JP2004265657A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトリソグラフィ法によりPDPの構造物の形成を行うPDPの製造方法において、フォトマスクに付着したダスト等により、PDPの構造物に欠陥が発生することを抑制することができるプラズマディスプレイパネルの製造方法を実現することを目的とする。
【解決手段】フォトリソグラフィ法における露光は、フォトマスク22に付着しているダスト22bが、露光対象物である、例えば感光性Agペースト膜21上に投影されることによって形成される影21aの大きさが、露光対象物21の厚み以下、もしくは影が形成されない程度に、露光対象物21とフォトマスク22との間隔(露光ギャップA)を設定して行う。
【選択図】 図2
【解決手段】フォトリソグラフィ法における露光は、フォトマスク22に付着しているダスト22bが、露光対象物である、例えば感光性Agペースト膜21上に投影されることによって形成される影21aの大きさが、露光対象物21の厚み以下、もしくは影が形成されない程度に、露光対象物21とフォトマスク22との間隔(露光ギャップA)を設定して行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)の構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させることにより画像表示を行っている。
【0003】
PDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型とがあり、放電形式では面放電型と対向放電型とがあるが、高精細化、大画面化および構造の簡素性に伴う製造の簡便性から、現状では、3電極構造の面放電型のPDPが主流である。その構造は、ガラス等の基板上に、走査電極と維持電極とからなる表示電極と、それを覆う誘電体層と、さらにそれを覆う保護層とを有する前面板と、表示電極に対して直交する複数のアドレス電極と、それを覆う誘電体層と、誘電体層上の隔壁とを有する背面板とを対向配置させることにより、表示電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成し、且つ放電セル内に蛍光体層を備えたものである。
【0004】
このようなPDPは、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
【0005】
以上の構成においては、表示電極および/またはアドレス電極のような電極には、その形状および配設ピッチに精度が要求されることから、例えば、金属材料等のような導電性材料に、感光性材料を含有させた材料を基板全面に塗布し、それを電極パターンを備えたフォトマスクにより露光し、その後、それを現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法によってパターニングすることで、所定の位置に所定形状の電極を形成する(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
2001 FPDテクノロジー大全、株式会社電子ジャーナル、2000年10月25日、p589−594、p601−p603、p604−p607
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような、フォトリソグラフィ法においては、フォトマスクの露光部にダスト等が付着していると、その部分に対応する感光性材料が感光せず、重合されないことから現像時に溶解してしまい、「抜け」となり、電極における断線発生の要因となっていた。
【0008】
電極に断線が発生すると、断線発生箇所より給電方向下流側の画素に電力を供給することができず、PDPにおいては画像表示に支障が生じるため、致命的な欠陥となる。
【0009】
以上は、電極の例であるが、PDPにおいては、大画面であるにも関わらず、その構造物には精度を要求されることから、電極以外の、例えば隔壁などの形成にも、同様にフォトリソグラフィ法が用いられる場合があり、そのような場合にも、上記と同様、画像表示に支障が生じる場合がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、フォトリソグラフィ法によりPDPの構造物の形成を行うPDPの製造方法において、フォトマスクに付着したダスト等により、PDPの構造物に欠陥が発生することを抑制することができるPDPの製造方法を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイの製造方法は、フォトリソグラフィ法によってプラズマディスプレイパネルの構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、露光は、フォトマスクに付着しているダストが露光対象物上に投影されることによって形成される影の大きさが、露光対象物の厚み以下となるように、露光対象物とフォトマスクとの間隔を設定して行うことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、フォトリソグラフィ法によってプラズマディスプレイパネルの構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、露光は、フォトマスクに付着しているダストが露光対象物上に投影されることによって形成される影の大きさが、露光対象物の厚み以下となるように、露光対象物とフォトマスクとの間隔を設定して行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、露光対象物とフォトマスクとの間隔が、600μm以上であることを特徴とするものである。
【0014】
以下、本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法について、図を用いて説明する。
【0015】
まず、PDPの構造の一例について説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法により製造される、PDPの概略構成の一例を示す断面斜視図である。
【0016】
PDP1の前面板2は、前面側の、例えばフロート法により得られたガラスのような、平滑、透明且つ絶縁性の基板3の一主面上に形成した、走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6と、隣接する表示電極6間に設けた遮光層7と、表示電極6と遮光層7とを覆う誘電体層8と、さらにその誘電体層8を覆う、例えばMgOによる保護層9とを有する構造である。走査電極4と維持電極5は、電気抵抗の低減を目的として、透明電極4a、5aに金属材料のような良導電性材料によるバス電極4b、5bを積層した構造である。また、遮光層7は、非発光時に蛍光体層(後述)からの白色を遮蔽し、コントラストを向上させるためのものである。
【0017】
背面板10は、背面側の、例えばフロート法により得られたガラスのような、平滑、且つ絶縁性の基板11の一主面上に形成したアドレス電極12と、そのアドレス電極12を覆う誘電体層13と、誘電体層13上の、隣り合うアドレス電極12の間に相当する場所に位置する隔壁14と、隔壁14間の蛍光体層15R、15G、15Bとを有する構造である。
【0018】
そして、前面板2と背面板10とは、隔壁14を挟んで、表示電極6とアドレス電極12とが直交するように対向し、周囲を封着部材により封止した構成であり、前面板2と背面板9との間に形成された放電空間16には、例えばNe−Xe5%の放電ガスを66.5kPa(500Torr)の圧力で封入している。
【0019】
そして、放電空間16の表示電極6とアドレス電極12との交差部が放電セル17(単位発光領域)として動作する。
【0020】
次に、上述した構造のPDP1について、その製造方法を同じく図1を参照しながら説明する。
【0021】
前面板2は、基板3上にまず、走査電極4および維持電極5を例えばストライプ状に形成する。具体的には、基板3上に透明電極4a、5aの材料、例えばITOによる膜を、例えば電子ビーム蒸着法により形成し、さらにその上にレジストを、透明電極4a、5aのパターンとして残るようにパターニングして形成した後、エッチングにより透明電極4a、5aの材料による膜をエッチングし、その後、レジストを剥離することで、透明電極4a、5aを形成する。なお、透明電極材料としてはSnO2等も用いることができる。そして、上述のようにして形成した透明電極4a、5aの上にバス電極4b、5bを形成する。具体的には、黒色顔料、ガラスフリット(PbO−B2O3−SiO2系やBi2O3−B2O3−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を含む感光性黒色ペーストを用いスクリーン印刷法等によりガラス基板上に黒色電極膜を成膜した後、乾燥し、引き続き、スクリーン印刷法等により黒色電極膜の上にAgを材料に含有する導電性材料、ガラスフリット(PbO−B2O3−SiO2系やBi2O3−B2O3−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を含む感光性Agペーストを用いて金属電極膜を成膜し、再度、乾燥する。そしてその後、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、焼成することで、バス電極4b、5bを形成することができる。以上により、走査電極4および維持電極5からなる表示電極6を形成することができる。
【0022】
次に、遮光層7を形成する。これは、感光性黒色ペーストをスクリーン印刷法等により成膜した後、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、焼成することで形成することができる。なお、遮光層7は、バス電極4b、5bの下地黒色層と同時に形成してもよい。また、黒色であるならペーストを用いた形成方法でなくとも良い。また、バス電極4b、5b形成の前に形成しても良い。
【0023】
次に、以上のようにして形成した表示電極6と遮光層7とを、誘電体層8で被覆する。誘電体層8は、鉛系のガラス材料を含むペーストを例えばスクリーン印刷で塗布した後、所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。上記鉛系のガラス材料を含むペーストとしては、例えば、PbO(70wt%)、B2O3(15wt%)、SiO2(10wt%)、およびAl2O3(5wt%)と有機バインダ(例えば、α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルローズ以外に樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども使用することができる。さらに、こうした有機バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入させてもよい。また、ペーストを用いてスクリーン印刷する代わりに、成型されたフィルム状の誘電体前駆体をラミネートして焼成することによって形成しても良い。
【0024】
次に、以上のようにして形成した誘電体層8を、保護層9で被覆する。保護層9は、例えばMgOからなるものであり、蒸着やスパッタなどの成膜プロセスにより、層が所定の厚み(約0.5μm)となるように形成する。
【0025】
一方、背面板10は、基板11上に、アドレス電極12をストライプ状に形成する。具体的には、基板11上に、アドレス電極12の材料、例えば感光性Agペーストを用い、スクリーン印刷法等により膜を形成し、その後、フォトリソグラフィ法などによってパターニングし、焼成することで形成することができる。
【0026】
次に、以上のようにして形成したアドレス電極12を、誘電体層13により被覆する。誘電体層13は、例えば、鉛系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷で塗布した後、所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。また、ペーストをスクリーン印刷する代わりに、成型されたフィルム状の下地誘電体層前駆体をラミネートして焼成することによって形成しても良い。
【0027】
次に、隔壁14を例えばストライプ状に形成する。隔壁14は、Al2O3等の骨材とガラスフリットとを主剤とする感光性ペーストを印刷法やダイコート法等により成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングし、焼成することで形成することができる。または、例えば、鉛系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後、焼成することによって形成してもよい。ここで、隔壁14の間隙の寸法は、例えば32インチ〜50インチのHD−TVの場合、130μm〜240μm程度である。
【0028】
そして、隔壁14と隔壁14との間の溝には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光体粒子により構成される蛍光体層15R、15G、15Bを形成する。これは、各色の蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗布し、これを400〜590℃の温度で焼成して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層15R、15G、15Bとして形成する。
【0029】
以上のようにして作製した前面板2と背面板10とを、前面板2の表示電極6と背面板10のアドレス電極12とが直交するように重ね合わせるとともに、周縁に封着用ガラス等の封着部材を介挿し、これを例えば450℃程度で10〜20分間焼成して形成した気密シール層(図示せず)により封着する。そして、一旦、放電空間16内を高真空(例えば、1.1×10−4Pa)に排気したのち、放電ガス(例えば、He−Xe系、Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封入することによってPDP1を作製する。
【0030】
ここで、PDP1は大画面であると同時に、表示電極6、遮光層7、アドレス電極12、隔壁14などの、PDP1の構造物には形状および位置に対する精度が要求されるため、これらPDP1の構造物の形成方法としては、フォトリソグラフィ法が多く用いられている。そこで、本発明によるPDPの製造方法におけるフォトリソグラフィ法について、アドレス電極12の形成を例として、本発明の特徴的な点である、露光での工程の流れを中心に、図を用いて説明する。
【0031】
図2は、アドレス電極12を形成する際の工程の概略の流れを示す図である。
【0032】
まず図2(a)に示すように、感光性Agペーストを用い、スクリーン印刷法等により均一に塗布することで、露光対象物である感光性Agペースト膜21を形成する。
【0033】
次に図2(b)に示すように、アドレス電極12をフォトリソグラフィ法により得るための露光パターンを備えるフォトマスク22を、所定の位置に位置合わせして設置する。ここで、感光性Agペースト膜21とフォトマスク22との間隔(図2中、Aで示す。また、以下、露光ギャップAと記す)は、少なくとも600μmとする。また、図2(b)中では、フォトマスク22のハッチングのない部分が開口部であり露光部22aとなる。また、本発明の効果を説明するために、フォトマスク22にはダスト22bが付着した状態を示している。
【0034】
この状態で、図2(c)に示すように、感光性Agペースト膜21に対する露光を行う。具体的には、超高圧水銀ランプによる紫外線23を照射する。
【0035】
ここで、フォトマスク22の開口部22aにダスト22bが付着していると、図2(c)に示すように、ダスト22bにより、感光性Agペースト膜21上に到達する紫外線23の一部が遮られるため、感光性Agペースト膜21上の対応する領域が影21aとなり未感光となってしまい、その領域の感光性Agペースト膜21の架橋反応は行われない。その結果、その後に行う現像時に溶解してしまい、パターンの「抜け」となりアドレス電極12における断線発生の要因となる場合がある。
【0036】
しかしながら、本発明者が行った検討によれば、フォトマスク22の開口部22aにダスト22bが付着している場合であっても、露光ギャップを600μm以上として露光を行えば、感光性Agペースト膜21に対してフォトリソグラフィ法により形成するアドレス電極12には、断線に至る重大なパターン欠陥の発生を大幅に抑制でき、良好にパターニングできることを確認した。
【0037】
これは、以下の理由によるものと考えられる。
【0038】
フォトリソグラフィ法における露光においては、フォトマスク22の開口部22aから感光性Agペースト膜21に向けて進行する紫外線は、広がり角度(コリメーション半角)を持つことから、ダスト22bのエッジからの紫外線23も、広がり角度を持つ。したがって、図2(d)に示すように、ダスト22bが感光性Agペースト膜21上に投影されることによって形成される影21aの大きさは、露光ギャップAが拡がるにつれて小さくなり、図2(e)に示すように、あるギャップ以上では影はなくなるものと考えられる。その結果、感光性Agペースト膜21にはダスト22bによる未感光の領域は発生せず、良好にパターニングできるものと考えられる。
【0039】
もしくは、紫外線23の露光に対する感光性Agペースト膜21の架橋反応は、図3(a)での感光性Agペースト膜21中の破線21bで示すように、膜厚方向と、それに対して同等程度に面方向にも拡がるものと考えられるため、影をなくす程度までにまで露光ギャップAを拡げなくとも、例えば図3(b)に示すように、影21aの大きさが、Agペースト膜21の膜厚以下程度となるぐらいに露光ギャップAを設定することで、図3(c)に、図3(b)中のB部の拡大図を示すように、紫外線23の露光に対する感光性Agペースト膜21の架橋反応の面方向への拡がり21bにより、直接、露光されない影21aの領域も架橋反応が進行するものと考えられる。この結果、感光性Agペースト膜21には、ダスト22bによる未架橋反応の領域は発生せず、良好にパターニングできるものと考えられる。
【0040】
ここで、上述の影21aは、ダスト22bの大きさに依るものであることから、上述したような作用を得るためには、露光ギャップAはダスト22bの大きさに応じて設定する必要があるが、PDPの製造工程は、所定のクリーン度の、ダスト管理された環境下で行われることから、フォトマスク22に付着するダスト22bの大きさは、上限のある、限られたものであり、影21aの大きさも、ある大きさ以下にしかならないと考えられる。
【0041】
したがって、露光ギャップAは、あるギャップ大きさ以上であれば十分であると考えられ、それが、本発明者らが検討することで確認した、600μmであると考えられる。
【0042】
ここで、露光ギャップが600μm以上であっても、ダスト22bにより発生する影21aによる露光不良の対策としての効果は同様に得られるが、先に述べたように、露光パターンの拡大により、例えばエッジ部では「パターンぼけ」といったパターン精度への悪影響が発生するので、露光ギャップは必要以上に拡げる必要はない。
【0043】
また、上述の600μmという露光ギャップの値は、PDPの製造において行われるフォトリソグラフィ法での、一般的なクリーン度の環境下において、実験的に得られた値であり、その作用は上述のようであると考えられることから、クリーン度のレベルが大きく異なり、フォトマスクに付着すると考えられるダストの最大大きさも異なると考えられる場合には、それに応じて「影」の大きさも変化すると考えられるので、露光ギャップの大きさも変化させることが必要であるのは当然である。そして、その際の露光ギャップを決定するための考え方は、先に述べた考え方と同様である。
【0044】
また、上述から、図4に示すように、フォトマスク22の開口部22aの、感光性Agペースト膜21上への露光パターンも同様に拡大されて露光されてしまうことから、フォトマスク22の開口部22aの開口幅は、感光性Agペースト膜21上に露光すべきアドレス電極12のパターン大きさに対して、その拡大される分を見込んで、予め小さく設計することが好ましい。
【0045】
そして以上のようにして、アドレス電極12のパターンを露光した感光性Agペースト膜21に対して、現像を行うことで、感光性Agペースト膜21をアドレス電極12のパターンとし、それを焼成することでアドレス電極12が完成する。
【0046】
なお、以上はアドレス電極12を例として説明したが、表示電極6、遮光層7、アドレス電極11、隔壁14など、フォトリソグラフィ法を用いて形成されるPDP1の構造物に対しても同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フォトリソグラフィ法によりPDPの構造物の形成を行うPDPの製造方法において、フォトマスクに付着したダストが原因である、PDPの構造物への欠陥の発生を抑制することができるプラズマディスプレイパネルの製造方法を実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法により製造される、PDPの概略構成の一例を示す断面斜視図
【図2】アドレス電極12を形成する際の工程の概略の流れを示す図
【図3】露光による架橋反応の進行状態の概略を説明するための断面図
【図4】露光パターンが拡大される状態の概略を説明するための断面図
【符号の説明】
11 基板
21 感光性Agペースト膜
21a 影
22 フォトマスク
22a 露光部
22b ダスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)の構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させることにより画像表示を行っている。
【0003】
PDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型とがあり、放電形式では面放電型と対向放電型とがあるが、高精細化、大画面化および構造の簡素性に伴う製造の簡便性から、現状では、3電極構造の面放電型のPDPが主流である。その構造は、ガラス等の基板上に、走査電極と維持電極とからなる表示電極と、それを覆う誘電体層と、さらにそれを覆う保護層とを有する前面板と、表示電極に対して直交する複数のアドレス電極と、それを覆う誘電体層と、誘電体層上の隔壁とを有する背面板とを対向配置させることにより、表示電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成し、且つ放電セル内に蛍光体層を備えたものである。
【0004】
このようなPDPは、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
【0005】
以上の構成においては、表示電極および/またはアドレス電極のような電極には、その形状および配設ピッチに精度が要求されることから、例えば、金属材料等のような導電性材料に、感光性材料を含有させた材料を基板全面に塗布し、それを電極パターンを備えたフォトマスクにより露光し、その後、それを現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法によってパターニングすることで、所定の位置に所定形状の電極を形成する(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
2001 FPDテクノロジー大全、株式会社電子ジャーナル、2000年10月25日、p589−594、p601−p603、p604−p607
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような、フォトリソグラフィ法においては、フォトマスクの露光部にダスト等が付着していると、その部分に対応する感光性材料が感光せず、重合されないことから現像時に溶解してしまい、「抜け」となり、電極における断線発生の要因となっていた。
【0008】
電極に断線が発生すると、断線発生箇所より給電方向下流側の画素に電力を供給することができず、PDPにおいては画像表示に支障が生じるため、致命的な欠陥となる。
【0009】
以上は、電極の例であるが、PDPにおいては、大画面であるにも関わらず、その構造物には精度を要求されることから、電極以外の、例えば隔壁などの形成にも、同様にフォトリソグラフィ法が用いられる場合があり、そのような場合にも、上記と同様、画像表示に支障が生じる場合がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、フォトリソグラフィ法によりPDPの構造物の形成を行うPDPの製造方法において、フォトマスクに付着したダスト等により、PDPの構造物に欠陥が発生することを抑制することができるPDPの製造方法を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイの製造方法は、フォトリソグラフィ法によってプラズマディスプレイパネルの構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、露光は、フォトマスクに付着しているダストが露光対象物上に投影されることによって形成される影の大きさが、露光対象物の厚み以下となるように、露光対象物とフォトマスクとの間隔を設定して行うことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、フォトリソグラフィ法によってプラズマディスプレイパネルの構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、露光は、フォトマスクに付着しているダストが露光対象物上に投影されることによって形成される影の大きさが、露光対象物の厚み以下となるように、露光対象物とフォトマスクとの間隔を設定して行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、露光対象物とフォトマスクとの間隔が、600μm以上であることを特徴とするものである。
【0014】
以下、本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法について、図を用いて説明する。
【0015】
まず、PDPの構造の一例について説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法により製造される、PDPの概略構成の一例を示す断面斜視図である。
【0016】
PDP1の前面板2は、前面側の、例えばフロート法により得られたガラスのような、平滑、透明且つ絶縁性の基板3の一主面上に形成した、走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6と、隣接する表示電極6間に設けた遮光層7と、表示電極6と遮光層7とを覆う誘電体層8と、さらにその誘電体層8を覆う、例えばMgOによる保護層9とを有する構造である。走査電極4と維持電極5は、電気抵抗の低減を目的として、透明電極4a、5aに金属材料のような良導電性材料によるバス電極4b、5bを積層した構造である。また、遮光層7は、非発光時に蛍光体層(後述)からの白色を遮蔽し、コントラストを向上させるためのものである。
【0017】
背面板10は、背面側の、例えばフロート法により得られたガラスのような、平滑、且つ絶縁性の基板11の一主面上に形成したアドレス電極12と、そのアドレス電極12を覆う誘電体層13と、誘電体層13上の、隣り合うアドレス電極12の間に相当する場所に位置する隔壁14と、隔壁14間の蛍光体層15R、15G、15Bとを有する構造である。
【0018】
そして、前面板2と背面板10とは、隔壁14を挟んで、表示電極6とアドレス電極12とが直交するように対向し、周囲を封着部材により封止した構成であり、前面板2と背面板9との間に形成された放電空間16には、例えばNe−Xe5%の放電ガスを66.5kPa(500Torr)の圧力で封入している。
【0019】
そして、放電空間16の表示電極6とアドレス電極12との交差部が放電セル17(単位発光領域)として動作する。
【0020】
次に、上述した構造のPDP1について、その製造方法を同じく図1を参照しながら説明する。
【0021】
前面板2は、基板3上にまず、走査電極4および維持電極5を例えばストライプ状に形成する。具体的には、基板3上に透明電極4a、5aの材料、例えばITOによる膜を、例えば電子ビーム蒸着法により形成し、さらにその上にレジストを、透明電極4a、5aのパターンとして残るようにパターニングして形成した後、エッチングにより透明電極4a、5aの材料による膜をエッチングし、その後、レジストを剥離することで、透明電極4a、5aを形成する。なお、透明電極材料としてはSnO2等も用いることができる。そして、上述のようにして形成した透明電極4a、5aの上にバス電極4b、5bを形成する。具体的には、黒色顔料、ガラスフリット(PbO−B2O3−SiO2系やBi2O3−B2O3−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を含む感光性黒色ペーストを用いスクリーン印刷法等によりガラス基板上に黒色電極膜を成膜した後、乾燥し、引き続き、スクリーン印刷法等により黒色電極膜の上にAgを材料に含有する導電性材料、ガラスフリット(PbO−B2O3−SiO2系やBi2O3−B2O3−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を含む感光性Agペーストを用いて金属電極膜を成膜し、再度、乾燥する。そしてその後、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、焼成することで、バス電極4b、5bを形成することができる。以上により、走査電極4および維持電極5からなる表示電極6を形成することができる。
【0022】
次に、遮光層7を形成する。これは、感光性黒色ペーストをスクリーン印刷法等により成膜した後、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、焼成することで形成することができる。なお、遮光層7は、バス電極4b、5bの下地黒色層と同時に形成してもよい。また、黒色であるならペーストを用いた形成方法でなくとも良い。また、バス電極4b、5b形成の前に形成しても良い。
【0023】
次に、以上のようにして形成した表示電極6と遮光層7とを、誘電体層8で被覆する。誘電体層8は、鉛系のガラス材料を含むペーストを例えばスクリーン印刷で塗布した後、所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。上記鉛系のガラス材料を含むペーストとしては、例えば、PbO(70wt%)、B2O3(15wt%)、SiO2(10wt%)、およびAl2O3(5wt%)と有機バインダ(例えば、α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルローズ以外に樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども使用することができる。さらに、こうした有機バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入させてもよい。また、ペーストを用いてスクリーン印刷する代わりに、成型されたフィルム状の誘電体前駆体をラミネートして焼成することによって形成しても良い。
【0024】
次に、以上のようにして形成した誘電体層8を、保護層9で被覆する。保護層9は、例えばMgOからなるものであり、蒸着やスパッタなどの成膜プロセスにより、層が所定の厚み(約0.5μm)となるように形成する。
【0025】
一方、背面板10は、基板11上に、アドレス電極12をストライプ状に形成する。具体的には、基板11上に、アドレス電極12の材料、例えば感光性Agペーストを用い、スクリーン印刷法等により膜を形成し、その後、フォトリソグラフィ法などによってパターニングし、焼成することで形成することができる。
【0026】
次に、以上のようにして形成したアドレス電極12を、誘電体層13により被覆する。誘電体層13は、例えば、鉛系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷で塗布した後、所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。また、ペーストをスクリーン印刷する代わりに、成型されたフィルム状の下地誘電体層前駆体をラミネートして焼成することによって形成しても良い。
【0027】
次に、隔壁14を例えばストライプ状に形成する。隔壁14は、Al2O3等の骨材とガラスフリットとを主剤とする感光性ペーストを印刷法やダイコート法等により成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングし、焼成することで形成することができる。または、例えば、鉛系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後、焼成することによって形成してもよい。ここで、隔壁14の間隙の寸法は、例えば32インチ〜50インチのHD−TVの場合、130μm〜240μm程度である。
【0028】
そして、隔壁14と隔壁14との間の溝には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光体粒子により構成される蛍光体層15R、15G、15Bを形成する。これは、各色の蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗布し、これを400〜590℃の温度で焼成して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層15R、15G、15Bとして形成する。
【0029】
以上のようにして作製した前面板2と背面板10とを、前面板2の表示電極6と背面板10のアドレス電極12とが直交するように重ね合わせるとともに、周縁に封着用ガラス等の封着部材を介挿し、これを例えば450℃程度で10〜20分間焼成して形成した気密シール層(図示せず)により封着する。そして、一旦、放電空間16内を高真空(例えば、1.1×10−4Pa)に排気したのち、放電ガス(例えば、He−Xe系、Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封入することによってPDP1を作製する。
【0030】
ここで、PDP1は大画面であると同時に、表示電極6、遮光層7、アドレス電極12、隔壁14などの、PDP1の構造物には形状および位置に対する精度が要求されるため、これらPDP1の構造物の形成方法としては、フォトリソグラフィ法が多く用いられている。そこで、本発明によるPDPの製造方法におけるフォトリソグラフィ法について、アドレス電極12の形成を例として、本発明の特徴的な点である、露光での工程の流れを中心に、図を用いて説明する。
【0031】
図2は、アドレス電極12を形成する際の工程の概略の流れを示す図である。
【0032】
まず図2(a)に示すように、感光性Agペーストを用い、スクリーン印刷法等により均一に塗布することで、露光対象物である感光性Agペースト膜21を形成する。
【0033】
次に図2(b)に示すように、アドレス電極12をフォトリソグラフィ法により得るための露光パターンを備えるフォトマスク22を、所定の位置に位置合わせして設置する。ここで、感光性Agペースト膜21とフォトマスク22との間隔(図2中、Aで示す。また、以下、露光ギャップAと記す)は、少なくとも600μmとする。また、図2(b)中では、フォトマスク22のハッチングのない部分が開口部であり露光部22aとなる。また、本発明の効果を説明するために、フォトマスク22にはダスト22bが付着した状態を示している。
【0034】
この状態で、図2(c)に示すように、感光性Agペースト膜21に対する露光を行う。具体的には、超高圧水銀ランプによる紫外線23を照射する。
【0035】
ここで、フォトマスク22の開口部22aにダスト22bが付着していると、図2(c)に示すように、ダスト22bにより、感光性Agペースト膜21上に到達する紫外線23の一部が遮られるため、感光性Agペースト膜21上の対応する領域が影21aとなり未感光となってしまい、その領域の感光性Agペースト膜21の架橋反応は行われない。その結果、その後に行う現像時に溶解してしまい、パターンの「抜け」となりアドレス電極12における断線発生の要因となる場合がある。
【0036】
しかしながら、本発明者が行った検討によれば、フォトマスク22の開口部22aにダスト22bが付着している場合であっても、露光ギャップを600μm以上として露光を行えば、感光性Agペースト膜21に対してフォトリソグラフィ法により形成するアドレス電極12には、断線に至る重大なパターン欠陥の発生を大幅に抑制でき、良好にパターニングできることを確認した。
【0037】
これは、以下の理由によるものと考えられる。
【0038】
フォトリソグラフィ法における露光においては、フォトマスク22の開口部22aから感光性Agペースト膜21に向けて進行する紫外線は、広がり角度(コリメーション半角)を持つことから、ダスト22bのエッジからの紫外線23も、広がり角度を持つ。したがって、図2(d)に示すように、ダスト22bが感光性Agペースト膜21上に投影されることによって形成される影21aの大きさは、露光ギャップAが拡がるにつれて小さくなり、図2(e)に示すように、あるギャップ以上では影はなくなるものと考えられる。その結果、感光性Agペースト膜21にはダスト22bによる未感光の領域は発生せず、良好にパターニングできるものと考えられる。
【0039】
もしくは、紫外線23の露光に対する感光性Agペースト膜21の架橋反応は、図3(a)での感光性Agペースト膜21中の破線21bで示すように、膜厚方向と、それに対して同等程度に面方向にも拡がるものと考えられるため、影をなくす程度までにまで露光ギャップAを拡げなくとも、例えば図3(b)に示すように、影21aの大きさが、Agペースト膜21の膜厚以下程度となるぐらいに露光ギャップAを設定することで、図3(c)に、図3(b)中のB部の拡大図を示すように、紫外線23の露光に対する感光性Agペースト膜21の架橋反応の面方向への拡がり21bにより、直接、露光されない影21aの領域も架橋反応が進行するものと考えられる。この結果、感光性Agペースト膜21には、ダスト22bによる未架橋反応の領域は発生せず、良好にパターニングできるものと考えられる。
【0040】
ここで、上述の影21aは、ダスト22bの大きさに依るものであることから、上述したような作用を得るためには、露光ギャップAはダスト22bの大きさに応じて設定する必要があるが、PDPの製造工程は、所定のクリーン度の、ダスト管理された環境下で行われることから、フォトマスク22に付着するダスト22bの大きさは、上限のある、限られたものであり、影21aの大きさも、ある大きさ以下にしかならないと考えられる。
【0041】
したがって、露光ギャップAは、あるギャップ大きさ以上であれば十分であると考えられ、それが、本発明者らが検討することで確認した、600μmであると考えられる。
【0042】
ここで、露光ギャップが600μm以上であっても、ダスト22bにより発生する影21aによる露光不良の対策としての効果は同様に得られるが、先に述べたように、露光パターンの拡大により、例えばエッジ部では「パターンぼけ」といったパターン精度への悪影響が発生するので、露光ギャップは必要以上に拡げる必要はない。
【0043】
また、上述の600μmという露光ギャップの値は、PDPの製造において行われるフォトリソグラフィ法での、一般的なクリーン度の環境下において、実験的に得られた値であり、その作用は上述のようであると考えられることから、クリーン度のレベルが大きく異なり、フォトマスクに付着すると考えられるダストの最大大きさも異なると考えられる場合には、それに応じて「影」の大きさも変化すると考えられるので、露光ギャップの大きさも変化させることが必要であるのは当然である。そして、その際の露光ギャップを決定するための考え方は、先に述べた考え方と同様である。
【0044】
また、上述から、図4に示すように、フォトマスク22の開口部22aの、感光性Agペースト膜21上への露光パターンも同様に拡大されて露光されてしまうことから、フォトマスク22の開口部22aの開口幅は、感光性Agペースト膜21上に露光すべきアドレス電極12のパターン大きさに対して、その拡大される分を見込んで、予め小さく設計することが好ましい。
【0045】
そして以上のようにして、アドレス電極12のパターンを露光した感光性Agペースト膜21に対して、現像を行うことで、感光性Agペースト膜21をアドレス電極12のパターンとし、それを焼成することでアドレス電極12が完成する。
【0046】
なお、以上はアドレス電極12を例として説明したが、表示電極6、遮光層7、アドレス電極11、隔壁14など、フォトリソグラフィ法を用いて形成されるPDP1の構造物に対しても同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フォトリソグラフィ法によりPDPの構造物の形成を行うPDPの製造方法において、フォトマスクに付着したダストが原因である、PDPの構造物への欠陥の発生を抑制することができるプラズマディスプレイパネルの製造方法を実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法により製造される、PDPの概略構成の一例を示す断面斜視図
【図2】アドレス電極12を形成する際の工程の概略の流れを示す図
【図3】露光による架橋反応の進行状態の概略を説明するための断面図
【図4】露光パターンが拡大される状態の概略を説明するための断面図
【符号の説明】
11 基板
21 感光性Agペースト膜
21a 影
22 フォトマスク
22a 露光部
22b ダスト
Claims (2)
- フォトリソグラフィ法によってプラズマディスプレイパネルの構造物の形成を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、露光は、フォトマスクに付着しているダストが露光対象物上に投影されることによって形成される影の大きさが、露光対象物の厚み以下となるように、露光対象物とフォトマスクとの間隔を設定して行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 露光対象物とフォトマスクとの間隔が、600μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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