JP2004265719A - ガス放電パネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偶発放電や誘電体放電破壊が防止されたガス放電パネルを提供することを課題とする。
【解決手段】放電空間を挟み隔壁により分離された一対の基板と、少なくとも一方の前記基板の放電空間側の表面上に形成された電極と、該電極を覆う誘電体層とを備え、該誘電体層が、導電性又は半導体特性を示すフィラーを含有し、0.8KV以下の電荷保持量を有することを特徴とするガス放電パネルにより上記の課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電パネル及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、偶発放電や誘電体放電破壊が防止されたガス放電パネル及びその製造方法に関する。本発明のガス放電パネルは、3電極面放電構造のAC型プラズマディスプレイパネルに特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
ガス放電パネルとしては、プラズマディスプレイパネル(PDP)やプラズマアドレス液晶装置(PALC)等が知られている。この内、PDPは大型で、薄いという特徴を有しており、現時点で多く販売されている表示装置の一つである。
図1に実用化されている代表的な3電極面放電構造のAC型PDPの概略斜視図を示す。図1のPDPは、前面側基板と背面側基板とから構成される。
【0003】
まず、前面側基板10は、一般的にガラス基板11上に形成された複数本の表示電極(X、Y)、表示電極(X、Y)を覆うように形成された誘電体層17、誘電体層17上に形成され放電空間に露出する保護膜18とからなる。
表示電極(X、Y)は、透明電極膜41と、透明電極膜の抵抗を下げるための透明電極膜41の端縁部上に積層される透明電極膜よりも幅狭のバス電極42とからなる。
【0004】
次に、背面側基板20は、一般的に、ガラス基板21上に形成された複数本のアドレス電極A、アドレス電極Aを覆う誘電体層24、隣接するアドレス電極間で誘電体層24上に形成された複数本の帯状の隔壁29、隔壁29間に壁面を含めて形成された蛍光体層(28R、28G、28B)とからなる。
上記前面側基板と背面側基板とを、表示電極とアドレス電極が直交するように、両電極を内側にして対向させ、基板周辺部をシールガラスにより封止し、隔壁29により囲まれた空間に放電ガス(例えば、Ne−Xeガス)を充填することによりPDP100を形成することができる。図1中、R、G及びBは、赤色、緑色及び青色の単位発光領域をそれぞれ示し、横方向に並ぶRGBで画素を構成する。
【0005】
上記構成のPDPは、まず表示電極XとY間に大電圧を印加してリセットし、次いでスキャン電極を兼ねる表示電極Yとアドレス電極A間でプラズマ放電させ、電極XとYとの間に維持電圧を印加することで蓄積された壁電荷を利用して、所望する輝度に応じた維持放電を行う。この維持放電により放電ガスが励起されてイオン化することで真空紫外線が放出される。放出された真空紫外線が蛍光体にあたることで、蛍光体から可視光が放出され、この可視光が表示に利用される。
【0006】
スキャン電極Yとアドレス電極Aとの間で生じたプラズマ放電の結果、空間電荷が発生し、その大部分が電極XとY上の誘電体層上に蓄積される。更に、発生した空間電荷の一部は、隣のスキャン電極Yとアドレス電極Aとの書き込み放電用の種火として利用される。
このように発生した空間電荷は、その一部が電極のスキャンと共にアドレス電極の伸長方向に移動し、最初と最後のスキャン電極Y付近で蓄積されることとなる。この蓄積された空間電荷は、大きくなると偶発的に放電(偶発放電)する場合がある。また、偶発放電により誘電体層が破壊(誘電体放電破壊)され、その結果非点灯欠陥が発生することで画質が劣化する場合がある。
偶発放電及び誘電体放電破壊を防ぐために、誘電体層に導電性フィラーを混入することで、過剰に蓄積された空間電荷を逃がす技術が知られている(特開平10−64434号公報:特許文献1)
【0007】
【特許文献1】
特開平10−64434号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、PDPの大型化、高精細化、高速駆動化により、空間電荷の蓄積量が増加しており、より効果的に空間電荷を逃がすことができる誘電体層の提供が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の発明者等は、誘電体層の薄膜化、導電性フィラーの増量を試みた。しかし、前者の誘電体層の薄膜化は、電極材料の誘電体層中への拡散を招き、誘電体層の膜質が劣化することで電極間の耐圧が著しく劣化することが判明した。後者の導電性フィラーの増量は、フィラー自体の凝集を引き起こし、パネル全面にわたって電荷保持特性を得ることができないことが判明した。
【0010】
本発明の発明者等は、更に検討した結果、誘電体層の電荷保持量が特定の範囲になるように導電性又は半導体特性を有するフィラーを誘電体層に含有させることで、偶発放電や誘電体放電破壊を効果的に防止することができることを意外にも見い出し本発明に至った。
【0011】
かくして本発明によれば、放電空間を挟み隔壁により分離された一対の基板と、少なくとも一方の前記基板の放電空間側の表面上に形成された電極と、該電極を覆う誘電体層とを備え、該誘電体層が、導電性又は半導体特性を示すフィラーを含有し、0.8KV以下の電荷保持量を有することを特徴とするガス放電パネルが提供される。
【0012】
更に本発明によれば、上記ガス放電パネルの製造方法であって、フィラー及び誘電体材料を少なくとも含むペーストを電極を覆うように基板上に塗布し、得られた塗布膜を焼成することにより前記フィラーを含有する誘電体層を形成する工程を含むガス放電パネルの製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のガス放電パネルは、放電空間を挟み隔壁により分離された一対の基板と、少なくとも一方の前記基板の放電空間側の表面上に形成された電極と、該電極を覆う誘電体層とを備え、ガス放電を利用して表示を行うパネルであれば特に限定されず、例えばPDP、PALC等が挙げられる。
本発明では、誘電体層が、導電性又は半導体特性を有するフィラーを含有し、0.8KV以下の電荷保持量を有することを特徴の1つとする。
【0014】
本発明で使用できる誘電体層は、特に限定されず所定の電荷保持量を得ることができさえすれば公知の誘電体層を使用することができる。例えば、PbO−B−SiO系やZnO−B−Bi系等の低融点ガラスからなる誘電体層が挙げられる。
また、本発明に使用できるフィラーとしては、酸化スズ、酸化インジウムスズ等の導電性フィラー、珪素、炭化珪素、酸化チタン等の半導体特性を有するフィラーが挙げられる。また、酸化シリコン、窒化ホウ素等の絶縁性粒子の表面、酸化スズ、酸化インジウムスズ等の導電性被膜又は、珪素、炭化珪素、酸化チタン等の半導体特性を有する被膜(例えば、0.05〜2μmの厚さ)を形成したフィラーであってもよい。フィラーの形状は、所定の電荷保持量を得ることができさえすれば特に限定されない。具体的には球状であることが好ましい。
【0015】
上記フィラーの内、誘電体層材料(PbO−B−SiOやZnO−B−Bi系材料)との反応性の観点から酸化スズからなるフィラー又は被膜が好ましい。
フィラーの製法としては、例えば、▲1▼バルクを砕いて作製する方法、▲2▼化学的な合成手法がμmオーダーの粒子を得る方法として挙げられる。この内、後者の方法は、粒径のバラツキが少ないため好ましい。更に、フィラーへの被膜の形成方法としては、ゾルゲル法が挙げられる。具体的には、被膜の前駆体溶液にフィラーを浸漬し、焼成することにより被膜を形成することができる。
更に、本発明では誘電体層が0.8KV以下の電荷保持量を有している。この電荷保持量が規定された理由を以下で説明する。
【0016】
図2に電荷保持量と不具合発生率(偶発放電及び誘電体放電破壊の発生率)の関係を示す。また、電荷保持量は、誘電体層膜上にコロナ放電を用いて10KVを印加し、飽和した時の値を読みとった。その時、導電性フィラーを介して、アドレス電極より電荷がリークするようにパネルを作製する。電荷保持量と不具合発生率の関係を測定するために使用したパネルの構成を図10に示す。
なお、電荷保持量は、シンド静電気社製STATIC HONESTMETER H−0110型を用いて測定し、不具合発生率は、電荷保持量を予め測定した基板と同一条件で作製した基板をパネル化し、実欠陥数をカウントすることにより測定した。
【0017】
図2には、電荷保持量が0.8KVを超えたあたりから、不具合発生率が上昇していることが示されており、誘電体膜の電荷保持量が0.8KV以下にする必要があることがわかる。なお、電荷保持量の下限は、書き込み放電が可能である電荷保持量で決まる。今回の実験においては、0.4KVでも十分に放電が発生していた。図2中、縦軸に沿う点線は電荷保持量0.8KVのラインを意味する。
誘電体層の厚さは、所定の電荷保持量を得ることができさえすれば、特に限定されない。好ましい厚さは8μm以上である。なお、本発明において厚さは平均厚さを意味する。
【0018】
図3に誘電体層の厚さと誘電体層欠陥幅との関係を示す。ここで、誘電体層欠陥幅とは、図4(d)のαを意味する。具体的には、電極aの表面には通常酸化膜bが形成されている(図4(a))。電極aを覆うように誘電体層形成材料膜cを形成する(図4(b))。誘電体層形成材料膜cを焼成すると、酸化膜dが誘電体層eに拡散する(図4(c))。酸化膜が拡散限界を超えると誘電体層eno表面に欠陥を生じさせる(図4(d))。欠陥の生じた幅αが誘電体層欠陥幅となる。
【0019】
また、図3において、誘電体層の厚さは触針型段差測定機で測定した。更に、誘電体層は、PbO−B−SiO系ガラスを使用し、焼成温度は、590℃とした。また、図3中、電極条件1は電極酸化膜約10μmを意味し、電極条件2は電極酸化膜約8μmを意味し、電極条件3は電極酸化膜約5μmを意味し、電極条件4は電極酸化膜約2μmを意味し、電極条件5は電極酸化膜約0μmを意味する。電極酸化膜厚は、電極断面をSEMで観察し、SEM付属の線幅測定器で測定した。電極条件は5から1にむかって酸化膜の拡散量が多くなる条件である。拡散量は、誘電体表面を金属顕微鏡で観察し、付属のスケールにより測定した値を意味する。
【0020】
図3から、電極の材料の酸化膜の拡散量が変化しても、誘電体層欠陥幅αを抑制しうる、即ち、誘電体層の膜質が劣化しない誘電体層のより好ましい厚さは10μm以上であり、特に好ましくは11μm以上である。図3中、縦軸に沿う点線は厚さ11μmのラインを意味する。
次に、フィラーは、誘電体層の表面から突出していることが好ましい。
誘電体層の表面からフィラーが突出した量と電荷保持量の関係を図5及び6に示す。使用したフィラーは、球状の酸化シリコンの表面に酸化スズを0.2μmの厚さで被覆した導電性フィラーである。図5では、平均粒径12μmのものを、図6では、平均粒径18μmのものを、それぞれ分級処理することで、粒径分布が12±3μmと18±3μmとした粒子を誘電体層に対して1体積%使用している。電荷保持量の測定方法は図1と同じである。
【0021】
図5及び6から0.8KV以下の電荷保持量を確保するには、0μmより大きな突出量が好ましいことがわかる。更に、隔壁形成工程での製造不良の発生を抑制するために突出量は12μm以下であることが好ましいことがわかる。図5及び図6の左側の縦軸に沿う点線は、フィラーが誘電体層から突出した量が2μmのラインを意味し、図6の右側の縦軸に沿う点線は12μmのラインを意味する。
誘電体層中のフィラーの含有量は、所定の電荷保持量を得ることができさえすれば、特に限定されない。
【0022】
フィラー含有量と電荷保持量との関係を図7に示す。図7の測定条件は、フィラー含有量を変化させること以外は図5の条件と同じである。図7から0.8KV以下の電荷保持量を確保するには、1体積%以上含ませることが好ましいことがわかる。この含有量は、同じ電荷保持量を得ようとする場合、フィラーの粒度分布を調整していないものより少ない値であることを発明者等は確認している。なお、含有量の上限は、粒子凝集による工程不具合の観点から、3体積%である。図7中、縦軸に沿う点線はフィラー含有量が1体積%のラインを意味する。
【0023】
誘電体層の形成方法は、特に限定されず公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、フィラー及び誘電体材料を少なくとも含むペーストを電極を覆うように基板上に塗布し、得られた塗布膜を焼成することにより前記フィラーを含有する誘電体層を形成する方法が挙げられる。上記ペーストには、その粘度を調製するための増粘剤や溶剤を添加していもよい。
【0024】
本発明のガス放電パネルを構成する基板、電極及び隔壁は、特に限定されず、当該分野で公知の基板、電極及び隔壁をいずれも使用することができる。
更に、本発明は、一対の表示電極を有する前面側基板と、表示電極と対向し誘電体層で覆われたアドレス電極を有する背面側基板とからなる3電極面放電構造のAC型PDPにおいて、フィラーを含有する誘電体層を、アドレス電極を覆う誘電体層に使用することが好ましい。
以下では、本発明を使用可能な3電極AC型面放電PDPを図1を用いて説明する。
【0025】
図1のPDP100は、前面側基板と背面側基板とから構成される。
まず、前面側基板は、基板11上に形成された複数本の表示電極、表示電極を覆うように形成された誘電体層17、誘電体層17上に形成され放電空間に露出する保護層18とからなる。
基板11は、特に限定されず、ガラス基板、石英ガラス基板、シリコン基板等が挙げられる。
【0026】
表示電極は、ITOのような透明電極41からなる。また、表示電極の抵抗を下げるために、透明電極41上にバス電極(例えば、Cr/Cu/Crの3層構造)42を形成してもよい。
誘電体層17は、PDPに通常使用されている材料から形成される。具体的には、低融点ガラスとバインダとからなるペーストを基板上に塗布し、焼成することにより形成することができる。
保護層18は、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層17を保護するために設けられる。保護層18は、例えば、MgO、CaO、SrO、BaO等からなる。
【0027】
次に、背面側基板は、基板21上に前記表示電極と交差する方向に形成された複数本のアドレス電極A、アドレス電極Aを覆う誘電体層27、隣接するアドレス電極A間で誘電体層27上に形成された複数のストライプ状の隔壁29、隔壁29間に壁面を含めて形成された蛍光体層28とからなる。なお、図1中、R、G及びBは赤色、緑色及び青色の発光を生じる単位発光領域(放電セル)を意味する。
基板21には、前記前面側基板を構成する基板11と同種類のものを使用することができる。
【0028】
誘電体層27には、フィラーを含み、0.8KV以下の電荷保持特性の上記本発明の誘電体層を使用することができる。
アドレス電極Aは、例えば、Al、Cr、Cu等の金属層や、Cr/Cu/Crの3層構造からなる。
隔壁29は、低融点ガラスとバインダとからなるペーストを誘電体層27上に塗布し、乾燥した後、サンドブラスト法で切削することにより形成することができる。また、バインダに感光性の樹脂を使用した場合、所定形状のマスクを使用して露光及び現像した後、焼成することにより形成することも可能である。
【0029】
蛍光体層28の形成方法は、特に限定されず、公知の方法が挙げられる。例えば、溶媒中にバインダが溶解された溶液に蛍光体と無機酸化物とを分散させたペーストを、隔壁29間に塗布し、不活性雰囲気下で焼成することにより蛍光体層28を形成することができる。
次に、上記前面側基板と背面側基板を、表示電極(41、42)とアドレス電極Aが直交するように、両電極を内側にして対向させ、隔壁29により囲まれた空間に放電ガスを充填することによりPDP100を形成することができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
球状の酸化シリコン粒子1の表面に酸化スズ2を0.2μmコーティングした平均粒径12μmの粒子を、分級処理することで、粒度分布12±3μmのフィラー3aを得た。次に、アドレス電極A(材質:Cr/Cu/Cr)が膜厚2μmで形成された基板21上に、フリットガラス(78重量%)、前記フィラー(1重量%)、エチルセルロース系バインダ(〜2重量%)を混合したペーストを印刷することで塗布膜を形成し、コンベア型焼成炉で590℃で30分間焼成することにより、厚さ8μmの誘電体層27を形成した。得られた誘電体層27には、フィラー3aが平均4μm表面から露出していた。誘電体層27の電荷保持量を測定したところ0.78KVであった。
【0031】
次に、公知の方法にて隔壁29及び蛍光体層28を形成することで背面側基板を得た。
更に、公知の方法にて得られた基板11上に透明電極とバス電極からなる表示電極4、誘電体層17(厚さ30μm)及び保護膜18を有する前面側基板と対向させて、周囲を封止し、放電ガスを注入することで図8(a)及びその一部拡大図である8(b)に示す構成の3電極面放電PDPを得た。
【0032】
なお、具体的なPDPの構成を下記する。
表示電極 透明電極幅:280μm、バス電極幅100μm
表示電極間の放電ギャップ 100μm
隔壁の高さ 100μm
隔壁の配列ピッチ 360μm
Ne−Xe(5%)の放電ガス
ガス圧 500Torr
得られたPDPは、偶発放電や誘電体層放電破壊の発生はなかった。
【0033】
実施例2
粒度分布14±3μmのフィラーを使用し、誘電体層の厚さを12μmとしたこと以外は実施例1と同様にして背面側基板を得た。得られた誘電体層には、フィラーが平均2μm表面から露出していた。誘電体層の電荷保持量を測定したところ0.71KVであった。
実施例1と同様にしてPDPを作製したところ、偶発放電や誘電体層放電破壊の発生はなかった。
なお、実施例1のPDPは、誘電体層の厚さが薄いため、アドレス電極に発生する酸化膜の拡散による誘電体層に欠陥が発生し、表示特性が問題が生じる場合があったが、実施例2のPDPでは、そのような問題は生じなかった。
【0034】
比較例1
平均粒径8μmのCr粒子からなるフィラー3bを2重量%使用し、誘電体層の厚さを10μmとすること以外は、実施例1と同様にして背面側基板を得た。誘電体層の電荷保持量を測定したところ1.57KVであった。
実施例1と同様にしてPDPを作製したところ、偶発放電や誘電体層放電破壊が発生していた。図9(a)は比較例1のPDPの断面図、図9(b)は図9(a)の一部拡大図である。
【0035】
比較例2
平均粒径8μmのCr粒子からなるフィラーを6重量%使用すること以外は、実施例1と同様にして背面側基板を得た。得られた誘電体層中にはフィラーの凝集状態が確認された。誘電体層の電荷保持量を測定したところ、面内でばらついており測定不能であった。
実施例1と同様にしてPDPを作製したところ、偶発放電や誘電体層放電破壊が発生していた。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス放電パネルを構成する誘電体層が、導電性又は半導体特性を有するフィラーを含有し、0.8KV以下の電荷保持量を有することで、偶発放電や誘電体放電破壊が防止されたガス放電パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3電極面放電構造のAC型PDPの概略斜視図である。
【図2】電荷保持量と不具合発生率(偶発放電及び誘電体放電破壊の発生率)の関係を示すグラフである。
【図3】誘電体層の厚さと誘電体層欠陥幅との関係を示すグラフである。
【図4】誘電体層欠陥幅を説明するための図である。
【図5】フィラーが誘電体層の表面から突出した量と電荷保持量の関係を示すグラフである。
【図6】フィラーが誘電体層の表面から突出した量と電荷保持量の関係を示すグラフである。
【図7】フィラー含有量と電荷保持量との関係を示すグラフである。
【図8】実施例1のPDPの断面図である。
【図9】比較例1のPDPの断面図である。
【図10】電荷保持量と不具合発生率の関係を測定するために使用したパネルの構成図である。
【符号の説明】
1 酸化シリコン粒子
2 酸化スズ
3a、3b フィラー
4 表示電極
11、21 基板
17、27 誘電体層
18 保護層
28 蛍光体層
29 隔壁
41 透明電極
42 バス電極
100 PDP
A アドレス電極
R 赤色の発光を生じる領域
G 緑色の発光を生じる領域
B 青色の発光を生じる領域
a 電極
b 酸化膜
c 誘電体層形成材料膜
d 拡散した酸化膜
e 誘電体層
α 誘電体層欠陥幅

Claims (9)

  1. 放電空間を挟み隔壁により分離された一対の基板と、少なくとも一方の前記基板の放電空間側の表面上に形成された電極と、該電極を覆う誘電体層とを備え、該誘電体層が、導電性又は半導体特性を示すフィラーを含有し、0.8KV以下の電荷保持量を有することを特徴とするガス放電パネル。
  2. 前記フィラーが、平均粒径±3μmの粒度分布の粒子からなり、前記誘電体層の表面から少なくとも一部が突出している請求項1に記載のガス放電パネル。
  3. 前記誘電体層が、10μm以上の厚さを有する請求項1又は2に記載のガス放電パネル。
  4. 前記フィラーが、前記誘電体層の表面から12μm以下の高さで突出している請求項2又は3に記載のガス放電パネル。
  5. 前記フィラーが、前記誘電体層に対して1〜3体積%の量で存在する請求項1〜4のいずれかに記載のガス放電パネル。
  6. 前記フィラーが、導電性膜又は半導体膜で覆われたシリコン化合物粒子である請求項1〜5のいずれかに記載のガス放電パネル。
  7. 前記導電性膜又は半導体膜が、酸化スズ、酸化インジウムスズ、珪素、炭化珪素、酸化チタンからなる膜から選択される請求項6に記載のガス放電パネル。
  8. 前記ガス放電パネルが、一対の表示電極を有する前面側基板と、表示電極と対向し誘電体層で覆われたアドレス電極を有する背面側基板とからなる3電極面放電構造のAC型プラズマディスプレイパネルであり、前記フィラーを含有する誘電体層が、アドレス電極を覆う誘電体層である請求項1〜7のいずれかに記載のガス放電パネル。
  9. 請求項1に記載のガス放電パネルの製造方法であって、フィラー及び誘電体材料を少なくとも含むペーストを電極を覆うように基板上に塗布し、得られた塗布膜を焼成することにより前記フィラーを含有する誘電体層を形成する工程を含むガス放電パネルの製造方法。
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JP2007317487A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Ulvac Japan Ltd プラズマディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマディスプレイパネルの製造装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007026793A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネル
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