JP2004265909A - 基板の支持装置及び該装置を備えた基板の処理装置、並びに基板の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の側周面の周方向複数位置を接触支持する場合に、基板の高速回転中に、基板との間で摺動運動が生じるのを防止する。
【解決手段】軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、基板Aを支持するための複数の支持ピン34とを有する。複数の支持ピン34は、基板の側周面52を側方から接触する支持側面を有し、支持側面の水平断面は、各支持ピン34の軸線を中心とする円弧をなし、支持側面は自転可能である。複数の支持ピン34を同期させながら、軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、スピンチャックの回転中に、複数の支持ピン34を所定角度自転させることにより、基板を支持側面に対してころがり接触の仕方でスピンチャックに対して相対回転させる。
【選択図】 図2
【解決手段】軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、基板Aを支持するための複数の支持ピン34とを有する。複数の支持ピン34は、基板の側周面52を側方から接触する支持側面を有し、支持側面の水平断面は、各支持ピン34の軸線を中心とする円弧をなし、支持側面は自転可能である。複数の支持ピン34を同期させながら、軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、スピンチャックの回転中に、複数の支持ピン34を所定角度自転させることにより、基板を支持側面に対してころがり接触の仕方でスピンチャックに対して相対回転させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の支持装置及び該装置を備えた基板の処理装置、並びに基板の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、超LSIデバイスの高性能化及び高集積化の要請から、半導体基板は、水平方向には微細化が、一方垂直方向には配線の多層化がそれぞれ追求されている。このような半導体基板の製造工程において、基板に付着した異物、不要な膜或いは不要な処理液を薬液或いは純水によって取り除く基板の洗浄工程及び乾燥工程は、必要不可欠な工程であり、この工程をいかに効率的に行うかが、半導体基板の製造コストに多大な影響を与える。
【0003】
より詳細には、製造工程中の特に配線工程は、従来から、成膜工程とリソグラフィ工程の繰り返しによって、1層毎に半導体基板の構造が決定され、多層配線構造が形成されるが、その手順は概略以下のようである。
【0004】
リソグラフィ工程により、絶縁膜にコンタクトホール或いはビアホールを形成する。次いで、コンタクトホール或いはビアホール中へ配線用金属を埋め込む。次いで、リソグラフィ工程により配線金属を成膜し、それを層間絶縁膜で覆って配線層を形成する。以上により1層分の配線が完成する。
【0005】
この場合、リソグラフィ工程において一時的に利用される不要なレジスト膜を基板から完全に取り除く必要がある。また、リソグラフィ工程において形成されるコンタクトホール或いはビアホールからはみ出した余分な金属は、エッチバック或いはCMPにより除去されるが、除去した金属を基板から完全に取り除くのに基板の洗浄が必要となる。更に、層間絶縁膜を形成するのに用いた処理液を基板から完全に取り除くのに基板の洗浄が必要となる。
【0006】
このような除去すべき異物は、基板の表面、裏面、側周面及びベベル部(側面の縁斜め部分)、つまり基板の全表面に亘り拡散して付着しており、完全に基板から除去されないと、パターニング精度或いはデバイス特性に悪影響を与えるのはもちろん、クロスコンタミネーションの原因ともなる。
【0007】
この点に関連して、いわゆる配線遅延対策として、低抵抗の配線金属として銅が、一方低誘電率の層間絶縁膜としてlow−k材が注目を集めている。
【0008】
しかしながら、前者の配線金属について、銅原子は、Si結晶、SiO2等に高速で拡散する不純物の代表であり、デバイス特性を劣化させるとともに、装置や設備のクロスコンタミネーションを引き起こす。この点で、銅の拡散侵入を防止するために、上述の基板の洗浄工程はその重要性を増す一方である。一方、後者の層間絶縁膜について、従来のCVDにより成膜するのが略不可能であることから、スピンコーティングにより成膜されている。この場合、余分な膜が基板の反対面にまで回り込んで基板の周縁部まわりに付着する。この点で、このような周縁部まわりに付着した余分な膜を効率的に除去する洗浄工程の開発が要望されている。
【0009】
ここで、従来の基板の処理装置について説明すれば、基板の支持に起因する処理むらを防止することが可能な半導体基板の処理装置が、例えば特開平2002−93891号公報に開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平2002−93891号公報
【0011】
この従来の処理装置は、略水平面内で基板を回転させる回転手段と、基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、このスピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に固定配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持部材とを有する。
【0012】
このような構成によれば、処理対象である基板を複数の支持部材の支持面により支持しながらスピンチャックを略鉛直な軸線を中心に回転させつつ、基板の表面に処理液を供給することにより、遠心力により処理液が基板の半径方向外方に飛散する結果、基板の表面全体を処理液により処理することが可能となる。
【0013】
更に、基板に付着した処理液が抵抗となって、基板が支持部材の支持面に対して滑り出すことにより、支持部材が基板の同じ位置を支持し続けることができなくなり、基板の側周面のうち支持部材によって支持される部分が移動して支持部材から露出することにより、処理液による処理が可能となる結果、基板の支持に起因する基板の側周面の処理むらを防止することが可能となる。
【0014】
このように、この処理装置によれば、基板の表面だけでなく、基板の側周面をも処理することが可能であり、それにより処理むらを防止することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような基板の処理装置には、以下のような技術的問題が存する。
【0016】
第1に、基板の表面が支持部材の支持面に対して摺動するため、時間経過とともに、通常基板より硬度の小さい支持部材の支持面が摩耗し、摩耗粉が発生する。このような異物は、基板の表面に混入して悪影響を及ぼし、製品の品質劣化を引き起こすか、或いはクロスコンタミネーションを生じる。
【0017】
基板の処理工程において、基板の近くで摺動部分が生じるのは極力回避することが要望されている。
【0018】
第2に、より高速回転(例えば、2000ないし3000RPM)で基板を回転することが要求される乾燥工程においては、上述のような摺動を防止するために、基板の回転中に押付部材により基板を支持部材の支持面と協働して固定している。基板のこの被押付部分(通常、基板の周縁部)は、上述の処理工程と異なり、乾燥工程中常時基板は同じ位置が押付部材により押付けられているため、この被押付部分の乾燥が略不可能であり、第1の問題点と同様に、被押付部分である基板周縁部の乾燥不完全部分が原因で製品の品質劣化を引き起こす。
【0019】
そこで、上記課題に鑑み、本願発明の目的は、基板の側周面の周方向複数位置を接触支持する場合に、基板の高速回転中に、基板との間で摺動運動を生じさせることなく、基板を支持しつつ基板の側周面のこれらの複数の接触支持部を移動させることが可能な、基板の支持装置を提供することにある。
【0020】
本願発明の目的は、基板を略水平面内で高速回転させながら処理流体を基板の表面に供給することにより基板の表面を処理する或いは乾燥する際、基板の劣化を生じることなしに、このような処理流体を利用して基板の側周面をも確実に処理或いは乾燥することが可能な基板の処理装置及び処理方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による基板の支持装置は、
略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、
該スピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に固定配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持ピンとを有する基板の支持装置において、
前記複数の支持ピンは、夫々、基板の側周面を側方から接触支持する支持側面を有し、この支持側面の水平断面は、各支持ピンの軸線を中心とする円弧をなし、前記支持側面は、夫々、該軸線を中心として自転可能であり、
更に、前記複数の支持ピンを同期させながら、それぞれの前記軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、
それにより、前記スピンチャックの回転中に、前記複数の支持ピンの各々を所定角度自転させることにより、基板を前記支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、前記スピンチャックに対して相対回転させる構成としている。
【0022】
このような構成によれば、支持部材によって基板の側周面を側方から支持しつつ、基板を略水平面内で回転させて、回転する基板の表面に処理液を供給することにより、遠心力の作用により処理液が基板の半径方向外方に四方に飛散し、その結果基板の表面全体を処理することが可能となる。
【0023】
その際、基板の回転中に、支持体に対して側周面の点或いは線接触位置をころがり運動の仕方で相対回転させることにより、摺動部分を生じることなしに、回転支持体から露出させ、露出させた点或いは線接触位置を処理液によって処理することにより、基板の側周面をも確実に処理して、基板の支持に起因する処理むらを防止することが可能となる。
【0024】
また、前記複数の支持ピンは、夫々、前記軸線に対して側方に、且つ上方に抜ける切り欠き部を有するのが好ましい。
【0025】
更に、前記自転駆動手段は、前記複数の支持ピンそれぞれの前記軸線と同心状に各支持ピンに連結され、前記軸線を中心に回転可能な、複数の第1歯車と、
各第1小歯車と噛み合い、前記スピンチャックの回転軸線と同心状に前記スピンチャックに連結され、且つ前記回転軸線を中心に前記スピンチャックと一体に回転可能な第2歯車であって、その回転接線方向に傾斜するように配置された傾斜面を備えたカムフォロワを有する第2歯車と、
前記傾斜面に点接触するような曲面状のプロファイルを有し、且つ上下方向に移動可能で、前記スピンチャックと一体に前記スピンチャックの回転軸線を中心に回転可能なカムを有し、
該カムを上下方向に移動させることにより、前記傾斜面を介して前記カムフォロワを回転方向に押し出して、前記第2歯車を前記スピンチャックに対して相対回転させるのがよい。
【0026】
更にまた、前記傾斜面は、傾斜面の傾斜方向に対する横断面が円弧状をなし、前記カムは、円筒ローラからなり、その周側面を前記傾斜面に点接触させるような向きに配置されるのがよい。前記複数の支持ピンは、前記スピンチャックの回転軸線を中心に周方向等角度間隔で配置されるのがよい。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明による基板の処理装置は、
水平面内で基板を回転させる回転手段と、基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、このスピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持ピンとを有し、略水平面内で回転する基板の表面に処理液を供給することにより、基板を処理する、基板の処理装置において、
前記複数の支持ピンは、夫々、基板の側周面を側方から接触支持する支持側面を有し、この支持側面の水平断面は、各支持ピンの軸線を中心とする円弧をなし、前記支持側面は、夫々、該軸線を中心として自転可能であり、
更に、前記複数の支持ピンを同期させながら、それぞれの前記軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、
それにより、前記スピンチャックの回転中に、前記複数の支持ピンの各々を所定角度自転させることにより、基板を前記支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、前記スピンチャックに対して相対回転させる構成としている。
【0028】
上記目的を達成するために、本発明による基板の支持方法は、
基板のまわりを支持しながら、基板を略水平面内で回転させて、回転する基板の表面に処理液を供給して処理する基板の処理方法において、
基板の側周面を側方から点或いは線接触支持する支持体を設ける段階と、
該支持体ごと一体で基板の中心を通る軸線を中心に基板を回転させる段階と、
基板の回転中に、前記支持体に対して前記側周面の点或いは線接触位置を相対移動させることにより、前記支持体から露出させる段階と、
露出させた点或いは線接触位置を処理液によって処理する段階とを有する構成としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る基板の処理ユニットを詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明による基板の処理ユニットの第1実施形態の概略縦断面図である。図2は、図1の基板の支持装置の基板支持部の平面図である。図3は、図1の基板の支持装置の支持ピンの作用を示す図である。図4は、図1の基板の支持装置の概略縦断面図である。図5は、図4の線VI−VIからみた図である。図6は、図1の上面ベベル処理装置が控え位置にある図である。図7は、図6のシャッターの開閉を示す平面図である。図8は、図1の上面ベベル処理装置の構成を示す部分縦断面図である。図9は、図8のA部の拡大図である。図10は、図1の下面処理装置のじゃま板まわりの構成を示す部分縦断面図である。図11は、図11の線A−Aからみた平面図である。図12は、図1の処理液の分別回収装置の構成を示す部分縦断面図である。図13は、図1の処理液の分別回収装置の別の構成を示す部分縦断面図である。図14ないし図16は、図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【0031】
図1に示すように、基板の処理ユニット10は、基板の回転装置12と、基板の支持装置14と、基板への処理液の供給装置16と、処理液の分別回収装置18とから概略構成されている。
【0032】
ここに、本明細書では、基板の処理とは、処理流体を用いた基板の洗浄処理、乾燥処理、リンス処理、及びエッチング処理を含む意味に用いる。
【0033】
図1に示すように、基板の回転装置12は、略鉛直な軸線Xを中心に回転可能なスピンチャック20と、スピンチャック20を回転駆動する駆動部22とを有する。スピンチャック20は、基板Aの下面A2に面し、軸線Xを中心とする円盤部24と、円盤部24の下側に連結されたシャフト部30とを有する。円盤部24は、いわゆるチャック面を形成するほぼ水平な上面28を有し、上面28の中心部には、基板Aの下面A1と上面28との間の間隙30に臨む貫通孔32が設けられている。上面28の大きさは、基板Aの外径より大きく、基板Aの外径は、例えば8インチ、或いは12インチである。上面28には、後述するように、基板Aを支持する支持ピン34が設けられ、基板Aを支持する支持ピン34ごと軸線Xを中心として回転するようにしている。
【0034】
シャフト部26は、円盤部24と同心状に下方に延び、ベアリング36を介してその側面がハウジング38によって支持されている。シャフト部26の径は、円盤部24の直径よりも小さく、それにより円盤部24の下方の環状開きスペースには、後述する支持ピン34を相対回転させるための支持ピン駆動装置39が設けられる。シャフト部26の下部には、軸受40が配置され、この軸受40はシャフト部26、即ちスピンチャック20を回転軸線Xを中心に回転可能に支承している。
【0035】
駆動部22は、シャフト部26を回転させる機構を有し、モーター42、モーター42に連結されたプーリ44、シャフト部26に連結されたプーリ46、及び両プーリ間の回転を伝動する伝動ベルト48とを有する。駆動部22により、シャフト26、円盤部24、かくして基板Aを支持する支持ピン34ごと回転軸線Xを中心に回転するようになっている。基板Aの回転数は、基板Aの工程に応じて定められ、一般的に処理工程の場合、200ないし3000RPM、乾燥工程の場合には、それより高速の3000ないし5000RPMである。
【0036】
図2ないし図5に示すように、基板Aの支持装置14は、上述のように、上面28上には、略水平に基板Aを支持するための6本の支持ピン34がそれぞれ、円盤部24を貫通することにより略直立して円盤24に対して回転可能に取り付けられ、支持ピン34の内側には、4本の支持ピン50がそれぞれ、略直立して円盤24に対して固定されている。6本の支持ピン34は、処理対象である基板Aの大きさに応じて、軸線Xを中心に周方向等角度間隔で円周上に配置され、一方4本の支持ピン50は、同様に、軸線Xを中心に周方向等角度間隔で円周上に固定配置される。支持ピンの数は、少なくとも3つ以上である。
【0037】
図3に示すように、複数の支持ピン34は、夫々、基板Aの側周面52を側方から接触支持する支持側面54を有し、この支持側面54の水平断面は、各支持ピン34の軸線Yを中心とする円弧(本実施形態では、半円)をなし、支持側面54は、夫々、軸線Yを中心として自転可能である。支持ピン50は、夫々、基板Aが支持ピン34によって支持されないとき、基板Aの下面A2を下方から接触支持するようにしている。
【0038】
複数の支持ピン34は、夫々、軸線Yに対して側方且つ上方に抜ける切り欠き56を有し、後述するように、各支持ピン34を軸線Yを中心として自転させることによって、基板Aの側周面52に対して切り欠き56を差し向けることにより、各支持ピン34による基板Aの支持を解除して、基板Aの支持を支持ピン50により行うとともに、基板Aを例えば搬送ロボットのアームにより下方から真上に持ち上げることが可能となる。
【0039】
支持ピン駆動装置39について説明すれば、図4に示すように、スピンチャック20の円盤部24の下方には、支持ピン34の数と同数の第1歯車58と、第1歯車58それぞれと噛み合う第2歯車60とからなる歯車機構62が設けられている。複数の第1歯車58は、夫々、対応する支持ピン34の下端に軸線Yと同心状に連結され、軸線Yを中心に回転可能としてある。一方、第2歯車60は、スピンチャック20の回転軸線Xと同心状にスピンチャック20に連結され、回転軸線Yを中心にスピンチャック20と一体に回転可能としてある。
【0040】
第2歯車60は、円筒カム64と円筒カム64の側周面66に当たる傾斜面68を有するカムフォロワ70とからなるカム機構72により、軸線Xを中心に回転し、それにより複数の第1歯車58がそれぞれ回転し、かくして支持ピン34それぞれがスピンチャック20に対して相対回転するようになっている。
【0041】
カム機構72について説明すれば、図5に示すように、軸線Xを中心として回転可能な略鉛直方向に延びるシャフト73の上端に、円筒カム64が設けられ、一方、第2歯車60の下面には、そこから下方に延びて、下端に第2歯車60の回転接線方向に傾斜するように配置された傾斜面68を備えたカムフォロワ70が設けられる。円筒カム64は、後に説明するように、上下方向に移動可能で、スピンチャック20と一体に回転軸線Xを中心に回転可能である。
【0042】
傾斜面68は、傾斜面68の傾斜方向に対する横断面が円弧状をなす曲面をなし、カムフォロワ70の側周面66を傾斜面68に点接触させる向きに配置される。カムフォロワ70及び円筒カム64は、互いに点接触するような曲面状のプロファイルを備えるのが好ましく、点接触或いは線接触をする限り、例えば傾斜面68を平面状にして、カムをボール状としてもよい。
【0043】
また、第2歯車60の下面に一端が固定され、円盤部24の下面に他端が固定されたバネ(図示せず)を第2歯車60の下面に付設し、第2歯車60がスピンチャック20に対して所定角度相対回転すると、バネの付勢力が作用して第2歯車60を逆回転させるようにしている。
【0044】
円筒カム64の上下移動機構について説明すれば、スクリューシャフト74が、カップリング76を介してモータ78に連結し、スクリューシャフト74に固定ナット80が螺合する。固定ナット80が固定される外側環状部材82は、ベアリング84を介してシャフト73の下端が固定される内側環状部材86に連結し、シャフト73の上端は、リニアべアリング88により上下方向可動に支承されている。これにより、モータ78が駆動することにより、固定ナット80、かくして固定ナット80にべアリング84を介して連結するシャフト73が上下方向に移動しながら、シャフト部26が軸線Xを中心として回転することにより、部材90を介してシャフト73もシャフト部26と一体に回転するようになっている。
【0045】
以上の構成によれば、モータ78により円筒カム64を上下方向に移動させることにより、傾斜面68を介してカムフォロワ70を回転方向に押し出して、第2歯車60をスピンチャック20に対して相対回転させる、それにより、スピンチャック20の回転中に、複数の支持ピン34を同期させながら、それぞれの軸線Yを中心として同一方向に自転させて、基板Aを各支持ピン34の支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、スピンチャック20に対して相対回転させることが可能となる。第2歯車60がスピンチャック20に対して所定角度相対回転すると、バネの付勢力が打ち勝って第2歯車60を逆回転させる。これにより、図2に示すように、角度αの範囲で基板Aを回転させることが可能となる。
【0046】
次に、図6ないし図9を参照しながら、基板への処理液の供給装置16について説明すれば、基板の処理ユニット10は、基板Aの上面A1の上方に設置された基板の上面のベベル処理ユニット16Aと、基板Aの下面A2の下方に設置された基板の下面全体の処理ユニット16Bとを有する。処理液は、酸、アルカリ又は有機溶媒その他の薬液、純水又は脱イオン水等であり、処理内容、例えば除去洗浄する対象が、パーティクル、ポリマー、金属等のどの異物か、或いは酸化膜、窒素化膜、CMPによって発生した変質膜等のどの膜であるのかに応じて、適宜決定すればよい。
【0047】
まず、ベベル処理ユニット16Aについて説明する。
【0048】
図6に示すように、基板Aのベベル処理ユニット16Aは、水平方向に開閉可能なシャッター92(図7参照)の上方の控え位置と、シャッター92の下方の作動位置との間を上下方向に移動可能なように、歯車機構94を介してモータ96に連結されており、控え位置において処理液が垂れて基板Aの表面に滴下しないように、シャッター92には、処理液が垂れる位置に対応して処理液の受け溝98が設けられている。
【0049】
図8に示すように、ベベル処理ユニット16Aは、内部に処理液を基板Aに供給する環状流路100を形成した本体部102を有する。本体部102は、スピンチャック20と異なり、作動位置において回転することなく静置される。作動位置における基板Aの上面A1との間隔は、0.5mmないし3mmである。
【0050】
本体部102は、環状の平らな下面104を有し、下面104が基板Aと略平行となるように配置され、基板Aの上面A1との間に流体が流れる間隙31を形成する。間隙31に臨むように、処理液の環状流出口106が下面104に設けられ、基板Aの上面A1に向かって斜め下方に、且つ半径方向外方に環状流出開口106まで延びるように環状流路100を形成する。
【0051】
環状流路100は、環状流出開口106に向かって先細に形成されている。図9に示すように、環状流路100の環状流出開口106まわりの傾斜角度βは、環状流出開口106から流出する処理液が基板Aの外方に差し向けられるように、少なくとも鋭角であり、詳細には処理液の種類、流量、流出開口面積等に応じて定められるが、10°ないし30°が好ましい。環状流路100の上流側には、処理液を一時的に溜める環状溜め部108が環状流路100と流通して設けられ、環状溜め部108の上流側は、本体部102の上面110に周方向に複数設けられた処理液流入口112の夫々に連通する管路114が、環状溜め部108と流通して設けられる。各処理液流入口112は、薬液或いは純水の処理液供給源(図示せず)に流量計、調整弁を介して、分岐管(図示せず)を通じてそれぞれ接続される(図1参照)。
【0052】
これにより、各処理液流入口112より流入した処理液は、各管路114を通って環状溜め部108に到り、そこに一旦溜められた処理液は、環状流路100を通って環状流出開口106から基板Aの外方に向かう流れをなして基板Aに処理液を供給するようになっている。
【0053】
環状流出開口106の内周縁116に取り囲まれた下面104の領域には、下面104から窪んだ水平断面が円形の凹部118が設けられ、第1不活性ガスである窒素ガスを噴射するための第1不活性ガス流出開口120が、間隙31に臨むように、下面104の凹部118との境界を構成する周縁122により形成され、環状流出開口106と略同心上の円形開口の形態を有する。
【0054】
これにより、第1不活性ガスが不活性ガス供給源(図示せず)に流量制御器、調整弁、フィルターを介して連通する流入開口117を通じて凹部118内に流入し、不活性ガス流出開口120を経て間隙31を通って基板Aの外方に放射状に流れるようにしている。
【0055】
環状流出開口106の外周縁124と本体部102の外周縁125との間の下面104の領域には、第2不活性ガス流出開口126が形成され、本体部102の内部には、基板Aの上面A1に向かって斜め下方に、半径方向外方に第2不活性ガス流出開口126まで延びる環状流路128が形成される。第2不活性ガス流出開口126は、環状流出開口106と略同心状の環状流出開口の形態である。
【0056】
図9に示すように、環状流路の第2不活性ガス流出開口126まわりの傾斜角度γは、第2不活性ガス流出開口126から流出する第2不活性ガスが基板Aの外方に差し向けられるように、少なくとも鋭角であり、詳細にはガスの種類、流量、流出開口面積等に応じて定められるが、10°ないし30°が好ましい。環状流路128の上流側には、不活性ガスを一時的に溜める環状溜め部127が環状流路128と流通して設けられ、環状溜め部127の上流側は、本体部102の上面110に周方向に複数設けられた第2不活性ガス流入口129の夫々に連通する管路131が、環状溜め部127と流通して設けられる。
【0057】
各第2不活性ガス流入口129は、不活性ガス供給源(図示せず)に流量制御器、調整弁、フィルターを介して、分岐管(図示せず)を通じてそれぞれ接続される(図1参照)。これにより、各第2不活性ガス流入口129より流入した第2不活性ガスは、各管路131を通って環状溜め部127に到り、そこに一旦溜められた第2不活性ガスは、環状流路128を通って環状流出開口126から基板Aの外方に向かう流れをなして基板Aに不活性ガスを供給するようになっている。
【0058】
このような構成により、第1不活性ガスのみを利用する場合、環状流出開口126から基板Aの上面A1に向かう環状の処理液流れに対して内方から面する不活性ガス雰囲気を少なくとも負圧でない所定圧力に保持するように、第1不活性ガス流出開口120からの第1不活性ガスを間隙31を通して基板Aの外方に流すことにより、間隙31の下面104から基板Aの上面A1まで、内周縁116の近傍に沿ってガスバリアを形成して、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0059】
また、第1不活性ガス及び第2不活性ガスの両方を利用する場合、環状流出開口106から供給する処理液が、第1不活性ガス流出開口120から噴射する第1不活性ガスによって基板Aの外方に向かって同伴されながら、第2不活性ガス流出開口126から噴射する第2不活性ガスによって、基板Aの外方に向かって引かれることにより、第1不活性ガスのみを利用する場合と同様に、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0060】
このように、いずれの場合も処理液の環状流出開口106の径を選択することにより、基板Aの上面A1を処理する環状領域を決定することが可能となる。
【0061】
一方、図10を参照しながら、基板Aの下面の処理ユニット16Bについて説明すれば、不活性ガス(窒素ガス)を供給するための外管130と、外管130内を延びる、処理液を供給するための内管132とを有する。外管130は、貫通穴32と非接触で貫通穴32を通ってスピンチャック20の上面28まで延び、内管132は、外管130の下端面134を貫通して、外管130内をスピンチャック20の上面から突出するように延びる。内管132及び外管130は、スピンチャック20の回転軸線Xまわりに同心状に配置され、内管132の上周縁136によって基板Aの略中心に向かって、処理液を略鉛直な方向に供給する処理液供給ノズル138が形成され、一方外管130の上周縁140と内管132の外周面142との間に、基板Aの下面A2近傍を不活性ガス雰囲気とするように、下面A2に向かって不活性ガスを噴射する不活性ガス噴射ノズル144が形成される。不活性ガス噴射ノズル144は、処理液供給ノズル138のまわりを取り囲むように配置された環状ノズルの形態を有する。
【0062】
基板Aの下面A2と不活性ガス噴射ノズル144との間には、じゃま板146が設けられ、不活性ガス環状ノズル144の上方で内管132の外周面142に固定され、環状ノズルと同心状に且つ基板Aと略平行上に配置された円板の形態を有する。図11に示すように、じゃま板146は、じゃま板146の円周方向に互いに等角度間隔に配置された、8個の分岐流路を構成する8個の抜け穴148を有し、各抜け穴148は、じゃま板146の不活性ガス噴射ノズル側のじゃま板表面150に形成される不活性ガス分岐流れの流入開口152が、不活性ガス噴射ノズル144より外方にオフセット配置されるとともに、じゃま板表面150の反対表面に形成される不活性ガス分岐流れの流出開口154が、流入開口152より内方に形成され、各々が、図10に示すように、不活性ガス分岐流れが基板Aの表面の手前で処理液供給ノズル138からの処理液流れにぶつかるような所定の傾きを備える。なお、抜け穴148の数、開口面積は、不活性ガス噴射ノズル144からの不活性ガスの流量等に応じて選択すればよい。
【0063】
じゃま板146は、複数の分岐流路の流入開口152より外方領域に、基板Aの外方に向かう偏向流れが、上面28との間で絞られるように、じゃま板146表面から不活性ガス噴射ノズル144に向かって突出する突出リング部156を有する。これにより、じゃま板146により流れが偏向された不活性ガス流れが、一部分岐した基板Aに向かう不活性ガス流れを引くようなディフューザ効果が生じないようにしている。
【0064】
このような構成によれば、図10に示すように、じゃま板146が不活性ガス噴射ノズル144から噴射する不活性ガス流れを受けて、基板Aの外方に向かう流れに偏向するとともに、抜け穴148により基板Aの外方に向かう偏向された流れが一部分岐され、不活性ガス噴射ノズル144の噴流による基板Aへの直撃が回避されて、基板Aへの悪影響が防止されるとともに、基板Aの下面A2、特に処理液が最初に供給される中心部を不活性ガス雰囲気に維持しながら、処理液による基板Aの一様な処理が確保することが可能となる。
【0065】
次に、図12を参照しながら、処理液の分別回収装置18について説明すれば、基板Aの周囲を取り囲むように配置された、内方に臨む環状開口158を有するポット160が設けられる。ポット160は、内方に向かって斜め上方に延びる環状上壁162と、略平らな底面164を有する環状下壁166と、環状上壁162と環状下壁166との間の外周壁168及び内周壁170とを有し、環状上壁162の上周縁172から所定長さの環状ひさし174が略鉛直方向に垂下しており、環状ひさし174の下周縁176と内周壁170の上周縁178とが環状開口158を形成する。ポット160の内部には、夫々ポット160の底面164を環状に仕切るように、底面164から上方且つ内方に環状開口158に向かって延び、ポット160内で離間して配置された3枚の環状仕切180A,B,Cが入れ子式に設けられる。環状仕切180A,B,Cそれぞれは、後に説明するように、上下駆動機構182により互いに独立に上下方向に移動可能にしてある。
【0066】
環状開口158から流入する処理液を受け入れ可能なように、隣り合う環状仕切180それぞれの内周縁183を環状開口158に位置決めすることにより、外側の環状仕切180の内周面184と内側の環状仕切180の外周面186とで、底面164に通じる環状流路188を形成する。
【0067】
また、1つの環状仕切からみれば、環状仕切180を環状開口158の上レベル、すなわち基板Aからの処理液が外方に飛散するレベルより上に位置決めすることにより、環状仕切180の内周面183が、基板Aからの処理液を環状開口158からポット160の底面164まで案内する案内面を形成し、環状仕切180を環状開口158の下レベル、すなわち基板Aからの処理液が外方に飛散するレベルより下に位置決めすることにより、環状仕切180の外周面186が、基板Aからの処理液を環状開口158からポット160の底面164まで案内する、別の案内面を形成することになる。隣り合う環状仕切180それぞれの内周縁183を環状開口158に位置決めする際、それ以外の隣り合う環状仕切180を上下方向に近接して位置決めすることにより、処理液の飛散から生じるミストがそれ以外の隣り合う環状仕切180それぞれの内周縁183間の間隙から環状流路内に流入するのを防止できる。
【0068】
環状ひさし174の上下方向長さは、3枚の環状仕切180A,B,Cそれぞれを上下駆動機構182によりポット160内で最も上方位置に位置決めしたとき、3枚の環状仕切180の上周縁183がすべて環状ひさし174によって隠されるような長さであるのが好ましい。これにより、隣合う環状仕切180の内周縁183の間から基板Aからの処理液或いはそこから発生するミストが混入することを防止することが可能となる。
【0069】
複数の環状仕切180それぞれは、環状開口158に向かって内方上向きに傾斜する傘部188と、上周端が傘部188に連結され、ポット160の底部から上方に延出する円筒部190とを有する。傘部188の傾きは、ポット160の上周壁162と略平行である。円筒部190の外周面を取り囲むように、固定円筒部192が底面164から上方に延びる。円筒部190の外周面と固定円筒部192の内周面とは、所定クリアランス、例えば0.5mmを有し、固定円筒部192は、傘部188が最も上方位置に達したときにも円筒部190と固定円筒部192とが重なり合うような高さを有する。
【0070】
傘部188は、夫々、円筒部190との連結部から外方に向かって延びる環状張り出し部194を有し、この環状張り出し部194の下方で円筒部190を取り囲むように、ポット160の底面164から上方に延びる環状隔壁部196が設けられ、それにより、環状流路188は、隣り合う環状仕切180の傘部188同士によって形成される斜め流路198と、外側の環状仕切180の円筒部190の内周面と環状隔壁196の外周面とによって形成される外流路204と、環状隔壁196の内周面と外側の環状仕切180の円筒部190の外周面とによって形成される内流路210とから構成され、外流路204と内流路210とは、逆U字形流路を形成する。
【0071】
外流路204は、その最下端で処理液流出口(図示せず)と連通し、内流路210は、その最下端でミスト流出口(図示せず)と連通し、ミスト流出口を通じて排気装置(図示せず)により環状流路内が引かれている。
【0072】
複数の環状仕切180のうち最も外側に位置する環状仕切180Aは、その外周面とポット160の外周壁168の内周面212との間に環状流路を形成し、一方複数の環状仕切180のうち最も内側に位置する環状仕切180Cは、その内周面とポット160の内周壁170の内周面214との間に環状流路を形成する。最も内側の環状流路内には、スピンチャック20の外周縁の略真下に、パドリング用の処理液を受けるための環状受け218が設けられ、これによりパドリング処理のような低速回転(例えば、数ないし数十RPM)のために処理液が環状開口206に流入できない場合でも、処理液を確実に分別回収し、特に最も内側の環状流路内に分別回収される処理液との混合を防止することができる。
【0073】
環状隔壁196の上周縁と内側に隣り合う固定円筒部192の内周面とにより形成されるミスト流入開口部には、周方向に分散配置された複数の貫通穴224を備えた環状のコンダクタンス調整板226が設けられ、これらの複数の貫通穴224それぞれの大きさを、ミスト流出口に近いほど小さくしてある。これにより、ミストの回収の周方向の偏りを防止することが可能となる。
【0074】
次に、環状仕切180の上下駆動機構182について説明すれば、環状仕切180の内周面には、シャフト連結部材228が付設され、シャフト連結部材228の上端部は内周面184に固定され、下端部は開口して、中空部が下方に臨む。中空円筒部材228の真下には、底面164から上方に延びる中空円筒部材230が設けられ、中空円筒部材230はシャフト連結部材228の中空部に収まるような径を有する。下壁166及び中空円筒部材230を貫通して、上方に延びるシャフト232が、中空部内を通り、シャフト232の上端がシャフト連結部材228の上端部と連結する。
【0075】
シャフト232の下端は、カップリング234を介してシャフト236に連結し、シャフト236の下端は、ナット238に螺合し、ナット238は一対の歯車240の一方に固定され、他方の歯車はモータ242に連結されている。このような構成により、モータ242の回転により一対の歯車240を介してナット238に螺合するシャフト236が回転することにより上下移動し、シャフト232、かくしてシャフト連結部材228を介して環状仕切180が上下方向に移動可能となるようになっている。
【0076】
図13に示すように、上述の上下駆動機構の変形例として、カム機構を利用してもよい。カム機構250は、モータ251により回転可能なシャフト252に固定され、互いに略平行な3枚の平板カム254と、平板カム254それぞれのプロファイルに追従するように、各環状仕切180に連結した上下方向に延びるシャフト256の下端に固定された円筒カムフォロワ258とを有する。これによれば、単一のモータにより異なるカムプロファイルを通じて、各環状仕切180が所定の相対位置関係をなして、上下方向に移動することが可能となる。
【0077】
なお、処理ユニット10のうち処理液に接する部材の材質は、使用する処理液に応じてテフロン(登録商標)、ポリプロピレン、PVDF或いは塩化ビニル等の合成樹脂から選択するのがよい。
【0078】
以上のような構成を有する基板の処理ユニットの動作を、基板Aの搬入工程、基板Aの処理工程、基板Aのリンス工程、基板Aの乾燥工程、及び処理工程、リンス工程、乾燥工程に付随して行われる処理液、リンス液、乾燥用ガスの回収工程に区切って説明する。以下では、基板Aの素子を形成した表面を上面に、素子の形成されていない裏面を下面となるように基板Aを配置して、上面の素子の形成されていないベベル部を含む外周縁部と、下面全体並びに側周面とを併行して処理する場合を例に説明する。
【0079】
(1)基板Aの搬入工程について
基板Aを搬入する前に、上面ベベル処理ユニット16Aを控え位置に位置決めしておく。次いで、処理すべき基板Aを搬送ロボット(図示せず)によりスピンチャック20の上面まで搬送する。この際、図3(B)に示すように、各支持ピン34を自転させて、切り欠き56を基板Aの中心に向かう内方に向けて置く。次いで、基板Aを搬送ロボット(図示せず)によって各支持ピン50により下方から支持して、各支持ピン34を自転させて円弧側周面54を基板Aの周縁52に当てて、図3(A)に示すように、基板Aを略水平支持する。次いで、シャッター92を開いて、上面ベベル処理ユニット16Aを控え位置から作動位置まで下方に移動させる。以上で、上面ベベル処理ユニットの作動位置への位置決め、及び基板Aの搬入工程が完了する。
【0080】
(2)基板Aの処理工程について
モータ42によりスピンチャック20を回転させて、基板Aを軸線Xを中心として、所定回転数で回転させる。これにより、基板Aは支持ピン34によって接触支持されながら、鉛直軸線Xを中心として所定回転数で回転する。次いで、基板Aの上面のベベル処理を行いつつ、下面全体並びに側周面の処理を併行して行う。
【0081】
まず、図10を参照しながら下面A2の処理について説明する。基板Aの下面A2の略中心に向けて、処理液供給ノズル138から処理液を供給するとともに、不活性ガス供給ノズル144から窒素ガスを供給する。その際、不活性ガス供給ノズル144から基板Aの下面A2に向けて噴射される窒素ガスは、じゃま板146によって受けられ、流れを半径方向外方に偏向されるとともに、窒素ガスの流れが一部抜け穴148を通って基板Aの下面A2に向かい、その途中で処理液の流れにぶつかり、処理液の流れのまわりを覆うようにしながら、処理液の流れとともに基板Aの下面A2において下面A2に沿って流れる。
【0082】
これにより、窒素ガスの基板Aの下面A2への直撃を防止することにより、基板Aへの悪影響を回避しつつ、基板Aの中心近傍を不活性ガス雰囲気に維持することにより、下面A2にウオータマークが発生するのを防止することが可能となる。じゃま板146によって偏向された窒素ガス流れは、流れが突出リング156と上面28との間で絞られることにより、ディフューザ効果を防止して、抜け穴148から逆に流れを引き込むことなしに、上面28に略平行に基板Aの外方に流れ、基板Aの下面A2にぶつかって下面A2によって偏向された不活性ガス流れと合流する。これにより、不活性ガスの噴流の基板Aの直撃を回避しつつ、基板Aの中心部まわりを不活性ガス雰囲気に維持するとともに、基板A上の処理液が、不活性ガスの噴流により邪魔されることなしに、遠心力により基板Aの半径方向外方に流れ、その結果基板Aの表面全体を一様に処理することが可能となる。
【0083】
一方、図8及び図9を参照しながら基板Aの上面A1のベベル処理について説明すれば、第1不活性ガスのみを流す場合には、環状流出開口106からの処理液は、基板Aの上面A1に向かう環状流れを形成するとともに、第1不活性ガス流出開口120からの窒素ガスは、環状流出開口106の内側から間隙31を通って外方に流れる。このとき、間隙31の下面104から基板Aの上面A1まで、内周縁116の近傍に沿ってガスバリアを形成するように、基板Aの上面A1に向かう環状の処理液流れに内方から面する不活性ガス雰囲気を少なくとも負圧でない所定圧力に保持することにより、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面A1の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0084】
第1不活性ガス及び第2不活性ガスの両方を流す場合には、環状流出開口106から供給される処理液は、第1不活性ガス流出開口120から噴射する第1不活性ガスによって基板Aの外方に向かって同伴されながら、第2不活性ガス流出開口126から噴射する第2不活性ガスによって、基板Aの外方に向かって引かれることにより、第1不活性ガスのみを流す場合と同様に、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面A1の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0085】
第1不活性ガスのみを流す場合と第1不活性ガス及び第2不活性ガスの両方を流す場合との使い分けについては、回転速度、ガス流量、処理液流量、環状開口の位置、開口の半径方向幅、処理液吐出角度等の条件に応じて、基板Aの外周縁近傍の所望環状領域を精密に処理する観点から、適宜選択すればよい。
【0086】
いずれの場合でも、本体部102はスピンチャック20と異なり、基板Aの処理の際、回転させずに静置しているので、処理液及び不活性ガスを処理液及び不活性ガスの各供給源から分岐管を介して本体部102の内部に設けられた各環状流路100、128へ簡便に供給することが可能である。
【0087】
以上のようにして、基板Aの上面の所望環状領域のみを周方向に均一に、且つ精確に処理することが可能となる。
【0088】
最後に、基板Aの側周面の処理に関し、図4に示すように、基板Aを高速回転中に、モータ78により円筒カム64を上方に移動させることにより、カムフォロワ70が基板Aの回転方向に押し出されて、第2歯車60、それに噛み合う各第1歯車58、かくして各支持ピン34がスピンチャック20と一体で高速回転しながら、スピンチャック20に対して所定角度相対回転して、図2に示すように、各支持ピン34により側方から支持されていた基板Aの側周面の接触支持部が各支持ピンから露出する。バネの付勢力により基板Aを角度範囲αの範囲で回転移動させることが可能となる。
【0089】
その結果、露出した接触支持部を上面処理の処理液或いは下面処理の処理液により処理することが可能となるとともに、支持ピン34の側周面54の基板Aを支持していた部分を洗浄することも可能となる。これにより、基板Aの側周面の処理むらを防止するとともに、支持ピン34に起因するクロスコンタミネーションを抑制することが可能となる。その際、基板Aは、支持ピン34の側周面54に対して摺動することなく、ころがり接触の仕方で移動するので、従来技術のように、摺動に伴う磨耗粉の発生を回避することが可能となる。
【0090】
次に処理液の回収工程を説明する。
【0091】
図14に示すように、環状仕切180A,B,Cすべてを最上方位置に位置決めし、それにより環状仕切180Cの内周面とポット160の内周壁とで環状流路を形成しておく。基板Aの上下面を処理した処理液及び不活性ガスは、基板Aの半径方向外方に飛散して、環状開口158からポット160の内部に流入する。流入した処理液は、まず外側の環状仕切り180Cの傘部188Cの内周面によって受けられ、はね返って環状開口158から基板Aの方に戻されることなしに、そこからポット160の内部に案内されて斜め流路を経て、環状仕切180の壁にぶつかるたびにミストを発生させながら、環状張り出し部194C及び環状隔壁196Cにより内流路210への短絡が防止されることにより、まず外流路204を流れ、処理流出口から処理液が分別回収される。
【0092】
次いで、ミストは、ミスト流出口を介して吸引装置により引かれながら、内流路210を流れ、ポット160のコンダクタンス調整板226の各貫通穴224を通って、周方向のミスト流れの偏りを防止しつつ、最終的にミスト流出口から回収される。この際、他の環状仕切180A,Bは互いに近接した位置に位置決めしておくことにより、処理液およびそこから生じるミストが、他の環状流路内に流入するのを防止することができる。このように、内流路210と外流路204とを逆U字形の流路として、処理液の流れから発生するミストをミストとして回収するより液体として回収することを優先させることにより、処理液の回収歩留まりを向上させることが可能となる。
【0093】
以上のように、処理液の種類に応じて、使用する環状流路を選択することにより、他の処理液と混合することなく分別回収を行うことが可能となるので、回収した処理液は、適切な処理、例えば、処理液中の異物の除去処理を行った後、基板Aの処理ユニットの処理液供給源に戻して、適宜再利用することが可能となる。
【0094】
(2)基板Aのリンス工程及び乾燥工程について
基板Aのリンス工程及び乾燥工程については、第1に、リンス工程では純水、乾燥工程では不活性ガスが利用される点で、薬液を利用する処理工程とは、処理流体が異なること、第2に、乾燥工程では高速回転が要求される点で、処理工程とは基板Aの回転数が異なること以外は、前述の基板Aの処理工程と略同様であるので、以下では、リンス工程及び乾燥工程夫々について、処理液の回収工程を説明する。
【0095】
まず、図15に示すように、図14の環状仕切180の位置から、環状仕切180Cを上面28のレベルまで下方に移動させる一方で、環状仕切180Bを環状ひさし174の下端レベルまで移動させる。これにより、環状仕切180Bの内周面184と環状仕切180Cの外周面186とでリンス液の環状流路が形成される。
【0096】
この状態で、基板Aの上面A1をリンス液によりリンスを行えば、基板Aの処理工程における処理液の回収と同様に、基板Aの上面A1から四方に飛散するリンス液は、環状開口158を通して環状流路188に流入する。より詳細には、まずリンス液は外側の環状仕切180B,Cの傘部188B,Cの内周面によって受けられ、斜め流路198内を流れて、外流路204に至る。このとき、環状張り出し部194Cにより、斜め流路198内を流れるリンス液が、直接流出開口まで短絡することが防止される。リンス液が流路の内壁にぶつかるたびに、ミストが生じるが、生じたミストは、排気装置により、内流路210のミスト排出口まで引かれる。次いで、リンス液は、流出開口を通して回収され、再使用される。
【0097】
このように、本実施形態による処理流体の回収工程によれば、スペース、特に上下方向のスペースを大きく占有することなしに、使用する処理液に応じて独立に処理液を回収することが可能であり、当業者に周知な適切な処理のもとで処理液を再使用することができる。
【0098】
乾燥工程においては、図16に示すように、図15の環状仕切180の配置から、環状仕切180Bを上面28のレベルまで下方に移動させる一方で、環状仕切180Aを若干下方に移動させる。これにより、環状仕切180Aの内周面183と環状仕切180Bの外周面186とで、環状流路が形成される。このあとは、処理工程あるいはリンス工程の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0099】
なお、図14ないし図16に示すように、いずれの環状流路188を利用する場合でも、環状仕切180の内周縁183を環状ひさし174の下周縁176、或いはスピンチャック20の上周縁に位置決めすることにより、回収していない環状流路188に処理液或いはミストが混入するのを防止することが可能となる。
【0100】
(3)基板Aの搬出工程
基本的には、基板Aの搬入工程と逆の工程を行う。まず、処理液および不活性ガスの供給を停止後、上面ベベル処理ユニット16Aを作動位置から控え位置まで上方に移動させる。次いで、各支持ピン34を所定角度自転させて、基板Aを支持する円筒側周面54を外方に向けて、基板Aの支持を解除する。これにより、基板Aは、各支持ピン50より下方から接触支持される。この状態で、搬送ロボット(図示せず)のフォークを基板Aの下方に延ばして、フォークを上方に移動させることにより、基板Aを支持ピン34から持ち上げ、搬出することが可能となる。以上で、基板Aの搬出工程を終了する。このようにして、基板Aの枚葉処理が終了する。
【0101】
本実施形態に係る処理液の分別回収装置は、3枚の環状仕切をそれぞれ独立にポット160に対して上下方向に相対移動可能とするとともに、これらの環状仕切180によりポット160内を仕切っているが、分別回収した処理液に摩耗粉等の異物が混入しないようにするために、3枚の環状仕切を含め、ポット160内部のすべての構成部材について、部材間に間隔を確保して、摺動部分が生じないようにしている。なお、3枚の環状仕切りにより仕切られた各環状流路内は、前述のように、外部から吸引しているので、部材間の間隙は、処理液或いはミストを分別回収する限りにおいて支障のない大きさとすればよい。
【0102】
以上説明したような基板の処理ユニット10は、特に以下の工程に対して有効である。
【0103】
第1に、銅配線を行う基板Aの処理工程に特に有効である。すなわち、Si結晶、SiO2に高速で拡散する銅によるクロスコンタミネーションを防止しつつ、処理液を分別回収して再利用しながら、基板Aの上面の精確且つ確実なベベル処理、基板Aの側周面の処理、及び下面全体の一様な処理を一度に行うことが可能となり、それにより処理効率を飛躍的に向上させることができる。
【0104】
第2に、いわゆるlow−k材或いはhigh−k材により層間絶縁膜を形成する場合のスピンコート成膜工程に有効である。すなわち、スピンコートにより余分な膜が基板の裏面にまで回り込んで形成されるので、このような基板の周縁部まわりに付着した余分な膜を除去するのに、層間絶縁膜が形成された表面を上面として、所望周縁部だけを処理すると同時に、素子の形成されていない裏面は全体を処理することにより、効率的な処理が可能となる。
【0105】
次に、図17を参照して、本発明による基板処理ユニットの第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一符号を付すことにより、それらの説明は省略し、以下に特徴部分について説明する。
【0106】
図17は、本発明による基板処理ユニットの第2実施形態の概略縦断面図である。基板処理ユニット300の特徴は、図1の上面ベベル処理ユニット16Aの代わりに、基板Aの下面A2に対する処理ユニット16Bと同様な処理ユニットを基板Aの上面A1に対しても採用した点にある。この上面処理ユニットは、第1実施形態における処理ユニットとその構成は全く同様である。
【0107】
このような構成によれば、基板Aの上下面に対して同時に同じ処理液を供給することにより、上下面全体を併行して処理することが可能となるので、特に成膜工程前後或いはCMP工程後において、基板の両面全体に付着したパーティクル或いは不純物を効率的に除去するのに有効である。
【0108】
基板Aの上面A1の処理については、第1実施形態における下面A2の処理と同様に、高速回転する基板Aの上面A1に対して、基板Aの略中心に処理液を供給するとともに、そのまわりを覆うように不活性ガスを噴射することにより、処理液は遠心力により基板Aの半径方向外方に飛ばされ、それにより、基板Aの中心から基板Aの周縁まで上面全体を処理液で処理することが可能となる。その際、上面に向かって噴射する不活性ガスをじゃま板146´で一旦受けて、基板Aの外方に向かう流れに偏向するとともに、このような偏向流れの一部を分岐させて、上面A1に向けて流すことにより、上面A1が一様に処理されると同時に、不活性ガスの噴流が基板Aの上面A1を直撃することを回避しつつ、なお上面A1の中心部まわりを不活性ガス雰囲気として、上面A1にウオータマークが発生するのを防止することが可能となる。また、第1実施形態と同様な仕方で、基板Aの上下を処理した処理液を一度に分別回収することが可能となる。
【0109】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更、修正が可能である。例えば、上記実施形態では、上下面を併行して一度に処理したが、それに限定されることなく、当業者なら本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【0110】
例えば、上下面のいずれかについて、処理液を供給することなく、不活性ガスのみを基板Aに向けて供給するのでもよい。それにより、処理液の反対面への回り込みを防止することが可能となる。
【0111】
また、基板Aの支持装置において、下方から支持する支持ピンを採用することなしに、ベルヌーイチャック或いはエアベアリングにより基板Aの下方から非接触の仕方で基板を支持しつつ側方から保持することも可能である。
更に、処理液の分別回収装置において、環状仕切の数は使用する薬液等の種類に応じて決めればよく、例えば1枚の環状仕切によりポットを2つに仕切ってもよい。
【0112】
【発明の効果】
本発明による基板の支持装置によれば、基板の側周面の周方向複数位置を接触支持する場合に、基板の高速回転中に、基板との間で摺動運動を生じさせることなく、基板を支持しつつ基板の側周面のこれらの複数の接触支持部を移動させることが可能である。
【0113】
本発明による基板の処理装置及び処理方法によれば、基板を略水平面内で高速回転させながら処理流体を基板の表面に供給することにより基板の表面を処理する或いは乾燥する際、基板の劣化を生じることなしに、このような処理流体を利用して基板の側周面をも確実に処理或いは乾燥することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板処理ユニットの第1実施形態の概略縦断面図である。
【図2】図1の基板の支持装置の基板支持部の平面図である。
【図3】図1の基板の支持装置の支持ピンの作用を示す図である。
【図4】図1の基板の支持装置の概略縦断面図である。
【図5】図4の線VI−VIからみた図である。
【図6】図1の上面ベベル処理装置が控え位置にある図である。
【図7】図6のシャッターの開閉を示す平面図である。
【図8】図1の上面ベベル処理装置の構成を示す部分縦断面図である。
【図9】図8のA部の拡大図である。
【図10】図1の下面処理装置のじゃま板まわりの構成を示す部分縦断面図である。
【図11】図10の線A−Aからみた平面図である。
【図12】図1の処理液の分別回収装置の構成を示す部分縦断面図である。
【図13】図1の処理液の分別回収装置の別の構成を示す部分縦断面図である。
【図14】図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【図15】図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【図16】図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【図17】本発明による基板処理ユニットの第2実施形態の概略縦断面図である。
【符号の説明】
A 基板A
A1 下面
A2 上面
10 基板の処理ユニット
12 基板の回転装置
14 基板の支持装置
16 基板への処理液の供給装置
18 処理液の分別回収装置
20 スピンチャック
22 駆動部
24 円盤部
26 シャフト部
28 上面
30 間隙
31 間隙
32 貫通孔
34 支持ピン
52 側周面
54 支持側面
56 切り欠き
58 第1歯車
60 第2歯車
64 円筒カム
70 カムフォロワ
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の支持装置及び該装置を備えた基板の処理装置、並びに基板の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、超LSIデバイスの高性能化及び高集積化の要請から、半導体基板は、水平方向には微細化が、一方垂直方向には配線の多層化がそれぞれ追求されている。このような半導体基板の製造工程において、基板に付着した異物、不要な膜或いは不要な処理液を薬液或いは純水によって取り除く基板の洗浄工程及び乾燥工程は、必要不可欠な工程であり、この工程をいかに効率的に行うかが、半導体基板の製造コストに多大な影響を与える。
【0003】
より詳細には、製造工程中の特に配線工程は、従来から、成膜工程とリソグラフィ工程の繰り返しによって、1層毎に半導体基板の構造が決定され、多層配線構造が形成されるが、その手順は概略以下のようである。
【0004】
リソグラフィ工程により、絶縁膜にコンタクトホール或いはビアホールを形成する。次いで、コンタクトホール或いはビアホール中へ配線用金属を埋め込む。次いで、リソグラフィ工程により配線金属を成膜し、それを層間絶縁膜で覆って配線層を形成する。以上により1層分の配線が完成する。
【0005】
この場合、リソグラフィ工程において一時的に利用される不要なレジスト膜を基板から完全に取り除く必要がある。また、リソグラフィ工程において形成されるコンタクトホール或いはビアホールからはみ出した余分な金属は、エッチバック或いはCMPにより除去されるが、除去した金属を基板から完全に取り除くのに基板の洗浄が必要となる。更に、層間絶縁膜を形成するのに用いた処理液を基板から完全に取り除くのに基板の洗浄が必要となる。
【0006】
このような除去すべき異物は、基板の表面、裏面、側周面及びベベル部(側面の縁斜め部分)、つまり基板の全表面に亘り拡散して付着しており、完全に基板から除去されないと、パターニング精度或いはデバイス特性に悪影響を与えるのはもちろん、クロスコンタミネーションの原因ともなる。
【0007】
この点に関連して、いわゆる配線遅延対策として、低抵抗の配線金属として銅が、一方低誘電率の層間絶縁膜としてlow−k材が注目を集めている。
【0008】
しかしながら、前者の配線金属について、銅原子は、Si結晶、SiO2等に高速で拡散する不純物の代表であり、デバイス特性を劣化させるとともに、装置や設備のクロスコンタミネーションを引き起こす。この点で、銅の拡散侵入を防止するために、上述の基板の洗浄工程はその重要性を増す一方である。一方、後者の層間絶縁膜について、従来のCVDにより成膜するのが略不可能であることから、スピンコーティングにより成膜されている。この場合、余分な膜が基板の反対面にまで回り込んで基板の周縁部まわりに付着する。この点で、このような周縁部まわりに付着した余分な膜を効率的に除去する洗浄工程の開発が要望されている。
【0009】
ここで、従来の基板の処理装置について説明すれば、基板の支持に起因する処理むらを防止することが可能な半導体基板の処理装置が、例えば特開平2002−93891号公報に開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平2002−93891号公報
【0011】
この従来の処理装置は、略水平面内で基板を回転させる回転手段と、基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、このスピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に固定配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持部材とを有する。
【0012】
このような構成によれば、処理対象である基板を複数の支持部材の支持面により支持しながらスピンチャックを略鉛直な軸線を中心に回転させつつ、基板の表面に処理液を供給することにより、遠心力により処理液が基板の半径方向外方に飛散する結果、基板の表面全体を処理液により処理することが可能となる。
【0013】
更に、基板に付着した処理液が抵抗となって、基板が支持部材の支持面に対して滑り出すことにより、支持部材が基板の同じ位置を支持し続けることができなくなり、基板の側周面のうち支持部材によって支持される部分が移動して支持部材から露出することにより、処理液による処理が可能となる結果、基板の支持に起因する基板の側周面の処理むらを防止することが可能となる。
【0014】
このように、この処理装置によれば、基板の表面だけでなく、基板の側周面をも処理することが可能であり、それにより処理むらを防止することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような基板の処理装置には、以下のような技術的問題が存する。
【0016】
第1に、基板の表面が支持部材の支持面に対して摺動するため、時間経過とともに、通常基板より硬度の小さい支持部材の支持面が摩耗し、摩耗粉が発生する。このような異物は、基板の表面に混入して悪影響を及ぼし、製品の品質劣化を引き起こすか、或いはクロスコンタミネーションを生じる。
【0017】
基板の処理工程において、基板の近くで摺動部分が生じるのは極力回避することが要望されている。
【0018】
第2に、より高速回転(例えば、2000ないし3000RPM)で基板を回転することが要求される乾燥工程においては、上述のような摺動を防止するために、基板の回転中に押付部材により基板を支持部材の支持面と協働して固定している。基板のこの被押付部分(通常、基板の周縁部)は、上述の処理工程と異なり、乾燥工程中常時基板は同じ位置が押付部材により押付けられているため、この被押付部分の乾燥が略不可能であり、第1の問題点と同様に、被押付部分である基板周縁部の乾燥不完全部分が原因で製品の品質劣化を引き起こす。
【0019】
そこで、上記課題に鑑み、本願発明の目的は、基板の側周面の周方向複数位置を接触支持する場合に、基板の高速回転中に、基板との間で摺動運動を生じさせることなく、基板を支持しつつ基板の側周面のこれらの複数の接触支持部を移動させることが可能な、基板の支持装置を提供することにある。
【0020】
本願発明の目的は、基板を略水平面内で高速回転させながら処理流体を基板の表面に供給することにより基板の表面を処理する或いは乾燥する際、基板の劣化を生じることなしに、このような処理流体を利用して基板の側周面をも確実に処理或いは乾燥することが可能な基板の処理装置及び処理方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による基板の支持装置は、
略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、
該スピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に固定配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持ピンとを有する基板の支持装置において、
前記複数の支持ピンは、夫々、基板の側周面を側方から接触支持する支持側面を有し、この支持側面の水平断面は、各支持ピンの軸線を中心とする円弧をなし、前記支持側面は、夫々、該軸線を中心として自転可能であり、
更に、前記複数の支持ピンを同期させながら、それぞれの前記軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、
それにより、前記スピンチャックの回転中に、前記複数の支持ピンの各々を所定角度自転させることにより、基板を前記支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、前記スピンチャックに対して相対回転させる構成としている。
【0022】
このような構成によれば、支持部材によって基板の側周面を側方から支持しつつ、基板を略水平面内で回転させて、回転する基板の表面に処理液を供給することにより、遠心力の作用により処理液が基板の半径方向外方に四方に飛散し、その結果基板の表面全体を処理することが可能となる。
【0023】
その際、基板の回転中に、支持体に対して側周面の点或いは線接触位置をころがり運動の仕方で相対回転させることにより、摺動部分を生じることなしに、回転支持体から露出させ、露出させた点或いは線接触位置を処理液によって処理することにより、基板の側周面をも確実に処理して、基板の支持に起因する処理むらを防止することが可能となる。
【0024】
また、前記複数の支持ピンは、夫々、前記軸線に対して側方に、且つ上方に抜ける切り欠き部を有するのが好ましい。
【0025】
更に、前記自転駆動手段は、前記複数の支持ピンそれぞれの前記軸線と同心状に各支持ピンに連結され、前記軸線を中心に回転可能な、複数の第1歯車と、
各第1小歯車と噛み合い、前記スピンチャックの回転軸線と同心状に前記スピンチャックに連結され、且つ前記回転軸線を中心に前記スピンチャックと一体に回転可能な第2歯車であって、その回転接線方向に傾斜するように配置された傾斜面を備えたカムフォロワを有する第2歯車と、
前記傾斜面に点接触するような曲面状のプロファイルを有し、且つ上下方向に移動可能で、前記スピンチャックと一体に前記スピンチャックの回転軸線を中心に回転可能なカムを有し、
該カムを上下方向に移動させることにより、前記傾斜面を介して前記カムフォロワを回転方向に押し出して、前記第2歯車を前記スピンチャックに対して相対回転させるのがよい。
【0026】
更にまた、前記傾斜面は、傾斜面の傾斜方向に対する横断面が円弧状をなし、前記カムは、円筒ローラからなり、その周側面を前記傾斜面に点接触させるような向きに配置されるのがよい。前記複数の支持ピンは、前記スピンチャックの回転軸線を中心に周方向等角度間隔で配置されるのがよい。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明による基板の処理装置は、
水平面内で基板を回転させる回転手段と、基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、このスピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持ピンとを有し、略水平面内で回転する基板の表面に処理液を供給することにより、基板を処理する、基板の処理装置において、
前記複数の支持ピンは、夫々、基板の側周面を側方から接触支持する支持側面を有し、この支持側面の水平断面は、各支持ピンの軸線を中心とする円弧をなし、前記支持側面は、夫々、該軸線を中心として自転可能であり、
更に、前記複数の支持ピンを同期させながら、それぞれの前記軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、
それにより、前記スピンチャックの回転中に、前記複数の支持ピンの各々を所定角度自転させることにより、基板を前記支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、前記スピンチャックに対して相対回転させる構成としている。
【0028】
上記目的を達成するために、本発明による基板の支持方法は、
基板のまわりを支持しながら、基板を略水平面内で回転させて、回転する基板の表面に処理液を供給して処理する基板の処理方法において、
基板の側周面を側方から点或いは線接触支持する支持体を設ける段階と、
該支持体ごと一体で基板の中心を通る軸線を中心に基板を回転させる段階と、
基板の回転中に、前記支持体に対して前記側周面の点或いは線接触位置を相対移動させることにより、前記支持体から露出させる段階と、
露出させた点或いは線接触位置を処理液によって処理する段階とを有する構成としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る基板の処理ユニットを詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明による基板の処理ユニットの第1実施形態の概略縦断面図である。図2は、図1の基板の支持装置の基板支持部の平面図である。図3は、図1の基板の支持装置の支持ピンの作用を示す図である。図4は、図1の基板の支持装置の概略縦断面図である。図5は、図4の線VI−VIからみた図である。図6は、図1の上面ベベル処理装置が控え位置にある図である。図7は、図6のシャッターの開閉を示す平面図である。図8は、図1の上面ベベル処理装置の構成を示す部分縦断面図である。図9は、図8のA部の拡大図である。図10は、図1の下面処理装置のじゃま板まわりの構成を示す部分縦断面図である。図11は、図11の線A−Aからみた平面図である。図12は、図1の処理液の分別回収装置の構成を示す部分縦断面図である。図13は、図1の処理液の分別回収装置の別の構成を示す部分縦断面図である。図14ないし図16は、図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【0031】
図1に示すように、基板の処理ユニット10は、基板の回転装置12と、基板の支持装置14と、基板への処理液の供給装置16と、処理液の分別回収装置18とから概略構成されている。
【0032】
ここに、本明細書では、基板の処理とは、処理流体を用いた基板の洗浄処理、乾燥処理、リンス処理、及びエッチング処理を含む意味に用いる。
【0033】
図1に示すように、基板の回転装置12は、略鉛直な軸線Xを中心に回転可能なスピンチャック20と、スピンチャック20を回転駆動する駆動部22とを有する。スピンチャック20は、基板Aの下面A2に面し、軸線Xを中心とする円盤部24と、円盤部24の下側に連結されたシャフト部30とを有する。円盤部24は、いわゆるチャック面を形成するほぼ水平な上面28を有し、上面28の中心部には、基板Aの下面A1と上面28との間の間隙30に臨む貫通孔32が設けられている。上面28の大きさは、基板Aの外径より大きく、基板Aの外径は、例えば8インチ、或いは12インチである。上面28には、後述するように、基板Aを支持する支持ピン34が設けられ、基板Aを支持する支持ピン34ごと軸線Xを中心として回転するようにしている。
【0034】
シャフト部26は、円盤部24と同心状に下方に延び、ベアリング36を介してその側面がハウジング38によって支持されている。シャフト部26の径は、円盤部24の直径よりも小さく、それにより円盤部24の下方の環状開きスペースには、後述する支持ピン34を相対回転させるための支持ピン駆動装置39が設けられる。シャフト部26の下部には、軸受40が配置され、この軸受40はシャフト部26、即ちスピンチャック20を回転軸線Xを中心に回転可能に支承している。
【0035】
駆動部22は、シャフト部26を回転させる機構を有し、モーター42、モーター42に連結されたプーリ44、シャフト部26に連結されたプーリ46、及び両プーリ間の回転を伝動する伝動ベルト48とを有する。駆動部22により、シャフト26、円盤部24、かくして基板Aを支持する支持ピン34ごと回転軸線Xを中心に回転するようになっている。基板Aの回転数は、基板Aの工程に応じて定められ、一般的に処理工程の場合、200ないし3000RPM、乾燥工程の場合には、それより高速の3000ないし5000RPMである。
【0036】
図2ないし図5に示すように、基板Aの支持装置14は、上述のように、上面28上には、略水平に基板Aを支持するための6本の支持ピン34がそれぞれ、円盤部24を貫通することにより略直立して円盤24に対して回転可能に取り付けられ、支持ピン34の内側には、4本の支持ピン50がそれぞれ、略直立して円盤24に対して固定されている。6本の支持ピン34は、処理対象である基板Aの大きさに応じて、軸線Xを中心に周方向等角度間隔で円周上に配置され、一方4本の支持ピン50は、同様に、軸線Xを中心に周方向等角度間隔で円周上に固定配置される。支持ピンの数は、少なくとも3つ以上である。
【0037】
図3に示すように、複数の支持ピン34は、夫々、基板Aの側周面52を側方から接触支持する支持側面54を有し、この支持側面54の水平断面は、各支持ピン34の軸線Yを中心とする円弧(本実施形態では、半円)をなし、支持側面54は、夫々、軸線Yを中心として自転可能である。支持ピン50は、夫々、基板Aが支持ピン34によって支持されないとき、基板Aの下面A2を下方から接触支持するようにしている。
【0038】
複数の支持ピン34は、夫々、軸線Yに対して側方且つ上方に抜ける切り欠き56を有し、後述するように、各支持ピン34を軸線Yを中心として自転させることによって、基板Aの側周面52に対して切り欠き56を差し向けることにより、各支持ピン34による基板Aの支持を解除して、基板Aの支持を支持ピン50により行うとともに、基板Aを例えば搬送ロボットのアームにより下方から真上に持ち上げることが可能となる。
【0039】
支持ピン駆動装置39について説明すれば、図4に示すように、スピンチャック20の円盤部24の下方には、支持ピン34の数と同数の第1歯車58と、第1歯車58それぞれと噛み合う第2歯車60とからなる歯車機構62が設けられている。複数の第1歯車58は、夫々、対応する支持ピン34の下端に軸線Yと同心状に連結され、軸線Yを中心に回転可能としてある。一方、第2歯車60は、スピンチャック20の回転軸線Xと同心状にスピンチャック20に連結され、回転軸線Yを中心にスピンチャック20と一体に回転可能としてある。
【0040】
第2歯車60は、円筒カム64と円筒カム64の側周面66に当たる傾斜面68を有するカムフォロワ70とからなるカム機構72により、軸線Xを中心に回転し、それにより複数の第1歯車58がそれぞれ回転し、かくして支持ピン34それぞれがスピンチャック20に対して相対回転するようになっている。
【0041】
カム機構72について説明すれば、図5に示すように、軸線Xを中心として回転可能な略鉛直方向に延びるシャフト73の上端に、円筒カム64が設けられ、一方、第2歯車60の下面には、そこから下方に延びて、下端に第2歯車60の回転接線方向に傾斜するように配置された傾斜面68を備えたカムフォロワ70が設けられる。円筒カム64は、後に説明するように、上下方向に移動可能で、スピンチャック20と一体に回転軸線Xを中心に回転可能である。
【0042】
傾斜面68は、傾斜面68の傾斜方向に対する横断面が円弧状をなす曲面をなし、カムフォロワ70の側周面66を傾斜面68に点接触させる向きに配置される。カムフォロワ70及び円筒カム64は、互いに点接触するような曲面状のプロファイルを備えるのが好ましく、点接触或いは線接触をする限り、例えば傾斜面68を平面状にして、カムをボール状としてもよい。
【0043】
また、第2歯車60の下面に一端が固定され、円盤部24の下面に他端が固定されたバネ(図示せず)を第2歯車60の下面に付設し、第2歯車60がスピンチャック20に対して所定角度相対回転すると、バネの付勢力が作用して第2歯車60を逆回転させるようにしている。
【0044】
円筒カム64の上下移動機構について説明すれば、スクリューシャフト74が、カップリング76を介してモータ78に連結し、スクリューシャフト74に固定ナット80が螺合する。固定ナット80が固定される外側環状部材82は、ベアリング84を介してシャフト73の下端が固定される内側環状部材86に連結し、シャフト73の上端は、リニアべアリング88により上下方向可動に支承されている。これにより、モータ78が駆動することにより、固定ナット80、かくして固定ナット80にべアリング84を介して連結するシャフト73が上下方向に移動しながら、シャフト部26が軸線Xを中心として回転することにより、部材90を介してシャフト73もシャフト部26と一体に回転するようになっている。
【0045】
以上の構成によれば、モータ78により円筒カム64を上下方向に移動させることにより、傾斜面68を介してカムフォロワ70を回転方向に押し出して、第2歯車60をスピンチャック20に対して相対回転させる、それにより、スピンチャック20の回転中に、複数の支持ピン34を同期させながら、それぞれの軸線Yを中心として同一方向に自転させて、基板Aを各支持ピン34の支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、スピンチャック20に対して相対回転させることが可能となる。第2歯車60がスピンチャック20に対して所定角度相対回転すると、バネの付勢力が打ち勝って第2歯車60を逆回転させる。これにより、図2に示すように、角度αの範囲で基板Aを回転させることが可能となる。
【0046】
次に、図6ないし図9を参照しながら、基板への処理液の供給装置16について説明すれば、基板の処理ユニット10は、基板Aの上面A1の上方に設置された基板の上面のベベル処理ユニット16Aと、基板Aの下面A2の下方に設置された基板の下面全体の処理ユニット16Bとを有する。処理液は、酸、アルカリ又は有機溶媒その他の薬液、純水又は脱イオン水等であり、処理内容、例えば除去洗浄する対象が、パーティクル、ポリマー、金属等のどの異物か、或いは酸化膜、窒素化膜、CMPによって発生した変質膜等のどの膜であるのかに応じて、適宜決定すればよい。
【0047】
まず、ベベル処理ユニット16Aについて説明する。
【0048】
図6に示すように、基板Aのベベル処理ユニット16Aは、水平方向に開閉可能なシャッター92(図7参照)の上方の控え位置と、シャッター92の下方の作動位置との間を上下方向に移動可能なように、歯車機構94を介してモータ96に連結されており、控え位置において処理液が垂れて基板Aの表面に滴下しないように、シャッター92には、処理液が垂れる位置に対応して処理液の受け溝98が設けられている。
【0049】
図8に示すように、ベベル処理ユニット16Aは、内部に処理液を基板Aに供給する環状流路100を形成した本体部102を有する。本体部102は、スピンチャック20と異なり、作動位置において回転することなく静置される。作動位置における基板Aの上面A1との間隔は、0.5mmないし3mmである。
【0050】
本体部102は、環状の平らな下面104を有し、下面104が基板Aと略平行となるように配置され、基板Aの上面A1との間に流体が流れる間隙31を形成する。間隙31に臨むように、処理液の環状流出口106が下面104に設けられ、基板Aの上面A1に向かって斜め下方に、且つ半径方向外方に環状流出開口106まで延びるように環状流路100を形成する。
【0051】
環状流路100は、環状流出開口106に向かって先細に形成されている。図9に示すように、環状流路100の環状流出開口106まわりの傾斜角度βは、環状流出開口106から流出する処理液が基板Aの外方に差し向けられるように、少なくとも鋭角であり、詳細には処理液の種類、流量、流出開口面積等に応じて定められるが、10°ないし30°が好ましい。環状流路100の上流側には、処理液を一時的に溜める環状溜め部108が環状流路100と流通して設けられ、環状溜め部108の上流側は、本体部102の上面110に周方向に複数設けられた処理液流入口112の夫々に連通する管路114が、環状溜め部108と流通して設けられる。各処理液流入口112は、薬液或いは純水の処理液供給源(図示せず)に流量計、調整弁を介して、分岐管(図示せず)を通じてそれぞれ接続される(図1参照)。
【0052】
これにより、各処理液流入口112より流入した処理液は、各管路114を通って環状溜め部108に到り、そこに一旦溜められた処理液は、環状流路100を通って環状流出開口106から基板Aの外方に向かう流れをなして基板Aに処理液を供給するようになっている。
【0053】
環状流出開口106の内周縁116に取り囲まれた下面104の領域には、下面104から窪んだ水平断面が円形の凹部118が設けられ、第1不活性ガスである窒素ガスを噴射するための第1不活性ガス流出開口120が、間隙31に臨むように、下面104の凹部118との境界を構成する周縁122により形成され、環状流出開口106と略同心上の円形開口の形態を有する。
【0054】
これにより、第1不活性ガスが不活性ガス供給源(図示せず)に流量制御器、調整弁、フィルターを介して連通する流入開口117を通じて凹部118内に流入し、不活性ガス流出開口120を経て間隙31を通って基板Aの外方に放射状に流れるようにしている。
【0055】
環状流出開口106の外周縁124と本体部102の外周縁125との間の下面104の領域には、第2不活性ガス流出開口126が形成され、本体部102の内部には、基板Aの上面A1に向かって斜め下方に、半径方向外方に第2不活性ガス流出開口126まで延びる環状流路128が形成される。第2不活性ガス流出開口126は、環状流出開口106と略同心状の環状流出開口の形態である。
【0056】
図9に示すように、環状流路の第2不活性ガス流出開口126まわりの傾斜角度γは、第2不活性ガス流出開口126から流出する第2不活性ガスが基板Aの外方に差し向けられるように、少なくとも鋭角であり、詳細にはガスの種類、流量、流出開口面積等に応じて定められるが、10°ないし30°が好ましい。環状流路128の上流側には、不活性ガスを一時的に溜める環状溜め部127が環状流路128と流通して設けられ、環状溜め部127の上流側は、本体部102の上面110に周方向に複数設けられた第2不活性ガス流入口129の夫々に連通する管路131が、環状溜め部127と流通して設けられる。
【0057】
各第2不活性ガス流入口129は、不活性ガス供給源(図示せず)に流量制御器、調整弁、フィルターを介して、分岐管(図示せず)を通じてそれぞれ接続される(図1参照)。これにより、各第2不活性ガス流入口129より流入した第2不活性ガスは、各管路131を通って環状溜め部127に到り、そこに一旦溜められた第2不活性ガスは、環状流路128を通って環状流出開口126から基板Aの外方に向かう流れをなして基板Aに不活性ガスを供給するようになっている。
【0058】
このような構成により、第1不活性ガスのみを利用する場合、環状流出開口126から基板Aの上面A1に向かう環状の処理液流れに対して内方から面する不活性ガス雰囲気を少なくとも負圧でない所定圧力に保持するように、第1不活性ガス流出開口120からの第1不活性ガスを間隙31を通して基板Aの外方に流すことにより、間隙31の下面104から基板Aの上面A1まで、内周縁116の近傍に沿ってガスバリアを形成して、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0059】
また、第1不活性ガス及び第2不活性ガスの両方を利用する場合、環状流出開口106から供給する処理液が、第1不活性ガス流出開口120から噴射する第1不活性ガスによって基板Aの外方に向かって同伴されながら、第2不活性ガス流出開口126から噴射する第2不活性ガスによって、基板Aの外方に向かって引かれることにより、第1不活性ガスのみを利用する場合と同様に、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0060】
このように、いずれの場合も処理液の環状流出開口106の径を選択することにより、基板Aの上面A1を処理する環状領域を決定することが可能となる。
【0061】
一方、図10を参照しながら、基板Aの下面の処理ユニット16Bについて説明すれば、不活性ガス(窒素ガス)を供給するための外管130と、外管130内を延びる、処理液を供給するための内管132とを有する。外管130は、貫通穴32と非接触で貫通穴32を通ってスピンチャック20の上面28まで延び、内管132は、外管130の下端面134を貫通して、外管130内をスピンチャック20の上面から突出するように延びる。内管132及び外管130は、スピンチャック20の回転軸線Xまわりに同心状に配置され、内管132の上周縁136によって基板Aの略中心に向かって、処理液を略鉛直な方向に供給する処理液供給ノズル138が形成され、一方外管130の上周縁140と内管132の外周面142との間に、基板Aの下面A2近傍を不活性ガス雰囲気とするように、下面A2に向かって不活性ガスを噴射する不活性ガス噴射ノズル144が形成される。不活性ガス噴射ノズル144は、処理液供給ノズル138のまわりを取り囲むように配置された環状ノズルの形態を有する。
【0062】
基板Aの下面A2と不活性ガス噴射ノズル144との間には、じゃま板146が設けられ、不活性ガス環状ノズル144の上方で内管132の外周面142に固定され、環状ノズルと同心状に且つ基板Aと略平行上に配置された円板の形態を有する。図11に示すように、じゃま板146は、じゃま板146の円周方向に互いに等角度間隔に配置された、8個の分岐流路を構成する8個の抜け穴148を有し、各抜け穴148は、じゃま板146の不活性ガス噴射ノズル側のじゃま板表面150に形成される不活性ガス分岐流れの流入開口152が、不活性ガス噴射ノズル144より外方にオフセット配置されるとともに、じゃま板表面150の反対表面に形成される不活性ガス分岐流れの流出開口154が、流入開口152より内方に形成され、各々が、図10に示すように、不活性ガス分岐流れが基板Aの表面の手前で処理液供給ノズル138からの処理液流れにぶつかるような所定の傾きを備える。なお、抜け穴148の数、開口面積は、不活性ガス噴射ノズル144からの不活性ガスの流量等に応じて選択すればよい。
【0063】
じゃま板146は、複数の分岐流路の流入開口152より外方領域に、基板Aの外方に向かう偏向流れが、上面28との間で絞られるように、じゃま板146表面から不活性ガス噴射ノズル144に向かって突出する突出リング部156を有する。これにより、じゃま板146により流れが偏向された不活性ガス流れが、一部分岐した基板Aに向かう不活性ガス流れを引くようなディフューザ効果が生じないようにしている。
【0064】
このような構成によれば、図10に示すように、じゃま板146が不活性ガス噴射ノズル144から噴射する不活性ガス流れを受けて、基板Aの外方に向かう流れに偏向するとともに、抜け穴148により基板Aの外方に向かう偏向された流れが一部分岐され、不活性ガス噴射ノズル144の噴流による基板Aへの直撃が回避されて、基板Aへの悪影響が防止されるとともに、基板Aの下面A2、特に処理液が最初に供給される中心部を不活性ガス雰囲気に維持しながら、処理液による基板Aの一様な処理が確保することが可能となる。
【0065】
次に、図12を参照しながら、処理液の分別回収装置18について説明すれば、基板Aの周囲を取り囲むように配置された、内方に臨む環状開口158を有するポット160が設けられる。ポット160は、内方に向かって斜め上方に延びる環状上壁162と、略平らな底面164を有する環状下壁166と、環状上壁162と環状下壁166との間の外周壁168及び内周壁170とを有し、環状上壁162の上周縁172から所定長さの環状ひさし174が略鉛直方向に垂下しており、環状ひさし174の下周縁176と内周壁170の上周縁178とが環状開口158を形成する。ポット160の内部には、夫々ポット160の底面164を環状に仕切るように、底面164から上方且つ内方に環状開口158に向かって延び、ポット160内で離間して配置された3枚の環状仕切180A,B,Cが入れ子式に設けられる。環状仕切180A,B,Cそれぞれは、後に説明するように、上下駆動機構182により互いに独立に上下方向に移動可能にしてある。
【0066】
環状開口158から流入する処理液を受け入れ可能なように、隣り合う環状仕切180それぞれの内周縁183を環状開口158に位置決めすることにより、外側の環状仕切180の内周面184と内側の環状仕切180の外周面186とで、底面164に通じる環状流路188を形成する。
【0067】
また、1つの環状仕切からみれば、環状仕切180を環状開口158の上レベル、すなわち基板Aからの処理液が外方に飛散するレベルより上に位置決めすることにより、環状仕切180の内周面183が、基板Aからの処理液を環状開口158からポット160の底面164まで案内する案内面を形成し、環状仕切180を環状開口158の下レベル、すなわち基板Aからの処理液が外方に飛散するレベルより下に位置決めすることにより、環状仕切180の外周面186が、基板Aからの処理液を環状開口158からポット160の底面164まで案内する、別の案内面を形成することになる。隣り合う環状仕切180それぞれの内周縁183を環状開口158に位置決めする際、それ以外の隣り合う環状仕切180を上下方向に近接して位置決めすることにより、処理液の飛散から生じるミストがそれ以外の隣り合う環状仕切180それぞれの内周縁183間の間隙から環状流路内に流入するのを防止できる。
【0068】
環状ひさし174の上下方向長さは、3枚の環状仕切180A,B,Cそれぞれを上下駆動機構182によりポット160内で最も上方位置に位置決めしたとき、3枚の環状仕切180の上周縁183がすべて環状ひさし174によって隠されるような長さであるのが好ましい。これにより、隣合う環状仕切180の内周縁183の間から基板Aからの処理液或いはそこから発生するミストが混入することを防止することが可能となる。
【0069】
複数の環状仕切180それぞれは、環状開口158に向かって内方上向きに傾斜する傘部188と、上周端が傘部188に連結され、ポット160の底部から上方に延出する円筒部190とを有する。傘部188の傾きは、ポット160の上周壁162と略平行である。円筒部190の外周面を取り囲むように、固定円筒部192が底面164から上方に延びる。円筒部190の外周面と固定円筒部192の内周面とは、所定クリアランス、例えば0.5mmを有し、固定円筒部192は、傘部188が最も上方位置に達したときにも円筒部190と固定円筒部192とが重なり合うような高さを有する。
【0070】
傘部188は、夫々、円筒部190との連結部から外方に向かって延びる環状張り出し部194を有し、この環状張り出し部194の下方で円筒部190を取り囲むように、ポット160の底面164から上方に延びる環状隔壁部196が設けられ、それにより、環状流路188は、隣り合う環状仕切180の傘部188同士によって形成される斜め流路198と、外側の環状仕切180の円筒部190の内周面と環状隔壁196の外周面とによって形成される外流路204と、環状隔壁196の内周面と外側の環状仕切180の円筒部190の外周面とによって形成される内流路210とから構成され、外流路204と内流路210とは、逆U字形流路を形成する。
【0071】
外流路204は、その最下端で処理液流出口(図示せず)と連通し、内流路210は、その最下端でミスト流出口(図示せず)と連通し、ミスト流出口を通じて排気装置(図示せず)により環状流路内が引かれている。
【0072】
複数の環状仕切180のうち最も外側に位置する環状仕切180Aは、その外周面とポット160の外周壁168の内周面212との間に環状流路を形成し、一方複数の環状仕切180のうち最も内側に位置する環状仕切180Cは、その内周面とポット160の内周壁170の内周面214との間に環状流路を形成する。最も内側の環状流路内には、スピンチャック20の外周縁の略真下に、パドリング用の処理液を受けるための環状受け218が設けられ、これによりパドリング処理のような低速回転(例えば、数ないし数十RPM)のために処理液が環状開口206に流入できない場合でも、処理液を確実に分別回収し、特に最も内側の環状流路内に分別回収される処理液との混合を防止することができる。
【0073】
環状隔壁196の上周縁と内側に隣り合う固定円筒部192の内周面とにより形成されるミスト流入開口部には、周方向に分散配置された複数の貫通穴224を備えた環状のコンダクタンス調整板226が設けられ、これらの複数の貫通穴224それぞれの大きさを、ミスト流出口に近いほど小さくしてある。これにより、ミストの回収の周方向の偏りを防止することが可能となる。
【0074】
次に、環状仕切180の上下駆動機構182について説明すれば、環状仕切180の内周面には、シャフト連結部材228が付設され、シャフト連結部材228の上端部は内周面184に固定され、下端部は開口して、中空部が下方に臨む。中空円筒部材228の真下には、底面164から上方に延びる中空円筒部材230が設けられ、中空円筒部材230はシャフト連結部材228の中空部に収まるような径を有する。下壁166及び中空円筒部材230を貫通して、上方に延びるシャフト232が、中空部内を通り、シャフト232の上端がシャフト連結部材228の上端部と連結する。
【0075】
シャフト232の下端は、カップリング234を介してシャフト236に連結し、シャフト236の下端は、ナット238に螺合し、ナット238は一対の歯車240の一方に固定され、他方の歯車はモータ242に連結されている。このような構成により、モータ242の回転により一対の歯車240を介してナット238に螺合するシャフト236が回転することにより上下移動し、シャフト232、かくしてシャフト連結部材228を介して環状仕切180が上下方向に移動可能となるようになっている。
【0076】
図13に示すように、上述の上下駆動機構の変形例として、カム機構を利用してもよい。カム機構250は、モータ251により回転可能なシャフト252に固定され、互いに略平行な3枚の平板カム254と、平板カム254それぞれのプロファイルに追従するように、各環状仕切180に連結した上下方向に延びるシャフト256の下端に固定された円筒カムフォロワ258とを有する。これによれば、単一のモータにより異なるカムプロファイルを通じて、各環状仕切180が所定の相対位置関係をなして、上下方向に移動することが可能となる。
【0077】
なお、処理ユニット10のうち処理液に接する部材の材質は、使用する処理液に応じてテフロン(登録商標)、ポリプロピレン、PVDF或いは塩化ビニル等の合成樹脂から選択するのがよい。
【0078】
以上のような構成を有する基板の処理ユニットの動作を、基板Aの搬入工程、基板Aの処理工程、基板Aのリンス工程、基板Aの乾燥工程、及び処理工程、リンス工程、乾燥工程に付随して行われる処理液、リンス液、乾燥用ガスの回収工程に区切って説明する。以下では、基板Aの素子を形成した表面を上面に、素子の形成されていない裏面を下面となるように基板Aを配置して、上面の素子の形成されていないベベル部を含む外周縁部と、下面全体並びに側周面とを併行して処理する場合を例に説明する。
【0079】
(1)基板Aの搬入工程について
基板Aを搬入する前に、上面ベベル処理ユニット16Aを控え位置に位置決めしておく。次いで、処理すべき基板Aを搬送ロボット(図示せず)によりスピンチャック20の上面まで搬送する。この際、図3(B)に示すように、各支持ピン34を自転させて、切り欠き56を基板Aの中心に向かう内方に向けて置く。次いで、基板Aを搬送ロボット(図示せず)によって各支持ピン50により下方から支持して、各支持ピン34を自転させて円弧側周面54を基板Aの周縁52に当てて、図3(A)に示すように、基板Aを略水平支持する。次いで、シャッター92を開いて、上面ベベル処理ユニット16Aを控え位置から作動位置まで下方に移動させる。以上で、上面ベベル処理ユニットの作動位置への位置決め、及び基板Aの搬入工程が完了する。
【0080】
(2)基板Aの処理工程について
モータ42によりスピンチャック20を回転させて、基板Aを軸線Xを中心として、所定回転数で回転させる。これにより、基板Aは支持ピン34によって接触支持されながら、鉛直軸線Xを中心として所定回転数で回転する。次いで、基板Aの上面のベベル処理を行いつつ、下面全体並びに側周面の処理を併行して行う。
【0081】
まず、図10を参照しながら下面A2の処理について説明する。基板Aの下面A2の略中心に向けて、処理液供給ノズル138から処理液を供給するとともに、不活性ガス供給ノズル144から窒素ガスを供給する。その際、不活性ガス供給ノズル144から基板Aの下面A2に向けて噴射される窒素ガスは、じゃま板146によって受けられ、流れを半径方向外方に偏向されるとともに、窒素ガスの流れが一部抜け穴148を通って基板Aの下面A2に向かい、その途中で処理液の流れにぶつかり、処理液の流れのまわりを覆うようにしながら、処理液の流れとともに基板Aの下面A2において下面A2に沿って流れる。
【0082】
これにより、窒素ガスの基板Aの下面A2への直撃を防止することにより、基板Aへの悪影響を回避しつつ、基板Aの中心近傍を不活性ガス雰囲気に維持することにより、下面A2にウオータマークが発生するのを防止することが可能となる。じゃま板146によって偏向された窒素ガス流れは、流れが突出リング156と上面28との間で絞られることにより、ディフューザ効果を防止して、抜け穴148から逆に流れを引き込むことなしに、上面28に略平行に基板Aの外方に流れ、基板Aの下面A2にぶつかって下面A2によって偏向された不活性ガス流れと合流する。これにより、不活性ガスの噴流の基板Aの直撃を回避しつつ、基板Aの中心部まわりを不活性ガス雰囲気に維持するとともに、基板A上の処理液が、不活性ガスの噴流により邪魔されることなしに、遠心力により基板Aの半径方向外方に流れ、その結果基板Aの表面全体を一様に処理することが可能となる。
【0083】
一方、図8及び図9を参照しながら基板Aの上面A1のベベル処理について説明すれば、第1不活性ガスのみを流す場合には、環状流出開口106からの処理液は、基板Aの上面A1に向かう環状流れを形成するとともに、第1不活性ガス流出開口120からの窒素ガスは、環状流出開口106の内側から間隙31を通って外方に流れる。このとき、間隙31の下面104から基板Aの上面A1まで、内周縁116の近傍に沿ってガスバリアを形成するように、基板Aの上面A1に向かう環状の処理液流れに内方から面する不活性ガス雰囲気を少なくとも負圧でない所定圧力に保持することにより、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面A1の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0084】
第1不活性ガス及び第2不活性ガスの両方を流す場合には、環状流出開口106から供給される処理液は、第1不活性ガス流出開口120から噴射する第1不活性ガスによって基板Aの外方に向かって同伴されながら、第2不活性ガス流出開口126から噴射する第2不活性ガスによって、基板Aの外方に向かって引かれることにより、第1不活性ガスのみを流す場合と同様に、基板Aの上面A1への処理液の供給を基板Aの上面A1の所望環状領域に制限することが可能となる。
【0085】
第1不活性ガスのみを流す場合と第1不活性ガス及び第2不活性ガスの両方を流す場合との使い分けについては、回転速度、ガス流量、処理液流量、環状開口の位置、開口の半径方向幅、処理液吐出角度等の条件に応じて、基板Aの外周縁近傍の所望環状領域を精密に処理する観点から、適宜選択すればよい。
【0086】
いずれの場合でも、本体部102はスピンチャック20と異なり、基板Aの処理の際、回転させずに静置しているので、処理液及び不活性ガスを処理液及び不活性ガスの各供給源から分岐管を介して本体部102の内部に設けられた各環状流路100、128へ簡便に供給することが可能である。
【0087】
以上のようにして、基板Aの上面の所望環状領域のみを周方向に均一に、且つ精確に処理することが可能となる。
【0088】
最後に、基板Aの側周面の処理に関し、図4に示すように、基板Aを高速回転中に、モータ78により円筒カム64を上方に移動させることにより、カムフォロワ70が基板Aの回転方向に押し出されて、第2歯車60、それに噛み合う各第1歯車58、かくして各支持ピン34がスピンチャック20と一体で高速回転しながら、スピンチャック20に対して所定角度相対回転して、図2に示すように、各支持ピン34により側方から支持されていた基板Aの側周面の接触支持部が各支持ピンから露出する。バネの付勢力により基板Aを角度範囲αの範囲で回転移動させることが可能となる。
【0089】
その結果、露出した接触支持部を上面処理の処理液或いは下面処理の処理液により処理することが可能となるとともに、支持ピン34の側周面54の基板Aを支持していた部分を洗浄することも可能となる。これにより、基板Aの側周面の処理むらを防止するとともに、支持ピン34に起因するクロスコンタミネーションを抑制することが可能となる。その際、基板Aは、支持ピン34の側周面54に対して摺動することなく、ころがり接触の仕方で移動するので、従来技術のように、摺動に伴う磨耗粉の発生を回避することが可能となる。
【0090】
次に処理液の回収工程を説明する。
【0091】
図14に示すように、環状仕切180A,B,Cすべてを最上方位置に位置決めし、それにより環状仕切180Cの内周面とポット160の内周壁とで環状流路を形成しておく。基板Aの上下面を処理した処理液及び不活性ガスは、基板Aの半径方向外方に飛散して、環状開口158からポット160の内部に流入する。流入した処理液は、まず外側の環状仕切り180Cの傘部188Cの内周面によって受けられ、はね返って環状開口158から基板Aの方に戻されることなしに、そこからポット160の内部に案内されて斜め流路を経て、環状仕切180の壁にぶつかるたびにミストを発生させながら、環状張り出し部194C及び環状隔壁196Cにより内流路210への短絡が防止されることにより、まず外流路204を流れ、処理流出口から処理液が分別回収される。
【0092】
次いで、ミストは、ミスト流出口を介して吸引装置により引かれながら、内流路210を流れ、ポット160のコンダクタンス調整板226の各貫通穴224を通って、周方向のミスト流れの偏りを防止しつつ、最終的にミスト流出口から回収される。この際、他の環状仕切180A,Bは互いに近接した位置に位置決めしておくことにより、処理液およびそこから生じるミストが、他の環状流路内に流入するのを防止することができる。このように、内流路210と外流路204とを逆U字形の流路として、処理液の流れから発生するミストをミストとして回収するより液体として回収することを優先させることにより、処理液の回収歩留まりを向上させることが可能となる。
【0093】
以上のように、処理液の種類に応じて、使用する環状流路を選択することにより、他の処理液と混合することなく分別回収を行うことが可能となるので、回収した処理液は、適切な処理、例えば、処理液中の異物の除去処理を行った後、基板Aの処理ユニットの処理液供給源に戻して、適宜再利用することが可能となる。
【0094】
(2)基板Aのリンス工程及び乾燥工程について
基板Aのリンス工程及び乾燥工程については、第1に、リンス工程では純水、乾燥工程では不活性ガスが利用される点で、薬液を利用する処理工程とは、処理流体が異なること、第2に、乾燥工程では高速回転が要求される点で、処理工程とは基板Aの回転数が異なること以外は、前述の基板Aの処理工程と略同様であるので、以下では、リンス工程及び乾燥工程夫々について、処理液の回収工程を説明する。
【0095】
まず、図15に示すように、図14の環状仕切180の位置から、環状仕切180Cを上面28のレベルまで下方に移動させる一方で、環状仕切180Bを環状ひさし174の下端レベルまで移動させる。これにより、環状仕切180Bの内周面184と環状仕切180Cの外周面186とでリンス液の環状流路が形成される。
【0096】
この状態で、基板Aの上面A1をリンス液によりリンスを行えば、基板Aの処理工程における処理液の回収と同様に、基板Aの上面A1から四方に飛散するリンス液は、環状開口158を通して環状流路188に流入する。より詳細には、まずリンス液は外側の環状仕切180B,Cの傘部188B,Cの内周面によって受けられ、斜め流路198内を流れて、外流路204に至る。このとき、環状張り出し部194Cにより、斜め流路198内を流れるリンス液が、直接流出開口まで短絡することが防止される。リンス液が流路の内壁にぶつかるたびに、ミストが生じるが、生じたミストは、排気装置により、内流路210のミスト排出口まで引かれる。次いで、リンス液は、流出開口を通して回収され、再使用される。
【0097】
このように、本実施形態による処理流体の回収工程によれば、スペース、特に上下方向のスペースを大きく占有することなしに、使用する処理液に応じて独立に処理液を回収することが可能であり、当業者に周知な適切な処理のもとで処理液を再使用することができる。
【0098】
乾燥工程においては、図16に示すように、図15の環状仕切180の配置から、環状仕切180Bを上面28のレベルまで下方に移動させる一方で、環状仕切180Aを若干下方に移動させる。これにより、環状仕切180Aの内周面183と環状仕切180Bの外周面186とで、環状流路が形成される。このあとは、処理工程あるいはリンス工程の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0099】
なお、図14ないし図16に示すように、いずれの環状流路188を利用する場合でも、環状仕切180の内周縁183を環状ひさし174の下周縁176、或いはスピンチャック20の上周縁に位置決めすることにより、回収していない環状流路188に処理液或いはミストが混入するのを防止することが可能となる。
【0100】
(3)基板Aの搬出工程
基本的には、基板Aの搬入工程と逆の工程を行う。まず、処理液および不活性ガスの供給を停止後、上面ベベル処理ユニット16Aを作動位置から控え位置まで上方に移動させる。次いで、各支持ピン34を所定角度自転させて、基板Aを支持する円筒側周面54を外方に向けて、基板Aの支持を解除する。これにより、基板Aは、各支持ピン50より下方から接触支持される。この状態で、搬送ロボット(図示せず)のフォークを基板Aの下方に延ばして、フォークを上方に移動させることにより、基板Aを支持ピン34から持ち上げ、搬出することが可能となる。以上で、基板Aの搬出工程を終了する。このようにして、基板Aの枚葉処理が終了する。
【0101】
本実施形態に係る処理液の分別回収装置は、3枚の環状仕切をそれぞれ独立にポット160に対して上下方向に相対移動可能とするとともに、これらの環状仕切180によりポット160内を仕切っているが、分別回収した処理液に摩耗粉等の異物が混入しないようにするために、3枚の環状仕切を含め、ポット160内部のすべての構成部材について、部材間に間隔を確保して、摺動部分が生じないようにしている。なお、3枚の環状仕切りにより仕切られた各環状流路内は、前述のように、外部から吸引しているので、部材間の間隙は、処理液或いはミストを分別回収する限りにおいて支障のない大きさとすればよい。
【0102】
以上説明したような基板の処理ユニット10は、特に以下の工程に対して有効である。
【0103】
第1に、銅配線を行う基板Aの処理工程に特に有効である。すなわち、Si結晶、SiO2に高速で拡散する銅によるクロスコンタミネーションを防止しつつ、処理液を分別回収して再利用しながら、基板Aの上面の精確且つ確実なベベル処理、基板Aの側周面の処理、及び下面全体の一様な処理を一度に行うことが可能となり、それにより処理効率を飛躍的に向上させることができる。
【0104】
第2に、いわゆるlow−k材或いはhigh−k材により層間絶縁膜を形成する場合のスピンコート成膜工程に有効である。すなわち、スピンコートにより余分な膜が基板の裏面にまで回り込んで形成されるので、このような基板の周縁部まわりに付着した余分な膜を除去するのに、層間絶縁膜が形成された表面を上面として、所望周縁部だけを処理すると同時に、素子の形成されていない裏面は全体を処理することにより、効率的な処理が可能となる。
【0105】
次に、図17を参照して、本発明による基板処理ユニットの第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一符号を付すことにより、それらの説明は省略し、以下に特徴部分について説明する。
【0106】
図17は、本発明による基板処理ユニットの第2実施形態の概略縦断面図である。基板処理ユニット300の特徴は、図1の上面ベベル処理ユニット16Aの代わりに、基板Aの下面A2に対する処理ユニット16Bと同様な処理ユニットを基板Aの上面A1に対しても採用した点にある。この上面処理ユニットは、第1実施形態における処理ユニットとその構成は全く同様である。
【0107】
このような構成によれば、基板Aの上下面に対して同時に同じ処理液を供給することにより、上下面全体を併行して処理することが可能となるので、特に成膜工程前後或いはCMP工程後において、基板の両面全体に付着したパーティクル或いは不純物を効率的に除去するのに有効である。
【0108】
基板Aの上面A1の処理については、第1実施形態における下面A2の処理と同様に、高速回転する基板Aの上面A1に対して、基板Aの略中心に処理液を供給するとともに、そのまわりを覆うように不活性ガスを噴射することにより、処理液は遠心力により基板Aの半径方向外方に飛ばされ、それにより、基板Aの中心から基板Aの周縁まで上面全体を処理液で処理することが可能となる。その際、上面に向かって噴射する不活性ガスをじゃま板146´で一旦受けて、基板Aの外方に向かう流れに偏向するとともに、このような偏向流れの一部を分岐させて、上面A1に向けて流すことにより、上面A1が一様に処理されると同時に、不活性ガスの噴流が基板Aの上面A1を直撃することを回避しつつ、なお上面A1の中心部まわりを不活性ガス雰囲気として、上面A1にウオータマークが発生するのを防止することが可能となる。また、第1実施形態と同様な仕方で、基板Aの上下を処理した処理液を一度に分別回収することが可能となる。
【0109】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更、修正が可能である。例えば、上記実施形態では、上下面を併行して一度に処理したが、それに限定されることなく、当業者なら本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【0110】
例えば、上下面のいずれかについて、処理液を供給することなく、不活性ガスのみを基板Aに向けて供給するのでもよい。それにより、処理液の反対面への回り込みを防止することが可能となる。
【0111】
また、基板Aの支持装置において、下方から支持する支持ピンを採用することなしに、ベルヌーイチャック或いはエアベアリングにより基板Aの下方から非接触の仕方で基板を支持しつつ側方から保持することも可能である。
更に、処理液の分別回収装置において、環状仕切の数は使用する薬液等の種類に応じて決めればよく、例えば1枚の環状仕切によりポットを2つに仕切ってもよい。
【0112】
【発明の効果】
本発明による基板の支持装置によれば、基板の側周面の周方向複数位置を接触支持する場合に、基板の高速回転中に、基板との間で摺動運動を生じさせることなく、基板を支持しつつ基板の側周面のこれらの複数の接触支持部を移動させることが可能である。
【0113】
本発明による基板の処理装置及び処理方法によれば、基板を略水平面内で高速回転させながら処理流体を基板の表面に供給することにより基板の表面を処理する或いは乾燥する際、基板の劣化を生じることなしに、このような処理流体を利用して基板の側周面をも確実に処理或いは乾燥することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板処理ユニットの第1実施形態の概略縦断面図である。
【図2】図1の基板の支持装置の基板支持部の平面図である。
【図3】図1の基板の支持装置の支持ピンの作用を示す図である。
【図4】図1の基板の支持装置の概略縦断面図である。
【図5】図4の線VI−VIからみた図である。
【図6】図1の上面ベベル処理装置が控え位置にある図である。
【図7】図6のシャッターの開閉を示す平面図である。
【図8】図1の上面ベベル処理装置の構成を示す部分縦断面図である。
【図9】図8のA部の拡大図である。
【図10】図1の下面処理装置のじゃま板まわりの構成を示す部分縦断面図である。
【図11】図10の線A−Aからみた平面図である。
【図12】図1の処理液の分別回収装置の構成を示す部分縦断面図である。
【図13】図1の処理液の分別回収装置の別の構成を示す部分縦断面図である。
【図14】図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【図15】図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【図16】図1の処理液の分別回収装置の作用を示す部分縦断面図である。
【図17】本発明による基板処理ユニットの第2実施形態の概略縦断面図である。
【符号の説明】
A 基板A
A1 下面
A2 上面
10 基板の処理ユニット
12 基板の回転装置
14 基板の支持装置
16 基板への処理液の供給装置
18 処理液の分別回収装置
20 スピンチャック
22 駆動部
24 円盤部
26 シャフト部
28 上面
30 間隙
31 間隙
32 貫通孔
34 支持ピン
52 側周面
54 支持側面
56 切り欠き
58 第1歯車
60 第2歯車
64 円筒カム
70 カムフォロワ
Claims (7)
- 略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、
該スピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に固定配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持ピンとを有する基板の支持装置において、
前記複数の支持ピンは、夫々、基板の側周面を側方から接触支持する支持側面を有し、この支持側面の水平断面は、各支持ピンの軸線を中心とする円弧をなし、前記支持側面は、夫々、該軸線を中心として自転可能であり、
更に、前記複数の支持ピンを同期させながら、それぞれの前記軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、
それにより、前記スピンチャックの回転中に、前記複数の支持ピンの各々を所定角度自転させることにより、基板を前記支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、前記スピンチャックに対して相対回転させることを特徴とする基板の支持装置。 - 前記複数の支持ピンは、夫々、前記軸線に対して側方に、且つ上方に抜ける切り欠き部を有する、請求項1に記載の支持装置。
- 前記自転駆動手段は、前記複数の支持ピンそれぞれの前記軸線と同心状に各支持ピンに連結され、前記軸線を中心に回転可能な、複数の第1歯車と、
各第1小歯車と噛み合い、前記スピンチャックの回転軸線と同心状に前記スピンチャックに連結され、且つ前記回転軸線を中心に前記スピンチャックと一体に回転可能な第2歯車であって、その回転接線方向に傾斜するように配置された傾斜面を備えたカムフォロワを有する第2歯車と、
前記傾斜面に点接触するような曲面状のプロファイルを有し、且つ上下方向に移動可能で、前記スピンチャックと一体に前記スピンチャックの回転軸線を中心に回転可能なカムを有し、
該カムを上下方向に移動させることにより、前記傾斜面を介して前記カムフォロワを回転方向に押し出して、前記第2歯車を前記スピンチャックに対して相対回転させる、請求項1または請求項2に記載の支持装置。 - 前記傾斜面は、傾斜面の傾斜方向に対する横断面が円弧状をなし、前記カムは、円筒ローラからなり、その周側面を前記傾斜面に点接触させるような向きに配置される、請求項3に記載の支持装置。
- 前記複数の支持ピンは、前記スピンチャックの回転軸線を中心に周方向等角度間隔で配置される、請求項1に記載の支持装置。
- 水平面内で基板を回転させる回転手段と、基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、略鉛直な軸線を中心に回転可能なスピンチャックと、このスピンチャック上で、この軸線を中心とする円周上に配置され、略水平に基板を支持するための、複数の支持ピンとを有し、略水平面内で回転する基板の表面に処理液を供給することにより、基板を処理する、基板の処理装置において、
前記複数の支持ピンは、夫々、基板の側周面を側方から接触支持する支持側面を有し、この支持側面の水平断面は、各支持ピンの軸線を中心とする円弧をなし、前記支持側面は、夫々、該軸線を中心として自転可能であり、
更に、前記複数の支持ピンを同期させながら、それぞれの前記軸線を中心として同一方向に自転させるための自転駆動手段を有し、
それにより、前記スピンチャックの回転中に、前記複数の支持ピンの各々を所定角度自転させることにより、基板を前記支持側面夫々に対してころがり接触の仕方で、前記スピンチャックに対して相対回転させることを特徴とする基板の処理装置。 - 基板のまわりを支持しながら、基板を略水平面内で回転させて、回転する基板の表面に処理液を供給して処理する基板の処理方法において、
基板の側周面を側方から点或いは線接触支持する支持体を設ける段階と、
該支持体ごと一体で基板の中心を通る軸線を中心に基板を回転させる段階と、
基板の回転中に、前記支持体に対して前記側周面の点或いは線接触位置を相対移動させることにより、前記支持体から露出させる段階と、
露出させた点或いは線接触位置を処理液によって処理する段階とを有する基板の処理方法。
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JP2003025816A JP2004265909A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 基板の支持装置及び該装置を備えた基板の処理装置、並びに基板の処理方法 |
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2003
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