JP2004267226A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】パチンコ機等の遊技機において、興趣の飛躍的な向上を図る。
【解決手段】パチンコ機10には遊技盤が設けられている。遊技盤には、一般入賞口、可変入賞装置ユニット、始動口、可変駆動装置ユニット等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設されている。始動口に設けられた第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、可変入賞装置ユニットの開閉制御処理が実行され、特定入球部へ入球した遊技球が検出されると、遊技者に有利な特別遊技状態への移行処理が実行される。所定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から切換えられ、遊技球のいくつかは始動口に入球しやすい状態となり、可変入賞装置ユニットへ入球しやすい状態となる。
【選択図】 図1
【解決手段】パチンコ機10には遊技盤が設けられている。遊技盤には、一般入賞口、可変入賞装置ユニット、始動口、可変駆動装置ユニット等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設されている。始動口に設けられた第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、可変入賞装置ユニットの開閉制御処理が実行され、特定入球部へ入球した遊技球が検出されると、遊技者に有利な特別遊技状態への移行処理が実行される。所定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から切換えられ、遊技球のいくつかは始動口に入球しやすい状態となり、可変入賞装置ユニットへ入球しやすい状態となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機の一種として、例えば遊技盤に開放始動口及び可変入賞装置が設けられ、開放始動口へ遊技球が入球することに基づき可変入賞装置が開放し、この開放時において可変入賞装置へ入球した遊技球の挙動に起因して特別遊技状態へ移行する遊技機、例えばパチンコ機等が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技機にあっては、1つの遊技球が開放始動口に入球し、可変入賞装置が開放している時に、他の遊技球がタイミングよく可変入賞装置に入球し、なおかつ、可変入賞装置に入球した遊技球が特定の挙動をする(例えば特定入球部に入球する)ことで、特別遊技状態に移行させられる。つまり、遊技者は、上記の条件を段階的に満たす過程を堪能しながら遊技を行う。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−197312号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方で、各段階における条件が全て満たされない限りは、特別遊技状態への移行が行われない。このため、遊技者にとって、特別遊技状態までの道程が著しく遠いものに感じられる場合がある。そして、このような印象を抱いてしまった場合、この種の遊技機での遊技を敬遠する要因ともなりかねない。かかる意味で、さらなる興趣の向上が望まれている。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、パチンコ機等の遊技機において、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0007】
手段1.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0008】
手段1によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0009】
なお、上記「入球率を増大せしめる」とあるのは、遊技領域に案内される遊技球が、入球する可能性、期待値又は割合が高くされることをいう。従って、例えば、「入球率」なる記載に代えて、「単位時間あたりの入球率」、或いは、「遊技領域へ案内される遊技球1個あたりの入球率(期待値)」と置き換えることも可能である(以下、各手段において同様)。なお、「遊技状態」とは、特別遊技状態の発生時を除き、遊技球が発射手段により発射され、遊技領域へ案内された遊技球が上記第1入球手段へ入球可能であるとともに、各種過程を経ることによって、上記第1入球手段又は特定入球部へ入球可能である状態を指し、例えば、「通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態」とあるのは、第1入球手段への入球率の統計をとった場合に、通常状態より第1入球手段入球率増大状態の方が、入球率が高くなる割合が高いことを少なくとも意味している(以下、各手段において同様)。また、上記「特別遊技状態へ移行させるための移行処理」には、例えば、実際に特別遊技状態の発生処理へ移行する処理や、特別遊技状態の発生処理を行うか否かを決定する処理(所定の抽選処理)等が含まれる(以下、各手段において同様)。また、上記「通常状態」とあるのは、「特別遊技状態が発生していない状態」であって、なおかつ、例えば「開閉部材が開閉されていない状態」、或いは「開閉部材制御手段により開閉部材の開閉制御処理が実行されていない状態」等を挙げることができる(以下、各手段において同様)。
【0010】
手段2.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0011】
手段2によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段関連特定条件が成立することで、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、この場合には、いわば段階的な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0012】
手段3.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0013】
手段3によれば、第2入球手段関連判断手段により第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0014】
手段4.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第2入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0015】
手段4によれば、第2入球手段関連判断手段により第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、特定入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部関連特定条件が成立することで、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、この場合には、いわば段階的な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0016】
手段5.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0017】
手段5によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0018】
手段6.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0019】
手段6によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部関連特定条件が成立することで、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、この場合には、いわば段階的な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0020】
手段7.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段7によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。さらに、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。また、例えば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0022】
手段8.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第2入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0023】
手段8によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。さらに、遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、特定入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段関連特定条件が成立することで、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられる。また、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部関連特定条件が成立することで、特定入球部入球率増大状態へと切換えられる。かかる場合には、いわば段階的(多段階的)な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0024】
手段9.前記第1入球手段関連判断手段は、特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、前記特定値に達するまでの間の前記第1入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、前記第1入球手段関連特定条件が成立したと判断することを特徴とする手段1乃至4並びに7及び8のいずれかに記載の遊技機。
【0025】
手段9によれば、特定処理の実行回数の計数値が特定値に達した場合であって、特定値に達するまでの間の第1入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、遊技球が第1入球手段へ入球しやすくなる。従って、特定処理の実行回数が比較的多い割に、第1入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたとき、一転して遊技者の期待感が高められることとなる。その結果、遊技者にとっての興趣が低下していたのが、一転向上させられることとなり上記効果を一層高めることができる。なお、「前記第1入球手段への遊技球の入球数」に代えて、「前記開閉部材の開放回数」としてもよい。
【0026】
手段10.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記遊技領域に案内された遊技球数であることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
【0027】
手段10によれば、遊技領域に案内された遊技球数が比較的多い割に、第1入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0028】
手段11.前記特定処理回数計数手段の計数値は、遊技球が前記遊技領域に案内されている累積時間又はそれに準ずる計数値であることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
【0029】
手段11によれば、遊技球が遊技領域に案内されている累積時間等、いわば遊技時間が比較的長い割に、第1入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0030】
手段12.前記特定入球部関連判断手段は、特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、前記特定値に達するまでの間の前記特定入球部への入球数がゼロであるとき、前記特定入球部関連特定条件が成立したと判断することを特徴とする手段3乃至8、及び、9乃至11(但し、手段1,2に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0031】
手段12によれば、特定処理の実行回数の計数値が特定値に達した場合であって、特定値に達するまでの間の特定入球部への遊技球の入球数がゼロであるとき、遊技球が特定入球部へ入球しやすくなる。従って、特定処理の実行回数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたとき、一転して遊技者の期待感が高められることとなる。その結果、遊技者にとっての興趣が低下していたのが、一転向上させられることとなり上記効果を一層高めることができる。
【0032】
手段13.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記遊技領域に案内された遊技球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0033】
手段13によれば、遊技領域に案内された遊技球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0034】
手段14.前記特定処理回数計数手段の計数値は、遊技球が前記遊技領域に案内されている累積時間又はそれに準ずる計数値であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0035】
手段14によれば、遊技球が遊技領域に案内されている累積時間等、いわば遊技時間が比較的長い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0036】
手段15.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第1入球手段への入球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0037】
手段15によれば、第1入球手段への入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0038】
手段16.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記開閉部材の開放回数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0039】
手段16によれば、開閉部材の開放回数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0040】
手段17.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第2入球手段への入球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0041】
手段17によれば、第2入球手段への入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0042】
手段18.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第2入球手段へ入球した遊技球のうち、前記非特定領域に入球した遊技球の入球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0043】
手段18によれば、第2入球手段への入球した遊技球のうち、非特定領域に入球した遊技球の入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0044】
手段19.前記第2入球手段関連判断手段は、特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、前記特定値に達するまでの間の前記第2入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、前記第2入球手段関連特定条件が成立したと判断することを特徴とする手段1乃至18(但し、手段5,6に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0045】
手段19によれば、特定処理の実行回数の計数値が特定値に達した場合であって、特定値に達するまでの間の第2入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、遊技球が第2入球手段へ入球しやすくなる。従って、特定処理の実行回数が比較的多い割に、第2入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたとき、一転して遊技者の期待感が高められることとなる。その結果、遊技者にとっての興趣が低下していたのが、一転向上させられることとなり上記効果を一層高めることができる。
【0046】
手段20.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記遊技領域に案内された遊技球数であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0047】
手段20によれば、遊技領域に案内された遊技球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0048】
手段21.前記特定処理回数計数手段の計数値は、遊技球が前記遊技領域に案内されている累積時間又はそれに準ずる計数値であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0049】
手段21によれば、遊技球が遊技領域に案内されている累積時間等、いわば遊技時間が比較的長い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0050】
手段22.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第1入球手段への入球数であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0051】
手段22によれば、第1入球手段への入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0052】
手段23.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記開閉部材の開放回数であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0053】
手段23によれば、開閉部材の開放回数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0054】
手段24.前記特別遊技状態移行制御手段による、特別遊技状態への移行処理に伴い、前記特定処理回数計数手段の計数値を消去する消去手段を設けたことを特徴とする手段9乃至23のいずれかに記載の遊技機。
【0055】
手段24によれば、特別遊技状態への移行に伴い、計数値が消去されるため、遊技者に有利な特別遊技状態に移行したにもかかわらず、遊技者を補助しうる各種切換制御、ひいてはその制御による各種入球が行われてしまうといった不具合(例えば遊技場側にとっての不利益)を防止することができる。
【0056】
手段25.前記特定処理回数計数手段の計数値を記憶しておく記憶手段を設け、前記特別遊技状態移行制御手段による、特別遊技状態への移行処理に伴い、前記記憶手段にて記憶された計数値を消去する消去手段を設けたことを特徴とする手段9乃至23のいずれかに記載の遊技機。
【0057】
手段25によれば、特別遊技状態への移行に伴い、記憶された計数値が消去されるため、遊技者に有利な特別遊技状態に移行したにもかかわらず、遊技者を補助しうる各種切換制御、ひいてはその制御による各種入球が行われてしまうといった不具合(例えば遊技場側にとっての不利益)を防止することができる。
【0058】
手段26.前記第1入球手段は、入球を許容する開口部が比較的狭い状態と比較的広い状態との間で切換可能に構成され、第1入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記第1入球手段の前記開口部を前記比較的広い状態に切換える又は切換える頻度を高める(切換えられている時間を長くすることも含む)ことで、前記第1入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至25(但し、手段3,4に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0059】
手段26によれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられると、第1入球手段の開口部が比較的広い状態に切換えられる又は切換えられる頻度が高められ。これにより、第1入球手段へ遊技球を比較的容易に入球させることができる。
【0060】
手段27.第1入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記第1入球手段又はその近傍まで遊技球を誘導可能とすることで、前記第1入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至25(但し、手段3,4に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0061】
手段27によれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられると、第1入球手段又はその近傍まで遊技球が誘導させられる。これにより、第1入球手段へ遊技球を比較的容易に入球させることができる。
【0062】
手段28.第2入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記開閉部材制御手段により前記開閉部材の開放制御が実行されるに際し、前記開閉部材の開放量、開放回数及び開放時間のうち、少なくとも1つを増大させることで、前記第2入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至27(但し、手段5,6に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0063】
手段28によれば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられると、開閉部材制御手段により前記開閉部材の開放制御が実行されるに際し、前記開閉部材の開放量、開放回数及び開放時間のうち、少なくとも1つが増大させられる。これにより、第2入球手段へ遊技球を比較的容易に入球させることができる。
【0064】
手段29.第2入球手段内へ遊技球を誘導可能な球誘導手段と、前記遊技球を球誘導手段へ導入するか否かを振り分ける振分け手段とを設けるとともに、第2入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記振分け手段を、球誘導手段へ導入可能状態に制御することで、前記第2入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至27(但し、手段5,6に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0065】
手段29によれば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられると、振分け手段が、球誘導手段へ遊技球を導入可能状態に制御される。これにより、遊技球は球誘導手段へ導入され、該導入により第2入球手段へ比較的容易に入球させることができる。
【0066】
手段30.特定入球部入球率増大状態切換制御手段は、前記非特定入球部への入球確率を低下させることで、前記特定入球部入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至29(但し、手段1,2に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0067】
手段30によれば、特定入球部入球率増大状態へと切換えられると、非特定入球部への入球確率が低下させられる。これにより、特定入球部へ比較的容易に入球させることができる。
【0068】
手段31.前記非特定入球部は、複数の領域を具備し、各領域に遊技球が入球した場合、当該領域に前記遊技球を停滞させることで、当該領域を遊技球で閉塞可能とする閉塞手段を設け、特定入球部入球率増大状態切換制御手段は、前記閉塞手段を作動させることで、前記特定入球部入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至29(但し、手段1,2に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0069】
手段31によれば、特定入球部入球率増大状態へと切換えられると、閉塞手段が作動させられ、非特定入球部の複数の領域のいずれかに遊技球が入球した場合、当該領域に遊技球が停滞させられる。このため、当該領域が遊技球で閉塞されることとなり、その分だけ、残り領域が少なくなり特定入球部への入球確率が高められる。結果として、特定入球部へ比較的容易に入球させることができる。
【0070】
手段32.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、第1の条件が成立したか否かを判断する第1の判断手段と、
前記第1の判断手段により、第1の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1状態へと切換える第1状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1状態にあるとき、第2の条件が成立したか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により、第2の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1状態から、当該第1状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2状態へと切換える第2状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第2状態にあるとき、第3の条件が成立したか否かを判断する第3の判断手段と、
前記第3の判断手段により、第3の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第2状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる第3状態へと切換える第3状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0071】
手段32によれば、第1の判断手段により第1の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1状態にあるとき、第2の判断手段により、第2の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第2状態へと切換えられ、第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。さらに、遊技状態が、第2状態にあるとき、第3の判断手段により、第3の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第3状態へと切換えられ、特定入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2の条件が成立することで、第2状態へと切換えられる。また、第2状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第3の条件が成立することで、第3状態へと切換えられる。かかる場合には、いわば段階的(多段階的)な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0072】
手段33.手段1乃至32のいずれかに記載の遊技機において、
左右一側部側を回動中心に左右他側部側が開閉可能となるように構成され、遊技盤を支持した遊技機本体と、
前記遊技盤の前面に設けられたレール部材により略円形状に区画された遊技領域と、
前記遊技機本体の前面側にて前記左右一側部側を中心に前記左右他側部が開閉可能となるよう支持され、閉鎖状態において前記遊技領域を視認可能な視認窓を有した前面扉と
を備えた遊技機において、
前記遊技機本体の前記左右一側部には長尺状の補強部材を上下方向へ延びるように設けるとともに、前記遊技機本体の前記左右他側部には前記遊技機本体及び前面扉の開放を禁止するように施錠する施錠装置を設け、
該施錠装置は、遊技機本体の前記左右他側部に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材と、遊技機本体の前記左右他側部のうち前記遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ前記連動部材を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材とを備え、該鍵部材の操作による前記連動部材の上下一方への移動により遊技機本体の施錠が解除されるとともに、前記連動部材の上下他方への移動により前記前面扉の施錠が解除されるように構成し、
前記遊技盤を前記遊技機本体の幅内において前記補強部材及び連動部材を左右に振り分けて配置するための領域を残した幅となるように形成するとともに、前記遊技盤の左右両側部には前記遊技機本体の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部を形成し、さらに、前記レール部材のうち、前記遊技領域の最大幅となる位置を、遊技盤の左右端位置に至るように配設することにより、
遊技領域を拡張したことを特徴とする遊技機。
【0073】
手段34.手段1乃至33のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。この場合、遊技領域は主として遊技盤によって構成される。中でも、上記パチンコ機には、遊技者に有利な特別遊技状態への移行処理が行われ、前記特別遊技状態が発生した場合において、開閉可能な開閉部材を有した入球手段(第2入球手段)へ所定個数の遊技球を入球させる遊技が複数回行われるよう構成されるとともに、前記複数回のうちの一遊技中において、前記入球手段へ入球した遊技球のうちのいずれかが特定入球部へ入球することに基づき、次なる一遊技への移行が可能となる遊技機が含まれる。
【0074】
手段35.手段34において、外枠に対し内枠が開閉自在に取り付けられ、内枠の後側には遊技盤が取り付けられ、内枠の前面側には前面枠が開閉自在に取り付けられ、遊技盤の前面側において、前記発射手段により発射された遊技球を案内する誘導レールを構成する外レール構成部及び内レール構成部により略円形状に囲まれることで前記遊技領域が区画形成された構成であって、前記遊技領域が当該遊技領域へ前記遊技領域が、前記前面枠のうち縦の部分が遊技機正面からみて前記誘導レールに重複する程度の大きさとなっていることを特徴とするパチンコ遊技機。
【0075】
上記手段35によれば、前記遊技領域が、前記前面枠のうち縦の部分が遊技機正面からみて前記誘導レールに重複する程度の大きさに構成されており、従来のパチンコ遊技機よりも広い領域となっている。このようなパチンコ遊技機では、従来のパチンコ遊技機以上に上記「発明が解決しようとする課題」で述べた課題等がより顕著に現れるおそれがある。従って、手段1乃至手段29で述べた構成がより効果を発揮することとなる。なお、「前記遊技領域が、前記前面枠のうち縦の部分が遊技機正面からみて前記誘導レールに重複する程度の大きさとなっていること」に代えて又は加えて、「前記遊技領域が、直径を少なくとも380mm以上とする所定の円形領域を含む大きさとなっていること」、「遊技領域の幅が少なくとも380mm以上となっていること」、「遊技領域の高さが少なくとも400mm以上となっていること」、及び「前記遊技盤の表面積に対する前記遊技領域の面積の比率を60パーセント以上となっていること」の少なくとも1つとしてもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する内枠12に対して前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
【0077】
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。
【0078】
また、内枠12及び前面枠セット14は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。両者の成形に合成樹脂を用いることにより、金属製素材を用いた場合と比較してより複雑な形状に対応できるとともに、生産コストの増大を抑制することもできる。また、ABSを用いる利点としては、ポリカーボネイト等の樹脂素材と比較して、生産コストが低い、粘性が強く衝撃に強い等が挙げられる。加えて、例えば前面枠セット14の前面側等の意匠面にメッキ等のコーティング処理を施す場合において、その処理を比較的容易に行いやすく、外観品質のより高いものが製造できるというメリットがある。
【0079】
さて、内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側(後述するハンドル設置箇所の反対側)に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
【0080】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。なお、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12の間の隙間から針金等を進入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
【0081】
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル23とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へ排出するための球抜きレバーである。
【0082】
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。つまり、ハンドル18は、内枠12の開閉軸線とは反対側にあたるパチンコ機10の正面からみて右側に位置しており、ハンドル18の突出に関わりなく内枠12の開放時における所定の開放量を確保できる。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。なお、灰皿26は、下皿15の左側辺部より左方へ突出した図示しない軸棒によって回動可能に支持された、いわゆる片持ち構造となっている。
【0083】
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19(図1参照)が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラスを支持するガラス枠部と一体的に形成されている。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前面枠セット14に対し直接的かつ一体的に上皿19が設けられているため、後述するように前面枠セット14のフレーム部分の幅が従来に比べ比較的細いものであっても、前面枠セット14(ガラス枠部)の所定の強度を確保させることができる。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0084】
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
【0085】
次に、遊技盤30の構成を、図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31a,31b,31c、可変入賞装置ユニット32、始動口33a,33b、小物口(スルーゲート)34a,34b、可変駆動装置ユニット35a,35b等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。始動口33a,33bが本実施の形態における第1入球手段を構成する。可変入賞装置ユニット32が第2入球手段を構成する。
【0086】
ここで、上記一般入賞口31a〜31c等の配設位置について説明する。遊技盤30の略中央部において可変入賞装置ユニット32が配設され、可変入賞装置ユニット32の左右側方においてそれぞれ可変駆動装置ユニット35a,35bが配設され、可変入賞装置ユニット32の斜め上方において小物口34a,34bが配設され、可変入賞装置ユニット32の下方中方において一般入賞口31cが配設され、一般入賞口31cの左右側方においてそれぞれ始動口33a,33bが配設され、各始動口33a,33bの左及び右外方において一般入賞口31a,31bが配設されている。周知の通り前記一般入賞口31a〜31c、可変入賞装置32、始動口33a,33bに遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。本実施の形態では、前記始動口33a,33bは、いわゆる電動チューリップと称される、一対の羽根部材と、当該羽根部材を駆動するソレノイドとによって構成されるものである。本実施の形態では、前記小物口34a,34bの遊技球の通過は、後述する所定の切換措置が実行される場合に限って有効化されるものであって、通常時は無効化されている。なお、所定の切換措置が実行される場合には、前記小物口34を遊技球が通過することを契機として、前記始動口33a,33bが所定時間、所定回数だけ、作動状態となる。つまり、前記ソレノイドが駆動され、羽根部材がより一層開放されるよう構成されている。
【0087】
その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
【0088】
また、遊技盤30には、発射手段としての遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0089】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。外レール構成部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。なお、本実施の形態では、外レール構成部52及び摺動プレート55によって、いわゆる従来の外レールに相当するものが構成されている。そして、内外レール構成部51,52及び摺動プレートをレールユニット50としてユニット化することにより、従来の内外レールを別々に設けた構成に比べて、取付け作業が容易となり作業性が向上する。
【0090】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジN等の固定手段が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。なお、左下のフランジ56においては他の部分(左上部,右上部及び右下部のフランジ56)と比較して、より多く固定手段が使用されている。これは、上記誘導レール及び球案内通路の位置をより適正な位置に固定するためであり、これにより遊技球発射装置から発射された遊技球がより安定して遊技盤30上部へ案内される。加えて、固定手段の数を増やすことでレールユニット50をより強固に固定でき、仮にレールユニット50の成形時において歪みが生じたとしても、その歪みを吸収する効果がある。
【0091】
内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール構成部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のSK1,SK2)を貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
【0092】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール構成部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール構成部52の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール構成部51の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0093】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール構成部52によってではなく内レール構成部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール構成部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール構成部52によって特定される。
【0094】
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0095】
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0096】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
【0097】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0098】
なお、このように、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車27、比較的大型の可変駆動装置ユニット35a,35b、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、可変入賞装置ユニット32の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車27、比較的大型の可変駆動装置ユニット35a,35b、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
【0099】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0100】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の左右方向の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。また、発射レール61を上記構成とするため、本実施の形態では金属板62も従来のものより比較的大きなものとし、それを固定する固定手段の数も従来に比べ多くしている。
【0101】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0102】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール構成部52に沿って流れ、外レール構成部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール構成部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0103】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
【0104】
また、上記前面枠セット14側の球出口には、発射される遊技球を検出するための発射球検出手段としての発射球検出スイッチSW1(図1参照)が設けられている。発射球検出スイッチSW1は、図示しない電気配線を通じて後述する主基板(主制御装置)に接続されている。
【0105】
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。従って、上述したように前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0106】
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のSK1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71から上記シール等を貼り付けることも可能である。
【0107】
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略四角形状の小窓72が設けられ、小窓72に対応して遊技盤30の左上部にも略四角形状の孔部73(図4参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の電飾部102,103等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓72及び孔部73を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
【0108】
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
【0109】
また、内枠12にはアース用金具E1,E2が設けられている(図3参照)。アース用金具E1,E2は、内枠12の背面側において所定の金属部材と接続されている。そして、前面枠セット14が閉じられた状態において、アース用金具E1,E2が後述する補強板131,132と当接することにより短絡するようになっている。
【0110】
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール構成部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、比較的大型の可変入賞装置ユニット32も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0111】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール構成部52の左端部はもちろん、内レール構成部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール構成部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール構成部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0112】
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時(特別遊技状態発生時)等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。
【0113】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
【0114】
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。つまり、補強板131〜134において、樹脂パーツ135の絶縁効果により電気が環状に通ることを防止している。これにより、補強板131〜134におけるノイズのループや環状通電による磁界の発生を抑制することができる。
【0115】
図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
【0116】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
【0117】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
【0118】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール構成部51,52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0119】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール構成部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0120】
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0121】
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール構成部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0122】
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。ここで、前記支持機構について支持金具81,82及び支持金具151,152の関連性をふまえてより詳しく説明する。支持金具151は略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太くなっている。上記支持孔83の切欠の幅は、前記支持金具151の上部の太さより狭く、下部の太さより広くなっている。前面枠セット14の装着手順としては、まず前記支持金具151の下部を前記切欠を介して支持孔83に挿入し、次に支持金具82の突起軸84に支持金具152を差込む。そして、前記切欠位置に対応して前記支持金具151の上部を位置させることで、支持金具151が支持孔83から外れなくなり、前面枠セット14の装着が完了する。
【0123】
なお、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図6参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図3では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
【0124】
ここで、前記施錠機構G1の構成について図8等を参照して説明する。施錠機構G1は、遊技機本体を構成する内枠12の左右一側部(右側部、図8の左側)に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材G2と、内枠12の前記一側部のうち遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ連動部材G2を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材G3(図1等参照)とを備え、該鍵部材G3の操作による連動部材G2の上下一方への移動により内枠12の施錠が解除されるとともに、連動部材G2の上下他方への移動により前面枠セット14の施錠が解除されるように構成されている。
【0125】
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
【0126】
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0127】
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0128】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0129】
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0130】
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0131】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0132】
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0133】
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0134】
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8、図9を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0135】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
【0136】
また、遊技盤30の裏面には、可変入賞装置ユニット32を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31a〜31c、始動口33a,33b等(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図8に仮想線で例示するように、一般入賞口31a〜31c等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0137】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0138】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置ユニット32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0139】
遊技盤30表側の一般入賞口31a〜31cに対応する位置にはそれぞれ入賞口スイッチ220が設けられ、可変入賞装置ユニット32には、非特定領域スイッチ221と、特定領域スイッチ222と、カウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、可変入賞装置ユニット32に入賞した遊技球が後述する特定領域(大当たり状態の発生又は継続を判定するための領域)に入ったことを検出するスイッチであり、非特定領域スイッチ221は、可変入賞装置ユニット32に入賞した遊技球が後述する非特定領域に入ったことを検出するスイッチであり、カウントスイッチ223は、可変入賞装置ユニット32への入賞球をカウントするスイッチである。本実施の形態では、特定領域スイッチ222が特定入球検出手段を構成する。また、始動口33a,33bに対応する位置にはそれぞれ始動口スイッチ224が設けられ、小物口34に対応する位置には小物口スイッチ225(図4参照)が設けられている。始動口スイッチ224が本実施の形態における第1入球検出手段を構成する。
【0140】
入賞口スイッチ220は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、非特定領域スイッチ221、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は入賞装置中継基板227に接続され、さらにこの入賞装置中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、始動口スイッチ224、小物口スイッチ225は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。なお、図8において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。これらセットハンドル228や発射モータ229等により上記遊技球発射装置が構成されている。
【0141】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される(但し、非特定領域スイッチ221、特定領域スイッチ222及び小物口スイッチ225で検出された場合には払出は実施されない)。かかる場合、各種入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞部毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0142】
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
【0143】
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0144】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。なお、従来、遊技球分配部245に相当する部分が裏パックユニット203側に設けられていたため、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)を通じて裏パックユニット203を押すことにより、内枠12と遊技球分配部245に相当する部分との間に隙間が生じ、その隙間を通じて針金等を差し込み、内部機器を操作するといった不正行為が考えられた。そこで本パチンコ機10では、遊技球分配部245として内枠12側に設け、なおかつ固定手段により固定することにより、そのような不正行為を防止している。さらに、遊技球分配部245の上端面は遊技盤30の下端面が設置される高さ位置に合わせて形成されており、遊技盤30の取外しの妨げにならないように工夫されている。
【0145】
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置された上記スピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0146】
次に、第1制御基板ユニット201を図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0147】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0148】
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図11等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
【0149】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0150】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネイト樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成形品であっても良い。
【0151】
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図11等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置ユニット32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0152】
図13及び図14に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0153】
取付台251には、図11における左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図8等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図8等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図7の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0154】
次に、第2制御基板ユニット202を図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。
【0155】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0156】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0157】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0158】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0159】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0160】
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図8等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図8等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図7の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0161】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
【0162】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変入賞装置ユニット32を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の可変入賞装置ユニット32等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0163】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0164】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。なお、バイブレータ360は、パチンコ機の設計変更等による位置変更や故障時等における交換が容易になるよう、モータ等の振動体が本体部であるケース内に収容されたバイブレータ・ユニットとして構成されており、当該ユニットが着脱可能なようにタンクレール356に取付けられている。なお、前記バイブレータ・ユニットは、その本体部(ケース面)がタンクレール356に密着せず、本体部から突出した足部(振動伝達子)を介してタンクレール356の側面に取付けられており、そのバイブ振動がより効果的にタンクレール356に伝達されるよう構成されている。
【0165】
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図20に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0166】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネイト樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0167】
図18,19の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0168】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0169】
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。なお、上記係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。また、本実施の形態では、多くの遊技球が貯留され比較的負荷のかかるタンク355の近傍の係止部M8として、回動式のI型の留め具が採用されている。このため、ナイラッチ等の固定具(差込み式固定具)を用いた場合に比べてより確実に裏パックユニット203(タンク355)の係止を行うことができる。
【0170】
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
【0171】
なお、上述してきた構成により、主制御装置261(基板ボックス263)の取外しは、まず裏パックユニット203を開け(又は取外し)、次に第1制御基板ユニット201を開け(又は取外し)、そして、固定具267を解除操作するという複雑な過程をふむことにより、ようやく行うことができる。このため、主制御装置261(基板ボックス263)の取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。
【0172】
さて、次に上記可変入賞装置ユニット32や可変駆動装置ユニット35a,35b等について図21〜図26を参照してより詳しく説明する。なお、ここでの説明及び図24〜図26においては、可変駆動装置ユニット35a,35bを総称して可変駆動装置ユニット35と示す。可変入賞装置ユニット32や可変駆動装置ユニット35は、図示しない電気配線を通じて上記主制御装置261に接続されており、主制御装置261により制御される。
【0173】
図21は、可変入賞装置ユニット32の正面図である。可変入賞装置ユニット32は、略中空形状の本体部401と、該本体部401の下部において遊技球振分け機構402と、該遊技球振分け機構402の上方において上下動を行う移動体403と、本体部401の上部に設けられた遊技球転動部404と、該遊技球転動部404の左右両側部において開閉可能に軸支された一対の羽根405a,405b(開閉部材を構成する)と、遊技球転動部404の奥側から遊技球振分け機構402へと遊技球を導く誘導通路406とを備えている。なお、誘導通路406の中途位置において上記カウントスイッチ223が設けられている。
【0174】
図22は遊技球振分け機構402の斜視図であり、図23は遊技球振分け機構402の一部を示す分解斜視図である。遊技球振分け機構402は、ベース部411と、該ベース部411の上部に取着された囲枠部412と、ベース部411に固定されたモータ413と、囲枠部412の凹部412aに嵌め込まれ、かつモータ413の回転軸413aに回転可能に軸支された回転体414とを備えている。
【0175】
回転体414は、その周縁に沿って複数(本実施の形態では10個)の収容部を有している。複数の収容部は、複数(本実施の形態では8個)の第1収容部421、1つの第2収容部422、及び1つの第3収容部423によって構成されている。前記第1収容部421は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出可能なように下面が傾斜した略U字状に構成されている。第2収容部422は、回転体414の円周方向に沿って架け渡された架橋下面を有し、遊技球が前記架橋下面から回転体414の中心方向に向けて転出可能なように図示しない落下口を備えた構成となっている。第3収容部423は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出しないように遊技球を抱えることができるよう構成されている。なお、本実施の形態では、回転体414は、通常時や後述する特別遊技状態の発生時において常時回転を継続するよう構成されている。
【0176】
一方、上記囲枠部412の凹部412aには、その側壁部において第1通過口425が形成され、その底部において第2通過口426及び第3通過口427が形成されている。便宜上、符号は省略するが、もちろんベース部411にも第2通過口426及び第3通過口427に対応して孔部が設けられている。
【0177】
第1通過口425は、前記第1収容部421に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第1収容部421の位置が第1通過口425の位置と一致したとき、第1収容部421から遊技球が排出されるようになっている。
【0178】
第2通過口426は、回転体414の中心軸寄りに形成されており、前記第2収容部422に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第2収容部422の落下口の位置が第2通過口426の位置と一致したとき、第2収容部422から遊技球が排出されるようになっている。なお、第1通過口425及び第2通過口426は、上記非特定領域スイッチ221が配置された図示しない非特定領域に繋がっており、第1通過口425及び第2通過口426から排出された遊技球はこの非特定領域スイッチ221によって検出される。つまり、第1収容部421及び第2収容部422は非特定領域に繋がっている(特定領域に繋がっていない)第1通過口425や第2通過口426へ遊技球を導く機能を有する。前記非特定領域が本実施の形態における非特定入球部を構成する。
【0179】
第3通過口427は、回転体414の周縁寄りに形成されており、前記第3収容部423に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第3収容部423の位置が第3通過口427の位置と一致したとき、第3収容部423から遊技球が排出されるようになっている。なお、第3通過口427は、上記特定領域スイッチ222が配置された図示しない特定領域に繋がっており、第3通過口427から排出された遊技球はこの特定領域スイッチ222によって検出される。つまり、第3収容部423は特定領域に繋がっている第3通過口427へ遊技球を導く機能を有する。前記特定領域が本実施の形態における特定入球部を構成する。
【0180】
また、第1通過口425の近傍において当該第1通過口425を遮蔽する第1遮蔽機構431が設けられ、第3通過口427の近傍において当該第3通過口427を遮蔽する第2遮蔽機構432が設けられている。
【0181】
第1遮蔽機構431は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部435と、該作動部435を駆動する第1ソレノイド436とを備えている。作動部435には第1通過口425を閉鎖する第1シャッタ437が設けられている。そして、通常時、つまり第1ソレノイド436の非励磁状態において第1シャッタ437は第1通過口425を開状態とする位置にあり、第1ソレノイド436が励磁されると、作動部435が回動し、第1シャッタ437は第1通過口425を閉状態とする位置に移動する。従って、第1シャッタ437により第1通過口425が閉鎖され、遊技球が第1通過口425を通過できなくなる。従って、第1遮蔽機構431が、本実施の形態における閉塞手段に相当する。
【0182】
第2遮蔽機構432は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部441と、該作動部441を駆動する第2ソレノイド442とを備えている。作動部441には第3通過口427を閉鎖する第2シャッタ443が設けられている。そして、通常時、つまり第2ソレノイド442の非励磁状態において第2シャッタ443は第3通過口427を開状態とする位置にあり、第2ソレノイド442が励磁されると、作動部441が回動し、第2シャッタ443は第3通過口427を閉状態とする位置に移動する。従って、第2シャッタ443により第3通過口427が閉鎖され、遊技球が第3通過口427を通過できなくなる。
【0183】
さて、図24は可変駆動装置ユニット35の正面図である。また、図25は後述する移動体が最下位置にある時の可変駆動装置ユニット35の斜視図であり、図26は移動体が最上位置にある時の可変駆動装置ユニット35の斜視図である。なお、図24〜図26では、左側の可変駆動装置ユニット35aを可変駆動装置ユニット35として示している。便宜上、図は省略するが、右側の可変駆動装置ユニット35bは、可変駆動装置ユニット35aと左右対称形状となっている。
【0184】
可変駆動装置ユニット35は、本実施の形態における振分け手段を構成し、略中空形状の本体部451と、該本体部451の下部において遊技球転動部452と、遊技球転動部452の上方において上下動を行う移動体453と、移動体453と連動して動く誘導リブ454とを備えている。
【0185】
本体部451には、その遊技盤30面より前方へ突出した部分の両側壁部において、遊技球が通過可能な通過孔455a,455bが相対向するように設けられている。また、可変入賞装置ユニット32側(図24の右側)の通過口455bには、そこから可変入賞装置ユニット32側に向けて前記遊技球転動部452が延出した延出部456が設けられている。
【0186】
遊技球転動部452には、移動体453の下方において遊技球が落下可能な落下口457が設けられている。落下口457は後述する誘導流路Y1(図4参照)に通じている。なお、移動体453が最下位置にあるときには、落下口457が塞がれた状態となる。また、本実施の形態では、可変駆動装置ユニット35の移動体453は、常時動いているわけではなく、上記主制御装置261の指示により適宜駆動する。
【0187】
誘導リブ454は、図24等における落下口457の左側において、略前後方向に沿って形成されており、その前端部は遊技球転動部452の前端部近傍にまで達するとともに、比較的緩やかなカーブを描いて右側に向けて湾曲している。そして、その湾曲部が、両通過孔455a,455bを結ぶ線と交差する位置に位置している。また、誘導リブ454は、移動体453が最下位置にある場合には遊技球転動部452に没入した状態となり(図25参照)、移動体453が上昇するにつれ、遊技球転動部452から上方に突出するようになっている(図26参照)。従って、上記延出部456を介して遊技球が通過孔455bから遊技球転動部452へ入球すると、誘導リブ454の没入状態においては、遊技球は通過孔455aに向かってまっすぐ転動し、通過孔455aから遊技盤30面上へ排出される。又、誘導リブ454の突出状態においては、遊技球は誘導リブ454に沿って落下口457に導かれる。
【0188】
さて、図4に示すように、遊技盤30の内部には、可変駆動装置ユニット35a,35bの落下口457と繋がる一対の誘導流路Y1が形成されている。誘導流路Y1は、各落下口457から可変入賞装置ユニット32の下部に向けて傾斜しており、その最下位置において可変入賞装置ユニット32の球導入通路407a,407b(図21,22等においては図示略)と繋がっている。従って、可変駆動装置ユニット35a,35b内において落下口457より落下した遊技球は誘導流路Y1に沿って流下し、上述したように遊技球振分け機構402上へと導かれる。誘導流路Y1が本実施の形態における球誘導手段を構成する。
【0189】
なお、図8に示すように、上記可変入賞装置ユニット32には、移動体403を上下動するための移動体用モータD1と、羽根405a,405bを開閉するための羽根用ソレノイドD2,D3とが設けられ、可変駆動装置ユニット35a,35bには、移動体453及び誘導リブ454を上下動するための移動体用ソレノイドD4,D5が設けられている。
【0190】
図27は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に関して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0191】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0192】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図29参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図28参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図29の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0193】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、音声ランプ制御装置262、可変入賞装置ユニット32、可変駆動装置ユニット35a,35bや、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
【0194】
さて、ここで主制御装置261について、現実の構成自体に拘束されず、主制御装置261を機能実現手段の集合体として捉えて説明する。即ち、以下に説明する各種機能はCPU501の制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM502(場合によってはRAM503)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAM503に一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。
【0195】
主制御装置261には各種計数カウンタが設定されている。例えば、上記発射球検出スイッチSW1からの検出信号に基づき、発射球数を計数する発射球数計数カウンタや、上記可変入賞装置ユニット32の羽根405a,405bの開放回数を計数する開放回数計数カウンタ(第1の開放回数計数カウンタ及び第2の開放回数計数カウンタ)や、可変入賞装置ユニット32への入球回数(カウントスイッチ223による検出回数)をカウントする入賞回数計数カウンタや、前記非特定領域への入球回数(非特定領域スイッチ221による検出回数)を計数する外れ回数計数カウンタ等が設定されている。なお、発射球数計数カウンタ、開放回数計数カウンタ等が、本実施の形態における特定処理回数計数手段を構成する。従って、発射される遊技球を検出する処理が、本実施の形態における特定処理を構成する(第1入球手段関連判断手段に関連)。また、開放回数計数カウンタは、本実施の形態における特定処理回数計数手段を構成する。従って、羽根405a,405bを開放させる処理(可変入賞ユニット32を開状態とする処理)が、本実施の形態における特定処理を構成する(第2入球手段関連判断手段に関連)。また、入賞回数計数カウンタ、外れ回数計数カウンタは、本実施の形態における特定処理回数計数手段を構成する。従って、可変入賞ユニット32に入球した遊技球を検出する処理、或いは、非特定領域に入球した遊技球を検出する処理)が、本実施の形態における特定処理を構成する(特定入球部関連判断手段に関連)。
【0196】
なお、主制御装置261は、上記計数値を記憶する「記憶手段」としての機能をも有する。例えば、発射球数計数カウンタの値が所定値になる(予め設定された特定値に達する)毎に、開放回数計数カウンタの値を参酌して、複数の記憶領域としての記憶エリアに時系列で順次記憶していく。なお、発射球数計数カウンタは前記所定値となる毎に初期化されず、総発射球数もカウントできるよう構成されている。また、記憶手段は、新たな開放回数計数カウンタの値を記憶する毎に、各記憶エリアのデータ更新を行い、記憶された最も古いデータを消去していく。従って、記憶手段には、常に最新の遊技状況を把握するためのデータが記憶されるようになっている。本実施の形態では、前記記憶エリアが10個設けられており、発射球数計数カウンタの値が「100」(この値が本実施の形態における特定値に相当する)となる毎、つまり遊技球が100回発射された間の羽根405a,405bの開放回数が、過去10回分記憶される。つまり、遊技球が1000回発射された間の開放回数のデータが時系列で記憶される。なお、ここに記憶されたデータは、後述する特別遊技状態の発生に伴い消去され、その値が「0」に戻る。かかる意味で、主制御装置261は、「消去手段」としての機能をも有する。
【0197】
また、その他にも、後述する第1の切換措置がとられた後は、開放回数計数カウンタの値が所定値になる(予め設定された特定値に達する)毎に、入賞回数計数カウンタの値を参酌して、複数の記憶領域としての記憶エリアに時系列で順次記憶していく。また、記憶手段は、新たな入賞回数計数カウンタの値を記憶する毎に、各記憶エリアのデータ更新を行い、記憶された最も古いデータを消去していく。従って、記憶手段には、常に最新の遊技状況を把握するためのデータが記憶されるようになっている。本実施の形態では、前記記憶エリアが4個設けられており、開放回数計数カウンタの値が「5」(この値が本実施の形態における特定値に相当する)となる毎、つまり、羽根405a,405bの開放回数が、過去20回分記憶される。つまり、羽根405a,405bが20回開放された間の入賞回数のデータが時系列で記憶される。なお、ここに記憶されたデータは、後述する特別遊技状態の発生に伴い消去され、その値が「0」に戻る。かかる意味で、主制御装置261は、「消去手段」としての機能をも有する。
【0198】
さらに、後述する第2の切換措置がとられた後は、入賞回数計数カウンタの値が所定値になる(予め設定された特定値に達する)毎に、外れ回数計数カウンタの値を参酌して、複数の記憶領域としての記憶エリアに時系列で順次記憶していく。また、記憶手段は、新たな外れ回数計数カウンタの値を記憶する毎に、各記憶エリアのデータ更新を行い、記憶された最も古いデータを消去していく。従って、記憶手段には、常に最新の遊技状況を把握するためのデータが記憶されるようになっている。本実施の形態では、前記記憶エリアが1個設けられており、外れ回数計数カウンタの値が「10」(この値が本実施の形態における特定値に相当する)となる毎、つまり、非特定領域への入球個数が、10個分記憶される。なお、ここに記憶されたデータは、後述する特別遊技状態の発生に伴い消去され、その値が「0」に戻る。かかる意味で、主制御装置261は、「消去手段」としての機能をも有する。
【0199】
主制御装置261は、「開閉部材制御手段」としての機能を有し、始動口33a,33bへ遊技球が入球した旨が検出された場合、前記羽根405a,405bの開閉制御を実行する。主制御装置261は、また、「特別遊技状態移行制御手段」としての機能を有し、特定入球領域に遊技球が入球した旨が検出された場合、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させる処理(後述する特別遊技状態発生処理)を行う。
【0200】
主制御装置261は、「第1入球手段関連判断手段」、「第1の判断手段」としての機能を有し、後述する切換措置発生判別処理が行われる際に、上記羽根405a,405bの開放回数(始動口33a,33bへの入球数に関連)が特定の開放回数より少ないか否か(第1入球手段関連特定条件が成立したか否か)を判断する判断処理を実行する。なお、本実施の形態では、パチンコ機の起動時において、この羽根405a,405bの開放回数に関連した設定回数(前記特定の開放回数)として20回が設定される。
【0201】
主制御装置261は、「第2入球手段関連判断手段」、「第2の判断手段」としての機能を有し、後述する第2の切換措置がとられるに際し、入賞回数計数カウンタ(可変入賞装置32への入球数に関連)の値が特定の数値より少ないか否か(第2入球手段関連特定条件が成立したか否か)を判断する判断処理を実行する。なお、本実施の形態では、パチンコ機の起動時において、この特定の数値として10個が設定される。
【0202】
主制御装置261は、「特定入球部関連判断手段」、「第3の判断手段」としての機能を有し、後述する第3の切換措置がとられるに際し、外れ回数計数カウンタ(特定入球領域への入球数に関連)の値が特定の数値以上か否か(特定入球部関連特定条件が成立したか否か)を判断する判断処理を実行する。なお、本実施の形態では、パチンコ機の起動時において、この特定の数値として10個が設定される。
【0203】
主制御装置261は、「第1入球手段入球率増大状態切換制御手段」、「第1状態切換制御手段」としての機能を有し、前記第1入球手段関連特定条件が成立した場合に、始動口33a,33bへ遊技球が入球しやすくなる処理制御(第1入球手段入賞率増大状態への切換制御)を実行する。
【0204】
主制御装置261は、「第2入球手段入球率増大状態切換制御手段」、「第2状態切換制御手段」としての機能を有し、前記第2入球手段関連特定条件が成立した場合に、可変入賞装置32へ遊技球が入球しやすくなる処理制御(第2入球手段入賞率増大状態、第2状態への切換制御)を実行する。
【0205】
主制御装置261は、「特定入球部入球率増大状態切換制御手段」、「第3状態切換制御手段」としての機能を有し、前記特定入球部関連特定条件が成立した場合に、特定領域へ遊技球が入球しやすくなる処理制御(特定入球部入賞率増大状態、第3状態への切換制御)を実行する。
【0206】
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0207】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0208】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI書込み処理(図29参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0209】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0210】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0211】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等により電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0212】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図29のNMI割込み処理)を実行する。
【0213】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0214】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0215】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図28〜図31のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずはじめにNMI割込み処理を説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0216】
図29は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0217】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図29のNMI割込み処理を開始する。図29のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
【0218】
図29のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
【0219】
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0220】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図29のNMI割込み処理を開始する。その内容は図29で説明した通りである(但し、ステップS804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
【0221】
また、図28は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0222】
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
【0223】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0224】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0225】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112、S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0226】
次に、通常処理の流れを図30のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。まず始めに、ステップS201では、タイマ割込み処理を実行する。タイマ割込み処理が実行されると、各種入賞スイッチの読込み処理が行われる。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但しRAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0227】
その後、ステップS202では、始動口33a,33bへの遊技球の入球に伴う始動処理を実行する。具体的には、始動口スイッチ224からの検出信号に基づき、始動口33a,33bに遊技球が入球したか否かを判別し、受信してない場合にはこの始動処理を繰り返し行う。又、受信した場合には、続くステップS203において、可変入賞装置ユニット32の駆動処理を実行する。なお、前記駆動処理に合わせて、始動口33a,33bへの遊技球の入球に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理も行われる。
【0228】
前記駆動処理が実行されると、可変入賞装置ユニット32において羽根405a,405bが所定時間だけ開状態となる。なお、本実施の形態では、始動口スイッチ224から検出信号を受信した場合には羽根405a,405bが1回開放される(勿論、2回、或いはそれ以上(例えば3回)繰り返して開放されることとしてもよい)。そして、羽根405a,405bが開状態のときに、遊技球が可変入賞装置ユニット32内に入ると、遊技球は遊技球転動部404から誘導通路406を介して遊技球振分け機構402へ導かれる。このとき、カウントスイッチ233によって遊技球が検出され、検出信号が主制御装置261へ送信される。そして、ステップS204において、入賞確認処理が実行される。入賞確認処理が実行されると、当該入賞に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理と、各種カウンタ値等の確認処理とが行われる。例えば、上記発射球数計数カウンタ等のカウント値や、記憶手段に記憶されている各種数値を参酌して、その値を確認する処理が行われる。
【0229】
その後、ステップS205では、特別遊技状態発生確認処理が行われる。遊技球が遊技球振分け機構402へ導かれると、遊技球は回転体414のいずれかの収容部に収容される。ここで、遊技球が第3収容部423に収容された場合には、遊技球が上記特定領域に導かれ、特定領域スイッチ222によって検出される。特別遊技状態発生確認処理では、この検出信号を受信したか否か、すなわち遊技球が特定領域に入賞したか否かを判別する。そして、遊技球が特定領域に入賞した場合には、ステップS206において、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生処理が実行され、一旦通常処理が終了する。
【0230】
なお、図示は省略するが、上記特別遊技状態発生処理の実行に先だって、後述する切換措置に関する各種データ(カウント値や記憶値)を消去(クリヤ)する。また、特別遊技状態発生処理が実行される場合おいて、それまで切換措置発生処理が実行されていた場合には、当該切換措置を終了させる。
【0231】
さて、遊技球が特定領域に入賞しなかった場合には、ステップS207に移行し、切換措置発生判別処理を実行する。この処理においては、先ず上記開放回数記憶手段に記憶された過去10回分(遊技球1000個が発射された間)のデータを参酌して総開放数が20回より少ないという条件を満たしているか否かを判別し、この条件を満たしていない場合には、ステップS202に戻る。
【0232】
そして、上記総開放数が20回より少ないという条件を満たしている場合には、ステップS208に移行する。そして、ステップS208において、切換措置発生処理が実行され、一旦通常処理が終了する。なお、上記切換措置発生判別処理では、前記開放回数記憶手段において過去10回分のデータが記憶されていない場合には、上記総開放数が20回より少ないという条件を満たしているか否かを判別する処理の代わりに、総開放数が、データが記憶された記憶エリアの数以上であるという条件を満たしているか否かといった判別処理が行われることとしてもよい。
【0233】
ここで、切換措置発生処理について説明する。この切換措置発生処理は、第1の切換措置〜第3の切換措置からなり、この処理が実行されると、まず第1の切換措置がとられる。すなわち、それまで(通常遊技状態中)には無効化されていた、前記小物口34a,34bの遊技球の通過が有効化される。より詳しくは、小物口34a,34bを遊技球が通過した場合、小物口スイッチ225により、その旨が検出され、その検出信号に基づいて、主制御装置261は、ソレノイドを駆動制御する。これにより、前記始動口33a,33bが所定時間(例えば1.6秒間)、所定回数(例えば3回)だけ、作動状態となる。つまり、前記ソレノイドが駆動され、羽根部材がより一層開放される。当該開放により、始動口33a,33bへ遊技球が入球しやすい状態になる。換言すれば、通常状態から始動口33a,33bへの単位時間当たりの入球率が増大させられた「第1入球手段入球率増大状態」、「第1状態」へと切換えられることとなる。
【0234】
一般に、始動口33a,33bへ入球しやすくなることで、特別遊技状態の発生の期待度は高められるが、それでも特定領域に遊技球が入球しないこともある。本実施の形態では、かかる場合に対応するべく、第2の切換措置をとりうることとしている。
【0235】
より詳しくは、主制御装置261は、第1の切換措置を実行した後、開放回数計数カウンタによりカウントされた値(開放数)が20回に達したか否かを判別し、20回に達していない場合には、20回に達するまで待機する。また、20回に達した場合には、過去羽根開放20回中において、記憶手段に記憶された入賞回数計数カウンタの値(第1の切換措置が実行されてからの可変入賞装置32への総入賞数)が、10個未満であるか否かを判断し、総入賞数が10個以上の場合には、第2入球手段関連特定条件が満たされていないものとして待機する。なお、開放回数計数カウンタの値が「5」増大する毎に、記憶手段に記憶されるデータは更新される。
【0236】
そして、過去羽根開放20回中において、記憶手段に記憶された入賞回数計数カウンタの値(第1の切換措置が実行されてからの可変入賞装置32への総入賞数)が、10個未満の場合には、第2入球部関連特定条件が満たされたものとして、主制御装置261により、第2の切換措置がとられる。
【0237】
すなわち、この措置が実行されると、主制御装置261により可変駆動装置ユニット35a,35bを駆動制御する処理が行われ、当該ユニット35a,35bの移動体453が所定回数上下動を行う。詳しくは、移動体453は、1秒かけて最上位置まで上昇し、1秒かけて最下位置まで下降する動作を2回繰り返し行う。従って、この際、遊技者が可変駆動装置ユニット35a,35bに向けて遊技球を発射すると、そのうちのいくつかは上述したように通過口455bを通って誘導リブ454に導かれ、落下口457へ落下し、誘導流路Y1を通って可変入賞装置ユニット32内へ導かれる。つまり、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が可変入賞装置ユニット32へ入球しやすくなる。換言すれば、上記「第1入球手段入球率増大状態」から可変入賞装置ユニット32への単位時間当たりの入球率が増大させられた「第2入球手段入球率増大状態」、「第2状態」へと切換えられることとなる。
【0238】
一般に、可変入賞装置ユニット32へ入球しやすくなることで、特別遊技状態の発生の期待度はさらに高められるが、それでも特定領域に遊技球が入球しないこともある。本実施の形態では、かかる場合に対応するべく、第3の切換措置をとりうることとしている。
【0239】
より詳しくは、主制御装置261は、第2の切換措置を実行した後、外れ回数計数カウンタによりカウントされた値(外れ個数)が10回に達したか否かを判別し、10回に達していない場合には、10回に達するまで待機する。また、10回に達した場合には、特定入球部関連特定条件が成立したものとして、第3の切換措置が実行される。なお、外れ回数計数カウンタによりカウントされた値(外れ個数)が10回に達したか否かを判断することに代えて、入賞回数計数カウンタによりカウントされた値(入賞数)が10回に達したか否かを判別した上で、外れ回数計数カウンタによりカウントされた値(外れ個数)が10回に達したか否かを判断することとしてもよいし、入賞回数計数カウンタによりカウントされた値(入賞数)が10回に達したか否かのみを判別することとしてもよい(いずれにせよ、これらの値は大当たり状態の発生に基づきクリアされるものである)。
【0240】
さて、この第3の切換措置が実行されると、主制御装置261により、第1遮蔽機構431が作動させられる。より詳しくは、第1ソレノイド436が励磁される。これにより、作動部435が回動し、第1シャッタ437は第1通過口425を閉状態とする位置に移動し、これにより第1通過口425が閉鎖される格好となる。そのため、遊技球が第1通過口425を通過できなくなる。
【0241】
従って、当該閉鎖以後、可変入賞装置ユニット32に入球した遊技球のうち、特定領域に入球せず、第1収容部421に収容されたものは、各第1収容部421に次々に貯留されてゆく。この場合、次に入球する遊技球は、前記貯留された分だけ、第3収容部423に収容される確率が高められることとなる。つまり、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が特定領域へ入球しやすくなる。換言すれば、上記「第2入球手段入球率増大状態」から特定領域への単位時間当たりの入球率が増大させられた「特定入球部入球率増大状態」、「第3状態」へと切換えられることとなる。例えば、当初、遊技球振分け機構402へ導かれた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/10である。しかし、上記第3の措置が実行されることで、初めに導かれてきた遊技球が第1収容部421に収容され停留した場合には、次に導かれてきた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/9となる。このように、第3収容部423に遊技球が収容されないまま、遊技球振分け機構402へ次々に遊技球が導かれ、第1収容部423に収容され停留されていったとすると、第3収容部423に遊技球が収容される確率は、第1収容部421に停留している遊技球の数に応じて高くなる。なお、第2収容部422には遊技球が停留されないため、第3収容部423に収容される確率は最大で1/2となる。
【0242】
次に、特別遊技状態発生処理の流れを図31のフローチャートを参照しながら説明する。まず始めに、ステップS211では、可変入賞装置ユニット32の駆動処理を実行する。具体的には、羽根405a,405bの開閉処理、及び、遊技球停留処理が行われる。前記開閉処理が実行されると、羽根405a,405bの開閉が所定回数(例えば18回)行われる。遊技球停留処理が実行されると、主制御装置261から第1遮蔽機構431及び第2遮蔽機構432へ制御信号が送信され、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が励磁される。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が閉鎖され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球は、通過口425,427から排出されず、各収容部に停留する。そして、ステップS212において、入賞処理が行われる。この入賞処理が実行されると、当該入賞に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理と、カウントスイッチ233から検出信号に基づき入賞数をカウントする入賞数カウント処理が行われる。
【0243】
続くステップS213では、ラウンド終了判別処理が実行される。ラウンド終了判別処理は、所定終了条件を満たしているか否か、例えば前記駆動処理が開始されてから所定時間経過したか、前記入賞カウント数が所定個数に達したか等を判別し、所定終了条件を満たしていない場合には、ステップS212に戻る。又、所定条件を満たしている場合には、その後ステップS214においてラウンド終了処理を実行する。具体的には、遊技球停留解除処理が実行される。すなわち、主制御装置261から第1遮蔽機構431及び第2遮蔽機構432へ制御信号が送信され、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が非励磁状態に戻される。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が開放され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球が、通過口425,427から排出される。そして、続くステップS215ではラウンド継続判別処理を実行する。この処理では、所定継続条件を満たしているか否か(遊技球が特定領域に入賞したか否か、かつ、所定のラウンド回数に達していないか否か)を判別し、所定継続条件を満たしている場合には、ステップS211に戻る。又、所定継続条件を満たしていない場合には、ステップS216において開放回数記憶手段等のデータ消去処理を行った後、特別遊技状態発生処理を終了し、上記通常処理に戻る。
【0244】
なお、本実施の形態では、通常、遊技球振分け機構402へ導かれた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/10である。しかし、上記特別遊技状態が発生して上記遊技球停留処理が行われることにより、初めに導かれてきた遊技球が第1収容部421に収容され停留した場合には、次に導かれてきた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/9となる。このように、第3収容部423に遊技球が収容されないまま、遊技球振分け機構402へ次々に遊技球が導かれ、第1収容部423に収容され停留されていったとすると、第3収容部423に遊技球が収容される確率は、第1収容部421に停留している遊技球の数に応じて高くなる。なお、第2収容部422には遊技球が停留されないため、第3収容部423に収容される確率は最大で1/2となる。
【0245】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図32は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0246】
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
【0247】
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0248】
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
【0249】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0250】
次に、払出制御処理の流れを図33のフローチャートを参照しながら説明する。
【0251】
図33において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
【0252】
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
【0253】
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
【0254】
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図34)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば」(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
【0255】
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図35)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
【0256】
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
【0257】
ここで、図34に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0258】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0259】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0260】
また、図35に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0261】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0262】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0263】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、所定個数(本実施の形態では1000個)の遊技球が発射された間の羽根405a,405bの総開放数が所定回数(本実施の形態では20回)より少ないという条件を満たしている場合、つまり、羽根405a,405bの開放が行われる割合が比較的少ない場合には、遊技球が始動口33a,33bへ入球し易くなるよう、上記第1の切換措置が実行される(通常状態から第1入球手段入球率増大状態へ切換えられる)。従って、遊技球の発射数が比較的多い割に、羽根405a,405bの開放回数が比較的少ないといった状況を緩和するとともに、遊技球が始動口33a,33bへ入球し易くなることで、特別遊技状態の発生する機会も増え、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。特に、特別遊技状態の発生につながる羽根405a,405bの開放といった遊技者にとって有利な処理が行われる回数が少ない場合、つまり遊技者にとって不利な状況が比較的長く続いた場合等において、その効果がより一層高まり、遊技者にとっての興趣の低下抑制が図られる。さらに、遊技球が始動口33a,33bへ案内されにくいような状況下において、その効果は高まる。
【0264】
また、本実施の形態では、第1の切換措置が実行されたにも係わらず、なかなか可変入賞装置ユニット32に入球しない場合、つまり、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、第2の切換措置が実行される。より詳しくは、遊技状態が、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ可変駆動装置ユニット35a,35bの駆動制御処理が行われる。これにより、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が可変入賞装置ユニット32へ入球しやすくなる(第2入球手段入球率増大状態へと切換えられる)。従って、始動口33a,33bに入球しやすくなったにもかかわらず、可変入賞装置ユニット32に入球する個数が比較的少ないといった状況を緩和するとともに、遊技球が可変入賞装置ユニット32へ入球し易くなることで、特別遊技状態の発生する機会も増え、遊技者にとっての興趣のさらなる向上を図ることができる。特に、特別遊技状態の発生につながる可変入賞装置32への入賞といった遊技者にとって有利な処理が行われる回数が少ない場合、つまり遊技者にとって不利な状況が比較的長く続いた場合等において、その効果がより一層高まり、遊技者にとっての興趣の低下抑制が図られる。さらに、遊技球が可変入賞装置32へ案内されにくいような状況下において、その効果は高まる。
【0265】
さらに、本実施の形態では、第2の切換措置が実行されたにも係わらず、なかなか特別遊技状態が発生しない場合、つまり、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、第3の切換措置が実行される。より詳しくは、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、第1遮蔽機構431の駆動制御処理が行われる。これにより、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が特定領域へ入球しやすくなる(特定入球部入球率増大状態へと切換えられる)。従って、可変入賞装置ユニット32に入球しやすくなったにもかかわらず、特定領域へなかなか入球しないといった状況を緩和するとともに、遊技球が特定領域へ入球し易くなることで、特別遊技状態が発生しやすくなり、遊技者にとっての興趣のさらなる向上を図ることができる。特に、上記のような段階的な措置を実行したにもかかわらず、特別遊技状態が発生しない場合において、このような特別意遊技状態に直結する措置が実行されることで、その効果がより一層高まり、遊技者にとっての興趣の低下抑制が図られる。しかも、上記のように、いわば段階的(多段階的:3段階)な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。
【0266】
また、上述したように、内枠12の左右一側部(左側部、図8の右側)には補強部材を構成する長尺状の支持金具235を上下方向へ延びるように設けるとともに、内枠12の左右他側部(右側部、図8の左側)には内枠12及び前面枠セット14の開放を禁止するように施錠する施錠機構G1を設け、図8等を参照して分かるように、遊技盤30を内枠12の幅内において前記支持金具235及び連動部材G2を左右に振り分けて配置するための領域を残した幅となるように形成するとともに、図4等を参照して分かるように、遊技盤30の左右両側部には内枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部を形成し、さらに、レール部材を構成するレールユニット50のうち、遊技領域の最大幅となる位置を、遊技盤30の左右端位置に至るように配設することにより、遊技領域の拡張が図られている。
【0267】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0268】
(a)上記実施の形態では、第1の切換措置として、小物口34a,34bへの遊技球の通過を有効化し、該通過が小物口スイッチ225で検出された場合に、始動口33a,33bをより開放させることで、始動口33a,33bへ入球しやすくなるよう構成されている。これに限らず、遊技球が始動口33a,33bへ入球しやすくなる別の措置をとることとしてもよい。例えば、前記始動口33a,33bへ案内させる誘導流路(図示略)を設け、羽根405a,405bの開放が行われる割合が少ない場合には、誘導流路の端部に設けられた可変駆動装置ユニット(上記35a,35bに準ずるもの)を駆動せしめることで、遊技球が始動口33a,33bへ入球し易くなるよう構成してもよい。もちろん、誘導流路によって導かれる先を始動口33a,33bとした構成としてもよい。
【0269】
(b)上記実施の形態では、第2の切換措置として、遊技球が誘導流路Y1によって導かれることで、可変入賞装置ユニット32へ入球し易くなるよう構成されている。これに限らず、遊技球が可変入賞装置32へ入球しやすくなる別の措置をとることとしてもよい。例えば、羽根405a,405bが開状態となる時間を増大させる、開放回数を増大させる、開放量を増大させるといった措置が考えられる。
【0270】
(c)上記実施の形態では、第3の切換措置として、第1遮蔽機構431の駆動制御処理が行われることで、遊技球が第1収容部421に収容されやすくし、もって特定領域の入球確率が高められるよう構成されている。これに限らず、遊技球が特定領域へ入球しやすくなる別の措置をとることとしてもよい。例えば、特定領域を拡張したり、特定領域の数を増やしたり、特定領域(第3収容部423)に案内されやすくしたりするといった措置が考えられる。
【0271】
(d)上記実施の形態においては、切換措置が実行された場合、最終的には特別遊技状態が発生するまで継続的に実行されるようになっている。これに対し、各切換措置の発生に伴う切換措置を有限とし、所定時間内に限り、或いは所定条件成立期間中に限り、切換措置を実行する構成としてもよい。例えば、第3の切換措置が実行されてから、可変入賞装置ユニット32への5個の入賞があるまで当該措置を継続し、5個の入賞があった以降は切換措置を解除するような構成としてもよい。
【0272】
(e)上記実施の形態における各切換措置(入球補助)が行われる条件を別の条件としてもよい。例えば、遊技球の発射回数が所定回数行われた際に、所定の抽選手段により抽選処理を行い、その抽選結果に基づき所定の切換措置が行われる構成としてもよい。
【0273】
(f)上記実施の形態では詳述しなかったが、もちろん切換措置の実行処理に関する情報も、上記電源断時等において実行されるバックアップにより、一時記憶されることとしてもよい。
【0274】
(g)上記実施の形態では、始動口33a,33bの羽根部材が第1の切換措置が行われる際に、可変駆動装置ユニット35a,35bが、第2の切換措置が行われる際にそれぞれ駆動されるようになっているが、これに限らず、通常時であっても、駆動制御される構成となっていてもよい。例えば、小物口34a,34bの遊技球の通過を通常時から有効化しておくとともに、該通過に基づき所定条件が成立した場合に羽根部材が一瞬開放されるよう構成し、第1の切換措置が行われる際には、羽根部材が開放される頻度、回数、開放時間等が長くなるような構成を採用してもよい。また、移動体453が常時上下動を行うよう構成するとともに、第2の切換措置が行われる際には、遊技者にとって有利に働くよう、移動体453の動作速度が遅くなる、最上位置における停留時間が長くなる等の制御が行われるような構成としてもよい。
【0275】
(h)上記実施の形態では、第1の切換措置に関する条件において、発射される遊技球を発射球検出スイッチSW1により検出する処理、つまり遊技球の発射回数を、遊技状況(遊技時間や消費される遊技球数等に対する羽根405a,405bの開放回数の割合が多いか少ないか等)を判断する上での判別基準としている。判別基準は、これに限られるものではなく、例えば、始動口33a,33b等への遊技球の入球回数等を判別基準としてもよい。
【0276】
(i)上記実施の形態では、羽根405a,405bの開放回数が遊技球の発射回数に比べてどれくらい割合で行われているかという判別処理のもとに、上記第1の切換措置を行うか否かが決定される。すなわち、遊技状況の判別を行うにあたり、羽根405a,405bの開放回数を、上記切換措置が行われるか否かの判別対象(所定の設定数値と比較する対象)としている。判別対象はこれに限られるものではなく、例えば、始動口33a,33b等への遊技球の入球回数等を判別対象としてもよい。
【0277】
(j)上記実施の形態では、いわゆる第2種のパチンコ機10が実施例として挙げられているが、これに限らず、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機や他の遊技機等として実施することも可能である。例えば、いわゆる第3種のパチンコ機として実施してもよい。
【0278】
(k)上記実施の形態では、第1の切換措置、第2の切換措置、第3の切換措置が段階的に実行される場合について具体化されているが、第1の切換措置及び第2の切換措置が実行される場合について具体化してもよいし、第2の切換措置及び第3の切換措置が実行される場合について具体化してもよいし、第1の切換措置及び第3の切換措置が実行される場合について具体化してもよい。
【0279】
(l)また、上記実施の形態では、遊技状態が通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切り換えられ、第1入球手段入球率増大状態から第2入球手段入球率増大状態へと切り換えられ、第2入球手段入球率増大状態から特定入球部入球率増大状態へと切り換えられることとしている。これに対し、各切換措置が実行された後、一旦別の遊技状態へ切り換えられることとしてもよい。例えば、遊技状態が通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切り換えられてから、所定時間経過後、再度通常状態へと切り換えられ、所定条件成立後、第2入球手段入球率増大状態へと切り換えられるような構成を採用してもよい。
【0280】
(m)第1の切換措置のみならず、発射された遊技球数を各条件に加えることとしてもよい。例えば、第2の切換措置に際しては、1500個が発射されていること、第3の切換措置に際しては、2000個が発射されていること等の条件を付加してもよい。
【0281】
(n)第3の切換措置に際し、第2遮蔽機構432をも併せて駆動制御することとしてもよい。この場合において、例えばパチンコ機の前面側に解除ボタン等を設置しておき、第3収容領域部423に収容された遊技球を確認した遊技者が、当該解除ボタンを押圧操作することで、貯留が解除され、特定領域への入球が許容されるよう構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】前面枠セットの構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図8】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図9】内枠の背面構成を示す斜視図である。
【図10】支持金具の構成を示す斜視図である。
【図11】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図12】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図13】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図14】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図15】第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図16】第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図17】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図18】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図19】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図20】タンクレールの分解斜視図である。
【図21】可変入賞装置ユニットの正面図である。
【図22】遊技球振分け機構の斜視図である。
【図23】遊技球振分け機構の一部を示す分解斜視図である。
【図24】可変駆動装置ユニットの正面図である。
【図25】移動体が最下位置にある時の可変駆動装置ユニットの斜視図である。
【図26】移動体が最上位置にある時の可変駆動装置ユニットの斜視図である。
【図27】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図28】主制御装置におけるメイン処理を説明するためのフローチャート図である。
【図29】NMI割込み処理を説明するためのフローチャート図である。
【図30】通常処理を説明するためのフローチャート図である。
【図31】特別遊技状態発生処理を説明するためのフローチャート図である。
【図32】払出制御装置におけるメイン処理を説明するためのフローチャート図である。
【図33】払出制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【図34】賞球制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【図35】貸球制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
10…遊技機としてのパチンコ機、30…遊技盤、32…第2入球手段を構成する可変入賞装置ユニット、33a,33b…第1入球手段を構成する始動口、35a,35b…振分け手段を構成する可変駆動装置ユニット、221…入賞口スイッチ、222…特定入球検出手段としての特定領域スイッチ、223…カウントスイッチ、224…第1入球検出手段を構成する始動口スイッチ、228…発射手段を構成するセットハンドル、229…発射手段を構成する発射モータ、261…主制御装置、403…移動体、405a,405b…羽根、431…閉塞手段を構成する第1遮蔽機構、453…移動体、454…誘導リブ、455a,455b…通過孔、456…延出部、457…落下口、SW1…発射球検出手段としての発射球検出スイッチ、Y1…球誘導手段を構成する誘導流路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機の一種として、例えば遊技盤に開放始動口及び可変入賞装置が設けられ、開放始動口へ遊技球が入球することに基づき可変入賞装置が開放し、この開放時において可変入賞装置へ入球した遊技球の挙動に起因して特別遊技状態へ移行する遊技機、例えばパチンコ機等が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技機にあっては、1つの遊技球が開放始動口に入球し、可変入賞装置が開放している時に、他の遊技球がタイミングよく可変入賞装置に入球し、なおかつ、可変入賞装置に入球した遊技球が特定の挙動をする(例えば特定入球部に入球する)ことで、特別遊技状態に移行させられる。つまり、遊技者は、上記の条件を段階的に満たす過程を堪能しながら遊技を行う。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−197312号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方で、各段階における条件が全て満たされない限りは、特別遊技状態への移行が行われない。このため、遊技者にとって、特別遊技状態までの道程が著しく遠いものに感じられる場合がある。そして、このような印象を抱いてしまった場合、この種の遊技機での遊技を敬遠する要因ともなりかねない。かかる意味で、さらなる興趣の向上が望まれている。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、パチンコ機等の遊技機において、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0007】
手段1.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0008】
手段1によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0009】
なお、上記「入球率を増大せしめる」とあるのは、遊技領域に案内される遊技球が、入球する可能性、期待値又は割合が高くされることをいう。従って、例えば、「入球率」なる記載に代えて、「単位時間あたりの入球率」、或いは、「遊技領域へ案内される遊技球1個あたりの入球率(期待値)」と置き換えることも可能である(以下、各手段において同様)。なお、「遊技状態」とは、特別遊技状態の発生時を除き、遊技球が発射手段により発射され、遊技領域へ案内された遊技球が上記第1入球手段へ入球可能であるとともに、各種過程を経ることによって、上記第1入球手段又は特定入球部へ入球可能である状態を指し、例えば、「通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態」とあるのは、第1入球手段への入球率の統計をとった場合に、通常状態より第1入球手段入球率増大状態の方が、入球率が高くなる割合が高いことを少なくとも意味している(以下、各手段において同様)。また、上記「特別遊技状態へ移行させるための移行処理」には、例えば、実際に特別遊技状態の発生処理へ移行する処理や、特別遊技状態の発生処理を行うか否かを決定する処理(所定の抽選処理)等が含まれる(以下、各手段において同様)。また、上記「通常状態」とあるのは、「特別遊技状態が発生していない状態」であって、なおかつ、例えば「開閉部材が開閉されていない状態」、或いは「開閉部材制御手段により開閉部材の開閉制御処理が実行されていない状態」等を挙げることができる(以下、各手段において同様)。
【0010】
手段2.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0011】
手段2によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段関連特定条件が成立することで、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、この場合には、いわば段階的な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0012】
手段3.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0013】
手段3によれば、第2入球手段関連判断手段により第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0014】
手段4.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第2入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0015】
手段4によれば、第2入球手段関連判断手段により第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、特定入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部関連特定条件が成立することで、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、この場合には、いわば段階的な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0016】
手段5.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0017】
手段5によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0018】
手段6.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0019】
手段6によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部関連特定条件が成立することで、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、この場合には、いわば段階的な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0020】
手段7.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段7によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。さらに、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、それまでの状態から特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、それまでの状態よりも特定入球部への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、例えば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。また、例えば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部入球率増大状態へと切換えられることで、遊技者にとっての期待感が高められることがある。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0022】
手段8.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部への入球に関連する特定入球部関連特定条件が成立したか否かを判断する特定入球部関連判断手段と、
前記特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第2入球手段入球率増大状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる特定入球部入球率増大状態へと切換える特定入球部入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0023】
手段8によれば、第1入球手段関連判断手段により第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1入球手段入球率増大状態にあるとき、第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ、第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。さらに、遊技状態が、前記第2入球手段入球率増大状態にあるとき、特定入球部関連判断手段により、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、特定入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2入球手段関連特定条件が成立することで、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられる。また、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、特定入球部関連特定条件が成立することで、特定入球部入球率増大状態へと切換えられる。かかる場合には、いわば段階的(多段階的)な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0024】
手段9.前記第1入球手段関連判断手段は、特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、前記特定値に達するまでの間の前記第1入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、前記第1入球手段関連特定条件が成立したと判断することを特徴とする手段1乃至4並びに7及び8のいずれかに記載の遊技機。
【0025】
手段9によれば、特定処理の実行回数の計数値が特定値に達した場合であって、特定値に達するまでの間の第1入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、遊技球が第1入球手段へ入球しやすくなる。従って、特定処理の実行回数が比較的多い割に、第1入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたとき、一転して遊技者の期待感が高められることとなる。その結果、遊技者にとっての興趣が低下していたのが、一転向上させられることとなり上記効果を一層高めることができる。なお、「前記第1入球手段への遊技球の入球数」に代えて、「前記開閉部材の開放回数」としてもよい。
【0026】
手段10.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記遊技領域に案内された遊技球数であることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
【0027】
手段10によれば、遊技領域に案内された遊技球数が比較的多い割に、第1入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0028】
手段11.前記特定処理回数計数手段の計数値は、遊技球が前記遊技領域に案内されている累積時間又はそれに準ずる計数値であることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
【0029】
手段11によれば、遊技球が遊技領域に案内されている累積時間等、いわば遊技時間が比較的長い割に、第1入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0030】
手段12.前記特定入球部関連判断手段は、特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、前記特定値に達するまでの間の前記特定入球部への入球数がゼロであるとき、前記特定入球部関連特定条件が成立したと判断することを特徴とする手段3乃至8、及び、9乃至11(但し、手段1,2に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0031】
手段12によれば、特定処理の実行回数の計数値が特定値に達した場合であって、特定値に達するまでの間の特定入球部への遊技球の入球数がゼロであるとき、遊技球が特定入球部へ入球しやすくなる。従って、特定処理の実行回数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたとき、一転して遊技者の期待感が高められることとなる。その結果、遊技者にとっての興趣が低下していたのが、一転向上させられることとなり上記効果を一層高めることができる。
【0032】
手段13.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記遊技領域に案内された遊技球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0033】
手段13によれば、遊技領域に案内された遊技球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0034】
手段14.前記特定処理回数計数手段の計数値は、遊技球が前記遊技領域に案内されている累積時間又はそれに準ずる計数値であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0035】
手段14によれば、遊技球が遊技領域に案内されている累積時間等、いわば遊技時間が比較的長い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0036】
手段15.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第1入球手段への入球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0037】
手段15によれば、第1入球手段への入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0038】
手段16.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記開閉部材の開放回数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0039】
手段16によれば、開閉部材の開放回数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0040】
手段17.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第2入球手段への入球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0041】
手段17によれば、第2入球手段への入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0042】
手段18.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第2入球手段へ入球した遊技球のうち、前記非特定領域に入球した遊技球の入球数であることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0043】
手段18によれば、第2入球手段への入球した遊技球のうち、非特定領域に入球した遊技球の入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0044】
手段19.前記第2入球手段関連判断手段は、特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、前記特定値に達するまでの間の前記第2入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、前記第2入球手段関連特定条件が成立したと判断することを特徴とする手段1乃至18(但し、手段5,6に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0045】
手段19によれば、特定処理の実行回数の計数値が特定値に達した場合であって、特定値に達するまでの間の第2入球手段への遊技球の入球数が所定数未満であるとき、遊技球が第2入球手段へ入球しやすくなる。従って、特定処理の実行回数が比較的多い割に、第2入球手段への遊技球の入球数が少ないといった状況が生じたとき、一転して遊技者の期待感が高められることとなる。その結果、遊技者にとっての興趣が低下していたのが、一転向上させられることとなり上記効果を一層高めることができる。
【0046】
手段20.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記遊技領域に案内された遊技球数であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0047】
手段20によれば、遊技領域に案内された遊技球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0048】
手段21.前記特定処理回数計数手段の計数値は、遊技球が前記遊技領域に案内されている累積時間又はそれに準ずる計数値であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0049】
手段21によれば、遊技球が遊技領域に案内されている累積時間等、いわば遊技時間が比較的長い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0050】
手段22.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記第1入球手段への入球数であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0051】
手段22によれば、第1入球手段への入球数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0052】
手段23.前記特定処理回数計数手段の計数値は、前記開閉部材の開放回数であることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0053】
手段23によれば、開閉部材の開放回数が比較的多い割に、特定入球部へ入球しないといった状況が生じたときに、上記効果が奏される。
【0054】
手段24.前記特別遊技状態移行制御手段による、特別遊技状態への移行処理に伴い、前記特定処理回数計数手段の計数値を消去する消去手段を設けたことを特徴とする手段9乃至23のいずれかに記載の遊技機。
【0055】
手段24によれば、特別遊技状態への移行に伴い、計数値が消去されるため、遊技者に有利な特別遊技状態に移行したにもかかわらず、遊技者を補助しうる各種切換制御、ひいてはその制御による各種入球が行われてしまうといった不具合(例えば遊技場側にとっての不利益)を防止することができる。
【0056】
手段25.前記特定処理回数計数手段の計数値を記憶しておく記憶手段を設け、前記特別遊技状態移行制御手段による、特別遊技状態への移行処理に伴い、前記記憶手段にて記憶された計数値を消去する消去手段を設けたことを特徴とする手段9乃至23のいずれかに記載の遊技機。
【0057】
手段25によれば、特別遊技状態への移行に伴い、記憶された計数値が消去されるため、遊技者に有利な特別遊技状態に移行したにもかかわらず、遊技者を補助しうる各種切換制御、ひいてはその制御による各種入球が行われてしまうといった不具合(例えば遊技場側にとっての不利益)を防止することができる。
【0058】
手段26.前記第1入球手段は、入球を許容する開口部が比較的狭い状態と比較的広い状態との間で切換可能に構成され、第1入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記第1入球手段の前記開口部を前記比較的広い状態に切換える又は切換える頻度を高める(切換えられている時間を長くすることも含む)ことで、前記第1入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至25(但し、手段3,4に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0059】
手段26によれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられると、第1入球手段の開口部が比較的広い状態に切換えられる又は切換えられる頻度が高められ。これにより、第1入球手段へ遊技球を比較的容易に入球させることができる。
【0060】
手段27.第1入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記第1入球手段又はその近傍まで遊技球を誘導可能とすることで、前記第1入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至25(但し、手段3,4に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0061】
手段27によれば、第1入球手段入球率増大状態へと切換えられると、第1入球手段又はその近傍まで遊技球が誘導させられる。これにより、第1入球手段へ遊技球を比較的容易に入球させることができる。
【0062】
手段28.第2入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記開閉部材制御手段により前記開閉部材の開放制御が実行されるに際し、前記開閉部材の開放量、開放回数及び開放時間のうち、少なくとも1つを増大させることで、前記第2入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至27(但し、手段5,6に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0063】
手段28によれば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられると、開閉部材制御手段により前記開閉部材の開放制御が実行されるに際し、前記開閉部材の開放量、開放回数及び開放時間のうち、少なくとも1つが増大させられる。これにより、第2入球手段へ遊技球を比較的容易に入球させることができる。
【0064】
手段29.第2入球手段内へ遊技球を誘導可能な球誘導手段と、前記遊技球を球誘導手段へ導入するか否かを振り分ける振分け手段とを設けるとともに、第2入球手段入球率増大状態切換制御手段は、前記振分け手段を、球誘導手段へ導入可能状態に制御することで、前記第2入球手段入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至27(但し、手段5,6に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0065】
手段29によれば、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられると、振分け手段が、球誘導手段へ遊技球を導入可能状態に制御される。これにより、遊技球は球誘導手段へ導入され、該導入により第2入球手段へ比較的容易に入球させることができる。
【0066】
手段30.特定入球部入球率増大状態切換制御手段は、前記非特定入球部への入球確率を低下させることで、前記特定入球部入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至29(但し、手段1,2に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0067】
手段30によれば、特定入球部入球率増大状態へと切換えられると、非特定入球部への入球確率が低下させられる。これにより、特定入球部へ比較的容易に入球させることができる。
【0068】
手段31.前記非特定入球部は、複数の領域を具備し、各領域に遊技球が入球した場合、当該領域に前記遊技球を停滞させることで、当該領域を遊技球で閉塞可能とする閉塞手段を設け、特定入球部入球率増大状態切換制御手段は、前記閉塞手段を作動させることで、前記特定入球部入球率増大状態へと切換制御することを特徴とする手段1乃至29(但し、手段1,2に係るものを除く)のいずれかに記載の遊技機。
【0069】
手段31によれば、特定入球部入球率増大状態へと切換えられると、閉塞手段が作動させられ、非特定入球部の複数の領域のいずれかに遊技球が入球した場合、当該領域に遊技球が停滞させられる。このため、当該領域が遊技球で閉塞されることとなり、その分だけ、残り領域が少なくなり特定入球部への入球確率が高められる。結果として、特定入球部へ比較的容易に入球させることができる。
【0070】
手段32.遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
特定処理の実行回数を計数する特定処理回数計数手段の計数値が特定値に達した場合であって、第1の条件が成立したか否かを判断する第1の判断手段と、
前記第1の判断手段により、第1の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1状態へと切換える第1状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第1状態にあるとき、第2の条件が成立したか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により、第2の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第1状態から、当該第1状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2状態へと切換える第2状態切換制御手段と、
遊技状態が、前記第2状態にあるとき、第3の条件が成立したか否かを判断する第3の判断手段と、
前記第3の判断手段により、第3の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、前記第2状態から、当該状態よりも前記特定入球部への入球率を増大せしめる第3状態へと切換える第3状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
【0071】
手段32によれば、第1の判断手段により第1の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、通常状態から第1状態へと切換えられ、当該通常状態よりも第1入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第1入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。また、遊技状態が、前記第1状態にあるとき、第2の判断手段により、第2の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第2状態へと切換えられ、第2入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が第2入球手段へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。さらに、遊技状態が、第2状態にあるとき、第3の判断手段により、第3の条件が成立したと判断されたとき、遊技状態が、第3状態へと切換えられ、特定入球手段への入球率が増大させられる。つまり、遊技球が特定入球部へと入球しやすくなる。これにより、その分だけ特別遊技状態の移行の機会が高められる。このように、各条件の成立に基づき、その分だけ特別遊技状態の発生の機会が高められる。換言すれば、第1状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第2の条件が成立することで、第2状態へと切換えられる。また、第2状態へと切換えられたとしても、特別遊技状態へ移行しない場合があるが、この場合でも、第3の条件が成立することで、第3状態へと切換えられる。かかる場合には、いわば段階的(多段階的)な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。特に、上記各条件が、例えば遊技者にとって不利な状況が長く続いた等の場合に成立すれば、その効果がより一層高められる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的向上を図ることができる。
【0072】
手段33.手段1乃至32のいずれかに記載の遊技機において、
左右一側部側を回動中心に左右他側部側が開閉可能となるように構成され、遊技盤を支持した遊技機本体と、
前記遊技盤の前面に設けられたレール部材により略円形状に区画された遊技領域と、
前記遊技機本体の前面側にて前記左右一側部側を中心に前記左右他側部が開閉可能となるよう支持され、閉鎖状態において前記遊技領域を視認可能な視認窓を有した前面扉と
を備えた遊技機において、
前記遊技機本体の前記左右一側部には長尺状の補強部材を上下方向へ延びるように設けるとともに、前記遊技機本体の前記左右他側部には前記遊技機本体及び前面扉の開放を禁止するように施錠する施錠装置を設け、
該施錠装置は、遊技機本体の前記左右他側部に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材と、遊技機本体の前記左右他側部のうち前記遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ前記連動部材を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材とを備え、該鍵部材の操作による前記連動部材の上下一方への移動により遊技機本体の施錠が解除されるとともに、前記連動部材の上下他方への移動により前記前面扉の施錠が解除されるように構成し、
前記遊技盤を前記遊技機本体の幅内において前記補強部材及び連動部材を左右に振り分けて配置するための領域を残した幅となるように形成するとともに、前記遊技盤の左右両側部には前記遊技機本体の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部を形成し、さらに、前記レール部材のうち、前記遊技領域の最大幅となる位置を、遊技盤の左右端位置に至るように配設することにより、
遊技領域を拡張したことを特徴とする遊技機。
【0073】
手段34.手段1乃至33のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。この場合、遊技領域は主として遊技盤によって構成される。中でも、上記パチンコ機には、遊技者に有利な特別遊技状態への移行処理が行われ、前記特別遊技状態が発生した場合において、開閉可能な開閉部材を有した入球手段(第2入球手段)へ所定個数の遊技球を入球させる遊技が複数回行われるよう構成されるとともに、前記複数回のうちの一遊技中において、前記入球手段へ入球した遊技球のうちのいずれかが特定入球部へ入球することに基づき、次なる一遊技への移行が可能となる遊技機が含まれる。
【0074】
手段35.手段34において、外枠に対し内枠が開閉自在に取り付けられ、内枠の後側には遊技盤が取り付けられ、内枠の前面側には前面枠が開閉自在に取り付けられ、遊技盤の前面側において、前記発射手段により発射された遊技球を案内する誘導レールを構成する外レール構成部及び内レール構成部により略円形状に囲まれることで前記遊技領域が区画形成された構成であって、前記遊技領域が当該遊技領域へ前記遊技領域が、前記前面枠のうち縦の部分が遊技機正面からみて前記誘導レールに重複する程度の大きさとなっていることを特徴とするパチンコ遊技機。
【0075】
上記手段35によれば、前記遊技領域が、前記前面枠のうち縦の部分が遊技機正面からみて前記誘導レールに重複する程度の大きさに構成されており、従来のパチンコ遊技機よりも広い領域となっている。このようなパチンコ遊技機では、従来のパチンコ遊技機以上に上記「発明が解決しようとする課題」で述べた課題等がより顕著に現れるおそれがある。従って、手段1乃至手段29で述べた構成がより効果を発揮することとなる。なお、「前記遊技領域が、前記前面枠のうち縦の部分が遊技機正面からみて前記誘導レールに重複する程度の大きさとなっていること」に代えて又は加えて、「前記遊技領域が、直径を少なくとも380mm以上とする所定の円形領域を含む大きさとなっていること」、「遊技領域の幅が少なくとも380mm以上となっていること」、「遊技領域の高さが少なくとも400mm以上となっていること」、及び「前記遊技盤の表面積に対する前記遊技領域の面積の比率を60パーセント以上となっていること」の少なくとも1つとしてもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する内枠12に対して前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
【0077】
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。
【0078】
また、内枠12及び前面枠セット14は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。両者の成形に合成樹脂を用いることにより、金属製素材を用いた場合と比較してより複雑な形状に対応できるとともに、生産コストの増大を抑制することもできる。また、ABSを用いる利点としては、ポリカーボネイト等の樹脂素材と比較して、生産コストが低い、粘性が強く衝撃に強い等が挙げられる。加えて、例えば前面枠セット14の前面側等の意匠面にメッキ等のコーティング処理を施す場合において、その処理を比較的容易に行いやすく、外観品質のより高いものが製造できるというメリットがある。
【0079】
さて、内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側(後述するハンドル設置箇所の反対側)に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
【0080】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。なお、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12の間の隙間から針金等を進入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
【0081】
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル23とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へ排出するための球抜きレバーである。
【0082】
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。つまり、ハンドル18は、内枠12の開閉軸線とは反対側にあたるパチンコ機10の正面からみて右側に位置しており、ハンドル18の突出に関わりなく内枠12の開放時における所定の開放量を確保できる。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。なお、灰皿26は、下皿15の左側辺部より左方へ突出した図示しない軸棒によって回動可能に支持された、いわゆる片持ち構造となっている。
【0083】
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19(図1参照)が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラスを支持するガラス枠部と一体的に形成されている。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前面枠セット14に対し直接的かつ一体的に上皿19が設けられているため、後述するように前面枠セット14のフレーム部分の幅が従来に比べ比較的細いものであっても、前面枠セット14(ガラス枠部)の所定の強度を確保させることができる。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0084】
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
【0085】
次に、遊技盤30の構成を、図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31a,31b,31c、可変入賞装置ユニット32、始動口33a,33b、小物口(スルーゲート)34a,34b、可変駆動装置ユニット35a,35b等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。始動口33a,33bが本実施の形態における第1入球手段を構成する。可変入賞装置ユニット32が第2入球手段を構成する。
【0086】
ここで、上記一般入賞口31a〜31c等の配設位置について説明する。遊技盤30の略中央部において可変入賞装置ユニット32が配設され、可変入賞装置ユニット32の左右側方においてそれぞれ可変駆動装置ユニット35a,35bが配設され、可変入賞装置ユニット32の斜め上方において小物口34a,34bが配設され、可変入賞装置ユニット32の下方中方において一般入賞口31cが配設され、一般入賞口31cの左右側方においてそれぞれ始動口33a,33bが配設され、各始動口33a,33bの左及び右外方において一般入賞口31a,31bが配設されている。周知の通り前記一般入賞口31a〜31c、可変入賞装置32、始動口33a,33bに遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。本実施の形態では、前記始動口33a,33bは、いわゆる電動チューリップと称される、一対の羽根部材と、当該羽根部材を駆動するソレノイドとによって構成されるものである。本実施の形態では、前記小物口34a,34bの遊技球の通過は、後述する所定の切換措置が実行される場合に限って有効化されるものであって、通常時は無効化されている。なお、所定の切換措置が実行される場合には、前記小物口34を遊技球が通過することを契機として、前記始動口33a,33bが所定時間、所定回数だけ、作動状態となる。つまり、前記ソレノイドが駆動され、羽根部材がより一層開放されるよう構成されている。
【0087】
その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
【0088】
また、遊技盤30には、発射手段としての遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0089】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。外レール構成部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。なお、本実施の形態では、外レール構成部52及び摺動プレート55によって、いわゆる従来の外レールに相当するものが構成されている。そして、内外レール構成部51,52及び摺動プレートをレールユニット50としてユニット化することにより、従来の内外レールを別々に設けた構成に比べて、取付け作業が容易となり作業性が向上する。
【0090】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジN等の固定手段が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。なお、左下のフランジ56においては他の部分(左上部,右上部及び右下部のフランジ56)と比較して、より多く固定手段が使用されている。これは、上記誘導レール及び球案内通路の位置をより適正な位置に固定するためであり、これにより遊技球発射装置から発射された遊技球がより安定して遊技盤30上部へ案内される。加えて、固定手段の数を増やすことでレールユニット50をより強固に固定でき、仮にレールユニット50の成形時において歪みが生じたとしても、その歪みを吸収する効果がある。
【0091】
内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール構成部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のSK1,SK2)を貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
【0092】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール構成部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール構成部52の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール構成部51の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0093】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール構成部52によってではなく内レール構成部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール構成部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール構成部52によって特定される。
【0094】
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0095】
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0096】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
【0097】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0098】
なお、このように、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車27、比較的大型の可変駆動装置ユニット35a,35b、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、可変入賞装置ユニット32の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車27、比較的大型の可変駆動装置ユニット35a,35b、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
【0099】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0100】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の左右方向の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。また、発射レール61を上記構成とするため、本実施の形態では金属板62も従来のものより比較的大きなものとし、それを固定する固定手段の数も従来に比べ多くしている。
【0101】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0102】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール構成部52に沿って流れ、外レール構成部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール構成部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0103】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
【0104】
また、上記前面枠セット14側の球出口には、発射される遊技球を検出するための発射球検出手段としての発射球検出スイッチSW1(図1参照)が設けられている。発射球検出スイッチSW1は、図示しない電気配線を通じて後述する主基板(主制御装置)に接続されている。
【0105】
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。従って、上述したように前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0106】
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のSK1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71から上記シール等を貼り付けることも可能である。
【0107】
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略四角形状の小窓72が設けられ、小窓72に対応して遊技盤30の左上部にも略四角形状の孔部73(図4参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の電飾部102,103等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓72及び孔部73を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
【0108】
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
【0109】
また、内枠12にはアース用金具E1,E2が設けられている(図3参照)。アース用金具E1,E2は、内枠12の背面側において所定の金属部材と接続されている。そして、前面枠セット14が閉じられた状態において、アース用金具E1,E2が後述する補強板131,132と当接することにより短絡するようになっている。
【0110】
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール構成部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、比較的大型の可変入賞装置ユニット32も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0111】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール構成部52の左端部はもちろん、内レール構成部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール構成部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール構成部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0112】
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時(特別遊技状態発生時)等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。
【0113】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
【0114】
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。つまり、補強板131〜134において、樹脂パーツ135の絶縁効果により電気が環状に通ることを防止している。これにより、補強板131〜134におけるノイズのループや環状通電による磁界の発生を抑制することができる。
【0115】
図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
【0116】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
【0117】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
【0118】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール構成部51,52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0119】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール構成部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0120】
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0121】
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール構成部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0122】
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。ここで、前記支持機構について支持金具81,82及び支持金具151,152の関連性をふまえてより詳しく説明する。支持金具151は略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太くなっている。上記支持孔83の切欠の幅は、前記支持金具151の上部の太さより狭く、下部の太さより広くなっている。前面枠セット14の装着手順としては、まず前記支持金具151の下部を前記切欠を介して支持孔83に挿入し、次に支持金具82の突起軸84に支持金具152を差込む。そして、前記切欠位置に対応して前記支持金具151の上部を位置させることで、支持金具151が支持孔83から外れなくなり、前面枠セット14の装着が完了する。
【0123】
なお、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図6参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図3では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
【0124】
ここで、前記施錠機構G1の構成について図8等を参照して説明する。施錠機構G1は、遊技機本体を構成する内枠12の左右一側部(右側部、図8の左側)に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材G2と、内枠12の前記一側部のうち遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ連動部材G2を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材G3(図1等参照)とを備え、該鍵部材G3の操作による連動部材G2の上下一方への移動により内枠12の施錠が解除されるとともに、連動部材G2の上下他方への移動により前面枠セット14の施錠が解除されるように構成されている。
【0125】
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
【0126】
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0127】
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0128】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0129】
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0130】
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0131】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0132】
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0133】
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0134】
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8、図9を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0135】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
【0136】
また、遊技盤30の裏面には、可変入賞装置ユニット32を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31a〜31c、始動口33a,33b等(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図8に仮想線で例示するように、一般入賞口31a〜31c等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0137】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0138】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置ユニット32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0139】
遊技盤30表側の一般入賞口31a〜31cに対応する位置にはそれぞれ入賞口スイッチ220が設けられ、可変入賞装置ユニット32には、非特定領域スイッチ221と、特定領域スイッチ222と、カウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、可変入賞装置ユニット32に入賞した遊技球が後述する特定領域(大当たり状態の発生又は継続を判定するための領域)に入ったことを検出するスイッチであり、非特定領域スイッチ221は、可変入賞装置ユニット32に入賞した遊技球が後述する非特定領域に入ったことを検出するスイッチであり、カウントスイッチ223は、可変入賞装置ユニット32への入賞球をカウントするスイッチである。本実施の形態では、特定領域スイッチ222が特定入球検出手段を構成する。また、始動口33a,33bに対応する位置にはそれぞれ始動口スイッチ224が設けられ、小物口34に対応する位置には小物口スイッチ225(図4参照)が設けられている。始動口スイッチ224が本実施の形態における第1入球検出手段を構成する。
【0140】
入賞口スイッチ220は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、非特定領域スイッチ221、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は入賞装置中継基板227に接続され、さらにこの入賞装置中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、始動口スイッチ224、小物口スイッチ225は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。なお、図8において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。これらセットハンドル228や発射モータ229等により上記遊技球発射装置が構成されている。
【0141】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される(但し、非特定領域スイッチ221、特定領域スイッチ222及び小物口スイッチ225で検出された場合には払出は実施されない)。かかる場合、各種入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞部毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0142】
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
【0143】
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0144】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。なお、従来、遊技球分配部245に相当する部分が裏パックユニット203側に設けられていたため、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)を通じて裏パックユニット203を押すことにより、内枠12と遊技球分配部245に相当する部分との間に隙間が生じ、その隙間を通じて針金等を差し込み、内部機器を操作するといった不正行為が考えられた。そこで本パチンコ機10では、遊技球分配部245として内枠12側に設け、なおかつ固定手段により固定することにより、そのような不正行為を防止している。さらに、遊技球分配部245の上端面は遊技盤30の下端面が設置される高さ位置に合わせて形成されており、遊技盤30の取外しの妨げにならないように工夫されている。
【0145】
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置された上記スピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0146】
次に、第1制御基板ユニット201を図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0147】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0148】
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図11等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
【0149】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0150】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネイト樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成形品であっても良い。
【0151】
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図11等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置ユニット32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0152】
図13及び図14に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0153】
取付台251には、図11における左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図8等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図8等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図7の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0154】
次に、第2制御基板ユニット202を図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。
【0155】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0156】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0157】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0158】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0159】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0160】
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図8等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図8等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図7の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0161】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
【0162】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変入賞装置ユニット32を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の可変入賞装置ユニット32等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0163】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0164】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。なお、バイブレータ360は、パチンコ機の設計変更等による位置変更や故障時等における交換が容易になるよう、モータ等の振動体が本体部であるケース内に収容されたバイブレータ・ユニットとして構成されており、当該ユニットが着脱可能なようにタンクレール356に取付けられている。なお、前記バイブレータ・ユニットは、その本体部(ケース面)がタンクレール356に密着せず、本体部から突出した足部(振動伝達子)を介してタンクレール356の側面に取付けられており、そのバイブ振動がより効果的にタンクレール356に伝達されるよう構成されている。
【0165】
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図20に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0166】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネイト樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0167】
図18,19の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0168】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0169】
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。なお、上記係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。また、本実施の形態では、多くの遊技球が貯留され比較的負荷のかかるタンク355の近傍の係止部M8として、回動式のI型の留め具が採用されている。このため、ナイラッチ等の固定具(差込み式固定具)を用いた場合に比べてより確実に裏パックユニット203(タンク355)の係止を行うことができる。
【0170】
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
【0171】
なお、上述してきた構成により、主制御装置261(基板ボックス263)の取外しは、まず裏パックユニット203を開け(又は取外し)、次に第1制御基板ユニット201を開け(又は取外し)、そして、固定具267を解除操作するという複雑な過程をふむことにより、ようやく行うことができる。このため、主制御装置261(基板ボックス263)の取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。
【0172】
さて、次に上記可変入賞装置ユニット32や可変駆動装置ユニット35a,35b等について図21〜図26を参照してより詳しく説明する。なお、ここでの説明及び図24〜図26においては、可変駆動装置ユニット35a,35bを総称して可変駆動装置ユニット35と示す。可変入賞装置ユニット32や可変駆動装置ユニット35は、図示しない電気配線を通じて上記主制御装置261に接続されており、主制御装置261により制御される。
【0173】
図21は、可変入賞装置ユニット32の正面図である。可変入賞装置ユニット32は、略中空形状の本体部401と、該本体部401の下部において遊技球振分け機構402と、該遊技球振分け機構402の上方において上下動を行う移動体403と、本体部401の上部に設けられた遊技球転動部404と、該遊技球転動部404の左右両側部において開閉可能に軸支された一対の羽根405a,405b(開閉部材を構成する)と、遊技球転動部404の奥側から遊技球振分け機構402へと遊技球を導く誘導通路406とを備えている。なお、誘導通路406の中途位置において上記カウントスイッチ223が設けられている。
【0174】
図22は遊技球振分け機構402の斜視図であり、図23は遊技球振分け機構402の一部を示す分解斜視図である。遊技球振分け機構402は、ベース部411と、該ベース部411の上部に取着された囲枠部412と、ベース部411に固定されたモータ413と、囲枠部412の凹部412aに嵌め込まれ、かつモータ413の回転軸413aに回転可能に軸支された回転体414とを備えている。
【0175】
回転体414は、その周縁に沿って複数(本実施の形態では10個)の収容部を有している。複数の収容部は、複数(本実施の形態では8個)の第1収容部421、1つの第2収容部422、及び1つの第3収容部423によって構成されている。前記第1収容部421は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出可能なように下面が傾斜した略U字状に構成されている。第2収容部422は、回転体414の円周方向に沿って架け渡された架橋下面を有し、遊技球が前記架橋下面から回転体414の中心方向に向けて転出可能なように図示しない落下口を備えた構成となっている。第3収容部423は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出しないように遊技球を抱えることができるよう構成されている。なお、本実施の形態では、回転体414は、通常時や後述する特別遊技状態の発生時において常時回転を継続するよう構成されている。
【0176】
一方、上記囲枠部412の凹部412aには、その側壁部において第1通過口425が形成され、その底部において第2通過口426及び第3通過口427が形成されている。便宜上、符号は省略するが、もちろんベース部411にも第2通過口426及び第3通過口427に対応して孔部が設けられている。
【0177】
第1通過口425は、前記第1収容部421に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第1収容部421の位置が第1通過口425の位置と一致したとき、第1収容部421から遊技球が排出されるようになっている。
【0178】
第2通過口426は、回転体414の中心軸寄りに形成されており、前記第2収容部422に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第2収容部422の落下口の位置が第2通過口426の位置と一致したとき、第2収容部422から遊技球が排出されるようになっている。なお、第1通過口425及び第2通過口426は、上記非特定領域スイッチ221が配置された図示しない非特定領域に繋がっており、第1通過口425及び第2通過口426から排出された遊技球はこの非特定領域スイッチ221によって検出される。つまり、第1収容部421及び第2収容部422は非特定領域に繋がっている(特定領域に繋がっていない)第1通過口425や第2通過口426へ遊技球を導く機能を有する。前記非特定領域が本実施の形態における非特定入球部を構成する。
【0179】
第3通過口427は、回転体414の周縁寄りに形成されており、前記第3収容部423に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第3収容部423の位置が第3通過口427の位置と一致したとき、第3収容部423から遊技球が排出されるようになっている。なお、第3通過口427は、上記特定領域スイッチ222が配置された図示しない特定領域に繋がっており、第3通過口427から排出された遊技球はこの特定領域スイッチ222によって検出される。つまり、第3収容部423は特定領域に繋がっている第3通過口427へ遊技球を導く機能を有する。前記特定領域が本実施の形態における特定入球部を構成する。
【0180】
また、第1通過口425の近傍において当該第1通過口425を遮蔽する第1遮蔽機構431が設けられ、第3通過口427の近傍において当該第3通過口427を遮蔽する第2遮蔽機構432が設けられている。
【0181】
第1遮蔽機構431は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部435と、該作動部435を駆動する第1ソレノイド436とを備えている。作動部435には第1通過口425を閉鎖する第1シャッタ437が設けられている。そして、通常時、つまり第1ソレノイド436の非励磁状態において第1シャッタ437は第1通過口425を開状態とする位置にあり、第1ソレノイド436が励磁されると、作動部435が回動し、第1シャッタ437は第1通過口425を閉状態とする位置に移動する。従って、第1シャッタ437により第1通過口425が閉鎖され、遊技球が第1通過口425を通過できなくなる。従って、第1遮蔽機構431が、本実施の形態における閉塞手段に相当する。
【0182】
第2遮蔽機構432は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部441と、該作動部441を駆動する第2ソレノイド442とを備えている。作動部441には第3通過口427を閉鎖する第2シャッタ443が設けられている。そして、通常時、つまり第2ソレノイド442の非励磁状態において第2シャッタ443は第3通過口427を開状態とする位置にあり、第2ソレノイド442が励磁されると、作動部441が回動し、第2シャッタ443は第3通過口427を閉状態とする位置に移動する。従って、第2シャッタ443により第3通過口427が閉鎖され、遊技球が第3通過口427を通過できなくなる。
【0183】
さて、図24は可変駆動装置ユニット35の正面図である。また、図25は後述する移動体が最下位置にある時の可変駆動装置ユニット35の斜視図であり、図26は移動体が最上位置にある時の可変駆動装置ユニット35の斜視図である。なお、図24〜図26では、左側の可変駆動装置ユニット35aを可変駆動装置ユニット35として示している。便宜上、図は省略するが、右側の可変駆動装置ユニット35bは、可変駆動装置ユニット35aと左右対称形状となっている。
【0184】
可変駆動装置ユニット35は、本実施の形態における振分け手段を構成し、略中空形状の本体部451と、該本体部451の下部において遊技球転動部452と、遊技球転動部452の上方において上下動を行う移動体453と、移動体453と連動して動く誘導リブ454とを備えている。
【0185】
本体部451には、その遊技盤30面より前方へ突出した部分の両側壁部において、遊技球が通過可能な通過孔455a,455bが相対向するように設けられている。また、可変入賞装置ユニット32側(図24の右側)の通過口455bには、そこから可変入賞装置ユニット32側に向けて前記遊技球転動部452が延出した延出部456が設けられている。
【0186】
遊技球転動部452には、移動体453の下方において遊技球が落下可能な落下口457が設けられている。落下口457は後述する誘導流路Y1(図4参照)に通じている。なお、移動体453が最下位置にあるときには、落下口457が塞がれた状態となる。また、本実施の形態では、可変駆動装置ユニット35の移動体453は、常時動いているわけではなく、上記主制御装置261の指示により適宜駆動する。
【0187】
誘導リブ454は、図24等における落下口457の左側において、略前後方向に沿って形成されており、その前端部は遊技球転動部452の前端部近傍にまで達するとともに、比較的緩やかなカーブを描いて右側に向けて湾曲している。そして、その湾曲部が、両通過孔455a,455bを結ぶ線と交差する位置に位置している。また、誘導リブ454は、移動体453が最下位置にある場合には遊技球転動部452に没入した状態となり(図25参照)、移動体453が上昇するにつれ、遊技球転動部452から上方に突出するようになっている(図26参照)。従って、上記延出部456を介して遊技球が通過孔455bから遊技球転動部452へ入球すると、誘導リブ454の没入状態においては、遊技球は通過孔455aに向かってまっすぐ転動し、通過孔455aから遊技盤30面上へ排出される。又、誘導リブ454の突出状態においては、遊技球は誘導リブ454に沿って落下口457に導かれる。
【0188】
さて、図4に示すように、遊技盤30の内部には、可変駆動装置ユニット35a,35bの落下口457と繋がる一対の誘導流路Y1が形成されている。誘導流路Y1は、各落下口457から可変入賞装置ユニット32の下部に向けて傾斜しており、その最下位置において可変入賞装置ユニット32の球導入通路407a,407b(図21,22等においては図示略)と繋がっている。従って、可変駆動装置ユニット35a,35b内において落下口457より落下した遊技球は誘導流路Y1に沿って流下し、上述したように遊技球振分け機構402上へと導かれる。誘導流路Y1が本実施の形態における球誘導手段を構成する。
【0189】
なお、図8に示すように、上記可変入賞装置ユニット32には、移動体403を上下動するための移動体用モータD1と、羽根405a,405bを開閉するための羽根用ソレノイドD2,D3とが設けられ、可変駆動装置ユニット35a,35bには、移動体453及び誘導リブ454を上下動するための移動体用ソレノイドD4,D5が設けられている。
【0190】
図27は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に関して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0191】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0192】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図29参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図28参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図29の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0193】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、音声ランプ制御装置262、可変入賞装置ユニット32、可変駆動装置ユニット35a,35bや、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
【0194】
さて、ここで主制御装置261について、現実の構成自体に拘束されず、主制御装置261を機能実現手段の集合体として捉えて説明する。即ち、以下に説明する各種機能はCPU501の制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM502(場合によってはRAM503)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAM503に一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。
【0195】
主制御装置261には各種計数カウンタが設定されている。例えば、上記発射球検出スイッチSW1からの検出信号に基づき、発射球数を計数する発射球数計数カウンタや、上記可変入賞装置ユニット32の羽根405a,405bの開放回数を計数する開放回数計数カウンタ(第1の開放回数計数カウンタ及び第2の開放回数計数カウンタ)や、可変入賞装置ユニット32への入球回数(カウントスイッチ223による検出回数)をカウントする入賞回数計数カウンタや、前記非特定領域への入球回数(非特定領域スイッチ221による検出回数)を計数する外れ回数計数カウンタ等が設定されている。なお、発射球数計数カウンタ、開放回数計数カウンタ等が、本実施の形態における特定処理回数計数手段を構成する。従って、発射される遊技球を検出する処理が、本実施の形態における特定処理を構成する(第1入球手段関連判断手段に関連)。また、開放回数計数カウンタは、本実施の形態における特定処理回数計数手段を構成する。従って、羽根405a,405bを開放させる処理(可変入賞ユニット32を開状態とする処理)が、本実施の形態における特定処理を構成する(第2入球手段関連判断手段に関連)。また、入賞回数計数カウンタ、外れ回数計数カウンタは、本実施の形態における特定処理回数計数手段を構成する。従って、可変入賞ユニット32に入球した遊技球を検出する処理、或いは、非特定領域に入球した遊技球を検出する処理)が、本実施の形態における特定処理を構成する(特定入球部関連判断手段に関連)。
【0196】
なお、主制御装置261は、上記計数値を記憶する「記憶手段」としての機能をも有する。例えば、発射球数計数カウンタの値が所定値になる(予め設定された特定値に達する)毎に、開放回数計数カウンタの値を参酌して、複数の記憶領域としての記憶エリアに時系列で順次記憶していく。なお、発射球数計数カウンタは前記所定値となる毎に初期化されず、総発射球数もカウントできるよう構成されている。また、記憶手段は、新たな開放回数計数カウンタの値を記憶する毎に、各記憶エリアのデータ更新を行い、記憶された最も古いデータを消去していく。従って、記憶手段には、常に最新の遊技状況を把握するためのデータが記憶されるようになっている。本実施の形態では、前記記憶エリアが10個設けられており、発射球数計数カウンタの値が「100」(この値が本実施の形態における特定値に相当する)となる毎、つまり遊技球が100回発射された間の羽根405a,405bの開放回数が、過去10回分記憶される。つまり、遊技球が1000回発射された間の開放回数のデータが時系列で記憶される。なお、ここに記憶されたデータは、後述する特別遊技状態の発生に伴い消去され、その値が「0」に戻る。かかる意味で、主制御装置261は、「消去手段」としての機能をも有する。
【0197】
また、その他にも、後述する第1の切換措置がとられた後は、開放回数計数カウンタの値が所定値になる(予め設定された特定値に達する)毎に、入賞回数計数カウンタの値を参酌して、複数の記憶領域としての記憶エリアに時系列で順次記憶していく。また、記憶手段は、新たな入賞回数計数カウンタの値を記憶する毎に、各記憶エリアのデータ更新を行い、記憶された最も古いデータを消去していく。従って、記憶手段には、常に最新の遊技状況を把握するためのデータが記憶されるようになっている。本実施の形態では、前記記憶エリアが4個設けられており、開放回数計数カウンタの値が「5」(この値が本実施の形態における特定値に相当する)となる毎、つまり、羽根405a,405bの開放回数が、過去20回分記憶される。つまり、羽根405a,405bが20回開放された間の入賞回数のデータが時系列で記憶される。なお、ここに記憶されたデータは、後述する特別遊技状態の発生に伴い消去され、その値が「0」に戻る。かかる意味で、主制御装置261は、「消去手段」としての機能をも有する。
【0198】
さらに、後述する第2の切換措置がとられた後は、入賞回数計数カウンタの値が所定値になる(予め設定された特定値に達する)毎に、外れ回数計数カウンタの値を参酌して、複数の記憶領域としての記憶エリアに時系列で順次記憶していく。また、記憶手段は、新たな外れ回数計数カウンタの値を記憶する毎に、各記憶エリアのデータ更新を行い、記憶された最も古いデータを消去していく。従って、記憶手段には、常に最新の遊技状況を把握するためのデータが記憶されるようになっている。本実施の形態では、前記記憶エリアが1個設けられており、外れ回数計数カウンタの値が「10」(この値が本実施の形態における特定値に相当する)となる毎、つまり、非特定領域への入球個数が、10個分記憶される。なお、ここに記憶されたデータは、後述する特別遊技状態の発生に伴い消去され、その値が「0」に戻る。かかる意味で、主制御装置261は、「消去手段」としての機能をも有する。
【0199】
主制御装置261は、「開閉部材制御手段」としての機能を有し、始動口33a,33bへ遊技球が入球した旨が検出された場合、前記羽根405a,405bの開閉制御を実行する。主制御装置261は、また、「特別遊技状態移行制御手段」としての機能を有し、特定入球領域に遊技球が入球した旨が検出された場合、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させる処理(後述する特別遊技状態発生処理)を行う。
【0200】
主制御装置261は、「第1入球手段関連判断手段」、「第1の判断手段」としての機能を有し、後述する切換措置発生判別処理が行われる際に、上記羽根405a,405bの開放回数(始動口33a,33bへの入球数に関連)が特定の開放回数より少ないか否か(第1入球手段関連特定条件が成立したか否か)を判断する判断処理を実行する。なお、本実施の形態では、パチンコ機の起動時において、この羽根405a,405bの開放回数に関連した設定回数(前記特定の開放回数)として20回が設定される。
【0201】
主制御装置261は、「第2入球手段関連判断手段」、「第2の判断手段」としての機能を有し、後述する第2の切換措置がとられるに際し、入賞回数計数カウンタ(可変入賞装置32への入球数に関連)の値が特定の数値より少ないか否か(第2入球手段関連特定条件が成立したか否か)を判断する判断処理を実行する。なお、本実施の形態では、パチンコ機の起動時において、この特定の数値として10個が設定される。
【0202】
主制御装置261は、「特定入球部関連判断手段」、「第3の判断手段」としての機能を有し、後述する第3の切換措置がとられるに際し、外れ回数計数カウンタ(特定入球領域への入球数に関連)の値が特定の数値以上か否か(特定入球部関連特定条件が成立したか否か)を判断する判断処理を実行する。なお、本実施の形態では、パチンコ機の起動時において、この特定の数値として10個が設定される。
【0203】
主制御装置261は、「第1入球手段入球率増大状態切換制御手段」、「第1状態切換制御手段」としての機能を有し、前記第1入球手段関連特定条件が成立した場合に、始動口33a,33bへ遊技球が入球しやすくなる処理制御(第1入球手段入賞率増大状態への切換制御)を実行する。
【0204】
主制御装置261は、「第2入球手段入球率増大状態切換制御手段」、「第2状態切換制御手段」としての機能を有し、前記第2入球手段関連特定条件が成立した場合に、可変入賞装置32へ遊技球が入球しやすくなる処理制御(第2入球手段入賞率増大状態、第2状態への切換制御)を実行する。
【0205】
主制御装置261は、「特定入球部入球率増大状態切換制御手段」、「第3状態切換制御手段」としての機能を有し、前記特定入球部関連特定条件が成立した場合に、特定領域へ遊技球が入球しやすくなる処理制御(特定入球部入賞率増大状態、第3状態への切換制御)を実行する。
【0206】
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0207】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0208】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI書込み処理(図29参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0209】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0210】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0211】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等により電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0212】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図29のNMI割込み処理)を実行する。
【0213】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0214】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0215】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図28〜図31のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずはじめにNMI割込み処理を説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0216】
図29は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0217】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図29のNMI割込み処理を開始する。図29のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
【0218】
図29のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
【0219】
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0220】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図29のNMI割込み処理を開始する。その内容は図29で説明した通りである(但し、ステップS804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
【0221】
また、図28は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0222】
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
【0223】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0224】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0225】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112、S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0226】
次に、通常処理の流れを図30のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。まず始めに、ステップS201では、タイマ割込み処理を実行する。タイマ割込み処理が実行されると、各種入賞スイッチの読込み処理が行われる。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但しRAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0227】
その後、ステップS202では、始動口33a,33bへの遊技球の入球に伴う始動処理を実行する。具体的には、始動口スイッチ224からの検出信号に基づき、始動口33a,33bに遊技球が入球したか否かを判別し、受信してない場合にはこの始動処理を繰り返し行う。又、受信した場合には、続くステップS203において、可変入賞装置ユニット32の駆動処理を実行する。なお、前記駆動処理に合わせて、始動口33a,33bへの遊技球の入球に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理も行われる。
【0228】
前記駆動処理が実行されると、可変入賞装置ユニット32において羽根405a,405bが所定時間だけ開状態となる。なお、本実施の形態では、始動口スイッチ224から検出信号を受信した場合には羽根405a,405bが1回開放される(勿論、2回、或いはそれ以上(例えば3回)繰り返して開放されることとしてもよい)。そして、羽根405a,405bが開状態のときに、遊技球が可変入賞装置ユニット32内に入ると、遊技球は遊技球転動部404から誘導通路406を介して遊技球振分け機構402へ導かれる。このとき、カウントスイッチ233によって遊技球が検出され、検出信号が主制御装置261へ送信される。そして、ステップS204において、入賞確認処理が実行される。入賞確認処理が実行されると、当該入賞に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理と、各種カウンタ値等の確認処理とが行われる。例えば、上記発射球数計数カウンタ等のカウント値や、記憶手段に記憶されている各種数値を参酌して、その値を確認する処理が行われる。
【0229】
その後、ステップS205では、特別遊技状態発生確認処理が行われる。遊技球が遊技球振分け機構402へ導かれると、遊技球は回転体414のいずれかの収容部に収容される。ここで、遊技球が第3収容部423に収容された場合には、遊技球が上記特定領域に導かれ、特定領域スイッチ222によって検出される。特別遊技状態発生確認処理では、この検出信号を受信したか否か、すなわち遊技球が特定領域に入賞したか否かを判別する。そして、遊技球が特定領域に入賞した場合には、ステップS206において、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生処理が実行され、一旦通常処理が終了する。
【0230】
なお、図示は省略するが、上記特別遊技状態発生処理の実行に先だって、後述する切換措置に関する各種データ(カウント値や記憶値)を消去(クリヤ)する。また、特別遊技状態発生処理が実行される場合おいて、それまで切換措置発生処理が実行されていた場合には、当該切換措置を終了させる。
【0231】
さて、遊技球が特定領域に入賞しなかった場合には、ステップS207に移行し、切換措置発生判別処理を実行する。この処理においては、先ず上記開放回数記憶手段に記憶された過去10回分(遊技球1000個が発射された間)のデータを参酌して総開放数が20回より少ないという条件を満たしているか否かを判別し、この条件を満たしていない場合には、ステップS202に戻る。
【0232】
そして、上記総開放数が20回より少ないという条件を満たしている場合には、ステップS208に移行する。そして、ステップS208において、切換措置発生処理が実行され、一旦通常処理が終了する。なお、上記切換措置発生判別処理では、前記開放回数記憶手段において過去10回分のデータが記憶されていない場合には、上記総開放数が20回より少ないという条件を満たしているか否かを判別する処理の代わりに、総開放数が、データが記憶された記憶エリアの数以上であるという条件を満たしているか否かといった判別処理が行われることとしてもよい。
【0233】
ここで、切換措置発生処理について説明する。この切換措置発生処理は、第1の切換措置〜第3の切換措置からなり、この処理が実行されると、まず第1の切換措置がとられる。すなわち、それまで(通常遊技状態中)には無効化されていた、前記小物口34a,34bの遊技球の通過が有効化される。より詳しくは、小物口34a,34bを遊技球が通過した場合、小物口スイッチ225により、その旨が検出され、その検出信号に基づいて、主制御装置261は、ソレノイドを駆動制御する。これにより、前記始動口33a,33bが所定時間(例えば1.6秒間)、所定回数(例えば3回)だけ、作動状態となる。つまり、前記ソレノイドが駆動され、羽根部材がより一層開放される。当該開放により、始動口33a,33bへ遊技球が入球しやすい状態になる。換言すれば、通常状態から始動口33a,33bへの単位時間当たりの入球率が増大させられた「第1入球手段入球率増大状態」、「第1状態」へと切換えられることとなる。
【0234】
一般に、始動口33a,33bへ入球しやすくなることで、特別遊技状態の発生の期待度は高められるが、それでも特定領域に遊技球が入球しないこともある。本実施の形態では、かかる場合に対応するべく、第2の切換措置をとりうることとしている。
【0235】
より詳しくは、主制御装置261は、第1の切換措置を実行した後、開放回数計数カウンタによりカウントされた値(開放数)が20回に達したか否かを判別し、20回に達していない場合には、20回に達するまで待機する。また、20回に達した場合には、過去羽根開放20回中において、記憶手段に記憶された入賞回数計数カウンタの値(第1の切換措置が実行されてからの可変入賞装置32への総入賞数)が、10個未満であるか否かを判断し、総入賞数が10個以上の場合には、第2入球手段関連特定条件が満たされていないものとして待機する。なお、開放回数計数カウンタの値が「5」増大する毎に、記憶手段に記憶されるデータは更新される。
【0236】
そして、過去羽根開放20回中において、記憶手段に記憶された入賞回数計数カウンタの値(第1の切換措置が実行されてからの可変入賞装置32への総入賞数)が、10個未満の場合には、第2入球部関連特定条件が満たされたものとして、主制御装置261により、第2の切換措置がとられる。
【0237】
すなわち、この措置が実行されると、主制御装置261により可変駆動装置ユニット35a,35bを駆動制御する処理が行われ、当該ユニット35a,35bの移動体453が所定回数上下動を行う。詳しくは、移動体453は、1秒かけて最上位置まで上昇し、1秒かけて最下位置まで下降する動作を2回繰り返し行う。従って、この際、遊技者が可変駆動装置ユニット35a,35bに向けて遊技球を発射すると、そのうちのいくつかは上述したように通過口455bを通って誘導リブ454に導かれ、落下口457へ落下し、誘導流路Y1を通って可変入賞装置ユニット32内へ導かれる。つまり、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が可変入賞装置ユニット32へ入球しやすくなる。換言すれば、上記「第1入球手段入球率増大状態」から可変入賞装置ユニット32への単位時間当たりの入球率が増大させられた「第2入球手段入球率増大状態」、「第2状態」へと切換えられることとなる。
【0238】
一般に、可変入賞装置ユニット32へ入球しやすくなることで、特別遊技状態の発生の期待度はさらに高められるが、それでも特定領域に遊技球が入球しないこともある。本実施の形態では、かかる場合に対応するべく、第3の切換措置をとりうることとしている。
【0239】
より詳しくは、主制御装置261は、第2の切換措置を実行した後、外れ回数計数カウンタによりカウントされた値(外れ個数)が10回に達したか否かを判別し、10回に達していない場合には、10回に達するまで待機する。また、10回に達した場合には、特定入球部関連特定条件が成立したものとして、第3の切換措置が実行される。なお、外れ回数計数カウンタによりカウントされた値(外れ個数)が10回に達したか否かを判断することに代えて、入賞回数計数カウンタによりカウントされた値(入賞数)が10回に達したか否かを判別した上で、外れ回数計数カウンタによりカウントされた値(外れ個数)が10回に達したか否かを判断することとしてもよいし、入賞回数計数カウンタによりカウントされた値(入賞数)が10回に達したか否かのみを判別することとしてもよい(いずれにせよ、これらの値は大当たり状態の発生に基づきクリアされるものである)。
【0240】
さて、この第3の切換措置が実行されると、主制御装置261により、第1遮蔽機構431が作動させられる。より詳しくは、第1ソレノイド436が励磁される。これにより、作動部435が回動し、第1シャッタ437は第1通過口425を閉状態とする位置に移動し、これにより第1通過口425が閉鎖される格好となる。そのため、遊技球が第1通過口425を通過できなくなる。
【0241】
従って、当該閉鎖以後、可変入賞装置ユニット32に入球した遊技球のうち、特定領域に入球せず、第1収容部421に収容されたものは、各第1収容部421に次々に貯留されてゆく。この場合、次に入球する遊技球は、前記貯留された分だけ、第3収容部423に収容される確率が高められることとなる。つまり、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が特定領域へ入球しやすくなる。換言すれば、上記「第2入球手段入球率増大状態」から特定領域への単位時間当たりの入球率が増大させられた「特定入球部入球率増大状態」、「第3状態」へと切換えられることとなる。例えば、当初、遊技球振分け機構402へ導かれた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/10である。しかし、上記第3の措置が実行されることで、初めに導かれてきた遊技球が第1収容部421に収容され停留した場合には、次に導かれてきた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/9となる。このように、第3収容部423に遊技球が収容されないまま、遊技球振分け機構402へ次々に遊技球が導かれ、第1収容部423に収容され停留されていったとすると、第3収容部423に遊技球が収容される確率は、第1収容部421に停留している遊技球の数に応じて高くなる。なお、第2収容部422には遊技球が停留されないため、第3収容部423に収容される確率は最大で1/2となる。
【0242】
次に、特別遊技状態発生処理の流れを図31のフローチャートを参照しながら説明する。まず始めに、ステップS211では、可変入賞装置ユニット32の駆動処理を実行する。具体的には、羽根405a,405bの開閉処理、及び、遊技球停留処理が行われる。前記開閉処理が実行されると、羽根405a,405bの開閉が所定回数(例えば18回)行われる。遊技球停留処理が実行されると、主制御装置261から第1遮蔽機構431及び第2遮蔽機構432へ制御信号が送信され、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が励磁される。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が閉鎖され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球は、通過口425,427から排出されず、各収容部に停留する。そして、ステップS212において、入賞処理が行われる。この入賞処理が実行されると、当該入賞に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理と、カウントスイッチ233から検出信号に基づき入賞数をカウントする入賞数カウント処理が行われる。
【0243】
続くステップS213では、ラウンド終了判別処理が実行される。ラウンド終了判別処理は、所定終了条件を満たしているか否か、例えば前記駆動処理が開始されてから所定時間経過したか、前記入賞カウント数が所定個数に達したか等を判別し、所定終了条件を満たしていない場合には、ステップS212に戻る。又、所定条件を満たしている場合には、その後ステップS214においてラウンド終了処理を実行する。具体的には、遊技球停留解除処理が実行される。すなわち、主制御装置261から第1遮蔽機構431及び第2遮蔽機構432へ制御信号が送信され、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が非励磁状態に戻される。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が開放され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球が、通過口425,427から排出される。そして、続くステップS215ではラウンド継続判別処理を実行する。この処理では、所定継続条件を満たしているか否か(遊技球が特定領域に入賞したか否か、かつ、所定のラウンド回数に達していないか否か)を判別し、所定継続条件を満たしている場合には、ステップS211に戻る。又、所定継続条件を満たしていない場合には、ステップS216において開放回数記憶手段等のデータ消去処理を行った後、特別遊技状態発生処理を終了し、上記通常処理に戻る。
【0244】
なお、本実施の形態では、通常、遊技球振分け機構402へ導かれた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/10である。しかし、上記特別遊技状態が発生して上記遊技球停留処理が行われることにより、初めに導かれてきた遊技球が第1収容部421に収容され停留した場合には、次に導かれてきた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/9となる。このように、第3収容部423に遊技球が収容されないまま、遊技球振分け機構402へ次々に遊技球が導かれ、第1収容部423に収容され停留されていったとすると、第3収容部423に遊技球が収容される確率は、第1収容部421に停留している遊技球の数に応じて高くなる。なお、第2収容部422には遊技球が停留されないため、第3収容部423に収容される確率は最大で1/2となる。
【0245】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図32は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0246】
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
【0247】
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0248】
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
【0249】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0250】
次に、払出制御処理の流れを図33のフローチャートを参照しながら説明する。
【0251】
図33において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
【0252】
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
【0253】
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
【0254】
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図34)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば」(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
【0255】
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図35)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
【0256】
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
【0257】
ここで、図34に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0258】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0259】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0260】
また、図35に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0261】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0262】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図33の払出制御処理に戻る。
【0263】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、所定個数(本実施の形態では1000個)の遊技球が発射された間の羽根405a,405bの総開放数が所定回数(本実施の形態では20回)より少ないという条件を満たしている場合、つまり、羽根405a,405bの開放が行われる割合が比較的少ない場合には、遊技球が始動口33a,33bへ入球し易くなるよう、上記第1の切換措置が実行される(通常状態から第1入球手段入球率増大状態へ切換えられる)。従って、遊技球の発射数が比較的多い割に、羽根405a,405bの開放回数が比較的少ないといった状況を緩和するとともに、遊技球が始動口33a,33bへ入球し易くなることで、特別遊技状態の発生する機会も増え、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。特に、特別遊技状態の発生につながる羽根405a,405bの開放といった遊技者にとって有利な処理が行われる回数が少ない場合、つまり遊技者にとって不利な状況が比較的長く続いた場合等において、その効果がより一層高まり、遊技者にとっての興趣の低下抑制が図られる。さらに、遊技球が始動口33a,33bへ案内されにくいような状況下において、その効果は高まる。
【0264】
また、本実施の形態では、第1の切換措置が実行されたにも係わらず、なかなか可変入賞装置ユニット32に入球しない場合、つまり、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、第2の切換措置が実行される。より詳しくは、遊技状態が、第2入球手段入球率増大状態へと切換えられ可変駆動装置ユニット35a,35bの駆動制御処理が行われる。これにより、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が可変入賞装置ユニット32へ入球しやすくなる(第2入球手段入球率増大状態へと切換えられる)。従って、始動口33a,33bに入球しやすくなったにもかかわらず、可変入賞装置ユニット32に入球する個数が比較的少ないといった状況を緩和するとともに、遊技球が可変入賞装置ユニット32へ入球し易くなることで、特別遊技状態の発生する機会も増え、遊技者にとっての興趣のさらなる向上を図ることができる。特に、特別遊技状態の発生につながる可変入賞装置32への入賞といった遊技者にとって有利な処理が行われる回数が少ない場合、つまり遊技者にとって不利な状況が比較的長く続いた場合等において、その効果がより一層高まり、遊技者にとっての興趣の低下抑制が図られる。さらに、遊技球が可変入賞装置32へ案内されにくいような状況下において、その効果は高まる。
【0265】
さらに、本実施の形態では、第2の切換措置が実行されたにも係わらず、なかなか特別遊技状態が発生しない場合、つまり、特定入球部関連特定条件が成立したと判断されたとき、第3の切換措置が実行される。より詳しくは、遊技状態が、特定入球部入球率増大状態へと切換えられ、第1遮蔽機構431の駆動制御処理が行われる。これにより、それまでの遊技状態に比べて、遊技球が特定領域へ入球しやすくなる(特定入球部入球率増大状態へと切換えられる)。従って、可変入賞装置ユニット32に入球しやすくなったにもかかわらず、特定領域へなかなか入球しないといった状況を緩和するとともに、遊技球が特定領域へ入球し易くなることで、特別遊技状態が発生しやすくなり、遊技者にとっての興趣のさらなる向上を図ることができる。特に、上記のような段階的な措置を実行したにもかかわらず、特別遊技状態が発生しない場合において、このような特別意遊技状態に直結する措置が実行されることで、その効果がより一層高まり、遊技者にとっての興趣の低下抑制が図られる。しかも、上記のように、いわば段階的(多段階的:3段階)な補助が遊技者に付与されることとなり、遊技者にとっての期待感が一層高められる。
【0266】
また、上述したように、内枠12の左右一側部(左側部、図8の右側)には補強部材を構成する長尺状の支持金具235を上下方向へ延びるように設けるとともに、内枠12の左右他側部(右側部、図8の左側)には内枠12及び前面枠セット14の開放を禁止するように施錠する施錠機構G1を設け、図8等を参照して分かるように、遊技盤30を内枠12の幅内において前記支持金具235及び連動部材G2を左右に振り分けて配置するための領域を残した幅となるように形成するとともに、図4等を参照して分かるように、遊技盤30の左右両側部には内枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部を形成し、さらに、レール部材を構成するレールユニット50のうち、遊技領域の最大幅となる位置を、遊技盤30の左右端位置に至るように配設することにより、遊技領域の拡張が図られている。
【0267】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0268】
(a)上記実施の形態では、第1の切換措置として、小物口34a,34bへの遊技球の通過を有効化し、該通過が小物口スイッチ225で検出された場合に、始動口33a,33bをより開放させることで、始動口33a,33bへ入球しやすくなるよう構成されている。これに限らず、遊技球が始動口33a,33bへ入球しやすくなる別の措置をとることとしてもよい。例えば、前記始動口33a,33bへ案内させる誘導流路(図示略)を設け、羽根405a,405bの開放が行われる割合が少ない場合には、誘導流路の端部に設けられた可変駆動装置ユニット(上記35a,35bに準ずるもの)を駆動せしめることで、遊技球が始動口33a,33bへ入球し易くなるよう構成してもよい。もちろん、誘導流路によって導かれる先を始動口33a,33bとした構成としてもよい。
【0269】
(b)上記実施の形態では、第2の切換措置として、遊技球が誘導流路Y1によって導かれることで、可変入賞装置ユニット32へ入球し易くなるよう構成されている。これに限らず、遊技球が可変入賞装置32へ入球しやすくなる別の措置をとることとしてもよい。例えば、羽根405a,405bが開状態となる時間を増大させる、開放回数を増大させる、開放量を増大させるといった措置が考えられる。
【0270】
(c)上記実施の形態では、第3の切換措置として、第1遮蔽機構431の駆動制御処理が行われることで、遊技球が第1収容部421に収容されやすくし、もって特定領域の入球確率が高められるよう構成されている。これに限らず、遊技球が特定領域へ入球しやすくなる別の措置をとることとしてもよい。例えば、特定領域を拡張したり、特定領域の数を増やしたり、特定領域(第3収容部423)に案内されやすくしたりするといった措置が考えられる。
【0271】
(d)上記実施の形態においては、切換措置が実行された場合、最終的には特別遊技状態が発生するまで継続的に実行されるようになっている。これに対し、各切換措置の発生に伴う切換措置を有限とし、所定時間内に限り、或いは所定条件成立期間中に限り、切換措置を実行する構成としてもよい。例えば、第3の切換措置が実行されてから、可変入賞装置ユニット32への5個の入賞があるまで当該措置を継続し、5個の入賞があった以降は切換措置を解除するような構成としてもよい。
【0272】
(e)上記実施の形態における各切換措置(入球補助)が行われる条件を別の条件としてもよい。例えば、遊技球の発射回数が所定回数行われた際に、所定の抽選手段により抽選処理を行い、その抽選結果に基づき所定の切換措置が行われる構成としてもよい。
【0273】
(f)上記実施の形態では詳述しなかったが、もちろん切換措置の実行処理に関する情報も、上記電源断時等において実行されるバックアップにより、一時記憶されることとしてもよい。
【0274】
(g)上記実施の形態では、始動口33a,33bの羽根部材が第1の切換措置が行われる際に、可変駆動装置ユニット35a,35bが、第2の切換措置が行われる際にそれぞれ駆動されるようになっているが、これに限らず、通常時であっても、駆動制御される構成となっていてもよい。例えば、小物口34a,34bの遊技球の通過を通常時から有効化しておくとともに、該通過に基づき所定条件が成立した場合に羽根部材が一瞬開放されるよう構成し、第1の切換措置が行われる際には、羽根部材が開放される頻度、回数、開放時間等が長くなるような構成を採用してもよい。また、移動体453が常時上下動を行うよう構成するとともに、第2の切換措置が行われる際には、遊技者にとって有利に働くよう、移動体453の動作速度が遅くなる、最上位置における停留時間が長くなる等の制御が行われるような構成としてもよい。
【0275】
(h)上記実施の形態では、第1の切換措置に関する条件において、発射される遊技球を発射球検出スイッチSW1により検出する処理、つまり遊技球の発射回数を、遊技状況(遊技時間や消費される遊技球数等に対する羽根405a,405bの開放回数の割合が多いか少ないか等)を判断する上での判別基準としている。判別基準は、これに限られるものではなく、例えば、始動口33a,33b等への遊技球の入球回数等を判別基準としてもよい。
【0276】
(i)上記実施の形態では、羽根405a,405bの開放回数が遊技球の発射回数に比べてどれくらい割合で行われているかという判別処理のもとに、上記第1の切換措置を行うか否かが決定される。すなわち、遊技状況の判別を行うにあたり、羽根405a,405bの開放回数を、上記切換措置が行われるか否かの判別対象(所定の設定数値と比較する対象)としている。判別対象はこれに限られるものではなく、例えば、始動口33a,33b等への遊技球の入球回数等を判別対象としてもよい。
【0277】
(j)上記実施の形態では、いわゆる第2種のパチンコ機10が実施例として挙げられているが、これに限らず、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機や他の遊技機等として実施することも可能である。例えば、いわゆる第3種のパチンコ機として実施してもよい。
【0278】
(k)上記実施の形態では、第1の切換措置、第2の切換措置、第3の切換措置が段階的に実行される場合について具体化されているが、第1の切換措置及び第2の切換措置が実行される場合について具体化してもよいし、第2の切換措置及び第3の切換措置が実行される場合について具体化してもよいし、第1の切換措置及び第3の切換措置が実行される場合について具体化してもよい。
【0279】
(l)また、上記実施の形態では、遊技状態が通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切り換えられ、第1入球手段入球率増大状態から第2入球手段入球率増大状態へと切り換えられ、第2入球手段入球率増大状態から特定入球部入球率増大状態へと切り換えられることとしている。これに対し、各切換措置が実行された後、一旦別の遊技状態へ切り換えられることとしてもよい。例えば、遊技状態が通常状態から第1入球手段入球率増大状態へと切り換えられてから、所定時間経過後、再度通常状態へと切り換えられ、所定条件成立後、第2入球手段入球率増大状態へと切り換えられるような構成を採用してもよい。
【0280】
(m)第1の切換措置のみならず、発射された遊技球数を各条件に加えることとしてもよい。例えば、第2の切換措置に際しては、1500個が発射されていること、第3の切換措置に際しては、2000個が発射されていること等の条件を付加してもよい。
【0281】
(n)第3の切換措置に際し、第2遮蔽機構432をも併せて駆動制御することとしてもよい。この場合において、例えばパチンコ機の前面側に解除ボタン等を設置しておき、第3収容領域部423に収容された遊技球を確認した遊技者が、当該解除ボタンを押圧操作することで、貯留が解除され、特定領域への入球が許容されるよう構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】前面枠セットの構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図8】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図9】内枠の背面構成を示す斜視図である。
【図10】支持金具の構成を示す斜視図である。
【図11】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図12】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図13】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図14】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図15】第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図16】第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図17】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図18】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図19】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図20】タンクレールの分解斜視図である。
【図21】可変入賞装置ユニットの正面図である。
【図22】遊技球振分け機構の斜視図である。
【図23】遊技球振分け機構の一部を示す分解斜視図である。
【図24】可変駆動装置ユニットの正面図である。
【図25】移動体が最下位置にある時の可変駆動装置ユニットの斜視図である。
【図26】移動体が最上位置にある時の可変駆動装置ユニットの斜視図である。
【図27】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図28】主制御装置におけるメイン処理を説明するためのフローチャート図である。
【図29】NMI割込み処理を説明するためのフローチャート図である。
【図30】通常処理を説明するためのフローチャート図である。
【図31】特別遊技状態発生処理を説明するためのフローチャート図である。
【図32】払出制御装置におけるメイン処理を説明するためのフローチャート図である。
【図33】払出制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【図34】賞球制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【図35】貸球制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
10…遊技機としてのパチンコ機、30…遊技盤、32…第2入球手段を構成する可変入賞装置ユニット、33a,33b…第1入球手段を構成する始動口、35a,35b…振分け手段を構成する可変駆動装置ユニット、221…入賞口スイッチ、222…特定入球検出手段としての特定領域スイッチ、223…カウントスイッチ、224…第1入球検出手段を構成する始動口スイッチ、228…発射手段を構成するセットハンドル、229…発射手段を構成する発射モータ、261…主制御装置、403…移動体、405a,405b…羽根、431…閉塞手段を構成する第1遮蔽機構、453…移動体、454…誘導リブ、455a,455b…通過孔、456…延出部、457…落下口、SW1…発射球検出手段としての発射球検出スイッチ、Y1…球誘導手段を構成する誘導流路。
Claims (1)
- 遊技球の発射処理を行う発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な少なくとも1つの第1入球手段と、
前記第1入球手段へ遊技球が入球した旨を検出して検出信号を出力する処理を行う第1入球検出手段と、
開閉可能な開閉部材を有し、当該開閉部材の開状態において遊技球が入球可能に構成されるとともに、特定入球部及び非特定入球部を有し、入球した遊技球が前記特定入球部又は非特定入球部に選択的に入球可能に構成されてなる第2入球手段と、
前記第1入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、前記開閉部材の開閉制御処理を実行する開閉部材制御手段と、
前記特定入球部へ入球した遊技球を検出して検出信号を出力する特定入球検出手段と、
前記特定入球検出手段からの検出信号の出力に基づき、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるための移行処理を実行する遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機において、
第1入球手段への入球に関連する第1入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第1入球手段関連判断手段と、
前記第1入球手段関連判断手段により、第1入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、通常状態から、当該通常状態よりも前記第1入球手段への入球率を増大せしめる第1入球手段入球率増大状態へと切換える第1入球手段入球率増大状態切換制御手段と、
第2入球手段への入球に関連する第2入球手段関連特定条件が成立したか否かを判断する第2入球手段関連判断手段と、
前記第2入球手段関連判断手段により、第2入球手段関連特定条件が成立したと判断されたとき、遊技状態を、それまでの状態から、当該それまでの状態よりも前記第2入球手段への入球率を増大せしめる第2入球手段入球率増大状態へと切換える第2入球手段入球率増大状態切換制御手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
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2003
- 2003-03-04 JP JP2003057770A patent/JP2004267226A/ja active Pending
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