JP2004267373A - パチンコ遊技機、遊技プログラム、及びサーバ - Google Patents

パチンコ遊技機、遊技プログラム、及びサーバ Download PDF

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Abstract

【課題】遊技者が遊技装置の設定に関与でき、より能動的に遊技参加可能な遊技機、遊技プログラム、及びサーバを提供する。
【解決手段】遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、それぞれ複数の識別情報が変動・停止表示される複数の識別情報表示領域を設けた表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記複数の識別情報表示領域にそれぞれ停止表示された識別情報の組合せが所定の当選組合せの場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報表示領域の数を変化させる表示領域設定手段とを備えることとした。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、遊技プログラム、及びサーバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一例としてパチンコ遊技装置があり、近年のパチンコ遊技装置は、矩形枠状の本体枠と、同本体枠に組み込まれ、障害釘や各種入賞口などの遊技盤構成要素を設けた遊技盤と、同遊技盤の前面に設けられた本体枠の透明窓枠と、同透明窓枠の下側で前記本体枠の前面に設けられた上皿及び下皿と、同下皿の右側に設けられた発射ハンドルとを備えるとともに、前記遊技盤上に、変動・停止表示される図柄からなる複数の識別情報、並びに遊技の状況に応じて適宜、動画像、静止画像若しくはこれらを組み合わせた画面画像を表示可能とした液晶やCRTなどからなる表示部を設けた構成が一般的になっている。
【0003】
また、かかるパチンコ遊技装置は、予め定められた遊技プログラムを実行する制御部を備えており、同制御部によって、前記表示部などを含め装置の略全体を制御するようにしている。
【0004】
上記した近年のパチンコ遊技装置では、やはり遊技機の1つであるスロットマシンのように、識別情報としての図柄の組合せによりメダルが払い出される遊技形態が取り入れられた、所謂「可変表示ゲーム」を実行する遊技形態が採用され、これが人気を博し、広く普及している。
【0005】
すなわち、パチンコ遊技装置の遊技形態の基本は、前記発射ハンドルを操作して、遊技盤に設けられた入賞口に所謂パチンコ玉と呼ばれる金属製の遊技球を入球させることにより代価として入賞球を得、この入賞球の多寡を競うものであるが、可変表示ゲームを採用したパチンコ遊技装置では、遊技球を発射して前記入賞口の一種である始動口へ入賞させ、その入賞に基づき当選かはずれかを抽選するとともに、抽選結果に応じて前記表示部上に識別情報を変動表示させ、抽選結果が当選となって識別情報が予め定められた組合せ(以下、「当選組合せ」という)で停止表示された場合には、特別に遊技球が入球しやすくなるように構成された入賞口の一種である大入賞口を開放して、遊技者に有利な状態である所謂「大当たり遊技状態」を発生させるようにしている。
【0006】
上記可変表示ゲームについてより具体的に説明すると、遊技球が前記始動口へ入球すると、その入球を受けて主制御部により内部抽選が行われ、抽選結果により、当選かはずれか、図柄の組合せ、変動演出パターンが決定されるとともに、副制御部により表示部上における表示制御がなされ、複数の識別情報としての例えば3つ図柄(数字などを含む)が、夫々その場で回転したりスクロールしたりして変動表示され、前記決定内容に基づいて、最終的に停止表示される。
【0007】
この識別情報の変動表示から停止表示までを1つのゲーム行程として実行し、抽選結果が当選となった場合、それに応じて複数の図柄が予め定められた所定の組合せ(例えば「1」「1」「1」などの所謂「ぞろ目」からなる前記当選組合せ)で停止して、通常遊技状態から前述した「大当たり遊技状態」に移行し、閉鎖状態と開放状態とに開閉可能な前記大入賞口を所定時間開放して閉鎖する動作を15回〜16回程度繰り返すことにより、開放状態において遊技球の入賞が通常よりも容易となる状態を提供するようにしている。
【0008】
また、抽選結果がはずれとなった場合は、はずれに応じて例えば「1」「4」「9」などの不揃いの組合せで停止して、通常遊技状態が引き続き継続されるようになっている。
【0009】
このように、可変表示ゲームを採用したパチンコ遊技装置では、遊技者側から見ると、識別情報の変動・停止が行われて当選組合せが表示されると、遊技球の払い出し量が増加可能な状態、すなわち遊技者に有利な状態が創出されるようになっている。
【0010】
しかも、上記可変表示ゲームでは、抽選結果によって、前記した複数図柄の当選組合せの中でも、例えば「3」「3」「3」や「5」「5」「5」、「7」「7」「7」などのような予め定められた特定の組合せとなった場合には、大当たり遊技状態の終了後に再び大当たり遊技状態へ移行する確率が高くなるいわゆる確率変動状態(以下、確変状態ともいう)になるようにした特別大当たりが設定されている。例えば、通常大当たりでは、大当たり遊技状態終了後に再度大当たり遊技状態へ移行する確率は320分の1程度であるが、特別(確変)大当たりでは、それを60分の1程度までアップさせるのである。
【0011】
また、可変表示ゲームを行うようにしたパチンコ遊技装置は、通常、それぞれ特定のテーマが決められており、そのテーマに沿った背景画像やキャラクタ画像などの静止画像、動画像からなる画面画像が、前記識別情報とともに表示部に表示される。
【0012】
そして、これらの画面画像によって、前記図柄の変動表示を中心に、テーマに沿ったストーリー性を有する演出が映像として表示されるようになっており、特に大当たり遊技状態となると、様々な楽しい映像が演出画面として表示されるようになって遊技者を楽しませるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
しかし、かかる可変表示ゲームを行うようにしたパチンコ遊技装置は、可変表示ゲームに関わる各種設定がパチンコ遊技装置内で既に定められていて、かかる既存の設定に遊技者が介入する余地がなかった。従って、遊技者は、パチンコ遊技装置を変えない限りは同じ設定の可変表示ゲームを行うしか無く、例え、最初にパチンコ遊技装置を選択する段階で自身の好みにあった遊技を行うパチンコ遊技装置を選択していたとしても、長時間遊技を行っていくうちに飽きてしまい、遊技を楽しむことができなくなってしまっていた。
【0014】
そこで、遊技者が既存の設定に介入できる遊技機として、図柄の設定に関与できるようにした遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0015】
これは、複数の図柄表示領域を有し、開始命令を受けた場合に各図柄表示領域それぞれに対して図柄を移動状態で表示し、停止命令を受けた場合に各図柄表示領域それぞれに対して図柄を停止状態で表示する図柄表示手段と、前記各図柄表示領域に対して当り図柄を指定する当り図柄選択手段と、前記当り図柄選択手段により前記各図柄表示領域に対して指定された当り図柄と、図柄表示手段により各図柄表示領域に表示される図柄とを比較し、その比較結果に基づいて当たり外れを判定する判定手段と、を備えた構成となっている。
【0016】
すなわち、各図柄表示領域に対して当り図柄を指定する当り図柄選択手段を備えていることに特徴があり、かかる当り図柄選択手段を用いて、遊技者が当り図柄を設定可能としている。そして、各図柄表示領域において、遊技者が設定した当り図柄で図柄が停止表示された場合には、遊技が当たりとなるようにしている。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−210149号公報(図6)
【0018】
【特許文献2】
特開2000−317037号公報(第2〜第6頁)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の遊技機では、遊技者が当り図柄を設定できるといっても、図柄を表示する図柄表示領域(識別情報表示領域)の数は変わらないので、遊技者が設定可能な当り図柄の組合せは図柄表示領域の数に制限されてしまい、例えば、5個の当り図柄を組み合わせようとしても、図柄表示領域の数が3個であれば5個の当り図柄を組み合わせることはできなかった。
【0020】
しかも、当り図柄で図柄が停止表示されるまでの期間は従来と何ら変わりのない遊技が行われるので、可変表示ゲームの最後に抽選結果に応じて図柄が停止表示されるまでの間、可変表示ゲームは単調なものとなりやすかった。
【0021】
従って、遊技者の興味を可変表示ゲームに引きつけることができず、遊技者を飽きさせてしまうおそれがあった。
【0022】
本発明では上記課題を解決することのできるパチンコ遊技機、遊技プログラム、及びサーバを提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1記載の本発明では、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、それぞれ複数の識別情報が変動・停止表示される複数の識別情報表示領域を設けた表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記複数の識別情報表示領域にそれぞれ停止表示された識別情報の組合せが所定の当選組合せの場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報表示領域の数を変化させる表示領域設定手段とを備えることとした。
【0024】
また、請求項2記載の本発明では、識別情報表示領域の数を複数通り設定するとともに、各識別情報表示領域の数に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報表示領域の数が決定されるようにした。
【0025】
また、請求項3記載の本発明では、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて、複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムであって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させるステップを含むことにした。
【0026】
また、請求項4記載の本発明では、端末機と通信可能であり、パチンコ遊技機を示す遊技機画像を各端末機に表示可能としたサーバであって、前記遊技機画像中の仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球が特定の入球部に入球したと認識されたことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、前記パチンコ遊技機画像中に複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させ、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行可能とし、しかも、前記仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させる制御を、各端末機に対して行うようにした。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態に係るパチンコ遊技機を図面に基づいて具体的に説明する。先ず、本発明の実施の形態で用いる用語を以下に定義する。
【0028】
(用語の定義)
「識別情報」
識別情報とは、図柄(数字を含む文字、記号、絵柄又は模様等)を用い、視覚により識別可能な情報を表した表示画像をいう。通常、液晶やCRTからなる表示手段上に表示される。
【0029】
「識別情報表示領域」
識別情報表示領域とは、前記表示手段において識別情報を表示する領域のことである。
【0030】
「画面画像」
画面画像とは、上記「識別情報」である変動する図柄の範疇に含まれる数字などを含む図柄や、キャラクタ画像、背景画像など表示部に表示される静止画像や動画像全てを含む概念である。
【0031】
「変動・停止表示」
変動表示とは、複数の識別情報としての各図柄が順次変化する場合、例えば1つの識別情報である図柄「7」から他の識別情報である図柄「8」へ表示を変更する場合や、図柄「9」から他の図柄「☆」へ変更して表示する場合のほか、識別情報を表示し得る表示領域において1つの識別情報が表示されたままその識別情報が移動して表示されるような場合、例えば、1つの図柄「7」が表示領域内において表示されつつ移動する場合を含む概念を指し、停止表示とは、前記識別情報が停止した状態を指す。さらに、変動・停止表示とは、複数の識別情報の組合せが決定されて停止表示された状態を指す。なお、識別情報の表示態様が変化する場合、例えば1つの図柄「7」が変形して横長に表示されたり縦長に表示されたりする場合や、図柄が拡大あるいは縮小されて表示される場合等も変動表示の概念に含む。
【0032】
「可変表示ゲーム」
可変表示ゲームとは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであって、複数の識別情報である複数の図柄から構成された識別情報群を表示部に表示し、前記図柄それぞれが変動するように表示した後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示し、全ての図柄が停止したときにおける図柄の組合せが所定の組合せとなったときに、パチンコ遊技を遊技者に有利な状態に移行させることができるようにしたものであって、この変動表示と停止表示とを1つの行程として実行されるゲームである。図柄の変動・停止は、通常、遊技球が所謂始動口と呼ばれる特定の入賞口へ入賞したときに開始される。また、図柄の停止結果は、遊技球が始動口に入賞したことを受けて当選かはずれかを内部抽選し、その抽選結果に応じて決定される。また、この可変表示ゲームは所定回数待機させておくことができる。
【0033】
「当選」
当選とは、内部抽選を行った結果により決定される好ましい状態を指すものである。一般には、遊技球が前記始動口に入球した場合に、遊技者に有利な遊技状態のなかでも代表的な「大当たり遊技状態」に移行させるか否かを内部抽選して、「大当たり遊技状態」に移行することが決定された場合を「当選」と呼ぶが、それのみならず、本実施の形態においては、なんらかの決定を下す際に抽選行為が行われ、その結果が遊技者にとって有利な場合は全て「当選」と呼ぶ。
【0034】
「当選組合せ」
当選組合せとは、上述した内部抽選の結果に応じて、前述した「識別情報」を表示部において変動表示させるが、内部抽選の結果が「当選」の場合に対応する識別情報の組合せを指す。かかる組合せは予めいくつか定められており、一般的には、例えば「1」、「1」、「1」や「6」、「6」、「6」などの所謂「ぞろ目」からなる組合せとすることが多い。
【0035】
「外れ組合せ」
外れ組合せとは、上記した可変表示ゲームの結果、停止表示された識別情報の組合せが上記当選組合せ以外となった組合せを指す。
【0036】
「大当たり遊技状態」
大当たり遊技状態とは、内部抽選により「当選」となった場合に発生し、遊技者に有利な状態や利益を提供できる状態をさす。通常の大当たり遊技状態では、識別情報が変動表示されて、上記「当選組合せ」で停止表示された場合、閉鎖状態と開放状態とに開閉自在とした大入賞口が所定時間開放されてその後閉鎖されるという動作(一連の動作を1ラウンドとする)を所定ラウンド回数(15ラウンド程度)繰り返し、開放状態において遊技球の入賞が通常よりも容易な状態を提供するようにしている。
【0037】
「特別(確変)大当たり」
特別(確変)大当たりとは、上記した「大当たり遊技状態」の中でも当該大当たり遊技状態が終了した後、次の大当たり遊技状態(通常大当たり、特別大当たりいずれでもよい)が発生するまでは、内部抽選による大当たりへの当選確率が通常よりも高確率となって、遊技者により有利な状態を提供する大当たりを指すものである。
【0038】
「通常遊技状態」
通常遊技状態とは、遊技者が遊技球を発射させて遊技を開始し、発射を止めて遊技を終了あるいは中断させるまでの間の遊技状態(上述した可変表示ゲームを含む)において、上記「大当たり遊技状態」を除く遊技状態を指す。
【0039】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0040】
本実施の形態は、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、抽選結果を受けて変動・停止表示される複数の識別情報をそれぞれ識別情報表示領域に表示可能とするとともに、抽選結果が当選の場合、前記識別情報の当選組合せを選択し、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるようにしたパチンコ遊技機であって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報表示領域の数を変化させるようにしたものである。
【0041】
すなわち、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、それぞれ複数の識別情報が変動・停止表示される複数の識別情報表示領域を設けた表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記複数の識別情報表示領域にそれぞれ停止表示された識別情報の組合せが所定の当選組合せの場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報表示領域の数を変化させる表示領域設定手段とを備えたパチンコ遊技機としている。
【0042】
上記抽選手段、大当たり実行手段は、実質的にはパチンコ遊技機内部に設けられた制御部が担っている。
【0043】
また、数字を含む文字、記号、絵柄又は模様等の図柄からなる識別情報を変動・停止表示する表示手段は、液晶若しくはCRTからなるディスプレイとすることができる。なお、表示手段としては、本実施の形態では前記識別情報を変動停止表示させるもののほか、さらに、7セグメント表示器やランプ類、あるいはスピーカなどの音声出力装置なども含まれる。また、表示手段は、前記制御部により制御可能とするとよい。
【0044】
また、表示領域設定手段は、遊技者が識別情報表示領域の数を変化させるための入力機構と、識別情報表示領域の数の設定に関して各種制御を行う制御機構とを備えており、入力機構に関しては、実質的には遊技球を発射させるための発射ハンドルが担っている。一方、制御機構に関しては、実質的には前記遊技機内に設けられた制御部が担っている。なお、識別情報表示領域の数の設定とは、予めパチンコ遊技機に設定されている複数の識別情報表示領域数の中から遊技球の挙動に応じていずれか1つを選択し、識別情報表示領域の新たな数として設定することである。
【0045】
そして、このように、遊技者が識別情報表示領域の数を変化させることができるようにした上記パチンコ遊技機の制御部内には、下記のステップを含むパチンコ遊技プログラムが格納されており、これが実行されることになる。
【0046】
すなわち、同パチンコ遊技プログラムは、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて、複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムであって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させるステップを含むものである。
【0047】
ところで、上記した「遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する」というのは、遊技球が一般に始動口と呼ばれる特定の入賞口に入球したことを受けて、制御部によって内部抽選を行い、当選(大当たり)かはずれかを決定するのである。このとき、当選する抽選確率は例えば1/320というように一定である。
【0048】
また、上記大当たりは、大当たり遊技状態終了後に通常遊技状態へ復帰する通常大当たりと、大当たり遊技状態終了後に、抽選手段による抽選結果の当選確率を高めた特別遊技状態に移行する特別(確変)大当たりとからなる。なお、特別(確変)大当たりによる特別遊技状態終了後は、次の大当たり遊技状態(通常大当たり、特別大当たりいずれでもよい)が発生するまで、内部抽選による大当たりへの当選確率が1/60と高確率となる。
【0049】
また、上記識別情報としては、例えば、「1」〜「12」の算用数字を利用した図柄を用いることができる。この他にも、漢数字を利用した図柄、ローマ数字を利用した図柄、「○」「×」「☆」等の記号を利用した図柄、干支や星座の画像を利用した図柄等の様々な図柄を用いてもよいことは勿論である。しかも、識別情報は、複数で識別情報群を構成しており、同識別情報群が前記識別情報表示領域にそれぞれ1つずつ表示される。このように、識別情報群が1つずつ表示されることとなる各識別情報表示領域は、スロットマシンにおいて用いられる1本のリールと同様の役割を果たしているといえる。そして、パチンコ遊技機の内部で抽選処理が行われた際には、その抽選結果に応じて各識別情報群の識別情報が前記識別情報表示領域内において変動表示・停止表示される。
【0050】
例えば、本実施の形態では、初期設定の段階では遊技盤上のディスプレイに上記識別情報表示領域を3列に並設するようにしており、各識別情報表示領域にそれぞれ識別情報群を表示するとともに、識別情報群の図柄の全てを算用数字に設定している。そして、抽選処理にて大当たりとなったときは、一旦変動表示が行われた後に、例えば「3」「3」「3」や「1」「1」「1」、あるいは「12」「12」「12」などのように、3列の数字が所謂ぞろ目で組合せで停止表示され、抽選処理ではずれになったときは、ぞろ目以外の組合せにて停止表示されるようにしている。
【0051】
本実施の形態は、上述した識別情報表示領域の数を変化させるために前記表示領域設定手段を設けて、同表示領域設定手段によって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機に識別情報表示領域の数を変化させるようにしたことに特徴がある。
【0052】
すなわち、前記発射ハンドルを操作して遊技球を発射させた際に、その遊技球の挙動が所定の条件を満たした場合(例えば、遊技球が特定の入賞口に入賞したり、特定の部位を通過したり、特定の釘に衝突したりした場合)には、識別情報表示領域の数、つまり、同識別情報表示領域に表示されることとなる識別情報群の数を変化させるようにしており、次に識別情報が変動表示されるときには、識別情報表示領域の数として新たに選択された数と同数の識別情報群を表示して、同識別情報群の識別情報を変動表示するようにしている。そして、抽選に当選している場合には、続いて識別情報が前述したようなぞろ目の組合せで停止表示されて、その後、大当たり遊技状態へ移行するようにしている。
【0053】
このように、本実施の形態では、遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させるようにしているので、識別情報が変動表示されて、その後、抽選結果に応じて停止表示されるという一連の可変表示ゲームが行なわれている間中、遊技者に対して従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけることができ、長時間の遊技においても遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0054】
特に、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させるので、例え抽選手段による抽選結果が当選となる確率が変わらなかったとしても、見た目上は、遊技者に対して、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)が増えると、同識別情報表示領域に表示される識別情報が大当たりとなる所定の組合せで停止表示される確率が低くなったように感じさせることができ、逆に、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)が減ると、同識別情報表示領域に表示される識別情報が大当たりとなる所定の組合せで停止表示される確率が高くなったように感じさせることができる。従って、一般的に、遊技者は識別情報表示領域の数を減らそうと設定を行うこととなり、遊技者に対して識別情報表示領域の数の設定自体も遊技として楽しませることができる。
【0055】
なお、上記抽選手段による抽選結果が当選となる確率は、識別情報表示領域の数の増減に関わりなく一定にしても良いし、識別情報表示領域の数の増減に応じて変化させても良い。後者の如く識別情報表示領域の数の増減に応じて当選となる確率を変化させる場合には、例えば、識別情報表示領域の数が減ると、当選となる確率が高くなる反面、賞球数が減少したりして遊技者にとってそれほど有利ではない大当たり遊技状態が展開され、逆に、識別情報表示領域の数が増えると、当選となる確率が低くなる反面、賞球数が増加するなどして遊技者にとって大変有利な大当たり遊技状態が展開されるようにするとよい。
【0056】
また、本実施の形態では、遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数を変化させるので、識別情報表示領域の数を設定するために新たに専用の設定操作部を設ける必要がなく、コストをかけることなく識別情報表示領域の数を設定可能とすることができる。また、遊技者は、従来より行なっている遊技球の発射操作によって識別情報表示領域の数を設定できるので、違和感なく円滑に識別情報表示領域の数を設定することができる。
【0057】
また、識別情報表示領域の数を変化させるために必要な遊技球の挙動(所定の条件)を遊技者に知らしめて、遊技者自身が意図的に識別情報表示領域の数を設定できるようにすれば、遊技者は、識別情報表示領域の数を変化させるべく、遊技球の挙動が所定の条件を満たすように遊技球を発射させることになるので、遊技者に識別情報表示領域の数を変化させる楽しみを与えることができるとともに、その設定操作自体も楽しませることができる。
【0058】
なお、識別情報表示領域の数が変化する契機となる遊技球の挙動(所定の条件)を、遊技者に知らせないようにしたり、抽選等によってその都度違えるようにしたりして、遊技球がどのような挙動を取ったときに識別情報表示領域の数が変化するのかが遊技者に分からないようにし、遊技に意外性をもたせることもできる。
【0059】
また、識別情報表示領域の数を複数通り設定するとともに、各識別情報表示領域の数に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報表示領域の数が決定されるようにすることもできる。
【0060】
すなわち、遊技球の挙動と同挙動に対応する識別情報表示領域の数とを予め決めておいて、実際に遊技球が発射された際には、その遊技球の挙動に対応する数へと識別情報表示領域の数を変化させるのである。
【0061】
この場合、遊技球の挙動と識別情報表示領域の数とが一対一で対応するので、かかる遊技球の挙動と識別情報表示領域の数との対応関係を遊技者に知らせておけば、遊技者は、識別情報表示領域の数を好みの数にすべく設定を行うことができる。
【0062】
しかも、識別情報表示領域の数を様々な数に変化させることができるので、より一層遊技者を飽きさせることなく楽しませることができる。
【0063】
さらに、前述の如く遊技球の挙動と識別情報表示領域の数とが一対一で対応するので、その分、識別情報表示領域の数が変化する契機となる遊技球の挙動(所定の条件)が多くなり、識別情報表示領域の数が変わる機会も多くなる。従って、より容易に識別情報表示領域の数を変化させることができる。
【0064】
そして、実際に可変表示ゲームが実行された際には、自分が設定した数の識別情報表示領域が形成されて、同識別情報表示領域において識別情報が変動表示されるため、遊技者の喜びは倍増し、満足度も高まる。
【0065】
また、遊技球が、例え遊技者が望んだ通りの挙動を取らなかったとしても、遊技者が想定していなかった意外な数の識別情報表示領域が形成されて、同識別情報表示領域において識別情報が変動することになるので、変動表示に意外性を持たせることができる。
【0066】
なお、識別情報表示領域の数は通常2個以上であるが、1個にすることも可能であり、遊技者が選択可能な識別情報表示領域の数は、変化の幅を広げるためにも多くの選択肢を用意しておくことが望ましい。
【0067】
さらに、その一方で、識別情報表示領域の数を変化させるか否かだけを遊技球の挙動によって決定するようにして、実際の識別情報表示領域の数に関しては、抽選等によってパチンコ遊技機の制御部で決定するようにしても良い。
【0068】
また、遊技者が新たに識別情報表示領域の数を設定するタイミングは特に限定されるものではないが、パチンコ遊技機全体の制御が複雑になるのを避けるためにも、設定を開始するタイミングに関しては、遊技球の発射モータが停止しており、かつ識別情報の変動表示が行われていないときに制限しておくことが好ましい。そして、このように遊技球の発射モータが停止しており、かつ識別情報の変動表示が行われていない休止状態の場合は、遊技盤上のディスプレイに識別情報表示領域の数の設定が可能である旨を示す表示がなされるようにしておくとよい。
【0069】
なお、一旦設定が開始された後には、当然ながら発射モータは作動することとなり、発射された遊技球が各種入賞口に入球することもあるので、設定が完了するまでは、引き続き賞球の払い出しや識別情報の変動表示等の通常遊技が行なわれないようにするのが望ましい。
【0070】
ここで、上述してきた表示領域設定手段を備えた本実施の形態のパチンコ遊技機についてまとめてみると、その基本形態としては、以下のとおりである。
【0071】
例えば始動口のような特定の入賞口に1つの遊技球が入ったことを受けて、「通常大当たり」、「特別大当たり(確変大当たり)」及び「はずれ」のいずれかを所定の確率で内部抽選する抽選手段と、同抽選手段による抽選結果を受けて複数の識別情報がそれぞれ変動・停止表示される複数の識別情報表示領域を設けた表示手段と、前記内部抽選手段による抽選結果が当選し、前記複数の識別情報表示領域にそれぞれ停止表示された識別情報の組合せが所定の当選組合せの場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段とを備えている。
【0072】
上記パチンコ遊技機において行われる内部抽選は、例えば、パチンコ遊技機内部に設けられた制御部のROM(リード・オンリー・メモリ)等に、予め、乱数に対応して、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つを発生させることについて定めた確率テーブルを記憶しておき、上記制御部のRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等に必要な確率テーブルを設定し、その後、上記制御部のCPUからなる主制御部により乱数のサンプリングを行うこと等により行うことができる。すなわち、主制御部が抽選手段として機能する。
【0073】
また、複数の識別情報を制御部のROM等に記憶しておき、主制御部では、内部抽選結果に基づき、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」に応じた識別情報の組合せからなる停止図柄、さらには演出画像のパターンを決定して、副制御部へ指令信号を出力する。副制御部では、必要な識別情報やその他画面画像データをRAM等に書き込み、指令信号に基づいて、当選組合せを含む識別情報の停止図柄組合せと演出パターンを生成し、表示手段に出力する。
【0074】
このとき、前記識別情報表示領域の数について、遊技者が表示領域設定手段である発射ハンドルを操作して遊技球を発射し、同遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として外部より変化させることができるようにしたことに本実施の形態に係るパチンコ遊技機の特徴があり、以下の形態がある。
【0075】
[1]遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として、識別情報表示領域の数を変化させるようにしたパチンコ遊技機。
【0076】
すなわち、識別情報表示領域の数を変化させる契機となる遊技球の挙動がパチンコ遊技機内部のROM等に予め記憶されており、識別情報表示領域の数を変更すべく発射ハンドルの操作によって遊技球が発射された場合には、当該発射された遊技球の挙動と、前記識別情報表示領域の数を変化させる契機となる遊技球の挙動とを比較して、両者が一致した場合に識別情報表示領域の数を変化させるのである。
【0077】
なお、識別情報表示領域の数をいくつに変化させるかは、パチンコ遊技機内部で抽選によって決定したり、変化後の識別情報表示領域の数として予めパチンコ遊技機内部に複数種の数を順番に並べて記憶しておき、識別情報表示領域の数を変化させる契機が巡ってきたときに、前記順番に沿って識別情報表示領域の数を順次変化させていったり、或いは後述する[2]のパチンコ遊技機のように、発射された遊技球の挙動と識別情報表示領域の数とを一対一対応させて、遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数を決定したりと、様々な方法で決定することができる。
【0078】
上述のようにして遊技者が設定した識別情報表示領域の数は、パチンコ遊技機内部のRAM等に記憶される。そして、次の可変表示ゲームからは、新たに設定された識別情報表示領域の数に対応させて識別情報群を変動表示させ、内部抽選により決定した当選結果を受けて、識別情報群を停止表示させる。
【0079】
[1]の本実施の形態のパチンコ遊技機によれば、可変表示ゲームにおいて識別情報が変動表示される際、遊技者が自ら識別情報表示領域の数を変えることができるので、遊技者に識別情報表示領域の数を変化させる楽しみを与えることができるとともに、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0080】
特に、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させるので、例え抽選手段による抽選結果が大当たりとなる確率が一定であったとしても、遊技者には、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)の増減に伴って前記抽選結果が大当たりとなる確率も変わるように感じさせることができる。従って、一般的に、遊技者は、識別情報が大当たりとなる組合せで停止表示されやすいように識別情報表示領域の数を減らそうと設定を行うこととなり、遊技者に対して識別情報表示領域の数の設定自体も遊技として楽しませることができる。
【0081】
また、発射ハンドルを操作して遊技球を発射するだけで識別情報表示領域の数を変化させることができるので、設定操作も楽であり、遊技者の負担になることがない。
【0082】
さらに、キー操作などと違って不確定要素に依存することになるので、思わぬ数の識別情報表示領域が形成されて、同識別情報表示領域において識別情報が変動したりすることがあり、識別情報表示領域の数の設定にもゲーム性が加味されることによる面白みが付加される。
【0083】
[2]上記[1]のパチンコ遊技機において、識別情報表示領域の数を複数通り設定するとともに、各識別情報表示領域の数に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報表示領域の数を変化させるようにしたパチンコ遊技機。
【0084】
すなわち、発射された遊技球の挙動と、同遊技球の挙動に対応する識別情報表示領域の数とがパチンコ遊技機内部のROM等に予め記憶されており、識別情報表示領域の数を変更すべく発射ハンドルを操作して遊技球を発射させた場合には、同遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数を変化させるのである。
【0085】
[2]の本実施の形態のパチンコ遊技機によれば、遊技者に遊技球の挙動と識別情報表示領域の数との相対関係を知らせておけば、遊技者が自ら識別情報表示領域の数を設定することが可能となる。従って、遊技者に識別情報表示領域の数を設定する楽しみを与えることができる。しかも、可変表示ゲームにおいて識別情報が変動表示される際には、遊技者が自ら設定した識別情報表示領域の数によって可変表示ゲームが開始されることとなるので、遊技者の喜びを倍増させることができると共に、満足度を高めることができる。
【0086】
ここで、実際に識別情報表示領域の数を設定する際の手順を、上記[2]に相当するパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
【0087】
遊技状態にないパチンコ遊技機は、遊技球の発射モータが停止しており、かつ識別情報の変動表示が行われていない休止状態にあるので、遊技盤上のディスプレイに、識別情報表示領域の数の設定が可能であることを示す表示がなされている。
【0088】
このとき、発射ハンドルを操作して遊技球を発射させることにより、発射された遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数を変化させることができる。例えば、識別情報表示領域の数を変化させる遊技球の挙動として、各種入賞口に入球することや、ゲートやワープルート(例えば、後述する球通過検出器)を通過することや、風車(例えば、後述する転動誘導部材)を回すことや、障害釘に衝突することを採用する場合には、遊技盤上に発射された遊技球が前述したような挙動を取ったときに識別情報表示領域の数が変化する。
【0089】
特に、上記[2]に相当するパチンコ遊技機においては、各遊技球の挙動に対して異なる数を割り振っており、例えば、特定の入賞口に入球した場合には識別情報表示領域の数が2個となり、ゲートやワープルートを通過した場合には識別情報表示領域の数が3個となり、風車を回した場合には識別情報表示領域の数が4個となるようにしている。従って、かかる遊技球の挙動と識別情報表示領域の数との相対関係を遊技者に知らせておけば、遊技者は、識別情報表示領域の数を自分の好みの数とすべく、遊技盤上の特定の部位を狙って遊技球を発射させることができる。
【0090】
上述のようにして新たに決定された識別情報表示領域の数に関する情報は、パチンコ遊技機内部の記憶部に記憶される。そして、次に識別情報群を変動表示させる際に前記識別情報表示領域の数に関する情報が読込まれ、当該情報により定められる識別情報表示領域の数に応じて識別情報表示領域が形成され、同識別情報表示領域において識別情報が変動表示されるのである。
【0091】
以上のようにして、実際の識別情報表示領域の数の設定は行なわれる。
【0092】
ところで、上記してきたパチンコ遊技機としては、パチンコホールなどに設置されたパチンコ遊技機、すなわち、所謂パチンコ玉と呼ばれる鋼球を遊技球として用いて遊技盤上に打ち出して遊技するとともに、前記遊技盤上には各種の表示を行う表示手段としての表示部を備え、さらに各種の制御を行う制御部をケーシング内に収容した遊技機に好適に適用することができるが、かかるパチンコ遊技機は、必ずしも上述した実際の鋼球からなる遊技球を用いる必要はなく、パチンコ遊技盤を遊技画面として画像表示するディスプレイと、同ディスプレイ上に仮想遊技球を映像として打出し可能な遊技ハンドル(操作部)、パチンコ遊技プログラムを実行する制御部とを備えた映像パチンコ遊技機であっても構わない。
【0093】
さらに、表示手段としての表示部と制御部とを備えた業務用若しくは家庭用のゲーム機に適用することも可能である。
【0094】
またさらには、汎用のコンピュータや携帯端末装置等に各種の制御を行うソフトウェアをインストールしたものにも適用できる。この場合、上述してきた遊技盤を含む遊技機画像の表示を実行させることのできる表示プログラムを含むパチンコ遊技プログラムを格納した記憶媒体を介して遊技を行うことができる。あるいは、インターネットなどを介して前記パチンコ遊技プログラムをダウンロードして遊技することができる。つまり、遊技機としては、サーバと端末機(クライアント)とに分割して構成したものであってもよい。
【0095】
そのために、本実施の形態は、上述したように、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて、複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムであって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させるステップを含む遊技プログラムとして提供することもできる。
【0096】
かかる遊技プログラムを適宜の手段により実行することで、従来にない、遊技者が遊技の設定内容にまで関与できる能動的なパチンコ遊技を、誰もが何処でも楽しむことができる。特に、識別情報表示領域の数を変化させることができるので、識別情報が変動表示されて、その後、抽選結果に応じて停止表示されるという一連の可変表示ゲームが行なわれている間中、遊技者に対して従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけることができ、長時間の遊技においても遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0097】
また、端末機と通信可能であり、パチンコ遊技機を示す遊技機画像を各端末機に表示可能としたサーバとしても提供可能としている。
【0098】
そして、かかるサーバにおいて、前記遊技機画像中の仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球が特定の入球部に入球したと認識されたことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、前記パチンコ遊技機画像中に複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させ、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行可能とし、しかも、前記仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させる制御を、各端末機に対して行うのである。
【0099】
かかるサーバにより、例えばインターネットなどを介して、遊技者が遊技の設定内容にまで関与できる従来にない能動的なパチンコ遊技を提供することが可能となる。特に、識別情報表示領域の数を変化させることができるので、識別情報が変動表示されて、その後、抽選結果に応じて停止表示されるという一連の可変表示ゲームが行なわれている間中、遊技者に対して従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけることができ、長時間の遊技においても遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0100】
ここで、本発明の実施の形態を、図面に基づいてより具体的に説明する。
【0101】
[第1の実施形態]
(パチンコ遊技装置の構成)
図1に本実施の形態に係るパチンコ遊技装置の正面図を示す。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技装置は上述の[2]に相当するパチンコ遊技機である。なお、かかるパチンコ遊技装置としたものは、障害釘を遊技盤に一体的に形成したパチコン機をも含む概念である。
【0102】
図1に示すように、パチンコ遊技装置10は、矩形枠状の本体枠12に矩形板状の遊技盤14を組込み、同遊技盤14の前面には前記本体枠12の窓枠16を設け、さらに、同窓枠16の下側で本体枠12の前面には上皿20及び下皿22を設けるとともに、同下皿22の右側に発射ハンドル26を配設して構成している。本実施の形態では、前記発射ハンドル26を表示領域設定手段の入力機構としている。
【0103】
上皿20の右側部上面には、識別情報表示領域の数の設定開始ボタンfを設けており、同設定開始ボタンfの近傍には、上皿20内の遊技球をバイパス路を介して下皿22へ送るバイパス路開閉ボタン20aを設けている。46はスピーカであり、本体枠12の下側位置であって前記下皿22の下方に取付けられている。
【0104】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図1では入賞口の直上方に略平行に設けた一対の障害釘を除いて省略している)を打ち込んでいる。なお、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように植設する構成としてもよく、かかる構成とした遊技装置(パチコン機)にも本発明を適用することができる。
【0105】
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けており、遊技者は発射ハンドル26を操作することにより遊技球を遊技盤14上に発射してパチンコ遊技を進めることができる。
【0106】
なお、発射ハンドル26の裏側には発射モータ28を設けるとともに、周縁部にはタッチセンサ29を設けている。遊技者がタッチセンサ29に触れたときにタッチセンサ29から検出信号が出力されて遊技者が発射ハンドル26を手にしたと認識され、かつ遊技者が時計回り方向へ回動操作したときには、その回動角度に応じて発射モータ28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球を遊技盤14に順次発射することができる。26aは発射モータ一時停止ボタンである。
【0107】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。そして、後述する各種入賞口に入らなかった遊技球は、遊技盤14の中央最下部に位置する排出口から回収される。
【0108】
そして、本実施の形態では、上述したように遊技者により遊技盤上に発射された遊技球の挙動に応じて、表示装置32に形成される識別情報表示領域の数を変化させる、すなわち、表示装置32に表示される識別情報群の数を変化させるようにしている。
【0109】
遊技盤14を拡大した拡大正面図を図2に示す。なお、図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付すとともに、図2においても図1同様に障害釘の大部分を省略している。
【0110】
遊技盤14の前面の略中央には、表示手段としての表示装置32を設けている。なお、同表示装置32における後述の画面画像を表示する部分は、液晶ディスプレイパネルからなるものであってもブラウン管(CRT)からなるものであってもよい。また、本実施の形態では、表示装置32を遊技盤14の前面略中央に設けた場合を示したが、遊技者が見得るような位置であればパチンコ遊技装置10の何処の位置に表示装置32を設けても構わない。
【0111】
表示装置32の上方には、小型の副表示装置52を設けている。この副表示装置52は、例えば7セグメント表示器で構成することができ、表示情報である普通図柄を、変動と停止とを繰り返すように可変表示することができる。
【0112】
表示装置32の左右側部には、球通過検出器55(55a,55b)を設けている。この球通過検出器55(55a,55b)が遊技球の通過を検出したときには、上述した副表示装置52において、普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。
【0113】
この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば「0」乃至「12」の数字や「☆」等の記号である。そして、この普通図柄が所定の図柄、例えば「7」となって停止して表示されたときには、後述する始動口44の左右両側に設けた可動片58(58a,58b)を駆動するためのソレノイド57(図4参照)に電流を供給して、始動口44に遊技球が入りやすくなるように可動片58(58a,58b)を駆動して始動口44が開放状態となるようにするのである。なお、始動口44を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、可動片58(58a,58b)を駆動して始動口44を閉塞状態とし、遊技球が入りにくくなるようにするのである。
【0114】
上述した副表示装置52の左右両側には、4つの保留ランプ34(34a〜34d)を設けるとともに、副表示装置52の直上方位置には、一般入賞口50を設けている。
【0115】
また、遊技盤14の下部には、大当たり入賞装置Mを設けている。
【0116】
かかる大当たり入賞装置Mは、図3に示すように、前カバー200と後基板201との間に装置各部材を介設したものであり、前カバー200に形成された大入賞口38には、シャッタ40を軸202を介してソレノイド48により上下開閉自在に作動するように設け、同シャッタ40の開放時に上側を向く当該シャッタ40の裏面にはガイド207を突設するとともに、シャッタ40の奥には特定領域203を構成する球通過孔と通常領域204を構成する球通過孔を形成している。また、シャッタ40の後方中央には、ソレノイド205により左右に傾動するスイング板206を配設している。
【0117】
前記シャッタ40は、後述する可変表示ゲームによって大当たり遊技状態になった場合に開放状態となるように、ソレノイド48により駆動される。かかるシャッタ40が開放されると、遊技球が所定時間あるいは所定入賞球数に至るまで開放状態が維持され、その後シャッタ40が閉塞される。従って、シャッタ40が開放している間に大入賞口38に入賞した遊技球の数に応じて所要個数の賞球の払い出しを受けることができる。
【0118】
ところで、シャッタ40の開放時に、そのうちの1球がガイド207に沿って特定領域203に入球すると、シャッタ40は所定時間経過或いは所定数入球後においても次のシャッタ40の開放を約束しており、これが所定限度回数(例えば、15回)まで繰り返され得るところの遊技者にとって有利な大当たり遊技状態を実現するようにしている。
【0119】
なお、シャッタ40の開放当時にはスイング板206が左側へ傾動して、少なくとも1個の遊技球は左側の特定領域203に入球し易いように構成しており、遊技球が特定領域203に入球すると、入球をセンサが感知して、スイング板206がソレノイド205により右側へ傾動し、その後の遊技球は右側の通常領域204に入球するようにしている。
【0120】
さらに、遊技盤14の略中央に配置した前記表示装置32の左右両側には、図2に示すように一般入賞口54(54a,54b)を設けている。また、同表示装置32の下部の左右両側にも一般入賞口54(54c,54d)を設けるとともに、遊技盤14の左右端部には、第2の一般入賞口56(56a,56b)を設け、さらに前記大入賞口38の左右両側についても第2の一般入賞口56(56c,56d)を設けている。
【0121】
また、表示装置32の下部には、後述する可変表示ゲームが開始されて表示装置32に表示される複数の識別情報を変動表示状態に移行する契機となる球検知センサ42を有する始動口44を特別の入賞口として設けている。そして、かかる始動口44をはじめ、上述した大入賞口38、一般入賞口54a〜54d及び第2の一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したときには、入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が賞球として払出装置59により上皿21または下皿22に払い出される。
【0122】
さらに、表示装置32の左右両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための風車状の転動誘導部材60(60a,60b)を設けるとともに、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36(36a及び36b)を設けている。
【0123】
(パチンコ遊技装置の制御)
本実施の形態に係るパチンコ遊技装置10の制御回路を示すブロック図を図4に示す。
【0124】
上述した発射ハンドル26は、制御部61のインターフェイス回路群62に接続し、インターフェイス回路群62は、入出力バス64に接続している。そして、遊技者が発射ハンドル26を回動操作すると、同発射ハンドル26の回動角度を示す角度信号が、インターフェイス回路群62により所定の信号に変換された後、入出力バス64に供給される。入出力バス64は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66にデータ信号又はアドレス信号を入出力するようにしている。
【0125】
また、上記インターフェイス回路群62には、前記タッチセンサ29も接続しており、同タッチセンサ29は、遊技者の手が触れたことを検出したときに検出信号をインターフェイス回路群62を介して入出力バス64に供給する。
【0126】
また、インターフェイス回路群62には、前記設定開始ボタンfを接続しており、遊技者が設定開始ボタンfを押したときには、これを識別情報表示領域の数の設定開始の合図と見なして、設定開始信号をインターフェイス回路群62を介して入出力バス64に供給する。
【0127】
特に、本実施の形態では、設定開始ボタンfによる設定開始信号の発信を、発射ハンドル26が所定期間にわたって回動操作されておらず(遊技球の発射モータ28が停止しており)、識別情報の変動表示が表示装置32上で行われておらず、且つ後述する球検出センサ43により大入賞口38への入球が検知されていないときにのみ実行可能として、設定入力の開始タイミングを制限している。
【0128】
また、インターフェイス回路群62には、各入賞口に設けた球検知センサ42、43を接続しており、球検知センサ42は遊技球が前記始動口44を通過したときに、球検知センサ43は遊技球が大入賞口38、一般入賞口54、第2の一般入賞口56、さらには排出口53を通過したときに、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0129】
さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55(左側球通過検出器55a,右側球通過検出器55b)を接続しており、同球通過検出器55は遊技球が通過したことを検出したときに検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0130】
また、上述した入出力バス64には、ROM68及びRAM70が接続されている。
【0131】
ROM68は、パチンコ遊技装置10の遊技全体の流れを制御する遊技プログラムを含む制御プログラムや、個々の識別情報やそれらの組合せ等を記憶している。本パチンコ遊技装置10では、識別情報を「1」、「2」、…、「12」からなる12個の数字としており、これらの図柄を複数(例えば3つ)組み合わせて1つの組合せとして表示するようにしている。そして、大当たり時の当選組合せとしては、前記組合せを構成する複数の図柄が全て同じ図柄となる所謂ぞろ目と呼ばれる組合せを予め設定している。
【0132】
しかも、前述の如く上記インターフェイス回路群62には、発射ハンドル26及び各種球検出器(球検知センサ42、43や球通過検出器55)を接続しており、遊技者が発射ハンドル26を操作して発射させた遊技球の挙動に応じて、可変表示ゲーム時に表示装置32に表示される識別情報表示領域の数を設定可能としている。
【0133】
すなわち、本実施の形態における遊技プログラムは、遊技盤14上に発射された遊技球が特定の入球口である始動口44に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて複数の識別情報を表示装置32上の複数の識別情報表示領域にそれぞれ変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行するステップとを有する遊技プログラムであって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させるステップを含むものである。
【0134】
従って、かかるプログラムを実行することにより、可変表示ゲームにおいて変動・停止表示される識別情報群を表示するための識別情報表示領域の数を遊技者が変化させることができ、遊技者に識別情報表示領域の数を変化させる楽しみを与えることができるとともに、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0135】
また、ROM68は、前記表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される識別情報である図柄の画像データ、演出画面として表示される画面画像としての動体物などのキャラクタを示すキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ、及び動画映像画像データ、並びに遊技に用いる音データ、前記制御プログラムを実行するための初期データや、前記装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶している。なお、上述した画像データは、表示装置32において識別情報としての図柄を変動表示するときや、停止表示する際に用いるものであり、多様の表示態様、例えば、拡大した画像、縮小した画像、変形した画像等に応じた画像データを含む。また、上述したキャラクタ画像データ、背景画像データ及び動画映像画像データは、遊技を演出するために動画像、静止画像若しくはこれらを組み合わせた画像を画面画像として表示装置32に表示するためのものである。さらに、上述したキャラクタ画像データは、キャラクタの動作を表示すべく動作のそれぞれに対応した画像データを含むものであり、音データは、遊技を音響により演出するためのものであり、前記スピーカ46から効果音等の音声を発するために用いる。
【0136】
また、ROM68は、パチンコ遊技装置10が休止状態にあるときに表示装置32に表示される、識別情報表示領域の数の設定が可能である旨を示す設定画像データや、識別情報表示領域の数の設定を行う際に表示装置32に表示される、設定操作を補助するための各種画像データや、遊技者により設定された識別情報表示領域の数を報知する画像データを記憶している。
【0137】
さらに、ROM68は、通常大当たりと特別大当たりとを発生させる抽選を行うために必要な確率テーブルや当該確率テーブルを用いて抽選を行うためのプログラムなどを記憶している。
【0138】
一方、RAM70は、上述した各プログラムで使用するフラグや変数の値、さらに上述した如く遊技盤上に発射された遊技球の挙動に応じて新たに入力設定された識別情報表示領域の数に関する情報を記憶している。すなわち、かかる新たな入力データを含め、CPU66による演算結果や遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数を記憶している。
【0139】
そして、制御部61内のCPU66は、ROM68から所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行い、この演算処理の結果に基づいて前述の遊技者により新たに設定された識別情報表示領域の数に関する情報やキャラクタ画像データ、背景画像データ、動画映像画像データ、識別情報である図柄の画像データ、前記設定画像データ、前記設定操作を補助するための各種画像データ、及び前記設定された識別情報表示領域の数を報知する画像データ並びに音データを、電子データとして伝送に関する制御やその他の制御を行う。
【0140】
また、CPU66は、上述した新たに遊技者により設定された識別情報表示領域の数に関する情報を読み出して、表示装置32において同図柄が変動表示されるように制御したり、複数の識別情報の図柄の相互の組合せ状態が表示装置32において所定のタイミングで停止表示されるように制御している。
【0141】
また、入出力バス64には、インターフェイス回路群72を接続しており、同インターフェイス回路群72には、表示装置32、副表示装置52、スピーカ46、発射モータ28、ソレノイド48,57,205、保留ランプ34及び装飾ランプ36、並びに払出装置59を接続している。そして、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した各装置類それぞれを制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0142】
前述した表示装置32は、識別情報表示領域が設けられる変動図柄表示部と、演出画面表示部とからなり、CPU66の制御によりこれらの2つの表示部に表示される画面の双方を合成して表示する。なお、表示装置32は、このような構成に限られず、3つ以上の表示部を有する構成としてもよく、これらの表示部を合成することにより図柄の画像や演出画像を表示装置32に表示することとしてもよい。
【0143】
このように複数の表示部に表示される画面を表示装置32に表示することとしたことにより、1つの表示部に表示される図柄の変動シーンと演出画面表示される演出画面とを合成して多彩な表示形態を可能にしている。
【0144】
また、保留ランプ34は、始動口44に入った遊技球のうち、図柄を変動表示させるに有効な回数を示すものであり、装飾ランプ36は、遊技が大当たり遊技状態となったときやリーチ状態となったときに遊技者にその旨を示すべく点滅又は点灯するものである。さらに払出装置59は、CPU66からの制御信号により、遊技状況(例えば入賞口等に遊技球が入ったこと等)に応じて、上皿20又は下皿22に、予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
【0145】
本実施の形態では、上述したCPU66などから演算処理装置により制御部61が構成され、表示装置32から表示部が構成されている。
【0146】
なお、本実施の形態ではCPU66などからなる演算処理装置が1つとして説明しているが、必ずしも1つである必要はない。メインの演算処理装置としての主制御部と、画像表示を司るサブの演算処理装置としての副制御部を含む構成とすることもできる。
【0147】
例えば抽選実行時における表示装置32の制御を行う際には、主制御部により内部抽選を行い、その抽選結果に応じて、副制御部で画像表示に関する各種制御、すなわち、遊技者が設定した識別情報表示領域の数に関する情報をRAM70より読み出し、同情報に基づき識別情報表示領域を表示装置32上に形成し、各識別情報表示領域内で識別情報群を変動表示させ、内部抽選結果により主制御部が決定した抽選結果に対応させて、各識別情報群の停止図柄を前記識別情報表示領域内に表示する制御を行うのである。上記したROM68やRAM70も複数個備える構成であっても構わない。
【0148】
(パチンコ遊技装置10の動作)
本実施の形態に係るパチンコ遊技装置10は上述してきた構成となっており、その動作を以下に説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技装置10は起動しており、上述したCPU66において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0149】
まず、パチンコ遊技装置10は、パチンコ遊技を制御するパチンコ遊技プログラムを実行し、かかるプログラムから所定のタイミングで図6に示す遊技球検出ルーチンを呼び出して実行するとともに、図12に示す本発明の要旨ともなる識別情報表示領域の数の設定を受け付けることができる識別情報表示領域設定処理ルーチンを呼び出して実行するようにしている。
【0150】
すなわち、本実施の形態では、前記遊技球検出ルーチンの実行中に、発射ハンドル26が所定期間にわたって回動操作されておらず(遊技球の発射モータ28が停止しており)、識別情報の変動表示が表示装置32上で行われておらず、且つ球検出センサ43により大入賞口38への入球が検知されていないときがあれば、前記識別情報表示領域設定処理ルーチンを随時呼び出して、遊技者が識別情報表示領域の数を設定できるようにしている。
【0151】
ここでは、まず、遊技球検出ルーチンについて説明し、識別情報表示領域設定処理ルーチンに関しては後に詳説することとする。
【0152】
遊技球検出ルーチンでは、最初に、入賞口に遊技球が入ったか否かを検出する(ステップS11)。この入賞口は、例えば図2に示した例においては、一般入賞口50及び54a〜54d並びに第2の一般入賞口56a〜56dである。
【0153】
ステップS11において、上記入賞口に遊技球が入ったと判別したときには、入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS12)。
【0154】
次に、始動口44に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。このステップS13において、始動口44に遊技球が入ったと判別したときには内部抽選実行処理(ステップS14)を実行し、次いで可変表示ゲームを実行する。
【0155】
ステップS14における内部抽選実行処理では、前述の内部抽選を行い、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つの結果を発生させる処理を行うものである。なお、この内部抽選実行処理及び可変表示ゲームについては後に詳述する。
【0156】
さらに、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS16)。このステップS16において、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したと判別したときには、上述したように、表示装置32において普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS17)。なお、上述したように、変動表示された普通図柄が停止したときに所定の図柄となったときには、可動片58a,58bを駆動して始動口44を短時間ながらも所定時間開放状態となるようにして、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにしている。
【0157】
上述したステップS14において呼び出されて実行される内部抽選実行処理を行うサブルーチンを図7に示す。
なお、以下の説明において、変動図柄とは、表示装置32に表示される識別情報のうちで変動表示されている最中の図柄を指し、停止図柄とは、この変動表示される変動図柄が最終的に停止したときに表示される図柄を指すものとする。
【0158】
上述した抽選実行処理が開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS100)。この抽選処理は、「通常大当たり」、確率変動を伴う「特別大当たり」及び「はずれ」のうちから何れを発生させるかを決定する処理である。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された内部抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。
【0159】
なお、確率テーブルをRAM70に設定する処理は、ステップS100を実行するたびに行う必要はなく、常にRAM70に設定しておいてもよい。また、ROM68に内部抽選に用いられる確率テーブルを複数記憶させておき、必要に応じて異なる確率テーブルをRAM70に設定することとして、通常大当たりを発生させる確率、特別大当たりを発生させる確率、及び、はずれを発生させる確率を変更させることもできる。
【0160】
次に、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のうち、どの結果が得られたかについて判断する(ステップS101)。
【0161】
ステップS101において、はずれの抽選結果が得られたと判断した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS102)。このとき、はずれが発生したことになる。
【0162】
なお、この抽選データは、後述する可変表示ゲームを実行する際に用いられるデータであり、CPU66は、当該抽選データに基づき、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンにおいて、変動図柄を所定の組合せで停止表示させる。
【0163】
ステップS101において、通常大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、通常大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS103)、さらに、通常大当たり情報を記憶する(ステップS104)。このとき、通常大当たりが発生したことになる。
【0164】
また、ステップS101において、特別大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、特別大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS107)、さらに、特別大当たり情報を記憶する(ステップS108)。このとき、特別大当たりが発生したことになる。
【0165】
次いで、大当たり遊技状態が発生しているか否かを判断し(ステップS110)、大当たり遊技状態が発生していると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0166】
一方、ステップS110において、大当たり遊技状態が発生していないと判断した場合、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するか否か判断する(ステップS111)。なお、進行(表示)中の可変表示ゲームとは、現在、表示装置32に表示され、遊技者が見ることが可能な状態にあり、変動図柄が停止表示される前の可変表示ゲームである。すなわち、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するということは、既に、1つの遊技球が始動口44に入り、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されているということである。
【0167】
ステップS111において、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS112)。一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0168】
次に、図7に示すステップS112において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンについて、図8を用いて説明する。本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始するのである。なお、固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、パチンコ遊技装置10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。また、通常画面とは、表示装置32において可変表示ゲームが開始され表示装置32に表示される図柄が変動表示されてから、可変表示ゲームがリーチとなったり大当たりとなったりしたときの状態に至るまでのあいだに、表示装置32に表示される演出画面をいう。
【0169】
ここで、可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、遊技者が設定した識別情報を表示装置32に表示し、その各々が変動するように表示した後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示するゲームであり、複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回とするゲームである。
【0170】
また、可変表示ゲームにおいて停止表示された変動図柄の図柄の組合せが所定の組合せ、すなわち、前述したように内部抽選により通常大当たり、あるいは特別大当たりに当選となった場合には、予め設定された図柄の組合せによる停止図柄が表示装置32に表示されるとともに、大当たり遊技状態が発生し、遊技者に対して有利な状態の提供が行われる。なお、遊技者により識別情報表示領域の数が設定された場合には、設定された数に基づき当選組合せも設定される。
【0171】
本パチンコ遊技装置10において予め設定されている識別情報は、「1」、「2」、…、「12」からなる12個の算用数字からなる図柄を1つの組として、これらの12個の図柄を表示装置32に順次表示し、その図柄が移動するように表示しつつ、図柄自身が変化するように表示する。本実施の形態では、遊技者によって設定された識別情報表示領域の数に関する情報が制御部61のRAM70に記憶されており、図柄を変動表示する際、RAM70から当該情報が読込まれ、遊技者が設定した識別情報表示領域の数に対応させて図柄を変動表示する。なお、識別情報表示領域の数の設定処理の詳細については後に詳述することとする。
【0172】
例えば、表示装置32において、図柄の「1」を表示装置32の上から下へスクロールするように表示した後、図柄の「2」を上から下へスクロールするように表示し、続いて図柄の「3」を同様に上から下へスクロールするように表示するのである。そして、図柄の「1」から図柄の「12」までをこのような態様で表示した後、再び図柄の「1」をスクロールするように表示し、同様の表示を順次繰り返すのである。
【0173】
表示装置32においてこのように図柄を表示することにより、「1」から「2」へと、「2」から「3」へと、図柄がスクロールされながら順次変化して「12」まで表示され、次に再び「1」が表示されることとなるのである。このように1つの図柄の位置を移動させつつ図柄自体が順次変化するように図柄を表示する態様を変動表示という。また、ある図柄を停止させて表示する態様を停止表示という。
【0174】
なお、1つの組に属する図柄を表示装置32に表示する際において、表示される図柄は、その組に属する1つの図柄のみに限られることはなく、複数、例えば2〜3個の図柄を同時に表示することとしてもよい。例えば、図柄「5」を表示装置32に変動表示しているときに、図柄「5」の下方に図柄「4」の一部又は全体を変動表示し、図柄「5」の上方に図柄「6」の一部又は全体を変動表示することとしてもよい。なお、上述した図柄の組は、スロットマシンにおいて用いられる1本のリールに表示された図柄の組に対応する概念である。
【0175】
さらに、可変表示ゲームが表示装置32において実行されるときには、複数の組の各々に属する図柄を表示する。例えば、3つの組に属する図柄の各々を横方向に配列させて表示することとした場合には、1つの組に属する図柄は表示装置32の左側に表示され、他の組に属する図柄は表示装置32の中央に表示され、残りの組に属する図柄は表示装置32の右側に表示されるのである。
【0176】
このように識別情報である図柄を表示することにより、表示部である表示装置32には複数の識別情報が表示されることとなるのである。例えば、1つの組に属する図柄のうちの1つの図柄のみを常に表示するように変動表示することとした場合には、表示装置32には3つの図柄、即ち左側に1つの図柄が表示され、中央に1つの図柄が表示され、右側に1つの図柄が表示されることとなるのである。また、可変表示ゲームが実行される際における組の数は、3つに限られることはなく、3以外の複数個の組に属する図柄を表示装置32に表示することとしもよい。
【0177】
上述したように図柄を表示することにより、複数の図柄、即ち複数の識別情報が表示部である表示装置32に表示されることになるのである。更に、上述したように、1つの組に属する図柄について複数個の図柄を表示することとしてもよく、例えば、1つの組に属する3つの図柄を同時に変動表示するように表示することとし、3つの組について表示することとした場合には、表示装置32には、合計9個の図柄が変動表示されることとなるのである。
【0178】
そして、複数の組に属する図柄を変動表示した後、変動表示されていた全ての図柄を所定のタイミングで停止表示した際に、これらの図柄の組合せが所定の組合せに合致して停止表示されたときには、遊技者から見れば可変表示ゲームが大当たり(通常大当たり)に当選したことになり、通常大当たり遊技状態が発生し、遊技者に対して有利な状態の提供が行われることになる。
【0179】
例えば、3つの組に属する図柄を表示装置32に表示するとした場合に、1つの組に属する図柄が「7」で停止表示され、他の組に属する図柄も「7」で停止表示され、残りの組に属する図柄も「7」で停止表示されたときには、図柄の組合せは、所定の組合せ「7」−「7」−「7」に合致し、可変表示ゲームが大当たり(通常大当たり)に当選したとして、第1大当たり遊技状態が発生し、遊技者に対して有利な状態の提供が行われる。
【0180】
通常大当たり遊技状態が発生したときには、上述したソレノイド48に電流を供給して遊技盤14の前面に設けられている大入賞口38のシャッタ40を開放し遊技球を大入賞口38に入り易くするのである。
【0181】
また、かかる大当たり遊技状態となる組合せにおいて、特定の組合せの識別情報、例えば、「3」と「3」と「3」とのゾロ目や「7」と「7」と「7」とのゾロ目の識別情報の組合せになった場合は再度当該大当たり遊技状態へ高確率で移行させる確率変動状態となる。
【0182】
ここで、「確率変動状態」とは、大当たりとなる確率が通常の遊技状態より高くなる(例えば、確率が1/320から1/60などのように5倍〜6倍に高くなる)ような制御状態を指し、例えば、表示装置32や表示装置32の上部中央にある副表示装置52などに表示された図柄の変動から停止までの変動時間が短縮されたり、始動口44に設けた可動片58a,58bの開放状態の時間が延長されたりする時間短縮制御も併せて行われる状態等を指す。
【0183】
また、この可変表示ゲームが実行されている際には、背景画像やキャラクタ画像等による演出画面も表示装置32に表示される。
【0184】
前述した内部抽選処理によって、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行し、上述したステップS102、S103またはS107においてRAM70に記憶した抽選データに基づいて、変動表示されていた複数の組に属する図柄を全て停止表示させて図柄が確定したときにおける図柄の組合せを予め決定し、可変表示ゲームが開始されると、図8に示すように、抽選データを更新(減少)させる(ステップS201)。すなわち、CPU66は、RAM70に記憶された抽選データの中から、今回の可変表示ゲーム処理に使用する抽選データを可変表示ゲーム処理領域に呼び出し、これまで抽選データが記憶されていた領域からは当該抽選データを消去する処理を行う。
【0185】
次に、選択された背景画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS202)。すなわち、CPU66によって、内部抽選処理の結果や、可変表示ゲームの進行状況等に応じて、背景画像を選択するプログラムが、ROM68から呼び出され実行される。
【0186】
次に、CPU66によって実行され得られた結果に基づいて、選択された背景画像の画面構成情報が、随時、CPU66によって、RAM70に生成される。上記背景画像としては、特に限定されるものではなく、可変表示ゲームの進行状況や、上記内部抽選処理の結果に基づいて、CPU66によって、適宜選択される。
【0187】
次に、選択されたキャラクタ画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS203)。すなわち、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66により選択されたキャラクタ画像の画面構成情報が、RAM70に生成される。
【0188】
このとき、例えば、1/60秒や、1/30秒等毎の一定間隔の周期(フレームスパン)で、キャラクタ画像の先頭位置が所定の移動量分ずれるように制御することにより、キャラクタ画像に動きを与えて表示させることができる。なお、キャラクタを示す画像については、必ずしも常に表示装置32上に表示されている必要はない。上記キャラクタ画像としては、例えば、図10に示すような動物(犬)を示す画像等を挙げることができる。
【0189】
次いで、識別情報である変動図柄の画面構成情報が、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66によって、RAM70に生成される(ステップS204)。
【0190】
上記変動図柄を構成する各図柄となる画像の画面構成情報は、上述したプログラムに基づいて、CPU66により生成される。例えば、1つの識別情報を表す変動図柄の画像が、1/60秒や、1/30秒等毎の一定間隔の周期(フレームスパン)で所定の移動量分だけずれてゆくように画面構成情報を生成する。なお、遊技者により識別情報表示領域の数が設定されている場合(後述する識別情報表示領域設定処理において、識別情報表示領域の数に関する情報がRAM70に記憶された場合)には、設定された数だけ識別情報表示領域を設けて、各識別情報表示領域において前記変動図柄の画像がずれてゆくように画面構成情報を生成する。また、各変動図柄となる画像が、所定の順序で順次生成されるように制御して、変動図柄の変動表示を行うことができる。さらに、フレームスパンや、画面構成情報の読み出しの先頭位置等を調整することによって、変動図柄の変動速度を制御することができるため、背景画像において、展開されている物語等に応じて、変動図柄の変動を滑らかにさせ、背景画像と、変動図柄との融合を図ることも可能である。
【0191】
なお、ROM68に、同一の変動図柄について、異なる形状となる複数の画像データを記憶させ、随時、CPU66から読み出し、表示装置32に送信することにより、変動表示中に、該変動図柄の形状が経時的に変化していくように表示させることも可能である。
【0192】
次に、1つの変動図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS206)。すなわち、複数、例えば、三つの組のうち、1つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。
【0193】
変動図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、CPU66によって、1つの変動図柄を停止表示させる態様で変動図柄を表す変動図柄画像が選択され、該変動図柄画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS207)。
【0194】
次いで、ステップS202〜207において、RAM70に生成された画面構成情報に基づいて、CPU66によって、ROM68から、上記画面構成情報に対応する各画像データが読み出される。読み出された各画像データは、その後、上記画面構成情報内の表示される優先順位や、位置等に関する情報によって、表示装置32に表示される画像データとされた後、表示装置32に送信されて表示される(ステップS208)。上述したステップS202〜S208の処理は、後述するステップS209において複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判別されるまで繰り返し実行される。このように処理を繰り返し実行することにより、所定の態様でスクロールするように図柄を変動表示することができ、また、キャラクタ画像も所定の動作をするように表示することができる。
【0195】
ステップS208の処理を実行した後、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS209)。
【0196】
複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS202に戻す。一方、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判断したときには、RAM70に記憶された通常大当たり情報若しくは特別大当たり情報が存在するか否かを判断する(ステップS210)。
【0197】
大当たり情報が存在すると判断した場合、後述する大当たり実行処理を行い(ステップS211)、大当たり遊技状態を発生させ、遊技者に対して有利な状態の提供を行う。
【0198】
一方、RAM70に記憶された大当たり情報が存在しないと判断した場合、RAM70に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS214)。RAM70に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、待機中の可変表示ゲームは存在しないことになるので、本サブルーチンを終了する。
【0199】
一方、ステップS214において、RAM70に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、待機中の可変表示ゲームが存在することになるので、RAM70に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS215)、処理をステップS201に戻す。その後、CPU66は、読み出した抽選データに基づいて、ステップS201〜S209の処理を繰り返し実行することになる。
【0200】
次に、前記ステップS211において、大当たり遊技状態が発生した際に実行される大当たり実行処理ルーチンについて、図9を用いて説明する。なお、以下の説明では、大当たり遊技状態において断続的に15回の大当たり遊技が提供されることとする。また、当該大当たり遊技は、大入賞口38が開放状態となってから、当該大入賞口38に10球の遊技球が入るまで、又は、所定の時間が経過するまでを1回とする遊技である。さらに、1回の大当たり遊技を、1ラウンドということとする。また、「通常の大当たり遊技状態となる通常大当たり」と「確率変動状態での大当たり遊技状態となる特別大当たり」とでは異なる点がほとんどないため、区別しないで説明する。
【0201】
この大当り実行処理ルーチンにおいては、まず、大当たり遊技の回数であるnをn=1に設定する(ステップS301)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられた大当たり遊技の回数を記憶するテーブル(ラウンド数記憶テーブル)にn=1であることを記憶させる。
【0202】
次いで、大入賞口38が開放状態となるタイミングであるか否かを判断する(ステップS302)。
【0203】
上記大入賞口38が開放状態となるタイミングであると判断したときは、大入賞口38を開放する(ステップS303)。
【0204】
すなわち、CPU66は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより、大入賞口38を開放状態とする。これにより、遊技者が大入賞口38へ遊技球を入れることが可能となる。
【0205】
一方、上記大入賞口38が開放状態となるタイミングでないと判断したときは、処理をステップS302に戻す。
【0206】
次に、大入賞口38に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS304)。遊技球が大入賞口38に入ったか否かは、本実施の形態では大入賞口38に設けられた球検知センサ43により判断される。
【0207】
そして、大入賞口38に設けられた球検知センサ43により遊技球が検出された際には、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。この検出信号を受け取ったCPU66は、RAM70に設けられた大入賞口38に入った遊技球の数を記憶するテーブル(大入賞口遊技球記憶テーブル)に遊技球の数を記憶させ(ステップS305)、すなわち、払出装置59に制御信号を送信して払出装置59を駆動させ、予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS306)。
【0208】
ステップS304において、大入賞口38に遊技球が入っていないと判断した場合、又は、ステップS306において遊技球を払い出す処理を実行した場合には、次に、大入賞口38に所定の数の遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS307)。すなわち、CPU66は、大入賞口遊技球記憶テーブルに記憶された遊技球の数とRAM70の別の領域に記憶された所定の遊技球の数(10球)とを比較し、大入賞口38に入った遊技球が所定の数(10球)となっているか否かを判断する。
【0209】
大入賞口38に所定の数の遊技球が入っていないと判断したときは、大入賞口38が開放状態となってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS308)。すなわち、CPU66は、ステップS302において開始した経過時間のカウントが、所定の時間に達したか否かについて判断する。
【0210】
大入賞口38が開放状態となってから所定の時間が経過していないと判断したときは、処理をステップS304に戻す。
【0211】
一方、ステップS307において、大入賞口38に所定の数の遊技球が入ったと判断したとき、又は、ステップS308において所定の時間が経過したと判断したときには、大入賞口38を閉鎖する(ステップS309)。
【0212】
このように大入賞口38の開放時間は、大入賞口38に入った遊技球の数か、時間かのいずれかの要素により判断され、大入賞口38に所定の数の遊技球が入れば、所定の時間に達しなくとも大入賞口38は閉鎖され、一方、大入賞口38に入った遊技球の数が所定の値に達していなくても、所定の時間が経過すれば大入賞口38は閉鎖されるのである。
【0213】
また、大入賞口38の閉鎖は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより行う。
【0214】
次に、大当たり遊技の回数であるnに1を加算して、n=n+1とするように設定する(ステップS310)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられたラウンド数記憶テーブルにn=n+1となるように大当たり遊技の回数を記憶させる。
【0215】
そして、大当たり遊技の回数nが15以下であるか否かを判断する(ステップS311)。すなわち、CPU66は、まず、ラウンド数記憶テーブルに記憶された大当たり遊技の回数を読み出し、この回数とRAM70の別の領域に記憶されたn=15のデータとを比較し、大当たり遊技の回数nがn≦15であるか否かを判断する。大当たり遊技の回数nがn≦15であると判断したときには、処理をステップS302に戻す。従って、本サブルーチンでは、nが15を超えるまで、繰り返し大当たり遊技が行われることとなる。
【0216】
そして、大当たり遊技の回数であるnが15を超えるときは、次に、大当たり情報を更新(減少)させる(ステップS312)。
【0217】
すなわち、通常大当たりに基づく大当たり遊技状態が発生している場合(大当たり実行処理ルーチンが通常大当たりに基づいて実行されている場合)、RAM70に記憶された通常大当たり情報を削除する。
【0218】
一方、特別大当たりに基づく大当たり遊技状態が発生している場合(大当たり実行処理ルーチンが特別大当たりに基づいて実行されている場合)、RAM70に記憶された特別大当たり情報を1つ削除して本サブルーチンを終了する。
【0219】
また、本サブルーチンでは、nの最大数を15としたが、nは自然数であれば特に限定されず、15より大きくても、小さくてもよい。
【0220】
また、上述した大当たり実行処理ルーチンが実行されている間、表示装置32では、大当たり遊技状態が発生していることを遊技者に認識させるとともに、遊技を盛り上げるための演出画像が表示される。
【0221】
ここで、実際に本パチンコ遊技装置10で遊技する状況を想定し、図10を参照しながら同パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される画面画像について簡単に説明する。
【0222】
前述したように、本実施の形態では、初期設定の段階では識別情報表示領域の数を3個に設定しており、遊技者が発射ハンドル26を操作して遊技球を次々と打ち出している間、図10(a)に示すように、表示装置32の上部側に3個の識別情報表示領域を横一列に設けて、各識別情報表示領域に識別情報群(リール352)を1つずつ表示している。ここでは、「1」〜「12」までの算用数字による図柄を利用して1つの識別情報群を構成している。かかる識別情報群の下方には、キャラクタ画像及び背景画像からなる演出画像が表示される。キャラクタ画像としては犬を表示し、背景画像としては森林を表示している。キャラクタ画像である犬を動画にて表示することにより、森林の中を犬が走り回っている演出を行っている。
【0223】
そして、遊技盤14に打ち出された遊技球が始動口44に入球すると、前述したように内部抽選が行われ、その結果を受けて可変表示ゲーム処理ルーチンが実行される。
【0224】
前記内部抽選実行処理ルーチンのステップS100において、特別大当たり又は通常大当たりに当選した場合であれば、それらの大当たり情報に基づいた演出画像を伴って可変表示ゲームが開始され、識別情報の変動表示が開始される。すなわち、各識別情報群の図柄がそれぞれ下方へとスクロール移動されるように表示され、キャラクタ画像である犬が地面を掘り起こしている演出画像が表示される(図10(b))。
【0225】
そして、特別大当たり又は通常大当たりを示す当選組合せが表示される場合には、図10(c)に示すように、キャラクタ画像である犬が地中からたくさんの骨を掘り当てた様子が演出画像として表示されるとともに、例えば、最終変動図柄が「7」に確定して「7」「7」「7」で停止表示されるのである。
【0226】
このように、識別情報が所定の組合せで停止表示された場合は、前記図9に示す大当たり実行処理ルーチンを実行して、特別大当たり又は通常大当たりに基づく特別(確変)大当たり遊技状態又は通常大当たり遊技状態を発生させる。すなわち、大入賞口38が所定時間開放してその後閉鎖するという動作を15回繰り返し、開放状態において遊技球の入賞を通常よりも容易になすとともに、前述した時短状態を伴う遊技状態が提供されるのである。
【0227】
以上説明してきたように、可変表示ゲームにおいては、キャラクタ画像及び背景画像を適宜表示して各種演出を行うと共に、識別情報表示領域に表示した識別情報が停止表示されたときの図柄の組合せによって、可変表示ゲームの当たりはずれを決定するようにしている。そして、本実施の形態は、前記識別情報を表示する識別情報表示領域の数を遊技者の操作により設定変更できるようにしたことに特徴を有する。そこで、以下に識別情報表示領域の数を設定する識別情報表示領域設定処理について説明する。
【0228】
前述したように、本実施の形態では、表示装置32に左側、中央、右側と3つの識別情報表示領域を横一列に並設して、各識別情報表示領域にそれぞれ1つずつ識別情報群を表示しており、遊技者が識別情報表示領域の数を設定する場合は、発射ハンドル26を操作して遊技盤14上に遊技球を発射させて、その発射された遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数を設定する。
【0229】
また、遊技球の挙動は、遊技盤14上に設けられた各種入賞口(一般入賞口54a〜54d、第2の一般入賞口56a〜56d、大入賞口38、始動口44)、転動誘導部材60a,60b、球通過検出器55a,55b等のパチンコ遊技用に設けられた構造物を利用して検出するようにしている。すなわち、かかるパチンコ遊技用構造物を遊技球が通過した際に、同パチンコ遊技用構造物に設けたセンサや検出器等により遊技球が通過したことを検出して、その検出信号に基づき識別情報表示領域の数を変化させるのである。
【0230】
しかも、各パチンコ遊技用構造物毎に、2個、3個、4個、5個・・・と識別情報表示領域の数を振り分けて、遊技球がどのパチンコ遊技用構造物を通過したかに応じて識別情報表示領域の数を変化させるようにしている。
【0231】
例えば、一般入賞口54a〜54dを遊技球が通過したときには、識別情報表示領域の数を4個に変化させ、第2の一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過したときには、識別情報表示領域の数を5個に変化させ、転動誘導部材60a,60bを遊技球が通過したときには、識別情報表示領域の数を3個に変化させ、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したときには、識別情報表示領域の数を2個に変化させるのである。そして、遊技球がいずれのパチンコ遊技用構造物も通過しなかった場合には、識別情報表示領域の数を変化させることなく、従来からの識別情報表示領域の数を引き続き採用するようにしている。
【0232】
なお、遊技球の挙動に応じて新たに設定された識別情報表示領域の数が従来の識別情報表示領域の数と等しくなった場合は、遊技球が識別情報表示領域の数を変化させうる所定の挙動を取らなかった場合と同様、従来からの識別情報表示領域の数が引き続き採用されることとなる。
【0233】
また、本実施の形態では、遊技球が複数のパチンコ遊技用構造物を通過した場合には、最初に通過したパチンコ遊技用構造物からの検出信号を採用するようにしている。例えば、遊技球が1球のみ発射された場合には、その遊技球が最初に通過したパチンコ遊技用構造物からの検出信号が採用され、複数の遊技球が発射された場合には、遊技球の通過に伴ってパチンコ遊技用構造物により検出される検出信号のうち、最初に検出された検出信号が採用される。しかし、これに限られるものではなく、例えば最後に通過したパチンコ遊技用構造物からの検出信号を採用したり、或いは、通過したパチンコ遊技用構造物の組合せにより識別情報表示領域の数を決定したりすることもできる。
【0234】
また、遊技球の挙動を検出するためにパチンコ遊技用構造物に設けられている既存のセンサや検出器等を利用しているが、これに限らず、遊技球の挙動を検出するために専用のセンサ等を遊技盤14上に新たに設けても良い。
【0235】
また、本実施の形態では、制御が複雑にならないように、識別情報表示領域の数の設定中に発射した遊技球が遊技盤14上の入賞口(始動口44や一般入賞口54a〜54dや第2の一般入賞口56a〜56d)に入球したとしても、通常のパチンコ遊技中のように賞球を払い出したり、可変表示ゲームを実行したりしないようにしており、発射球数のみ下皿22に払い戻すこととしている。
【0236】
しかし、これに限らず、識別情報表示領域の数の設定中に発射した遊技球が遊技盤14上の入賞口に入球した場合に、通常のパチンコ遊技中のように賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を行って、設定中においても遊技を平行して楽しめるようにすることもできる。或いは、設定が終わるまで賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を一時的に保留させて、設定中は識別情報表示領域の数の設定に集中できるようにすると共に、設定終了後は設定中の入賞口への入球を無駄にすることなく保留されている賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を行って、遊技者を楽しませるようにすることもできる。或いは、設定中に発射された遊技球は全て識別情報表示領域の数の設定のためだけに利用するものとして、一切の賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を行わないようにし、遊技球の消費を促進することもできる。
【0237】
また、ここでは、遊技者が設定可能な識別情報表示領域の数を2個以上としている。
【0238】
ここで、より具体的に識別情報表示領域設定処理について説明していくと、前述したように、本実施の形態では、識別情報表示領域の数の設定変更は、発射ハンドル26が所定期間にわたって回動操作されておらず(遊技球の発射モータ28が停止しており)、識別情報の変動表示が表示装置32上で行われておらず、且つ球検出センサ43により大入賞口38への入球が検知されていないときに行うようにしており、そのような休止状態となった場合には、遊技盤14上の表示装置32に、図11(a)に示すような識別情報表示領域の数の設定が可能である旨を示す設定画像を表示するようにしている。なお、図11(a)においては、各識別情報表示領域に1個ずつ表示されることとなる識別情報群の数、すなわち、リール352の数が設定可能であるとの表記をしている。
【0239】
そして、かかる設定画像の表示中に設定開始ボタンfが押された場合には、これから識別情報表示領域の数の設定が開始されるものと判断して、識別情報表示領域設定処理ルーチンを呼び出して実行する。
【0240】
前述したように、図12に識別情報表示領域設定処理ルーチンを示しており、かかるルーチンに基づき識別情報表示領域設定処理が開始されると、まず、識別情報表示領域の数を設定する手順を案内し(ステップS401)、続いて識別情報表示領域の数の選択を受け付ける。設定手順は、図11(b)に示すような設定手順を表した識別情報表示領域設定画像を表示装置32に表示することにより案内することができる。或いは、スピーカ46により設定手順を報知することもできる。
【0241】
ここでは、前記識別情報表示領域設定画像によって、識別情報表示領域の数(リール352の数)を設定するために遊技球を発射するよう遊技者を促している。
【0242】
そして、遊技球が発射されたか否かを判断する(ステップS402)。遊技球の発射は、例えば、発射ハンドル26が回動操作された際に発信される信号を検出することにより確認することができる。
【0243】
まだ、遊技球が発射されていないと判別した場合には、発射されたと判別されるまで前記ステップS402の処理を繰り返す。そして、遊技球が発射されたと判別した場合には、遊技球の挙動に応じて識別情報表示領域の数を変更する(ステップS403)。すなわち、RAM70に記憶されている識別情報表示領域の数に関する情報を、遊技球の挙動に応じて新たに決定された内容に更新して、識別情報表示領域の数を確定する。なお、前記ステップS402の処理で遊技球が発射されたと判別された際には、前記ステップS401の処理で開始した設定手順の報知も合わせて終了すると良い。
【0244】
その後、新たに設定された識別情報表示領域の数を遊技者に報知し(ステップS404)、本サブルーチンを終了する。例えば、図11(c)に示すような新たに設定された識別情報表示領域の数(リール352の数)を示す画像を表示装置32に表示することにより報知することができる。この設定された識別情報表示領域の数の報知は、例えば所定時間経過後に終了すると良い。
【0245】
上記識別情報表示領域設定処理によりRAM70に記憶された識別情報表示領域の数に関する情報は、前述した如く可変表示ゲームの当選組合せを決定する際や、識別情報の変動表示を行なう際に、CPU66によって呼び出される。そして、CPU66は、当該RAM70より呼び出した識別情報表示領域の数に関する情報に従って、当選組合せを決定すると共に表示装置32上に識別情報表示領域を形成し、各識別情報表示領域において識別情報を変動表示させるのである。これにより、新たに設定した識別情報表示領域の数に基づき識別情報を変動表示させることができる。
【0246】
図13には、上述のようにして識別情報表示領域設定処理がなされた後の可変表示ゲームにおいて表示装置32に表示される画面画像を示している。ここでは、前記識別情報表示領域設定処理において識別情報表示領域の数が4個に設定された場合について示しており、表示装置32の上部側に4個の識別情報表示領域を横一列に設けて、各識別情報表示領域に識別情報群(リール352)を1つずつ表示すると共に、遊技盤14上に打ち出された遊技球が始動口44に入球した場合には、前記図10(a)〜図10(c)と同様、各識別情報表示領域において識別情報を変動・停止表示している。
【0247】
なお、遊技盤14上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たさなかった場合には、前記図10と同様、表示装置32の上部側に3つの識別情報表示領域を設けて、識別情報表示領域の数を変化させることなく識別情報を変動・停止表示する。
【0248】
このように、本実施の形態においては、遊技者が設定した識別情報表示領域の数が、実際の識別情報表示領域の数に反映される。
【0249】
以上説明してきたように、本実施の形態では、識別情報表示領域の数を変化させるための表示領域設定手段を設けて、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機に識別情報表示領域の数を変化させるようにしている。このように、識別情報表示領域の数を変化させることができるので、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者の満足度も著しく高まるとともに、能動的に遊技参加している意識も高まり、パチンコ遊技の面白さが深まっていく。
【0250】
しかも、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させるので、例え可変表示ゲームにおいて大当たりとなる確率が一定であったとしても、遊技者には、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)の増減に伴って前記抽選結果が大当たりとなる確率も変わるように感じさせることができる。従って、遊技者は、一般的に識別情報が大当たりとなる組合せで停止表示されやすいように識別情報表示領域の数を減らそうと設定を行うこととなり、遊技者に対して識別情報表示領域の数の設定自体も遊技として楽しませることができる。
【0251】
また、遊技球の挙動を利用して識別情報表示領域の数を設定するので、識別情報表示領域の数を設定するために新たに専用の設定操作部を設ける必要がなく、コストをかけることなく識別情報表示領域の数を設定可能とすることができる。
【0252】
特に、遊技者は、従来より行なっている遊技球の発射操作によって識別情報表示領域の数を設定できるので、違和感なく円滑に識別情報表示領域の数を設定することができる。
【0253】
さらに、識別情報表示領域の数を複数通り設定するとともに、各識別情報表示領域の数に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報表示領域の数が決定されるようにしたので、識別情報表示領域の数を様々に変化させることができ、より一層遊技者を飽きさせることなく楽しませることができる。
【0254】
[第2の実施形態]
上述した実施形態においては、パチンコ遊技を制御するプログラムや、図6に示した遊技球を検出するためのプログラムや、図7に示した内部抽選実行処理を行うプログラムや、図8に示した可変表示ゲームを実行するプログラムや、図9に示した大当たり遊技状態での処理を実行するプログラムや、図12に示した識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムがパチンコ遊技装置10のROM68やRAM70に記憶されている場合を示したが、図14に示すように、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)等の電気通信回線網(ネットワーク)Nを介してサーバSに通信可能に接続された端末機Cを操作者が操作することによりパチンコ遊技を行うことができるように構成することもでき、その場合においては、上述したプログラムやこれらのプログラムで用いるデータをサーバSや端末機Cが有することとしてもよい。
【0255】
このようにサーバSと端末機Cとからなる構成とした場合には、サーバSは、パチンコ遊技を制御するプログラムや、図6に示した遊技球を検出するためのプログラムや、図7に示した内部抽選実行処理を行うプログラムや、図8に示した可変表示ゲームを実行するプログラムや、図9に示した大当たり遊技状態での処理を実行するプログラムや、図12に示した識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムを予め記憶しておき、所定のタイミングでこれらのプログラムを端末機Cに送信するのである。
【0256】
一方、端末機Cは、これらの送信されたプログラムを一旦記憶し、記憶したプログラムを適宜読み出して実行することによりパチンコ遊技を進行させるのである。
【0257】
また、上記した各プログラムをサーバS側で実行し、その実行結果に応じて生成した命令を制御信号や制御情報として端末機Cに送信することとしてもよい。この場合には、端末機Cは、送信された制御信号や制御情報に従ってパチンコ遊技を行うための画像を選択したり生成したり、その画像を表示部に表示するのである。
【0258】
上述したような構成(図14参照)としたときにおける端末機Cの一例を図15及び図16に示す。
【0259】
図15に示した例においては、端末機Cは汎用のパーソナルコンピュータ100(以下「パソコン100」とする)であり、パソコン100に接続されている入力装置102(例えばキーボード)から遊技者の入力操作が入力される。
【0260】
また、パソコン100の制御部130は、後述するようにCPU108、ROM110、RAM112などからなり(図17参照)、この制御部130においてパチンコ遊技を制御するプログラムや、可変表示ゲームを制御するプログラムや、大当たり遊技状態での処理を実行するプログラム、また、識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムが実行されるのである。また、この制御部130は通信用インターフェイス回路120(図17参照)をも有しており、同制御部130は通信用インターフェイス回路120を介して後述するサーバSとの通信を行い、サーバSから送信される制御信号又は制御情報や、遊技プログラムやデータに基づいてパチンコ遊技や可変表示ゲーム、また、識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムを制御するのである。さらに、パソコン100に接続されている表示装置116には、図2に示すようにパチンコ遊技装置を模した遊技機画像が表示され、この遊技機画像上においてパチンコ遊技が行われるのである。この遊技機画像上においては、上述した可変表示ゲームが実行される表示部132が画像として表示される。この表示部132において、上述したような識別情報である図柄が表示されるのである。
【0261】
また、端末機Cの他の例を図18に示す。なお、図17に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。
【0262】
図16の例は、携帯型の専用端末機140を示すもので、専用端末機140に設けられている入力装置102(例えばスイッチ)から遊技者の入力操作が入力される。また、専用端末機140の内部に設けられた制御部130は、後述するようにCPU108、ROM110、RAM112等からなり(図17参照)、この制御部130においてパチンコ遊技や可変表示ゲームを制御するプログラムや識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムが実行される。また、この制御部130は通信用インターフェイス回路120も有し、同制御部130は通信用インターフェイス回路120を介して後述するサーバSとの通信を行い、サーバSから送信される制御信号又は制御情報や、遊技プログラムや、データに基づいてパチンコ遊技や可変表示ゲーム、識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムを制御するのである。さらに、専用端末機140の上面に設けられている表示装置116は、液晶ディスプレイパネルからなり、図2に示すようなパチンコ遊技装置を模した遊技機画像が表示され、この遊技機画像上においてパチンコ遊技が行われるのである。この遊技機画像上においては、上述した可変表示ゲームが実行される表示部132が画像として表示される。この表示部132において、上述したような識別情報である図柄が表示されるのである。
【0263】
上述したように、端末機Cとして用いた図15に示したパソコン100においては、表示装置116は制御部130から別体となって構成されており、サーバSから送信された表示制御信号等の各種の制御信号又は制御情報は、パソコン100の制御部130に供給され、制御部130は供給された制御信号又は制御情報に基づいて表示信号を生成し、生成した表示信号を表示装置116に供給するのである。
【0264】
一方、図16に示したような専用端末機140は、表示装置116は制御部130と一体となって構成されており、サーバSから送信された表示制御信号等の制御信号又は制御情報は専用端末機140の制御部130に供給され、制御部130は供給された制御信号又は制御情報に基づいて表示信号を生成し、生成した表示信号を表示装置116に供給するのである。
【0265】
なお、以下に説明する実施形態は、端末機の制御部と表示装置とが別体となった構成であっても、一体となった構成であっても、適用することができる。
【0266】
上述したパソコン100や専用端末機140などからなる端末機C(以下、パチンコ遊技用端末装置と称する)の制御回路を示すブロック図を図17に示す。また、このパチンコ遊技用端末装置と通信回線を介して接続され、種々の制御信号又は制御情報やデータをパチンコ遊技用端末装置に供給するサーバSの制御回路を示すブロック図を図18に示す。
【0267】
パチンコ遊技用端末装置においては、図17に示すように、遊技者の操作を入力するための入力装置102(例えばキーボードやスイッチ)は、パチンコ遊技用端末装置のインターフェイス回路104に接続され、インターフェイス回路104は、入出力バス106に接続されている。本実施の形態では、上記キーボードなどの入力装置102が識別情報表示領域の数を設定する際に前記第1の実施形態における発射ハンドル26と同様の機能を果たすようにしている。
【0268】
入出力バス106は、中央処理回路(以下、CPUと称する)108にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。入出力バス106には、ROM(リード・オンリー・メモリ)110及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)112も接続されている。ROM110及びRAM112は、後述するようなプログラムや表示装置116に表示するための画像のデータを記憶している。
【0269】
また、入出力バス106には、インターフェイス回路群114も接続されている。インターフェイス回路群114には、表示装置116及びスピーカ118が接続されており、インターフェイス回路群114は、CPU108における演算処理の結果に応じて表示装置116及びスピーカ118のそれぞれに表示信号や音声信号を供給する。
【0270】
さらに、入出力バス106には、通信用インターフェイス回路120も接続されている。同通信用インターフェイス回路120は、電気通信回線網を介して後述するサーバSとの通信をするためのものである。
【0271】
一方、サーバSにおいては、図18に示すように、制御部80が、ハードディスクドライブ88と、CPU82と、ROM84と、RAM86と、通信用インターフェイス回路90とから構成されている。
【0272】
前記ハードディスクドライブ88は、パチンコ遊技用端末装置との通信をするためのプログラムや、パチンコ遊技用端末装置から発せられた情報を受信するためのプログラムや、パチンコ遊技を制御するプログラムや、可変表示ゲームを制御するプログラムや内部抽選処理プログラム、更に識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を設定変更するプログラムを記憶する。また、通信用インターフェイス回路90は、電気通信回線網を介して上述したパチンコ遊技用端末装置100や140との通信をするためのものである。
【0273】
上述したような構成とした場合においては、図15や図16に示したようなパチンコ遊技装置を模した遊技機画像をパチンコ遊技用端末装置100の表示装置116に表示し、遊技盤面、保留ランプ、装飾ランプ、可変表示ゲームを行うための表示部132や普通図柄を表示するための表示部152等の装置を示す画像や、遊技球を示す画像が表示装置116に表示される。この可変表示ゲームを実行するための表示部132においては、可変表示ゲームが実行された際には識別情報である図柄が表示されるのである。
【0274】
以下に、パチンコ遊技用端末装置及びサーバのそれぞれで実行処理されるサブルーチンについて説明する。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技用端末装置100,140及びサーバSは予め起動されて定常動作しているものとする。また、上述したCPU108やCPU82において用いられる変数は所定の値に初期化されているものとする。また、入賞口、始動口、球通過検出器等の装置や遊技球のそれぞれは、表示装置116において画像として表示されるものである。
【0275】
図19及び図20は、パチンコ遊技用端末装置100,140が起動されたときなどの所定のタイミングで、サーバSのハードディスクドライブ88等の記憶媒体に記憶されている前述の各種プログラムをサーバSがパチンコ遊技用端末装置100,140に供給し、パチンコ遊技用端末装置100,140において供給されたプログラムを実行するときにパチンコ遊技用端末装置100,140、及びサーバSのそれぞれで実行処理されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【0276】
図19は、パチンコ遊技用端末装置100,140において実行されるサブルーチンであり、メインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。なお、このメインルーチンは、サーバSとの通信が可能であるか否かを判断するためのプログラム等のサーバSとの通信をする際に必要となるプログラムを予め含んでいるものとする。
【0277】
最初に、サーバSからパチンコ遊技を実行するためのプログラム及びパチンコ遊技用端末装置においてパチンコ遊技を進行する際に必要な画像データをダウンロードする(ステップS31)。
【0278】
次いで、遊技者が入力装置102を操作することによりパチンコ遊技が開始されて、遊技プログラムが実行処理される(ステップS32)。この遊技プログラムは、パチンコ遊技を制御する遊技プログラムと、図6に示した遊技球を検出するためのプログラムや、図7に示した内部抽選実行処理を行うプログラムや、図8に示した可変表示ゲームを実行するプログラムや、図9に示した大当たり遊技状態での処理を実行するプログラムや、図12に示した識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムとを含むものであり、前記した必要な画像データは、パチンコ遊技装置を模した遊技機画像や、背景画像や図柄の画像やキャラクタ画像等の画像を表示装置116に表示するためのものである。
【0279】
また、パチンコ遊技用端末装置100,140において遊技プログラムが実行された際には、遊技者が入力装置102を操作したことを検出する。
【0280】
そして、遊技者が入力装置102を操作したと検出したときには、上述したように、パチンコ遊技用端末装置100,140の表示装置116にはパチンコ遊技装置を模した遊技機画像が表示され、この遊技機画像上に可変表示ゲームを表示する表示部132も表示されるのである。
【0281】
さらに、遊技者が識別情報表示領域の数の設定処理を行うために入力装置102を操作したときには、それに応じた画像を表示装置116に表示して、設定処理を行う。
【0282】
そして、遊技者が遊技球を発射すべく入力装置102を操作したときには、遊技球が遊技盤面上を移動するように視認できる遊技球の画像が遊技機画像上に表示されるのである。
【0283】
次に、入賞口に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS33)。この入賞口は、上述の図2に示した一般入賞口50及び54a〜54d並びに第2の一般入賞口56a〜56dに対応する画像部分である。入賞口に遊技球が入ったと判別したときには、入賞口の種類に応じた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS34)。なお、このステップS34の処理は、パチンコ遊技用端末装置100,140においては、遊技球の数を表示装置116の何処かの位置に表示することとしても、遊技球の数をRAM112に記憶することとしてもよい。
【0284】
次に、始動口に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS35)。この始動口は、例えば、上述の図2に示した始動口44に対応する画像部分である。
【0285】
そして、ステップS35において、始動口に遊技球が入ったと判別したときには、上述した図7に示したサブルーチンと同様の内部抽選実行処理ルーチンを呼び出し実行するとともに(ステップS36)、図8に示したサブルーチンと同様の可変表示ゲーム処理ルーチンを呼び出し実行する。なお、可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されたときには、図15及び図16に示した表示部132において、上述の図10に示したような背景画像や識別情報やキャラクタ画像が表示される。
【0286】
さらに、球通過検出部を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS38)。この球通過検出部は、例えば上述の図2に示した球通過検出器55a,55bに対応する画像部分である。このステップS38において、球通過検出部を遊技球が通過したと判別したときには、表示部152において普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS39)。なお、上述したように、変動表示された普通図柄が停止したときに所定の図柄となったときには、可動片を駆動して始動口が開放状態となるように視認できる画像を表示して、始動口に遊技球が入りやすくなるように見える処理を行うのである。なお、可動片は、例えば上述の図2に示した可動片58a,58bに対応する画像部分である。
【0287】
次に、遊技が終了したか否かを判断する(ステップS40)。遊技が終了したか否かの判断は、遊技者が遊技を終了すべく入力装置102を操作したことを検出したときや、遊技球が予め定められた数だけ遊技盤面に発射されたことを判別したときに、遊技が終了したと判別するのである。遊技が終了していないと判別したときには、上述したステップS32に処理を戻す。一方、遊技が終了したと判別したときには、発射した遊技球の数や払い戻した遊技球の数等を示す遊技結果や、遊技が終了したことを示す遊技終了情報をサーバSに送信し(ステップS41)、本サブルーチンを終了する。
【0288】
図20は、図19に示したパチンコ遊技用端末装置100,140において実行される端末側処理ルーチンに対応して、サーバSにおいて実行されるサブルーチンである。
【0289】
最初に、パチンコ遊技用端末装置100,140が起動されて通信可能な状態となっているか否かを判断する(ステップS51)。
【0290】
そして、パチンコ遊技用端末装置100,140が起動されていないと判別した場合には、ステップS51に処理を戻す。
【0291】
一方、パチンコ遊技用端末装置100,140が起動されていると判別したときには、各種のプログラムや各種の画像データをパチンコ遊技用端末装置100,140に送信する(ステップS52)。このステップS52の処理は、上述した図20のステップS31の処理に対応するものである。
【0292】
上述したように、ステップS52においてパチンコ遊技用端末装置100,140に送信するプログラムは、パチンコ遊技を制御する遊技プログラムと、上述した図6に示した遊技球を検出するためのプログラムや、図7に示した内部抽選実行処理を行うプログラムや、図8に示した可変表示ゲームを実行するプログラムや、図9に示した大当たり遊技状態での処理を実行するプログラムや、図12に示した識別情報表示領域の数を設定変更するプログラムとを含むものであり、各種の画像データは、パチンコ遊技装置を模した遊技機画像や、背景画像や図柄の画像やキャラクタ画像等を表示装置116に表示するためのものである。
【0293】
次に、パチンコ遊技用端末装置100,140から遊技結果や遊技が終了した旨を示す情報が送信されたか否かを判断する(ステップS53)。このステップS53は、上述した図19のステップS41に対応するものである。
【0294】
そして、ステップS53において、遊技結果や遊技終了情報がパチンコ遊技用端末装置100,140から送信されていないと判別したときには、処理をステップS53に戻す。なお、パチンコ遊技用端末装置100,140において、図19に示したステップS32〜S40の処理が実行されている間は、サーバSにおいては、上述したステップS53の処理が繰り返し実行されるのである。
【0295】
一方、ステップS53において、遊技結果や遊技終了情報がパチンコ遊技用端末装置100,140から送信されたと判別した場合には、遊技結果や遊技終了情報を受信し(ステップS54)、本サブルーチンを終了する。
【0296】
上述したような構成とした場合には、パチンコ遊技用端末装置100,140において遊技が開始される前に、パチンコ遊技を実行するためのプログラム及び各種の画像データがサーバSから常に送信されるために、サーバSにおいてプログラムや画像データが更新されたときには、遊技者は常に最新の遊技を楽しむことができる。
【0297】
上記実施形態においても、前記第1の実施形態と同様に、端末機に表示される遊技機画像中の仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球が特定の入球部に入球したと認識されたことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、前記パチンコ遊技機画像中に複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させ、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行可能とし、しかも、前記仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させる制御を、各端末機に対して行うようにしている。
【0298】
従って、遊技者に識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させる楽しみを与えることができるとともに、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0299】
しかも、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させるので、例え可変表示ゲームにおいて大当たりとなる確率が一定であったとしても、遊技者には、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)の増減に伴って前記抽選結果が大当たりとなる確率も変わるように感じさせることができる。従って、一般的に、遊技者は、識別情報が大当たりとなる組合せで停止表示されやすいように識別情報表示領域の数を減らそうと設定を行うこととなり、遊技者に対して識別情報表示領域の数の設定自体も遊技として楽しませることができる。
【0300】
また、仮想遊技球の挙動を利用して識別情報表示領域の数を変化させるようにしたので、入力装置を操作して仮想遊技球を発射させることにより識別情報表示領域の数を設定することができ、識別情報表示領域の数を設定するために新たに専用の設定操作部を設ける必要がなく、コストをかけることなく識別情報表示領域の数を設定可能とすることができる。
【0301】
特に、遊技者は、従来より行なっている仮想遊技球の発射操作によって識別情報表示領域の数を設定できるので、違和感なく円滑に識別情報表示領域の数を設定することができる。
【0302】
また、時間や場所を問わずに遊技可能な端末機を用いてパチンコ遊技を行えるように構成し、しかも能動的に遊技参加可能とすることで、パチンコ遊技の楽しさを遊技者が体験する機会が増加し、そのおもしろさに惹かれてパチンコホールへ新たに足を運ぶものも見込まれ、パチンコ遊技人口の減少を防止してパチンコ産業の発展に寄与することが可能となる。
【0303】
さらに、パチンコ遊技装置を遠隔から集中管理することも可能となり、しかも鋼製の遊技球(所謂パチンコ玉)を使用しない画像による映像パチンコとすれば遊技装置それぞれに対しての煩雑なメンテナンス作業も不要となる。
【0304】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者に識別情報表示領域の数を変化させる楽しみを与えることができるとともに、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0305】
しかも、遊技球の挙動と識別情報表示領域の数との相対関係を遊技者に知らせておけば、遊技者は、個々の好みで識別情報表示領域の数の設定が自由に行えるので、オリジナル性が高くなって、遊技者の満足度も著しく高まるとともに、能動的に遊技参加している意識も高まり、パチンコ遊技の面白さが深まる。
【0306】
また、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)を変化させるので、例え抽選手段による抽選結果が大当たりとなる確率が一定であったとしても、遊技者には、識別情報表示領域の数(識別情報群の数)の増減に伴って前記抽選結果が大当たりとなる確率も変わるように感じさせることができる。従って、一般的に、遊技者は、識別情報が大当たりとなる組合せで停止表示されやすいように識別情報表示領域の数を減らそうと設定を行うこととなり、遊技者に対して識別情報表示領域の数の設定自体も遊技として楽しませることができる。
【0307】
また、遊技球の挙動を利用して識別情報表示領域の数を設定するので、識別情報表示領域の数を設定するために新たに専用の設定操作部を設ける必要がなく、コストをかけることなく識別情報表示領域の数を設定可能とすることができる。
【0308】
さらに、遊技者は、従来より行なっている遊技球の発射操作によって識別情報表示領域の数を設定できるので、違和感なく円滑に識別情報表示領域の数を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るパチンコ遊技装置の概観を示す正面図である。
【図2】同パチンコ遊技装置の遊技盤面の拡大正面図である。
【図3】同パチンコ遊技装置における大当たり入賞装置の分解説明図である。
【図4】同パチンコ遊技装置の制御回路を示すブロック図である。
【図5】同パチンコ遊技装置の上皿の平面図である。
【図6】パチンコ遊技装置において実行される遊技球を検出する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】内部抽選実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】可変表示ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】大当たり実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】可変表示ゲームにおいて表示部に表示される画面画像の説明図である。
【図11】識別情報表示領域の数を設定変更する際に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図12】識別情報表示領域設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】可変表示ゲームにおいて表示部に表示される画面画像の説明図である。
【図14】インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)等の電気通信回線網を介して通信可能に接続されたサーバと端末機とを示す説明図である。
【図15】パチンコ遊技用の端末機の一例を示す概観図である。
【図16】パチンコ遊技用の端末機の他の例を示す概観図である。
【図17】本発明の実施形態であるパチンコ遊技用端末装置の制御回路を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施形態であるサーバの制御回路を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施形態であるパチンコ遊技用端末装置において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態であるサーバにおいて、実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
S サーバ
10 パチンコ遊技装置(遊技機)
26 発射ハンドル
32 表示装置(表示部)
38 大入賞口
40 シャッタ
61 制御部
66 CPU
64 入出力バス
68 ROM
70 RAM
100 パチンコ遊技用端末装置(パソコン)
132 表示部
140 パチンコ遊技用端末装置(専用端末機)

Claims (4)

  1. 遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、
    それぞれ複数の識別情報が変動・停止表示される複数の識別情報表示領域を設けた表示手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記複数の識別情報表示領域にそれぞれ停止表示された識別情報の組合せが所定の当選組合せの場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、
    遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報表示領域の数を変化させる表示領域設定手段と、を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 識別情報表示領域の数を複数通り設定するとともに、各識別情報表示領域の数に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報表示領域の数が決定されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
  3. 遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて、複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムであって、
    遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させるステップを含むことを特徴とする遊技プログラム。
  4. 端末機と通信可能であり、パチンコ遊技機を示す遊技機画像を各端末機に表示可能としたサーバであって、
    前記遊技機画像中の仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球が特定の入球部に入球したと認識されたことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、前記パチンコ遊技機画像中に複数の識別情報をそれぞれ複数の識別情報表示領域に変動・停止表示させ、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を、所定の当選組合せで前記識別情報表示領域にそれぞれ表示するとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行可能とし、しかも、前記仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報表示領域の数を変化させる制御を、各端末機に対して行うようにしたことを特徴とするサーバ。
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