JP2004266419A - ヘリカルアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスに整合させることが可能なヘリカルアンテナを提供する。
【解決手段】例えば、2線式のヘリカルアンテナなどのヘリカルアンテナにおいて、放射素子の給電点に接続される部分に誘導性リアクタンス部を有することを特徴とする。この誘導性リアクタンス部は、例えば、ミアンダラインなどの折り返しパターンを有する導電線であり、この折り返しパターンを有する導電線の1折り返しパターン(ミアンダラインの1セル)の長さ、並びに、折り返し回数は、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスが、給電線路の特性インピーダンスに整合するように選択されている。
【選択図】 図1
【解決手段】例えば、2線式のヘリカルアンテナなどのヘリカルアンテナにおいて、放射素子の給電点に接続される部分に誘導性リアクタンス部を有することを特徴とする。この誘導性リアクタンス部は、例えば、ミアンダラインなどの折り返しパターンを有する導電線であり、この折り返しパターンを有する導電線の1折り返しパターン(ミアンダラインの1セル)の長さ、並びに、折り返し回数は、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスが、給電線路の特性インピーダンスに整合するように選択されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリカルアンテナに係わり、特に、衛星放送受信用移動アンテナ、移動通信システム、あるいは、無線LANの天井取り付けアンテナに好適なヘリカルアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両や携帯端末などの移動体は、進行方向が不特定であるため、偏波面が交差して損失を招くことがないように円偏波を用いることがある。
この場合に、アンテナの指向性が円錐状であると、静止衛星の受信や、天井面にアンテナを設置する場合効率がよい。
このようなアンテナとして、第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナがある(例えば、下記非特許文献参照)。
図7は、従来の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
同図において、11,12は放射素子、2は接地導体、F1,F2は給電点である。
同図に示すように、従来の2線式ヘリカルアンテナは、接地導体2上に、螺旋状に配置される2本の放射素子(11,12)を有する。
ここで、各放射素子(11,12)の給電点(F1,F2)が、螺旋状に巻かれた放射素子(11,12)で構成される円の中心に点対象に配置される。また、給電点(F1,F2)には、同位相の励振電力が供給される。
【0003】
図8は、従来の2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
図8に示すグラフを測定した時の、2線式ヘリカルアンテナの各部の寸法は、以下の通りである。
(イ)周波数(f)が2GHz、波長(λ2)が150mm
(ロ)各放射素子(11,12)の螺旋部の半径(ρ)が0.00333λ2、円周(C)が2.0λ2
(ハ)各放射素子(11,12)の全体の長さ(STTL)が4.3779λ2
(ニ)ピッチ角(図2に示すα)が3度
(ホ)アンテナの高さ(H)が0.267λ2
図8(a)は、図1に示すZ−X面の指向特性を示すグラフであり、図8(a)のグラフでは、最大放射方向が、θ=35度となっている。
このθ=35度における方位角(φ)特性を、図8(b)に示す。この図8(b)から分かるように、θ=35度における方位角(φ)特性は一様となっており、コニカルビームが形成されていることが分かる。なお、図8のグラフで、実線は円偏波の右回り成分の電界強度、波線は円偏波の左回りの電界強度を示す。
【0004】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【非特許文献】
増井,三牧,山内,中野,“2線式円偏波第2モードヘリカルアンテナ”,信学ソサイエティ大会,B−1−69,2001.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナは、入力インピーダンスが、一般的な給電線路の特性インピーダンスである50Ωより高い。
そのため、給電回路において、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスと、給電線路の特性インピーダンスとの整合を取る必要があり、結果として、給電回路の回路構成が複雑になるという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスに整合させることが可能なヘリカルアンテナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、例えば、接地導体上に螺旋状に配置される放射素子を備える2線式ヘリカルアンテナなどのヘリカルアンテナにおいて、放射素子の給電点に接続される部分に誘導性リアクタンス部を有することを特徴とする。
この誘導性リアクタンス部は、例えば、ミアンダラインなどの折り返しパターンを有する導電線であり、この折り返しパターンを有する導電線の1折り返しパターン(ミアンダラインの1セル)の長さ、並びに、折り返し回数は、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスが、給電線路の特性インピーダンスに整合するように選択されている。
【0007】
ミアンダライン等の誘導性リアクタンス部は、アンテナの入力インピーダンスを変化させることができる。
したがって、2線式のヘリカルアンテナなどのヘリカルアンテナにおいて、放射素子の給電点に接続される部分に誘導性リアクタンス部を設けることにより、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスである50Ωに整合させることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
同図において、11,12は放射素子、2は接地導体、F1,F2は給電点、10はミアンダライン部である。
本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナも、接地導体2上に、螺旋状に配置される2本の放射素子(11,12)を有する。
また、各放射素子(11,12)の給電点(F1,F2)が、螺旋状に巻かれた放射素子(11,12)で構成される円の中心に点対象に配置される。
本実施の形態では、各放射素子(11,12)は、給電点(F1,F2)に接続する部分にミアンダライン部10を有する。なお、給電点(F1,F2)には、同位相の励振電力が供給される。
【0009】
図2は、本実施の形態の各放射素子(11,12)の構成を示す図である。
同図(b)に示すように、各放射素子(11,12)のミアンダライン部10は、同図(a)に示すパターン形状(以下、セルという。)を、Nセル有する。
ミアンダラインは、直線状導体に比べて誘導性のリアクタンス分布をするため、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスを変化させることができる。
この変化量は、ミアンダラインの1セルの長さ(図2では、ΔA+ΔL+2ΔA+ΔL+ΔA)と、ミアンダラインの長さ(即ち、全体のセル数)で調整することができる。
したがって、1セルの長さ、および1セルの繰り返し回数(全体のセル数)を適宜調整することにより、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスである50Ωに整合させることが可能となる。
【0010】
これにより、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナでは、従来のように、給電回路において、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスと、給電線路の特性インピーダンスとの整合を取る必要が無くなるので、給電回路の回路構成を簡略することが可能となる。
また、この誘導性のリアクタンス分布により、放射素子の全体の長さが短縮できるので、2線式ヘリカルアンテナの高さを低姿勢することが可能となる。
なお、前述の説明では、2線式ヘリカルアンテナの各放射素子(11,12)の給電点(F1,F2)に接続される誘導性リアクタンス部として、ミアンダラインを使用した場合について説明したが、前述の説明から明らかなように、ミアンダラインに代えて、折り返しパターンを有する導電線などを使用することも可能である。
この折り返しパターンを有する導電線としては、例えば、図6(a)に示すような、三角形形状の折り返しパターンを有する導電線、あるいは、図6(b)に示すような、サインカーブ形状の折り返しパターンを有する導電線が使用可能である。
さらに、本発明は、単一の放射素子から成るヘリカルアンテナにも適用可能であることはいうまでもない。
【0011】
図3は、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
図4は、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナのVSWRの周波数特性の一例を示すグラフである。
図5は、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナの利得の周波数特性の一例を示すグラフである。
図3ないし図5に示すグラフを測定した時の、2線式ヘリカルアンテナの各部の寸法は、以下の通りである。
(イ)周波数(f)が2GHz、波長(λ2)が150mm
(ロ)各放射素子(11,12)の螺旋部の半径(ρ)が0.00333λ2、円周(C)が2.0λ2
(ハ)各放射素子(11,12)の全体の長さ(STTL)が4.3779λ2、ミアンダラインの後に続くなだらかな部分の長さ(SHX)が2.270λ2
(ニ)ピッチ角(図2に示すα)が3度
(ホ)図2に示すΔAが0.022λ2、ΔLが0.020λ2、繰り返し回数(N)が16
(へ)図2に示すΔhが0.040λ2、アンテナの高さ(H)が0.020λ2
【0012】
図3(a)は、図1に示すZ−X面の指向特性を示すグラフであり、図3(a)のグラフでは、最大放射方向が、θ=35度となっている。
このθ=35度における方位角(φ)特性を、図3(b)に示す。
図3(b)から分かるように、θ=35度における方位角(φ)特性は一様となっており、コニカルビームが形成されていることが分かる。なお、図3のグラフで、実線は円偏波の右回り成分の電界強度、波線は円偏波の左回りの電界強度を示す。
また、周波数(f)を2GHz、各放射素子(11,12)の螺旋部の半径(ρ)を0.00333λ2、円周(C)を2.0λ2として、各放射素子全体がなめらかな螺旋で構成される場合、アンテナの高さ(H)は0.2670λ2となるが、前述した構造値によれば、アンテナの高さ(H)は0.20λ2となり、各放射素子全体がなめらかな螺旋で構成される場合に比して、ミアンダラインにより、アンテナの高さ(H)が、約77%低姿勢化されている。
【0013】
図4に示すように、前述した構造値を有する本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナにおいて、VSWRが2以下と成る比帯域(VSWRが2以下の帯域中心周波数に対する比帯域幅)は5%である。
図5は、図3(a)に示すθが35度の時の、利得の周波数特性を示すグラフであり、図4に示すVSWRが2以下と成る比帯域において、利得(GR)は約6dB(GR=6dB)である。
以上説明したように、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナによれば、給電点に接続される部分にミアンダラインを設けることにより、入力インピーダンスを、給電線路の特性インピーダンス(例えば、50Ω)に整合させることが可能となる。
また、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナによれば、従来の2線式ヘリカルアンテナよりも、低姿勢化が可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0014】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)本発明のヘリカルアンテナによれば、入力インピーダンスを、給電線路の特性インピーダンスに整合させることが可能となる。
(2)本発明のヘリカルアンテナによれば、低姿勢化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の各放射素子(11,12)の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナのVSWRの周波数特性の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナの利得の周波数特性の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナにおいて、ミアンダラインに代えて使用可能な折り返しパターンを有する導電線を示す図である。
【図7】従来の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
【図8】従来の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
11,12…放射素子、2…接地導体、10…ミアンダライン部、F1,F2…給電点。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリカルアンテナに係わり、特に、衛星放送受信用移動アンテナ、移動通信システム、あるいは、無線LANの天井取り付けアンテナに好適なヘリカルアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両や携帯端末などの移動体は、進行方向が不特定であるため、偏波面が交差して損失を招くことがないように円偏波を用いることがある。
この場合に、アンテナの指向性が円錐状であると、静止衛星の受信や、天井面にアンテナを設置する場合効率がよい。
このようなアンテナとして、第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナがある(例えば、下記非特許文献参照)。
図7は、従来の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
同図において、11,12は放射素子、2は接地導体、F1,F2は給電点である。
同図に示すように、従来の2線式ヘリカルアンテナは、接地導体2上に、螺旋状に配置される2本の放射素子(11,12)を有する。
ここで、各放射素子(11,12)の給電点(F1,F2)が、螺旋状に巻かれた放射素子(11,12)で構成される円の中心に点対象に配置される。また、給電点(F1,F2)には、同位相の励振電力が供給される。
【0003】
図8は、従来の2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
図8に示すグラフを測定した時の、2線式ヘリカルアンテナの各部の寸法は、以下の通りである。
(イ)周波数(f)が2GHz、波長(λ2)が150mm
(ロ)各放射素子(11,12)の螺旋部の半径(ρ)が0.00333λ2、円周(C)が2.0λ2
(ハ)各放射素子(11,12)の全体の長さ(STTL)が4.3779λ2
(ニ)ピッチ角(図2に示すα)が3度
(ホ)アンテナの高さ(H)が0.267λ2
図8(a)は、図1に示すZ−X面の指向特性を示すグラフであり、図8(a)のグラフでは、最大放射方向が、θ=35度となっている。
このθ=35度における方位角(φ)特性を、図8(b)に示す。この図8(b)から分かるように、θ=35度における方位角(φ)特性は一様となっており、コニカルビームが形成されていることが分かる。なお、図8のグラフで、実線は円偏波の右回り成分の電界強度、波線は円偏波の左回りの電界強度を示す。
【0004】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【非特許文献】
増井,三牧,山内,中野,“2線式円偏波第2モードヘリカルアンテナ”,信学ソサイエティ大会,B−1−69,2001.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナは、入力インピーダンスが、一般的な給電線路の特性インピーダンスである50Ωより高い。
そのため、給電回路において、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスと、給電線路の特性インピーダンスとの整合を取る必要があり、結果として、給電回路の回路構成が複雑になるという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスに整合させることが可能なヘリカルアンテナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、例えば、接地導体上に螺旋状に配置される放射素子を備える2線式ヘリカルアンテナなどのヘリカルアンテナにおいて、放射素子の給電点に接続される部分に誘導性リアクタンス部を有することを特徴とする。
この誘導性リアクタンス部は、例えば、ミアンダラインなどの折り返しパターンを有する導電線であり、この折り返しパターンを有する導電線の1折り返しパターン(ミアンダラインの1セル)の長さ、並びに、折り返し回数は、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスが、給電線路の特性インピーダンスに整合するように選択されている。
【0007】
ミアンダライン等の誘導性リアクタンス部は、アンテナの入力インピーダンスを変化させることができる。
したがって、2線式のヘリカルアンテナなどのヘリカルアンテナにおいて、放射素子の給電点に接続される部分に誘導性リアクタンス部を設けることにより、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスである50Ωに整合させることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
同図において、11,12は放射素子、2は接地導体、F1,F2は給電点、10はミアンダライン部である。
本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナも、接地導体2上に、螺旋状に配置される2本の放射素子(11,12)を有する。
また、各放射素子(11,12)の給電点(F1,F2)が、螺旋状に巻かれた放射素子(11,12)で構成される円の中心に点対象に配置される。
本実施の形態では、各放射素子(11,12)は、給電点(F1,F2)に接続する部分にミアンダライン部10を有する。なお、給電点(F1,F2)には、同位相の励振電力が供給される。
【0009】
図2は、本実施の形態の各放射素子(11,12)の構成を示す図である。
同図(b)に示すように、各放射素子(11,12)のミアンダライン部10は、同図(a)に示すパターン形状(以下、セルという。)を、Nセル有する。
ミアンダラインは、直線状導体に比べて誘導性のリアクタンス分布をするため、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスを変化させることができる。
この変化量は、ミアンダラインの1セルの長さ(図2では、ΔA+ΔL+2ΔA+ΔL+ΔA)と、ミアンダラインの長さ(即ち、全体のセル数)で調整することができる。
したがって、1セルの長さ、および1セルの繰り返し回数(全体のセル数)を適宜調整することにより、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスを、一般的な給電線路の特性インピーダンスである50Ωに整合させることが可能となる。
【0010】
これにより、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナでは、従来のように、給電回路において、2線式ヘリカルアンテナの入力インピーダンスと、給電線路の特性インピーダンスとの整合を取る必要が無くなるので、給電回路の回路構成を簡略することが可能となる。
また、この誘導性のリアクタンス分布により、放射素子の全体の長さが短縮できるので、2線式ヘリカルアンテナの高さを低姿勢することが可能となる。
なお、前述の説明では、2線式ヘリカルアンテナの各放射素子(11,12)の給電点(F1,F2)に接続される誘導性リアクタンス部として、ミアンダラインを使用した場合について説明したが、前述の説明から明らかなように、ミアンダラインに代えて、折り返しパターンを有する導電線などを使用することも可能である。
この折り返しパターンを有する導電線としては、例えば、図6(a)に示すような、三角形形状の折り返しパターンを有する導電線、あるいは、図6(b)に示すような、サインカーブ形状の折り返しパターンを有する導電線が使用可能である。
さらに、本発明は、単一の放射素子から成るヘリカルアンテナにも適用可能であることはいうまでもない。
【0011】
図3は、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
図4は、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナのVSWRの周波数特性の一例を示すグラフである。
図5は、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナの利得の周波数特性の一例を示すグラフである。
図3ないし図5に示すグラフを測定した時の、2線式ヘリカルアンテナの各部の寸法は、以下の通りである。
(イ)周波数(f)が2GHz、波長(λ2)が150mm
(ロ)各放射素子(11,12)の螺旋部の半径(ρ)が0.00333λ2、円周(C)が2.0λ2
(ハ)各放射素子(11,12)の全体の長さ(STTL)が4.3779λ2、ミアンダラインの後に続くなだらかな部分の長さ(SHX)が2.270λ2
(ニ)ピッチ角(図2に示すα)が3度
(ホ)図2に示すΔAが0.022λ2、ΔLが0.020λ2、繰り返し回数(N)が16
(へ)図2に示すΔhが0.040λ2、アンテナの高さ(H)が0.020λ2
【0012】
図3(a)は、図1に示すZ−X面の指向特性を示すグラフであり、図3(a)のグラフでは、最大放射方向が、θ=35度となっている。
このθ=35度における方位角(φ)特性を、図3(b)に示す。
図3(b)から分かるように、θ=35度における方位角(φ)特性は一様となっており、コニカルビームが形成されていることが分かる。なお、図3のグラフで、実線は円偏波の右回り成分の電界強度、波線は円偏波の左回りの電界強度を示す。
また、周波数(f)を2GHz、各放射素子(11,12)の螺旋部の半径(ρ)を0.00333λ2、円周(C)を2.0λ2として、各放射素子全体がなめらかな螺旋で構成される場合、アンテナの高さ(H)は0.2670λ2となるが、前述した構造値によれば、アンテナの高さ(H)は0.20λ2となり、各放射素子全体がなめらかな螺旋で構成される場合に比して、ミアンダラインにより、アンテナの高さ(H)が、約77%低姿勢化されている。
【0013】
図4に示すように、前述した構造値を有する本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナにおいて、VSWRが2以下と成る比帯域(VSWRが2以下の帯域中心周波数に対する比帯域幅)は5%である。
図5は、図3(a)に示すθが35度の時の、利得の周波数特性を示すグラフであり、図4に示すVSWRが2以下と成る比帯域において、利得(GR)は約6dB(GR=6dB)である。
以上説明したように、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナによれば、給電点に接続される部分にミアンダラインを設けることにより、入力インピーダンスを、給電線路の特性インピーダンス(例えば、50Ω)に整合させることが可能となる。
また、本実施の形態の2線式ヘリカルアンテナによれば、従来の2線式ヘリカルアンテナよりも、低姿勢化が可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0014】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)本発明のヘリカルアンテナによれば、入力インピーダンスを、給電線路の特性インピーダンスに整合させることが可能となる。
(2)本発明のヘリカルアンテナによれば、低姿勢化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の各放射素子(11,12)の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナのVSWRの周波数特性の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナの利得の周波数特性の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナにおいて、ミアンダラインに代えて使用可能な折り返しパターンを有する導電線を示す図である。
【図7】従来の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナを示す斜視図である。
【図8】従来の第2モードで動作する2線式ヘリカルアンテナの指向特性の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
11,12…放射素子、2…接地導体、10…ミアンダライン部、F1,F2…給電点。
Claims (4)
- 接地導体上に螺旋状に配置される放射素子を備えるヘリカルアンテナにおいて、
前記放射素子の給電点に接続される部分に、誘導性リアクタンス部を有することを特徴とするヘリカルアンテナ。 - 前記誘導性リアクタンス部は、折り返しパターンを有する導電線であり、
前記折り返しパターンを有する導電線の1折り返しパターンの長さ、および、折り返し回数は、ヘリカルアンテナの入力インピーダンスが、給電線路の特性インピーダンスに整合するように選択されていることを特徴とする請求項1に記載のヘリカルアンテナ。 - 前記折り返しパターンを有する導電線は、ミアンダラインであることを特徴とする請求項2に記載のヘリカルアンテナ。
- 前記ヘリカルアンテナは、2線式のヘリカルアンテナであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のヘリカルアンテナ。
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JP2003052697A JP2004266419A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | ヘリカルアンテナ |
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JP2008536357A (ja) * | 2005-03-09 | 2008-09-04 | ソシエテ ドゥ テクノロジー ミシュラン | Rfidトランズポンダアンテナの丈夫な取付け |
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- 2003-02-28 JP JP2003052697A patent/JP2004266419A/ja active Pending
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