JP2004266619A - スキャナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿の片面のみのスキャンにおいて原稿の裏写りを防止して画像の品質を維持し、且つコストアップを抑制する。
【解決手段】原稿60の表面における同一の走査位置で原稿60の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光を受光できるように、スキャナモジュール2内部に2つのレンズアレイ23a、23b及び2つのCCD19a、19bを配置する。また、CCD19a、19bにおいて受光された反射光から求められる光量差とあらかじめ記憶手段16に記憶されている基準値との比較を行い、比較結果に基づいて上記反射光が原稿60の表面における反射光であるか原稿60の裏面における反射光であるかを判別し、原稿60の表面における反射光の受光データのみを原稿60の表面の画像データとして用いる裏写防止手段を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】原稿60の表面における同一の走査位置で原稿60の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光を受光できるように、スキャナモジュール2内部に2つのレンズアレイ23a、23b及び2つのCCD19a、19bを配置する。また、CCD19a、19bにおいて受光された反射光から求められる光量差とあらかじめ記憶手段16に記憶されている基準値との比較を行い、比較結果に基づいて上記反射光が原稿60の表面における反射光であるか原稿60の裏面における反射光であるかを判別し、原稿60の表面における反射光の受光データのみを原稿60の表面の画像データとして用いる裏写防止手段を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、原稿等に形成された画像を読み取るスキャナ装置、複写機、ファクシミリ等の該スキャナ装置を備えた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスキャナ装置は、原稿台等に載置された原稿の表面に光源から出射した光の反射光をミラー、集光レンズ等を介してCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサにて読み取り、読み取ったデータに所定の画像処理を施して原稿の表面の画像の画像データを作成していた。
【0003】
ところが、原稿の表面における画像の読み取り(スキャン)の際、原稿の表面を照射する光が原稿の内部を透過して原稿の裏面に形成された画像に対して反射してCCDに読み取られるため、作成された原稿の表面の画像データに原稿の裏面の画像データも含まれてしまう原稿の裏写りの問題があった。
【0004】
そこで、従来のスキャナ装置には、原稿の表面と原稿の裏面のスキャンをそれぞれ1回ずつ行い、得られた2つの画像データに対して演算処理を行い、裏写り部分を削除して原稿の表面の画像を読み取る際の原稿の裏写りを防止するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−22572号公報
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の構成では、原稿の表面と裏面とのスキャンが必要で、原稿を手で裏返す手間が発生する。また自動で両面をスキャンするには、原稿を裏返す機構や原稿の表面と裏面とを同時にスキャンする機構が必要となるためコストがアップする。また、原稿の表面の画像データから裏面の画像データを減算する為、原稿の表面の画像と原稿の裏面の画像とが重なっている部分については、表示されない場合があり、画像の品質が低下する虞がある。
【0007】
この発明は、原稿の片面のみのスキャンにおいて原稿の裏写りを防止して画像品質を維持でき、且つコストアップを抑制することができるスキャナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0009】
(1)原稿の表面に光を走査して反射させた反射光の受光データに基づいて原稿の表面の画像データを取得するスキャナ装置において、
原稿の表面における同一の走査位置で原稿の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光の光量差を求め、該光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を行い、原稿の表面における反射光の受光データのみを原稿の表面の画像データとして用いる裏写防止手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成においては、原稿の表面の同一の走査位置において光を走査した際の反射光のうち、原稿の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光により光量差が求められ、この光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて上記反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかが判別される。また、上記判別の結果に基づいて判別された原稿の表面における反射光の受光データのみが原稿の表面の画像データとして用いられる。
【0011】
原稿の表面に光が走査されると、原稿の表面における反射光とともに原稿の内部を透過して原稿の裏面において反射して再び原稿内部を透過した反射光とが受光される。原稿の裏面における反射光のうち上記2方向の反射光は、原稿内部を透過する距離が異なるので、原稿内部の透過による光量の減衰幅がそれぞれ異なってくるため光量差が生じる。これに対して、原稿の表面における2方向の反射光は、原稿内部の透過はないので光量差はほとんどない。
【0012】
そのため、上記受光された2方向の反射光の光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値とが比較され、その比較結果に基づいて判別された光量差のない原稿の表面における反射光の受光データのみが、原稿の表面の画像データとして用いられる。これにより、原稿の裏面が走査されることがなく、1回の原稿の表面の走査によって原稿の裏写りが防止された正確な表面の画像データが取得される。
【0013】
(2)前記裏写防止手段は、単一のイメージセンサに前記2方向の反射光のそれぞれを異なるタイミングで切り換えて入射させる切換手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成においては、裏写防止手段に備えられた切換手段により上記2方向の反射光がそれぞれ異なるタイミングで単一のイメージセンサに入射させられ、新たなイメージセンサが必要になることがないので、コストアップが抑制される。
【0015】
(3)前記基準値は、原稿の裏面における複数の走査位置での反射光についての前記光量差の平均値であることを特徴とする。
【0016】
この構成においては、原稿の表面を走査した際の複数の走査位置での原稿の裏面における2方向の反射光のみの光量差の平均値が基準値として用いられるので、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの誤判別が行われることがない。
【0017】
(4)原稿の複数のタイプのいずれかの選択の入力を受け付ける原稿タイプ選択手段を設け、
前記裏写防止手段は、原稿の複数のタイプのそれぞれに対応する前記基準値を記憶する記憶手段を備え、
前記原稿タイプ選択手段における入力内容に基づいて前記判別に用いる前記基準値を前記記憶手段から読み出すことを特徴とする。
【0018】
この構成においては、前記原稿タイプ選択手段により原稿の複数のタイプのいずれかの選択の入力が受け付けられ、その入力内容に基づいて上記記憶手段から読み出された基準値と、受光した上記2方向の反射光の光量差との比較が行われ、その比較結果に基づいて上記判別が行われる。
【0019】
したがって、読み取られる原稿のタイプに応じた適切な基準値を用いて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別が行われるので、原稿のタイプにかかわらず原稿の裏写りが防止される。
【0020】
(5)前記裏写防止手段は、ユーザによる前記基準値の計算処理の実行の指示入力を受け付ける指示入力手段を設け、前記原稿のタイプとともに前記指示入力手段により計算処理の実行が指示された際に原稿の裏面における前記2方向の反射光の複数の光量差の平均値を前記基準値として記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0021】
この構成においては、ユーザによって基準値の計算処理の実行が指示入力された後に計算処理が実行されて基準値が求められ、裏写防止手段によって記憶手段に計算処理が実行された原稿のタイプ及び上記基準値が記憶される。したがって、記憶手段に記憶されていない原稿のタイプに応じた適切な基準値が求められ、記憶手段に記憶されるとともに原稿タイプ選択手段によって上記原稿のタイプの選択の入力が受け付けられるので、あらかじめ記憶手段に記憶されていない原稿のタイプに対しても適切な基準値によって、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別が行われる。
【0022】
(6)裏面のみの所定の位置に検出用画像が形成された原稿についての前記2方向の反射光の受光データにおける検出用画像の位置の走査方向についての差分を求め、2方向の反射光の受光データを前記差分を加えた走査方向の複数の位置について比較した光量差の平均値を前記基準値とすることを特徴とする。
【0023】
この構成においては、同一の検出用画像における上記2方向のそれぞれの反射光の受光データが受光された際の原稿の表面が走査されたそれぞれの走査方向の走査位置における差分が求められ、上記差分に加えられて走査方向の複数の位置における上記2方向の反射光の上記光量差の平均値が上記基準値とされる。
【0024】
したがって、原稿の表面が走査された際の原稿の裏面の反射光における受光データの検出用画像の走査位置の差分を考慮して求められた前記光量差の平均値が基準値として用いられるので、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別においてより正確な基準値が用いられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の簡単な構成を示す図である。図1に示すように、この発明の装置本体であるスキャナ装置100は、原稿の表面に光を照射した際の反射光の受光データに基づいて原稿の表面の画像データを取得する。また、スキャナ装置100は、筐体1、スキャナモジュール2、駆動ベルト3、ガイド軸4、プラテンガラス5、原稿押え板6、後述する制御部及び裏写防止手段等から構成されている。
【0026】
筐体1は、上部に原稿押え板6及びプラテンガラス5を配置し、内部にスキャナモジュール2、駆動ベルト3及びガイド軸4を備えている。スキャナモジュール2は、筐体1によって主走査方向である矢印Y方向に直交する方向である矢印Z方向に移動自在に支持され、図示しないモータから駆動ベルト3を介して伝達された駆動力によってガイド軸4に沿って矢印Z方向に移動する。また、スキャナモジュール2は、矢印Z方向に移動しつつプラテンガラス5上に載置された原稿60をスキャンして原稿60の表面の画像データを取得する。なお、矢印Z方向がこの発明の走査方向に相当する。
【0027】
また、原稿押え板6は、筐体1上部の紙面奥側で回動支持され、紙面手前側から開閉自在に構成され、プラテンガラス5に載置された原稿をプラテンガラス5に押し付けて密着させる。
【0028】
図2は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の制御の構成を示すブロック図である。図2に示すようにスキャナ装置100は、装置の動作全体を制御する制御部10を備え、この制御部10に、操作部11、表示部12、RAM13、ROM14、インターフェース部(以下、I/F部と言う。)15、記憶手段16、画像メモリ17、ランプ18、CCD19a、19b及びスキャナモジュール駆動部20を接続している。
【0029】
操作部11は、原稿の画像読み取りを行うスキャンの実行操作やメニュー操作等の入力を受け付けを行う。表示部12は、スキャン実行中の原稿の読み取り状況やメニュー表示等を行う。RAM13は、処理等に使用するワークデータ等を一時的に格納する。ROM14は、制御プログラムやデータを格納している。I/F部15は、接続されたパーソナルコンピュータ等の外部装置等からのスキャン要求信号の受信や取得した画像データの外部装置等への送信等を行う。記憶手段16は、後述する裏写防止手段に用いられる基準値を格納する。
【0030】
また、画像メモリ17は、CCD19で受光された受光データを一時的に格納する。ランプ18は、プラテンガラス5に載置された原稿60の表面に光を出射することで原稿60の表面を矢印Y方向に走査する。この発明のイメージセンサであるCCD19a、19bは、ランプ18から出射された光によって走査された原稿60の表面の反射光を受光する。スキャナモジュール駆動部20は、図示しないモータ等を駆動してスキャナモジュール2を矢印Z方向に移動させる。
【0031】
一方、スキャナ装置100に設けられたこの発明の裏写防止手段21は、制御部10及び記憶手段16等から構成され、CCD19で受光した反射光が原稿60の表面における反射光であるか、原稿60の裏面における反射光であるかを判別して原稿60の表面における反射光の受光データのみを原稿60の表面の画像データとして用いる。
【0032】
図3及び図4は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。図3に示すように、スキャナモジュール2は、光を集光させる集光レンズであるレンズアレイ22a、22b、矢印Y方向に移動自在なランプ18及びCCD19a、19bを備えている。
【0033】
プラテンガラス5に載置された原稿60の表面をスキャンする際、スキャナモジュール2は図示しない開始位置に移動し、ランプ18が矢印Y方向に移動しながらプラテンガラス5に載置された原稿60の表面に光を矢印Y方向に1ライン分だけ走査する。この走査の際の原稿60の表面から反射した反射光はレンズアレイ22a、22bで集光された後にCCD19a、19bに受光される。
【0034】
その際、裏写防止手段21である制御部10は、上記受光された反射光が原稿60の表面における反射光であるか、原稿60の裏面における反射光であるかを判別する。原稿60の表面における反射光と判別すれば、制御部10はCCD19aにおける受光データを原稿の表面の受光データとして所定の画像処理を施した後に外部装置等に送信する。
【0035】
また、制御部10は、矢印Y方向の1ライン(主走査ライン)分の走査が終了した後にスキャナモジュール2を矢印Z方向に移動させ、次の矢印Y方向の1ライン分の走査を行う。上述のような走査を1ページ分繰り返し行って原稿60の表面の画像データを取得する。
【0036】
ここで、裏写防止手段21によってCCD19で受光された反射光が判別されるのは、原稿60の表面に走査した光が原稿60内部を透過し、裏面にて反射した後にCCD19で受光することで原稿60の裏面の画像データが表面の画像データとして含まれてしまう原稿60の裏写りを防止するためである。
【0037】
通常、原稿60の表面に光を走査すると、原稿60の表面において反射し、その反射光のうち原稿60の表面に直交する方向の反射光AをCCD19aが受光し、原稿の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光BをCCD19bが受光する。
【0038】
例えば、ランプ18が原稿60の表面に形成された画像イメージ65の走査位置にて走査した際、CCD19aは、図3(a)に示す矢印のように上記走査位置において原稿60の表面に直交する方向の反射光Aを受光する。また、CCD19bは、図3(b)に示す矢印のように上記走査位置にて原稿60の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光Bを受光する。この時、CCD19が受光した時の反射光A、Bの光量は、ほぼ等しい。
【0039】
ところが、原稿60の表面を走査する光の一部は、原稿60の内部を透過して裏面にて反射する。例えば、図4に示すように走査位置Pにおいて原稿60の表面を走査する場合のランプ18から出射される光の一部は、表面に反射せずに原稿60の内部を透過して裏面の図4に示す画像イメージ66の位置において反射し、CCD19aは、図4(a)の矢印に示すように、画像イメージ66における原稿60の表面に直交する方向に反射する反射光A′を受光し、CCD19bは、図4(b)の矢印に示すように、画像イメージ66における原稿60の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光B′を受光する。
【0040】
この時、反射光A′は、裏面からCCD19aに入射する際に原稿60の内部を光路距離25A′だけ透過する。また、反射光B′は、裏面からCCD19bに入射する際に原稿60内部を光路距離25A′よりも長い光路距離25B′だけ透過する。ここで光は、原稿60の内部を透過するにつれて徐々に原稿60に光が吸収され、原稿60内部の透過距離が長いほど光量は減衰していく。そのため、反射光B′の光量は、反射光A′の光量よりも減衰する。
【0041】
例えば、図4(b)に示すように、反射光A′がCCD19aに入射する方向と反射光B′がCCD19bに入射する方向のとのなす角度θが60°の場合、光路距離25B′は光路距離25A′の2倍になり、原稿60内部を透過することによる光量の減衰量は2倍になる。
【0042】
上述の構成によって、同一の走査位置でCCD19aとCCD19bとに受光された反射光から求められた光量差と、あらかじめ記憶手段16に記憶されている基準値とを比較することで、CCD19で受光した反射光が、原稿60の表面における反射光A、Bであるか、原稿60の裏面における反射光A′、B′であるかを判別する。その判別結果に基づいて原稿60の表面における反射光Aの受光データのみを原稿60の表面の画像データとして用いることができるので、原稿60の裏写りを防止でき、画像の品質を維持することができる。
【0043】
また、原稿60の裏面を走査する構成を必要とせず、1回の原稿60の表面の走査のみで画像データを取得できるので、原稿60の画像の読み取りに必要な時間の増加を抑え、またコストアップを抑制できる。
【0044】
なお、基準値と比較して判別を行うのは、同じ画像イメージ65からの反射光Bの光量が、プラテンガラス5を斜めに横断する分だけ反射光Aより若干弱まり反射光A、Bが完全に一致しないので、誤判別をしないように防止するためである。
【0045】
また、この発明の実施形態では、記憶手段16に記憶されている単一の基準値が用いられているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、一般的に用いられる普通紙や普通紙の中でも厚さの薄いもの、さらにリサイクル紙、新聞紙等における複数の原稿60のタイプに対応する基準値をあらかじめ記憶手段16に記憶させておいてもよい。この場合、図7に示すように、スキャナ装置100に原稿60のタイプの選択の入力を受け付ける原稿タイプ選択手段35を設け、制御部10は原稿タイプ選択手段35を介して選択された原稿60のタイプに対応する基準値を記憶手段16から読み出して上述した反射光の判別に用いる。
【0046】
これによって、読み取られる原稿60のタイプ応じた適切な基準値を用いて上記の判別を行うことができるので、原稿60のタイプにかかわらず原稿の裏写りを確実に防止でき且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0047】
さらに、裏写防止手段21にユーザによる原稿60の基準値の計算処理における実行の指示入力を受け付ける指示入力手段36を設け、上記計算処理が実行された原稿60のタイプ及び上記計算処理の実行により求められた基準値を記憶手段16に記憶させ、原稿タイプ選択手段35を介して選択してもよい。なお、基準値の計算処理の実行の手順については後述する。
【0048】
これによって、あらかじめ記憶手段16に記憶されていなかった原稿60のタイプについても原稿60の裏写りを確実に防止でき、且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0049】
図8は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の原稿の画像を読み取る手順を示したフローチャートである。プラテンガラス5に載置された原稿60の表面をスキャンする際、まずスキャナモジュール2を開始位置に移動させる(s1)。また、原稿60の矢印Y方向における現在の主走査ライン(行)の走査位置を表すYcountの値を1に設定し(s2)、原稿60の矢印Z方向における現在の副走査ライン(列)の走査位置を表すXcountの値を1に設定する(s3)。なお、原稿60の1ページ分の主走査ライン数をM行、副走査ライン数をN列とし、またYcount、XcountはRAM13に設けられている。
【0050】
次に、原稿60の表面を矢印Y方向に走査してCCD19a、19bで1主走査ライン分の反射光を受光させ(s4)、受光した反射光のうちのYcount、Xcountの値が示す走査位置における反射光の光量差を求め(s5)、基準値と比較する(s6)。s6において光量差が基準値未満であって原稿60の表面における反射光A、Bと判断されれば、Ycount、Xcountの値が示す走査位置のCCD19aで受光した受光データに所定の画像処理を施し(s7)、外部装置等に送信する(s8)。
【0051】
また、s6において光量差が基準値以上であって原稿60の裏面における反射光A′、B′と判断されれば、原稿60の表面におけるXcount、Ycountの値が示す走査位置の受光データを無効の値として外部装置等に送信する。(s9)。次に1主走査ラインのN列までの光量差の判別が終了したかを判断し(s10)、終了していなければXcountの値に1を加え(s11)、s5に戻って次の列の光量差を判定する。s10において1主走査ラインのN列までの光量差の判別が終了したと判断した場合は、1ページ分の走査が終了したかを判断する(s12)。s12において終了していないと判断した場合は、次の主走査ラインを走査するためにYcountの値に1を加え(s13)、スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査ライン分移動させて(s14)s3に戻る。
【0052】
また、s12において1ページ分の走査が終了したと判断するとスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s15)てスキャンを終了する。
【0053】
なお、この発明の実施形態では、2つのCCD19a、19bを用いて構成されているが、特にこれに限定されるものではない。原稿60の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光を受光できればよい。
【0054】
例えば、図9に示すように、スキャナモジュール2の内部に単一のCCD19A、レンズアレイ22a、22b及び裏写防止手段21に設けられた切換手段23を配置する。切換手段23は、2つのミラー23a、23b及びミラー回転モータ24を備えている。図9(a)に示すように、ランプ18から出射された光の原稿60における反射光のうち、レンズアレイ22aによって集光された原稿60の表面に直交する方向の反射光をCCD19aで受光する。その際、ミラー23aは、上記反射光をCCD19aで受光できるようにミラー回転モータ24により一端を中心に回転駆動し、面方向が上記反射光のCCD19aの入射方向と略平行となる位置に移動させる。
【0055】
次に図9(b)に示すように、レンズアレイ22bによって集光された原稿60の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光をミラー23b、23aの順に反射させてCCD19aで受光する。その際、ミラー23aは、ミラー回転モータ24により一端を中心に回転駆動し、ミラー23bからの反射光を反射させてCCD19aに入射させる位置に移動させる。
【0056】
また、図10に示すように上述の例の実行の手順は、まずスキャン開始時にスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s1)、レンズアレイ22aを上述した図6(a)に示すような状態に移動させる(s2)。次に、画像メモリ17に格納されているデータをクリア(初期化)し(s3)、Ycountの値を1に設定する(s4)。その後、ランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19aで1主走査ライン分の反射光を受光し(s5)、受光した反射光のデータを一旦画像メモリ17に記憶する(s6)。次に、1ページ分の走査が終了したかを判断し(s7)、1ページ分の走査が終了していなければYcountの値に1を加えて(s8)スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査ライン分移動させて(s9)s5に戻る。
【0057】
さらに、s7にて1ページ分の走査が終了したと判断するとスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s10)、レンズアレイ22aを上述した図9(b)に示すような状態に移動させる(s11)。次に、Ycountの値を1に設定し(s12)、Xcountの値を1に設定する(s13)。次に、ランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19bで1主走査ライン分の反射光を受光し(s14)、その後、一旦画像メモリ17に格納しておいたCCD19aで受光した反射光の光量とs13においてCCD19bにて受光した反射光の光量とのYcount、Xcountの値が示す走査位置の光量差を求め(s15)、基準値と比較する(s16)。s16において光量差が基準値未満であって原稿60の表面における反射光A、Bと判断した場合は、CCD19aで受光したYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データに所定の画像処理を施し(s17)、外部装置等に送信する(s18)。
【0058】
s16において光量差が基準値以上であることから原稿60の裏面における反射光A′、B′と判断した場合は、原稿60の表面におけるYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データを無効の値として外部装置等に送信する(s19)。
【0059】
次に1主走査ラインのN列までの光量差の判別が終了したかを判断し(s20)、終了していなければXcountの値に1を加え(s21)、s15に戻って次の列の光量差を判定する。s20において1ライン分の光量差の判別が終了したと判断した場合は、1ページ分の走査が終了したかを判断し(s22)、終了していなければ次の主走査ラインを走査するためにYcountの値に1を加え(s23)、スキャナモジュール2を1副走査ライン分移動させ(s24)てs13に戻る。
【0060】
また、s22において1ページ分の走査が終了したと判断した場合は、スキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s25)、レンズアレイ22aを図6(a)に示す状態に移動させて(s26)スキャンを終了する。
【0061】
上述した例の構成のように裏写防止手段21に備えられた切換手段23により上記2方向の反射光をそれぞれ異なるタイミングで単一のCCD19aに入射させることによって、新たにCCD等のイメージセンサを設けることなく、原稿の裏写りを防止できるので、コストアップをより抑制することができる。
【0062】
図11は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。上述した基準値は、原稿60の表面を走査した際の裏面における複数の走査位置の上記2方向の反射光A′、B′の光量差の平均値である。したがって、正確に上記裏面における反射光A′、B′を受光するため、図12に示すように原稿60の表面からの反射光A、Bが影響しないように裏面にのみ所定の検出用画像の形成された原稿60の表面を走査する。この時、検出用画像が形成されている原稿の裏面の位置に対向する表面の走査位置をあらかじめ記憶手段16に記憶させておき、上記記憶手段16に記憶されている走査位置に基づいて検出用画像の裏面における反射光A′、B′の光量差の平均値を求める。
【0063】
図11に示すように、基準値の計算処理の実行が開始されるとスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s1)、RAM13に設けられた反射光A′、B′の光量差の積算値であるSdata及びSdataに積算した光量差の数を表すcountの値を0に、またYcountの値を1に設定する(s2)。次に、Xcountの値を1に設定し(s3)、ランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19a、19bにて1ライン分の反射光を受光する(s4)。その後、Ycount、Xcountの値が示す走査位置が記憶手段16に記憶されている検出用画像に対応する走査位置であるかを判別し、受光した反射光A′、B′が検出用画像における反射光A′、B′であるかを判断する(s5)。s5において、受光した反射光A′B′が検出用画像におけるものと判断した場合は、受光した反射光A′、B′のYcount、Xcountの値が示す走査位置における光量差の値を求めてSdataの値に加え、countの値に1を加える(s6)。
【0064】
また、s5において検出用画像からの反射光A′、B′でないと判断した場合及びs6の処理が終了した際、Ycountの値が示す主走査ラインのN列までのs5、s6の処理が終了したかを判断し(s7)、終了していなければXcountの値に1を加えて(s8)s5に戻る。s7においてYcountの値が示す主走査ラインのs5、s6の処理が終了したと判断すると、1ページ分の走査及び光量差の値の追加が終了したかを判断し(s9)、終了していなければ次の主走査ラインを走査するためにYcountの値に1を加え(s10)、スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査ライン分移動させて(s11)s3に戻る。
【0065】
また、s9において検出用画像における反射光A′、B′の光量差を積算したSdataの値をcountの値で割って求められた光量差の平均値を記憶手段16に基準値として格納する(s12)。その後、スキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s13)て終了する。
【0066】
上記の構成によって、適切な基準値を設けることができるので、原稿60の表面における反射光A、Bであるか、裏面における反射光A′、B′であるかを適切に判別でき、原稿60の裏写りを確実に防止することができる。しかしながら、実際のスキャンでは、裏面における反射光A′、B′は、原稿60の厚さによって反射する位置が異なってくる。例えば、図13に示すように、原稿60の表面の走査位置Pを走査すると、CCD19a受光する裏面における反射光A′とCCD19b受光する裏面における反射光B′とでは、裏面において反射する位置が矢印Z方向にずれてしまう。
【0067】
したがって、図13(a)に示すように、原稿60の表面の走査位置PにおいてCCD19aが受光した裏面における反射光A′と、図13(b)に示すように移動距離31だけ矢印Z方向にずらした走査位置P′において受光した反射光B′と、の光量差を用いて基準値を計算する。
【0068】
この場合、まず検出用画像における反射光A′、B′それぞれを最初に受光する走査位置を求める。なお、走査開始位置には検出用画像を形成せず、開始位置における反射光A′、B′の光量を基準の光量とする。これにより、上記一定の光量の反射光A′、B′よりも低い反射光A′、B′を受光した時の走査位置を最初に検出用画像における反射光A′、B′を受光した走査位置と判断する。上記検出用画像における反射光A′、B′を最初に受光する走査位置を検出した後、最初の検出用画像における反射光A′、B′を受光した走査位置の矢印Z方向の差分(移動距離31)を求める。それ以降、求められた反射光A′と、上記反射光A′における走査位置に上記差分を加えた位置での反射光B′と、の光量差の平均値を求めて基準値として記憶手段16に記憶する。
【0069】
ここで移動距離31は、原稿の裏面の同一の位置において反射する反射光A′と反射光B′とをそれぞれ受光する際に走査する原稿60の表面の走査位置の矢印Z方向のこの発明の差分であり、原稿60の厚みによって異なってくる。原稿60が厚ければ上記差分は大きくなり、薄いほど上記差分は小さくなる。
【0070】
また、移動距離31は、図14に示すように、用紙の厚さ33と原稿60の表面に直交する方向と反射光B′の進行方向とのなす角度θとの関係から求められる。例えば、原稿60の表面の走査位置Pを走査した場合、用紙の厚さ33が60μm、原稿の表面に直交する方向と反射光B′とのなす角度θが60°の時の移動距離31(差分)は、
60μm×Tan60°≒103.9μm
となる。そのため、原稿60の走査位置Pを走査した際にCCD19aが受光した裏面からの反射光A′と原稿の裏面の同一の位置で反射するCCD19bが受光する反射光B′は、原稿60の表面の走査位置Pから矢印Z方向に103.9μmずれた走査位置P′を走査した際のものである。
【0071】
また、例えば、移動距離31が103.9μmで、スキャナ装置100の矢印Z方向の解像度が1200dpiの場合に移動距離31は、
103.9μm/(25.4mm/1200dpi)≒5ライン
となる。
【0072】
図15は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。図15に示すように上述の基準値の計算処理の実行手順は、まずスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s1)、Sdata、countの値を0に、Ycountの値を1に設定する(s2)。次に、RAM13に設けられ、検出用画像の形成された位置における反射光A′及びB′を最初に受光した時の走査位置を格納するYs及びYeに−1をセットし(s3)、Xcountの値に1を設定する(s4)。
【0073】
次にランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19a、19bで1主走査ラインの反射光を受光し(s5)、CCD19a、19bで受光した反射光のデータを一旦画像メモリ17に格納する(s6)。次に、検出用画像における反射光A′、B′を最初に受光した走査位置がYs、Yeに格納されているか判断する(s7)。s7にて検出用画像における反射光A′を最初に受光した走査位置が格納されていないと判断(Ys=−1)した場合は、s5にて受光したCCD19aにおけるYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データが検出用画像における反射光A′であるか否かを判断する(s8)。
【0074】
s8での検出用画像における反射光A′であるか否かの判断は、上述したように原稿60の走査の開始位置における反射光A′の光量との比較によって行う。走査開始位置における反射光A′の光量の値と異なる場合は、検出用画像における反射光A′として判断する。
【0075】
一方、s8にて検出用画像における反射光A′と判断した場合、Ysに上記反射光A′の矢印Z方向の走査位置を示すYcountの値を格納し(s9)、s10の処理に移行する。また、s7にて検出用画像における反射光B′を最初に受光した走査位置が格納されてないと判断(Ye=−1)した場合も、s10の処理へ移行し、s8の処理と同様にs5にてCCD19aが受光したYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データが検出用画像における反射光B′であるか否かを判断する。
【0076】
s10にて検出用画像における反射光B′と判断した場合、Yeに上記反射光B′のYcountの値を格納し(s11)、CCD19a、19bにおける検出用画像を最初に受光した走査位置の上記差分(移動距離31)Gを求め(s12)、s13の処理へ移行する。s10にて検出用画像における反射光B′ではないと判断した場合は、s16の処理へ移行する。
【0077】
また、s7にて検出用画像における反射光A′、B′を最初に受光した矢印Z方向の走査位置が既に格納されていると(Ys、Ye≠−1)判断した場合は、Ycountの値から差分Gの値だけ差し引いた際の値とXcountの値とが示す走査位置におけるCCD19aで受光した反射光A′の光量を求め(s13)、またCCD19bで受光したYcount、Xcountの値が示す走査位置の反射光B′光量を求める(s14)。s13及びs14にて求められた2つの光量の光量差の値をSdataの値に加えてcountの値に1を加える(s15)。
【0078】
その後、s5にて受光したYcountの値が示す走査ラインのN列までの反射光A′、B′のs7〜s15における処理が終了したか判断し(s16)、終了していなければXcountの値に1を加えてs7に戻る。また、s16にて1主走査ラインのN列までの処理が終了したと判断した場合は1ページ分の走査が終了したか判断し(s18)、終了していないと判断した場合はYcountの値に1を加え(s19)、スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査分移動させて(s20)s4に戻る。
【0079】
また、s18にて1ページ分の走査が終了したと判断された場合、Sdataの値をcountの値で割って求めた光量差の平均値を基準値として記憶手段16に格納する(s21)。その後、スキャナモジュール2を開始位置に移動させて(s22)終了する。
【0080】
上述の構成によって、同一の画像における反射光A′、B′の光量差を求めて基準値を定めることができるので、原稿60の表面における反射光A、Bか、裏面における反射光A′、B′かの判別をより正確に行うことができ、原稿60の裏写りをより防止することができる。
【0081】
なお、一般的に用紙の厚さは約60μmであり、CCD19bで受光する反射光B、B′の入射角は一定であるため、移動距離31を一意に決めて基準値を定めても大きな問題は生じない。
【0082】
また、上述の指示入力手段36を用いて指示入力された場合の基準値の計算処理の実行においても上記図15の手順を適用することにより、あらかじめ記憶手段16に記憶されていない原稿60のタイプの基準値をより正確に設定できる。
【0083】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0084】
(1)上記受光された2方向の反射光の光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて判別された原稿の表面おける反射光の受光データのみを原稿の表面の画像データとして用いることによって、原稿の裏写りを防止することができ、画像の品質を維持することができる。
【0085】
また、原稿の裏面を走査する構成を必要とせず、1回の原稿の表面の走査のみで画像データを取得できるので、原稿の画像の読み取りに必要な時間の増加を抑えることが可能となり、さらにコストアップを抑制できる。
【0086】
(2)上記2方向の反射光をそれぞれ異なるタイミングで単一のイメージセンサに入射させることによって、新たにイメージセンサを設けることなく原稿の裏写りを防止することができるので、コストアップをより抑制できる。
【0087】
(3)原稿の裏面における複数の走査位置での2方向の反射光についての光量差の平均値を上記基準値として用いることによって、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を正確に実行できる。
【0088】
(4)読み取られる原稿のタイプ応じた適切な上記基準値を用いて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を行うことによって、原稿のタイプにかかわらず原稿の裏写りを確実に防止でき、且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0089】
(5)ユーザによって指示された計算処理の実行により求められた原稿の基準値及び上記原稿のタイプを記憶手段に記憶させることによって、記憶手段に記憶されていない原稿のタイプについても適切な基準値を用いることができるので、あらかじめ記憶手段に記憶されていなかった原稿のタイプについても原稿の裏写りを確実に防止でき、且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0090】
(6)原稿の表面が走査された際の原稿の裏面の反射光における受光データの検出用画像の走査位置の差分を考慮した前記光量差の平均値を基準値として用いることによって、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別をより正確に実行でき、原稿の裏写りをより適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るスキャナ装置の簡単な構成を示す図である。
【図2】同スキャナ装置の制御の構成を示すグロック図である。
【図3】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図4】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図5】原稿のタイプに対する光量差を示す図である。
【図6】原稿のタイプに対する光量差を示す図である。
【図7】この発明の実施形態に係るスキャナ装置の制御の構成を示すグロック図である。
【図8】同スキャナ装置の原稿を読み取る手順を示したフローチャートである。
【図9】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図10】同スキャナ装置の原稿を読み取る手順を示したフローチャートである。
【図11】同スキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。
【図12】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図13】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図14】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図15】同スキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2−スキャナモジュール
10−制御部
12−表示部
16−記憶手段
17−画像メモリ
19−CCD
21−裏写防止手段
23−切換手段
23a−ミラー
23b−ミラー
24−ミラー回転モータ
31−移動距離
35−原稿タイプ選択手段
36−指示入力手段
100−スキャナ装置
A、A′−反射光
B、B′−反射光
【発明の属する技術分野】
この発明は、原稿等に形成された画像を読み取るスキャナ装置、複写機、ファクシミリ等の該スキャナ装置を備えた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスキャナ装置は、原稿台等に載置された原稿の表面に光源から出射した光の反射光をミラー、集光レンズ等を介してCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサにて読み取り、読み取ったデータに所定の画像処理を施して原稿の表面の画像の画像データを作成していた。
【0003】
ところが、原稿の表面における画像の読み取り(スキャン)の際、原稿の表面を照射する光が原稿の内部を透過して原稿の裏面に形成された画像に対して反射してCCDに読み取られるため、作成された原稿の表面の画像データに原稿の裏面の画像データも含まれてしまう原稿の裏写りの問題があった。
【0004】
そこで、従来のスキャナ装置には、原稿の表面と原稿の裏面のスキャンをそれぞれ1回ずつ行い、得られた2つの画像データに対して演算処理を行い、裏写り部分を削除して原稿の表面の画像を読み取る際の原稿の裏写りを防止するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−22572号公報
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の構成では、原稿の表面と裏面とのスキャンが必要で、原稿を手で裏返す手間が発生する。また自動で両面をスキャンするには、原稿を裏返す機構や原稿の表面と裏面とを同時にスキャンする機構が必要となるためコストがアップする。また、原稿の表面の画像データから裏面の画像データを減算する為、原稿の表面の画像と原稿の裏面の画像とが重なっている部分については、表示されない場合があり、画像の品質が低下する虞がある。
【0007】
この発明は、原稿の片面のみのスキャンにおいて原稿の裏写りを防止して画像品質を維持でき、且つコストアップを抑制することができるスキャナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0009】
(1)原稿の表面に光を走査して反射させた反射光の受光データに基づいて原稿の表面の画像データを取得するスキャナ装置において、
原稿の表面における同一の走査位置で原稿の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光の光量差を求め、該光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を行い、原稿の表面における反射光の受光データのみを原稿の表面の画像データとして用いる裏写防止手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成においては、原稿の表面の同一の走査位置において光を走査した際の反射光のうち、原稿の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光により光量差が求められ、この光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて上記反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかが判別される。また、上記判別の結果に基づいて判別された原稿の表面における反射光の受光データのみが原稿の表面の画像データとして用いられる。
【0011】
原稿の表面に光が走査されると、原稿の表面における反射光とともに原稿の内部を透過して原稿の裏面において反射して再び原稿内部を透過した反射光とが受光される。原稿の裏面における反射光のうち上記2方向の反射光は、原稿内部を透過する距離が異なるので、原稿内部の透過による光量の減衰幅がそれぞれ異なってくるため光量差が生じる。これに対して、原稿の表面における2方向の反射光は、原稿内部の透過はないので光量差はほとんどない。
【0012】
そのため、上記受光された2方向の反射光の光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値とが比較され、その比較結果に基づいて判別された光量差のない原稿の表面における反射光の受光データのみが、原稿の表面の画像データとして用いられる。これにより、原稿の裏面が走査されることがなく、1回の原稿の表面の走査によって原稿の裏写りが防止された正確な表面の画像データが取得される。
【0013】
(2)前記裏写防止手段は、単一のイメージセンサに前記2方向の反射光のそれぞれを異なるタイミングで切り換えて入射させる切換手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成においては、裏写防止手段に備えられた切換手段により上記2方向の反射光がそれぞれ異なるタイミングで単一のイメージセンサに入射させられ、新たなイメージセンサが必要になることがないので、コストアップが抑制される。
【0015】
(3)前記基準値は、原稿の裏面における複数の走査位置での反射光についての前記光量差の平均値であることを特徴とする。
【0016】
この構成においては、原稿の表面を走査した際の複数の走査位置での原稿の裏面における2方向の反射光のみの光量差の平均値が基準値として用いられるので、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの誤判別が行われることがない。
【0017】
(4)原稿の複数のタイプのいずれかの選択の入力を受け付ける原稿タイプ選択手段を設け、
前記裏写防止手段は、原稿の複数のタイプのそれぞれに対応する前記基準値を記憶する記憶手段を備え、
前記原稿タイプ選択手段における入力内容に基づいて前記判別に用いる前記基準値を前記記憶手段から読み出すことを特徴とする。
【0018】
この構成においては、前記原稿タイプ選択手段により原稿の複数のタイプのいずれかの選択の入力が受け付けられ、その入力内容に基づいて上記記憶手段から読み出された基準値と、受光した上記2方向の反射光の光量差との比較が行われ、その比較結果に基づいて上記判別が行われる。
【0019】
したがって、読み取られる原稿のタイプに応じた適切な基準値を用いて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別が行われるので、原稿のタイプにかかわらず原稿の裏写りが防止される。
【0020】
(5)前記裏写防止手段は、ユーザによる前記基準値の計算処理の実行の指示入力を受け付ける指示入力手段を設け、前記原稿のタイプとともに前記指示入力手段により計算処理の実行が指示された際に原稿の裏面における前記2方向の反射光の複数の光量差の平均値を前記基準値として記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0021】
この構成においては、ユーザによって基準値の計算処理の実行が指示入力された後に計算処理が実行されて基準値が求められ、裏写防止手段によって記憶手段に計算処理が実行された原稿のタイプ及び上記基準値が記憶される。したがって、記憶手段に記憶されていない原稿のタイプに応じた適切な基準値が求められ、記憶手段に記憶されるとともに原稿タイプ選択手段によって上記原稿のタイプの選択の入力が受け付けられるので、あらかじめ記憶手段に記憶されていない原稿のタイプに対しても適切な基準値によって、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別が行われる。
【0022】
(6)裏面のみの所定の位置に検出用画像が形成された原稿についての前記2方向の反射光の受光データにおける検出用画像の位置の走査方向についての差分を求め、2方向の反射光の受光データを前記差分を加えた走査方向の複数の位置について比較した光量差の平均値を前記基準値とすることを特徴とする。
【0023】
この構成においては、同一の検出用画像における上記2方向のそれぞれの反射光の受光データが受光された際の原稿の表面が走査されたそれぞれの走査方向の走査位置における差分が求められ、上記差分に加えられて走査方向の複数の位置における上記2方向の反射光の上記光量差の平均値が上記基準値とされる。
【0024】
したがって、原稿の表面が走査された際の原稿の裏面の反射光における受光データの検出用画像の走査位置の差分を考慮して求められた前記光量差の平均値が基準値として用いられるので、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別においてより正確な基準値が用いられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の簡単な構成を示す図である。図1に示すように、この発明の装置本体であるスキャナ装置100は、原稿の表面に光を照射した際の反射光の受光データに基づいて原稿の表面の画像データを取得する。また、スキャナ装置100は、筐体1、スキャナモジュール2、駆動ベルト3、ガイド軸4、プラテンガラス5、原稿押え板6、後述する制御部及び裏写防止手段等から構成されている。
【0026】
筐体1は、上部に原稿押え板6及びプラテンガラス5を配置し、内部にスキャナモジュール2、駆動ベルト3及びガイド軸4を備えている。スキャナモジュール2は、筐体1によって主走査方向である矢印Y方向に直交する方向である矢印Z方向に移動自在に支持され、図示しないモータから駆動ベルト3を介して伝達された駆動力によってガイド軸4に沿って矢印Z方向に移動する。また、スキャナモジュール2は、矢印Z方向に移動しつつプラテンガラス5上に載置された原稿60をスキャンして原稿60の表面の画像データを取得する。なお、矢印Z方向がこの発明の走査方向に相当する。
【0027】
また、原稿押え板6は、筐体1上部の紙面奥側で回動支持され、紙面手前側から開閉自在に構成され、プラテンガラス5に載置された原稿をプラテンガラス5に押し付けて密着させる。
【0028】
図2は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の制御の構成を示すブロック図である。図2に示すようにスキャナ装置100は、装置の動作全体を制御する制御部10を備え、この制御部10に、操作部11、表示部12、RAM13、ROM14、インターフェース部(以下、I/F部と言う。)15、記憶手段16、画像メモリ17、ランプ18、CCD19a、19b及びスキャナモジュール駆動部20を接続している。
【0029】
操作部11は、原稿の画像読み取りを行うスキャンの実行操作やメニュー操作等の入力を受け付けを行う。表示部12は、スキャン実行中の原稿の読み取り状況やメニュー表示等を行う。RAM13は、処理等に使用するワークデータ等を一時的に格納する。ROM14は、制御プログラムやデータを格納している。I/F部15は、接続されたパーソナルコンピュータ等の外部装置等からのスキャン要求信号の受信や取得した画像データの外部装置等への送信等を行う。記憶手段16は、後述する裏写防止手段に用いられる基準値を格納する。
【0030】
また、画像メモリ17は、CCD19で受光された受光データを一時的に格納する。ランプ18は、プラテンガラス5に載置された原稿60の表面に光を出射することで原稿60の表面を矢印Y方向に走査する。この発明のイメージセンサであるCCD19a、19bは、ランプ18から出射された光によって走査された原稿60の表面の反射光を受光する。スキャナモジュール駆動部20は、図示しないモータ等を駆動してスキャナモジュール2を矢印Z方向に移動させる。
【0031】
一方、スキャナ装置100に設けられたこの発明の裏写防止手段21は、制御部10及び記憶手段16等から構成され、CCD19で受光した反射光が原稿60の表面における反射光であるか、原稿60の裏面における反射光であるかを判別して原稿60の表面における反射光の受光データのみを原稿60の表面の画像データとして用いる。
【0032】
図3及び図4は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。図3に示すように、スキャナモジュール2は、光を集光させる集光レンズであるレンズアレイ22a、22b、矢印Y方向に移動自在なランプ18及びCCD19a、19bを備えている。
【0033】
プラテンガラス5に載置された原稿60の表面をスキャンする際、スキャナモジュール2は図示しない開始位置に移動し、ランプ18が矢印Y方向に移動しながらプラテンガラス5に載置された原稿60の表面に光を矢印Y方向に1ライン分だけ走査する。この走査の際の原稿60の表面から反射した反射光はレンズアレイ22a、22bで集光された後にCCD19a、19bに受光される。
【0034】
その際、裏写防止手段21である制御部10は、上記受光された反射光が原稿60の表面における反射光であるか、原稿60の裏面における反射光であるかを判別する。原稿60の表面における反射光と判別すれば、制御部10はCCD19aにおける受光データを原稿の表面の受光データとして所定の画像処理を施した後に外部装置等に送信する。
【0035】
また、制御部10は、矢印Y方向の1ライン(主走査ライン)分の走査が終了した後にスキャナモジュール2を矢印Z方向に移動させ、次の矢印Y方向の1ライン分の走査を行う。上述のような走査を1ページ分繰り返し行って原稿60の表面の画像データを取得する。
【0036】
ここで、裏写防止手段21によってCCD19で受光された反射光が判別されるのは、原稿60の表面に走査した光が原稿60内部を透過し、裏面にて反射した後にCCD19で受光することで原稿60の裏面の画像データが表面の画像データとして含まれてしまう原稿60の裏写りを防止するためである。
【0037】
通常、原稿60の表面に光を走査すると、原稿60の表面において反射し、その反射光のうち原稿60の表面に直交する方向の反射光AをCCD19aが受光し、原稿の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光BをCCD19bが受光する。
【0038】
例えば、ランプ18が原稿60の表面に形成された画像イメージ65の走査位置にて走査した際、CCD19aは、図3(a)に示す矢印のように上記走査位置において原稿60の表面に直交する方向の反射光Aを受光する。また、CCD19bは、図3(b)に示す矢印のように上記走査位置にて原稿60の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光Bを受光する。この時、CCD19が受光した時の反射光A、Bの光量は、ほぼ等しい。
【0039】
ところが、原稿60の表面を走査する光の一部は、原稿60の内部を透過して裏面にて反射する。例えば、図4に示すように走査位置Pにおいて原稿60の表面を走査する場合のランプ18から出射される光の一部は、表面に反射せずに原稿60の内部を透過して裏面の図4に示す画像イメージ66の位置において反射し、CCD19aは、図4(a)の矢印に示すように、画像イメージ66における原稿60の表面に直交する方向に反射する反射光A′を受光し、CCD19bは、図4(b)の矢印に示すように、画像イメージ66における原稿60の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光B′を受光する。
【0040】
この時、反射光A′は、裏面からCCD19aに入射する際に原稿60の内部を光路距離25A′だけ透過する。また、反射光B′は、裏面からCCD19bに入射する際に原稿60内部を光路距離25A′よりも長い光路距離25B′だけ透過する。ここで光は、原稿60の内部を透過するにつれて徐々に原稿60に光が吸収され、原稿60内部の透過距離が長いほど光量は減衰していく。そのため、反射光B′の光量は、反射光A′の光量よりも減衰する。
【0041】
例えば、図4(b)に示すように、反射光A′がCCD19aに入射する方向と反射光B′がCCD19bに入射する方向のとのなす角度θが60°の場合、光路距離25B′は光路距離25A′の2倍になり、原稿60内部を透過することによる光量の減衰量は2倍になる。
【0042】
上述の構成によって、同一の走査位置でCCD19aとCCD19bとに受光された反射光から求められた光量差と、あらかじめ記憶手段16に記憶されている基準値とを比較することで、CCD19で受光した反射光が、原稿60の表面における反射光A、Bであるか、原稿60の裏面における反射光A′、B′であるかを判別する。その判別結果に基づいて原稿60の表面における反射光Aの受光データのみを原稿60の表面の画像データとして用いることができるので、原稿60の裏写りを防止でき、画像の品質を維持することができる。
【0043】
また、原稿60の裏面を走査する構成を必要とせず、1回の原稿60の表面の走査のみで画像データを取得できるので、原稿60の画像の読み取りに必要な時間の増加を抑え、またコストアップを抑制できる。
【0044】
なお、基準値と比較して判別を行うのは、同じ画像イメージ65からの反射光Bの光量が、プラテンガラス5を斜めに横断する分だけ反射光Aより若干弱まり反射光A、Bが完全に一致しないので、誤判別をしないように防止するためである。
【0045】
また、この発明の実施形態では、記憶手段16に記憶されている単一の基準値が用いられているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、一般的に用いられる普通紙や普通紙の中でも厚さの薄いもの、さらにリサイクル紙、新聞紙等における複数の原稿60のタイプに対応する基準値をあらかじめ記憶手段16に記憶させておいてもよい。この場合、図7に示すように、スキャナ装置100に原稿60のタイプの選択の入力を受け付ける原稿タイプ選択手段35を設け、制御部10は原稿タイプ選択手段35を介して選択された原稿60のタイプに対応する基準値を記憶手段16から読み出して上述した反射光の判別に用いる。
【0046】
これによって、読み取られる原稿60のタイプ応じた適切な基準値を用いて上記の判別を行うことができるので、原稿60のタイプにかかわらず原稿の裏写りを確実に防止でき且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0047】
さらに、裏写防止手段21にユーザによる原稿60の基準値の計算処理における実行の指示入力を受け付ける指示入力手段36を設け、上記計算処理が実行された原稿60のタイプ及び上記計算処理の実行により求められた基準値を記憶手段16に記憶させ、原稿タイプ選択手段35を介して選択してもよい。なお、基準値の計算処理の実行の手順については後述する。
【0048】
これによって、あらかじめ記憶手段16に記憶されていなかった原稿60のタイプについても原稿60の裏写りを確実に防止でき、且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0049】
図8は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置の原稿の画像を読み取る手順を示したフローチャートである。プラテンガラス5に載置された原稿60の表面をスキャンする際、まずスキャナモジュール2を開始位置に移動させる(s1)。また、原稿60の矢印Y方向における現在の主走査ライン(行)の走査位置を表すYcountの値を1に設定し(s2)、原稿60の矢印Z方向における現在の副走査ライン(列)の走査位置を表すXcountの値を1に設定する(s3)。なお、原稿60の1ページ分の主走査ライン数をM行、副走査ライン数をN列とし、またYcount、XcountはRAM13に設けられている。
【0050】
次に、原稿60の表面を矢印Y方向に走査してCCD19a、19bで1主走査ライン分の反射光を受光させ(s4)、受光した反射光のうちのYcount、Xcountの値が示す走査位置における反射光の光量差を求め(s5)、基準値と比較する(s6)。s6において光量差が基準値未満であって原稿60の表面における反射光A、Bと判断されれば、Ycount、Xcountの値が示す走査位置のCCD19aで受光した受光データに所定の画像処理を施し(s7)、外部装置等に送信する(s8)。
【0051】
また、s6において光量差が基準値以上であって原稿60の裏面における反射光A′、B′と判断されれば、原稿60の表面におけるXcount、Ycountの値が示す走査位置の受光データを無効の値として外部装置等に送信する。(s9)。次に1主走査ラインのN列までの光量差の判別が終了したかを判断し(s10)、終了していなければXcountの値に1を加え(s11)、s5に戻って次の列の光量差を判定する。s10において1主走査ラインのN列までの光量差の判別が終了したと判断した場合は、1ページ分の走査が終了したかを判断する(s12)。s12において終了していないと判断した場合は、次の主走査ラインを走査するためにYcountの値に1を加え(s13)、スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査ライン分移動させて(s14)s3に戻る。
【0052】
また、s12において1ページ分の走査が終了したと判断するとスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s15)てスキャンを終了する。
【0053】
なお、この発明の実施形態では、2つのCCD19a、19bを用いて構成されているが、特にこれに限定されるものではない。原稿60の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光を受光できればよい。
【0054】
例えば、図9に示すように、スキャナモジュール2の内部に単一のCCD19A、レンズアレイ22a、22b及び裏写防止手段21に設けられた切換手段23を配置する。切換手段23は、2つのミラー23a、23b及びミラー回転モータ24を備えている。図9(a)に示すように、ランプ18から出射された光の原稿60における反射光のうち、レンズアレイ22aによって集光された原稿60の表面に直交する方向の反射光をCCD19aで受光する。その際、ミラー23aは、上記反射光をCCD19aで受光できるようにミラー回転モータ24により一端を中心に回転駆動し、面方向が上記反射光のCCD19aの入射方向と略平行となる位置に移動させる。
【0055】
次に図9(b)に示すように、レンズアレイ22bによって集光された原稿60の表面に直交する方向とは異なる方向の反射光をミラー23b、23aの順に反射させてCCD19aで受光する。その際、ミラー23aは、ミラー回転モータ24により一端を中心に回転駆動し、ミラー23bからの反射光を反射させてCCD19aに入射させる位置に移動させる。
【0056】
また、図10に示すように上述の例の実行の手順は、まずスキャン開始時にスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s1)、レンズアレイ22aを上述した図6(a)に示すような状態に移動させる(s2)。次に、画像メモリ17に格納されているデータをクリア(初期化)し(s3)、Ycountの値を1に設定する(s4)。その後、ランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19aで1主走査ライン分の反射光を受光し(s5)、受光した反射光のデータを一旦画像メモリ17に記憶する(s6)。次に、1ページ分の走査が終了したかを判断し(s7)、1ページ分の走査が終了していなければYcountの値に1を加えて(s8)スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査ライン分移動させて(s9)s5に戻る。
【0057】
さらに、s7にて1ページ分の走査が終了したと判断するとスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s10)、レンズアレイ22aを上述した図9(b)に示すような状態に移動させる(s11)。次に、Ycountの値を1に設定し(s12)、Xcountの値を1に設定する(s13)。次に、ランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19bで1主走査ライン分の反射光を受光し(s14)、その後、一旦画像メモリ17に格納しておいたCCD19aで受光した反射光の光量とs13においてCCD19bにて受光した反射光の光量とのYcount、Xcountの値が示す走査位置の光量差を求め(s15)、基準値と比較する(s16)。s16において光量差が基準値未満であって原稿60の表面における反射光A、Bと判断した場合は、CCD19aで受光したYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データに所定の画像処理を施し(s17)、外部装置等に送信する(s18)。
【0058】
s16において光量差が基準値以上であることから原稿60の裏面における反射光A′、B′と判断した場合は、原稿60の表面におけるYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データを無効の値として外部装置等に送信する(s19)。
【0059】
次に1主走査ラインのN列までの光量差の判別が終了したかを判断し(s20)、終了していなければXcountの値に1を加え(s21)、s15に戻って次の列の光量差を判定する。s20において1ライン分の光量差の判別が終了したと判断した場合は、1ページ分の走査が終了したかを判断し(s22)、終了していなければ次の主走査ラインを走査するためにYcountの値に1を加え(s23)、スキャナモジュール2を1副走査ライン分移動させ(s24)てs13に戻る。
【0060】
また、s22において1ページ分の走査が終了したと判断した場合は、スキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s25)、レンズアレイ22aを図6(a)に示す状態に移動させて(s26)スキャンを終了する。
【0061】
上述した例の構成のように裏写防止手段21に備えられた切換手段23により上記2方向の反射光をそれぞれ異なるタイミングで単一のCCD19aに入射させることによって、新たにCCD等のイメージセンサを設けることなく、原稿の裏写りを防止できるので、コストアップをより抑制することができる。
【0062】
図11は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。上述した基準値は、原稿60の表面を走査した際の裏面における複数の走査位置の上記2方向の反射光A′、B′の光量差の平均値である。したがって、正確に上記裏面における反射光A′、B′を受光するため、図12に示すように原稿60の表面からの反射光A、Bが影響しないように裏面にのみ所定の検出用画像の形成された原稿60の表面を走査する。この時、検出用画像が形成されている原稿の裏面の位置に対向する表面の走査位置をあらかじめ記憶手段16に記憶させておき、上記記憶手段16に記憶されている走査位置に基づいて検出用画像の裏面における反射光A′、B′の光量差の平均値を求める。
【0063】
図11に示すように、基準値の計算処理の実行が開始されるとスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s1)、RAM13に設けられた反射光A′、B′の光量差の積算値であるSdata及びSdataに積算した光量差の数を表すcountの値を0に、またYcountの値を1に設定する(s2)。次に、Xcountの値を1に設定し(s3)、ランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19a、19bにて1ライン分の反射光を受光する(s4)。その後、Ycount、Xcountの値が示す走査位置が記憶手段16に記憶されている検出用画像に対応する走査位置であるかを判別し、受光した反射光A′、B′が検出用画像における反射光A′、B′であるかを判断する(s5)。s5において、受光した反射光A′B′が検出用画像におけるものと判断した場合は、受光した反射光A′、B′のYcount、Xcountの値が示す走査位置における光量差の値を求めてSdataの値に加え、countの値に1を加える(s6)。
【0064】
また、s5において検出用画像からの反射光A′、B′でないと判断した場合及びs6の処理が終了した際、Ycountの値が示す主走査ラインのN列までのs5、s6の処理が終了したかを判断し(s7)、終了していなければXcountの値に1を加えて(s8)s5に戻る。s7においてYcountの値が示す主走査ラインのs5、s6の処理が終了したと判断すると、1ページ分の走査及び光量差の値の追加が終了したかを判断し(s9)、終了していなければ次の主走査ラインを走査するためにYcountの値に1を加え(s10)、スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査ライン分移動させて(s11)s3に戻る。
【0065】
また、s9において検出用画像における反射光A′、B′の光量差を積算したSdataの値をcountの値で割って求められた光量差の平均値を記憶手段16に基準値として格納する(s12)。その後、スキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s13)て終了する。
【0066】
上記の構成によって、適切な基準値を設けることができるので、原稿60の表面における反射光A、Bであるか、裏面における反射光A′、B′であるかを適切に判別でき、原稿60の裏写りを確実に防止することができる。しかしながら、実際のスキャンでは、裏面における反射光A′、B′は、原稿60の厚さによって反射する位置が異なってくる。例えば、図13に示すように、原稿60の表面の走査位置Pを走査すると、CCD19a受光する裏面における反射光A′とCCD19b受光する裏面における反射光B′とでは、裏面において反射する位置が矢印Z方向にずれてしまう。
【0067】
したがって、図13(a)に示すように、原稿60の表面の走査位置PにおいてCCD19aが受光した裏面における反射光A′と、図13(b)に示すように移動距離31だけ矢印Z方向にずらした走査位置P′において受光した反射光B′と、の光量差を用いて基準値を計算する。
【0068】
この場合、まず検出用画像における反射光A′、B′それぞれを最初に受光する走査位置を求める。なお、走査開始位置には検出用画像を形成せず、開始位置における反射光A′、B′の光量を基準の光量とする。これにより、上記一定の光量の反射光A′、B′よりも低い反射光A′、B′を受光した時の走査位置を最初に検出用画像における反射光A′、B′を受光した走査位置と判断する。上記検出用画像における反射光A′、B′を最初に受光する走査位置を検出した後、最初の検出用画像における反射光A′、B′を受光した走査位置の矢印Z方向の差分(移動距離31)を求める。それ以降、求められた反射光A′と、上記反射光A′における走査位置に上記差分を加えた位置での反射光B′と、の光量差の平均値を求めて基準値として記憶手段16に記憶する。
【0069】
ここで移動距離31は、原稿の裏面の同一の位置において反射する反射光A′と反射光B′とをそれぞれ受光する際に走査する原稿60の表面の走査位置の矢印Z方向のこの発明の差分であり、原稿60の厚みによって異なってくる。原稿60が厚ければ上記差分は大きくなり、薄いほど上記差分は小さくなる。
【0070】
また、移動距離31は、図14に示すように、用紙の厚さ33と原稿60の表面に直交する方向と反射光B′の進行方向とのなす角度θとの関係から求められる。例えば、原稿60の表面の走査位置Pを走査した場合、用紙の厚さ33が60μm、原稿の表面に直交する方向と反射光B′とのなす角度θが60°の時の移動距離31(差分)は、
60μm×Tan60°≒103.9μm
となる。そのため、原稿60の走査位置Pを走査した際にCCD19aが受光した裏面からの反射光A′と原稿の裏面の同一の位置で反射するCCD19bが受光する反射光B′は、原稿60の表面の走査位置Pから矢印Z方向に103.9μmずれた走査位置P′を走査した際のものである。
【0071】
また、例えば、移動距離31が103.9μmで、スキャナ装置100の矢印Z方向の解像度が1200dpiの場合に移動距離31は、
103.9μm/(25.4mm/1200dpi)≒5ライン
となる。
【0072】
図15は、この発明の実施形態に係るスキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。図15に示すように上述の基準値の計算処理の実行手順は、まずスキャナモジュール2を開始位置に移動させ(s1)、Sdata、countの値を0に、Ycountの値を1に設定する(s2)。次に、RAM13に設けられ、検出用画像の形成された位置における反射光A′及びB′を最初に受光した時の走査位置を格納するYs及びYeに−1をセットし(s3)、Xcountの値に1を設定する(s4)。
【0073】
次にランプ18から出射される光を矢印Y方向に走査してCCD19a、19bで1主走査ラインの反射光を受光し(s5)、CCD19a、19bで受光した反射光のデータを一旦画像メモリ17に格納する(s6)。次に、検出用画像における反射光A′、B′を最初に受光した走査位置がYs、Yeに格納されているか判断する(s7)。s7にて検出用画像における反射光A′を最初に受光した走査位置が格納されていないと判断(Ys=−1)した場合は、s5にて受光したCCD19aにおけるYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データが検出用画像における反射光A′であるか否かを判断する(s8)。
【0074】
s8での検出用画像における反射光A′であるか否かの判断は、上述したように原稿60の走査の開始位置における反射光A′の光量との比較によって行う。走査開始位置における反射光A′の光量の値と異なる場合は、検出用画像における反射光A′として判断する。
【0075】
一方、s8にて検出用画像における反射光A′と判断した場合、Ysに上記反射光A′の矢印Z方向の走査位置を示すYcountの値を格納し(s9)、s10の処理に移行する。また、s7にて検出用画像における反射光B′を最初に受光した走査位置が格納されてないと判断(Ye=−1)した場合も、s10の処理へ移行し、s8の処理と同様にs5にてCCD19aが受光したYcount、Xcountの値が示す走査位置の受光データが検出用画像における反射光B′であるか否かを判断する。
【0076】
s10にて検出用画像における反射光B′と判断した場合、Yeに上記反射光B′のYcountの値を格納し(s11)、CCD19a、19bにおける検出用画像を最初に受光した走査位置の上記差分(移動距離31)Gを求め(s12)、s13の処理へ移行する。s10にて検出用画像における反射光B′ではないと判断した場合は、s16の処理へ移行する。
【0077】
また、s7にて検出用画像における反射光A′、B′を最初に受光した矢印Z方向の走査位置が既に格納されていると(Ys、Ye≠−1)判断した場合は、Ycountの値から差分Gの値だけ差し引いた際の値とXcountの値とが示す走査位置におけるCCD19aで受光した反射光A′の光量を求め(s13)、またCCD19bで受光したYcount、Xcountの値が示す走査位置の反射光B′光量を求める(s14)。s13及びs14にて求められた2つの光量の光量差の値をSdataの値に加えてcountの値に1を加える(s15)。
【0078】
その後、s5にて受光したYcountの値が示す走査ラインのN列までの反射光A′、B′のs7〜s15における処理が終了したか判断し(s16)、終了していなければXcountの値に1を加えてs7に戻る。また、s16にて1主走査ラインのN列までの処理が終了したと判断した場合は1ページ分の走査が終了したか判断し(s18)、終了していないと判断した場合はYcountの値に1を加え(s19)、スキャナモジュール2を矢印Z方向に1主走査分移動させて(s20)s4に戻る。
【0079】
また、s18にて1ページ分の走査が終了したと判断された場合、Sdataの値をcountの値で割って求めた光量差の平均値を基準値として記憶手段16に格納する(s21)。その後、スキャナモジュール2を開始位置に移動させて(s22)終了する。
【0080】
上述の構成によって、同一の画像における反射光A′、B′の光量差を求めて基準値を定めることができるので、原稿60の表面における反射光A、Bか、裏面における反射光A′、B′かの判別をより正確に行うことができ、原稿60の裏写りをより防止することができる。
【0081】
なお、一般的に用紙の厚さは約60μmであり、CCD19bで受光する反射光B、B′の入射角は一定であるため、移動距離31を一意に決めて基準値を定めても大きな問題は生じない。
【0082】
また、上述の指示入力手段36を用いて指示入力された場合の基準値の計算処理の実行においても上記図15の手順を適用することにより、あらかじめ記憶手段16に記憶されていない原稿60のタイプの基準値をより正確に設定できる。
【0083】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0084】
(1)上記受光された2方向の反射光の光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて判別された原稿の表面おける反射光の受光データのみを原稿の表面の画像データとして用いることによって、原稿の裏写りを防止することができ、画像の品質を維持することができる。
【0085】
また、原稿の裏面を走査する構成を必要とせず、1回の原稿の表面の走査のみで画像データを取得できるので、原稿の画像の読み取りに必要な時間の増加を抑えることが可能となり、さらにコストアップを抑制できる。
【0086】
(2)上記2方向の反射光をそれぞれ異なるタイミングで単一のイメージセンサに入射させることによって、新たにイメージセンサを設けることなく原稿の裏写りを防止することができるので、コストアップをより抑制できる。
【0087】
(3)原稿の裏面における複数の走査位置での2方向の反射光についての光量差の平均値を上記基準値として用いることによって、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を正確に実行できる。
【0088】
(4)読み取られる原稿のタイプ応じた適切な上記基準値を用いて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を行うことによって、原稿のタイプにかかわらず原稿の裏写りを確実に防止でき、且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0089】
(5)ユーザによって指示された計算処理の実行により求められた原稿の基準値及び上記原稿のタイプを記憶手段に記憶させることによって、記憶手段に記憶されていない原稿のタイプについても適切な基準値を用いることができるので、あらかじめ記憶手段に記憶されていなかった原稿のタイプについても原稿の裏写りを確実に防止でき、且つ画像の品質を一定に維持することができる。
【0090】
(6)原稿の表面が走査された際の原稿の裏面の反射光における受光データの検出用画像の走査位置の差分を考慮した前記光量差の平均値を基準値として用いることによって、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別をより正確に実行でき、原稿の裏写りをより適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るスキャナ装置の簡単な構成を示す図である。
【図2】同スキャナ装置の制御の構成を示すグロック図である。
【図3】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図4】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図5】原稿のタイプに対する光量差を示す図である。
【図6】原稿のタイプに対する光量差を示す図である。
【図7】この発明の実施形態に係るスキャナ装置の制御の構成を示すグロック図である。
【図8】同スキャナ装置の原稿を読み取る手順を示したフローチャートである。
【図9】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図10】同スキャナ装置の原稿を読み取る手順を示したフローチャートである。
【図11】同スキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。
【図12】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図13】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図14】同スキャナ装置の構成の一部を拡大した図である。
【図15】同スキャナ装置に適用される基準値の計算処理の実行手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2−スキャナモジュール
10−制御部
12−表示部
16−記憶手段
17−画像メモリ
19−CCD
21−裏写防止手段
23−切換手段
23a−ミラー
23b−ミラー
24−ミラー回転モータ
31−移動距離
35−原稿タイプ選択手段
36−指示入力手段
100−スキャナ装置
A、A′−反射光
B、B′−反射光
Claims (6)
- 原稿の表面に光を走査して反射させた反射光の受光データに基づいて原稿の表面の画像データを取得するスキャナ装置において、
原稿の表面における同一の走査位置で原稿の表面に直交する方向とのなす角度が互いに異なる2方向の反射光の光量差を求め、該光量差とあらかじめ設定されている所定の基準値との比較結果に基づいて、受光した反射光が原稿の表面における反射光であるか原稿の裏面における反射光であるかの判別を行い、原稿の表面における反射光の受光データのみを原稿の表面の画像データとして用いる裏写防止手段を備えたことを特徴とするスキャナ装置。 - 前記裏写防止手段は、単一のイメージセンサに前記2方向の反射光のそれぞれを異なるタイミングで切り換えて入射させる切換手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。
- 前記基準値は、原稿の裏面における複数の走査位置での反射光についての前記光量差の平均値であることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。
- 原稿の複数のタイプのいずれかの選択の入力を受け付ける原稿タイプ選択手段を設け、
前記裏写防止手段は、原稿の複数のタイプのそれぞれに対応する前記基準値を記憶する記憶手段を備え、
前記原稿タイプ選択手段における入力内容に基づいて前記判別に用いる前記基準値を前記記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。 - 前記裏写防止手段は、ユーザによる前記基準値の計算処理の実行の指示入力を受け付ける指示入力手段を設け、前記原稿のタイプとともに前記指示入力手段により計算処理の実行が指示された際に原稿の裏面における前記2方向の反射光の複数の光量差の平均値を前記基準値として記憶手段に記憶することを特徴とする請求項4に記載のスキャナ装置。
- 裏面の所定の位置のみに検出用画像が形成された原稿についての前記2方向の反射光の受光データにおける検出用画像の位置の走査方向についての差分を求め、2方向の反射光の受光データを前記差分を加えた走査方向の複数の位置について比較した光量差の平均値を前記基準値とすることを特徴とする請求項3に記載のスキャナ装置。
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US7773273B2 (en) | 2007-04-03 | 2010-08-10 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method and apparatus for removing show-through in scanned image |
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