JP2004267296A - 心理状態判定システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】高等動物、特に、人間の心理状態を的確に判定し得るシステムを提供する。
【解決手段】本発明によれば、まず心理状態判定システムを構成するサーバ10からユーザ端末20に対してゲーム・プログラムが送信される(矢印▲3▼)。これにより、ユーザ端末20に現出するゲームにおけるイベントに応じたユーザによる端末20の操作速度を表す「操作速度信号」がこの端末20からサーバ10に送信される(矢印▲4▼)。次に、操作速度信号に基づいてユーザの反応速度が測定され(s1.5)、同一のユーザについて複数の反応速度の「ばらつき」が算出される(s1.6)。続いて、算出された「ばらつき」と、当該ばらつき及び心理状態の対応関係を表す「第1データ」とに基づき、心理状態が判定され(s1.7)、この判定結果に関する情報がサーバ10からユーザ端末20に送信される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明によれば、まず心理状態判定システムを構成するサーバ10からユーザ端末20に対してゲーム・プログラムが送信される(矢印▲3▼)。これにより、ユーザ端末20に現出するゲームにおけるイベントに応じたユーザによる端末20の操作速度を表す「操作速度信号」がこの端末20からサーバ10に送信される(矢印▲4▼)。次に、操作速度信号に基づいてユーザの反応速度が測定され(s1.5)、同一のユーザについて複数の反応速度の「ばらつき」が算出される(s1.6)。続いて、算出された「ばらつき」と、当該ばらつき及び心理状態の対応関係を表す「第1データ」とに基づき、心理状態が判定され(s1.7)、この判定結果に関する情報がサーバ10からユーザ端末20に送信される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク通信を利用してユーザの心理状態を判定するシステム、及びユーザの心理状態を判定する機能をユーザ端末に付与するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの人間が、体調が悪い等の身体的状態については、容易に自覚し得ると思われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多くの人間が、機嫌が悪い等の精神的状態については、自覚することはできない。自己の精神的状態について自覚の足りない人間が自動車やバイク等の乗物を運転したり、作業したり、他人に接したりすると、交通事故や、作業中の事故、人間関係の悪化等を招きかねず、本人のみならず社会全般からみても好ましくない。
【0004】
そこで、本発明は、高等動物、特に人間の心理状態を的確に判定し得るシステム及びプログラムを提供することを解決課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、心理的ストレスが高いと思われる状況の被験者に、感覚器官と中枢で認知し、判断し、反応しなければならない事象に対し、認知、判断、反応の合計時間(「反応速度」に相当する。)の平均値からの偏差(ばらつき)が、平静時に比較して大きくなるという知見を得た。
【0006】
この知見に鑑み前記課題を解決するための本発明の心理状態判定システムは、仮想事象プログラムを管理するプログラム管理手段と、ユーザ端末に対して仮想事象プログラムをネットワークを介して提供することで、該ユーザ端末に仮想事象を表現するプログラム提供手段と、ユーザ端末に表現された仮想的事象に応じたユーザによる該端末の操作速度を表す信号をネットワークを介して受信した上で、該信号に基づいて該ユーザの反応速度を測定する反応速度測定手段と、同一のユーザについて反応速度測定手段により測定された反応速度のばらつきを算出するばらつき算出手段と、反応速度のばらつきと心理状態との対応関係を第1データとして記憶する第1記憶手段と、ばらつき算出手段により算出されたばらつきと、第1記憶手段により記憶されている第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定した上で、該判定結果に関する情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する情報提供手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、心理状態と、何らかの事象に対する反応速度のばらつきとの間に再現性のよい対応関係があるという前記知見に鑑み、ユーザの心理状態が的確に判定され得る。また、ユーザ端末を通じ、当該ユーザに対して心理状態の判定結果に関する情報が提供される。
【0008】
従って、ユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。これは、ユーザ本人にとってのみならず、公益的観点からも非常に好ましい。
【0009】
また、本願発明者は、従来から知られていた心理的ストレス状態にあると思われる被験者の短時間内における血中ATCH濃度の上昇を再確認することができた。他方、短時間内の血中ATCH濃度の上昇値が心理的ストレスの大きさを表す指標であると仮定すれば、被験者の心理的ストレスと反応速度のばらつきとの相関と、ACTHとストレスとの相関とを考慮すれば、反応速度のばらつきの増大が間接的に心理的ストレスの大きさを表す指標となる。
【0010】
そこで、本発明の心理状態判定システムは、ユーザの心理状態と、該心理状態が反映される該ユーザの生理パラメータとの対応関係を第2データとして記憶する第2記憶手段と、ユーザの生理パラメータを測定するパラメータ測定手段と、第2記憶手段により記憶されている第2データに基づき、パラメータ測定手段により測定されたユーザの生理パラメータを、ばらつき算出手段により算出された該ユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで第1データを作成するデータ作成手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の心理状態判定システムは、パラメータ測定手段が、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を生理パラメータとして測定することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ユーザのストレス(心理状態)が、その生理パラメータ、特にACTHと再現性のよい対応関係を示すという前記知見に基づき、ユーザの心理状態が的確に判定され得る。
【0013】
また、本発明の心理状態判定システムは、プログラム管理手段により複数の仮想事象プログラムが記憶され、複数の仮想事象の中からユーザにより選択された一の仮想事象を特定する特定データをユーザ端末からネットワークを介して受信した上で、該特定データに基づき、プログラム提供手段により該ユーザ端末に提供される仮想事象プログラムを選定するプログラム選定手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ユーザ端末に表現され得る複数種類の仮想事象の中から、一種類の仮想事象を意思に従って選択する余地をそのユーザに対して与えることができる。
【0015】
さらに本発明の心理状態判定システムは、プログラム管理手段により、ゲーム・プログラムが仮想事象プログラムとして管理され、プログラム提供手段により、ユーザ端末に対してゲーム・プログラムがネットワークを介して提供されることで、該ユーザ端末にユーザの操作に応じて進行するゲームが仮想事象として表現されることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ユーザはゲームを進行させる上で、通常に行われる端末の操作という作業によって、その心理状態が判定され得る。従って、心理状態判定に対する警戒心をユーザに抱かせることなく、そのときのユーザの自然な心理状態の維持を図り得る。
【0017】
また、前記課題を解決するための本発明の心理状態判定プログラムは、ユーザ端末に仮想事象を表現する機能と、該仮想的事象に応じたユーザによる該端末の操作機能と、ユーザによる該端末の操作速度に基づき該ユーザの反応速度を測定する機能と、測定された該反応速度のばらつきを算出する機能と、反応速度のばらつきと心理状態との対応関係を第1データとして該ユーザ端末の記憶装置から読み出し、算出された該ばらつきと、読み出された第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定する機能と、該判定結果に関する情報を、ユーザ端末に表現する機能とを該ユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0018】
また本発明の心理状態判定プログラムは、ユーザの生理パラメータを測定する機能と、ユーザの心理状態と、該心理状態が反映される該ユーザの生理パラメータとの対応関係を第2データとしてユーザ端末の記憶装置から読み出し、第2データに基づき、測定された該ユーザの生理パラメータを、算出された該ユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで、第1データを作成する機能とをユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0019】
さらに本発明の心理状態判定プログラムは、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を生理パラメータとして測定する機能をユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0020】
また本発明の心理状態判定プログラムは、複数の仮想事象の中から一の仮想事象を選定するユーザによるユーザ端末の操作に応じ、該ユーザ端末に表現する仮想事象を選定する機能を該ユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0021】
さらに本発明の心理状態判定プログラムは、ユーザ端末にユーザの操作に応じて進行するゲームを仮想事象として表現する機能を該ユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、前記システムとは異なりユーザ端末がネットワークを介して通信していない状態でも、当該ユーザ端末を通じてユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の心理状態判定システムの実施形態について図面を用いて説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態の心理状態判定システムの構成説明図であり、図2は本発明の一実施形態の心理状態判定システムの機能説明図であり、図3は心理状態、ACTH及び反応速度ばらつきの対応関係説明図である。
【0025】
図1に示す心理状態判定システムは、PDA、携帯電話機、パソコン等の複数のユーザ端末20と相互通信可能にネットワークを介して接続されたサーバ10により構成されている。心理状態判定システムを構成するサーバ10は一台でも複数台であってもよい。
【0026】
本実施形態の心理状態判定システムは、プログラム管理ユニット11と、プログラム提供ユニット12と、反応速度測定ユニット13と、ばらつき算出ユニット14と、第1記憶ユニット15と、情報提供ユニット16と、第2記憶ユニット17と、パラメータ測定ユニット18と、データ作成ユニット19とを備えている。
【0027】
プログラム管理ユニット11は、ゲーム・プログラム(仮想事象プログラム)を管理する。
【0028】
プログラム提供ユニット12は、ユーザ端末20に対してゲーム・プログラムをネットワークを介して提供することで、このユーザ端末20にゲーム(仮想事象)を表現する。プログラム提供ユニット12によるプログラム提供は、以下サーバ10によるプログラム送信等と表現される。
【0029】
反応速度測定ユニット13は、ユーザ端末20に表現されたゲームに応じたユーザによるこの端末20の操作速度を表す信号をネットワークを介して受信した上で、当該信号に基づいてそのユーザの反応速度を測定する。
【0030】
ばらつき算出ユニット14は、同一のユーザについて反応速度測定ユニット13により測定された反応速度のばらつきを算出する。
【0031】
第1記憶ユニット15は、「反応速度のばらつき」と「心理状態」との対応関係を「第1データ」として記憶する。
【0032】
情報提供ユニット16は、ばらつき算出手段により算出されたばらつきと、第1記憶手段により記憶されている第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定した上で、該判定結果に関する情報を、ネットワークを介してユーザ端末20に提供する。情報提供ユニット16による情報提供は、以下サーバ10による情報送信等と表現される。
【0033】
第2記憶ユニット17は「心理状態」とこの心理状態が反映される「ACTH(生理パラメータ)」との対応関係を「第2データ」として記憶する。
【0034】
パラメータ測定ユニット18は、ユーザから採取された血液中に含まれるACTHを測定する。
【0035】
データ作成ユニット19は、第2データに基づき、ACTHの測定値を、ばらつき算出ユニット14により算出されたユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで「第1データ」を作成する。
【0036】
前記構成の心理状態判定ユニットの機能について図2及び図3を用いて説明する。
【0037】
まず、ユーザ端末20との初期通信を経た後、サーバ10からユーザ端末20に対して「ゲーム・プログラム」が送信される(図2矢印▲1▼)。ゲーム・プログラムの送信(図2矢印▲1▼参照)に応じ、当該ユーザ端末20においてユーザの操作に応じてゲームが進行する(図2s2.1)。ユーザにより端末20が操作されるごとに、ゲーム中の仮想事象(イベント)に応じたユーザの端末20の操作速度を表す「操作速度信号」がこのユーザ端末20からサーバ10に送信される(図2矢印▲2▼)。例えば、仮想的な自動車運転に関するゲームがユーザ端末20において進行する場合、視野内への子供の仮想的な飛び出し等のイベントが表現するように当該ゲーム・プログラムが構築されている。
【0038】
なお、ユーザがその端末20を操作することで、当該ゲームをいくつかのゲームの中から選定し得るようにされていてもよい。即ち、ユーザの操作に応じた信号がユーザ端末20からサーバ10に送信され、サーバ10によりどのゲーム・プログラムをユーザ端末20に送信するかが選定されてもよい。
【0039】
操作速度信号(図2矢印▲2▼参照)がサーバ10に送信されてくるたび、反応速度測定ユニット13により、前記仮想事象に応じたユーザの反応速度が測定される(図2s1.1)。また、ゲームの終了時や、測定された反応速度のデータ数が所定数に達したとき、ゲーム開始から所定時間経過後等のタイミングで、ばらつき算出ユニット14により、同一のユーザについて複数の反応速度の「ばらつき」が算出される(図2s1.2)。ここで「ばらつき」とは、測定された反応速度が、その平均値や標準値の前後に不規則に分布するふぞろいの程度を意味し、標準偏差等が具体例として挙げられる。
【0040】
続いて、パラメータ測定ユニット18により当該ユーザのACTHが測定される(図2s1.3)。また、データ作成ユニット19により、心理状態xi (i=1,2,‥,n)とACTHの値yi との対応関係(図3両矢印A参照)を表す「第2データ」が第2記憶ユニット17から読み取られる。その上で、データ作成ユニット19により「第2データ」に基づき、ACTHの測定値yi が、ばらつき算出ユニット14により算出されたユーザの反応速度のばらつきzi に対応付けられる(図3両矢印B参照)。これにより、心理状態xi と当該ばらつきzi との対応関係(図3両矢印A,B参照)を表す「第1データ」が作成される(図2s1.4)。作成された「第1データ」は第1記憶ユニット15により記憶保持される。
【0041】
第1データ作成(図2s1.4)の後、ユーザ端末20との初期通信を経た後、サーバ10からユーザ端末20に対して「ゲーム・プログラム」が送信される(図2矢印▲3▼)。なお、当該ユーザは、先にACTHを測定(図2s1.3参照)されたユーザであると、そうではないユーザであるとの別を問わない。
【0042】
ゲーム・プログラムの送信(図2矢印▲3▼参照)に応じ、当該ユーザ端末20においてユーザの操作に応じてゲームが進行する(図2s2.2)。ユーザにより端末20が操作されるごとに、ゲーム中の仮想事象に応じたユーザの端末20の操作速度を表す「操作速度信号」がこのユーザ端末20からサーバ10に送信される(図2矢印▲4▼)。
【0043】
操作速度信号(図2矢印▲4▼参照)がサーバ10に送信されてくるたび、反応速度測定ユニット13により、前記仮想事象に応じたユーザの反応速度が測定される(図2s1.5)。また、ゲームの終了時や、測定された反応速度のデータ数が所定数に達したとき、ゲーム開始から所定時間経過後等のタイミングで、ばらつき算出ユニット14により同一のユーザについて複数の反応速度のばらつきが算出される(図2s1.6)。
【0044】
続いて、情報提供ユニット16が、第1記憶ユニット15から心理状態xi とばらつきzi との対応関係(図3両矢印A,B)を表す「第1データ」を第1記憶ユニット15から読み出す。その上で、情報提供ユニット16が、ばらつき算出ユニット14により算出された「ばらつき」と「第1データ」とに基づき、当該ばらつきに対応する心理状態を判定する(s1.7)。例えば、「ばらつき」が「zm 」であれば、心理状態は「xm 」と判定される(図3参照)。そして、当該判定結果に関する情報が、サーバ10からユーザ端末20に送信される(図2矢印▲5▼)。
【0045】
本発明の心理状態判定システムによれば、心理状態と、何らかの事象に対する反応速度のばらつきとの間に再現性のよい対応関係(図3両矢印A,B参照)があるという本願発明者の得た知見に鑑み、ユーザの心理状態が的確に判定され得る(図2s1.7参照)。また、ユーザ端末20を通じ、当該ユーザに対して心理状態の判定結果に関する情報が提供される(図2矢印▲5▼参照)。
【0046】
従って、ユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。例えば、ユーザは自動車等の運転前に本システムを利用して自己の心理状態の判定結果を意識することで、その後の運転を見合わせたり、慎重に運転することになる。このため、当該ユーザの運転による交通事故が起こる可能性が低減され得る。これは、ユーザ本人にとってのみならず、公益的観点からも非常に好ましい。
【0047】
また、ユーザはゲームを進行させる上で、通常に行われる端末20の操作(ボタンのプッシュ操作やマウスボタンのクリック)という作業によって、その心理状態が判定され得る。従って、心理状態判定に対する警戒心をユーザに抱かせることなく、そのときのユーザの自然な心理状態の維持を図り、ユーザの心理状態の判定結果への正確な反映を確保し得る。
【0048】
なお、本発明の他の実施形態として、プログラム管理手段により、複数種類のゲーム・プログラム(仮想事象プログラム)が記憶され、複数種類のゲーム(仮想事象)の中からユーザにより選択された一のゲームを特定する「特定データ」をユーザ端末20からネットワークを介して受信した上で、この「特定データ」に基づき、プログラム提供ユニット12によりユーザ端末20に提供されるゲーム・プログラムを選定する「プログラム選定手段(図示略)」が設けられてもよい。
【0049】
前記実施形態では「生理パラメータ」として「ACTH」が測定されたが(図2s1.3参照)、他の実施形態として「生理パラメータ」として心拍数、呼吸数、体温、ACTHのほか、CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、又はCRF)や、グリココルチコイド等が測定されてもよい。
【0050】
前記実施形態ではユーザは人間であったが、他の実施形態として猿や犬等の他の動物の心理状態が判定されてもよい。
【0051】
前記実施形態では「仮想事象」としてゲーム、及びゲーム中のイベント(仮想事象)がユーザ端末20に表現されたが(図2矢印▲1▼▲3▼参照)、他の実施形態として「仮想事象」として所定の模様・色彩パターンや、所定の音声パターン等がユーザ端末20に表現されてもよい。
【0052】
前記実施形態ではネットワーク通信を利用してユーザの心理状態が判定されたが(図1、図2参照)、他の実施形態として「心理状態判定プログラム」がCD−ROM等のプログラム記録媒体を介してユーザ端末20にインストールされ、このプログラムにより付与される諸機能に基づき、ネットワーク通信が解除された状態のユーザ端末20によりユーザの心理状態が判定されてもよい。
【0053】
具体的には、この心理状態判定プログラムにより付与される諸機能により、ユーザ端末20にゲーム及びゲーム中のイベント(仮想事象)が表現され、ユーザによる端末20の操作に応じてゲームが進行し(図2s2.2参照)、ユーザによる端末20の操作速度(ユーザ端末20内の通信信号(図2矢印▲4▼参照)により特定される。)に基づきユーザの反応速度が測定され(図2s1.5参照)、測定された反応速度のばらつきが算出され(図2s1.6参照)、このユーザの心理状態が判定されるてもよい(図2s1.7参照)。
【0054】
当該他の実施形態によれば、前記実施形態とは異なりユーザ端末20がネットワークを介して通信していない状態でも、当該ユーザ端末20を通じてユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の心理状態判定システムの構成説明図
【図2】本発明の一実施形態の心理状態判定システムの機能説明図
【図3】心理状態、ACTH及び反応速度ばらつきの対応関係説明図
【符号の説明】
10‥サーバ、11‥プログラム管理ユニット、12‥プログラム提供ユニット、13‥反応速度測定ユニット、14‥ばらつき算出ユニット、15‥第1記憶ユニット、16‥情報提供ユニット、17‥第2記憶ユニット、18‥パラメータ測定ユニット、19‥データ作成ユニット、20‥ユーザ端末
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク通信を利用してユーザの心理状態を判定するシステム、及びユーザの心理状態を判定する機能をユーザ端末に付与するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの人間が、体調が悪い等の身体的状態については、容易に自覚し得ると思われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多くの人間が、機嫌が悪い等の精神的状態については、自覚することはできない。自己の精神的状態について自覚の足りない人間が自動車やバイク等の乗物を運転したり、作業したり、他人に接したりすると、交通事故や、作業中の事故、人間関係の悪化等を招きかねず、本人のみならず社会全般からみても好ましくない。
【0004】
そこで、本発明は、高等動物、特に人間の心理状態を的確に判定し得るシステム及びプログラムを提供することを解決課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、心理的ストレスが高いと思われる状況の被験者に、感覚器官と中枢で認知し、判断し、反応しなければならない事象に対し、認知、判断、反応の合計時間(「反応速度」に相当する。)の平均値からの偏差(ばらつき)が、平静時に比較して大きくなるという知見を得た。
【0006】
この知見に鑑み前記課題を解決するための本発明の心理状態判定システムは、仮想事象プログラムを管理するプログラム管理手段と、ユーザ端末に対して仮想事象プログラムをネットワークを介して提供することで、該ユーザ端末に仮想事象を表現するプログラム提供手段と、ユーザ端末に表現された仮想的事象に応じたユーザによる該端末の操作速度を表す信号をネットワークを介して受信した上で、該信号に基づいて該ユーザの反応速度を測定する反応速度測定手段と、同一のユーザについて反応速度測定手段により測定された反応速度のばらつきを算出するばらつき算出手段と、反応速度のばらつきと心理状態との対応関係を第1データとして記憶する第1記憶手段と、ばらつき算出手段により算出されたばらつきと、第1記憶手段により記憶されている第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定した上で、該判定結果に関する情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する情報提供手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、心理状態と、何らかの事象に対する反応速度のばらつきとの間に再現性のよい対応関係があるという前記知見に鑑み、ユーザの心理状態が的確に判定され得る。また、ユーザ端末を通じ、当該ユーザに対して心理状態の判定結果に関する情報が提供される。
【0008】
従って、ユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。これは、ユーザ本人にとってのみならず、公益的観点からも非常に好ましい。
【0009】
また、本願発明者は、従来から知られていた心理的ストレス状態にあると思われる被験者の短時間内における血中ATCH濃度の上昇を再確認することができた。他方、短時間内の血中ATCH濃度の上昇値が心理的ストレスの大きさを表す指標であると仮定すれば、被験者の心理的ストレスと反応速度のばらつきとの相関と、ACTHとストレスとの相関とを考慮すれば、反応速度のばらつきの増大が間接的に心理的ストレスの大きさを表す指標となる。
【0010】
そこで、本発明の心理状態判定システムは、ユーザの心理状態と、該心理状態が反映される該ユーザの生理パラメータとの対応関係を第2データとして記憶する第2記憶手段と、ユーザの生理パラメータを測定するパラメータ測定手段と、第2記憶手段により記憶されている第2データに基づき、パラメータ測定手段により測定されたユーザの生理パラメータを、ばらつき算出手段により算出された該ユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで第1データを作成するデータ作成手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の心理状態判定システムは、パラメータ測定手段が、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を生理パラメータとして測定することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ユーザのストレス(心理状態)が、その生理パラメータ、特にACTHと再現性のよい対応関係を示すという前記知見に基づき、ユーザの心理状態が的確に判定され得る。
【0013】
また、本発明の心理状態判定システムは、プログラム管理手段により複数の仮想事象プログラムが記憶され、複数の仮想事象の中からユーザにより選択された一の仮想事象を特定する特定データをユーザ端末からネットワークを介して受信した上で、該特定データに基づき、プログラム提供手段により該ユーザ端末に提供される仮想事象プログラムを選定するプログラム選定手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ユーザ端末に表現され得る複数種類の仮想事象の中から、一種類の仮想事象を意思に従って選択する余地をそのユーザに対して与えることができる。
【0015】
さらに本発明の心理状態判定システムは、プログラム管理手段により、ゲーム・プログラムが仮想事象プログラムとして管理され、プログラム提供手段により、ユーザ端末に対してゲーム・プログラムがネットワークを介して提供されることで、該ユーザ端末にユーザの操作に応じて進行するゲームが仮想事象として表現されることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ユーザはゲームを進行させる上で、通常に行われる端末の操作という作業によって、その心理状態が判定され得る。従って、心理状態判定に対する警戒心をユーザに抱かせることなく、そのときのユーザの自然な心理状態の維持を図り得る。
【0017】
また、前記課題を解決するための本発明の心理状態判定プログラムは、ユーザ端末に仮想事象を表現する機能と、該仮想的事象に応じたユーザによる該端末の操作機能と、ユーザによる該端末の操作速度に基づき該ユーザの反応速度を測定する機能と、測定された該反応速度のばらつきを算出する機能と、反応速度のばらつきと心理状態との対応関係を第1データとして該ユーザ端末の記憶装置から読み出し、算出された該ばらつきと、読み出された第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定する機能と、該判定結果に関する情報を、ユーザ端末に表現する機能とを該ユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0018】
また本発明の心理状態判定プログラムは、ユーザの生理パラメータを測定する機能と、ユーザの心理状態と、該心理状態が反映される該ユーザの生理パラメータとの対応関係を第2データとしてユーザ端末の記憶装置から読み出し、第2データに基づき、測定された該ユーザの生理パラメータを、算出された該ユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで、第1データを作成する機能とをユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0019】
さらに本発明の心理状態判定プログラムは、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を生理パラメータとして測定する機能をユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0020】
また本発明の心理状態判定プログラムは、複数の仮想事象の中から一の仮想事象を選定するユーザによるユーザ端末の操作に応じ、該ユーザ端末に表現する仮想事象を選定する機能を該ユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0021】
さらに本発明の心理状態判定プログラムは、ユーザ端末にユーザの操作に応じて進行するゲームを仮想事象として表現する機能を該ユーザ端末に付与することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、前記システムとは異なりユーザ端末がネットワークを介して通信していない状態でも、当該ユーザ端末を通じてユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の心理状態判定システムの実施形態について図面を用いて説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態の心理状態判定システムの構成説明図であり、図2は本発明の一実施形態の心理状態判定システムの機能説明図であり、図3は心理状態、ACTH及び反応速度ばらつきの対応関係説明図である。
【0025】
図1に示す心理状態判定システムは、PDA、携帯電話機、パソコン等の複数のユーザ端末20と相互通信可能にネットワークを介して接続されたサーバ10により構成されている。心理状態判定システムを構成するサーバ10は一台でも複数台であってもよい。
【0026】
本実施形態の心理状態判定システムは、プログラム管理ユニット11と、プログラム提供ユニット12と、反応速度測定ユニット13と、ばらつき算出ユニット14と、第1記憶ユニット15と、情報提供ユニット16と、第2記憶ユニット17と、パラメータ測定ユニット18と、データ作成ユニット19とを備えている。
【0027】
プログラム管理ユニット11は、ゲーム・プログラム(仮想事象プログラム)を管理する。
【0028】
プログラム提供ユニット12は、ユーザ端末20に対してゲーム・プログラムをネットワークを介して提供することで、このユーザ端末20にゲーム(仮想事象)を表現する。プログラム提供ユニット12によるプログラム提供は、以下サーバ10によるプログラム送信等と表現される。
【0029】
反応速度測定ユニット13は、ユーザ端末20に表現されたゲームに応じたユーザによるこの端末20の操作速度を表す信号をネットワークを介して受信した上で、当該信号に基づいてそのユーザの反応速度を測定する。
【0030】
ばらつき算出ユニット14は、同一のユーザについて反応速度測定ユニット13により測定された反応速度のばらつきを算出する。
【0031】
第1記憶ユニット15は、「反応速度のばらつき」と「心理状態」との対応関係を「第1データ」として記憶する。
【0032】
情報提供ユニット16は、ばらつき算出手段により算出されたばらつきと、第1記憶手段により記憶されている第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定した上で、該判定結果に関する情報を、ネットワークを介してユーザ端末20に提供する。情報提供ユニット16による情報提供は、以下サーバ10による情報送信等と表現される。
【0033】
第2記憶ユニット17は「心理状態」とこの心理状態が反映される「ACTH(生理パラメータ)」との対応関係を「第2データ」として記憶する。
【0034】
パラメータ測定ユニット18は、ユーザから採取された血液中に含まれるACTHを測定する。
【0035】
データ作成ユニット19は、第2データに基づき、ACTHの測定値を、ばらつき算出ユニット14により算出されたユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで「第1データ」を作成する。
【0036】
前記構成の心理状態判定ユニットの機能について図2及び図3を用いて説明する。
【0037】
まず、ユーザ端末20との初期通信を経た後、サーバ10からユーザ端末20に対して「ゲーム・プログラム」が送信される(図2矢印▲1▼)。ゲーム・プログラムの送信(図2矢印▲1▼参照)に応じ、当該ユーザ端末20においてユーザの操作に応じてゲームが進行する(図2s2.1)。ユーザにより端末20が操作されるごとに、ゲーム中の仮想事象(イベント)に応じたユーザの端末20の操作速度を表す「操作速度信号」がこのユーザ端末20からサーバ10に送信される(図2矢印▲2▼)。例えば、仮想的な自動車運転に関するゲームがユーザ端末20において進行する場合、視野内への子供の仮想的な飛び出し等のイベントが表現するように当該ゲーム・プログラムが構築されている。
【0038】
なお、ユーザがその端末20を操作することで、当該ゲームをいくつかのゲームの中から選定し得るようにされていてもよい。即ち、ユーザの操作に応じた信号がユーザ端末20からサーバ10に送信され、サーバ10によりどのゲーム・プログラムをユーザ端末20に送信するかが選定されてもよい。
【0039】
操作速度信号(図2矢印▲2▼参照)がサーバ10に送信されてくるたび、反応速度測定ユニット13により、前記仮想事象に応じたユーザの反応速度が測定される(図2s1.1)。また、ゲームの終了時や、測定された反応速度のデータ数が所定数に達したとき、ゲーム開始から所定時間経過後等のタイミングで、ばらつき算出ユニット14により、同一のユーザについて複数の反応速度の「ばらつき」が算出される(図2s1.2)。ここで「ばらつき」とは、測定された反応速度が、その平均値や標準値の前後に不規則に分布するふぞろいの程度を意味し、標準偏差等が具体例として挙げられる。
【0040】
続いて、パラメータ測定ユニット18により当該ユーザのACTHが測定される(図2s1.3)。また、データ作成ユニット19により、心理状態xi (i=1,2,‥,n)とACTHの値yi との対応関係(図3両矢印A参照)を表す「第2データ」が第2記憶ユニット17から読み取られる。その上で、データ作成ユニット19により「第2データ」に基づき、ACTHの測定値yi が、ばらつき算出ユニット14により算出されたユーザの反応速度のばらつきzi に対応付けられる(図3両矢印B参照)。これにより、心理状態xi と当該ばらつきzi との対応関係(図3両矢印A,B参照)を表す「第1データ」が作成される(図2s1.4)。作成された「第1データ」は第1記憶ユニット15により記憶保持される。
【0041】
第1データ作成(図2s1.4)の後、ユーザ端末20との初期通信を経た後、サーバ10からユーザ端末20に対して「ゲーム・プログラム」が送信される(図2矢印▲3▼)。なお、当該ユーザは、先にACTHを測定(図2s1.3参照)されたユーザであると、そうではないユーザであるとの別を問わない。
【0042】
ゲーム・プログラムの送信(図2矢印▲3▼参照)に応じ、当該ユーザ端末20においてユーザの操作に応じてゲームが進行する(図2s2.2)。ユーザにより端末20が操作されるごとに、ゲーム中の仮想事象に応じたユーザの端末20の操作速度を表す「操作速度信号」がこのユーザ端末20からサーバ10に送信される(図2矢印▲4▼)。
【0043】
操作速度信号(図2矢印▲4▼参照)がサーバ10に送信されてくるたび、反応速度測定ユニット13により、前記仮想事象に応じたユーザの反応速度が測定される(図2s1.5)。また、ゲームの終了時や、測定された反応速度のデータ数が所定数に達したとき、ゲーム開始から所定時間経過後等のタイミングで、ばらつき算出ユニット14により同一のユーザについて複数の反応速度のばらつきが算出される(図2s1.6)。
【0044】
続いて、情報提供ユニット16が、第1記憶ユニット15から心理状態xi とばらつきzi との対応関係(図3両矢印A,B)を表す「第1データ」を第1記憶ユニット15から読み出す。その上で、情報提供ユニット16が、ばらつき算出ユニット14により算出された「ばらつき」と「第1データ」とに基づき、当該ばらつきに対応する心理状態を判定する(s1.7)。例えば、「ばらつき」が「zm 」であれば、心理状態は「xm 」と判定される(図3参照)。そして、当該判定結果に関する情報が、サーバ10からユーザ端末20に送信される(図2矢印▲5▼)。
【0045】
本発明の心理状態判定システムによれば、心理状態と、何らかの事象に対する反応速度のばらつきとの間に再現性のよい対応関係(図3両矢印A,B参照)があるという本願発明者の得た知見に鑑み、ユーザの心理状態が的確に判定され得る(図2s1.7参照)。また、ユーザ端末20を通じ、当該ユーザに対して心理状態の判定結果に関する情報が提供される(図2矢印▲5▼参照)。
【0046】
従って、ユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。例えば、ユーザは自動車等の運転前に本システムを利用して自己の心理状態の判定結果を意識することで、その後の運転を見合わせたり、慎重に運転することになる。このため、当該ユーザの運転による交通事故が起こる可能性が低減され得る。これは、ユーザ本人にとってのみならず、公益的観点からも非常に好ましい。
【0047】
また、ユーザはゲームを進行させる上で、通常に行われる端末20の操作(ボタンのプッシュ操作やマウスボタンのクリック)という作業によって、その心理状態が判定され得る。従って、心理状態判定に対する警戒心をユーザに抱かせることなく、そのときのユーザの自然な心理状態の維持を図り、ユーザの心理状態の判定結果への正確な反映を確保し得る。
【0048】
なお、本発明の他の実施形態として、プログラム管理手段により、複数種類のゲーム・プログラム(仮想事象プログラム)が記憶され、複数種類のゲーム(仮想事象)の中からユーザにより選択された一のゲームを特定する「特定データ」をユーザ端末20からネットワークを介して受信した上で、この「特定データ」に基づき、プログラム提供ユニット12によりユーザ端末20に提供されるゲーム・プログラムを選定する「プログラム選定手段(図示略)」が設けられてもよい。
【0049】
前記実施形態では「生理パラメータ」として「ACTH」が測定されたが(図2s1.3参照)、他の実施形態として「生理パラメータ」として心拍数、呼吸数、体温、ACTHのほか、CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、又はCRF)や、グリココルチコイド等が測定されてもよい。
【0050】
前記実施形態ではユーザは人間であったが、他の実施形態として猿や犬等の他の動物の心理状態が判定されてもよい。
【0051】
前記実施形態では「仮想事象」としてゲーム、及びゲーム中のイベント(仮想事象)がユーザ端末20に表現されたが(図2矢印▲1▼▲3▼参照)、他の実施形態として「仮想事象」として所定の模様・色彩パターンや、所定の音声パターン等がユーザ端末20に表現されてもよい。
【0052】
前記実施形態ではネットワーク通信を利用してユーザの心理状態が判定されたが(図1、図2参照)、他の実施形態として「心理状態判定プログラム」がCD−ROM等のプログラム記録媒体を介してユーザ端末20にインストールされ、このプログラムにより付与される諸機能に基づき、ネットワーク通信が解除された状態のユーザ端末20によりユーザの心理状態が判定されてもよい。
【0053】
具体的には、この心理状態判定プログラムにより付与される諸機能により、ユーザ端末20にゲーム及びゲーム中のイベント(仮想事象)が表現され、ユーザによる端末20の操作に応じてゲームが進行し(図2s2.2参照)、ユーザによる端末20の操作速度(ユーザ端末20内の通信信号(図2矢印▲4▼参照)により特定される。)に基づきユーザの反応速度が測定され(図2s1.5参照)、測定された反応速度のばらつきが算出され(図2s1.6参照)、このユーザの心理状態が判定されるてもよい(図2s1.7参照)。
【0054】
当該他の実施形態によれば、前記実施形態とは異なりユーザ端末20がネットワークを介して通信していない状態でも、当該ユーザ端末20を通じてユーザは自己の心理状態がどのようなものであるかを意識することができる。そして、ユーザはその心理状態を意識しながら行動することで、余計なトラブルに巻き込まれる可能性を自ら低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の心理状態判定システムの構成説明図
【図2】本発明の一実施形態の心理状態判定システムの機能説明図
【図3】心理状態、ACTH及び反応速度ばらつきの対応関係説明図
【符号の説明】
10‥サーバ、11‥プログラム管理ユニット、12‥プログラム提供ユニット、13‥反応速度測定ユニット、14‥ばらつき算出ユニット、15‥第1記憶ユニット、16‥情報提供ユニット、17‥第2記憶ユニット、18‥パラメータ測定ユニット、19‥データ作成ユニット、20‥ユーザ端末
Claims (10)
- ネットワーク通信を利用しユーザの心理状態を判定するシステムであって、
仮想事象プログラムを管理するプログラム管理手段と、
ユーザ端末に対して仮想事象プログラムをネットワークを介して提供することで、該ユーザ端末に仮想事象を表現するプログラム提供手段と、
ユーザ端末に表現された仮想的事象に応じたユーザによる該端末の操作速度を表す信号をネットワークを介して受信した上で、該信号に基づいて該ユーザの反応速度を測定する反応速度測定手段と、
同一のユーザについて反応速度測定手段により測定された反応速度のばらつきを算出するばらつき算出手段と、
反応速度のばらつきと心理状態との対応関係を第1データとして記憶する第1記憶手段と、
ばらつき算出手段により算出されたばらつきと、第1記憶手段により記憶されている第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定した上で、該判定結果に関する情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する情報提供手段とを備えていることを特徴とする心理状態判定システム。 - ユーザの心理状態と、該心理状態が反映される該ユーザの生理パラメータとの対応関係を第2データとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザの生理パラメータを測定するパラメータ測定手段と、
第2記憶手段により記憶されている第2データに基づき、パラメータ測定手段により測定されたユーザの生理パラメータを、ばらつき算出手段により算出された該ユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで、第1データを作成するデータ作成手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の心理状態判定システム。 - パラメータ測定手段が、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を生理パラメータとして測定することを特徴とする請求項2記載の心理状態判定システム。
- プログラム管理手段により、複数の仮想事象プログラムが記憶され、
複数の仮想事象の中からユーザにより選択された一の仮想事象を特定する特定データをユーザ端末からネットワークを介して受信した上で、該特定データに基づき、プログラム提供手段により該ユーザ端末に提供される仮想事象プログラムを選定するプログラム選定手段を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の心理状態判定システム。 - プログラム管理手段により、ゲーム・プログラムが仮想事象プログラムとして管理され、
プログラム提供手段により、ユーザ端末に対してゲーム・プログラムがネットワークを介して提供されることで、該ユーザ端末にユーザの操作に応じて進行するゲームが仮想事象として表現されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の心理状態判定システム。 - ユーザの心理状態を判定する機能をユーザ端末に付与するプログラムであって、ユーザ端末に仮想事象を表現する機能と、
該仮想的事象に応じたユーザによる該端末の操作機能と、
ユーザによる該端末の操作速度に基づき該ユーザの反応速度を測定する機能と、測定された該反応速度のばらつきを算出する機能と、
反応速度のばらつきと心理状態との対応関係を第1データとして該ユーザ端末の記憶装置から読み出し、算出された該ばらつきと、読み出された第1データとに基づき、該ばらつきに対応する心理状態を判定する機能と、
該判定結果に関する情報を、ユーザ端末に表現する機能とを該ユーザ端末に付与することを特徴とする心理状態判定プログラム。 - ユーザの生理パラメータを測定する機能と、
ユーザの心理状態と、該心理状態が反映される該ユーザの生理パラメータとの対応関係を第2データとしてユーザ端末の記憶装置から読み出し、第2データに基づき、測定された該ユーザの生理パラメータを、算出された該ユーザの反応速度のばらつきに対応付けることで、第1データを作成する機能とをユーザ端末に付与することを特徴とする請求項1記載の心理状態判定プログラム。 - ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を生理パラメータとして測定する機能をユーザ端末に付与することを特徴とする請求項7記載の心理状態判定プログラム。
- 複数の仮想事象の中から一の仮想事象を選定するユーザによるユーザ端末の操作に応じ、該ユーザ端末に表現する仮想事象を選定する機能を該ユーザ端末に付与することを特徴とする請求項6、7又は8記載の心理状態判定プログラム。
- ユーザ端末にユーザの操作に応じて進行するゲームを仮想事象として表現する機能を該ユーザ端末に付与することを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の心理状態判定プログラム。
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