JP2004265820A - 偏向ヨーク - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルの厚みを変更することなく、偏向ヨークネック側の磁力線の形を変更でき、試作・調整が容易な偏向ヨークを提供することを目的とする。
【解決手段】水平偏向コイルの金型は下型8の底面部に斜面部20を有し、上型7の下部10にも斜面部を設けることで水平偏向コイル1のネック側ベンド部9を管軸と90°の角度から傾けてCRTの電子銃側へ傾いた形状としている。上側コイルの磁力線は水平成分と垂直成分に分解され、下側コイルの磁力線は水平成分と垂直成分に分解される。上側コイルの磁力線の水平成分と下側コイルの磁力線の水平成分は相殺されるが、上側コイルの磁力線の垂直成分と下側コイルの磁力線の垂直成分は同じ向きであるため相殺されず、垂直成分は電子ビームの偏向に寄与し、青色ビームにかかる力と赤色ビームにかかる力を強める。
【選択図】 図1
【解決手段】水平偏向コイルの金型は下型8の底面部に斜面部20を有し、上型7の下部10にも斜面部を設けることで水平偏向コイル1のネック側ベンド部9を管軸と90°の角度から傾けてCRTの電子銃側へ傾いた形状としている。上側コイルの磁力線は水平成分と垂直成分に分解され、下側コイルの磁力線は水平成分と垂直成分に分解される。上側コイルの磁力線の水平成分と下側コイルの磁力線の水平成分は相殺されるが、上側コイルの磁力線の垂直成分と下側コイルの磁力線の垂直成分は同じ向きであるため相殺されず、垂直成分は電子ビームの偏向に寄与し、青色ビームにかかる力と赤色ビームにかかる力を強める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーテレビジョン受像機、コンピュータディスプレイモニタ及びブラウン管三管式投射型受像機、プロジェクター映写機などに用いる偏向ヨークに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏向ヨークは陰極線管の電子銃から射出される電子ビームを偏向させ、画面を表示させるものであり、一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有している。
【0003】
以下従来の偏向ヨークについて説明する。図14は従来の水平偏向コイルと垂直偏向コイルの位置関係を表す図、図15は従来の水平偏向コイル、垂直偏向コイルとフェライトコアの位置関係を表す図、図16は従来の偏向ヨークの断面図、図17は従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図、図18は従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図、図19は従来の水平偏向磁界の動作を表す図、図20は従来のミスコンバーゼンスの画面図、図21は従来の水平偏向コイルのネック部の斜視図、図22は従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図23は従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図である。
【0004】
図14に示すように一対の水平偏向コイル1と一対の垂直偏向コイル2は図中Y軸、X軸で示す直交軸上で組み合わされるように配置されており、ブラウン管軸(図中のZ軸)方向の位置関係は図15示すように、水平偏向コイル1の両端にあるコイルの折り返し部(以下ベンド部と呼ぶ)の内側に垂直偏向コイル2が配置されている。図15の3はフェライトコアを示しており、フェライトコアは垂直偏向コイル2の両端のベンド部の内側に配置されている。
【0005】
図15中のA−A断面を図16に示す。図16の5はブラウン管のガラス管であり、6は水平偏向コイル1と垂直偏向コイル2を電気的に絶縁する枠を示している。
【0006】
従来の水平偏向コイルの製造方法を図17、図18に示す。図17に示すように、コイルを成形するため上型7と下型8を組み合わせこの2つの金型の間の隙間に銅線を巻き付けてコイルを作るが、コイルの電子銃側後端の折り返し部は図18の9に示すように下型8の底面と、上型7の下部10の間で成形され管軸と90°の角度に折り返した形状となる(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−312759号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の偏向ヨークでは水平偏向コイルは図19の11に示す水平偏向磁界を発生し、この磁界によって、青色電子ビーム12、緑色電子ビーム13、赤色電子ビーム14を偏向させる。図19中の15は青色電子ビームにかかる力、16は緑色電子ビームにかかる力、17は赤色電子ビームにかかる力を表している。青色電子ビームにかかる力15と赤色電子ビームにかかる力17は同一の大きさとなるが、緑色電子ビームにかかる力16は他の2つの電子ビームにかかる力とは大きさが異なる。
【0009】
このため図20に示すようにCRT管面上での電子ビームの作る輝線が一致せず緑色電子ビームの作る輝線18が青色ビーム、赤色ビームの作る輝線19より外側にずれるような色ずれ(ミスコンバージェンス)が生じることがあり、このようなミスコンバーゼンスを改善するにはコイルの厚みを変更し、磁力線の形を変える必要があった。
【0010】
コイルの厚みを変更するには図17および図18に示す上型7、下型8のカーブを変更する必要があり、試作・調整に時間と費用がかかっていた。
【0011】
そこで本発明は、コイルの厚みを変更することなく、偏向ヨークネック側の磁力線の形を変更でき、試作・調整が容易な偏向ヨークを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏向ヨークは、一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有する偏向ヨークであって、水平偏向コイルの電子銃側後端の折り返し部を管軸方向と90°の角度からCRT電子銃方向へ傾けた形状とした。
【0013】
本発明は上記構成によって、コイルの厚みを変更することなく、偏向ヨークネック側の磁力線の形を変更でき、試作・調整が容易な偏向ヨークを提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの製造方法を表す図、図2は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの側面図、図3は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルのネック部の斜視図、図4は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図5は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図6は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図7は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線の動作を表す図、図8は本発明の実施の形態1におけるミスコンバーゼンスの画面図である。
【0015】
図1に示すように、水平偏向コイルを作る金型は下型8の底面部に斜面部20を有し、上型7の下部10にも斜面部を設けることで水平偏向コイル1のネック側ベンド部9を管軸と90°の角度から傾けた形状にしている。このようにして成形されたコイルは図2に示すように、ネック側ベンド部9がCRTの電子銃側へ傾いた形状となっている。
【0016】
図21、図22、図23は従来の水平偏向コイルのベンド部から生じる磁力線の状態を示している。従来のネック側ベンド部は図21に示すような形状をしており、図22に実線の矢印でしめす偏向電流21が流れることで磁力線22が生じる。磁力線22はベンド部9の周りを巻くように生じるが、図23に示すように上下一対のコイルの合わせ目付近の磁力線は反対向きであるため相殺してしまい、電子ビームの偏向には寄与しない。
【0017】
図3、図4、図5、図6は本発明の水平偏向コイルネック側ベンド部の作る磁力線を示している。水平偏向コイルは図3の9に示すように、傾いたベンド部を有し、図4の実線の矢印21で表す偏向電流が流れた場合に、磁力線22が生じる。図5に示すように上下一対のコイルの作る磁力線22は角度をもっており、図6に示すように上側コイルの磁力線22−1は水平成分22−1aと垂直成分22−1bに分解され、下側コイルの磁力線22−2は水平成分22−2aと垂直成分22−2bに分解される。水平成分22−1aと22−2aは相殺されるが、垂直成分22−1bと22−2bは同じ向きであるため相殺されない。この磁力線の垂直成分は図7の23に示すように電子ビームの偏向に寄与し、青色ビーム12にかかる力15と赤色ビーム14にかかる力17を強めることになる。このようにして青色ビームと赤色ビームの偏向を強めたことで、図20に示したミスコンバーゼンスは図8のように改善される。以上、実施の形態1は請求項1の発明に係るものである。
【0018】
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2における水平偏向コイルの側面図であって、請求項2の発明に係るものである。実施の形態1の偏向ヨークにおいてネック側ベンド部に傾きをつけることで従来の偏向ヨークでは相殺されていたベンド部の磁力線を、相殺されず偏向に寄与するようにしたが、この効果は上下一対のコイルの合わせ目付近を傾けることで得られるので、ベンド部全体を傾けなくても同様の効果を得ることができる。図9に示すように水平コイル1のネック側ベンド部9の約半分を傾けることで同様の効果を得ることが出来る。
【0019】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図、図11は本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図であって、請求項3の発明に係るものである。実施の形態1の偏向ヨークでは水平偏向コイル1を形成する金型の上型7と下型8の両方に斜面部を設けることで傾いたベンド部を形成したが、下型8だけに斜面部を設けることで図10に示す水平偏向コイルを作ることが出来る。この場合ネック側ベンド部9の電子銃方向の面24は管軸と90°になっているが、反対の面25は傾きを持っている。この場合にも請求項1のコイルと同様に相殺されないベンド部の磁力線が発生し、図20に示したミスコンバーゼンスを改善できる。また、図11に示すように斜面部25は平面でなく、階段状につくっても同様の効果を得ることができる。
【0020】
(実施の形態4)
図12は本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図、図13は本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図であって、請求項4の発明に係るものである。実施の形態1の偏向ヨークでは図20に示すように緑色電子ビームの輝線18が青色、赤色ビームの輝線19より外側にある場合のミスコンバーゼンスについて記したが、逆に緑色電子ビームの輝線18が青色、赤色ビームの輝線19より内側にあるミスコンバーゼンスに対しては、図12、図13に示すようにネック側ベンド部9をCRT管面方向へ傾けた水平偏向コイルによって改善することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のよう本発明によれば、コイル本体の厚みを変化させなくてもネック部付近の磁力線を変化させることができ、設計・試作・調整が容易な偏向ヨークを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの製造方法を表す図
【図2】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの側面図
【図3】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルのネック部の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図5】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図6】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図7】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線の動作を表す図
【図8】本発明の実施の形態1におけるミスコンバーゼンスの画面図
【図9】本発明の実施の形態2における水平偏向コイルの側面図
【図10】本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図
【図11】本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図
【図12】本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図
【図13】本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図
【図14】従来の水平偏向コイルと垂直偏向コイルの位置関係を表す図
【図15】従来の水平偏向コイル、垂直偏向コイルとフェライトコアの位置関係を表す図
【図16】従来の偏向ヨークの断面図
【図17】従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図
【図18】従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図
【図19】従来の水平偏向磁界の動作を表す図
【図20】従来のミスコンバーゼンスの画面図
【図21】従来の水平偏向コイルのネック部の斜視図
【図22】従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図23】従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【符号の説明】
1 水平偏向コイル
9 ネック側ベンド部
20、25 斜面部
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーテレビジョン受像機、コンピュータディスプレイモニタ及びブラウン管三管式投射型受像機、プロジェクター映写機などに用いる偏向ヨークに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏向ヨークは陰極線管の電子銃から射出される電子ビームを偏向させ、画面を表示させるものであり、一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有している。
【0003】
以下従来の偏向ヨークについて説明する。図14は従来の水平偏向コイルと垂直偏向コイルの位置関係を表す図、図15は従来の水平偏向コイル、垂直偏向コイルとフェライトコアの位置関係を表す図、図16は従来の偏向ヨークの断面図、図17は従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図、図18は従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図、図19は従来の水平偏向磁界の動作を表す図、図20は従来のミスコンバーゼンスの画面図、図21は従来の水平偏向コイルのネック部の斜視図、図22は従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図23は従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図である。
【0004】
図14に示すように一対の水平偏向コイル1と一対の垂直偏向コイル2は図中Y軸、X軸で示す直交軸上で組み合わされるように配置されており、ブラウン管軸(図中のZ軸)方向の位置関係は図15示すように、水平偏向コイル1の両端にあるコイルの折り返し部(以下ベンド部と呼ぶ)の内側に垂直偏向コイル2が配置されている。図15の3はフェライトコアを示しており、フェライトコアは垂直偏向コイル2の両端のベンド部の内側に配置されている。
【0005】
図15中のA−A断面を図16に示す。図16の5はブラウン管のガラス管であり、6は水平偏向コイル1と垂直偏向コイル2を電気的に絶縁する枠を示している。
【0006】
従来の水平偏向コイルの製造方法を図17、図18に示す。図17に示すように、コイルを成形するため上型7と下型8を組み合わせこの2つの金型の間の隙間に銅線を巻き付けてコイルを作るが、コイルの電子銃側後端の折り返し部は図18の9に示すように下型8の底面と、上型7の下部10の間で成形され管軸と90°の角度に折り返した形状となる(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−312759号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の偏向ヨークでは水平偏向コイルは図19の11に示す水平偏向磁界を発生し、この磁界によって、青色電子ビーム12、緑色電子ビーム13、赤色電子ビーム14を偏向させる。図19中の15は青色電子ビームにかかる力、16は緑色電子ビームにかかる力、17は赤色電子ビームにかかる力を表している。青色電子ビームにかかる力15と赤色電子ビームにかかる力17は同一の大きさとなるが、緑色電子ビームにかかる力16は他の2つの電子ビームにかかる力とは大きさが異なる。
【0009】
このため図20に示すようにCRT管面上での電子ビームの作る輝線が一致せず緑色電子ビームの作る輝線18が青色ビーム、赤色ビームの作る輝線19より外側にずれるような色ずれ(ミスコンバージェンス)が生じることがあり、このようなミスコンバーゼンスを改善するにはコイルの厚みを変更し、磁力線の形を変える必要があった。
【0010】
コイルの厚みを変更するには図17および図18に示す上型7、下型8のカーブを変更する必要があり、試作・調整に時間と費用がかかっていた。
【0011】
そこで本発明は、コイルの厚みを変更することなく、偏向ヨークネック側の磁力線の形を変更でき、試作・調整が容易な偏向ヨークを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏向ヨークは、一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有する偏向ヨークであって、水平偏向コイルの電子銃側後端の折り返し部を管軸方向と90°の角度からCRT電子銃方向へ傾けた形状とした。
【0013】
本発明は上記構成によって、コイルの厚みを変更することなく、偏向ヨークネック側の磁力線の形を変更でき、試作・調整が容易な偏向ヨークを提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの製造方法を表す図、図2は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの側面図、図3は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルのネック部の斜視図、図4は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図5は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図6は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図、図7は本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線の動作を表す図、図8は本発明の実施の形態1におけるミスコンバーゼンスの画面図である。
【0015】
図1に示すように、水平偏向コイルを作る金型は下型8の底面部に斜面部20を有し、上型7の下部10にも斜面部を設けることで水平偏向コイル1のネック側ベンド部9を管軸と90°の角度から傾けた形状にしている。このようにして成形されたコイルは図2に示すように、ネック側ベンド部9がCRTの電子銃側へ傾いた形状となっている。
【0016】
図21、図22、図23は従来の水平偏向コイルのベンド部から生じる磁力線の状態を示している。従来のネック側ベンド部は図21に示すような形状をしており、図22に実線の矢印でしめす偏向電流21が流れることで磁力線22が生じる。磁力線22はベンド部9の周りを巻くように生じるが、図23に示すように上下一対のコイルの合わせ目付近の磁力線は反対向きであるため相殺してしまい、電子ビームの偏向には寄与しない。
【0017】
図3、図4、図5、図6は本発明の水平偏向コイルネック側ベンド部の作る磁力線を示している。水平偏向コイルは図3の9に示すように、傾いたベンド部を有し、図4の実線の矢印21で表す偏向電流が流れた場合に、磁力線22が生じる。図5に示すように上下一対のコイルの作る磁力線22は角度をもっており、図6に示すように上側コイルの磁力線22−1は水平成分22−1aと垂直成分22−1bに分解され、下側コイルの磁力線22−2は水平成分22−2aと垂直成分22−2bに分解される。水平成分22−1aと22−2aは相殺されるが、垂直成分22−1bと22−2bは同じ向きであるため相殺されない。この磁力線の垂直成分は図7の23に示すように電子ビームの偏向に寄与し、青色ビーム12にかかる力15と赤色ビーム14にかかる力17を強めることになる。このようにして青色ビームと赤色ビームの偏向を強めたことで、図20に示したミスコンバーゼンスは図8のように改善される。以上、実施の形態1は請求項1の発明に係るものである。
【0018】
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2における水平偏向コイルの側面図であって、請求項2の発明に係るものである。実施の形態1の偏向ヨークにおいてネック側ベンド部に傾きをつけることで従来の偏向ヨークでは相殺されていたベンド部の磁力線を、相殺されず偏向に寄与するようにしたが、この効果は上下一対のコイルの合わせ目付近を傾けることで得られるので、ベンド部全体を傾けなくても同様の効果を得ることができる。図9に示すように水平コイル1のネック側ベンド部9の約半分を傾けることで同様の効果を得ることが出来る。
【0019】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図、図11は本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図であって、請求項3の発明に係るものである。実施の形態1の偏向ヨークでは水平偏向コイル1を形成する金型の上型7と下型8の両方に斜面部を設けることで傾いたベンド部を形成したが、下型8だけに斜面部を設けることで図10に示す水平偏向コイルを作ることが出来る。この場合ネック側ベンド部9の電子銃方向の面24は管軸と90°になっているが、反対の面25は傾きを持っている。この場合にも請求項1のコイルと同様に相殺されないベンド部の磁力線が発生し、図20に示したミスコンバーゼンスを改善できる。また、図11に示すように斜面部25は平面でなく、階段状につくっても同様の効果を得ることができる。
【0020】
(実施の形態4)
図12は本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図、図13は本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図であって、請求項4の発明に係るものである。実施の形態1の偏向ヨークでは図20に示すように緑色電子ビームの輝線18が青色、赤色ビームの輝線19より外側にある場合のミスコンバーゼンスについて記したが、逆に緑色電子ビームの輝線18が青色、赤色ビームの輝線19より内側にあるミスコンバーゼンスに対しては、図12、図13に示すようにネック側ベンド部9をCRT管面方向へ傾けた水平偏向コイルによって改善することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のよう本発明によれば、コイル本体の厚みを変化させなくてもネック部付近の磁力線を変化させることができ、設計・試作・調整が容易な偏向ヨークを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの製造方法を表す図
【図2】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの側面図
【図3】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルのネック部の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図5】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図6】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図7】本発明の実施の形態1における水平偏向コイルの作る磁力線の動作を表す図
【図8】本発明の実施の形態1におけるミスコンバーゼンスの画面図
【図9】本発明の実施の形態2における水平偏向コイルの側面図
【図10】本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図
【図11】本発明の実施の形態3における水平偏向コイルの側面図
【図12】本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図
【図13】本発明の実施の形態4における水平偏向コイルの側面図
【図14】従来の水平偏向コイルと垂直偏向コイルの位置関係を表す図
【図15】従来の水平偏向コイル、垂直偏向コイルとフェライトコアの位置関係を表す図
【図16】従来の偏向ヨークの断面図
【図17】従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図
【図18】従来の水平偏向コイルの製造方法を表す図
【図19】従来の水平偏向磁界の動作を表す図
【図20】従来のミスコンバーゼンスの画面図
【図21】従来の水平偏向コイルのネック部の斜視図
【図22】従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【図23】従来の水平偏向コイルの作る磁力線を表す図
【符号の説明】
1 水平偏向コイル
9 ネック側ベンド部
20、25 斜面部
Claims (4)
- 一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有する偏向ヨークであって、水平偏向コイルの電子銃側後端の折り返し部を管軸方向と90°の角度からCRT電子銃方向へ傾けたことを特徴とする偏向ヨーク。
- 一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有する偏向ヨークであって、水平偏向コイルの電子銃側後端の折り返し部のコイルの合わせ面側の約半分を管軸方向と90°の角度からCRT電子銃方向へ傾けたことを特徴とする偏向ヨーク。
- 一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有する偏向ヨークであって、水平偏向コイルの電子銃側後端の折り返し部を形成する2面の内、一方を管軸方向と90°の角度からCRT電子銃方向へ傾けたことを特徴とする偏向ヨーク。
- 一対の水平偏向コイルと一対の垂直偏向コイルを有する偏向ヨークであって、水平偏向コイルの電子銃側後端の折り返し部を管軸方向と90°の角度からCRT管面方向へ傾けたことを特徴とする偏向ヨーク。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003056858A JP2004265820A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 偏向ヨーク |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003056858A JP2004265820A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 偏向ヨーク |
Publications (1)
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JP2004265820A true JP2004265820A (ja) | 2004-09-24 |
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2003
- 2003-03-04 JP JP2003056858A patent/JP2004265820A/ja active Pending
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