberboard. According to the knowledge of the present inventors, the preferable content of the pigment in the base coloring composition in that case is, for example, 0.02 to 6.50% as described in claim 2. If it is less than 0.02%, the degree of coloring is insufficient, while if it exceeds 6.50%, not only does the coloring become too dark, but also, for example, in the case of spraying with a spray, unevenness in spraying occurs and a clean finish cannot be obtained. There is.
[0022]
In this case, in order to obtain a coloring composition having a pigment concentration of 0.02%, for example, a pigment-based stain having a pigment concentration of 20% (composition example: pigment 20% + ethyl acetate 70% + butyl acetate 10%) is used. It may be diluted with urethane thinner as a diluting liquid to 0.1%. Further, in order to obtain a coloring composition having a pigment concentration of 6.50%, for example, a pigment-based stain having a pigment concentration of 65% (composition example: pigment 65% + ethyl acetate 30% + butyl acetate 5%) is used. It may be diluted to 10% with urethane thinner.
[0023]
When the coloring composition is aqueous, it may contain, for example, a small amount of an additive such as a preservative.
[0024]
As a stain application method used in the present invention, for example, a spray method, a brush method, a roll coater method, or the like can be suitably used.
[0025]
In the present specification, the insulation board (IB) is a fiberboard obtained by fiberizing wood and adding or not adding an adhesive, and having a density of less than 0.35 g / cm 3 among the hot-pressed fiber boards. The medium-density fiberboard (MDF) refers to a fiberboard having a density of 0.35 g / cm 3 or more, and the high-density fiberboard (HDF) refers to the medium-density fiberboard. Among them, a hard board (HB) refers to a fiber board having a density of 0.80 g / cm 3 or more among the above fiber boards.
[0026]
By the way, when the wood fiber board is grounded, the wood fiber board becomes a wet color, and the color tone of the surface may be slightly lowered (darkened) in some cases. In such a case, as described in claim 3, when the base coloring is performed by adding a white pigment having high lightness to the base coloring composition, a decrease in color tone can be suppressed and a favorable result can be obtained. . As described above, by suppressing the wet color caused by the base coloration and the decrease in the tone of the color tone due to the base color, the desired tint prepared in advance is expressed as alive and colorful without being affected by the color of the wood fiberboard itself. (In the past, it was difficult to color the wood fiber board subtlely or colorfully under the influence of the color of the wood fiber board itself).
[0027]
However, if a white pigment with an excessively large particle size is used, it will not penetrate into the fibers and will conceal the fiber pattern and become cloudy, as in the case of the extender pigment. Therefore, it is important to use a pigment with as small a particle size as possible. It is.
[0028]
If the desired hue changes due to the addition of a white pigment, another color having a high lightness, for example, a yellow pigment can be used.
[0029]
In this case, the compounding ratio of the white pigment may have a balance with the pigment of the originally desired color used for coloring, but according to the knowledge of the present inventors, claims 4 and 5 As described above, if the pigment of a desired color is, for example, 0.02 to 6.50% of the entire base coloring composition, about 0.02 to 6.50% is also suitable. If it is less than 0.02%, the effect of suppressing the color tone deterioration by the white pigment is insufficient, while if it exceeds 6.50%, not only is the white color too strong, but also, for example, in the case of spraying with a spray, unevenness of the spray is generated, and the cleanness is high. Finish may not be obtained.
[0030]
In this case, in order to obtain a coloring composition having a white pigment concentration of 0.02%, for example, a pigment stain having a white pigment concentration of 20% (composition example: white pigment 20% + ethyl acetate 70% + Butyl acetate (10%) may be diluted to 0.1% with urethane thinner. To obtain a coloring composition having a white pigment concentration of 6.50%, for example, a pigment stain having a white pigment concentration of 65% (composition example: white pigment 65% + ethyl acetate 30% + acetic acid) (Butyl 5%) may be diluted to 10% with urethane thinner.
[0031]
Therefore, taking red as an example of a pigment having a desired color, a preferable pigment concentration in the base coloring composition is 0.02% of red pigment + 0.02% of white pigment to 6.50% of red pigment + Red and white can be arbitrarily combined within a range of the white pigment of 6.50%. In this case, when the ratio of the red pigment is increased, a composition for red coloring is obtained, and when the ratio of the white pigment is increased, a composition for pink coloring is obtained.
[0032]
For example, one example of a composition for obtaining a coloring composition of 0.02% red pigment + 0.02% white pigment is a pigment-based stain having a red pigment concentration of 20% (composition example: 20% red pigment + 0.1% of pigment-based stain having a white pigment concentration of 20% (formulation example: white pigment 20% + ethyl acetate 70% + butyl acetate 10%) 0.1%, ethyl acetate 70% + butyl acetate 10%) , And 99.8% of urethane thinner.
[0033]
Further, for example, one example of a composition for obtaining a coloring composition of red pigment 6.50% + white pigment 6.50% is a pigment-based stain having a red pigment concentration of 65% (composition example: red pigment 65 % + Ethyl acetate 30% + butyl acetate 5%) 10%, white pigment concentration 65%, pigment-based stain (formulation example: white pigment 65% + ethyl acetate 30% + butyl acetate 5%) 10%, and Urethane thinner is 80%.
[0034]
By the way, when this is expressed by the blending ratio of the pigment-based stain in the base coloring composition, the stain is a blend of pigment 20 to 65% + ethyl acetate 30 to 70% + butyl acetate 5 to 10%. , 0.2 to 20%. According to the findings of the present inventors, more preferable results are obtained from the viewpoint of the design after finishing the coating, particularly when the blending ratio of the pigment-based stain in the base coloring composition is 4 to 10%.
[0035]
According to one aspect of the present invention, preferably, first, the surface of the wood fiber board is polished to adjust the substrate. In this case, for example, a slightly coarse count such as $ 180 to $ 240 is used to make the stain easily permeate (usually, $ 240 or more is used for substrate adjustment).
[0036]
Next, a base coloring composition obtained by diluting a dye-based stain or a pigment-based stain containing no extender pigment with a diluting liquid is sprayed with, for example, a spray to perform base coloring. The spraying amount in that case depends on the concentration of the dye or pigment in the composition and the desired degree of coloring, but is preferably, for example, about 40 to 120 g / m 2 . Of course, it may be applied in plural times.
[0037]
Next, a polyurethane-based or polyester-based transparent sanding sealer is applied to smooth the surface. In addition, as the transparent resin, an acrylic resin, an epoxy resin, a cellulose resin, a natural resin, or the like can be suitably used depending on the situation. Further, the coating amount is preferably, for example, about 40 to 120 g / m 2 . Of course, it may be applied in plural times.
[0038]
Next, the surface of the sealer is polished to a mirror finish using, for example, a fine count of # 240 or more, and then a clear top coat layer is formed thereon with a polyurethane resin paint. In addition, as the clear resin, an acrylic resin, an epoxy resin, a cellulose resin, a natural resin, or the like can be suitably used depending on the situation. Further, the coating amount is preferably, for example, about 40 to 120 g / m 2 .
[0039]
As described above, by using a transparent material for the sanding sealer and the top coat layer, the natural feeling of the wood fiber board can be seen through without being concealed, and as a result, the fiber pattern peculiar to the wood fiber board is lively and clear without clouding. And a wood fiberboard with a high commercial value and an appearance rich in design can be obtained. Hereinafter, the present invention will be described in more detail through examples.
[0040]
【Example】
[Example 1]
First, 4 parts by weight of a yellow pigment-based stain, which is a mixture of 20% of yellow pigment + 70% of ethyl acetate + 10% of butyl acetate, and 96 parts by weight of urethane thinner as a diluent are mixed to give a yellow base color. A composition for use was prepared. In this case, the stain concentration in the base coloring composition is 4%, and the pigment concentration is 0.8%. On the other hand, the surface of the MDF having a size of 100 mm × 150 mm was polished with sanding paper (# 180) to adjust the base material, and then, the coloring composition was spray-coated thereon at a rate of 40 g / m 2 and dried. A transparent sanding sealer based on polyurethane was applied at a rate of 40 g / m 2 and dried to smooth the surface. Further, the surface of the sealer was polished with sanding paper (# 240) to obtain a mirror finish. Thereafter, finally, a clear top coat layer was formed thereon with a polyurethane resin paint. FIG. 1 shows the appearance of the finished MDF. The fiber pattern peculiar to the MDF was clearly and vividly expressed without clouding, and an MDF having a high design value and a high commercial value was obtained.
[0041]
[Example 2]
First, 2 parts by weight of a green pigment-based stain, which is a mixture of a green pigment 65% + ethyl acetate 30% + butyl acetate 5% prepared by mixing a yellow pigment and a blue pigment, and white pigment 65% + ethyl acetate 3 parts by weight of a white pigment-based stain, which is a mixture of 30% + 5% butyl acetate, and 95 parts by weight of urethane thinner as a diluting liquid were mixed to prepare a green base coloring composition. In this case, the total stain concentration in the base coloring composition is 5%, and the total pigment concentration is 3.25%. Using this coloring composition, MDF was surface-treated in the same manner as in Example 1. In this case, the color of the MDF surface was slightly dark because it was colored green with lower brightness than the yellow color of Example 1. In addition, the MDF became wet due to the base coloring by the stain, and the color tone of the surface of the MDF (of course, in the case of Example 1) was slightly lowered. However, even with the addition of a white pigment having a high lightness, an excessive decrease in the color tone is suppressed, and as a result, the desired tint prepared in advance is not affected by the color of the MDF itself, and is expressed as a variety of vibrancy as it is. In addition, the fiber pattern peculiar to the MDF was still clearly and vividly expressed without clouding, and an MDF having an appearance rich in design and high commercial value was obtained.
[0042]
In addition, using pigments of various colors, the blending amount of the pigment in the base coloring composition is variously changed within the range of 0.02 to 6.50%, and the blending amount of the white pigment is 0.02 to The wood fiberboard was surface-treated by variously changing it within the range of 6.50%, or by using dye-based stain instead of pigment-based stain, and the results were the same as in Examples 1 and 2. It was preferable.
[0043]
[Comparative example]
MDF was subjected to surface treatment in the same manner as in Example 1 except that the colorant-based coloring composition of Example 1 to which an extender was added at 1% was used. FIG. 2 shows the appearance of the finished MDF. The fiber pigment was clouded by the extender pigment, the fiber pattern was not clearly and clearly expressed, and only MDF having poor design and an unsatisfactory appearance was obtained.
[0044]
【The invention's effect】
As described above in detail with reference to specific examples, according to the present invention, the surface of the wood fiber board is dyed with a dye-based stain or a pigment-based stain that does not contain an extender pigment, so that the wood fiber board is uniquely colored. Can be expressed clearly without clouding. The present invention is expected to have wide industrial applicability in the technical field of surface treatment of wood fiberboard.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a drawing showing the appearance of a wood fiber board surface-treated by a method according to the present invention.
FIG. 2 is a drawing showing the appearance of a wood fiber board surface-treated with a pigment-based stain containing an extender pigment for comparison.
